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JP3712453B2 - 吸水性樹脂、吸水性樹脂組成物および吸収体 - Google Patents

吸水性樹脂、吸水性樹脂組成物および吸収体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、吸水性樹脂組成物および吸収体に関するものである。さらに詳しくは、本発明は、耐尿性および液拡散性に特に優れると共に、比較的高い圧力下(加圧下)での水性液体の戻り量が低減された吸水性樹脂組成物、および、該吸水性樹脂組成物を比較的高濃度で含んでなり、例えば、紙オムツ(使い捨てオムツ)や生理用ナプキン等の衛生材料に好適に用いられる吸収体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、大量の水を吸収してゲル化する合成架橋高分子として、吸水性樹脂が開発されている。該吸水性樹脂は、紙オムツや生理用ナプキン、失禁パット、簡易便器、創傷保護材、創傷治癒材等の衛生材料;猫砂等のペット用の排泄物処理剤(糞尿固化用物品)等の構成材として利用されている。また、吸水性樹脂は、衛生材料や排泄物処理剤としての用途のみならず、農林業分野、土木分野、食品分野、医療分野、住宅分野等に幅広く用いられている。
【0003】
上記の吸水性樹脂としては、例えば、ポリアクリル酸部分中和物架橋体、澱粉−アクリロニトリルグラフト重合体の加水分解物、澱粉−アクリル酸グラフト重合体の中和物、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体のケン化物、アクリロニトリル共重合体若しくはアクリルアミド共重合体の加水分解物またはこれらの架橋体、カルボキシメチルセルロースの架橋体、カチオン性モノマーの架橋体、イソブチレン−無水マレイン酸共重合架橋体、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸とアクリル酸との共重合架橋体、ポリエチレンオキシド架橋体、メトキシポリエチレングリコールとアクリル酸との共重合架橋体等が知られている。
【0004】
そして、最近では、これら吸水性樹脂について、例えば紙オムツ等の衛生材料等に用いることを目的として、種々の特性を付与することが行われている。上記の吸水性樹脂が備えるべき特性としては、体液等の水性液体に接した際の優れた吸水量や吸水速度、ゲル強度、水性液体を含んだ基材から水を吸い上げる吸引力等が挙げられる。そして、従来より、これらの吸水特性の中から種々の特定範囲の物性を複数併せ持ち、紙オムツや生理用ナプキン等の衛生材料に用いられた場合に、優れた性能(吸水特性)を示す吸水性樹脂、または、該吸水性樹脂を用いた吸収体や吸水性物品が種々提案されている。
【0005】
例えば、特定のゲル容量や剪断弾性率、抽出性重合体含量を組み合わせた吸水性樹脂(米国特許第 4,654,039号)、吸水量や吸水速度、ゲル強度を特定した吸水性樹脂、および、該吸水性樹脂を用いた紙オムツや生理用ナプキン(特開昭 60-185550号公報、特開昭 60-185551号公報、特開昭 60-185804号公報)、特定の吸水量や吸水速度、ゲル安定性を有する吸水性樹脂を用いた紙オムツ(特開昭 60-185805号公報)、吸水量や吸引力、水可溶成分量を特定した吸水性樹脂を配した吸水性物品(特開昭63-21902号公報)、吸水量や加圧下の吸水量、ゲル破壊強度を特定した吸水性樹脂を含有する吸水性衛生用品(特開昭63-99861号公報)、吸水量や加圧下の吸水速度を特定した吸水性樹脂を含有する紙オムツ(特開平 2-34167号公報)、加圧下の吸水量や、その粒径を特定した吸水性樹脂を含有する吸水剤(欧州特許第 339,461号)、吸水速度や短時間での加圧下の吸水量を特定した吸水性樹脂を特定量以上含有する吸水剤(欧州特許第 443,627号)、負荷時の変形や吸い上げ指数を特定した吸水性樹脂を特定量以上含有する吸水性複合材料(欧州特許第 532,002号)等が知られている。
【0006】
一方、近年、紙オムツや生理用ナプキン等の衛生材料は、高機能化かつ薄型化が進み、衛生材料一枚当たりの吸水性樹脂の使用量、または、主に吸水性樹脂と親水性繊維とからなる吸収体における吸水性樹脂の重量%(以下、樹脂濃度と称する)が増える傾向にある。つまり、かさ比重の小さい親水性繊維を少なくし、吸水性に優れ、かつ、かさ比重の大きい吸水性樹脂を多くすることにより、吸収体における吸水性樹脂の比率を高め、これにより吸水量を低下させることなく衛生材料の薄型化を図っている。
【0007】
また、紙オムツ等の衛生材料等に用いることを主目的として、吸水性樹脂に、上記種々の特性に加えて、さらに、耐尿性を付与することも試みられている。つまり、上記の吸水性樹脂は、純水や生理食塩水に対しては長時間にわたって安定的に高い吸水倍率を示す。ところが、尿で膨潤した吸水性樹脂は、経時的に劣化し、崩壊してしまうという特異な現象を示す。吸水性樹脂の主な用途が、衛生材料や排泄物処理剤であることから、該吸水性樹脂の耐尿性を向上させることが特に切望されている。さらに、吸水性樹脂の樹脂濃度が高い場合には、吸水性樹脂の尿劣化によって、衛生材料等の吸水特性が大きく低下する。従って、上記の耐尿性は、吸水性樹脂が備えるべき特性のうち、極めて重要な因子である。
【0008】
上記の尿劣化等を防止して吸水性樹脂の耐久性を向上させる手段としては、重合時や重合後に用いる架橋剤の量を増加させて、高密度に架橋された吸水性樹脂を製造すればよい。しかしながら、この場合には、吸水性樹脂の吸水倍率が大幅に低下すると共に、コスト的に不利である。
【0009】
そこで、特定の添加剤を吸水性樹脂に添加することによって、該吸水性樹脂に耐尿性を付与する方法が提案されている。上記の方法としては、例えば、含酸素系還元性無機塩を添加する方法(特開昭 63-118375号公報、米国特許第 4,972,019号、米国特許第 4,863,989号)、酸化防止剤を添加する方法(特開昭 63-127754号公報)、酸化剤を添加する方法(特開昭 63-153060号公報)、硫黄含有還元剤を添加する方法(特開昭 63-272349号公報)、水溶性リン系化合物を添加する方法(特開昭64-33158号公報)、特定の微粒子状チタニアを添加する方法(特開平6-306202号公報)、特定の微粒子状チタニアおよび亜硫酸塩を添加する方法(特開平 7-53884号公報)、アルコキシチタンを添加する方法(特開平 7-62252号公報)、シュウ酸化合物を添加する方法(特開平7-113048号公報)等が知られている。
【0010】
また、特定の化合物を重合時に用いることによって、吸水性樹脂に耐尿性を付与する方法も提案されている。上記の方法としては、例えば、特定量の連鎖移動剤と特定量の架橋剤との存在下で重合する方法(特開平2-255804号公報、特開平3-179008号公報、欧州特許第 0372981号)や、水溶性リン酸系化合物の存在下で重合する方法(特開平 5-97929号公報)等が知られている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、本願発明者らは、上記従来の吸水性樹脂が、以下に示す問題点を有していることを見い出した。即ち、(1) 液拡散性が充分ではないので、ゲル膨潤時に液の目詰まりを起こし易い、(2) 耐尿性が不充分である、(3) 通液性を向上させると、逆に水性液体の戻り量が多くなる。従って、これら問題点によって、上記従来の吸水性樹脂は、樹脂濃度が高い場合には、使用に耐えない場合もあることを確認した。また、上記(1) の問題点は、吸水性樹脂に水溶性化合物を複合化した場合に、さらに深刻になることを認めた。
【0012】
(1) の問題点について、本願発明者らは、例えば吸収体における樹脂濃度を増加させ、衛生材料の吸水量を増加させるべく種々検討した。その結果、従来よりも吸収体の樹脂濃度を高くした場合において、衛生材料からの水性液体の漏れ等の不都合を防止するには、吸水性樹脂の特性、つまり、上述した吸水量や吸水速度、ゲル強度、吸引力等の特性を制御するだけでは不充分であることを見い出した。例えば、近年特に注目されている、加圧下の吸水量のみが非常に大きい吸水性樹脂においては、樹脂濃度を高くすると、吸収体での液拡散性が極端に低下すると共に、吸収体が水性液体を吸収するのに長時間がかかる。
従って、樹脂濃度を高くすると、(1) の問題点が顕著に生じることが判明した。
【0013】
即ち、従来よりも樹脂濃度を高くした吸収体について、その吸水特性に着目して種々検討した結果、従来の吸水性樹脂と親水性繊維とを混合した混合物を吸収体として用いると、樹脂濃度が低い場合には一定レベルの吸水特性を示すものの、樹脂濃度が40重量%を越えると液拡散性が急激に低下し、吸収体の単位重量当りの吸水量が低下するという問題点を見い出した。従って、従来の吸水性樹脂と親水性繊維とを混合した混合物を吸収体として用いると、(1) の問題点が顕著に生じることが判明した。
【0014】
さらに、(1) の問題点は、通液性や液拡散性に由来しているため、従来の吸水性樹脂に水溶性化合物を添加すると、吸水時に水性液体の粘度が増加し、かかる問題点がより顕著になることが判明した。例えば、吸水性樹脂に新たな機能を付与するため、肥料や界面活性剤、消臭剤等を添加すると、かかる問題点がより顕著になり、場合によっては、吸収体(吸水性樹脂組成物)の通液性や液拡散性が極端に低下することが判明した。
【0015】
また、(2) の問題点について、本願発明者らは、従来の吸水性樹脂では耐尿性が未だ不充分なうえに、該吸水性樹脂の樹脂濃度を高濃度とした吸収体において、液拡散性が極端に低下するということを見い出した。つまり、従来の吸水性樹脂は、或る程度の耐尿性を示すものの、樹脂濃度を高濃度とした場合には、その性能が未だ不充分であることを確認した。さらに、特定の添加剤を添加して吸水性樹脂に耐尿性を付与する上記従来の方法においては、操作が簡便ではなく、しかも、その効果は完全とは言い難く、さらに、添加剤の種類によっては、コストや安全性、添加による着色等の新たな問題点が派生する場合もあった。
【0016】
また、(3) の問題点について、本願発明者らが検討した結果、拡散性に優れた吸水性樹脂、つまり、拡散吸収倍率が高い吸水性樹脂は、通液性に優れているため、逆に、比較的高い圧力下(加圧下)での水性液体の戻り量が多くなる場合があることが判明した。即ち、通液性を重視した吸水性樹脂では、親水性繊維と複合化して紙オムツ等に使用した場合に、該吸水性樹脂の高い通液性のため、親水性繊維の隙間や膨潤ゲルの隙間に存在する水が逆戻りし易い。このため、結果的に、いわゆるドライ感に難点を有する場合があることが判明した。
【0017】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、耐尿性および液拡散性に特に優れると共に、比較的高い圧力下(加圧下)での水性液体の戻り量が低減された吸水性樹脂組成物、および、該吸水性樹脂組成物を比較的高濃度で含んでなり、例えば、紙オムツ(使い捨てオムツ)や生理用ナプキン等の衛生材料に好適に用いられる吸収体を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本願発明者等は、上記目的を達成すべく、吸水性樹脂組成物および吸収体について鋭意検討した。その結果、特定の物性値(吸水特性)を有する吸水性樹脂と、特定の水溶性化合物(非揮発性水溶性化合物)とを組み合わせてなる吸水性樹脂組成物、即ち、20g/cm2 の荷重下における、吸収開始から60分間後の生理食塩水(0.9重量%塩化ナトリウム水溶液)の拡散吸収倍率が25g/g以上である吸水性樹脂と、非揮発性水溶性化合物とを含む吸水性樹脂組成物が、耐尿性および液拡散性に特に優れると共に、比較的高い圧力下での水性液体の戻り量が従来よりも低減されることを見い出した。また、該吸水性樹脂組成物を含んでなる吸収体が、吸水性樹脂組成物の樹脂濃度を高濃度とした場合においても、上記の吸水特性を維持することができ、かつ、単位重量当りの吸水量に優れることを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0019】
本発明の吸水性樹脂は、上記の課題を解決するために、アクリル酸および/またはアクリル酸塩を主成分として含む親水性不飽和単量体を重合させて得られるポリアクリル酸(塩)を、表面架橋してなる粉体状の吸水性樹脂であって、かつ、20g/cm 2 (約1.96kPa)の荷重下において、内径60mmの支持円筒内部に撒布された1.5gの上記吸水性樹脂に、直径18mmの開口部を通過して上記吸水性樹脂の樹脂層方向に拡散しながら吸収された、吸収開始から60分間後の生理食塩水(0.9重量%塩化ナトリウム水溶液)の重量を、上記吸水性樹脂の重量で除して得られる拡散吸収倍率が25g/g以上であり、かつ、その70重量%以上が、300μmよりも大きい粒子径を有することを特徴としている。
【0020】
また、本発明の吸水性樹脂は、上記の課題を解決するために、上記ポリアクリル酸(塩)の平均粒子径は200μm〜600μmの範囲内であり、かつ、該ポリアクリル酸(塩)における106μm未満の粒子径を有する粒子の割合が10重量%以下であることを特徴としている。
【0021】
つまり、本発明の吸水性樹脂は、上記の課題を解決するために、アクリル酸および/またはアクリル酸塩を主成分として含む親水性不飽和単量体を重合させて得られる、平均粒子径が200μm〜600μmの範囲内で、かつ、粒子径が106μm未満の粒子の割合が10重量%以下のポリアクリル酸(塩)を、表面架橋してなる粉体状の吸水性樹脂であって、かつ、20g/cm 2 (約1.96kPa)の荷重下において、内径60mmの支持円筒内部に撒布された1.5gの上記吸水性樹脂に、直径18mmの開口部を通過して上記吸水性樹脂の樹脂層方向に拡散しながら吸収された、吸収開始から60分間後の生理食塩水(0.9重量%塩化ナトリウム水溶液)の重量を、上記吸水性樹脂の重量で除して得られる拡散吸収倍率が25g/g以上であり、かつ、その70重量%以上が、300μmよりも大きい粒子径を有することを特徴としている。
【0022】
また、本発明の吸水性樹脂は、上記の課題を解決するために、上記ポリアクリル酸(塩)を、該ポリアクリル酸(塩)が有するカルボキシル基と反応可能な、溶解度パラメータが12.5 (cal/cm 3 ) 1/2 以上の第一表面架橋剤、および、溶解度パラメータが12.5 (cal/cm 3 ) 1/2 未満の第二表面架橋剤の存在下で加熱処理することにより表面架橋してなることを特徴としている。
【0023】
つまり、本発明の吸水性樹脂は、上記の課題を解決するために、アクリル酸および/またはアクリル酸塩を主成分として含む親水性不飽和単量体を重合させて得られる、平均粒子径が200μm〜600μmの範囲内で、かつ、粒子径が106μm未満の粒子の割合が10重量%以下のポリアクリル酸(塩)を、該ポリアクリル酸(塩)が有するカルボキシル基と反応可能な、溶解度パラメータが12.5 (cal/cm 3 ) 1/2 以上の第一表面架橋剤、および、溶解度パラメータが12.5 (cal/cm 3 ) 1/2 未満の第二表面架橋剤の存在下で加熱処理することにより表面架橋してなる粉体状の吸水性樹脂であって、かつ、20g/cm 2 (約1.96kPa)の荷重下において、内径60mmの支持円筒内部に撒布された1.5gの上記吸水性樹脂に、直径18mmの開口部を通過して上記吸水性樹脂の樹脂層方向に拡散しながら吸収された、吸収開始から60分間後の生理食塩水(0.9重量%塩化ナトリウム水溶液)の重量を、上記吸水性樹脂の重量で除して得られる拡散吸収倍率が25g/g以上であり、かつ、その70重量%以上が、300μmよりも大きい粒子径を有することを特徴としている。
【0024】
さらに、本発明の吸水性樹脂は、上記の課題を解決するために、上記拡散吸収倍率が30g/g以上であることを特徴としている。
【0025】
また、本発明の吸水性樹脂組成物は、上記の課題を解決するために、本発明にかかる上記吸水性樹脂(つまり、アクリル酸および/またはアクリル酸塩を主成分として含む親水性不飽和単量体を重合させて得られるポリアクリル酸(塩)を、表面架橋してなる粉体状の吸水性樹脂であって、かつ、20g/cm2 (約1.96kPa)の荷重下において、内径60mmの支持円筒内部に撒布された1.5gの上記吸水性樹脂に、直径18mmの開口部を通過して上記吸水性樹脂の樹脂層方向に拡散しながら吸収された、吸収開始から60分間後の生理食塩水(0.9重量%塩化ナトリウム水溶液)の重量を、上記吸水性樹脂の重量で除して得られる拡散吸収倍率が25g/g以上であり、かつ、その70重量%以上が、300μmよりも大きい粒子径を有する吸水性樹脂と、モノエタノールアミン、トリエチレンテトラミン、グリシン、グリセリン、プロピレングリコール、ポリエチレ ングリコール、グリコール酸、マロン酸、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウムからなる群より選ばれる少なくとも一種の水溶性化合物とを含んでいることを特徴としている。
【0026】
また、本発明の吸水性樹脂組成物は、上記の課題を解決するために、水不溶性粉体をさらに含むことを特徴としている
【0027】
また、本発明の吸水性樹脂組成物は、上記の課題を解決するために、本発明にかかる上記吸水性樹脂(つまり、アクリル酸および/またはアクリル酸塩を主成分として含む親水性不飽和単量体を重合させて得られるポリアクリル酸(塩)を、表面架橋してなる粉体状の吸水性樹脂であって、かつ、20g/cm2 (約1.96kPa)の荷重下において、内径60mmの支持円筒内部に撒布された1.5gの上記吸水性樹脂に、直径18mmの開口部を通過して上記吸水性樹脂の樹脂層方向に拡散しながら吸収された、吸収開始から60分間後の生理食塩水(0.9重量%塩化ナトリウム水溶液)の重量を、上記吸水性樹脂の重量で除して得られる拡散吸収倍率が25g/g以上であり、かつ、その70重量%以上が、300μmよりも大きい粒子径を有する吸水性樹脂と、モノエタノールアミン、トリエチレンテトラミン、グリシン、グリセリン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、グリコール酸、マロン酸、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウムからなる群より選ばれる少なくとも一種の水溶性化合物とを含吸水性樹脂組成物であって、20g/cm2 (約1.96kPa)の荷重下において、内径60mmの支持円筒内部に撒布された1.5gの当該吸水性樹脂組成物に、直径18mmの開口部を通過して当該吸水性樹脂組成物の樹脂層方向に拡散しながら吸収された、吸収開始から60分間後の生理食塩水(0.9重量%塩化ナトリウム水溶液)の重量を、当該吸水性樹脂組成物中の上記吸水性樹脂の重量で除して得られる拡散吸収倍率が25g/g以上であり、かつ、上記吸収開始から上記吸水性樹脂組成物が60分間かけて吸収していく上記生理食塩水の重量の単位時間当たりの最大吸収量の値で示される拡散吸収指数が1.5g/g・min以上であることを特徴としている。
【0028】
また、本発明の吸水性樹脂組成物は、上記の課題を解決するために、上記水溶性化合物が、モノエタノールアミン、グリセリン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルコールであることを特徴としている。また、本発明の吸水性樹脂組成物は、上記の課題を解決するために、上記吸水性樹脂の拡散吸収倍率が30g/g以上であることを特徴としている。
【0029】
さらに、本発明の吸水性樹脂組成物は、上記の課題を解決するために、アクリル酸および/またはアクリル酸塩を主成分として含む親水性不飽和単量体を重合させて得られるポリアクリル酸(塩)を、表面架橋してなる粉体状の吸水性樹脂と、モノエタノールアミン、グリセリン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルコールと、水不溶性粉体とを含む吸水性樹脂組成物であって、20g/cm2 (約1.96kPa)の荷重下において、内径60mmの支持円筒内部に撒布された1.5gの当該吸水性樹脂組成物に、直径18mmの開口部を通過して当該吸水性樹脂組成物の樹脂層方向に拡散しながら吸収された、吸収開始から60分間後の生理食塩水(0.9重量%塩化ナトリウム水溶液)の重量を、当該吸水性樹脂組成物中の上記吸水性樹脂の重量で除して得られる拡散吸収倍率が25g/g以上であり、かつ、上記吸収開始から上記吸水性樹脂組成物が60分間かけて吸収していく上記生理食塩水の重量の単位時間当たりの最大吸収量の値で示される拡散吸収指数が1.5g/g・min以上であることを特徴としている。
【0030】
また、本発明の吸水性樹脂組成物は、上記の課題を解決するために、上記吸水性樹脂は、アクリル酸および/またはアクリル酸塩を主成分として含む親水性不飽和単量体を重合させて得られる、平均粒子径が200μm〜600μmの範囲内で、かつ、粒子径が106μm未満の粒子の割合が10重量%以下のポリアクリル酸(塩)を、表面架橋してなることを特徴としている。
【0031】
さらに、本発明の吸水性樹脂組成物は、上記の課題を解決するために、上記吸水性樹脂は、アクリル酸および/またはアクリル酸塩を主成分として含む親水性不飽和単量体を重合させて得られる、平均粒子径が200μm〜600μmの範囲内で、かつ、粒子径が106μm未満の粒子の割合が10重量%以下のポリアクリル酸(塩)を、該ポリアクリル酸(塩)が有するカルボキシル基と反応可能な、溶解度パラメータが12.5(cal/cm3)1/2以上の第一表面架橋剤、および、溶解度パラメータが12.5(cal/cm3)1/2未満の第二表面架橋剤の存在下で加熱処理することにより表面架橋してなることを特徴としている。
【0032】
また、本発明の吸水性樹脂組成物は、上記の課題を解決するために、さらに、重量平均分子量が5,000以上のポリアミン化合物を含むことを特徴としている。
【0033】
上記の構成によれば、多量の水性液体を素早く吸収することができ、耐尿性および液拡散性に特に優れると共に、比較的高い圧力下での水性液体の戻り量が従来よりも低減された吸水性樹脂組成物を提供することができる。 a
【0034】
本発明の吸収体は、上記の課題を解決するために、上記の吸水性樹脂組成物と、親水性繊維とを含み、かつ、両者の合計量に対する該吸水性樹脂組成物の割合が40重量%以上であることを特徴としている。
【0035】
上記の構成によれば、吸水性樹脂組成物が備える種々の吸水特性を維持することができ、かつ、単位重量当りの吸水量に優れた吸収体を提供することができる。該吸収体は、吸水性樹脂組成物を比較的高濃度で含んでいるので、例えば、紙オムツや生理用ナプキン等の衛生材料に好適に用いられる。
【0036】
以下に本発明を詳しく説明する。
【0037】
本発明における拡散吸収倍率とは、吸水性樹脂の坪量が高く、かつ、外力によって樹脂粒子同士が密着している状態における水性液体の拡散力を加味した、吸水性樹脂の吸水量を評価するための新規な物性値である。上記の拡散吸収倍率は、所定条件下での測定における、吸収開始から所定時間後、例えば60分後の測定値から算出される。尚、拡散吸収倍率の測定方法については、後段の実施例にて詳述する。
【0038】
上記の拡散吸収倍率により、吸水性樹脂の新たな特性を評価することができる。即ち、この拡散吸収倍率により、吸水性樹脂が水性液体を樹脂層方向(以下、横方向と称する)にどの程度均一に素早く拡散させることができるか、また、吸水性樹脂全体として実際にどの程度の吸水量を備えているかを評価することができる。水性液体の横方向への液拡散性(液拡散能力および液伝達能力)は、水性液体を多量に吸収する上において、特に重要な因子である。そして、上記評価の結果から、例えば、主に吸水性樹脂と親水性繊維とからなる吸収体、特に、吸水性樹脂の重量%(以下、樹脂濃度と称する)が高い吸収体における吸水性樹脂の吸水挙動をも容易に予測することができる。尚、吸収体の構成については後述する。
【0039】
尚、上述した先行出願には、加圧下の吸水量を評価している文献が多数見受けられる。しかしながら、該吸水量の従来の評価は、樹脂層方向と直交する方向(以下、縦方向と称する)についてのみ行われている。このため、水性液体が横方向にどの程度均一に素早く拡散するかについては、殆ど評価されていない。従って、上記従来の評価の結果からは、例えば樹脂濃度が高い吸収体を用いた紙オムツ等における、該吸収体の吸水挙動を正確に予測することができない。
【0040】
また、樹脂濃度が高い吸収体、即ち、本発明にかかる吸収体を、例えば紙オムツや生理用ナプキン等の衛生材料に用いる場合には、吸水性樹脂は、上記拡散吸収倍率が優れていることに加えて、拡散吸収指数が優れていることがより好ましい。本発明における拡散吸収指数とは、吸水性樹脂の坪量が高く、かつ、外力によって樹脂粒子同士が密着している状態において、吸水性樹脂が水性液体を吸収する際の液拡散速度を評価するための新規な物性値である。上記の拡散吸収指数は、所定条件下での測定における、吸水性樹脂が水性液体を吸収する際の最大吸収速度の測定値から算出される。尚、拡散吸収指数の測定方法については、後段の実施例にて詳述する。
【0041】
上記の拡散吸収指数により、吸水性樹脂が水性液体をどの程度速やかに吸収し、かつ、横方向にどの程度均一に素早く拡散させることができるかを評価することができる。
【0042】
本発明にかかる吸水性樹脂を得る方法の一つとしては、例えば、アクリル酸および/またはアクリル酸塩(中和物)を主成分とする親水性不飽和単量体を重合させて得られる特定の吸水性樹脂前駆体を、特定の表面架橋剤の存在下に処理し、表面架橋する方法が挙げられる(特願平7-145012号)。そして、吸水性樹脂は、必要により親水性高分子(後述する)を20重量%以下含み、かつ、アクリル酸および/またはアクリル酸塩(以下、アクリル酸(塩)と称する)を主成分として含む親水性不飽和単量体を重合させて得られるポリアクリル酸(塩)を、表面架橋してなるポリアクリル酸(塩)架橋重合体がより好ましい。
【0043】
上記のポリアクリル酸(塩)架橋重合体は、吸水特性を向上させるために、その重合体中の酸基の45モル%〜90モル%が中和されていることが好ましく、50モル%〜80モル%が中和されていることがより好ましい。また、上記酸基は、例えば、アルカリ金属塩やアンモニウム塩、アミン塩等により中和されていることが好ましく、このうち、アルカリ金属塩により中和されていることがより好ましい。
【0044】
上記の親水性不飽和単量体は、必要に応じて、アクリル酸(塩)以外の不飽和単量体を含有していてもよい。アクリル酸(塩)以外の不飽和単量体としては、特に限定されるものではないが、具体的には、例えば、メタクリル酸、マレイン酸、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルエタンスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルプロパンスルホン酸等のアニオン性不飽和単量体およびその塩;アクリルアミド、メタアクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−n−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ビニルピリジン、N−ビニルピロリドン、N−アクリロイルピペリジン、N−アクリロイルピロリジン等のノニオン性の親水基含有不飽和単量体;N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、および、これらの四級塩等のカチオン性不飽和単量体等が挙げられる。これら他の不飽和単量体は、単独で用いてもよく、また、二種類以上を併用してもよい。そして、これら他の不飽和単量体を用いる場合は、親水性不飽和単量体に対して、30モル%以下、好ましくは10モル%以下とすればよい。
【0045】
親水性不飽和単量体を重合させて得られる吸水性樹脂前駆体は、カルボキシル基を有している。該吸水性樹脂前駆体を得る際には、内部架橋剤を用いて架橋構造を内部に導入することが望ましい。上記の内部架橋剤は、重合性不飽和基および/または反応性基を一分子中に複数有する化合物であればよく、特に限定されるものではない。つまり、内部架橋剤は、親水性不飽和単量体と共重合および/または反応する置換基を一分子中に複数有する化合物であればよい。尚、親水性不飽和単量体は、内部架橋剤を用いなくとも架橋構造が形成される自己架橋型の化合物からなっていてもよい。
【0046】
内部架橋剤としては、具体的には、例えば、N,N’−メチレンビス(メタ)アクリルアミド、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、グリセリンアクリレートメタクリレート、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルホスフェート、トリアリルアミン、ポリ(メタ)アリロキシアルカン、(ポリ)エチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセロールジグリシジルエーテル、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、エチレンジアミン、ポリエチレンイミン、グリシジル(メタ)アクリレート等が挙げられるが、特に限定されるものではない。これら内部架橋剤は、単独で用いてもよく、また、二種類以上を併用してもよい。そして、上記例示の内部架橋剤のうち、重合性不飽和基を一分子中に複数有する内部架橋剤を用いることにより、得られる吸水性樹脂の吸水特性等をより一層向上させることができる。
【0047】
内部架橋剤の使用量は、親水性不飽和単量体に対して0.005モル%〜3モル%の範囲内が好ましく、0.01モル%〜1.5モル%の範囲内がより好ましい。内部架橋剤の使用量が0.005モル%よりも少ない場合、並びに、3モル%よりも多い場合には、所望の吸水特性を備えた吸水性樹脂が得られないおそれがある。
【0048】
尚、親水性不飽和単量体を重合させて吸水性樹脂前駆体を得る際には、反応系に、澱粉、澱粉の誘導体、セルロース、セルロースの誘導体、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸(塩)、ポリアクリル酸(塩)架橋体等の親水性高分子;次亜リン酸(塩)等の連鎖移動剤;水溶性若しくは水分散性の界面活性剤等を添加してもよい。
【0049】
親水性不飽和単量体の重合方法は、特に限定されるものではなく、例えば、水溶液重合、逆相懸濁重合、バルク重合、沈澱重合等の公知の方法を採用することができる。このうち、重合反応の制御の容易さ、および、得られる吸水性樹脂の性能面から、親水性不飽和単量体を水溶液にして重合させる方法、即ち、水溶液重合および逆相懸濁重合が好ましい。尚、反応温度や反応時間等の反応条件は、親水性不飽和単量体の種類等に応じて適宜設定すればよく、特に限定されるものではない。
【0050】
また、重合開始時には、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、t−ブチルハイドロパーオキサイド、過酸化水素、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩等のラジカル重合開始剤、或いは、紫外線や電子線等の活性エネルギー線等を用いることができる。また、酸化性ラジカル重合開始剤を用いる場合には、例えば、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、硫酸第一鉄、L−アスコルビン酸等の還元剤を併用してレドックス重合を行ってもよい。これら重合開始剤の使用量は、0.001モル%〜2モル%の範囲内が好ましく、0.01モル%〜0.5モル%の範囲内がより好ましい。尚、重合開始剤は、水等の溶媒に溶解または分散させればよい。
【0051】
上記の重合方法によって得られる吸水性樹脂前駆体は、必要に応じて分級等の操作により、その粒子径が調整される。吸水性樹脂前駆体は、所定形状に造粒されていてもよく、また、球状、鱗片状、不定形破砕状、繊維状、顆粒状、棒状、略球状、扁平状等の種々の形状であってもよい。さらに、吸水性樹脂前駆体は、1次粒子であってもよく、また、1次粒子の造粒体であってもよい。
【0052】
本発明に用いられる拡散吸収倍率に優れた吸水性樹脂は、上記の吸水性樹脂前駆体を、特定の表面架橋剤の存在下に処理し、表面架橋することによって得ることができる。具体的には、吸水性樹脂前駆体を、平均粒子径が200μm〜600μmの範囲内で、しかも、粒子径が106μm未満の粒子の割合が10重量%以下となるように分級等の操作により調整した後、該吸水性樹脂前駆体を、第一表面架橋剤および第二表面架橋剤を組み合わせてなる表面架橋剤(後述する)の存在下で加熱処理すればよい(特願平7-145012号)。尚、吸水性樹脂前駆体の平均粒子径が200μm〜600μmの範囲外である場合や、粒子径が106μm未満の粒子の割合が10重量%を越える場合には、拡散吸収倍率等の性能に優れた吸水性樹脂を得ることが困難となるおそれがある。
【0053】
吸水性樹脂前駆体を特定の表面架橋剤の存在下に処理し、表面架橋することによって、吸水性樹脂前駆体、つまり、吸水性樹脂の表面近傍の架橋密度を内部よりも高くすることができる。これにより、本発明にかかる吸水性樹脂、即ち、拡散吸収倍率等の吸水特性に優れた吸水性樹脂が得られる。
【0054】
表面架橋剤は、吸水性樹脂前駆体が有するカルボキシル基と反応可能な化合物の混合物であり、溶解度パラメータ(SP値)が互いに異なる第一表面架橋剤および第二表面架橋剤を組み合わせてなる。尚、上記の溶解度パラメータとは、化合物の極性を表すファクターとして一般に用いられる値である。本発明においては、上記の溶解度パラメータに対して、ポリマーハンドブック第3版(WILEY INTERSCIENCE社発行)527頁〜539頁に記載されている溶媒の溶解度パラメータδ(cal/cm3)1/2の値を適用することとする。また、上記の頁に記載されていない溶媒の溶解度パラメータに関しては、該ポリマーハンドブックの524頁に記載されているSmallの式に、同525頁に記載されているHoyの凝集エネルギー定数を代入して導かれる値を適用することとする。
【0055】
上記の第一表面架橋剤は、吸水性樹脂前駆体が有するカルボキシル基と反応可能な、溶解度パラメータが12.5(cal/cm3)1/2以上の化合物が好ましく、13.0(cal/cm3)1/2以上の化合物がより好ましい。上記の第一表面架橋剤としては、具体的には、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、エチレンカーボネート(1,3−ジオキソラン−2−オン)、プロピレンカーボネート(4−メチル−1,3−ジオキソラン−2−オン)等が挙げられるが、これら化合物に限定されるものではない。これら第一表面架橋剤は、単独で用いてもよく、また、二種類以上を混合して用いてもよい。
【0056】
上記の第二表面架橋剤は、吸水性樹脂前駆体が有するカルボキシル基と反応可能な、溶解度パラメータが12.5(cal/cm3)1/2未満の化合物が好ましく、9.5(cal/cm3)1/2〜12.0(cal/cm3)1/2の範囲内の化合物がより好ましい。上記の第二表面架橋剤としては、具体的には、例えば、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、2,4−トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、4,5−ジメチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、エピクロロヒドリン、エピブロモヒドリン等が挙げられるが、これら化合物に限定されるものではない。これら第二表面架橋剤は、単独で用いてもよく、また、二種類以上を混合して用いてもよい。
【0057】
本発明では、表面架橋剤として、上記第一表面架橋剤の群より選ばれる一種類または二種類以上の化合物、および、上記第二表面架橋剤の群より選ばれる一種類または二種類以上の化合物を混合して用いることが特に好ましい。第一表面架橋剤のみを用いた場合、或いは、第二表面架橋剤のみを用いた場合は、拡散吸収倍率等の性能に優れた吸水性樹脂を得ることができないおそれがある。
【0058】
表面架橋剤の使用量は、用いる化合物やそれらの組み合わせ等にもよるが、吸水性樹脂前駆体の固形分100重量部に対して、第一表面架橋剤の使用量が0.01重量部〜5重量部の範囲内、かつ、第二表面架橋剤の使用量が0.001重量部〜1重量部の範囲内が好ましく、第一表面架橋剤の使用量が0.1重量部〜2重量部の範囲内、かつ、第二表面架橋剤の使用量が0.005重量部〜0.5重量部の範囲内がより好ましい。上記の表面架橋剤を用いることにより、吸水性樹脂前駆体、つまり、吸水性樹脂の表面近傍の架橋密度を内部よりも高くすることができる。表面架橋剤の使用量が上記範囲を越える場合には、不経済となるばかりか、吸水性樹脂における最適な架橋構造を形成する上で、表面架橋剤の量が過剰となるため、好ましくない。また、表面架橋剤の使用量が上記範囲よりも少ない場合には、吸水性樹脂における拡散吸収倍率等の性能を向上させる上で、その改良効果が得られ難いため、好ましくない。
【0059】
吸水性樹脂前駆体と表面架橋剤とを混合する際には、溶媒として水を用いることが好ましい。水の使用量は、吸水性樹脂前駆体の種類や粒径等にもよるが、吸水性樹脂前駆体の固形分100重量部に対して、0を越え、20重量部以下が好ましく、0.5重量部〜10重量部の範囲内がより好ましい。
【0060】
また、吸水性樹脂前駆体と表面架橋剤とを混合する際には、必要に応じて、溶媒として親水性有機溶媒を用いてもよい。上記の親水性有機溶媒としては、具体的には、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、t−ブチルアルコール等の低級アルコール類;アセトン等のケトン類;ジオキサン、テトラヒドロフラン、アルコキシポリエチレングリコール等のエーテル類;N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類等が挙げられる。親水性有機溶媒の使用量は、吸水性樹脂前駆体の種類や粒径等にもよるが、吸水性樹脂前駆体の固形分100重量部に対して、20重量部以下が好ましく、0.1重量部〜10重量部の範囲内がより好ましい。
【0061】
そして、吸水性樹脂前駆体と表面架橋剤とを混合する際には、例えば、上記の親水性有機溶媒中に吸水性樹脂前駆体を分散させた後、表面架橋剤を混合してもよいが、混合方法は、特に限定されるものではない。種々の混合方法のうち、必要に応じて水および/または親水性有機溶媒に溶解させた表面架橋剤を、吸水性樹脂前駆体に直接、噴霧若しくは滴下して混合する方法が好ましい。また、水を用いて混合する場合には、水に不溶な微粒子状の粉体や、界面活性剤等を共存させてもよい。
【0062】
吸水性樹脂前駆体と表面架橋剤とを混合する際に用いられる混合装置は、両者を均一にかつ確実に混合するために、大きな混合力を備えていることが好ましい。上記の混合装置としては、例えば、円筒型混合機、二重壁円錐型混合機、V字型混合機、リボン型混合機、スクリュー型混合機、流動型炉ロータリーデスク型混合機、気流型混合機、双腕型ニーダー、内部混合機、粉砕型ニーダー、回転式混合機、スクリュー型押出機等が好適である。
【0063】
吸水性樹脂前駆体と表面架橋剤とを混合した後、加熱処理を行い、吸水性樹脂前駆体の表面近傍を架橋させる。上記加熱処理の処理温度は、用いる表面架橋剤にもよるが、160℃以上、250℃以下が好ましい。処理温度が160℃未満の場合には、均一な架橋構造が形成されず、従って、拡散吸収倍率等の性能に優れた吸水性樹脂を得ることができないため、好ましくない。また、加熱処理に時間がかかるので、生産性の低下を引き起こす。処理温度が250℃を越える場合には、吸水性樹脂前駆体の劣化を引き起こし、従って、吸水性樹脂の性能が低下するため、好ましくない。
【0064】
上記の加熱処理は、通常の乾燥機または加熱炉を用いて行うことができる。上記の乾燥機としては、例えば、溝型混合乾燥機、ロータリー乾燥機、デスク乾燥機、流動層乾燥機、気流型乾燥機、赤外線乾燥機等が挙げられる。
【0065】
以上の製造方法により得られる吸水性樹脂は、20g/cm2 の荷重下における、吸収開始から60分間後の生理食塩水の拡散吸収倍率が25g/g以上である。また、吸水性樹脂は、20g/cm2 の荷重下における、吸収開始から30分間後の生理食塩水の拡散吸収倍率が15g/g以上であることがより好ましい。さらに、吸水性樹脂は、20g/cm2 の荷重下における、吸収開始から20分間後の生理食塩水の拡散吸収倍率が15g/g以上であり、かつ、吸収開始から60分間後の生理食塩水の拡散吸収倍率が30g/g以上であることがさらに好ましい。
【0066】
そして、吸水性樹脂は、粉体状であり、かつ、その70重量%以上が、300μmよりも大きい粒子径を有していることが特に好ましい。吸水性樹脂は、粒子径が小さくなるに従い、耐尿性が低下する傾向がある。
【0067】
本発明にかかる吸水性樹脂組成物は、上記の吸水性樹脂と、特定の水溶性化合物(非揮発性水溶性化合物)とを含んでなっている。本発明において、非揮発性水溶性化合物とは、常圧での沸点が150℃以上であり、かつ、常温の水100gに常圧で1g以上溶解する化合物(水溶性化合物)、若しくは、常温で固体であり、かつ、常温の水100gに常圧で1g以上溶解する化合物(水溶性化合物)を示す。該非揮発性水溶性化合物は、常温で固体、若しくは常圧での沸点が200℃以上の化合物(水溶性化合物)がより好ましく、常温の水100gに常圧で10g以上溶解する化合物(水溶性化合物)がより好ましく、100g以上溶解する化合物(水溶性化合物)がさらに好ましい。
【0068】
上記の非揮発性水溶性化合物としては、ヒドロキシル基、カルボキシル基およびその塩、アミド基、およびアミノ基からなる群より選ばれる少なくとも一つの官能基を有する有機化合物、並びに、吸水性樹脂に対して塩基性を呈する無機化合物が挙げられる。本発明において、吸水性樹脂に対して塩基性を呈する無機化合物とは、吸水性樹脂が呈するpHよりも高いpHを呈する化合物を示す。該無機化合物は、pH8.5以上の化合物がより好ましく、pH9以上がさらに好ましく、pH10〜pH14の化合物が特に好ましい。
【0069】
上記有機化合物のうち、ヒドロキシル基を分子内に一つ以上有する有機化合物、即ち、アルコールは、水溶性であればよく、特に限定されるものではない。該アルコールとしては、具体的には、例えば、グリコール酸、メトキシポリエチレングリコール等の一価アルコール;エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ポリグリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、オキシエチレン−オキシプロピレン・ブロック共重合体、オキシエチレン−オキシプロピレン・ランダム共重合体、水溶性澱粉等の水溶性多糖類、グルコース、フラクトース、ショ糖等の多価アルコール;モノエタノールアミン等のアミノアルコール等が挙げられる。これら例示のアルコールのうち、多価アルコールおよびアミノアルコールがより好ましく、多価アルコールがさらに好ましい。多価アルコールおよびアミノアルコールからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルコールを用いることにより、吸水性樹脂組成物の耐尿性がより一層向上する。
【0070】
また、上記多価アルコールのうち、グリセリンやソルビトール、ショ糖等の三価以上の多価アルコールは、複数のヒドロキシル基が分子内に残存し、かつ、水溶性を維持することが可能な範囲内で、該多価アルコールが有するヒドロキシル基の一部がエーテル化やエステル化によって修飾されていてもよい。このように修飾された多価アルコールとしては、例えば、グリセリンモノ脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル等が挙げられる。
【0071】
上記の多価アルコールやアミノアルコールは、吸水性樹脂と混合する前に予め調製されていてもよく、或いは、これらアルコールの前駆体であるエチレンオキシドやアルキレンカーボネート等を吸水性樹脂と混合した後、該前駆体を多価アルコールやアミノアルコールに変換してもよい。尚、吸水性樹脂を造粒若しくはシート状に成形する場合には、上記の多価アルコールを、吸水性樹脂の可塑剤やバインダーとして用いてもよい。また、多価アルコールは、得られる吸水性樹脂組成物に対して、可塑性や、親水性繊維等の基材への接着性等の機能を付与することができ、しかも、安全性が高く、着色等の不都合を招来せず、吸水性樹脂組成物と親水性繊維等との混合性を著しく向上させることができる。
【0072】
上記有機化合物のうち、カルボキシル基を分子内に一つ以上有する有機化合物およびその塩、即ち、カルボン酸やその塩は、水溶性であればよく、特に限定されるものではない。上記カルボン酸の塩(カルボン酸塩)としては、具体的には、例えば、アニス酸塩、安息香酸塩、ギ酸塩、吉草酸塩、グリオキシル酸塩、グリコール酸塩、グリセリンリン酸塩、グルタル酸塩、クロロ酢酸塩、クロロプロピオン酸塩、ケイ皮酸塩、コハク酸塩、酢酸塩、酒石酸塩、乳酸塩、ピルビン酸塩、フマル酸塩、プロピオン酸塩、3−ヒドロキシプロピオン酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、酪酸塩、イソ酪酸塩、イミジノ酢酸塩、リンゴ酸塩、シトラコン酸塩、アジピン酸塩、イタコン酸塩、クロトン酸塩、サリチル酸塩、グルコン酸塩、没食子酸塩、ソルビン酸塩、グルコン酸塩、p−オキシ安息香酸塩等が挙げられる。これら例示のカルボン酸塩のうち、多価カルボン酸塩がより好ましく、二価カルボン酸塩がさらに好ましく、マレイン酸塩およびマロン酸塩が特に好ましい。
【0073】
上記有機化合物のうち、アミド基を分子内に一つ以上有する水溶性の有機化合物としては、具体的には、例えば、尿素が挙げられる。尚、吸水性樹脂を造粒若しくはシート状に成形する場合には、上記の尿素を、吸水性樹脂のバインダーとして用いてもよい。
【0074】
上記無機化合物は、水溶性であればよく、特に限定されるものではない。該無機化合物としては、リン酸塩、二リン酸塩、トリポリリン酸塩、硫酸塩、塩酸、炭酸塩、炭酸水素塩、アルカリ金属水酸化物、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が挙げられる。これら例示の無機化合物のうち、リン酸塩、炭酸塩、炭酸水素塩、アルカリ金属水酸化物からなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物がより好ましく、炭酸塩および炭酸水素塩がさらに好ましい。炭酸塩および炭酸水素塩を用いることにより、吸水性樹脂組成物の耐尿性がさらに一層向上する。
【0075】
非揮発性水溶性化合物の使用量は、吸水性樹脂組成物の用途等にもよるが、吸水性樹脂に対して1重量%〜50重量%の範囲内が好ましく、2重量%〜45重量%の範囲内がより好ましく、5重量%〜40重量%の範囲内がさらに好ましい。これにより、吸水性樹脂組成物の耐尿性を向上させることができると共に、水性液体の戻り量を低減することができる。非揮発性水溶性化合物の使用量が1重量%よりも少ない場合には、耐尿性を向上させることが困難となると共に、水性液体の戻り量を低減することが困難となるおそれがある。また、非揮発性水溶性化合物の使用量が50重量%よりも多い場合には、通液性や液拡散性が低下し、所望の吸水特性を備えた吸水性樹脂組成物が得られないおそれがある。
【0076】
また、カルボキシル基の50モル%〜80モル%が中和されている吸水性樹脂に対して無機化合物を使用する場合には、添加後の中和率で、該カルボキシル基の85モル%以上、好ましくは90モル%以上、より好ましくは95モル%以上、さらに好ましくは98モル%以上に相当する無機化合物を添加すればよい。これにより、吸水性樹脂組成物の耐尿性がさらに一層向上する。尚、カルボキシル基に対する無機化合物の使用量の上限は、150モル%程度である。
【0077】
上記非揮発性水溶性化合物は、単独で用いてもよく、また、二種類以上を併用してもよい。また、非揮発性水溶性化合物として、有機化合物のみを用いてもよく、無機化合物のみを用いてもよく、両者を併用してもよい。そして、非揮発性水溶性化合物は、多価アルコールが最も好ましい。
【0078】
吸水性樹脂と非揮発性水溶性化合物とを混合する際には、必要に応じて、水および/または親水性有機溶媒を溶媒として用いることができる。上記の親水性有機溶媒としては、具体的には、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、t−ブチルアルコール等の低級アルコール類;アセトン等のケトン類;ジオキサン、テトラヒドロフラン、アルコキシポリエチレングリコール等のエーテル類;N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類等が挙げられる。溶媒の使用量は、吸水性樹脂の種類や粒径等にもよるが、吸水性樹脂100重量部に対して、20重量部以下が好ましく、0.1重量部〜10重量部の範囲内がより好ましい。尚、吸水性樹脂および非揮発性水溶性化合物を溶媒を用いて混合する場合には、混合後、必要に応じて、得られた吸水性樹脂組成物を加熱等して乾燥させればよい。加熱する際の温度は、40℃〜300℃の範囲内、好ましくは50℃〜200℃の範囲内とすればよい。
【0079】
吸水性樹脂と非揮発性水溶性化合物とを混合する際に用いられる混合装置としては、例えば、円筒型混合機、スクリュー型混合機、スクリュー型押出機、タービュライザー、ナウター型混合機、V字型混合機、リボン型混合機、双腕型ニーダー、流動式混合機、気流型混合機、回転円盤型混合機、ロールミキサー、転動式混合機等が好適である。また、混合速度は、高速であってもよく、また、低速であってもよい。尚、非揮発性水溶性化合物が固体である場合には、上記溶媒を用いることが好ましい。
【0080】
上記構成の吸水性樹脂組成物は、多量の水性液体を素早く吸収することができ、耐尿性、吸水速度、吸水量および液拡散性に特に優れると共に、比較的高い圧力下での水性液体の戻り量が従来よりも低減される。
【0081】
また、本発明にかかる吸水性樹脂組成物は、必要に応じて、水不溶性粉体をさらに含んでいてもよい。水不溶性粉体としては、例えば、無機微粉末、有機微粉末、親水性短繊維等が挙げられる。
【0082】
無機微粉末としては、具体的には、例えば、二酸化ケイ素、二酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、タルク、リン酸カルシウム、リン酸バリウム、珪酸、珪酸塩、粘土、珪藻土、ゼオライト、ベントナイト、カオリン、ハイドロタルサイト、活性白土等が挙げられるが、特に限定されるものではない。これら無機微粉末は、単独で用いてもよく、また、二種類以上を併用してもよい。これら無機微粉末のうち、非晶質二酸化ケイ素が特に好ましく、また、その粒子径は、1,000μm以下が好ましく、100μm以下がより好ましく、50μm以下がさらに好ましく、10μm以下が特に好ましい。
【0083】
水不溶性粉体を用いる場合において、該水不溶性粉体の使用量は、吸水性樹脂100重量部に対して、0.05重量部〜2重量部の範囲内が好ましく、0.1重量部〜1重量部の範囲内がより好ましい。水不溶性粉体を用いることにより、吸水性樹脂組成物は、20g/cm2 の荷重下における、吸収開始から60分間後の生理食塩水の拡散吸収倍率が25g/g以上、かつ、拡散吸収指数が1.5g/g・min以上となる。つまり、耐尿性、液拡散性、拡散吸収指数がさらに一層向上される。水不溶性粉体の使用量が0.05重量部よりも少ない場合には、拡散吸収指数が向上されないおそれがある。一方、水不溶性粉体の使用量を2重量部よりも多くしても、添加量に見合った効果が得られないので、経済的に不利となる。
【0084】
例えば水不溶性粉体と吸水性樹脂とを混合する際には、吸水性樹脂と非揮発性水溶性化合物とを混合する際に用いられる混合装置と同様の混合装置を用いることができる。混合速度は、高速であってもよく、また、低速であってもよい。尚、水不溶性粉体は、溶媒を用いないで混合すること、つまり、ドライブレンドが好ましい。
【0085】
また、本発明にかかる吸水性樹脂組成物は、必要に応じて、重量平均分子量が5,000以上のポリアミン化合物をさらに含んでいてもよい。かかるポリアミン化合物は、高いイオン架橋性を有するイオン架橋性化合物であるので、吸水性樹脂が有する官能基と反応して、非水溶性化合物となる。該ポリアミン化合物としては、一級アミノ基、二級アミノ基、および三級アミノ基からなる群より選ばれる少なくとも一種のアミノ基を有していればよく、特に限定されるものではない。
【0086】
上記のポリアミン化合物としては、例えば、モノアリルアミン誘導体の単独重合体、ジ
アリルアミン誘導体の単独重合体;二種類以上のモノアリルアミン誘導体の共重合体、二種類以上のジアリルアミン誘導体の共重合体、モノアリルアミン誘導体とジアリルアミン誘導体との共重合体;モノアリルアミン誘導体および/またはジアリルアミン誘導体と、ジアルキルジアリルアンモニウム塩との共重合体;
三級アミノ基を有する不飽和カルボン酸誘導体(以下、不飽和カルボン酸誘導体aと記す)の単独重合体;二種類以上の不飽和カルボン酸誘導体aの共重合体;不飽和カルボン酸誘導体aと、三級アミノ基がプロトン化および/またはアルキル化されてなる四級アンモニウム塩および/またはジアルキルジアリルアンモニウム塩を置換基として有する不飽和カルボン酸誘導体(以下、不飽和カルボン酸誘導体bと記す)との共重合体;不飽和カルボン酸誘導体aと、不飽和カルボン酸誘導体bと、これら不飽和カルボン酸誘導体a・bと共重合可能なビニル単量体との三元共重合体;不飽和カルボン酸と、不飽和カルボン酸と共重合可能な不飽和単量体とを共重合させて共重合体を得た後、該共重合体が有するカルボキシル基をアルキレンイミンと反応させてなる重合体;ポリアルキレンイミン;ポリアルキレンイミン・エピハロヒドリン樹脂;ポリアルキレンポリアミン;(2−メタクリロイルオキシエチル)エチレンイミンの重合体、(2−メタクリロイルオキシエチル)エチレンイミンと、(2−メタクリロイルオキシエチル)エチレンイミンと共重合可能な不飽和単量体との共重合体;ポリアミドポリアミン;ポリアミドアミン・エピハロヒドリン樹脂;ポリアクリルアミドのマンニッヒ反応変性物、ポリメタクリルアミドのマンニッヒ反応変性物;ポリビニルアミン、ビニルアミンと、ビニルアミンと共重合可能な不飽和単量体との共重合体;ジシアンジアミド・ジエチレントリアミン重縮合物;等が挙げられる。
【0087】
そして、ポリアミン化合物としては、具体的には、例えば、ポリアリルアミン、ポリジアリルアミン、ポリ(N−アルキルアリルアミン)、ポリ(アルキルジアリルアミン)、モノアリルアミン−ジアリルアミン共重合体、N−アルキルアリルアミン−モノアリルアミン共重合体、モノアリルアミン−ジアルキルジアリルアンモニウム塩・共重合体、ジアリルアミン−ジアルキルジアリルアンモニウム塩・共重合体、ポリジメチルアミノエチルアクリレート、ポリジエチルアミノエチルアクリレート、ポリジメチルアミノエチルアクリルアミド、直鎖ポリエチレンイミン、分岐ポリエチレンイミン、ポリエチレンポリアミン、ポリプロピレンポリアミン、ポリアミドポリアミン、ポリエーテルポリアミン、ポリビニルアミン、ポリアミドポリアミン・エピクロロヒドリン樹脂、ポリアミジン等が挙げられる。また、ポリアクリルアミドまたはポリメタクリルアミドに、ホルムアルデヒドとジエチルアミンとを反応させてなる、アミノ化された変性体等も挙げられる。尚、ポリアミン化合物は、酸性化合物によって完全中和または部分中和されていてもよい。
【0088】
ポリアミン化合物の重量平均分子量は、5,000以上であり、10,000〜10,000,000の範囲内が好ましい。重量平均分子量が5,000未満のポリアミン化合物は、得られる吸水性樹脂組成物の拡散吸収指数が向上されないので好ましくない。そして、ポリアミン化合物を用いる場合において、該ポリアミン化合物の使用量は、吸水性樹脂100重量部に対して、0.1重量部〜10重量部の範囲内が好ましい。
【0089】
例えばポリアミン化合物と吸水性樹脂とを混合する際には、例えば、水および/または親水性有機溶媒にポリアミン化合物を溶解若しくは分散させることにより溶液若しくは分散液を調製した後、該溶液若しくは分散液を吸水性樹脂に噴霧若しくは滴下して混合する方法が好適である。そして、両者を混合する際には、吸水性樹脂と非揮発性水溶性化合物とを混合する際に用いられる混合装置と同様の混合装置を用いることができる。混合速度は、高速であってもよく、また、低速であってもよい。
【0090】
吸水性樹脂、非揮発性水溶性化合物、水不溶性粉体、およびポリアミン化合物を混合する順序は、特に限定されるものではない。これにより、耐尿性および液拡散性に特に優れると共に、比較的高い圧力下での水性液体の戻り量が従来よりも低減された吸水性樹脂組成物が得られる。
【0091】
本発明にかかる吸収体は、上記構成の吸水性樹脂組成物と、親水性繊維とを含んでなっており、かつ、両者の合計量に対する該吸水性樹脂組成物の割合、つまり、樹脂濃度が40重量%以上である。また、樹脂濃度は、50重量%以上がより好ましく、60重量%以上がさらに好ましく、70重量%以上が特に好ましい。吸収体は、吸水性樹脂組成物の樹脂濃度を高濃度とした場合においても、吸水特性を維持することができ、かつ、単位重量当りの吸水量に優れている。尚、吸収体における樹脂濃度が高ければ高いほど、該吸収体の吸水特性は顕著に発揮される。
【0092】
吸収体の構成としては、例えば、吸水性樹脂組成物と親水性繊維とを均一に混合した構成、層状に形成した親水性繊維間に吸水性樹脂組成物を挟持した構成、吸水性樹脂組成物と親水性繊維とを均一に混合して層状に形成し、この上に、層状に形成した親水性繊維を積層した構成、吸水性樹脂組成物と親水性繊維とを均一に混合して層状に形成し、これと、層状に形成した親水性繊維との間に吸水性樹脂組成物を挟持した構成等が挙げられる。また、親水性繊維をシート状(例えば、不織布や紙等)に予め成形した後、該シート上に吸水性樹脂組成物を積層して固定した構成、該シート間に吸水性樹脂組成物を挟持した構成等が挙げられる。上記例示の構成のうち、吸水性樹脂組成物と親水性繊維とを均一に混合した構成がより好ましい。尚、吸収体の構成は、上記例示の構成に限定されるものではない。また、吸水性樹脂組成物は、所定量の水が配合された後、シート状に成形されていてもよい。
【0093】
上記の親水性繊維としては、例えば、木材から得られるメカニカルパルプやケミカルパルプ、セミケミカルパルプ、溶解パルプ等のセルロース繊維、レーヨン、アセテート等の人工セルロース繊維等が挙げられる。上記例示の繊維のうち、セルロース繊維が好ましい。また、親水性繊維は、ポリアミドやポリエステル、ポリオレフィン等の合成繊維を含有していてもよい。尚、親水性繊維は、上記例示の繊維に限定されるものではない。また、親水性繊維は、シート状(例えば、不織布や紙等)に成形されていてもよい。
【0094】
また、吸収体における親水性繊維の割合が比較的少ない場合には、接着性バインダーを用いて吸収体、つまり、親水性繊維同士を接着させてもよい。親水性繊維同士を接着させることにより、吸水剤の使用前や使用中における該吸収体の強度や保形性を高めることができる。
【0095】
上記の接着性バインダーとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、1−ブテン−エチレン共重合体等のポリオレフィン繊維等の熱融着繊維や接着性を有するエマルション等が例示できる。これら接着性バインダーは、単独で用いてもよく、また、二種類以上を併用してもよい。親水性繊維と接着性バインダーとの重量比は、50/50〜99/1の範囲内が好ましく、70/30〜95/5の範囲内がより好ましく、80/20〜95/5の範囲内がさらに好ましい。
【0096】
本発明にかかる吸水性樹脂組成物、つまり、吸収体が、ゲル膨潤時に水性液体の目詰まりを起こさず、非常に優れた拡散吸収倍率や吸水速度等の性能を示す原因は定かではないが、該吸収体中での水性液体の液拡散および液伝達が、従来の吸収体においては親水性繊維の毛細管現象によってなされているのに対し、本発明にかかる吸収体においては吸収体組成物が備える液拡散性(液拡散能力および液伝達能力)によってなされているためではないかと推測される。
【0097】
また、本発明にかかる吸水性樹脂組成物が非常に優れた耐尿性を示す原因は定かではないが、吸水性樹脂表面の架橋がより均一となり、かつ、架橋密度が高められていること、並びに、特定の非揮発性水溶性化合物が混合されていることによって、尿劣化に触媒的に作用する分解酵素等の化合物の働きが抑制されるためではないかと推測される。
【0098】
さらに、本発明にかかる吸水性樹脂組成物が、通液性を向上させても水性液体の戻り量が増加しない原因は定かではないが、非揮発性水溶性化合物によって、親水性繊維の隙間や膨潤ゲルの隙間に存在する水の逆戻りが抑制されるためではないかと推測される。
【0099】
上記構成の吸収体は、吸水性樹脂組成物が備える種々の吸水特性を維持することができ、かつ、単位重量当りの吸水量に優れている。また、吸収体は、水性液体を吸収した後においても、上記の吸水特性を維持することができる。該吸収体は、吸水性樹脂組成物を比較的高濃度で含んでいるので、例えば、紙オムツや生理用ナプキン、失禁パット、簡易便器、創傷保護材、創傷治癒材等の衛生材料;猫砂等のペット用の排泄物処理剤(糞尿固化用物品)等の構成材として好適に用いられる。吸収体は優れた吸水特性を備えているので、例えば紙オムツに用いた場合には、尿の漏れを防止することができると共に、いわゆるドライ感を付与することができる。また、吸水性樹脂組成物や吸収体は、肥料や消臭剤、界面活性剤等の水溶性の種々の化合物を複合化することができるので、農林業分野、土木分野、食品分野、医療分野、住宅分野等にも幅広く用いることができる。
【0100】
そして、吸収体を例えば紙オムツや生理用ナプキン等に用いる場合には、例えば、吸収体を含む吸収層を、透液性を有するシートと、不透液性を有するシートとで挟持すればよい。尚、吸収層の構成や製造方法、紙オムツや生理用ナプキン等の製造方法は、特に限定されるものではない。
【0101】
上記の透液性を有するシート(以下、液透過性シートと称する)は、水性液体を透過する性質を備えた材料からなっている。液透過性シートの材料としては、例えば、不織布、織布;ポリエチレンやポリプロピレン、ポリエステル、ポリアミド等からなる多孔質の合成樹脂フィルム等が挙げられる。上記の不透液性を有するシート(以下、液不透過性シートと称する)は、水性液体を透過しない性質を備えた材料からなっている。液不透過性シートの材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンビニルアセテート、ポリ塩化ビニル等からなる合成樹脂フィルム;これら合成樹脂と不織布との複合材からなるフィルム;上記合成樹脂と織布との複合材からなるフィルム等が挙げられる。尚、液不透過性シートは、蒸気を透過する性質を備えていてもよい。
【0102】
以上のように、本実施の形態にかかる吸水性樹脂組成物は、アクリル酸および/またはアクリル酸塩を主成分として含む親水性不飽和単量体を重合させて得られるポリアクリル酸(塩)を、表面架橋してなる粉体状の吸水性樹脂であって、かつ、20g/cm 2 (約1.96kPa)の荷重下において、内径60mmの支持円筒内部に撒布された1.5gの上記吸水性樹脂に、直径18mmの開口部を通過して上記吸水性樹脂の樹脂層方向に拡散しながら吸収された、吸収開始から60分間後の生理食塩水(0.9重量%塩化ナトリウム水溶液)の重量を、上記吸水性樹脂の重量で除して得られる拡散吸収倍率が25g/g以上である吸水性樹脂と、常圧での沸点が150℃以上であり、かつ、常温の水100gに常圧で1g以上溶解する水溶性化合物とを含み、上記水溶性化合物が、ヒドロキシル基、カルボキシル基およびその塩、アミド基、およびアミノ基からなる群より選ばれる少なくとも一つの官能基を有する有機化合物、並びに、上記吸水性樹脂が呈するpHよりも高いpHを呈する無機化合物、から選ばれる少なくとも一種の化合物であり、かつ、上記吸水性樹脂の70重量%以上が、300μmよりも大きい粒子径を有する構成であってもよい。
【0103】
また、以上のように、本実施の形態にかかる吸水性樹脂組成物は、アクリル酸および/またはアクリル酸塩を主成分として含む親水性不飽和単量体を重合させて得られるポリアクリル酸(塩)を、表面架橋してなる粉体状の吸水性樹脂であって、かつ、20g/cm 2 (約1.96kPa)の荷重下において、内径60mmの支持円筒内部に撒布された1.5gの上記吸水性樹脂に、直径18mmの開口部を通過して上記吸水性樹脂の樹脂層方向に拡散しながら吸収された、吸収開始から60分間後の生理食塩水(0.9重量%塩化ナトリウム水溶液)の重量を、上記吸水性樹脂の重量で除して得られる拡散吸収倍率が25g/g以上である吸水性樹脂と、常温で固体であり、かつ、常温の水100gに常圧で1g以上溶解する水溶性化合物とを含み、上記水溶性化合物が、ヒドロキシル基、カルボキシル基およびその塩、アミド基、およびアミノ基からなる群より選ばれる少なくとも一つの官能基を有する有機化合物、並びに、上記吸水性樹脂が呈するpHよりも高いpHを呈する無機化合物、から選ばれる少なくとも一種の化合物であり、かつ、上記吸水性樹脂の70重量%以上が、300μmよりも大きい粒子径を有する構成であってもよい。
【0104】
また、以上のように、本実施の形態にかかる吸水性樹脂組成物は、水不溶性粉体をさらに含む構成であってもよい。また、以上のように、本実施の形態にかかる吸水性樹脂組成物は、アクリル酸および/またはアクリル酸塩を主成分として含む親水性不飽和単量体を重合させて得られるポリアクリル酸(塩)を、表面架橋してなる粉体状の吸水性樹脂であって、かつ、20g/cm 2 (約1.96kPa)の荷重下において、内径60mmの支持円筒内部に撒布された1.5gの上記吸水性樹脂に、直径18mmの開口部を通過して上記吸水性樹脂の樹脂層方向に拡散しながら吸収された、吸収開始から60分間後の生理 食塩水(0.9重量%塩化ナトリウム水溶液)の重量を、上記吸水性樹脂の重量で除して得られる拡散吸収倍率が25g/g以上である吸水性樹脂と、常圧での沸点が150℃以上であり、かつ、常温の水100gに常圧で1g以上溶解する水溶性化合物とを含み、上記水溶性化合物が、ヒドロキシル基、カルボキシル基およびその塩、アミド基、およびアミノ基からなる群より選ばれる少なくとも一つの官能基を有する有機化合物、並びに、上記吸水性樹脂が呈するpHよりも高いpHを呈する無機化合物、から選ばれる少なくとも一種の化合物であり、かつ、上記吸水性樹脂の70重量%以上が、300μmよりも大きい粒子径を有する吸水性樹脂組成物であって、20g/cm 2 (約1.96kPa)の荷重下において、内径60mmの支持円筒内部に撒布された1.5gの当該吸水性樹脂組成物に、直径18mmの開口部を通過して当該吸水性樹脂組成物の樹脂層方向に拡散しながら吸収された、吸収開始から60分間後の生理食塩水(0.9重量%塩化ナトリウム水溶液)の重量を、当該吸水性樹脂組成物中の上記吸水性樹脂の重量で除して得られる拡散吸収倍率が25g/g以上であり、かつ、上記吸収開始から上記吸水性樹脂組成物が60分間かけて吸収していく上記生理食塩水の重量の単位時間当たりの最大吸収量の値で示される拡散吸収指数が1.5g/g・min以上である構成であってもよい。
【0105】
また、以上のように、本実施の形態にかかる吸水性樹脂組成物は、アクリル酸および/またはアクリル酸塩を主成分として含む親水性不飽和単量体を重合させて得られるポリアクリル酸(塩)を、表面架橋してなる粉体状の吸水性樹脂であって、かつ、20g/cm 2 (約1.96kPa)の荷重下において、内径60mmの支持円筒内部に撒布された1.5gの上記吸水性樹脂に、直径18mmの開口部を通過して上記吸水性樹脂の樹脂層方向に拡散しながら吸収された、吸収開始から60分間後の生理食塩水(0.9重量%塩化ナトリウム水溶液)の重量を、上記吸水性樹脂の重量で除して得られる拡散吸収倍率が25g/g以上である吸水性樹脂と、常温で固体であり、かつ、常温の水100gに常圧で1g以上溶解する水溶性化合物とを含み、上記水溶性化合物が、ヒドロキシル基、カルボキシル基およびその塩、アミド基、およびアミノ基からなる群より選ばれる少なくとも一つの官能基を有する有機化合物、並びに、上記吸水性樹脂が呈するpHよりも高いpHを呈する無機化合物、から選ばれる少なくとも一種の化合物であり、かつ、上記吸水性樹脂の70重量%以上が、300μmよりも大きい粒子径を有する吸水性樹脂組成物であって、20g/cm 2 (約1.96kPa)の荷重下において、内径60mmの支持円筒内部に撒布された1.5gの当該吸水性樹脂組成物に、直径18mmの開口部を通過して当該吸水性樹脂組成物の樹脂層方向に拡散しながら吸収された、吸収開始から60分間後の生理食塩水(0.9重量%塩化ナトリウム水溶液)の重量を、当該吸水性樹脂組成物中の上記吸水性樹脂の重量で除して得られる拡散吸収倍率が25g/g以上であり、かつ、上記吸収開始から上記吸水性樹脂組成物が60分間かけて吸収していく上記生理食塩水の重量の単位時間当たりの最大吸収量の値で示される拡散吸収指数が1.5g/g・min以上である構成であってもよい。
【0106】
また、以上のように、本実施の形態にかかる吸水性樹脂組成物は、上記水溶性化合物が、多価アルコールおよびアミノアルコールからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルコールである構成であってもよい。また、以上のように、本実施の形態にかかる吸水性樹脂組成物は、上記吸水性樹脂の拡散吸収倍率が30g/g以上である構成であってもよい。
【0107】
さらに、以上のように、本実施の形態にかかる吸水性樹脂組成物は、アクリル酸および/またはアクリル酸塩を主成分として含む親水性不飽和単量体を重合させて得られるポリアクリル酸(塩)を、表面架橋してなる粉体状の吸水性樹脂と、常圧での沸点が150℃以上であり、かつ、常温の水100gに常圧で1g以上溶解する、多価アルコールおよびアミノアルコールからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルコールと、水不溶性粉体とを含み、20g/cm 2 (約1.96kPa)の荷重下において、内径60mmの支持 円筒内部に撒布された1.5gの当該吸水性樹脂組成物に、直径18mmの開口部を通過して当該吸水性樹脂組成物の樹脂層方向に拡散しながら吸収された、吸収開始から60分間後の生理食塩水(0.9重量%塩化ナトリウム水溶液)の重量を、当該吸水性樹脂組成物中の上記吸水性樹脂の重量で除して得られる拡散吸収倍率が25g/g以上であり、かつ、上記吸収開始から上記吸水性樹脂組成物が60分間かけて吸収していく上記生理食塩水の重量の単位時間当たりの最大吸収量の値で示される拡散吸収指数が1.5g/g・min以上である構成であってもよい。
【0108】
また、以上のように、本実施の形態にかかる吸水性樹脂組成物は、アクリル酸および/またはアクリル酸塩を主成分として含む親水性不飽和単量体を重合させて得られるポリアクリル酸(塩)を、表面架橋してなる粉体状の吸水性樹脂と、常温で固体であり、かつ、常温の水100gに常圧で1g以上溶解する、多価アルコールと、水不溶性粉体とを含み、20g/cm 2 (約1.96kPa)の荷重下において、内径60mmの支持円筒内部に撒布された1.5gの当該吸水性樹脂組成物に、直径18mmの開口部を通過して当該吸水性樹脂組成物の樹脂層方向に拡散しながら吸収された、吸収開始から60分間後の生理食塩水(0.9重量%塩化ナトリウム水溶液)の重量を、当該吸水性樹脂組成物中の上記吸水性樹脂の重量で除して得られる拡散吸収倍率が25g/g以上であり、かつ、上記吸収開始から上記吸水性樹脂組成物が60分間かけて吸収していく上記生理食塩水の重量の単位時間当たりの最大吸収量の値で示される拡散吸収指数が1.5g/g・min以上である構成であってもよい。
【0109】
また、以上のように、本実施の形態にかかる吸水性樹脂組成物は、上記吸水性樹脂は、アクリル酸および/またはアクリル酸塩を主成分として含む親水性不飽和単量体を重合させて得られる、平均粒子径が200μm〜600μmの範囲内で、かつ、粒子径が106μm未満の粒子の割合が10重量%以下のポリアクリル酸(塩)を、表面架橋してなる構成であってもよい。
【0110】
さらに、以上のように、本実施の形態にかかる吸水性樹脂組成物は、上記吸水性樹脂は、アクリル酸および/またはアクリル酸塩を主成分として含む親水性不飽和単量体を重合させて得られる、平均粒子径が200μm〜600μmの範囲内で、かつ、粒子径が106μm未満の粒子の割合が10重量%以下のポリアクリル酸(塩)を、該ポリアクリル酸(塩)が有するカルボキシル基と反応可能な、溶解度パラメータが12.5 (cal/cm 3 ) 1/2 以上の第一表面架橋剤、および、溶解度パラメータが12.5 (cal/cm 3 ) 1/2 未満の第二表面架橋剤の存在下で加熱処理することにより表面架橋してなる構成であってもよい。
【0111】
また、以上のように、本実施の形態にかかる吸水性樹脂組成物は、さらに、重量平均分子量が5,000以上のポリアミン化合物を含む構成であってもよい。
【0112】
上記の構成によれば、多量の水性液体を素早く吸収することができ、耐尿性および液拡散性に特に優れると共に、比較的高い圧力下での水性液体の戻り量が従来よりも低減された吸水性樹脂組成物を提供することができる。
【0113】
また、以上のように、本実施の形態にかかる吸収体は、上記の吸水性樹脂組成物と、親水性繊維とを含み、かつ、両者の合計量に対する該吸水性樹脂組成物の割合が40重量%以上である構成であってもよい。
【0114】
上記の構成によれば、吸水性樹脂組成物が備える種々の吸水特性を維持することができ、かつ、単位重量当りの吸水量に優れた吸収体を提供することができる。該吸収体は、吸水性樹脂組成物を比較的高濃度で含んでいるので、例えば、紙オムツや生理用ナプキン等の衛生材料に好適に用いられる。
【0115】
【実施例】
以下、実施例および比較例により、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。尚、吸水性樹脂組成物および吸収体の諸性能は、以下の方法で測定した。
【0116】
(a)吸水倍率
吸水性樹脂組成物0.2gを不織布製の袋(60mm×60mm)に均一に入れ、生理食塩水(0.9重量%塩化ナトリウム水溶液)中に室温で浸漬した。60分間後に袋を引き上げ、遠心分離機を用いて250Gで3分間水切りを行った後、袋の重量W1 (g)を測定した。また、同様の操作を吸水性樹脂組成物を用いないで行い、そのときの重量W0 (g)を測定した。そして、これら重量W1 ・W0 から、次式、
吸水倍率(g/g)
=(重量W1 (g)−重量W0 (g))/吸水性樹脂の重量(g)
に従って吸水倍率(g/g)を算出した。尚、式中の「吸水性樹脂の重量」とは、吸水性樹脂組成物0.2g中の吸水性樹脂の重量を示す。
【0117】
(b)拡散吸収倍率
先ず、拡散吸収倍率の測定に用いる測定装置について、図1および図2を参照しながら、以下に簡単に説明する。
【0118】
図1に示すように、測定装置は、天秤1と、この天秤1上に載置された所定容量の容器2と、外気吸入パイプ3と、導管4と、ガラスフィルタ6と、このガラスフィルタ6上に載置された測定部5とからなっている。上記の容器2は、その頂部に開口部2aを、その側面部に開口部2bをそれぞれ有しており、開口部2aに外気吸入パイプ3が嵌入される一方、開口部2bに導管4が取り付けられている。また、容器2には、所定量の生理食塩水12が入っている。外気吸入パイプ3の下端部は、生理食塩水12中に没している。上記のガラスフィルタ6は、直径70mmに形成されている。そして、容器2およびガラスフィルタ6は、導管4によって互いに連通している。また、ガラスフィルタ6は、外気吸入パイプ3の下端に対してごく僅かに高い位置に固定されている。
【0119】
図2に示すように、上記の測定部5は、濾紙7と、シート8と、支持円筒9と、この支持円筒9の底部に貼着された金網10と、重り11とを有している。そして、測定部5は、ガラスフィルタ6上に、濾紙7、シート8、支持円筒9(つまり、金網10)がこの順に載置されると共に、支持円筒9内部、即ち、金網10上に重り11が載置されてなっている。シート8は、ポリエチレンテレフタレート(PET)からなり、中央部に直径18mmの開口部を有する厚さ0.1mmのドーナツ状に形成されている。支持円筒9は、内径60mmに形成されている。金網10は、ステンレスからなり、JIS 400メッシュ(目の大きさ38μm)に形成されている。そして、金網10上に所定量の吸水性樹脂組成物が均一に撒布されるようになっている。重り11は、金網10、即ち、吸水性樹脂組成物に対して、20g/cm2 の荷重を均一に加えることができるように、その重量が調整されている。
【0120】
上記構成の測定装置を用いて拡散吸収倍率を測定した。測定方法について以下に説明する。
【0121】
先ず、容器2に所定量の生理食塩水12を入れる、容器2に外気吸入パイプ3を嵌入する、等の所定の準備動作を行った。次に、ガラスフィルタ6上に濾紙7を載置し、この濾紙7上にシート8を、その開口部がガラスフィルタ6の中心部に位置するようにして載置した。一方、これら載置動作に並行して、支持円筒9内部、即ち、金網10上に吸水性樹脂組成物1.5g(但し固形分の重量、好ましくは、分級等の操作により、粒子径を300μm〜500μmに予め調整した吸水性樹脂組成物1.5g)を均一に撒布し、この吸水性樹脂組成物上に重り11を載置した。
【0122】
次いで、シート8上に、金網10、つまり、吸水性樹脂組成物および重り11を載置した上記支持円筒9を、その中心部がガラスフィルタ6の中心部に一致するようにして載置した。
【0123】
そして、シート8上に支持円筒9を載置した時点から、60分間にわたって吸水性樹脂組成物が吸水した生理食塩水12の重量W2 (g)を、天秤1を用いて測定した。尚、図3に示すように、生理食塩水12は、シート8の開口部を通過した後、吸水性樹脂組成物の横方向にほぼ均一に拡散しながら、吸水性樹脂組成物に吸水された。
【0124】
そして、上記の重量W2 から、次式、
拡散吸収倍率(g/g)=重量W2 (g)/吸水性樹脂の重量(g)
に従って、吸水開始から60分後の拡散吸収倍率(g/g)を算出した。尚、式中の「吸水性樹脂の重量」とは、吸水性樹脂組成物1.5g中の吸水性樹脂の重量を示す。
【0125】
(c)耐尿性の評価、および水可溶成分量
先ず、健康な成人男子10人から尿を均等にサンプリングした。次に、100ml蓋付ガラス瓶に吸水性樹脂組成物2gを入れた後、上記の尿を入れて該吸水性樹脂組成物を25倍に膨潤させた。その後、上記膨潤ゲルが入ったガラス瓶を、温度37℃、相対湿度90%の雰囲気下で16時間放置した。
【0126】
放置後、膨潤ゲルの流動性を目視にて観察した。そして、流動性を、全く流動しない(表1中で●)、実質的に流動しない(同、○)、若干流動する(同、△)、流動する(同、×)の4段階で評価した。
【0127】
また、上記膨潤ゲルの水可溶成分量を以下に示す方法によって測定した。即ち、膨潤ゲルをその固形分(つまり、吸水性樹脂の固形分)が0.5gとなるように採取した後、該膨潤ゲルを1Lのイオン交換水中に分散させ、1時間攪拌して充分に膨潤させた。次いで、該分散液を濾紙で濾過し、濾液を所定の方法によって滴定した。そして、滴定量等から、濾液中に溶解している例えば尿劣化によって生じた化合物、具体的には水溶性ポリアクリル酸(塩)等の量、つまり、水可溶成分量(重量%)を算出した。水可溶成分量が多いほど、吸水性樹脂組成物が尿劣化している度合いが高いと判断することができる。
【0128】
(d)戻り量
直径90mmの濾紙(アドバンテック東洋株式会社製,No2)を5枚重ねにし、この上に、上記拡散吸収倍率の測定を行った後の測定装置から、生理食塩水を吸水して膨潤した吸水性樹脂組成物が入った支持円筒9を重り11と共に取り外して載置した。次に、該吸水性樹脂組成物に対して100g/cm2 の荷重を均一に加えることができるように、重りをさらに載置した。そして、100g/cm2 の荷重を加えてから1分間後に、濾紙に滲み出した生理食塩水の重量を測定し、戻り量(g)とした。
【0129】
(e)拡散吸収指数
拡散吸収指数は、拡散吸収倍率の測定に用いた測定装置を用い、シート8上に支持円筒9を載置した時点から、吸水性樹脂組成物が60分間かけて吸水していく生理食塩水12の重量を、天秤1を用いて経時的に測定することによって求めた。つまり、天秤1を用いて生理食塩水12の重量を分単位、より好ましくは秒単位で測定し、これら測定結果から、単位時間当たりの最大吸収量を求め、その値を拡散吸収指数(g/g・min)とした。
【0130】
〔実施例1〕
中和率75モル%のアクリル酸ナトリウム(親水性不飽和単量体)39重量%水溶液5,500gに、内部架橋剤としてのトリメチロールプロパントリアクリレート3.59gを溶解させて反応液とした。次に、この反応液を、窒素ガス雰囲気下で30分間脱気した。次いで、所定の反応器に、上記の反応液を供給し、反応液を30℃に保ちながら系を窒素ガス置換した。続いて、反応液を攪拌しながら、重合開始剤としての過硫酸アンモニウム2.4gおよびL−アスコルビン酸0.12gを添加したところ、およそ1分後に重合が開始した。そして、30℃〜80℃で重合を行い、重合を開始してから60分後に反応を終了して含水ゲル状重合体を取り出した。
【0131】
得られた含水ゲル状重合体は、その径が約5mmに細分化されていた。この細分化された含水ゲル状重合体を50メッシュの金網上に広げ、150℃で90分間熱風乾燥した。次いで、乾燥物を振動ミルを用いて粉砕し、さらに20メッシュの金網で分級することにより、平均粒子径が400μmで、しかも、粒子径が106μm未満の粒子の割合が5重量%の不定形破砕状の吸水性樹脂前駆体を得た。
【0132】
得られた吸水性樹脂前駆体100重量部に、第一表面架橋剤としてのエチレングリコール(SP値:δ=14.6(cal/cm3)1/2)0.5重量部と、第二表面架橋剤としてのグリセロールポリグリシジルエーテル(SP値:δ=10.8(cal/cm3)1/2)0.1重量部と、水3重量部と、エチルアルコール1重量部とからなる表面架橋剤溶液を混合した。上記の混合物を195℃で40分間加熱処理することにより、吸水性樹脂を得た。
【0133】
得られた吸水性樹脂の平均粒子径は400μmであり、粒子径が106μm未満の粒子の割合は3重量%であった。また、吸水性樹脂は、その70重量%が300μmよりも大きい粒子径を有していた。そして、吸水性樹脂の諸性能を上記の方法に準じて測定した結果、拡散吸収倍率は、20分間後で22.5g/g、30分間後で27.9g/g、60分間後で30.1g/gであった。また、拡散吸収指数は1.20g/g・minであった。
【0134】
次に、上記の吸水性樹脂2gに、非揮発性水溶性化合物としてのモノエタノールアミン69mg(吸水性樹脂に対して3.45重量%)を添加することにより、本発明にかかる吸水性樹脂組成物を得た。そして、該吸水性樹脂組成物の諸性能を上記の方法によって測定した。結果を表1に示す。
【0135】
〔実施例2〕
実施例1におけるモノエタノールアミンの添加量を69mgから168mg(吸水性樹脂に対して8.4重量%)に変更した以外は、実施例1と同様の反応および操作等を行って、吸水性樹脂組成物を得た。そして、該吸水性樹脂組成物の諸性能を上記の方法によって測定した。結果を表1に示す。
【0136】
〔実施例3〕
実施例1におけるモノエタノールアミン69mgに代えて、非揮発性水溶性化合物としてのトリエチレンテトラミン165mg(吸水性樹脂に対して8.25重量%)を用いた以外は、実施例1と同様の反応および操作等を行って、吸水性樹脂組成物を得た。そして、該吸水性樹脂組成物の諸性能を上記の方法によって測定した。結果を表1に示す。尚、トリエチレンテトラミンの添加量は、実施例2で用いたモノエタノールアミンの添加量と等モルである。
【0137】
〔実施例4〕
実施例1におけるモノエタノールアミン69mgに代えて、非揮発性水溶性化合物としてのグリシン165mg(吸水性樹脂に対して8.25重量%)を用いた以外は、実施例1と同様の反応および操作等を行って、吸水性樹脂組成物を得た。そして、該吸水性樹脂組成物の諸性能を上記の方法によって測定した。結果を表1に示す。尚、グリシンの添加量は、実施例2で用いたモノエタノールアミンの添加量と等モルである。
【0138】
〔実施例5〕
アクリル酸20重量%水溶液5,500gに、内部架橋剤としてのN,N’−メチレンビスアクリルアミド2.35gを溶解させて反応液とした。次に、この反応液を、窒素ガス雰囲気下で30分間脱気した。次いで、実施例1との反応器と同様の反応器に、上記の反応液を供給し、反応液を30℃に保ちながら系を窒素ガス置換した。続いて、反応液を攪拌しながら、過硫酸アンモニウム1.5gおよびL−アスコルビン酸0.07gを添加したところ、およそ1分後に重合が開始した。そして、30℃〜80℃で重合を行い、重合を開始してから60分後に、中和剤である炭酸ナトリウム606.7gを加えて攪拌し、中和した。その後、反応を終了して含水ゲル状重合体を取り出した。
【0139】
得られた含水ゲル状重合体は、中和率が75モル%であり、その径が約5mmに細分化されていた。この細分化された含水ゲル状重合体を50メッシュの金網上に広げ、150℃で90分間熱風乾燥した。次いで、乾燥物を振動ミルを用いて粉砕し、さらに20メッシュの金網で分級することにより、平均粒子径が390μmで、しかも、粒子径が106μm未満の粒子の割合が4重量%の不定形破砕状の吸水性樹脂前駆体を得た。
【0140】
得られた吸水性樹脂前駆体100重量部に、第一表面架橋剤としてのプロピレングリコール(SP値:δ=12.6(cal/cm3)1/2)0.75重量部と、第二表面架橋剤としてのプロピレングリコールジグリシジルエーテル(SP値:δ=10.1(cal/cm3)1/2)0.05重量部と、水3重量部と、エチルアルコール0.75重量部とからなる表面架橋剤溶液を混合した。上記の混合物を195℃で40分間加熱処理することにより、吸水性樹脂を得た。
【0141】
得られた吸水性樹脂の平均粒子径は390μmであり、粒子径が106μm未満の粒子の割合は3重量%であった。また、吸水性樹脂は、その75重量%が300μmよりも大きい粒子径を有していた。そして、吸水性樹脂の諸性能を上記の方法に準じて測定した結果、拡散吸収倍率は、20分間後で16.0g/g、30分間後で24.0g/g、60分間後で33.9g/gであった。また、拡散吸収指数は0.90g/g・minであった。
【0142】
次に、上記の吸水性樹脂2gに、非揮発性水溶性化合物としてのグリセリン100mg(吸水性樹脂に対して5.0重量%)を添加することにより、本発明にかかる吸水性樹脂組成物を得た。そして、該吸水性樹脂組成物の諸性能を上記の方法によって測定した。結果を表1に示す。尚、吸水性樹脂組成物は、可塑性を有していた。
【0143】
〔実施例6〕
実施例5におけるグリセリン100mgに代えて、非揮発性水溶性化合物としてのプロピレングリコール100mg(吸水性樹脂に対して5.0重量%)を用いた以外は、実施例5と同様の反応および操作等を行って、吸水性樹脂組成物を得た。そして、該吸水性樹脂組成物の諸性能を上記の方法によって測定した。結果を表1に示す。尚、吸水性樹脂組成物は、可塑性を有していた。
【0144】
〔実施例7〕
実施例5におけるグリセリン100mgに代えて、プロピレングリコール500mg(吸水性樹脂に対して25.0重量%)を用いた以外は、実施例5と同様の反応および操作等を行って、吸水性樹脂組成物を得た。そして、該吸水性樹脂組成物の諸性能を上記の方法によって測定した。結果を表1に示す。尚、吸水性樹脂組成物は、可塑性を有していた。
【0145】
〔実施例8〕
実施例5におけるグリセリン100mgに代えて、非揮発性水溶性化合物としてのポリエチレングリコール(重量平均分子量40万)100mg(吸水性樹脂に対して5.0重量%)の水溶液を用いた以外は、実施例5と同様の反応および操作等を行って、吸水性樹脂組成物を得た。そして、該吸水性樹脂組成物の諸性能を上記の方法によって測定した。
結果を表1に示す。
【0146】
〔実施例9〕
実施例5におけるグリセリン100mgに代えて、非揮発性水溶性化合物としてのグリコール酸100mg(吸水性樹脂に対して5.0重量%)を用いた以外は、実施例5と同様の反応および操作等を行って、吸水性樹脂組成物を得た。そして、該吸水性樹脂組成物の諸性能を上記の方法によって測定した。結果を表1に示す。
【0147】
〔実施例10〕
実施例5におけるグリセリン100mgに代えて、非揮発性水溶性化合物としてのマロン酸100mg(吸水性樹脂に対して5.0重量%)の水溶液を用いた以外は、実施例5と同様の反応および操作等を行って、吸水性樹脂組成物を得た。そして、該吸水性樹脂組成物の諸性能を上記の方法によって測定した。結果を表1に示す。
【0148】
〔実施例11〕
実施例5におけるグリセリン100mgに代えて、水酸化ナトリウム225mg(吸水性樹脂に対して11.0重量%)の水溶液を用いて中和し、吸水性樹脂の中和率を99モル%とした以外は、実施例5と同様の反応および操作等を行って、吸水性樹脂組成物を得た。そして、該吸水性樹脂組成物の諸性能を上記の方法によって測定した。結果を表1に示す。
【0149】
〔実施例12〕
実施例11における水酸化ナトリウムの添加量を225mgから153mg(吸水性樹脂に対して7.6重量%)に変更し、吸水性樹脂の中和率を92モル%とした以外は、実施例11と同様の反応および操作等を行って、吸水性樹脂組成物を得た。そして、該吸水性樹脂組成物の諸性能を上記の方法によって測定した。結果を表1に示す。
【0150】
〔実施例13〕
実施例11における水酸化ナトリウムの添加量を225mgから72mg(吸水性樹脂に対して3.6重量%)に変更し、吸水性樹脂の中和率を83モル%とした以外は、実施例11と同様の反応および操作等を行って、吸水性樹脂組成物を得た。そして、該吸水性樹脂組成物の諸性能を上記の方法によって測定した。結果を表2に示す。
【0151】
〔実施例14〕
実施例11における水酸化ナトリウム225mgに代えて、炭酸ナトリウム287mg(吸水性樹脂に対して14.0重量%)を用い、該炭酸ナトリウムを乾式混合して中和し、吸水性樹脂の中和率を99モル%とした以外は、実施例11と同様の反応および操作等を行って、吸水性樹脂組成物を得た。そして、該吸水性樹脂組成物の諸性能を上記の方法によって測定した。結果を表2に示す。
【0152】
〔実施例15〕
実施例1で得られた吸水性樹脂前駆体を分級して、300μm未満の粒子径を有する吸水性樹脂前駆体のみを取り出した。次に、得られた吸水性樹脂前駆体100重量部に、エチレングリコール0.5重量部と、グリセロールポリグリシジルエーテル0.1重量部と、水3重量部と、エチルアルコール1重量部とからなる表面架橋剤溶液を混合した。上記の混合物を195℃で40分間加熱処理することにより、吸水性樹脂を得た。次いで、該吸水性樹脂2gに、モノエタノールアミン69mg(吸水性樹脂に対して3.45重量%)を添加することにより、吸水性樹脂組成物を得た。そして、該吸水性樹脂組成物の諸性能を上記の方法によって測定した。結果を表2に示す。
【0153】
〔実施例16〕
実施例5で得られた吸水性樹脂2gに、グリセリン100mg(吸水性樹脂に対して5.0重量%)を添加すると共に、水不溶性粉体としての親水性微粒子状の二酸化ケイ素(商品名:アエロジル200;日本アエロジル株式会社製)0.5重量%を添加・混合することにより、本発明にかかる吸水性樹脂組成物を得た。そして、該吸水性樹脂組成物の諸性能を上記の方法によって測定した。結果を表2に示す。二酸化ケイ素を添加することによって、耐尿性はより一層改善された。また、該吸水性樹脂組成物の拡散吸収指数は、2.83g/g・minであり、より一層向上した。
【0154】
〔実施例17〕
実施例5で得られた吸水性樹脂2gに、グリセリン100mg(吸水性樹脂に対して5.0重量%)を添加すると共に、ポリアミン化合物としてのポリエチレンイミン(重量平均分子量7万)30%水溶液(商品名:エポミンP−1000;株式会社日本触媒製)を、吸水性樹脂に対する割合が5重量%となるように添加・混合した。混合後、90℃で20分間熱風乾燥した。次いで、乾燥物を840μmの開孔を有する金網で分級した。
【0155】
そして、金網通過物に、水不溶性粉体としての親水性微粒子状の二酸化ケイ素(商品名:カープレックス22S;塩野義製薬株式会社製)0.3gを添加・混合することにより、本発明にかかる吸水性樹脂組成物を得た。そして、該吸水性樹脂組成物の諸性能を上記の方法によって測定した。結果を表2に示す。二酸化ケイ素を添加することによって、耐尿性はより一層改善された。また、該吸水性樹脂組成物の拡散吸収指数は、3.28g/g・minであり、より一層向上した。
【0156】
〔比較例1〕
実施例1で得られた吸水性樹脂に非揮発性水溶性化合物を添加しないで吸水性樹脂組成物とした。つまり、実施例1で得られた吸水性樹脂をそのまま比較用の吸水性樹脂組成物とした。該比較用の吸水性樹脂組成物の諸性能を上記の方法によって測定した。結果を表2に示す。
【0157】
〔比較例2〕
実施例5で得られた吸水性樹脂に非揮発性水溶性化合物を添加しないで吸水性樹脂組成物とした。つまり、実施例5で得られた吸水性樹脂をそのまま比較用の吸水性樹脂組成物とした。該比較用の吸水性樹脂組成物の諸性能を上記の方法によって測定した。結果を表2に示す。
【0158】
〔比較例3〕
中和率75モル%のアクリル酸ナトリウム39重量%水溶液5,500gに、トリメチロールプロパントリアクリレート7.18gを溶解させて反応液とした。次に、この反応液を、窒素ガス雰囲気下で30分間脱気した。次いで、実施例1との反応器と同様の反応器に、上記の反応液を供給し、反応液を30℃に保ちながら系を窒素ガス置換した。続いて、反応液を攪拌しながら、重合開始剤である過硫酸ナトリウム5.0gおよびL−アスコルビン酸0.25gを添加したところ、およそ1分後に重合が開始した。そして、30℃〜80℃で重合を行い、重合を開始してから60分後に反応を終了して含水ゲル状重合体を取り出した。
【0159】
得られた含水ゲル状重合体は、その径が約5mmに細分化されていた。この細分化された含水ゲル状重合体を50メッシュの金網上に広げ、150℃で90分間熱風乾燥した。次いで、乾燥物を振動ミルを用いて粉砕し、さらに20メッシュの金網で分級することにより、平均粒子径が360μmで、しかも、粒子径が106μm未満の粒子の割合が5重量%の不定形破砕状の吸水性樹脂前駆体を得た。
【0160】
そして、上記の吸水性樹脂前駆体をそのまま比較用の吸水性樹脂とした。該比較用の吸水性樹脂の諸性能を上記の方法に準じて測定した結果、拡散吸収倍率は、20分間後で3.6g/g、30分間後で5.9g/g、60分間後で11.7g/gであった。また、拡散吸収指数は0.20g/g・minであった。従って、上記比較用の吸水性樹脂は、所望の吸水特性を満足していなかった。
【0161】
さらに、上記比較用の吸水性樹脂に非揮発性水溶性化合物を添加しないで吸水性樹脂組成物とした。つまり、上記の吸水性樹脂前駆体をそのまま比較用の吸水性樹脂組成物とした。該比較用の吸水性樹脂組成物の諸性能を上記の方法によって測定した。結果を表2に示す。尚、戻り量は、拡散吸収倍率の測定時に、吸水性樹脂組成物が膨潤したときにママコが生じたため、測定することができなかった。
【0162】
〔比較例4〕
中和率75モル%のアクリル酸ナトリウム39重量%水溶液5,500gに、トリメチロールプロパントリアクリレート3.59gを溶解させて反応液とした。次に、この反応液を、窒素ガス雰囲気下で30分間脱気した。次いで、実施例1との反応器と同様の反応器に、上記の反応液を供給し、反応液を30℃に保ちながら系を窒素ガス置換した。続いて、反応液を攪拌しながら、過硫酸アンモニウム2.4gおよびL−アスコルビン酸0.12gを添加したところ、およそ1分後に重合が開始した。そして、30℃〜80℃で重合を行い、重合を開始してから60分後に反応を終了して含水ゲル状重合体を取り出した。
【0163】
得られた含水ゲル状重合体は、その径が約5mmに細分化されていた。この細分化された含水ゲル状重合体を50メッシュの金網上に広げ、150℃で90分間熱風乾燥した。次いで、乾燥物を振動ミルを用いて粉砕し、さらに20メッシュの金網で分級することにより、平均粒子径が400μmで、しかも、粒子径が106μm未満の粒子の割合が5重量%の不定形破砕状の吸水性樹脂前駆体を得た。
【0164】
得られた吸水性樹脂前駆体100重量部に、第一表面架橋剤としてのエチレングリコール0.5重量部と、水3重量部と、エチルアルコール1重量部とからなる表面架橋剤溶液を混合した。上記の混合物を195℃で20分間加熱処理することにより、吸水性樹脂を得た。つまり、第二表面架橋剤を用いないで加熱処理することにより、比較用の吸水性樹脂を得た。
【0165】
得られた比較用の吸水性樹脂の平均粒子径は400μmであり、粒子径が106μm未満の粒子の割合は3重量%であった。そして、比較用の吸水性樹脂の諸性能を上記の方法に準じて測定した結果、拡散吸収倍率は、20分間後で5.9g/g、30分間後で7.9g/g、60分間後で14.7g/gであった。また、拡散吸収指数は0.87g/g・minであった。従って、上記比較用の吸水性樹脂は、所望の吸水特性を満足していなかった。
【0166】
さらに、上記比較用の吸水性樹脂に非揮発性水溶性化合物を添加しないで吸水性樹脂組成物とした。つまり、上記比較用の吸水性樹脂をそのまま比較用の吸水性樹脂組成物とした。該比較用の吸水性樹脂組成物の諸性能を上記の方法によって測定した。結果を表2に示す。尚、戻り量は、拡散吸収倍率の測定時に、吸水性樹脂組成物が膨潤したときにママコが生じたため、測定することができなかった。
【0167】
〔比較例5〕
比較例3で得られた比較用の吸水性樹脂2gに、モノエタノールアミン69mg(比較用の吸水性樹脂に対して3.45重量%)を添加することにより、比較用の吸水性樹脂組成物を得た。そして、該比較用の吸水性樹脂組成物の諸性能を上記の方法によって測定した。結果を表2に示す。尚、戻り量は、拡散吸収倍率の測定時に、吸水性樹脂組成物が膨潤したときにママコが生じたため、測定することができなかった。
【0168】
〔比較例6〕
比較例4で得られた比較用の吸水性樹脂2gに、グリセリン100mg(比較用の吸水性樹脂に対して5.0重量%)を添加することにより、比較用の吸水性樹脂組成物を得た。そして、該比較用の吸水性樹脂組成物の諸性能を上記の方法によって測定した。結果を表2に示す。尚、戻り量は、拡散吸収倍率の測定時に、吸水性樹脂組成物が膨潤したときにママコが生じたため、測定することができなかった。
【0169】
〔比較例7〕
比較例4で得られた比較用の吸水性樹脂2gに、ポリエチレングリコール(重量平均分子量40万)100mg(比較用の吸水性樹脂に対して5.0重量%)の水溶液を添加することにより、比較用の吸水性樹脂組成物を得た。そして、該比較用の吸水性樹脂組成物の諸性能を上記の方法によって測定した。結果を表2に示す。尚、戻り量は、拡散吸収倍率の測定時に、吸水性樹脂組成物が膨潤したときにママコが生じたため、測定することができなかった。
【0170】
【表1】
Figure 0003712453
【0171】
【表2】
Figure 0003712453
【0172】
表1、2から明らかなように、本発明にかかる吸水性樹脂組成物は、比較用の吸水性樹脂組成物と比較して、戻り量が約2/3〜1/2程度にまで低減されており、しかも、耐尿性が約2倍に向上していることがわかる。また、非揮発性水溶性化合物と複合化すると、従来の吸水性樹脂では、拡散吸収倍率が2割〜3割も低下するのに対して、本発明にかかる吸水性樹脂では、拡散吸収倍率が維持される。従って、本発明にかかる吸水性樹脂は、非揮発性水溶性化合物と好適に複合化することができる。
【0173】
〔実施例18〕
実施例5で得られた吸水性樹脂組成物を用いて、吸収体を以下に示す方法により作成し、次いで、衛生材料である紙オムツを作成した。
【0174】
即ち、先ず、上記の吸水性樹脂組成物50重量部と、親水性繊維としての木材粉砕パルプ50重量部とを、ミキサーを用いて乾式混合した。次いで、得られた混合物を、JIS 400メッシュ(目の大きさ38μm)に形成されたワイヤースクリーン上に、バッチ型空気抄造装置を用いて空気抄造することにより、120mm×400mmの大きさのウエブに成形した。さらに、このウエブを圧力2Kg/cm2 で5秒間プレスすることにより、吸収体を作成した。吸収体の樹脂濃度は50重量%である。また、吸収体の坪量は約0.047g/cm2 であった。尚、吸水性樹脂組成物および木材粉砕パルプは、簡単にかつ均一に混合することができた。
【0175】
続いて、バックシート、上記の吸収体、および、トップシートを、両面テープを用いてこの順に互いに貼着した。上記のバックシートは、液不透過性のポリプロピレンからなっており、所定形状に切断されている。また、上記のトップシートは、液透過性のポリプロピレンからなっており、バックシートと略同一形状に切断されている。そして、上記貼着物における所定位置に、いわゆるレッグギャザー、および、いわゆるウエストギャザーを設けた。さらに、上記貼着物における所定位置に、いわゆるテープファスナーを取り付けた。これにより、紙オムツを作成した。
【0176】
上記紙オムツは、保形性に非常に優れていた。つまり、吸水性樹脂組成物は木材粉砕パルプによって固定されており、片寄り等は認められなかった。
【0177】
〔比較例8〕
先ず、実施例5で得られた吸水性樹脂に非揮発性水溶性化合物を添加しないで吸水性樹脂組成物とした。つまり、比較例2と同様に、実施例5で得られた吸水性樹脂をそのまま比較用の吸水性樹脂組成物とした。そして、この比較用の吸水性樹脂組成物を用いて、実施例18と同様の操作を行うことにより、比較用の吸収体を作成し、次いで、比較用の紙オムツを作成した。
【0178】
上記比較用の吸水性樹脂組成物および木材粉砕パルプは、実施例18の場合と比較して、不均一にしか混合することができなかった。また、上記比較用の紙オムツは、実施例18の紙オムツと比較して、保形性に劣っていた。
【0179】
【発明の効果】
本発明の吸水性樹脂は、以上のように、アクリル酸および/またはアクリル酸塩を主成分として含む親水性不飽和単量体を重合させて得られるポリアクリル酸(塩)を、表面架橋してなる粉体状の吸水性樹脂であって、かつ、20g/cm 2 (約1.96kPa)の荷重下において、内径60mmの支持円筒内部に撒布された1.5gの上記吸水性樹脂に、直径18mmの開口部を通過して上記吸水性樹脂の樹脂層方向に拡散しながら吸収された、吸収開始から60分間後の生理食塩水(0.9重量%塩化ナトリウム水溶液)の重量を、上記吸水性樹脂の重量で除して得られる拡散吸収倍率が25g/g以上であり、かつ、その70重量%以上が、300μmよりも大きい粒子径を有する構成である。
【0180】
また、本発明の吸水性樹脂は、以上のように、上記ポリアクリル酸(塩)の平均粒子径は200μm〜600μmの範囲内であり、かつ、該ポリアクリル酸(塩)における106μm未満の粒子径を有する粒子の割合が10重量%以下である構成である。
【0181】
また、本発明の吸水性樹脂は、以上のように、上記ポリアクリル酸(塩)を、該ポリアクリル酸(塩)が有するカルボキシル基と反応可能な、溶解度パラメータが12.5 (cal/cm 3 ) 1/2 以上の第一表面架橋剤、および、溶解度パラメータが12.5 (cal/cm 3 ) 1/2 未満の第二表面架橋剤の存在下で加熱処理することにより表面架橋してなる構成である。
【0182】
さらに、本発明の吸水性樹脂は、以上のように、上記拡散吸収倍率が30g/g以上である構成である。
【0183】
また、本発明の吸水性樹脂組成物は、以上のように、本発明にかかる上記吸水性樹脂(つまり、アクリル酸および/またはアクリル酸塩を主成分として含む親水性不飽和単量体を重合させて得られるポリアクリル酸(塩)を、表面架橋してなる粉体状の吸水性樹脂であって、かつ、20g/cm2 (約1.96kPa)の荷重下において、内径60mmの支持円筒内部に撒布された1.5gの上記吸水性樹脂に、直径18mmの開口部を通過して上記吸水性樹脂の樹脂層方向に拡散しながら吸収された、吸収開始から60分間後の生理食塩水(0.9重量%塩化ナトリウム水溶液)の重量を、上記吸水性樹脂の重量で除して得られる拡散吸収倍率が25g/g以上であり、かつ、その70重量%以上が、300μmよりも大きい粒子径を有する吸水性樹脂と、モノエタノールアミン、トリエチレンテトラミン、グリシン、グリセリン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、グリコール酸、マロン酸、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウムからなる群より選ばれる少なくとも一種の水溶性化合物とを含んでいる構成である。
【0184】
また、本発明の吸水性樹脂組成物は、以上のように、水不溶性粉体をさらに含む構成である
【0185】
また、本発明の吸水性樹脂組成物は、以上のように、本発明にかかる上記吸水性樹脂(つまり、アクリル酸および/またはアクリル酸塩を主成分として含む親水性不飽和単量体を重合させて得られるポリアクリル酸(塩)を、表面架橋してなる粉体状の吸水性樹脂であって、かつ、20g/cm2 (約1.96kPa)の荷重下において、内径60mmの支持円筒内部に撒布された1.5gの上記吸水性樹脂に、直径18mmの開口部を通過して上記吸水性樹脂の樹脂層方向に拡散しながら吸収された、吸収開始から60分間後の生理食塩水(0.9重量%塩化ナトリウム水溶液)の重量を、上記吸水性樹脂の重量で除して得られる拡散吸収倍率が25g/g以上であり、かつ、その70重量%以上が、300μmよりも大きい粒子径を有する吸水性樹脂と、モノエタノールアミン、トリエチレンテトラミン、グリシン、グリセリン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、グリコール酸、マロン酸、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウムからなる群より選ばれる少なくとも一種の水溶性化合物とを含吸水性樹脂組成物であって、20g/cm2 (約1.96kPa)の荷重下において、内径60mmの支持円筒内部に撒布された1.5gの当該吸水性樹脂組成物に、直径18mmの開口部を通過して当該吸水性樹脂組成物の樹脂層方向に拡散しながら吸収された、吸収開始から60分間後の生理食塩水(0.9重量%塩化ナトリウム水溶液)の重量を、当該吸水性樹脂組成物中の上記吸水性樹脂の重量で除して得られる拡散吸収倍率が25g/g以上であり、かつ、上記吸収開始から上記吸水性樹脂組成物が60分間かけて吸収していく上記生理食塩水の重量の単位時間当たりの最大吸収量の値で示される拡散吸収指数が1.5g/g・min以上である構成である。
【0186】
また、本発明の吸水性樹脂組成物は、以上のように、上記水溶性化合物が、モノエタノールアミン、グリセリン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルコールである構成である。また、本発明の吸水性樹脂組成物は、以上のように、上記吸水性樹脂の拡散吸収倍率が30g/g以上である構成である。
【0187】
さらに、本発明の吸水性樹脂組成物は、以上のように、アクリル酸および/またはアクリル酸塩を主成分として含む親水性不飽和単量体を重合させて得られるポリアクリル酸(塩)を、表面架橋してなる粉体状の吸水性樹脂と、モノエタノールアミン、グリセリン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルコールと、水不溶性粉体とを含む吸水性樹脂組成物であって、20g/cm2 (約1.96kPa)の荷重下において、内径60mmの支持円筒内部に撒布された1.5gの当該吸水性樹脂組成物に、直径18mmの開口部を通過して当該吸水性樹脂組成物の樹脂層方向に拡散しながら吸収された、吸収開始から60分間後の生理食塩水(0.9重量%塩化ナトリウム水溶液)の重量を、当該吸水性樹脂組成物中の上記吸水性樹脂の重量で除して得られる拡散吸収倍率が25g/g以上であり、かつ、上記吸収開始から上記吸水性樹脂組成物が60分間かけて吸収していく上記生理食塩水の重量の単位時間当たりの最大吸収量の値で示される拡散吸収指数が1.5g/g・min以上である構成である。
【0188】
また、本発明の吸水性樹脂組成物は、以上のように、上記吸水性樹脂は、アクリル酸および/またはアクリル酸塩を主成分として含む親水性不飽和単量体を重合させて得られる、平均粒子径が200μm〜600μmの範囲内で、かつ、粒子径が106μm未満の粒子の割合が10重量%以下のポリアクリル酸(塩)を、表面架橋してなる構成である。
【0189】
さらに、本発明の吸水性樹脂組成物は、以上のように、上記吸水性樹脂は、アクリル酸および/またはアクリル酸塩を主成分として含む親水性不飽和単量体を重合させて得られる、平均粒子径が200μm〜600μmの範囲内で、かつ、粒子径が106μm未満の粒子の割合が10重量%以下のポリアクリル酸(塩)を、該ポリアクリル酸(塩)が有するカルボキシル基と反応可能な、溶解度パラメータが12.5(cal/cm3)1/2以上の第一表面架橋剤、および、溶解度パラメータが12.5(cal/cm3)1/2未満の第二表面架橋剤の存在下で加熱処理することにより表面架橋してなる構成である。
【0190】
また、本発明の吸水性樹脂組成物は、以上のように、さらに、重量平均分子量が5,000以上のポリアミン化合物を含む構成である。
【0191】
これにより、多量の水性液体を素早く吸収することができ、耐尿性および液拡散性に特に優れると共に、比較的高い圧力下での水性液体の戻り量が従来よりも低減された吸水性樹脂組成物を提供することができるという効果を奏する。
【0192】
また、本発明の吸収体は、以上のように、上記の吸水性樹脂組成物と、親水性繊維とを含み、かつ、両者の合計量に対する該吸水性樹脂組成物の割合が40重量%以上である構成である。
【0193】
これにより、吸水性樹脂組成物が備える種々の吸水特性を維持することができ、かつ、単位重量当りの吸水量に優れた吸収体を提供することができるという効果を奏する。該吸収体は、吸水性樹脂組成物を比較的高濃度で含んでいるので、例えば、紙オムツや生理用ナプキン等の衛生材料に好適に用いられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明における吸水性樹脂組成物が示す性能の一つである拡散吸収倍率の測定に用いる測定装置の概略の断面図である。
【図2】 上記測定装置の要部の断面図である。
【図3】 上記測定装置において、生理食塩水の拡散方向を説明する説明図である。
【符号の説明】
1 天秤
2 容器
3 外気吸入パイプ
4 導管
5 測定部
6 ガラスフィルタ
7 濾紙
8 シート
9 支持円筒
10 金網
11 重り
12 生理食塩水

Claims (14)

  1. アクリル酸および/またはアクリル酸塩を主成分として含む親水性不飽和単量体を重合させて得られるポリアクリル酸(塩)を、表面架橋してなる粉体状の吸水性樹脂であって、かつ
    20g/cm2 (約1.96kPa)の荷重下において、内径60mmの支持円筒内部に撒布された1.5gの上記吸水性樹脂に、直径18mmの開口部を通過して上記吸水性樹脂の樹脂層方向に拡散しながら吸収された、吸収開始から60分間後の生理食塩水(0.9重量%塩化ナトリウム水溶液)の重量を、上記吸水性樹脂の重量で除して得られる拡散吸収倍率が25g/g以上であり、かつ、その70重量%以上が、300μmよりも大きい粒子径を有することを特徴とする吸水性樹脂。
  2. 上記ポリアクリル酸(塩)の平均粒子径は200μm〜600μmの範囲内であり、かつ、該ポリアクリル酸(塩)における106μm未満の粒子径を有する粒子の割合が10重量%以下であることを特徴とする請求項1記載の吸水性樹脂。
  3. 上記ポリアクリル酸(塩)を、該ポリアクリル酸(塩)が有するカルボキシル基と反応可能な、溶解度パラメータが12.5 (cal/cm 3 ) 1/2 以上の第一表面架橋剤、および、溶解度パラメータが12.5 (cal/cm 3 ) 1/2 未満の第二表面架橋剤の存在下で加熱処理することにより表面架橋してなることを特徴とする請求項2記載の吸水性樹脂。
  4. 上記拡散吸収倍率が30g/g以上であることを特徴とする請求項1ないし3の何れか1項に記載の吸水性樹脂。
  5. 請求項1記載の吸水性樹脂と、
    モノエタノールアミン、トリエチレンテトラミン、グリシン、グリセリン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、グリコール酸、マロン酸、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウムからなる群より選ばれる少なくとも一種の水溶性化合物とを含んでいることを特徴とする吸水性樹脂組成物。
  6. 水不溶性粉体をさらに含むことを特徴とする請求項5記載の吸水性樹脂組成物。
  7. 請求項1記載の吸水性樹脂と、
    モノエタノールアミン、トリエチレンテトラミン、グリシン、グリセリン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、グリコール酸、マロン酸、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウムからなる群より選ばれる少なくとも一種の水溶性化合物とを含む吸水性樹脂組成物であって、
    20g/cm 2 (約1.96kPa)の荷重下において、内径60mmの支持円筒内部に撒布された1.5gの当該吸水性樹脂組成物に、直径18mmの開口部を通過して当該吸水性樹脂組成物の樹脂層方向に拡散しながら吸収された、吸収開始から60分間後の生理食塩水(0.9重量%塩化ナトリウム水溶液)の重量を、当該吸水性樹脂組成物中の上記吸水性樹脂の重量で除して得られる拡散吸収倍率が25g/g以上であり、かつ、上記吸収開始から上記吸水性樹脂組成物が60分間かけて吸収していく上記生理食塩水の重量の単位時間当たりの最大吸収量の値で示される拡散吸収指数が1.5g/g・min以上であることを特徴とする吸水性樹脂組成物。
  8. 上記水溶性化合物が、モノエタノールアミン、グリセリン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルコールであることを 特徴とする請求項5ないし7の何れか1項に記載の吸水性樹脂組成物。
  9. 上記吸水性樹脂の拡散吸収倍率が30g/g以上であることを特徴とする請求項5ないし8の何れか1項に記載の吸水性樹脂組成物。
  10. アクリル酸および/またはアクリル酸塩を主成分として含む親水性不飽和単量体を重合させて得られるポリアクリル酸(塩)を、表面架橋してなる粉体状の吸水性樹脂と、
    モノエタノールアミン、グリセリン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルコールと、
    水不溶性粉体とを含む吸水性樹脂組成物であって、
    20g/cm 2 (約1.96kPa)の荷重下において、内径60mmの支持円筒内部に撒布された1.5gの当該吸水性樹脂組成物に、直径18mmの開口部を通過して当該吸水性樹脂組成物の樹脂層方向に拡散しながら吸収された、吸収開始から60分間後の生理食塩水(0.9重量%塩化ナトリウム水溶液)の重量を、当該吸水性樹脂組成物中の上記吸水性樹脂の重量で除して得られる拡散吸収倍率が25g/g以上であり、かつ、上記吸収開始から上記吸水性樹脂組成物が60分間かけて吸収していく上記生理食塩水の重量の単位時間当たりの最大吸収量の値で示される拡散吸収指数が1.5g/g・min以上であることを特徴とする吸水性樹脂組成物。
  11. 上記吸水性樹脂は、アクリル酸および/またはアクリル酸塩を主成分として含む親水性不飽和単量体を重合させて得られる、平均粒子径が200μm〜600μmの範囲内で、かつ、粒子径が106μm未満の粒子の割合が10重量%以下のポリアクリル酸(塩)を表面架橋してなることを特徴とする請求項5ないし10の何れか1項に記載の吸水性樹脂組成物。
  12. 上記吸水性樹脂は、アクリル酸および/またはアクリル酸塩を主成分として含む親水性不飽和単量体を重合させて得られる、平均粒子径が200μm〜600μmの範囲内で、かつ、粒子径が106μm未満の粒子の割合が10重量%以下のポリアクリル酸(塩)を、該ポリアクリル酸(塩)が有するカルボキシル基と反応可能な、溶解度パラメータが12.5 (cal/cm 3 ) 1/2 以上の第一表面架橋剤、および、溶解度パラメータが12.5 (cal/cm 3 ) 1/2 未満の第二表面架橋剤の存在下で加熱処理することにより表面架橋してなることを特徴とする請求項5ないし10の何れか1項に記載の吸水性樹脂組成物。
  13. さらに、重量平均分子量が5,000以上のポリアミン化合物を含むことを特徴とする請求項5ないし12の何れか1項に記載の吸水性樹脂組成物。
  14. 請求項5ないし13の何れか1項に記載の吸水性樹脂組成物と、親水性繊維とを含み、かつ、両者の合計量に対する該吸水性樹脂組成物の割合が40重量%以上であることを特徴とする吸収体。
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