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JP5283225B2 - 光ディスク用紫外線硬化型樹脂組成物およびその硬化物 - Google Patents

光ディスク用紫外線硬化型樹脂組成物およびその硬化物 Download PDF

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JP5283225B2 JP2009118373A JP2009118373A JP5283225B2 JP 5283225 B2 JP5283225 B2 JP 5283225B2 JP 2009118373 A JP2009118373 A JP 2009118373A JP 2009118373 A JP2009118373 A JP 2009118373A JP 5283225 B2 JP5283225 B2 JP 5283225B2
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Description

本発明は光ディスク用紫外線硬化型樹脂組成物およびその硬化物に関し、十分な硬化性を有し、硬化後の反りが少なく、耐久性、耐湿性、耐磨耗性に優れた次世代高密度光ディスクを効率的に生産するための樹脂組成物に関する。また、記録層が有機色素系記録膜、無機系記録膜のどちらかの材料に制限されるものではなく双方の材料に適するものである。
今日、実用化されている光ディスク記録媒体として一般的なものは、CD(コンパクトディスク)、MO(光磁気ディスク)、CD−R(追記型コンパクトディスク)、CD−RW(書き換え型コンパクトディスク)等がある。これらは、1.2mmのポリカーボネート基板上に記録膜、反射膜を形成し、外的要因からこれらを保護する目的で紫外線硬化型コート剤の保護層が設けられている。また近年、更なる記憶容量の向上のためにポリカーボネート基板の厚さを従来の半分の0.6mmにし、2枚の基板を貼り合わせることで、ポリカーボネート基板の複屈折の問題やレーザースポット径を小さくするといった課題をクリアしたDVD−R、DVD−RW、DVD−RAM、DVD+R、DVD+RW等が実用化されている。これらは、何れも0.6mmのポリカーボネート基板上に記録膜、反射膜等を形成し、上記同様に保護、接着の目的で紫外線硬化型樹脂の保護層あるいは接着剤層が設けられている。
しかしながら、近年のデジタル放送時代において、その大容量化に対応する記録媒体としてDVD記録媒体では未だ容量不足である。そこで、次世代の高密度光ディスクとして、基板上に記録膜、100μmの透明層を積層し、ポリカーボネート基板からではなく、透明層側から青色レーザー光により書き込みおよび読み取りを行うタイプの光ディスク(ブルーレイディスクなど)が提案(特許文献1)、実用化されている。
この透明層(カバー層)の形成方法としては、100μm程度の透明フィルムを貼り合わせる方法と紫外線硬化型樹脂をスピンコート法で塗布し、次いで紫外線で硬化、形成する方法が提案されている(特許文献2、特許文献3)。
また、光ディスクの透明層は、傷等による読み取りエラーを防止するために、ハードコート層を設ける方法が提案されている(特許文献4)。
一方、ハードコート層の処理として、耐磨耗性を付加することが必要であるため、耐擦傷性を有する紫外線硬化性ウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーが提案されている(特許文献5、特許文献6)。
特開平11−273147号公報 特開2002−230831号公報 特開2005−171154号公報 特開平4−261418号公報 特許3676260号 特許3922697号
通常、傷や埃等による読み取りエラーを防止するために、該光ディスクの透明層はカバー層とハードコート層の2層構成となっている。さらに、記録膜が有機色素系の場合には、レーザーでの記録時に色素の構造変化を行い易くするために、カバー層と色素記録膜層との間に硬化時の弾性率が低い記録補助層を設けることが必要であり、3層構成となっているのが現状である。これらの方法はディスクの生産において効率的では無く、生産速度、歩留まり、生産装置という面においてコストアップの要因となっている。そこで、ハードコート層を省いてカバー層にハードコート層の機能を付加することができれば、生産コストを抑えると同時に、生産効率も上げることができるようになる。
カバー層にハードコート機能を付加するには、カバー層としての透明層は傷が付きにくい組成とする必要があり、耐摩耗性が要求される。しかし、耐摩耗性を有する紫外線硬化性(メタ)アクリレート系オリゴマーを用いたとしても、硬化時の反りを抑え、かつ、高温多湿の状況下に置かれても反りを抑えられるような樹脂組成でなければ、読み取りエラーを防止するのに十分とはいえない。また、耐摩耗性が期待できる樹脂組成物であっても、紫外線硬化性が不十分であれば、十分な耐摩耗性を付加できなくなってしまう。本発明はこのような実情に鑑みてなされたものであり、耐摩耗性だけでなく、耐久性、耐湿性を備え、かつ硬化時の反りが少なく、十分な紫外線硬化性を有する樹脂組成を提供することにある。
本発明の樹脂組成物では、カバー層の上にハードコート層を塗布する場合でも、一定の柔軟性を有しつつ、耐湿性のあるカバー層を提供することが可能となる。
本発明者らは、光ディスク用紫外線硬化型樹脂組成物に耐磨耗性、耐湿性を有する紫外線硬化性ウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーを使用し、硬化時による反り、耐摩耗性、耐湿性、紫外線硬化性をコントロールすることで、十分な紫外線硬化性を有し、低反り、耐摩耗性、耐湿性、耐久性を有する有機色素に記録した際の色素の構造変化にも追従する、ハードコート層及び/または記録補助層を必要としないカバー層材料を開発するに至ったのである。
本発明は、次の(1)〜(7)に関する。
(1)樹脂組成物中に、(A)分子内にポリカプロラクトンを有するウレタン(メタ)アクリレート5〜80重量%、(B)エポキシ(メタ)アクリレート5〜60重量%、(C)(メタ)アクリレートモノマー5〜60重量%、及び(D)光重合開始剤1〜15重量%を含有することを特徴とする光ディスク用紫外線硬化型樹脂組成物。
(2)分子内にポリカプロラクトンを有するウレタン(メタ)アクリレート(A)が、(a)分子内に1つの水酸基を有するポリカプロラクトン変性アルキル(メタ)アクリレートと(b)イソシアネート基を有する化合物を反応させて得られるウレタン(メタ)アクリレートである、(1)に記載の光ディスク用紫外線硬化型樹脂組成物。
(3)分子内にポリカプロラクトンを有するウレタン(メタ)アクリレート(A)が、(a)分子内に1つの水酸基を有するポリカプロラクトン変性アルキル(メタ)アクリレートと、(b)イソシアネート基を有する化合物及び(c)水酸基を有する化合物とを反応させることによって得られるウレタン(メタ)アクリレートである、(1)に記載の光ディスク用紫外線硬化型樹脂組成物。
(4)(c)水酸基を有する化合物がポリカプロラクトン含有多官能アルコールである、(3)に記載の光ディスク用紫外線硬化型樹脂組成物。
(5)分子内にポリカプロラクトンを有するウレタン(メタ)アクリレート(A)において、(メタ)アクリロイル基あたりのカプロラクトン単位の繰り返し数が1〜25の範囲にあることを特徴とする(1)乃至(4)のいずれか一項に記載の光ディスク用紫外線硬化型樹脂組成物。
(6)エポキシ(メタ)アクリレート(B)がビスフェノールA型エポキシ樹脂であることを特徴とする(1)乃至(5)のいずれか一項に記載の光ディスク用紫外線硬化型樹脂組成物。
(7)前記(1)乃至(6)のいずれか一項に記載の紫外線硬化型樹脂組成物に紫外線を照射して得られる硬化物の層を有する光ディスク。
本発明の光ディスク用紫外線硬化型樹脂組成物及びその硬化物は、硬化後の反りが少なく、耐摩耗性、耐湿性、耐久性に優れた次世代高密度光ディスクの提供を可能にし、更には効率的に生産するために従来から使用されているハードコート層や記録補助層を省くこと可能にしたものであり、青色レーザーを用いて記録及び/又は再生を行う光ディスクの光透過層を形成するカバー層用樹脂として有用である。
本発明は、樹脂組成物中に、(A)分子内にポリカプロラクトンを有するウレタン(メタ)アクリレート5〜80重量%、(B)エポキシ(メタ)アクリレート5〜60重量%、(C)(メタ)アクリレートモノマー5%〜60重量%、及び(D)光重合開始剤1〜15重量%を含有することを特徴とする光ディスク用紫外線硬化型樹脂組成物である。
本発明の紫外線硬化型樹脂組成物では、(A)分子内にポリカプロラクトンを有するウレタン(メタ)アクリレートを必須成分として使用する。
(I).(A)分子内にポリカプロラクトンを有するウレタン(メタ)アクリレートの合成手法としては、まず、(a)分子内に1つの水酸基を有するポリカプロラクトン変性アルキル(メタ)アクリレートと(b)イソシアネート基を有する化合物を反応させてウレタン(メタ)アクリレートを得る手法がある。
(a)分子内に1つの水酸基を有するポリカプロラクトン変性アルキル(メタ)アクリレートとしては、下記一般式(1)で表される化合物がある。
Figure 0005283225
(式中、RはH又はCH、nは1〜10の整数、mは1〜25の整数を示す。)
ポリカプロラクトン変性アルキル(メタ)アクリレートは、カプロラクトンの繰り返し単位数mが1〜25のいずれであってもよいが、硬化時の低反り、耐摩耗性、吸湿性を付与する観点から繰り返し単位が1〜10であることが好ましい。この水酸基を有するカプロラクトン変性(メタ)アクリレートの具体例として、ポリカプロラクトン変性ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ポリカプロラクトン変性ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリカプロラクトン変性ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、等が挙げられる。
(b)イソシアネートを有する化合物としては、例えば、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、ジシクロペンタニルイソシアネート等のジイソシアネート類が挙げられる。
さらに、(b)イソシアネートを有する化合物としては、変性イソシアネートとして、ジイソシアネートモノマーをイソシアヌレート変性させた下記一般式(2)で示されるイソシアネートや、ジイソシアネートモノマーをビウレット反応させた下記一般式(3)で示されるイソシアネートでも可能である。本発明においては、分子内に2個以上のイソシアネート基を有する化合物が好ましく、特に分子内に3個以上のイソシアネート基を有する化合物がより好ましい。
Figure 0005283225
Figure 0005283225
さらに、(A)分子内にポリカプロラクトンを有するウレタン(メタ)アクリレートの合成手法としては、(a)分子内に1つの水酸基を有するポリカプロラクトン変性アルキル(メタ)アクリレートと、(b)イソシアネート基を有する化合物及び(c)水酸基を有する化合物とを反応させることによりウレタン(メタ)アクリレートを得る手法がある。
(c)水酸基を有する化合物としては、公知となっているものであれば特に限定なく使用することができるが、具体例として1−アミノプロパンジオール、1−メチルアミノプロパンジオール、1,3―プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、2−ブチルー2−エチルー1,3−プロパンジオール、ポリエステルジオール、ネオペンチルグリコール、2−エチルー1,3−ヘキサンジオール等の多価アルコール類、ポリカプロラクトンジオール、ポリカプロラクトントリオール、ポリカプロラクトンテトラオール、5官能以上のポリカプロラクトンポリオールといったポリカプロラクトン含有多官能アルコール類が挙げられる。
上記ポリカプロラクトン含有多官能アルコールのうち市販品としては、例えばプラクセル303、305、308、312、L320ML(以上、ダイセル化学工業社製)等が挙げられる。
合成は以下のようにして行う。イソシアネート基を有する化合物を合成して得る場合は、(c)水酸基を有する化合物の水酸基1当量に対して、(b)イソシアネート基を有する化合物のイソシアネート基を1.1〜3.1当量、好ましくは1.1〜1.5当量反応させて末端イソシアネートオリゴマーを得ることができる。この反応における反応温度は通常、常温〜100℃、好ましくは50℃〜90℃である。
そして、(b)イソシアネート基を有する化合物のイソシアネート基1当量に対して、(a)分子内に1つの水酸基を有するポリカプロラクトン変性アルキル(メタ)アクリレートの水酸基を1.0〜2.0当量、好ましくは1.1〜2.1当量反応させて目的とする(A)分子内にポリカプロラクトンを有するウレタン(メタ)アクリレートを得ることが出来る。この反応における反応温度は通常、常温〜100℃、好ましくは50℃〜90℃である。この際、ラジカル重合におけるゲル化を防止するために、重合禁止剤を0.05〜0.15%添加するのが好ましい。
重合反応において、ラジカル重合におけるゲル化を防止するために、添加する重合禁止剤としては、例として、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、p−メトキシフェノール、p−ベンゾキノン、ジブチルヒドロキシトルエンなどが挙げられる。添加量としては、好ましくは10〜2000ppm、より好ましくは50〜1500ppmである。
ここで、反応を促進する触媒を用いることができる。例としてピリジン、ピロール、トリエチルアミン、ジエチルアミン、ジブチルアミン、アンモニアなどのアミン類、トリブチルフォスフィンなどのフォスフィン類といった塩基性触媒、またはナフテン酸銅、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸亜鉛、トリブトキシアルミニウム、トリチタニウムテトラブトキシド、ジルコニウムテトラブトキシドなどの金属アルコキシド類、塩化アルミニウムなどのルイス酸類、2−エチルへキサンスズ、オクチルスズトリラウレート、オクチルスズジアセテート、ジブチルスズラウレートなどのスズ化合物といった酸性触媒が挙げられる。添加量としては、好ましくは50〜1000ppmである。
(II).(A)分子内にポリカプロラクトンを有するウレタン(メタ)アクリレートの合成手法としては、次に(d)水酸基を有するポリカプロラクトン変性化合物と(b)イソシアネート基を有する化合物及び(e)分子内に1つの水酸基を有する(メタ)アクリレート化合物を反応させて得られるウレタンアクリレートが挙げられる。
(d)水酸基を有するポリカプロラクトン変性化合物としては、例えば、ε―カプロラクトン又はγ―バレロラクトンとジオールを反応させて得られるポリカプロラクトンジオールが挙げられる。上記ジオールは例として、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、テトラメチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、1,2−ポリブチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,4−ブタンジオール等が挙げられる。
上記ポリカプロラクトンポリオールの市販品としては、例えばプラクセル205、210、220、210N、220AL(以上、ダイセル化学工業社製)等が挙げられる。
(e)分子内に1つの水酸基を有する(メタ)アクリレート化合物としては、公知となっているものであれば特に限定することなく使用できる。具体的には、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ジメチロールシクロヘキシルモノ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシー3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシー3−アクリロイロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートが挙げられる。
合成は以下の様にして行う。(d)水酸基を有するポリカプロラクトン変性化合物にその水酸基1当量あたり(b)イソシアネート基を有する化合物をそのイソシアネート基が1.0〜2.0当量、好ましくは1.1〜1.5当量になるように反応させ、反応温度を通常、常温〜100℃、好ましくは50℃〜90℃で反応させ、ウレタンオリゴマーを合成する。次いでウレタンオリゴマーのイソシアネート基1当量あたり、(e)分子内に1つの水酸基を有する(メタ)アクリレート化合物をその水酸基が好ましくは1.1〜3.1当量、好ましくは1.1〜2.1当量となるように反応させて目的とするウレタンアクリレートを得ることができる。この反応における反応温度は通常、常温〜100℃、好ましくは50℃〜90℃である。この際、ラジカル重合におけるゲル化を防止するために、重合禁止剤を0.05〜0.15%添加するのが好ましい。また、反応を促進するために、触媒を0.05〜0.15%添加するのが好ましい。
(III).(A)分子内にポリカプロラクトンを有するウレタン(メタ)アクリレートの合成手法としては、さらに、(d)水酸基を有するポリカプロラクトン変性化合物と(f)分子内に1つのイソシアネート基を有する(メタ)アクリレート化合物を反応させてウレタン(メタ)アクリレートを得る手法がある。
(f)分子内に1つのイソシアネート基を有する(メタ)アクリレート化合物としては、公知となっているものであれば特に限定することなく使用することができるが、具体例として、2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート、2−イソシアトエチルアクリレート、1,1−ビス(アクリロイルキシメチル)エチルイソシアネート、等が挙げられる。
合成は以下の様にして行う。(f)イソシアネート基を有する(メタ)アクリレートのイソシアネート基1当量あたり、(d)ポリカプロラクトン変性多官能アルコールをその水酸基が1.0〜2.0当量、好ましくは1.1〜1.5当量となるように反応させ、目的とするウレタンアクリレートを得ることができる。この反応における反応温度は通常、常温〜100℃、好ましくは50℃〜90℃である。この際、ラジカル重合におけるゲル化を防止するために、重合禁止剤を0.05〜0.15%添加するのが好ましい。また、反応を促進するために、触媒を0.05〜0.15%添加するのが好ましい。
上記(A)ウレタン(メタ)アクリレートは1種又は2種以上を任意割合で混合使用することができる。(A)ウレタン(メタ)アクリレートの樹脂組成物中の使用量としては内割で、5〜80重量%、好ましくは10〜70重量%、特に好ましくは20〜60重量%程度である。
ポリカプロラクトン変性アルキル(メタ)アクリレートは、十分な紫外線硬化性を有し、硬化時の反りを抑え、かつ、耐摩耗性を付与させるために、(メタ)アクリロイル基あたりのカプロラクトンの繰り返し単位数が1〜25であることが好ましく、1〜10であることがより好ましい。
本発明において使用する(B)エポキシ(メタ)アクリレートとしては、分子中に1個以上好ましくは分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂と、エチレン性不飽和基を有するモノカルボン酸化合物との反応により得られる。
エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパンのエポキシ化合物等のビスフェノール型エポキシ化合物、水素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、水素化ビスフェノールF型エポキシ樹脂、水素化ビスフェノールS型エポキシ樹脂、水素化2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパンのエポキシ化合物等の水素化ビスフェノール型エポキシ化合物、臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、臭素化ビスフェノールF型エポキシ樹脂等のハロゲノ化ビスフェノール型エポキシ化合物、EO/PO変性ビスフェノール型エポキシ樹脂、シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル化合物等の脂環式ジグリシジルエーテル化合物、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル等の脂肪族ジグリシジルエーテル化合物、ポリサルファイドジグリシジルエーテル等のポリサルファイド型ジグリシジルエーテル化合物、ビフェノール型エポキシ樹脂、ポリエーテル型エポキシ樹脂等が挙げられる。
これらエポキシ化合物(樹脂)の市販品としては、例えばjER828、jER1001、jER1002、jER1003、jER1004(いずれもジャパンエポキシレジン製)、エポミックR−140、エポミックR−301、エポミックR−304(いずれも三井化学製)、DER−331、DER−332、DER−324(いずれもダウ・ケミカル社製)、エピクロン840、エピクロン850(いずれも大日本インキ製)、UVR−6410(ユニオンカーバイド社製)、YD−8125(東都化成社製)等のビスフェノール−A型エポキシ樹脂、UVR−6490(ユニオンカーバイド社製)、YDF−2001、YDF−2004、YDF−8170(いずれも東都化成社製)、エピクロン830、エピクロン835(いずれも大日本インキ製)等のビスフェノール−F型エポキシ樹脂、HBPA−DGE(丸善石油化学製)、リカレジンHBE−100(新日本理化製)等の水素化ビスフェノール−A型エポキシ樹脂、DER−513、DER−514、DER−542(いずれもダウ・ケミカル社製)等の臭素化ビスフェノール−A型エポキシ樹脂、エポライト3002(共栄社化学製)等のPO変性ビスフェノール−A型エポキシ樹脂、セロキサイド2021(ダイセル製)、リカレジンDME−100(新日本理化製)、EX−216(ナガセ化成製)等の脂環式エポキシ樹脂、ED−503(旭電化製)、リカレジンW−100(新日本理化製)、EX−212、EX−214、EX−850(いずれもナガセ化成製)等の脂肪族ジグリシジルエーテル化合物、FLEP−50、FLEP−60(いずれも東レチオコール製)等のポリサルファイド型ジグリシジルエーテル化合物、YX−4000(ジャパンエポキシレジン製)等のビフェノール型エポキシ化合物、エポライト100E、エポライト200P(いずれも共栄社化学製)等のポリエーテル型エポキシ化合物が挙げられる。
エチレン性不飽和基を有するモノカルボン酸化合物としては、例えば、(メタ)アクリル酸、アクリル酸ダイマー等の(メタ)アクリル酸類などが挙げられ、なかでも(メタ)アクリル酸が好ましい。
(B)エポキシ(メタ)アクリレートは前記エポキシ樹脂とエチレン性不飽和基を有するモノカルボン酸を反応させて得られる。エポキシ樹脂のエポキシ基の1当量に対して、エチレン性不飽和基を有するモノカルボン酸の総量のカルボキシル基の0.3〜1.2当量を反応させるのが好ましく、特に好ましくは、0.9〜1.05当量である。この反応における反応温度は通常、常温〜100℃、好ましくは50℃〜90℃である。この際、ラジカル重合におけるゲル化を防止するために、重合禁止剤を0.05〜0.15%添加するのが好ましい。また、反応を促進するために、触媒を0.05〜0.15%添加するのが好ましい。
反応で用いられる触媒としては、例えば、トリエチルアミン、ベンジルメチルアミン、メチルトリエチルアンモニウムクロライド、トリフェニルスチビン、トリフェニルホスフィン等が挙げられる。
上記(B)エポキシ(メタ)アクリレートは1種又は2種以上を任意割合で混合使用することができる。(B)エポキシ(メタ)アクリレートの樹脂組成物中の使用量としては内割で、好ましくは5〜60重量%、より好ましくは5〜50重量%程度である。
本発明で用いられる(C)(メタ)アクリレートモノマーとしては、前記(A)成分や(B)成分以外の、公知となっているものであれば特に限定なく使用することができるが、例えばジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、トリシクロデカン(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、イソボロニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、フェニルオキシエチル(メタ)アクリレート、フェニルジオキシエチル(メタ)アクリレート、ノニルフェニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、モルフォリン(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、メトキシトリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、エチルカルビトール(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメチロールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバルアルデヒド変性トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリス[(メタ)アクリロキシエチル]イソシアヌレート、等が挙げられる。
(メタ)アクリレートモノマーにおいて一定の硬さを保持しつつ、吸湿しにくい樹脂組成物とするため、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレートを用いるのが好ましい。
本発明の紫外線硬化型樹脂組成物として(C)(メタ)アクリレートモノマーを使用する場合、これら(メタ)アクリレートモノマーは1種、2種以上でも任意の割合で混合使用してもかまわない。(C)(メタ)アクリレートモノマーの樹脂組成物中の使用量としては内割で、好ましくは5〜60重量%、より好ましくは10〜55重量%程度である。
本発明の紫外線硬化型樹脂組成物に含有される(D)光重合開始剤としては、公知となっているものは特に限定なく使用することができるが、例えば1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(イルガキュアー184;チバ・スペシャリティ・ケミカルズ製)、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン(イルガキュアー2959;チバ・スペシャリティ・ケミカルズ製)、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]−フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン(イルガキュアー127;チバ・スペシャリティ・ケミカルズ製)、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン(イルガキュア651;チバ・スペシャリティ・ケミカルズ製)、オリゴ[2−ヒドロキシ−2−メチル−1−[4−(1−メチルビニル)フェニル]プロパノン](エサキュアONE;ランバルティ製)、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン(ダロキュア1173;チバ・スペシャリティ・ケミカルズ製)、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン(イルガキュアー907;チバスペシャリティーケミカルズ製)、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタン−1−オン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド(ルシリンTPO:BASF製)、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド(イルガキュアー819;チバ・スペシャリティ・ケミカルズ製)、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキサイド等が挙げられる。
(D)光重合開始剤として、好ましくは、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(イルガキュアー184;チバ・スペシャリティ・ケミカルズ製)、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン(イルガキュアー2959;チバ・スペシャリティ・ケミカルズ製)、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]−フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン(イルガキュアー127;チバ・スペシャリティ・ケミカルズ製)、オリゴ[2−ヒドロキシ−2−メチル−1−[4−(1−メチルビニル)フェニル]プロパノン](エサキュアONE;ランバルティ製)、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン(イルガキュアー907;チバスペシャリティーケミカルズ製)、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド(ルシリンTPO:BASF製)、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド(イルガキュアー819;チバ・スペシャリティ・ケミカルズ製)が挙げられる。
これらの光重合開始剤は1種類でも複数でも任意の割合で混合して使用することができる。本発明の紫外線硬化型樹脂組成物中の(D)光重合開始剤の含有量としては1〜15重量%が用いられ、好ましくは3〜10重量%程度である。
また、本発明の紫外線硬化型樹脂組成物では、アミン類等の光重合開始助剤と併用することも可能である。使用しうるアミン類等の光重合開始助剤としては、例えば、ジエタノールアミン、2−ジメチルアミノエチルベンゾエート、ジメチルアミノアセトフェノン、p−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステル等が挙げられる。光重合開始助剤を併用する場合、本発明の紫外線硬化型脂組組成物中の含有量としては0.05〜5重量%が好ましく、特に好ましくは0.1〜3重量%程度である。
本発明の紫外線硬化型樹脂組成物においては、必要によりリン酸(メタ)アクリレートを加えることができる。リン酸(メタ)アクリレートは、アルミニウム、銀または銀合金と接着剤硬化物との接着性を向上させるが、金属膜を腐食させる恐れがありその使用量は制限される。
本発明の紫外線硬化型樹脂組成物に含有し得るリン酸(メタ)アクリレートとしては、リン酸エステル骨格を有する(メタ)アクリレートであれば、モノエステル、ジエステルあるいはトリエステル等特に限定されず、例えば、エチレンオキサイド変性フェノキシ化リン酸(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ブトキシ化リン酸(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性オクチルオキシ化リン酸(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性リン酸ジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性リン酸トリ(メタ)アクリレート等が挙げられ、日本化薬(株)社製PM−2(エチレンオキサイド変性リン酸ジメタクリレート)等として入手可能である。本発明においては、エチレンオキサイド変性リン酸ジメタクリレートが好ましく用いられる。リン酸(メタ)アクリレートは1種または2種以上を任意の割合で混合使用することができる。リン酸(メタ)アクリレートを本発明の接着用樹脂組成物中に含有させる場合、その含有量は通常0.005〜5重量%、好ましくは0.05〜3重量%である。
本発明の光ディスク用紫外線硬化型樹脂組成物には、必要に応じて酸化防止剤、有機溶剤、シランカップリング剤、重合禁止剤、帯電防止剤、表面潤滑剤、蛍光増白剤、光安定剤(例えば、ヒンダードアミン化合物等)、充填剤、消泡剤等の添加剤を加えてもよい。
光安定剤としてのヒンダードアミン化合物の具体例として例えば、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルアルコール、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルアルコール、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル(メタ)アクリレート(LA−82)、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル(メタ)アクリレート、またチバスペシャルティーケミカルズ社製、CHIMASSORB 119FL、CHIMASSORB 2020FDL、CHIMASSORM 944FDL、TINUVIN 622LD、TINUVIN 123S、TINUVIN 144、TINUVIN 765、TINUVIN 770DF、TINUVIN 111FDL、TINUVIN 783FDL、TINUVIN 791FB、TINUVIN XT850FF、TINUVIN XT85FF、シリコン系化合物ビックケミー社製BYK−057、BYK−1770、BYK−061、ベンゾトリアゾール系化合物、城北化学工業社製、BT−120、BT−OH、5M−BTA、BT−LXなどが挙げられる。
また、本発明ではカバー層表面に指紋油が付着した際に容易に拭き取れるように、シリコン系またはフッ素系のレベリング剤、表面潤滑剤などで透明層表面を改質することができる。好ましいものとしては、シリコン系レベリング剤、例えば、BYK−307、BYK−322、BYK−323、BYK−331、BYK−333、BYK−UV3500、BYK−UV3510,BYK−UV3530、BYK−UV3570(商品名 ビックケミー(株)製 ポリ(ジ)メチルシロキサン化合物)、あるいはフッ素系表面改質剤、例えば、モディパーF−100、F−110、F−200、F−202、F−2020、F−220、F−500、F−600(商品名 日本油脂(株)製、フッ素含有ブロックコポリマー)、フタージェント710FL、710FX、730FL、730FX、750FL、750FX(商品名(株)ネオス製、フッ素含有オリゴマー)、ST−103PA(東レ・ダウコーニング社製)等がある。その添加量は、本発明の紫外線硬化型脂組組成物中の含有量としては0.01〜5重量%が好ましく、特に好ましくは0.1〜3重量%である。
本発明の紫外線硬化型樹脂組成物は、前記した各成分を攪拌混合により20〜80℃で混合溶解して得ることができ、組成物を得た後、濾過してもよい。また、本発明の硬化物は、下記の方法により紫外線、可視光線などの光線を本発明の紫外線硬化型樹脂組成物に照射する事により得ることができる。
本発明の紫外線硬化型樹脂組成物はB型粘度計で測定した25℃の粘度が400〜6000mPa・Sであることが好ましい。樹脂組成物の粘度が400mPa・Sより低い場合は100μm程度の厚さで塗布するためには粘度が低すぎるため、膜厚が薄くなる傾向にあり、6000mPa・Sより高い場合は100μm程度の厚さに塗布するためには、粘度が高すぎるため、膜厚が厚くなる傾向がある。
本発明の紫外線硬化型樹脂組成物の光照射硬化は、紫外〜近紫外の光線を照射するランプであれば光源を問わない。例えば、低圧、高圧又は超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、(パルス)キセノンランプ、また無電極ランプなどが挙げられる。
本発明の紫外線硬化型樹脂組成物を用いた光透過層用保護コート剤は、膜厚が50〜100μmとなるようにできれば塗工方法は問わないが、塗工方法として、例えば、スピンコート法、2P法、ロールコート法、スクリーン印刷法等が挙げられる。
また、次世代の高密度光ディスクには読み取り及び/又は書き込みに400nm前後の青色レーザーが使用されることから、膜厚90−100μmの硬化物において405nmの透過率が80%以上であることが好ましい。
更には、本発明による光ディスクにおいては、記録光及び/又は再生光が入射する側に当該紫外線硬化型樹脂組成物の硬化物層が構成されているものが好適なものとして挙げられる。また、本発明の光透過層用保護コート剤を用いて形成した光透過層の物理的強度が弱い場合は、必要により当該光透過層の表面にハードコート処理を行うことができる。
以下、本発明について実施例を用いて詳細に説明する。
ウレタンの合成は以下のように行った。
(合成例1)
攪拌装置、冷却管及び温度計のついた丸底フラスコにポリプロピレングリコール(分子量1000)63重量部、トリレンジイソシアネート22重量部仕込み、イソシアネート基の濃度が6.09%になるまで80℃で10時間反応させた。次いで、2−ヒドロキシエチルエーテルアクリレート15重量部、重合禁止剤であるメトキノンを0.05重量部及びジブチル錫ジラウレート0.05重量部仕込み、80℃で5時間反応させ、イソシアネート濃度が0.1%以下になった所で反応を終了し、ウレタンアクリレートを得た。
(合成例2)
攪拌装置、冷却管及び温度計のついた丸底フラスコにポリテトラメチレングリコール(分子量850)54重量部、イソホロンジイソシアネート28重量部仕込み、イソシアネート基の濃度が7.83%になるまで80℃で10時間反応させた。次いで、2−ヒドロキシエチルエーテルアクリレート18重量部、重合禁止剤であるメトキノンを0.05重量部及びジブチル錫ジラウレート0.05重量部仕込み、80℃で5時間反応させ、イソシアネート濃度が0.1%以下になった所で反応を終了し、ウレタンアクリレートを得た。
(合成例3)
攪拌装置、冷却管及び温度計のついた丸底フラスコにヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート変性タイプ(武田薬品工業社製タケネートD−170N)9重量部とポリカプロラクトン変性ヒドロキシエチルアクリレート(ダイセル化学工業社製プラクセルFA2、1分子中に2モルのカプロラクトン単位を有するアクリレート;一般式(1)のn=2,m=2)91重量部、重合禁止剤であるメトキノンを0.05重量部及びジブチル錫ジラウレート0.05重量部を仕込み、室温で30分間混合し、80℃で5時間反応させた。イソシアネート濃度が0.1%以下になった所で反応を終了し、(メタ)アクリロイル基当たりのカプロラクトン単位の繰り返し数が2のウレタンアクリレートを得た。
(合成例4)
攪拌装置、冷却管及び温度計のついた丸底フラスコにヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート変性タイプ(武田薬品工業社製タケネートD−170N)19重量部とポリカプロラクトン変性ヒドロキシエチルアクリレート(ダイセル化学工業社製プラクセルFA5、1分子中に5モルのカプロラクトン単位を有するアクリレート;一般式(1)のn=2,m=5)81重量部、重合禁止剤であるメトキノンを0.05重量部及びジブチル錫ジラウレート0.05重量部を仕込み、室温で30分間混合させ、80℃で5時間反応させた。イソシアネート濃度が0.1%以下になった所で反応を終了し、(メタ)アクリロイル基当たりのカプロラクトン単位の繰り返し数が5のウレタンアクリレートを得た。
(合成例5)
攪拌装置、冷却管及び温度計のついたヘキサメチレンジイソシアネート21重量部とポリカプロラクトントリオール51重量部、重合禁止剤であるメトキノン0.05重量部及びジブチル錫ジラウレート0.05重量部を仕込み、室温で30分間混合させ、80℃で5時間反応させた。その後、ポリカプロラクトン変性ヒドロキシエチルアクリレート(ダイセル化学工業製プラクセルFA1、1分子中に1モルのカプロラクトン単位を有するアクリレート;一般式(1)のn=2,m=1) 28重量部を加えて80℃で12時間反応させ、イソシアネート濃度が0.1%以下になった所で反応を終了し、ウレタンアクリレートを得た。
(合成例6)
攪拌装置、冷却管及び温度計のついたヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート変性タイプ(武田薬品工業社製タケネートD−170N)13重量部とポリカプロラクトン変性ヒドロキシエチルアクリレート(ダイセル化学工業社製プラクセルFA10、1分子中に10モルのカプロラクトン単位を有するアクリレート;一般式(1)のn=2,m=10)87重量部、重合禁止剤であるメトキノン0.05重量部及びジブチル錫ジラウレート0.05重量部を仕込み、室温で30分間混合させ、80℃で5時間反応させた。イソシアネート濃度が0.1%以下になった所で反応を終了し、(メタ)アクリロイル基あたりのカプロラクトン単位の繰り返し数が10のウレタンアクリレートを得た。
実施例及び試験例
実施例1〜6及び比較例1〜5の樹脂組成物につき、構成材料及び使用量と記載項目を評価した結果を表1、2に示した。なお、記載中の「部」は重量部を示す。
Figure 0005283225
Figure 0005283225
なお、表1および表2中に略称で示した各成分は下記の通りである。
EPA−1:ビスフェノールA型エポキシ樹脂アクリレート
UA−1:合成例1で得られたウレタンアクリレート
UA−2:合成例2で得られたウレタンアクリレート
UA−3:合成例3で得られたウレタンアクリレート
UA−4:合成例4で得られたウレタンアクリレート
UA−5:合成例5で得られたウレタンアクリレート
UA−6:合成例6で得られたウレタンアクリレート
HDDA:1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、コグニス社製
PE−300:ポリエチレングリコールジアクリレート、第一工業製薬社製
BPE4―A:エチレンオキサイド変性ビスフェノールAジアクリレート、第一工業製薬社製
KIP−150:2−ヒドロキシ−2−メチル−[4−(1−メチルビニル)フェニル]プロパノールオリゴマー、Lamberti spa社製
LA−82:1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルメタアクリレート、旭電化社製
本発明において反り、硬化性テストは、下記1〜4のステップを踏みブルーレイディスクを作成して行った。
1.1.1mm厚、直径12cmのPC基板に銀反射膜をスパッタし、ディスク基盤を作成した。
2.当該ディスク基盤をスピンテーブルに乗せ、内径11.5mmまで覆う様に円状のキャップ処理を行い、ついで本発明の紫外線硬化型樹脂組成物を2.5g中心部のキャップ上に供給した。
3.本発明の紫外線硬化型樹脂組成物の粘度に合わせ、500rpmから2000rpmの速度範囲で4秒から7秒間スピンコートし、各塗布膜厚が95μmから105μmとなるよう塗布した。スピンコート終了間際にキセノンフラッシュランプを2ショット照射し、表面の流動性が無くなる程度に硬化させた。
4.高圧水銀ランプ(JU−C1500、JATEC社製)を使用し、樹脂層側から300mJ/cm2で3回照射して本発明の紫外線硬化型樹脂組成物を完全硬化させ、光透過層を有するブルーレイディスクを得た。
(a)反り
樹脂層の膜厚と反りの数値は、光ディスクの機械特性測定装置であるArgus blue(Dr.schwab社製)を用いて行った。反りの値はディスクの外周になるにつれて顕著に差が現れるため、外周端に近い半径58mmの値で評価した。
表中の初期の反りは下記数式により算出した。
初期の反り=塗布後の基板の反り−塗布前の基板の反り
反りの単位は度で表示。下記基準で判定を行った。
○・・・初期反り > −1.5
×・・・初期反り ≦ −1.5
(b)耐摩耗性テスト
耐摩耗性テストとしては、前記の工程で作製したブルーレイディスクの光透過層面を東洋精機製作所製テーバーアブレージョンテスターTS(磨耗輪No.CS−10F)により250g荷重、70rpmの速度で5回転磨耗し、ブルーレイディスク信号データ測定装置であるパルステック社製ODU−1000を用いてジッターを評価し判定を行った。
○・・・ジッター値10%未満。
×・・・ジッター値10%以上。
(c)耐湿性テスト
耐湿性テストとしては、前記の工程で作製したブルーレイディスクを80℃85%の高温多湿下の湿度条件で96時間放置した後、24時間室温で保存し、高温多湿下に置く前と室温で保存した後で反りの測定を行った。反りの数値は、光ディスクの機械特性測定装置であるMT−146(Dr.shenk社製)を用いて行った。反りの値はディスクの外周になるにつれて顕著に差が現れるため、外周端に近い半径58mmの値で評価した。
耐湿試験反り=24時間室温保存後の反り−80℃85%の湿度に放置前の反り
反りの単位は度で表示。下記判定基準で行った。
○・・・耐湿試験反り > 0.5
×・・・耐湿試験反り ≦ 0.5
(d)硬化性テスト
ディスク基盤に樹脂を塗布して、紫外線照射により硬化させた後、硬化させた樹脂を指触により硬化しているか判断した。
○ ・・・タック性なし
×・・・タック性あり
表1から明らかなように、本発明の紫外線硬化型樹脂組成物及びその硬化物である実施例1〜6は、硬化後の反りが少なく、耐磨耗性、硬化性、耐湿性試験において優れた性能を持つことが分かる。一方、表2に示されるように、比較例1、2のようにエポキシアクリレートを加えなければ、硬化性不良によりジッターも測定不能な程大幅に上昇しまう。また、表2の比較例3〜5から、カプロラクトン変性のないウレタンを用いたものと比較すると、カプロラクトン変性ウレタン(メタ)アクリレートを用いたものは、耐湿試験による反りが少ない紫外線硬化型樹脂組成物が得られているという結果となった。
本発明の紫外線硬化型樹脂組成物及びその硬化物は、硬化後の反りが少なく、十分な紫外線硬化性を有し、耐摩耗性、耐湿性に優れた次世代高密度光ディスクの提供を可能にし、更には効率的に生産するために従来から使用されているハードコート層や記録補助層を省くこと可能にしたものであり、青色レーザーを用いて記録及び/又は再生を行う光ディスクの光透過層を形成するカバー層用樹脂として有用である。

Claims (7)

  1. 樹脂組成物中に、(A)分子内にポリカプロラクトンを有するウレタン(メタ)アクリレート5〜80重量%、(B)エポキシ(メタ)アクリレート5〜60重量%、(C)(メタ)アクリレートモノマー5〜60重量%、及び(D)光重合開始剤1〜15重量%を含有することを特徴とする光ディスク用紫外線硬化型樹脂組成物であって、分子内にポリカプロラクトンを有するウレタン(メタ)アクリレート(A)が、(a)分子内に1つの水酸基を有するポリカプロラクトン変性アルキル(メタ)アクリレートと(b)イソシアネート基を有する化合物を反応させて得られるウレタン(メタ)アクリレートである、光ディスク用紫外線硬化型樹脂組成物。
  2. 前記(a)分子内に1つの水酸基を有するポリカプロラクトン変性アルキル(メタ)アクリレートが下記式(1)
    Figure 0005283225
    (式中、RはH又はCH 、nは1〜10の整数、mは1〜25を示す。)
    で表される化合物であることを特徴とする、請求項1に記載の光ディスク用紫外線硬化型樹脂組成物。
  3. 分子内にポリカプロラクトンを有するウレタン(メタ)アクリレート(A)が、(a)分子内に1つの水酸基を有するポリカプロラクトン変性アルキル(メタ)アクリレートと、(b)イソシアネート基を有する化合物及び(c)水酸基を有する化合物とを反応させることによって得られるウレタン(メタ)アクリレートである、請求項2に記載の光ディスク用紫外線硬化型樹脂組成物。
  4. (c)水酸基を有する化合物がポリカプロラクトン含有多官能アルコールである、請求項3に記載の光ディスク用紫外線硬化型樹脂組成物。
  5. 分子内にポリカプロラクトンを有するウレタン(メタ)アクリレート(A)において、(メタ)アクリロイル基あたりのカプロラクトン単位の繰り返し数が1〜25の範囲にあることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の光ディスク用紫外線硬化型樹脂組成物。
  6. エポキシ(メタ)アクリレート(B)がビスフェノールA型エポキシ樹脂であることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の光ディスク用紫外線硬化型樹脂組成物。
  7. 請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の紫外線硬化型樹脂組成物に紫外線を照射して得られる硬化物の層を有する光ディスク。

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