JP5181619B2 - 被削性と焼入れ性に優れた焼入れ鋼材 - Google Patents
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(1)化学成分として、質量%で、
C:0.14〜0.85%、
Si:0.01〜1.5%、
Mn:0.05〜2.5%、
S:0.005〜0.35%、
Cr:0.2〜6.0%、
N:0.020%以下、
Al:0.055〜1.0%
を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなり、
最大径が200nmを超えるAlNの合計体積が全AlNの総体積の20%以下であり、固溶Alが0.062質量%以上であり、熱間圧延により成形加工した丸棒鋼から製造され、焼入れ処理が施された鋼材であることを特徴とする被削性と焼入れ性に優れた焼入れ鋼材。
(3)化学成分として、更に、質量%で、Ca:0.0003〜0.0015%を含有することを特徴とする上記(1)又は(2)記載の被削性と焼入れ性に優れた焼入れ鋼材。
(4)化学成分として、更に、質量%で、Ti:0.001〜0.1%、Nb:0.005〜0.2%、W:0.01〜1.0%、V:0.01%〜1.0%からなる群から選択された1種又は2種以上を含有することを特徴とする上記(1)乃至(3)のいずれかに記載の被削性と焼入れ性に優れた焼入れ鋼材。
(5)化学成分として、更に、質量%で、Mg:0.0001〜0.0040%、Zr:0.0003〜0.01%、Rem:0.0001〜0.015%からなる群から選択された1種又は2種以上を含有することを特徴とする上記(1)乃至(4)のいずれかに記載の被削性と焼入れ性に優れた焼入れ鋼材。
(6)化学成分として、更に、質量%で、Sb:0.0005%以上0.0150%未満、Sn:0.005〜2.0%、Zn:0.0005〜0.5%、B:0.0005〜0.015%、Te:0.0003〜0.2%、Bi:0.005〜0.5%、Pb:0.005〜0.5%からなる群から選択された1種又は2種以上を含有することを特徴とする上記(1)乃至(5)のいずれかに記載の被削性と焼入れ性に優れた焼入れ鋼材。
(7)化学成分として、更に、Mo:0.01〜1.0%を含有することを特徴とする上記(1)乃至(6)のいずれかに記載の被削性と焼入性に優れた焼入れ鋼材。
(8)化学成分として、更に、質量%で、Ni:0.05〜2.0%、Cu:0.01〜2.0%からなる群から選択された1種または2種を含有することを特徴とする上記(1)乃至(7)のいずれかに記載の被削性と焼入れ性に優れた焼入れ鋼材。
Cは、鋼材の基本強度に大きな影響を及ぼす元素である。しかしながら、C含有量が0.05%未満の場合、十分な強度を得られず、他の合金元素をさらに多量に投入せざるを得なくなる。一方、C含有量が0.85%を超えると、過共析に近くなり、硬質の炭化物を多く析出するため、被削性が著しく低下する。よって、本発明においては、十分な強度及び被削性を得るため、C含有量を0.06〜0.85%とする。
本発明では、実施例のC含有量が全て0.14%以上であるので、C含有量を0.14〜0.85%とする。
Siは、一般に脱酸元素として添加されているが、フェライトの強化及び焼戻し軟化抵抗を付与する効果もある。しかしながら、Si含有量が0.01%未満の場合、十分な脱酸効果が得られない。一方、Si含有量が1.5%を超えると、脆化等の材料特性が低下し、更には被削性も劣化する。よって、本発明においてはSi含有量を0.01〜1.5%とする。
Mnは、鋼中SをMnSとして固定・分散させると共に、マトリックスに固溶させて焼入れ性の向上や焼入れ後の強度を確保するために必要な元素である。しかしながら、Mn含有量が0.05%未満であると、鋼中のSがFeと結合してFeSとなり、鋼が脆くなる。一方、Mn含有量が増えると、具体的には、Mn含有量が2.5%を超えると、素地の硬さが大きくなり冷間加工性が低下すると共に、強度や焼入れ性に及ぼす影響も飽和する。よって、本発明においてはMn含有量を0.05〜2.5%とする。
SはMnと結合してMnS介在物として存在する。MnSは、被削性を向上させる効果があるが、その効果を顕著に得るためには、Sを0.001%以上添加する必要がある。一方、S含有量が0.35%を超えると、被削性を向上させるという効果は飽和する一方、強度低下を著しく促進する。よって、本発明においてはS含有量を0.001〜0.35%とする。
Crは、焼入れ性を向上すると共に、焼戻し軟化抵抗を付与する元素であり、高強度化が必要な鋼には添加される。しかしながら、Cr含有量が0.2%未満の場合には、これらの効果が得られず、また、Crを多量(具体的には2.0%超)に添加すると、Cr炭化物が生成して鋼が脆化する。よって、本発明においてはその含有量を0.01〜2.0%とする。
N(鋼中の全N)は、Al等の窒化物生成元素と結合して窒化物として、あるいは固溶Nとして存在する。ただし0.020%を超えると窒化物を粗大化させたり、固溶Nを高めて被削性を劣化させるのに加え、圧延時に疵等の問題を生ずる。このため、本発明においてはその含有量の上限を0.020%、さらに好ましくは0.01%とする。
Al(鋼中の全Al)は、一部がNと結びついてAlNとして析出し、残りが固溶Alとして存在する。固溶Alを充分に確保するためにはAlを0.055%以上にする必要があるが、1.0%を超えると変態特性に大きく影響を与える。このため、本発明においてはその含有量を0.55〜1.0%とした。
Caは、脱酸元素であり、酸化物を生成する。本発明鋼のように全Al(T−Al)として0.05%以上を含有する鋼では、カルシウムアルミネート(CaOAI2O3)が形成されるが、このCaOAI2O3は、AI2O3に比べて低融点酸化物であるため、高速切削時に工具保護膜となり、被削性を向上させる。しかしながら、Ca含有量が0.0003%未満の場合、この被削性向上効果が得られず、また、Ca含有量が0.0015%を超えると、鋼中にCaSが生成し、却って被削性を低下する。よって、本発明においてCaを添加する場合は、その含有量を0.0003〜0.0015%とする。
Tiは炭窒化物を形成し、オーステナイト粒の成長の抑制や強化に寄与する元素であり、高強度化が必要な鋼、及び低歪を要求される鋼には、粗大粒防止のための整粒化元素として使用される。また、Tiは脱酸元素でもあり、軟質酸化物を形成させることにより、被削性を向上させる効果もある。しかしながら、Ti含有量が0.001%未満の場合、その効果が認められず、また、Ti含有量が0.1%を超えると、熱間割れの原因となる未固溶の粗大な炭窒化物が析出し、却って機械的性質が損なわれる。よって、本発明においてTiを添加する場合は、その含有量を0.001〜0.1%とする。
Nbも炭窒化物を形成し、二次析出硬化による鋼の強化、オーステナイト粒の成長を抑制及び強化に寄与する元素であり、高強度化が必要な鋼及び低歪を要求される鋼には、粗大粒防止のための整粒化元素として使用される。しかしながら、Nb含有量が0.005%未満の場合、高強度化の効果は得られず、また、0.2%を超えてNbを添加すると、熱間割れの原因となる未固溶の粗大な炭窒化物が析出し、却って機械的性質が損なわれる。よって、本発明においてNbを添加する場合は、その含有量を0.005〜0.2%とする。
Wも炭窒化物を形成し、二次析出硬化により鋼を強化することができる元素である。しかしながら、W含有量が0.01%未満の場合、高強度化の効果は得られず、また、1.0%を超えてWを添加すると、熱間割れの原因となる未固溶の粗大な炭窒化物が析出し、却って機械的性質が損なわれる。よって、本発明においてWを添加する場合は、その含有量を0.01〜1.0%とする。
Vも炭窒化物を形成し、二次析出硬化により鋼を強化することができる元素であり、高強度化が必要な鋼には適宜添加される。しかしながら、V含有量が0.01%未満の場合、高強度化の効果は得られず、また、1.0%を超えてVを添加すると、熱間割れの原因となる未固溶の粗大な炭窒化物が析出し、却って機械的性質が損なわれる。よって、本発明においてVを添加する場合は、その含有量を0.01%〜1.0%とする。
Mgは脱酸元素であり、鋼中で酸化物を生成する。そして、Al脱酸前提の場合には、被削性に有害なAl2O3を、比較的軟質で微細に分散するMgO又はAl2O3・MgOに改質する。また、その酸化物はMnSの核となりやすく、MnSを微細分散させる効果もある。しかしながら、Mg含有量が0.0001%未満では、これらの効果が認められない。また、Mgは、MnSとの複合硫化物を生成して、MnSを球状化するが、Mgを過剰(具体的には0.0040%超)に添加すると、単独のMgS生成を促進して被削性を劣化させる。よって、本発明においてMgを添加する場合は、その含有量を0.0001〜0.0040%とする。
Zrは脱酸元素であり、鋼中で酸化物を生成する。その酸化物はZrO2と考えられているが、このZrO2がMnSの析出核となるため、MnSの析出サイトを増やし、MnSを均一分散させる効果がある。また、Zrは、MnSに固溶して複合硫化物を生成し、その変形能を低下させ、圧延及び熱間鍛造時にMnS形状の伸延を抑制する働きもある。このように、Zrは異方性の低減に有効な元素である。しかしながら、Zr含有量が0.0003%未満の場合、これらについて顕著な効果は得られない。一方、0.01%を超えてZrを添加しても、歩留まりが極端に悪くなるばかりでなく、ZrO2およびZrS等の硬質な化合物が大量に生成し、却って被削性、衝撃値及び疲労特性等の機械的性質が低下する。よって、本発明においてZrを添加する場合は、その含有量を0.0003〜0.01%とする。
Rem(希土類元素)は脱酸元素であり、低融点酸化物を生成し、鋳造時ノズル詰りを抑制するだけでなく、MnSに固溶又は結合し、その変形能を低下させて、圧延及び熱間鍛造時にMnS形状の伸延を抑制する働きもある。このように、Remは異方性の低減に有効な元素である。しかしながら、Rem含有量が総量で0.0001%未満の場合、その効果は顕著ではなく、また、0.015%を超えた場合、Remの硫化物を大量に生成し、被削性が悪化する。よって、本発明においてRemを添加する場合は、その含有量を0.0001〜0.015%とする。
Sbはフェライトを適度に脆化し被削性を向上させる。その効果は特に固溶Al量が多い場合に顕著であり、Sb含有量が0.0005%未満では認められない。またSb含有量が増える(具体的には0.0150%以上)と、Sbのマクロ偏析が過多となり衝撃値が大きく低下する。よって、本発明においてSbを添加する場合は、その含有量を0.0005%以上0.0150%未満とする。
Snはフェライトを脆化させて工具寿命を延ばすと共に、表面粗さを向上させる効果がある。しかしながら、Sn含有量が0.005%未満の場合、その効果は認められず、また、2.0%を超えてSnを添加しても、その効果は飽和する。よって、本発明においてSnを添加する場合は、その含有量を0.005〜2.0%とする。
Znはフェライトを脆化させて工具寿命を延ばすと共に、表面粗さを向上させる効果がある。しかしながら、Zn含有量が0.0005%未満の場合、その効果は認められず、また、0.5%を超えてZnを添加しても、その効果は飽和する。よって、本発明においてZnを添加する場合は、その含有量を0.0005〜0.5%とする。
Bは、固溶している場合は粒界強化及び焼入れ性に効果があり、析出する場合にはBNとして析出するため被削性の向上に効果がある。これらの効果は、B含有量が0.0005%未満では顕著ではない。一方、0.015%を超えてBを添加してもその効果が飽和すると共に、BNが多く析出しすぎるため、却って鋼の機械的性質が損なわれる。よって、本発明においてBを添加する場合は、その含有量を0.0005〜0.015%とする。
Teは被削性向上元素である。また、MnTeを生成したり、MnSと共存することでMnSの変形能を低下させ、MnS形状の伸延を抑制する働きがある。このように、Teは異方性の低減に有効な元素である。しかしながら、Te含有量が0.0003%未満の場合、これらの効果は認められず、また、Te含有量が0.2%を超えると、その効果が飽和するだけでなく、熱間延性が低下して疵の原因になりやすい。よって、本発明においてTeを添加する場合は、その含有量を0.0003〜0.2%とする。
Biは、被削性向上元素である。しかしながら、Bi含有量が0.005%未満の場合、その効果が得られず、また、0.5%を超えてBiを添加しても、被削性向上効果が飽和するだけでなく、熱間延性が低下して疵の原因となりやすい。よって、本発明においてBiを添加する場合は、その含有量を0.005%〜0.5%とする。
Pbは、被削性向上元素である。しかしながら、Pb含有量が0.005%未満の場合、その効果が認められず、また、0.5%を超えてPbを添加しても、被削性向上効果が飽和するだけでなく、熱間延性が低下して疵の原因となりやすい。よって、本発明においてPbを添加する場合は、その含有量を0.005〜0.5%とする。
Moは、焼戻し軟化抵抗を付与すると共に、焼入れ性を向上させる元素であり、高強度化が必要な鋼には添加される。しかしながら、Mo含有量が0.01%未満の場合、これらの効果が得られず、また、1.0%を超えてMoを添加しても、その効果は飽和する。よって、本発明においてMoを添加する場合は、その含有量を0.01〜1.0%とする。
Niはフェライトを強化し、延性を向上させると共に、焼入れ性向上及び耐食性向上にも有効な元素である。しかしながら、Ni含有量が0.05%未満の場合、その効果は認められず、また、2.0%を超えてNiを添加しても、機械的性質の点では効果が飽和し、被削性が低下する。よって、本発明においてNiを添加する場合は、その含有量を0.05〜2.0%とする。
Cuは、フェライトを強化すると共に、焼入れ性向上及び耐食性向上にも有効な元素である。しかしながら、Cu含有量が0.01%未満の場合、その効果は認められず、また、2.0%を超えてCuを添加しても、機械的性質の点では効果が飽和する。よって、本発明においてCuを添加する場合は、その含有量を0.01〜2.0%とする。なお、Cuは、特に熱間延性を低下させ、圧延時の疵の原因となりやすいため、Cuを添加する場合はNiも添加することが好ましい。
T1=−6770/[log{(wt%Al)(wt%N)}−1.03]−423
・・・(1)
ここで、wt%Alは鋼材の全Alの含有量(質量%)であり、wt%Nは鋼材の全Nの含有量(質量%)である。以下、同様である。
固溶Al量(質量%)=鋼中全Al量(質量%)−AlNとして存在するAl量(質量%)
・・・ (2)
なお、AlNとして存在するAl量は、例えば非水溶媒電解液による定電位電解腐食法のSPEED法と0.1μmのフィルターにより電解抽出した残渣をICP発光分析装置で分析することにより、求めることができる。
本発明では、実施例表2−3の発明例No.26の固溶Al実験値が0.062%であるので、固溶Al量を0.062%以上とする。
固溶Al量(質量%)=(27/28)(((wt%N-(14/27)(wt%Al))2+(56/27)×10(1.03−6770/(T2+273)))1/2-((wt%N)-(14/27)(wt%Al)))・・・ (3)
実施例1では本発明を0.15%C程度(例えばCが0.12〜0.18%の範囲内)の合金鋼について適用した場合の試験例を示す。また他の化学成分は、Si:0.1〜0.3%、Mn:0.5〜1.0%、P:0.020%以下、S:0.01%以上0.1%以下、Cr:0.5%〜1.5%以下、Al:0.055〜0.3%の範囲に収めた。実施例1では、焼準後に切削試験、浸炭を想定した加熱温度でのジョミニ試験を実施した。詳細には、表1−1に示す組成の鋼150Kgを真空溶解炉で溶製後、表1−3に示す加熱温度で熱間鍛造し、直径が65mmと35mmの2種類の円柱状に鍛伸した。そして、この実施例の鋼材について、下記に示す方法で、65mm鍛伸材から切り出した試験片で被削性試験、AlNの観察、及び固溶Al量の測定を行った。また35mm鍛伸材から切り出したジョミニ試験片でジョミニ試験を実施し、その特性を評価した。
まず、鍛伸後の鋼材を930℃の温度条件下で1時間保持した後に空冷し、焼準のための熱処理を施し、各鋼材の硬さをHv10で135から145の範囲に調整した。その後、熱処理後の各鋼材から被削性評価用試験片を切出し、下記表1−2に示す切削条件でドリル穿孔試験を行い、実施例及び比較例の各鋼材の被削性を評価した。その際、評価指標としては、ドリル穿孔試験では累積穴深さ1000mmまで切削可能な最大切削速度VL1000を採用した。
ジョミニ試験は、鍛伸後の各鋼材に対して、JIS G0561に基づく方法で一端焼入方法により浸炭加熱温度を想定した930℃の加熱温度で実施した。その後、得られたジョミニ-カーブ及びC量より、50%Mの硬さに相当するジョミニ距離を推定し、このジョミニ距離を焼入性DIに換算した。
AlNの観察は、被削性試験評価用試験片と同様の方法で作製した鋼材のQ部から切出した試料を用いてレプリカ法により観察用試料を作成し、この観察用試料を透過型電子顕微鏡により観察した。観察は1000μm2の視野をランダムに20視野実施した。そして、最大径が200nmを超えるAlNの合計体積が全AlNの総体積の20%以下である場合を○、20%以上である場合を×として判定した。
まず、非水溶媒電解液による定電位電解腐食法のSPEED法と0.1μmのフィルターにより電解抽出した残渣をICP発光分析装置で分析することにより、AlNとして存在するAl量(質量%)を測定し、上記(2)式に代入することにより固溶Al量(質量%)を求めた。
実施例2では、本発明を0.2%C程度(例えばCが0.18〜0.23%の範囲内)の合金鋼に適用した場合の試験例を示す。また他の化学成分は、Si:0.1〜0.3%、Mn:0.5〜1.0%、P:0.020%以下、S:0.01%以上0.1%以下、Cr:0.5%〜1.5%以下、Al:0.055〜0.3%の範囲に収めた。実施例2では、焼準後に切削試験、浸炭を想定した加熱温度でのジョミニ試験を実施した。詳細には、表2−1に示す組成の鋼150Kgを真空溶解炉で溶製後、表2−3に示す加熱温度で熱間鍛造し、直径が65mmと35mmの2種類の円柱状に鍛伸した。そして、この実施例の鋼材について、下記に示す方法で、65mm鍛伸材から切り出した試験片で被削性試験、AlNの観察、及び固溶Al量の測定を行った。また35mm鍛伸材から切り出したジョミニ試験片でジョミニ試験を実施し、その特性を評価した。
まず、鍛伸後の各鋼材を930℃の温度条件下で1時間保持した後に空冷し、焼準のための熱処理を施し、各鋼材の硬さをHv10で140から150の範囲に調整した。その後、熱処理後の各鋼材から被削性評価用試験片を切出し、下記表2−2に示す切削条件でドリル穿孔試験を行い、実施例及び比較例の各鋼材の被削性を評価した。その際、評価指標としては、ドリル穿孔試験では累積穴深さ1000mmまで切削可能な最大切削速度VL1000を採用した。
ジョミニ試験は、鍛伸後の各鋼材に対して、JIS G0561に基づく方法で一端焼入方法により浸炭加熱温度を想定した930℃の加熱温度で実施した。その後、得られたジョミニ-カーブ及びC量より、50%Mの硬さに相当するジョミニ距離を推定し、このジョミニ距離から焼入性(DI:理想臨界直径)に換算した。
AlNの観察は、被削性試験評価用試験片と同様の方法で作製した鋼材のQ部から切出した試料を用いてレプリカ法により観察用試料を作成し、この観察用試料を透過型電子顕微鏡により観察した。観察は、1000μm2の視野をランダムに20視野実施した。そして、最大径が200nmを超えるAlNの合計体積が全AlNの総体積の20%以下である場合を○、20%以上である場合を×として判定した。
まず、非水溶媒電解液による定電位電解腐食法のSPEED法と0.1μmのフィルターにより電解抽出した残渣をICP発光分析装置で分析することにより、AlNとして存在するAl量(質量%)を測定し、上記(2)式に代入することにより固溶Al量(質量%)を求めた。
実施例3では本発明を0.4%C程度(例えばCが0.35〜0.45%の範囲内)の合金鋼に適用した場合の試験例を示す。また他の化学成分は、Si:0.1〜0.3%、Mn:0.5〜1.0%、P:0.020%以下、S:0.01%以上0.1%以下、Cr:0.5%〜1.5%以下、Al:0.055〜0.3%の範囲に収めた。実施例3では、焼準後に切削試験、焼入れを想定した加熱温度でのジョミニ試験を実施した。詳細には、表3−1に示す組成の鋼150Kgを真空溶解炉で溶製後、表3−3に示す加熱温度で熱間鍛造し、直径が65mmと35mmの2種類の円柱状に鍛伸した。そして、この実施例の鋼材について、下記に示す方法で、65mm鍛伸材から切り出した試験片で被削性試験、AlNの観察、及び固溶Al量の測定を行った。また35mm鍛伸材から切り出したジョミニ試験片でジョミニ試験を実施し、その特性を評価した。
まず、鍛伸後の鋼材を850℃の温度条件下で1時間保持後、空冷し、焼準のための熱処理を施し、各鋼材の硬さをHv10で225から235の範囲に調整した。その後、熱処理後の各鋼材から被削性評価用試験片を切出し、下記表3−2に示す切削条件でドリル穿孔試験を行い、実施例及び比較例の各鋼材の被削性を評価した。その際、評価指標としては、ドリル穿孔試験では累積穴深さ1000mmまで切削可能な最大切削速度VL1000を採用した。
ジョミニ試験は、鍛伸後の各鋼材に対して、JIS G0561に基づく方法で一端焼入方法により焼入れ加熱温度を想定した850℃の加熱温度で実施した。その後、得られたジョミニ-カーブ及びC量より、50%Mの硬さに相当するジョミニ距離を推定し、このジョミニ距離を焼入性DIに換算した。
AlNの観察は、被削性試験評価用試験片と同様の方法で作製した鋼材のQ部から切出した試料を用いてレプリカ法により観察用試料を作成し、この観察用試料を透過型電子顕微鏡により観察した。観察は、1000μm2の視野をランダムに20視野実施した。そして、最大径が200nmを超えるAlNの合計体積が全AlNの総体積の20%以下である場合を○、20%以上である場合を×として判定した。
まず、非水溶媒電解液による定電位電解腐食法のSPEED法と0.1μmのフィルターにより電解抽出した残渣をICP発光分析装置で分析することにより、AlNとして存在するAl量(質量%)を測定し、上記(2)式に代入することにより固溶Al量(質量%)を求めた。
Claims (8)
- 化学成分として、質量%で、
C:0.14〜0.85%
Si:0.01〜1.5%、
Mn:0.05〜2.5%、
S:0.005〜0.35%、
Cr:0.2〜6.0%、
N:0.020%以下、
Al:0.055〜1.0%
を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなり、
最大径が200nmを超えるAlNの合計体積が全AlNの総体積の20%以下であり、固溶Alが0.062質量%以上であり、熱間圧延により成形加工した丸棒鋼から製造され、焼入れ処理が施された鋼材であることを特徴とする被削性と焼入れ性に優れた焼入れ鋼材。 - 化学成分として、更に、質量%で、P:0.020%以下を含有することを特徴とする請求項1記載の被削性と焼入れ性に優れた焼入れ鋼材。
- 化学成分として、更に、質量%で、Ca:0.0003〜0.0015%を含有することを特徴とする請求項1または2に記載の被削性と焼入れ性に優れた焼入れ鋼材。
- 化学成分として、更に、質量%で、Ti:0.001〜0.1%、Nb:0.005〜0.2%、W:0.01〜1.0%、V:0.01%〜1.0%からなる群から選択された1種又は2種以上を含有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の被削性と焼入れ性に優れた焼入れ鋼材。
- 化学成分として、更に、質量%で、Mg: 0.0001〜0.0040%、Zr:0.0003〜0.01%、Rem:0.0001〜0.015%からなる群から選択された1種又は2種以上を含有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の被削性と焼入れ性に優れた焼入れ鋼材。
- 化学成分として、更に、質量%で、Sb:0.0005%以上0.0150%未満、Sn:0.005〜2.0%、Zn:0.0005〜0.5%、B:0.0005〜0.015% 、Te:0.0003〜0.2%、Bi:0.005〜0.5%、Pb:0.005〜0.5%からなる群から選択された1種又は2種以上を含有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の被削性と焼入れ性に優れた焼入れ鋼材。
- 化学成分として、更に、質量%で、Mo: 0.01〜1.0%を含有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の被削性と焼入れ性に優れた焼入れ鋼材。
- 化学成分として、更に、質量%で、Ni:0.05〜2.0%、Cu:0.01〜2.0%からなる群から選択された1種または2種を含有することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の被削性と焼入れ性に優れた焼入れ鋼材。
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JP2007278460A JP5181619B2 (ja) | 2007-10-26 | 2007-10-26 | 被削性と焼入れ性に優れた焼入れ鋼材 |
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JP2007278460A JP5181619B2 (ja) | 2007-10-26 | 2007-10-26 | 被削性と焼入れ性に優れた焼入れ鋼材 |
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