JP5014607B2 - 吸水性樹脂を主成分とする粒子状吸水剤 - Google Patents
吸水性樹脂を主成分とする粒子状吸水剤 Download PDFInfo
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Description
(a)生理食塩水の無加圧下吸収倍率(CRC)が27g/g以上
(b)生理食塩水の4.8kPa荷重下での加圧下吸収倍率(AAP)が20g/g以上
(c)質量平均粒子径(D50)が200〜450μm
(d)粒子状吸水剤中の150μm未満の粒子が0〜5質量%
(e)粒度分布の対数標準偏差(σζ)が0.20〜0.40
(f)ガス検知管で定量される雰囲気濃度として規定される、粒子状吸水剤から揮発するアルコール系揮発性物質の含有量が0〜10ppm。
(a)生理食塩水の無加圧下吸収倍率(CRC)が27g/g以上
(b)生理食塩水の4.8kPa荷重下での加圧下吸収倍率(AAP)が20g/g以上
(c)質量平均粒子径(D50)が200〜450μm
(d)粒子状吸水剤中の150μm未満の粒子が0〜5質量%
(e)粒度分布の対数標準偏差(σζ)が0.20〜0.40
(g)粒子状吸水剤中の残存エチレングリコール含有量(HPLC定量)が0〜40ppm。
(a)生理食塩水への無加圧下吸収倍率(CRC)が30g/g以上
(b)質量平均粒子径(D50)が200〜450μm
(c)150μm未満の粒子が0〜8質量%
(d)粒度分布の対数標準偏差(σζ)が0.20〜0.50
上記吸水性樹脂の表面近傍を、エステル結合を形成する表面架橋剤を添加後さらに加熱処理する工程と、上記加熱処理中および/または加熱処理後の吸水性樹脂を雰囲気温度60℃以上の気流下に暴露する工程と、を含むことを特徴としている。
本発明において吸水性樹脂とは、ヒドロゲルを形成しうる水膨潤性水不溶性の架橋重合体のことであり、例えば、水膨潤性とはイオン交換水中において必須に自重の5倍以上、好ましくは50倍から1000倍という多量の水を吸収するものを指し、また、水不溶性とは水可溶分が50重量%以下のものを指す。なお、これらの測定法は本発明の実施例や、EDANA(Europian Disposables And Nonwovens Association)のERT(EDENA Recommended Test Method) 441.1-99や、470.1-99に準じていればよい。
本発明で粒子状吸水剤とは、吸水性樹脂を主成分とし、必要により少量の添加剤および/または水を含有する、水性液体の吸収固化剤のことを指し、吸水性樹脂の含有量は全体の、すなわち、粒子状吸水剤を100質量%としたときに、70〜100質量%、より好ましくは80〜100質量%、さらに好ましくは90〜100質量%の範囲である。上記粒子状吸水剤中の吸水性樹脂以外の成分としては、通常は水が主成分とされ、さらには後述の添加剤が使用される。なお、上記水性液体としては、水に限らず、尿、血液、糞、廃液、湿気や蒸気、氷、水と有機溶媒および/または無機溶媒との混合物、雨水、地下水など、水を含めば特定に制限されないが、好ましくは、尿、特に人尿を挙げることができる。
特定の粒度および吸収倍率に制御した吸水性樹脂を得たのち、得られた吸水性樹脂の表面近傍を、エステル結合を形成する表面架橋剤を添加後加熱処理し、該加熱処理中および/または加熱処理後の吸水性樹脂を雰囲気温度60℃以上の気流下に暴露する方法。好ましくは、さらに原料アクリル酸の純度を後述する範囲に制御する。
未中和アクリル酸および/またはその塩を単量体の主成分とする不飽和単量体水溶液を内部架橋剤および必要により連鎖移動剤の存在下で架橋重合し、特定吸収倍率に制御された吸水性樹脂を得たのち、特定の粒度に調整し、得られた特定の粒度および吸収倍率の架橋重合体を表面架橋する工程を含む方法。
未中和アクリル酸を主成分とする特定濃度の不飽和単量体水溶液を内部架橋剤の存在下で架橋重合し、特定吸収倍率に制御された吸水性樹脂を得たのち、さらに中和し、特定の粒度に調整し、得られた特定の粒度および吸収倍率の架橋重合体を表面架橋する工程を含む方法。
未中和アクリル酸および/またはその塩を単量体の主成分とする不飽和単量体水溶液を内部架橋剤の存在下に架橋重合し、特定吸収倍率に制御された吸水性樹脂を得たのち、特定の粒度に調整し、得られた特定の粒度および吸収倍率の架橋重合体を表面架橋する工程を含み、必要により、その重合時、または表面架橋の前後ないし同時に、キレート剤を添加する方法。
<アクリル酸>
吸水性樹脂を構成する不飽和単量体(以下、適宜単量体と略す)としては、アクリル酸および/またはその塩を主成分として使用することが好ましい。また、本発明の粒子状吸水剤を得るために、特定純度のアクリル酸、すなわち、特定化合物が特定の含有量含まれるアクリル酸を使用することが好ましい。かかるアクリル酸としては、具体的には、メトキシフェノール10〜200ppm、酢酸およびプロピオン酸の合計含有量0〜10000ppm、アクリル酸ダイマー量0〜1000ppm、フルフラール0〜10ppm、およびプロトアネモニン0〜10ppmから選ばれる1以上の化合物が該当する範囲内であるアクリル酸であることが好ましい。
本発明で用いる吸水性樹脂を構成する単量体としては、アクリル酸以外の「その他の単量体」を共重合成分として併用してもよいし、「その他の単量体」だけから吸水性樹脂を得てもよい。かかる「その他の単量体」としては、例えば、メタクリル酸、(無水)マレイン酸、フマール酸、クロトン酸、イタコン酸、ビニルスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、(メタ)アクリロキシアルカンスルホン酸、これらのアルカリ金属塩、これらのアンモニウム塩、N−ビニル−2−ピロリドン、N−ビニルアセトアミド、(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、イソブチレン、ラウリル(メタ)アクリレート等の水溶性または疎水性の不飽和単量体等を挙げることができる。なお、本発明において「水溶性」とは、室温の水100gに、1g以上溶解するものをいう。
本発明で用いられる吸水性樹脂は上記不飽和単量体を重合することにより得られる架橋重合体を乾燥することにより得られるが、かかる架橋重合体は、架橋性単量体を使用しない自己架橋型のものであってもよいが、物性面から好ましくは、一分子中に2個以上の重合性不飽和基、2個以上の反応性基を有する架橋性単量体(吸水性樹脂の内部架橋剤とも言う)を共重合又は反応させることによって得られる。なお、架橋重合体であることは、上記水不溶性であることでも規定される。
本発明に用いられる吸水性樹脂を得るために上述の単量体を重合するに際して使用される開始剤としては過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過酢酸カリウム、過酢酸ナトリウム、過炭酸カリウム、過炭酸ナトリウム、t−ブチルハイドロパーオキサイド、過酸化水素、2,2′−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩等のラジカル重合開始剤;2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン等の光重合開始剤等を用いることができる。これら重合開始剤の使用量は物性面から0.001〜2モル%、好ましくは0.01〜0.1モル%(対全単量体)である。これらの重合開始剤が0.001モル%未満の場合には未反応の残存単量体が多くなり、一方重合開始剤が2モル%を超える場合には重合の制御が困難となるので好ましくない。
本発明で用いられる吸水性樹脂を製造するために不飽和単量体を重合するに際しては、バルク重合や沈殿重合を行うことが可能であるが、物性面から上記単量体を水溶液とすることによる、水溶液重合や逆相懸濁重合を行うことが好ましい。単量体を水溶液とする場合の該水溶液(以下、単量体水溶液と称する)中の単量体の濃度は水溶液の温度や単量体によって決まり、特に限定されるものではないが、例えば<製法例1>+<製法例2>、<製法例1>+<製法例4>のように、予め中和された酸基含有不飽和単量体で重合(中和重合法)を行なう場合は、好ましくは10〜70質量%、さらに好ましくは20〜60質量%である。また、上記水溶液重合を行う際には、水以外の溶媒を必要に応じて併用してもよく、併用して用いられる溶媒の種類は、特に限定されるものではない。
(a)未中和のカルボン酸基(アクリル酸)が主成分である単量体の重合
上記(6)の重合方法は、通常、予め中和された酸基含有不飽和単量体で重合(中和重合法)されるが、例えば、上記<製法例3>のように、重合方法として、未中和の酸基含有不飽和単量体、特に未中和アクリル酸を主成分として重合を行い、重合後に酸基を中和する、いわゆる酸重合&後中和法を用いてもよい。
本発明の粒子状吸水剤の製造方法では、重合時に必要により連鎖移動剤が使用されても良い。上記不飽和単量体、内部架橋剤、および、重合開始剤に加えて水溶性連鎖移動剤を存在させて重合することで、得られる架橋重合体から製造された吸水性樹脂を本発明の粒子状吸水剤として用いた場合、吸収能が高く、尿に対する安定性に優れる吸収体を得ることが可能になる。
上述した重合方法により得られる上記架橋重合体は含水ゲル状架橋重合体として得られる。得られた架橋重合体は、必要に応じて例えば含水率10%以上70%未満のゲルの状態で粉砕し、さらに乾燥される。乾燥は通常60℃〜250℃、好ましくは100℃〜220℃、より好ましくは120℃〜200℃の温度範囲で行われる。乾燥時間は重合体の表面積、含水率、および乾燥機の種類に依存し、目的とする含水率になるよう選択される。なお、本発明では、乾燥後の架橋重合体を吸水性樹脂と称する。
上記(8)の工程で得られた吸水性樹脂は、本発明の粒子状吸水剤を得るために、好ましくは粉末として特定の粒度に調整される。
上記(9)の粉砕・分級および粒度制御によって除去された微粒子は、より大きな粒子または粒子状凝集物に再生し、本発明で用いられる吸水性樹脂として用いることができる。このような微粒子の大粒径化の方法としては、米国特許6228930号、同5264495号、同4950692号、同5478879号および欧州特許844270号などに記載の方法を用いることが可能である。なお、このように再生された再生吸水性樹脂は実質的に多孔質構造を有する。
本発明の粒子状吸水剤は、好ましくは、例えば、上記<製法例1>及び<製法例2〜4>に代表されるように、特定の粒度および吸収倍率に制御し、得られた特定の粒度および吸収倍率の吸水性樹脂をさらに表面架橋して得た表面架橋処理後の吸水性樹脂を含んでいる。本発明の粒子状吸水剤は、例えば、かかる表面架橋によってその無加圧下吸収倍率(CRC)を低下、好ましくは表面架橋前の無加圧下吸収倍率(CRC)の95〜50%、さらには90〜60%にまで低下させて得られる。なお、無加圧下吸収倍率(CRC)の低下は架橋剤の種類や量、反応温度や時間などで適宜調整すればよい。
本表面架橋処理工程で用いることができる表面架橋剤としては、必須にカルボキシル基とエステル結合を形成する表面架橋剤が使用される。かかる架橋剤を使用しない場合、後述の特定物性(無加圧下吸収倍率、加圧下吸収倍率)が達成され難いだけなく、一般に安全性の高いエステル結合を形成する表面架橋剤(好ましくは多価アルコール、アルキレンカーボネート、オキセタン化合物、アミノアルコール化合物)に比べて、他の架橋剤によっては、残存架橋剤の安全性の問題となる場合もある。
本発明で表面架橋を行う場合には、水を用いることが好ましい。この際、使用される水の量は、使用する吸水性樹脂の含水率にもよるが、吸水性樹脂に対して0.5〜20質量%の範囲内が好ましく、より好ましくは0.5〜10質量%の範囲内である。
本発明の好ましい製造方法は気流に暴露することを特徴とする。すなわち、表面架橋剤混合後の吸水性樹脂の加熱処理時および/または加熱処理後に該吸水性樹脂は気流下に暴露されることが好ましい。上記気流下における吸水性樹脂の暴露とは、吸水性樹脂または粒子状吸水剤の加熱処理機および/またはその他プロセス中の内部に充満した気体を循環および置換することを意味する。この操作を行うことにより、高温での加熱処理によって発生する不快臭の原因となる揮発成分を除去することが可能となる。上記気流に用いられる気体としては、水蒸気、空気、窒素、および、これらの1種類以上の混合気体などであり、その供給量は適宜決められるが、通常、吸水性樹脂または粒子状吸水剤が存在する加熱処理機および/またはその他プロセスにおける単位容積1m3あたり、0.001〜100m3/hr、さらには0.01〜10m3/hrの範囲である。また、別の指標である気流の線速で表現するならば、気流の線速は好ましくは0.01〜100m/s、より好ましくは0.1〜50m/sの範囲である。さらに、暴露する時間は、好ましくは1分〜120分、より好ましくは10分〜90分の範囲である。気流は送風により生じさせてもよいし、吸引により生じさせてもよい。また、その際、10%以内、好ましくは、1%以内の減圧または加圧となってもよい。
本発明の粒子状吸水剤を得るために、上記表面架橋処理後の吸水性樹脂は、必要に応じて、水を加えて粉末として特定の粒度に調整される。また添加する水の中に、後述するキレート剤、植物成分、抗菌剤、水溶性高分子、無機塩などを含んでもよい。これらのキレート剤、植物成分、抗菌剤、水溶性高分子、無機塩などの含有量は、水溶液の濃度が、0.001〜50質量%の範囲である。好適な造粒方法や造粒特性は特願2004−211856号に例示されている。
本発明の粒子状吸水剤は、キレート剤、特に多価カルボン酸およびその塩を配合することが出来る。
本発明ではさらに、上記したキレート剤以外にも、下記の(A)植物成分、(B)有機酸の多価金属塩、(C)無機微粒子((D)複合含水酸化物を含む)、(E)還元性物質等を微量成分として添加し、これにより本発明の粒子状吸水剤に種々の機能を付与させることも出来る。
本発明にかかる粒子状吸水剤は、消臭性を発揮させるために、上記量で植物成分を配合することが出来る。本発明において用いることが出来る植物成分は、好ましくは、ポリフェノール、フラボンおよびその類、カフェインから選ばれる少なくとも1種類の化合物;タンニン、タンニン酸、五倍子、没食子および没食子酸から選ばれるすくなくとも1種類の化合物等である。好適な植物成分は、例えば米国特許6469080号、WO2002/423479号、国際出願番号PCT2003/JP6751号などに例示されている。
本発明にかかる粒子状吸水剤は、粉体流動性の向上、吸湿時のブロッキング防止のために上記量で多価金属塩、特に有機酸の多価金属塩を配合することが出来る。
用いられる有機酸の多価金属塩や混合方法は、例えば、国際出願番号でPCT/JP2004/1355号、PCT/JP2004/1007号、PCT/JP2004/1294号、PCT/JP2004/9242号などに例示されている。本発明に用いることのできる炭素数が分子内に7個以上の有機酸多価金属塩(PCT/JP2004/1355号)は好ましくは、脂肪酸、石油酸、高分子酸等のアルカリ金属塩以外の金属塩からなる。
本発明にかかる粒子状吸水剤は、吸湿時のブロッキング防止のために無機微粒子、特に水不溶性無機微粒子を配合することが出来る。本発明に使用される無機粉末としては、具体的には例えば、二酸化珪素や酸化チタン等の金属酸化物、天然ゼオライトや合成ゼオライト等の珪酸(塩)、カオリン、タルク、クレー、ベントナイト等が挙げられる。このうち二酸化珪素および珪酸(塩)がより好ましく、コールターカウンター法により測定された平均粒子径が0.001〜200μmの二酸化珪素および珪酸(塩)がさらに好ましい。
本発明にかかる粒子状吸水剤は、優れた吸湿流動性(吸水性樹脂または粒子状吸水剤が吸湿した後の粉体の流動性)を示し、さらに、優れた消臭性能を発揮させるために亜鉛と珪素、または、亜鉛とアルミニウムを含む複合含水酸化物(例えば、特願2003−280373号、PCT/JP2004/10896号に例示)を配合することが出来る。
本発明にかかる吸水剤は、臭気や着色の防止のために、還元性物質、特に無機還元性物質、さらには含硫黄ないし含酸素の還元性物質を使用することが好ましい。用いられる還元性物質としては、米国特許4863989号、同4863989号などに例示の亜硫酸(塩)ないし亜硫酸(水素塩)などが挙げられる。
抗菌剤、水溶性高分子、水不溶性高分子、水、有機微粒子など、その他添加剤は特に本発明の粒子状吸水剤が得られる限り、その添加は任意である。
上記製法、さらには製法例1〜4などを製法の一例とする本発明の粒子状吸水剤は、従来にない新規な性能を示す新規な粒子状吸水剤である。すなわち、本発明は新たな知見(平均粒子径と微粉量が相反、特定の表面架橋剤および特定の物性と臭気が相反、5つの物性が紙オムツ等の吸収性物品の実使用に重要)に基づき、本発明の粒子状吸水剤は、少なくとも5つの特定物性に制御された吸水剤が実使用で好適であることを見出して、設計および製造された吸水剤である。
下記(a)、(b)、(c)、(d)、(e)および(f)を満たすことを特徴とする。
(a)生理食塩水の無加圧下吸収倍率(CRC)が27g/g以上
(b)生理食塩水の4.8kPa荷重下での加圧下吸収倍率(AAP)が20g/g以上
(c)質量平均粒子径(D50)が200〜450μm
(d)150μm未満の粒子が0〜5質量%
(e)粒度分布の対数標準偏差(σζ)が0.20〜0.40
(f)ガス検知管で定量される雰囲気濃度として規定される、粒子状吸水剤から揮発するアルコール系揮発性物質の含有量が0〜10ppm。
本発明でいうアルコール系揮発性物質とは、本願の実施例で規定される測定法で検知されるアルコール揮発性物質量(ガス検知管で定量される雰囲気濃度)のことであり、アルコール検知管、特にメタノールガス検知管で定量される揮発性成分のことである。
本発明者は、従来の吸水剤では特定の表面架橋剤(カルボキシル基とエステル結合しうる表面架橋剤)および特定の物性(高い加圧下吸収倍率、高い無加圧下吸収倍率)と、臭気(消臭性能)が相反する特性であること見出したが、それらを解決して高物性の紙オムツ等の吸水性物品が得られる事実を見出した。
また、特定の表面架橋剤、特定の物性および臭気に加えて、吸水剤(吸水性樹脂)の平均粒子径と微粉量も高物性の紙オムツ等の吸水性物品に重要な因子である事実を見出し、さらに、それらを制御する過程で平均粒子径と微粉量も相反する特性であることを見出し、それらを解決して高物性の紙オムツ等の吸水性物品が得られる事実を見出した。
本発明の粒子状吸水剤の残存エチレングリコール含有量(HPLC定量)は0〜40ppm、好ましくは0〜30ppm、より好ましくは0〜20ppm、特に好ましくは、0ppm(検出しない)である。残存エチレングリコール含有量が上記範囲を越えた場合、臭気の原因となるだけでなく人体に悪影響を及ぼす惧れがあるため好ましくない。
上記エステル結合しうる表面架橋剤がアルキレンカーボネートを含む表面架橋剤であり、
下記(a)、(b)、(c)、(d)、(e)および(g)を満たすことを特徴とする。
(a)生理食塩水の無加圧下吸収倍率(CRC)が27g/g以上
(b)生理食塩水の4.8kPa荷重下での加圧下吸収倍率(AAP)が20g/g以上
(c)質量平均粒子径(D50)が200〜450μm
(d)150μm未満の粒子が0〜5質量%
(e)粒度分布の対数標準偏差(σζ)が0.20〜0.40
および
(g)吸水剤中の残存エチレングリコール含有量(HPLC定量)が0〜40ppm
かかる第2の吸水剤は、好ましくは、上記の(f)アルコール系揮発性物質の含有量0〜10ppmをさらに満足し、さらに、後述の物性(h)〜(j)を満足し、後述の添加物を含有する。
未中和アクリル酸および/またはその塩を単量体の主成分とする不飽和単量体水溶液を架橋剤の存在下に架橋重合し、架橋重合体を得る工程と、
得られた架橋重合体を乾燥し、さらに整粒して下記(a)、(b)、(c)および(d)を満たす吸水性樹脂を得る工程と、
(a)生理食塩水への無加圧下吸収倍率(CRC)が30g/g以上
(b)質量平均粒子径(D50)が200〜450μm
(c)150μm未満の粒子が0〜8質量%
(d)粒度分布の対数標準偏差(σζ)が0.20〜0.50
上記吸水性樹脂の表面近傍を、エステル結合を形成する表面架橋剤でさらに加熱処理する工程と、
上記加熱処理中および/または加熱処理後の吸水性樹脂を雰囲気温度60℃以上の気流下に暴露する工程と、
を含む、粒子状吸水剤の製造方法で得られる。さらに、かかる製造方法で、上記エステル結合しうる表面架橋剤としてアルキレンカーボネートを含む表面架橋剤(特に第2の吸水剤の場合)を用いることが好ましい。
<第2成分>
本発明の吸水剤は、主成分の吸水性樹脂以外にさらに、アミノアルコール、アルキレンカーボネートおよび多価アルコール(ただしエチレングリコールを除く)から選ばれるアルコール系化合物を含有することが好ましい。なお、アルキレンカーボネートはアルコール誘導体(例えば、エチレンカーボネートはエチレングリコールと二酸化炭素)であるため、本発明では、水酸基の有無によらずアルキレンカーボネートもアルコール系化合物と呼ぶ。
主成分の吸水性樹脂以外に、上記したキレート剤、消臭剤、多価金属塩、および、無機微粒子から選ばれる微量成分をさらに含むことが好ましい。
上記エステル結合性表面架橋剤は、グリセリン、1,3−プロパンジオール、エチレンカーボネート、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、および、エタノールアミンからなる群より選ばれる少なくとも1つの化合物であることが好ましい。その純度は臭気の原因となる不純物の混入を避けるため高いほうが好ましく、93%以上であることがより好ましく、95%以上であることがさらに好ましく、97%以上であることが最も好ましい。
本発明の粒子状吸水剤の(h)ガス検知管で定量される雰囲気濃度として規定される、粒子状吸水剤から揮発する硫黄系揮発性物質量は、通常0〜10ppm、好ましくは0〜5ppm、より好ましくは0〜2ppm、さらに好ましくは0〜0.3ppm、特に好ましくは0ppm(検出できない)である。
本発明の(i)粒子状吸水剤中のアクリル酸、酢酸およびプロピオン酸の合計含有量(HPLC定量)は0〜1000ppm、さらには0〜500ppm、好ましくは0〜300ppm、より好ましくは0〜200ppm、特に好ましくは0〜100である。合計含有量が500pmを超える場合、消臭作用を臨界的に低下させ好ましくない。かかるためには、例えば、上記の高純度のアクリル酸を使用して上記の重合を行なえばよい。
本発明の粒子状吸水剤の(j)白度は、ハンター式測色色差計で示される明度指数L値および、クロマチックネス指数を示すa値、b値で表される。その範囲は、L値が80以上、a値が−3〜3、b値が−5〜15であることが好ましく、L値が83以上、a値が−2.5〜2.5、b値が−3〜13であることがより好ましく、L値が85以上、a値が−2〜2、b値が0〜10であることが特に好ましい。
本発明の粒子状吸水剤は嵩比重(JIS K−3362で規定)は好ましくは0.40〜0.90g/ml、より好ましくは0.50〜0.80g/mlの範囲に調整される。また、600〜150μmの粒子の間に存在する粒子(標準ふるい分級で規定)が全体の好ましくは80〜100質量%、より好ましくは85〜100重量%、特に好ましくは90〜100質量%とされる。上記粒度を外れる場合、紙オムツ等の吸水性物品として実使用に不適であるだけでなく、消臭性能をも低下させる。かかるためには、表面架橋前の上記の粒度制御、表面架橋後の造粒や分級で達成される。
本発明の粒子状吸水剤の吸収速度は生理食塩水へのボルテックス吸水速度として60秒以下、好ましくは1〜55秒、より好ましくは2〜50秒である。吸収速度が60秒を超える場合、紙オムツ等の吸収体に吸水性樹脂、あるいは粒子状吸収体を使用した場合に十分な吸収能力を発揮しない場合もある。
本発明の粒子状吸水剤の1時間可溶分量は必須に40質量%以下、好ましくは0.1〜30質量%、より好ましくは0.2〜25質量%、さらに好ましくは0.3〜20質量%、特に好ましくは0.4〜15質量%、最も好ましくは0.5〜10質量%である。可溶分量が上記上限範囲を超える場合、吸水時に可溶分が吸収体に溶出され、血液や尿等の吸収体への液の拡散性が阻害する場合があるので好ましくない。なお、下限以下の達成は一般に困難でコストに見合わない。
本発明の粒子状吸水剤の用途は特定に限定されないが、好ましくは、吸収体および吸収性物品に使用され、特に従来臭気が特に問題になった高濃度紙オムツ(1枚に多量の吸水性樹脂を使用)で優れた吸収能を発揮する。
後述する実施例および比較例で得られた粒子状吸水剤(又は吸水性樹脂)W(g)(約0.20g)を不織布製の袋(60mm×85mm、材質はEDANA ERT 441.1-99 に準拠)に均一に入れシールして、25±2℃に調温した生理食塩水中に浸漬した。30分後に袋を引き上げ、遠心分離機(株式会社コクサン製、型式H−122小型遠心分離機)を用いて250G(250×9.81m/s2)で3分間水切りを行った後、袋の質量W2(g)を測定した。また、粒子状吸水剤(又は吸水性樹脂)を用いないで同様の操作を行い、そのときの質量W1(g)を測定した。そして、これら質量W1、W2から、次式に従って、吸収倍率(g/g)を算出した。
無加圧下吸収倍率(g/g)=((質量W2(g)−質量W1(g))/W(g))−1
(b)生理食塩水に対する4.8kPaでの加圧下吸収倍率(AAP/Absorbency Against Pressure)
400メッシュのステンレス製金網(目の大きさ38μm)を円筒断面の一辺(底)に溶着させた内径60mmのプラスチック製支持円筒の底の金網上に、後述する実施例および比較例で得られた粒子状吸水剤(又は吸水性樹脂)W(g)(約0.90g)を均一に散布し、その上に外径が60mmよりわずかに小さく支持円筒との壁面に隙間が生じずかつ上下の動きは妨げられないピストン(cover plate)を載置し、支持円筒と粒子状吸水剤(又は吸水性樹脂)とピストンの質量W3(g)を測定した。このピストン上に、粒子状吸水剤(又は吸水性樹脂)に対して、ピストンを含め4.8kPaの荷重を均一に加えることができるように調整された荷重を載置し、測定装置一式を完成させた。直径150mmのペトリ皿の内側に直径90mm、厚さ5mmのガラスフィルターを置き、25±2℃に調温した生理食塩水をガラスフィルターの上部面と同レベルになるように加えた。その上に直径9cmの濾紙(トーヨー濾紙(株)製、No.2)を1枚載せて表面が全て濡れるようにし、かつ過剰の液を除いた。
(c)質量(重量)平均粒子径(D50)、粒子径150μm未満の重量百分率、および対数標準偏差(σζ)
後述する参考例、実施例および比較例で得られた吸水性樹脂ないし粒子状吸水剤を、850μm、710μm、600μm、500μm、425μm、300μm、212μm、150μm、106μm、45μmのJIS標準ふるいで分級篩い分けし、粒子径150μm未満の重量百分率を実測するとともに、各粒度の残留百分率Rを対数確率紙にプロットした。これにより、R=50重量%に相当する粒径を質量平均粒子径(D50)として読み取った。また、対数標準偏差(σζ)は下記の式で表され、σζの値が小さいほど粒度分布が狭いことを意味する。
σζ = 0.5 × ln(X2/X1)
(X1はR=84.1質量%、X2は15.9質量%の時のそれぞれの粒径)
なお、分級篩い分けは、吸水性樹脂ないし粒子状吸水剤10.00gを上記目開きのJIS標準ふるい(The IIDA TESTING SIEVE:内径80mm)に仕込み、ロータップ型ふるい振盪機((株)飯田製作所製、ES−65型ふるい振盪機)により5分間分級した。
ガラスシャーレ(株式会社相互理化学硝子製作所発行のGENERAL CATALOGUE A−1000(2003年発行)に記載、コード:305−07、外径×高さ=120mm×25mm)に、後述する実施例および比較例で得られた粒子状吸水剤(又は吸水性樹脂)6.00gを均一に撒布した。次いで、円形(直径116mm)に切った通気性で通液性のヒートロンペーパー(南国パルプ工業株式会社、品種:GSP−22)1枚で粒子状吸水剤(又は吸水性樹脂)を覆い(ヒートロンペーパーでない場合は不織布で代用)、ヒートロンペーパー(または不織布)の円周3箇所をガラスシャーレ内壁にテープ(10mm×10mm)で固定した。3Lの臭い袋(近江オドエアーサービス(株)製)の一辺を開口し、粒子状吸水剤(又は吸水性樹脂)を撒布したガラスシャーレを入れた後、臭い袋の開口部分を粘着テープで隙間がないように閉じた。臭い袋に備えられたガラス管部から、臭い袋内を一旦減圧にした後、無臭空気1.2Lを注入し、続いて、外気の混入を防ぎながら臭い袋内のシャーレにテフロン(登録商標)チューブを備えたガラス漏斗を用いて、25±2℃に調温した0.90質量%塩化ナトリウム水溶液(生理食塩水)30mlを一気に注ぎ、粒子状吸水剤(又は吸水性樹脂)を均一に膨潤させ、シリコンゴム栓で密栓した。膨潤させ37℃の恒温機で放置し、60分後に取り出した後、室温で放置した。室温放置から10分後、シリコンゴム栓をはずし、外気の混入を防ぎながら、ガス採取器((株)ガステック製、GV−100S)およびガス検知管((株)ガステック製、No.111LL)を用いて雰囲気濃度を測定した。そして、この雰囲気濃度を吸水剤から揮発するアルコール系揮発性物質の含有量(ppm)とした。なお、当該測定方法では、粒子状吸水剤を用いずに、生理食塩水のみを用いて同様の操作を行なってもガス検知管が、変色することがある。かかる場合は、生理食塩水のみを用いた該変色域から検出された空試験検出値を減じて補正した(検出限界2ppm)。
ガス検知管として((株)ガステック製、No.4LT)を用いた以外は(f)アルコール系揮発性物質の測定と同様の操作を繰り返して雰囲気濃度を測定した。そして、この雰囲気濃度を吸水剤から揮発する硫黄系揮発性物質量(ppm)とした。なお、当該測定方法では、粒子状吸水剤を用いずに、生理食塩水のみを用いて同様の操作を行なってもガス検知管が、変色することがある。かかる場合は、生理食塩水のみを用いた該変色域から検出された空試験検出値を減じて補正した(検出限界0.1ppm)。
後述する実施例および比較例で得られた粒子状吸水剤(又は吸水性樹脂)500mgを1Lのイオン交換水に分散させて、長さ40mmで直径8mm(8mmφ)の円筒型回転子で1時間攪拌後に膨潤ゲルを濾過した。得られた濾液の残存モノマーを液体クロマトで分析することで、粒子状吸水剤(又は吸水性樹脂)の残存モノマーを定量した。
粒子状吸水剤2gを、メタノール水溶液2ml(水:メタノール=1:2の混合比)に加えて10分放置した後、さらに48mlのメタノールを加えて超音波発生装置を用いて振動を与えながらリンスした。リンス後、ろ過によりメタノール溶液を分離し、その30mlをエバポレーターにて蒸発乾固させた。得られた乾固物を3mlの燐酸キャリア水溶液にて再度溶解させることで、残存エチレングリコール測定サンプルとした。得られた測定サンプルは液体クロマトで分析することで、粒子状吸水剤の残存エチレングリコール含有量を定量した。
ハンター式測色色差計を用いて明度指数L値、クロマチックネス指数a値およびb値を求めた。
予め調整された生理食塩水に1000質量部に食品添加物である食用青色1号ブリリアントブルー=FCF0.02重量部を添加し、液温30℃に調整した。その生理食塩水50mlを100mlビーカーに計り取り、長さ40mmで直径8mm(8mmφ)の円筒型回転子で600rpmで攪拌する中に、後述する実施例および比較例で得られた粒子状吸水剤(又は吸水性樹脂)2.0gを投入し、吸収速度(秒)を測定した。終点は、JIS K 7224(1996年)「高吸水性樹脂の吸水速度試験方法 解説」に記載されている基準に準じ、粒子状吸水剤(又は吸水性樹脂)が生理食塩水を吸液してスターラーチップを試験液で覆うまでの時間を吸収速度(秒)として測定した。
後述する実施例および比較例で得られた粒子状吸水剤(又は吸水性樹脂)2gを底面の直径52mm、高さ22mmのアルミニウムカップの底に均一に散布し、あらかじめ25℃、相対湿度90%に調整した恒温恒湿器(タバイエスペック製PLATIOOUS LUCIFER PL−2G)にすばやく入れ、60分間放置した。その後、吸湿した粒子状吸水剤(又は吸水性樹脂)を直径7.5cm、目開き2000μmのJIS標準ふるいに移す。この時、吸湿した粒子状吸水剤(又は吸水性樹脂)がアルミカップに強固に付着し、ふるいに移せない場合は、吸湿しブロッキングを起こした状態の粒子状吸水剤(又は吸水性樹脂)を、できるだけ崩さないように注意しながら剥がし取ってふるいに移す。これをすぐに、振動分級器(IIDA SIEVE SHAKER、TYPE:ES−65型、SER.No.0501)により8秒間ふるい、ふるい上に残存した粒子状吸水剤(又は吸水性樹脂)の重量W5(g)およびふるいを通過した粒子状吸水剤(又は吸水性樹脂)の重量W6(g)を測定した。
吸湿ブロッキング率(質量%)=重量W5(g)/(重量W5(g)+重量W6(g))×100
により吸湿ブロッキング率(質量%)を算出した。吸湿ブロッキング率が低いほど、吸湿流動性に優れており、粉体の取り扱い性等が向上する。
特願2004−96083号公報の実施例に記載されている水可溶成分および耐尿性評価の方法に従って、可溶分量、可溶分劣化増加量および可溶分劣化増加倍率を求めた。
後述する実施例および比較例で得られた粒子状吸水剤(又は吸水性樹脂)を、吸収体(コア)として性能評価するために吸収体を作成し加圧下(4.8kPa)でのコアの吸収量評価を行った。
市販のアクリル酸(アクリル酸ダイマー2000ppm、酢酸500ppm、プロピオン酸500ppm、p−メトキシフェノール200ppm)酸を、無堰多孔板50段を有する高沸点不純物分離塔の塔底に供給して、還流比を1として蒸留し、マレイン酸やアクリル酸からなる二量体(アクリル酸ダイマー)などの除去後、さらに晶析を行なうことで、アクリル酸(アクリル酸ダイマー20ppm、酢酸50ppm、プロピオン酸50ppm、フルフラール1ppm以下、プロトアネモニン1ppm以下)を得て、さらに蒸留後にp−メトキシフェノールを50ppm添加した。
上記アクリル酸1390gを米国特許5210298号の実施例9に従い、48%苛性ソーダを用いて20〜40℃で中和して、濃度37%で100%中和のアクリル酸ナトリウム水溶液を得た。
上記アクリル酸の製造例で得られたアクリル酸、該アクリル酸を用いて上記アクリル酸ナトリウム水溶液の製法で得られたアクリル酸ナトリウム水溶液、および脱イオン水を混合して得られた75モル%の中和率を有するアクリル酸ナトリウムの水溶液5500g(単量体濃度38質量%)に、ポリエチレングリコールジアクリレート(エチレンオキシドの平均付加モル数9)4.3gを溶解し反応液とした。次いで、シグマ型羽根を2本有する内容積10Lのジャケット付きステンレス製双腕型ニーダーに蓋を付けて形成した反応器に、上記反応液を供給し、反応液を30℃に保ちながら系を窒素ガス置換し、反応液中の溶存酸素を除去した。続いて、反応液を撹拌しながら、過硫酸ナトリウムの10質量%水溶液28.3g及びL−アスコルビン酸の1質量%水溶液1.5gを添加したところ、およそ1分後に重合が開始した。重合開始後17分で重合ピーク温度86℃を示し、重合を開始して40分後に含水ゲル状重合体を取り出した。得られた含水ゲル状重合体は約1〜4mmの粒子に細分化されていた。この細分化された含水ゲル状重合体を50メッシュ(目の大きさ300μm)の金網上に広げ、160℃で60分間熱風乾燥した。次いで、乾燥物をロールミルを用いて粉砕し、さらに目開き600μmの金網で分級、調合することにより、不定形破砕状の吸水性樹脂(a)を得た。得られた吸水性樹脂(a)の粒度分布を表2に示す。
参考例1において乾燥物をロールミルを用いて粉砕し、さらに目開き850μmの金網で分級することにより、不定形破砕状の吸水性樹脂(b)を得た。得られた吸水性樹脂(b)の粒度分布を表2に示す。
上記アクリル酸の製造例で得られたアクリル酸、該アクリル酸を用いて上記アクリル酸ナトリウム水溶液の製法で得られたアクリル酸ナトリウム水溶液、および脱イオン水を混合して得られた75モル%の中和率を有するアクリル酸ナトリウムの水溶液5500g(単量体濃度38質量%)に、ポリエチレングリコールジアクリレート(エチレンオキシドの平均付加モル数9)7.5gを溶解し反応液とした。次に、この反応液を参考例1と同様に脱気したのち、参考例1の反応器に、上記反応液を供給し、反応液を30℃に保ちながら系を窒素ガス置換した。続いて、反応液を撹拌しながら、過硫酸ナトリウムの10質量%水溶液28.3g及びL−アスコルビン酸の1質量%水溶液1.5gを添加したところ、およそ1分後に重合が開始した。重合開始後17分で重合ピーク温度86℃を示し、重合を開始して40分後に含水ゲル状重合体を取り出した。得られた含水ゲル状重合体は約1〜4mmの粒子に細分化されていた。この細分化された含水ゲル状重合体を50メッシュ(目の大きさ300μm)の金網上に広げ、160℃で60分間熱風乾燥した。次いで、乾燥物をロールミルを用いて粉砕し、さらに目開き600μmの金網で分級、調合することにより、不定形破砕状の吸水性樹脂(c)を得た。得られた吸水性樹脂(c)の粒度分布を表2に示す。
参考例1で得られた吸水性樹脂(a)100質量部に、エチレンカーボネート0.2質量部、グリセリン0.2質量部、水3質量部からなる表面架橋剤水溶液3.4質量部を噴霧混合した。上記の混合物を、パドル型混合加熱処理機を用いてその上部空間の気体を外気と置換しながら、粉体温度195℃で45分間加熱処理して表面架橋された吸水性樹脂(1)を得た。得られた表面架橋された吸水性樹脂(1)をさらに目開き710μmのふるいを通過させることにより、粒子状吸水剤(1)を得た。粒子状吸水剤(1)の無加圧下吸収倍率、4.8kPaでの加圧下吸収倍率、吸収速度評価、粒度分布、白度を示すL値、a値およびb値、アルコール系揮発性物質の含有量、硫黄系揮発性物質量、残存モノマー量、残存エチレングリコール含有量を表1、表2に示した。
参考例1で得られた吸水性樹脂(a)100質量部に、エチレンカーボネート0.2質量部、1,3−プロパンジオール0.3質量部と、水3質量部とからなる表面架橋剤水溶液3.5質量部を噴霧混合した。上記の混合物を、パドル型混合加熱処理機を用いてその上部空間の気体を外気と置換しながら、粉体温度195℃で45分間加熱処理して表面架橋された吸水性樹脂(2)を得た。得られた表面架橋された吸水性樹脂(2)に水溶液を2質量部、ジエチレントリアミン5酢酸ナトリウムが表面架橋された吸水性樹脂(2)に対して50ppmとなるように噴霧混合した。得られた混合物を60℃で1時間硬化し、さらに目開き710μmのふるいを通過させることにより、粒子状吸水剤(2)を得た。粒子状吸水剤(2)の無加圧下吸収倍率、4.8kPaでの加圧下吸収倍率、吸収速度評価、粒度分布、白度を示すL値、a値およびb値、アルコール系揮発性物質の含有量、硫黄系揮発成分の含有量、残存モノマー量、残存エチレングリコール含有量を表1、表2に示した。また、可溶分量は8質量%、劣化後の1時間可溶分量は10質量%であった。
参考例1で得られた吸水性樹脂(a)100質量部にエチレングリコールジグリシジルエーテル0.05質量部、1,4−ブタンジオール0.3質量部、プロピレングリコール0.5質量部、水3質量部からなる表面架橋剤水溶液3.85質量部を噴霧混合した。上記の混合物を、パドル型混合加熱処理機を用いてその上部空間の気体を外気と置換しながら、粉体温度195℃で45分間加熱処理して表面架橋された比較用吸水性樹脂(1)を得た。得られた表面架橋された比較用吸水性樹脂(1)をさらに目開き710μmのふるいを通過させることにより、比較用粒子状吸水剤(1)を得た。比較用粒子状吸水剤(1)の無加圧下吸収倍率、4.8kPaでの加圧下吸収倍率、吸収速度評価、粒度分布、白度を示すL値、a値およびb値、アルコール系揮発性物質の含有量、硫黄系揮発性物質量、残存モノマー量、残存エチレングリコール含有量を表1、表2に示した。
参考例1で得られた吸水性樹脂(a)100質量部にエチレンカーボネート0.5質量部、水2質量部、エタノール2質量部からなる表面架橋剤4.5質量部を噴霧混合した。上記の混合物を、密閉式の加熱炉を用いてその上部空間の気体が外気と置換しない状態で、粉体温度195℃で45分間加熱処理して表面架橋された比較用吸水性樹脂(2)を得た。得られた表面架橋された比較用吸水性樹脂(2)をさらに目開き710μmのふるいを通過させることにより、比較用粒子状吸水剤(2)を得た。比較用粒子状吸水剤(2)の無加圧下吸収倍率、4.8kPaでの加圧下吸収倍率、吸収速度評価、粒度分布、白度を示すL値、a値およびb値、アルコール系揮発性物質の含有量、硫黄系揮発性物質量、残存モノマー量、残存エチレングリコール含有量を表1、表2に示した。
参考例2で得られた吸水性樹脂(b)100質量部に、エチレンカーボネート0.2質量部、グリセリン0.2質量部、水3質量部からなる表面架橋剤水溶液3.4質量部を噴霧混合した。上記の混合物を、パドル型混合加熱処理機を用いてその上部空間の気体を外気と置換しながら、粉体温度195℃で45分間加熱処理して表面架橋された比較用吸水性樹脂(3)を得た。得られた表面架橋された比較用吸水性樹脂(3)をさらに目開き850μmのふるいを通過させることにより、比較用粒子状吸水剤(3)を得た。比較用粒子状吸水剤(3)の無加圧下吸収倍率、4.8kPaでの加圧下吸収倍率、吸収速度評価、粒度分布、白度を示すL値、a値およびb値、アルコール系揮発性物質の含有量、硫黄系揮発性物質量、残存モノマー量、残存エチレングリコール含有量を表1、表2に示した。
参考例3で得られた吸水性樹脂(c)100質量部に、エチレンカーボネート0.2質量部、1,3−プロパンジオール0.3量量部と、水3質量部とからなる表面架橋剤水溶液3.5質量部を噴霧混合した。上記の混合物を、パドル型混合加熱処理機を用いてその上部空間の気体を外気と置換しながら、粉体温度200℃で45分間加熱処理して表面架橋された吸水性樹脂(3)を得た。得られた表面架橋された吸水性樹脂(3)に水2質量部を噴霧混合し、得られた混合物を60℃で1時間硬化し、さらに目開き710μmのふるいを通過させることにより、粒子状吸水剤(3)を得た。粒子状吸水剤(3)の無加圧下吸収倍率、4.8kPaでの加圧下吸収倍率、吸収速度評価、粒度分布、白度を示すL値、a値およびb値、アルコール系揮発性物質の含有量、硫黄系揮発性物質量、残存モノマー量、残存エチレングリコール含有量を表1、表2に示した。
参考例3で得られた吸水性樹脂(c)100質量部に、エチレンカーボネート0.2質量部、グリセリン0.2質量部、水3質量部とからなる表面架橋剤水溶液3.4質量部を噴霧混合した。上記の混合物を、パドル型混合加熱処理機を用いてその上部空間の気体を外気と置換しながら、粉体温度200℃で45分間加熱処理して表面架橋された吸水性樹脂(4)を得た。得られた表面架橋された吸水性樹脂(4)をさらに目開き710μmのふるいを通過させることにより、粒子状吸水剤(4)を得た。粒子状吸水剤(4)の無加圧下吸収倍率、4.8kPaでの加圧下吸収倍率、吸収速度評価、粒度分布、白度を示すL値、a値およびb値、アルコール系揮発性物質の含有量、硫黄系揮発性物質量、残存モノマー量、残存エチレングリコール含有量を表1、表2に示した。
参考例3で得られた吸水性樹脂(c)100質量部に、1,4ブタンジオール0.3質量部と、プロピレングリコール0.5質量部と、水3質量部からなる表面架橋剤水溶液3.8質量部を噴霧混合した。上記の混合物を、パドル型混合加熱処理機を用いてその上部空間の気体を外気と置換しながら、粉体温度200℃で45分間加熱処理して表面架橋された比較用吸水性樹脂(4)を得た。得られた表面架橋された吸水性樹脂(4)をさらに目開き710μmのふるいを通過させることにより、粒子状吸水剤(4)を得た。比較用粒子状吸水剤(4)の無加圧下吸収倍率、4.8kPaでの加圧下吸収倍率、吸収速度評価、粒度分布、白度を示すL値、a値およびb値、アルコール系揮発性物質の含有量、硫黄系揮発性物質量、残存モノマー量、残存エチレングリコール含有量を表1、表2に示した。
実施例2で得られた粒子状吸水剤(2)に微粒子状のステアリン酸カルシウム(関東化学株式会社製)0.1質量部を添加・混合(ドライブレンド)して、粒子状吸水剤(5)を得た.得られた粒子状吸水剤(5)の無加圧下吸収倍率、4.8kPaでの加圧下吸収倍率、吸収速度評価、さらに、吸湿ブロッキング率を評価して結果を表3に示した。なお、粒度分布、白度を示すL値、a値およびb値、アルコール系揮発性物質の含有量、硫黄系揮発性物質量、残存モノマー量、残存エチレングリコール含有量は、添加前の粒子状吸水剤(2)と同じであった。
実施例3で得られた粒子状吸水剤(3)に微粒子状の二酸化珪素・アエロジル200(日本アエロジル社製)0.3質量部を添加・混合(ドライブレンド)して、粒子状吸水剤(6)を得た.得られた粒子状吸水剤(6)の無加圧下吸収倍率、4.8kPaでの加圧下吸収倍率、吸収速度評価、さらに、吸湿ブロッキング率を評価して結果を表3に示した。なお、粒度分布、白度を示すL値、a値およびb値、アルコール系揮発性物質の含有量、硫黄系揮発性物質量、残存モノマー量、残存エチレングリコール含有量は、添加前の粒子状吸水剤(3)と同じであった。
実施例1で得られた粒子状吸水剤(1)を吸収体として性能評価するために上記(l)吸収体性能評価の方法に従って評価用吸収体(1)を作成した。得られた評価用吸収体(1)の加圧下(4.8kPa)でのコアの吸収量を測定し、表4に示した。
実施例7において、粒子状吸水剤(1)に替えて、粒子状吸水剤(3)、(5)(6)を用いた以外は同様の操作を行い、評価用吸収体(2)〜(4)を得た。得られた評価用吸収体を実施例7と同様に評価し、結果を表4に示した。
参考例3で得られた吸水性樹脂(c)100質量部に、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン0.2質量部、1,3−プロパンジオール0.3質量部と、水3質量部とからなる表面架橋剤水溶液3.5質量部を噴霧混合した。得られた混合物を、パドル型混合加熱処理機を用いてその上部空間の気体を外気と置換しながら、粉体温度200℃で45分間加熱処理して表面架橋された吸水性樹脂(7)を得た。この表面架橋された吸水性樹脂(7)をさらに目開き710μmのふるいを通過させることにより、粒子状吸水剤(7)を得た。粒子状吸水剤(7)の無加圧下吸収倍率、4.8kPaでの加圧下吸収倍率、吸収速度評価、粒度分布、白度を示すL値、a値およびb値、アルコール系揮発性物質の含有量、硫黄系揮発性物質量、残存モノマー量、残存エチレングリコール含有量を表1、表2に示した。
比較例2において、密閉式の加熱炉の代わりにパドル型混合加熱処理機を用いて、その上部空間の気体を外部と置換しながら、粉体温度195℃で45分間加熱処理した後、さらに、該加熱処理物を線速1m/s、90℃の加熱空気の気流下に60分暴露して吸水性樹脂(8)を得た。得られた表面架橋された吸水性樹脂(8)の無加圧下吸収倍率、4.8kPaでの加圧下吸収倍率、吸収速度評価、粒度分布、白度を示すL値、a値およびb値、アルコール系揮発性物質の含有量、硫黄系揮発性物質量、残存モノマー量、残存エチレングリコール含有量を表1、表2に示した。
実施例4で得られた吸水性樹脂(4)にエタノールアミン0.1質量部、水1.9質量部からなる水溶液を噴霧混合した。得られた混合物を線速1m/s、90℃の加熱空気の気流下に60分間暴露して硬化し、さらに目開き710μmのふるいを通過させることにより、粒子状吸水剤(9)を得た。粒子状吸水剤(9)の無加圧下吸収倍率、4.8kPaでの加圧下吸収倍率、吸収速度評価、粒度分布、白度を示すL値、a値およびb値、アルコール系揮発性物質の含有量、硫黄系揮発性物質量、残存モノマー量、残存エチレングリコール含有量を表1、表2に示した。
実施例7で用いた粒子状吸水剤(1)に替えて、比較用粒子状吸水剤(1)〜(4)を用いた以外は同様の操作を行い、比較用吸収体(1)〜(4)を得た。得られた評価用吸収体を実施例7と同様に評価し、結果を表4に示した。
Claims (13)
- カルボキシル基とエステル結合しうる表面架橋剤で表面架橋処理されたポリカルボン酸系吸水性樹脂粒子を主成分とする粒子状吸水剤であって、
上記ポリカルボン酸系吸水性樹脂粒子は、アクリル酸及び/又はその塩(中和物)を主成分とする不飽和単量体を架橋重合することにより得られるポリアクリル酸部分中和物重合体であり、
下記(a)、(b)、(c)、(d)、(e)および(f)を満たす粒子状吸水剤、
(a)生理食塩水の無加圧下吸収倍率(CRC)が27g/g以上
(b)生理食塩水の4.8kPa荷重下での加圧下吸収倍率(AAP)が20g/g以上
(c)質量平均粒子径(D50)が200〜450μm
(d)粒子状吸水剤中の150μm未満の粒子が0〜5質量%
(e)粒度分布の対数標準偏差(σζ)が0.20〜0.40
(f)アルコール検知管で定量される雰囲気濃度として規定される、粒子状吸水剤から揮発するアルコール系揮発性物質の含有量が0〜10ppm。 - カルボキシル基とエステル結合しうる表面架橋剤で表面架橋処理されたポリカルボン酸系吸水性樹脂粒子を主成分とする粒子状吸水剤であって、
上記ポリカルボン酸系吸水性樹脂粒子は、アクリル酸及び/又はその塩(中和物)を主成分とする不飽和単量体を架橋重合することにより得られるポリアクリル酸部分中和物重合体であり、
上記表面架橋剤がアルキレンカーボネートを含む表面架橋剤であり、
下記(a)、(b)、(c)、(d)、(e)および(g)を満たす粒子状吸水剤、
(a)生理食塩水の無加圧下吸収倍率(CRC)が27g/g以上
(b)生理食塩水の4.8kPa荷重下での加圧下吸収倍率(AAP)が20g/g以上
(c)質量平均粒子径(D50)が200〜450μm
(d)粒子状吸水剤中の150μm未満の粒子が0〜5質量%
(e)粒度分布の対数標準偏差(σζ)が0.20〜0.40
(g)粒子状吸水剤中の残存エチレングリコール含有量(HPLC定量)が0〜40ppm。 - さらに、アミノアルコール、アルキレンカーボネートおよび多価アルコールから選ばれるアルコール系化合物(ただしエチレングリコールを除く)を含有する、請求項1または2記載の粒子状吸水剤。
- さらに、キレート剤、消臭剤、多価金属塩、および、無機微粒子からなる群より選ばれる成分を含む請求項1〜3の何れか1項に記載の粒子状吸水剤。
- 上記表面架橋剤が、グリセリン、1,3−プロパンジオール、エチレンカーボネート、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、および、エタノールアミンからなる群より選ばれる1種類以上の化合物である、請求項1〜4の何れか1項に記載の粒子状吸水剤。
- さらに(h)ガス検知管で定量される雰囲気濃度として規定される、粒子状吸水剤から揮発する硫黄系揮発性物質量が0〜10ppmである、請求項1〜5の何れか1項に記載の粒子状吸水剤。
- さらに(i)粒子状吸水剤中の、アクリル酸、酢酸およびプロピオン酸の合計含有量(HPLC定量)が0〜1000ppmである、請求項1〜6の何れか1項に記載の粒子状吸水剤。
- さらに(j)白度としてハンター式測色色差計で示される明度指数L値が80以上であって、クロマチックネス指数を示すa値が−2〜2.5であって、b値が0〜4である、請求項1〜7の何れか1項に記載の粒子状吸水剤。
- 請求項1〜8の何れか1項に記載の粒子状吸水剤および親水性繊維から成形された吸収体であって、粒子状吸水剤および親水性繊維の合計質量に対して該粒子状吸水剤が30〜100質量%(100質量%は粒子状吸水剤単独)である高濃度吸収体。
- 請求項1〜8のいずれかに記載の粒子状吸水剤の製造方法であって、
未中和アクリル酸および/またはその塩を単量体の主成分とする不飽和単量体水溶液を内部架橋剤の存在下に架橋重合し架橋重合体を得る工程と、
得られた架橋重合体を乾燥し、整粒して下記(a)、(b)、(c)および(d)を満たす吸水性樹脂を得る工程と、
(a)生理食塩水への無加圧下吸収倍率(CRC)が30g/g以上
(b)質量平均粒子径(D50)が200〜450μm
(c)150μm未満の粒子が0〜8質量%
(d)粒度分布の対数標準偏差(σζ)が0.20〜0.50
上記吸水性樹脂の表面近傍を、エステル結合を形成する表面架橋剤を添加後さらに加熱処理する工程と、
上記加熱処理中および/または加熱処理後の吸水性樹脂を雰囲気温度60℃以上の気流下に暴露する工程と、
を含む、粒子状吸水剤の製造方法。 - 上記未中和アクリル酸は、該アクリル酸の質量に対してメトキシフェノール10〜200ppm、酢酸およびプロピオン酸の合計含有量0〜10000ppm、アクリル酸ダイマー量0〜1000ppm、フルフラール0〜10ppm、およびプロトアネモニン0〜10ppmから選ばれる1以上の化合物が該当する範囲内であるアクリル酸である請求項10記載の粒子状吸水剤の製造方法。
- 上記表面架橋剤がアルキレンカーボネートを含む表面架橋剤である請求項10または11記載の粒子状吸水剤の製造方法。
- 上記アルキレンカーボネートに含有されるエチレングリコール量が、該アルキレンカーボネートの質量に対して0.1質量%以下である請求項12記載の製造方法。
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