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JP6109730B2 - 浸炭後の曲げ疲労特性に優れた鋼材およびその製造方法並びに浸炭部品 - Google Patents

浸炭後の曲げ疲労特性に優れた鋼材およびその製造方法並びに浸炭部品 Download PDF

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Description

本発明は、浸炭後の曲げ疲労特性に優れた浸炭部品を得るための鋼材、およびその製造方法並びにその浸炭部品に関する。本発明の鋼材は、自動車や建築機械、その他の各種産業機械に使用される歯車やシャフト類等の素材として有用なものであるが、以下では自動車用歯車に適用する場合を中心にして説明を進める。
自動車、建設機械、その他の各種産業機械を取り巻く環境は、省エネルギー化や一層の性能向上が社会的に要請されており、近年、自動車車体の軽量化やエンジン出力の増大への取り組みが益々進められている。このため、自動車や建設機械等に使用される歯車、特に駆動系伝達部に使用されている歯車の使用環境は、一層過酷になっており、優れた疲労強度を備えた歯車が要求されている。
従来の歯車は、これを作製する歯車用鋼として、クロム鋼であるJlS−SCr420鋼(SCr420H鋼も含む)、或はクロムモリブデン鋼であるJIS−SCM420鋼(SCM420H鋼も含む)等の肌焼鋼が採用されている。これらの肌焼鋼を、歯車形状に成形した後、浸炭した後、焼入れ・焼戻しを施し(以下、これらの処理を総括して「浸炭処理」ということがある)、いわゆる浸炭歯車としているのが通常である。
しかしながら、上記従来の歯車においては、次のような問題があることが指摘されている。即ち、近年、自動車や建設機械等に要求されている自動車車体の軽量化やエンジンの高出力要求が益々強くなっていることから、従来鋼を従来の基準で浸炭処理しただけの浸炭歯車では、特に曲げ疲労特性を満足できない状況になりつつある。
例えば特許文献1には、トルースタイトの面積率を低減し、内部硬さを適正化することによって、浸炭歯車の低サイクル疲労強度を向上させる技術が提案されている。しかしながら、トルースタイトを抑制するために、上記のJIS−SCM420鋼に対してAl含有量を高めている(0.11〜0.3%)ため、粗大なAl系窒化物が生成し、近年要求されている曲げ疲労特性を発揮させることは困難である。
国際公開第2002/044435号
本発明は、こうした状況の下でなされたものであって、その目的は、Al含有量を比較的高めた成分系であっても粗大なAl系窒化物を生成させることなく、浸炭処理後の曲げ疲労特性に優れた浸炭部品を得ることのできる鋼材、およびそのような鋼材を製造するための有用な方法、並びに上記のような特性を発揮する浸炭部品を提供することにある。
上記課題を解決することのできた本発明に係る鋼材は、
C:0.15〜0.25%(「質量%」の意味。化学成分組成について以下同じ)、
Si:0.05〜0.3%、
Mn:0.5〜1.0%、
Cr:1.0〜1.5%、
Al:0.15〜0.25%、
N :0.0030〜0.025%を夫々含有し、残部が鉄および不可避的不純物からなり、
前記不可避的不純物において、P:0.015%以下(0%を含まない)、S:0.02%以下(0%を含まない)およびO:0.0025%以下(0%を含まない)に夫々抑制したものであり、
且つ鋼中に存在するAl系窒化物の最大円相当径が0.5μm以下であることを特徴とする。
尚、上記「Al系窒化物」とは、基本的にAlNを指しているが、AlNに30原子%までの合金元素(Mn,Cr,SまたはSi)を一部に含む窒化物をも含む意味である。また、「最大円相当径」とは、鋼中に分散されるAl系窒化物を、同一の面積となる円に換算したときの直径の最大値である。
本発明の鋼材には、必要に応じて他の元素として、更に、(a)Mo:0.25%以下(0%を含まない)、Cu:0.25%以下(0%を含まない)およびNi:0.25%以下(0%を含まない)よりなる群から選ばれる1種以上、(b)Nb:0.04%以下(0%を含まない)、Ti:0.1%以下(0%を含まない)およびV:0.1%以下(0%を含まない)よりなる群から選ばれる1種以上、(c)B:0.0050%以下(0%を含まない)、等を含有することも有用であり、含有される元素の種類に応じて鋼材の特性が更に改善される。
一方、上記課題を解決することのできた鋼材の製造方法とは、上記のような化学成分組成を有する鋼片を、圧延開始から圧延終了までの温度範囲を900〜1200℃とし、圧延中の歪み速度を0.3秒-1以上として熱間圧延を行い、その後平均冷却速度を0.4℃/秒以上で冷却を実施することを特徴とする。
また本発明に係る浸炭部品とは、上記のような鋼材から得られる浸炭部品であって、その表面に最大円相当径が0.07〜0.5μmのAl系窒化物が0.2個/μm2以上分散しており、表面から50μm深さ位置の硬さがビッカース硬度でHv760以上であることを特徴とする。
本発明によれば、化学成分組成を制御した上で、鋼中のAl系窒化物の大きさを規定することによって、浸炭処理後の曲げ疲労特性に優れた浸炭部品を得ることのできる鋼材が実現できた。
図1は、4点曲げ疲労試験で用いる試験片形状を示す概略説明図である。 図2は、4点曲げ疲労試験の実施状態を示す概略説明図である。 図3は、4点曲げ疲労試験によって10万回強度を測定するときの説明図である。
本発明者らは、曲げ疲労特性、製造性を確保するため、様々な角度から検討した。その結果、下記(1)〜(4)のような知見が得られた。
(1)鋼材を浸炭させた後、表面(浸炭部品の表面)に、最大円相当径で0.07〜0.5μmとなる微細なAl系窒化物を0.2個/μm2以上(好ましくは0.3個/μm2以上、より好ましくは0.4個/μm2以上)分散させることで、破壊の起点となる最表面の粒界酸化層や欠陥への応力集中を緩和し、初期亀裂発生を抑制することで曲げ疲労強度を向上させることができる。また、最大円相当径で0.5μmを超えるような粗大なAl系窒化物が存在すると、亀裂発生源となるため、曲げ疲労強度が低下する。更に、最大円相当径で0.07μmよりも小さいAl系窒化物は、曲げ疲労強度の向上に寄与しない。
(2)表面から50μm深さ位置の硬さがビッカース硬度でHv760未満となると、亀裂が発生しやすくなり、曲げ疲労特性が低下する。
(3)所定の大きさのAl系窒化物を分散させるためには、Alの含有量を0.15%以上、Nの含有量を0.0030〜0.025%とする必要がある。
(4)Al含有量を上記のように比較的高めた成分系であっても、圧延後のAl系窒化物の最大円相当径を0.5μm以下(好ましくは0.4μm以下、より好ましくは0.3μm以下)とし、浸炭後の表面に0.07〜0.5μmの微細なAl系窒化物を0.2個/μm2以上分散させるためには、圧延開始から圧延終了までの温度範囲(熱間圧延中の温度)を900〜1200℃とし、圧延中の歪み速度を0.3秒-1以上として熱間圧延を行い、その後平均冷却速度を0.4℃/秒以上として冷却する必要がある。
本発明の鋼材は、上述したように、鋼中のAl系窒化物の大きさや個数を規定したところに特徴があるが、浸炭部品としての基本的な特性を発揮させるためには鋼材の化学成分組成についても適切に調整する必要がある。まず本発明の鋼材における化学成分組成について説明する。
(C:0.15〜0.25%)
Cは、強度付与元素であり、0.15%未満では必要な強度が得られない。一方、0.25%を超えると被削性および靭性が低下するので、これを上限とする。尚、C含有量の好ましい下限は0.17%以上(より好ましくは0.19%以上)であり、好ましい上限は0.23%以下(より好ましくは0.21%以下)である。
(Si:0.05〜0.3%)
Siは、焼戻し軟化抵抗向上元素として作用し、歯車などにおいて駆動中に接触部位の温度が上昇した際に、軟化抑制によって硬さを維持し、ピッチングなどの疲労強度向上、耐摩耗性向上に寄与する。こうした効果を発揮させるためには、Siは0.05%以上含有させる必要がある。しかしながら、Si含有量が過剰になると強度上昇が著しくなって、冷間加工性および被削性が低下する。また、粒界酸化層が増大し、曲げ疲労強度を低下させるので、その上限を0.3%以下とする。尚、Si含有量の好ましい下限は0.1%以上(より好ましくは0.15%以上)であり、好ましい上限は0.25%以下(より好ましくは0.20%以下)である。
(Mn:0.5〜1.0%)
Mnは、脱酸剤や脱硫剤、および焼入れ性向上元素として添加される。その効果を発揮させるためには、0.5%以上含有させる必要がある。しかしながら、その含有量が過剰になると、冷間鍛造性や靭性の低下を招くと共に、被削性も劣化する。また、粒界酸化層が増大し、曲げ疲労強度を低下させる。こうした観点から、Mn含有量の上限は1.0%以下とする必要がある。尚、Mn含有量の好ましい下限は0.6%以上(より好ましくは0.7%以上)であり、好ましい上限は0.9%以下(より好ましくは0.8%以下)である。
(Cr:1.0〜1.5%)
Crは、Mnと同様に焼入性向上元素として添加され、また焼戻し軟化抵抗元素として作用する。こうした効果を発揮させるためには、Crは1.0%以上含有させる必要がある。しかしながら、Crの含有量が過剰になると、冷間鍛造性や靭性の低下を招くと共に、被削性も劣化し、更に粒界酸化層が増大し、曲げ疲労強度を低下させる。こうした観点から、Cr含有量の上限を1.5%とする必要がある。尚、Cr含有量の好ましい下限は1.1%以上(より好ましくは1.2%以上)であり、好ましい上限は1.4%以下(より好ましくは1.3%以下)である。
(Al:0.15〜0.25%)
Alは、脱酸剤であると同時に、微細なAl系窒化物を形成することにより、曲げ疲労時の粒界酸化層や非金属介在物等の欠陥への応力集中を緩和させる効果を発揮する。また結晶粒を微細化し、靭性を向上させる効果も有している。こうした効果を有効に発揮させるためには、少なくとも0.15%含有させる必要がある。しかしながら、Al含有量が過剰になると圧延時に窒化物の粗大化によって、靭性に悪影響を及ぼし、加工性を低下させる。更に、粗大な窒化物は破壊の起点となるため、曲げ疲労特性を低下させることとなる。こうした観点から、Al含有量の上限を0.25%以下とする必要がある。尚、Al含有量の好ましい下限は0.17%以上(より好ましくは0.19%以上)であり、好ましい上限は0.23%以下(より好ましくは0.21%以下)である。
(N:0.0030〜0.025%)
Nは、Al等と窒化物を形成し、結晶粒を微細化し、靭性を向上させる効果を発揮する。こうした効果を発揮させるためには、Nは少なくとも0.0030%以上含有させる必要がある。しかしながら、N含有量が過剰になると、粗大な窒化物(特にAl系窒化物)が生成して、曲げ疲労特性が低下するので、その含有量は0.025%以下とする必要がある。尚、N含有量の好ましい下限は0.0060%以上(より好ましくは0.010%以上)であり、好ましい上限は0.020%以下(より好ましくは0.017%以下)である。
(P:0.015%以下(0%を含まない))
Pは、不可避的に不純物として含有する元素であるが、粒界に偏析し、加工性や疲労特性を低下させるため極力低減することが望ましい。しかしながら、極端に低減することは製鋼コストの増大を招くことになる。こうした観点から、P含有量は、0.015%以下とした。好ましくは0.010%以下(より好ましくは0.008%以下)に低減するのが良い。
(S:0.02%以下(0%を含まない))
Sは、不可避的に不純物として含有する元素であるが、MnSとして析出し、疲労特性や衝撃特性を低下させるため極力低減することが望ましい。しかしながら、極端に低減することは製鋼コストの増大を招くことになる。こうした観点から、S含有量は、0.02%以下とした。好ましくは0.015%以下(より好ましくは0.010%以下)に低減するのが良い。
(O:0.0025%以下(0%を含まない))
Oは、不可避的に不純物として含有する元素であるが、酸化物として存在し、疲労特性や衝撃特性を低下させるため極力低減することが望ましい。しかしながら、極端に低減することは製鋼コストの増大を招くことになる。こうした観点から、O含有量は、0.0025%以下とした。好ましくは0.0020%以下(より好ましくは0.0015%以下)に低減するのが良い。
本発明に係る高強度鋼板における基本成分は上記の通りであり、残部は鉄および不可避的不純物(P,SおよびO以外の不可避的不純物)である。該不可避的不純物として、原料、資材、製造設備等の状況によって持ち込まれる元素の混入が許容され得る。
また、本発明の鋼板には、上記合金元素に加えて、必要に応じて、更に他の元素として、(a)Mo:0.25%以下(0%を含まない)、Cu:0.25%以下(0%を含まない)およびNi:0.25%以下(0%を含まない)よりなる群から選ばれる1種以上、(b)Nb:0.04%以下(0%を含まない)、Ti:0.1%以下(0%を含まない)およびV:0.1%以下(0%を含まない)よりなる群から選ばれる1種以上、(c)B:0.0050%以下(0%を含まない)、等を含有することも有用であり、含有される元素の種類に応じて鋼材の特性が更に改善される。
(Mo:0.25%以下(0%を含まない)、Cu:0.25%以下(0%を含まない)およびNi:0.25%以下(0%を含まない)よりなる群から選ばれる1種以上)
Mo,CuおよびNiは、いずれも焼入れ性を高めると共に、表面の浸炭異常層の生成を抑制し、曲げ疲労特性を改善させる効果がある。これらは、必要によっていずれか1種または2種以上を含有させることによって上記の効果が発揮される。こうした効果を発揮させるためには、少なくとも0.03%以上含有させることが好ましい(より好ましくは0.05%以上)。しかしながら、これらの元素の含有量が過剰になると、熱間加工性や冷間加工性、および被削性を低下させるため、上限を0.25%以下(より好ましくは0.23%以下)とすることが好ましい。
(Nb:0.04%以下(0%を含まない)、Ti:0.1%以下(0%を含まない)およびV:0.1%以下(0%を含まない)よりなる群から選ばれる1種以上)
Nb,TiおよびVは、浸炭後の結晶粒を微細化し、鋼材の靭性を向上させると共に、曲げ疲労強度を向上させるのに有用である。これらは、必要によっていずれか1種または2種以上を含有させることによって上記の効果が発揮される。こうした効果を発揮させるためには、Nb,Tiで少なくとも0.005%以上、Vで少なくとも0.01%以上含有させることが好ましい(より好ましくはNb,Tiで0.010%以上、Vで0.02%以上)。しかしながら、これらの元素の含有量が過剰させても、その効果が飽和するだけでなく、粗大な析出物を形成し、強度を低下させるため、上限をNbで0.04%以下(より好ましくは0.03%以下)、Ti,Vで0.1%以下(より好ましくは0.08%以下)とすることが好ましい。
(B:0.0050%以下(0%を含まない))
Bは、浸炭処理における焼入れ性を高めるのに作用し、また粒界を強化し疲労強度を向上させる元素である。Bは、微量添加により焼入れ性の向上が可能であるために、加工性等への影響が低い。こうした作用を有効に発揮させるには、Bは0.0005%以上含有することが好ましく、より好ましくは0.0008%以上である。しかしながら、Bを過剰に含有させると、Nとの結合によりBNを生成して浸炭部品の強度が低下する。従って、B含有量は0.0050%以下であることが好ましく、より好ましくは0.0045%以下、更に好ましくは0.0040%以下である。
本発明で規定する要件(Al系窒化物の大きさ、個数密度)を満足させつつ本発明の鋼材を製造するにあたっては、上記のように化学成分組成を調整した鋼材を溶製し、分塊圧延を実施した後、圧延開始から圧延終了までの温度範囲を900〜1200℃として、圧延中の歪み速度を0.3秒-1以上として圧延を行い、その後平均冷却速度を0.4℃/秒以上として冷却する必要がある。これらの要件を規定した理由は、下記の通りである。
(圧延開始から圧延終了までの温度範囲:900〜1200℃)
熱間圧延時の温度(圧延温度)が900℃未満になると、Al系窒化物を十分固溶させることができず、圧延および浸炭後の表面に最大円相当径で0.5μm以下のAl系窒化物を0.2個/μm2以上分散させることができない。また圧延温度が1200℃を超えると、脱炭しやすくなり、強度が低下することとなる。圧延温度の好ましい下限は950℃以上(より好ましくは1000℃以上)であり、好ましい上限は1150℃以下(より好ましくは1100℃以下)である。
(熱間圧延中の歪み速度:0.3秒-1以上)
熱間圧延中の歪み速度は、微細なAl系窒化物を形成させる上で重要な要件である。この歪み速度が0.3秒-1未満では、最大円相当径で0.5μmを超えるような粗大なAl系窒化物が生成しやすくなる。粗大なAl系窒化物は、曲げ疲労時の破壊の起点となるため、曲げ疲労特性を低下させる。歪み速度の好ましい下限は0.5秒-1以上(より好ましくは0.7秒-1以上)である。歪み速度の上限は、特に規定しないが、歪み速度が速くなりすぎると、その効果が飽和し、また設備投資も必要となるため、3秒-1以下(より好ましくは2.5秒-1以下)とすることが好ましい。尚、歪み速度は、熱間圧延時の最初のパスの入り側断面積(鋼材の断面積)をS0(m2)、最終パスの出側断面積をS(m2)、圧延時間をt(秒)としたとき、下記(1)式によって求められる。
歪み速度(秒-1)=(1−S/S0)/t …(1)
(熱間圧延後の冷却時の平均冷却速度:0.4℃/秒以上)
熱間圧延後の冷却時の平均冷却速度が0.4℃/秒よりも遅くなると、Al系窒化物が粗大化し、浸炭後の表面に最大円相当径で0.5μm以下のAl系窒化物を0.2個/μm2以上分散させることができない。平均冷却速度の好ましい下限は、0.7℃/秒以上(より好ましくは1.0℃/秒以上)である。但し、この平均冷却速度が速くなりすぎると、ベイナイトが生成しやすくなり、鋼材の切削性や鍛造性に悪影響を与えるため、好ましくは10℃/秒以下(より好ましくは8℃/秒以下)にするのがよい。
上記のようにして得られた鋼材を、浸炭処理することによって、曲げ疲労特性に優れた浸炭部品が得られる。こうした浸炭部品では、表面から50μm深さ位置の硬さが、ビッカース硬度でHv760以上であることが必要となる。このような高硬度を達成するには、カーボンポテンシャル(以下、「CP」と略記することがある)が0.75〜0.90%となる浸炭雰囲気で浸炭処理をすることが好ましい。この雰囲気は、通常の浸炭処理の際に行われている雰囲気と同等のものである。CPが0.75%未満になると上記のような硬さが得られず、0.90%を超えると、粗大なセメンタイトが生成しやすくなり、曲げ疲労強度が低下する。CPのより好ましい下限は0.78%以上であり、より好ましい上限は0.88%以下である。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
下記表1に示す各種化学成分組成(残部は鉄および不可避的不純物)の鋼片(鋼種A〜W)を溶製し、分塊圧延を実施した後、圧延温度(圧延開始から圧延終了までの温度範囲)を750〜1350℃とし、歪み速度を0.1〜1.2秒-1として熱間圧延を行った(下記表2)。その後、平均冷却速度を0.3〜4℃/秒として冷却して、φ26mmの大きさの熱間圧延材(棒鋼)を作製した(下記表2)。尚、表1に示した鋼種Aは、従来鋼のSCM420H相当鋼である。
Figure 0006109730
Figure 0006109730
上記で作製した各熱間圧延材について、Al系窒化物の大きさを下記の方法で測定した。また、上記各熱間圧延材について、CPを0.70〜0.98%の浸炭ガス雰囲気中(上記表2参照)で浸炭処理を施した試験片を作製し、下記の方法で各試験片の曲げ疲労特性を評価すると共に、Al系窒化物の個数密度、表層(表面から50μm深さ位置)の硬さを測定した。
(圧延材中のAl系窒化物の大きさの測定)
圧延材について、D/4の位置(Dは26mmの直径)を縦断面に切り出し、電解放射型走査電子顕微鏡(FE−SEM;Field Emission-Scanning Electron Microscape)にて、観察倍率1000倍(加速電圧10kV)で、任意の3箇所を測定し、最も大きいAl系窒化物の円相当直径(最大円相当径)を求めた。尚、測定位置を、D/4の位置(Dは26mmの直径)としたのは、鋼材の基本的な特性を評価できる箇所として選んだものである。
(試験片の曲げ疲労特性)
上記で得られた圧延材(棒鋼)を切削して中央部分から試験片を切り出し、所定のCP(表2)の浸炭ガス雰囲気中で浸炭処理(温度:930℃×3時間)した後油冷し、更に170℃で2時間の焼戻し処理を行い、曲げ疲労試験用の試験片とした。試験片の形状を図1(概略説明図)に示す。この試験片を用い、4点支持となる治具(図2)によって、周波数20Hz、最大応力(繰り返し負荷応力):1371、1523、1675、1828(MPa)の条件で、S−N線図(応力S−繰り返し数N線図)を作成し、このS−N線図に基づいて10万回強度を求め(図3)、その値を曲げ疲労強度とした。この10万回強度(曲げ疲労強度)が、ベース鋼のSCM420H鋼(鋼種A:試験No.1)の10万回強度(1229MPa)の1.1以上の寿命比に相当する1352MPa以上となるときを、曲げ疲労特性に優れると評価した。
(試験片中のAl系窒化物の個数密度の測定)
浸炭後の試験片について、ノッチ底表面を埋め込み研磨後、FE−SEMにて、観察倍率1000倍(加速電圧10kV)で、任意の3箇所を測定し、最大円相当径で0.07〜0.5μmとなるAl系窒化物の個数密度を求めた。尚、最大円相当径で0.5μmを超えるAl系窒化物が存在する場合は、その様な粗大なAl系窒化物を無視し、最大円相当径で0.07〜0.5μmとなるAl系窒化物を、個数密度の測定対象とした。また最大円相当径で0.5μmよりも小さくなるAl系窒化物が存在する場合には、最大円相当径が0.07μm以上で、測定された最大円相当径までのAl系窒化物を、個数密度の測定対象とした。
(表層硬さ)
浸炭後の試験片について、ノッチ底の表面から50μm深さ位置について、300gHvで5箇所測定し、その平均値を算出した。尚、測定位置を「表面から50μm深さ位置」としたのは、表面に若干形成される浸炭異常層の影響を排除したものである。
それらの結果を、一括して下記表3に示す。
Figure 0006109730
この結果から、次の様に考察できる。即ち、本発明で規定する化学成分組成を満足すると共に、Al系窒化物の形態も適切に制御された鋼材では(試験No.2〜4、14〜19、26〜31、33)、優れた曲げ疲労特性を発揮していることがわかる。
これに対し、本発明で規定する化学成分組成を外れる鋼材(試験No.1、5〜13、32)や、製造条件が不適切でAl系窒化物の形態が適切に制御されていない鋼材では(試験No.20〜25、34)、曲げ疲労特性が劣化していることがわかる。即ち、試験No.1は、従来鋼のSCM420H相当鋼(鋼種A)と用いた例であるが、Al含有量が不足するため、浸炭後の試験片のAl系窒化物の個数密度が低下している。試験No.5は、Si含有量が過剰な鋼材(鋼種E)を用いた例であり、粒界酸化層深さが増大して曲げ疲労特性が劣化している。
試験No.6は、Cr含有量が不足する鋼材(鋼種F)を用いた例であり、焼入れ性が低下して、浸炭後の試験片の表層硬さが低くなり、曲げ疲労特性が劣化している。試験No.7は、Cr含有量が過剰な鋼材(鋼種G)を用いた例であり、粒界酸化層深さが増大して、曲げ疲労特性が劣化している。試験No.8は、Mn含有量が過剰な鋼材(鋼種H)を用いた例であり、粒界酸化層深さが増大して、曲げ疲労特性が劣化している。試験No.9は、Mn含有量が不足する鋼材(鋼種I)を用いた例であり、焼入れ性が低下して浸炭後の試験片の表層硬さが低くなり、曲げ疲労特性が劣化している。
試験No.10は、Al含有量が不足する鋼材(鋼種J)を用いた例であり、Al系窒化物が十分分散せず(個数密度が小さい)、曲げ疲労特性が劣化している。試験No.11は、Al含有量が過剰な鋼材(鋼種K)を用いた例であり、圧延材におけるAl系窒化物が粗大化しており、曲げ疲労特性が劣化している。
試験No.12は、O含有量が過剰な鋼材(鋼種L)を用いた例であり、酸化物量が増加して、曲げ疲労特性が劣化している。試験No.13は、N含有量が過剰な鋼材(鋼種M)を用いた例であり、粗大なAl系窒化物が生成して、曲げ疲労特性が劣化している。試験No.32は、N含有量が不足する鋼材(鋼種U)を用いた例であり、Al系窒化物の個数密度が少なくなって、曲げ疲労特性が劣化している。
試験No.20は、圧延温度が低く制御された例であり、Al系窒化物が十分に固溶できず、圧延材でのAl系窒化物が粗大化すると共に、浸炭後のAl系窒化物の個数密度が少なくなって、曲げ疲労特性が劣化している。試験No.21は、圧延温度が高く制御された例であり、脱炭によって、浸炭後の試験片における表層硬さが低くなり、曲げ疲労特性が劣化している。
試験No.22は、圧延時の歪み速度が小さく制御された例であり、Al系窒化物が十分に微細化できず、圧延材でのAl系窒化物が粗大化し、曲げ疲労特性が劣化している。試験No.23は、圧延後の冷却速度が遅く制御された例であり、圧延材でのAl系窒化物が粗大化し、曲げ疲労特性が劣化している。
試験No.24は、CPが低い浸炭ガス雰囲気で浸炭された例であり、浸炭後の試験片における表層硬さが低くなり、曲げ疲労特性が劣化している。試験No.25は、CPが高い浸炭ガス雰囲気で浸炭された例であり、粗大なセメンタイトの生成が予測され、曲げ疲労特性が劣化している。試験No.34は、圧延時の歪み速度が小さく制御された例であり(鋼中のAl含有量も不足している)、浸炭後の試験片におけるAl系窒化物の個数密度が少なくなって、曲げ疲労特性が劣化している。

Claims (6)

  1. C:0.15〜0.25%(「質量%」の意味。化学成分組成について以下同じ)、
    Si:0.05〜0.3%、
    Mn:0.5〜1.0%、
    Cr:1.0〜1.5%、
    Al:0.15〜0.25%、
    N :0.0030〜0.025%を夫々含有し、残部が鉄および不可避的不純物からなり、
    前記不可避的不純物において、P:0.015%以下(0%を含まない)、S:0.02%以下(0%を含まない)およびO:0.0025%以下(0%を含まない)に夫々抑制したものであり、
    且つ鋼中に存在するAl系窒化物の最大円相当径が0.5μm以下であり、
    前記Al系窒化物は、AlNであるか又は30原子%以下のMn、Cr、SまたはSiを含むAlNである鋼材であって、
    該鋼材をカーボンポテンシャルが0.75〜0.90%となる雰囲気で浸炭処理したものの10万回強度が1352MPa以上であり、
    前記10万回強度は、4点曲げ試験で、周波数20Hz、最大応力:1371MPa、1523MPa、1675MPa、1828MPaの条件により作成したS−N線図に基づいて求められる値である浸炭後の曲げ疲労特性に優れた鋼材。
  2. 更に、Mo:0.25%以下(0%を含まない)、Cu:0.25%以下(0%を含まない)およびNi:0.25%以下(0%を含まない)よりなる群から選ばれる1種以上を含有する請求項1に記載の鋼材。
  3. 更に、Nb:0.04%以下(0%を含まない)、Ti:0.1%以下(0%を含まな
    い)およびV:0.1%以下(0%を含まない)よりなる群から選ばれる1種以上を含有する請求項1または2に記載の鋼材。
  4. 更に、B:0.0050%以下(0%を含まない)を含有する請求項1〜3のいずれかに記載の鋼材。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の鋼材の製造方法であって、
    請求項1〜4のいずれかに記載の化学成分組成を有する鋼片を、圧延開始から圧延終了までの温度範囲を900〜1200℃とし、圧延中の歪み速度を0.3秒-1以上として熱間圧延を行い、その後平均冷却速度を0.4℃/秒以上として冷却することを特徴とする浸炭後の曲げ疲労特性に優れた鋼材の製造方法。
  6. 請求項1〜4のいずれかに記載の鋼材から得られる浸炭部品であって、その表面に、円相当径が0.07〜0.5μmのAl系窒化物が0.2個/μm2以上分散しており、表面から50μm深さ位置の硬さが、ビッカース硬度でHv760以上であり、4点曲げ試験で、周波数20Hz、最大応力:1371MPa、1523MPa、1675MPa、1828MPaの条件により作成したS−N線図に基づいて求められる10万回強度が1352MPa以上であり、
    前記Al系窒化物は、AlNであるか又は30原子%以下のMn、Cr、SまたはSiを含むAlNであることを特徴とする浸炭部品。
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