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JP5194378B2 - 焼結鉱の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ドワイトロイド式焼結機(以下、DL式焼結機とも称する)を使用した焼結鉱の製造方法において、焼結用原料を造粒した後に返鉱を添加することにより生産性を向上させることができる焼結鉱の製造方法に関する。
焼結用原料は、複数種類の鉄鉱石、CaO源としての石灰石、SiO2およびMgO源としての副原料、さらに燃料としての粉コークス、返鉱などから構成されている。通常、これらの原料は、その銘柄毎に原料槽に貯蔵されて、配合に応じて定量切り出しされる。切り出された各原料および燃料は、原料搬送用のベルトコンベアー上で合流し、造粒機まで搬送される。造粒機では、前記の焼結用原料に水分が添加されて造粒が行われる。
さらに、造粒後の焼結原料は、原料装入装置のサージホッパーと称されるホッパーから焼結機に供給され、パレット上に装入されて焼結原料充填層を形成する。焼結原料充填層はパレットとともに水平方向に移送され、充填層の最上部に点火される。その後、焼結原料充填層の上方から下方に向かって、大気中の空気が同層内を通して下方吸引されることによって、粉コークスが燃焼するとともに、燃焼により生成した高温ガスにより原料粒子が加熱昇温される。その結果、原料充填層の上層部から下層部に向かって焼結反応が順次進行する。焼結原料の上層部から下層部まで焼結が完了した塊状物(以下、「焼結ケーキ」とも記す)は、焼結機の排鉱部において粗破砕された後に、冷却機により冷却される。
前述の通り、造粒機では、焼結用原料に水分が添加されて造粒が行われる。焼結用原料に水分を添加して造粒操作を行うことにより、水がバインダーとなって原料粒子が相互に付着する。これにより、見掛けの原料粒径(以下、「造粒後原料粒径」ともいう)が増大し、焼結原料が焼結機に供給された際に、原料充填層の空隙率および空隙径が増加して、通気性が向上する。
このように、焼結用原料への水分添加操作は、ミキサー内での造粒を容易にし、原料充填層の通気性を向上させるために不可欠である。しかしながら、焼結反応が開始すると、水分が通気性阻害の原因となる。焼結反応が上層部から下層部に進行するにつれて、原料充填層では水分が蒸発し、水蒸気がより下層部へ凝集することにより、原料充填層の通気性が低下する。さらに、水分が蒸発するためには気化熱を要することから、この気化熱を補填するための熱源として高温ガスが必要になるとともに、蒸発した水は水蒸気となって排ガス量を増加させる。すなわち、水分の添加は、通気性の低下および必要ガス量(必要風量)の上昇を招く。
このように、水分は、通気性を上昇(向上)させるという利点と、通気性を低下(悪化)させるとともに必要ガス量を増大させるという欠点の両面を有している。このため、水分の有する機能を最大限に発揮させ、かつ、その悪影響を可能な限り低減するために、排ガスなどの高温ガス顕熱を有効利用する技術が開示されている。
例えば、特許文献1には、パレットへ焼結原料を供給する給鉱機と点火炉との間で、高温ガスを原料充填層へ吸引させる予熱焼結法が開示されている。この予熱焼結法によれば、原料温度が上昇することにより、風量が同じであっても焼結速度を高めることができ、風量原単位(単位質量の焼結鉱を製造するために必要なガス量)を低減することができる。また、単位時間あたりの風量を維持することにより、焼結速度の指標となる生産率、すなわち、単位焼結機面積あたり、単位時間あたりの焼結鉱生産量が増加する。さらに、予熱の熱源として排ガス顕熱を利用することにより、総合エネルギー原単位を低減することが可能となる。
しかし、特許文献1で開示された方法では、焼結原料をパレット上に供給する給鉱機と点火炉との間で、高温ガスを原料充填層へ吸引することから、ストランド中において予熱領域が必要となる。このため、点火炉より下流のストランドの面積が減少し、生産量が低下するという問題がある。
また、特許文献2には、造粒後の焼結原料をサージホッパーおよび給鉱部に分けて乾燥させる方法が開示されている。しかしながら、特許文献2で開示された方法も、特許文献1で開示された方法と同様に、ストランドにおいて、予熱領域を設ける必要があることから、生産量が低下するという問題がある。
特許文献3には、焼結機から排出される高温ガスにより低温の返鉱を加熱し、常温の新たな焼結用原料(以下、「新原料」とも記す)と混合する技術が開示されている。この技術は、加熱後の返鉱の顕熱により原料温度の上昇を図り、予熱による効果を得ることを目的としている。しかし、高温の返鉱を他の焼結用原料に混合し、水を添加して造粒すると、一部の水分が蒸発し、造粒が阻害されるという問題がある。特許文献4では、この造粒の阻害が指摘されており、高温の返鉱は混合造粒前に水添加などによって冷却すべきであることが指摘されている。
一方、高温ガスによらずに排ガスを用いて乾燥した返鉱を使用して低水分化を図る技術が開示されている。例えば、特許文献5および6には、2台の造粒機を直列に配置して、返鉱を含まない焼結用原料を1次ミキサー(造粒機)において所定量の水分を添加しながら混合し、次いで、2次ミキサー(造粒機)の入側で返鉱を添加し、2次ミキサーで造粒する方法が開示されている。そして、同文献では、上記の方法により、水分が低下し、生産率が改善されたとされている。しかしながら、乾燥した返鉱の使用により、調湿混合された焼結原料から水分が奪われ、これが原因となって、造粒が阻害されるという問題がある。
特公昭54−024682号公報 特開昭60−089526号公報 特開昭53−076903号公報 特開平05−009602号公報 特開昭60−052533号公報 特開2000−256756号公報
上述の通り、水分に起因する通気性の低下を防止し、さらに必要ガス量の増加を抑制する従来技術には、焼結機のストランド面積の減少により生産量が低下するという問題や、乾燥状態にある返鉱が調湿混合された焼結原料から水分を奪うことにより、造粒が阻害されるという問題がある。
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、造粒後の焼結原料中の水分低下処理を、焼結機のストランド上においてではなく、焼結原料が給鉱部(原料装入装置)に達するまでに実施し、さらには、乾燥状態の返鉱を効果的に活用することによって、生産率を増加させることが可能な焼結鉱の製造方法および焼結原料の造粒方法を提供することを目的としている。
本発明者らは、生産性を向上させ、かつ、造粒を阻害しない焼結鉱の製造方法について検討を行い、下記(a)〜(d)の知見を得た。
(a)造粒の際に水分を添加すると、水を媒体として粒子同士が毛管力により接近する。そして、水は粒子同士の結合体(以下、「造粒後原料」とも記す)の表層部に移動する。この粒子および水の移動が造粒現象であり、水分量が適正でない場合には毛管力の機能が低下し、造粒阻害が起こる。したがって、造粒の際に添加する水分量を適正化することにより、乾燥後においても造粒後原料の崩壊を防止することができる。
(b)造粒後原料の表層部に移動した水だけを除去すれば、造粒後原料の崩壊は起こらない。また、水分の除去方法としては、低水分で比較的乾燥状態の原料を添加することが効果的であり、焼結工場において発生する返鉱の添加が有効である。
(c)返鉱の添加については、焼結原料の全量に添加する方法と、焼結原料の一部に添加する方法とがあり、いずれの場合も焼結鉱の生産率が向上する。
(d)返鉱の添加をミキサー(造粒機)の最終部で行うと、混合作用によって原料水分は均一化される。ミキサーの最終部で添加する理由は、焼結原料を造粒した後に返鉱を添加すると、造粒後の焼結原料の表面水分を乾燥した返鉱に移動させる効果が得られやすいからである。一方、ミキサーの前半部もしくは中央部で返鉱を添加すると、造粒が完了する前に返鉱が混合されるので、本発明の十分な効果が得られにくい。
本発明は、上記の知見に基づいて完成されたものであり、下記の(1)〜(4)に示される焼結鉱の製造方法および(5)に示される焼結原料の造粒方法を要旨としている。このうち(2)〜(5)に示される発明は、本発明の参考例としての発明である。
(1)ドワイトロイド式焼結機を使用し、焼結原料から焼結鉱を製造する焼結鉱の製造方法において、焼結用原料に水分添加して造粒を完了、その後に最終の造粒機の出口から原料装入装置のサージホッパー入口までの間で返鉱を添加し、これにより得られた混合物を前記焼結原料の全量として用いることを特徴とする焼結鉱の製造方法(以下、「第1発明」とも記す)。
(2)ドワイトロイド式焼結機を使用する焼結鉱の製造方法において、焼結用原料を造粒した後に返鉱を添加した混合物を焼結原料の一部として用いることを特徴とする焼結鉱の製造方法(以下、「第2発明」とも記す)。
(3)焼結原料の全量に対して、焼結用原料を造粒した後に返鉱を添加した混合物の占める比率が、10〜40質量%であることを特徴とする前記(2)に記載の焼結鉱の製造方法(以下、「第3発明」とも記す)。
(4)造粒した焼結原料を原料装入装置のサージホッパーに装入する前に、返鉱を添加することを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれかに記載の焼結鉱の製造方法(以下、「第4発明」とも記す)。
(5)前記(1)〜(4)のいずれかに記載の焼結鉱の製造方法に用いる焼結原料の造粒方法であって、造粒された焼結原料に造粒機内で返鉱を添加することを特徴とする焼結原料の造粒方法(以下、「第5発明」とも記す)。
本発明において、「焼結用原料」とは、鉄鉱石、およびCaO源、SiO2源、MgO源などの副原料、および粉コークスなどの燃料の混合物であって、造粒処理を行う前の原料を意味し、また、「焼結原料」とは、焼結機で焼結される原料を意味する。
本発明の焼結鉱の製造方法によれば、DL式焼結機を使用する焼結鉱の製造方法において、焼結用原料を造粒した後に返鉱を添加した原料を、焼結原料の全量として使用し、焼成することにより、焼結鉱の生産性が大幅に改善される。また、焼結用原料を造粒した後に返鉱を添加した原料を、焼結原料の一部として用いる場合にも、焼結鉱の生産性が改善される。特に、造粒機内において、造粒後の焼結原料に返鉱を添加することにより、焼結鉱の生産性がさらに一段と向上する。
前記のとおり、本発明は、造粒した焼結原料に返鉱を添加することにより焼結原料の低水分化を図り、生産性の向上を達成する焼結鉱の製造方法であり、第1発明は焼結原料の全量を対象として、また第2発明は焼結原料の一部を対象として低水分化を図ることを特徴としている。第3発明は第2発明において、返鉱の添加対象となる焼結原料の比率についての実施態様であり、また、第4発明は第1発明〜第3発明における返鉱の添加時期に関する実施態様である。さらに、第5発明は、返鉱を造粒機内で添加する第1発明〜第4発明の実施態様である。以下に、本発明を上記のように規定した理由および好ましい範囲について説明する。前記のとおり、第2発明〜第5発明は、本発明の参考例としての発明である。
(1)発明の態様および好ましい範囲
焼結原料の全量に返鉱を添加する第1発明の方法は、原料の流れを1系列として造粒する場合でも、また2系列以上として造粒する場合でも適用可能である。1系列で造粒する場合には、最終の造粒機の出口から原料装入装置のサージホッパー入口までの間において返鉱を添加する。また、2系列以上で造粒する場合には、2系列以上に分かれている焼結原料が合流してからサ−ジホッパーに至るまでの間において返鉱を添加する。このような構成とすることにより、ストランド中において予熱領域を必要としないことから焼結機のストランド面積の減少による生産量の低下を防止できる。
一方、焼結原料の一部に返鉱を添加する第2発明の方法において、2系列以上で造粒する場合には、いずれかの系列の造粒機から、2系列以上に分かれている焼結原料の合流点までの間において返鉱を添加することが望ましい。このように焼結原料の一部に返鉱を添加する場合には、カオリンなどの粘土分を含有する比較的Al23含有率の高い焼結用原料を対象とするのがより有効である。これは、粘土質物質は、造粒後の水分低下によって粒子間結合が強固になる特性を有するからである。
また、第2発明では、焼結原料の全量に対して、焼結用原料を造粒した後に返鉱を添加した混合物の占める比率を、10〜40質量%とするのが望ましい。上記の比率が10質量%未満では、造粒後の焼結原料の表面水分の乾燥した返鉱への移動が不十分となり本発明の効果が得られにくく、一方、同比率が40質量%を超えて高くなると、カオリンなどの粘土分を含有する比較的Al23含有率の高い焼結用原料を対象とする場合において粒子間結合の強固化が困難となり、本発明の効果が低減するからである。
十分な造粒効果を確保するためには、造粒のために必要な毛管力の作用が発揮されるに要する適度の水分量が必要である。このため、水分含有率は比較的高い値に調整することが望ましい。全原料を1系列または2系列で造粒する場合には、焼結用原料の配合条件によって必要な水分量が変化する。例えば、マラマンバ鉱石やピソライト鉱石のように吸水性の高い焼結用原料については、多量の水分が必要となる。これに対して、ブラジル系赤鉄鉱のように給水性の低い焼結用原料の場合は、必要な水分量は比較的少なくてよい。このように、焼結用原料の配合条件に応じて、適宜水分量を調整することが望ましい。
また、返鉱に用いる原料としては、冷却機への投入前の段階で篩分処理された篩下鉱、冷却機での冷却以降の段階で篩分処理された篩下鉱、集塵機から回収されたダストが該当する。このように、焼結工場およびその周辺で発生する返鉱の全部または一部を、造粒後の焼結原料に添加することができる。
返鉱は、一般に、造粒前の焼結用原料に配合されて造粒機に供給され、他の焼結用原料とともに造粒される。しかしながら、返鉱は焼結鉱の細粒部分であり、粘着性が低いことから、造粒を施しても造粒後の原料化に寄与しにくい。特に、篩下鉱は粒径0.25mm以下の比率が10%以下と低く、造粒に寄与し難いとされる粒径2〜0.25mmの占める比率が高い。したがって、篩下鉱は造粒後の焼結原料に添加するのが最も有効である。
造粒機の種類は、特に規定しないが、例えば、転動型造粒機や高速攪拌ミキサーなどが使用できる。転動型造粒機としては、ドラムミキサーの他にディスクペレタイザーが挙げられる。また、高速攪拌ミキサーと転動型造粒機とを併用すると、原料粒子がねっか処理されて、造粒後原料の結合強度が飛躍的に向上することが確認されている。結合強度が高い場合には、造粒後原料の表面から返鉱へと水分が移動する際に、造粒状態が維持されることから、高速攪拌ミキサーと転動型造粒機とを併用することが有効である。
(2)焼結鉱製造のプロセスフロー
本発明に基づくプロセスフローの例を下記に示す。図1は、第1発明に対応する焼結原料の1系列造粒によるプロセスフローを示す図である。同図中の矢印は焼結用原料、焼結原料および返鉱の流れを示す。焼結用原料6は、原料搬送用のベルトコンベアー上で合流し、造粒機3まで搬送される。造粒機3では、焼結用原料6に水分7が添加されて造粒が行われる。造粒後の焼結原料5は、ベルトコンベアーを乗り継いで原料装入装置のサージホッパー2まで搬送される。添加された返鉱4は、ベルトコンベアーからベルトコンベアーへの乗継ぎの際や、ベルトコンベアーから原料装入装置のサージホッパー2への乗継ぎの際に、造粒後の焼結原料5と混合される。この混合の際に、造粒後の焼結原料5の表面に存在する表面水分が返鉱4へと移動する。
なお、返鉱4は、焼結機1から排出された焼結ケーキを破砕処理し、篩分処理した際に発生する篩下鉱10、冷却機から排出された後で篩分処理した際に発生する篩下鉱11および冷却機9の排ガスから回収されたダスト12などからなる。
図2は、第2発明に対応する焼結原料の2系列造粒によるプロセスフローを示す図である。焼結用原料6は、2系列に分割されて原料搬送用のベルトコンベアーにより、造粒機3aおよび3bまで搬送される。造粒機3aでは、焼結用原料6に水分7が添加されて造粒が行われる。前述の通り、造粒機3aとして高速攪拌ミキサーと転動型造粒機とを併用すれば、結合強度が飛躍的に向上することから、返鉱が添加された後においても造粒状態が維持され、本発明の効果が高まる。また、造粒機3bにおいても、焼結用原料6に水分7が添加されて造粒が行われる。
造粒後の焼結原料5aおよび5bは、ベルトコンベアーを乗り継いで原料装入装置のサージホッパー2まで搬送される。焼結原料5aには、焼結原料5bとの合流点8に達するまでに、返鉱4が添加される。このように、合流点8に達するまでに返鉱4を添加することにより、造粒後の焼結原料5aの表面水分が返鉱4へと移動する。
図1および図2に示すように、第1発明および第2発明では、焼結原料を焼結機に装入する前に造粒原料の低水分化を行うので、焼結機に予熱ゾーンを設ける必要がない。これにより、焼結機における焼結面積が削減されることがなく、したがって、焼結鉱の生産性を確保した上で造粒原料の低水分化を実現できる。
図3は、第5発明に対応する焼結原料の1系列造粒によるプロセスフローを示す図である。焼結用原料6は、原料搬送用のベルトコンベアー上で合流し、造粒機3まで搬送される。造粒機3では、焼結用原料6に水分7が添加されて造粒が行われる。このとき、造粒機3の最終部3cで返鉱4を添加し、造粒機を用いて造粒後の焼結原料5と返鉱4とを混合する。このような構成とすることにより、ベルトコンベアー上などの造粒機以外の箇所で返鉱を添加する場合に比べて、焼結鉱の生産性が顕著に向上する。さらに、返鉱4は、造粒機出側から投入するのが一層望ましい。これにより、造粒に引き続いて焼結原料の表面水分を除去することが可能となるからである。
(実施例1)
第1発明、第4発明および第5発明の効果、すなわち、全焼結原料を対象とした本発明の効果を確認するため、焼結原料を60kg使用したバッチ式焼結試験を実施し、通気性および生産率を評価した。
1.試験条件
(1)原料配合
本試験に使用した焼結原料の化学組成および配合率を表1に示す。
Figure 0005194378
表1に示すように、配合率は、鉄鉱石、副原料(ドロマイト、蛇紋粉)、石灰石、生石灰の総和を100とした新原料に対する比率により表示した。また、粉コークスの配合率は、新原料の総和に対する外数比率により表示した。上記の新原料に粉コークスおよび返鉱を加えたものを全原料とし、返鉱配合率は全原料に対して10質量%とした。
返鉱は、実機焼結機の冷却機9から排出された後に、篩分処理された篩下鉱10を使用した。図4は、実施例1において使用した返鉱の粒度分布を示す図である。同図に示されたように、本返鉱の粒度分布は、0.25mm以下の比率が7%と低い。
(2)造粒方法
造粒機としてドラムミキサーを用い、4分間造粒した。本発明例の試験番号T1は、造粒後に返鉱を添加し、スコップを用いた手混ぜにより返鉱を配合した。比較例の試験番号T2およびT3は、造粒前に他の焼結原料とともに返鉱を配合して造粒を行った。ここで、水分値については、返鉱の添加前における水分含有率を造粒時水分含有率と規定し、返鉱の添加後における水分含有率を焼成時水分含有率と規定した。すなわち、「造粒時水分含有率」とは、造粒直後の焼結原料の水分含有率(質量%)を意味し、「焼成時水分含有率」とは、造粒後に返鉱を添加した焼結原料の焼成段階における水分含有率(質量%)を意味する。したがって、返鉱を添加した後に造粒する比較例では、造粒時水分含有率と焼成時水分含有率とは同じ値となる。
表2に水分含有率および返鉱添加条件を示した。
Figure 0005194378
同表において、比較例の試験番号T2は、本発明例の試験番号T1の焼成時水分含有率である7.3質量%と同量の水分含有率とし、比較例の試験番号T3は、本発明例の試験番号T1の造粒時水分含有率である7.9質量%と同量の水分含有率とした。また、高温返鉱としては、実験室の加熱炉により600℃に加熱した返鉱試料を使用した。
(3)焼成試験方法
直径300mm×深さ500mmの円筒型焼結鍋試験装置に焼結原料を装入し、焼成試験を行った。焼成試験に際し、焼結鍋内の吸引圧力は9.807×103Pa(1000mmAq)で一定とした。円筒型焼結鍋試験装置に設けられた圧力計と流量計を用いて、焼成前に冷間通気性を、また、焼成後に熱間通気性をそれぞれ測定した。また、生産性の指標として、焼結機1m2当たりについての1日当たりの生産量である生産率を算出し、比較した。
2.試験結果
図5は、本発明例および比較例における焼結鉱品質を比較して示す図であり、同図(a)は冷間通気性の比較を、同図(b)は熱間通気性の比較を、そして、同図(c)は生産率の比較をそれぞれ示す。
本発明例の試験番号T1は、比較例の試験番号T2に比べて、冷間通気性および熱間通気性のいずれも大きく向上した。さらに、熱間通気性の向上によって、生産率は6%上昇した。これにより、焼成時水分含有率が同量であっても、水分含有率が高い状態で造粒した後に返鉱を添加して水分含有率を低下させることにより、造粒が促進されて冷間通気性が向上することが確認された。上記の結果から、冷間通気性の向上が熱間通気性の向上および生産率の改善に有効であることが明確となった。
本発明例の試験番号T1は、比較例の試験番号T3に比べて、冷間通気性が若干低下したが、熱間通気性は大きく向上した。さらに、熱間通気性の向上によって、生産率は6%上昇した。すなわち、同じ水分含有率で造粒した場合においても、造粒後に返鉱を添加して水分含有率を低下させることにより、生産率が上昇した。これにより、造粒後に水分含有率を低下させる本発明の方法は、生産率の改善に有効であることが確認された。
(実施例2)
第2発明、第3発明および第5発明の効果、すなわち、焼結原料の一部を対象して造粒後に返鉱を添加した場合の本発明の効果を確認するため、実施例1と同様にバッチ式焼結試験を実施し、その結果を評価した。
1.試験条件
(1)原料配合
焼結原料の化学組成および配合率を表3に示す。
Figure 0005194378
表3に示すように、新原料の配合条件は、実施例1の場合と同一とした。返鉱を添加する対象原料(以下、「乾燥対象原料」ともいう)は、ウェストアンジェラス鉱石、生石灰および石灰石の混合原料を造粒した焼結原料とした。また、粉コークスの配合率は、新原料の総和に対する外数比率により表示した。返鉱配合率は全原料に対して10質量%とした。
(2)造粒および焼成試験方法
すべての試験において2系列造粒を採用し、下記の(a)および(b)の条件により造粒した。
(a)乾燥対象原料(返鉱添加対象の原料)
高速攪拌ミキサーを用いて1分間造粒し、パンペレタイザーを用いて4分間造粒した。
(b)乾燥対象としない原料(返鉱添加の対象としない原料)
ドラムミキサーを用いて4分間造粒した。また、焼成時水分含有率は、すべての試験で7.4質量%とした。
参考例の試験番号T4は、造粒後に返鉱を添加し、スコップを用いた手混ぜにより返鉱を配合した。また、参考例の試験番号T5およびT6は、造粒後に返鉱を添加し、試験番号T5は15秒間、また試験番号T6は60秒間、それぞれドラムミキサーを用いて混合した。比較例の試験番号T7は、造粒前に他の焼結原料とともに返鉱を配合して造粒を行った。
表4に水分含有率および返鉱添加条件を示した。
Figure 0005194378
すべての試験において造粒時水分含有率を9.5質量%で同一とした。また、高温返鉱は、実験室の加熱炉により600℃に加熱した返鉱試料を用いた。
焼成試験は、前記の実施例1と同様の条件で、焼結原料を円筒型焼結鍋試験装置に装入し、実施した。
2.試験結果
図6は、参考例および比較例についての焼結鉱の生産率の比較を示す図である。同図に示されるように、水分含有率9.5質量%で造粒した後に乾燥処理した参考例の試験番号T4およびT5では、乾燥処理を行わなかった比較例の試験番号T7に比して生産率が著しく向上した。特に、造粒機内で返鉱を添加した第5発明についての試験である試験番号T5では、生産率の上昇が極めて顕著であった。
しかし、ドラムミキサーでの混合時間を60秒まで延長した第5発明についての試験である試験番号T6では、生産率および通気性の向上度合いが試験番号T4およびT5の場合に比して低減した。この結果から、返鉱と造粒後原料との混合時間は60秒未満とするのが望ましいことが確認された。
本発明の焼結鉱の製造方法によれば、DL式焼結機を使用する焼結鉱の製造方法において、焼結用原料を造粒した後に返鉱を添加した原料を、焼結原料の全量として用い焼成することにより、焼結鉱の生産性が大幅に改善される。また、焼結用原料を造粒した後に返鉱を添加した原料を、焼結原料の一部として用いる場合にも、焼結鉱の生産性が改善される。特に、造粒機内において、造粒後の焼結原料に返鉱を添加することにより、さらに一層顕著に焼結鉱の生産性が向上する。したがって、本発明の方法は、優れた経済性のもとに生産性を向上させることができる焼結鉱の製造方法として広く適用できる。
第1発明に対応する焼結原料の1系列造粒によるプロセスフローを示す図である。 第2発明に対応する焼結原料の2系列造粒によるプロセスフローを示す図である。 第5発明に対応する焼結原料の1系列造粒によるプロセスフローを示す図である。 実施例1において使用した返鉱の粒度分布を示す図である。 本発明例および比較例における焼結鉱品質を比較して示す図であり、同図(a)は冷間通気性の比較を示す図であり、同図(b)は熱間通気性の比較を示す図であり、同図(c)は生産率の比較を示す図である。 参考例および比較例についての焼結鉱の生産率の比較を示す図である。
符号の説明
1:焼結機、 2:サージホッパー、 3、3a、3b:造粒機、3c:造粒機最終部、4:返鉱、 5、5a、5b:造粒後の焼結原料(造粒後原料)、 6:焼結用原料、
7:水分、 8:合流点、 9:冷却機、10:篩下鉱(返鉱)、11:篩下鉱(返鉱)、12:ダスト(返鉱)、 13:篩上鉱

Claims (1)

  1. ドワイトロイド式焼結機を使用し、焼結原料から焼結鉱を製造する焼結鉱の製造方法において、
    焼結用原料に水分添加して造粒を完了、その後に最終の造粒機の出口から原料装入装置のサージホッパー入口までの間で返鉱を添加し、これにより得られた混合物を前記焼結原料の全量として用いることを特徴とする焼結鉱の製造方法。
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