JP5174577B2 - 有機エレクトロルミネッセンス素子とその製造方法、照明装置、面状光源、表示装置 - Google Patents
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Description
また、前記第2補助電極は、線幅が狭いために有機層から発せられた光を遮る量が少なく、光の利用効率に与える影響は少ない。なお、前記第2補助電極は、線幅が狭いために配線抵抗による電圧降下の影響を受け易くなるが、本発明においては、この第2補助電極が前記第1補助電極の枠内に配置され、かつ配線抵抗による電圧降下の影響をほとんど受けない第1補助電極に電気的に接続されているという電気的接続構造を有しているために、接続端子から遠い部分の補助電極においても配線抵抗による電圧降下が緩和される。
したがって、本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子は、照明装置、バックライトとしての面状光源、フラットパネルディスプレイ等の表示装置として好ましく使用できる。
通常、支持基板1上に配置された陽極5、発光部6,陰極7からなる発光機能部を保護するために保護層(上部封止膜と呼称する場合もある)8が設けられる。そして、前記透明な第2電極7の保護層8側の表面に第1補助電極2と第2補助電極3とを有する補助電極4が形成されている。上記発光部6は、発光層10と、陽極(第1電極)5と発光層10との間に必要に応じて設けられる層9と、発光層10と陰極(第2電極)7との間に必要に応じて設けられる層11とから構成されている。
なお、本実施形態では、第1電極5が陽極であり、透明な第2電極7が陰極であるが、発光機能部の積層順を逆順にして、第1電極が陰極であり、第2電極が陽極である有機EL素子を構成してもよい。
本実施形態において、第2電極7は、3層の積層体から構成されている。3層の積層体は、発光部6側から順に積層された第1層7a、第2層7b、第3層7cの3層からなる。
3LiF+Al→3Li+AlF3、ΔrH°=−36.28
となり、吸熱反応であることからAlはLiFに対する還元能を有しない。また、LiFとCaの組み合わせでは、
2LiF+Ca→2Li+CaF2、ΔrH°=+38.58
となり、放熱反応であることからCaはLiFに対する還元能を有する。
(1)2BaO+Al→2Ba+AlO2,ΔrH°=+197.6
(2)BaO+Ca→Ba+CaO,ΔrH°=+172.4
(3)BaO+Mg→Ba+MgO,ΔrH°=+217.2
(4)BaF+Ca→Ba+CaF,ΔrH°=+55.2
(5)2BaF+Ca→2Ba+CaF2,ΔrH°=+51.0
(6)BaF+Mg→Ba+MgF,ΔrH°=+135.9
(7)2BaF+Mg→2Ba+MgF2,ΔrH°=+139.3
(8)2LiF+Ca→2Li+CaF2,ΔrH°=+38.5
(9)CsF+Ca→Cs+CaF,ΔrH°=+14.7
(10)CsF+Ag→Cs+AgF,ΔrH°=+158.0
(11)Cs2CO3+Al→2Cs+AlO+CO2,ΔrH°=+303.0
(12)Cs2CO3+Ca→2Cs+CaO+CO2,ΔrH°=+431.6
(13)Cs2CO3+Ag→2Cs+AgO+CO2,ΔrH°=+595.4
(14)2Na2O+Al→4Na+AlO2,ΔrH゜=+41.7
(15)2Rb2O+Al→4Rb+AlO2,ΔrH゜=+41.7
(16)Rb2O+Ca→2Rb+CaO,ΔrH゜=+94.4
この場合、上記に列挙したように、カルシウム、アルミニウム、マグネシウムを第2層7bの材料として好適に用いることができる。
第3層7cを構成する材料は、金、銀、銅、錫、鉛、ニッケル、インジウム、及びこれらの合金からなる群より選択されることが好ましい。
例えば、第2電極7として、第1層7aにBaを5nm、第2層7bにAlを1nm、第3層7cにAgを15nmの構成を用いた場合、第3層7c上に、補助電極4を介させて、反射防止層としてWO3を21nm積層すると、発光層10側からの光透過率が10%向上する。
本実施形態の有機エレクトロルミネッセンス素子においては、上記補助電極4は、前記陽極(第1電極)5の表面上に配置され、前記第1電極に電気的に接続された枠状の第1補助電極2と、前記第1補助電極2の枠内に配置されるとともに、該第1補助電極2に電気的に接続され、該第1補助電極2よりも線幅が狭い第2補助電極3とを備える。
本実施形態においては、前記第2電極7の表面上に第1補助電極2及び第2補助電極3を上記のような形態で配置することにより、有機エレクトロルミネッセンス素子の発光面積が大きい場合でも発光輝度のムラを十分に抑制することが可能となる。また例えばアクティブマトリクス型の表示装置において、複数の有機エレクトロルミネッセンス素子に共通の透明陰極を1枚の第2電極7で構成することができる。各有機エレクトロルミネッセンス素子の発光面積が小さい場合でも、補助電極4によって第2電極7の電圧降下の影響を低減することができ、画素間での輝度ムラを抑制することができる。
このような補助電極の配置形態を取ることにより、発光面積がさらに大きな素子においても、本発明の効果を得ることができる。
続いて、これら第2電極7及び補助電極4以外の有機エレクトロルミネッセンス素子の構成要素について、以下に詳しく説明する。
支持基板1としては、有機エレクトロルミネッセンス素子を形成する工程において変化しないもの、すなわち、電極を形成し、有機物の層を形成する際に変化しないものであればよく、リジッド基板でも、フレキシブル基板でもよく、例えば、ガラス板、プラスチック板、高分子フィルムおよびシリコン板、並びにこれらを積層した積層板などが好適に用いられる。さらに、プラスチック、高分子フィルムなどに低透水化処理を施したものを用いることもできる。前記基板としては、市販のものが使用可能である。また前記基板を公知の方法により製造することもできる。
本実施形態において第1電極5は、通常、基板1上に、直接又は必要に応じて他の層を介して設けられる。第1電極5は、通常、発光層10からの光を第2電極7側へ反射させる反射電極として設けられる。第1電極5は、アクティブマトリックス駆動方式のための回路に接続されて設けられることが好ましい。例えばアクティブマトリックス駆動方式用の回路が形成されたTFT基板上に第1電極を形成すればよい。
(1)Al
(2)Ag
(3) Ag−MoO3
(4) AgとPdとCuとの合金−ITO
(5) AlとNdとの合金−ITO
(6) MoとCrとの合金−ITO
(7) Cr−Al−Cr−ITO
(8) Cr−Ag−Cr−ITO
(9) Cr−Ag−Cr−ITO−MoO3
(10) AgとPdとCuとの合金−IZO
(11) AlとNdとの合金−IZO
(12) MoとCrとの合金−IZO
(13) Cr−Al−Cr−IZO
(14) Cr−Ag−Cr−IZO
(15) Cr−Ag−Cr−IZO−MoO3
なお、上記(3)〜(15)までの表記において、記号「−」は、各積層間の界面を表し、表記の左側が基板側である。十分な光反射率を得る為に、Al、Ag、Al合金、Ag合金などの高光反射性金属層の膜厚は50nm以上である事が好ましく、より好ましくは80nm以上である。ITO、IZOなどの高仕事関数材料層の膜厚は通常、5nm〜500nmの範囲である。
Raは、日本工業規格JISのJIS−B0601−2001に基づいて、JIS−B0651からJIS−B0656およびJIS−B0671−1等を参考に計測できる。
本実施形態において、陽極(第1電極5)と発光層10との間に必要に応じて設けられる層9としては、正孔注入層、正孔輸送層、電子ブロック層等が挙げられる。
上記正孔輸送層とは、陽極、正孔注入層または陽極により近い正孔輸送層らの正孔注入を改善する機能を有する層である。
電子ブロック層は、電子の輸送を堰き止める機能を有する層である。なお正孔注入層、及び/又は正孔輸送層が電子の輸送を堰き止める機能を有する場合には、これらの層が電子ブロック層を兼ねることがある。
電子ブロック層が電子の輸送を堰き止める機能を有することは、例えば、電子電流のみを流す素子を作製し、その電流値の減少で堰き止める効果を確認することが可能である。
正孔注入層は、陽極と正孔輸送層との間、または陽極と発光層との間に設けることができる。正孔注入層を構成する材料としては、公知の材料を適宜用いることができ、特に制限はない。例えば、フェニルアミン系、スターバースト型アミン系、フタロシアニン系、ヒドラゾン誘導体、カルバゾール誘導体、トリアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、アミノ基を有するオキサジアゾール誘導体、酸化バナジウム、酸化タンタル、酸化タングステン、酸化モリブデン、酸化ルテニウム、酸化アルミニウム等の酸化物、アモルファスカーボン、ポリアニリン、ポリチオフェン誘導体等が挙げられる。
正孔輸送層を構成する材料としては、特に制限はないが、例えば、N,N’−ジフェニル−N,N’−ジ(3−メチルフェニル)4,4’−ジアミノビフェニル(TPD)、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(NPB)等の芳香族アミン誘導体、ポリビニルカルバゾールもしくはその誘導体、ポリシランもしくはその誘導体、側鎖もしくは主鎖に芳香族アミンを有するポリシロキサン誘導体、ピラゾリン誘導体、アリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、トリフェニルジアミン誘導体、ポリアニリンもしくはその誘導体、ポリチオフェンもしくはその誘導体、ポリアリールアミンもしくはその誘導体、ポリピロールもしくはその誘導体、ポリ(p−フェニレンビニレン)もしくはその誘導体、またはポリ(2,5−チエニレンビニレン)もしくはその誘導体などが例示される。
アリール基としては、フェニル基、ナフチル基等があげられ、1価の複素環基としては、ピリジル基等があげられ、これらの基は置換基を有していてもよい。
なお、この重合体の中では、架橋基を含んでいるものがより好ましい。
溶液からの成膜方法としては、前述した正孔注入層の成膜法と同様の塗布法を挙げることができる。
発光層10は、通常、主として蛍光または燐光を発光する有機物を有する。発光層10は、有機物として低分子化合物及び/又は高分子化合物を含んでいる。また、さらにドーパント材料を含んでいてもよい。この実施形態において用いることができる発光層を形成する材料としては、例えば以下のものが挙げられる。なお、陽極5と陰極7との間には、一層の発光層に限らず、複数の発光層が配置されてもよい。
色素系材料としては、例えば、シクロペンダミン誘導体、テトラフェニルブタジエン誘導体化合物、トリフェニルアミン誘導体、オキサジアゾール誘導体、キナクリドン誘導体、クマリン誘導体、ピラゾロキノリン誘導体、ジスチリルベンゼン誘導体、ジスチリルアリーレン誘導体、ピロール誘導体、チオフェン環化合物、ピリジン環化合物、ペリノン誘導体、ペリレン誘導体、オリゴチオフェン誘導体、トリフマニルアミン誘導体、オキサジアゾールダイマー、ピラゾリンダイマーなどが挙げられる。
金属錯体系材料としては、例えば、イリジウム錯体、白金錯体等の三重項励起状態からの発光を有する金属錯体、アルミキノリノール錯体、ベンゾキノリノールベリリウム錯体、ベンゾオキサゾリル亜鉛錯体、ベンゾチアゾール亜鉛錯体、アゾメチル亜鉛錯体、ポルフィリン亜鉛錯体、ユーロピウム錯体など、中心金属に、Al、Zn、BeなどまたはTb、Eu、Dyなどの希土類金属を有し、配位子にオキサジアゾール、チアジアゾール、フェニルピリジン、フェニルベンゾイミダゾール、キノリン構造などを有する金属錯体などを挙げることができる。
高分子系材料としては、ポリパラフェニレンビニレン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ポリパラフェニレン誘導体、ポリシラン誘導体、ポリアセチレン誘導体、ポリフルオレン誘導体、ポリビニルカルバゾール誘導体、上記色素体や金属錯体系発光材料を高分子化したものなどが挙げられる。
また、緑色に発光する材料としては、キナクリドン誘導体、クマリン誘導体、およびそれらの重合体、ポリパラフェニレンビニレン誘導体、ポリフルオレン誘導体などを挙げることができる。なかでも高分子材料のポリパラフェニレンビニレン誘導体、ポリフルオレン誘導体などが好ましい。
また、赤色に発光する材料としては、クマリン誘導体、チオフェン環化合物、およびそれらの重合体、ポリパラフェニレンビニレン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ポリフルオレン誘導体などを挙げることが出来る。なかでも高分子材料のポリパラフェニレンビニレン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ポリフルオレン誘導体などが好ましい。
発光層中に発光効率の向上や発光波長を変化させるなどの目的で、ドーパントを添加することができる。このようなドーパントとしては、例えば、ペリレン誘導体、クマリン誘導体、ルブレン誘導体、キナクリドン誘導体、スクアリウム誘導体、ポルフィリン誘導体、スチリル系色素、テトラセン誘導体、ピラゾロン誘導体、デカシクレン、フェノキサゾンなどを挙げることができる。なお、このような発光層の厚さは、通常約20〜2000Åである。
有機物を含む発光層の成膜方法としては、発光材料を含む溶液を発光層形成領域の面上に塗布する方法、発光層形成領域の面上に真空蒸着法を用いて堆積させる方法、所定の基体の上に発光材料を含む溶液を塗布し、この塗膜を成膜化し、得られた膜を発光層領域に転写する方法などを用いることができる。溶液からの成膜に用いる溶媒の具体例としては、前述の溶液から正孔輸送層を成膜する際に正孔輸送材料を溶解させる溶媒と同様の溶媒が挙げられる。
記発光層10と第2電極(陰極)7との間に、必要に応じて、電子注入層、電子輸送層、正孔ブロック層等の層11が積層される。
電子注入層は、陰極からの電子注入効率を改善する機能を有する層である。
電子輸送層は、陰極、電子注入層または陰極により近い電子輸送層からの電子注入を改善する機能を有する層である。
正孔ブロック層は、正孔の輸送を堰き止める機能を有する層である。なお電子注入層、及び/又は電子輸送層が正孔の輸送を堰き止める機能を有する場合には、これらの層が正孔ブロック層を兼ねることがある。
正孔ブロック層が正孔の輸送を堰き止める機能を有することは、例えばホール電流のみを流す素子を作製し、その電流値の減少で堰き止める効果を確認することが可能である。
電子注入層は、先に述べたように、電子輸送層と第2電極7との間、または発光層10と第2電極7との間に設けられる。電子注入層としては、発光層10の種類に応じて、アルカリ金属やアルカリ土類金属、あるいは前記金属を一種類以上含む合金、あるいは前記金属の酸化物、ハロゲン化物および炭酸化物、あるいは前記物質の混合物などが挙げられる。
この電子注入層の膜厚としては、1nm〜1μm程度が好ましい。
電子輸送層を形成する材料としては、公知のものが使用でき、オキサジアゾール誘導体、アントラキノジメタンもしくはその誘導体、ベンゾキノンもしくはその誘導体、ナフトキノンもしくはその誘導体、アントラキノンもしくはその誘導体、テトラシアノアンスラキノジメタンもしくはその誘導体、フルオレノン誘導体、ジフェニルジシアノエチレンもしくはその誘導体、ジフェノキノン誘導体、または8−ヒドロキシキノリンもしくはその誘導体の金属錯体、ポリキノリンもしくはその誘導体、ポリキノキサリンもしくはその誘導体、ポリフルオレンもしくはその誘導体等が例示される。
第2電極7は、先に詳述した通りである。
a)陽極/発光層/陰極
b)陽極/正孔注入層/発光層/陰極
c)陽極/正孔注入層/発光層/電子注入層/陰極
e)陽極/正孔注入層/発光層/電子輸送層/陰極
f)陽極/正孔注入層/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極
d)陽極/正孔輸送層/発光層/陰極
e)陽極/正孔輸送層/発光層/電子注入層/陰極
f)陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極
g)陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極
h)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/陰極
i)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子注入層/陰極
j)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極
k)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極
l)陽極/発光層/電子注入層/陰極
m)陽極/発光層/電子輸送層/陰極
n)陽極/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極
(ここで、記号「/」は、記号「/」を挟む各層が隣接して積層されていることを示す。以下同じ。)
q)陽極/電荷注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電荷注入層/電荷発生層/電荷注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電荷注入層/陰極
また、3層以上の発光層を有する有機EL素子としては、具体的には、(電荷発生層/電荷注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電荷注入層)を一つの繰り返し単位として、以下のr)に示す前記繰り返し単位を2つ以上含む層構成を挙げることができる。
r) 陽極/電荷注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電荷注入層/(該繰り返し単位)/(該繰り返し単位)/・・・/陰極
上記層構成p)およびq)において、陽極、電極、陰極、発光層以外の各層は必要に応じて削除することができる。
ここで、電荷発生層とは電界を印加することにより、正孔と電子を発生する層である。電荷発生層としては、例えば酸化バナジウム、ITO、酸化モリブデンなどから成る薄膜を挙げることができる。
有機EL素子においては、通常基板側に陽極が配置されるが、基板側に陰極を配置するようにしてもよい。
上述のように第2電極(陰極)7が形成された後、基本構造として第1電極(陽極)5−発光部6−第2電極(陰極)7−補助電極4を有してなる発光機能部を保護するために、該発光機能部を封止する保護層(上部封止膜)8が形成される。この保護層8は、通常、少なくとも一つの無機層と少なくとも一つの有機層を有する。積層数は、必要に応じて決定され、基本的には、無機層と有機層は交互に積層される。
(A:第1電極(陽極)の形成)
ガラス基板上に、真空蒸着法にて、第1電極(陽極)である厚さ100nmの銀層を成膜した。本銀層は反射率90%の光反射陽極である。さらに、真空を保ったまま、光反射陽極上に、正孔注入層として、厚さ10nmのMoO3層をさらに成膜した。
正孔輸送性高分子材料及びキシレンを混合し、正孔輸送性高分子材料の0.7重量%キシレン溶液(正孔輸送層形成用組成物)を得た。
この塗膜を設けた基板を190℃で20分間加熱し、塗膜を不溶化させた後、室温まで自然冷却させ、正孔輸送層を得た。
発光高分子材料及びキシレンを混合し、発光高分子材料の1.4重量%キシレン溶液(発光層形成用組成物)を得た。
この塗膜を設けた基板を130℃で20分間加熱し、溶媒を蒸発させた後、室温まで自然冷却させ、発光層を得た。
上記(C)で得た、陽極、正孔注入層、正孔輸送層及び発光層を有する基板の発光層の上に、真空蒸着法によって、第2電極(陰極)の第1層である5nmのBa層、第2層である5nmのCa層、第3層である15nmのSn−Ag合金(モル比はSn:Ag=96:4)層を、連続的に成膜し、第1層〜第3層からなる陰極を形成した。
上記(D)で得た、発光機能部が積層された基板を真空蒸着装置より取り出し、窒素雰囲気下、封止ガラス及び2液混合エポキシ樹脂にて前記基板上の発光機能部を封止し、有機エレクトロルミネッセンス素子1を得た。
上記(E)で得られた素子に、0V〜12Vまでの電圧を印加し、最大発光効率を測定した。さらに、初期輝度6000cd/m2となる電流で通電し、一定電流を通電の下、輝度半減寿命を測定した。結果を(表1)に示す。
第2電極(陰極)の第3層として15nmのCu層を成膜した他は、作製例1と同様に操作し、有機エレクトロルミネッセンス素子2を得て評価した。結果を(表1)に示す。
第2電極(陰極)の第2層として1nmのAl層、第3層として15nmのCu層を成膜した他は、作製例1と同様にして有機エレクトロルミネッセンス素子3を作製し、得られた有機エレクトロルミネッセンス素子3を作製例1と同様に評価した。結果を(表1)に示す。
第2電極(陰極)の第3層として15nmのAg層を成膜した他は、作製例3と同様にして有機エレクトロルミネッセンス素子4を作製し、得られた有機エレクトロルミネッセンス素子4を作製例1と同様に評価した。結果を(表1)に示す。
以上の作製例1〜4の第3層を、上記の材料で上記の膜厚にそれぞれ形成した場合、各作製例の第3層の可視光透過率は、それぞれ40%以上となる。
第2電極(陰極)のCa層を成膜せず、第1層上に直接15nmのSn−Ag合金層を成膜した他は、作製例1と同様にして有機エレクトロルミネッセンス素子5を作製し、得られた有機エレクトロルミネッセンス素子5を作製例1と同様に評価した。結果を(表1)に示す。
第2電極(陰極)のCa層を成膜せず、第1層上に直接15nmのCu層を成膜した他は、作製例1と同様にして有機エレクトロルミネッセンス素子6を作製し、得られた有機エレクトロルミネッセンス素子6を作製例1と同様に評価した。結果を(表1)に示す。
また、作製例2、作製例3及び参考例2を参照すれば明らかな通り、Baの第1層、Ca又はAlの第2層、及びCuの第3層の3層からなる陰極を使用すると、かかる第2層を省略しBaの層及びCuの層の2層のみからなる陰極を使用した場合に比べて、発光効率が優れていた。また、輝度半減寿命も優れていた。
さらに、作製例4に示される通り、Baの第1層及びAlの第2層に加えて第3層としてAgのみからなる層を用いた場合に、発光効率及び輝度半減寿命のいずれもが最も優れていた。
第2電極(陰極)の第1層として3.5nmのLiF層、第2層として4nmのCa層、第3層として15nmのAg層を成膜した他は、作製例1と同様に操作し、有機エレクトロルミネッセンス素子7を得て評価した。結果を(表2)に示す。
第2電極(陰極)の第1層として3.5nmのLiF層を成膜し、Ca層を成膜せず第1層上に直接15nmのAg層を成膜した他は、作製例1と同様に操作し、有機エレクトロルミネッセンス素子8を得て評価した。結果を(表2)に示す。
なお、合成例1、2において用いた下記構造式(A)〜(C)で表される化合物A〜Cは、国際公開2000/046321号パンフレットに記載された方法に従って合成した。
下記一般式(2)で表される高分子化合物1を以下の方法により合成した。
下記一般式(3)で表される高分子化合物2を以下の方法により合成した。
この作製例6では、透明な第1電極に補助電極を形成した場合の効果を確認するために、透明陽極の基板側の表面に補助電極を配置した有機エレクトロルミネッセンス素子を製造した。
上記作製例6において、補助電極を形成する際のフォトマスクとして、線幅20mmのラインから構成される正方形の枠状の開口部のみを有するフォトマスクを用いた以外は、作製例6と同様にして、作製例6の有機エレクトロルミネッセンス素子に対する比較用の有機エレクトロルミネッセンス素子を作製した。
上記作製例6において、補助電極を形成する際のフォトマスクとして、縦×横のピッチがそれぞれ300μm×100μm、縦×横の線幅がそれぞれ70μm×30μmからなる格子型の開口部とを有するフォトマスクを用いた以外は、作製例6と同様にして、作製例6の有機エレクトロルミネッセンス素子に対する比較用の有機エレクトロルミネッセンス素子を作製した。
作製例6及び参考例4,5で得られた有機エレクトロルミネッセンス素子の発光特性を評価した。具体的には、素子全体に8Vの電圧を印加した際の発光輝度を測定し、さらに発光面の様子を目視にて観察した。得られた結果を下記(表3)に示す。
2,2a,2b,2c,2d 第1補助電極
3,3a,3b,3c,3d 第2補助電極
4 補助電極
5 第1電極(陽極)
6 発光部
7 透明な第2電極(陰極)
7a 第2電極の第1層
7b 第2電極の第2層
7c 第2電極の第3層
8 保護膜(上部封止膜)
9 陽極と発光層との間に設けられる層
10 発光層
11 陰極と発光層との間に設けられる層
Claims (15)
- 陽極および陰極のうちのいずれか一方の電極である第1電極と、
前記陽極および陰極のうちの他方の電極である透明な第2電極と、
前記第2電極と比較して電気抵抗が低く、前記第2電極に接して設けられた補助電極と、
前記第1電極および第2電極の間に配置される発光層と、を含み、
前記透明な第2電極が、前記発光層側から第1層、第2層および第3層の順に配置された3層の積層体からなり、
前記第1層が金属、金属酸化物、金属フッ化物、及びこれらの混合物からなる群より選択される材料を含み、
前記第2層がカルシウム、アルミニウム、及びマグネシウムからなる群より選択される金属を含み、
前記第3層の可視光の透過率が40%以上であり、
前記補助電極が、
枠状の第1補助電極と、
該第1補助電極の枠内に配置されるとともに、該第1補助電極に電気的に接続され、該第1補助電極よりも線幅が狭い第2補助電極と、を有し、
前記第1層が金属酸化物および金属フッ化物のうちの少なくともいずれか一方を含み、
前記第2層に含まれる材料が、前記第1層に含まれる材料に対する還元剤である有機エレクトロルミネッセンス素子。 - 前記第1層が金属を含み、
前記第2層に含まれる材料が前記第1層に含まれる金属の酸化物に対する還元剤である請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。 - 陽極および陰極のうちのいずれか一方の電極である第1電極と、
前記陽極および陰極のうちの他方の電極である透明な第2電極と、
前記第2電極と比べて電気抵抗が低く、前記第2電極に接して設けられる補助電極と、
前記第1電極および第2電極の間に配置される発光層と、を含み、
前記透明な第2電極が、前記発光層側から第1層、第2層および第3層の順に配置された3層の積層体からなり、
前記第2層に含まれる材料が前記第1層に含まれる材料に対して還元作用を有し、
前記第3層の可視光の透過率が40%以上であり、
前記補助電極が、
枠状の第1補助電極と、
該第1補助電極の枠内に配置されるとともに、該第1補助電極に電気的に接続され、該第1補助電極よりも線幅が狭い第2補助電極と、を有する有機エレクトロルミネッセンス素子。 - 前記第1層が金属、金属酸化物、金属フッ化物、及びこれらの混合物からなる群より選択される材料を含む請求項3に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
- 前記第2層が、カルシウム、アルミニウム、マグネシウム、及びこれらの混合物からなる群より選択される金属を含む請求項3又は4に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
- 前記第1層が、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アルカリ金属の酸化物、アルカリ土類金属の酸化物、アルカリ金属のフッ化物、アルカリ土類金属のフッ化物、及びこれらの混合物からなる群より選択される材料を含む請求項1〜5のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
- 前記第1層がバリウム、酸化バリウム、フッ化バリウム、及びこれらの混合物からなる群より選択される材料を含む請求項6に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
- 前記第1層がナトリウム、酸化ナトリウム、フッ化ナトリウム、及びこれらの混合物からなる群より選択される材料を含む請求項6に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
- 前記第1層がルビジウム、酸化ルビジウム、フッ化ルビジウム、及びこれらの混合物からなる群より選択される材料を含む請求項6に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
- 前記第3層が、金、銀、銅、錫、鉛、ニッケル、インジウム、及びこれらの合金からなる群より選択される材料からなり、
該第3層の膜厚が5nm以上30nm以下である請求項1〜9のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。 - 前記第1電極の可視光に対する反射率が80%以上である請求項1〜10のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
- 前記第2補助電極の線幅を前記第1補助電極の線幅で除した値が、1/1000〜1/10である請求項1〜11のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
- 請求項1〜12のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子を備えることを特徴とする照明装置。
- 請求項1〜12のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子を備えることを特徴とする面状光源。
- 請求項1〜12のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子を備えることを特徴とする表示装置。
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