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JP5275618B2 - 非接触型防カビ剤組成物 - Google Patents

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JP5275618B2 JP2007312040A JP2007312040A JP5275618B2 JP 5275618 B2 JP5275618 B2 JP 5275618B2 JP 2007312040 A JP2007312040 A JP 2007312040A JP 2007312040 A JP2007312040 A JP 2007312040A JP 5275618 B2 JP5275618 B2 JP 5275618B2
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Description

本発明は、非接触型防カビ剤組成物及びその包装体に関する。
一般的に、衣類は購入されてから「着用→洗濯→収納」というサイクルで使用されるが、収納中に気になるカビ、ニオイなどのトラブルから衣類を守る(ケアする)ことは重要である。これまでの防カビ剤は、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、安息香酸、安息香酸ナトリウム、オルトフェニルフェノール等の粉体又は結晶、あるいは2−フェノキシエタノールや塩化ベンザルコニウム等の液体であり、どちらも被防カビ物に接触させなければ防カビ性能を十分に付与することができない。
これに対し、非接触型の防カビ剤に関する技術が開示されているが、防カビ性能が不十分だったり、基剤の臭気が強く単独使用が難しいなどの問題があった。特許文献1には、グリコールエーテルを含む空間除菌用組成物に関する技術が開示されている。特許文献2には、非接触タイプの低臭気性防虫防黴剤に関する技術が開示されている。また、特許文献3には、抗カビ香料組成物に関する技術が開示されている。
特開2007−97738号公報 特開2000−319110号公報 特開2002−179509号公報
特許文献1の技術では、プロピレングリコールモノメチルエーテルやプロピレングリコール−n−プロピルエーテルなどを加熱ヒーターなどを用いて蒸散させており、常温での自然揮散での防カビ性能は低く、十分な性能を発現するには大量の基剤が必要となる。特許文献2の技術では、エチレングリコールモノヘキシルエーテルの臭気が強すぎるため、単独での使用は困難であり、臭気低下剤や気化調整剤を併用する必要がある。特許文献3の技術では、脂肪族もしくは芳香族アルデヒド類、脂肪族アルコール類及びフェノール類から選ばれる香料と、脂肪族アルコール類、フェノール類、アセタール類及びエステル類から選ばれる香料を併用しているが、防カビ性能は十分ではない。
従って、本発明の課題は、被防カビ物に直接接触させずに優れた防カビ性能を発揮し、かつ臭気低下剤等を併用しなくても良好な香調を維持することができる非接触型防カビ剤組成物を提供することにある。
本発明者らは、特定のアルキルグリコールエーテルが、被防カビ物に非接触であっても優れた防カビ性能を有し、かつ低臭気であるため特定の香料成分と併用することにより香調を維持したまま更に防カビ性能を向上できることを見出した。
すなわち、本発明は、下記(a)成分及び(b)成分を含有する非接触型防カビ剤組成物、並びにこの非接触型防カビ剤組成物を、容器に収納してなる防カビ剤組成物包装体を提供する。
(a):一般式(1)で表される化合物から選ばれる少なくとも1種
1−O(AO)nH (1)
〔式中、R1は炭素数6〜11のアルキル基、Aは炭素数2〜3のアルキレン基、nは平均付加モル数を示す1〜3の数であり、n個のAは同一でも異なっていても良い。但し、エチレングリコールモノヘキシルエーテルは除く。〕
(b):沸点が170℃以上280℃以下、logP値が1以上4以下であり、かつヒドロキシ基もしくはアルデヒド基のどちらかの基を1つ有する香料成分から選ばれる少なくとも1種
本発明の非接触型防カビ剤組成物及びその包装体は、被防カビ物に接触することなく、広範囲において優れた防カビ機能を発揮することができ、更に低臭気であるため良好な香調を維持することができる。
[(a)成分]
本発明の(a)成分は、上記一般式(1)で表される化合物から選ばれる少なくとも1種である。
一般式(1)において、R1は炭素数6〜11のアルキル基であり、アルキル基は直鎖でも分岐鎖でもよい。R1の具体例としては、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、2−エチルヘキシル、ノニル、デシル、イソデシル、ウンデシル等の基が挙げられる。Aは炭素数2〜3のアルキレン基であり、アルキレン基は直鎖でも分岐鎖でも良く、n個のAは同一でも異なっていても良い。Aの具体例としては、プロピレン基(プロパン−1,2−ジイル基)、エチレン基、トリメチレン基が挙げられ、プロピレン基、エチレン基が好ましい。nは平均付加モル数を示す1〜3の数であり、1〜2の数が好ましい。但し、エチレングリコールモノヘキシルエーテルは臭気が強く、本発明の性能を十分に発揮できないので、一般式(1)で表される化合物からは除かれる。
一般式(1)で表される化合物としては、R1が炭素数6〜11のアルキル基、Aがプロピレン基、nが1〜2の数である化合物、R1が炭素数6〜11のアルキル基、Aがエチレン基、nが2である化合物、及びR1が炭素数7〜11のアルキル基、Aがエチレン基、nが1である化合物が好ましい。
(a)成分の具体例としては、例えば、プロピレングリコールモノアルキル(アルキル基の炭素数6〜11)エーテル、ジプロピレングリコールモノアルキル(アルキル基の炭素数6〜11)エーテル、トリプロピレングリコールモノアルキル(アルキル基の炭素数6〜11)エーテル、エチレングリコールモノアルキル(アルキル基の炭素数7〜11)エーテル、ジエチレングリコールモノアルキル(アルキル基の炭素数6〜11)エーテル、トリエチレングリコールモノアルキル(アルキル基の炭素数6〜11)エーテル、トリメチレングリコールモノアルキル(アルキル基の炭素数6〜11)エーテル、ジ(トリメチレングリコール)モノアルキル(アルキル基の炭素数6〜11)エーテル、トリ(トリメチレングリコール)モノアルキル(アルキル基の炭素数6〜11)エーテル等が挙げられる。
これらの中では、防カビ効果の観点から、プロピレングリコールモノアルキル(アルキル基の炭素数6〜11)エーテル、ジプロピレングリコールモノアルキル(アルキル基の炭素数6〜11)エーテル、エチレングリコールモノアルキル(アルキル基の炭素数7〜11)エーテル、ジエチレングリコールモノアルキル(アルキル基の炭素数6〜11)エーテルが好ましい。
更に、低臭気性の観点から、ジプロピレングリコールモノヘキシルエーテル、ジプロピレングリコールモノヘプチルエーテル、プロピレングリコールモノオクチルエーテル、ジプロピレングリコールモノオクチルエーテル、プロピレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル、プロピレングリコールモノノニルエーテル、ジプロピレングリコールモノノニルエーテル、プロピレングリコールモノデシルエーテル、ジプロピレングリコールモノデシルエーテル、プロピレングリコールモノイソデシルエーテル、ジプロピレングリコールモノイソデシルエーテル、プロピレングリコールモノウンデシルエーテル、ジプロピレングリコールモノウンデシルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノヘプチルエーテル、エチレングリコールモノオクチルエーテル、ジエチレングリコールモノオクチルエーテル、エチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル、エチレングリコールモノノニルエーテル、ジエチレングリコールモノノニルエーテル、エチレングリコールモノデシルエーテル、ジエチレングリコールモノデシルエーテル、エチレングリコールモノイソデシルエーテル、ジエチレングリコールモノイソデシルエーテル、エチレングリコールモノウンデシルエーテル、ジエチレングリコールモノウンデシルエーテルがより好ましい。
本発明の(a)成分は、1種又は2種以上を混合して用いることができる。
[(b)成分]
本発明の(a)成分は、単独でも非接触条件における防カビ性能を発揮するが、本発明の(b)成分を併用することにより、良好な香調を維持したまま、防カビ性能を更に高めることができる。
本発明の(b)成分は、沸点が170℃以上280℃以下、好ましくは170〜260℃、logP値が1以上4以下、好ましくは1.0〜3.5であり、かつヒドロキシ基もしくはアルデヒド基のどちらかの基を1つ有する香料成分である。
ここで、「logP値」とは、化合物の1−オクタノール/水の分配係数の対数値であり、1−オクタノールと水の2液相の溶媒系に化合物が溶質として溶け込んだときの分配平衡において、それぞれの溶媒中での溶質の平衡濃度の比を意味し、底10に対する対数「logP」の形で一般的に示される。すなわち、logP値は親油性(疎水性)の指標であり、この値が大きいほど疎水的であり、値が小さいほど親水的である。
logP値については、例えば、Daylight Chemical Information Systems, Inc.(Daylight CIS)等から入手し得るデータベースに掲載されているlogP値を実測値として参照することができる。また、実測値がない場合には、プログラム“CLOGP”(Daylight CIS)等で計算することができ、中でもプログラム“CLOGP”により計算することが、信頼性も高く好適である。
プログラム“CLOGP”においては、Hansch, Leoのフラグメントアプローチにより算出される「計算logP(ClogP)」の値が、logPの実測値がある場合にはそれと共に出力される。フラグメントアプローチは化合物の化学構造に基づいており、原子の数及び化学結合のタイプを考慮している(A.Leo, Comprehensive Medicinal Chemistry, Vol.4, C.Hansch, P.G.Sammens, J.B.Taylor and C.A.Ramsden, Eds., p.295, Pergamon Press, 1990)。このClogP値は現在最も一般的で信頼できる推定値であるため、化合物の選択に際してlogPの実測値がない場合に、ClogP値を代わりに用いることが好適である。本発明においては、logPの実測値、又はプログラム“CLOGP”により計算したClogP値のいずれを用いてもよいが、実測値がある場合には実測値を用いることが好ましい。
(b)成分の具体例としては、リナロール、ゲラニオール、ネロール、シトロネロール、ミルセノール、ラバンジュロール、テトラヒドロゲラニオール、テトラヒドロリナロール、ヒドロキシシトロネロール、ジヒドロミルセノール、α−ターピネオール、ターピネン−4−オール、イソプレゴール、2,4−ジメチル−3−シクロヘキセン−1−メタノール(IFF社製:フロラロール)、4−イソプロピルシクロヘキサノール(Givaudan−Roure社製:フォルロシア)、4−イソプロピルシクロヘキサンメタノール(Firmenich社製:マヨール)、1−(4−イソプロピルシクロヘキシル)−エタノール(H&R社製:ムゲタノール)、2,2−ジメチル−3−(3−メチルフェニル)−プロパノール(Wacker社製:マジャントール)、アンブリノール、1−オクテン−3−オール、ジメトール、デセノール、2,6−ノナジエノール、10−ウンデセノール、トランス−2−シス−6−ノナジエノール、ベンジルアルコール、フェニルエチルアルコール、フェノキシエチルアルコール、フェニルプロピルアルコール、フェニルヘキサノール、カルバクロール、オイゲノール、イソオイゲノール、シトラール、シトロネラール、ヒドロキシシトロネラール、ぺリラアルデヒド、ノニルアルデヒド、デシルアルデヒド、ウンデシルアルデヒド、トリメチルヘキシルアルデヒド、2,6−ノナジエナール、シス−4−デセナール、ベンズアルデヒド、フェニルアセトアルデヒド、フェニルプロピルアルデヒド、シンナミックアルデヒド、ヒドラトロピックアルデヒド、アニスアルデヒド、p−メチルフェニルアセトアルデヒド、クミンアルデヒド、シクラメンアルデヒド、リラール等が挙げられる。
これらの中では、防カビ性能の観点から、リナロール、ゲラニオール、ネロール、シトロネロール、α−ターピネオール、ターピネン−4−オール、イソプレゴール、2,4−ジメチル−3−シクロヘキセン−1−メタノール(IFF社製:フロラロール)、4−イソプロピルシクロヘキサノール(Givaudan−Roure社製:フォルロシア)、4−イソプロピルシクロヘキサンメタノール(Firmenich社製:マヨール)、1−(4−イソプロピルシクロヘキシル)−エタノール(H&R社製:ムゲタノール)、2,2−ジメチル−3−(3−メチルフェニル)−プロパノール(Wacker社製:マジャントール)、1−オクテン−3−オール、デセノール、2,6−ノナジエノール、ベンジルアルコール、フェニルエチルアルコール、フェニルプロピルアルコール、カルバクロール、オイゲノール、シトラール、シトロネラール、フェニルプロピルアルデヒド、シンナミックアルデヒド、アニスアルデヒド、クミンアルデヒド、シクラメンアルデヒド、リラールが好ましく、更に、ゲラニオール、ネロール、シトロネロール、α−ターピネオール、ターピネン−4−オール、フロラロール、フォルロシア、マヨール、デセノール、2,6−ノナジエノール、ベンジルアルコール、フェニルエチルアルコール、カルバクロール、オイゲノール、シトラール、フェニルプロピルアルデヒド、シンナミックアルデヒド、アニスアルデヒド、クミンアルデヒドがより好ましい。
本発明の(b)成分は、1種又は2種以上を混合して用いることができる。
[非接触型防カビ剤組成物及びその包装体]
本発明の非接触型防カビ剤組成物は、上記本発明の(a)成分及び(b)成分を含有するもので、その形態はゲル状、粉末状、粒状、液状などいずれの形態でもよい。
本発明の非接触型防カビ剤組成物において、(a)成分と(b)成分の含有量は、各成分の種類や使用形態によって適宜調整することができる。本発明の組成物中の(a)成分の含有量は、通常0.1質量%以上が好ましく、0.1〜70質量%がより好ましく、0.1〜60質量%が更に好ましく、1〜50質量%が特に好ましい。(b)成分の含有量は、通常0.1質量%以上が好ましく、0.1〜70質量%がより好ましく、0.1〜60質量%が更に好ましく、1〜50質量%が特に好ましい。
本発明の組成物中の(a)成分と(b)成分の配合比率は、(a)成分の防カビ性能を更に高める観点から、(a)/(b)(質量比)が、100/1〜1/100が好ましく、50/1〜1/50がより好ましく、50/1〜1/10が更に好ましい。
本発明の非接触型防カビ剤組成物をゲル状とする場合、ゲル化剤を用いるのが一般的である。ゲル化剤としては特に限定されないが、例えばポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、アルギン酸、セルロース、デンプン等、又はそれらの誘導体あるいはそれらの塩などの水溶性有機高分子から形成されたもの、酢酸ビニル系樹脂エマルジョン、酢酸ビニルと塩化ビニルなどの共重合体系樹脂エマルジョンなどの合成樹脂系エマルジョン、ゴム系ラテックスなどの水溶性エマルジョン、カラギーナン、寒天、ゼラチン、ペクチン等の各種動物、植物、藻類、微生物から抽出される天然物由来のゲル化剤等を挙げることができる。
ゲル状の非接触型防カビ剤組成物中に(a)成分及び(b)成分を分散、乳化させるためには界面活性剤を用いることが好ましい。界面活性剤としては、特に制限はなく、非イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、及び両性界面活性剤の中から選ばれる少なくとも1種を用いることができる。
非イオン性界面活性剤としては、ポリオキシアルキレンアルキル又はアルケニルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル又はポリオキシアルキレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンソルビット脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンヒマシ油又は硬化ヒマシ油、アルキル又はアルケニルジエタノールアマイド、アルキルアミン又はアルキルジメチルアミン、アルケニルアミン又はアルケニルジメチルアミン、ポリオキシアルキレンアルキル又はアルケニルアミン等が挙げられる。
陽イオン性界面活性剤としては、第1級アミン塩、第2級アミン塩、第3級アミン塩、第4級アンモニウム塩が挙げられる。
陰イオン性界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル硫酸塩もしくはアルケニル硫酸塩、オレフィンスルホン酸塩、アルカンスルホン酸塩、アルキルグリセリルエーテルスルホン酸のようなアルキル多価アルコールエーテルスルホン酸の塩、高級脂肪酸塩、アルキル又はアルケニルエーテル硫酸塩、アルキル又はアルケニルエーテルカルボン酸塩等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、アルキル又はアルケニルアミンオキシド、アミドプロピルアミンオキシド(ラウリン酸とジメチルアミノプロピルアミンとのアミド化合物を過酸化水素と反応させて得たもの等)、ジメチルラウリルアミンオキシド、ジメチルアミノ酢酸ベタイン、又はイミダゾリニウムベタイン、脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、N−アシルアミノ酸又はその塩、N−アシルメチルタウリン酸塩等が挙げられる。
本発明の非接触型防カビ剤組成物を粉末状または粒状とする場合、粉末または粒状の担体として、シリカゲル、ゼオライト、ケイ酸カルシウム、珪藻土、アルミナ、アロフェン、バーミキュライト、パーライト、シラスバルーン、セピオライト、カオリン、ハイドロタルサイト、タルク、スノーテック、ベントナイト等の無機系多孔質担体、活性炭、パルプ、繊維素材、合成樹脂等の有機系多孔質担体を用いることができる。
本発明の非接触型防カビ剤組成物を液状とする場合、可溶化剤として上記の界面活性剤、またはアルコールなどの溶剤を用いることができる。液状の組成物は、芯棒、ろ紙、不織布等に染み込ませて揮散させる方法、透過膜を用いて揮散させる方法等の従来公知の方法により用いることができる。
本発明の非接触型防カビ剤組成物は、必要に応じて、本発明の効果を損なわない範囲で、上記成分以外に、一般に添加される各種の溶剤、油剤、硫酸ナトリウムやN,N,N−トリメチルグリシン等の塩、pH調整剤、酸化防止剤、防腐剤、殺菌・抗菌剤、消臭剤、(b)成分以外の香料、色素、紫外線吸収剤等の他の成分を含有することができる。
本発明の非接触型防カビ剤組成物は、容器に収めた防カビ剤組成物包装体として提供することができる。本発明の非接触型防カビ剤組成物は、そのまま、またはアルコール等の揮発性の溶剤に溶解して、液状のまま、または前記したゲル状、粉末状、粒状等の形状で通気性のある容器に収める。通気性のある容器としては、内面が通気性のある熱可塑性樹脂で外面が通気性のある支持体からなる積層体製の袋状物が挙げられ、例えば、通気性のある支持体として不織布を用い、内面がポリエチレンフィルム等の通気性のある熱可塑性樹脂フィルムを張り合わせて作られたラミネート紙を袋状にしたもの等が挙げられる。
本発明の非接触型防カビ剤組成物及びその包装体は、例えばクローゼット、押し入れ、靴箱等に設置して、衣類、靴、壁面、床面等のカビの発生を防止することができるが、特にクローゼット、押し入れ等の衣類を収納した空間に用い、衣類のカビの発生を防止するのに好適である。
実施例1〜11及び比較例1〜5
下記(a)成分、(b)成分、その他の成分を用い、表1に示す配合処方の非接触型防カビ剤組成物を調製した。得られた非接触型防カビ剤組成物について、下記方法により防カビ性能及び匂いを評価した。結果を表1に示す。
<配合成分>
(a)成分
a−1:プロピレングリコールモノヘキシルエーテル
a−2:プロピレングリコールモノオクチルエーテル
a−3:トリプロピレングリコールモノオクチルエーテル
a−4:ジプロピレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル
a−5:プロピレングリコールモノイソデシルエーテル
a−6:ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル
a−7:ジエチレングリコールモノオクチルエーテル
a−8:エチレングリコールモノ2−エチルヘキシルエーテル
a−9:エチレングリコールモノデシルエーテル
a−10:ジエチレングリコールモノデシルエーテル
(a’)成分((a)成分の比較品)
a’−1:プロピレングリコールモノメチルエーテル
a’−2:プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル
a’−3:エチレングリコールモノヘキシルエーテル
(b)成分
b−1:リナロール(沸点198℃、logP値2.55)
b−2:ゲラニオール(沸点230℃、logP値2.77)
b−3:シトロネロール(沸点225℃、logP値3.26)
b−4:α−ターピネオール(沸点218℃、logP値2.63)
b−5:カルバクロール(沸点238℃、logP値3.40)
b−6:フェニルエチルアルコール(沸点220℃、logP値1.18)
b−7:フェノキシエチルアルコール(沸点245℃、logP値1.19)
b−8:オイゲノール(沸点253℃、logP値2.40)
b−9:シトラール(沸点228℃、logP値3.12)
b−10:フェニルプロピルアルデヒド(沸点238℃、logP値1.72)
(b’)成分((b)成分の比較品)
b’−1:α−ピネン(沸点156℃、logP値4.18)
b’−2:ファルネソール(沸点263℃、logP値4.8)
b’−3:メチルイソオイゲノール(沸点270℃、logP値2.96)
(1,2−ジメトキシ−4−プロペニルベンゼン、エーテル化合物)
<防カビ性能評価法>
(1)試験菌の調製
ポテトデキストロース寒天培地(和光純薬工業製)に生育させたAspergillus.niger及びCladosporiumの胞子と菌糸を、滅菌した0.05%Tween80(レオドールTW-0120)水溶液に分散させ、1×106〜1×107cells/mLのカビ懸濁液を調製した。
(2)カビ試験片の調製
3cm×3cmに裁断した木綿メリアス布及び黒染した木綿ブロード布を滅菌処理(オートクレーブ:2atm(202650Pa)、125℃/15min)し、図1に示すような90mmプラスチックシャーレ1(日水製薬製、ニッスイAシャーレ、滅菌済み浅型)に各2枚ずつ静置した。各試験布に滅菌処理した2.4%ポテトデキストロースブロス水溶液(和光純薬工業製)を200μL塗布し、上記のカビ懸濁液を100μL塗布したものをカビ試験片2,2’として用いた。
(3)防カビ試験
シャーレの蓋3の中央に表1に記載の非接触型防カビ剤組成物を含浸させた布4(木綿メリアス布、1.5cm×1.5cm)を貼り、25℃、100%RHにて7日間培養した後、カビの生育状態を目視にて観察し、下記の5段階の基準に基づいて評価した。この中で評価が−及び+のものは、カビの生育が抑えられ、抗カビ性効果が顕著に認識できる。なお、シャーレの蓋に非接触型防カビ剤組成物を含浸させた布を貼らないで同様にカビの生育状態を観察した場合は、防カビ効果が認められないことを確認している。結果を表1に示す。
−:カビの生育なし
+:カビ菌糸のみ僅かに生育している
++:カビ菌糸のみ生育している
+++:カビ菌糸に加え、カビ胞子が僅かに生育している
++++:カビ胞子、菌糸ともに十分に生育している
<匂い評価法>
30歳代の男性5人及び女性5人の計10人のパネラーに、表1に示す配合処方の非接触型防カビ剤組成物と、それぞれの(b)又は(b’)成分のみの香りを嗅いでもらい、下記の5段階の評価基準に基づいて評価し、その平均値を求めた。この中で1以上3未満が匂い評価において優れている。結果を表1に示す。
1:(b)又は(b’)成分の香調を保っている
2:(b)又は(b’)成分の香調をほぼ保っている
3:(b)又は(b’)成分の香調とやや差がある
4:(b)又は(b’)成分の香調と差がある
5:(b)又は(b’)成分の香調とかなり差がある
Figure 0005275618
表1から、比較例1〜5の組成物は、Aspergillus.niger及びCladosporiumに対する防カビ性能、もしくは香調の維持のどちらか又は両方が不十分であるのに対し、実施例1〜11の非接触型防カビ剤組成物は、Aspergillus.niger及びCladosporiumのいずれに対しても防カビ性能が高く、かつ香調は維持されていることが分かる。
実施例12
不織布(東洋紡績株式会社製、東洋紡スパンボンド、ボランス4301N)に、表1の実施例9に示す配合処方の非接触型防カビ剤組成物を150質量%含浸させて、非接触型防カビ剤組成物含浸不織布を調製した。内容積約60Lのプラスチック製収納ボックス(64cm×40cm×23cm、ヨシカワ製、ネオテナーミドルM23)内に、この非接触型防カビ剤組成物含浸不織布1.7g、及び実施例1と同じカビ試験片2,2’をシャーレ1の蓋を外した状態で静置した。25℃、100%RHにて7日間培養し、実施例1と同様の方法で防カビ効果を判定した。その結果、Aspergillus.niger及びCladosporiumのいずれに対しても判定は「−」で、防カビ性能が高かった。また、実施例1と同様に匂いの評価を行ったところ、匂い評価は「1.5」で、香調は維持されていた。
実施例において、防カビ性能の評価に用いたシャーレの略示図である。
符号の説明
1 シャーレ
2,2’ カビ試験片
3 シャーレの蓋
4 非接触型防カビ剤組成物を含浸させた布

Claims (6)

  1. 下記(a)成分及び(b)成分を含有する非接触型防カビ剤組成物。
    (a):一般式(1)で表される化合物から選ばれる少なくとも1種
    1−O(AO)nH (1)
    〔式中、R1は炭素数6〜11のアルキル基、Aは炭素数2〜3のアルキレン基、nは平均付加モル数を示す1〜3の数であり、n個のAは同一でも異なっていても良い。但し、エチレングリコールモノヘキシルエーテルは除く。〕
    (b):ゲラニオール、ネロール、シトロネロール、α−ターピネオール、ターピネン−4−オール、フロラロール、フォルロシア、マヨール、デセノール、2,6−ノナジエノール、ベンジルアルコール、フェニルエチルアルコール、カルバクロール、オイゲノール、シトラール、フェニルプロピルアルデヒド、シンナミックアルデヒド、アニスアルデヒド及びクミンアルデヒドから選ばれる少なくとも1種
  2. (a)成分が、一般式(1)において、R1が炭素数6〜11のアルキル基、Aがプロピレン基(プロパン−1,2−ジイル基)、nが1〜2の数である化合物、R1が炭素数6〜11のアルキル基、Aがエチレン基、nが2である化合物、及びR1が炭素数7〜11のアルキル基、Aがエチレン基、nが1である化合物から選ばれる少なくとも1種である請求項1記載の非接触型防カビ剤組成物。
  3. (a)成分が、プロピレングリコールモノヘキシルエーテル、プロピレングリコールモノオクチルエーテル、トリプロピレングリコールモノオクチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル、プロピレングリコールモノイソデシルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノオクチルエーテル、エチレングリコールモノ2−エチルヘキシルエーテル、エチレングリコールモノデシルエーテル、及びジエチレングリコールモノデシルエーテルから選ばれる少なくとも1種である請求項1記載の非接触型防カビ剤組成物。
  4. 組成物中の(a)成分と(b)成分の配合比率が、(a)/(b)(質量比)=100/1〜1/100である請求項1〜いずれかに記載の非接触型防カビ剤組成物。
  5. 液状であり、衣類を収納した空間に揮散させて用いられる、請求項1〜いずれかに記載の非接触型防カビ剤組成物。
  6. 請求項1〜いずれかに記載の非接触型防カビ剤組成物を、容器に収納してなる防カビ剤組成物包装体。
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