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JP5006698B2 - 吸収性物品 - Google Patents

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Description

本発明は、吸収性物品に関する。更に詳しくは、排泄液の吸収性に優れた吸収性物品に関する。
吸収性物品は、尿などの排泄液を吸収する使い捨ておむつ(例えば、テープ型おむつ、パンツ型おむつ、尿パッド等)や、経血を吸収する生理用ナプキン、おりものを吸収するおりものシートなどで利用されている。例えば、乳幼児用、或いは高齢者・障害者等の成人用の吸収性物品として、トップシートと、バックシートと、両シートの間の一部に介装された吸収体とを備えた使い捨ておむつが用いられている。
このような吸収性物品、例えば、使い捨ておむつは、トップシートの表面を着用者の肌に接するように宛がって使用することにより、着用者の排泄した尿はトップシートを透過して、吸収体によって吸収・保持されるとともに、防漏性に優れたバックシートによって、排泄液の外部への漏洩が防止されるというものである。
従来の吸収性物品では、トップシートから浸透した排泄液を、吸収体の表面側(着用者の肌側)から、吸収体の吸収速度に合わせて吸収していた。しかしながら、吸収体の吸収速度を超える排泄速度、又は一度に大量の排泄液が排泄された場合は、トップシート上を排泄液が流れていくという現象が起きていた。このような場合には、吸収されずトップシート上を流れた排泄液により、着用者の肌の広い範囲を汚し、不快な感触を起こさせるばかりではなく、かぶれの原因となっていた。更に、トップシート上を流れた排泄液は、吸収性物品の外へ漏れてしまうということもあった。
一方、吸収性物品のトップシート側、即ち、吸収体の表面側から順次吸収される排泄液は、吸収体の厚さ方向で、吸収体の表面側に多く偏在し易かった。このため、着用者が体圧を掛けた場合等において、トップシート側から排泄液が逆戻りし易く、不快なだけでなく、かぶれ等の原因ともなっていた。
このようなことから、トップシートと吸収体の間に拡散層を配置した吸収性物品が提案されている。これは、吸収体に吸収しきれない排泄液を拡散層内で分散させ、一時的に排泄液を保管するとともに、より広い範囲で分散吸収を促すことで、吸収速度を早めて、トップシート上での排泄液の流れを防いで、液漏れを防止するという効果があった(例えば、特許文献1参照)。
特開平8−308873号公報
しかしながら、トップシートと吸収体の間に拡散層を配置した従来の吸収性物品においては、吸収体のトップシート側の表面における吸収面積を広げるだけであり、拡散した排泄液は吸収体の表面からのみ吸収されるということは、拡散層のない吸収性物品と変わらないため、排泄液がトップシート側に偏在してしまい排泄液が逆戻りしやすいという問題は解決されていなかった。
本発明は、このような従来技術の課題を解決するためになされたものであって、排泄液の吸収性に優れた吸収性物品を提供するものである。
本発明者は、前記のような従来技術の課題を解決するために鋭意検討した結果、吸収体とトップシートとバックシートとを備えた吸収性物品において、吸収体として、吸収体の内部に拡散シートが配置されたものを用い、この吸収体の表面から、その吸収体の内部に配置された拡散シートの表面に連通するような孔部を形成することによって、上記課題が解決されることに想到し、本発明を完成させた。具体的には、本発明により、以下の吸収性物品が提供される。
[1] 吸収体と、前記吸収体の表面を被覆するように配置され、少なくとも一部が液透過性材料からなるトップシートと、前記吸収体の裏面に配置され、液不透過性材料からなるバックシートとを備えた吸収性物品であって、前記吸収体は、前記吸収体の一の表面の少なくとも着用者の排泄部位に対応する領域に拡散シートが配置された状態で、その両側縁部が前記拡散シートの一部を覆うように折り返されて、その前記吸収体の内部に前記拡散シートが配置されたものであり、且つ、前記吸収体は、前記吸収体の前記両側縁部が、折り返し部分における先端部相互間の着用者の排尿部位と排便部位との二箇所の排泄部位に隙間ができるように折り返されて、前記先端部相互間の前記隙間によって、前記吸収体の表面から、前記吸収体の内部に配置された前記拡散シートの表面に連通する二つの孔部が形成されたものであり、前記二つの孔部を形成する前記吸収体の折り返し部分における前記先端部相互間の隙間の最大幅が5〜35mmであり、前記吸収体の内部に前記拡散シートが二枚配置され、一方の前記拡散シートが前記排尿部位に対応する領域に配置され、他方の前記拡散シートが前記排便部位に対応する領域に配置され、前記トップシートは、前記吸収体の表面を被覆するとともに、前記吸収体の前記孔部の内周面、及び前記孔部から露出している前記拡散シートを被覆するものであり、前記トップシートと前記拡散シートとは、前記拡散シートの表面側の開口部にて接合されている吸収性物品。
本発明の吸収性物品は、排泄液の吸収性に優れたものである。即ち、本発明の吸収性物品は、着用者から排泄された排泄液を、吸収体のトップシート側の面(吸収体の表面)から吸収するとともに、吸収体の孔部に流入した排泄液を、拡散シートを素早く通過させて拡散させることができ、吸収体の内側からも排泄液を吸収することができる。このため、実際に排泄液と接触し、その排泄液を吸収する部位の面積を増大させることが可能であり、吸収体の吸収速度を大きく向上させることができる。このため、本発明の吸収性物品は、従来では処理することのできなかった大量の排泄液や、排泄速度の速い排泄液を良好に吸収し、液漏れを防止することができる。
以下、本発明の吸収性物品を実施するための最良の形態について図面を参照しつつ具体的に説明する。但し、本発明はその発明特定事項を備える吸収性物品を広く包含するものであり、以下の実施形態に限定されるものではない。
[1]吸収性物品:
本発明の吸収性物品は、図1及び図2に示す吸収性物品1のように、吸収体22と、吸収体22の表面を被覆するように配置され、少なくとも一部が液透過性材料からなるトップシート18と、吸収体22の裏面に配置され、液不透過性材料からなるバックシート20とを備えた吸収性物品1である。
そして、本発明の吸収性物品1の吸収体22は、この吸収体22の内部に拡散シート23が配置されたものであり、且つ、この吸収体22には、吸収体22の表面から、吸収体22の内部に配置された拡散シート23の表面に連通する孔部15が形成されている。
ここで、図1は、吸収性物品の一を示す一部切り欠き平面図であり、吸収性物品をトップシート側から見た状態を示す図である。また、図2は、図1に示す吸収性物品をA−A’線に沿って切断した断面を示す概略断面図である。
本発明の吸収性物品は、着用者から排泄された排泄液を、吸収体のトップシート側の面(吸収体の表面)から吸収するとともに、その排泄液の一部を孔部を通過させ、拡散シートを素早く通過させて拡散させることができ、吸収体の内側からも排泄液を吸収することができる。このため、実際に排泄液と接触し、その排泄液を吸収する部位の面積を増大させることが可能であり、吸収体の吸収速度を大きく向上させることができる。このため、本発明の吸収性物品は、従来では処理することのできなかった大量の排泄液や、排泄速度の速い排泄液を良好に吸収し、液漏れを防止することができる。
また、本発明の吸収性物品は、上記したように排泄液を吸収する部位の面積を増大させることが可能であり、排泄液が一箇所に集中して吸収されることがないため、繰り返し排泄液が排泄された場合であっても、排泄部位(例えば、着用者の股下部)における吸収体の吸収力の余力(以下、「吸収余力」ということがある)が残り易い。このため、例えば、着用者が吸収性物品に体圧を掛けた場合などでも、上記吸収余力が残っている場合には、吸収した排泄液が逆戻り(液戻り、ともいう)し難いため、べた付きが少なく、良好に使用することができる。
更に、上記したように吸収体の内側からも排泄液を直接吸収することができるため、吸収された排泄液が吸収体の表面側(即ち、着用者の肌側)に偏在することがなく、上記した排泄液の逆戻りを有効に防止することができる。
更に、本発明の吸収性物品においては、前記吸収体に形成された前記孔部を、その開口部が長手方向に延びる細長形状とすることにより、この孔部に沿って吸収性物品を折り曲げることができ、着用者の排尿部位に吸収性物品を密着し易くして、着用者に対するフィット性を向上させることができる。また、前身頃、股下部及び後身頃の各部から構成された使い捨ておむつとして用いた場合には、脚周りへのフィット性を向上させることができ、脚周りからの液漏れを有効に防止することも可能となる。
このような本発明の吸収性物品は、尿などの排泄液を吸収する使い捨ておむつ(例えば、テープ型おむつ、パンツ型おむつ、尿パッド等)等として利用することができる。
なお、本発明の吸収性物品においては、吸収体の内部に配置する拡散シートとして、この吸収体よりも液透過性の高いシートを用いることが好ましい。このように構成することによって、吸収体に排泄液が吸収されるよりも早く拡散シートを経由して排泄液を拡散させることができる。拡散シートと吸収体との液透過性を比較する方法としては、以下に挙げる方法を用いることができる。
まず、本発明の吸収性物品に用いる吸収体(以下、「吸収体A」ということがある)と、同様の吸収体の上面に拡散シートを配置した吸収体(以下、「吸収体B」ということがある)との、二種類の吸収体を用意する。それぞれの吸収体(吸収体A,B)をトップシートとバックシートとの間に介装させて、排泄液に見立てた同量の生理食塩水を吸収させ、全ての生理食塩水が吸収体に吸収されるのにかかる時間(吸収時間)を測定する。
吸収体Bのほうが吸収時間が短い場合には、拡散シートの液透過性が、吸収体よりも高いということであり、逆に、吸収体Aのほうが吸収時間が短い場合には、拡散シートの液透過性が、吸収体よりも低いということである。
[1−1]吸収体:
吸収体は、着用者の尿を吸収し、保持するための部材である。吸収体は、着用者の尿や体液を吸収し保持する必要から、吸収性材料によって構成される。
吸収体は、トップシートとバックシートの間に挟み込まれ、トップシートとバックシートとの周縁部が封着されることによって、トップシートとバックシートとの間に介装される。従って、吸収体の周縁部にはトップシートとバックシートの間に吸収体が介装されていないフラップ部が形成されているか、前記トップシートとバックシートとのうちの少なくとも一方により吸収体縁部が包まれている。
本発明の吸収性物品に用いられる吸収体は、吸収体の内部に拡散シートが配置されたものであり、更に、この吸収体には、吸収体の表面から、吸収体の内部に配置された拡散シートの表面に連通する孔部が形成されている。
なお、このような吸収体の具体的な例としては、図1及び図2に示す吸収性物品1のようなものを挙げることができる。図1及び図2に示す吸収性物品1は、吸収体22が、一の表面に拡散シート23が配置された状態で、その両側縁部が拡散シート23の一部を覆うように折り返されて構成されたものであり、且つ、この吸収体22の前記両側縁部は、折り返し部分における先端部相互間の少なくとも一部に隙間ができるように折り返されて、前記先端部相互間の隙間によって、吸収体22の表面から拡散シート23の表面に連通する孔部15が形成されている。
このように構成することによって、内部に拡散シートが配置された吸収体を簡便に得ることができる。なお、本発明の吸収性物品に用いられる吸収体については、上記したような拡散シートを内側に挟み込むようにして両側縁部を折り曲げて形成されたものである。
なお、図1及び図2においては、両側縁部を折り返す前の吸収体として、その全体形状が長方形の吸収体を用いており、この吸収体のそれぞれの折り返し部分における先端部相互間に隙間を設けることによって、吸収体22の一の端縁から他の端縁にかけて長手方向に延びる孔部15が形成された例を示している折り返す前の吸収体として、図3〜図5に示すような砂時計型の吸収体を用いて、この吸収体の両側縁部を、砂時計型の吸収体の括れ部分が孔部となるように折り返して構成されたものであってもよい。この吸収体は、吸収体の両端縁側においては、両側縁部の折り返し部分の先端部が当接するように折り返されており、吸収体の中央部分において、砂時計型の吸収体の括れ部分に対応する孔部が形成されている。図1では拡散シート23を吸収体22長手方向全域に配置した例を示しているが、図3のように孔部15を覆う位置のみに配置してもよい。
本発明の吸収性物品においては、図6に示すように、吸収性物品1の吸収体22に、孔部15を二つ形成する。排尿部には排泄部位に密着して装着できて、排泄液が素早く吸収できるように、細長の孔部15aが形成されている。一方、尻部(排便部)には、排便を収納し、軟便などを堰止めるための大き目の孔部15bが形成されている。図面では、拡散シート23を一枚配置しているが、排尿部位と排便部位に対して異なった拡散シートを配置する。この場合には、一方又はそれぞれに着色した拡散シートを配置してもよい。
ここで、図3は、吸収性物品の他のを示す一部切り欠き平面図であり、吸収性物品をトップシート側から見た状態を示す図である。また、図4は、図3に示す吸収性物品をB−B’線に沿って切断した断面を示す概略断面図であり、図5は、図3に示す吸収性物品をC−C’線に沿って切断した断面を示す概略断面図である。図6は、本発明の吸収性物品のの実施形態を示す一部切り欠き平面図であり、吸収性物品をトップシート側から見た状態を示す図である。
なお、吸収性物品においては、砂時計型の吸収体以外にも、例えば、図示は省略するが、上記折り返す前の吸収体として、ひょうたん型やT字型等の公知の吸収体を用いてもよい。このような吸収体についても、その両側縁部を、折り返し部分の先端部が当接するように折り返すことによって、それぞれの外周形状に対応した孔部が形成された吸収体を得ることができる。
吸収体の孔部の形状については、トップシートを透過して吸収体に到達した排泄液の一部が流入し、この孔部を通過した排泄液が拡散シートに浸透するような形状のものであれば特に制限はないが、例えば、吸収体の孔部は、その開口部が吸収体の長手方向に延びる細長形状であることが好ましい。
このように、吸収体の長手方向に沿って孔部を形成することにより、この孔部に沿って吸収性物品を折り曲げることができ、着用者の排尿部位に吸収性物品を密着し易くして、着用者に対するフィット性を向上させることができる。更に、このように構成することによって、脚周りのフィット性も向上させることができる。このため、液漏れ防止の効果を更に向上させることができる。また、排泄部位から吸収性物品外部への距離が最も短い吸収体の幅方向への排泄液の流れを食い止めて、排泄液を長手方向に誘導して、股下部からの液漏れを防止することができる。また、拡散シートを経由させて排泄液を拡散させる際にも、排泄液が拡散し易くなり、効率よく排泄液を吸収させることができる。
また、長手方向に孔部を形成することによって、吸収体の内部に配置された拡散シートを経由させて吸収体の内部から排泄液を吸収させる際にも、排泄液が拡散し易くなり、効率よく排泄液を吸収させることができる。
吸収体を構成する吸収性材料としては、一般的な吸収性物品、例えば、使い捨ておむつ等に通常使用される従来公知の吸収性材料、例えば、フラッフパルプ、高吸水性ポリマー(Super Absorbent Polymer;以下、「SAP」と記す)、親水性シート等を挙げることができる。フラッフパルプとしては木材パルプや非木材パルプを綿状に解繊したものを、SAPとしてはポリアクリル酸ナトリウムを、親水性シートとしてはティシュ、吸収紙、親水化処理を行った不織布を用いることが好ましい。また、吸収体の型崩れ対策として熱融着繊維等の合成繊維を含んでいてもよい。
これらの吸収性材料は、通常、単層ないしは複層のマット状として用いられる。この際、前記の吸収性材料のうち1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。中でも、フラッフパルプ100質量部に対して、10〜500質量部程度のSAPを併用したものが好ましい。この際、SAPはフラッフパルプの各マット中に均一に混合されていてもよいし、複層のフラッフパルプの層間に層状に配置されていてもよい。
また、図示はしていないが、吸収体は高吸収性ポリマーの漏れを防止するためや、製造ライン上で、吸収体の変形を防止するために、キャリアーとしてシート状である親水性シート等で吸収体の裏面や側面を包む構成が一般的に採用されており、本発明の吸収性物品においても、このような親水性シート等で吸収体を包んでいてもよい。
なお、吸収体には、その表面側に(例えば、吸収体とトップシートとの間に)、尿や体液等の液体を拡散させるための他の拡散シート(以下、「表面側拡散シート」ということがある)を付帯的に配置してもよい。この表面側拡散シートを付設すると、吸収体の吸収速度以上の勢いで排泄液が排泄された場合でも、表面側拡散シートで排泄液を一時保持、拡散させることができるために、排泄液の吸収が間に合わずにトップシート上を流れて漏れることを防ぐ効果がある。
表面側拡散シートを構成する材料としては、吸収体の内部に配置する拡散シートと同様に構成されたものを用いることができる。具体的な材料としては、親水性で液透過性の材料、例えば、織布、不織布、多孔性プラスチック等を挙げることができる。これらの構成素材としては、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、レーヨン、或いはこれらの複合繊維等を挙げることができる。
なお、特に限定されることはないが、孔部の開口部が一の方向に延びる細長形状である場合には、その幅が5〜35mmであることが好ましく、10〜25mmであることが更に好ましい。孔部の開口部の幅が狭すぎると、吸収体を孔部にて折り曲げて排尿部位に押し当てた際に、十分なフィット性を得られないことがある。また、孔部の開口部の幅が狭すぎると排泄液が孔部を通過し難くなることがある。更に、吸収体がよれたり型崩れしたりした場合や、吸収体が膨潤した場合に、孔部の周辺が崩れて孔部が塞がってしまうことがあり、十分な効果が得られなくなることがある。一方、開口部の幅が広すぎると、排尿部位における吸収体の吸収力が低下するとともに、この孔部から吸収体が裂け易くなってしまうことがある。
このようなことから、上記したように本発明の吸収性物品に用いられる吸収体が、その両側縁部が拡散シートの一部を覆うように折り返されて構成されたものである場合には、吸収体の折り返し部分における先端部相互間の隙間の最大幅を、5〜35mmと、10〜25mmとすることが好ましい。
なお、吸収体の孔部の位置については、少なくとも着用者の排泄部位に形成されていることが好ましい。このように構成することによって、着用者の排泄した排泄液が孔部を通過し易くすることができる。
[1−2]拡散シート:
本発明の吸収性物品に用いられる拡散シートは、吸収体の内部に配置されたものである。この拡散シートは、吸収体の孔部に排泄液が流入した場合に、排泄液を拡散シートに浸透させて拡散させることができる。
このような拡散シートとしては、不織布や多孔性プラスチックフィルム等を用いることができる。拡散シートを構成する主な繊維及び樹脂は、ポリプロピレンやポリエチレン等のポリオレフィン、ポリエステル、ナイロン等のポリアミド、アクリル、ビニロン、或いはこれらの複合繊維又は複合樹脂等を挙げることができる。不織布の場合、これらの繊維をサーマルボンド法、レジンボンド等のケミカルボンド法、ニードルパンチ法、スパンレース法などの方法で成形することによって拡散シートを得ることができる。特に好ましくは、サーマルボンド法の中でも熱風で形成する嵩高のカード熱風不織布や、ケミカルボンド法で目が粗く形成されたレジンボンド不織布を挙げることができる。その坪量は、10〜50g/mであることが好ましく、20〜35g/mであることが更に好ましい。また、多孔性プラスチックフィルムの場合は、その坪量は15〜60g/mであることが好ましく、20〜45g/mであることが更に好ましい。
なお、本発明の吸収性物品に用いられる拡散シートは、孔部からの裂けを防止するために、湿潤強度が3.0N/25mm以上であることが好ましく、6.0N/25mm以上であることが更に好ましい。なお、湿潤強度は、JIS P8135に準拠して測定した値である。
拡散シートの幅方向の長さについては、特に制限はない。図1及び図2に示す吸収性物品1においては、側縁部が折り返された吸収体の内部の幅と同程度の幅の拡散シートが配置された例を示している。
なお、本発明の吸収性物品においては、拡散シートの幅が、吸収体の排泄部位における幅の80%以下のものであることが好ましい。このように構成することによって、本発明の効果を十分に得ることができるとともに、比較的高価な拡散シートの使用量を少なくすることができるため、吸収性物品をより安価なものとすることができる。なお、拡散シートの幅が狭すぎると、排泄液を十分に拡散させることができず、排泄液の吸収速度が低下してしまうことがあるため、拡散シートの幅は、吸収体の排泄部位における幅の50%以上であることが好ましく、65%以上であることが更に好ましい。このように構成することによって、排泄液を吸収体の内部から良好に拡散させることができる。
また、拡散シートは、吸収体の長手方向全体に亘って配置されていてもよいが、吸収体の長手方向の一部に配置されていてもよい。特に制限はないが、拡散シートの長手方向の長さは、吸収体の長手方向の長さの35%以上であることが好ましく、50%以上であることが更に好ましい。このように構成することによって、排泄部位を覆い、長手方向に排泄液を良好に拡散させることができるとともに、吸収速度を良好に向上させることができる。なお、拡散シートとして、吸収体の長手方向の長さよりも短いものを用いる場合には、拡散シートは、少なくとも着用者の排泄部位に対応する領域において、吸収体の内部に配置され
また、拡散シートの厚みについては特に制限はないが、例えば、拡散シートとして多孔性プラスチックフィルムを用いた場合には、例えば、200〜1500μmであることが好ましく、350〜1200μmであることが更に好ましい。
拡散シートとして多孔性プラスチックフィルムを用いた場合には、この多孔性プラスチックフィルムの孔の形状は、漏斗状、即ち、多孔性プラスチックフィルムの表面側から裏面側に向って、孔の開口部の大きさが漸減する形状であることが好ましい。このように構成することによって、多孔性プラスチックフィルムの孔から排泄液の通過が良好に行われるとともに、液戻りが軽減される。
通常、気孔径の大きな多孔性プラスチックフィルム等は、排泄液の拡散性には優れているが、トップシートの直下に配置した場合などでは、非孔部となるフィルムの上部に当たるトップシートに液が残り易く、表面のドライ感が悪くなることがあった。本発明の吸収性物品は、吸収体の内部に拡散シートが配置され、この吸収体の表面から拡散シートの表面に連通する孔部が形成されているため、拡散シートが吸収体に対して十分な面積を設けて配置されながらも、トップシートと隔離した状態、又はトップシートに対しては限られた面積で接するように配置されるため、上記したようにトップシートの液残りが少なくなり、十分な拡散性を発揮させることができる。
また、本発明の吸収性物品に用いられる拡散シートは、着色されたものであってもよい。着色された拡散シートを用いることによって、吸収体の孔部をトップシート側から確認し易くなり、着用者が吸収性物品を用いる際に、吸収性物品を孔部に沿って折り曲げ易くなる。
[1−3]トップシート:
トップシートは、吸収体の表面(吸収性物品を使い捨ておむつとして用いた場合には、おむつの装着時において着用者の肌側に位置する面)を被覆するように配置されるシートである。トップシートは、その裏面側に配置された吸収体に、着用者の尿等の排泄液を吸収させる必要から、その少なくとも一部(全部ないし一部)が液透過性材料により構成される。
トップシートを構成する液透過性材料としては、例えば、織布、不織布、多孔性フィルム等を挙げることができる。中でも、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ナイロン等の熱可塑性樹脂からなる不織布に親水化処理を施したものを用いることが好ましい。トップシートは単一のシート材によって構成されていてもよいが、複数のシート材によって構成されていてもよい。
また、本発明の吸収性物品においては、吸収体の表面に沿ってトップシートが配置された構成、例えば、トップシートが、吸収体の表面を被覆するとともに、吸収体の孔部の内側面、及び孔部から露出している拡散シートを被覆するものであり、トップシートと拡散シートとが、拡散シートの表面側の開口部にて接合されていなお、図2においては、吸収体22に形成された孔部15の表面側の開口部を覆うようにトップシートが配置された例が示されている。
例えば、図7に示す吸収性物品1は、トップシート18が、吸収体22の表面を被覆するとともに、吸収体22の孔部15の内側面、及び孔部15から露出している拡散シート23を被覆するものであり、トップシート18と拡散シート23とが、拡散シートの表面側の開口部、即ち、吸収体22の内部にて接合された例を示している。
このように構成することによって、孔部に沿って吸収体が折り曲がり易くなり、着用者に対するフィット性を更に向上させることができる。また、孔部に配置されたトップシートを透過した排泄液は、直接拡散シートに浸透するため、拡散シートによってより多くの排泄液を拡散させることが可能となり、排泄液の吸収速度を更に向上させることができる。更に、トップシートが孔部に沿って配置されるため、孔部の型崩れを有効に防止することができる。
ここで、図7は、本発明の吸収性物品の他の実施形態を示す断面図である。なお、図7において、図2に示す吸収性物品の各要素と同様に構成されているものについては、同一の符号を付して説明を省略する。
[1−4]バックシート:
バックシートは、吸収体の裏面、例えば、吸収性物品を使い捨ておむつとして用いた場合には、着用者の着衣側に位置する面を被覆するように配置されるシートである。バックシートは、尿等の排泄液が外部に漏洩してしまうことを防止する必要から、液不透過性材料によって構成される。
バックシートを構成する液不透過性材料としては、例えば、ポリエチレン等の樹脂からなる液不透過性フィルム等を挙げることができ、中でも、微多孔性ポリエチレンフィルムを用いることが好ましい。この微多孔性ポリエチレンフィルムは、0.1〜数μmの微細な孔が多数形成されており、液不透過性ではあるが透湿性を有するため、使い捨ておむつして用いた場合に、おむつ内部の蒸れを防止することができるという利点がある。
なお、本発明の吸収性物品を使い捨ておむつとして用いる場合には、このバックシートには、その外表面側にシート材(カバーシート)を貼り合わせてもよい。このカバーシートは、バックシートを補強し、バックシートの手触り(触感)を良好なものとするために用いられる。
カバーシートを構成する材料としては、例えば、織布、不織布等を挙げることができる。中でも、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル等の熱可塑性樹脂からなる乾式不織布、湿式不織布を用いることが好ましい。
[2]使い捨ておむつ:
次に、本発明の吸収性物品を、使い捨ておむつとして用いた実施形態について説明する。なお、本発明の吸収性物品は、テープ型おむつ、パンツ型おむつ、尿パッド等の使い捨ておむつに適用することができる。以下、1ピースタイプのテープ型おむつを例として説明する。
なお、本明細書において「テープ型おむつ」とは、図8に示すテープ型おむつ100のように、吸収体22と、少なくとも一部が液透過性材料からなるトップシート18と、液不透過性材料からなるバックシート20とを備えるとともに、前身頃2、股下部4及び後身頃6の各部から構成されており、後身頃6の左右の各側縁6a,6bから延出するように配置され、後身頃6を前身頃2に対して固定するためのファスニングテープ7を更に備えた使い捨ておむつを意味するものとする。
また、本明細書において「パンツ型おむつ」というときは、図9に示すパンツ型おむつ110のように、前身頃2と後身頃6の対応する側縁部同士(側縁部2a,6a、側縁部2b,6b)を接合することによって、接合部8、一つのウエスト周り開口部10及び一対の脚周り開口部12a,12bが形成され、予めパンツ型に構成されたおむつを意味するものとする。
そして、「1ピースタイプ」とは、後述する2ピースタイプとは異なり、トップシート、バックシート、吸収体を備えているが、吸収・保持機能を担う吸収体がトップシートとバックシートの間に介装(内蔵)され、装着機能を担うトップシートとバックシートとのうちの少なくとも一方と一体的に構成されたタイプのおむつを意味するものとする。
また、本明細書において、「前身頃」とは、着用者におむつを装着した際に、着用者の腹側(身体前方)を覆う部分、「股下部」とは、着用者におむつを装着した際に、着用者の股下を覆う部分、「後身頃」とは、着用者におむつを装着した際に、着用者の背側(身体後方)を覆う部分を意味するものとする。
[2−1]テープ型おむつの構成:
本発明の吸収性物品の実施形態であるテープ型おむつは、これまでに説明した吸収性物品を構成する吸収体と同様に構成された吸収体を備えている。
即ち、本実施形態のテープ型おむつにおいては、吸収体は、この吸収体の内部に拡散シートが配置されたものであり、更に、この吸収体には、吸収体の表面から、吸収体の内部に配置された拡散シートの表面に連通する孔部が形成されている。
図8に示すテープ型おむつは、図1に示す吸収性物品に用いられた吸収体と同様に構成された吸収体22を備えたテープ型おむつ100である。即ち、吸収体22の内部に拡散シート23が配置され、この吸収体22には、吸収体22の表面から、吸収体22の内部に配置された拡散シート23の表面に連通する孔部15が形成されている。
本実施形態のテープ型おむつは、排泄液の吸収性に優れた使い捨ておむつである。即ち、尿等の排泄液は、吸収体の排尿部位にて吸収されるとともに、その排泄液の一部が、吸収体の孔部を通過して拡散シートに浸透し、この拡散シートを経由して、吸収体の内側から吸収される。このように、排泄液がより広い領域で吸収されるため、吸収性に優れている。
なお、本実施形態のテープ型おむつを構成する吸収体、トップシート、及びバックシートは、これまでに説明した本発明の吸収性物品における各構成要素と同様に構成されたものを好適に用いることができる。
また、本実施形態のテープ型おむつにおいては、トップシートは単一のシート材によって構成されていてもよいが、複数のシート材によって構成されていてもよい。例えば、吸収体の上面部に配置されるトップシートと、おむつのサイドフラップの部分に配置されるトップシートとを異なるシートによって構成する形態もよく利用される。図8に示すテープ型おむつ100は、おむつの中央部には液透過性材料からなるトップシート18(センターシート18a)を配置し、おむつのサイドフラップ5部分には液の透過に対して抵抗性を示す通気撥水性材料からなるトップシート18(サイドシート18b)を配置した例である。
また、例えば、バックシートは、おむつの外形と一致するように構成されたものを用いてもよいし、バックシートの外表面側にシート材(カバーシート)を貼り合わせてもよい。このカバーシートは、バックシートを補強し、バックシートの手触り(触感)を良好なものとするために用いられる。なお、図8に示すテープ型おむつ100においては、おむつの外形と一致する形状のバックシート20を配置した例を示している。また、バックシートは少なくとも吸収体を覆う範囲で配置されていればよい。吸収体よりやや大きい範囲でバックシートを配置し、着用者の側部にあたるサイドフラップ部をカバーシートとサイドシートにより構成することで、より通気性に優れた使い捨ておむつとすることができる。サイドフラップ部を別体の不織布などで構成してもよい。
[2−2]立体ギャザー:
本実施形態のテープ型おむつにおいては、着用者の排泄した尿の横漏れを防止するため、立体ギャザーを備えていてもよい。立体ギャザーは、着用者の排泄した尿の横漏れを防止するための部材であり、立体的に起立可能なように構成された防漏壁である。このような立体ギャザーを形成することにより、立体ギャザーが防波堤となり、おむつの脚周り開口部等からの横漏れを有効に防止することができる。
立体ギャザーの構成は、従来の使い捨ておむつや、その他の吸収性物品に使用される構成を採用することができる。例えば、撥水性のシート材の一部に伸縮材(立体ギャザー伸縮材)を配置し、その立体ギャザー伸縮材によってシート材にギャザー(襞)を形成したもの等を好適に用いることができる。
なお、立体ギャザーは、トップシートやバックシートとは全く別個のシート材により形成してもよいが、センターシートやサイドシート等のトップシートを折り返すことにより形成してもよい。例えば、図8に示すテープ型おむつ100は、サイドシート18bを折り返すことにより立体ギャザー26(26a,26b)を形成した例である。但し、立体ギャザーは、バックシート等のトップシート以外の部材を折り返すことにより形成してもよい。
この立体ギャザーは、股下部からの漏れを防止するため、少なくとも股下部に形成されていればよいが、前身頃や後身頃に形成されていてもよい。例えば、図8に示すテープ型おむつ100は、おむつの長手方向に沿って、股下部4から前身頃2と後身頃6の双方にかけて連続的に、一対の立体ギャザー26(26a,26b)が形成された例を示すものである。また、立体ギャザーは、少なくとも一対形成する必要があるが、二対以上形成してもよい。
立体ギャザーはおむつの内側に向って傾倒する内倒しギャザーであってもよいし、おむつの外側に向って傾倒する外倒しギャザーであってもよい。また、高さ方向の一部に、曲げ部や折り返し部を形成した立体ギャザー(C折りギャザーやZ折りギャザー等)とすることもできる。例えば、図8に示すテープ型おむつ100は、立体ギャザー26(26a,26b)を内倒しギャザーとした例である。
[2−3]ファスニングテープ:
ファスニングテープは、テープ型おむつを着用者に対して装着させるためのテープである。おむつの背部と腹部とを相互に固定することで、テープ型おむつをパンツ型とし、着用者に装着可能なものであれば特にその形状や構造について制限はない。
例えば、図8に示すテープ型おむつ100は、後身頃6の両側縁部に二対のファスニングテープ7が配置されたものである。これらのファスニングテープ7は、前身頃2の外表面に配置されたフロントパッチ11に対して貼着可能に構成されている。ファスニングテープ7をフロントパッチ11に貼着することによって、おむつの後身頃6と前身頃2とが相互に固定され、おむつを着用者に装着することができる。
また、図8に示すテープ型おむつ100は、ファスニングテープ7を二対備えたものであるが、ファスニングテープ7を一対だけ備えたものや三対以上備えたものであっても同様の効果を得ることができる。また、一対のファスニングテープ7の先端に、2箇所の止着部分が延出した二山テープであってもよい。
本発明において、ファスニングテープとしては、粘着テープ、メカニカルファスナー等のいずれを使用してもよい。メカニカルファスナーは、例えば、表面に多数の突起(鉤状、きのこ状、錨状等)が形成された凸部材(フック材)と、表面にループ状の繊維が配置されたもの、もしくは短繊維で構成された不織布等の凹部材(ループ材)とを組み合わせたもの等が用いられることが多い。このファスナーは、ループ材の表面にフック材を重ね合わせ、フック材の多数の突起をループ材の表面に係合させることにより、両部材を剥離可能な状態に、且つ、強固に固着させることができるものである。
[2−4]各種伸縮材:
テープ型おむつにおいては、脚周り伸縮材を配置し、ウエスト周り伸縮材を配置することが好ましい。
脚周り伸縮材は、脚周り開口部に沿って配置される伸縮材である。この脚周り伸縮材を配置することによって、脚周り開口部に伸縮性に富むギャザー(レグギャザー)を形成することができる。従って、脚周りに隙間が形成され難くなり、脚周り開口部からの液漏れを効果的に防止することができる。また、脚周り伸縮材を配置すると、おむつを交換する際に吸収体の両側で脚周り伸縮材が収縮するため、股下部近傍が椀状に変形し、凹部が形成される。このため、尿や体液がその凹部に溜まり、尿や体液をこぼすことなく、容易におむつの交換を行うことができる。
例えば、図8に示すテープ型おむつ100は、おむつの長手方向に沿って、直線的に二本の脚周り伸縮材40を配置してレグギャザーを形成した例である。この脚周り伸縮材40は、糸ゴムによって構成されている。但し、脚周り伸縮材は、必ずしも直線的に配置する必要はなく、例えば、おむつの脚周り開口部のカーブに沿って曲線的に配置してもよい。
脚周り伸縮材40は、例えば、図8に示すテープ型おむつ100のように、立体ギャザー26の起立線46より外側の部分に形成されていることが好ましい。このような構成とすると、立体ギャザーの十分な防漏効果を確保しつつ、股下部の装用感・装着感を向上させることができる。
なお、図8に示すテープ型おむつ100は、脚周り伸縮材40の形状、配置位置、配置数等を左右対称とした例を示したが、これらが左右非対称なものも本発明の範囲に含まれる。そして、図8に示すテープ型おむつ100では、脚周り伸縮材40が片側につき二本配置された例を示したが、一本だけ配置されていてもよいし、三本以上配置されていてもよい。また、複数の脚周り伸縮材を用いる場合、その太さや伸張率等も目的に応じて適宜設定すればよく、全て同じものを用いる必要はない。
ウエスト周り伸縮材は、ウエスト周り開口部に沿って配置される伸縮材である。ウエスト周り伸縮材を配置することによって、ウエスト開口部に伸縮性に富むギャザー(ウエストギャザー)を形成することができる。このウエストギャザーにより、ウエスト周りに隙間が形成され難くなり、ウエスト周りからの液漏れを防止することができる他、着用者へのおむつのフィット性が良好となり、おむつのずり下がりが防止される。
なお、図8に示すテープ型おむつ100は、おむつの後身頃6の端縁に沿って帯状のウレタンフィルムからなるウエスト周り伸縮材42を配置した例である。この帯状のウエスト周り伸縮材42は、ウレタンフォーム等の伸縮性フォームによって構成されていてもよい。図示の例では、後身頃(背側)のみにウエスト周り伸縮材42を配置しているが、前身頃(腹側)にウエスト周り伸縮材を配置してもよい。
これらの伸縮材については、ギャザーの収縮の程度等を勘案した上で、構成材料、その材料の伸長率、固定時の伸長状態等を決定すればよい。
伸縮材としては、従来の使い捨ておむつで使用されてきた伸縮材を好適に用いることができる。具体的には、天然ゴムや合成ゴム(ウレタンゴム等)の弾性材からなる糸ゴム、平ゴムの他、伸縮性ネット、伸縮性フィルム、伸縮性フォーム(ウレタンフォーム等)等を挙げることができる。
伸縮材は、十分な伸縮力を作用させるため、伸長状態で固定することが好ましい。例えば、伸縮材が天然ゴムや合成ゴムである場合には、110〜400%の伸長状態で固定することが好ましく、200〜300%の伸長状態で固定することがより好ましい。このような範囲の伸長状態で固定することにより、十分な伸縮力を作用させることが可能となる。
前記のような伸縮材は、おむつの他の構成部材に対して、接着剤その他の手段により固定される。固定方法としては、例えば、ホットメルト接着剤、その他の流動性の高い接着剤を用いた接着であってもよいし、ヒートシールをはじめとする熱や超音波等による溶着であってもよい。
[2−5]テープ型おむつの製造方法:
以下、本発明の吸収性物品であるテープ型おむつの製造方法を、図8に示すテープ型おむつ100を製造する場合の例で説明する。まず、テープ型おむつ100に使用する吸収体を製造する。この吸収体は、吸収体の内部に拡散シートが配置され、この吸収体の表面から、吸収体の内部に配置された拡散シートの表面に連通する孔部が形成されたものである。
このような吸収体は、吸収体の一の表面に拡散シートを配置した状態で、その吸収体の両側縁部を、表面に配置した拡散シートの一部を覆うように折り返すことによって形成することができる。なお、吸収体の両側縁部を折り返す際には、吸収体の両側縁部の折り返し部分における先端部相互間の少なくとも一部に隙間ができるように折り返し、この先端部相互間の隙間によって、上記した吸収体の孔部を形成する。なお、このような吸収体は、上記した方法によって一個ずつ形成することもできるが、例えば、長尺の吸収体を用いて、この長尺の吸収体の表面に拡散シートを配置した後、この長尺の吸収体の両側縁部を折り返して、長尺の吸収体の内部に拡散シートを収納した吸収体連続体を形成し、その後、所定の長さに吸収体連続体を切断することによって、連続的に形成することもできる。
上記の方法によって、図8に示すテープ型おむつ100の吸収体22を得た後、バックシート20の材料となる長尺のシート材(バックシート材)の上面に、得られた吸収体22を載置する。また、脚周り伸縮材40をおむつの脚周りに相当する部位に載置する。更に、これらの上面にトップシート18の材料となる長尺のシート材(トップシート材)を載置することにより、おむつの中間体となる積層体(おむつ連続体)を得る。
また、トップシート材は、センターシート18aに相当するトップシート材と、サイドシート18bに相当するトップシート材の2種類が使用される。サイドシート18bに相当するシート材には折り返し部分を設けることによって、立体ギャザー26が形成されている。
前記のようにして得られたおむつ連続体は、おむつの脚周り開口部に相当する部分を円弧状に切り抜いて切除し(Rカット)、脚周り開口部を形成する。最後にファスニングテープ7を付設し、おむつ連続体を個々のおむつに切断することにより、テープ型おむつ100を製造する。
なお、上記のような方法の他、予めトップシート材にファスニングテープを付設しておき、バックシート材の上面に、拡散シート、吸収体及び脚周り伸縮材を載置し、更にその上面にファスニングテープが付設されたトップシート材を載置することにより、おむつ連続体を得てもよい。また、前記のような一連の工程は、機械的な手段によって連続的に行うことが可能である。例えば、長尺のシート材をローラーから連続的に送出する等の方法・装置を採用することにより、テープ型おむつの連続製造が可能となり、生産性の向上に資する。
[2−6]使い捨ておむつの適用対象:
本発明の吸収性物品である使い捨ておむつの適用対象は、前記1ピースタイプのテープ型おむつに限られるものではなく、例えば、2ピースタイプのテープ型おむつにも適用することができる。また、1ピースタイプ及び2ピースタイプのパンツ型おむつにも適用することができる。また、おむつ等の股下部に配置して使用する尿パッドに適用することもできる。即ち、これらの使い捨ておむつにおいても、これまでに説明した吸収性物品と同様に構成された吸収体と同様の構成とすることにより、これまでに説明した1ピースタイプのテープ型おむつと同様の効果を得ることができる。
「2ピースタイプ」とは、着用者の排泄物を吸収し、保持する機能(吸収・保持機能)を担う吸収性本体と、着用者の身体を被包する機能(装着機能)を担う外装部材とから構成され、外装部材の内側に吸収性本体が配置されたタイプのおむつである。
吸収性本体は、吸収体、トップシート及びバックシートを構成要素として備えた部材であり、トップシートとバックシートの間に吸収体を挟み込み、吸収体の周縁部を封着することによって製造することができる。吸収性本体は、少なくともおむつの股下部をカバーするサイズに構成される。但し、漏れ防止の効果を確実なものとするため、股下部のみならず前身頃や後身頃の一部をもカバーする大きさに構成することが好ましい。吸収性本体は、例えばホットメルト接着剤等を用いて、外装部材に対して固定することができる。
一方、外装部材は、着用者の身体を被包するための装着機能を担う部材であり、具体的には、前身頃、股下部及び後身頃の各部を形成するシート状の部材である。2ピースタイプのテープ型おむつやパンツ型おむつは、着用者の排泄液を吸収し、保持する吸収・保持機能については、専ら吸収性本体が果たすことになるので、外装部材を構成する材料として液不透過性材料を用いる必要はない。外装部材を構成する材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、その他の熱可塑性樹脂からなる合成繊維によって構成された不織布等を挙げることができる。
本発明の吸収性物品は、乳幼児用、或いは高齢者・障害者等の成人用のテープ型又はパンツ型の使い捨ておむつや衣類等の内部に配置して排泄液を吸収するための尿パッド等として利用することができる。
収性物品の一を示す一部切り欠き平面図であり、吸収性物品をトップシート側から見た状態を示す図である。 図1に示す吸収性物品をA−A’線に沿って切断した断面を示す概略断面図である。 収性物品の他のを示す一部切り欠き平面図であり、吸収性物品をトップシート側から見た状態を示す図である。 図3に示す吸収性物品をB−B’線に沿って切断した断面を示す概略断面図である。 図3に示す吸収性物品をC−C’線に沿って切断した断面を示す概略断面図である。 本発明の吸収性物品のの実施形態を示す一部切り欠き平面図であり、吸収性物品をトップシート側から見た状態を示す図である。 本発明の吸収性物品の他の実施形態を示す断面図である。 収性物品の更に他のとしてのテープ型おむつを示す一部切り欠き平面図であり、テープ型おむつを展開し、トップシート側から見た状態を示す図である。 収性物品の更に他のとしてのパンツ型おむつを示す概略斜視図であり、パンツ型おむつをその前方から見た状態を示す図である。
符号の説明
1:吸収性物品、2:前身頃、2a,2b:側縁部、4:股下部、5:サイドフラップ、6:後身頃、6a,6b:側縁部、7:ファスニングテープ、8:接合部、10:ウエスト周り開口部、11:フロントパッチ、12,12a,12b:脚周り開口部、15,15a,15b:孔部、18:トップシート、18a:センターシート、18b:サイドシート、20:バックシート、22:吸収体、23:拡散シート、26,26a,26b:立体ギャザー、36,36a,36b:立体ギャザー伸縮材、40:脚周り伸縮材、42:ウエスト周り伸縮材、46:起立線、100:テープ型おむつ、110:パンツ型おむつ。

Claims (1)

  1. 吸収体と、前記吸収体の表面を被覆するように配置され、少なくとも一部が液透過性材料からなるトップシートと、前記吸収体の裏面に配置され、液不透過性材料からなるバックシートとを備えた吸収性物品であって、
    前記吸収体は、前記吸収体の一の表面の少なくとも着用者の排泄部位に対応する領域に拡散シートが配置された状態で、その両側縁部が前記拡散シートの一部を覆うように折り返されて、その前記吸収体の内部に前記拡散シートが配置されたものであり、且つ、前記吸収体は、前記吸収体の前記両側縁部が、折り返し部分における先端部相互間の着用者の排尿部位と排便部位との二箇所の排泄部位に隙間ができるように折り返されて、前記先端部相互間の前記隙間によって、前記吸収体の表面から、前記吸収体の内部に配置された前記拡散シートの表面に連通する二つの孔部が形成されたものであり、
    前記二つの孔部を形成する前記吸収体の折り返し部分における前記先端部相互間の隙間の最大幅が5〜35mmであり、
    前記吸収体の内部に前記拡散シートが二枚配置され、一方の前記拡散シートが前記排尿部位に対応する領域に配置され、他方の前記拡散シートが前記排便部位に対応する領域に配置され、
    前記トップシートは、前記吸収体の表面を被覆するとともに、前記吸収体の前記孔部の内周面、及び前記孔部から露出している前記拡散シートを被覆するものであり、前記トップシートと前記拡散シートとは、前記拡散シートの表面側の開口部にて接合されている吸収性物品。
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