JP2009245680A - 電気化学セル用包装材料 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、安定した耐熱性、強靭性、耐電解液性、耐折り曲げ強度、耐クリープ性、追従性、弾力性を示す電気化学セル用包装材料を提供する。
【解決手段】基材層11と、金属箔層12と、熱接着性樹脂層13とが、少なくとも順次積層された電気化学セル用包装材料10において、熱接着性樹脂層10をポリ塩化ビニル系樹脂で構成した。
【選択図】図1
【解決手段】基材層11と、金属箔層12と、熱接着性樹脂層13とが、少なくとも順次積層された電気化学セル用包装材料10において、熱接着性樹脂層10をポリ塩化ビニル系樹脂で構成した。
【選択図】図1
Description
本発明は、安定した耐熱性、強靭性、耐電解液性、耐折り曲げ強度、耐クリープ性、追従性、弾力性を示す電気化学セル用包装材料に関するものである。
リチウムイオン電池とは、リチウム二次電池ともいわれ、液状、ゲル状又は高分子ポリマー状の電解質を持ち、正極・負極活物質が高分子ポリマーからなるものを含むものである。このリチウムイオン電池は、充電時には正極活物質であるリチウム遷移金属酸化物中のリチウム原子(Li)がリチウムイオン(Li+)となって負極の炭素層間に入り込み(インターカレーション)、放電時にはリチウムイオン(Li+)が炭素層間から離脱(デインターカレーション)して正極に移動し、元のリチウム化合物となることにより充放電反応が進行する電池であり、ニッケル・カドミウム電池やニッケル水素電池より出力電圧が高く、高エネルギー密度である上、浅い放電と再充電を繰り返すことにより見掛け上の放電容量が低下する、いわゆるメモリー効果がないという優れた特徴を有している。
また、リチウムイオン電池の構成は、正極集電材/正極活性物質層/電解質層/負極活性物質層/負極集電材及び、これらを包装する外装体からなり、外装体を形成する包装材料として従来、金属をプレス加工し円筒状または直方体状等に容器化した金属製缶が用いられていた。
しかし、金属製缶は、容器外壁がリジッドであるため、電池自体の形状が限定されてしまい、ハード側を電池に合わせて設計する必要から形状の自由度がないため、近年、金属製缶に替わって多層フィルムが包装材料として用いられる傾向にある。
図4は従来の包装材料30の層構成を示す断面図であり、図4に示すように、従来の包装材料30は、少なくとも基材層31、金属箔層32、酸変性ポリオレフィン層35、熱接着性樹脂層33を順次積層して構成され、金属箔層32と熱接着性樹脂層33とは接着剤層34により接着され、基材層31と金属箔層32とは酸変性ポリオレフィン層35により接着されている。また、この包装材料30を袋状に形成し電池本体を収納するパウチタイプ、または、包装材料30をプレス加工して凹部を形成し、凹部に電池本体を収納するエンボスタイプの電池用外装体が形成される。
図5は、従来のパウチタイプのリチウムイオン電池41の斜視図であり、図6は、図5に示したパウチタイプのリチウムイオン電池41を分解して示す分解斜視図である。図5及び図6に示すように、パウチタイプのリチウムイオン電池41は最内層の熱接着性樹脂層33(図4参照)同士を重ね合わせ、外装体40の周縁部であるヒートシール部40aをヒートシールすることによりパウチタイプの外装体40が形成され、外装体40内にリチウムイオン電池本体42を収納し、開口部をヒートシールしてリチウムイオン電池本体42を密封収納する。
また、図7は従来のエンボスタイプのリチウムイオン電池51の斜視図であり、図8は図7に示したエンボスタイプのリチウムイオン電池51を分解して示す分解斜視図である。図7及び図8に示すように、エンボスタイプのリチウムイオン電池51はエンボス部が形成されたトレイ50tの内部にリチウムイオン電池本体52を収納し、トレイ50tとシート50sの熱接着性樹脂層33(図4参照)同士を重ね合わせ外装体50の周縁部であるヒートシール部50aをヒートシールすることにより、トレイ50tとシート50sから構成されるエンボスタイプの外装体50内部にリチウムイオン電池本体52を密封収納する。
なお、リチウムイオン電池本体42、52は、正極活物質及び正極集電体から成る正極と、負極活物質及び負極集電体から成る負極と、正極及び負極間に充填される電解質と(いずれも図示せず)を含むセル(蓄電部)と、セル内の正極及び負極に連結されるとともに先端が外装体40、50の外部に突出する金属端子44、54から構成されている。
また、図9は従来のエンボスタイプのリチウムイオン電池61の斜視図であり、図10は図9のリチウムイオン電池61のB−B’における断面図である。なお、図10においては図4で示した接着剤層34及び酸変性ポリオレフィン層35を省略する。図10に示すように、外装体60は最内層の熱接着性樹脂層33同士を重ね合わせ、外装体60の周縁部をヒートシールすることにより外装体周縁部(ヒートシール部60a)を接着し、外装体60内部にリチウムイオン電池本体62を密封収納している。
ここで、リチウムイオン電池61の長期間の使用又は急速な充電により、リチウムイオン電池本体62が発熱し、外装体60の最内層に配された熱接着性樹脂層33の一部を溶融することがある。また、図9に示すように、外装体60は金属端子64を挟持した状態で、その挟持部分を含む周縁部(ヒートシール部60a)がヒートシールされている。したがって、過充電等が原因で外装体60内部の温度が上昇し、金属端子64が発熱したとき、外装体60最内層である熱接着性樹脂層33の金属端子64挟持部分が溶融することがある。以上より、熱接着性樹脂層33には耐熱性が要求される。
また、外装体60内部では、リチウムイオン電池61の充放電により電解質と電極の間でイオンの交換がおこなわれており、この過程で少量の二酸化炭素、水素、酸素等の複数類のガスが発生する。特に急速な充放電や過充電をした場合、これらのガスが発生し易く、これらのガスは充放電を繰り返すことで、徐々に外装体60内部に蓄積して、外装体60の内圧を上昇させる。内圧が上昇し続けた場合、最終的に外装体60が内圧に抗しきれず破裂することがある。その他、外部からの衝撃に対して外装体60は内部に収納したリチウムイオン電池本体62を保護する必要があるため、外装体60最内層に配される熱接着性樹脂層33には強靭性が要求される。特に、熱接着性樹脂層33が容易に経年劣化した場合、リチウムイオン電池61の安全性が損なわれるため、長期間の使用においても劣化し難い強靭性が必要とされる。
また、最内層に配される熱接着性樹脂層33は、外装体60内部に収納した電解質に対して、変形及び劣化し難い耐電解質性が要求される。
また、ヒートシール部60aにおいて、熱接着時の加熱から冷却に伴って、熱接着性樹脂層33が強度劣化しないことが要求される。
また、外装体60のヒートシール部60aは折り曲げて、リチウムイオン電池61の容積当たりの出力を向上させる際、熱接着性樹脂層33の応力緩和が不十分な場合、折り曲げ部に白化、亀裂、破断等が生じ易くなるので、熱接着性樹脂層33には十分な耐折り曲げ強度が要求される。
また、図7、図8に示すように、外装体60は包装材料30をプレス成形してトレイを成形する際、熱接着性樹脂層33にクリープ変性が生じると、熱接着性樹脂層33と金属箔層32が剥離し易くなる。このため、熱接着性樹脂層33には耐クリープ性が要求される。
また、ヒートシール部60aの折り曲げ、及び包装材料30のエンボス成形の際に熱接着性樹脂層33は追従性及び弾力性が要求される。
しかし、従来の包装材料において、特許文献1に示すように熱接着性樹脂層に用いられるのはポリオレフィン系樹脂であり、ポリオレフィン系樹脂は結晶化度が高いなどの理由から、上記課題を十分に解決することはできなかった。
特開2005−63685号公報
また、上記リチウムイオン電池本体42、52,62を外装体40、50、60に収納する場合の他、キャパシタ、電気二重層キャパシタ等の電気化学セル本体を収納し密封シールした場合にも同様の問題が生じていた。
そこで、本発明は上記問題点に鑑み、リチウムイオン電池本体、キャパシタ、電気二重層キャパシタ等の電気化学セル本体を密封収納する外装体に用いられ、ポリオレフィン系樹脂を用いた従来の熱接着性樹脂層で生じた課題をより十分に解消することを目的とする。具体的には、熱接着性樹脂層の耐熱性、強靭性、耐電解液性、耐折り曲げ強度、耐クリープ性、追従性、弾力性に優れる電気化学セル用包装材料を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明の第1の構成は、基材層と、金属箔層と、熱接着性樹脂層とが、少なくとも順次積層された電気化学セル用包装材料において、前記熱接着性樹脂層がポリ塩化ビニル系樹脂で構成されることを特徴とする。
本発明の第2の構成は、上記電気化学セル用包装材料において、前記金属箔層が厚さ80μm以上120μm以下のアルミニウム箔であることを特徴とする。
本発明の第1の構成によると、電気化学セル用包装材料を構成する熱接着性樹脂層をポリ塩化ビニル系樹脂で構成することにより、ポリオレフィン系樹脂で構成した場合と比較して、熱接着性樹脂層は優れた耐熱性、強靭性、耐折り曲げ強度、耐クリープ性、追従性、弾力性を示す。これにより、電気化学セルの包装材料の耐熱性、耐衝撃性、成形性が向上し、従来、電気化学セルの包装材料として問題となっていた課題を解決することができる。
本発明の第2の構成によると、厚さ80μm以上120μm以下のアルミニウム箔を外装体が有することで、外装体としての耐衝撃性、耐突刺し性が向上する。
なお、通常、アルミニウム箔の厚みを厚く設けることにより、電気化学セル用包装材料をプレス加工する時、アルミニウム箔と熱接着性樹脂層の間に歪みや皺が生じやすくなるが、熱接着性樹脂層を耐折り曲げ強度、耐クリープ性、追従性、弾力性に優れるポリ塩化ビニル系の樹脂で構成することで、これらの問題を解消することができる。
本発明は、耐熱性、強靭性、耐電解液性、耐折り曲げ強度、耐クリープ性、追従性、弾力性に優れる電気化学セル用包装材料である。その包装材料について、図等を利用してさらに詳細に説明する。なお、従来例の図4〜図10と共通する部分には同一の符号を付して説明を省略する。
図1は本発明の電気化学セル用包装材料10の一部分の層構成を示す断面図であり、図2は本発明の電気化学セル用包装材料10を用いて作成されたエンボスタイプの外装体20を有するリチウムイオン電池21の斜視図であり、図3は図2のリチウムイオン電池21のA−A’における断面図である。図3に示すように、外装体20は最内層の熱接着性樹脂層13同士を重ね合わせ、外装体20の周縁部をヒートシールすることにより外装体周縁部(ヒートシール部20a)を接着し、外装体20内部にリチウムイオン電池本体22を密封収納している。
図1に示すように、本発明に係る電気化学セル用包装材料10は最外層に基材層11、最内層に熱接着性樹脂層13、その間に金属箔層12が配されたものであり、熱接着性樹脂層13と金属箔層12とは酸変性ポリオレフィン層15を介して接着している。また、基材層11と金属箔層12とは接着剤層14を介して接着している。このとき、金属箔層12表面に化成処理層(不図示)を設けることで、基材層11及び熱接着性樹脂層13と金属箔層12との層間接着強度はいっそう安定する。また、基材層11の表面には保護層(不図示)を形成してもよい。なお、本発明の電気化学セル用包装材料は、基材層11、金属箔層12、熱接着性樹脂層13がこの順番で積層されていればよく、各層の間に異種の層を介在させて構成することもできる。また、熱接着性樹脂層13と金属箔層12とは酸変性ポリオレフィン層15により接着される場合に限定されず、他の接着性樹脂を用いて接着することもきる。
ここで、本発明の電気化学セル用包装材料10における金属箔層12と熱接着性樹脂層13の積層方法としては、ドライラミネーション法とサーマルラミネーション法とに大別することができる。
また、サーマルラミネーション法には、酸変性ポリオレフィン層15と熱接着性樹脂層13からなる共押しフィルムを熱ラミネーション法により金属箔層12に積層する方法と、溶融した酸変性ポリオレフィン層15を金属箔層12と熱接着性樹脂層13とで挟み込み積層するサンドイッチラミネーション法があり、いずれの方法も、ドライラミネーション法と比較して、耐内容物性、耐久性に優れる積層方法である。
具体的には熱ラミネーション法は、酸変性ポリオレフィン層15と熱接着性樹脂層13からなる共押出しフィルムの酸変性ポリオレフィン層15の面に金属箔層12を貼り合わせ熱ラミネートする方法であり、サンドイッチラミネーション法は、金属箔層12表面に酸変性ポリオレフィン層15を接着樹脂として押出し、熱接着性樹脂層13と接着させる方法である。ここで、酸変性ポリオレフィン層15を押出ラミネートする場合、得られる積層体を酸変性ポリオレフィンの軟化点以上に加熱する(後加熱)か、または、酸変性ポリオレフィンの押出し加工において、アルミニウムの面を酸変性オレフィンの軟化点以上に加熱する(前加熱)ことにより、本発明の電気化学セル用包装材料10は外装体として、耐内容物性、成形性に耐えられる接着強度のあるラミネートが可能になる。
この加熱方法としては、熱ロール接触式、熱風式、近または遠赤外線式等の方法があるが、本発明においてはいずれの加熱方法でもよく、前述のように、接着樹脂がその軟化点温度以上に加熱できればよい。
次に、図1に示した本発明の電気化学セル用包装材料10の各層について具体的に説明する。最内層の熱接着性樹脂層13は、ポリ塩化ビニル系樹脂により構成される。なお、熱接着性樹脂層13は、ポリ塩化ビニル系樹脂を溶融押出しするか、ポリ塩化ビニル系樹脂からなる単層または多層からなるフィルムを使用して形成することができる。
ポリ塩化ビニル系樹脂はポリオレフィン系樹脂と比較して、優れた耐熱性、強靭性、耐折り曲げ強度、耐クリープ性、追従性、弾力性を示す。したがって、そのポリ塩化ビニル系樹脂の優れた耐熱性により、本発明による電気化学セル用包装材料10を用いて外装体を作成したとき、図3に示すように、リチウムイオン電池本体22が発熱した場合でも、外装体20の最内層に配された熱接着性樹脂層13の一部は溶融し難い。また、過充電等が原因で外装体20内部の温度が上昇して金属端子24が発熱した場合でも、熱接着性樹脂層13の金属端子24挟持部分は溶融し難い。
また、ポリ塩化ビニル系樹脂の優れた強靭性により、リチウムイオン電池11の外装体20内部でガスが発生し、内圧が上昇し続けた場合でも、外装体60が内圧に抗しきれず破裂するのを防ぐことができる。また、熱接着性樹脂層13が容易に経年劣化しないため、リチウムイオン電池11の安全性を確保することができる。
また、ポリ塩化ビニル系樹脂の優れた耐電解質性によって、熱接着性樹脂層33は外装体10内部に収納した電解質に対して変形及び劣化し難い。
また、ポリ塩化ビニル系樹脂の優れた耐折り曲げ強度、耐クリープ性、追従性、弾力性によって、ヒートシール部10aにおいて、熱接着時の加熱から冷却に伴って、熱接着性樹脂層13が強度劣化し難くい。また、外装体10のヒートシール部10aは折り曲げた場合でも、折り曲げ部に白化、亀裂、破断等が生じ難い。また、本発明による電気化学セル用包装材料10をプレス成形してエンボスタイプの外装体10を成形する場合、熱接着性樹脂層13と金属箔層12が剥離し難い。したがって、本発明による電気化学セル用包装材料10は成形性に優れる。
次に基材層11について説明する。基材層11は、一般に、延伸ポリエステルまたはナイロンフィルムからなるが、この時、ポリエステル樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、共重合ポリエステル、ポリカーボネート等が挙げられる。またナイロンとしては、ポリアミド樹脂、すなわち、ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン6とナイロン6,6との共重合体、ナイロン6,10、ポリメタキシリレンアジパミド(MXD6)等が挙げられる。
また、基材層11は耐ピンホール性および電池の外装体とした時の絶縁性を向上させるために、ポリエステルフィルム又はナイロンフィルムの他、異なる材質のフィルムを積層化することも可能である。基材層11を積層体化する場合、基材層が2層以上の樹脂層を少なくとも一つを含み、各層の厚みが6μm以上、好ましくは、6〜25μmである。基材層を積層化する例としては、図示はしないが次の1)〜7)が挙げられる。
1)延伸ポリエチレンテレフタレート/延伸ナイロン
2)延伸ナイロン/延伸ポリエチレンテレフタレート
3)フッ素系樹脂/延伸ポリエチレンテレフタレート(フッ素系樹脂は、フィルム状物、または液状コーティング後乾燥で形成)
4)シリコーン系樹脂/延伸ポリエチレンテレフタレート(シリコーン系樹脂は、フィルム状物、または液状コーティング後乾燥で形成)
5)フッ素系樹脂/延伸ポリエチレンテレフタレート/延伸ナイロン
6)シリコーン系樹脂/延伸ポリエチレンテレフタレート/延伸ナイロン
7)アクリル系樹脂/延伸ナイロン(アクリル系樹脂はフィルム状、または液状コーティング後乾燥で硬化)
1)延伸ポリエチレンテレフタレート/延伸ナイロン
2)延伸ナイロン/延伸ポリエチレンテレフタレート
3)フッ素系樹脂/延伸ポリエチレンテレフタレート(フッ素系樹脂は、フィルム状物、または液状コーティング後乾燥で形成)
4)シリコーン系樹脂/延伸ポリエチレンテレフタレート(シリコーン系樹脂は、フィルム状物、または液状コーティング後乾燥で形成)
5)フッ素系樹脂/延伸ポリエチレンテレフタレート/延伸ナイロン
6)シリコーン系樹脂/延伸ポリエチレンテレフタレート/延伸ナイロン
7)アクリル系樹脂/延伸ナイロン(アクリル系樹脂はフィルム状、または液状コーティング後乾燥で硬化)
なお、3)〜7)に示すように、包装材料の機械適性(包装機械、加工機械の中での搬送の安定性)、表面保護性(耐熱性、耐電解質性)、2次加工にてリチウムイオン電池用の外装体10をエンボスタイプとする際に、エンボス時の金型と基材層11との摩擦抵抗を小さくする目的あるいは電解液が付着した場合に基材層11を保護するために、基材層11を多層化、基材層表面にフッ素系樹脂層、アクリル系樹脂層、シリコーン系樹脂層、ポリエステル系樹脂層、及びこれらのブレンド物層等の保護層を設けることが好ましい。
また、上記延伸ポリエチレンテレフタレートの代わりに延伸ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートを用いた場合にも同様の効果が得られる。
ここで、基材層11は金属箔層12と、ドライラミネーション法を用いて接着剤層14により貼り合わされる。
次に金属箔層12について説明する。金属箔層12は、外部からリチウムイオン電池の内部に水蒸気が浸入することを防止するための層で、金属箔層単体のピンホール、及び加工適性(パウチ化、エンボス成形性)を安定化し、かつ耐ピンホール性をもたせるために厚さ15μm以上のアルミニウム、ニッケルなどの金属、又は、無機化合物、例えば、酸化珪素、アルミナ等を蒸着したフィルムなども挙げられるが、一般的に金属箔層12として厚さが20〜80μmのアルミニウム箔を用いることが多かった。
ここで、本発明に係る電気化学セル用包装材10は熱接着性樹脂層13をポリ塩化ビニル系樹脂で構成し、耐折り曲げ強度、耐クリープ性、追従性、弾力性に優れた物性を示す。このため、金属箔層12に用いるアルミニウム箔の厚さを80μm以上120μm以下として、折り曲げの歪みが大きくなったとしても、アルミニウム箔と熱接着性樹脂層13の間にデラミネーションが発生したり、熱接着性樹脂層13にクラッックが発生し難い。したがって、本発明の電気化学セル用包装材料においては、厚さ80μm以上120μm以下のアルミニウム箔を金属箔層12に用い、外装体10の耐衝撃性、耐突刺し性を向上させることが可能である。
また、このアルミニウム箔の厚さによる歪み以外に、アルミニウム箔が厚い分、ヒートシール時にアルミニウム箔に保持された熱が放熱するまで時間がかかり、熱接着性樹脂層13の結晶化が進み、これが原因となりシール部折り曲げ時にクラックが発生することもある。
しかし、熱接着性樹脂層13を構成するポリ塩化ビニル系樹脂は、ポリオレフィン系樹脂と比較して熱接着時の加熱から冷却に伴って、強度劣化し難いため、クラックの発生を防ぐことができる。
また、ピンホールの発生を改善し、リチウムイオン電池21の外装体20のタイプをエンボスタイプとする場合、エンボス成形におけるクラックなどの発生のないものとするために、金属箔層12として用いるアルミニウムの材質を、鉄含有量が0.3〜9.0重量%、好ましくは0.7〜2.0重量%とすることが望ましい。
これによって、鉄を含有していないアルミニウムと比較して、アルミニウムの展延性がよく、外装体として折り曲げによるピンホールの発生が少なくなり、包装材料をエンボス成形する時に側壁を容易に形成することができる。なお、鉄含有量が、0.3重量%未満の場合は、ピンホールの発生の防止、エンボス成形性の改善等の効果が認められず、アルミニウムの鉄含有量が9.0重量%を超える場合は、アルミニウムとしての柔軟性が阻害され、包装材料として製袋性が悪くなる。
また、冷間圧延で製造されるアルミニウムは焼きなまし(いわゆる焼鈍処理)条件でその柔軟性・腰の強さ・硬さが変化するが、本発明において用いるアルミニウムは焼きなましをしていない硬質処理品より、多少または完全に焼きなまし処理をした軟質傾向にあるアルミニウムがよい。
すなわち焼きなましの条件は、加工適性(パウチ化、エンボス成形)に合わせ適宜選定すればよい。たとえば、エンボス成形時のしわやピンホールを防止するためには、成形の程度に応じて焼きなましされた軟質アルミニウムを用いることができる。
また、金属箔層12であるアルミニウムの表、裏面に化成処理を施すことによって、接着剤14及び酸変性ポリオレフィン層15との接着強度が向上する。
次にこの化成処理層について説明する。化成処理層は少なくとも金属箔層12の熱接着性樹脂層13側の面に形成するものである。化成処理層は酸変性ポリオレフィン層15と金属箔層12とを安定的に接着し、金属箔層12と熱接着性樹脂層13のデラミネーションを防止することができる。また、化成処理層7aはアルミニウムの腐食を防止する働きも有る。
具体的には、リン酸塩、クロム酸塩、フッ化物、トリアジンチオール化合物等の耐酸性皮膜を形成することによってエンボス成形時の金属箔層12と熱接着性樹脂層13との間のデラミネーション防止と、リチウムイオン電池の電解質と水分とによる反応で生成するフッ化水素により、アルミニウム表面の溶解、腐食、特にアルミニウムの表面に存在する酸化アルミが溶解、腐食することを防止し、かつ、アルミニウム表面の接着性(濡れ性)を向上させることができる。
化成処理層は、クロム酸クロメート処理、リン酸クロメート処理、塗布型クロメート処理等のクロム系化成処理、あるいは、ジルコニウム、チタン、リン酸亜鉛等の非クロム系(塗布型)化成処理等により金属箔層12面に形成されるものであるが、フッ素系樹脂と強固に接着するという点、また、連続処理が可能であると共に水洗工程が不要で処理コストを安価にすることができるという点などから塗布型化成処理、特にアミノ化フェノール重合体、3価クロム化合物、リン化合物、を含有する処理液で処理するのが最も好ましい。
また、化成処理層の形成方法としては、処理液をバーコート法、ロールコート法、グラビアコート法、浸漬法等の周知の塗布法を選択して成形すればよい。また、化成処理層を形成する前に金属箔層12表面に、予め、アルカリ浸漬法、電解洗浄法、酸洗浄法、酸活性化法等の周知の脱脂処理法で処理を施しておく方が、化成処理層の機能を最大限に発現させるとともに、長期間維持することができる点から好ましい。
また、前記の各層には、適宜、製膜性、積層化加工、最終製品2次加工(パウチ化、エンボス成形)適性を向上、安定化する目的のために、コロナ処理、ブラスト処理、酸化処理、オゾン処理等の表面活性化処理をしてもよい。
次に酸変性ポリオレフィン層15について説明する。酸変性ポリオレフィン層15は金属箔層12と熱接着性樹脂層13とを接着するために設ける層であり、熱接着性樹脂層13に用いる樹脂種により適宜選択して用いる必要があるが、通常、酸変性ポリオレフィン樹脂を用いることができ、具体的には、不飽和カルボン酸でグラフト変性したポリオレフィン樹脂、エチレンないしプロピレンとアクリル酸、または、メタクリル酸との共重合体、あるいは、金属架橋ポリオレフィン樹脂等であり、必要に応じてブテン成分、エチレン−プロピレン−ブテン共重合体、非晶質のエチレン−プロピレン共重合体、プロピレン−α−オレフィン共重合体等を5%以上添加してもよいものである。
また、酸変性ポリオレフィン層15は酸変性ポリプロピレンを用いることで、いっそう耐内容物性、接着強度に優れた外装体10を提供することができる。
酸変性ポリプロピレンを用いる場合、
(1)ビガット軟化点115℃以上、融点150℃以上のホモタイプ、
(2)ビガット軟化点105℃以上、融点130℃以上のエチレンープロピレンとの共重合体(ランダム共重合タイプ)
(3)融点110℃以上である不飽和カルボン酸を用い酸変性重合した単体又はブレンド物等を用いることができる。
(1)ビガット軟化点115℃以上、融点150℃以上のホモタイプ、
(2)ビガット軟化点105℃以上、融点130℃以上のエチレンープロピレンとの共重合体(ランダム共重合タイプ)
(3)融点110℃以上である不飽和カルボン酸を用い酸変性重合した単体又はブレンド物等を用いることができる。
なお、本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
10、30 電気化学セル用包装材料
11、31 基材層
12、32 金属箔層
13、33 熱接着性樹脂層
14、34 接着剤層
15、35 酸変性ポリオレフィン層
20、40、50、60 外装体
20a、40a、50a、60a ヒートシール部
21、41、51、61 リチウムイオン電池
22、42、52、62 リチウムイオン電池本体
24、44、54、64 金属端子(タブ)
11、31 基材層
12、32 金属箔層
13、33 熱接着性樹脂層
14、34 接着剤層
15、35 酸変性ポリオレフィン層
20、40、50、60 外装体
20a、40a、50a、60a ヒートシール部
21、41、51、61 リチウムイオン電池
22、42、52、62 リチウムイオン電池本体
24、44、54、64 金属端子(タブ)
Claims (2)
- 基材層と、金属箔層と、熱接着性樹脂層とが、少なくとも順次積層された電気化学セル用包装材料において、
前記熱接着性樹脂層がポリ塩化ビニル系樹脂で構成されることを特徴とする電気化学セル用包装材料。 - 前記金属箔層が厚さ80μm以上120μm以下のアルミニウム箔であることを特徴とする請求項1に記載の電気化学セル用包装材料。
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