JP5134600B2 - 光学補償フィルム、偏光板、及び液晶表示装置 - Google Patents
光学補償フィルム、偏光板、及び液晶表示装置Info
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Description
従って、本発明は、Nz値が0.5程度の位相差層を使用しなくても、偏光板の広視野角化を達成し得る、新規な手段を提供することを課題とする。
また、本発明は、偏光板の広視野角化に寄与する新規な光学補償フィルム、並びに広視野角特性を示す、新規な偏光板及び液晶表示装置を提供することを課題とする。
[1] 光吸収層と位相差層とを有する光学補償フィルムであって、
前記光吸収層が、可視光域の波長λnmの光に対する層面(x−y面)内において吸収異方性を示すとともに、その偏光度Pが0.986以下であり、及び
前記光吸収層の面内吸収軸と前記位相差層の面内遅相軸とが直交している
ことを特徴とする光学補償フィルム。
[2] 前記光吸収層の層面内の吸収係数kx(λ)及びky(λ)(但し、ky(λ)<kx(λ))並びに光吸収層の厚みd(nm)が、22nm≦(kx(λ)−ky(λ))×d≦215nmを満足することを[1]の光学補償フィルム。
[3] 前記光吸収層の層面内の吸収係数kx(λ)及びky(λ)(但し、ky(λ)<kx(λ))並びに光吸収層の厚みd(nm)が、65nm≦(kx(λ)−ky(λ))×d≦215nmを満足することを特徴とする[1]〜[5]のいずれかの光学補償フィルム。
[4] 前記位相差層のNzが、0.5<Nz<2を満足し、前記位相差層の波長550nmにおける面内レターデーションRe(550)が、206〜344nmであることを特徴とする[1]〜[3]のいずれかの光学補償フィルム:
但し、Nzは、位相差層の波長550nmの面内レターデーションRe(550)及び厚み方向レターデーションRth(550)により、Nz=Rth(550)/Re(550)+0.5と定義される。
[5] 前記位相差層の可視光域の波長λnmにおける面内レターデーションRe(λ)が、Re(450)<Re(550)<Re(630)を満足することを特徴とする[1]〜[4]のいずれかの光学補償フィルム。
[6] 前記光吸収層が、少なくとも、棒状液晶及び二色性色素を含有する組成物からなる層である[1]〜[5]のいずれかの光学補償フィルム。
[7] 少なくとも、偏光子と、[1]〜[6]のいずれかの光学補償フィルムとを有し、前記偏光子の吸収軸と、前記光学補償フィルムが有する光吸収層の面内吸収軸とが平行であることを特徴とする偏光板。
[8] [7]の偏光板の少なくとも一枚を有することを特徴とする液晶表示装置。
[9] IPSモードであることを特徴とする[8]の液晶表示装置。
また、本発明によれば、偏光板の広視野角化に寄与する新規な光学補償フィルム、並びに広視野角特性を示す、新規な偏光板及び液晶表示装置を提供することができる。
本明細書において、Re(λ)及びRth(λ)は各々、波長λにおける面内のレターデーション(nm)及び厚さ方向のレターデーション(nm)を表す。Re(λ)はKOBRA 21ADH又はWR(商品名、王子計測機器(株)製)において波長λnmの光をフィルム法線方向に入射させて測定される。
Rth(λ)は、前記Re(λ)を、面内の遅相軸(KOBRA 21ADH又はWRにより判断される)を傾斜軸(回転軸)として(遅相軸がない場合にはフィルム面内の任意の方向を回転軸とする)のフィルム法線方向に対して法線方向から片側50度まで10度ステップで各々その傾斜した方向から波長λnmの光を入射させて全部で6点測定し、その測定されたレターデーション値と平均屈折率の仮定値及び入力された膜厚値を基にKOBRA 21ADH又はWRにおいて算出される。
尚、遅相軸を傾斜軸(回転軸)として(遅相軸がない場合にはフィルム面内の任意の方向を回転軸とする)、任意の傾斜した2方向からレターデーション値を測定し、その値と平均屈折率の仮定値及び入力された膜厚値を基に、以下の数式(1)及び数式(2)によりRthを算出することもできる。
Rth(λ)は、前記Re(λ)を、面内の遅相軸(KOBRA 21ADH又はWRにより判断される)を傾斜軸(回転軸)としてフィルム法線方向に対して−50度から+50度まで10度ステップで各々その傾斜した方向から波長λnmの光を入射させて11点測定し、その測定されたレターデーション値と平均屈折率の仮定値及び入力された膜厚値を基にKOBRA 21ADH又はWRにより算出される。
セルロースアシレート(1.48)、シクロオレフィンポリマー(1.52)、ポリカーボネート(1.59)、ポリメチルメタクリレート(1.49)、ポリスチレン(1.59)である。
これら平均屈折率の仮定値と膜厚を入力することで、KOBRA 21ADH又はWRにおいてnx、ny、nzが算出される。この算出されたnx、ny、nzによりNz=(nx−nz)/(nx−ny)が更に算出される。
本発明は、光吸収層と位相差層とを有する光学補償フィルムに関する。前記光吸収層は、可視光域の波長λnmの光に対して、面内吸収異方性があり、具体的には、層面(x−y面)内の吸収係数kx(λ)及びky(λ)が、ky(λ)<kx(λ)を満足する。一方、前記位相差層は、少なくとも面内遅相軸を有する位相差層である。前記光吸収層及び前記位相差層は、前記光吸収層の面内吸収軸、即ち、吸収係数kx(λ)を与えるx軸と、前記位相差層の面内遅相軸とを直交にして積層されている。
なお、本発明の光学補償フィルムは、前記光吸収層及び位相差層以外の層、例えば、光吸収層の形成に利用される配向膜等を有していてもよい。また前記位相差層及び光吸収層は、複数の層からなっていてもよい。
図2(a)に示す通り、本態様では、一対の直線偏光の双方が、本発明の光学補償フィルム10’によって広視野角化されていて、入射光は、偏光子16→位相差層14→光吸収層12’→光吸収層12’→位相差層14の順に通過する。位相差層14は、図1と同様、Re(550)=270nmで、且つNz=1の光学的に一軸性の位相差層である。
1.−1 光吸収層
本発明の光学補償フィルムは、可視光域の波長λnmの光に対する層面(x−y面)内において吸収異方性を示す光吸収層を有する。即ち、層面内の吸収係数kx(λ)及びky(λ)が、ky<kxを満足する。ここで、吸収係数kは消衰係数(attenuation index)ともよばれ、物質中でどれくらいの光のエネルギーが吸収されるかに関係した値である。一般には、複素屈折率の実数成分nがいわゆる屈折率であり、虚数成分kが吸収係数である。なお、本発明で述べられているkは、いわゆるattenuation coefficient αとは別の物性値である。attenuation indexとattenuation coefficientについては、例えばMax Born and Emil Wolf著 "Principles of Optics, 7th(expanded) edition"の4.11.2 "Beam propagation in an absorbing mediun"の218〜219頁に詳細な記載がある。吸収係数の差Δk(λ)(=kx(λ)−ky(λ))は、Axometrics社のAxoscanを用いて計測することができる。
また、前記光吸収層は、塗布により形成することができる。例えば、液晶と色素とを含有する塗布液を表面に塗布して、液晶分子を配向させると、色素の分子もその長軸を液晶分子の長軸に一致させて配向する。その状態を硬化することにより、面内吸収異方性を有する光吸収層が得られる。液晶は低分子化合物であっても、該低分子化合物の残基を側鎖に有する高分子化合物であってもよい。低分子化合物を利用する場合は、硬化可能なように、重合性基を有する低分子液晶化合物を用いるか、及び/又は塗布液中に、重合性モノマー、架橋剤等の硬化成分を添加しておくことが好ましい。
以下に、本発明に利用可能色素の例を示すが、これらに限定されるものではない。
本発明の光学補償フィルムは、少なくとも面内遅相軸を有する位相差層を有する。位相差層は、光学的に一軸性であっても二軸性であってもよい。また単層のみならず、複数の層からなっていてもよい。本発明の特徴の一つは、Nzが0.5以外、即ち、Nzが0.5を超えるか、0.5未満の位相差層を利用して、偏光子の視野角依存性を補償することである。特に、Nzが0.5を超える光学特性は、種々の延伸フィルムなどによって達成されているので、入手が容易であり、図1及び図2に示す態様に好ましく利用される。
本発明の光学補償フィルムの製造方法の一例は、以下の通りである。まず、前記位相差層としての特性を満足するポリマーフィルムを用意し、該フィルムの表面上に、液晶と二色性色素とを含有する塗布液を塗布して、所望により加熱し、乾燥によって溶媒を除去するとともに、液晶分子を配向させるとともに、二色性色素の分子もそれに付随して配向させる。温度を低下させて固体相に転移させて硬化させ、または所望により重合反応を進行させて硬化させ、硬化層を形成する。該硬化層中には水平配向状態に固定された二色性色素分子が存在しているので、面内吸収異方性があり、前記光吸収層として機能する。前記塗布液の調製に用いる二色性色素の種類、濃度、前記塗布液の塗布量などによって、該層のΔk(λ)×dを所望の値にすることができる。
本発明の偏光板は、偏光子と、本発明の光学補償フィルムとを少なくとも有する。本発明の偏光板は、前記光学補償フィルムによって視野角依存性が解消されているので、広視野角特性を示す。本発明の偏光板では、前記偏光子と前記光学補償フィルムとを、偏光子の吸収軸と、前記光学補償フィルムが有する光吸収層の面内吸収軸とを平行にして積層する。この関係で貼り合せることで、図1(b)及び図2(b)に示す通り、前記光吸収層を通過させることにより、S1軸上の任意の点の偏光状態を、点Aに向かってS1軸上に遷移可能となる。
前記偏光子として、一般的な吸収型偏光子を利用することができる。例えば、バインダーと、ヨウ素又は二色性色素からなる偏光膜などを利用することができる。直線偏光膜におけるヨウ素及び二色性色素は、バインダー中で配向することで偏光性能を発現する。ヨウ素及び二色性色素は、バインダー分子に沿って配向するか、もしくは二色性色素が液晶のような自己組織化により一方向に配向することが好ましい。現在、市販の偏光子は、延伸したポリマーを、浴槽中のヨウ素もしくは二色性色素の溶液に浸漬し、バインダー中にヨウ素もしくは二色性色素を浸透させることで作製されるのが一般的であり、この様にして作製された偏光膜を、前記偏光子として利用することができる。
本発明は、少なくとも一枚の本発明の偏光板を有する液晶表示装置にも関する。本発明の偏光板は、上記した通り、広視野角特性を示すので、本発明の偏光板を利用することにより、従来、偏光板の視野角依存性に起因して生じていた、黒状態において生じる斜め方向の光漏れを軽減することができる。本発明の偏光板は、種々のモードの液晶表示装置に利用することができ、具体的には、TN(Twisted Nematic)、IPS(In−Plane Switching)、OCB(Optically Compensatory Bend)、VA(Vertically Aligned)、ECB(Electrically Controlled Birefringence)等の種々の表示モードの液晶表示装置に利用することができる。
C、すなわち水平配向液晶層の複屈折の影響を受けずに、光学補償フィルム10によって、偏光軸の補償を行うことができる。
<位相差フィルムの作製>
延伸処理が施された、厚みが77μmの変性ポリカーボネートフィルム(帝人社製、商品名:ピュアエースWR)を2枚準備し、互いの面内遅相軸を平行にして、接着剤により貼り合わせて、位相差フィルムを作製した。この位相差フィルムは、屈折率楕円体がnx>ny=nzの関係を満足し、且つ異常光と常光との光路差である位相差値が短波長ほど小さくなる波長分散特性、即ち面内レターデーションReは、逆波長分散性を示した。リタデーションRe(550)は270nmであり、及びNz=1であり、Re(450)/Re(550)=0.82であり、Re(630)/Re(550)=1.05であった。
ガラス基板を洗浄乾燥し、これに市販のポリイミド配向膜(SE−130,日産化学社製)をワイヤーバーで塗布後、250℃で一時間加熱したのち、放冷し室温でラビング処理を行った。次に、下記の液晶化合物(1)と、その100質量部に対して表1に示す質量部の色素1〜5とを、クロロホルムに溶解して塗布液をそれぞれ調製した。各塗布液を、前記配向膜の表面に、ワイヤーバーでそれぞれ塗布した。これを180℃の恒温槽中で1分加熱し、次いで徐々に室温まで冷却して光吸収層をそれぞれ形成した。
このようにして形成した各光吸収層を、偏光顕微鏡で観察したところ、いずれも分子が基板に対して水平に均一に配向していることが確認できた。
次に、このガラス基板上の各光吸収層を、接着層を介して、上記で作製した位相差フィルムに転写し、光学補償フィルムをそれぞれ製作した。なお、各光吸収層は、その吸収軸が位相差フィルムの延伸軸すなわち遅相軸に直交する方向になるように転写した。
<偏光子の作製>
延伸したポリビニルアルコールフィルムにヨウ素を吸着させ、ポリビニルアルコールフィルムからなる偏光子を作製した。吸収異方性の計測にはAxometrics社のAxoscanを用いた。偏光子の面内吸収異方性Δk×d=486nmであり、及び偏光度は99.997であった。
上記で作製した光学補償フィルム(a)〜(g)のそれぞれを、ポリビニルアルコール系接着剤を用いて、上記作製した偏光子(ポリビニルアルコールフィルム)の片側表面に貼り付けた。具体的には、位相差フィルムの裏面(光吸収層が形成されていない側の面)を、偏光子の表面に接着剤により貼り付け、及び偏光子の吸収軸と光吸収層の面内吸収軸とを平行にして貼り付けた。
次に、市販のセルローストリアセテートフィルム(フジタックTD80UF、富士フイルム(株)製)にケン化処理を行い、ポリビニルアルコール系接着剤を用いて、偏光子の他方の表面に保護膜として貼り付けた。
このようにして、光学補償フィルム(a)〜(g)をそれぞれ有する、広視野角偏光板(a)〜(g)を作製した。
また、比較例として、光学補償フィルムの代わりに、市販のセルローストリアセテートフィルム(Z−タック、富士フイルム(株)製)を偏光子に貼り付けた比較例用偏光板を作製した。なお、市販のセルローストリアセテートフィルムの面内遅相軸を偏光子の吸収軸に平行にして貼り付けた。なお、市販のセルローストリアセテートフィルムのRe=0.3nm、Rth=3nmであり、Re、Rthとも0に近い値であった。
広視野角偏光板(a)〜(g)それぞれ2枚準備し、クロスニコルに配置して光の透過状態を調べ、黒状態での視角特性を評価した。即ち、図2(a)に示す通りに配置して、黒状態での視角特性を評価した。比較例には、上記で作製した比較例用偏光板を2枚利用した。測定機(EZ−Contrast160D、ELDIM社製)を用いた。
広視野角偏光板(a)〜(g)それぞれ1枚準備し、各偏光板と、従来型偏光板(ここでは、上記で作製した比較例用偏光板を用いた)とを、クロスニコルに配置して光の透過状態を調べ、黒状態での視角特性を評価した。即ち、図1(a)に示す通りに配置して、黒状態での視角特性を評価した。測定機(EZ−Contrast160D、ELDIM社製)を用いた。なお、比較例には、上記で作製した比較例用偏光板を2枚利用した。
<IPSモード液晶表示装置の作製>
2枚のガラス基板の間に液晶層を注入し、基板の間隔(ギャップ;d)が3.4μmのIPSモード液晶セルを作製した。液晶層のΔnは0.08765とし、液晶層のd・Δnの値は298nmとした。なお、二枚のガラス基板のラビング方向が平行となるように設定した。さらに、表示面側偏光板として本発明の広視角偏光板(a)〜(g)のそれぞれ、バックライト側偏光板として比較例用偏光板を貼り合せて、IPSモード液晶表示装置を作製した。具体的には、バックライト側偏光板の吸収軸と液晶層の黒状態の面内遅相軸を平行にし、表示面側偏光板の吸収軸と液晶層の黒状態の面内遅相軸を直交にした。即ち、図4(a)に示す構成のIPSモード液晶表示装置をそれぞれ作製した。
光の透過状態を調べることで黒状態での視角特性を評価した。測定機(EZ−Contrast160D、ELDIM社製)を用いた。なお、比較例には、上記で作製した比較例用偏光板を2枚利用した。
さらに、評価1において最も斜め方向黒透過率が小さかった広視角偏光板(c)を、市販のIPS液晶パネルに用いて、評価した。具体的には、IPS型液晶セルを使用した市販の液晶表示装置(東芝(株)製、26C1000、26インチサイズ)に設けられている偏光板を剥がし、液晶セルを取り出し、液晶セルの表示面側(上側)に広視角偏光板(c)を、バックライト側(下側)に従来型偏光板(比較例用偏光板)を、アクリル系の粘着剤を用いて貼り合せた。このとき、バックライト側偏光板の吸収軸と、液晶層の黒状態の面内遅相軸とを平行にし、表示面側偏光板の吸収軸と液晶層の黒状態の面内遅相軸とを直交にして貼り合せた。
比較例として、従来型偏光板(比較例用偏光板)を液晶セルの表示面側(上側)とバックライト側(下側)両方に貼り合わせものを用いた。
<セルロースアシレートフィルム(位相差フィルム)(h)の作製>
高分子量可塑剤AA−1(エタンジオール/アジピン酸=1/1モル比との縮合物(数平均分子量1000)を含む下記の組成のセルロースアシレート溶液Aを、30℃に加温し、流延ギーサーを通して直径3mのドラムである鏡面ステンレス支持体上に流延した。支持体の表面温度は−5℃に設定し、塗布幅は200cmとした。流延部全体の空間温度は、15℃に設定した。
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セルロースアシレート溶液Aの組成
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・平均置換度2.94のセルロースアセテート 100.0質量部
・メチレンクロライド(第1溶媒) 475.9質量部
・メタノール(第2溶媒) 113.0質量部
・ブタノール (第3溶媒) 5.9質量部
・平均粒子サイズ16nmのシリカ粒子 0.13質量部
(AEROSIL R972、日本アエロジル(株)製)
・高分子量可塑剤(前記AA−1) 15.0質量部
・波長分散調整剤(下記化合物BB−1) 6.0質量部
・クエン酸エステル 0.01質量部
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なお、第一延伸工程におけるフィルムの延伸倍率(%)は、ドラム速度とテンター搬送速度の比より求めた。また、延伸温度(ウェブの膜面温度)が−5℃となるようにドラムの温度を冷媒によって制御することで調節した。
その後、連続的に乾燥(結晶化処理)工程として乾燥温度(フィルム膜面温度)が80℃となるように乾燥ゾーンで乾燥を行った。さらにフィルムを140℃で20分乾燥した。
こうして、幅1400mm、および膜厚120μmのセルロースアシレートフィルムを得て、巻取り機により巻き取った。
得られたセルロースアシレートフィルムのRe=270nm、Nz=1であった。また、Reの波長分散は順波長分散であり、Re(450)/Re(550)=1.2であり、Re(630)/Re(550)=0.95であった。このセルロースアシレートフィルムを位相差フィルム(h)として用いた。
位相差フィルム(h)の作製において、セルロースアシレート溶液Aにさらに下記レターデーション調整剤BB−1を5.5%質量部添加し、さらに、延伸倍率及びフィルム膜厚を下記表に示す通りに変更して、セルロースアシレートフィルムをそれぞれ作製した。なお、フィルム膜厚は、延伸ギーサーのダイスリット間隔を調整して制御した。得られた各セルロースアシレートフィルム(位相差フィルム(i)〜(s))のNz及びReの特性を、下記表に示す。
フィルム(h)の作製において、セルロースアシレート溶液Aの高分子量可塑剤AA−1を40%質量部に変更し、延伸倍率を200%、フィルム膜厚を60μmとし、その他は同様にしてセルロースアシレートフィルムを作製した。
得られたセルロースアシレートフィルムのRe=270nm、Nz=0.5であった。また、Reの波長分散は逆波長分散であり、Re(450)/Re(550)=0.9であり、Re(630)/Re(550)=1.03であった。このセルロースアシレートフィルムを位相差フィルム(t)として用いた。
前記作製した光吸収層(c)を、接着層を介して、上記で作製したフィルム(h)〜(s)に転写し、光学補償フィルム(h)〜(t)をそれぞれ作製した。なお、各光吸収層を、その吸収軸が各フィルムの延伸軸に直交する方向にして転写した。
なお、得られた光学補償フィルム(h)〜(t)の光吸収層の面内吸収異方性Δk×dをAxometrics社のAxoscanを用い計測したところ、いずれもΔk×d=65nm、偏光度P=0.628であった。
上記で作製した光学補償フィルム(h)〜(t)を、ポリビニルアルコール系接着剤を用いて、上記で作製した偏光子(ポリビニルアルコールフィルム)の片側表面に貼り付けた。具体的には、各光学補償フィルムの裏面(光吸収層が形成されていない側の面)を、偏光子の表面に接着剤により貼り付け、及び偏光子の吸収軸と光吸収層の面内吸収軸とを平行にして貼り付けた。
次に、市販のセルローストリアセテートフィルム(フジタックTD80UF、富士フイルム(株)製)にケン化処理を行い、ポリビニルアルコール系接着剤を用いて、偏光子の他方の表面に保護膜として貼り付けた。
この様にして、光学補償フィルム(h)〜(t)をそれぞれ有する、広視野角偏光板(h)〜(t)をそれぞれ作製した。
また、比較例として、光学補償フィルムの代わりに、市販のセルローストリアセテートフィルム(Z−タック、富士フイルム(株)製)を偏光子に貼り付けた比較例用偏光板を作製した。なお、市販のセルローストリアセテートフィルムの面内遅相軸を偏光子の吸収軸に平行にして貼り付けた。
実施例3の評価1と同様な評価を行った。結果を下記表に示す。
実施例3の評価2と同様な評価を行った。結果を下記表に示す。
偏光板(c)、(i)及び(h)のそれぞれを利用したIPSモード液晶表示装置については、斜め方向黒透過率とともに、光学補償フィルム(c)、(i)及び(h)がそれぞれ有するフィルムのRe(450)、Re(550)、及びRe(630)を下記表に示す。
Claims (9)
- 光吸収層と位相差層とを有する光学補償フィルムであって、
前記光吸収層が、可視光域の波長λnmの光に対する層面(x−y面)内において吸収異方性を示すとともに、その偏光度Pが0.986以下であり、及び
前記光吸収層の面内吸収軸と前記位相差層の面内遅相軸とが直交している
ことを特徴とする光学補償フィルム。 - 前記光吸収層の層面内の吸収係数kx(λ)及びky(λ)(但し、ky(λ)<kx(λ))並びに光吸収層の厚みd(nm)が、22nm≦(kx(λ)−ky(λ))×d≦215nmを満足することを特徴とする請求項1に記載の光学補償フィルム。
- 前記光吸収層の層面内の吸収係数kx(λ)及びky(λ)(但し、ky(λ)<kx(λ))並びに光吸収層の厚みd(nm)が、65nm≦(kx(λ)−ky(λ))×d≦215nmを満足することを特徴とする請求項1に記載の光学補償フィルム。
- 前記位相差層のNzが、0.5<Nz<2を満足し、前記位相差層の波長550nmにおける面内レターデーションRe(550)が、206〜344nmであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の光学補償フィルム:
但し、Nzは、位相差層の波長550nmの面内レターデーションRe(550)及び厚み方向レターデーションRth(550)により、Nz=Rth(550)/Re(550)+0.5と定義される。 - 前記位相差層の可視光域の波長λnmにおける面内レターデーションRe(λ)が、Re(450)<Re(550)<Re(630)を満足することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の光学補償フィルム。
- 前記光吸収層が、少なくとも、棒状液晶及び二色性色素を含有する組成物からなる層である請求項1〜5のいずれか1項に記載の光学補償フィルム。
- 少なくとも、偏光子と、請求項1〜6のいずれか1項に記載の光学補償フィルムとを有し、前記偏光子の吸収軸と、前記光学補償フィルムが有する光吸収層の面内吸収軸とが平行であることを特徴とする偏光板。
- 請求項7に記載の偏光板の少なくとも一枚を有することを特徴とする液晶表示装置。
- IPSモードであることを特徴とする請求項8に記載の液晶表示装置。
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