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JP5194922B2 - 電気化学セル用包装材料 - Google Patents

電気化学セル用包装材料 Download PDF

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JP5194922B2 JP2008077150A JP2008077150A JP5194922B2 JP 5194922 B2 JP5194922 B2 JP 5194922B2 JP 2008077150 A JP2008077150 A JP 2008077150A JP 2008077150 A JP2008077150 A JP 2008077150A JP 5194922 B2 JP5194922 B2 JP 5194922B2
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Description

本発明は、安定した耐熱性、耐電解液性、耐ガス透過性、成形性を示す電気化学セル用包装材料に関するものである。
リチウムイオン電池とは、リチウム二次電池ともいわれ、液状、ゲル状又は高分子ポリマー状の電解質を持ち、正極・負極活物質が高分子ポリマーからなるものを含むものである。このリチウムイオン電池は、充電時には正極活物質であるリチウム遷移金属酸化物中のリチウム原子(Li)がリチウムイオン(Li+)となって負極の炭素層間に入り込み(インターカレーション)、放電時にはリチウムイオン(Li+)が炭素層間から離脱(デインターカレーション)して正極に移動し、元のリチウム化合物となることにより充放電反応が進行する電池であり、ニッケル・カドミウム電池やニッケル水素電池より出力電圧が高く、高エネルギー密度である上、浅い放電と再充電を繰り返すことにより見掛け上の放電容量が低下する、いわゆるメモリー効果がないという優れた特長を有している。
また、リチウムイオン電池の構成は、正極集電材/正極活性物質層/電解質層/負極活性物質層/負極集電材及び、これらを包装する外装体からなり、外装体を形成する包装材料として従来、金属をプレス加工し円筒状または直方体状等に容器化した金属製缶が用いられていた。
しかし、金属製缶は、容器外壁がリジッドであるため、電池自体の形状が限定されてしまい、ハード側を電池に合わせて設計する必要から形状の自由度がないため、近年、金属製缶に替わって多層フィルムが包装材料として用いられる傾向にある。
図8は従来の包装材料30の層構成を示す断面図であり、図8に示すように、従来の包装材料30は、少なくとも基材層31、金属箔層32、熱接着性樹脂層35で構成され、金属箔層32表面には化成処理層33が形成されるとともに、金属箔層32と熱接着性樹脂層35とは酸変性ポリオレフィン層34により接着されている。また、基材層31と金属箔層32は接着剤層37により接着されている。また、この包装材料30を袋状に形成し電池本体を収納するパウチタイプ、または、包装材料30をプレス加工して凹部を形成し、凹部に電池本体を収納するエンボスタイプの電池用外装体が形成される。
図9は、従来のパウチタイプのリチウムイオン電池41の斜視図であり、図10は、図9に示したパウチタイプのリチウムイオン電池41を分解して示す分解斜視図である。図9及び図10に示すように、パウチタイプのリチウムイオン電池41は最内層の熱接着性樹脂層35(図8参照)同士を重ね合わせ、外装体40の周縁部であるヒートシール部40aをヒートシールすることによりパウチタイプの外装体40が形成され、外装体40内にリチウムイオン電池本体42を収納し、開口部をヒートシールしてリチウムイオン電池本体42を密封収納する。
また、図11は従来のエンボスタイプのリチウムイオン電池51の斜視図であり、図12は図11に示したエンボスタイプのリチウムイオン電池51を分解して示す分解斜視図である。図11及び図12に示すように、エンボスタイプのリチウムイオン電池51はエンボス部が形成されたトレイ50tの内部にリチウムイオン電池本体52を収納し、トレイ50tとシート50sの熱接着性樹脂層35(図8参照)同士を重ね合わせ外装体50の周縁部であるヒートシール部50aをヒートシールすることにより、トレイ50tとシート50sから構成されるエンボスタイプの外装体50内部にリチウムイオン電池本体52を密封収納する。
なお、リチウムイオン電池本体42、52は、正極活物質及び正極集電体から成る正極と、負極活物質及び負極集電体から成る負極と、正極及び負極間に充填される電解質と(いずれも図示せず)を含むセル(蓄電部)と、セル内の正極及び負極に連結されるとともに先端が外装体40、50の外部に突出する金属端子44、54から構成されている。
また、図13は従来のエンボスタイプのリチウムイオン電池61の斜視図であり、図14のリチウムイオン電池61のB−B’における断面図である。図14に示すように、外装体60は最内層の熱接着性樹脂層35同士を重ね合わせ、外装体60の周縁部をヒートシールすることにより外装体周縁部(ヒートシール部60a)を接着し、ヒートシール以外の第1領域60bにリチウムイオン電池本体62を密封収納している。しかし、第1領域60bにおいて、リチウムイオン電池61の長期間の使用又は急速な充電により、リチウムイオン電池本体62が発熱し、外装体60の最内層に配された熱接着性樹脂層35の一部を溶融することがあった。このとき、外装体60内部に充填された電解質が溶融した熱接着性樹脂層35の一部から金属箔層32に浸透し、リチウムイオン電池61は短絡を発生することがあった。
一方、熱接着性樹脂層35が容易に溶融しないよう、熱接着性樹脂層35に耐熱性に優れた樹脂を使用した場合、ヒートシール時の温度を高く設定する必要があり、外装体60の製造効率が低下するという問題があった。そこで、これらの問題を解決するため、従来、熱接着性樹脂層35と金属箔層32との間にポリエチレンテレフタレート等の耐熱性に優れる2軸延伸フィルムからなる中間層を介在させた包装材料が提案されていた。
また、特許文献1には金属箔層であるアルミニウム箔と熱接着性樹脂層である熱可塑性樹脂フィルムとが、ポリオレフィンポリオールと多官能イソシアネート硬化剤とを必須成分とする接着剤組成物により接着された包装材料が提案されていた。
一方、図14に示すように、ヒートシールされた外装体60端面において、酸変性ポリオレフィン層34および熱接着性樹脂層35から水蒸気ガスが外装体60内部に透過することが問題となっていた。水蒸気ガスが外装体60内部に浸透した場合、外装体60内部に充填された電解質と浸透した水蒸気ガスが反応し、フッ化水素ガスが発生して外装体60が破裂するおそれがあった。このため、酸変性ポリオレフィン層34および熱接着性樹脂層35には水蒸気ガスが透過し難い耐ガス透過性に優れた樹脂を使用するとともに、金属箔層32と熱接着性樹脂層35との間に余計な樹脂層を設けないことが、外装体60の端面から外装体60内部に水蒸気ガスが透過するのを防ぐ効果的な方法であった。
特開2005−63685号公報
しかし、例えばポリエチレンテレフタレート等の2軸延伸フィルムからなる中間層を熱接着性樹脂層35と金属箔層32との間に介在させた場合、2軸延伸フィルムを接着させるための接着剤層を新たに設ける必要があった。このため、新たに設けた接着剤層の端面から水蒸気ガスが浸透し易くなるという問題があった。さらに、ポリエチレンテレフタレート等の2軸延伸フィルムを熱接着性樹脂層35と金属箔層32との間に介在させた場合、包装材料30をエンボス成形する際に熱接着性樹脂層35と金属箔層32とが剥離し易く、成形性が低下することが問題となっていた。また、特許文献1に示された包装材料はポリオレフィンポリオールと多官能イソシアネート硬化剤とを必須成分とする接着剤組成物を用いることにより、外装体の耐熱性、成形性、耐ガス透過性等の特性が向上すると考えられるが、上記問題を解決するほどの十分な効果が得られなかった。
また、上記リチウムイオン電池本体42、52,62を外装体40、50、60に収納する場合の他、キャパシタ、電気二重層キャパシタ等の電気化学セル本体を収納し密封シールした場合にも同様の問題が生じていた。
そこで、本発明は上記問題点に鑑み、リチウムイオン電池本体、キャパシタ、電気二重層キャパシタ等の電気化学セル本体を密封収納する外装体に用いられ、耐熱性、耐電解液性、耐ガス透過性、成形性に優れる電気化学セル用包装材料を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の第1の構成による電気化学セル用包装材料では、正極活物質及び正極集電体から成る正極と、負極活物質及び負極集電体から成る負極と、前記正極及び前記負極間に充填される電解質と、を含む電気化学セル本体を収納し周縁部をヒートシールすることで前記電気化学セル本体を内部に密封収納する外装体に用いられ、基材層と、表面に化成処理が施された金属箔層と、酸変性ポリオレフィン層と、熱接着性樹脂層とを、少なくとも順次積層して構成される電気化学セル用包装材料であって、前記金属箔層表面に耐熱性の樹脂コーティング層が形成され、前記樹脂コーティング層がヒートシールされる領域の少なくとも一部を除いて形成されていることを特徴とする。
また、本発明の第2の構成は、上記電気化学セル用包装材料において、前記金属箔層表面に耐熱性樹脂を所定パターン状に印刷塗布して前記樹脂コーティング層が形成されていることを特徴とする。
また、本発明の第3の構成は、上記電気化学セル用包装材料において、前記所定パターンが網点状であることを特徴とする。
また、本発明の第4の構成は、上記電気化学セル用包装材料において、前記樹脂コーティング層がエポキシ樹脂を主成分とする樹脂で構成されていることを特徴とする。
本発明の第1の構成によると、樹脂コーティング層はヒートシールされる領域の少なくとも一部を除いて、形成されているため、本構成の電気化学セル用包装材料はヒートシールされる領域に樹脂コーティング層を介さない領域を有する。したがって、本構成の電気化学セル用包装材料をヒートシールしたとき、ヒートシールされる領域における樹脂コーティング層を介さない領域では、シール強度の低下、耐ガス透過性の低下が発生しない。なお、ヒートシール領域の全ての領域に樹脂コーティング層が形成されていない場合がシール強度、耐ガス透過性の点から最も望ましい。
また、本構成の電気化学セル用包装材料はヒートシールされる領域以外の領域に樹脂コーティング層が介されている。したがって、本構成の電気化学セル用包装材料を用いて外装体を形成したとき、外装体内部に樹脂コーティング層が形成された金属箔層が配される。したがって、外装体内部で電解質を含む電気化学セル本体が発熱し、最内層の熱接着性樹脂層が溶融した場合でも、耐熱性を有する樹脂コーティング層により金属箔層が保護される。このため、電解質が金属箔層に接触し電気化学セルが短絡するのを防ぐことができる。これにより、本構成の電気化学セル用包装材料を用いて成形された外装体は外装体内部の発熱に対して優れた絶縁性を有する。
また、樹脂コーティング層は金属箔層表面に形成されているため、中間層として耐熱性樹脂フィルムを介在させる場合に比べて、金属箔層と酸変性ポリオレフィン層との接着性に与える影響が少ない。このため、本構成の電気化学用包装材料はプレス成形性が低下しない。
本発明の第2の構成によると、上記電気化学セル用包装材料において、金属箔層表面に耐熱性樹脂を所定パターン状に印刷塗布して樹脂コーティング層を形成することにより、樹脂コーティング層を所定領域に正確に形成することができる。したがって、ヒートシールされる領域において、樹脂コーティング層を形成しないことにより、シール強度の低下、耐ガス透過性の低下を抑えることができる。また、ヒートシールされない領域においては、樹脂コーティング層を形成することにより、耐熱性を有する樹脂コーティング層が金属箔層を保護し、電気化学セルが短絡するのを防ぐことができる。これにより、本構成の電気化学用包装材料を用いて成形された外装体は外装体内部の発熱に対して優れた絶縁性を有する。
本発明の第3の構成によると、上記電気化学セル用包装材料において、樹脂コーティング層を金属箔層表面に網点状に形成することにより、ヒートシールされる領域及びヒートシールされない領域に樹脂コーティング層を一様に形成することができる。このとき、ヒートシールされる領域においては、樹脂コーティング層が形成されていない部分により、シール強度の低下、耐ガス透過性の低下を抑えることができる。また、ヒートシールされない領域においては、樹脂コーティング層が形成された部分により、樹脂コーティング層が金属箔層を保護し、電気化学セルが短絡するのを防ぐことができる。これにより、本構成の電気化学用包装材料を用いて成形された外装体は外装体内部の発熱に対して優れた絶縁性を有する。
また、樹脂コーティング層を金属箔層表面に網点状に形成することにより、ヒートシールされる領域及びヒートシールされない領域に樹脂コーティング層を一様に形成することができ、本構成の電気化学セル用包装材料を用いて外装体を形成する場合、予めヒートシール領域を決定する必要がない。このため、本構成の電気化学セル用包装材料から外装体の形状を自由に設計することができる。
本発明の第4の構成によると、上記電気化学セル用包装材料において、樹脂コーティング層をエポキシ樹脂を主成分とする樹脂で構成することにより、樹脂コーティング層の耐熱性を確保することができる。これにより、本構成の電気化学用包装材料を用いて成形された外装体は外装体内部の発熱に対して優れた絶縁性を有する。
本発明は、耐熱性、成形性、耐ガス透過性、成形性に優れる電気化学セル用包装材料である。その包装材料を用いて形成された外装体を用いて、本発明の電気化学セル用包装材料を図等を利用してさらに詳細に説明する。なお、従来例の図8〜図14と共通する部分は説明を省略する。
図1は本発明の電気化学セル用包装材料10の一部分の層構成を示す断面図であり、図1を用いて本発明の電気化学セル用包装材料10を構成する各層の材料について説明する。本発明の電気化学セル用包装材料10は最外層に基材層11、最内層に熱接着性樹脂層15、その間に金属箔層12が配されたものであり、熱接着性樹脂層15と金属箔層12は酸変性ポリオレフィン層14を介して接着している。また、基材層11と金属箔層12は接着剤層17を介して接着している。このとき、金属箔層12表面には化成処理層13が設けられ、その上から樹脂コーティング層16が形成されている。なお、本発明の電気化学セル用包装材料10は上記各層を含むとともに各層間に異なる層を介在させた場合も本発明の技術範囲に含むものとする。
また、図2は本発明の電気化学セル用包装材料10を用いて形成されたパウチ型の外装体20内にリチウムイオン電池本体22(図2中、不図示)を収納したリチウムイオン電池21の斜視図であり、図3は図2中のリチウムイオン電池21のA−A’における断面図である。図2及び図3に示すように、外装体20は金属端子24を挟持した状態で、その挟持部分を含む周縁部がヒートシールされ(以下、ヒートシールされた部分をヒートシール部20aとする)、外装体20内部に電解質を含むリチウムイオン電池本体22を密封収納している。このとき、図3に示すように、ヒートシール部20aは、金属箔層12表面に樹脂コーティング層16が形成されていない。一方、ヒートシール部20a以外の第1領域20bにおいて、金属箔層12表面に樹脂コーティング層16が形成されている。
ここで、樹脂コーティング層16は耐熱性を有する樹脂を金属箔層12表面に塗工(コーティング)して形成されている。そして、この樹脂コーティング層16は金属箔層12表面の保護膜として機能している。なお、樹脂コーティング層16は少なくとも化成処理が施された金属箔層12の熱接着性樹脂層15側の面に形成されるものであり、化成処理が施された金属箔層12表面にエポキシ樹脂を主成分とする樹脂(以下、エポキシ樹脂と呼称する)を所定パターン状に印刷塗布して形成される。また、コーティングされるエポキシ樹脂の厚みは約1μm程度となる。
図3に示すように、樹脂コーティング層16が金属箔層12表面に形成された第1領域20bにおいて、外装体20内部でリチウムイオン電池本体2が発熱し熱接着性樹脂層15の一部が溶融することがある。しかし、樹脂コーティング層16は一定の耐熱性を有しており、耐熱性樹脂層15が溶融した場合でも、容易に溶融しない。したがって、熱接着性樹脂層が溶融した部位から金属箔層12に浸透した電解質は樹脂コーティング層16により金属箔層12への浸透がバリアされる。これにより、金属箔層12と電解質との接触が防がれ、リチウムイオン電池21の短絡発生を抑えることができる。以上より、本発明に係る電気化学セル用包装材料10を用いて形成された外装体20は外装体20内部の発熱に対して優れた耐熱性を有する。なお、樹脂コーティング層16は金属箔層12表面に樹脂を印刷塗布して形成され、その層厚は約1μmと薄いため、電気化学用包装材料10をプレス成形する際、プレス成形性はほとんど低下しない。
一方、樹脂コーティング層16が金属箔層12表面に形成されていないヒートシール部20aにおいては、図3に示すように、金属箔層12は酸変性ポリオレフィン層14を介して熱接着性樹脂層15と接着している。このとき、金属箔層12表面には化成処理層13(図3中、不図示)が形成されており、化成処理層13は酸変性ポリオレフィン層14と金属箔層12とを安定的に接着し、金属箔層12と熱接着性樹脂層15との剥離を防止したり、金属箔層12の腐食を防止する働きを有する。したがって、図3に示すように、ヒートシール部20aにおいて、金属箔層12表面に樹脂コーティング層16を形成しないことにより、金属箔層12表面に形成された化成処理層13と酸変性ポリオレフィン層14との接着性を安定化させ、金属箔層12の腐食を防止することができる。また、ヒートシール部20aにおける外装体20端面には樹脂コーティング層16が形成されていないため、樹脂コーティング層16を介して外装体20端面から外装体20内部に水蒸気が透過することはない。したがって、外装体20の耐ガス透過性は低下しない。
図4はパウチ型の外装体20に成形される本発明の電気化学セル用包装材料10の一実施形態を示す平面図である。図4に示すように、パウチ型の外装体20は、長方形状のシート片に裁断された包装材料10を二つ折りにした後、ヒートシール部20aをヒートシールして作成される。このとき、ヒートシール部20aを除く第1領域20bに、樹脂コーティング層16が形成されている。
ここで、樹脂コーティング層16は予め化成処理が施された金属箔層12表面にエポキシ樹脂を所定パターン状に印刷塗布して形成されており、図4に示すような電気化学セル用包装材料10を用いてパウチ型の外装体20を成形する場合、樹脂コーティング層16を形成した領域が第1領域20bとなるように電気化学セル用包装材料10を裁断する必要がある。
なお、金属箔層12表面にエポキシ樹脂を所定パターン状に印刷塗布して樹脂コーティング層16を形成する方法を用いることにより、樹脂コーティング層16を所定領域に正確に形成することができる。したがって、ヒートシール部20aを除く第1領域20bに樹脂コーティング層16を正確に形成し、ヒートシール部20aにおけるシール強度の低下、耐ガス透過性の低下を抑えることができる。
また、図5は図4で示したパウチ型の外装体20に成形される本発明の電気化学セル用包装材料10の変形例を示す平面図である。図2に示すように、外装体20は金属端子24を挟持した状態で、その挟持部分を含む周縁部(ヒートシール部20a)がヒートシールされる。したがって、過充電等が原因で外装体20内部の温度が上昇したとき、金属端子24が発熱し、外装体20最内層である熱接着性樹脂層15の金属端子24挟持部分が溶融することがある。そこで、図5に示すように、金属端子24を挟持する領域近傍である第2領域20cにおいて、金属箔層12表面に樹脂コーティング層16を形成しておくことにより、金属端子24挟持部分が溶融した場合でも、樹脂コーティング層16が金属端子24と金属箔層12との接触を防ぎ、リチウムイオン電池21が短絡するのを防ぐことができる。したがって、金属端子24の挟持部分に耐熱性のないタブフィルム(酸変性ポリプロピレン単層フィルム等)を用いた場合でも外装体20に耐熱性を持たせることができる。
また、図6はパウチ型の外装体20を形成する本発明の電気化学セル用包装材料10の一実施形態を示す平面図であり、図7は図6中の一部領域xを拡大して模式的に示した平面図である。図6及び図7に示すように、本実施形態に係る電気化学セル用包装材料10はヒートシール部20a及びヒートシール部20aを除く第1領域20bにおいて、金属箔層12表面にエポキシ樹脂が網点状に一様に印刷塗布され、樹脂コーティング層16が形成されている。また、網点状に印刷塗布されたエポキシ樹脂は図7に示すように、一定間隔でエポキシ樹脂が塗布された領域pと塗布されていない領域nを交互に形成している。したがって、本実施形態に係る電気化学セル用包装材料10はヒートシール領域20aにおいては、エポキシ樹脂が塗布されていない領域nにより、シール強度の低下、耐ガス透過性の低下を抑えることができる。一方、ヒートシール部20aを除く第1領域20bにおいては、エポキシ樹脂が塗布された領域pにより、金属箔層12と電解質との接触を防ぎ、リチウムイオン電池21の短絡発生を抑えることができる。これにより、本実施形態に係る電気化学セル用包装材料10を用いて形成された外装体20は、外装体20端面においては、外部から水蒸気ガスが透過するのを防ぐとともに外装体20内部の発熱に対しては一定の耐熱性を有する。また、本実施形態に係る電気化学セル用包装材料10は第1領域20bにおいて、一定間隔でエポキシ樹脂が塗布されていない領域nが形成されているため、金属箔層12表面の化成処理層13により、金属箔層12と酸変性ポリオレフィン層14との接着性が安定化している。
また、図6に示すように、ヒートシール部20aとヒートシール部20aを除く第2領域20bとにエポキシ樹脂が一様に印刷塗布されているので、本実施形態に係る電気化学セル用包装材料10を用いて外装体20を形成する場合、予め設計されたヒートシール領域20aにあわせて、電気化学セル用包装材料10を裁断する必要がない。このため、本構成の電気化学セル用包装材料10から外装体20を作成する場合、電気化学セル用包装材料10を外装体20の形状に合わせて裁断し、外装体20の形状を自由に設計することができる。
なお、一定間隔でエポキシ樹脂が塗布された領域pとエポキシ樹脂が塗布されていない領域nが交互に形成されていれば、エポキシ樹脂を網点状以外の所定パターンで印刷塗布しても、同等の機能を発揮させることができる。
また、樹脂コーティング層16に用いられる耐熱樹脂はエポキシ系のエポキシ樹脂に限らず、フェノール系、メラミン系、アルキッド系、ポリイミド系、ポリアミドイミド系、ポリアリレート系、不飽和ポリエステル系、ポリウレタン系、液晶ポリマー系、ポリエーテルエーテルケトン系の樹脂を用いることも可能である。また、エポキシ樹脂にアルミナを添加することにより、エポキシ樹脂の耐熱性を向上させることもできる。
次に、図1に示した本発明に係る電気化学セル用包装材料10を構成する各層について具体的に説明する。最内層の熱接着性樹脂層15は、リチウム電池本体22の金属端子24(図2参照)を外側に突出した状態で挟持して熱接着する。このとき、熱接着性樹脂層15と金属端子24との間に金属接着性を有する金属端子密封用接着性フィルムを介在させるか否かで熱接着性樹脂層15を構成するプロピレンの種類が異なる。金属端子密封用接着性フィルムを介在させる場合には、プロピレン系樹脂の単体ないし混合物などからなるフィルムを用いればよいが、金属端子密封用接着性フィルムを介在させない場合、不飽和カルボン酸でグラフト変性した酸変性オレフィン樹脂からなるフィルムを用いる必要がある。
なお、熱接着性樹脂層15としてはポリプロピレンが好適に用いられるが、線状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレンの単層または多層、または、線状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレンのブレンド樹脂からなる単層または多層からなるフィルムも使用できる。また、ポリプロピレンには、ランダムプロピレン、ホモプロピレン、ブロックプロピレン等各タイプに分けることができる。
また、上記各タイプのポリプロピレン、すなわち、ランダムポリプロピレン、ホモポリプロピレン、ブロックポリプロピレンには、低結晶性のエチレンーブテン共重合体、低結晶性のプロピレンーブテン共重合体、エチレンとブテンとプロピレンの3成分共重合体からなるターポリマー、シリカ、ゼオライト、アクリル樹脂ビーズ等のアンチブロッキング剤(AB剤)、脂肪酸アマイド系のスリップ剤等を添加してもよい。
また、本発明に係る熱接着性樹脂層15は上記各タイプのポリプロピレン層を適時組み合わせて多層化してもよい。
次に基材層11について説明する。基材層11は、一般に、延伸ポリエステルまたはナイロンフィルムからなるが、この時、ポリエステル樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、共重合ポリエステル、ポリカーボネート等が挙げられる。またナイロンとしては、ポリアミド樹脂、すなわち、ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン6とナイロン6,6との共重合体、ナイロン6,10、ポリメタキシリレンアジパミド(MXD6)等が挙げられる。
また、基材層11は耐ピンホール性および電池の外装体とした時の絶縁性を向上させるために、ポリエステルフィルム又はナイロンフィルムの他、異なる材質のフィルムを積層化することも可能である。基材層11を積層体化する場合、基材層が2層以上の樹脂層を少なくとも一つを含み、各層の厚みが6μm以上、好ましくは、6〜25μmである。基材層を積層化する例としては、図示はしないが次の1)〜7)が挙げられる。
1)延伸ポリエチレンテレフタレート/延伸ナイロン
2)延伸ナイロン/延伸ポリエチレンテレフタレート
3)フッ素系樹脂/延伸ポリエチレンテレフタレート(フッ素系樹脂は、フィルム状物、または液状コーティング後乾燥で形成)
4)シリコーン系樹脂/延伸ポリエチレンテレフタレート(シリコーン系樹脂は、フィルム状物、または液状コーティング後乾燥で形成)
5)フッ素系樹脂/延伸ポリエチレンテレフタレート/延伸ナイロン
6)シリコーン系樹脂/延伸ポリエチレンテレフタレート/延伸ナイロン
7)アクリル系樹脂/延伸ナイロン(アクリル系樹脂はフィルム状、または液状コーティング後乾燥で硬化)
なお、3)〜7)に示すように、包装材料の機械適性(包装機械、加工機械の中での搬送の安定性)、表面保護性(耐熱性、耐電解質性)、2次加工とてリチウムイオン電池用の外装体20をエンボスタイプとする際に、エンボス時の金型と基材層11との摩擦抵抗を小さくする目的あるいは電解液が付着した場合に基材層11を保護するために、基材層11を多層化、基材層表面にフッ素系樹脂層、アクリル系樹脂層、シリコーン系樹脂層、ポリエステル系樹脂層、及びこれらのブレンド物層等の保護層(図1中、不図示)を設けることが好ましい。
また、上記延伸ポリエチレンテレフタレートの代わりに延伸ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートを用いた場合にも同様の効果が得られる。また、基材層11は金属箔層12と、ドライラミネーション法等により接着剤層17を介して貼り合わされる。
次に金属箔層12について説明する。金属箔層12は、外部からリチウムイオン電池の内部に水蒸気が浸入することを防止するための層で、金属箔層単体のピンホール、及び加工適性(パウチ化、エンボス成形性)を安定化し、かつ耐ピンホール性をもたせるために厚さ15μm以上のアルミニウム、ニッケルなどの金属、又は、無機化合物、例えば、酸化珪素、アルミナ等を蒸着したフィルムなども挙げられるが、金属箔層12として好ましくは厚さが20〜100μmのアルミニウムとする。
また、ピンホールの発生を改善し、リチウムイオン電池の外装体のタイプをエンボスタイプとする場合、エンボス成形におけるクラックなどの発生のないものとするために、金属箔層12として用いるアルミニウムの材質を、鉄含有量が0.3〜9.0重量%、好ましくは0.7〜2.0重量%とすることが望ましい。
これによって、鉄を含有していないアルミニウムと比較して、アルミニウムの展延性がよく、外装体として折り曲げによるピンホールの発生が少なくなり、包装材料をエンボス成形する時に側壁を容易に形成することができる。なお、鉄含有量が、0.3重量%未満の場合は、ピンホールの発生の防止、エンボス成形性の改善等の効果が認められず、アルミニウムの鉄含有量が9.0重量%を超える場合は、アルミニウムとしての柔軟性が阻害され、包装材料として製袋性が悪くなる。
また、冷間圧延で製造されるアルミニウムは焼きなまし(いわゆる焼鈍処理)条件でその柔軟性・腰の強さ・硬さが変化するが、本発明において用いるアルミニウムは焼きなましをしていない硬質処理品より、多少または完全に焼きなまし処理をした軟質傾向にあるアルミニウムがよい。
すなわち焼きなましの条件は、加工適性(パウチ化、エンボス成形)に合わせ適宜選定すればよい。たとえば、エンボス成形時のしわやピンホールを防止するためには、成形の程度に応じて焼きなましされた軟質アルミニウムを用いることができる。
また、金属箔層12であるアルミニウムの表、裏面に化成処理を施し化成処理層13を形成すことによって、接着剤との接着強度を向上させることができる。
次にこの化成処理層13について説明する。図1に示すように、化成処理層13は少なくとも金属箔層12の熱接着性樹脂層15側の面に形成するものである。化成処理層13は酸変性ポリオレフィン層14と金属箔層12とを安定的に接着し、金属箔層12と熱接着性樹脂層15のデラミネーションを防止することができる。また、化成処理層13は金属箔層12の腐食を防止する働きも有る。したがって、金属箔層12と熱接着性樹脂層15との接着性を安定化させるためには、化成処理面を全て、エポキシ樹脂で塗布するのではなく、図7に示すように、一定間隔でエポキシ樹脂が塗布された領域pと塗布されていない領域nを交互に形成し、化成処理層13と酸変性ポリオレフィン層14とが接する領域を確保することが望ましい。
具体的には、リン酸塩、クロム酸塩、フッ化物、トリアジンチオール化合物等の耐酸性皮膜を形成することによってエンボス成形時の金属箔層12と熱接着性樹脂層15との間のデラミネーション防止と、リチウムイオン電池の電解質と水分とによる反応で生成するフッ化水素により、アルミニウム表面の溶解、腐食、特にアルミニウムの表面に存在する酸化アルミが溶解、腐食することを防止し、かつ、アルミニウム表面の接着性を向上させることができる。
化成処理層13は、クロム酸クロメート処理、リン酸クロメート処理、塗布型クロメート処理等のクロム系化成処理、あるいは、ジルコニウム、チタン、リン酸亜鉛等の非クロム系(塗布型)化成処理等により金属箔層12面に形成されるものであるが、フッ素系樹脂と強固に接着するという点、また、連続処理が可能であると共に水洗工程が不要で処理コストを安価にすることができるという点などから塗布型化成処理、特にアミノ化フェノール重合体、3価クロム化合物、リン化合物、を含有する処理液で処理するのが最も好ましい。
また、化成処理層13の形成方法としては、処理液をバーコード法、ロールコート法、グラビアコート法、浸漬法等の周知の塗布法を選択して成形すればよい。また、化成処理層13を形成する前に金属箔層12表面に、予め、アルカリ浸漬法、電解洗浄法、酸洗浄法、酸活性化法等の周知の脱脂処理法で処理を施しておく方が、化成処理層13の機能を最大限に発現させるとともに、長期間維持することができる点から好ましい。
また、前記の各層には、適宜、製膜性、積層化加工、最終製品2次加工(パウチ化、エンボス成形)適性を向上、安定化する目的のために、コロナ処理、ブラスト処理、酸化処理、オゾン処理等の表面活性化処理をしてもよい。
次に酸変性ポリオレフィン層14について説明する。酸変性ポリオレフィン層14は金属箔層12と熱接着性樹脂層15とを接着するために設ける層であり、熱接着性樹脂層15に用いる樹脂種により適宜選択して用いる必要があるが、酸変性ポリオレフィン樹脂を用いることができ、不飽和カルボン酸でグラフト変性したポリオレフィン樹脂、エチレンないしプロピレンとアクリル酸、または、メタクリル酸との共重合体、あるいは、金属架橋ポリオレフィン樹脂等であり、必要に応じてブテン成分、エチレン−プロピレン−ブテン共重合体、非晶質のエチレン−プロピレン共重合体、プロピレン−α−オレフィン共重合体等を5%以上添加してもよいものである。
また、酸変性ポリオレフィン層14は酸変性ポリプロピレンを用いることで、いっそう耐内容物性、接着強度に優れた外装体20を提供することができる。
酸変性ポリプロピレンを用いる場合、
(1)ビガット軟化点115℃以上、融点150℃以上のホモタイプ、
(2)ビガット軟化点105℃以上、融点130℃以上のエチレンープロピレンとの共重合体(ランダム共重合タイプ)
(3)融点110℃以上である不飽和カルボン酸を用い酸変性重合した単体又はブレンド物等を用いることができる。
なお、本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
以下、本発明の作用及び効果について、実施例を用いて具体的に説明する。実施例1は、金属箔層表面に耐熱性の樹脂コーティング層を形成した電気化学セル用包装材の、ヒートシール後のシール部における耐熱性及び絶縁性について評価したものである。
本実施例で用いる電気化学セル用包装材料の製造方法は、まず、アルミニウムの一方の面に化成処理を施し、化成処理を施していない面に、延伸ナイロンフィルムを2液硬化型ポリウレタン系接着剤を介してドライラミネート法により貼り合わせた。次に、化成処理を施した面に酸変性ポリプロピレン(以下酸変性PPと略す)をロールコート法により塗布、焼付けし、酸変性PP面に、ポリプロピレンフィルム(以下PPフィルムと略す、厚さ23μm)を熱ラミネート法により積層して比較例1の電気化学セル用包装材料を得た。
なお、本実施例において、基材層は延伸ナイロンフィルム(厚さ25μm)、金属箔層はアルミニウム(厚さ40μm)を用い、化成処理は、フェノール樹脂、フッ化クロム化合物、リン酸からなる処理液をアルミ二ウム表面にロールコート法により塗布し、皮膜温度が90℃以上となる条件において焼付けた。ここで、クロムの塗布量は10mg/m2(乾燥重量)であり、酸変性PPは、アルミニウム温度が140℃以上となる条件において焼付け、酸変性PPの塗布量は、3g/m2(乾燥重量)とした。
次に、上記比較例1で得られた包装材料のアルミ二ウムとして、化成処理を施した面にエポキシ樹脂を厚さ約1μmでコーティングしたアルミニウムを用いて、本発明1に係る電気化学セル用包装材料を得た。
次に、上記比較例1で得られた包装材料のアルミ二ウムとして、化成処理を施した面に、アルミナを添加したエポキシ樹脂を厚さ約1μmでコーティングしたアルミニウムを用いて、本発明2に係る電気化学セル用包装材料を得た。
次に、アルミニウム(厚さ40μm)に、延伸ナイロンフィルム(厚さ25μm)を2液硬化型ポリウレタン系接着剤を介してドライラミネート法により貼り合わせたフィルムを60mm×100mmに裁断し下敷フィルムとし、上記電気化学セル用包装材料をそれぞれ40mm×50mmのシート片に裁断した。次に、下敷フィルムの延伸ナイロンフィルム面と上記電気化学セル用包装材料のPPフィルム面とを当接させニッケルタブ(4mm×120mm、厚さ70μm)を挟持した。
次に、正極端子をニッケルタブにセットし、負極端子を上記電気化学セル用包装材料を構成するアルミニウムにセットし、電圧25Vを印加し、ニッケルタブを挟持した部分を含み7mm幅でシール温度190℃、シール圧15MPaでシールを行い、抵抗値が1000MΩ以下になる時間(以下、絶縁破壊時間とする)をそれぞれ測定した。本評価法においては、比較例1及び本発明1、2のサンプルを各2つずつ用意し、電気化学セル用包装材料として上記評価方法により各評価を行なった。その結果を表1に示す。
Figure 0005194922
表1に示すように、エポキシ樹脂又はアルミナを添加したエポキシ樹脂をコーティングしたアルミニウムを含む本発明1又は本発明2に係る電気化学セル用包装材料はエポキシ樹脂をコーティングしていない比較例1に係る電気化学セル用包装材料と比較して絶縁性に優れることがわかった。
このことから、エポキシ樹脂又はアルミナを添加したエポキシ樹脂で表面をコーティングしたアルミニウムを含む電気化学セル用包装材料を用いて作成した外装体は耐熱性に優れると考えられる。
本発明の電気化学セル用包装材料の層構造を示す断面図 本発明の電気化学セル用包装材料を外装体に用いたリチウムイオン電池の斜視図 図2で示したリチウムイオン電池のA−A’における断面図 本発明の電気化学セル用包装材料の一実施形態を示す平面図 本発明の電気化学セル用包装材料の一実施形態を示す平面図 本発明の電気化学セル用包装材料の一実施形態を示す平面図 図6で示した電気化学セル用包装材料の一部を拡大して示す平面図 従来の電気化学セル用包装材料の層構造を示す断面図 従来の電気化学セル用包装材料を外装体に用いたリチウムイオン電池の斜視図 図9で示したリチウムイオン電池の分解斜視図 従来の電気化学セル用包装材料を外装体に用いたリチウムイオン電池の斜視図 図11で示したリチウムイオン電池の分解斜視図 従来の電気化学セル用包装材料を外装体に用いたリチウムイオン電池の斜視図 図13で示したリチウムイオン電池のB−B’における断面図
符号の説明
10、30 電気化学セル用包装材料
11、31 基材層
12、32 金属箔層
13、33 化成処理層
14、34 酸変性ポリオレフィン層
15、35 熱接着性樹脂層
16 樹脂コーティング層
17、37 接着剤層
20、40、50、60 外装体
20a、40a、50a、60a ヒートシール部
20b、60b 第1領域
20c 第2領域
21、41、51、61 リチウムイオン電池
22、42、52、62 リチウムイオン電池本体
24、44、54、64 金属端子(タブ)
p エポキシ樹脂が塗布された領域
n エポキシ樹脂が塗布されていない領域

Claims (4)

  1. 正極活物質及び正極集電体から成る正極と、負極活物質及び負極集電体から成る負極と、前記正極及び前記負極間に充填される電解質と、を含む電気化学セル本体を収納し周縁部をヒートシールすることで前記電気化学セル本体を内部に密封収納する外装体に用いられ、
    基材層と、表面に化成処理が施された金属箔層と、酸変性ポリオレフィン層と、熱接着性樹脂層とを、少なくとも順次積層して構成される電気化学セル用包装材料であって、
    前記金属箔層表面に耐熱性の樹脂コーティング層が形成され、
    前記樹脂コーティング層がヒートシールされる領域の少なくとも一部を除いて形成されていることを特徴とする電気化学セル用包装材料。
  2. 前記金属箔層表面に耐熱性樹脂を所定パターン状に印刷塗布して前記樹脂コーティング層が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の電気化学セル用包装材料。
  3. 前記所定パターンが網点状であることを特徴とする請求項2に記載の電気化学セル用包装材料。
  4. 前記樹脂コーティング層がエポキシ樹脂を主成分とする樹脂で構成されていることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1に記載の電気化学セル用包装材料。
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