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JP4911961B2 - 異方形状シリカゾルの製造方法 - Google Patents

異方形状シリカゾルの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、特に研磨材として好適な異方形状シリカゾルの効率的な製造方法およびその製造方法により得られる異方形状シリカゾルに関する。
半導体の集積回路付基板の製造においては、シリコンウェーハ上に銅などの金属で回路を形成する際に凹凸あるいは段差が生じるので、これを研磨して表面の段差がなくなるように回路の金属部分を優先的に除去することが行われている。また、シリコンウェーハ上にアルミ配線を形成し、この上に絶縁膜としてシリカ等の酸化膜を設けると配線による凹凸が生じるので、この酸化膜を研磨して平坦化することが行われている。このような基板の研磨においては、研磨後の表面は段差や凹凸がなく平坦で、さらにミクロな傷等もなく平滑であることが求められており、また研磨速度が速いことも必要である。
さらに、半導体材料は電気・電子製品の小型化や高性能化に伴い高集積化が進展しているが、例えばトランジスタ分離層にNaやK等の不純物等が残存した場合、性能が発揮されなかったり、不具合の原因となることがある。特に研磨した半導体基板や酸化膜表面にNaが付着すると、Naは拡散性が高く、酸化膜中の欠陥などに捕獲され、半導体基板に回路を形成しても絶縁不良を起こしたり、回路が短絡することがあり、また誘電率が低下することがあった。このため使用条件によって、或いは使用が長期にわたった場合に前記不具合を生じることがあるので、NaやKなどの不純物を殆ど含まない研磨用粒子が求められている。
研磨用粒子としては、従来、シリカゾルやヒュームドシリカ、ヒュームドアルミナなどが用いられている。
CMPで使用される研磨材は、通常、シリカ、アルミナ等の金属酸化物からなる平均粒子径が200nm程度の球状の研磨用粒子と、配線・回路用金属の研磨速度を早めるための酸化剤、有機酸等の添加剤及び純水などの溶媒から構成されているが、被研磨材の表面には下地の絶縁膜に形成した配線用の溝パターンに起因した段差(凹凸)が存在するので、主に凸部を研磨除去しながら共面まで研磨し、平坦な研磨面とすることが求められている。しかしながら、従来の球状の研磨用粒子では共面より上の部分を研磨した際に、凹部の下部にあった配線溝内の回路用金属が共面以下まで研磨される問題(ディッシングと呼ばれている。)があった。このようなディッシング(過研磨)が起きると配線の厚みが減少して配線抵抗が増加したり、また、この上に形成される絶縁膜の平坦性が低下するなどの問題が生じるので、ディッシングを抑制することが求められている。
異形粒子群を含む研磨剤は、この様な凹凸を有する基材の研磨において、凸部の上端面が凹部の底面と同レベルになるまで凹部の研磨が抑制され、凸部の上端面が凹部の底面と同レベルまで研磨された後は凸部、凹部ともに同じ研磨速度で研磨できるので、ディッシング(過研磨)が起きることがなく、研磨後の表面は凹凸が無く平坦性に優れることが知られている。例えば、半導体集積回路の形成などにおける研磨においてディッシングが起きることがないので、得られる集積回路の回路抵抗を増加させることもなく、研磨後の表面は平坦性に優れているので効率的に積層集積回路を形成することができる。
また、この様な異形粒子群を含む研磨剤の用途としては、アルミニウムディスク(アルミニウムまたはその基材上のメッキ層)や半導体多層配線基板のアルミニウム配線、光ディスクや磁気ディスク用ガラス基板、液晶ディスプレイ用ガラス基板、フォトマスク用ガラス基板、ガラス質材料の鏡面加工などへの適用が期待されている。
異形粒子を含むシリカゾルの製造方法としては、特開平1−317115号公報(特許文献1)に、動的光散乱法による測定粒子径(D1)と窒素ガス吸着法による測定粒子径(D2)の比D1/D2が5以上であり、D1は40〜500ミリミクロン、そして電子顕微鏡観察による5〜40ミリミクロンの範囲内の一様な太さで一平面内のみの伸長を有する細長い形状の非晶質コロイダルシリカ粒子が液状媒体中に分散されてなるシリカゾルの製造方法として、(a)所定の活性珪酸のコロイド水溶液に、水溶性のカルシウム塩またはマグネシウム塩などを含有する水溶液を、所定量添加し、混合する工程、(b) 更に、アルカリ金属酸化物、水溶性有機塩基又はそれらの水溶性珪酸塩をSiO2/M2O(但し、Mは上記アルカリ金属原子又は有機塩基の分子を表わす。)モル比として20〜200となるように加えて混合する工程、(c)前工程によって得られた混合物を60〜150℃で0.5〜40時間加熱する工程からなる製造方法が開示されている。
特開平4−65314号公報(特許文献2)には、動的光散乱法による測定粒子径(D1ミリミクロン)と窒素ガス吸着法による測定粒子径(D2ミリミクロン)の比D1/D2が3以上5未満であって、このD1は40〜500ミリミクロンであり、そして電子顕微鏡観察による5ミリミクロンより大きいが100ミリミクロン以下の範囲内の一様な太さで一平面内のみの伸長を有する細長い形状の非晶質コロイダルシリカ粒子が液状媒体中に分散されてなるSiO2濃度50重量%以下の安定なシリカゾルの製造方法として、細長い形状のシリカゾルに活性珪酸の水溶液の添加を始めると、原料ゾルのコロイダルシリカ粒子の崩壊が起らずに、元の細長い形状の粒子表面上に、加えられた活性珪酸がシロキサン結合を介して沈積することによって太さの増大した細長い形状のコロイダルシリカが得られることについて開示されている。
特開平4−187512号公報(特許文献3)には、SiO2として0.05〜5.0wt%のアルカリ金属珪酸塩水溶液に、珪酸液を添加して混合液のSiO2/M2O(モル比、Mはアルカリ金属又は第4級アンモニウム)を30〜60とした後に、Ca,Mg,Al,In,Ti,Zr,Sn,Si,Sb,Fe,Cuおよび希土類金属からなる群から選ばれた1種または2種以上の金属の化合物を添加し(添加時期は、前記珪酸液添加の前または添加中でも良い)、 この混合液を60℃以上の任意の温度で一定時間維持し、更に珪酸液を添加して反応液中のSiO2/M2O(モル比)を60〜100としてなる実質的に鎖状形状のシリカ微粒子が分散したゾルの製造方法が開示されている。
特許第3441142号公報(特許文献4)には、電子顕微鏡写真の画像解析により求められる7〜1000nmの長径と 0.3〜0.8 の短径/長径比を有するコロイダルシリカ粒子の数が全粒子中50%以上を占めるシリカの安定なゾルからなる半導体ウェーハーの研磨剤が提案されている。
特開平7−118008号公報(特許文献5)には、活性珪酸のコロイド水溶液に、水溶性のカルシウム塩、マグネシウム塩又はこれらの混合物の水溶液を添加し、得られた水溶液にアルカリ性物質を加え、得られた混合物の一部を60℃以上に加熱してヒール液とし、残部をフィード液として、当該ヒール液に当該フィード液を添加し、当該添加の間に、水を蒸発させる事によりSiO2濃度6〜30重量%まで濃縮することよりなる細長い形状のシリカゾルの製造法が開示されている。
特開平8−279480号公報(特許文献6)には、(1)珪酸アルカリ水溶液を鉱酸で中和しアルカリ性物質を添加して加熱熟成する方法、(2)珪酸アルカリ水溶液を陽イオン交換処理して得られる活性珪酸にアルカリ性物質を添加して加熱熟成する方法、(3)エチルシリケート等のアルコキシシランを加水分解して得られる活性珪酸を加熱熟成する方法、または、(4)シリカ微粉末を水性媒体中で直接に分散する方法等によって製造されるコロイダルシリカ水溶液は、通常、4〜1,000nm(ナノメートル)、好ましくは7〜500nmの粒子径を有するコロイド状シリカ粒子が水性媒体に分散したものであり、SiO2 として0.5〜50重量%、好ましくは0.5〜30重量%の濃度を有する。上記シリカ粒子の粒子形状は、球状、いびつ状、偏平状、板状、細長い形状、繊維状等が挙げられることが記載されている。
特開平11−214338号公報(特許文献7)には、コロイダルシリカ粒子を主材とした研磨材を用いるシリコンウェハーの研磨方法であって、蒸留により精製した珪酸メチルを、メタノール溶媒中でアンモニア又はアンモニアとアンモニウム塩を触媒として水と反応させることにより得られるコロイダルシリカ粒子を用い、且つ該コロイダルシリカ粒子の長径/短径比が、1.4以上であることを特徴とするシリコンウェハーの研磨方法が提案されている。
国際公開番号WO00/15552(特許文献8)には、平均粒子径10〜80nmの球状コロイダルシリカ粒子とこの球状コロイダルシリカ粒子を接合する金属酸化物含有シリカからなり、動的光散乱法による測定粒子径(D1)と球状コロイダルシリカ粒子の平均粒子径(窒素吸着法による測定粒子径/D2)の比D1/D2が3以上であって、このD1は50〜500nmであり、球状コロイダルシリカ粒子が一平面内のみにつながった数珠状コロイダルシリカ粒子が分散されてなるシリカゾルが記載されている。
また、その製造方法として、(a)所定の活性珪酸のコロイド水溶液又は酸性シリカゾルに、水溶性金属塩の水溶液を、前記コロイド水溶液又は酸性シリカゾルのSiO2に対して、金属酸化物として1〜10重量%となる量を加えて混合液1を調製する工程、(b)前記混合液1に、平均粒子径10〜80nm、pH2〜6の酸性球状シリカゾルを、この酸性球状シリカゾルに由来するシリカ含量(A)とこの混合液1に由来するシリカ含量(B)の比A/B(重量比)が5〜100、かつ、この酸性球状シリカゾルとこの混合液1との混合により得られる混合液2の全シリカ含量(A+B)が混合液2においてSiO2濃度5〜40重量%となる量加えて混合する工程、および、(c)得られた混合液2にアルカリ金属水酸化物、水溶性有機塩基又は水溶性珪酸塩をpHが7〜11となるように加えて混合し、加熱する工程からなる前記シリカゾルの製造方法が記載されている。
特開2001−11433号公報(特許文献9)には、SiO2として0.5〜10重量%を含有し、かつ、pHが2〜6である、活性珪酸のコロイド水溶液に、水溶性のII価又はIII価の金属の塩を単独又は混合して含有する水溶液を、同活性珪酸のコロイド水溶液のSiO2に対して、金属酸化物(II価の金属の塩の場合はMOとし、III価の金属の塩の場合はM23とする。但し、MはII価又はIII価の金属原子を表し、Oは酸素原子を表す。)として1〜10重量%となる量を加えて混合し、得られた混合液(1)に、平均粒子径10〜120nm、pH2〜6の酸性球状シリカゾルを、この酸性球状シリカゾルに由来するシリカ含量(A)とこの混合液(1)に由来するシリカ含量(B)の比A/B(重量比)が5〜100、かつ、この酸性球状シリカゾルとこの混合液(1)との混合により得られる混合液(2)の全シリカ含量(A+B)が混合液(2)においてSiO2濃度5〜40重量%となるように加えて混合し混合液(2)にアルカリ金属水酸化物等をpHが7〜11となるように加えて混合し、得られた混合液(3)を100〜200℃で0.5〜50時間加熱する数珠状のシリカゾルの製造方法が記載されている。
特開2001−48520号公報(特許文献10)には、シリカ濃度1〜8モル/リットル、酸濃度0.0018〜0.18モル/リットルで水濃度2〜30モル/リットルの範囲の組成で、溶剤を使用しないでアルキルシリケートを酸触媒で加水分解した後、シリカ濃度が0.2〜1.5モル/リットルの範囲となるように水で希釈し、次いでpHが7以上となるようにアルカリ触媒を加え加熱して珪酸の重合を進行させて、電子顕微鏡観察による太さ方向の平均直径が5〜100nmであり、長さがその1.5〜50倍の長さの細長い形状の非晶質シリカ粒子が液状分散体中に分散されているシリカゾルの製造方法が記載されている。
特開2001−150334号公報(特許文献11)には、水ガラスなどのアルカリ金属珪酸塩の水溶液を脱陽イオン処理することにより得られるSiO2濃度2〜6重量%程度の活性珪酸の酸性水溶液に、アルカリ土類金属、例えば、Ca、Mg、Baなどの塩をその酸化物換算で上記活性珪酸のSiO2に対し 100〜1500 ppmの重量比で添加し、更にこの液中SiO2/M2O (M は、アルカリ金属原子、NH4 又は第4級アンモニウム基を表す。) モル比が20〜150 となる量の同アルカリ物質を添加することにより得られる液を当初ヒール液とし、同様にして得られる2〜6重量%のSiO2濃度と20〜150 のSiO2/M2O (M は、上記に同じ。) モル比を有する活性珪酸水溶液をチャージ液として、60〜150 ℃で前記当初ヒール液に前記チャージ液を、1時間当たり、チャージ液SiO2/当初ヒール液SiO2の重量比として0.05〜1.0 の速度で、液から水を蒸発除去しながら(又はせずに)、添加してなる歪な形状を有するシリカゾルの製造方法が記載されている。
特開2003−133267号公報(特許文献12)には、ディッシング(過研磨)を抑制し、基板表面を平坦に研磨することができる研磨用粒子として、平均粒子径が5〜300nmの範囲にある1次粒子が2個以上結合した異形粒子群を含むことを特徴とする研磨用粒子、特には研磨用粒子中の全1次粒子の粒子数に占める、前記異形粒子群を構成する1次粒子の粒子数が5〜100%の範囲にある研磨用粒子が有効でることについて記載がある。
特開2004−288732号公報(特許文献13)には、非真球状コロイダルシリカ、酸化剤および有機酸を含有し、残部が水であることを特徴とする半導体研磨用スラリーについて開示されており、その中で、非真球状コロイダルシリカの(長径/短径)が1.2〜5.0のものが提案されており、特開2004−311652号公報(特許文献14)にも同様な非真球状コロイダルシリカが開示されている。
特開平1−317115号公報 特開平4−65314号公報 特開平4−187512号公報 特許第3441142号公報 特開平7−118008号公報 特開平8−279480号公報 特開平11−214338号公報 国際公開WO00/15552公報 特開2001−11433号公報 特開2001−48520号公報 特開2001−150334号公報 特開2003−133267号公報 特開2004−288732号公報 特開2004−311652号公報
本発明は、特に研磨材として好適な異方形状シリカゾルおよびその製造方法を提供するものであり、所定のシリカゾルを原料として、異方形状のシリカゾルを調製することを可能とする製造方法を提供することを目的とする。
本出願の第1の発明は、珪酸液(a)にアルカリ性水溶液を添加してpHを10.0〜12.0に調整し、60〜150℃の温度条件下、珪酸液(b)と2価以上の水溶性金属塩との混合物を連続的にまたは断続的に添加することを特徴とする異方形状シリカゾルの製造方法である。
本出願の第2の発明は、前記異方形状シリカゾルの製造方法において、前記珪酸液(a)と前記珪酸液(b)のそれぞれのシリカ固形分の重量比が50:50〜95:5の範囲にあり、前記珪酸液(a)と前記珪酸液(b)のシリカ固形分の合計重量に対する前記2価以上の水溶性金属塩の割合が、該水溶性金属塩の酸化物換算重量で100〜2000ppmの範囲にあることを特徴とする異方形状シリカゾルの製造方法である。
本出願の第3の発明は、前記異方形状シリカゾルの製造方法において、前記珪酸液が、アルカリ金属珪酸塩、第3級アンモニウム珪酸塩、第4級アンモニウム珪酸塩またはグアニジン珪酸塩から選ばれる水溶性珪酸塩を脱アルカリすることにより調製されたものであって、シリカ固形分濃度が1〜10重量%の範囲であることを特徴とする異方形状シリカゾルの製造方法である。
本出願の第4の発明は、前記異方形状シリカゾルの製造方法において、前記2価以上の水溶性金属塩が、マグネシウム、カルシウム、バリウム、マンガン、鉄、チタニウム、ジルコニウム、アルミニウム、スズ、鉛またはアンチモンから選ばれる金属のハロゲン化物、シリル化物、硫酸塩、チオ硫酸塩、リン酸塩または有機酸の金属塩であることを特徴とする異方形状シリカゾルの製造方法である。
本出願の第5の発明は、前記異方形状シリカゾルに製造方法において、前記珪酸液(b)と2価以上の水溶性金属塩との混合物を5分〜24時間かけて添加することを特徴とする異方形状シリカゾルの製造方法である。
本出願の第6の発明は、前記異方形状シリカゾルの製造方法によって得られる平均粒子径が10〜50nmの範囲にあり、短径/長径比が0.01〜0.5の範囲にある異方形状シリカゾルである。
本発明に係る異方形状シリカゾルの製造方法によれば、基本的に既存の球状シリカゾルの製造プロセスをそのまま利用して、異方形状シリカゾルを製造することができ、異方形状シリカゾルを極めて容易に製造することができるものである。特に、本発明の製造方法は、細長い異方形状シリカゾルを製造することのに好適である。
本発明に係る異方形状シリカゾルは、研磨剤として優れた研磨特性を有する。特に実用上問題となるレベルのスクラッチを抑制できるものである。即ち、当該異方形状シリカゾルは研磨時において研磨面で粒子配列が起こり、スクラッチの少ない各種の基板研磨面を提供することができる。
[異方形状シリカゾルの製造方法]
珪酸液
本発明製造方法において使用される珪酸液とは、水溶性珪酸塩を脱アルカリすることにより調製されるものであり、通常は珪酸塩の水溶液を陽イオン交換樹脂で処理するなどの方法で脱アルカリして得られる珪酸の低重合物の水溶液である。この種の珪酸液は、通常、pHは2〜4、SiO2/Na2Oが100〜5,000、SiO2濃度約10重量%以下、好ましくは2〜7重量%のものが、常温でのゲル化が生じ難く、比較的安定であり、実用的に原料として使用される。
前記水溶性珪酸塩としては、アルカリ金属と珪酸とからなるアルカリ金属珪酸塩、第3級アンモニウムと珪酸からなる第3級アンモニウム珪酸塩、第4級アンモニウムと珪酸からなる第4級アンモニウム珪酸塩およびグアニジンと珪酸とからなるグアニジン珪酸塩などが挙げられる。
アルカリ金属珪酸塩としては、珪酸ナトリウム(水硝子)、珪酸カリウム、珪酸リチウムなどがあり、第3級アンモニウム珪酸塩としては珪酸トリエタノールアミン、第4級アンモニウム珪酸塩としては、珪酸テトラメタノールアンモニウム、珪酸テトラエタノールアンモニウムなどが挙げられる。
アルカリ性水溶液
アルカリ性水溶液としては、珪酸液のpHを調整できるものであって、本発明の異方形状シリカゾルの生成に悪影響を与えないものであれば、制限なく使用できる。具体例としては、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液、アンモニア水溶液、有機アミン系塩類や水溶性珪酸塩の水溶液などが挙げられる。
本発明の製造方法では、最初に珪酸液(以下、「珪酸液(a)」と称する。)に、アルカリ性水溶液を加えて、pHを10.0〜12.0の範囲に調整する。pHをこの範囲に調整するとシリカが過飽和となり、シリカ微粒子が析出する。このシリカ微粒子を種粒子として、粒子成長させて、異方形状シリカゾルを調製する。珪酸液のpHが10.0未満の場合は過飽和度が高く凝集し易くなり、他方、pHが12.0を越える場合はシリカ溶解度が高く、溶解して粒子が生成しない。このpH範囲については、好適には、10.3〜11.5の範囲が推奨される。
粒子成長
pH10.0〜12.0の範囲に調整された珪酸液を加熱して、60〜150℃の温度条件下、別の珪酸液(以下、「珪酸液(b)」と称する。)と2価以上の水溶性金属塩の混合物を連続的にまたは断続的に添加することにより、シリカ微粒子を成長させてシリカゾルを調製する。
前記2価以上の水溶性金属塩の金属の例としては、マグネシウム、カルシウム、バリウム、マンガン、鉄、チタニウム、ジルコニウム、アルミニウム、スズ、鉛、アンチオモンなどを挙げることができる。これらの金属を含む水溶性金属塩としては、これらの金属のハロゲン化物、ヘキサフルオロシリル化物、硫酸塩、チオ硫酸塩、リン酸塩、塩素酸類塩、硝酸類塩等の無機金属塩が挙げられる。また、有機酸の金属塩も水溶性であれば用いることができる。
具体的には、塩化マンガン、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、塩化バリウム、塩化アルミニウム、塩化スズ、塩化鉛、塩化ストロンチウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸アルミニウム、硫酸カリウムアルミニウム、塩素酸マグネシウム、リン酸マグネシウム、硝酸マグネシウム、硝酸カルシウム、硝酸バリウム、硝酸アルミニウム、水酸化ストロンチウム、乳酸アルミニウム、ジルコニウムアセチルアセトネート、酢酸ジルコニル、硫酸ジルコニル、炭酸ジルコニウムアンモニウム、ステアリン酸ジルコニル、オクチル酸ジルコニル、硝酸ジルコニル、オキシ塩化ジルコニウム、ヒドロキシ塩化ジルコニウム、塩化第2鉄、塩化第1鉄、塩化第1錫等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
また、ここで使用する珪酸液(b)は、前記出発珪酸液である珪酸液(a)と同様に、通常、pHは2〜4、SiO2/Na2Oが100〜5000、SiO2濃度約10重量%以下、好ましくは2〜7重量%のものである。
この珪酸液(b)と2価以上の水溶性金属塩の混合物を調製し、この混合物を、珪酸液(a)にアルカリ性水溶液を添加して、pH10.0〜12.0に調整された珪酸液に60〜150℃の温度範囲で連続的にまたは断続的に添加する。
珪酸液(a)にアルカリ性水溶液を添加して、pH10.0〜12.0に調整された珪酸液に対して使用する、珪酸液(b)と2価以上の水溶性金属塩との混合物の使用量については、次のように設定される。
水溶性金属塩の使用量については、該水溶性金属塩の金属酸化物に換算して、珪酸液(a)と珪酸液(b)のシリカ固形分の合計重量に対して、100〜2000ppmの範囲で使用される。100ppm未満では、異方性が得られにくく、他方、2000ppmを越える場合は、シリカゾルが凝集するといった問題がある。水溶液金属塩の添加量については、好適には120〜1,500ppmの範囲が推奨される。なお、ここで水溶性金属塩の使用量を、該水溶性金属塩の金属酸化物に換算する場合、1酸化物型の金属酸化物に換算する。従って、例えば、Al23の場合は、Al23に相当する使用量の1/2がこれに相当する。
珪酸液(b)の使用量については、珪酸液(a)と珪酸液(b)のシリカ固形分比率で、50:50〜95:5の範囲で使用される。珪酸液(b)の使用量が、この範囲を下回る場合は、連結した粒子間の強度が小さく、凝集し易くなり、他方、珪酸液(b)の使用量が、この範囲を超える場合は、連結した粒子の成長が大きくなり、異方性が小さくなり易い。珪酸液(a)と珪酸液(b)のシリカ固形分比率の好適な範囲としては、50:50〜75:25の範囲が推奨される。
以上の条件を満たすように珪酸液(b)と2価以上の水溶性金属塩の混合物は調製されて、珪酸液(a)にアルカリ性水溶液を添加して、pH10.0〜12.0に調整された珪酸液に60〜150℃の温度範囲で連続的にまたは断続的に添加される。珪酸液(b)と2価以上の水溶性金属塩の混合については、格別に制限はなく、常温で珪酸液(b)に2価以上の水溶性金属塩を添加し、攪拌することにより行うことができる。
pH調整した珪酸液への前記混合物の添加に当たっては、珪酸液(b)と2価以上の水溶性金属塩の混合物を連続的にまたは断続的に添加する方法がとられる。通常、5分から24時間かけて、ゲル化を招かないように添加が行なわれる。前記混合物の添加終了後は、直ちに次の工程を行なっても構わないが、1〜3時間保持し、徐冷してから次の工程に進んでもよく、また、数時間かけて放冷することにより、常温にしてから次の工程に進んでも良い。
本発明に係る異方形状シリカゾルの製造方法により、効率的に異方形状シリカゾルを調製できることについては、珪酸液と2価以上の水溶性金属塩との混合物を徐々にpH10.0〜12.0、温度範囲60〜150℃の珪酸液に添加することにより、金属塩が、シリカ微粒子間の連結剤として作用する結果、「シリカ−金属塩−シリカ−金属塩−・・・」の構造をとり、シリカ微粒子が細長く成長するものと推測される。また、本発明に係る異方形状シリカゾルの製造方法では、前記珪酸液と2価以上の水溶性金属塩との混合物を徐々に添加するため、珪酸液の凝集が生じ難く、得られる異方形状シリカゾルの大きさを制御する上でも好適である。
[異方形状シリカゾル]
本発明の異方形状シリカゾルは、前記した製造方法によって得られる非球状のシリカ微粒子が分散したゾルであり、シリカ微粒子の平均粒子径が3〜30nmであり、短径/長径比が0.01〜0.5の範囲にある。
平均粒子径が3nm未満の場合は、安定性がない。他方、30nmを越える場合は、粒子間の相互作用が大きく高粘度となる。短径/長径比が0.01未満の場合は、粘度が高くなり、凝集しやすい。他方、0.5を越える場合は、粘度はひくく、異方性の特性が小さくなる。この異方形状シリカゾルは、研磨剤用途からは、平均粒子径が5〜25nm、短径/長径比が0.10〜0.35の範囲のものが好適である。
前記平均粒子径については、BET法により測定したものである。また、短径/長径比については、走査型電子顕微鏡により撮影された写真をもとに、後記するように所定数のシリカ微粒子について、短径/長径の長さを測定し、そこから短径/長径比の値を算出し、更にその平均値をとったものである。
本発明の異方形状シリカゾルのSiO2濃度は、通常は、1〜50重量%の範囲にあるものが好適に使用される。
本発明の異方形状シリカゾルは、このまま目的の用途に供されることもあり、また、用途によっては限外過または蒸発等の手段によって濃縮される。また、溶媒置換等の方法によって、有機溶媒と置換し、オルガノゾルとすることもできる。
このような有機溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ジアセトンアルコール、フルフリルアルコール、テトラヒドロフルフリルアルコール、エチレングリコール、ヘキシレングリコールなどのアルコール類;酢酸メチルエステル、酢酸エチルエステルなどのエステル類;ジエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルなどのエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、アセチルアセトン、アセト酢酸エステルなどのケトン類、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド等のアミド類などが挙げられる。これらは単独で使用しても良く、また2種以上混合して使用しても良い。
また、本発明の異方形状シリカゾルは、シランカップリング剤で表面処理して疎水性を付与して用いることもでき、必要に応じてシリカゾル中のアルカリをイオン交換樹脂等によって除去して用いることもできる。
本発明に係る製造方法により得られる異方形状シリカゾルは、微細で異方形状なシリカゾルであり、研磨剤用途を始め、インク用吸収性微粒子、塗料等の展着性補助剤、材料表面の親水性コーティング材、バインダー等に適用可能である。
還流器および攪拌機付セパラブルフラスコにシリカ固形分4.5重量%の珪酸液(a)(SiO2/Na2Oモル比1200、pH2.5)500gを入れ、そこに10%水酸化ナトリウム水溶液4.5gを添加し、攪拌混合した。添加後のpHは11.1だった。
この溶液を80℃で1時間加熱してから、温度を80℃に保持しながら、珪酸液(b)(シリカ固形分濃度、SiO2/Na2Oモル比およびpHは珪酸液(a)と同様)220gと塩化マグネシウム0.02gの混合物を3時間かけて滴下し、シリカゾルを得た。そして、このシリカゾルをエバポレーターにてSiO2濃度20重量%まで濃縮してシリカゾルを調製した。
このシリカゾルについてのBET法により測定される比表面積から算定される平均粒子径については、シリカゾルを凍結乾燥機で乾燥させた後、110℃で20時間乾燥した試料について比表面積を測定した後、比表面積測定装置(湯浅アイオニクス製、マルチソーブ12)を用いて窒素吸着法(BET法)により測定した。
そして、BET法による窒素吸着量から比表面積(SA)を求め、粒子径(Dp)=6000/SA×〔粒子の密度〕の式から平均粒子径を求めたところ7nmとなった。
また、シリカゾルの短径/長径比については、透過型電子顕微鏡(型番H−800、日立製作所製)を使用して、倍率250,000倍の写真を撮影し、任意の10個のシリカ微粒子について、長径(最大の長さ)と短径(最大の太さ)を測定し、それぞれ短径/長径比の値を算出したところ、平均値は0.20となった。
以上の調製条件、シリカゾルの平均粒子径および短径/長径比について、表1に示した。また、これ以降の実施例と比較例についても同様に記載した。
還流器および攪拌機付セパラブルフラスコにシリカ固形分濃度4.5重量%の珪酸液(a)(SiO2/Na2Oモル比1,200、pH2.5)500gを入れ、そこに10%水酸化カリウム水溶液4.4gを添加し、攪拌混合した。添加後のpHは10.5だった。
この溶液を80℃で1時間加熱してから、温度を80℃に保持しながら、珪酸液(b)(シリカ固形分濃度、SiO2/Na2Oモル比およびpHは珪酸液(a)と同様)220gと塩化マンガン0.04gの混合物を9時間かけて滴下し、シリカゾルを得た。そして、このシリカゾルをエバポレーターにてSiO2濃度20重量%まで濃縮してシリカゾルを調製した。
このシリカゾルのBET法による平均粒子径を求めたところ6nmとなった。また、短径/長径比の値は0.30となった。
還流器および攪拌機付セパラブルフラスコにシリカ固形分濃度4.5重量%の珪酸液(a)(SiO2/Na2Oモル比1,200、pH2.5)500gを入れ、そこに10%水酸化ナトリウム水溶液4.5gを添加し、攪拌混合した。添加後のpHは11.1だった。
この溶液を80℃で1時間加熱してから、温度を80℃に保持しながら、珪酸液(b)(シリカ固形分濃度、SiO2/Na2Oモル比およびpHは珪酸液(a)と同様)220gと塩化マグネシウム0.03gの混合物を4時間かけて滴下し、シリカゾルを得た。そして、このシリカゾルをエバポレーターにてSiO2濃度20重量%まで濃縮してシリカゾルを調製した。
このシリカゾルのBET法による平均粒子径を求めたところ9nmとなった。また、短径/長径比の値は0.20となった。
還流器および攪拌機付セパラブルフラスコにシリカ固形分濃度4.5重量%の珪酸液(a)(SiO2/Na2Oモル比1,200、pH2.1)500gを入れ、そこに10%アンモニア水溶液10.5gを添加し、攪拌混合した。添加後のpHは11.1だった。
この溶液を120℃で1時間加熱してから、温度を120℃に保持しながら、珪酸液(b)(シリカ固形分濃度、SiO2/Na2Oモル比およびpHは珪酸液(a)と同様)220gと塩化マグネシウム0.01gの混合物を4時間かけて滴下し、シリカゾルを得た。そして、このシリカゾルをエバポレーターにてSiO2濃度20重量%まで濃縮してシリカゾルを調製した。
このシリカゾルのBET法による平均粒子径を求めたところ21nmとなった。また、短径/長径比の値は0.21となった。
還流器および攪拌機付セパラブルフラスコにシリカ固形分濃度4.5重量%の珪酸液(a)(SiO2/Na2Oモル比1,200、pH2.5)500gを入れ、そこに10%水酸化ナトリウム水溶液5.0gを添加し、攪拌混合した。添加後のpHは11.3だった。
この溶液を80℃で1時間加熱してから、温度を80℃に保持しながら、珪酸液(b)(シリカ固形分濃度、SiO2/Na2Oモル比およびpHは珪酸液(a)と同様)220gと塩化アルミニウム0.01gの混合物を3時間かけて滴下し、シリカゾルを得た。そして、このシリカゾルをエバポレーターにてSiO2濃度20重量%まで濃縮してシリカゾルを調製した。
このシリカゾルのBET法による平均粒子径を求めたところ8nmとなった。また、短径/長径比の値は0.05となった。
還流器および攪拌機付セパラブルフラスコにシリカ固形分濃度2.2重量%の珪酸液(a)(SiO2/Na2Oモル比1,200、pH3.1)500gを入れ、そこに10%水酸化ナトリウム水溶液を2.5gを添加し、攪拌混合した。添加後のpHは10.1だった。
この溶液を98℃で1時間加熱してから、温度を98℃に保持しながら、珪酸液(b)(シリカ固形分濃度、SiO2/Na2Oモル比およびpHは珪酸液(a)と同様)450gと塩化マグネシウム0.05gの混合物を10時間かけて滴下し、シリカゾルを得た。そして、このシリカゾルをエバポレーターにてSiO2濃度20重量%まで濃縮してシリカゾルを調製した。
このシリカゾルのBET法による平均粒子径を求めたところ15nmとなった。また、短径/長径比の値は0.25となった。
比較例1
還流器および攪拌機付セパラブルフラスコにシリカ固形分濃度4.5重量%の珪酸液(a)(SiO2/Na2Oモル比1,200、pH2.5)500gを入れ、そこに10%水酸化ナトリウム水溶液1.5gを添加し、攪拌混合した。添加後のpHは8.2だった。
この溶液を80℃で1時間加熱してから、温度を80℃に保持しながら、珪酸液(b)(シリカ固形分濃度、SiO2/Na2Oモル比およびpHは珪酸液(a)と同様)220gと塩化マグネシウム0.02gの混合物を3時間かけて滴下したところ凝集した。
比較例2
還流器および攪拌機付セパラブルフラスコにシリカ固形分濃度4.5重量%の珪酸液(a)(SiO2/Na2Oモル比1,200、pH2.5)500gを入れ、そこに10%水酸化ナトリウム水溶液10gを添加し、攪拌混合した。添加後のpHは12.5だった。
この溶液を80℃で1時間加熱してから、温度を80℃に保持しながら、珪酸液(b)(シリカ固形分濃度、SiO2/Na2Oモル比およびpHは珪酸液(a)と同様)220gと塩化マグネシウム0.02gの混合物を3時間かけて滴下し、シリカゾルを得た。そして、このシリカゾルをエバポレーターにてSiO2濃度20重量%まで濃縮してシリカゾルを調製した。
このシリカゾルのBET法による平均粒子径を求めたところ6nmとなった。また、短径/長径比の値は0.6となった。
比較例3
還流器および攪拌機付セパラブルフラスコにシリカ固形分濃度4.5重量%の珪酸液(a)(SiO2/Na2Oモル比1,200、pH2.5)500gを入れ、そこに10%水酸化ナトリウム水溶液4.5gを添加し、攪拌混合した。添加後のpHは11.1だった。
この溶液を80℃で1時間加熱してから、温度を80℃に保持しながら、珪酸液(b)(シリカ固形分濃度、SiO2/Na2Oモル比およびpHは珪酸液(a)と同様)220gのみを3時間かけて滴下し、シリカゾルを得た。そして、このシリカゾルをエバポレーターにてSiO2濃度20重量%まで濃縮してシリカゾルを調製した。
このシリカゾルのBET法による平均粒子径を求めたところ6nmとなった。また、短径/長径比の値は0.9となった。
比較例4
還流器および攪拌機付セパラブルフラスコにシリカ固形分濃度4.5重量%の珪酸液(a)(SiO2/Na2Oモル比1,200、pH2.5)500gを入れ、そこに10%水酸化ナトリウム水溶液4.5gを添加し、攪拌混合した。添加後のpHは11.1だった。
この溶液を80℃で1時間加熱してから、温度を80℃に保持しながら、珪酸液(b)(シリカ固形分濃度、SiO2/Na2Oモル比およびpHは珪酸液(a)と同様)220gと塩化マグネシウム3gの混合物を4時間かけて滴下したところ凝集した。
比較例5
還流器および攪拌機付セパラブルフラスコにシリカ固形分濃度4.5重量%の珪酸液(a)(SiO2/Na2Oモル比1,200、pH2.5)500gを入れ、そこに10%水酸化ナトリウム水溶液4.5gを添加し、攪拌混合した。添加後のpHは11.1だった。
この溶液を80℃で1時間加熱してから、塩化マグネシウム0.02gのみを全量同時に添加し、更に温度を80℃に保持しながら、珪酸液(b)(シリカ固形分濃度、SiO2/Na2Oモル比およびpHは珪酸液(a)と同様)220gを3時間かけて滴下しところ凝集した。
Figure 0004911961

Claims (3)

  1. 珪酸液(a)にアルカリ性水溶液を添加してpHを10.0〜12.0に調整し、60〜150℃の温度条件下、珪酸液(b)と塩化マグネシウム、塩化マンガン、または塩化アルミニウムから選ばれる2価以上の水溶性金属塩との混合物を連続的にまたは断続的に添加して異方形状シリカゾルを製造する方法であって、
    前記珪酸液(a)と前記珪酸液(b)のそれぞれのシリカ固形分の重量比が50:50〜95:5の範囲にあり、前記珪酸液(a)と前記珪酸液(b)のシリカ固形分の合計重量に対する前記2価以上の水溶性金属塩の割合が、該水溶性金属塩の酸化物換算重量で100〜2 ,000ppmの範囲にあることを特徴とする異方形状シリカゾルの製造方法。
  2. 前記珪酸液が、アルカリ金属珪酸塩、第3級アンモニウム珪酸塩、第4級アンモニウム珪酸塩またはグアニジン珪酸塩から選ばれる水溶性珪酸塩を脱アルカリすることにより調製されたものであって、シリカ固形分濃度が1〜10重量%の範囲であることを特徴とする請求項記載の異方形状シリカゾルの製造方法。
  3. 前記珪酸液(b)と2価以上の水溶性金属塩との混合物を、5分〜24時間かけて添加することを特徴とする請求項1または請求項2記載の異方形状シリカゾルの製造方法。
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