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JP5166749B2 - 近接型イメージインテンシファイア - Google Patents

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Description

本発明は、近接型イメージインテンシファイアに関する。
イメージインテンシファイア(Image Intensifier)は、高感度で高速な二次元センサとして、特に、画像入力装置(例えば高感度テレビカメラ)の撮像素子などに広く用いられている。従来は、イメージインテンシファイアの素子形状として、電子レンズを用いたものが使用されてきたが、最近では、小型で軽量の近接型のものが一般的になってきている。
まず、一般的な近接型イメージインテンシファイアについて、その作動原理を説明する。図1は、近接型イメージインテンシファイアの構造図を模式的に示したものである。この図に示すように、イメージインテンシファイアは、光入射面側から、光電面1、マイクロチャネルプレート(MCP)2、光ファイバプレート4の順に並べて構成される。光ファイバプレート4には、入射面側に、蛍光面3が設置されている。
このように構成される近接型イメージインテンシファイア10において、光入射面に光が入射すると、光電面1において、光(光子)が電子に変換される(これを、一般に光電子放出という)。次に、この変換された電子は、MCP2の方向に進み、MCP2内部で加速、増倍される。その後、電子は、光ファイバプレート4の蛍光面3に侵入し、この際に、再度電子から光(光子)に変換され、これにより発光が生じる。蛍光面3での発光により生じた画像は、光ファイバを束ねて構成された光ファイバプレート4によって、入射側と反対の側から、出力画像として出力される。
近年、このような近接型イメージインテンシファイア10については、特に光ファイバプレート4を始め、様々な改良が加えられている。図2には、改良型の光ファイバプレート4の電子入射面側の断面構造を示す。
この図において、光ファイバプレート4は、多数の光ファイバ40を束ねることにより構成されている。また、光ファイバ40のそれぞれは、中心側の光を導波するコア部40aと、このコア部を取り囲むクラッド部40bとで構成される。クラッド部40bは、コア部40aよりも屈折率が低い材料で構成される。この光ファイバ40の入射側端部では、コア部40aが凹型に定形されており、この凹部11には、蛍光体粉末20が充填されている。なお、通常の場合、帯電防止のため、光ファイバプレート4の端面(最表面)には、メタルバック層15が設置されている。このような構造で構成された光ファイバプレート4では、蛍光体20が凹部11にのみ設置されているため、蛍光体20で生じた光がコア部40aに入射される確率が高くなり、光散乱が抑制される。従って、光ファイバプレート4の入射面全体に、蛍光体粉末を均一に塗布した場合に比べて、解像度の向上を図ることができる(特許文献1)。
ただし、このイメージインテンシファイアの構造では、MCP2から放射される電子は、メタルバック層15に衝突した際に、一部が乱反射される。また、MCP2と蛍光面3の間には、電圧が印加されている。従って、乱反射によって真空中に再放出された電子は、印加電圧により生じる電界によって再び蛍光面方向に向かって加速され、最終的に、蛍光面3に再入射される。このため、いわゆるハレーション現象(一度蛍光面上で散乱した電子が、再び蛍光面上の別の部分に入射して、最初の入射範囲よりも広い範囲で発光が生じ、出力分解能が低下する現象)が生じてしまう。
そこで、このようなハレーションの問題を軽減するため、図3に示すように、コア部40aの凹部11の深さをさらに深くして、この凹部11の底部に蛍光体粉末20を充填することにより、解像度をさらに向上させる技術が提案されている(特許文献2)。
特開昭62−252043号公報 特開平10−172458号公報
図2および3に示したような光ファイバプレートを備える近接型イメージインテンシファイアでは、光ファイバプレート4の蛍光面は、粉末状の蛍光体20をコア部40aの凹部11に塗布することにより製作される。従って、粉末蛍光体20を光ファイバ40のコア部40aの凹部11に充填するためには、コア部40aは、少なくとも蛍光体の粒径を超える直径を有する必要がある。例えば、現在広く使用されている蛍光体粉末は、通常3μm〜8μm程度の粒径を有するが、この場合、コア部40aには、8μmを超えない直径を有する蛍光体粉末が使用される。
しかしながら、ハイビジョンまたはそれ以上の高解像度に対応した近接型イメージインテンシファイアを製作しようとした場合、近接型イメージインテンシファイア10またはMCP2の広径が数インチの場合、8μm以下の直径のコア部40aを有する光ファイバプレート4が必要となる。このような直径の小さな各コア部40aの端部に、均等に所定の深さの凹部を精度良く形成することは、極めて難しい。また、各コア部40aにそのような凹部11を形成することができたとしても、今度は、そのような微細な凹部11に、蛍光体粉末20を所望の位置に均一に充填しなければならない。しかしながら、そのような蛍光体の充填を、3μm程度の粒径を有する蛍光体粉末を凹部に塗布することにより行うことは、極めて困難である。一方、8μm程度の粒径の大きな蛍光体を用いた場合には、コア部40aの凹部11に塗布した蛍光体の均一性、分散性は、著しく低下してしまう。さらに、このような粒径が大きく均一性の劣る蛍光体を設置した蛍光面3を有する光ファイバプレート4を、イメージインテンシファイア10に使用した場合、表示画像にばらつきが生じ、画像のばらつきノイズであるFPN(Fixed Pattern Noise)が増大してしまうという問題が生じる。さらに、粒径が1μm以下の蛍光体粉末を使用した場合、蛍光体の占める体積に対する表面積の割合が増加するため、蛍光体表面の欠陥密度が飛躍的に増大し、発光効率が低下するため、イメージインテンシファイアの感度が低下してしまうという問題が生じる。
本発明は、このような問題に鑑みなされたものであり、製作がより容易で、FPNが抑制された近接型イメージインテンシファイアを提供することを目的とする。
本発明では、入射面側に入射された電子により光を発する蛍光体が設置された光ファイバプレートを備える近接型イメージインテンシファイアであって、
前記蛍光体は、前記光ファイバプレートの入射面側に層状に形成された蛍光体層として設置され、
該蛍光体層は、一般式が(MI)Ga:Re(ここで、MI=Ca、SrまたはEuであり、Re=Eu2+またはCe3+である)で表される材料で構成されることを特徴とする近接型イメージインテンシファイアが提供される。
ここで、前記光ファイバプレートは、コア部とその周囲に設置されたクラッド部とからなる光ファイバを複数本結束させることにより構成され、
前記蛍光体層は、前記コア部とクラッド部の端面に連続的に設置されても良い。
あるいは、前記光ファイバプレートは、コア部とその周囲に設置されたクラッド部とからなる光ファイバを複数本結束させることにより構成され、
各コア部の先端には、凹部が形成され、
前記蛍光体層は、前記凹部の底面に設置されても良い。
また、前記凹部の深さは、1μm〜10μmの範囲であっても良い。
また、前記蛍光体層は、厚さが0.5μm〜1μmの範囲であっても良い。
本発明では、製作が容易で、使用時のFPNを抑制することが可能な近接型イメージインテンシファイアを得ることが可能となる。
本発明は、光ファイバプレートの電子入射側端面に、薄膜蛍光体を層状に設置することにより、蛍光面を構成することを第1の特徴とするものである。光ファイバプレートの端面に層状の蛍光体を設置する際には、例えば、蒸着技術など、公知の高精度微細成膜技術を適用することができるため、従来の粉末状の蛍光体をコア部の凹部に塗布する場合に比べて、極めて容易に蛍光面を形成することが可能となる。
さらに本発明では、粉末状の蛍光体を使用していないため、将来、高解像度化のため光ファイバのコア部の直径が現状の約8μmよりも微細になったとしても、本構成をそのまま適用することができる。従って、本発明の近接型イメージインテンシファイアでは、現在の、すなわち光ファイバのコア部の直径が8μm程度の近接型イメージインテンシファイアにおいて得られているハレーションに対する良好な抑制効果を、そのまま維持することができる。
さらに、本発明の近接型イメージインテンシファイアでは、従来の粉末状の蛍光体をコア部の凹部に塗布する場合に問題となる、蛍光体の均一性の問題が解消され、従来の近接型イメージインテンシファイアを使用する際に生じやすいFPNを抑制することが可能となる。
しかしながら、単に従来の蛍光体材料、例えばP46蛍光体(YAl12:Ce)を、光ファイバプレートの入射側端面に層状に設置しただけでは、効率よく発光を生じさせることはできない。これは、P46蛍光体(YAl12:Ce)は、元来、電子線励起用蛍光体として開発された材料であり、発光感度が低いという材料特有の問題があるためである。
そこで本発明では、蛍光体材料として、従来のP46蛍光体(YAl12:Ce)ではなく、一般式が(MI)Ga:Reで表される材料を使用することを第2の特徴としている。ここで、MI=Ca、SrまたはEuであり、Re=Eu2+またはCe3+である。
この材料は、6kV以下の中低加速電圧領域において、良好な発光特性を示す。
例えば、CRT用に一般に使用されているP22蛍光体(ZnS:Ag,Cl)(P46蛍光体(YAl12:Ce)よりも発光効率が高い材料)と、本発明に使用される一般式が(MI)Ga:Reで表される材料(SrGa:Ce)について、発光効率を比較した場合、以下のような差異が生じることが知られている(例えば、チャン(F.−L.Zhang)ら、アプライドフィジックスレター(Appl.Phys.Lett.)、72巻、2226、1998年)。すなわち、P22蛍光体(ZnS:Ag,Cl)およびSrGa:Ceを用いて、2kVの加速電圧で電子線をこれらの材料に照射した場合、100cd/mの輝度が得られる際の発光効率は、それぞれ、1.53lm(ルーメン)/W(ワット)および5.64lm(ルーメン)/W(ワット)となる。
これは、本発明に使用される材料(SrGa:Ce)では、同一の条件で比較した場合、発光効率がP22蛍光体(ZnS:Ag,Cl)に比べて約3.7倍大きくなることを示している。従って、P22蛍光体(ZnS:Ag,Cl)よりも発光効率の劣る、従来のイメージインテンシファイア用の蛍光体材料であるP46蛍光体(YAl12:Ce)と比較した場合、本発明に使用される蛍光体材料では、さらに良好な発光効率が得られることになる。
このように、一般式が(MI)Ga:Reで表される材料を蛍光体層として使用することにより、発光効率が高まり、同一の発光効率で比較した場合、従来のP46蛍光体(YAl12:Ce)を使用する場合に比べて、MCP2と光ファイバプレートの間の印加電圧を低下させることが可能となる。
さらにこの材料は、P46蛍光体(YAl12:Ce)と同様の「高速応答性」(すなわち、発光後の減衰時間が短いという特性)を有し、10%残光は、0.2μs〜0.4μs程度である。なお、一般式が(MI)Ga:Reで表される材料が良好な高速応答性を示すのは、この材料の発光に、Eu2+またはCe3+イオン内の内殻遷移(P46蛍光体(YAl12:Ce)と同様の許容遷移)が使用されるためである。
ここで、フェルドマン(C.Feldman)の式によれば、蛍光体材料に電子線を照射した際の電子の侵入長R(Å)(電子が蛍光体に入射した際の、最大侵入深さ距離)は、以下のように表される(C.Feldman、Phys.Rev.、117巻、455、1960年):
R=250×A/ρ(E/Z1/2 (1)
ただし、ρはバルク密度、Aは分子量、Zは平均原子番号、Eは加速電圧(kV)であり、n=1.2/(1−0.29log10Z)である。
特に、この式は、中低加速電圧領域(100V〜15kV)においてよい一致を示すことが知られている。そこでこの式を用いて、一般式が(MI)Ga:Re(ただし、MI=Ca、SrまたはEuであり、Re=Eu2+またはCe3+)で表される蛍光体材料の電子の侵入長Rを求めると、6kVの加速電圧では、R>0.5μmとなる。従って、一般式が(MI)Ga:Reで表される蛍光体材料を、これ以上の厚さ(例えば、0.5μm)となるように光ファイバプレートの電子入射側に設置すれば、侵入電子が蛍光体層を突き抜けてしまうという問題は生じなくなる。換言すれば、一般式が(MI)Ga:Reで表される蛍光体材料を適用することにより、例えば6kV程度の中低加速電圧条件下においても、薄膜蛍光体を使用することが可能となる。
また、本発明では、MCP2と光ファイバプレートの間に印加される電圧、さらには電界を低下させることが可能になるため、従来、蛍光体の帯電防止用に設けられていたメタルバック層15を除去することが可能となる。従って、メタルバック層15での電子の反射によって生じるハレーションを抑制することができる。さらに、イメージインテンシファイアの製造コストを抑制することが可能となる。
以下、図面により本発明の形態を説明する。
図4には、本発明による近接型イメージインテンシファイアの一部を構成する光ファイバプレートの電子入射側端面の拡大断面図を示す。なお、本発明によるイメージインテンシファイアの基本構造は、図1に示した従来のものと同様であるので、全体構造および動作についての説明は、省略する。
本発明による光ファイバプレート104は、図4に示すように、クラッド部140bで被覆されたコア部140aを有する多数の光ファイバ140を結束させることにより構成される。光ファイバ140のコア部140aの長手方向に対して垂直な断面の形状は、いかなる形状であっても良く、例えば、円形、長方形、正方形等であっても良い。クラッド部140bの先端部は、丸く定形されている。コア部140aの入射面側には、クラッドに対して僅かに(例えば0.1μm〜1μm程度)彫り込まれた凹部111が形成されている。また、各光ファイバ140の入射面には、蛍光体層120が設置されている。蛍光体層120は、各コア部140aの凹部111を完全に充填し、さらに、各クラッド部140bの先端を完全に覆うように設置されている。なお、蛍光体層120は、光ファイバ140の入射面の最表面に、実質的に凹凸が生じないように形成されている。蛍光体層120の最大厚さ(凹部111の底面から最表面までの距離)Xは、特に限られないが、例えば、0.5μm〜1μm程度である。またクラッド部140bの突出部分(先端から内方にかけて)には、該突出部分の表面を覆うように金属膜130が設置されている。従って、各光ファイバ140は、この金属膜130により電気的に接続されている。この金属膜130は、MCP2と光ファイバプレート104の間に電圧を印加する際の電極として使用される。このように構成される光ファイバプレート104の端部は、前述の図1に示す近接型イメージインテンシファイア10の蛍光面3に相当する。
次に、このような光ファイバプレート104の製作方法の一例について説明する。
まず、コア部140aの先端に凹部が定形される。コア部140aの凹部111は、当業者には公知のいかなる方法で定形しても良い。例えば、酸またはアルカリ溶液を用いて、コア部140aの先端のみを選択的にエッチング処理し、所望の深さの凹部111を定形しても良い。
次に、クラッド部140bの先端が丸く定形される。この定形は、いかなる方法で実施しても良く、例えば、クラッド部140bの先端をエッチング処理することにより定形しても良い。
次に、クラッド部140bの先端に、金属膜130が設置される。金属膜は、いかなる技術でクラッド部140bの先端に設置しても良く、例えば、蒸着法などが適用される。次に、光ファイバ140の端部に、蛍光体層120が設置される。蛍光体層120は、前述のように、コア部140aの凹部111を完全に覆い、さらに、クラッド部140bの丸く成形された先端が完全に覆われるような厚さで設置される。このような蛍光体層120は、例えば、CVD(化学気相成膜法)、PVD(物理気相成膜法)等の蒸着法、または他の既存の成膜技術を用いて、容易に設置することができる。
次に、本発明による近接型イメージインテンシファイアの別の実施形態について説明する。図5には、図4とは異なる光ファイバプレートの電子入射側の拡大断面構成図を示す。この図に示すように、この光ファイバプレート104’も、前述の光ファイバプレートと同様に、コア部140a’とクラッド部140b’とからなる光ファイバ140’を多数結束することにより構成される。ただしこの光ファイバプレート104’においては、コア部140a’の先端に形成された凹部111’の深さが図4の場合に比べて、より深くなっている。この光ファイバプレート104’では、凹部111’の深さは、約1μm〜
10μm程度となっている。また、蛍光体層120’は、光ファイバ140’の先端ではなく、コア部140a’に定形された凹部111’の底部に設置されている。従って、この例では、蛍光体層120’は、クラッド部140b’上には設置されておらず、コア部140a’の部分にのみ断続的に定形されている。
光ファイバプレート104’の入射面をこのように構成した場合、MCP2から光ファイバプレートに向かう電子は、その一部が光ファイバのクラッド部140b’の先端またはその近傍に衝突し、他の部分は、蛍光層120’に入射する。このうち、クラッド部140b’に衝突した電子は、そのほとんどが表面に形成された金属膜130’によって吸収される。また、金属膜130’によって吸収されなかったごく僅かの電子は、クラッド部140b’表面での反射によって、入射面(クラッド部の先端を結んだ面)から飛び出す可能性があるが、この場合も、凹部111’が深くなっているため、その後、そのような電子が他の光ファイバの凹部111’に設置された蛍光体層120’に侵入する可能性は、無視できる。一方、蛍光層120’に入射した電子は、そのほとんどが光子に変換される。また、蛍光層120’に入射した後に、ここから反射されるごく僅かの電子も、その後クラッド部140b’で吸収される。従って、MCP2から放射され、光ファイバプレートの入射面に到達した電子の一部が、蛍光層で反射され、別のコア部140a’の凹部111’に設置された蛍光層120’に再入射されるという現象は、生じにくくなる。このように、この光ファイバプレート104’では、ハレーションの発生をより一層抑制することが可能となり、高い解像度を有する近接型イメージインテンシファイアを得ることができる。
このような本発明による近接型イメージインテンシファイアは、例えば、画像入力装置の撮像装置等に使用することができる。
図6には、本発明による近接型イメージインテンシファイアを使用した撮像装置の一例を示す。この撮像装置600は、前述の図4に示した電子線入射側構造を有する光ファイバプレート604を含む近接型イメージインテンシファイア610と、CCDチップ620とを備えている。なお、近接型イメージインテンシファイア610は、光ファイバプレート604の他、図1に示す一般的な構成部分、例えば、光電面601およびMCP602等を有するが、これらの部分については、当業者には明らかであるため、説明は省略する。
近接型イメージインテンシファイア610の光ファイバプレート604は、電子線入射方向とは反対側(すなわち、光放射方向側)で、CCDチップ620と光学的にカップリングされている。従って、光ファイバプレート604で生じた発光の出力は、CCDチップ620において画像として取り込むことができる。
なお、図6の撮像装置の例では、光ファイバプレート604は、CCDチップ620と光学的にカップリングされているが、本発明の近接型イメージインテンシファイアの適用例は、このような構成に限られるものではない。例えば、CCDチップ620の代わりにMOS型の撮像素子を取り付けても良い。
以上のように、本発明では、蛍光面に帯電が生じにくく、FPNが抑制された近接型イメージインテンシファイア、さらには高解像の撮像装置を容易な製造法で提供することが可能となる。
以下、実施例により、本発明を説明する。
この実施例では、蛍光体層を構成する材料としてEuGa:Eu(通常、単にEuGaとも表される)を選定し、この層を光ファイバプレートを構成する光ファイバの端面(コア部の凹部およびクラッド部の先端)に設置した。成膜には、分子線エピタキシー(MBE)装置を使用し、多源蒸着法により、以下のようにEuGa:Eu層を成膜した。
まず、端部が僅かに凹状に定形された(図4に示す形状の)コア部を有する光ファイバプレート基板を準備した。コア部の直径は、4μmであり、凹部の深さは、0.2μmである。また、2つのクヌーセンセル(Knudsen Cell、以下、「Kセル」という)に、それぞれEuおよびGaを充填した。次に、温度調節器を用いて各Kセルを加熱して、Kセル内の材料を、光ファイバプレート基板の端面に供給した。Kセルの温度、基板温度、および成膜速度の各条件は、表1に示す通りである。
Figure 0005166749

このような操作により、光ファイバプレートの端面には、以下の化学反応により、EuGa:Eu蛍光体薄膜が形成された:
Eu + 2 Ga → EuGa + 2 GaS(↑) (2)
なお、(2)式のGaSは、光ファイバプレート基板上で再蒸発してしまうため、EuGa:Eu層中には残留しない。
次に、このようにして得られた光ファイバプレート基板の蛍光体層に、6kVの加速電圧条件下で電子線を照射し、発光される光のスペクトルを測定した。結果を図7に示す。この図に示すように、このEuGa:Eu蛍光体層により、波長536nmにピークを有する緑色光が放射された。
この実施例では、蛍光体層を構成する材料としてSrGa:Ceを選定し、この層を光ファイバプレートを構成する光ファイバの端面(コア部の凹部およびクラッド部の先端)に設置した。成膜には、分子線エピタキシー(MBE)装置を使用し、多源蒸着法により、以下のようにSrGa:Ce層を成膜した。
まず、端部が僅かに凹状に定形された(図4に示す形状の)コア部を有する光ファイバプレート基板を準備した。コア部の直径は、4μmであり、凹部の深さは、0.2μmである。また、3つのKセルにSr、GaおよびCeClを充填した。次に、温度調節器を用いて各Kセルを加熱して、Kセル内の材料を、光ファイバプレート基板の端面に供給した。Kセルの温度、基板温度、および成膜速度の各条件は、表2に示す通りである。
Figure 0005166749
このような操作により、光ファイバプレートの端面には、以下の化学反応により、SrGa蛍光体薄膜が形成された:
Sr+ 2 Ga → SrGa + 2GaS(↑) (3)
なお、(3)式のGaSは、光ファイバプレート基板上で再蒸発してしまうため、SrGa層中には残留しない。また、CeClが充填されたKセルが同時に加熱されるため、Ce3+イオンがSrGa結晶中に取り込まれ、SrGa:Ceが形成される。なお、CeClのKセルを加熱する際には、Kセルの開口付近を1300℃程度に加熱し、クラッキングを行うと、Ce3+イオンが効率よくSrGa結晶中に取り込まれる。
次に、このようにして得られた光ファイバプレート基板の蛍光体層にX線を照射し、発光される光のスペクトルを測定した。結果を図8に示す。この図に示すように、このSrGa:Ce蛍光体層により、波長440nmと480nmにピークを有する青色光が放射された。
このように、一般式が(MI)Ga:Re(ここで、MI=Ca、SrまたはEuであり、Re=Eu2+またはCe3+である)で表される蛍光体材料を薄膜として設置した蛍光面を形成することにより、FPNが小さく、高感度で、高い発光効率を示す近接型イメージインテンシファイアを容易に製作することが可能となる。
本発明は、例えば、近接型イメージインテンシファイアを備える画像入力装置に利用することができる。
近接型イメージインテンシファイアの断面模式図である。 従来の光ファイバプレートの電子線入射側の断面拡大図である。 従来の別の光ファイバプレートの電子線入射側の断面拡大図である。 本発明による光ファイバプレートの電子線入射側の断面拡大図である。 本発明による別の光ファイバプレートの電子線入射側の断面拡大図である。 本発明の近接型イメージインテンシファイアの光ファイバプレートの光放射面側にCCDチップがカップリングされた撮像装置の断面模式図である。 本発明の近接型イメージインテンシファイアの光ファイバプレートの蛍光体として使用されるEuGa:Euの発光スペクトルを示す図である。 本発明の近接型イメージインテンシファイアの光ファイバプレートの蛍光体として使用されるSrGa:Ceの発光スペクトルを示す図である。
符号の説明
1 光電面
2 MCP
3 蛍光面
4 光ファイバプレート
10 イメージインテンシファイア
11 凹部
15 メタルバック層
16 金属膜
20 蛍光体
40 光ファイバ
40a コア部
40b クラッド部
104、104’ 光ファイバプレート
111、111’ 凹部
120、120’ 蛍光体層
130、130’ 金属膜
140、140’ 光ファイバ
140a、140a’ コア部
140b、140b’ クラッド部
600 撮像装置
604 光ファイバプレート
610 イメージインテンシファイア
620 CCDチップ。

Claims (3)

  1. 入射面側に入射された電子により光を発する蛍光体が設置された光ファイバプレートを備え、ハイビジョンまたはそれ以上の高解像度に対応した近接型イメージインテンシファイアであって、
    前記光ファイバプレートは、コア部とその周囲に設置されたクラッド部とからなる光ファイバを複数本結束させることにより構成され、前記コア部は、長手方向に垂直な断面が8μm以下の直径を有し、
    各コア部の先端には凹部が形成され、該凹部は、少なくとも0.1μm〜1μmの深さを有し、
    前記蛍光体は、粉末を含まず前記凹部の底面に層状に形成された蛍光体層として設置され、
    該蛍光体層は、一般式が(MI)Ga:Re(ここで、MI=Ca、SrまたはEuであり、Re=Eu2+またはCe3+である)で表される材料で構成され
    前記蛍光体層は、厚さが0.5μm〜1μmの範囲であることを特徴とする近接型イメージインテンシファイア。
  2. 前記蛍光体層は、前記コア部とクラッド部の端面に連続的に設置されていることを特徴とする請求項1に記載の近接型イメージインテンシファイア。
  3. 前記凹部の深さは、1μm〜10μmの範囲であることを特徴とする請求項1に記載の近接型イメージインテンシファイア。
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