JP5147150B2 - 発光装置及び電子機器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、発光装置の構成に関する。本発明は特に、ガラス・プラスチック等の絶縁体上に作製される薄膜トランジスタ(以後、TFTと表記する)を有するアクティブマトリクス型発光装置の構成に関する。また、発光装置を表示部に用いた電子機器に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、エレクトロルミネッセンス素子(EL素子)等を始めとした発光素子を用いた表示装置の開発が活発化してきている。ここで、EL素子とは、一重項励起子からの発光(蛍光)を利用するものと、三重項励起子からの発光(燐光)を利用するものとの両方を含むものとする。本明細書においては、発光装置の一例として、EL表示装置を挙げているが、他の発光素子を用いた表示装置も含むものとする。
【0003】
EL素子は、一対の電極(陽極と陰極)間に発光層が挟まれる形で構成され、通常、積層構造をとっている。代表的には、イーストマン・コダック・カンパニーのTangらが提案した「正孔輸送層/発光層/電子輸送層」という積層構造が挙げられる。この構造は非常に発光効率が高く、現在研究が進められているEL素子はほとんどこの構造が採用されている。
【0004】
また、これ以外にも、陽極上に「正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層」または「正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層」の順に積層する構造がある。本明細書におけるEL素子の構造としては、前記構造のいずれを採用していても良い。また、発光層に対して蛍光性色素等をドーピングしても良い。
【0005】
本明細書においては、陽極と陰極との間に設けられる全ての層を総称してEL層と呼ぶ。よって、前述の正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層は、全てEL層に含まれ、陽極、EL層、および陰極で構成される発光素子をEL素子と呼ぶ。
【0006】
図3(A)に、発光装置の概略図を示す。基板300の中央部に、画素部301が配置されている。画素部301の周辺には、ソース信号線を制御するための、ソース信号線駆動回路302および、ゲート信号線を駆動するための、ゲート信号線駆動回路303が配置されている。図3(A)においては、ゲート信号線駆動回路303は画素部301の両側に対称配置されているが、いずれか一方のみの片側配置であっても良い。ただし、回路動作の信頼性や効率等を考えると、両側配置とすることが望ましい。
【0007】
クロック信号、スタートパルス、映像信号等は、フレキシブルプリント基板(Flexible Print Circuit:FPC)等を介してソース信号線駆動回路302、およびゲート信号線駆動回路303へと入力される。
【0008】
駆動回路の動作について説明する。ゲート信号線駆動回路においては、クロック信号とスタートパルスとに従って、シフトレジスタ321によって順次ゲート信号線を選択するパルスが出力される。その後、レベルシフタ322によって信号の電圧振幅の変換を受け、バッファ323を経由してゲート信号線へと出力され、ある1行のゲート信号線を選択状態とする。
【0009】
ソース信号線駆動回路においては、クロック信号とスタートパルスとに従って、シフトレジスタ311によって順次サンプリングパルスが出力される。第1のラッチ回路312においては、サンプリングパルスのタイミングに従って、デジタル映像信号の保持を行う。1水平期間分の動作が完了すると、その後の帰線期間中にラッチパルスが入力され、第1のラッチ回路312にて保持されている1行分のデジタル映像信号は、一斉に第2のラッチ回路313へと転送され、ゲート信号線を選択するパルスが出力されている行の画素に、1行分同時に画素への書き込みを行う。
【0010】
続いて、画素部301について説明する。画素部301において、310で示される部分が1画素であり、その回路構成を図3(B)に示す。図3(B)において、351は、画素に映像信号を書き込む際のスイッチング素子として機能するTFT(以下、スイッチング用TFTと表記する)である。このスイッチング用TFT351には、Nチャネル型もしくはPチャネル型のいずれの極性のものを用いても良い。352は、EL素子354に供給する電流を制御するための素子として機能するTFT(以下、駆動用TFTと表記する)である。駆動用TFT352の極性としては、Nチャネル型を用いる場合は、EL素子354の一方の電極355は陰極とし、駆動用TFT352の出力電極と接続する。従って、EL素子354の他方の電極356は陽極となる。一方、Pチャネル型を用いる場合には、EL素子354の一方の電極355は陽極とし、駆動用TFT352の出力電極と接続する。従って、EL素子354の他方の電極356は陰極となる。353は、駆動用TFT352のゲート電極に印加する電位を保持するために設けられた保持容量(Cs)である。ここでは、独立した容量手段として示しているが、保持容量(Cs)としては、駆動用TFT352のゲート電極とソース領域、または駆動用TFT352のゲート電極とドレイン領域との間における容量を利用しても良い。
【0011】
駆動用TFT352の極性と、EL素子354の構造との関係について簡単に説明する。図5を参照する。図5(A)はEL素子の画素部の構成を示しており、スイッチング用TFT501、駆動用TFT502、EL素子504の接続を模式的に表したものを図5(B)に示している。
【0012】
また、本明細書において、回路動作の説明をする際に、TFTの動作について述べる場合があるが、TFTがONするとは、TFTのゲート・ソース間電圧の絶対値が、TFTのしきい値電圧の絶対値を超え、TFTのソース領域とドレイン領域とが、チャネル形成領域を通じて導通状態となることをいい、TFTがOFFするとは、TFTのゲート・ソース間電圧の絶対値が、TFTのしきい値電圧の絶対値を下回り、TFTのソース領域とドレイン領域とが非導通状態となることをいうものとする。
【0013】
また、本明細書においては、TFTの接続を説明するのに、「ゲート電極、入力電極、出力電極」と、「ゲート電極、ソース領域、ドレイン領域」とを使い分けている。これは、TFTの動作を説明する際に、ゲート・ソース間電圧を考える場合が多いが、TFTのソース領域とドレイン領域とは、TFTの構造上、明確に区別することが難しいため、信号の入出力を説明する際には、入力電極、出力電極と呼び、TFTの電極の電位の関係について説明する際は、入力電極と出力電極のうちいずれか一方をソース領域、他方をドレイン領域と呼ぶこととする。
【0014】
まず、EL素子504において、505が陽極、506が陰極である場合を考える。今、電極505の電位をV505、電極506の電位をV506とすると、EL素子504が発光するためには、両電極間に電位差を与えてやる必要がある。従ってV505>V506となる。駆動用TFT502がNチャネル型である場合に確実にONし、EL素子504の電極間に正常に電圧を印加するには、駆動用TFT502のゲート電極に印加する電位は、V505よりもさらに、少なくともTFT502のしきい値分だけは高くする必要がある。つまり、ソース信号線から書き込まれる信号の振幅を広げる必要がある。一方、駆動用TFT502がPチャネル型である場合に確実にONし、EL素子504の電極間に正常に電圧を印加するには、駆動用TFT502のゲート電極に印加する電位は、V505よりも、少なくともTFT502のしきい値分だけ低くする必要がある。よって、ソース信号線から書き込まれる信号振幅をそれほど広くする必要がない。よって、EL素子504の電極505が陽極、506が陰極である場合には、駆動用TFT502にはPチャネル型を用いるのが望ましい。
【0015】
続いて、EL素子504において、505が陰極、506が陽極である場合、EL素子504が発光するためには、両電極間に電位差を与えてやる必要がある。従ってこの場合はV505<V506となる。駆動用TFT502がNチャネル型である場合に確実にONし、EL素子504の電極間に正常に電圧を印加するには、駆動用TFT502のゲート電極に印加する電位は、V505よりも、少なくともTFT502のしきい値分だけ高くなっていれば良い。よって、ソース信号線から書き込まれる信号の振幅はそれほど広くする必要がない。一方、駆動用TFT502がPチャネル型である場合に確実にONし、EL素子504の電極間に正常に電圧を印加するには、駆動用TFT502のゲート電極に印加する電位は、V505よりもさらに、少なくともTFT502のしきい値分だけは低くする必要がある。つまり、ソース信号線から書き込まれる信号の振幅を広げる必要がある。よって、EL素子504の電極505が陰極、506が陽極である場合には、駆動用TFT502にはNチャネル型を用いるのが望ましい。
【0016】
次に、駆動用TFT502の極性およびEL素子504の構成と、出射方向との関係について述べる。図8(A)は、駆動用TFT502がNチャネル型である場合のEL素子504の構成を、図8(B)は、駆動用TFT502がPチャネル型である場合のEL素子504の構成を断面図で模式的に示したものである。
【0017】
EL素子504の陰極においては、発光層に電子を注入する能力が求められることから、金属材料を用いることが望ましいため、通常、透明電極を用いる電極は陽極である。従って、図8(A)において、駆動用TFTはNチャネル型であり、駆動用TFT502のソース領域には電流供給線が接続され、ドレイン領域にはEL素子504の陰極が接続されている。よって、発光層にて発生した光は、透明電極である陽極側へと出射されるため、出射方向は図のように、TFTが形成されている基板(以後、TFT基板と表記する)とは反対側となる。
【0018】
一方、図8(B)において、駆動用TFT502はPチャネル型であり、駆動用TFT502のソース領域には電流供給線が接続され、ドレイン領域にはEL素子504の陽極が接続されている。よって、発光層にて発生した光は、透明電極である陽極側へと出射されるため、出射方向は図のように、TFT基板側となる。
【0019】
本明細書においては、図8(A)に示した出射方向を上面出射、図8(B)に示した出射方向を下面出射と表記する。下面出射の場合、画素部を構成する素子の占める領域が発光面積に影響するのに対し、上面出射の場合は、画素部を構成する素子の占める領域に関係なく光を取り出すことが出来るため、高開口率化に有利である。しかし、図8(A)に示したような上面出射の構成で発光装置を作製する場合、工程上、EL層の形成後、透明電極を用いて陽極を形成する必要があるが、この工程でEL層にダメージを与えやすく、このような工程が現在では困難であるため、一般的には図8(B)に示したような下面出射の構成が採用されている。
【0020】
次に、発光装置の駆動方法について説明する。
【0021】
発光装置を用いて多階調を表現する場合、アナログ階調方式とデジタル階調方式が挙げられる。前者のアナログ階調の場合は、EL素子を流れる電流をアナログ的に制御して輝度を制御し、階調を得る方式であるが、画素部を構成するTFTの特性の微小なばらつきが、ELの輝度のばらつきに大きく影響する。つまり、駆動用TFT102の特性がばらつくと、異なる駆動用TFTのゲート電極に、同じ電位を与えた場合にも、両者におけるソース・ドレイン間電流の値が異なる。すなわち、EL素子を流れる電流の値が異なるため、輝度にばらつきが生ずる。
【0022】
このような、画素を構成する素子の特性ばらつきが画質に影響しにくい方式として、デジタル階調方式がある。デジタル階調方式においては、EL素子はON状態(その輝度がほぼ100%である状態)と、OFF状態(その輝度がほぼ0%である状態)の2つの状態のみによって駆動されている。つまり、駆動用TFTのソース・ドレイン間電流のばらつきがあっても、EL素子の輝度のばらつきを判別しにくい駆動方式といえる。
【0023】
しかしながら、デジタル階調方式の場合、このままでは2階調しか表示できないため、別の方式と組み合わせて多階調化を実現する技術が複数提案されている。
【0024】
多階調化を実現する方式の1つとして、デジタル階調方式と時間階調方式とを組み合わせる方式が挙げられる。時間階調方式とは、EL素子が発光している時間を制御することにより、階調表現を行う方式である。具体的には、1フレーム期間を、長さの異なる複数のサブフレーム期間に分割し、各期間でのEL素子の発光、非発光を選択することで、1フレーム期間内で発光した時間の長さの差をもって階調を表現する。
【0025】
デジタル階調方式と時間階調方式とを組み合わせる方式として、特開2001−5426号にて公開されている方式について述べる。ここでは例として、3ビット階調表現の場合を挙げて説明する。
【0026】
図9(A)〜(C)を参照する。通常、液晶ディスプレイやELディスプレイ等の表示装置においては、フレーム周波数は60[Hz]程度である。つまり、図9(A)に示すように、1秒間に60回程度、画面の描画が行われる。これにより、人間の眼にフリッカ(画面のちらつき)を感じさせないようにすることが出来る。このとき、画面の描画を1回行う期間を1フレーム期間と呼ぶ。
【0027】
特開2001−5426号にて公開されている時間階調方式においては、1フレーム期間を複数のサブフレーム期間に分割する。このときの分割数は、階調ビット数に等しい。つまり、ここでは3ビット階調であるから、3つのサブフレーム期間SF1〜SF3に分割している。
【0028】
さらに、各サブフレーム期間は、アドレス(書き込み)期間Taと、サステイン(発光)期間Tsとを有する。アドレス(書き込み)期間とは、画素にデジタル映像信号を書き込む期間であり、各サブフレーム期間での長さは等しい。サステイン(発光)期間とは、アドレス(書き込み)期間において画素に書き込まれたデジタル映像信号に基づいて、EL素子が発光する期間である。このとき、サステイン(発光)期間SF1〜SF3は、その長さの比をTs1:Ts2:Ts3=4:2:1としている。つまり、nビット階調を表現する際は、n個のサステイン(発光)期間の長さの比は、2n-1:2n-2:・・・:21:20としている。そして、どのサステイン(発光)期間でEL素子が発光するかによって、1フレーム期間あたり、各画素が発光する期間の長さが決定し、これによって階調表現を行う。つまり、図9(B)においては、サステイン(発光)期間Ts1〜Ts3のそれぞれにおいて、発光、非発光のいずれかの状態をとることによって、その合計発光時間の長短を利用して、輝度0%、14%、28%、43%、57%、71%、86%、100%の8階調を表現することが出来る。Ts1が発光し、Ts2、Ts3が発光しない場合、その輝度は57%であり、Ts1とTs3が発光し、Ts2が発光しない場合、その輝度は71%となる。つまり、アナログ階調方式では、71%の輝度を得たい場合は、それに則した電圧等によって制御し、1フレーム期間全体に渡って71%の輝度を保持するのに対し、時間階調方式の場合は、100%の輝度で、全体の発光期間のうち71%の長さで発光することによって同様の階調を表現する。
【0029】
具体的に動作について説明する。引き続き図9(A)〜(C)と、図3(B)とを参照する。まず、ゲート信号線に選択パルスが入力されると、スイッチング用TFT351がONする。次に、ソース信号線より、デジタル映像信号が入力され、その電位によって駆動用TFT352のON、OFFが制御され、さらに保持容量353において、その電荷が保持される。このとき、駆動用TFT352がONしてもEL素子354の陽極(陰極)355と陰極(陽極)356との間には電圧が加わらないようにするなどして、発光しないようにしている。方法としては、陰極(陽極)356の電位を、陽極(陰極)355の電位、すなわち電流供給線(Current)の電位と等しくしておくなどがある。陰極(陽極)356は、通常は全画素で短絡されているため、この動作は全画素で同時に行われる。
【0030】
1行目〜最終行まで、書き込み動作が完了した時点でアドレス(書き込み)期間が終了し、全画素が同時にサステイン(発光)期間に移る。EL素子354の陽極(陰極)355と陰極(陽極)356との間に電圧が加わり、電流が流れることによって発光する。
【0031】
以上の動作を全てのサブフレーム期間で行うことにより、1フレーム期間を構成する。この方法によると、表示階調数を増やしたい場合は、サブフレーム期間の分割数を増やせば良い。また、サブフレーム期間の順序は、図9(B)(C)に示すように、必ずしも上位ビット→下位ビットといった順序である必要はなく、1フレーム期間中、ランダムに並んでいても良い。さらに各フレーム期間内で、その順序が変化しても良い。このような駆動方法を、表示期間分離駆動(Display-Period-Separated Driving:DPS駆動)と呼んでいる。
【0032】
ところで、前記DPS駆動による問題点として、デューティー比(画素が発光して階調表示を行う期間/1フレーム期間)の低下が挙げられる。アドレス(書き込み)期間とサステイン(発光)期間とが分割されているため、1フレーム期間内で無条件に発光しない期間が存在し、結果として輝度が全体的に低く感じられることになる。
【0033】
m行目のゲート信号線に接続されている画素においては、図9(D)に示すように、ある1つのサブフレーム期間において、ゲート信号線が選択されている期間902において画素へのデジタル映像信号の書き込みが行われ、サステイン(発光)期間904で発光する。ここで、アドレス(書き込み)期間は、901、902、903で示される期間の合計である。ここで、901は、1行目〜m−1行目においてデジタル映像信号の書き込みが行われている期間であり、903は、m+1行目〜最終行においてデジタル映像信号の書き込みが行われている期間である。つまり、m行目のゲート信号線に接続されている画素においては、アドレス(書き込み)期間において901、903で表される期間は書き込みも発光も行わない、いわゆる「待ち」の期間となっている。
【0034】
アドレス(書き込み)期間は、各サブフレーム期間において設けられているため、多階調化を実現しようとすると、その分アドレス(書き込み)期間も増加する。従って、前述の「待ち」の期間も増加し、さらにデューティー比の低下を招くことになる。
【0035】
そこで、このような問題点を解決するための方法として、図9(E)に示すように、アドレス(書き込み)期間とサステイン(発光)期間とを分離せず、ある行のゲート信号線に接続された画素において、デジタル映像信号の書き込みが完了した後、直ちに発光を開始する方法が挙げられる。この方法によると、図9(F)に示すように、m行目のゲート信号線に接続された画素は、m行目以外のゲート信号線に接続された画素においてデジタル映像信号の書き込みを行っている期間も発光させることが出来るため、前述のデューティー比低下の問題を解決することが出来る。
【0036】
しかしながら、この方法は多階調化を考えると他の問題が生ずる。
【0037】
図10(A)(B)は、前述のDPS駆動により、5ビット階調を表現する場合の1フレーム期間の分割例である。3ビットの場合よりも、サブフレーム期間の分割数が増加した分、アドレス(書き込み)期間が増加し、サステイン期間が短い。よって3ビット階調の場合と比べて、デューティー比が低下しているのがわかる。一方、図10(C)に示すように、アドレス(書き込み)期間とサステイン(発光)期間とを分離しない方法によって駆動し、デューティー比の低下を防ぐ場合を考える。ここで、各サブフレーム期間のサステイン期間Ts1〜Ts5は、その長さの比をTs1:Ts2:Ts3:Ts4:Ts5=24:23:22:21:20=16:8:4:2:1としている。
【0038】
ここで、図10(B)に戻り、SF5に着目する。SF5においては、アドレス(書き込み)期間よりもサステイン(発光)期間の方が短いことがわかる。従って、アドレス(書き込み)期間とサステイン(発光)期間とを分離しない駆動方法によって駆動する場合、異なるサブフレーム期間のアドレス(書き込み)期間が重複する期間が生ずる。図10(C)においては、SF5において、最終行の書き込みが完了する前に、1行目ではすでにサステイン(発光)期間が終了し、次の書き込みが開始されている。つまり、異なる2行のゲート信号線が同時に選択されることになり、正常な信号の書き込みが出来なくなる。
【0039】
このような問題を解決するため、図4に示すような表示装置が、特願2000−86968号において提案されている。図4(A)に示す表示装置は、先に図3(A)にて示した表示装置とほぼ同様であるが、画素部401の左右に、書き込み用ゲート信号線駆動回路411と、消去用ゲート信号線駆動回路412とを有する点が異なる。
【0040】
図4(A)に示した表示装置において、410で示された1画素の回路構成を図4(B)に示す。図3(B)にて示した画素との相違は、消去用ゲート信号線と消去用TFT457とを有する点である。
【0041】
このような表示装置を用いて、前述の異なるアドレス(書き込み)期間が重複する問題を解決する。
【0042】
動作について説明する。説明に際し、図4(B)および図10(A)〜(D)を参照する。まず、書き込み用ゲート信号線が選択され、スイッチング用TFT451がONする。次に、ソース信号線より、デジタル映像信号が入力され、その電位によって駆動用TFT452のON、OFFが制御され、さらに保持容量453において、その電荷が保持される。デジタル映像信号の書き込みが完了した行においては、直ちにサステイン(発光)期間へと移る。
【0043】
ここで、図10(C)(D)に示すように、アドレス(書き込み)期間よりも短いサステイン(発光)期間を有するサブフレーム期間においては、サステイン(発光)期間の終了後、直ちに次のアドレス期間が開始しないよう、消去期間(Tr5)を設ける。消去期間においてはEL素子454は発光しない。この消去期間(Tr5)は、消去用ゲート信号線が選択されることによって消去用TFT457がONし、保持容量453に保持されていた電荷を開放する。よって駆動用TFT452を流れる電流が停止し、EL素子454が発光を停止する。
【0044】
このときの消去期間の長さは、1行目のアドレス(書き込み)期間が終了した後、最終行のアドレス(書き込み)期間が終了するまでの長さとなる。
【0045】
このように、消去期間を設けることによってデューティー比を高くし、かつアドレス(書き込み)期間の不正な重複を防ぐことによって多階調化を実現する。このような駆動方法を、DPS駆動に対して、並行消去走査駆動法(Simultaneous-Erasing-Scan Driving:SES駆動)と呼ぶ。
【0046】
ここで、SES駆動とはすなわち、厳密には書き込みと消去が並行して行われるという意味を含んでいるが、本明細書においては、アドレス(書き込み)期間とサステイン(発光)期間とを分離したDPS駆動に対して、それらを分離していない駆動方法という意味を含んでSES駆動と呼んでいる。よって、図9(E)(F)に示したように、消去期間を特に持たない場合についても、SES駆動に含むものとしている。
【0047】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、絶縁体上にTFTを形成して作製される表示装置においては、その工程が複雑な点が、歩留まり低下とコスト上昇を招いている。従って、可能な限り工程を簡略化することが、コスト低減への主たる課題である。そこで、画素部および周辺の駆動回路(ソース信号線駆動回路およびゲート信号線駆動回路等)を、単極性のTFTのみによって構成することを考える。
【0048】
ここで、画素および駆動回路の動作電圧について再び考える。ここで再び図5を参照する。図5(A)はEL素子の画素部の構成を示しており、スイッチング用TFT501、駆動用TFT502、EL素子504の接続を模式的に表したものを図5(B)に示している。
【0049】
駆動用TFT502がPチャネル型である場合、EL素子の電極505が陽極、506が陰極であるのが望ましいことは前述の通りである。ここで、駆動用TFT502の極性に対するスイッチング用TFT501の極性について考える。まず、駆動用TFT502がPチャネル型である場合、駆動用TFT502がONする条件は、駆動用TFT502のゲート・ソース間電圧VGS2の絶対値が、駆動用TFT502のしきい値電圧の絶対値を上回ることである。すなわち、ソース信号線より入力されるデジタル映像信号のLo電位(ここでは、デジタル映像信号の電位がLo電位のとき、EL素子が発光するとする)が、駆動用TFT502のソース領域の電位に対して、しきい値分以上低いことである。
【0050】
このとき、スイッチング用TFT501が駆動用TFT502と同極性、すなわちPチャネル型である場合、スイッチング用TFT501がONする条件は、スイッチング用TFT501のゲート・ソース間電圧VGS1の絶対値が、スイッチング用TFT501のしきい値電圧の絶対値を上回ることである。すなわち、ゲート信号線を選択状態とするパルスのLo電位(ここでは、スイッチング用TFT501がPチャネル型でああることから、ゲート信号線にLo電位が入力されたとき、選択状態となるものとする)が、スイッチング用TFT501のソース領域の電位に対して、しきい値分以上低いことである。よって、ソース信号線の電圧振幅に対し、ゲート信号線側の電圧振幅をより広くする必要がある。これは、ゲート信号線駆動回路の動作電圧を高くすることを意味する。
【0051】
これはスイッチング用TFT501と駆動用TFT502がNチャネル型である場合にも同様のことが言える。従って、消費電力を考えた場合、画素部のTFTはNチャネル型とPチャネル型の両方を用いて構成するのが望ましいことになる。
【0052】
以上のことから、従来の方法で、単極性のTFTによって画素部と駆動回路を構成しようとすると、工程削減が実現する反面、消費電力の増加を招く。
【0053】
本発明は前述の課題を鑑見てなされたものであり、単一極性のTFTによって画素部と駆動回路を構成することによって工程を削減し、かつ消費電力を低く抑えることを実現した発光装置を提供することを目的とする。
【0054】
【課題を解決するための手段】
従来の構成の画素においては、スイッチング用TFTのソース領域に入力される信号、すなわちソース信号線に出力される信号の電圧振幅よりも、スイッチング用TFTのゲート電極に入力される信号、すなわちゲート信号線を選択する信号の電圧振幅を大きく取る必要があった。
【0055】
ここで、ソース信号線に出力される信号の電圧振幅と、ゲート信号線を選択する信号の電圧振幅とが等しい場合について考える。再び図5を参照する。
【0056】
ソース信号線に出力される信号の電圧振幅と、ゲート信号線を選択する信号の電圧振幅とが等しいときには、ソース信号線からある電位を持った信号が入力されると、駆動用TFT502のゲート電極の電位は、ソース信号線から入力された信号の電位から、スイッチング用TFT501のしきい値を引いた電位まで上昇する。従って、駆動用TFT502のゲート電極の電位は、入力された信号の電圧振幅に対し、スイッチング用TFTのしきい値分だけ低い電位となることになる。
【0057】
そこで本発明においては、スイッチング用TFTの出力電極と、駆動用TFTのゲート電極との間に、電圧補償回路を設ける。電圧補償回路は、ブートストラップ回路を応用したものであり、スイッチング用TFTを通過することによって減衰した、信号の電圧振幅を、正常な振幅に戻す機能を有している。これにより、ソース信号線に出力される信号の電圧振幅と、ゲート信号線を選択する信号の電圧振幅を等しくした場合にも、画素は正常な動作が可能となる。従って、ゲート信号線駆動回路の駆動電圧を下げることが可能となり、表示装置の低消費電力化に貢献する。
【0058】
本発明の電圧補償回路を有する画素を用いて、発光装置の画素部を構成し、かつ周辺の駆動回路を、画素部を構成するTFTと同一極性のTFTを用いて構成することによって、前述の課題を解決する。
【0059】
【発明の実施の形態】
図1に、本発明の電圧補償回路を有する画素の構成について示す。図1(A)に示すとおり、スイッチング用TFT101、駆動用TFT102、EL素子104、ソース信号線(S)、ゲート信号線(G)、電流供給線(Current)については従来と同様に有している。本発明の画素は、スイッチング用TFT101の出力電極と、駆動用TFT102のゲート電極との間に、電圧補償回路110を有している点を特徴としている。
【0060】
図1(B)は、電圧補償回路110の構成を含む回路図である。電圧補償回路110は、第1のTFT151、第2のTFT152、第3のTFT153、第1の容量154および第2の容量155を有する。また、G(m)はm行目に走査されるゲート信号線、G(m−1)は、m−1行目に走査されるゲート信号線である。
【0061】
第1の容量154と、第2の容量155とは、直列に配置される。第1の容量154の第1の電極は、スイッチング用TFT101の出力電極と接続され、第1の容量154の第2の電極は、第2の容量155の第1の電極と接続され、第2の容量155の第2の電極は、電流供給線と接続されている。
【0062】
第1のTFT151のゲート電極は、ゲート信号線G(m−1)と接続され、入力電極は、ゲート信号線G(m)と接続され、出力電極は、スイッチング用TFT101の出力電極と接続されている。
【0063】
第2のTFT152のゲート電極は、ゲート信号線G(m−1)と接続され、入力電極は、ゲート信号線G(m)と接続され、出力電極は、第1の容量154の第2の電極および、第2の容量155の第1の電極と接続されている。
【0064】
第3のTFT153のゲート電極は。スイッチング用TFT151の出力電極と接続され、入力電極は、電流供給線と接続され、出力電極は、第1の容量154の第2の電極および、第2の容量155の第1の電極と接続されている。
【0065】
なお、画素を構成するTFT101、102、151〜153は全て同一極性のTFTを用いており、その極性はNチャネル型でもPチャネル型でも良い。
【0066】
回路の動作について説明する。ここでは、画素を構成するTFTは全てNチャネル型である場合を例とする。入力される信号の振幅は、ソース信号線から入力される信号、ゲート信号線を選択する信号ともにVDD(Hi)−VSS(Lo)とする。さらに、初期状態として、ソース信号線(S)、ゲート信号線(G)の電位はともにVSSであり、電流供給線(Current)の電位はVDDとする。
【0067】
また、TFTのしきい値は、一律VthNとする。また、図11(A)〜(D)は、図1に示した本発明の回路の動作を説明するためのタイミングチャートである。(A)はm−1行目のゲート信号線(G(m−1))の電位、(B)はm行目のゲート信号線(G(m))の電位、(C)はソース信号線(S(n))の電位、(D)は駆動用TFT102のゲート電極の電位を示す。また、m行目のゲート信号線(G(m))が選択されてから、再びm行目のゲート信号線(G(m))が選択されるまでの期間1101が、図9(F)に示したサブフレーム期間にあたり、1102で示される期間が1水平期間である。動作の説明には図1および図11を用いる。
【0068】
m−1行目のゲート信号線(G(m−1))が選択されてHi電位となり、m−1行目の画素にデジタル映像信号の書き込みが行われているとき、m行目の画素においては、第1のTFT151および第2のTFT152のゲート電極にHi電位が入力されてONし、第1の容量154の両電極はm行目のゲート信号線の電位、すなわちVSSに等しくなる。同時に駆動用TFT102のゲート電極の電位もVSSとなる。
【0069】
続いてm−1行目のゲート信号線(G(m−1))が非選択となって電位がLo電位となり、第1のTFT151および第2のTFT152がOFFする。m行目のゲート信号線(G(m))が選択されてHi電位となってスイッチング用TFT101がONし、このときのソース信号線(S(n))の電位、すなわちデジタル映像信号が駆動用TFT102のゲート電極に入力されてONする。同時に、第3のTFT153のゲート電極にも同様にデジタル映像信号が入力されてONする。
【0070】
ここで、駆動用TFT102および第3のTFT153のゲート電極の電位が、(VDD−VthN)となったところで、スイッチング用TFT101のゲート・ソース間電圧は、しきい値VthNに等しくなり、結果、スイッチング用TFT101はOFFする。よって、駆動用TFT102のゲート電極および第3のTFT153のゲート電極は、一旦浮遊状態となる。
【0071】
一方、第3のTFT153がONしたことにより、第3のTFT153の出力電極側の電位が上昇する。このとき、第3のTFT153の出力電極と、駆動用TFT102のゲート電極との間には、第1の容量154による容量結合が存在する。駆動用TFT102のゲート電極は浮遊状態となっているため、第3のTFT153の出力電極の電位上昇に伴い、駆動用TFT102のゲート電極の電位も、(VDD−VthN)から再び上昇し、VDDよりも高い電位となる。正確には、(VDD+VthN)よりも高い電位となる。
【0072】
この結果、スイッチング用TFT101を通過して、一度VthNだけ減衰したデジタル映像信号は、電圧補償回路によってその振幅補償を受け、駆動用TFT102のゲート電極に印加される。よって、駆動用TFT102は正常にONし、所望のドレイン電流を得ることが出来る。
【0073】
以後、容量154、155によって、駆動用TFT102のゲート電極に印加する電位が保持されて電流が流れ、EL素子104が発光する。次のサブフレーム期間において、m−1行目のゲート信号線(G(m−1))が選択されると、第1のTFT151および第2のTFT152がONして、駆動用TFT102のゲート電極の電位は、m行目のゲート信号線(G(m))の電位と等しく(すなわちLo電位に)なる。
【0074】
ここで、第1の容量154、第2の容量155について付記する。
【0075】
第1の容量154は、第3のTFT153の出力電極とゲート電極間に配置され、その容量結合を利用して駆動用TFT102のゲート電極電位を上昇させるために用いられる容量であり、第2の容量155は、第1の容量154と直列配置され、電位が安定している電流供給線と、駆動用TFT102の間を容量結合して、駆動用TFT102のゲート電極の電位を保持するために用いられる容量である。
【0076】
ここで、第2の容量155のもう1つの機能として、電圧補償回路のブートストラップを正常に機能させるための負荷として用いている点を付記しておく。この負荷がない場合、第3のTFT153のゲート電極の電位が、ソース信号線からのデジタル映像信号の入力によって上昇をはじめると、容量結合によって直ちに第3のTFT153の出力電極の電位が上昇する。この動作が起こった場合、先に述べたブートストラップが正常に働かなくなることがあるため、第2の容量155を配置することによって、第3のTFT153のゲート電極の電位の上昇に対し、第3のTFT153の出力電極の、容量結合による電位上昇を遅延させる。このようにすると、第3のTFTの出力電極の電位上昇は、第3のTFT153自身がONして流れるドレイン電流によるものが支配的となり、ブートストラップを正常に働かせることが出来る。
【0077】
以上の方法により、通常、ソース信号線に入力されるデジタル映像信号の電圧振幅よりも大きい電圧振幅が必要であったゲート信号線選択パルスを、デジタル映像信号と同等の電圧振幅にすることが可能となる。よって、ゲート信号線駆動回路側の消費電力を低減することが可能となる。
【0078】
また、本発明によると、容量結合によって上昇する駆動用TFT102のゲート電極電位はVDDよりも高くなる。この電位は、VDD+VthNまで上昇すれば良いので、容量結合に伴う電位上昇分の見積もりを詳細に行うことによって、さらにゲート信号線選択パルスの電圧振幅を小さくすることも可能である。
【0079】
なお、ここで示した動作の場合、電流供給線の電位は高くしておくことが動作上望ましいため、EL素子104の電極の向きは、105を陽極、106を陰極とするのが望ましい。この場合、従来例にて述べたのとは逆に、Nチャネル型TFTによって構成した場合には下面出射、Pチャネル型TFTによって構成した場合には上面出射となる。
【0080】
【実施例】
以下に、本発明の実施例について記載する。
【0081】
[実施例1]
本実施例においては、消去用の機構を付加した構成の画素を用いて、消去期間を含むSES駆動を行う例について説明する。
【0082】
図2に、本実施例の消去用の機構を有する画素の構成について示す。図2(A)に示すとおり、スイッチング用TFT201、駆動用TFT202、EL素子204、ソース信号線(S)、ゲート信号線(G)、電流供給線(Current)については従来と同様に有し、電圧補償回路210も、実施形態と同様に有している。本実施例では、ゲート信号線(G)の他に、消去用ゲート信号線(Ge)を有している。なお、本実施例においては、消去用ゲート信号線に対し、通常のゲート信号線を、書き込み用ゲート信号線と表記する。
【0083】
図2(B)は、電圧補償回路210の構成を含む回路図である。電圧補償回路210は、第1のTFT251、第2のTFT252、第3のTFT253、第1の容量254、第2の容量255を有する。また、G(m)はm行目に走査される書き込み用ゲート信号線、G(m−1)は、m−1行目に走査される書き込み用ゲート信号線である。Ge(m)はm行目に走査される消去用ゲート信号線である。
【0084】
第1の容量254と、第2の容量255とは、直列に配置される。第1の容量254の第1の電極は、スイッチング用TFT201の出力電極と接続され、第1の容量254の第2の電極は、第2の容量255の第1の電極と接続され、第2の容量255の第2の電極は、電流供給線と接続されている。
【0085】
第1のTFT251のゲート電極は、書き込み用ゲート信号線G(m−1)と接続され、入力電極は、書き込み用ゲート信号線G(m)と接続され、出力電極はスイッチング用TFT201の出力電極と接続されている。
【0086】
第2のTFT252のゲート電極は、書き込み用ゲート信号線G(m−1)と接続され、入力電極は、書き込み用ゲート信号線G(m)と接続され、出力電極は第1の容量254の第2の電極および、第2の容量255の第1の電極と接続されている。
【0087】
第3のTFT253のゲート電極は、スイッチング用TFT201の出力電極と接続され、入力電極は、消去用ゲート信号線Ge(m)と接続され、出力電極は、第1の容量254の第2の電極および、第2の容量255の第1の電極と接続されている。
【0088】
なお、画素を構成するTFT201、202、251〜253は全て同一極性のTFTを用いており、その極性はNチャネル型でもPチャネル型でも良い。
【0089】
回路の動作について説明する。ここでは、画素を構成するTFTは全てNチャネル型である場合を例とする。入力される信号の振幅は、ソース信号線から入力される信号、書き込み用ゲート信号線を選択する信号、消去用ゲート信号線を選択する信号ともにVDD(Hi)−VSS(Lo)とする。さらに、初期状態として、ソース信号線(S)、ゲート信号線(G)の電位はともにVSSであり、電流供給線(Current)、消去用ゲート信号線の電位はともにVDDとする。
【0090】
また、TFTのしきい値は、一律VthNとする。また、図12(A)〜(E)は、図2に示した本発明の回路の動作を説明するためのタイミングチャートである。(A)はm−1行目のゲート信号線(G(m−1))の電位、(B)はm行目の書き込み用ゲート信号線(G(m))の電位、(C)はソース信号線(S(n))の電位、(D)は駆動用TFT202のゲート電極の電位、(E)は消去用ゲート信号線の電位を示す。また、m行目の書き込み用ゲート信号線(G(m))が選択されてから、再びm行目の書き込み用ゲート信号線(G(m))が選択されるまでの期間1201が、図9(F)に示したサブフレーム期間にあたり、1202で示される期間が1水平期間である。動作の説明には図2および図12を用いる。
【0091】
m−1行目のゲート信号線(G(m−1))が選択されてHi電位となり、m−1行目の画素にデジタル映像信号の書き込みが行われているとき、m行目の画素においては、第1のTFT251および第2のTFT252のゲート電極にHi電位が入力されてONし、第1の容量254の両電極はm行目のゲート信号線の電位、すなわちVSSに等しくなる。同時に駆動用TFT202のゲート電極の電位もVSSとなる。
【0092】
続いてm−1行目のゲート信号線(G(m−1))の選択期間が終了してその電位がLo電位となり、第1のTFT251および第2のTFT252がOFFする。m行目のゲート信号線が選択されてHi電位となってスイッチング用TFT201がONし、このときのソース信号線(S(n))の電位、すなわちデジタル映像信号が駆動用TFT202のゲート電極に入力されてONする。同時に、第3のTFT253のゲート電極にも同様にデジタル映像信号が入力されてONする。
【0093】
ここで、駆動用TFT202および第3のTFT253のゲート電極の電位は、(VDD−VthN)となったところで、スイッチング用TFT201のゲート・ソース間電圧は、しきい値VthNに等しくなり、結果、スイッチング用TFT201はOFFする。よって、駆動用TFT202のゲート電極および第3のTFT253のゲート電極は、一旦浮遊状態となる。
【0094】
一方、第3のTFT253がONしたことにより、第3のTFT253の出力電極側の電位が上昇する。このとき、第3のTFT253の出力電極と、駆動用TFT202のゲート電極との間には、第1の容量254による容量結合が存在する。駆動用TFT202のゲート電極は浮遊状態となっているため、第3のTFT253の出力電極の電位上昇に伴い、駆動用TFT202のゲート電極の電位も、(VDD−VthN)から再び上昇し、VDDよりも高い電位となる。正確には、(VDD+VthN)よりも高い電位となる。
【0095】
この結果、スイッチング用TFT201を通過して、一度VthNだけ減衰したデジタル映像信号は、電圧補償回路によってその振幅補償を受け、駆動用TFT202のゲート電極に印加される。よって、駆動用TFT202は正常にONし、所望のドレイン電流を得ることが出来る。
【0096】
以後、容量254、255によって、駆動用TFT202のゲート電極に印加される電位が保持されて電流が流れ、EL素子204が発光する。
【0097】
続いて、消去期間を有するサブフレーム期間においては、m行目の消去用ゲート信号線(Ge(m))の電位がLo電位となり、第3のTFT253の入力電極側の電位が降下する。同時に、第1の容量254による容量結合によって、駆動用TFT202のゲート電極の電位も降下する。結果、駆動用TFT202のゲート電極の電位が、そのしきい値電圧を下回ると、駆動用TFT202がOFFし、EL素子204への電流が遮断される。よって、以後はEL素子は発光しない。
【0098】
次のサブフレーム期間において、m−1行目のゲート信号線(G(m−1))が選択されると、第1のTFT251および第2のTFT252がONして、駆動用TFT202のゲート電極の電位は、m行目のゲート信号線(G(m))の電位と等しく(すなわちLo電位に)なる。続いて、m行目の消去用ゲート信号線(Ge(m))の電位が再びHi電位となり、m行目のゲート信号線が選択されて、デジタル映像信号の書き込みを行う。以後、この手順を繰り返し、映像表示を行う。
【0099】
[実施例2]
本実施例においては、実施形態にて示した画素を有する発光装置を作製した例について述べる。
【0100】
図20(A)に、発光装置の概略図を示す。基板2000の中央部に、画素部2001が配置されている。図20(A)には特に図示していないが、1画素の構成は図1に示した通りである。画素部2001の周辺には、ソース信号線を制御するための、ソース信号線駆動回路2002および、ゲート信号線を制御するための、ゲート信号線駆動回路2007が配置されている。ゲート信号線駆動回路2007は、画素部2001の片側のみに配置しても良いことは前述の通りである。
【0101】
ソース信号線駆動回路2002、ゲート信号線駆動回路2007を駆動するために外部より入力される信号は、FPC2010を介して入力される。本実施例においては、FPC2010より入力される信号は、その電圧振幅が小さいため、レベルシフタ2006によって電圧振幅の変換を受けた上で、ソース信号線駆動回路2002、およびゲート信号線駆動回路2007へと入力される。
【0102】
図13は、ソース信号線駆動回路の構成を示したものである。シフトレジスタ1303、バッファ1304、第1のラッチ回路1305、第2のラッチ回路1306を有する。図20においては、バッファは図示していないが、シフトレジスタ以下の負荷が大きい場合などには、図13に示すようにバッファを設けてもよい。
【0103】
ソース信号線駆動回路には、ソース側クロック信号(SCLK)、ソース側クロック反転信号(SCLKb)、ソース側スタートパルス(SSP)、走査方向切替信号(LR)、走査方向切替反転信号(LRb)、デジタル映像信号(Data1〜3)が入力される。このうち、クロック信号、スタートパルスは、レベルシフタ1301、1302によって振幅変換を受けた後に入力される。
【0104】
図14に、シフトレジスタの構成を示す。図14(A)に示したブロック図において、1400で示したブロックが1段分のサンプリングパルスを出力するパルス出力回路であり、図14(A)のシフトレジスタは、n段(nは自然数、1<n)のパルス出力回路によって構成されている。
【0105】
図14(B)は、パルス出力回路の構成を詳細に示したものである。ここで、TFT1407、1408、1409、1410は、走査方向切替のために設けられたスイッチ用TFTであり、走査方向切替信号(LR)、走査方向切替反転信号(LRb)によって、左右走査方向の切替を行う。
【0106】
順方向走査の場合、サンプリングパルスの出力は、1段目、2段目、・・・、n−1段目、n段目の順であり、逆方向走査の場合、サンプリングパルスの出力は、n段目、n−1段目、・・・、2段目、1段目の順である。
【0107】
パルス出力回路本体は、TFT1401〜1406および、容量1411からなる。あるk段目(kは自然数、1<k<n)のパルス出力回路において、TFT1401、1404のゲート電極と、TFT1402、1403のゲート電極にはそれぞれ、k−1段目のパルス出力回路からの出力パルスもしくは、k+1段目のパルス出力回路からの出力パルスのいずれかが入力される。なお、k=1、すなわち初段のパルス出力回路におけるTFT1401、1404のゲート電極および、k=n、すなわち最終段のパルス出力回路におけるTFT1402、1403のゲート電極には、スタートパルス(SP)が入力される。
【0108】
順走査方向のときは、走査方向切替信号(LR)はHi電位、走査方向切替反転信号(LRb)はLo電位が入力される。よってTFT1407、1410がONし、TFT1401、1404のゲート電極には、k−1段目のパルス出力回路からの出力パルスが入力される。一方、TFT1402、1403のゲート電極には、k+1段目のパルス出力回路からの出力パルスが入力される。
【0109】
ここで、順方向走査の場合を例として、詳細な回路動作について説明する。図15に示したタイミングチャートを参照する。
【0110】
あるk段目のパルス出力回路において、TFT1401、1404のゲート電極にk−1段目のパルス出力回路からの出力パルスが入力されて
(k=1、すなわち初段の場合はスタートパルスが入力される)Hi電位となり、TFT1401、1404がONする(図15 1501参照)。これにより、TFT1405のゲート電極の電位はVDD側に引き上げられ(図15 1502参照)、その電位がVDD−VthNとなったところでTFT1401がOFFし、浮遊状態となる。この時点で、TFT1405のゲート・ソース間電圧は、そのしきい値を上回っており、TFT1405がONする。一方、TFT1402、1403のゲート電極には、まだパルス入力はなく、Lo電位のままであるので、OFFしている。よってTFT1406のゲート電極の電位はLo電位であり、OFFしているので、出力端子(SR Out)は、TFT1405の入力電極に入力されるクロック信号(SCLK、SCLKbのいずれか一方)がHi電位になるのに伴い、パルス出力回路の出力端子(SR Out)の電位がVDD側に引き上げられる(図15 1503参照)。ただし、ここまでの状態では、パルス出力回路の出力端子(SR Out)の電位は、TFT1405のゲート電極の電位VDD−VthNに対し、さらにしきい値分だけ降下した、VDD−2(VthN)までしか上昇し得ない。
【0111】
ここで、TFT1405のゲート電極と出力電極との間には、容量1411が設けられており、さらに今、TFT1405のゲート電極は浮遊状態にあるため、パルス出力回路の出力端子(SR Out)の電位が上昇、すなわちTFT1405の出力電極の電位が上昇するのに伴い、TFT1405のゲート電極の電位は、容量1411の働きによって、VDD−VthNからさらに引き上げられる。この動作によって、TFT1405のゲート電極の電位は、最終的にはVDD+VthNよりも高い電位となる(図15 1502参照)。パルス出力回路の出力端子(SR Out)の電位は、TFT1405のしきい値に影響されることなく、VDDまで正常に上昇する(図15 1503参照)。
【0112】
同様にして、k+1段目のパルス出力回路より、パルスが出力される(図151504参照)。k+1段目の出力パルスは、k段目に帰還してTFT1402、1403のゲート電極に入力される。TFT1402、1403のゲート電極の電位がHiとなってONし、TFT1405のゲート電極の電位はVSS側に引き下げられてTFT1405がOFFする。同時にTFT1406のゲート電極の電位がHi電位となってONし、k段目のパルス出力回路の出力端子(SR Out)の電位はLo電位となる。
【0113】
以後、最終段まで同様の動作により、順次VDD−VSS間の振幅を有するパルスが出力される。逆方向走査においても、回路の動作は同様である。
【0114】
最終段においては、次段より帰還入力されるパルスがないため、クロック信号がそのままTFT1405を通過して出力され続ける(図15 1507参照)。よって、最終段のパルス出力回路の出力パルスは、サンプリングパルスとして用いることが出来ない。同様に、逆方向走査の場合、初段の出力パルスがすなわち最終出力となるため、同様にサンプリングパルスとして用いることが出来ない。よって本実施例にて示した回路においては、必要な段数+2段のパルス出力回路を用いてシフトレジスタを構成し、両端をダミー段として扱っている(図13において、バッファ1304が接続されていない両端のパルス出力回路がダミー段に該当する)。それでも、最終出力は、次の水平期間が開始される前に何らかの方法で停止させる必要があるため、スタートパルスを初段の入力および最終段の期間入力として用い、次の水平期間でスタートパルスが入力された時点で最終段の出力が停止するようにしている。
【0115】
図16は、本実施例の発光装置に用いているバッファ1304の構成を示している。図16(A)に示すように、1601〜1604の4段構成となっており、初段のみ1入力1出力型、2段目以降は2入力2出力型としている。
【0116】
初段のユニット1601の回路構成を図16(B)示す。信号は、TFT1652、1654のゲート電極とに入力される。TFT1651のゲート電極は、入力電極と接続されている。TFT1652、1654のゲート電極にHi電位が入力されてONすると、TFT1653のゲート電極の電位はLo電位となり、その結果、出力端子(Out)はLo電位となる。TFT1652、1654のゲート電極にLo電位が入力されてOFFしているとき、TFT1651はゲート電極と入力電極が接続されて常にONしているので、TFT1653のゲート電極の電位が上昇し、前述のシフトレジスタの場合と同様、容量1655による結合によって、出力はHi電位となる。
【0117】
なお、TFT1651、TFT1652の関係として、TFT1651は、ゲート電極と入力電極とが接続されているため、TFT1652がONしたとき、TFT1651、TFT1652がともにONしていることになる。この状態でTFT1653のゲート電極の電位がLo電位となる必要があるため、TFT1651のチャネル幅を、TFT1652に対して小さく設計する必要がある。TFT1653のゲート電極1つを充電できるだけの能力があれば十分なので、TFT1651のチャネル幅は最小限で良い。また、TFT1651を小さくすることで、TFT1652がONしている期間のVDD−TFT1651−TFT1652−VSS間の貫通パスによる消費電流の増加を最小限とすることが出来る。
【0118】
図16(C)は、2段目以降に用いているユニットの回路構成を示している。TFT1652のゲート電極への入力は初段のものと同様であり、加えてTFT1651のゲート電極に、前段の入力を反転入力として用いている。このようにすることで、TFT1651、1652は排他的にON、OFFし、図16(B)の構成における、VDD−TFT1651−TFT1652−VSS間の貫通パスをなくすことが出来る。
【0119】
図17は、本実施例の発光装置に用いているクロック信号用レベルシフタ(A)、スタートパルス用レベルシフタ(B)の構成を示している。基本構成は、初段をレベルシフタ、2段目以降をバッファとした4段構成としており、前述のバッファ回路と同様である。VDDLO−VSS間の振幅を有する信号を入力し、VDD−VSS間の振幅を有する出力信号を得る(ここで、|VDDLO|<|VDD|)。
【0120】
クロック信号用レベルシフタの場合、初段は1入力1出力型であり、2段目以降は2入力1出力型としている。それぞれの入力に対し、互いの入力を反転入力として用いている。
【0121】
スタートパルス用レベルシフタの場合は、前述のバッファと同様の構成である。
【0122】
レベルシフタの初段に用いているユニットの回路構成を図17(C)に、2段目以降に用いているユニットの回路構成を図17(D)に示す。
それぞれの回路構成および動作は、図16(B)(C)に示したものと同様であり、初段に入力される信号の振幅がVDDLO−VSS間である点のみが異なる。
【0123】
TFT1752のゲート電極に入力される信号がHi電位のとき、TFT1752がONし(ただし、入力信号の振幅の絶対値|VDDLO−VSS|が、TFT1752のしきい値の絶対値|VthN|よりも確実に大きい場合)、TFT1753のゲート電極の電位はVSS側に引き下げられる。よって出力端子(Out)にはLo電位が現れる。一方、TFT1752のゲート電極に入力される信号がLo電位のととき、TFT1752がOFFし、TFT1751を通じて、TFT1753のゲート電極の電位はVDD側に引き上げられる。以後の動作は前述のバッファと同様である。
【0124】
この構成のレベルシフタの特徴として、高電位側(VDD側)に接続されたTFT1751の制御に、入力信号を直接ゲート電極に入力しない点がある。故に、入力信号の振幅が小さい場合においても、TFT1751のしきい値に関係なく、TFT1753のゲート電極の電位を引き上げることが出来るため、高い振幅変換利得を得られる。
【0125】
図18は、本実施例の発光装置に用いている第1および第2のラッチ回路の構成を示している。従来CMOS構成のラッチ回路の構成例としては、図21(A)に示すように、2個のインバータをループ状に接続した保持部と、保持タイミングを制御するスイッチとから構成されるものが一般的であり、さらにD−FF(フリップフロップ)回路を用いた図21(B)の構成も挙げられる。図21(C)は、最も簡単なDRAM構成によるものであり、保持部はインバータと容量によって構成され、第1のラッチ回路(LAT1)、第2のラッチ回路(LAT2)のインバータに入力する信号の電位を容量が保持する構成である。本実施例においては、最も構成の簡単な図21(C)の構成のものを用いた。
【0126】
図18に示すラッチ回路は、図21(C)のアナログスイッチを1個のNチャネル型TFTに置き換え、CMOSインバータを、4つのNチャネル型TFTと容量からなるNMOSインバータに置き換えた構成となっている。
【0127】
TFT1850の入力電極より、デジタル映像信号が入力され(Data In)、ゲート電極にサンプリングパルスが入力されて(Pulse In)TFT1850がONすると、デジタル映像信号がTFT1851〜1854および容量1855でなるインバータに入力され、その極性が反転して出力される。また、デジタル映像信号は、容量1856を用いて保持される。
【0128】
第2のラッチ回路においても同様の動作によって、ラッチパルス(LAT)の入力タイミングに従ってデジタル映像信号の書き込み、保持がなされる。
【0129】
図19は、ゲート信号線駆動回路の回路構成を示したものである。シフトレジスタ1903、バッファ1904を有する。
【0130】
ゲート信号線駆動回路には、ゲート側クロック信号(GCLK)、ゲート側クロック反転信号(GLKb)、ゲート側スタートパルス(GSP)が入力される。これらの入力信号は、レベルシフタ1901、1902によって振幅変換を受けた後に入力される。
【0131】
なお、シフトレジスタ1903、バッファ1904、スタートパルス用レベルシフタ1901、クロック信号用レベルシフタ1902の構成および動作に関しては、ソース信号線駆動回路に用いたものと同様であるので、ここでは説明を省略する。
【0132】
図19中、αで示される行のゲート信号線は、1行目の画素においては、前の行のゲート信号線選択パルス入力を得られないため、ダミー段として設けたものである。
【0133】
ここで紹介した駆動回路と、発明の実施形態にて示した画素とを用いて作製された表示装置は、単一極性のTFTのみを用いて構成することで工程中のドーピング工程の一部を削減し、さらにフォトマスクの枚数を減らすことが可能となった。さらに、前述の課題の項で述べた、信号振幅を広げることによる消費電流の増加といった課題も、ブートストラップ法を応用した回路を用いることによって解決することが可能となった。
【0134】
[実施例3]
実施例1においいて、消去用ゲート信号線を有する画素について説明したが、この型の画素の場合、書き込み用ゲート信号線の選択タイミングと、消去用ゲート信号線の選択タイミングとが異なり、さらにパルスの形態も異なるため、図20(B)に示したように、画素部の両側に配置されたゲート信号線駆動回路のうち、一方を書き込み用ゲート信号線駆動回路、他方を消去用ゲート信号線駆動回路として構成する。回路の構成に関しては、実施例2で説明したものと同様の構成で良いので、ここでは詳細な説明は省略する。
【0135】
[実施例4]
本実施例においては、同一基板上に、画素部および、画素部周辺に設ける駆動回路のTFTを同時に作製する方法について説明する。
【0136】
まず、図6(A)に示すように、コーニング社の#7059ガラスや#1737ガラス等に代表されるバリウムホウケイ酸ガラス、またはアルミノホウケイ酸ガラス等からなる基盤5001上に酸化シリコン膜、窒化シリコン膜、または酸化窒化シリコン膜等の絶縁膜からなる下地膜5002を形成する。特に図示していないが、下地膜5002の形成については、例えば、プラズマCVD法でSiH4、NH3、N2Oから作製される酸化窒化シリコン膜を10〜200[nm](好ましくは50〜100[nm])の厚さに形成し、同様にSiH4、N2Oから作製される酸化窒化水素化シリコン膜を50〜200[nm](好ましくは100〜150[nm])の厚さに積層形成する。
【0137】
続いて、島状の半導体層5003〜5005は、非晶質構造を有する半導体膜を。レーザー結晶化法や公知の熱結晶化法を用いて作製した結晶質半導体膜で形成する。この島状の半導体層5003〜5005の厚さは25〜80[nm](好ましくは30〜60[nm])として形成する。結晶質半導体層の材料には特に限定は無いが、好ましくはシリコンまたはシリコンゲルマニウム(SiGe)合金等で形成すると良い。
【0138】
レーザー結晶化法で結晶質半導体膜を作製するには、パルス発振型または連続発光型のエキシマレーザーやYAGレーザー、YVO4レーザーを用いる。これらのレーザーを用いる場合には、レーザー発振器から放射されたレーザー光を光学系で線状に集光して半導体膜に照射する方法を用いると良い。結晶化の条件は実施者が適宜選択するものであるが、エキシマレーザーを用いる場合にはパルス発振周波数を30[Hz]とし、レーザーエネルギー密度を100〜400[mJ/cm2](代表的には200〜300[mJ/cm2])とする。また、YAGレーザーを用いる場合にはその第2高調波を用い、パルス発振周波数1〜10[kHz]とし、レーザーエネルギー密度を300〜600[mJ/cm2](代表的には350〜500[mJ/cm2])とすると良い。そして幅100〜1000[μm]、例えば400[μm]で線状に集光したレーザー光を基板全面に渡って照射し、このときの線状レーザーの重ねあわせ率(オーバーラップ率)を80〜98[%]として行う。
【0139】
続いて、島状の半導体層5003〜5005を覆うゲート絶縁膜5006を形成する。ゲート絶縁膜5006は、プラズマCVD法またはスパッタ法を用い、厚さを40〜150[nm]としてシリコンを含む絶縁膜で形成する。本実施例では、120[nm]の厚さで酸化窒化シリコン膜で形成する。勿論、ゲート絶縁膜はこのような酸化窒化シリコン膜に限定されるものではなく、他のシリコンを含む絶縁膜を単層または積層構造として用いても良い。例えば、酸化シリコンを用いる場合には、プラズマCVD法でTEOS(Tetraethyl Orthosilicate)とO2とを混合し、反応圧力40[Pa]、基板温度300〜400[℃]とし、高周波(13.56[MHz])電力密度0.5〜0.8[W/cm2]で放電させて形成することが出来る。このようにして作製される酸化シリコン膜は、その後400〜500[℃]の熱アニールにより、ゲート絶縁膜として良好な特性を得ることが出来る。
【0140】
そして、ゲート絶縁膜5006上にゲート電極を形成するための第1の導電膜5007と第2の導電膜5008とを積層形成する。本実施例では、第1の導電層5007をタンタル(Ta)で50〜100[nm]の厚さに形成し、第2の導電層5009をタングステン(W)で100〜300[nm]の厚さに形成する(図6(A))。
【0141】
Ta膜はスパッタ法で、TaのターゲットをArでスパッタすることにより形成する。この場合、Arに適量のXeやKrを加えると、Ta膜の内部応力を緩和して膜の剥離を防止することが出来る。また、α相のTa膜の抵抗率は20[μΩcm]程度でありゲート電極として使用することが出来るが、β相のTa膜の抵抗率は180[μΩcm]程度でありゲート電極には不向きである。α相のTa膜を形成するために、Taのα相に近い結晶構造を有する窒化タンタル(TaN)を10〜50[nm]程度の厚さでTaの下地に形成しておくとα相のTa膜を容易に得ることが出来る。
【0142】
W膜を形成する場合には、Wをターゲットとしたスパッタ法で形成する。その他にも6フッ化タングステン(WF6)を用いる熱CVD法で形成することも出来る。いずれにしてもゲート電極として使用するためには低抵抗化を図る必要があり、W膜の抵抗率は20[μΩcm]以下にすることが望ましい。W膜は結晶粒を大きくすることで低抵抗率化を図ることが出来るが、W中に酸素などの不純物元素が多い場合には結晶化が阻害されて高抵抗化する。このことより、スパッタ法による場合、純度99.9999[%]のWターゲットを用い、さらに製膜時に気相中からの不純物の混入がないように十分配慮してW膜を形成することにより、抵抗率9〜20[μΩcm]を実現することが出来る。
【0143】
なお、本実施例においては、第1の導電膜5007をTa、第2の導電膜5008をWとしたが、特に限定されず、いずれもTa、W、Mo、Al、Cuから選ばれた元素、または前記元素を主成分とする合金材料もしくは化合物材料で形成しても良い。また、リン等の不純物元素をドーピングした多結晶シリコン膜に代表される半導体膜を用いても良い。本実施例以外の他の組み合わせの一例としては、第1の導電膜をTaN、第2の導電膜をWとする組み合わせ、第1の導電膜をTaN、第2の導電膜をAlとする組み合わせ、第1の導電膜をTaN、第2の導電膜をCuとする組み合わせ等が望ましい。
【0144】
次に、レジストによるマスク5009を形成し、電極および配線を形成するための第1のエッチング処理を行う。本実施例ではICP(Inductively coupled plasma:誘導結合型プラズマ)エッチング法を用い、エッチング用ガスにCF4とCl2とを混合し、1[Pa]の圧力でコイル型の電極に500[W]のRF(13.56[MHz])電力を投入してプラズマを生成して行う。基板側(試料ステージ)にも100[W]のRF電力を投入し、実質的に負の自己バイアス電圧を印加する。CF4とCl2とを混合した場合にはW膜およびTa膜とも同程度にエッチングされる。
【0145】
上記エッチング条件では、レジストによるマスクの形状を適したものとすることと、基板側に印加するバイアス電圧の効果とにより第1の導電膜および第2の導電膜の端部がテーパー形状となる。テーパー部の角度は15〜45°となる。ゲート絶縁膜上に残渣を残すことなくエッチングを行うためには、10〜20[%]の割合でエッチング時間を増加させると良い。W膜に対する酸化窒化シリコン膜の選択比は2〜4(代表的には3)であるので、オーバーエッチング処理により、酸化窒化シリコン膜が露出した面は20〜50[nm]程度エッチングされることになる。こうして、第1のエッチング処理により第1の導電層5010a〜5013aと第2の導電層5010b〜5013bからなる第1の形状の導電層5010〜5013を形成する。このとき、ゲート絶縁膜5006においては、第1の形状の導電層5010〜5013で覆われない領域は20〜50[nm]程度エッチングされて薄くなった領域が形成される(図6(B))。
【0146】
そして、第1のドーピング処理を行い、N型を付与する不純物元素を添加する(図6(B))。ドーピング処理は、イオンドーピング法もしくはイオン注入法で行えば良い。イオンドープ法にあたっての条件は、ドーズ量を1×1013〜5×1014[atoms/cm2]とし、加速電圧を60〜100[keV]とする。N型を付与する不純物元素としては、15族に属する元素、典型的にはリン(P)または砒素(As)を用いるが、ここではPを用いる。この場合、導電層5010〜5013がN型を付与する不純物元素に対するマスクとなり、自己整合的に第1の不純物領域5014〜5016が形成される。この第1の不純物領域5014〜5016には、1×1020〜1×1021[atoms/cm3]の濃度範囲でN型を付与する不純物元素を添加する。
【0147】
次に、第2のエッチング処理を行う(図6(C))。同様にICPエッチング法を用い、エッチング用ガスにCF4とCl2とO2とを混合して、1[Pa]の圧力でコイル型の電極に500[W]のRF電力を供給し、プラズマを生成して行う。基板側(試料ステージ)にも50[W]のRF電力を投入し、第1のエッチング処理に比べ低い自己バイアス電圧を印加する。このような条件により第2の導電層であるWを異方性エッチングし、かつ、それより遅いエッチング速度で第1の導電層であるTaを異方性エッチングして第2の形状の導電層5017〜5020(第1の導電層5017a〜5020aおよび第2の導電層5017b〜5020b)を形成する。このとき、ゲート絶縁膜5006においては、第2の形状の導電層5017〜5020で覆われない領域はさらに20〜50[nm]程度エッチングされて薄くなった領域が形成される。
【0148】
W膜やTa膜のCF4とCl2の混合ガスによるエッチング反応は、生成されるラジカルまたはイオン種と反応生成物の蒸気圧から推測することが出来る。WとTaのフッ化物と塩化物の蒸気圧を比較すると、Wのフッ化物であるWF6の蒸気圧が極端に高く、その他のWCl5、TaF5、TaCl5については同程度である。従って、CF4とCl2の混合ガスでは、W膜およびTa膜共にエッチングされる。しかし、この混合ガスに適量のO2を添加するとCF4とO2が反応してCOとFになり、FラジカルまたはFイオンが多量に発生する。その結果、フッ化物の蒸気圧が高いW膜のエッチング速度が増大する。一方、TaはFが増大しても、相対的にエッチング速度の増加は少ない。また、TaはWに比較して酸化されやすいので、O2を添加することでTaの表面が酸化される。Taの酸化物はフッ素や塩素と反応しないため、さらにTa膜のエッチング速度は低下することとなる。従って、W膜とTa膜とのエッチング速度に差を作ることが可能となる。
【0149】
そして、第2のドーピング処理を行う(図6(D))。この場合、第1のドーピング処理よりもドーズ量を下げて高い加速電圧の条件としてN型を付与する不純物元素ドーピングする。例えば、加速電圧を70〜120[keV]とし、1×1013[atoms/cm2]のドーズ量で行い、図6(B)で島状の半導体層に形成された第1の不純物領域の内側に新たな不純物領域を形成する。ドーピングは、第2の導電層5017b〜5020bを不純物元素に対するマスクとして用い、第1の導電層5017a〜5020aの下側の領域にも不純物元素が添加されるようにしてドーピングする。
こうして、第1の導電層と重なる第2の不純物領域5021〜5023が形成される。
【0150】
続いて、第3のエッチング処理を行う(図7(A))。ここでは、エッチング用ガスにCl2を用い、ICPエッチング装置を用いて行う。本実施例では、Cl2のガス流量比を60[sccm]とし、1 [Pa]の圧力でコイル型の電極に350[W]のRF電力を投入してプラズマを生成してエッチングを70秒行った。基板側(試料ステージ)にもRF電力を投入し、実質的に負の自己バイアス電圧を印加する。第3のエッチングにより、第1の導電層が後退して第3の形状の導電層5024〜5027(第1の導電層5024a〜5027aおよび第2の導電層5024b〜5027b)が形成され、第2の不純物領域5021〜5023は、第1の導電層と重なる第2の不純物領域5028a〜5030aと、第1の導電層と重ならない第3の不純物領域5028b〜5030bとなる。
【0151】
以上までの工程でそれぞれの島状の半導体層に不純物領域が形成される。島状の半導体層と重なる第3の形状の導電層5024〜5026が、TFTのゲート電極として機能する。また、第3の形状の導電層5027は、ソース信号線として機能する。
【0152】
続いて、導電型の制御を目的として、それぞれの島状の半導体層に添加された不純物元素を活性化する工程を行う。この工程はファーネスアニール炉を用いる熱アニール法で行う。その他に、レーザーアニール法、ラピッドサーマルアニール法(RTA法)を適用することが出来る。熱アニール法では酸素濃度が1[ppm]以下、好ましくは0.1[ppm]以下の窒素雰囲気中で400〜700[℃]、代表的には500〜600[℃]で行うものであり、本実施例では500[℃]で4時間の熱処理を行う。ただし、5024〜5027に用いた配線材料が熱に弱い場合には、配線等を保護するため層間絶縁膜(シリコンを主成分とする)を形成した後で熱活性化を行うことが望ましい。
【0153】
さらに、3〜100[%]の水素を含む雰囲気中で、300〜450[℃]で1〜12時間の熱処理を行い、島状の半導体層を水素化する工程を行う。この工程は熱的に励起された水素により半導体層のダングリングボンドを終端する工程である。水素化するための、熱水素化の他の方法として、プラズマ水素化(プラズマにより励起された水素を用いる)によって行っても良い。
【0154】
次いで、図7(B)に示すように、第1の層間絶縁膜5031を、酸化窒化シリコン膜で100〜200[nm]の厚さで形成する。その上に有機絶縁物材料からなる第2の層間絶縁膜5032を形成した後、第1の層間絶縁膜5031、第2の層間絶縁膜5032、およびゲート絶縁膜5006に対してコンタクトホールを開口し、配線材料による膜を形成して各配線5033〜5038をパターニングした後、配線5037に接するように画素電極5039をパターニング形成する。
【0155】
第2の層間絶縁膜5032としては、ポリイミド、ポリアミド、アクリル、BCB(ベンゾシクロブテン)等の有機樹脂を材料とする膜を用いる。特に、第2の層間絶縁膜5032は平坦化の意味合いが強いので、平坦性に優れたアクリルが望ましい。本実施例ではTFTによって形成される段差を十分に平坦化しうる膜厚でアクリル膜を形成する。好ましくは1〜5[μm](さらに好ましくは2〜4[μm])とすれば良い。
【0156】
コンタクトホールの形成は、ドライエッチングまたはウェットエッチング法を用い、N型の不純物領域5014〜5016、およびソース信号線5027、ゲート信号線(図示せず)、電流供給線(図示せず)およびゲート電極5024〜5026に達する(図示せず)コンタクトホールをそれぞれ形成する。
【0157】
また、配線5033〜5038として、Ti膜を100[nm]、Tiを含むAl膜を300[nm]、Ti膜を150[nm]、スパッタ法で連続形成した3層積層の膜を所望の形状にパターニングして形成する。勿論、他の導電性材料を用いても良い。
【0158】
また、本実施例では、画素電極(反射電極)5039として、MgAgを用いて200[um]の厚さで形成、パターニングを行う。画素電極5039を配線5037と重なるように配置することでコンタクトを取っている。
【0159】
次に、図7(C)に示すように、珪素を含む絶縁膜(本実施例では酸化珪素膜)を500[nm]の厚さに形成し、画素電極5039に対応する位置に開口部を形成して第3の層間絶縁膜5040を形成する。開口部を形成する際、ウェットエッチング法を用いることで、容易にテーパー状の側壁を得ることが出来る。開口部の側壁が十分になだらかでないと、段差に起因するEL層の劣化や段切れ等が顕著な問題となる。
【0160】
続いて、EL層5041を、真空蒸着法を用いて形成した後、画素電極(透明電極)5042を形成する。EL層の膜厚は80〜200[um](典型的には100〜120[nm])、画素電極(透明電極)5042の膜厚は110[nm]とすれば良い。
【0161】
この工程では、赤色に対応する画素、緑色に対応する画素、青色に対応する画素に対して、順次EL層および画素電極(透明電極)を形成する。ただし、EL層は溶液に対する耐性に乏しいため、フォトリソグラフィ技術を用いることなく各色個別に形成しなくてはならない。そこでメタルマスク等で所望の画素以外を隠し、必要箇所だけ選択的にEL層および画素電極(透明電極)を形成するのが望ましい。
【0162】
ここでは、RGBに対応した3種類のEL素子を形成する方式を用いているが、白色発光のEL素子とカラーフィルタを組み合わせた方式、青色または青緑発光のEL素子と蛍光体(蛍光性の色変換層:CCM)とを組み合わせた方式等を用いても良い。
【0163】
なお、EL層5041としては公知の材料を用いることが出来る。公知の材料としては、駆動電圧を考慮すると有機材料を用いるのが望ましい。
【0164】
ここまでの工程で、MgAgでなる陰極、EL層、透明導電膜でなる陽極とが形成される。次いで、窒化珪素膜でなるパッシベーション膜を保護膜5043として300[nm]の厚さに形成する。この保護膜5043によって、EL層を水分等から保護する。
【0165】
なお、実際には図7(C)の状態まで完成したら、さらに外気に曝されないように、気密性が高く、脱ガスの少ない保護フィルム(ラミネートフィルム、紫外線硬化樹脂フィルム等)や透光性のシーリング材でパッケージング(封入)することが好ましい。その際、シーリング材の内部を不活性雰囲気にしたり、内部に吸湿性材料(例えば酸化バリウム)を配置したりするとEL素子の信頼性が向上する。
【0166】
また、パッケージング等の処理により気密性を高めたら、基板上に形成された素子又は回路から引き回された端子と外部信号端子とを接続するためのコネクタ(フレキシブルプリントサーキット:FPC)を取り付けて製品として完成する。このような出荷出来る状態にまでした状態を本明細書中では発光装置という。
【0167】
また、本実施例で示す工程に従えば、アクティブマトリクス基板の作製に必要なフォトマスクの数を4枚(島状半導体層パターン、第1配線パターン(ゲート配線、島状のソース配線、容量配線)、コンタクトホールパターン、第2配線パターン(画素電極、接続電極含む))とすることができる。その結果、工程を短縮し、製造コストの低減及び歩留まりの向上に寄与することができる。
【0168】
[実施例5]
実施例4に示した工程は、画素および周辺の駆動回路をNチャネル型TFTを用いて構成する場合の例として説明したが、本発明はPチャネル型TFTを用いての実施も可能である、
【0169】
Nチャネル型TFTの場合、ホットキャリア劣化等の抑制のため、ゲート電極と重なる領域に、オーバーラップ領域と呼ばれる不純物領域を設けている。これに対してPチャネル型TFTの場合は、ホットキャリア劣化による影響が小さいので、特にオーバーラップ領域を設ける必要はなく、この場合、より簡単な工程で作製することが可能である。
【0170】
図22(A)に示すように、実施例4に従って、ガラス等の絶縁基板6001上に下地膜6002を形成し、次いで島状の半導体層6003〜6005、ゲート絶縁膜6006、導電層6007、6008を形成する。ここで、導電層6007、6008は、ここでは積層構造としているが、特に単層であっても構わない。
【0171】
次いで、図22(B)に示すように、レジストによるマスク6009を形成し、第1のエッチング処理を行う。実施例4においては、積層構造とした導電層の材質による選択比を利用して、異方性エッチングを行ったが、ここでは特にオーバーラップ領域となる領域を設ける必要はないので、通常エッチングにて行えば良い。このとき、ゲート絶縁膜6006においては、エッチングによって20[nm]〜50[nm]程度薄くなった領域が形成される。
【0172】
続いて、島状の半導体層にP型を付与する不純物元素を添加するための第1のドーピング処理を行う。導電層6010〜6012を不純物元素に対するマスクとして用い、自己整合的に不純物領域を形成する。P型を付与する不純物元素としては、ボロン(B)等が代表的である。kじょこでは、ジボラン(B2H6)を用いたイオンドープ法で形成し、半導体層中の不純物濃度が2×1020〜2×1021[atoms/cm3]となるようにする。
【0173】
レジストによるマスクを除去して、図22(C)の状態を得る。以後、実施例4における図7(B)以降の工程に従って作製する。
【0174】
なお、本実施例においては、画素および周辺の駆動回路を形成するTFTはPチャネル型であるので、実施例4で示したEL素子の構成とは逆の構成として形成するのが望ましい。つまり、実施例4にて用いた図7(B)において、画素電極5032を透明電極にて形成し、EL素子の陽極として用いる。さらにEL層の形成後、MgAg等でなる反射電極を形成し、EL素子の陰極として用いる。この構成によると、EL素子において発生した光は、TFTが形成されている基板側に出射される。
【0175】
[実施例6]
実施例4に示した工程において、駆動回路および画素を構成するTFTは、通常のシングルゲート構造を有するTFTであるが、本発明は、図24(C)に示すように、活性層を挟んで複数のゲート電極を有する構造のTFTを用いて実施しても良い。以下に、作製工程について説明する。
【0176】
コーニング社の#7059ガラスや#1737ガラス等に代表されるバリウムホウケイ酸ガラス、またはアルミノホウケイ酸ガラス等からなる基盤7001上に、導電性材料でなる導電膜を形成し、パターニングによって、図24(A)に示すように下部ゲート電極7002を形成する。下部ゲート電極を構成する材質として、導電性材料であれば特に限定はしないが、代表的にはTa、W等を用いると良い。
【0177】
次いで、第1の絶縁膜7003を形成する。第1の絶縁膜7003としては、酸化窒化シリコンを用いて10〜50[nm]の厚さで形成する。
【0178】
第1の絶縁膜7003を形成した時点での表面は、図24(A)に示すように、下部ゲート電極7002に起因した凹凸を有している。以後の作製工程を考えると、この凹凸を平坦化することが望ましい。ここで、平坦化の手法としては、CMP(Chemical Mechanical Polishing)を用いる。CMPとは、研磨対象物の表面に化学的な処理を施すことによって研磨しやすい状態とし、その後機械的な研磨を施すことで、精密な平滑面を得るための研磨方法の1つである。
【0179】
第1の絶縁膜7003の上に、平坦化膜7004として酸化シリコン膜もしくは酸化窒化シリコン膜を0.5〜1[μm]の厚さに成膜する。平坦化膜7004に対するCMPの研磨剤(スラリー)には、例えば塩化シリコンガスを熱分解して得られるフュームドシリカ粒子をKOH添加水溶液に分散したものを用いると良い。CMPにより、平坦化膜7004を0.5〜1[μm]程度研磨除去して、表面を平坦化する。
【0180】
こうして、図24(B)に示すように、表面が平坦化された状態が得られる。以後、実施例4に従ってTFTを形成し、周辺回路および画素を形成すれば良い。
【0181】
ここで作製されたTFTは、活性層を挟むようにして重なり合う、ゲート電極と下部ゲート電極とを有する。ここで、スイッチング回路等のように、応答の迅速性が要求される場合には、下部ゲート電極7002と、ゲート電極7006との両方に信号を入力するようにして用いる。両ゲート電極に同じ信号が入力されることによって、活性層におけるチャネル領域の空乏化が早く進み、電界効果移動度が上昇して電流能力を高くすることが出来るため、迅速な応答性が期待出来る。
【0182】
一方、画素部における駆動用TFTのように、特性の均一化、またオフリーク電流の低減が要求される場合には、ゲート電極には信号を入力し、下部ゲート電極は、ある一定電位に固定するようにして用いる。このときのある一定電位とは、その電位をTFTのゲート電極に印加したとき、確実にOFFするような電位とする。代表的には、TFTがNチャネル型である場合はVSS等の低電位側電源に、TFTがPチャネル型である場合は、VDD等の高電位電源に接続すると良い。このようにした場合、下部ゲート電極を持たない構造のTFTに比べ、しきい値電圧のばらつきを低減することが出来る。さらにオフリーク電流の低減も期待出来るため、有効である。
【0183】
[実施例7]
本発明は、様々な電子機器に用いられている表示装置の作製に適用が可能である。このような電子機器には、携帯情報端末(電子手帳、モバイルコンピュータ、携帯電話等)、ビデオカメラ、デジタルカメラ、パーソナルコンピュータ、テレビ、携帯電話等が挙げられる。それらの一例を図23に示す。
【0184】
図23(A)はOLEDディスプレイであり、筐体3001、支持台3002、表示部3003等により構成されている。本発明は、表示部3003に適用が可能である。
【0185】
図23(B)はビデオカメラであり、本体3011、表示部3012、音声入力部3013、操作スイッチ3014、バッテリー3015、受像部3016等により構成されている。本発明は、表示部3012に適用が可能である。
【0186】
図23(C)はノート型のパーソナルコンピュータであり、本体3021、筐体3022、表示部3023、キーボード3024等により構成されている。本発明は、表示部3023に適用が可能である。
【0187】
図23(D)は携帯情報端末であり、本体3031、スタイラス3032、表示部3033、操作ボタン3034、外部インターフェイス3035等により構成されている。本発明は、表示部3033に適用が可能である。
【0188】
図23(E)は音響再生装置、具体的には車載用のオーディオ装置であり、本体3041、表示部3042、操作スイッチ3043、3044等により構成されている。本発明は表示部3042に適用が可能である。また、本実施例では車載用オーディオ装置を例に挙げたが、携帯型もしくは家庭用のオーディオ装置に用いても良い。
【0189】
図23(F)はデジタルカメラであり、本体3051、表示部(A)3052、接眼部3053、操作スイッチ3054、表示部(B)3055、バッテリー3056等により構成されている。本発明は、表示部(A)3052および表示部(B)3055に適用が可能である。
【0190】
図23(G)は携帯電話であり、本体3061、音声出力部3062、音声入力部3063、表示部3064、操作スイッチ3065、アンテナ3066等により構成されている。本発明は、表示部3064に適用が可能である。
【0191】
なお、本実施例に示した例はごく一例であり、これらの用途に限定するものではないことを付記する。
【発明の効果】
本発明の発光装置は、単一極性のTFTを用いて画素部および周辺駆動回路を一体形成する。これによって、ドーピング工程の一部を削減し、さらにはマスク枚数も減少することで、歩留まり向上やコスト削減に貢献する。
【0192】
さらに、本発明の発光装置は、ブートストラップ法を応用した新規の構造をもって、画素を駆動するための信号の電圧振幅を小さくすることが出来る。これによって、発光装置の低消費電力化に貢献する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態を示す図。
【図2】 本発明の一実施例を示す図。
【図3】 従来の発光装置の一構成を示す図。
【図4】 従来の発光装置の一構成を示す図。
【図5】 画素部のTFTおよび発光素子の動作を説明する図。
【図6】 本発明の発光装置の作製工程を示す図。
【図7】 本発明の発光装置の作製工程を示す図。
【図8】 上面出射および下面出射の場合の発光装置の画素部断面を示す図。
【図9】 発光装置の駆動に関するタイミングチャートを示す図。
【図10】 発光装置の駆動に関するタイミングチャートを示す図。
【図11】 本発明の発光装置の画素駆動時の、各ノードにおける電位を示す図。
【図12】 本発明の発光装置の画素駆動時の、各ノードにおける電位を示す図。
【図13】 本発明の発光装置を構成するソース信号線駆動回路の構成図。
【図14】 シフトレジスタの回路構成図。
【図15】 シフトレジスタの駆動に関するタイミングチャートを示す図。
【図16】 バッファの回路構成図。
【図17】 レベルシフタの回路構成図。
【図18】 ラッチ回路の回路構成図。
【図19】 本発明の発光装置を構成するゲート信号線駆動回路の構成図。
【図20】 本発明の発光装置の全体概略図。
【図21】 一般的なラッチ回路の構成例を示す図。
【図22】 本発明の発光装置の作製工程例を示す図。
【図23】 本発明が適用可能な電子機器の例を示す図。
【図24】 デュアルゲート型TFTの断面および作製工程例を示す図。
Claims (11)
- 第1乃至第3の配線と、第1乃至第3のスイッチと、第1及び第2のトランジスタと、第1及び第2の容量と、発光素子と、を有し、
前記第1のスイッチの一方の電極は、前記第1の配線と電気的に接続され、
前記第1のスイッチの他方の電極は、前記第2のスイッチの一方の電極、前記第1のトランジスタのゲート、前記第2のトランジスタのゲート、及び前記第1の容量の一方の電極と電気的に接続され、
前記第2のスイッチの他方の電極は、前記第2の配線と電気的に接続され、
前記第3のスイッチの一方の電極は、前記第2のトランジスタのソース又はドレインの一方、及び前記第1の容量の他方の電極と電気的に接続され、
前記第3のスイッチの他方の電極は、前記第2の配線と電気的に接続され、
前記第1のトランジスタのソース又はドレインの一方は、前記第3の配線と電気的に接続され、
前記第1のトランジスタのソース又はドレインの他方は、前記発光素子と電気的に接続され、
前記第2のトランジスタのソース又はドレインの他方は、前記第3の配線と電気的に接続され、
前記第2の容量の一方の電極は、前記第1の容量の他方の電極と電気的に接続され、
前記第2の容量の他方の電極は、前記第3の配線と電気的に接続され、
前記第2のスイッチ及び前記第3のスイッチがONである第1の期間と、
前記第1の期間の後の、前記第2のスイッチ及び前記第3のスイッチがOFFであり、前記第1のスイッチがONである第2の期間と、
前記第2の期間の後の、前記第1のスイッチがOFFであり、前記第1の配線から印加された電圧により前記第2のトランジスタがONになり、前記第2のトランジスタを介して前記第3の配線から印加された電圧により前記第1の容量の他方の電極の電圧の絶対値が増加することによって、前記第1の容量の一方の電極の電圧の絶対値が増加する第3の期間と、を有することを特徴とする発光装置。 - 第1乃至第4の配線と、第1乃至第3のスイッチと、第1及び第2のトランジスタと、第1及び第2の容量と、発光素子と、を有し、
前記第1のスイッチの一方の電極は、前記第1の配線と電気的に接続され、
前記第1のスイッチの他方の電極は、前記第2のスイッチの一方の電極、前記第1のトランジスタのゲート、前記第2のトランジスタのゲート、及び前記第1の容量の一方の電極と電気的に接続され、
前記第2のスイッチの他方の電極は、前記第2の配線と電気的に接続され、
前記第3のスイッチの一方の電極は、前記第2のトランジスタのソース又はドレインの一方、及び前記第1の容量の他方の電極と電気的に接続され、
前記第3のスイッチの他方の電極は、前記第2の配線と電気的に接続され、
前記第1のトランジスタのソース又はドレインの一方は、前記第3の配線と電気的に接続され、
前記第1のトランジスタのソース又はドレインの他方は、前記発光素子と電気的に接続され、
前記第2のトランジスタのソース又はドレインの他方は、前記第4の配線と電気的に接続され、
前記第2の容量の一方の電極は、前記第1の容量の他方の電極と電気的に接続され、
前記第2の容量の他方の電極は、前記第3の配線と電気的に接続され、
前記第2のスイッチ及び前記第3のスイッチがONである第1の期間と、
前記第1の期間の後の、前記第2のスイッチ及び前記第3のスイッチがOFFであり、前記第1のスイッチがONである第2の期間と、
前記第2の期間の後の、前記第1のスイッチがOFFであり、前記第1の配線から印加された電圧により前記第2のトランジスタがONになり、前記第2のトランジスタを介して前記第4の配線から印加された電圧により前記第1の容量の他方の電極の電圧の絶対値が増加することによって、前記第1の容量の一方の電極の電圧の絶対値が増加する第3の期間と、
前記第3の期間の後の、前記第2のトランジスタを介して前記第4の配線から印加された電圧により前記第1の容量の他方の電極の電圧の絶対値が減少することによって、前記第1の容量の一方の電極の電圧の絶対値が減少する第4の期間と、を有することを特徴とする発光装置。 - 第1乃至第3の配線と、第1乃至第3のスイッチと、第1及び第2のトランジスタと、第1及び第2の容量と、発光素子と、を有し、
前記第1のスイッチの一方の電極は、前記第1の配線と電気的に接続され、
前記第1のスイッチの他方の電極は、前記第2のスイッチの一方の電極、前記第1のトランジスタのゲート、前記第2のトランジスタのゲート、及び前記第1の容量の一方の電極と電気的に接続され、
前記第2のスイッチの他方の電極は、前記第2の配線と電気的に接続され、
前記第3のスイッチの一方の電極は、前記第2のトランジスタのソース又はドレインの一方、及び前記第1の容量の他方の電極と電気的に接続され、
前記第3のスイッチの他方の電極は、前記第2の配線と電気的に接続され、
前記第1のトランジスタのソース又はドレインの一方は、前記第3の配線と電気的に接続され、
前記第1のトランジスタのソース又はドレインの他方は、前記発光素子と電気的に接続され、
前記第2のトランジスタのソース又はドレインの他方は、前記第3の配線と電気的に接続され、
前記第2の容量の一方の電極は、前記第1の容量の他方の電極と電気的に接続され、
前記第2の容量の他方の電極は、前記第3の配線と電気的に接続され、
前記第1及び第2の配線は、電圧を印加する機能を有し、
前記第3の配線は、電流を供給する機能を有し、
前記第2のスイッチ及び前記第3のスイッチがONである第1の期間と、
前記第1の期間の後の、前記第2のスイッチ及び前記第3のスイッチがOFFであり、前記第1のスイッチがONである第2の期間と、
前記第2の期間の後の、前記第1のスイッチがOFFであり、前記第1の配線から印加された電圧により前記第2のトランジスタがONになる第3の期間と、を有することを特徴とする発光装置。 - 請求項1乃至3のいずれか一項において、
前記第1及び第2のトランジスタは、同一導電型のトランジスタであることを特徴とする発光装置。 - 請求項4において、
前記第1乃至第3のスイッチは、前記第1及び第2のトランジスタと同一導電型のトランジスタを有することを特徴とする発光装置。 - 第1乃至第4の配線と、第1乃至第5のトランジスタと、第1及び第2の容量と、発光素子と、を有し、
前記第1のトランジスタのゲートは、前記第1の配線と電気的に接続され、
前記第1のトランジスタのソース又はドレインの一方は、前記第2の配線と電気的に接続され、
前記第1のトランジスタのソース又はドレインの他方は、前記第2のトランジスタのゲート、前記第3のトランジスタのソース又はドレインの一方、前記第5のトランジスタのゲート、及び前記第1の容量の一方の電極と電気的に接続され、
前記第2のトランジスタのソース又はドレインの一方は、前記第3の配線と電気的に接続され、
前記第2のトランジスタのソース又はドレインの他方は、前記発光素子と電気的に接続され、
前記第3のトランジスタのゲートは、前記第4の配線と電気的に接続され、
前記第3のトランジスタのソース又はドレインの他方は、前記第1の配線と電気的に接続され、
前記第4のトランジスタのゲートは、前記第4の配線と電気的に接続され、
前記第4のトランジスタのソース又はドレインの一方は、前記第5のトランジスタのソース又はドレインの一方、及び前記第1の容量の他方の電極と電気的に接続され、
前記第4のトランジスタのソース又はドレインの他方は、前記第1の配線と電気的に接続され、
前記第5のトランジスタのソース又はドレインの他方は、前記第3の配線と電気的に接続され、
前記第2の容量の一方の電極は、前記第1の容量の他方の電極と電気的に接続され、
前記第2の容量の他方の電極は、前記第3の配線と電気的に接続され、
前記第4の配線に前記第3のトランジスタ及び前記第4のトランジスタがONになる電圧が印加される第1の期間と、
前記第1の期間の後の、前記第4の配線に前記第3のトランジスタ及び前記第4のトランジスタがOFFになる電圧が印加され、前記第1の配線に前記第1のトランジスタがONになる電圧が印加される第2の期間と、
前記第2の期間の後の、前記第1のトランジスタがOFFであり、前記第2の配線から印加された電圧により前記第5のトランジスタがONになり、前記第5のトランジスタを介して前記第3の配線から印加された電圧により前記第1の容量の他方の電極の電圧の絶対値が増加することによって、前記第1の容量の一方の電極の電圧の絶対値が増加する第3の期間と、を有することを特徴とする発光装置。 - 第1乃至第5の配線と、第1乃至第5のトランジスタと、第1及び第2の容量と、発光素子と、を有し、
前記第1のトランジスタのゲートは、前記第1の配線と電気的に接続され、
前記第1のトランジスタのソース又はドレインの一方は、前記第2の配線と電気的に接続され、
前記第1のトランジスタのソース又はドレインの他方は、前記第2のトランジスタのゲート、前記第3のトランジスタのソース又はドレインの一方、前記第5のトランジスタのゲート、及び前記第1の容量の一方の電極と電気的に接続され、
前記第2のトランジスタのソース又はドレインの一方は、前記第3の配線と電気的に接続され、
前記第2のトランジスタのソース又はドレインの他方は、前記発光素子と電気的に接続され、
前記第3のトランジスタのゲートは、前記第4の配線と電気的に接続され、
前記第3のトランジスタのソース又はドレインの他方は、前記第1の配線と電気的に接続され、
前記第4のトランジスタのゲートは、前記第4の配線と電気的に接続され、
前記第4のトランジスタのソース又はドレインの一方は、前記第5のトランジスタのソース又はドレインの一方、及び前記第1の容量の他方の電極と電気的に接続され、
前記第4のトランジスタのソース又はドレインの他方は、前記第1の配線と電気的に接続され、
前記第5のトランジスタのソース又はドレインの他方は、前記第5の配線と電気的に接続され、
前記第2の容量の一方の電極は、前記第1の容量の他方の電極と電気的に接続され、
前記第2の容量の他方の電極は、前記第3の配線と電気的に接続され、
前記第4の配線に前記第3のトランジスタ及び前記第4のトランジスタがONになる電圧が印加される第1の期間と、
前記第1の期間の後の、前記第4の配線に前記第3のトランジスタ及び前記第4のトランジスタがOFFになる電圧が印加され、前記第1の配線に前記第1のトランジスタがONになる電圧が印加される第2の期間と、
前記第2の期間の後の、前記第1のトランジスタがOFFであり、前記第2の配線から印加された電圧により前記第5のトランジスタがONになり、前記第5のトランジスタを介して前記第5の配線から印加された電圧により前記第1の容量の他方の電極の電圧の絶対値が増加することによって、前記第1の容量の一方の電極の電圧の絶対値が増加する第3の期間と、
前記第3の期間の後、前記第5のトランジスタを介して前記第5の配線から印加された電圧により前記第1の容量の他方の電極の電圧の絶対値が減少することによって、前記第1の容量の一方の電極の電圧の絶対値が減少する第4の期間と、を有することを特徴とする発光装置。 - 第1乃至第4の配線と、第1乃至第5のトランジスタと、第1及び第2の容量と、発光素子と、を有し、
前記第1のトランジスタのゲートは、前記第1の配線と電気的に接続され、
前記第1のトランジスタのソース又はドレインの一方は、前記第2の配線と電気的に接続され、
前記第1のトランジスタのソース又はドレインの他方は、前記第2のトランジスタのゲート、前記第3のトランジスタのソース又はドレインの一方、前記第5のトランジスタのゲート、及び前記第1の容量の一方の電極と電気的に接続され、
前記第2のトランジスタのソース又はドレインの一方は、前記第3の配線と電気的に接続され、
前記第2のトランジスタのソース又はドレインの他方は、前記発光素子と電気的に接続され、
前記第3のトランジスタのゲートは、前記第4の配線と電気的に接続され、
前記第3のトランジスタのソース又はドレインの他方は、前記第1の配線と電気的に接続され、
前記第4のトランジスタのゲートは、前記第4の配線と電気的に接続され、
前記第4のトランジスタのソース又はドレインの一方は、前記第5のトランジスタのソース又はドレインの一方、及び前記第1の容量の他方の電極と電気的に接続され、
前記第4のトランジスタのソース又はドレインの他方は、前記第1の配線と電気的に接続され、
前記第5のトランジスタのソース又はドレインの他方は、前記第3の配線と電気的に接続され、
前記第2の容量の一方の電極は、前記第1の容量の他方の電極と電気的に接続され、
前記第2の容量の他方の電極は、前記第3の配線と電気的に接続され、
前記第1、第2及び第4の配線は、電圧を印加する機能を有し、
前記第3の配線は、電流を供給する機能を有し、
前記第4の配線に前記第3のトランジスタ及び前記第4のトランジスタがONになる電圧が印加される第1の期間と、
前記第1の期間の後の、前記第4の配線に前記第3のトランジスタ及び前記第4のトランジスタがOFFになる電圧が印加され、前記第1の配線に前記第1のトランジスタがONになる電圧が印加される第2の期間と、
前記第2の期間の後の、前記第1のトランジスタがOFFであり、前記第2の配線から印加された電圧により前記第5のトランジスタがONになる第3の期間と、を有することを特徴とする発光装置。 - 請求項6乃至8のいずれか一項において、
前記第1乃至第5のトランジスタは、同一導電型のトランジスタであることを特徴とする発光装置。 - 請求項6乃至9のいずれか一項において、
マトリクス状に配置された複数の画素を有し、
前記複数の画素のうちm行目(mは2以上の整数)に配置された画素は、前記第1乃至第3の配線と、前記第1乃至第5のトランジスタと、前記第1の容量と、前記発光素子と、を有し、
前記第1の配線は、前記m行目の画素のゲート信号線と同一の配線であり、
前記第4の配線は、前記複数の画素のうちm−1行目の画素のゲート信号線と同一の配線であり、
前記m−1行目の画素のゲート信号線が選択された後、前記m行目の画素のゲート信号線が選択されることを特徴とする発光装置。 - 請求項1乃至10のいずれか一項に記載の発光装置と、操作スイッチとを具備することを特徴とする電子機器。
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