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JP5175651B2 - 吸収性物品及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、吸収体、トップシート及びバックシートを備え、吸収体とトップシートとの間に、尿等の貯留・拡散効果を有するセカンドシートが配置された吸収性物品及びその製造方法に関するものである。
一般に、使い捨ておむつ、尿パッド等の吸収性物品は、吸収体と、少なくとも一部が液透過性材料からなり、吸収体の表面を被覆するように配置されたトップシートと、液不透過性材料からなり、吸収体の裏面を被覆するように配置されたバックシートと、を備えている。
このような吸収性物品は、トップシートが着用者の肌と接するように使用され、着用者が排泄した尿はトップシートの液透過性部分を透過して吸収体に吸収・保持される。そして、吸収体の裏面側に配置された液不透過性のバックシートによって、排泄物が外部に漏洩することが防止される。
ところで、近年、吸収性物品の着用感や装着時の外観を向上させるため、吸収体の薄型化が進行している。吸収体を薄型化する方法としては、吸収体中の高吸水性ポリマー(Super Absorbent Polymer;以下、「SAP」と記す。)の比率を増加させ、嵩が大きいパルプの比率を減らすことにより、吸収体の単位体積当たりの吸収量を増大させる方法が行われている。
しかし、SAPはパルプと比較すると単位体積当たりの吸収量は大きいものの、吸収速度の面では劣るという特性がある。そこで、吸収体とトップシートとの間に、不織布シート等からなるセカンドシート(「拡散シート」、「トランスファーシート」とも称される。)が配置された吸収性物品が提案されている。
例えば、坪量と平均密度が所定範囲の不織布からなるセカンドシートを備えた衛生材料(特許文献1参照)、圧縮硬さ、厚み、圧縮時の厚み等が所定範囲の不織布からなるセカンドシートを備えた吸収性物品(特許文献2参照)、その表面に連続線状の溝が形成されたセカンドシートを備えた吸収性物品(特許文献3参照)、等が提案されている。
特開平08−269859号公報 特開2005−052186号公報 特開2006−014880号公報
これらの衛生材料、吸収性物品等は、セカンドシートによってトップシートと吸収体の間に空隙を形成することを企図するものである。このような構成によれば、一時に多量の尿が排泄された場合でも、その尿を前記空隙に一旦貯留し、徐々にSAPに吸収させることができ(貯留効果)、また、前記空隙を経由させて排泄された尿を吸収体の表面全体に拡散させることも期待できる(拡散効果)。従って、吸収体中のSAP比率を増加させた場合でも、尿の吸収が間に合わず、尿が吸収性物品から漏れ出してしまう事態を回避できる可能性がある。
しかしながら、特許文献1に記載の衛生材料は、セカンドシートとして、パルプ繊維を含むシートを用いたものであり、貯留効果は比較的高いものの、拡散効果については十分に満足できるものではなかった。また、特許文献2に記載の吸収性物品は、セカンドシートとして嵩高い不織布を用いたものであり、貯留効果は比較的高いものの、拡散効果については十分に満足できるものではなかった。更に、特許文献3に記載の吸収性物品は、セカンドシートに連続線状の溝を形成する際に、シートを厚さ方向に押し潰しているため、拡散効果は比較的高いものの、貯留効果については十分に満足できるものではなかった。
即ち、従来の衛生材料等は、セカンドシートの貯留効果と拡散効果の一方又は双方が不十分であるために、吸収体中のSAP比率を増加させると、尿の吸収が間に合わず、尿が吸収性物品から漏れ出してしまう事態を十分に回避することができなかった。
本発明は、吸収体中のSAP比率を増加させた場合でも、尿の吸収が間に合わず、尿が吸収性物品から漏れ出してしまう事態を十分に回避することができる吸収性物品を提供するものである。
本発明者は、前記のような従来技術の課題を解決するために鋭意検討した結果、セカンドシートの表面側と裏面側の双方に複数の凹溝と複数の凸条を交互に形成し、前記複数の凸条の頂部をトップシートの裏面に接合することによって、上記課題が解決されることに想到し、本発明を完成させた。具体的には、本発明により、以下の吸収性物品及びその製造方法が提供される。
[1] 吸収体と、少なくとも一部が液透過性材料からなり、前記吸収体の表面を被覆するように配置されたトップシートと、液不透過性材料からなり、前記吸収体の裏面を被覆するように配置されたバックシートと、液透過性材料からなり、前記吸収体と前記トップシートとの間に配置されたセカンドシートと、を備え、前記セカンドシートは、その表面側及び裏面側の双方に、シートの一端から他端に向かう複数の凹溝と複数の凸条とが交互に形成されたものであり、前記セカンドシートは、前記複数の凹溝及び前記複数の凸条が吸収性物品の前後方向に向かうように、前記吸収体と前記トップシートとの層間に配置され、前記セカンドシートの前記複数の凸条のうち表面側に形成されたものの頂部が、前記トップシートの裏面に接合され、前記セカンドシートと前記トップシートとが一体化されており、前記セカンドシートは、界面活性剤による親水化処理が施されており、前記セカンドシートは、坪量が30g/m 以下、荷重2kPaで押圧した際のシート厚さが0.8mm以下である吸収性物品。
[2] 前記セカンドシートは、波板状に形成され、波頂と波頂の間の部分が表面側の凹溝を形成し、波底と波底の間の部分が裏面側の凹溝を形成している前記[1]に記載の吸収性物品。
[3] 前記セカンドシートは、その少なくとも一部が熱可塑性樹脂によって構成された不織布シートであり、前記セカンドシートの前記複数の凸条と前記トップシートの裏面とが熱融着によって接合されている前記[1]又は[2]に記載の吸収性物品。
[4] 前記セカンドシートの前記複数の凸条と前記トップシートの裏面との総接合面積が、前記セカンドシートの見かけ面積に対して5〜20面積%の範囲内である前記[1]〜[3]のいずれかに記載の吸収性物品。
本発明の吸収性物品は、吸収体中のSAP比率を増加させた場合でも、尿の吸収が間に合わず、尿が吸収性物品から漏れ出してしまう事態を十分に回避することができる。
以下、本発明の吸収性物品を実施するための最良の形態について、パンツ型使い捨ておむつ、テープ型使い捨ておむつの例により具体的に説明する。但し、本発明はその発明特定事項を備える吸収性物品(例えば、尿パッド等)を広く包含するものであり、以下の実施形態に限定されるものではない。
[1]定義等:
「パンツ型使い捨ておむつ」とは、例えば、図1A〜図1Cに示す吸収性物品1Aのように、前身頃2と後身頃6の対応する側縁2a,6a(2b,6b)同士を接合することによって、一つのウエスト周り開口部10及び一対の脚周り開口部12(12a,12b)が形成され、予めパンツ型に構成された使い捨ておむつを意味するものとする。
また、「2ピースタイプ」とは、図1A及び図1Bに示す吸収性物品1Aのように、トップシート18とバックシート20との層間に吸収体22が内包され、パッド状に形成された吸収性本体14と、一つのウエスト周り開口部10及び一対の脚周り開口部12a,12bが形成されたパンツ型を呈する外装シート16とを備え、外装シート16の内側に吸収性本体14が配置・固定された形態を意味するものとする。
「テープ型使い捨ておむつ」とは、図2A及び図2Bに示す吸収性物品1Bのように、吸収体22と、トップシート18と、バックシート20とを備え、後身頃6の左右の各側縁6a,6bから延出するように配置された、前身頃2と後身頃6とを固定するための止着テープ11を更に備えた使い捨ておむつを意味するものとする。
「前身頃」とは、図1A、図1C及び図1Dに示すように、着用者に装着した際に、着用者の腹側(身体前方)を覆う部分(図中符号2)、「股下部」とは、着用者に装着した際に、着用者の股下を覆う部分(図中符号4)、「後身頃」とは、着用者に装着した際に、着用者の背側(身体後方)を覆う部分(図中符号6)を意味するものとする。
[2]本発明の吸収性物品の構成:
本発明の吸収性物品は、図1Bに示す吸収性物品1Aのように、液透過性材料からなり、吸収体22とトップシート18との間に配置されたセカンドシート50Aと、を備え、セカンドシート50Aは、その表面側及び裏面側の双方に、シートの一端から他端に向かう複数の凹溝52A,54Aと複数の凸条56A,58Aとが交互に形成されたものであり、複数の凹溝52A,54A及び複数の凸条56A,58Aが吸収性物品1Aの前後方向に向かうように、吸収体22とトップシート18との層間に配置され、セカンドシート50Aの複数の凸条56A,58Aのうち表面側に形成されたもの(凸条56A)の頂部が、トップシート18の裏面に接合され(接合部60A)、セカンドシート50Aとトップシート18とが一体化されているものである。
本発明のように、表面側と裏面側の双方に凹溝を形成することによって、セカンドシートの表面側と裏面側の双方に空隙が形成されるため、セカンドシートの貯留能力が向上し、着用者が一時に多量の尿を排泄した場合にも前記空隙にその尿を一時的に貯留することができる。従って、スリム化等を目的として吸収速度に劣るSAPの比率を増加させた場合でも、尿の吸収が間に合わず、尿が吸収性物品から漏れ出してしまう事態を十分に回避することができる。
また、複数の凹溝が吸収性物品の前後方向に向かうようにセカンドシートを配置することによって、排泄された尿等が吸収体表面全体を均一に斑なく行き渡り、吸収体のもつ吸収能力を無駄なく利用することができる。
更に、セカンドシートの表面側に形成された凸条の頂部がトップシートの裏面に接合され、セカンドシートとトップシートとが一体化されているので、着用者の動作等によって、セカンドシートがトップシートと吸収体との間で意図せず動いてしまうことがない。従って、尿等の通液路となる凹溝が所望の位置からずれたり、セカンドシートが幅方向の一方に寄せられて、各凹溝の幅が狭まってしまう事態を有効に防止することができる。
また、トップシート上に排泄された尿が、トップシートとセカンドシートの接合箇所を伝って速やかにセカンドシートに誘導されるため、漏れを確実に防止することができる。更に、トップシートとセカンドシートを一体化することにより、シート強度が向上し、また保形性が向上するため、シートのよれによる性能低下を防止することができる。
[2−1]セカンドシート:
セカンドシートは、尿等の一時的な貯留及び尿等の拡散を目的として吸収体とトップシートとの間に配置されるシート材である。
[2−1A]材質:
セカンドシートは、尿や体液を吸収体に移行させる必要から液透過性材料で構成される。従って、後述するトップシートと類似の材料を用いることができる。例えば、不織布シートを好適に用いることができる。中でも、スパンボンド、カードエンボス、スパンレース、SMS等の嵩が低い不織布を好適に用いることができる。嵩が低い不織布を用いることにより、尿等の液体がシート表面を流れ易くなり、良好な拡散効果を得ることができる。なお、「嵩が低い」とは、シートの坪量が30g/m以下、荷重2kPaで押圧した際のシート厚さが0.8mm以下であることを意味する。中でも、坪量が10〜20g/m、荷重2kPa押圧時の厚さが0.1〜0.5mmのシートを用いることが好ましい。
セカンドシートは、その少なくとも一部が熱可塑性樹脂によって構成された不織布シートであり、セカンドシートの複数の凸条と前記トップシートの裏面とが熱融着によって接合されていることが好ましい。接合の方法としては、接着剤(ホットメルト接着剤等)による貼着も考えられる。しかし、熱融着による接合の方が不職布の風合いを損ねないという利点があり好ましい。
従って、本発明においては、前記スパンボンド、カードエンボス、スパンレース、SMS等の不織布シートをポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル(PET等)等の熱可塑性樹脂により構成すればよい。なお、熱融着による接合の方法については、製造方法の項で説明する。
セカンドシートに液透過性を付与する方法としては、トップシートと同様に界面活性剤による親水化処理等を挙げることができる。そして、セカンドシートは、トップシートと比較して液透過性が低いシートにより構成されていることが好ましい。液透過性が高すぎるとトップシートを透過した尿がセカンドシートもそのまま透過してしまい、貯留効果、拡散効果を発揮させることができないからである。
なお、ここに言う「液透過性」は、以下の方法により評価した透過時間を基準に判断するものとする。(1)円筒状容器(中空部内径10cm)の開口端部を塞ぐように、前記円筒状容器に対して評価対象のシートを固定する。(2)前記シートの表面に、7ml/秒の速度で10mlの生理食塩水を滴下する。(3)前記生理食塩水を、前記シートを透過させて前記円筒状容器の中空部に自然落下させる。この際、滴下開始から前記生理食塩水がシート表面からなくなるまでの透過時間を測定する。
[2−1B]構造:
図1Bに示すように、セカンドシート50Aは、通常、トップシート18裏面と吸収体22表面との間に、吸収体22を被覆するように配置される。必ずしも吸収体の全面を被覆するように配置されている必要はないが、吸収体表面の面積に対して30面積%以上が被覆されていれば足りる。但し、貯留効果、拡散効果を増大させるべく、吸収体の全面(100面積%)を被覆するように配置されていることが好ましい。
また、図1Bに示すように、セカンドシート50Aは、表面側(トップシート18側)
と裏面側(吸収体22側)の双方に凹溝52A,54Aが形成されている。
そして、セカンドシート50Aは、シートの一端から他端に向かう複数の凹溝52A,54Aが形成されている。凹溝は一端から他端に向かっていればよく、必ずしも両端部間の全域に形成されている必要はない。少なくとも前後方向中央部40%をカバーしていれば足りる。「複数」とは、2以上であり、凹溝が4本以上形成されていることが好ましい。
更に、図1B及び図3Aに示すように、セカンドシート50Aは、波板状に形成され、波頂t1と波頂t2の間の部分が表面側の凹溝52Aを形成し、波底b1と波底b2の間の部分が裏面側の凹溝54Aを形成していることが好ましい。波板状とすることにより、セカンドシートとトップシートとの間及びセカンドシートと吸収体との間に、尿等の液体が拡散し得る連続した、かつ、断面積が大きい空間(凹溝)を形成することができる。また、シートを押し潰して凹溝を形成するわけではなく、シートを押し潰すことなく変形させて波型とするので、シートの液透過性を低下させることがない。一方、単にエンボス加工で凹溝を形成した場合、シート厚さの範囲内での凹溝形成に留まり、断面積が小さい凹溝しか形成することができない。また、エンボス加工によってシートが押し潰されるため、凹溝の底部の液透過性が低下するおそれがある。
なお、本明細書にいう「波板状」には、図3A及び図3Bに示すような曲線的なうねりを有するセカンドシート50A,50Bのみならず、図3Cに示すような折れ線状のうねりを有するセカンドシート50Cも含むものとする。図3A及び図3Bに示すセカンドシート50A,50Bには、断面山型の凹溝52A,54A,52B,54B、凸条56A,58A,56B,58Bが形成されており、図3Cに示すセカンドシート50Cには、断面台形状の凹溝52C,54C、凸条56C,58Cが形成されている。
セカンドシートは、不織布シートが一対のロールの凸部と凹部との間に挟み込まれ、押圧されることによって波板状に形成されたものであることが好ましい。このようなセカンドシートは形状安定性に優れるという利点がある。また、このような加工法であれば、所望形状の波板状に形成されたセカンドシートを容易に得ることができる。更には、このような加工法は、吸収性物品の連続製造工程中にも容易に組み込むことができる。即ち、別工程で一旦波板状に形成したシートをロール状に巻取った後、次工程で用いるよりも波板形状を維持し易く、一旦形成した波板形状の変形を防止することができる。
図3Aに示すように、セカンドシート50Aは、シート厚さの5〜30倍の波高h1を有する波板状に形成されていることが好ましい。5倍以上とすることにより、貯留効果、拡散効果に優れたセカンドシートとなる。30倍以下とすると、波高が高過ぎて、折角形成した波型が傾き、凹溝の空間容積を減少させてしまう不具合を防止することができる。
[2−1C]セカンドシートとトップシートとの接合:
本発明においては、図4A及び図4B、図5A及び図5Bに示すように、セカンドシート50D,50Eの複数の凸条のうち表面側に形成されたものの頂部が、トップシート18A,18Bの裏面に接合され(接合部60B,60C)、セカンドシート50D,50Eとトップシート18A,18Bとが一体化されている。
接合の方法は、特に限定されるものではない。例えば、接着剤(ホットメルト接着剤等)を用いた貼着、熱融着(ヒートシール等)による接合等を挙げることができる。中でも、熱融着による接合は、不職布の風合いを損ねないという点において好ましい。
接合の形態は、図4A及び図4Bに示すように、複数の凸条の頂部を連続線状にトップシートの裏面に対して接合してもよいし(接合部60B)、図5A及び図5Bに示すように、複数の凸条の頂部を断続的な線状にトップシートの裏面に対して接合してもよい(接合部60C)。連続線状に接合した場合は、吸収性物品前後方向への尿等の拡散を促進するという効果が得られ、断続的な線状に接合した場合は、連続線状に接合した場合と比較して吸収性物品幅方向への尿等の拡散を容易にするという効果が得られる。
本発明においては、前記セカンドシートの前記複数の凸条と前記トップシートの裏面との総接合面積が、前記セカンドシートの見かけ面積に対して5〜20面積%の範囲内であることが好ましい。
総接合面積を5面積%以上とすることにより、セカンドシートとトップシートとを十分に接合することができ、尿等をセカンドシートへ誘導する効果が得られる。また、シート強度が向上し保形性が向上するため、シートのよれを防止するという効果を得ることができる。一方、20面積%以下とすることにより、凹溝の空間容積を確保することができ、セカンドシートの貯留・拡散効果を有効に発揮させることができる。また、シートの風合いを保つことができる。
なお、「見かけ面積」とは、セカンドシートを真上から見た場合に、凹溝、凸条による凹凸がない平面とみなして算出された面積を意味する。例えば、セカンドシートが波板状に加工されている場合には、加工前より加工後の方が凹溝と直交する方向の寸法が短くなり、見かけ面積は減少することとなる。
以上、本発明の吸収性物品を、図1A〜図1Dに示す吸収性物品1Aのようなパンツ型使い捨ておむつの例により説明してきたが、本発明は、図2A及び図2Bに示す吸収性物品1Bのようなテープ型使い捨ておむつにも同様に適用することができる。
即ち、図2A及び図2Bに示す吸収性物品1Bは、液透過性材料からなり、吸収体22とトップシート18との間に配置されたセカンドシート50Aと、を備え、セカンドシート50Aは、その表面側及び裏面側の双方に、シートの一端から他端に向かう複数の凹溝52A,54Aと複数の凸条56A,58Aとが交互に形成されたものであり、複数の凹溝52A,54A及び複数の凸条56A,58Aが吸収性物品1Aの前後方向に向かうように、吸収体22とトップシート18との層間に配置され、セカンドシート50Aの複数の凸条56A,58Aのうち表面側に形成されたもの(凸条56A)の頂部が、トップシート18の裏面に接合され(接合部60A)、セカンドシート50Aとトップシート18とが一体化されているものである。
[3]吸収性物品の構成部材:
本発明の吸収性物品は、図1A〜図1Dに示す吸収性物品1Aのように、吸収体22と、少なくとも一部が液透過性材料からなり、吸収体22の表面を被覆するように配置されたトップシート18と、液不透過性材料からなり、吸収体22の裏面を被覆するように配置されたバックシート20とを備えるものである。
[3−1]吸収体:
「吸収体」は、着用者の尿等を吸収し、保持するための部材であり、吸収性材料によって構成される。
「吸収性材料」としては、例えば、フラッフパルプ、高吸水性ポリマー(Super Absorbent Polymer;以下、「SAP」と記す。)、親水性シート等を挙げることができる。「フラッフパルプ」としては、木材パルプや非木材パルプを綿状に解繊したものを、「SAP」としては、ポリアクリル酸ナトリウムを、「親水性シート」としては、ティシュ、吸収紙、親水化処理を行った不織布等を用いることが好ましい。
吸収体は、1種又は2種以上の吸収性材料を単層又は複層のマット状に成形したものを用いることが好ましい。中でも、フラッフパルプ100質量部に対して、10〜500質量部のSAPを併用したものが好ましい。中でも、フラッフパルプ100質量部に対して、40〜80質量部のSAPを併用したSAP比率が高い吸収体を用いた場合に、本発明の効果が発揮される。この際、SAPはフラッフパルプのマット中に混在させるか、フラッフパルプのマットの層間に層状に配置して用いればよい。
吸収体は、矩形状、砂時計型、ひょうたん型、T字型等、所望の形状に成形して用いることができる。吸収体は、SAPの脱落を防止し、形状安定性を付与するという目的から、親水性シートによって被包されていることが好ましい。通常、吸収体はトップシートとバックシートの間に挟みこまれ、両シートと一体化された状態で用いられる。
[3−2]トップシート:
トップシートは、着用者の尿等を透過させる必要から、その少なくとも一部(全部又は一部)が液透過性材料により構成される。
「液透過性材料」としては、織布、不織布、多孔性フィルム等を挙げることができる。中でも、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、脂肪族ポリアミド等の熱可塑性樹脂からなる不織布に親水化処理を施したものを用いることが好ましい。
「不織布」としては、エアスルー(カード熱風)、カードエンボス等の製法によって製造された不織布を好適に用いることができる。「親水化処理」は、界面活性剤を塗布、スプレー、含浸等させることにより行うことができる。
トップシートは、「少なくとも一部」、具体的には、トップシートを平面的に見た場合に、少なくとも吸収体の表面近傍は液透過性材料により構成されていることが好ましい。
なお、吸収性物品の着用者の肌側に位置するシートが全てトップシートによって構成されている必要はない。即ち、着用者の肌と接するシートが、トップシートを含む複数のシートによって構成され、トップシートと他のシートがシートの表面方向に向かって継ぎ合わされたような構造となっていてもよい。
例えば、図2A及び図2Bに示す吸収性物品1Bは、テープ型使い捨ておむつであり、おむつの幅方向中央部には液透過性材料からなるトップシート18を配置し、おむつのサイドフラップ9部分には液の透過に対して抵抗性を示す通気撥水性材料からなるサイドシート19を配置した例である。通気撥水性シートとしては、カードエンボス、スパンボンド等の製法により製造された不織布であってもよいが、防水性の高いSMS、SMMS等の不織布シートが更に好ましい。
[3−3]バックシート:
バックシートは、吸収体の裏面(おむつの装着時において着用者の肌から遠い側に位置する面)を被覆するように配置されるシートである。バックシートは、着用者の尿がおむつ外部に漏洩してしまうことを防止する必要から、液不透過性材料によって構成される。
バックシートの配置位置については特に制限はない。吸収体で吸収された尿の漏れを防止するという観点から、少なくとも吸収体の存在する部分にバックシートが配置されていることが好ましい。
バックシートを構成する液不透過性材料としては、例えば、ポリエチレン等の樹脂からなる液不透過性フィルム等を挙げることができ、中でも、微多孔性ポリエチレンフィルムを用いることが好ましい。この微多孔性ポリエチレンフィルムは、0.1〜数μmの微細な孔が多数形成されており、液不透過性ではあるが透湿性を有するため、おむつ内部の蒸れを防止することができるという利点がある。
なお、図2Bに示すように、バックシート20の外表面側にカバーシート24を貼り合わせてもよい。このカバーシートは、バックシートを補強し、バックシートの手触り(触感)を良好なものとするために用いられる。
カバーシートを構成する材料としては、例えば、織布、不織布等を挙げることができる。中でも、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル等の熱可塑性樹脂からなる乾式不織布、湿式不織布を用いることが好ましい。
[3−4]立体ギャザー:
本発明の吸収性物品は、撥水性シートからなり、吸収体の両側に配置された少なくとも一対の立体ギャザーを備えていることが好ましい。
立体ギャザーの構成は、従来の使い捨ておむつ、その他の吸収性物品に使用される構成を採用することができる。例えば、図1Bに示す吸収性物品1A、図2Bに示す吸収性物品1Bのように、撥水性シート32の層間に伸縮材(立体ギャザー伸縮材36)を挟み込んで固定し、その立体ギャザー伸縮材36の収縮力によってギャザー(襞)を形成したもの等を好適に用いることができる。これらの例では、撥水性シート32の折り返し部分に立体ギャザー伸縮材36を挟み込んで固定した例である。
なお、立体ギャザーは、前記のように立体ギャザー用の撥水性シートを別途付設してもよいし、おむつを構成するシート材の一部によって形成してもよい。例えば、図2Bに示す吸収性物品1Bは、サイドシート19を構成する撥水性シート32の一部によって立体ギャザー26a,26bを形成した例である。撥水性シートは、カードエンボス、スパンボンド等の製法により製造された不織布であってもよいが、防水性の高いSMS、SMMS等の不織布シートが更に好ましい。
[3−5]止着テープ:
本発明の吸収性物品は、図2Aに示すように、後身頃6の左右の各側縁6a,6bから延出するように配置された、前身頃2と後身頃6とを固定するための止着テープ11を備えていてもよい。即ち、本発明の吸収性物品には、いわゆるテープ型使い捨ておむつも含まれる。
止着テープのファスニング部材としては、粘着剤により固定を行う粘着ファスナーであってもよいが、機械的な結合により固定を行うメカニカルファスナー(面状ファスナー)
を用いることが好ましい。メカニカルファスナーは、止着力が高いことに加え、複数回の脱着を行っても止着力が低下することがないという利点がある。
例えば、図2Aに示す吸収性物品1Bは、ファスニング部材として、メカニカルファスナー46を用いた例である。止着テープ11の先端近傍には、フック材46aが付設される一方、前身頃2には、ループ材46bからなるフロントパッチ13が付設されており、フロントパッチ13に対して、止着テープ11を止め付けることが可能なように構成されている。
止着テープの数は特に限定されず、着用者の体型(具体的には、ウエスト周り、脚周り等)の寸法に合わせて、適当な数の止着テープを付設すればよい。一般的には、乳幼児用の使い捨ておむつであれば一対(左右1個ずつ)、成人用の使い捨ておむつであれば二対(左右2個ずつ)が付設される。
[3−6]各種伸縮材:
本発明の吸収性物品が使い捨ておむつである場合は、脚周り伸縮材を配置し、ウエスト周り伸縮材を配置することが好ましい。
脚周り伸縮材は、脚周り開口部に沿って配置される伸縮材である。この脚周り伸縮材を配置することによって、脚周り開口部に伸縮性に富むギャザー(レグギャザー)を形成することができる。従って、脚周りに隙間が形成され難くなり、脚周り開口部からの尿漏れを効果的に防止することができる。
例えば、図1Aに示す吸収性物品1Aは、パンツ型使い捨ておむつであり、おむつの脚周り開口部12のカーブに沿って曲線的に脚周り伸縮材40を配置してレグギャザーを形成した例である。一方、図2Aに示す吸収性物品1Bは、テープ型使い捨ておむつであり、おむつの長手方向に沿って、直線的に三本の脚周り伸縮材40を配置してレグギャザーを形成した例である。この脚周り伸縮材40は、糸ゴムや平ゴムによって構成される。
脚周り伸縮材は、例えば、図2Aに示す吸収性物品1Bのように、立体ギャザー26の起立線より外側の部分に、脚周り伸縮材40が形成されていることが好ましい。このような構成とすると、立体ギャザーの十分な防漏効果を確保しつつ、股下部の装用感・装着感を向上させることができる。
ウエスト周り伸縮材は、ウエスト周り開口部に沿って配置される伸縮材である。ウエスト周り伸縮材を配置することによって、ウエスト開口部に伸縮性に富むギャザー(ウエストギャザー)を形成することができる。このウエストギャザーにより、ウエスト周りに隙間が形成され難くなり、ウエスト周りからの尿漏れを防止することができる他、着用者へのおむつのフィット性が良好となり、おむつのずり下がりが防止される。
例えば、図1A及び図1Bに示す吸収性物品1Aは、おむつのウエスト周り開口部10の開口端に沿って複数本のウエスト周り伸縮材42を配置した例である。
一方、図2Aに示す吸収性物品1Bは、おむつの後身頃6の端縁に沿って帯状のウエスト周り伸縮材42を配置した例である。この帯状のウエスト周り伸縮材42は、ウレタンフォーム等の伸縮性フォームによって構成されている。図示の例では、後身頃(背側)のみにウエスト周り伸縮材42を配置しているが、前身頃(腹側)にウエスト周り伸縮材を配置してもよい。
腹周り伸縮材は、ウエスト周り開口部と脚周り開口部との間の部分(即ち、着用者の腹周りに相当する部分)に配置される伸縮材である。腹周り伸縮材を配置することによって、着用者の腹周りに伸縮性に富むタミーギャザーを形成することができる。このタミーギャザーは、ウエストギャザーと相俟って、おむつのフィット性やずり下がり防止効果を一層優れたものとすることができる。
図1Bに示す吸収性物品1Aは、ウエスト周り開口部10と脚周り開口部12との間の部分(即ち、着用者の腹周りに相当する部分)に、着用者の腹周りを取り囲むように複数本の腹周り伸縮材44を配置した例である。
これらの伸縮材については、ギャザーの収縮の程度等を勘案した上で、構成材料、その材料の伸長率、固定時の伸長状態等を決定すればよい。
伸縮材としては、従来の使い捨ておむつで使用されてきた伸縮材を好適に用いることができる。具体的には、天然ゴムからなる平ゴムや合成ゴム(ウレタンゴム等)の弾性糸からなる糸ゴムの他、伸縮性ネット、伸縮性フィルム、伸縮性フォーム(ウレタンフォーム等)等を挙げることができる。
伸縮材は、十分な伸縮力を作用させるため、伸長状態で固定することが好ましい。例えば、伸縮材が天然ゴムからなる平ゴムや合成ゴムの弾性糸からなる糸ゴムである場合には、120〜400%の伸長状態で固定することが好ましく、200〜300%の伸長状態で固定することがより好ましい。このような範囲の伸長状態で固定することにより、着用者に対して過度の締め付け力を作用させることなく、十分な伸縮力を作用させることが可能となる。
前記のような伸縮材は、おむつの他の構成部材に対して、接着剤その他の手段により固定される。固定方法としては、例えば、ホットメルト接着剤、その他の流動性の高い接着剤を用いた接着であってもよいし、ヒートシールをはじめとする熱や超音波等による溶着であってもよい。
[3−7]適用対象:
なお、本発明の吸収性物品は、パンツ型使い捨ておむつ、テープ型使い捨ておむつ等の使い捨ておむつの他、尿パッドにも適用することができる。
「尿パッド」とは、インナーパッド、補助パッドとも称され、専ら尿吸収を目的とする吸収パッドである。この尿パッドは、下着の内面や使い捨ておむつのトップシートの表面に載置した状態で用いられる。尿パッドは、使い捨ておむつと同様に、吸収体と、吸収体の表面を被覆するように配置されたトップシートと、吸収体の裏面を被覆するように配置されたバックシートとを備えるが、着用者の腰周りを被包する部分を持たない小型のパッド状に構成されることが一般的である。
[4]製造方法:
本発明の吸収性物品は、例えば、図6に示す製造方法によって製造することができる。本発明の製造方法は、セカンドシート材を波板化する波板化工程、セカンドシート材とトップシート材とを接合する接合工程、吸収体をバックシート材とセカンドシート−トップシート接合体との間に挟みこんで封着する封着工程とを備える。以下、工程ごとに説明する。
[4−1]波板化工程:
セカンドシートの材料となるセカンドシート材としては、液透過性材料からなり、その少なくとも一部が熱可塑性樹脂によって構成された不織布シートを用いる。本発明の製造方法では、熱融着によりセカンドシート材とトップシート材を接合するため、セカンドシート材として熱可塑性樹脂を含む不織布シートを用いる必要がある。
図6に示すように、セカンドシート材70を、その表面に凸部が形成された凸ロール72と、その表面に凹部が形成された凹ロール74との間に挟み込み、押圧する。これにより、表面側及び裏面側の双方に、シートの一端から他端に向かう複数の凹溝と複数の凸条とが交互に形成された波板状セカンドシート材76を形成する。
[4−2]接合工程:
次いで、図6に示すように、波板状セカンドシート材76を、少なくとも一部が液透過性材料からなるトップシート材78と重ね合わせ、凹ロール74と、その表面に凹凸が形成されていないプレーンロール80との間に挟み込み、プレーンロール80を加熱しながら押圧する。図示の例では、凹ロール74とプレーンロール80との間に、波板状セカンドシート材76とトップシート材78を挟み込んでいるが、図中の凹ロール74と凸ロール72の位置を入れ替えて、凸ロール72とプレーンロール80との間に、波板状セカンドシート材76とトップシート材78を挟みこむようにしてもよい。
これにより、波板状セカンドシート材76の複数の凸条のうち、表面側に形成されたものの頂部が、トップシート材78の裏面に接合され、波板状セカンドシート材76とトップシート材78とが一体化されているセカンドシート−トップシート接合体82を得ることができる。
[4−3]封着工程:
最後に、液不透過性材料からなるバックシート材の上に吸収体を載置し、吸収体が載置されたバックシート材の上に、セカンドシート−トップシート接合体を載置し、吸収体の周縁において、バックシート材とセカンドシート−トップシート接合体とを接合し、吸収体をバックシート材とセカンドシート−トップシート接合体との間に挟みこみ、封着する。これにより、図1B又は図2Bに示すような、吸収体22と、吸収体22の表面を被覆するように配置されたトップシート18と、吸収体22の裏面を被覆するように配置されたバックシート20とを備えた、吸収性物品の基本的な構造が形成される。他の部分については、従来公知の吸収性物品の製造に準じて製造することができる。
本発明の吸収性物品について、図面を参照しながら更に具体的に説明する。但し、本発明の吸収性物品は、その発明特定事項を備えた吸収性物品を全て包含するものであり、以下の実施例に限定されるものではない。
〔実施例1〕
実施例1の吸収性物品として、パンツ型使い捨ておむつを作製した。具体的な構造は、図1A〜図1Dに示す吸収性物品1Aの構造とした。この吸収性物品1Aは、乳児用Lサイズのものであり、前後方向長さを500mm、後身頃6の幅(側縁6a,6b間の長さ)を390mmとした。
セカンドシートは、坪量20g/mのスパンボンド不織布シートにより構成した。このスパンボンド不織布は、熱可塑性樹脂のポリプロピレンからなる不織布シートであった。このスパンボンド不織布に界面活性剤による親水化処理を施して親水化し、液透過性のシートとした。既述の方法により測定したこのセカンドシートの液透過時間は7秒であり、同様の測定方法で液透過時間が3秒であったトップシート(坪量25g/mのエアスルー不織布シート)と比較して液透過性を低くした。セカンドシートとトップシートの液透過性は、界面活性剤の塗布量及びシート密度により調整した。
セカンドシートは、図3Aに示す波板状に形成した。具体的には、図6に示す方法により行った。坪量20g/mのスパンボンド不織布シート(幅150mm×長さ400mm×厚さ0.25mm)をセカンドシート材70として用い、その表面に凸部が形成された凸ロール72と、その表面に凹部が形成された凹ロール74との間に挟み込み、押圧する。これにより、表面側及び裏面側の双方に、シートの一端から他端に向かう複数の凹溝と複数の凸条とが交互に形成された波板状セカンドシート材76を形成した。
この波板状セカンドシート材76から、図3Aに示すような曲線状のうねりが形成され、波頂t1と波頂t2の間の部分が表面側(トップシート側)の凹溝52Aを形成し、波底b1と波底b2の間の部分が裏面側(吸収体側)の凹溝54Aを形成している波板状のセカンドシート50Aを得ることができる。
セカンドシートには、シートの一端から他端に向かう、表面側6本、裏面側7本の凹溝を形成した。この凹溝は一端から他端に向かって、両端部間の全域に形成した。このセカンドシートは波頂間隔W1が15mm、波高h1が6mmのものであった。即ち、シート厚さ0.25mmに対し、波高h1が6mm(24倍)となるように構成した。
次いで、図6に示すように、前記のように形成された波板状セカンドシート材76を、少なくとも一部が液透過性材料からなるトップシート材78と重ね合わせ、凹ロール74と、その表面に凹凸が形成されていないプレーンロール80との間に挟み込み、プレーンロール80を145℃で加熱しながら押圧した。
これにより、波板状セカンドシート材76の複数の凸条のうち、表面側に形成されたものの頂部が、トップシート材78の裏面に接合され、波板状セカンドシート材76とトップシート材78とが一体化されているセカンドシート−トップシート接合体82を得た。この際、セカンドシートの複数の凸条とトップシートの裏面との総接合面積は4200mmであり、セカンドシートの見かけ面積42000mmに対して10面積%であった。
最後に、液不透過性材料からなるバックシート材の上に吸収体を載置し、吸収体が載置されたバックシート材の上に、セカンドシート−トップシート接合体を載置し、吸収体の周縁において、バックシート材とセカンドシート−トップシート接合体とを接合し、吸収体をバックシート材とセカンドシート−トップシート接合体との間に挟みこみ、封着した。これにより、図1Bに示すような、吸収体22と、吸収体22の表面を被覆するように配置されたトップシート18と、吸収体22の裏面を被覆するように配置されたバックシート20とを備えた、吸収性物品の基本的な構造を形成した。他の部分については、従来公知の吸収性物品の製造に準じて製造した。
本発明の吸収性物品は、乳幼児用又は介護を必要とする高齢者や障害者等の成人用の使い捨ておむつ、尿パッド等の吸収性物品に利用することができる。特に、スリム化等の目的でSAP比率を増加させた吸収性物品に好適に用いることができる。
本発明の吸収性物品を展開し、トップシート側から見た状態を示す概略平面図である。 図1Aに示す吸収性物品のX−X’断面を示す概略断面図である。 図1Aに示す吸収性物品を組み立てて正面側から見た状態を示す概略斜視図である。 図1Aに示す吸収性物品から吸収性本体を除去し、外装シートの部分のみを示す概略平面図である。 本発明の吸収性物品の別の実施形態を示す概略平面図であり、吸収性物品を展開し、トップシート側から見た状態を示す図である。 図2Aに示す吸収性物品のA−A’断面を示す概略断面図である。 本発明の吸収性物品に用いるセカンドシートの一の実施形態を示す概略断面図である。 本発明の吸収性物品に用いるセカンドシートの別の実施形態を示す概略断面図である。 本発明の吸収性物品に用いるセカンドシートの更に別の実施形態を示す概略断面図である。 セカンドシートとトップシートとの接合の一の実施形態を示す概略平面図であり、セカンドシート側から見た状態を示す図である。 図4Aに示す吸収性物品のX−X’断面を示す概略断面図である。 セカンドシートとトップシートとの接合の別の実施形態を示す概略平面図であり、セカンドシート側から見た状態を示す図である。 図5Aに示す吸収性物品のX−X’断面を示す概略断面図である。 本発明の吸収性物品の製造方法の一の実施形態を示す概略側面図である。
符号の説明
1A,1B:吸収性物品、2:前身頃、2a,2b:側縁、4:股下部、6:後身頃、6a,6b:側縁、8:接合部、9:サイドフラップ、10:ウエスト周り開口部、11:止着テープ、12,12a,12b:脚周り開口部、13:フロントパッチ、14:吸収性本体、16:外装シート、18,18A,18B:トップシート、19:サイドシート、20:バックシート、22:吸収体、24:カバーシート、26,26a,26b:立体ギャザー、32:撥水性シート、36:立体ギャザー伸縮材、40:脚周り伸縮材、42:ウエスト周り伸縮材、44:腹周り伸縮材、46:メカニカルファスナー、46a:フック材、46b:ループ材、50A,50B,50C,50D,50E:セカンドシート、52A,52B,52C:凹溝(表面側)、54A,54B,54C:凹溝(裏面側)、56A,56B,58A,58B:凸条、60A,60B,60C:接合部、70:セカンドシート材、72:凸ロール、74:凹ロール、76:波板状セカンドシート材、78:トップシート材、80:プレーンロール、82:セカンドシート−トップシート接合体、t1,t2:波頂、b1,b2:波底、h1,h2,h3:波高、W1,W2,W3:波頂間隔。

Claims (4)

  1. 吸収体と、少なくとも一部が液透過性材料からなり、前記吸収体の表面を被覆するように配置されたトップシートと、液不透過性材料からなり、前記吸収体の裏面を被覆するように配置されたバックシートと、液透過性材料からなり、前記吸収体と前記トップシートとの間に配置されたセカンドシートと、を備え、
    前記セカンドシートは、その表面側及び裏面側の双方に、シートの一端から他端に向かう複数の凹溝と複数の凸条とが交互に形成されたものであり、
    前記セカンドシートは、前記複数の凹溝及び前記複数の凸条が吸収性物品の前後方向に向かうように、前記吸収体と前記トップシートとの層間に配置され、
    前記セカンドシートの前記複数の凸条のうち表面側に形成されたものの頂部が、前記トップシートの裏面に接合され、前記セカンドシートと前記トップシートとが一体化されており、
    前記セカンドシートは、界面活性剤による親水化処理が施されており、
    前記セカンドシートは、坪量が30g/m 以下、荷重2kPaで押圧した際のシート厚さが0.8mm以下である吸収性物品。
  2. 前記セカンドシートは、波板状に形成され、波頂と波頂の間の部分が表面側の凹溝を形成し、波底と波底の間の部分が裏面側の凹溝を形成している請求項1に記載の吸収性物品。
  3. 前記セカンドシートは、その少なくとも一部が熱可塑性樹脂によって構成された不織布シートであり、
    前記セカンドシートの前記複数の凸条と前記トップシートの裏面とが熱融着によって接合されている請求項1又は2に記載の吸収性物品。
  4. 前記セカンドシートの前記複数の凸条と前記トップシートの裏面との総接合面積が、前記セカンドシートの見かけ面積に対して5〜20面積%の範囲内である請求項1〜3のいずれか一項に記載の吸収性物品。
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