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JP5090787B2 - 酸化チタン複合粒子水分散液及びその製造方法 - Google Patents

酸化チタン複合粒子水分散液及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、酸化チタン複合粒子水分散液及びその製造方法に関する。
酸化チタンは、酸素と水の存在下そのバンドギャップ以上のエネルギーを持つ波長380nm以下の光で照射すると物質を酸化分解する光触媒反応を行うことが知られている。また、酸化チタンの結晶の酸素サイトの一部を置換することにより、可視光領域においても光触媒反応を行うことが可能な酸化チタンの研究が行われている。そして、近年このような光触媒反応を利用して環境浄化に役立てる研究が行われており、例えば、自動車や工場の排気ガス中のNO、SO、アンモニア,アルデヒド類、アミン類、メルカプタン等の有害又は悪臭物質の光分解、油、タール、タバコのヤニ等の生活汚染物質の光分解、工業排水に含まれる染料や糊剤の光分解、細菌、カビ、藻類等の有害微生物の殺滅に利用する技術が検討されている。
そして、このような酸化チタンを支持体へ固定化して、上記のような用途に用いるための方法の一つとしては、酸化チタン光触媒粒子を含んでいる分散液等のコーティング組成物を支持体へ塗布もしくは含浸し、支持体上に光触媒の膜又は層を形成するコーティング法が用いられている。このようなコーティング法は膜の高温での焼成を必要としないため、支持体が耐熱性材料であることを要求せず、しかも大面積の浄化膜を形成するのに適している。
しかしながら、酸化チタンの光触媒作用は強力で、実質上選択作用がないので、有機樹脂を光触媒粒子のバインダーに用いるとバインダー自身が光化学反応の標的となり、バインダーが酸化分解されてしまうという問題があった。さらに、例えば、支持体として繊維等を用いる場合には、支持体も光化学反応の標的となり、支持体が酸化分解されてしまうという問題もあった。
このような問題を解決するために、例えば、特開2004−137611号公報(特許文献1)には、繊維布帛に可視光型光触媒がセルロース系バインダー及び/又は多糖類バインダーで固着されてなる機能性繊維布帛が開示され、明細書中に光触媒表面の少なくとも一部がリン酸カルシウムで被覆されている酸化チタンと前記バインダーを含有する水分散液が記載されている。しかしながら、特許文献1に記載されているような水分散液においては、水分散液中における酸化チタンの経時の分散安定性が不十分であるために、生産直後の水分散液が塗布された繊維布帛と貯蔵後の水分散液が塗布された繊維布帛との間でこれらの繊維布帛の色相が変化してしまうという問題があった。また、可視光型光触媒として窒素ドープ型の酸化チタンを用いた場合には、酸化チタンが特に凝集しやすく、その粒子径が著しく増大するため、繊維布帛の色相が黄色に変化してしまうという点で特に問題があった。
また、特開2000−302422号公報(特許文献2)には、水和リン酸チタン化合物の中性領域にある透明な分散ゾル中に分散した酸化チタン光触媒粒子を含んでいる光触媒膜形成用コーティング組成物が開示されている。しかしながら、特許文献2に記載されているような光触媒膜形成用コーティング組成物は酸化チタンの経時の分散安定性という点で未だ必ずしも十分なものではなかった。また、このような光触媒膜形成用コーティング組成物においては、コーティング組成物中に硝酸、硫酸といった強酸を使用しており、これらの強酸はコーティング組成物を乾燥する際に揮発するために乾燥設備を腐食する恐れがあるため、作業環境という点でも好ましいものではなかった。さらに、このような光触媒膜形成用コーティング組成物は、繊維の固着剤として用いられる弱アルカリ性のアニオン系樹脂又はその水分散液との混和性が著しく欠如しているため、汎用的に使用することができなかった。
特開2004−137611号公報 特開2000−302422号公報
本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、酸化チタンにより繊維等の支持体が酸化分解されることを十分に抑制することができ、しかも酸化チタンの経時の分散安定性に優れる酸化チタン複合粒子水分散液を効率よく且つ確実に得ることが可能な酸化チタン複合粒子水分散液の製造方法、並びにその製造方法により得られた酸化チタン複合粒子水分散液を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、特定量のポリアクリル酸アンモニウム又はポリアクリル酸トリエチルアミンを分散剤として用いて、酸化チタンを水に分散した後に、特定のコロイダルシリカを前記酸化チタンに吸着させることにより、驚くべきことに酸化チタンの経時の分散安定性が極めて優れる酸化チタン複合粒子水分散液を得ることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の酸化チタン複合粒子水分散液の製造方法は、一次粒子径が2〜40nmであり光触媒反応を行うことができる酸化チタンを、前記酸化チタン100質量部に対して0.3〜3質量部のポリアクリル酸アンモニウム又はポリアクリル酸トリエチルアミンを分散剤として用いて、水に分散せしめて酸化チタン粒子水分散液を得る工程と、
前記酸化チタン粒子水分散液に動的光散乱法で測定した平均粒子径が1〜30nmのコロイダルシリカを前記酸化チタン100質量部に対して酸化物換算で10〜75質量部添加して、前記コロイダルシリカを前記酸化チタンに吸着させて酸化チタン複合粒子水分散液を得る工程と、
を含むことを特徴とする方法である。
また、本発明の酸化チタン複合粒子水分散液の製造方法においては、前記酸化チタン粒子水分散液のpHが7〜9の範囲であることが好ましい。
さらに、本発明の酸化チタン複合粒子水分散液の製造方法においては、前記酸化チタンが窒素ドープ型の酸化チタンであることが好ましい。
本発明の酸化チタン複合粒子水分散液は、前記酸化チタン複合粒子水分散液の製造方法により得られたものであることを特徴とするものである。
本発明によれば、酸化チタン複合粒子水分散液を用いて酸化チタンを繊維等の有機物支持体に担持した際に、酸化チタンの光触媒作用により有機物支持体が酸化分解されることを十分に抑制することができ、しかも酸化チタンの経時の分散安定性に優れる酸化チタン複合粒子水分散液を効率よく且つ確実に得ることが可能な酸化チタン複合粒子水分散液の製造方法、並びにその製造方法により得られた酸化チタン複合粒子水分散液を提供することが可能となる。さらに、本発明の酸化チタン複合粒子水分散液はpHが7〜9の範囲であるため、バインダーや繊維の固着剤等との混和性が優れている。
以下、本発明をその好適な実施形態に即して詳細に説明する。
先ず、本発明の酸化チタン複合粒子水分散液の製造方法について説明する。すなわち、本発明の酸化チタン複合粒子水分散液の製造方法は、酸化チタンを、前記酸化チタン100質量部に対して0.3〜3質量部のポリアクリル酸アンモニウム又はポリアクリル酸トリエチルアミンを分散剤として用いて、水に分散せしめて酸化チタン粒子水分散液を得る工程(第1の工程)と、
前記酸化チタン粒子水分散液に動的光散乱法で測定した平均粒子径が1〜30nmのコロイダルシリカを前記光触媒酸化チタン100質量部に対して酸化物換算で10〜75質量部添加して、前記コロイダルシリカを前記酸化チタンに吸着させて酸化チタン複合粒子水分散液を得る工程(第2の工程)と、
を含むことを特徴とする方法である。
第1の工程においては、酸化チタンを、前記酸化チタン100質量部に対して0.3〜3質量部のポリアクリル酸アンモニウム又はポリアクリル酸トリエチルアミンを分散剤として用いて、水に分散せしめて酸化チタン粒子水分散液を得る。
本発明に用いる酸化チタンとしては、紫外線を照射することにより光触媒反応を行うことができる紫外線応答型の酸化チタンの他に、可視光を照射することにより光触媒反応を行うことができる可視光応答型の酸化チタンを挙げることができる。紫外線応答型の酸化チタンとしては、例えば、アナターゼ型の酸化チタン、ブルッカイト型の酸化チタンが挙げられる。これらの中でも、光触媒反応の観点から、アナターゼ型の酸化チタンが好ましい。また、可視光応答型の酸化チタンとしては、アナターゼ型の酸化チタンにおける酸化チタン結晶の酸素原子の一部を置換したもの、或いは酸化チタンに貴金属を更に担持したものを用いることができ、例えば、窒素ドープ型の酸化チタン、硫黄ドープ型の酸化チタン、白金担持酸化チタンを好ましいものとして挙げることができる。これらの中でも、光触媒反応及び分散安定性の観点から、窒素ドープ型の酸化チタンを用いることが好ましい。また、このような窒素ドープ型の酸化チタンを用いる場合には、酸化鉄や酸化銅等を更に担持したものを用いてもよい。
さらに、このような酸化チタンの形態は、水分散液を作製するという観点から粒子状の形態であることが好ましい。そして、酸化チタン粒子の一次粒子径は、2〜40nmの範囲であることが好ましく、5〜35nmの範囲であることがより好ましい。一次粒子径は、反応に寄与する表面積が増大するという観点から、より小さいことが好ましいが前記下限未満のものを製造することは困難である傾向にある。他方、一次粒子径が前記上限を超えると、得られる酸化チタン複合粒子水分散液において酸化チタン複合粒子の粒子径が大きくなるために沈殿が生じやすくなる傾向にある。また、酸化チタン粒子の二次粒子径は、0.3〜1.5μmの範囲であることが好ましい。二次粒子径が前記上限を超えると、酸化チタン粒子を水に分散せしめる際に、分散装置の中で粒子の滞留が生じやすくなる傾向にある。なお、二次粒子径が前記上限を超える場合には、ジェットミル等を用いて二次粒子径が上記の範囲となるように、乾式粉砕しておくことが好ましい。
本発明において分散剤として使用可能なポリアクリル酸アンモニウムとは、ポリアクリル酸のアンモニウム塩のことをいう。そして、このようなポリアクリル酸アンモニウムとしては、適宜市販されているポリアクリル酸アンモニウムを用いてもよく、また、酸性のポリアクリル酸水溶液をアンモニア水で中和したものを用いてもよい。市販されているポリアクリル酸アンモニウムとしては、例えば、花王製のボイズ532A、大同化成工業製のダイドールELを用いることができる。また、酸性のポリアクリル酸水溶液としては、適宜市販されているものを用いることができ、例えば、大同化成工業製のH−32、C−27;日本触媒製のアクアリックHL又はアクアリックASの水溶液を用いることができる。
また、本発明において分散剤として使用可能なポリアクリル酸トリエチルアミンとは、ポリアクリル酸のトリメチルアミン塩のことをいう。そして、このようなポリアクリル酸トリエチルアミンとしては、前記酸性のポリアクリル酸水溶液をトリメチルアミンで、pHが8〜9の範囲となるように、中和したものを用いることができる。
また、このようなポリアクリル酸アンモニウム又はポリアクリル酸トリエチルアミンの添加量は、前記酸化チタン100質量部に対して0.3〜3質量部の範囲となる量である必要がある。添加量が0.3質量部未満では酸化チタンの粒子を十分に分散することができず、コロイダルシリカの酸化チタンに対する吸着が不十分となるために、得られる酸化チタン複合粒子水分散液における酸化チタン複合粒子の経時の分散安定性が不十分となる。他方、添加量が3質量部を超えると、酸化チタン表面の抗酸化性有機物の量が多くなり過ぎるため、酸化チタンの光触媒作用が十分に発現しなくなる。また、分散安定性の更なる向上という観点から、このようなポリアクリル酸アンモニウム又はポリアクリル酸トリエチルアミンの添加量が、前記酸化チタン100質量部に対して0.5〜1.5質量部の範囲となる量であることが好ましい。
本発明において分散媒として用いる水としては、イオン交換水を特に好適なものとして挙げることができるが、工業用水、水道水でも水質に依っては使用可能である。
第1の工程においては、先ず、前記酸化チタン、水、並びに前記ポリアクリル酸アンモニウム又は前記ポリアクリル酸トリエチルアミンを準備する。そして、前記酸化チタンを所定量のポリアクリル酸アンモニウム又はポリアクリル酸トリエチルアミンを分散剤として用いて水に分散又は溶解せしめる。酸化チタンを分散せしめる方法としては、水中に前記酸化チタン、並びに前記ポリアクリル酸アンモニウム又は前記ポリアクリル酸トリエチルアミンを添加した後に、ビーズミル、ホモジナイザー、攪拌機、超音波分散機、マイクロ波加熱装置等の分散装置を用いて分散処理及び/又は粉砕処理する方法を挙げることができる。このような方法において、処理時間や処理温度等の処理条件は特に限定されず、用いる装置に応じて適時選択することができる。なお、装置としてビーズミルを用いる場合には、処理時間は60〜600分間であることが好ましい。また、使用するビーズの材質はジルコニアであることが好ましく、使用するビーズの粒子径は30〜300μmの範囲であることが好ましい。
また、このようにして得られる酸化チタン粒子水分散液のpHは7〜9の範囲であることが好ましく、7〜8.5の範囲であることがより好ましい。pHが前記下限未満では、得られる酸化チタン複合粒子水分散液における酸化チタン複合粒子の経時の分散安定性が不十分となる傾向にあり、他方、前記上限を超えると、得られる酸化チタン複合粒子水分散液における酸化チタン複合粒子の経時の分散安定性が不十分となる傾向にある。
第2の工程においては、第1の工程により得られた酸化チタン粒子水分散液に動的光散乱法で測定した平均粒子径が1〜30nmのコロイダルシリカを前記光触媒酸化チタン100質量部に対して酸化物換算で10〜75質量部添加して、前記コロイダルシリカを前記酸化チタンに吸着させて酸化チタン複合粒子水分散液を得る。
本発明に用いるコロイダルシリカとしては、動的光散乱法で測定した平均粒子径が1〜30nmのコロイダルシリカを用いることが必要である。このようなコロイダルシリカを前記酸化チタンに吸着させることにより、酸化チタン複合粒子の経時の分散安定性に優れる酸化チタン複合粒子水分散液を得ることが可能となる。なお、動的光散乱法による平均粒子径は、例えば、日機装(株)製マイクロトラックUP150等の粒子径測定装置を用いて測定することができる。
このようなコロイダルシリカとしては、平均粒子径が1〜30nmの範囲であるものであればよく、適宜市販されているコロイダルシリカを用いることができる。このようなコロイダルシリカとしては、例えば、日産化学製のスノーテックス、旭電化製のアデライトAT、触媒化成工業製のカタロイドを用いることができる。また、このようなコロイダルシリカの添加量は、前記酸化チタン100質量部に対して酸化物換算で10〜75質量部の範囲となる量である必要がある。添加量が10質量部未満では、得られる酸化チタン複合粒子水分散液における酸化チタン複合粒子の経時の分散安定性が不十分となる。他方、添加量が75質量部を超えると、酸化チタン表面のシリカの量が多くなり過ぎるため、酸化チタンの光触媒作用が十分に発現しなくなる。
第2の工程においては、先ず、前記コロイダルシリカを準備する。そして、前記酸化チタン粒子水分散液に前記コロイダルシリカを添加して、前記コロイダルシリカを前記酸化チタンに吸着させる。このようにコロイダルシリカを酸化チタンに吸着させる際の条件は特に制限されず、前記酸化チタン粒子水分散液に前記コロイダルシリカを添加することにより、前記コロイダルシリカが前記酸化チタンに吸着して酸化チタン複合粒子となる。また、コロイダルシリカを添加した後に攪拌機等で攪拌してもよい。
以上説明したような本発明の酸化チタン複合粒子水分散液の製造方法によれば、酸化チタン複合粒子の経時の分散安定性に優れる酸化チタン複合粒子水分散液を効率よく且つ確実に得ること可能となる。また、このようにして得られる酸化チタン複合粒子水分散液においては、コロイダルシリカを酸化チタンに吸着させており、酸化チタンがコロイダルシリカに覆われているために、酸化チタン複合粒子水分散液を用いて酸化チタンを繊維等の有機物支持体に担持した際に、酸化チタンの光触媒作用により有機物支持体が酸化分解されることを十分に抑制することができる。
<酸化チタン複合粒子水分散液>
次に、本発明の酸化チタン複合粒子水分散液について説明する。本発明の酸化チタン複合粒子水分散液は、前記酸化チタン複合粒子水分散液の製造方法により得られたものであることを特徴とするものである。そして、このような酸化チタン複合粒子水分散液を用いることによって、フィルム、ガラス、陶磁器、プラスチック、繊維、金属等の支持体に酸化チタン複合粒子の皮膜を形成し、支持体に光触媒作用を付与することができる。このように皮膜を形成する方法としては、グラビアコート、スピンコート、ディップコート、スプレーコート、はけ塗り等の塗工方法により塗工した後に乾燥し、水を蒸発させて皮膜を形成させる方法を挙げることができる。また、このような方法においては、必要に応じて酸化チタン複合粒子水分散液に、シリカゾル、アルミナゾル、ジルコニアゾル、チタニアゾル、過酸化チタン、アクリルシリカ、酢酸ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコンゴム分散液、ポリビニルアルコール水溶液等のバインダーを添加してもよい。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、分散液中の酸化チタン粒子又は酸化チタン複合粒子の平均粒子径としては、粒子径測定装置(日機装(株)製、製品名「マイクロトラックUP150」)を用いて、動的光散乱法による平均粒子径を測定した。
(実施例1)
紫外線応答型の酸化チタン(テイカ(株)製、製品名「AMT100」、一次粒子径:6nm)100質量部と、ポリアクリル酸アンモニウム(花王(株)製、製品名「ボイズ532A」、固形分濃度:40質量%)2.5質量部とを、イオン交換水897.5質量部に投入し、ビーズミル(使用ビーズ:50μmジルコニアビーズ、処理時間:300分間)を用いて、酸化チタンを水に分散せしめて酸化チタン粒子水分散液を得た。
次に、得られた酸化チタン粒子水分散液にコロイダルシリカ(日産化学製、製品名「スノーテックスC」、固形分濃度:20質量%)250質量部を添加した後に攪拌して、コロイダルシリカを酸化チタンに吸着させて酸化チタン複合粒子水分散液を得た。そして、得られた酸化チタン複合粒子水分散液について酸化チタン複合粒子の平均粒子径を測定した。得られた結果を表1に示す。
(実施例2)
紫外線応答型の酸化チタン100質量部に代えて他の紫外線応答型の酸化チタン(テイカ(株)製、製品名「AMT600」、一次粒子径:30nm)100質量部を用いた以外は実施例1と同様にして酸化チタン複合粒子水分散液を得た。そして、得られた酸化チタン複合粒子水分散液について酸化チタン複合粒子の平均粒子径を測定した。得られた結果を表1に示す。
(実施例3)
紫外線応答型の酸化チタン100質量部に代えて窒素ドープ型の酸化チタン((株)豊田通商製、製品名「V−CAT01」)100質量部を用いた以外は実施例1と同様にして酸化チタン複合粒子水分散液を得た。そして、得られた酸化チタン複合粒子水分散液について酸化チタン複合粒子の平均粒子径を測定した。得られた結果を表1に示す。
(実施例4)
先ず、ポリアクリル酸水溶液(大同化成工業製、製品名「ダイドールC−27」、固形分:50質量%、pH:2.5)100質量部に、トリメチルアミン40質量部を添加してポリアクリル酸トリエチルアミン水溶液を得た。その後、ポリアクリル酸アンモニウム2.5質量部に代えて得られたポリアクリル酸トリエチルアミン水溶液(固形分:64質量%、pH:8.7)1.6質量部を用いた以外は実施例3と同様にして酸化チタン複合粒子水分散液を得た。そして、得られた酸化チタン複合粒子水分散液について酸化チタン複合粒子の平均粒子径を測定した。得られた結果を表1に示す。
(比較例1)
窒素ドープ型の酸化チタン((株)豊田通商製、製品名「V−CAT01」)100質量部と、ポリアクリル酸アンモニウム(花王(株)製、製品名「ボイズ532A」、固形分濃度:40質量%)2.5質量部とを、イオン交換水に投入し、ビーズミル(使用ビーズ:50μmジルコニアビーズ、処理時間:240分間)を用いて、酸化チタンを水に分散せしめて比較用の酸化チタン粒子水分散液を得た。そして、得られた酸化チタン粒子水分散液について酸化チタン粒子の平均粒子径を測定した。得られた結果を表1に示す。
(比較例2)
ポリアクリル酸アンモニウムを用いなかった以外は実施例3と同様にして比較用の酸化チタン複合粒子水分散液を得た。そして、得られた酸化チタン複合粒子水分散液について酸化チタン複合粒子の平均粒子径を測定した。得られた結果を表1に示す。
(比較例3)
ポリアクリル酸アンモニウム2.5質量部に代えてポリアクリル酸ソーダ(大同化成工業製、製品名「ダイドールDL」、固形分:40質量%)2.5質量部を用いた以外は実施例3と同様にして比較用の酸化チタン複合粒子水分散液を得た。そして、得られた酸化チタン複合粒子水分散液について酸化チタン複合粒子の平均粒子径を測定した。得られた結果を表1に示す。
(比較例4)
コロイダルシリカの添加量を400質量部とした以外は実施例3と同様にして比較用の酸化チタン複合粒子水分散液を得た。そして、得られた酸化チタン複合粒子水分散液について酸化チタン複合粒子の平均粒子径を測定した。得られた結果を表1に示す。
(比較例5)
コロイダルシリカの添加量を25質量部とした以外は実施例3と同様にして比較用の酸化チタン複合粒子水分散液を得た。そして、得られた酸化チタン複合粒子水分散液について酸化チタン複合粒子の平均粒子径を測定した。得られた結果を表1に示す。
<分散安定性の評価>
実施例1〜4及び比較例1〜5で得られた分散液を常温にて30日間及び60日間保存した後における、酸化チタン粒子又は酸化チタン複合粒子の平均粒子径を測定した。得られた結果、並びに製造後の平均粒子径に対する平均粒子径の変化率を表1に示す。
Figure 0005090787
表1に示した結果から明らかなように、本発明の酸化チタン複合粒子水分散液(実施例1〜4)においては、酸化チタン複合粒子の平均粒子径の経時の変化が少なかった。したがって、本発明の酸化チタン複合粒子水分散液は経時の分散安定性に優れることが確認された。なお、酸化チタンとして窒素ドープ型の酸化チタンを用いた場合(実施例3、4)においては、酸化チタン複合粒子の平均粒子径の経時の変化が特に少なかった。
一方、コロイダルシリカが吸着されていない酸化チタン粒子水分散液(比較例1)においては、酸化チタン粒子の平均粒子径が時間の経過と共に小さくなる傾向にあり、酸化チタン粒子の分散安定性が劣ったものであった。また、本発明にかかるポリアクリル酸アンモニウム等を用いなかった酸化チタン複合粒子水分散液(比較例2)においては、製造後60日が経過した際に酸化チタン複合粒子が凝集し沈殿してしまった。さらに、分散剤としてポリアクリル酸ソーダを用いた酸化チタン複合粒子水分散液(比較例3)においては、製造後30日が経過した際に酸化チタン複合粒子が凝集し沈殿してしまった。また、コロイダルシリカの添加量が多すぎる場合や少なすぎる場合(比較例4、5)には、酸化チタン粒子の平均粒子径が時間の経過と共に小さくなる傾向にあり、酸化チタン粒子の分散安定性が劣ったものであった。
以上説明したように、本発明によれば、酸化チタン複合粒子水分散液を用いて酸化チタンを繊維等の有機物支持体に担持した際に、酸化チタンの光触媒作用により有機物支持体が酸化分解されることを十分に抑制することができ、しかも酸化チタンの経時の分散安定性に優れる酸化チタン複合粒子水分散液を効率よく且つ確実に得ることが可能な酸化チタン複合粒子水分散液の製造方法、並びにその製造方法により得られた酸化チタン複合粒子水分散液を提供することが可能となる。

Claims (4)

  1. 一次粒子径が2〜40nmであり光触媒反応を行うことができる酸化チタンを、前記酸化チタン100質量部に対して0.3〜3質量部のポリアクリル酸アンモニウム又はポリアクリル酸トリエチルアミンを分散剤として用いて、水に分散せしめて酸化チタン粒子水分散液を得る工程と、
    前記酸化チタン粒子水分散液に動的光散乱法で測定した平均粒子径が1〜30nmのコロイダルシリカを前記酸化チタン100質量部に対して酸化物換算で10〜75質量部添加して、前記コロイダルシリカを前記酸化チタンに吸着させて酸化チタン複合粒子水分散液を得る工程と、
    を含むことを特徴とする酸化チタン複合粒子水分散液の製造方法。
  2. 前記酸化チタン粒子水分散液のpHが7〜9の範囲であることを特徴とする請求項1に記載の酸化チタン複合粒子水分散液の製造方法。
  3. 前記酸化チタンが窒素ドープ型の酸化チタンであることを特徴とする請求項1又は2に記載の酸化チタン複合粒子水分散液の製造方法。
  4. 請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載の酸化チタン複合粒子水分散液の製造方法により得られたものであることを特徴とする酸化チタン複合粒子水分散液。
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