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JP4933757B2 - 非電子伝導性組成傾斜型固体電解質膜 - Google Patents

非電子伝導性組成傾斜型固体電解質膜 Download PDF

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JP4933757B2 JP2005257139A JP2005257139A JP4933757B2 JP 4933757 B2 JP4933757 B2 JP 4933757B2 JP 2005257139 A JP2005257139 A JP 2005257139A JP 2005257139 A JP2005257139 A JP 2005257139A JP 4933757 B2 JP4933757 B2 JP 4933757B2
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Description

本発明は、非電子伝導性の固体電解質膜に関する。
例えば、固体酸化物型燃料電池(以下、SOFCという)は、発電効率が高く、環境負荷が低く、しかも多様な燃料の使用が可能である等の利点があるため、次世代の発電装置として開発が進められている。SOFCは、一般に、酸化物イオン伝導体から成る固体電解質緻密膜層に空気極層(すなわちカソード)と燃料極層(すなわちアノード)とを積層した構造が採られ、カソード側に空気を、アノード側に水素含有ガスを流して用いられる。これらカソードおよびアノードは、ガス拡散性の高い多孔質膜で構成される。このようなSOFCにおいては、カソード側に供給された空気中の酸素は、電気化学的に還元されて酸素イオンになり、電解質層内をアノードに向かって移動する。アノードに到達した酸素イオンは、アノード側に供給されたガス中の水素等を酸化して外部負荷に電子を放出し、電気エネルギーを生成する。
上記SOFC用の固体電解質に求められる材料特性としては、幅広い酸素分圧範囲における高いイオン伝導性、低い電子伝導性、耐熱性、還元耐久性、機械的強度が挙げられる。この中でもイオン伝導性は固体電解質に要求される本質的な特性であって、SOFCの発電性能に直接的に影響を及ぼす。近年、SOFCの低温作動化の方向性に呼応して、例えば700〜800(℃)程度の低温域における高いイオン伝導性が要求されるに至っている。
ところで、SOFC用の固体電解質としては、イットリア安定化ジルコニア(以下、YSZという)が、化学的安定性が高く且つ機械的強度が高いことから広く用いられている。しかしながら、YSZのイオン伝導率は十分に高いとは言えず、とりわけ800(℃)以下の低温域ではイオン伝導率は極めて低くなり、0.01(S/cm)以下に過ぎない。そのため、YSZを電解質として用いるSOFCの作動温度は、一般に1000(℃)付近になることから、周辺部材の高い耐熱性が要求されるのでステンレス鋼等の汎用材料が利用し難い問題がある。
なお、YSZから成る固体電解質を例えば10(μm)程度の薄膜に構成して抵抗値を小さくすることにより、低温作動を可能とする取り組みが多数為されている。しかしながら、薄膜の固体電解質は多孔質支持体上に設けて機械的強度を補う必要があると共に、製造方法が特殊な方法に限定される問題がある。また、このような構成では、長期間に亘る使用時に温度変化に繰り返し曝されることに起因する電解質膜の破損が生じないように、多孔質支持体と固体電解質との熱膨張係数の相違やそれらとアノードおよびカソードとの熱膨張係数の相違等を可及的に小さくする必要もある。更に、多孔質支持体が固体電解質の表面或いは裏面へのガス供給の妨げとならないように、ガス拡散性能の可及的に高い支持体を用いる必要がある。すなわち、YSZをSOFC用の固体電解質として用いることは、特に低温作動化を考慮すると著しく困難である。
これに対して、YSZよりも10倍以上高いイオン伝導率を有する固体電解質材料として、LaGaOx系材料が提案されている(例えば、特許文献1,2等を参照)。このLaGaOx系材料は、低温域でも高いイオン伝導率を有することから、この点ではYSZよりも有利であるが、機械的強度や還元耐久性はYSZに比べて劣る(すなわち耐久性が低い)問題がある。
例えば、YSZ緻密体の曲げ強度が800〜1000(MPa)程度であるのに対し、LaGaOx系材料の曲げ強度は200(MPa)程度に過ぎない。そこで、LaGaOx系材料の強度向上を目的として、アルミナ粉末を添加した焼結体(特許文献3等を参照)、アルミニウムでペロブスカイト構造の一部を置換した焼結体(特許文献4等を参照)、AサイトのGaの一部をアルミニウムやマグネシウム等で置換した(すなわちアルミニウムやマグネシウム等が固溶した)焼結体(特許文献5等を参照)、LaGaO3系酸化物にチタンまたはバナジウムを含有させた焼結体(特許文献6等を参照)等が提案されている。しかしながら、これらの焼結体も、強度はせいぜい400(MPa)程度に留まり、YSZの半分程度に過ぎない。
また、前述したように、SOFC用固体電解質は使用時に一面が還元雰囲気に曝され、他面が酸化雰囲気に曝されることとなるが、還元耐久性は、このような環境下における割れや破壊の生じ難さをいうものである。LaGaOx系材料は、還元雰囲気において酸化雰囲気よりも大きな体積膨張を示すことから、固体電解質膜に用いられると膜の両面で体積膨張が相違するので、SOFCを長期間に亘って作動させると膜に応力が繰り返し作用するため、割れなどが生じ易いのである。
また、LaGaOx系材料と同様に、YSZよりも10倍以上高いイオン伝導率を有する固体電解質材料として、SmやGdをドープしたCeO2系酸化物も見出されている。しかしながら、このCeO2系酸化物は、還元雰囲気において電子伝導性が発現すると共に、還元雰囲気における体積膨張が著しく大きい問題がある。
特開平09−161824号公報 特開平11−335164号公報 特開2000−044340号公報 特開2000−226260号公報 特開2001−332122号公報 特開2003−112973号公報 特開平05−151981号公報 特開平07−296838号公報 特開平09−266000号公報 特開2001−052722号公報 特開2002−015756号公報
上述したように、従来から知られているイオン伝導率の高い固体電解質材料は、還元雰囲気において酸化雰囲気よりも大きな体積膨張を示す。還元雰囲気における体積膨張すなわち還元膨張は、酸素イオンの伝導に起因するもので、一般に、酸素イオン伝導率の大きな固体電解質材料ほど還元膨張が大きい。すなわち、高い発電特性が得られるようにイオン伝導率の高い固体電解質材料を適用すると、還元膨張率が大きくなるので還元耐久性は低下することとなる。なお、還元膨張率(%)は、還元雰囲気下における熱膨張率をEred(%)、空気雰囲気下における熱膨張率をEair(%)としたとき、下記(1)式で与えられる。
[{(1+Ered/100)-(1+Eair/100)}/(1+Eair/100)]×100 ・・・(1)
また、材料の体積膨張と強度とが判っていれば、膜が理論的に破損する体積膨張率(限界体積膨張率)Emは下記(2)式で算出できる。なお、下記(2)式において、Stは引張り強度、νはポアソン比、Esはヤング率である。
m = [St×(1−2ν)/Es/1000]×100 ・・・(2)
前述したLaGaOx系材料およびCeO2系材料は、何れも焼結状態(例えば焼結密度や焼結体の結晶粒径等)に応じてヤング率やポアソン比が変化する。そこで、LaGaOx系材料の代表的な組成例La0.9Sr0.1Ga0.8Mg0.2Oxについて、その一般的な物性(ヤング率100(GPa)、ポアソン比0.3)を用いて上記(2)式から限界体積膨張率を算出すると、0.015(%)程度になる。経験的に、還元膨張率が限界体積膨張率の3〜10倍程度まで大きくなると、発生する応力で膜が破損する。そのため、上記組成例の場合には、例えば0.045(%)以上の還元膨張率で膜破損が生じる可能性があるが、下記の表1に示すように、その還元膨張率は0.05(%)であるから、上記組成例は還元耐久性を満足できる下限値近傍にある。
Figure 0004933757
但し、SOFCに適用するに際しては、発電装置の安全性を考慮する必要があることから、現実には限界体積膨張率よりも還元膨張率が小さいことが必要となる。すなわち、La0.9Sr0.1Ga0.8Mg0.2Oxの場合には、例えば0.01(%)以下の還元膨張率が望ましい。各種固体電解質材料について、前記(2)式に従って同様に計算すると、何れも限界体積膨張率は0.02〜0.03(%)程度であり、0.01(%)以下の還元膨張率が要求されることになる。上記の表1に示すように、LaGaOx系材料およびCeO2系材料(イオン伝導率が低いCeO2等を除く)の何れも、還元膨張率はそれよりも遙かに大きい値であり、還元膨張率が低くなるほど酸素イオン伝導率も低くなるから、酸素イオン伝導率が高い材料では還元耐久性を満足し得ないことが明らかである。
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであって、その目的は、酸素イオン伝導度が高く且つ還元耐久性の優れた非電子伝導性固体電解質膜を提供することにある。
斯かる目的を達成するための本発明の非電子伝導性組成傾斜型固体電解質膜の要旨とするところは、(a)一般式(La 1-x Sr x)(Gay Mg 1-y)O3(但し、0<1、01、以下、一般式 1 という)で表されるペロブスカイト複合酸化物である第1の固体電解質から成る第1層と、(b)一般式(La 1-p Sr p )(Ga q Mg 1-q-r Co r )O 3 (但し、0<p<1、0<q<1、0≦r<1、以下、一般式C 2 という)で表されるペロブスカイト複合酸化物または一般式Ce z C 1-z O δ (CはSm,Gd,Ca,Yのうちから選ばれる1種または2種以上の組み合わせ、0<z<1、以下、一般式C 3 という)で表されるセリウム酸化物であって前記第1の固体電解質よりも還元膨張率が大きい第2の固体電解質から成り且つ前記第1層に積層された第2層とを、含むことにある。
このようにすれば、固体電解質膜は、第1の固体電解質から成る第1層に第2の固体電解質から成る第2層が積層された積層構造に構成される。この積層構造において、第2層を構成する第2の固体電解質は、第1層を構成する第1の固体電解質よりも還元膨張率が大きい特性を有するが、上記一般式 1 、C 2 で表されるペロブスカイト化合物および一般式C 3 で表されるセリウム酸化物は、何れも酸素イオン伝導率と還元耐久性とがトレードオフの関係にある。そのため、上記固体電解質膜は、相対的に還元膨張率が小さく且つ酸素イオン伝導率の低い第1層に、相対的に還元膨張率が大きく且つ酸素イオン伝導率の高い第2層が積層された積層体、すなわち、相互に組成の異なる2つの固体電解質を酸素イオンの移動方向に積層した組成傾斜型の固体電解質膜になる。
したがって、固体電解質膜を使用するに際して、相対的に還元膨張率が小さい第1層を還元雰囲気側に配置すれば、相対的に酸素イオン伝導率の高い第2層がその第1層によって還元雰囲気から保護される。このとき、第1層内には、その膜厚やこれを構成する第1の固体電解質の組成に応じて、還元雰囲気側から第2層に向かうに従って高くなるように酸素分圧の傾斜が形成されるため、第1層と第2層との界面における酸素分圧はその傾斜の程度に応じて高くなる。そこで、それら膜厚や組成を、第1層自体の還元膨張が十分に抑制され且つ前記界面における酸素分圧が十分に低くなるように定めることによって、還元膨張率の大きい第2層の還元膨張を抑制し、延いては固体電解質膜全体の還元耐久性を十分に高めることができる。
ところで、第1層は酸素イオン伝導率が低い第1の固体電解質で構成されているが、固体電解質の酸素イオン伝導度は膜厚に略反比例する。すなわち、固体電解質の組成が同一であれば、膜厚を薄くするほど酸素イオン伝導度が高められる。そのため、膜厚を適宜定めることにより、第1の固体電解質の酸素イオン伝導率が低くとも、固体電解質膜全体を第2の固体電解質で構成した場合に対する酸素イオン伝導度の低下を抑制し、延いては十分に高い酸素イオン伝導度を得ることができる。例えば、固体電解質膜全体を第2の固体電解質で構成した場合における酸素イオン伝導度よりも、第1層内における酸素イオン伝導度が高くなるようにその第1層の膜厚を設定すれば、その第1層を積層することによる酸素イオン伝導度の低下が殆ど無視できるので、第2層のみで構成する場合と同程度の酸素イオン伝導度を得ることができる。
上記により、要求される還元耐久性と所望する酸素イオン伝導度とを比較考量して、第1層および第2層の膜厚や、第1の固体電解質および第2の固体電解質の組成を定めることによって、酸素イオン伝導度が高く且つ還元耐久性に優れた固体電解質膜が得られる。
なお、本願において、前記一般式 1 、C 2 で表されるペロブスカイト化合物には、その一般式 1 、C 2 の表示に拘らず、酸素数が3のものの他にそれよりも僅かに小さいものも含まれる。本発明において有効な酸素数は、酸素分圧によっても異なるので一義的に定めることはできないが、例えば、2.4〜3の範囲が好適である。また、前記一般式C 3 で表されるセリウム酸化物CezC1-zOδにおける酸素数δは、セリウムを置換する元素Cの種類やその置換割合に応じて定められる値であって、一般に2以下の値である。元素Cが3価のSm等である場合には、例えばδ=2-(z/2)であり、2価のCaの場合には、例えばδ=2-zである。
また、本願において、「非電子伝導性」とは、イオン伝導率に比較して電子伝導率が無視できる程度に小さいことを意味する。酸素イオン伝導率をσ(O2-)、電子伝導率をσ(e-)とすると、イオン輸率tは下記(3)式で与えられ、一般にはt≧0.99のときに非電子伝導性とされる。本願においても原則的にこれに従うが、必ずしもt<0.99であるものを全て排除するものではない。
t=σ(O2-)/{σ(O2-)+σ(e-)} ・・・(3)
因みに、前記特許文献7〜9には、固体電解質膜と電極層(空気極または燃料極)間を組成傾斜させる技術が記載されている。これらは熱膨張差を緩和し或いは三相界面を増大することを目的とするものであって、固体電解質膜自体を組成傾斜させる本発明とは構成および目的が何れも相違する。
また、前記特許文献10には、固体電解質部に中間層(固体電解質)を形成して、空気極における電圧降下を低下させる技術が、前記特許文献11には、固体電解質部を積層してイオン輸率を1に近づける技術が、それぞれ記載されているが、何れも還元耐久性を考慮したものではなく、本発明とは構成自体も相違する。
ここで、好適には、前記第1層は0.01(%)未満の還元膨張率を有し、且つ前記第2層は0.01(%)以上の還元膨張率を有するものである。このようにすれば、第1層の還元膨張率が十分に小さく、且つ第2層の酸素イオン伝導率が十分に高いことから、SOFC用に一層好適な固体電解質膜が得られる。
また、好適には、前記第2層は厚さ寸法を0.5(mm)としたときに0.1(S/cm)以上の酸素イオン伝導率を有するものである。このようにすれば、第2層の酸素イオン伝導率が十分に高いことから、酸素イオン伝導度が一層高い固体電解質膜が得られる。一層好適には、第2層の酸素イオン伝導率は0.25(S/cm)以上である。
また、好適には、前記第1層および前記第2層は緻密質である。SOFC用の固体電解質膜には、酸素が気体分子のまま透過しないことが要求されるため、緻密質であることが望ましい。なお、本発明において「緻密質」とは、固体電解質膜が曝される雰囲気中の気体分子をそのまま厚み方向に透過させない組織を、固体電解質膜が有していることを意味する。すなわち、ここにいう緻密性は一義的に定められるものではなく、予定されている使用態様において上述した特性を有していれば足りる。
また、好適には、前記第1層の厚さ寸法は、0.2(mm)以下である。このようにすれば、相対的に酸素イオン伝導率の低い第1層の膜厚が十分に薄いことから、酸素イオン伝導度の一層高い固体電解質膜が得られる。なお、第1層は、第2層を覆うことによって還元雰囲気から保護するものであれば足り、例えば完全に覆うものであることが好ましいが、厚さ寸法の下限値は特になく、工業的には例えば1(μm)程度が下限値である。第1層がこの程度の厚さ寸法であっても、十分な還元耐久性を得ることができる。
一方、第2層の膜厚は、高い酸素イオン伝導度を得るためには可及的に薄いことが好ましく、後述するように多孔質支持体上に固体電解質膜を形成する場合には、膜厚寸法の下限値は特にないが、緻密な膜を形成できる程度の厚さ寸法とすることが好ましい。一方、多孔質支持体を用いない自立膜の場合には、固体電解質膜全体が自立可能な厚さ寸法、例えば0.5(mm)程度以上の厚さ寸法になるように第2層の厚さ寸法を定めればよい。
また、固体電解質膜は、前記第1層および第2層が積層された2層構造に限られず、これらの何れとも組成が相違することにより還元膨張率が異なるものとされた他の層が、第1層から第2層に向かう積層方向において順次に還元膨張率が大きくなるように更にこれらに積層された、3層以上の構成としても良い。積層数が多くなるほど工程的には不利であるが、接している層相互の熱膨張率の差を小さくできるため、製造過程や使用中に温度変化に曝された場合にも破損し難くなる利点がある。
また、好適には、前記第1層および第2層は、互いに同系統の材料から成るものである。このようにすれば、熱膨張係数等の相違が小さくなるので、製造過程や使用中の温度変化に起因する破損が生じ難い固体電解質膜が容易に得られる。すなわち、このような破損を抑制するためには、第1層および第2層をそれぞれ構成する固体電解質の熱膨張係数の差が可及的に小さいことが望ましい。そのため、このような条件を満足するのであれば、構成材料は特に限定されないが、同系統の材料とすることが好ましいのである。なお、同系統の材料としては、例えば、構成元素が同一でその割合のみが相違するものや、一つ或いは複数の構成元素の一部を他の元素で置換したもの等が挙げられる。また、3層以上の積層構造にされる場合にも、全てが同系統の材料で構成されることが好ましいが、熱膨張係数の相違を十分に小さくできるのであれば、同系統の材料で無くとも差し支えない。
なお、本発明の第1層および第2層を構成し得る固体電解質のうちペロブスカイト化合物は、前記一般式 1 、C 2 に明示した元素の他に、In,V,Sn,Ce,Sc,Y等の他の元素が特性に実質的に影響を与えない程度の範囲で含まれていても差し支えない。また、第1層および第2層には、ペロブスカイト化合物およびセリウム酸化物の他に、製造上排除することが困難な微量のAl2O3、SiO2、MgO、ZrO2等を含み得る。これらは微量が含まれていても特性に著しい影響を与えることはないが、何れもイオン伝導の抵抗になることから含有量は可及的に少ないことが望ましい。
また、好適には、本発明の固体電解質膜は、多孔質支持体上にその一面全体を覆って備えられる。この多孔質支持体は、固体電解質膜の一面側および他面側の何れに位置させられても良い。このように多孔質支持体上に固体電解質膜が固定された固体電解質膜エレメントに構成すれば、ガス拡散係数の十分に高い多孔質支持体は、その内部を気体が容易に通過させられるので、適当な厚さ寸法に構成することにより、酸素イオン伝導度に影響を与えることなく固体電解質膜エレメントの機械的強度を高め得る。しかも、固体電解質膜エレメントの機械的強度が多孔質支持体で確保されることから、固体電解質膜の厚さ寸法を酸素イオン伝導度が膜厚で律速されない程度まで薄くすることが可能となるため、その表面積を増大させることによる透過速度向上効果が一層顕著に得られる。なお、このような多孔質支持体が備えられる場合において、更に解離触媒層または再結合触媒層が設けられる場合には、一方が固体電解質膜の表面に、他方が固体電解質膜と多孔質支持体との間にそれぞれ設けられてもよいが、その他方は、多孔質支持体の表面に、好適にはこれに浸透させられた状態で設けられても良い。
なお、上記態様において「一面全体を覆って」とは、固体電解質膜エレメントの使用時において、多孔質支持体の一面が固体電解質膜のその多孔質支持体とは反対側に位置する面と同一空間内に曝されないことを意味するものである。例えば、非使用状態において固体電解質膜が設けられた多孔質支持体の一面が部分的に露出させられていても、その部分が使用時に装置等によって覆われるものであれば、そのような態様も上記「一面全体を覆って」に含まれる。
また、好適には、前記固体電解質膜および前記多孔質支持体は、同材料から成るものである。このようにすれば、両者の熱膨張係数が一致することから、製造工程や使用時に加熱或いは冷却された場合にも、熱膨張量の相違に起因して破損することが好適に抑制される。
また、好適には、前記固体電解質膜および前記多孔質支持体は、相互に異なる組成の材料から成るものである。固体電解質膜エレメント全体の強度は支持体によって確保する必要があることから、支持体と固体電解質膜とは求められる特性が相違するため、例えば要求される強度が比較的高い場合には、固体電解質膜と支持体とを相互に異なる材料で構成することが望ましい。このような支持体構成材料としては、例えば、ジルコニア、アルミナ、窒化珪素、炭化珪素等が好適である。
また、好適には、前記多孔質支持体は、平均細孔径rが0.1<r<20(μm)の範囲内、気孔率pが5<p<80(%)の範囲内である。酸素イオン伝導度の低下を抑制し且つ固体電解質膜エレメントの強度を可及的に高めるためには、この範囲内が好ましい。細孔径および気孔径が小さくなり過ぎると、多孔質支持体のガス透過抵抗が大きくなることから、固体電解質膜を薄くしてもこの多孔質支持体が律速因子になるため、酸素イオン伝導度が著しく低下する。一方、細孔径および気孔径が大きくなり過ぎると、機械的強度が低下して支持体としての機能が失われる。
また、前記固体電解質膜の全体の形状は特に限定されない。例えば、全体が平坦な板状を成すものであってもよく、一端が閉じた筒状であってもよい。
また、本発明の固体電解質膜は、例えば、前記第1の固体電解質材料粉末および前記第2の固体電解質材料粉末にそれぞれ所定のバインダーを混合して所定粒径に造粒する工程と、造粒粉を所定形状にそれぞれ成形する工程と、成形体に所定温度の焼成処理を施して第1の固体電解質から成る膜と第2の固体電解質から成る膜とをそれぞれ得る工程と、それら2つの膜を重ね合わせて所定の焼成処理を施すことによって相互に接合する工程とを、含む工程によって製造される。上記成形工程と焼成工程との間には、必要に応じて、成形体を等方圧で加圧(例えば湿式静水圧加圧)する工程と、成形体を大気中で焼成温度よりも十分に低温で加熱することによって有機物を分解除去する工程とが実施される。また、焼成後には必要に応じて機械研磨工程が施される。
また、上記所定の成形工程は、例えば、前記第1の固体電解質材料粉末を含む第1のスラリーおよび前記第2の固体電解質材料粉末を含む第2のスラリー中にセラミック焼結体から成る所定の多孔質支持体を順次に浸漬して、その多孔質支持体の表面にそれら第1のスラリーおよび第2のスラリーを塗布するものである。このようにすれば、その多孔質支持体に塗布されたスラリーを焼成することにより、多孔質支持体上にその塗布厚みに応じた膜厚で形成された第1層および第2層から成る組成傾斜型固体電解質膜が固着された固体電解質膜エレメントが得られる。
また、本発明の固体電解質膜は、例えば、第1の固体電解質材料粉末および第2の固体電解質材料粉末を含むスラリーを用いてグリーンシートを成形する工程と、それらグリーンシートを重ね合わせて同時に焼成処理を施す工程とを、含む工程によって製造することもできる。
また、多孔質支持体上に固体電解質膜を製膜する場合には、上記のようなスラリーをディップコートする工程と、これに焼成処理を施す工程とを、含む工程によって製造することもできる。更に、その多孔質支持体上にスパッタリングや溶射等によって第1層および第2層すなわち組成傾斜型固体電解質膜を形成してもよい。
以下、本発明の一実施例を図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の実施例において図は適宜簡略化或いは変形されており、各部の寸法比および形状等は必ずしも正確に描かれていない。
図1は、本発明の一実施例の固体電解質膜10の構成を説明するための断面構造を模式的に示す図である。固体電解質膜10は、20(mm)程度の直径を備えて全体が0.5(mm)程度の厚さ寸法の薄板円板状を成すものであり、第1層12,第2層14,および第3層16が積層された積層体に構成されている。これら3層の外周端面はガラス等から成るシール部材18で気密にシールされている。
上記の第1層12〜第3層16は、何れも、非電子伝導性の固体電解質材料で構成された緻密な膜である。各層を構成する個体電解質材料は、相互に相違する。すなわち、固体電解質膜10は、厚み方向において組成の異なる膜が積層された組成傾斜膜である。
上記の第1層12は、La0.9Sr0.1Ga0.2Mg0.8OxやLa0.9Sr0.1Ga0.5Mg0.5Ox(但し、x=2.4〜3程度。ペロブスカイト化合物において、以下、同じ。)等から成るもので、例えば、0.1〜0.2(mm)程度の厚さ寸法を備えている。また、第2層14は、La0.9Sr0.1Ga0.5Mg0.5OxやLa0.9Sr0.1Ga0.8Mg0.2Ox等から成るもので、例えば、0.1〜0.2(mm)程度の厚さ寸法を備えている。また、第3層16は、La0.9Sr0.1Ga0.8Mg0.2OxやLa0.9Sr0.1Ga0.8Mg0.1Co0.1Ox等から成るもので、例えば、0.2〜0.3(mm)程度の厚さ寸法を備えている。
また、上記の第1層12を構成する固体電解質(すなわち第1の固体電解質)は、例えば0.01(%)以下の極めて小さい還元膨張率と、0.04(S/cm)以下の低い酸素イオン伝導率(厚さ寸法が0.5(mm)のときの値。以下、特に断らない限り同じ。)とを有している。また、第2層14を構成する固体電解質(すなわち、第2の固体電解質)は、0.05(%)以下の還元膨張率と、0.10(S/cm)程度の酸素イオン伝導率とを有している。また、第3層16を構成する固体電解質(すなわち、第3の固体電解質)は、0.05〜0.09(%)程度のやや大きい還元膨張率と、0.10〜0.25(S/cm)程度の高い酸素イオン伝導率とを有している。
そのため、固体電解質膜10は、第1層12から第3層16に向かうに従って還元膨張率が大きくなると共に、酸素イオン伝導率が高くなる層構造を備えている。しかしながら、酸素イオン伝導率の低い固体電解質から成る第1層12は、0.1〜0.2(mm)程度の薄い膜であり、酸素イオン伝導度は膜厚に反比例するため、その第1層12における酸素イオン伝導率は十分に高くなる。同様に、第2層14も0.1〜0.2(mm)程度の薄い膜であるため、この第2層14における酸素イオン伝導率も十分に高くなる。そのため、固体電解質膜10全体の酸素イオン伝導度は、それら第1層12および第2層14のみで構成される固体電解質膜に比較して十分に高い値である。
以上のように構成される固体電解質膜10は、一面20および他面22上に電極層すなわち燃料極層24および空気極層26をそれぞれ設けて、還元膨張率の小さい第1層12を還元側すなわち燃料(すなわち水素)供給側に位置させ、その反対側に位置する第3層16を酸化側すなわち空気供給側に位置させて用いられる。そのため、還元膨張率の大きい第2層14や第3層16が、その第1層12によって還元雰囲気から保護されるため、固体電解質膜10等の還元耐久性が高められる。
なお、燃料極層24および空気極層26は、固体電解質膜10から電子を取り出すためのものであるが、酸化側に設けられる空気極層26は、他面22における酸素の解離およびイオン化を促進するために設けられたものであり、例えばLa0.6Sr0.4CoO3から成る多孔質層が10(μm)程度の一様な厚さ寸法を以て他面22の略全面に形成される。
また、還元側に設けられる燃料極層24は、一面20における酸素イオンの再結合を促進するために設けられたものであり、例えばNiOから成る多孔質層が100(μm)程度の一様な厚さ寸法を以てその一面20の略全面に形成される。
図2に層構成を模式的に示す固体電解質膜30は、相対的に還元膨張率が小さく酸素イオン伝導率が低い第1の固体電解質から成る第1層32に、相対的に還元膨張率が大きく酸素イオン伝導率が高い第2の固体電解質から成る第2層34を積層した、2層構造の組成傾斜型固体電解質膜である。前記図1に示す固体電解質膜10は3層構造に構成されているが、本発明は、このような2層構造のものにも、固体電解質膜10の一面20または他面22に他の層を積層した4層以上の構造のものにも適用し得る。
なお、2層構造の場合には、第1層32は、La0.9Sr0.1Ga0.2Mg0.8Ox、La0.9Sr0.1Ga0.5Mg0.5Ox等のペロブスカイト化合物から成るもので、例えば、0.05〜0.2(mm)程度の厚さ寸法を備えている。また、第2層34は、La0.9Sr0.1Ga0.8Mg0.2Ox、La0.9Sr0.1Ga0.8Mg0.1Co0.1Ox、SmCeOx、GdCeOx等から成るもので、例えば、0.3〜0.45(mm)程度の厚さ寸法を備えている。この場合、固体電解質膜30全体の膜厚は、例えば0.5(mm)程度である。
また、上記のように2層構造とされる場合では、第1層32を構成する固体電解質は、0.02(%)以下の極めて小さい還元膨張率と、0.01〜0.04(S/cm)程度の低い酸素イオン伝導率とを有している。また、第2層34を構成する固体電解質は、0.05〜0.11(%)程度の大きい還元膨張率と、0.10〜0.25(S/cm)程度の高い酸素イオン伝導率とを有している。この構成でも、第1層32は酸素イオン伝導率の低い固体電解質で構成されているが、膜厚が薄いため、この第1層32における酸素イオン伝導度が十分に高くなる。そのため、2層構造の場合にも、3層構造の場合と同様に、固体電解質膜30の酸素イオン伝導度は、第1層32のみで構成した場合よりも十分に高い値である。
また、このような2層構造の固体電解質膜30も、還元膨張率の小さい第1層32を還元側に、還元膨張率の大きい第2層34を酸化側に位置させて用いられ、その第1層32によって第2層34が還元雰囲気から保護されることによって、固体電解質膜30の還元耐久性が高められる。上記の図2に示す太線は、雰囲気中および膜内における酸素分圧P1〜P3(すなわち酸素分圧勾配)を模式的に表したものである。なお、図中に示した白抜きの矢印は、固体電解質膜30内における酸素イオンの動きを表している。酸素がイオン化して空気側から還元側に向かって移動すると、固体電解質膜30内には、その移動速度に応じた酸素分圧の勾配が形成される。酸素イオン伝導率が低い第1層32内では、その勾配が著しく大きくなる。そのため、図2に示されるように、酸素分圧は第1層32内を還元側雰囲気から第2層34に向かうに従って急激に高められるので、界面36における酸素分圧P2は、例えば還元側の酸素分圧P1の1010倍以上に大きくなる。そのため、第2層34が還元膨張率の大きい固体電解質で構成されていても、これに負荷される還元力は還元側の1/1010以下になるため、その還元膨張延いては破損が好適に抑制されるのである。
したがって、第2層34を還元雰囲気に曝さないように完全に覆うのであれば、第1層32の厚さ寸法は極めて薄くとも差し支えない。すなわち、第1層32の膜厚の下限値は実質的に無いものといえるが、緻密膜で形成することができる膜厚は、工業的には1(μm)程度が限界であり、これが事実上の下限値である。
なお、3層構造の固体電解質膜10の場合にも、第2層14および第3層16を還元雰囲気から保護する作用は上述した2層構造の場合と同様である。すなわち、第1層12を0.1(mm)程度の膜厚で設けるだけで、第1層12と第2層14との界面、第2層14と第3層16との界面における酸素分圧がそれぞれ著しく低下させられる。
上述したように、本実施例の固体電解質膜10,30によれば、La0.9Sr0.1Ga0.2Mg0.8Ox等の還元膨張率が小さい固体電解質から成る第1層12,32にLa0.9Sr0.1Ga0.8Mg0.2Ox等の固体電解質から成る第2層14,34が積層された積層構造に構成される。そのため、固体電解質膜10,30は、還元膨張率が小さく且つ酸素イオン伝導率の低い第1層12,32に、還元膨張率が大きく且つ酸素イオン伝導率の高い第2層14,34が積層された組成傾斜型になる。したがって、前述したように第1層12,32を還元側に配置すれば、第2層14,34が還元雰囲気から保護され、延いては固体電解質膜全体の還元耐久性を十分に高めることができる。また、第1層12,32は十分に薄いので、これを構成する固体電解質の酸素イオン伝導率が低くとも、固体電解質膜全体の高い酸素イオン伝導度を得ることができる。上記により、要求される還元耐久性と所望する酸素イオン伝導度とを比較考量して、第1層12,32および第2層14,34の膜厚や、それらを構成する固体電解質の組成を定めることによって、酸素イオン伝導度が高く且つ還元耐久性に優れた固体電解質膜10,30が得られる。
図3は、上記の固体電解質膜10の製造方法を説明するための工程図である。造粒工程P1では、例えば市販の平均粒径が1(μm)程度のLaGaOx系粉末やCeO2系粉末に、水、有機バインダー等の成形助剤、および分散剤を混合してスラリーを作成し、例えばスプレー・ドライヤーを用いて60(μm)程度の平均粒径の原料粉末を噴霧造粒する。次いで、加圧成形工程P2では、造粒した原料粉末を例えば100(MPa)程度の適当な圧力でプレス成形して、例えば直径が30(mm)程度で、厚さ寸法が3(mm)程度の円板状の成形体を得る。なお、上記成形体寸法は前記寸法の第1層12等が得られるように焼成収縮や研磨代を考慮して定めた値である。また、必要に応じ、静水圧加圧成形(すなわちCIP)により150(MPa)程度の加圧処理を施すことができる。
次いで、焼成工程P3では、上記の成形体を例えば大気中において200〜500(℃)程度の温度で10時間程度保持して有機物を分解除去した後、更に大気中において1300〜1600(℃)程度の温度で3時間程度保持することにより、この成形体を焼成する。厚み研磨工程P4においては、このようにして得られた緻密な焼結体に平面研削盤等を用いて機械研磨加工を施し、例えば0.05〜0.5(mm)程度の予め定められた厚さ寸法の薄膜体に加工する。
次いで、積層・接合工程P5では、作成した組成の相互に異なる2〜3枚の薄膜体を重ね合わせ、大気中において1300〜1600(℃)で焼成処理を施す。これにより、それら重ね合わせた複数の薄膜体が相互に接合され、組成の相互に異なる複数の層が厚み方向に積層された組成傾斜膜すなわち固体電解質膜10,30が得られる。
このような固体電解質膜10,30は、その両面20,22に前記のように電極層を設けて用いられる。電極層形成工程P6では、例えば平均粒径が2(μm)程度の市販のLa0.6Sr0.4CoO3粉末を有機溶剤と混合してスラリーを調製し、これを一面20に塗布して空気極材料を印刷形成すると共に、例えば平均粒径が7(μm)程度の市販のNiO粉末を有機溶剤と混合してスラリーを調製し、これを他面22に塗布して燃料極材料を印刷担持する。そして、焼き付け工程P7において、例えば1000(℃)程度の温度で1時間程度の時間保持して、一面20および他面22に電極層をそれぞれ焼き付けることにより、前記の固体電解質膜10,30が得られる。
以下、本発明の更に具体的な実施例を説明する。下記の表2は、前記の固体電解質膜10,30を構成する第1層12〜第3層16、第1層32、第2層34の組成例と、それぞれの還元膨張率および酸素イオン伝導率をまとめたものである。なお、表2において、CeO 2 および8YSZは本発明の範囲外であるが、参考までに特性を示した。また、表2の「組成名」欄には、各組成の固体電解質を意味するものとして後述する表3、4において用いた略称を示した。まず、各層を構成するこれら8種類の固体電解質の特性について説明する。
Figure 0004933757
上記の表2において、還元膨張率は、大気中とH25%+N295%雰囲気中とで熱膨張率をそれぞれ測定し、前記(1)式に従って算出した。また、酸素イオン伝導率は、上記の各組成から成る0.5(mm)厚の固体電解質薄板を前記図3に示される工程に従って製造し、その薄板の両面に燃料極層および空気極層をそれぞれ設け、任意の酸素分圧および温度に調整可能な装置内でその試料の抵抗値を測定することによって求めた。
上記の表2に示されるように、固体電解質膜10の各層を構成する固体電解質は、何れも、還元膨張率が小さくなるほど酸素イオン伝導率が低下する関係にあるため、還元膨張率を小さくして還元耐久性を高めようとすると、十分な酸素イオン伝導度が得られなくなる。固体電解質膜10の一般的な用途では、還元割れを発生させないためには、還元膨張率が0.02(%)以下であることが好ましく、0.01(%)以下であることが一層望ましいが、そうすると、酸素イオン伝導率が0.04(S/cm)以下になる。そのため、従来のように固体電解質膜10を単層で構成し、単に組成を変更するだけでは、還元耐久性および酸素イオン伝導度を共に高くすることは不可能である。
表3に示す実施例1〜6,9〜12,17〜20は、上記の表2に掲げた固体電解質で前記第1層12等を構成した2層または3層の積層構造(すなわち組成傾斜膜)の層構成例である。第3層の欄に「なし」と記したものは、2層構造を意味する。また、表3のうち実施例7,8,13〜16,21,22と、表4に示す比較例1〜5は、表2に掲げた固体電解質を用いた単層または本発明の範囲外の積層構造とした層構成例である。
Figure 0004933757
Figure 0004933757
実施例1,2,5〜7,11,12,17〜20は、第1層32を還元膨張率が0.01(%)以下と小さいLSGM3または0.01(%)と小さいLSGM2で、第2層34を還元膨張率が0.05(%)と大きいLSGM1、0.09(%)と大きいLSGMC、0.10(%)と大きいGdCeOx、または0.11(%)と大きいSmCeO x で、それぞれ構成することによって、第1層32から第2層34に向かうに従って還元膨張率が大きくなる傾斜組成としたものである。これらの構成例では、還元側に位置させる第1層32が還元割れの抑制に十分な0.02(%)以下の還元膨張率を有する一方、酸化側に位置させる第2層34が0.10(S/cm)以上の高い酸素イオン伝導率を有する。
また、実施例3,4,9,10は、第1層12を還元膨張率が0.01(%)以下と小さいLSGM3または0.01(%)と小さいLSGM2で、第2層14を還元膨張率が0.01(%)と小さいLSGM2または0.05(%)とやや大きいLSGM1で、第3層16を還元膨張率が0.05(%)とやや大きいLSGM1または0.09(%)と大きいLSGMCで、それぞれ構成することによって、第1層12から第3層16に向かうに従って還元膨張率が大きくなる傾斜組成としたものである。これらの構成例でも、還元側に位置させる第1層12が還元割れの抑制に十分な0.01(%)以下の還元膨張率を有する一方、酸化側に位置させる第3層16が0.10(S/cm)以上の高い酸素イオン伝導率を有する。また、これらの中間に位置する第2層14は、0.04(S/cm)以上の酸素イオン伝導率とされている。
これに対して、比較例1〜4は、酸素イオン伝導率の高い第3層16、第2層34と同一材料で単層に構成したものである。また、比較例5は、0.05(%)の還元膨張率の材料で第1層32を構成したものである。
上記の実施例1〜22の酸素イオン伝導率および還元耐久性を評価した結果を表5に、比較例1〜5の酸素イオン伝導率および還元耐久性を評価した結果を表6にそれぞれ示す。
Figure 0004933757
Figure 0004933757
なお、還元耐久性は、例えば、図4に示す反応器40を用いて評価した。反応器40は、両端を開放された例えばアルミナ等のセラミックスから成る円筒管42、44が、固体電解質膜10を挟んで上下に配置され、且つ、それらの内周側に例えばアルミナ等のセラミックスから成る気体導入管48,50が挿入されたものである。固体電解質膜10は、燃料極層が設けられている一面20が円筒管44側に位置し、空気極層が設けられている他面22が図4における上側すなわち円筒管42側に位置する向きで配置される。また、円筒管42,44の外周側にはヒータ56,56が配置されている。また、円筒管42,44と固体電解質膜10とは、例えばガラス系等の封着材58,58によって気密に封着されている。なお、気体導入管48,50は、それぞれ固体電解質膜10の表面から気体供給に必要な距離だけ離隔して配置されている。
このような反応器40において、ヒータ56で装置内を1000(℃)程度の温度に加熱しつつ、気体導入管48から空気すなわち酸素を含む気体を円筒管42内に導入すると共に、燃料側すなわち気体導入管50から純水素ガス等を導入する。空気導入量は例えば10〜500(cc/min)程度であり、水素ガス導入量は例えば10〜200(cc/min)程度である。なお、測定に先立ち、例えばヒータ56によって円筒管44内を1000(℃)程度の温度に加熱しつつ、例えば水素10(%)とアルゴン90(%)との混合ガスを気体導入管50から円筒管44内に供給し、還元雰囲気下で加熱する。これにより、一面20に備えられている燃料極層すなわちニッケル酸化物が部分的に或いは完全に還元され、酸素再結合触媒機能が発揮されるようになる。
上記のように気体導入管48から導入された空気は、固体電解質膜10の表面および空気極層に接触しつつ、気体導入管48と円筒管42との間に形成された排気路60を通って図4に矢印で示されるように排気される。このとき、固体電解質膜10およびその他面22に設けられた空気極層の酸素解離作用およびイオン化作用により、空気中の酸素が解離されてイオン化させられるので、その酸素イオンは、酸素イオン伝導性を有する固体電解質膜10を通って他面22側から一面20側に向かって図4に矢印で示されるように輸送される。
そして、一面20に到達した酸素イオンは、固体電解質から成る固体電解質膜10およびその一面20に設けられた燃料極層の再結合作用により酸素分子となり、その一面20から取り出される。これにより、酸素が他面22側から一面20側に透過することになる。しかしながら、固体電解質から成る固体電解質膜10は緻密質であると共に他の気体はイオン化させられないので、酸素以外の気体は全く透過しない。このようにして移動した酸素イオンが水素を酸化して外部負荷に電子を放出し、電気エネルギーを生成する。
前記表5,6に示した還元耐久性は、上記の試験を連続して実施して、還元側で回収された合成ガス中の窒素量を測定し、その変化から窒素リーク率LNを下記(4)式に従って求めて判断した。◎は3〜10時間で窒素リーク率の増大が無かったもの、○は3時間以内に窒素リーク率が1(%)以下の範囲で増大したもの、△は3時間以内に窒素リーク率が1〜3(%)の範囲で増大したもの、×は3時間以内に窒素リーク率が3(%)以上増大したものである。10時間で窒素リーク率の増大がなければ、長時間に亘る十分な還元耐久性があるものと考えられる。
N =[N2量(cc/min)/全ガス量(cc/min)]×100 ・・・(4)
前記の表5に示すように、第1層12,32を0.01(%)以下の還元膨張率の材料で構成し、且つ3層構造の第3層16または2層構造の第2層34を0.10(S/cm)以上の酸素イオン伝導率の材料で構成した実施例1〜6,9〜12,17〜20では、全て◎評価(すなわち窒素リーク量の増大なし)の極めて高い還元耐久性を示した。また、酸素イオン伝導率は0.02〜0.12(S/cm)程度、すなわち還元耐久性の十分に高い8YSZ等よりも十分に高いイオン伝導率を有する。
特に、全膜厚を同一としたまま第1層32の厚さ寸法を50(μm)に薄くした実施例17〜20では、同一構成材料で第1層32が0.1(mm)の実施例に比較しても、2倍程度の一層高い酸素イオン伝導率が得られている。この場合にも、表5に示されるように高い還元耐久性が得られるから、第1層12,32の厚さ寸法は薄くとも、還元耐久性の向上には何ら差し支えない。したがって、第1層12,32は、還元耐久性を確保できる範囲で薄い方が好ましく、例えば、1(μm)程度にすることが最も好ましい。
なお、還元耐久性の高いLa0.9Sr0.1Ga0.5Mg0.5Oxは0.04(S/cm)程度のイオン伝導率を有することから、実施例のうちイオン伝導率が0.04(S/cm)以下に留まるものは、これと同等以下の特性に過ぎない。しかしながら、イオン伝導率が0.04(S/cm)以下の実施例1等は、第1層12,32をイオン伝導率が0.01(S/cm)程度の極めて低い材料で構成したものであることから、これに比較すると、少なくとも2倍以上の高いイオン伝導度を有している。また、上記のLa0.9Sr0.1Ga0.5Mg0.5Oxを第1層32に用いた実施例6では0.12(S/cm)、第1層12に用いた実施例10では0.09(S/cm)、すなわち、何れも2倍以上の酸素イオン伝導率が得られている。
これに対して、酸素イオン伝導率の高いLSGM1等のみで単層に構成された比較例1〜4では、還元耐久性が低い。また、積層構造としたものであっても、第1層32が0.05(%)の還元膨張率の材料で構成された比較例5では、その第1層32の還元耐久性が不足する。そのため、電解質膜全体としても、×〜△程度の還元耐久性に留まる。
したがって、実施例によれば、第1層12,32に還元膨張率の小さい材料を用いると共に、酸化側に酸素イオン伝導率の高い材料を用いることにより、還元耐久性および酸素イオン伝導度が共に高い固体電解質膜10,30が得られることが明らかである。
以上、本発明を図面を参照して詳細に説明したが、本発明は更に別の態様でも実施でき、その主旨を逸脱しない範囲で種々変更を加え得るものである。
本発明の一実施例の固体電解質膜の要部断面を模式的に示す図である。 2層の傾斜構造の場合における膜内の酸素分圧勾配を説明する図である。 図1の固体電解質膜エレメントの製造方法を説明するための工程図である。 図1の固体電解質膜エレメントが用いられた反応器の構成を説明する図である。
符号の説明
10:固体電解質膜、12:第1層、14:第2層、16:第3層、18:シール部材、20:一面、22:他面、24:燃料極層、26:空気極層、30:固体電解質膜、32:第1層、34:第2層、36:界面、40:反応器、42、44:円筒管、48、50:気体導入管、56:ヒータ、58:封着材、60:排気路、62:回収路

Claims (3)

  1. 一般式(La 1-x Sr x)(Gay Mg 1-y)O3(但し、0<1、01)で表されるペロブスカイト複合酸化物である第1の固体電解質から成る第1層と、
    一般式(La 1-p Sr p )(Ga q Mg 1-q-r Co r )O 3 (但し、0<p<1、0<q<1、0≦r<1)で表されるペロブスカイト複合酸化物または一般式Ce z C 1-z O δ (CはSm,Gd,Ca,Yのうちから選ばれる1種または2種以上の組み合わせ、0<z<1)で表されるセリウム酸化物であって前記第1の固体電解質よりも還元膨張率が大きい第2の固体電解質から成り且つ前記第1層に積層された第2層と
    を、含むことを特徴とする非電子伝導性組成傾斜型固体電解質膜。
  2. 前記第1層は0.01(%)未満の還元膨張率を有し、且つ前記第2層は0.01(%)以上の還元膨張率を有する請求項1に記載の非電子伝導性組成傾斜型固体電解質膜。
  3. 前記第2層は厚さ寸法を0.5(mm)としたときに0.1(S/cm)以上の酸素イオン伝導率を有する請求項1または請求項2に記載の非電子伝導性組成傾斜型固体電解質膜。
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