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JP5218383B2 - はんだ合金の製造方法 - Google Patents

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Description

この発明は、錫を主成分とするはんだ合金およびはんだ合金の製造方法に関するものである。
近年、半導体装置に対する信頼性の要求はますます高まり、とくに熱膨張係数差の大きい半導体素子と回路基板との接合部に対する耐ヒートサイクル特性向上が求められている。また省エネルギーの観点から、次世代デバイスとしてシリコンカーバイド(SiC)や窒化ガリウム(GaN)を基板としたデバイスの開発が盛んに行なわれている。これらの基板を利用したデバイスにおいては、エネルギーロス低減の観点からその動作温度は175℃以上に設定されており、将来的には約300℃になるともいわれている。
このような高温動作の要求に対して、高温下での接続信頼性に優れた高温はんだ合金が必要である。たとえば、Cuの含有量が3.0質量%以上でCu−Sn化合物(たとえばCuSn)の相を含有するSn系はんだ合金が開示されている(例えば特許文献1参照)。
このようなはんだ合金においては、はんだ接合の際に通常フラックスを使用してはんだ表面や被接合材の表面の酸化膜を除去して清浄化させつつはんだ合金を溶融して被接合材同士を接合させている。そのため、接合工程後にフラックスを洗浄除去する目的で、有機溶剤による洗浄工程が必要であり、環境負荷の高い製造方法となっていた。
これに対して、有機溶剤による洗浄工程が不要で、環境負荷の低いはんだの接合方法として、蟻酸、酢酸などの還元性ガスを用いた還元処理によって被接合材の表面の酸素量を低下させ、フラックスを含まないシート状あるいはペレット状のはんだ合金を用いたはんだ接合方法が開示されている(例えば特許文献2参照)。
特開2007−67158号公報(8頁、表1) 特開2006−88204号公報(7−8頁)
フラックスの洗浄工程が不要な蟻酸、酢酸などの還元性ガスを用いた還元処理によるはんだ接合工程においては、厚さが1mm以下の薄いペレット状の必要である。ところが、高温下での接続信頼性に優れたCu含有量の多いはんだ合金を圧延して厚さ1mm以下のペレットを作製すると、ペレットに割れが発生する事がわかった。そのため、高温下での接続信頼性に優れたはんだ合金を環境負荷の低い還元性ガスを用いた還元処理によるはんだ接合方法に適用する事が困難という問題があった。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、高温下での接続信頼性に優れたCu含有量の多いはんだ合金を環境負荷の低い還元性ガスを用いた還元処理によるはんだ接合方法に適用することを可能にすることを目的とする。
の発明に係るはんだ合金の製造方法においては、1.5質量%以下の銅を含み残部の主成分が錫からなる第1のはんだ合金と、2.0質量%以上の銅を含み残部の主成分が錫からなる第2のはんだ合金とを所定の質量比で重ね合わせ、熱間圧延工程よって3質量%以上10質量%以下の銅を含み残部の主成分が錫からなるペレット状のはんだ合金を製造するものである。
あるいは、1.5質量%以下の銅を含み残部の主成分が錫からなる第1のはんだ合金に、2.0質量%以上の銅を含み残部の主成分が錫からなるはんだ合金の粉末を所定の質量比で付着させ、熱間圧延工程よって3質量%以上10質量%以下の銅を含み残部の主成分が錫からなるペレット状のはんだ合金を製造するものである。
この発明は、1.5質量%以下の銅を含み残部の主成分が錫からなる第1のはんだ合金と、2.0質量%以上の銅を含み残部の主成分が錫からなる第2のはんだ合金とを合体させて熱間圧延工程を行なうことにより、3質量%以上10質量%以下の銅を含み残部の主成分が錫からなる厚さが1mm以下の薄いペレット状のはんだ合金を作製する工程において、割れを防止することができる。
実施の形態1.
実施の形態1においては、錫(Sn)と銅(Cu)とを主成分とするはんだ材料にゲルマニウム(Ge)を添加したものである。本実施の形態においては、はんだ合金をSn−5Cu−xGeのように表記する。この場合、5質量%のCuと、x質量%のGeと、残部の主成分がSnとで構成されたはんだ合金を示している。本実施の形態においては、残部の主成分がSnで構成されていればよく、不可避的な不純物などを含んでいてもよい。
x=0(比較例1)、x=0.00005(実施例1)、x=0.0001(実施例2)、x=0.0005(実施例3)、x=0.001(実施例4)、x=0.005(実施例5)、x=0.007(実施例6)、x=0.01(実施例7)、x=0.05(実施例8)、x=0.1(実施例9)、x=0.2(比較例2)およびx=0.5(比較例3)となるように、Sn粉末、Cu粉末およびGe粉末をそれぞれ所定量秤量して混合した。これらの混合粉末を、高周波溶融炉にて溶融後、金型に投入して鍛造することにより、それぞれ長さ325mm、幅40mm、厚さ40mmの棒状はんだ材を作製した。
なお、Ge添加量が微量であるため、棒状はんだ材の一部を用いてICP分析(Inductively CoupledPlasma Analysis)を行い、Geの添加量を確認した。
これらの各実施例および比較例の棒状はんだ材を、圧延機で圧延してペレット状のはんだ合金を作製した。このとき、1回の圧延率が10%となるように圧延機の圧延ロール間隔を適宜調整した。ここで、圧延率は、(圧延前の厚さ−圧延後の厚さ)/(圧延前の厚さ)×100[%]と定義する。圧延工程は、圧延後のペレットに目視で確認できる長さ0.5mm以上の割れが発生するまで圧延率10%で繰り返し行い、割れが確認できたときの厚さを割れ発生厚さとした。
表1は、本実施の形態における各実施例および比較例の割れ発生厚さを示したものである。なお、表1において、割れ発生厚さの表記で「<0.1」とは、厚さ0.1mmまで圧延してもわれが発生しなかったことを示している。
Figure 0005218383
表1からわかるように、Geを0.00005〜0.1質量%添加することで、ペレットの厚さを1mm以下まで圧延しても割れが発生しないことがわかる。なお、好ましくは、Geの添加量が0.001〜0.01質量%であれば、厚さ0.1mmまで割れが発生せず、圧延性に優れたはんだ合金が得られることがわかる。
一方、比較例1においては、厚さが3.60mmで割れが発生したが、この原因は、鍛造して棒状はんだ材を作製した際に、棒状はんだ材の内部にボイドが発生したためと推定される。また、比較例2および3においては、Geの添加量が多いために、棒状はんだ材の内部にGeが偏析し、この偏析したGeが起点となって圧延時に割れが発生したと推定される。
次に、本実施の形態における蟻酸の還元雰囲気を用いた還元処理によるはんだ接合工程について説明する。はんだペレットしては、実施例5(x=0.005)のペレットを用いた。ペレットの厚さは0.5mmとした。
□7mm×厚さ0.25mmのSiチップ(たとえば日立超LSIシステムズ製TEGチップ)と□10mm×厚さ1mmのCuブロックを用意する。Siチップの接合面には厚さ約700nmのNi膜をメッキ処理により成膜する。これらのSiチップとCuブロックとを、50〜200ppmの蟻酸還元雰囲気中において175℃で50秒間保持することにより接合面の酸化膜を除去する。次に、同じ蟻酸還元雰囲気中において、Siチップの接合面とCuブロックの接合面との間に、上記実施例5のはんだペレットを挟み、これらをホットプレート上に載置し、180℃で40秒間保持し、続けて320℃で15秒間保持することにより、SiチップとCuブロックとを接合した。その後、大気放冷させて接合サンプルを作製した。
このような接合サンプルを、同じはんだペレットを用いて10個作製し、はんだ接合部を透過X線装置によってそれぞれの接合サンプルのはんだ接合部の透過X線写真を撮影し、この透過X線写真の画像を画像処理により濃淡を2値化(黒色または白色)してボイド率を算出した。ここで、ボイド率とは、透過X線写真において空洞のボイドは薄い色となるので、2値化したときの写真全体の面積に対する白色部分の面積比で定義される。その結果、本実施の形態における蟻酸の還元雰囲気を用いた還元処理によるはんだ接合においては、10個のサンプルすべてにおいて、ボイド率は6〜9%となり、長期信頼性の観点からボイド率の製造基準としている10%以下を満足した。
実施の形態2.
実施の形態2においては、Geの添加量を一定とし、Cuの含有量を変更したものである。本実施の形態においては、はんだ合金をSn−yCu−0.005Geのように表記する。この場合、y質量%のCuと、0.005質量%のGeと、残部の主成分がSnとで構成されたはんだ合金を示している。本実施の形態においても実施の形態1と同様に、残部の主成分がSnで構成されていればよく、不可避的な不純物などを含んでいてもよい。
y=2(比較例4)、y=3(実施例11)、y=5(実施例12)、y=8(実施例13)、y=10(実施例14)、y=12(比較例5)およびy=15(比較例6)となるように、Sn粉末、Cu粉末およびGe粉末をそれぞれ所定量秤量して混合した。これらの混合粉末を、高周波溶融炉にて溶融後、金型に投入して鍛造することにより、それぞれ長さ325mm、幅40mm、厚さ40mmの棒状はんだ材を作製した。
これらの各実施例および比較例の棒状はんだ材を、圧延機で圧延してペレット状のはんだ合金を作製した。このとき、1回の圧延率が10%となるように圧延機の圧延ロール間隔を適宜調整した。圧延率および割れ発生厚さは、実施の形態1と同様に定義される。
次に、□7mm×厚さ0.25mmのSiチップ(たとえば日立超LSIシステムズ製TEGチップ)と□10mm×厚さ1mmのCuブロックを用意する。Siチップの接合面には厚さ約700nmのNi膜をメッキ処理により成膜する。これらのSiチップとCuブロックとを、50〜200ppmの蟻酸還元雰囲気中において175℃で50秒間保持することにより接合面の酸化膜を除去する。次に、同じ蟻酸還元雰囲気中において、Siチップの接合面とCuブロックの接合面との間に、上記各実施例および比較例のはんだペレットを挟み、これらをホットプレート上に載置し、180℃で40秒間保持し、続けて320℃で15秒間保持することにより、SiチップとCuブロックとを接合した。その後、大気放冷させて接合サンプルを作製した。
これらの接合サンプルをはんだ接合部の接合断面が露出するように断面研磨し、はんだ接合部の接合断面を電子顕微鏡で約2万倍の倍率で観察し、Ni膜の残存膜厚を測定した。
表2は、本実施の形態における各実施例および比較例の割れ発生厚さおよびNi膜の残存膜厚を示したものである。
Figure 0005218383
表2からわかるように、Geが0.005質量%添加されたはんだ合金においては、Cu組成比が、10質量%以下であれば、ペレットの厚さを1mm以下まで圧延しても割れが発生しないことがわかる。また、Cuの含有量が3質量%以上であれば、Ni残存膜厚が400nm以上となる。はんだ接合の長期信頼性を確保するためには、残存するNi膜の膜厚が400nm以上であることが望ましい。残存するNi膜の膜厚が400nmより小さくなると界面剥離(クラック)などの発生する確率が高くなるので、Cuの組成比は3質量%以上が望ましい。したがって、Cuの含有量が3〜10質量%の範囲であれば圧延性および長期接合信頼性に優れた半田合金となる。
なお、実施の形態1において、残存するNi膜の膜厚は、実施例1〜9および比較例1〜3すべて500nm以上であった。
実施の形態3.
実施の形態3においては、Cu含有量が低いはんだ合金と、Cu含有量の高いはんだ合金とを組み合わせて、Cu含有量が3〜10質量%のペレット状のはんだ合金を製造する方法を示したものである。
始めに、1mm以下まで圧延しても割れの発生もなく、安定してペレット状のはんだ合金が得られるCu含有量を求めた。ここで、はんだ合金をSn−yCuのように表記する。この場合、y質量%のCuと残部の主成分がSnとで構成されたはんだ合金を示している。本実施の形態においても実施の形態1と同様に、残部の主成分がSnで構成されていればよく、不可避的な不純物などを含んでいてもよい。本実施の形態においては、棒状はんだ材の製造方法および圧延工程は、実施の形態1と同様である。Cu含有量(y)を変化させて棒状はんだ材を作製し、さらに圧延後の厚さが1mm、2mmおよび5mm厚としたサンプルを各10個ずつ作製し、それぞれの10個のサンプルにおいて、割れが発生せず良好なペレットが得られた率(歩留り)を評価した。
表3は、Cu含有量とペレット厚に対する歩留りを示したものである。この表から、Cu含有量が1.5質量%以下で歩留り100%となることがわかる。
Figure 0005218383
次に、上記の結果からCu含有量が低いはんだ合金として、Sn−1.5Cuはんだ合金を用いて、Cu含有量の高いはんだ合金と組み合わせて、Cu含有量が3〜10質量%のペレット状のはんだ合金を製造する方法について説明する。
Sn−1.5Cuはんだ合金を用いて、長さ325mm、幅40mm、厚さ30mmの棒状はんだ材を作製する。この棒状はんだ材の表面に、約400gのSn−30Cuの粉末状はんだ合金を付着させる。この粉末状はんだ合金が付着した棒状はんだ材を、圧延機を用いて、1回の圧延率を10%に設定して圧延を複数回行い、厚さ1mmのペレット状はんだ合金を作製した。
このようにして得られたペレット状はんだ合金の組成は、Sn−1.5Cuはんだ合金とSn−30Cuはんだ合金との混合割合から、Sn−5Cuとなる。また、このペレット状はんだ合金には、割れは発生しなかった。
次に、□7mm×厚さ0.25mmのSiチップ(たとえば日立超LSIシステムズ製TEGチップ)と□10mm×厚さ1mmのCuブロックを用意する。Siチップの接合面には厚さ約700nmのNi膜をメッキ処理により成膜する。これらのSiチップとCuブロックとを、50〜200ppmの蟻酸還元雰囲気中において175℃で50秒間保持することにより接合面の酸化膜を除去する。次に、同じ蟻酸還元雰囲気中において、Siチップの接合面とCuブロックの接合面との間に、本実施の形態のはんだペレットを挟み、これらをホットプレート上に載置し、180℃で40秒間保持し、続けて320℃で15秒間保持することにより、SiチップとCuブロックとを接合した。その後、大気放冷させて接合サンプルを作製した。
このような接合サンプルを、同じはんだペレットを用いて10個作製し、はんだ接合部を透過X線装置によってそれぞれの接合サンプルのはんだ接合部の透過X線写真を撮影し、ボイド率を算出した。その結果、本実施の形態における蟻酸の還元雰囲気を用いた還元処理によるはんだ接合においては、10個のサンプルすべてにおいて、ボイド率は6〜9%となり、長期信頼性の観点からボイド率の製造基準としている10%以下を満足した。
なお、本実施の形態においては、Sn−1.5Cuはんだ合金の厚さ30mmの棒状はんだ材に、Sn−30Cuの粉末状はんだ合金を付着させて、厚さ1mmのペレット状のSn−5Cuはんだ合金を作製したが、Cu含有量が低いはんだ合金としてはCu含有量が1.5質量%以下のはんだ合金、Cu含有量の高いはんだ合金としてはCu含有量が2.0質量%以上のはんだ合金を用いて、Cu含有量が3〜10質量%で厚さ1mmのペレット状のはんだ合金を作製することができる。また、Cu含有量の高いはんだ合金の替わりに、純銅を用いることもできる。
実施の形態4.
実施の形態4においては、実施の形態3とは異なる方法で、Cu含有量が低いはんだ合金とCu含有量の高いはんだ合金とを組み合わせて、Cu含有量が3〜10質量%のペレット状のはんだ合金を製造する方法を示したものである。
Sn−1.5Cuはんだ合金粉末を2.8kg、平均粒径約20μmのSn−30Cuのはんだ合金粉末を400g用意する。Sn−1.5Cuはんだ合金粉末を高周波溶融炉にて溶融後、長さ325mm、幅40mm、厚さ40mmの棒状はんだ材を作製するための金型に投入する。金型内の溶融はんだ合金の温度を共晶温度(227℃)以下に設定した後に、Sn−30Cuのはんだ合金粉末を金型に追加投入する。この場合、追加投入したSn−30Cuはんだ合金粉末は溶解せず、溶融しているSn−1.5Cuはんだ合金に分散する。その後冷却して長さ約325mm、幅40mm、厚さ40mmの棒状はんだ材を作製した。
このようにして作製された棒状はんだ材を、圧延機を用いて、1回の圧延率を10%に設定して圧延を複数回行い、厚さ1mmのペレット状はんだ合金を作製した。
このようにして得られたペレット状はんだ合金の組成は、Sn−1.5Cuはんだ合金とSn−30Cuはんだ合金との混合割合から、Sn−5Cuとなる。また、このペレット状はんだ合金には、割れは発生しなかった。
次に、□7mm×厚さ0.25mmのSiチップ(たとえば日立超LSIシステムズ製TEGチップ)と□10mm×厚さ1mmのCuブロックを用意する。Siチップの接合面には厚さ約700nmのNi膜をメッキ処理により成膜する。これらのSiチップとCuブロックとを、50〜200ppmの蟻酸還元雰囲気中において175℃で50秒間保持することにより接合面の酸化膜を除去する。次に、同じ蟻酸還元雰囲気中において、Siチップの接合面とCuブロックの接合面との間に、本実施の形態のはんだペレットを挟み、これらをホットプレート上に載置し、180℃で40秒間保持し、続けて320℃で15秒間保持することにより、SiチップとCuブロックとを接合した。その後、大気放冷させて接合サンプルを作製した。
このような接合サンプルを、同じはんだペレットを用いて10個作製し、はんだ接合部を透過X線装置によってそれぞれの接合サンプルのはんだ接合部の透過X線写真を撮影し、ボイド率を算出した。その結果、本実施の形態における蟻酸の還元雰囲気を用いた還元処理によるはんだ接合においては、10個のサンプルすべてにおいて、ボイド率は6〜9%となり、長期信頼性の観点からボイド率の製造基準としている10%以下を満足した。
なお、本実施の形態においては、Sn−1.5Cuはんだ合金の溶融物にSn−30Cuはんだ合金粉末を投入して棒状はんだ材を作製したが、Cu含有量が低いはんだ合金としてはCu含有量が1.5質量%以下のはんだ合金、Cu含有量の高いはんだ合金としてはCu含有量が2.0質量%以上のはんだ合金を用いて棒状はんだ材を作製することができる。また、Cu含有量の高いはんだ合金粉末の替わりに、純銅の粉末を用いることもできる。
また、本実施の形態においては、Cu含有量の高いはんだ合金粉末として平均粒径20μmのものを用いたが、平均粒径は1〜50μmの範囲が好ましい。平均粒径が1μm以上であれば、接合サンプル作製時のはんだ合金の濡れ性がよくなり、平均粒径が50μm以下であれば、ペレット状はんだ合金の作製時に確実に割れが発生せず安定してペレット状に加工できる。
実施の形態5.
実施の形態5においては、Cu含有量が低いはんだ合金と、Cu含有量の高いはんだ合金とを組み合わせて、Cu含有量が3〜10質量%のペレット状のはんだ合金を製造する方法を示したものである。
Sn−1.5Cuはんだ合金を用いて、長さ325mm、幅40mm、厚さ20mmの棒状はんだ材を作製する。次に、Sn−6.5Cuはんだ合金を用いて、長さ325mm、幅40mm、厚さ20mmの棒状はんだ材を作製する。この厚さ20mmでCu含有量の異なる棒状はんだ材を重ねて、圧延機を用いて、1回の圧延率を10%に設定して圧延を複数回行い、厚さ1mmのペレット状はんだ合金を作製した。
このようにして得られたペレット状はんだ合金の組成は、Sn−1.5Cuはんだ合金とSn−6.5Cuはんだ合金との混合割合から、Sn−4Cuとなる。また、このペレット状はんだ合金には、割れは発生しなかった。
次に、□7mm×厚さ0.25mmのSiチップ(たとえば日立超LSIシステムズ製TEGチップ)と□10mm×厚さ1mmのCuブロックを用意する。Siチップの接合面には厚さ約700nmのNi膜をメッキ処理により成膜する。これらのSiチップとCuブロックとを、50〜200ppmの蟻酸還元雰囲気中において175℃で50秒間保持することにより接合面の酸化膜を除去する。次に、同じ蟻酸還元雰囲気中において、Siチップの接合面とCuブロックの接合面との間に、本実施の形態のはんだペレットを挟み、これらをホットプレート上に載置し、180℃で40秒間保持し、続けて320℃で15秒間保持することにより、SiチップとCuブロックとを接合した。その後、大気放冷させて接合サンプルを作製した。
このような接合サンプルを、同じはんだペレットを用いて10個作製し、はんだ接合部を透過X線装置によってそれぞれの接合サンプルのはんだ接合部の透過X線写真を撮影し、ボイド率を算出した。その結果、本実施の形態における蟻酸の還元雰囲気を用いた還元処理によるはんだ接合においては、10個のサンプルすべてにおいて、ボイド率は6〜9%となり、長期信頼性の観点からボイド率の製造基準としている10%以下を満足した。
なお、本実施の形態においては、Sn−1.5Cuはんだ合金の厚さ20mmの棒状はんだ材とSn−6.5Cuはんだ合金の厚さ20mmの棒状はんだ材とを組み合わせて、厚さ1mmのペレット状のSn−5Cuはんだ合金を作製したが、Cu含有量が低いはんだ合金としてはCu含有量が1.5質量%以下のはんだ合金、Cu含有量の高いはんだ合金としてはCu含有量が2.0質量%以上のはんだ合金を用いて、Cu含有量が3〜10質量%で厚さ1mmのペレット状のはんだ合金を作製することができる。
また、本実施の形態においては、Cu含有量の異なる2つの棒状はんだ材を用いたが、棒状はんだ材の厚みを薄くして、Cu含有量の異なる2つの棒状はんだ材を多層に重ねて圧延することもできる。
また、Cu含有量の高いはんだ合金の替わりに、純銅を用いることもできる。この場合、Sn−Cuはんだ合金の棒状はんだ材を棒状の純銅材で挟んで圧延することができる。

Claims (3)

  1. 1.5質量%以下の銅を含み残部の主成分が錫からなる第1のはんだ合金と、
    2.0質量%以上の銅を含み残部の主成分が錫からなる第2のはんだ合金および純銅の少なくとも一方とを所定の質量比で重ね合わせ、
    熱間圧延工程よって3質量%以上10質量%以下の銅を含み残部の主成分が錫からなるペレット状のはんだ合金の製造方法。
  2. 1.5質量%以下の銅を含み残部の主成分が錫からなる第1のはんだ合金の溶融物に、
    前記第1のはんだ合金の共晶温度以下で2.0質量%以上の銅を含み残部の主成分が錫からなる第2のはんだ合金の粉末および純銅粉末の少なくとも一方を分散させ、
    熱間圧延工程よって3質量%以上10質量%以下の銅を含み残部の主成分が錫からなるペレット状のはんだ合金の製造方法。
  3. 1.5質量%以下の銅を含み残部の主成分が錫からなる第1のはんだ合金に、
    2.0質量%以上の銅を含み残部の主成分が錫からなる第2のはんだ合金の粉末および純銅の粉末の少なくとも一方とを所定の質量比で付着させ、
    熱間圧延工程よって3質量%以上10質量%以下の銅を含み残部の主成分が錫からなるペレット状のはんだ合金の製造方法。
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