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JP4950849B2 - 水変色性積層体 - Google Patents

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Description

本発明は水変色性積層体に関する。更に詳細には、耐久性を向上させた水変色性積層体に関する。
従来、支持体上に低屈折率顔料をバインダー樹脂に分散状態に固着させた、吸液状態と非吸液状態で透明性が異なる多孔質層を設けた変色性積層体に関して幾つかの提案が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
前記積層体は、多孔質層が乾燥状態(非吸液状態)においては下層が隠蔽され、多孔質層に水を吸液させると透明化して下層の色調を視認できるものであり、意外性と変化性を有するものである。
特公昭52−44103号公報
本発明は、前記積層体の耐擦過性、即ち、多孔質層に傷が付いたり、多孔質層の厚みが擦過により薄くなったり、或いは、剥離して変色機能が低下することなく、繰り返しの実用性を満足させた水変色性積層体を提供しようとするものである。
本発明は、支持体上に低屈折率顔料をバインダー樹脂に分散状態に固着させた、吸液状態と非吸液状態で透明性が異なる多孔質層を設け、前記多孔質層上に多孔質粒状体又は非球形粒状体をバインダー樹脂中に分散させた保護層を設けてなり、前記保護層の厚みA(μm)と、保護層中の単位面積当りの多孔質粒状体又は非球状粒状体の質量B(g/m )が下記関係式(1)及び(2)を満たす水変色性積層体を要件とする。
1+2B≦A≦3.5+2B (1)
0.5≦B≦2.5 (2)
更には、前記保護層中の粒状体のうち、有機物からなる粒状体が10〜100体積%を占めること、前記保護層が、屈折率1.45〜1.65のバインダー樹脂と、平均粒子径0.1〜10μm、且つ、屈折率1.45〜1.65の粒状体とから構成されること等を要件とする。
本発明は、多孔質層の吸液状態と非吸液状態で透明性が異なる機能を損なうことなく、耐擦過性を満足させ、水の適用による変色を永続して発現可能な実用性に富む水変色性積層体を提供することができる。
前記支持体は印刷適性を備えた基材であれば全て有効であり、例えば、紙、合成紙、織物、編物、組物、不織布等の布帛、天然又は合成皮革、プラスチック、ガラス、陶磁器、金属、木材、石材等が用いられる。又、形状としては平面状のものが好ましいが、凹凸状の形態であってもよい。
前記支持体上に設けられる多孔質層は、低屈折率顔料をバインダー樹脂と共に分散状態に固着させた層であり、乾燥状態と吸液状態で透明性が異なる層である。
前記低屈折率顔料としては、珪酸及びその塩、バライト粉、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、石膏、クレー、タルク、アルミナホワイト、炭酸マグネシウム等が挙げられ、これらは屈折率が1.4〜1.8の範囲にあり、水を吸液すると良好な透明性を示すものである。
なお、前記珪酸の塩としては、珪酸アルミニウム、珪酸アルミニウムカリウム、珪酸アルミニウムナトリウム、珪酸アルミニウムカルシウム、珪酸カリウム、珪酸カルシウム、珪酸カルシウムナトリウム、珪酸ナトリウム、珪酸マグネシウム、珪酸マグネシウムカリウム等が挙げられる。
又、前記低屈折率顔料は2種以上を併用することもできる。
前記低屈折率顔料の粒径は特に限定されるものではないが、0.03〜10.0μmのものが好適に用いられる。
尚、好適に用いられる低屈折率顔料としては珪酸が挙げられる。
前記珪酸は、乾式法により製造させる珪酸であってもよいが、湿式法により製造される珪酸(以下、湿式法珪酸と称する)が特に効果的であり、この点を説明すると、珪酸は非晶質の無定形珪酸として製造され、その製造方法により、四塩化ケイ素等のハロゲン化ケイ素の熱分解等の気相反応を用いる乾式法によるもの(以下、乾式法珪酸と称する)と、ケイ酸ナトリウム等の酸による分解等の液相反応を用いる湿式法によるものとに大別され、乾式法珪酸と湿式法珪酸とでは構造が異なり、前記乾式法珪酸は珪酸が密に結合した三次元構造を形成するのに対して、湿式法珪酸は、珪酸が縮合して長い分子配列を形成した、所謂、二次元構造部分を有している。
従って、前記乾式法珪酸と比較して分子構造が粗になるため、湿式法珪酸を多孔質層に適用した場合、乾式法珪酸を用いる系と比較して乾燥状態における光の乱反射性に優れ、よって、常態での隠蔽性が大きくなるものと推察される。
又、前記多孔質層においては、水を吸液させるものであるから、湿式法珪酸は乾式法珪酸に比べて粒子表面にシラノール基として存在する水酸基が多く、親水性の度合いが大であり、好適に用いられる。
尚、前記多孔質層の常態での隠蔽性と吸液状態での透明性を調整するために、湿式法珪酸と共に、他の汎用の低屈折率顔料を併用することもできる。
前記多孔質層中の低屈折率顔料は、粒子径、比表面積、吸油量等の性状に左右されるが、常態での隠蔽性と吸液状態での透明性を共に満足するためには、塗布量が1〜30g/mであることが好ましく、より好ましくは、5〜20g/mである。1g/m未満では、常態で十分な隠蔽性を得ることが困難であり、又、30g/mを越えると吸液時に十分な透明性を得ることが困難である。
前記低屈折率顔料はバインダー樹脂を結合剤として含むビヒクル中に分散され、透光性支持体に塗布した後、揮発分を乾燥させて多孔質層を形成する。
前記バインダー樹脂としては、ウレタン系樹脂、ナイロン樹脂、酢酸ビニル樹脂、アクリル酸エステル樹脂、アクリル酸エステル共重合樹脂、アクリルポリオール樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、マレイン酸樹脂、ポリエステル樹脂、スチレン樹脂、スチレン共重合樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、エポキシ樹脂、スチレン−ブタジエン共重合樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン共重合樹脂、メタクリル酸メチル−ブタジエン共重合樹脂、ブタジエン樹脂、クロロプレン樹脂、メラミン樹脂、及び前記各樹脂エマルジョン、カゼイン、澱粉、セルロース誘導体、ポリビニルアルコール、尿素樹脂、フェノール樹脂等が挙げられる。
前記低屈折率顔料とこれらのバインダー樹脂の混合比率は、低屈折率顔料の種類及び性状に左右されるが、好ましくは、低屈折率顔料1質量部に対してバインダー樹脂固形分0.5〜2質量部であり、より好ましくは、0.8〜1.5質量部である。低屈折率顔料1質量部に対してバインダー樹脂固形分が0.5質量部未満の場合には、前記多孔質層の実用的な皮膜強度を得ることが困難であり、2質量部を越える場合には、前記多孔質層内部への水の浸透性が悪くなる。
前記多孔質層は、一般的な塗膜と比較して着色剤に対するバインダー樹脂の混合比率が小さいため、十分な皮膜強度が得られ難い。そこで、耐擦過強度を高めるために、前記のバインダー樹脂のうち、ナイロン樹脂又はウレタン系樹脂を用いると効果的である。
前記ウレタン系樹脂としては、ポリエステル系ウレタン樹脂、ポリカーボネート系ウレタン樹脂、ポリエーテル系ウレタン樹脂等があり、2種以上を併用することもできる。又、前記樹脂が水に乳化分散したウレタン系エマルジョン樹脂や、イオン性を有するウレタン樹脂(ウレタンアイオノマー)自体のイオン基により乳化剤を必要とすることなく自己乳化して、水中に溶解乃至分散したコロイド分散型(アイオノマー型)ウレタン樹脂を用いることもできる。
尚、前記ウレタン系樹脂は水性ウレタン系樹脂又は油性ウレタン系樹脂のいずれを用いることもできるが、本発明においては水性ウレタン系樹脂、殊に、ウレタン系エマルジョン樹脂やコロイド分散型ウレタン系樹脂が好適に用いられる。
前記ウレタン系樹脂は単独で用いることもできるが、透光性支持体の種類や皮膜に必要とされる性能に応じて、他のバインダー樹脂を併用することもできる。ウレタン系樹脂以外のバインダー樹脂を併用する場合、実用的な皮膜強度を得るためには、前記多孔質層のバインダー樹脂中にウレタン系樹脂を固形分質量比率で30%以上含有させることが好ましい。
前記バインダー樹脂において、架橋性のものは任意の架橋剤を添加して架橋させることにより、さらに皮膜強度を向上させることができる。
前記バインダー樹脂には、水との親和性に大小が存在するが、これらを組み合わせることにより、多孔質層中への浸透時間、浸透度合い、浸透後の乾燥の遅速を調整することができる。更には、適宜分散剤や界面活性剤を添加して前記調整をコントロールすることができる。
前記多孔質層は、スクリーン印刷、オフセット印刷、グラビヤ印刷、コーター、タンポ印刷、転写等の印刷手段、刷毛塗り、スプレー塗装、静電塗装、電着塗装、流し塗り、ローラー塗り、浸漬塗装等により支持体上に形成できる。
前記多孔質層上に設けられる保護層は、該層を通して多孔質層が水を吸液したり、或いは、乾燥するための水透過性を有すると共に、保護層として十分な被膜強度及び透明性が必要である。
保護層が水透過性を有するためには、該層に連通孔を備えることが必要である。
また、十分な被膜強度を有するためには、保護層を厚くすることが好ましいが、該層を厚くすると層自体の透明性が低下して多孔質層の吸液状態と非吸液状態での明瞭な色変化を視認できなくなると共に、水透過性も損ない易くなる。
これらの問題点を解消すべく、一定以上の塗膜強度と透明性を保つ範囲で保護層中に非球形粒状体又は多孔質粒状体を含有させて連通孔を形成して保護層の水透過性を向上させる。
記要件を満たすため、保護層中の単位面積当りの多孔質粒状体又は非球状粒状体の質量B(g/m)は範囲があり、保護層の膜厚A(μm)との間に下記関係式(1)及び(2)が成り立つ。
1+2B≦A≦3.5+2B (1)
0.5≦B≦2.5 (2)
多孔質粒状体又は非球状粒状体の質量Bが0.5g/m未満では多孔質層への水の通過を保護層が阻害し易くなるため、変色鋭敏性が低下したり、変色し難くなる。
一方、質量Bが2.5g/mを超えると、保護層の塗膜強度が弱くなるため、多孔質層に対する保護層としての機能に乏しくなる。
また、保護層の膜厚A(μm)が1+2B未満の場合、保護層の塗膜強度が弱くなるため、多孔質層に対する保護層としての機能に乏しくなる。
一方、保護層の膜厚A(μm)が3.5+2Bを超える場合、多孔質層への水の通過を保護層が阻害し易くなるため、変色鋭敏性が低下したり、変色し難くなる。
また、保護層を形成するバインダー樹脂と、粒状体について、屈折率1.45〜1.65のバインダー樹脂と、平均粒子径0.1〜10μm、且つ、屈折率1.45〜1.65の粒状体を用いることにより、保護層の透明性が向上し、下層に設けた多孔質層の吸液時及び非吸液時の変化を損なうことなく観察できる。
バインダー樹脂の屈折率と粒状体の屈折率が大きく異なる場合、保護層が白濁し、下層の多孔質層の吸液時及び非吸液時の色変化を視認でき難くなる。
更に、保護層中の粒状体の粒子径が大きい場合、保護層の強度が低下し、粒子径が小さい場合、保護層の水透過性を阻害し易くなる。
前記非球形粒状体又は多孔質粒状体としては、偏平状粒状体やラズベリー状粒状体等の非球形粒状体、中空粒子等の多孔質粒状体が挙げられる。
なお、偏平状粒状体は球状粒子を押しつぶして偏平にした粒状体であってもよい。
前記偏平状粒状体は、円形や楕円形等の円板形状、中央部に貫通孔を有するドーナツ形状、一方の面の中央部が陥没した形状の合成樹脂製粒状体が挙げられる。
前記粒状体としては、三井化学(株)製、商品名:ミューティクルPP240D(スチレン樹脂、粒子径0.5μm、屈折率1.6)、ミューティクルPP2000TX(スチレンアクリル樹脂、粒子径0.5μm、屈折率1.6)を例示できる。
前記ラズベリー状粒状体としては、日本ゼオン(株)製、商品名:LX407BP(スチレンブタジエン樹脂、粒子径0.4μm、屈折率1.5)を例示できる。
前記中空粒子は、内部に空隙を有する粒子であり外壁に多孔性を備える。
形状は球状の他、偏平状であってもよい。
前記中空粒子としては、日本ゼオン(株)製、商品名:ローペイクHP−1055(スチレンアクリル樹脂、粒子径1μm、屈折率1.5)、ローペイクHP−91(スチレンアクリル樹脂、粒子径1μm、屈折率1.5)、ローペイクOP−84J(スチレンアクリル樹脂、粒子径0.6μm、屈折率1.5)、ローペイクHP−433J(スチレンアクリル樹脂、粒子径0.4μm、屈折率1.5)、
NIPOL MH5055(スチレンアクリル樹脂、粒子径0.5μm、屈折率1.5)、
JSR(株)製、商品名:SX866(スチレンアクリル樹脂、粒子径0.3μm、屈折率1.5)、SX8782(スチレンアクリル樹脂、粒子径1μm、屈折率1.5)を
例示できる。
前記積層体に水を付着させる手段としては、先端部に筆穂や繊維ペン体等を有する筆記又は塗布具、容器内に水を収容し、且つ、容器内の水を導出する繊維体や刷毛を設けた筆記具又は塗布具、ローラー形態の塗布具、スタンプ具等の水付着具を用いることができる。
なお、好ましい水付着具としては、容器内に水を収容し、且つ、容器内の水を導出する連続気孔を有するプラスチック多孔体又は繊維加工体をペン先部材として適用した筆記具又は塗布具であり、筆跡を簡便に形成でき、実用性を高めることができる。
前記における連続気孔を有するプラスチック多孔体又は繊維加工体は、水を適宜量、吸収し、吐出させるものであればよく、ポリオレフィン系、ポリウレタン系、ポリエステル系、その他各種プラスチックの連続気孔体や繊維を集束させた毛筆状のもの、繊維の樹脂加工又は熱溶着加工によるもの、フェルト、不織布形態のものを挙げることができ、形状、寸法は目的に応じて任意に設定できる。
以下に実施例を示すが、本発明はこれらの実施例に限定されない。なお、実施例中の部は質量部を示す。
実施例1
支持体として白色の合成紙上に、ピンク色蛍光顔料〔商品名:エポカラーFP−10、旭成化学(株)製〕10部、アクリル酸エマルジョン(固形部50%)50部、シリコーン系消泡剤0.2部、水系インキ増粘剤3部、湿潤剤2部、レベリング剤1部、水10部、エポキシ系架橋剤2.5部を均一に混合、攪拌してなる蛍光ピンク色スクリーンインキを用いて、180メッシュのスクリーン版にてベタ印刷し着色層を形成した。
次いで、前記着色層上に、湿式法珪酸〔商品名:ニップシールE−200A、日本シリカ工業(株)製〕15部、ウレタンエマルジョン〔商品名:ハイドランAP−10、大日本インキ化学工業(株)製、固形分30%〕50部、水30部、シリコーン系消泡剤0.5部、水系インキ増粘剤3部、エチレングリコール1部、ブロックイソシアネート系架橋剤2部を均一に混合、攪拌してなる白色スクリーン印刷用インキを用いて、120メッシュのスクリーン版にて全面にベタ印刷し、70℃で5分間乾燥硬化させて多孔質層を形成した。
次いで、多孔質層上に、樹脂粒子〔ミューティクルPP240D、三井化学(株)製〕4.5部、湿式法珪酸〔商品名:サイシリア730、日本シリカ工業(株)製〕4.5部、アクリルエマルジョン〔商品名:NeoRez A−612、DSM社製、固形分32%〕60部、シリコーン系消泡剤0.5部、水系インキ増粘剤3部、エチレングリコール1部、ブロックイソシアネート系架橋剤2部を均一に混合、攪拌してなるスクリーン印刷用インキを用いて、180メッシュのスクリーン版にてベタ印刷し、70℃で5分間乾燥硬化させて保護層(膜厚5μm、粒状物1.5g/m含有)を形成して変色性積層体を得た。
前記変色性積層体は、乾燥状態では全面が白色の多孔質層が視認できた。保護層の上から水を付着させると多孔質層が吸液により無色透明に変化し着色層のピンク色が視認され、水が蒸発することにより全面が白色の状態に戻った。
比較例1
実施例1と同様の支持体上に、実施例1と同様の着色層、多孔質層を形成して変色性積層体を得た。
前記変色性積層体は、乾燥状態では全面が白色の多孔質層が視認できた。水を付着させると多孔質層が吸液により無色透明に変化し着色層のピンク色が視認され、水が蒸発することにより全面が白色の状態に戻った。
比較例2
実施例1と同様の支持体上に、実施例1と同様の着色層、多孔質層を形成した。
次いで、前記多孔質層上に、樹脂粒子〔ミューティクルPP240D、三井化学(株)製〕3部、湿式法珪酸〔商品名:サイシリア730、日本シリカ工業(株)製〕3部、アクリルエマルジョン〔商品名:NeoRez A−612、DSM社製、固形分32%〕60部、シリコーン系消泡剤0.5部、水系インキ増粘剤3部、エチレングリコール1部、ブロックイソシアネート系架橋剤2部を均一に混合、攪拌してなるスクリーン印刷用インキを用いて、120メッシュのスクリーン版にてベタ印刷し、70℃で5分間乾燥硬化させて保護層(膜厚8μm、粒状物1.5g/m含有)を形成して変色性積層体を得た。
前記変色性積層体は、乾燥状態では全面が白色の多孔質層が視認できた。保護層の上から水を付着させても多孔質層は、保護層により吸液が阻害されて色変化に乏しいものであった。
比較例3
実施例1と同様の支持体上に、実施例1と同様の着色層、多孔質層を形成した。
次いで、前記多孔質層上に、樹脂粒子〔ミューティクルPP240D、三井化学(株)製〕8部、湿式法珪酸〔商品名:サイシリア730、日本シリカ工業(株)製〕8部、アクリルエマルジョン〔商品名:NeoRez A−612、DSM社製、固形分32%〕60部、シリコーン系消泡剤0.5部、水系インキ増粘剤3部、エチレングリコール1部、ブロックイソシアネート系架橋剤2部を均一に混合、攪拌してなるスクリーン印刷用インキを用いて、250メッシュのスクリーン版にてベタ印刷し、70℃で5分間乾燥硬化させて保護層(膜厚3μm、粒状物1.5g/m含有)を形成して変色性積層体を得た。
前記変色性積層体は、乾燥状態では全面が白色の多孔質層が視認できた。保護層の上から水を付着させると多孔質層が吸液により無色透明に変化し着色層のピンク色が視認され、水が蒸発することにより全面が白色の状態に戻った。
比較例4
実施例1と同様の支持体上に、実施例1と同様の着色層、多孔質層を形成した。
次いで、前記多孔質層上に、樹脂粒子〔ミューティクルPP240D、三井化学(株)製〕2部、湿式法珪酸〔商品名:サイシリア730、日本シリカ工業(株)製〕2部、アクリルエマルジョン〔商品名:NeoRez A−612、DSM社製、固形分32%〕60部、シリコーン系消泡剤0.5部、水系インキ増粘剤3部、エチレングリコール1部、ブロックイソシアネート系架橋剤2部を均一に混合、攪拌してなるスクリーン印刷用インキを用いて、250メッシュのスクリーン版にてベタ印刷し、70℃で5分間乾燥硬化させて保護層(膜厚3μm、粒状物0.4g/m含有)を形成して変色性積層体を得た。
前記変色性積層体は、乾燥状態では全面が白色の多孔質層が視認できた。保護層の上から水を付着させても多孔質層は、保護層により吸液が阻害され色変化に乏しかった。
実施例2
支持体として白色の合成紙上に、ピンク色顔料10部、アクリル酸エマルジョン(固形部50%)50部、シリコーン系消泡剤0.2部、水系インキ増粘剤3部、湿潤剤2部、レベリング剤1部、水10部、エポキシ系架橋剤2.5部を均一に混合、攪拌してなる蛍光ピンク色スクリーンインキを用いて、180メッシュのスクリーン版にて「A」の文字を印刷した。
次いで、前記文字上に、湿式法珪酸〔商品名:ニップシールE−200A、日本シリカ工業(株)製〕15部、ウレタンエマルジョン〔商品名:ハイドランAP−10、大日本インキ化学工業(株)製、固形分30%〕50部、水30部、シリコーン系消泡剤0.5部、水系インキ増粘剤3部、エチレングリコール1部、ブロックイソシアネート系架橋剤2部を均一に混合、攪拌してなる白色スクリーン印刷用インキを用いて、120メッシュのスクリーン版にて全面にベタ印刷し、70℃で5分間乾燥硬化させて多孔質層を形成した。
次いで、前記多孔質層上に、樹脂粒子〔ミューティクルPP240D、三井化学(株)製〕11部、アクリルエマルジョン〔商品名:NeoRez A−612、DSM社製、固形分32%〕60部、シリコーン系消泡剤0.5部、水系インキ増粘剤3部、エチレングリコール1部、ブロックイソシアネート系架橋剤2部を均一に混合、攪拌してなるスクリーン印刷用インキを用いて、180メッシュのスクリーン版にてベタ印刷して保護層(膜厚5μm、粒状物1.8g/m含有)を形成して変色性積層体を得た。
前記変色性積層体は、乾燥状態では全面が白色の多孔質層が視認できた。保護層の上から水を付着させると多孔質層が吸液により無色透明に変化し下層のピンクの文字Aが明確に視認され、水が蒸発することにより全面が白色の状態に戻った。
比較例5
実施例2と同様の支持体上に、実施例2と同様の「A」の文字、多孔質層を形成して変色性積層体を得た。
前記変色性積層体は、乾燥状態では全面が白色の多孔質層が視認できた。水を付着させると多孔質層が吸液により無色透明に変化し下層のピンクの文字Aが明確に視認され、水が蒸発することにより全面が白色の状態に戻った。
以下の表に実施例1及び2及び比較例1乃至4の各変色性積層体を水に濡らした時の目視による変色性試験の結果、摩擦試験機による耐擦過性試験の結果を示す。
なお、耐擦過性試験は、摩擦試験機2型(学振型)〔スガ試験機(株)製〕を用い、上部の摩擦子に綿布(かなきん3号、JIS L 0803準拠、JIS染色堅牢度試験用)を取り付け、前記摩擦子を700gの加重下で変色性積層体の試験片上に毎分30往復の速度で10cmの間を500回水平往復運動させることにより行った。
前記耐擦過性試験は、試験片を水に濡らした状態(吸液状態)で行った。
Figure 0004950849
変色性試験
○:十分な透明性を有する。
△:下層の色調、模様が不鮮明に視認され実用的な透明性がない。
×:下層の色調、模様が視認されない。
耐擦過性試験
○:擦過による皮膜の劣化がない。
△:擦過による皮膜の劣化が大きく、実用的な皮膜強度を有さない。
×:擦過により多孔質層が消失する。
試験結果に見られるように本発明の変色性積層体は、比較例の積層体と比べ、水で濡らすことによる良好な変色性を維持したまま、耐擦過性の向上を示した。

Claims (3)

  1. 支持体上に低屈折率顔料をバインダー樹脂に分散状態に固着させた、吸液状態と非吸液状態で透明性が異なる多孔質層を設け、前記多孔質層上に多孔質粒状体又は非球形粒状体をバインダー樹脂中に分散させた保護層を設けてなり、前記保護層の厚みA(μm)と、保護層中の単位面積当りの多孔質粒状体又は非球状粒状体の質量B(g/m )が下記関係式(1)及び(2)を満たす水変色性積層体。
    1+2B≦A≦3.5+2B (1)
    0.5≦B≦2.5 (2)
  2. 前記保護層中の粒状体のうち、有機物からなる粒状体が10〜100体積%を占める請求項1記載の水変色性積層体。
  3. 前記保護層が、屈折率1.45〜1.65のバインダー樹脂と、平均粒子径0.1〜10μm、且つ、屈折率1.45〜1.65の粒状体とから構成される請求項1又は2記載の水変色性積層体。
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