JP3591236B2 - 転がり軸受 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、転がり軸受に係わり、特に、自動車、農業機械、建設機械および鉄鋼機械等のトランスミッション、エンジン補機用、ハブホイール等に使用される転がり軸受の寿命向上に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、転がり軸受用の材料としてはJISに規定された高炭素クロム軸受鋼、とくにSUJ2が一般的に用いられ、焼入れ・焼戻し処理を行い、表面硬さを約HRC60〜63、残留オーステナイト量を約5〜15%として使用されている。
【0003】
しかしながら、従来、転がり軸受は軸受潤滑油中に異物混入すると、転がり寿命がクリーン潤滑下と比較して著しく低下する。この潤滑油中にはギアなどの金属の切粉、削り屑、バリおよび磨耗粉などが混入しており、このような異物が混入している転がり軸受の使用環境下では、この異物が転がり軸受の軌道輪および転動体の軌道面に圧痕(損傷)を生じ、これを起点としてフレーキングが発生し、転がり軸受の寿命低下を著しく低下させている。
【0004】
これらの実験的研究としては「異物混入条件と転がり疲れ寿命」(NSKテクニカルジャーナルNo.655,p17〜24,1993年)に示されているように、異物の量、異物の硬さ、異物の大きさにより、クリーン潤滑下と比較して約1/8まで低下するということが挙げられる。これは、自動車の変速機用歯車などに観られるピッチングのように、軸受の軌道面が異物の侵入および転がり疲れの影響により、軌道面に数十から数百μm以上の微小圧痕を生じ、この圧痕を起点としてフレーキングへ進展し、転がり疲れを低下させている現象を再現している。
【0005】
従来の技術として特公平7−110988号公報は、内輪、外輪及び転動体の少なくとも一つの表面層部に適量の微細炭化物を形成して表面硬さを向上すると共に、表面層部に適量の残留オーステナイトを存在させて異物が混入した潤滑下でのマイクロクラックの発生を防止することを開示している。
【0006】
また、特開平5−255809号公報は、重量比でC:0.65〜0.90%、Si:0.15〜0.50%、Mn:0.15〜1.00%、Cr:2.0〜5.0%、N:0.0090〜0.0200%をそれぞれ含有し、また、Al:0.010〜0.050%,Nb:0.005〜0.50%のうちの1種又は2種を含有することにより、C含有量を低下させ、更に、主にCrによる炭素原子の拡散抑制効果により有害な白層の生成を防止して転動寿命を上げ、Al,Nb及びNによりオーステナイト結晶粒の粗大化を防止した軸受鋼を開示している。
【0007】
さらに、特開平9−53169号公報は、Cを0.1〜0.25%、Siを0.2〜0.4%、Mnを0.3〜0.9%、Crを0.5〜0.9%含有し、更にNiを0.3〜4.0%、Tiを0.01〜0.3%、Nbを0.01〜0.3%、Vを0.01〜0.3%、Zrを0.01〜0.3%のうち少なくとも1種以上を含み、かつ、表面硬度をHv650〜800とした肌焼用鋼管を開示している。
【0008】
【発明が解決しょうとする課題】
しかしながら、上述した1件めの特公平7−110988号公報に開示された軸受では、C:0.3〜0.6重量%、Cr:3〜14重量%を少なくとも含む合金鋼からなり、かつ、浸炭又は浸炭窒化そして硬化熱処理が施されてなるため、熱処理に多額の費用を要してコスト高となり、また、微細炭化物の平均粒径が0.5〜1.0μmと大きいため、さらに結晶粒の微細化を期待することができない。
【0009】
また、上述した2件めの特開平5−255809号公報に開示された軸受では、C含有量を低下させ、更に、主にCrによる炭素原子の拡散抑制効果により有害な白層の生成を防止して転動寿命を上げ、Al,Nb及びNによりオーステナイト結晶粒の粗大化を防止するとあるが、単にAlとNbを添加するだけでは結晶粒微細化の程度は粒度番号が10番程度しか期待できないため、長寿命は期待できない。
【0010】
さらに、上述した3件めの特開平9−53150号公報に開示された肌焼鋼管では、単純にTiやVなどの合金元素を添加しているため、材料自体の耐衝撃性や高靭性を有するが、上記添加の組み合わせでは微細な炭化物の生成が期待できず、また異物が軌道面に侵入した場合は圧痕が軌道面に生じやすくなり、早期はくりを十分に防止することができない。
【0011】
また、軸受に高接触応力が作用した場合では、H.Swahnからの「Metallugical Transactions A volume 7A, August(1976)1099−1110,Martensite Decay During Contact Fatigue in Ball Bearing」の報告にみられるように、軸受軌道面下の約100〜300μmに組織変化と呼ばれる腐食液にて腐食されにくい層が発生し、この組織変化を起因として、フレーキングに至るという問題がある。
【0012】
さらに、転がり軸受に水が混入した場合の寿命低下の事例として,J.A.Ciruraらの「Wear,24(1973)107−118,The Effect of Hydrogen on the Rolling Contact Fatigue Life of AISI 52100 and 440C Steel Balls」によると、4球転がり試験において、潤滑油に水を混入させた試験では混入前と比較して寿命が約1/10に低下した試験や、また水素チャージを行った鋼球での転がり疲労試験では、ステンレス鋼鋼球が軸受鋼2種鋼球より長寿命である。しかしながら、長寿命化対策としてステンレス鋼鋼球を用いることは、軸受鋼2種鋼球使用と比較して高価であるため実用化するには困難である。
【0013】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、異物混入下においても軸受軌道表面に圧痕を生じにくく、また、異物混入条件下ばかりではなくクリーンな潤滑下でも従来品よりも長寿命で高信頼性であり、さらに、水侵入による腐食ピッチング発生下の条件においても腐食ピッチング(水素誘起割れ含む)を起こしにくい高耐久性の転がり軸受を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る転がり軸受は、固定輪と回転輪との間に複数の転動体を配置して用いられる転がり軸受において、前記固定輪、回転輪、転動体のうちの少なくとも一つが、重量比でC=0.65〜1.20%,Si=0.05〜0.70%,Mn=0.2〜1.5%,Cr=0.15〜2.0%,N≦0.01%を含有するとともに、Ti:0.26〜0.40%、Al:0.11〜0.40%のうち少なくとも1種を含み、残部がFe及び不可避的不純物からなり、かつ、平均粒径が50nm〜300nmのTi炭化物、Ti炭窒化物、Al窒化物のうちの少なくとも1つが分散析出された鋼からなることを特徴とする。
【0015】
本発明においては、Ti:0.26〜0.40%、Al:0.11〜0.40%のうち少なくとも1種を添加し、鋼中に平均粒径50nm〜300nmのTi炭化物・炭窒化物、Al窒化物を微細に分散させているので、マトリックスが分散されてオーステナイト結晶粒が細かくなり、硬度の向上と耐摩耗性も向上させ、異物混入の条件下においても軌道面に圧痕を生じにくくなる。
【0016】
また、万一、き裂が発生した場合であっても、靭性が高いためき裂の伝ぱを遅くすることができる。さらに、マトリックス疲労による組織変化を抑制し、遅延させて、転がり寿命が向上する。
【0017】
とくにTiC,TiCN,AlNなどの第二相粒子は、結晶粒界の面積を減じ、全粒界エネルギーを低下させるなど、結晶粒界を固着し、その移動を妨げ結晶粒を微細にする効果を有する。従って、第二相粒子の粒径が超微小な場合、例えば50nm未満の場合には、ピンニング効果として結晶粒の粗大化を防止できず、従って結晶粒は超微細化しない。なお、第1相粒子はCr炭化物やCr炭窒化物などである。また、焼入れ後の結晶粒(旧オーステナイト粒粒度)は粒度番号11以上である。
【0018】
また、水侵入による腐食ピッチング発生下の条件においても、微細化されたオーステナイト結晶粒粒界面に水素をトラップし、また微細に分散析出させたTiC,TiCN,NbC,NbCN,AlNなどが水素トラップサイトとなり、微細炭化物・窒化物の界面で水素を分散吸着して欠陥をつくりにくくし、更に他のき裂先端近傍への水素集積の遅延をもたらすため、き裂先端の塑性変形域の水素濃度を低下させるため、腐食ピッチング(水素誘起割れ含む)を起こしにくくなる。
【0019】
以下、本発明の内輪、外輪の軸受鋼の各成分の限定理由についてそれぞれ述べる。
1)C;0.65〜1.20%
Cは転がり軸受として要求される硬さを付与する元素である。C含有量が0.65%を下回ると、転がり軸受として要求される硬さHRC59以上を確保できない場合がある。一方、C含有量が1.20%を上回ると、巨大炭化物が生成しやすくなり、疲労寿命及び衝撃荷重が低下する場合がある。
2)Si;0.05〜0.70%
Siは組織変化の遅延、及び焼入れ性を向上させる元素である。Si含有量が0.05%を下回ると鋼の脱酸処理が不十分になり、一方、これが0.70%を上回ると加工性が著しく低下する。
3)Mn;0.2〜1.5%
Mnは鋼の焼入れ性に効果のある元素である。Mn含有量が0.2%を下回ると焼入れ性が不足し、一方、これが1.5%を上回ると加工性が低下する。
4)Cr;0.15〜2.0%
Crは焼入れを向上させ且つ炭化物球状化を促進させる元素である。Crは少なくとも0.15%以上を含有させる必要があるが、2.0%を超えて含有させると、析出炭化物が粗大化して平均結晶粒が大きくなりすぎ、また被削性を劣化させる場合がある。
5)Ti;0.26〜0.40%
Tiは鋼中にTi炭化物およびTi炭窒化物の形態で微細に分散析出し、軸受の転がり寿命を向上させる重要な添加元素である。また、Tiは焼入れ時の結晶粒の粗大化を抑制する効果があり、さらに水素トラップサイトとしての効果もある。Ti含有量が0.26%を下回ると、その多くは1μm以上のTi窒化物及び又はTi炭窒化物の形態で析出してしまうので、Ti炭化物やTi炭窒化物の形態での分散析出効果が不十分になる。一方、Ti含有量が0.40%を上回ると、加工性が低下するとともに、転がり寿命を低下させる5μm以上の介在物(TiN),(TiS)の個数が増加し、軸受の転がり寿命を低下させる。
6)Al;0.11〜0.40%
Alは窒化物AlNとして鋼中に微細に分布し、焼入加熱時の結晶粒の粗大化を防止する元素であり、微細なAlNを十分に生成させるためには0.11%以上の含有が必要である。しかし、0.40%を超えて含有させると非金属介在物であるアルミナ(Al2 O3 )が多く生成されるようになり、転がり寿命を低下させる。
7)Nb;0.05〜0.40%
NbはAlと同様に鋼中において微細な炭化物・窒化物を形成し、これが鋼中で微細に分散することにより焼入加熱時の結晶粒の成長を防止する元素であり、微細なNbC,NbCNを生成させるためには0.05%以上の量を含有させることが必要である。しかし、0.40%を超えて含有させたとしてもその効果が飽和してしまい、また加工性の低下を招くとともに材料費の無駄な上昇を招く結果となるので、Nb含有量は0.05〜0.40%とした。
8)N;0.01%以下
Nは転がり寿命向上に効果があり、Ti炭窒化物、Nb炭窒化物、Al窒化物の微細分散による分散強化効果が大きいが、N量が0.01%を上回ると1μm以上のTi炭窒化物、Ti窒化物が増加し、50nm〜300nmのTi炭化物が減少してしまう。
9)その他の不可避的不純物元素
P≦0.02%
不可避的不純物元素のうちPは、軸受の転がり寿命及び靭性を低下させる元素であるため、その上限値を0.02%とした。
【0020】
S≦0.02%
不可避的不純物元素のうちSは、被削性を向上させる元素であるが、Mn及びTiと結合して軸受の転がり寿命を低下させる硫化物系介在物を生成するため、その上限値を0.02%とした。
【0021】
O≦0.0016%
不可避的不純物元素のうち酸素は、鋼中において酸化物系の介在物を生成し、軸受の転がり寿命を低下させる元素であるので、その上限値を0.0016%とした。
10)析出物の平均粒径;50〜300nm
内輪、外輪の軸受鋼は、上記組成の鋼中に平均粒径50〜300nmのTi炭化物・炭窒化物、Al窒化物が分散析出していることが必要である。これらの析出物の平均粒径が50nm未満の場合には、ピンニング効果として小さすぎるため結晶粒の粗大化を防止できず、結晶粒は超微細化しない。一方、析出物の平均粒径が300nmを超える場合は、ピンニング効果にはならず、結晶粒の粗大化が進み、必要な強度が得られなくなる。図2に示すように、上記の鋼中析出物の平均粒径が50nm〜300nmの範囲から外れると、軸受のL10寿命が大幅に低下することが判明している。
【0022】
さらに、平均粒径50nm〜300nmのTi炭化物・炭窒化物、Nb炭化物・炭窒化物、Al窒化物は、30μm2 (3μm2 ×10視野)あたりに50個以上が存在することが望ましい。また、軸受の残留オーステナイト量は20%以下、好ましくは5〜20%とする。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、添付の図面及び表を参照しながら本発明の種々の好ましい実施の形態について説明する。表1に実施例2,4,10〜12,17,18、比較例1〜15及び参考例1,3,5〜9,13〜16,19,20として用いた供試材の化学成分(重量%)および析出物の平均粒径(nm)をそれぞれ示す。実施例2,4,10〜12,17,18の供試材は本発明の範囲をいずれも満たしているが、比較例1〜15及び参考例1,3,5〜9,13〜16,19,20の供試材は成分中Ti,Nb,Al,Nのいずれかが本発明の範囲の組成から外れているか又は析出物の平均粒径が本発明の範囲の組成から外れている。
【0024】
実施例、比較例及び参考例の寿命試験に際し、軸受の内輪と外輪を表1に示す供試材を用いて製作した。この供試材料において、TiあるいはAlをマトリックスに溶け込ませるため、1150〜1350℃の温度域に加熱して溶体化処理を施した。その後、850〜950℃の温度域で焼ならしをおこない球状化焼鈍を経て、TiC,TiCNあるいはAlNを微細に分散析出させた。
【0025】
その後、実施例及び参考例の供試材のみ950〜1150℃の温度域にて数分間だけ加熱し、平均粒径50〜300nmのTiC,TiCN,AlNに成長させ、分散析出させた。この内輪と外輪を冷間加工し、通常熱処理(840℃で焼入れ加熱、油冷却後、170℃にて焼戻し)を行い軸受を製作した。
【0026】
比較例1の鋼は軸受鋼2種(通常SUJ2)であり、比較例2,3の鋼は特開平5−255809号公報に記載の材料を通常熱処理した軸受であり、比較例4,5は特開平9−53150号公報に記載の材料を浸炭熱処理した軸受である。
【0027】
TiC,TiCN,AlNの分散析出の確認としては、熱処理後の軸受を切断し、この断面をバフ研磨し、ナイタール腐食を行った後、その面にカーボン蒸着を行い、微細炭化物を抽出してレプリカ観察をおこなった。この際、TiC,TiCN,AlNの確認は、TEM(透過型電子顕微鏡)を用い電子線回析による格子間定数から結晶構造と、EDX(エネルギー分散型X線分光法)にてその成分を特定し、平均粒径ならびに個数を求めるために5万倍の倍率にてその視野の観察を行った。なお、1視野を3μm2とし、任意の10視野につき観察し(合計30μm2 )、その平均粒径及び個数を求めた。その結果、実施例2,4,10〜12,17,18及び参考例1,3,5〜9,13〜16,19,20では平均粒径50nm〜300nmのTiC,TiCN,AlNは合計視野30μm2 当りに50個以上が存在することが確認された。
【0028】
次に、実施例の軸受と比較例の軸受とにつき下記条件の実験1〜3を通して寿命試験した結果につきそれぞれ説明する。
実験1〜3では図1に示す片もち型寿命試験機1をそれぞれ用いた。この片もち型寿命試験機1においては、被験体となる軸受10はハウジング3内に収納され、外輪11はハウジング3に固定され、内輪12は回転シャフト4に嵌め込まれている。回転シャフト4を図示しないモータで回転させると、内輪12が回転するとともに、ボール13が転動するようになっている。ハウジング3には負荷シャフト6が連結され、さらに負荷シャフト6には負荷レバー5が連結されている。負荷レバー5を水平支軸5aまわりに揺動させると、負荷シャフト6を介してハウジング3に固定された外輪11に所定の荷重が負荷されるようになっている。
【0029】
ハウジング3内には潤滑油供給回路21に連通する油吐出部25が導入され、潤滑油8が軸受10に向けて吐出供給されるようになっている。油吐出部25の供給回路21は油槽20に連通し、油槽20は潤滑油8としてタービン油VG68を収容している。油槽20には補給回路27を介して潤滑油8が毎時5ccの割合で補給されるようになっている。
【0030】
なお、この補給回路27を介して鉄粉や水などの異物を油槽20内の潤滑油8のなかに故意に添加混入し、攪拌するようにしてもよい。供給回路21には下流側から順に流量計22、ポンプ23、フィルタ24a,24bが設けられている。また、ハウジング3及び油吐出部25はチャンバ2によって取り囲まれ、チャンバ2内に落下した余剰の潤滑油8が回収回路26を介して油槽20に回収されるようになっている。
【0031】
このような片もち型寿命試験機は、「異物混入条件と転がり疲れ寿命」(NSKテクニカルジャーナルNo.655,p17〜24、1993年)に記載されたものと実質的に同じ構成をなすものである。なお、試験軸受としては深溝玉軸受(6206タイプ)を、試験荷重としてはFr=900kgfを、試験回転数は3900rpmを、潤滑油としてはタービン油VG68を使用した。
(実験1)
実験1では、まず異物の種類としてHv730の1%スチールビーズ(大きさ44〜74μm)を0.005gを潤滑油1リットル中に混入させ、軸受軌道面に初期圧痕をつけた。その後、軸受を洗浄し、外輪および転動体のみを新品の軸受鋼2種に交換し、圧痕の付いた内輪と新品の外輪・転動体とを組込んで、最後に異物混入無しのクリーン潤滑条件で耐久試験を行った。また試験は各々10個ずつ行った。更に試験の終了の判定は、初期振動値の5倍となった時点にて試験を中断し、フレーキングを確認した。この時の軸受の計算寿命は45時間であり、従って試験打ち切り時間を計算寿命の約5倍の200時間とした。
【0032】
なお,実験1においては内輪のみを評価した。内輪の表面硬さはロックウェルCスケール(HRC)で60〜66、残留オーステナイト量は5〜20%、軌道表面粗さは0.01〜0.03μmRaとした。さらに、本実施例、参考例および比較例ともに外輪と転動体は同じ軸受鋼2種として熱処理を施し、外輪・転動体の表面硬さをHRC59〜63、外輪表面粗さは表面粗さを0.01〜0.03μmRa、転動体の表面粗さを0.003〜0.010μmRaとした。
【0033】
表2及び図2に実験1の結果を示す。表2には析出物TiC,TiCN,AlNの平均粒径(nm)、結晶粒度番号、L10寿命(時間)並びに、はくりの形態をそれぞれ示した。図2は、横軸に析出物TiC,TiCN,AlNの平均粒径(nm)をとり、縦軸にL10寿命(時間)をとって、実施例2,4,10〜12,17,18、参考例1,3,5〜9,13〜16,19,20及び比較例1〜15につき両者の相関を調べた結果をプロットで示すグラフ図である。
【0034】
これらから実施例2,4,10〜12,17,18及び参考例1,3,5〜9,13〜16,19,20は鋼中のTi炭化物,Ti炭窒化物の平均粒径が50nmから300nmであり、また、軸受寿命L10はすべて計算寿命の3倍の150時間以上となっており、比較例1〜15と比べ長寿命となった。特に、実施例4,12及び参考例7,13,14は結晶粒度番号が14番以上となり、表面硬さもHRC64以上となり、軸受寿命L10すべて200時間以上を超えてもはくりを生じないので試験を打ち切った。
【0035】
また、比較例1〜15において軸受寿命L10が計算寿命程度あるいは計算寿命以下となっており、はくり部位はすべて異物によりう圧痕起点であった。特に比較例12〜15では50nm未満のTiC,TiCN,AlNが分散していたが、結晶粒の超微細化(9番程度)ができなかったため、硬さの向上も認められず、シビアな圧痕が軌道面に生じやすくなる。また、き裂の伝ぱも早く、長寿命とはならなかった。これはTiC,TiCN,AlNなどの第二相粒子は結晶粒界の面積を減じ、全粒界エネルギーを低下させるなど、結晶粒界を固着し、その移動を妨げ結晶粒を微細にする効果を有するからである。よって、第二相粒子の粒径が50〜300nmと超微小な場合は、例えば50nm未満の場合には、ピンニング効果として結晶粒の粗大化を防止できず、結晶粒は超微細化(11.9番以上)しなかった結果として、長寿命とならなかったと考えられる。
【0036】
また、その他の比較例1〜11はTi,Alの量が適当でなく、その平均粒径が480nm以上となっていたため、結晶粒の超微細化とはならず、長寿命とはならなかった。
【0037】
なお、図2から明らかなように、鋼中析出物の平均粒径が50〜300nmの範囲外(比較例1〜15)では軸受のL10寿命が13〜68時間と短いが、鋼中析出物の平均粒径が50〜300nmの範囲内(実施例2,4,10〜12,17,18及び参考例1,3,5〜9,13〜16,19,20)では軸受のL10寿命が150〜200時間となって大幅に延長されることが確認された。
(実験2)
実験2は、異物を混入しない油潤滑(VG68)のみのクリーン潤滑下にて行った。試験機と試験軸受型番及び試験荷重・回転数は実験1と同一である。なお、実験2においては、軸受として、表1の実施例1,17及び参考例13と比較例1,7,14の化学成分の軸受内輪と外輪を用い、転動体のみ通常の軸受鋼2種(通常SUJ2)を用いた。試験は各々10個ずつ行った。さらに試験の終了の判定は、初期振動値の5倍となった時点にて試験を中断し、フレーキングを確認した。試験打ち切り時間は1000時間とした。
【0038】
表3に実験2の結果を示す。これから明らかなように、実施例1ではL10寿命が991時間(うち2/10内輪はくり)となり、参考例13ではL10寿命が1000時間(うち1/10内輪はくり)超えた。更に、実施例17に関しては1500時間に達してもはくりを生じなかった。
【0039】
これに対して比較例1ではL10寿命が382時間(うち5/10内輪はくり)であり、比較例7ではL10寿命が415時間(うち5/10内輪はくり)であり、更に比較例14ではL10寿命が611時間(うち3/10内輪はくり)であった。また、実施例1,17、比較例13及び比較例1,7,14とも400時間にて試験を中断し、軸受軌道輪中心を円周方向に切断し、腐食後ミクロ組織の観察を行った結果、実施例には組織変化は発生していなかったのに対して、比較例ではすべて組織変化が観察された。
(実験3)
実験3は、図1に示す試験機において軸受10への潤滑油8の供給を停止させ、これにEグリースを封入して供試材とし、さらにEグリース中に水1%を混入させてゴムシールにてグリース漏れを防ぎ、実験を行った。ここで「Eグリース」とは、合成炭化水素油(動粘度が47.3cSt(40℃),7.9cSt(100℃))に増ちょう剤としてウレアを配合し、混和ちょう度(25℃,60W)を250に、混和安定度(25℃,105 W)を364に、酸化安定度(99℃,100時間)を0.025MPaに、離油度(99℃,24時間)を0.3%に、蒸発量を(99℃,22時間)を0.34%に、滴点を260℃以上に、水洗耐水度(79℃,1時間)を2%に調整され、銅板腐食(100℃,24時間)に合格したものをいう。
【0040】
この際、試験温度の急激な上昇が予想されたため、冷却装置を用いハウジングを冷却コントロールし、軸受温度を70〜80℃にて行った。試験機と試験軸受型番及び試験荷重・回転数は実験1と同一である。なお、実験3においては、軸受として、表1の実施例1,13,17と比較例1,7,14の化学成分の軸受内輪と外輪を用い、転動体のみ通常の軸受鋼2種(通常SUJ2)を用いた。試験はそれぞれ10個ずつ行った。更に試験の終了の判定は、初期振動値の5倍となった時点にて試験を中断し、フレーキングを確認した。試験の打ち切り時間は500時間とした。
【0041】
表4に実験3の結果を示す。これから明らかなように、実施例1ではL10寿命が538時間(うち4個内輪,4個外輪,計8/10はくり)となり、参考例13ではL10寿命が569時間(うち3個内輪、3個外輪、計6/10はくり)となり、さらに実施例17ではL10寿命が624時間(うち3個内輪、3個外輪、計6/10はくり)となった。
【0042】
これに対して比較例1ではL10寿命が186時間(うち5個内輪、5個外輪、計10/10内輪はくり)であり、比較例7ではL10寿命が193時間(うち5個内輪、5個外輪、計10/10内輪はくり)であり、更に比較例14ではL10寿命が205時間(うち5個内輪、5個外輪、計10/10内輪はくり)であった。
【0043】
実施例1,17及び参考例13において結晶粒度がそれぞれ11.9番、15.1番、12.8番であったのに対して、比較例1,7,14ではTiC,TiCN,AlNが生成しておらず、従って結晶粒度がそれぞれ8.7番、8.6番、9.5番であった。これは,結晶粒径が実施例と比較して大きかったため、結晶粒界にて水素を分散吸着できず、従って、長寿命とならなかった。
【0044】
このように、これらの実施例では鋼中に平均粒径50〜300nmのTi炭化物、Ti炭窒化物あるいはAl窒化物を微細に分散させることにより、オーステナイト結晶粒を超微細化し軸受硬度を向上させ、耐摩耗性も向上し、軌道面に圧痕が生じにくくなり、また圧痕が生じき裂が発生した場合でもき裂の伝ぱが遅くなり、更にマトリックス疲労による組織変化を抑制し遅延させるため、異物潤滑下更にクリーン潤滑下において、従来に比べて大幅に転がり寿命を延長することができる。
【0045】
また、水侵入下においても、超微細化した結晶粒界面に水素をトラップしたり、またTiC,TiCNあるいはAlNが水素トラップサイトとして微細炭化物・窒化物界面で水素を分散吸着し、欠陥をつくりにくくし、更にき裂の塑性変形域の水素濃度を低下させるため、腐食ピッチング(水素誘起割れを含む)を遅延させることができる。
【0046】
なお、表5に結晶粒度番号(N)と平均結晶粒の大きさ(μm)との対応関係を示した。
なお、上記実施例に用いた材料は、軸受鋼の通常熱処理を行い、軸受の残留オーステナイト量を5〜20%としたが、さらに軸受の残留オーステナイト量を5%未満とした寸法安定処理を施した軸受に関しても同様な効果を有する。
【0047】
【表1】
【0048】
【表2】
【0049】
【表3】
【0050】
【表4】
【0051】
【表5】
【0052】
【発明の効果】
本発明によれば、Ti:0.26〜0.40%、Al:0.11〜0.40%のうち少なくとも1種を添加することにより、軌道表面ならびに鋼中に平均粒径50nm〜300nmのTi炭化物・炭窒化物、Al窒化物を1視野を3μm2とし、任意の10視野(30μm2)あたり50個以上を微細に分散析出させることができ、結晶粒度番号で11.9番以上と細かくなり、硬さが向上し、耐摩耗性も向上し、異物が侵入したときであっても軌道面に圧痕を生じにくくなる。
【0053】
また、万一、軌道輪にき裂を生じた場合であっても、靭性を高めているので、き裂の伝ぱを遅くする効果があり、さらにマトリックス疲労による組織変化を抑制し、遅延させることにより、軸受の寿命低下を防ぐことができ、従来品と比較して長寿命なる転がり軸受となる。
【0054】
また、水侵入下においても、微細な結晶粒界界面にトラップさせたり、またTiC,TiCNあるいはNbC,NbCN,AlNが水素トラップサイトとして炭化物・窒化物界面で水素を分散吸着し、欠陥をつくりにくくし、また、き裂の塑性変形域の水素濃度を低下させるため、腐食ピッチング(水素誘起割れ含む)を遅延させる効果を有する。
さらに、結晶粒を結晶粒度番号で14番以上にすることにより更なる寿命延長が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】片もち型寿命試験機を示す概略図。
【図2】析出物の平均粒径とL10寿命との関係を示す特性相関図。
【符号の説明】
1…片もち型寿命試験機、
2…チャンバ、
3…ハウジング、
4…回転シャフト、
5…負荷レバー、6…負荷シャフト、
8…潤滑油、
10…軸受、11…外輪、12…内輪、13…転動体(ボール)、
20…油槽、21…潤滑油供給回路、22…流量計、23…ポンプ、
24a,24b…フィルタ、25…油吐出部、26…回収回路、
27…補給回路。
Claims (4)
- 固定輪と回転輪との間に複数の転動体を配置して用いられる転がり軸受において、前記固定輪、回転輪、転動体のうちの少なくとも一つが、重量比でC=0.65〜1.20%,Si=0.05〜0.70%,Mn=0.2〜1.5%,Cr=0.15〜2.0%,N≦0.01%を含有するとともに、Ti:0.26〜0.40%、Al:0.11〜0.40%のうち少なくとも1種を含み、残部がFe及び不可避的不純物からなり、かつ、平均粒径が50nm〜300nmのTi炭化物、Ti炭窒化物、Al窒化物のうちの少なくとも1つが分散析出された鋼からなることを特徴とする転がり軸受。
- 前記Ti炭化物、Ti炭窒化物、Al窒化物のうちの少なくとも1つが30μm2あたりに50個以上存在することを特徴とする請求項1の転がり軸受。
- 前記軸受の残留オーステナイト量を20%以下としたことを特徴とする請求項1または2のいずれか一方に記載の転がり軸受。
- 前記軸受の結晶粒度番号が11.9番以上である請求項1乃至3のうちのいずれか1項に記載の転がり軸受。
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