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JP5297669B2 - 化学蓄熱材複合体及びその製造方法 - Google Patents

化学蓄熱材複合体及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、化学蓄熱材を含む化学蓄熱材複合体及びその製造方法に関する。
従来から、化学蓄熱を利用する化学蓄熱材及びそれを用いた化学蓄熱システムが知られている。
例えば、特許文献1では、0.3〜4mmの範囲の結晶性の石灰石を850〜1100℃の範囲で所定時間加熱した後、500〜600℃の範囲で所定時間加熱することにより、多数の気孔を生成した生石灰を得る化学蓄熱材及びその製造方法が開示されている。
また、特許文献2では、多孔性カプセル内に粉体化学蓄熱材を収容した蓄熱装置が開示されている。また、特許文献3では、耐熱性多孔質体の筒状体内に粉体化学蓄熱材を充填してなる化学蓄熱カプセルが開示されている。
特開平1−225686号公報 特公平6−80395号公報 特公平6−80394号公報
しかしながら、特許文献1に示される気孔が形成された生石灰を粉体のまま化学蓄熱材として用いた場合、作動中における水和反応及び脱水反応の繰り返しにより、粉体の化学蓄熱材は、体積の膨張及び収縮を繰り返す。そのため、他の粉体と接触して擦れ合うことにより微粉化してしまい、蓄熱システムとしての反応性が低下するという問題があった。
また、特許文献2及び特許文献3に示す蓄熱システムでは、粉体の微粉化を抑制することができるものの、カプセル封入又は筒状体封入による熱伝導抵抗の増加や伝熱経路の複雑化により、化学蓄熱材の発熱反応による熱を効率よく取り出すことができず、さらに蓄熱反応による熱を効率よく供給することができないという問題があった。
本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので、化学蓄熱材の微粉化を抑制すると共に熱伝導経路を確保し、さらには構造強度の向上を図ることができる化学蓄熱材複合体及びその製造方法を提供しようとするものである。
第1の発明は、粉体の化学蓄熱材に粘土鉱物及び構造強度向上材を混合して焼成してなり、
上記構造強度向上材は、水酸化アルミニウム、硝酸アルミニウム、燐酸アルミニウム及びベーマイトから選ばれる1種以上を含有することを特徴とする化学蓄熱材複合体にある(請求項1)。
本発明の化学蓄熱材複合体は、粉体の化学蓄熱材に粘土鉱物及び構造強度向上材を混合して焼成されたものである。そのため、上記化学蓄熱材複合体は、いわば上記粘土鉱物及び上記構造強度向上材の骨格中に粉体の上記化学蓄熱材を分散保持して組織化・構造化されたものとなる。これにより、次のような種々の作用効果が期待できる。
すなわち、上記化学蓄熱材の粉体間には、上記粘土鉱物等の存在によって隙間が形成される。よって、蓄熱・放熱の繰り返しによる上記化学蓄熱材の擦れ合い及びこれに伴う微粉化を抑制することができる。
また、上記隙間により、蓄熱・放熱に伴う反応物・反応生成物の導入排出経路を充分に確保することができる。よって、蓄熱・放熱に伴う反応物・反応生成物の上記化学蓄熱材複合体内における移動(拡散)阻害を抑制することができる。
また、上記化学蓄熱材複合体は、上記化学蓄熱材を取り囲む上記粘土鉱物及び上記構造強度向上材により、強度が高く、安定した構造を有する多孔質構造体となる。特に、本発明では、上記のごとく、上記粘土鉱物に加えてさらに上記構造強度向上材を有することで、該構造強度向上材が上記粘土鉱物により上記化学蓄熱材を取り囲む構造を強固に安定化する、あるいは上記構造強度向上材自体が上記粘土鉱物と共に上記化学蓄熱材を取り囲んで強固で安定した構造を形成することにより、上記化学蓄熱材複合体全体の構造強度をより一層高いものとすることができる。
このように、本発明によれば、化学蓄熱材の微粉化を抑制すると共に熱伝導経路を確保し、さらには構造強度の向上を図ることができる化学蓄熱材複合体を提供することができる。
第2の発明は、粉体の化学蓄熱材、粘土鉱物及び構造強度向上材を混合して蓄熱材混合物を得る混合工程と、
上記蓄熱材混合物を焼成して化学蓄熱材複合体を得る焼成工程とを有し、
上記構造強度向上材は、水酸化アルミニウム、硝酸アルミニウム、燐酸アルミニウム及びベーマイトから選ばれるいずれか1種以上を含有することを特徴とする化学蓄熱材複合体の製造方法にある(請求項15)。
本発明の製造方法では、上記混合工程において粉体の化学蓄熱材、粘土鉱物及び構造強度向上材を混合して蓄熱材混合物を作製し、上記焼成工程において上記蓄熱材混合物を焼成することによって化学蓄熱材複合体を得る。そのため、得られる上記化学蓄熱材複合体は、いわば上記粘土鉱物及び上記構造強度向上材の骨格中に粉体の上記化学蓄熱材を分散保持して組織化・構造化されたものとなる。これにより、本発明の製造方法によれば、上述したごとく、化学蓄熱材の微粉化を抑制すると共に熱伝導経路を確保し、さらには構造強度の向上を図ることができる化学蓄熱材複合体を得ることができる。
また、上記混合工程では、上記粘土鉱物の揺変性(チキソトロピ)により、水分と共に撹拌することで増粘効果を得ることができる。そのため、上記化学蓄熱材をベースとした構造体をより高精度、高密度な状態で形成することができる。これにより、得られる上記化学蓄熱材複合体は、高精度、高密度であり、熱抵抗が低いものとなるという効果も得られる。
上記第1及び第2の発明において、上記粘土鉱物は、層リボン構造を有する粘土鉱物であることが好ましい(請求項2、17)。
この場合には、上記粘土鉱物は、多孔質で比表面積が大きい繊維状形態を有する。そのため、上記粘土鉱物の繊維質、多孔性、可塑性等の性質により、上記化学蓄熱材を良好に組織化・構造化させることができる。
また、上記層リボン構造を有する粘土鉱物としては、例えば、セピオライト及び/又はパリゴルスカイトを用いることができる(請求項3、18)。
また、上記粘土鉱物が多孔質であり、比表面積が大きい場合には、該粘土鉱物の吸着性により、蓄熱・放熱反応時に存在する余剰な反応物、例えば水蒸気等を上記粘土鉱物内に吸着することができる。そのため、例えば、上記化学蓄熱材複合体を用いた蓄熱システムが停止されている低温状態の場合に、上記化学蓄熱材が吸水して上記化学蓄熱材複合体内で液水化することを防止することができる。これにより、上記化学蓄熱材と液水との反応によるシンタリングを抑制することができる。
また、上記粘土鉱物としては、上記の層リボン構造を有するもの以外に、ベントナイトを用いることができる(請求項4、19)。
この場合には、上記粘土鉱物の接着力が強くなるため、上記化学蓄熱材を良好に組織化・構造化させることができる。
また、上記粘土鉱物は、上記化学蓄熱材の粒子径よりも小さい径の繊維状を呈していることが好ましい(請求項5、20)。
この場合には、上記化学蓄熱材をそれよりも小さい径の繊維状の上記粘土鉱物によって取り囲むため、少量の該粘土鉱物を用いて上記化学蓄熱材の組織化・構造化を実現することが可能である。そのため、上記化学蓄熱材複合体は、上記化学蓄熱材間に隙間が形成された多孔質構造体を少量の上記粘土鉱物で補強したものとなる。これにより、上記化学蓄熱材複合体における質量当たり、体積当たりの上記化学蓄熱材の占有率を大きくすることができる。すなわち、蓄熱容量の大きい上記化学蓄熱材複合体となる。さらに、上記化学蓄熱材複合体は、上記化学蓄熱材自体が主要構造を成しているため、伝熱経路が単純であり、蓄熱効率、蓄熱した熱の利用効率が高いものとなる。
また、上記構造強度向上材は、焼成後に多孔質となる材料であることが好ましい(請求項6、21)。
この場合には、上記化学蓄熱材複合体は、上記構造強度向上材の多孔性により、蓄熱・放熱に伴う反応物・反応生成物の導入排出経路をより一層充分に確保することができる。よって、上記化学蓄熱材複合体は、蓄熱・放熱に伴う反応物・反応生成物の上記化学蓄熱材複合体内における移動(拡散)阻害をさらに抑制することができ、伝熱性能に優れたものとなる。
また、上記構造強度向上材は、Alを含有することが好ましい
この場合には、上記構造強度向上材のAl成分が上記化学蓄熱材の成分(アルカリ土類金属元素(Ca等))や上記粘土鉱物の成分(Si等)と適度に反応することによって、−Al−O−Ca−、−Al−O−Si−等が形成され、上記化学蓄熱材複合体の構造強度をさらに向上させることができる。
また、Alを含有する上記構造強度向上材としては、例えば、水酸化アルミニウム、硝酸アルミニウム、燐酸アルミニウム及びベーマイトから選ばれる1種以上を含有するものを用いることができる
また、上記化学蓄熱材は、脱水反応に伴って吸熱し、水和反応に伴って放熱する水和反応系化学蓄熱材であることが好ましい(請求項7、22)。
また、上記化学蓄熱材は、脱水反応に伴って酸化され、水和反応に伴って水酸化される水和反応系化学蓄熱材であることが好ましい(請求項8、24)。
いずれの場合にも、上記化学蓄熱材複合体は、水和反応及び脱水(逆水和)反応によって蓄熱・放熱を良好に行うことができ、蓄熱システムとしての性能を高めることができる。なお、水和反応及び脱水反応に伴って上記化学蓄熱材の体積が膨張及び収縮を繰り返すが、上記化学蓄熱材の組織化・構造化によって上記化学蓄熱材の微粉化を充分に抑制することができる。
また、上記化学蓄熱材は、水酸化物であることが好ましい(請求項9、26)。
この場合には、上記化学蓄熱材と上記粘土鉱物及び上記構造強度向上材とを混合する際に、上記化学蓄熱材として炭酸化合物を用いた場合に混合・増粘用のバインダとして使用することができなかった水を使用することができる。これにより、上記化学蓄熱材複合体の成形性を高めることができる。また、上記化学蓄熱材として炭酸化合物を用いた場合に必要であった脱炭酸工程時における1000℃近辺の高温焼成が不要となる。これにより、焼成温度を低くすることができ、使用材料や工程の自由度を高めることができる。
なお、焼成してなる上記化学蓄熱材複合体においては、上記化学蓄熱材は、酸化物の状態で存在している。
また、上記化学蓄熱材は、無機化合物であることが好ましい(請求項10、27)。
この場合には、上記化学蓄熱材の蓄熱・放熱反応(水和・脱水反応)に対する材料安定性が高くなる。そのため、上記化学蓄熱材複合体は、長期間に渡って安定した蓄熱効果を得ることができる。
また、上記化学蓄熱材は、ニッケル化合物、アルミニウム化合物、コバルト化合物、銅化合物及びアルカリ土類金属化合物から選ばれる1種以上の化合物からなることが好ましく(請求項11、28)、その中でもアルカリ土類金属化合物がより好ましい。
この場合には、上記化学蓄熱材の蓄熱・放熱反応(水和・脱水反応)に対する材料安定性が高くなる。そのため、上記化学蓄熱材複合体は、長期間に渡って安定した蓄熱効果を得ることができる。また、上記化学蓄熱材として環境負荷の小さい安全な材料を用いることにより、製造、使用、リサイクル等を含めた安全性の確保が容易になる。
また、上記化学蓄熱材は、水酸化ニッケル、水酸化アルミニウム、水酸化コバルト、水酸化銅、水酸化バリウム、水酸化カルシウム及び水酸化マグネシウムから選ばれる1種以上の化合物からなることが好ましく(請求項12、29)、その中でも水酸化カルシウム及び水酸化マグネシウムがより好ましく、水酸化カルシウムがさらに好ましい。
この場合には、上記化学蓄熱材の蓄熱・放熱反応(水和・脱水反応)に対する材料安定性をより一層高めることができ、上記化学蓄熱材複合体の蓄熱効果を長期間に渡って安定して維持することができる。
なお、上記化学蓄熱材としては、上記以外にも、水酸化リチウム等を用いることもできる。
また、上記化学蓄熱材複合体100質量%に対する上記粘土鉱物及び上記構造強度向上材の合計含有量が0.1〜20質量%であることが好ましい(請求項13、30)。
この場合には、上記粘土鉱物及び上記構造強度向上材により、上記化学蓄熱材複合体の構造強度を充分に向上させることができる。
上記粘土鉱物及び上記構造強度向上材の合計含有量が0.1質量%未満の場合には、上記化学蓄熱材複合体の構造強度を充分に向上させることができないおそれがある。一方、20質量%を超える場合には、上記化学蓄熱材複合体における蓄熱システムとしての効果が低下するおそれがある。
また、上記化学蓄熱材複合体は、350〜500℃の温度で焼成してなることが好ましい(請求項14、31)。
この場合には、上記粘土鉱物の結晶化と上記化学蓄熱材の脱水反応とを同時に進行させることができる。これにより、多孔質構造体として形成される上記化学蓄熱材複合体の上記化学蓄熱材の構造化と比表面積の増加とを同時に達成することができる。
なお、上記焼成温度は、上記化学蓄熱材の脱水温度に近いことが好ましく、このような組み合わせとして、例えば、セピオライト(焼成温度:350℃以上)とアルカリ土類金属化合物(脱水温度:400〜450℃)との組み合わせを挙げることができる。
また、上記焼成工程では、例えば、上記蓄熱混合物を所定の形状に成形して成形体を得た後、その成形体を焼成することができる。
上記第2の発明において、上記混合工程は、上記粘土鉱物と上記構造強度向上材とを混合して添加混合物を得る第1混合工程と、
上記化学蓄熱材に上記添加混合物を混合して上記蓄熱材混合物を得る第2混合工程とを含むことが好ましい(請求項16)。
この場合には、粉体の上記化学蓄熱材を上記粘土鉱物及び上記構造強度向上材でしっかりと取り囲むことができ、上記化学蓄熱材を良好に組織化・構造化させることができる。
また、混合工程(第2混合工程)では、水和状態の上記化学蓄熱材に上記粘土鉱物及び上記構造強度向上材(添加混合物)を混合することが好ましい(請求項23)。
また、混合工程(第2混合工程)では、水酸化物状態の上記化学蓄熱材に上記粘土鉱物及び上記構造強度向上材(添加混合物)を混合することが好ましい(請求項25)。
いずれの場合にも、脱水状態の上記化学蓄熱材を用いた場合のように、該化学蓄熱材と水とが反応することがない。そのため、上記化学蓄熱材に上記粘土鉱物及び上記構造強度向上材(添加混合物)を混合する際に、バインダとして水の使用が可能となり、上記の工程を容易に行うことができる。
(実施例1)
本発明の実施例にかかる化学蓄熱材複合体及びその製造方法について、図を用いて説明する。
本例の化学蓄熱材複合体1は、図1に示すごとく、粉体の化学蓄熱材11に粘土鉱物12及び構造強度向上材13を混合して焼成してなるものである。
なお、図1は、化学蓄熱材11、粘土鉱物12及び構造強度向上材13の関係を模式的に表したものである。
具体的には、同図に示すごとく、化学蓄熱材複合体1は、多数の化学蓄熱材11が組織化・構造化されたものであって、化学蓄熱材11間には隙間(細孔)が形成されている。したがって、本例の化学蓄熱材複合体1は、多孔質構造体(多孔体)として把握されるものである。
また、同図に示すごとく、化学蓄熱材複合体1は、多数の化学蓄熱材11に粘土鉱物12と構造強度向上材13とが絡まるように取り囲んでいる。すなわち、化学蓄熱材複合体1は、多孔質の粘土鉱物12及び構造強度向上材13の骨格中に化学蓄熱材11が分散保持された構造として把握される。そして、化学蓄熱材複合体1は、多数の化学蓄熱材11間に細孔が形成された多孔質構造体としての構造が粘土鉱物12及び構造強度向上材13によって保持(補強)されるようになっている。
本例では、化学蓄熱材11は、水酸化カルシウム(Ca(OH)2)であり、脱水に伴って蓄熱(吸熱)し、水和(水酸化カルシウムへの復原)に伴って放熱(発熱)する。すなわち、化学蓄熱材11は、以下に示す反応で蓄熱・放熱を可逆的に繰り返す。
Ca(OH)2⇔CaO+H2
さらに、上記の式に蓄熱量、発熱量Qを併せて示すと、以下のようになる。
Ca(OH)2+Q→CaO+H2
CaO+H2O→Ca(OH)2+Q
なお、図1に示される化学蓄熱材11は、焼成後の状態である。そのため、化学蓄熱材11としての水酸化カルシウム(Ca(OH)2)は、酸化カルシウム(CaO)として存在している。
また、粘土鉱物12は、層リボン構造を有する粘土鉱物であるセピオライトであり、具体的には、輝石に似た単鎖が複数本結合して四面体リボンを形成してなる粘土鉱物の1つである。セピオライトは、例えば、Mg8Si1230(OH)4(OH2)4・8H2Oの化学式で表すことができる含水マグネシウム珪酸塩である。セピオライトは、それ自体が多孔質であり、比表面積が大きい繊維状を呈している。なお、セピオライトとしては、上記化学式で表されるものの変種についても含まれる。
また、構造強度向上材13は、水酸化アルミニウム(Al(OH)3)である。
なお、図1に示される構造強度向上材13は、焼成後の状態である。そのため、構造強度向上材13としての水酸化アルミニウム(Al(OH)3)は、多孔質のアルミナ(Al23)として存在している。
次に、化学蓄熱材複合体の製造方法について説明する。
本例の製造方法は、粉体の化学蓄熱材11、粘土鉱物12及び構造強度向上材13を混合して蓄熱材混合物M1を得る混合工程と、蓄熱材混合物M1を焼成して化学蓄熱材複合体1を得る焼成工程とを有する。
また、混合工程は、粘土鉱物12と構造強度向上材13とを混合して添加混合物M0を得る第1混合工程と、化学蓄熱材11に添加混合物M0を混合し、蓄熱材混合物M1を得る第2混合工程とを含む。
以下、これを詳説する。
まず、化学蓄熱材11として、平均粒子径D=10μm(レーザー回折式測定法、島津製作所製SALD−2000Aによる)の水酸化カルシウム(Ca(OH)2)を準備した。
また、粘土鉱物12として、水に懸濁した場合の繊維径が化学蓄熱材11の平均粒子径Dよりも小さい径の繊維状を呈する粘土鉱物であるセピオライト(Mg8Si1230(OH)4(OH2)4・8H2O)を準備した。具体的には、セピオライトは、その線径(繊維径)が1μm以下、その長さ(繊維長)が200μm以下のものが望ましい。本例では、線径が略0.01μmで長さが略数十μmのトルコ産のセピオライトを準備した。
なお、トルコ産のセピオライトに代えて、例えば、線径が略0.1μmで長さが略100μmのスペイン産のセピオライトを用いることもできる。
また、構造強度向上材13として、焼成後に多孔質となる水酸化アルミニウム(Al(OH)3)を準備した。
次いで、混合工程における第1混合工程では、図2(a)、(b)に示すごとく、粘土鉱物としてのセピオライト12と構造強度向上材としての水酸化アルミニウム13とを混合容器21に入れて均一に混合した後、図2(c)に示すごとく、混合したものを混練機22に入れ、バインダとしての水を徐々に加えながら混練し、増粘化させた。これにより、セピオライト12と水酸化アルミニウム13との混練物である添加混合物M0を得た。
次いで、混合工程における第2混合工程では、図2(d)に示すごとく、添加混合物M0の入った混練機22に化学蓄熱材としての水酸化カルシウム11を入れ、バインダとしての水を徐々に加えながら混練し、増粘化させた。これにより、水酸化カルシウム11と添加混合物M0との混練物である蓄熱材混合物M1を得た。
次いで、図2(e)に示すごとく、混合工程で得られた蓄熱材混合物M1を押し出し型23に入れ、押出成形した。これにより、蓄熱材混合物M1は、押し出し型23の形状に応じた所定の形状に形成した。本例では、数mmサイズのペレット(成形体)Pとして形成した。このペレットPは、例えば、直径略3mm、長さ3〜5mm程度の略円柱状や、同等の大きさの角柱状等に形成することができる。また、必要に応じて、押し出し型23から押し出された蓄熱材混合物M1を切断してペレットPを形成するようにしてもよい。
次いで、焼成工程では、図2(f)に示すごとく、ペレットPを焼成炉24に入れ、約450℃で所定時間焼成した。これにより、化学蓄熱材複合体1を得た。
なお、この焼成温度は、水酸化カルシウム及び水酸化アルミニウムの脱水温度以上である。そのため、焼成工程における焼成により、水酸化カルシウム及び水酸化アルミニウムの脱水反応が同時に進行する。よって、製造直後の化学蓄熱材複合体1では、化学蓄熱材11は、酸化カルシウムの状態で存在している。また、構造強度向上材13は、多孔質のアルミナの状態で存在している。
以上のように製造された化学蓄熱材複合体1は、そのまま化学蓄熱材複合体1として蓄熱システムに用いてもよく、さらに大型の蓄熱材を製造するための原料(中間体)として用いてもよく、適用される用途に応じた形状に成形工程において形成してもよい。なお、大型の蓄熱材を製造するための原料(中間体)として成形する際には、焼成温度を水酸化カルシウムの脱水温度未満(例えば、350℃以下)とし、二次成形時に水酸化カルシウムの脱水温度以上の温度で焼成することが好ましい。
次に、本例の化学蓄熱材複合体1における作用効果について説明する。
本例の化学蓄熱材複合体1は、粉体の化学蓄熱材11に粘土鉱物12及び構造強度向上材13を混合して焼成されたものである。そのため、化学蓄熱材複合体1は、いわば粘土鉱物12及び構造強度向上材13の骨格中に粉体の化学蓄熱材11を分散保持して組織化・構造化されたものとなる。これにより、次のような種々の作用効果が期待できる。
すなわち、化学蓄熱材11の粉体間には、粘土鉱物12等の存在によって隙間が形成される。よって、蓄熱・放熱の繰り返しによる化学蓄熱材11の擦れ合い及びこれに伴う微粉化を抑制することができる。
また、上記隙間により、蓄熱・放熱に伴う反応物・反応生成物の導入排出経路を充分に確保することができる。よって、蓄熱・放熱に伴う反応物・反応生成物の化学蓄熱材複合体1内における移動(拡散)阻害を抑制することができる。
また、化学蓄熱材複合体1は、化学蓄熱材11を取り囲む粘土鉱物12及び構造強度向上材13により、強度が高く、安定した構造を有する多孔質構造体となる。特に、本例では、上記のごとく、粘土鉱物12に加えてさらに構造強度向上材13を有することで、構造強度向上材13が粘土鉱物12により化学蓄熱材11を取り囲む構造を強固に安定化する、あるいは構造強度向上材13自体が粘土鉱物12と共に化学蓄熱材11を取り囲んで強固で安定した構造を形成することにより、化学蓄熱材複合体1全体の構造強度をより一層高いものとすることができる。
また、粘土鉱物12としては、層リボン構造を有する粘土鉱物であるセピオライトを用いている。すなわち、多孔質で比表面積が大きい繊維状形態を有するものを用いている。そのため、粘土鉱物12の繊維質、多孔性、可塑性等の性質により、化学蓄熱材11を良好に組織化、構造化させることができる。
また、多孔質で比表面積が大きい粘土鉱物12の吸着性により、蓄熱・放熱反応時に存在する余剰な水蒸気を粘土鉱物12内に吸着することができる。そのため、例えば、化学蓄熱材複合体1を用いた蓄熱システムが停止されている低温状態の場合に、化学蓄熱材11が吸水して化学蓄熱材複合体1内で液水化することを防止することができる。これにより、化学蓄熱材11と液水との反応によるシンタリングを抑制することができる。
また、粘土鉱物12としては、化学蓄熱材11の粒子径よりも小さい径の繊維状を呈するものを用いている。そのため、化学蓄熱材11をそれよりも小さい径の繊維状の粘土鉱物12によって取り囲むため、少量の粘土鉱物12を用いて化学蓄熱材11の組織化、構造化を実現することが可能である。具体的には、少量の粘土鉱物12で化学蓄熱材11間に細孔が形成された多孔質構造体を補強した化学蓄熱材複合体1となる。これにより、化学蓄熱材複合体1における質量当たり、体積当たりの化学蓄熱材11の占有率を大きくすることができる。すなわち、蓄熱容量の大きい化学蓄熱材複合体1となる。さらに、化学蓄熱材複合体1は、化学蓄熱材11自体が主要構造を成しているため、伝熱経路が単純であり、蓄熱効率、蓄熱した熱の利用効率が高いものとなる。
また、構造強度向上材13としては、水酸化アルミニウムを用いており、焼成後に多孔質となる。そのため、化学蓄熱材複合体1は、構造強度向上材13の多孔性により、蓄熱・放熱に伴う反応物・反応生成物の導入排出経路をより一層充分に確保することができる。よって、化学蓄熱材複合体1は、蓄熱・放熱に伴う反応物・反応生成物の化学蓄熱材複合体1内における移動(拡散)阻害をさらに抑制することができ、伝熱性能に優れたものとなる。
また、構造強度向上材13としては、Alを含有する水酸化アルミニウムを用いている。そのため、構造強度向上材13のAl成分が化学蓄熱材11のアルカリ土類金属元素であるCa成分や粘土鉱物12のSi成分等と適度に反応することによって、−Al−O−Ca−、−Al−O−Si−等が形成され、化学蓄熱材複合体1の構造強度をさらに向上させることができる。
また、化学蓄熱材11は、脱水反応に伴って吸熱し、水和反応に伴って放熱する水和反応系化学蓄熱材であり、また脱水反応に伴って酸化され、水和反応に伴って水酸化される水和反応系化学蓄熱材である水酸化カルシウムを用いている。そのため、化学蓄熱材複合体1は、水和反応及び脱水(逆水和)反応によって蓄熱・放熱を良好に行うことができ、蓄熱システムとしての性能を高めることができる。
また、化学蓄熱材11としては、水酸化物である水酸化カルシウムを用いている。そのため、混合工程における第2混合工程において、粉体の化学蓄熱材11と添加混合物M0とを混合する際に、化学蓄熱材11として炭酸化合物を用いた場合に混合・増粘用のバインダとして使用することができなかった水を使用することができる。これにより、化学蓄熱材複合体1の成形性を高めることができる。また、化学蓄熱材11として炭酸化合物を用いた場合に必要であった脱炭酸工程時における1000℃近辺の高温焼成が不要となる。これにより、焼成温度を低くすることができ、使用材料や工程の自由度を高めることができる。
また、化学蓄熱材11としては、無機化合物である水酸化カルシウムを用いている。そのため、化学蓄熱材の蓄熱・放熱反応(水和・脱水反応)に対する材料安定性が高くなる。特に、水酸化カルシウムの可逆性は高いことから、化学蓄熱材複合体1は、長期間に渡って安定した蓄熱効果を得ることができる。
また、化学蓄熱材11としては、アルカリ土類金属化合物である水酸化カルシウムを用いている。すなわち、化学蓄熱材11として環境負荷の小さい安全な材料を用いている。そのため、化学蓄熱材複合体1の製造、使用、リサイクル等を含めた安全性の確保が容易になる。
また、本例の製造方法では、混合工程における第2混合工程では、水和状態、水酸化物状態の化学蓄熱材11に添加混合物M0を混合する。そのため、脱水状態の化学蓄熱材11を用いた場合のように、化学蓄熱材11と水とが反応することがない。そのため、化学蓄熱材11に添加混合物M0を混合する際に、バインダとして水の使用が可能となり、上記の工程を容易に行うことができる。
また、混合工程における第2混合工程では、粘土鉱物12の揺変性(チキソトロピ)により、水分と共に撹拌することで増粘効果を得ることができる。そのため、化学蓄熱材11をベースとした構造体をより高精度、高密度な状態で形成することができる。これにより、得られる化学蓄熱材複合体1は、高精度、高密度であり、熱抵抗が低いものとなる。
また、焼成工程では、350〜500℃の温度で焼成する。そのため、粘土鉱物12の結晶化と化学蓄熱材11の脱水反応とを同時に進行させることができる。これにより、多孔質構造体として形成される化学蓄熱材複合体1の化学蓄熱材11の構造化と比表面積の増加とを同時に達成することができる。
このように、本例によれば、化学蓄熱材11の微粉化を抑制すると共に熱伝導経路を確保し、さらには構造強度の向上を図ることができる化学蓄熱材複合体1を得ることができる。
なお、本例では、化学蓄熱材11として水酸化カルシウムを用いたが、これを水酸化マグネシウムに代える、あるいは水酸化カルシウムと水酸化マグネシウムとの混合物に代えることもできる。
また、構造強度向上材13として水酸化アルミニウムを用いたが、硝酸アルミニウム、燐酸アルミニウム、ベーマイト等を用いることもできる。
(実施例2)
本例は、本発明の化学蓄熱材複合体の反応率及び圧壊強度について測定したものである。
本例では、表1に示すごとく、化学蓄熱材(水酸化カルシウム(Ca(OH)2)、粘土鉱物(セピオライト)及び構造強度向上材(水酸化アルミニウム(Al(OH)3)の組成比を変えて化学蓄熱材複合体を作製した(本発明品E1〜E3)。また、比較として、構造強度向上材(水酸化アルミニウム(Al(OH)3)を添加しない化学蓄熱材複合体(比較品C1)を作製した。
そして、本発明品E1〜E3及び比較品C1について、反応率及び圧壊強度を測定した。
ここで、反応率とは、熱重量分析法により、脱水時と水和時との重量変化量を求め、サンプル中の酸化カルシウムから水酸化カルシウムへの変化率として求めた値である。
具体的には、サンプル約20mgを採取し、450℃まで昇温し、温度450℃、窒素ガス流通下でサンプル重量を測定した。このとき、カルシウム成分は、ほとんどが酸化カルシウムとなる。その後、200℃まで降温し、温度200℃、水蒸気を含む窒素ガス中に晒すことにより、水酸化カルシウムへの重量変化量を測定した。この脱水・水和を3回繰り返し、3回目の重量変化量を仕込みの水酸化カルシウムの重量で換算し、反応率とした。
また、圧壊強度は、ペレット状のサンプルを準備し、1Lガラスビーカーの底面から20cmの高さの位置から落下させ、落下後のサンプルの飛散状態を定性的に評価したものである。そして、多くの破片が砕け散ったものを圧壊強度(小)、飛散がほとんど見られなかったものを圧壊強度(大)、これらの間を圧壊強度(中)とした。
次に、反応率及び圧壊強度の測定結果について説明する。
表1に示されるように、構造強度向上材を含有する本発明品E1〜E3は、構造強度向上材を含有しない比較品C1に比べて反応率が高いことがわかる。
また、同表に示されるように、構造強度向上材を含有する本発明品E1〜E3は、構造強度向上材を含有しない比較品C1に比べて圧壊強度が高いことがわかる。
このような結果から、本発明の化学蓄熱材複合体は、構造強度向上材の存在により、水和反応及び脱水(逆水和)反応によって蓄熱・放熱を良好に行うことができ、蓄熱システムとしての性能が高くなっていることがわかる。また、構造強度の高い、組織化・構造化されたものであることがわかる。
実施例1における、化学蓄熱材複合体の構造を示す説明図。 実施例1における、化学蓄熱材複合体の製造方法を示す説明図。
符号の説明
1 化学蓄熱材複合体
11 化学蓄熱材
12 粘土鉱物
13 構造強度向上材

Claims (31)

  1. 粉体の化学蓄熱材に粘土鉱物及び構造強度向上材を混合して焼成してなり、
    上記構造強度向上材は、水酸化アルミニウム、硝酸アルミニウム、燐酸アルミニウム及びベーマイトから選ばれる1種以上を含有することを特徴とする化学蓄熱材複合体。
  2. 請求項1において、上記粘土鉱物は、層リボン構造を有する粘土鉱物であることを特徴とする化学蓄熱材複合体。
  3. 請求項2において、上記層リボン構造を有する粘土鉱物は、セピオライト及び/又はパリゴルスカイトであることを特徴とする化学蓄熱材複合体。
  4. 請求項1において、上記粘土鉱物は、ベントナイトであることを特徴とする化学蓄熱材複合体。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項において、上記粘土鉱物は、上記化学蓄熱材の粒子径よりも小さい径の繊維状を呈していることを特徴とする化学蓄熱材複合体。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項において、上記構造強度向上材は、焼成後に多孔質となる材料であることを特徴とする化学蓄熱材複合体。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項において、上記化学蓄熱材は、脱水反応に伴って吸熱し、水和反応に伴って放熱する水和反応系化学蓄熱材であることを特徴とする化学蓄熱材複合体。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項において、上記化学蓄熱材は、脱水反応に伴って酸化され、水和反応に伴って水酸化される水和反応系化学蓄熱材であることを特徴とする化学蓄熱材複合体。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項において、上記化学蓄熱材は、水酸化物であることを特徴とする化学蓄熱材複合体。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項において、上記化学蓄熱材は、無機化合物であることを特徴とする化学蓄熱材複合体。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項において、上記化学蓄熱材は、ニッケル化合物、アルミニウム化合物、コバルト化合物、銅化合物及びアルカリ土類金属化合物から選ばれる1種以上の化合物からなることを特徴とする化学蓄熱材複合体。
  12. 請求項1〜11のいずれか1項において、上記化学蓄熱材は、水酸化ニッケル、水酸化アルミニウム、水酸化コバルト、水酸化銅、水酸化バリウム、水酸化カルシウム及び水酸化マグネシウムから選ばれる1種以上の化合物からなることを特徴とする化学蓄熱材複合体。
  13. 請求項1〜12のいずれか1項において、上記化学蓄熱材複合体100質量%に対する上記粘土鉱物及び上記構造強度向上材の合計含有量が0.1〜20質量%であることを特徴とする化学蓄熱材複合体。
  14. 請求項1〜13のいずれか1項において、上記化学蓄熱材複合体は、350〜500℃の温度で焼成してなることを特徴とする化学蓄熱材複合体。
  15. 粉体の化学蓄熱材、粘土鉱物及び構造強度向上材を混合して蓄熱材混合物を得る混合工程と、
    上記蓄熱材混合物を焼成して化学蓄熱材複合体を得る焼成工程とを有し、
    上記構造強度向上材は、水酸化アルミニウム、硝酸アルミニウム、燐酸アルミニウム及びベーマイトから選ばれるいずれか1種以上を含有することを特徴とする化学蓄熱材複合体の製造方法。
  16. 請求項15において、上記混合工程は、上記粘土鉱物と上記構造強度向上材とを混合して添加混合物を得る第1混合工程と、
    上記化学蓄熱材に上記添加混合物を混合して上記蓄熱材混合物を得る第2混合工程とを含むことを特徴とする化学蓄熱材複合体の製造方法。
  17. 請求項15又は16において、上記粘土鉱物は、層リボン構造を有する粘土鉱物であることを特徴とする化学蓄熱材複合体の製造方法。
  18. 請求項17において、上記層リボン構造を有する粘土鉱物は、セピオライト及び/又はパリゴルスカイトであることを特徴とする化学蓄熱材複合体の製造方法。
  19. 請求項15又は16において、上記粘土鉱物は、ベントナイトであることを特徴とする化学蓄熱材複合体の製造方法。
  20. 請求項15〜19のいずれか1項において、上記粘土鉱物は、上記化学蓄熱材の粒子径よりも小さい径の繊維状を呈していることを特徴とする化学蓄熱材複合体の製造方法。
  21. 請求項15〜20のいずれか1項において、上記構造強度向上材は、焼成後に多孔質となる材料であることを特徴とする化学蓄熱材複合体の製造方法。
  22. 請求項15〜21のいずれか1項において、上記化学蓄熱材は、脱水反応に伴って吸熱し、水和反応に伴って放熱する水和反応系化学蓄熱材であることを特徴とする化学蓄熱材複合体の製造方法。
  23. 請求項22において、上記混合工程では、水和状態の上記化学蓄熱材に上記粘土鉱物及び上記構造強度向上材を混合することを特徴とする化学蓄熱材複合体の製造方法。
  24. 請求項15〜23のいずれか1項において、上記化学蓄熱材は、脱水反応に伴って酸化され、水和反応に伴って水酸化される水和反応系化学蓄熱材であることを特徴とする化学蓄熱材複合体の製造方法。
  25. 請求項24において、上記混合工程では、水酸化物状態の上記化学蓄熱材に上記粘土鉱物及び上記構造強度向上材を混合することを特徴とする化学蓄熱材複合体の製造方法。
  26. 請求項15〜25のいずれか1項において、上記化学蓄熱材は、水酸化物であることを特徴とする化学蓄熱材複合体の製造方法。
  27. 請求項15〜26のいずれか1項において、上記化学蓄熱材は、無機化合物であることを特徴とする化学蓄熱材複合体の製造方法。
  28. 請求項15〜27のいずれか1項において、上記化学蓄熱材は、ニッケル化合物、アルミニウム化合物、コバルト化合物、銅化合物及びアルカリ土類金属化合物から選ばれる1種以上の化合物からなることを特徴とする化学蓄熱材複合体の製造方法。
  29. 請求項15〜28のいずれか1項において、上記化学蓄熱材は、水酸化ニッケル、水酸化アルミニウム、水酸化コバルト、水酸化銅、水酸化バリウム、水酸化カルシウム及び水酸化マグネシウムから選ばれる1種以上の化合物からなることを特徴とする化学蓄熱材複合体の製造方法。
  30. 請求項15〜29のいずれか1項において、上記混合工程は、最終的に上記化学蓄熱材複合体100質量%に対する上記添加混合物の合計含有量が0.1〜20質量%となるように行うことを特徴とする化学蓄熱材複合体の製造方法。
  31. 請求項15〜30のいずれか1項において、上記焼成工程では、上記成形体を350〜500℃の温度で焼成することを特徴とする化学蓄熱材複合体の製造方法。
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