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JP4900584B2 - 熱定着ロール又は定着ベルト - Google Patents

熱定着ロール又は定着ベルト Download PDF

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JP4900584B2 JP2006316530A JP2006316530A JP4900584B2 JP 4900584 B2 JP4900584 B2 JP 4900584B2 JP 2006316530 A JP2006316530 A JP 2006316530A JP 2006316530 A JP2006316530 A JP 2006316530A JP 4900584 B2 JP4900584 B2 JP 4900584B2
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Description

本発明は、高熱伝導性の熱定着ロール又は定着ベルト用シリコーンゴム組成物を用いて形成された熱定着ロール又は定着ベルトに関し、更に詳しくは、高熱伝導性を有するにもかかわらず、高温下にさらされても物性の変化が小さいシリコーンゴムを形成することができる熱硬化性、特に付加又は有機過酸化物硬化型の熱定着ロール又は定着ベルト用シリコーンゴム組成物を用いて形成された熱定着ロール及び定着ベルトに関する。
シリコーンゴムは、電気絶縁性、耐熱性、耐候性、難燃性に優れているため、家電・コンピューターなどの電気電子用、輸送機部品、OA機器や建築用途など、様々な分野で使用されている。特に、近年では、その耐熱性を生かしてコンピューターの放熱部品、複写機やレーザービームプリンターのヒーターロール、加圧ロールなどの定着ロールの被覆材として用いられてきた。最近では、コピーの高速化、カラーコピーの普及に伴い、定着ロールにも低硬度化が求められ、従来の金属又はフッ素樹脂では対応しきれなくなり、高熱伝導性のシリコーンゴムの上にフッ素樹脂を被覆するタイプが多く採用されている。特に、ここで用いられるヒートロール用のゴムには、機械立ち上げ時の待ち時間を短くするため、及び機械自体の省エネルギーの観点から、高熱伝導が要求され、更には常時150〜250℃の高温にさらされるため、低圧縮永久歪が要求される。しかしながら、シリコーンゴム自体の熱伝導性は高くないため、高い熱伝導性を有するフィラーを添加する方法が一般的に行われている。このようなシリコーンゴムとしては、特開昭58−219259号公報(特許文献1)、特開平3−221982号公報(特許文献2)、特開平10−39666号公報(特許文献3)などで提案されているものが用いられてきた。これらは、従来から用いられてきたシリコーンゴムに熱伝導性フィラーとして、シリカ、アルミナ、酸化マグネシウムなどが配合されているものである。しかしながら、熱伝導性を向上させるために多量の充填剤を配合することが必要になり、その結果ゴムローラとして必要なゴム圧縮永久歪の悪化、耐熱性の低下や過度の充填剤の充填によってロール硬度が高くなってしまう、成形が困難になってしまう等の弊害があった。
特開昭58−219259号公報 特開平3−221982号公報 特開平10−39666号公報 特開2002−270032号公報 特開2000−089600号公報 特開2003−208252号公報 特開平9−328365号公報 特開2003−137528号公報
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、熱伝導性が高く、耐熱性、弾性率に優れた熱定着ロール、定着ベルトを可能にする高熱伝導性熱定着ロール又は定着ベルト用シリコーンゴム組成物を用いた定着ロール、定着ベルトを提供することを目的とする。
本発明者は、熱伝導性が高く、かつ耐熱性にも優れる材料について種々検討した結果、シリコーンゴム組成物に金属珪素粉末を配合することにより、高熱伝導性で圧縮永久歪が低く、かつ耐熱性にも優れるシリコーンゴム硬化物が得られ、これが高熱伝導性で耐熱性に優れるため、各種複写機やプリンターの定着ロール及び定着ベルトとして有効に用いられることを知見し、本発明をなすに至ったものである。
なお、熱伝導性向上のための金属珪素粉等の充填剤への利用については、特開2002−270032号公報に炭素粉末とSiOx(0.5<X<1.5)粉末の併用による導電性付与の記述があるが、金属珪素粉末及び熱伝導性の記述はない。また、特開2000−089600号公報、特開2003−208252号公報には、熱伝導性物質として炭化珪素を使用する記述があるが、金属珪素粉を利用する記述はない。その他、特開平9−328365号公報や特開2003−137528号公報等に、窒化珪素や球状シリカの出発原料として金属珪素を利用することが記載されているが、本発明によるような熱伝導性を目的としてオルガノポリシロキサンに金属珪素粉を配合し、高熱伝導性シリコーンゴムとする記述はない。
従って、本発明の定着ロール、定着ベルトに用いるシリコーンゴム組成物は、
(A)一分子中に少なくとも2個の珪素原子と結合するアルケニル基を含有するオルガノポリシロキサン 100質量部、
(B)平均粒子径が100μm以下の金属珪素粉末 20〜500質量部
(C)上記(A)成分を硬化しうる量の硬化剤
を含有することを特徴とする高熱伝導性熱定着ロール又は定着ベルト用シリコーンゴム組成物である。この場合、(B)成分の金属珪素粉末が、粉砕法により粉末化され、平均粒子径が1〜50μmの粉砕金属珪素粉末、又は平均粒子径が1〜50μmである球形金属珪素粉末であることが好ましい。また、硬化物の熱伝導率が、0.5W/mK以上であることが好ましい。
よって、本発明は、ロール軸の外周面に少なくとも1層のシリコーンゴム層が形成されてなる定着ロールであって、該シリコーンゴム層を形成するシリコーンゴムが上記のシリコーンゴム組成物を硬化させてなるものであることを特徴とする定着ロール、ロール軸の外周面に少なくとも1層のシリコーンゴム層を介してフッ素樹脂層もしくはフッ素ゴム層が形成されてなる定着ロールであって、該シリコーンゴム層を形成するシリコーンゴムが上記のシリコーンゴム組成物を硬化させてなるものであることを特徴とする定着ロール、及びベルト基材上に少なくとも1層のシリコーンゴム層を有して、単層又はフッ素樹脂層もしくはフッ素ゴム層が形成されてなる定着ベルトであって、該シリコーンゴム層を形成するシリコーンゴムが上記のシリコーンゴム組成物を硬化させてなるものであることを特徴とする定着ベルトを提供する。
本発明の定着ロール、定着ベルトは、熱伝導性が高く、かつ高温下での長期耐久性に優れたものである。
本発明の高熱伝導性熱定着ロール又は定着ベルト用シリコーンゴム組成物の(A)成分は、一分子中に少なくとも2個の珪素原子と結合するアルケニル基を含有し、室温で液状又は生ゴム状のジオルガノポリシロキサンであり、下記平均組成式(1)で示されたものを用いることができる。
1 aSiO(4-a)/2 (1)
式中、R1は互いに同一又は異種の炭素数1〜10、好ましくは1〜8の非置換又は置換の一価炭化水素基であり、aは1.5〜2.8、好ましくは1.8〜2.5の範囲の正数である。ここで、上記R1で示される珪素素原子に結合した非置換又は置換の一価炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等のアルキル基、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基等のアラルキル基、ビニル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、ヘキセニル基、シクロヘキセニル基、オクテニル基等のアルケニル基や、これらの基の水素原子の一部又は全部をフッ素、臭素、塩素等のハロゲン原子、シアノ基等で置換したもの、例えばクロロメチル基、クロロプロピル基、ブロモエチル基、トリフルオロプロピル基、シアノエチル基等が挙げられるが、全R1の90モル%以上がメチル基であることが好ましい。
また、R1のうち少なくとも2個はアルケニル基(炭素数2〜8のものが好ましく、更に好ましくは2〜6であり、特に好ましくはビニル基である。)であることが必要である。なお、アルケニル基の含有量は、オルガノポリシロキサン中1.0×10-6〜5.0×10-3mol/g、特に5.0×10-6〜1.0×10-3mol/gとすることが好ましい。アルケニル基の量が1.0×10-6mol/gより少ないと、架橋が不十分で、ゲル状になってしまい、また5.0×10-3mol/gより多いと、架橋密度が高くなりすぎて、脆いゴムとなってしまうおそれがある。このアルケニル基は、分子鎖末端の珪素原子に結合していても、分子鎖途中(即ち、分子鎖非末端)の珪素原子に結合していても、両者に結合していてもよい。分子量については、室温で液状又は生ゴム状であり、重合度が50〜50,000が好ましく、より好ましくは80〜20,000の範囲である。
また、このオルガノポリシロキサンの構造は、基本的には主鎖が、例えば、ジメチルシロキサン単位、ジフェニルシロキサン単位、メチルフェニルシロキサン単位、メチルトリフルオロプロピルシロキサン単位、ビニルメチルシロキサン単位等のジオルガノシロキサン単位(R1 2SiO2/2)の繰り返しからなり、分子鎖両末端が、例えば、トリメチルシロキシ基、ビニルジメチルシロキシ基、ジビニルメチルシロキシ基、トリビニルシロキシ基、ビニルジフェニルシロキシ基、ビニルメチルフェニルシロキシ基、フェニルジメチルシロキシ基、ジフェニルメチルシロキシ基等のトリオルガノシロキシ基(R1 3SiO1/2)で封鎖された直鎖状構造を有するが、部分的には分岐状の構造、環状構造などであってもよい。
(B)成分は、本発明の組成物に熱伝導性を付与するための高熱伝導性無機粉体であり、本発明のシリコーンゴム組成物は、上記オルガノポリシロキサン(A)に高熱伝導性無機粉体として、金属珪素粉末(B)を配合したものである。金属珪素は良好な熱伝導性をもち、またモース硬度が低く、金属珪素の特性として、たたくと砕けやすく、展性が低いため、高剪断を与えても金属粉自体が凝集しにくい特性をもつ。そのため、粉砕による微粒子化が容易で、ポリオルガノシロキサンヘの分散性に優れる特性をもつ。また、金属珪素粉末の表面には、ごく薄い自然酸化膜が形成され、形成された膜はガラスと同じで熱や酸や汚れに強く、電気が流れにくく、熱に安定である。
ここで、本発明に用いる金属珪素粉末の製造方法としては、特に限定されるものではないが、珪石を還元して金属珪素としたものをボールミル等既存の破砕機や粉砕器にて粉砕したもの、半導体製造工程等より発生する金属珪素(ウエハー)や切削くず等を原料として微粉化したものなど、粉砕法により粉末化したもの、金属珪素を高温で溶融したものを気相法で微粒子化し、冷却、固化して球状粒子としたものなどの球形金属珪素粉末(ここで“球状”又は“球形”とは、個々の粒子表面に鋭く尖ったエッヂ部分がない、なめらかな形状であることを意味するもので、通常、長径/短径の比率(アスペクト比)が1.0〜1.4、好ましくは1.0〜1.2程度のものを示す。)等が挙げられ、金属珪素の結晶構造の単結晶、多結晶は任意である。微粒子化した金属珪素粉末の純度は、特に限定されるものではないが、熱伝導性付与の観点から50%以上(即ち、50〜100%)が好適であり、より好ましくは80%以上(80〜100%)、更に好ましくは95%以上(95〜100%)であることが望ましい。純度の高い金属珪素粉末は表面の自然酸化膜に欠陥がなく、高温熱安定性が良好となる。
本発明に使用する金属珪素粉末の平均粒子径は100μm以下であり、好ましくは1〜50μm、より好ましくは1〜25μm、特に2〜25μmであるものを使用する。平均粒子径が1μm未満の粒子は、製造が困難であると共に、多量に配合するのが困難となる場合があり、100μmを超えるとゴム硬化物の機械的強度が損なわれる場合があるだけでなく、ロール等としての表面性能に問題が生じるおそれがある。
なお、平均粒子径は、レーザー光回折法等による粒度分布測定装置を用いて、累積重量平均値D50(又はメジアン径)などとして求めることができる。
また、(B)成分の金属珪素粉末は、シリコーンゴム組成物の熱安定性や粉体の配合性の向上を目的として、シラン系カップリング剤又はその部分加水分解物、アルキルアルコキシシラン又はその部分加水分解物、有機シラザン類、チタネート系カップリング剤、オルガノポリシロキサンオイル、加水分解性官能基含有オルガノポリシロキサン等により表面処理されたものであってもよい。これら処理は、無機粉体自体を予め処理しても、あるいは(A)成分との混合時に処理を行ってもよい。
(B)成分の金属珪素粉末の配合量は、(A)成分100質量部に対し20〜500質量部、好ましくは50〜300質量部である。20質量部未満では、高熱伝導性が得られず、500質量部を超えると、ゴム強度等の物性も著しく低下してしまう。
なお、本発明には、低圧縮永久歪や耐熱性を損なわない範囲で他の熱伝導性物質を併用してもよい。その場合は、(A)成分に配合した熱伝導性物質全体の体積容積率のうち50%以上が本発明の金属珪素粉末であることが望ましい。
他の熱伝導性物質としては、既知の物質が利用可能で、特に限定されるものではないが、具体的にはアルミナ、アルミニウム、炭化珪素、窒化珪素、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、酸化亜鉛、窒化アルミニウム、グラファイト、繊維状グラファイト等が挙げられる。
本発明の(C)成分の硬化剤は、既知の付加反応による硬化剤又は有機過酸化物硬化剤である。
この場合、付加反応硬化剤は、(C−1)オルガノハイドロジェンポリシロキサンと(C−2)付加反応触媒との組み合わせである。
オルガノハイドロジェンポリシロキサン(C−1)は、(A)成分のアルケニル基含有オルガノポリシロキサンとヒドロシリル化付加反応により、組成物を硬化させる架橋剤として作用するものであり、下記平均組成式(2)
2 bcSiO(4-b-c)/2 (2)
(式中、R2は炭素数1〜10の置換又は非置換の一価炭化水素基である。またbは0.7〜2.1、特に0.8〜2.0、cは0.001〜1.0で、かつb+cは0.8〜3.0、特に1.0〜2.5を満足する正数である。)
で示され、一分子中に少なくとも2個、好ましくは3個以上(通常、3〜200個程度)、より好ましくは3〜100個、特に3〜50個の珪素原子結合水素原子(SiH基)を有するものが好適に使用される。
この珪素原子結合水素原子は、分子鎖末端の珪素原子に結合したものであっても、分子鎖途中(分子鎖非末端)の珪素原子に結合したものであっても、これらの両方に結合したものであってもよい。
ここで、R2としては、式(1)中のRlと同様の基を挙げることができるが、好ましくはアルケニル基等の脂肪族不飽和結合を有さないものがよい。
上記オルガノハイドロジェンポリシロキサンとしては、トリス(ジメチルハイドロジェンシロキシ)メチルシラン、トリス(ジメチルハイドロジェンシロキシ)フェニルシラン、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、メチルハイドロジェンシクロポリシロキサン、メチルハイドロジェンシロキサン・ジメチルシロキサン環状共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・ジフェニルシロキサン共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・ジフェニルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体、(CH32HSiO1/2単位とSiO4/2単位とからなる共重合体、(CH32HSiO1/2単位とSiO4/2単位と(C65)SiO3/2単位とからなる共重合体などやこれらの例示化合物において、メチル基の一部又は全部をエチル基、プロピル基等の他のアルキル基、フェニル基等のアリール基、3,3,3−トリフルオロプロピル基等のハロゲン置換アルキル基などで置換したもの等が挙げられる。
このオルガノハイドロジェンポリシロキサンの分子構造は、直鎖状、環状、分岐状、三次元網状構造のいずれであってもよいが、一分子中の珪素原子の数(又は重合度)は2〜1,000、好ましくは3〜500、より好ましくは3〜300、特に好ましくは4〜150程度のものを使用することができる。
このオルガノハイドロジェンポリシロキサンの配合量は、(A)成分のオルガノポリシロキサン100質量部に対して0.1〜50質量部、より好ましくは0.1〜30質量部、更に好ましくは0.3〜30質量部、特に0.3〜20質量部とすることが好ましい。
また、このオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、(A)成分中の珪素原子に結合したアルケニル基に対する(C−1)成分中の珪素原子に結合した水素原子(即ち、SiH基)のモル比が0.5〜5モル/モル、好ましくは0.8〜4モル/モル、より好ましくは1〜3モル/モルとなる量で配合することもできる。
付加反応触媒(C−2)は、(A)成分中の珪素原子に結合したアルケニル基と上記オルガノハイドロジェンポリシロキサン(C−1)のSiH基とのヒドロシリル化付加反応を促進するための触媒であり、この付加反応触媒としては、白金黒、塩化第2白金、塩化白金酸、塩化白金酸と一価アルコールとの反応物、塩化白金酸とオレフィン類との錯体、白金ビスアセトアセテート等の白金系触媒、パラジウム系触媒、ロジウム系触媒などの白金族金属触媒が挙げられる。なお、この付加反応触媒の配合量は触媒量とすることができるが、通常、白金族金属として(A)及び(C−1)成分の合計質量に対して0.5〜1,000ppm、特に1〜500ppm程度配合することが好ましい。
一方、有機過酸化物硬化剤(C−3)としては、有機過酸化物硬化型オルガノポリシロキサン組成物において、(A)成分の架橋反応を促進するための触媒として使用されるものであればよく、従来公知のものを使用することができる。例えば、ベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、p−メチルベンゾイルパーオキサイド、o−メチルベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−ビス(2,5−t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルパーベンゾエート、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシカルボキシ)ヘキサン等が挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。
なお、有機過酸化物の添加量は触媒量であり、硬化速度に応じて適宜選択すればよいが、通常は(A)成分100質量部に対して0.1〜10質量部、好ましくは0.2〜2質量部の範囲とすることができる。
また、本発明においては、上記付加架橋と有機過酸化物架橋とを併用してもよい。なお、液状オルガノポリシロキサン組成物の硬化には、付加架橋が推奨される。
本発明には、導電性材料を添加して導電性シリコーンゴム組成物とすることは任意である。導電性材料の種類、配合量は制限されないが、導電性カーボンブラック、導電性亜鉛華、金属粉などが使用でき、また導電性材料は1種又は2種以上を併用してもよい。カーボンブラックとしては、通常、導電性ゴム組成物に常用されているものが使用し得、例えばアセチレンブラック、コンダクティブファーネスブラック(CF)、スーパーコンダクティブファーネスブラック(SCF)、エクストラコンダクティブファーネスブラック(XCF)、コンダクティブチャンネルブラック(CC)、1,500〜3,000℃程度の高温で熱処理されたファーネスブラックやチャンネルブラック等を挙げることができる。具体的には、アセチレンブラックとしてはデンカブラック(電気化学社製)、シャウニガンアセチレンブラック(シャウニガンケミカル社製)等が、コンダクティブファーネスブラックとしてはコンチネックスCF(コンチネンタルカーボン社製)、バルカンC(キャボット社製)等が、スーパーコンダクティブファーネスブラックとしては、コンチネックスSCF(コンチネンタルカーボン社製)、パルカンSC(キャボット社製)等が、エクストラコンダクティブファーネスブラックとしては、旭HS−500(旭カーボン社製)、パルカンXC−72(キャボット社製)等が、コンダクティブチャンネルブラックとしてはコウラックスL(デグッサ社製)等が例示され、また、ファーネスブラックの一種であるケッチェンブラックEC及びケッチェンブラックEC−600JD(ケッチェンブラックインターナショナル社製)を用いることもできる。ファーネスブラックは不純物、特に硫黄や硫黄化合物の量が硫黄元素の濃度で6,000ppm以下、より好ましくは3,000ppm以下が望ましい。なお、これらのうちでは、アセチレンブラックは不純物含有率が少ない上、発達した2次ストラクチャー構造を有することから導電性に優れており、本発明において特に好適に用いられる。
上記導電性材料の添加量は、導電性シリコーンゴム組成物のゴムが導電となる抵抗値、即ち体積抵抗率が1014Ω・m以下となる量であればよいが、上述した(A)成分100質量部に対して1〜50質量部、特に5〜20質量部とすることが好ましい。添加量が1質量部未満では所望の導電性を得ることができない場合があり、100質量部を超えると物理的混合が難しくなったり、機械的強度が低下したりする可能性があり、目的とするゴム弾性を得られないことがある。
本発明のシリコーンゴム組成物は、上記成分に加えて、必要に応じ、ヒュームドシリカ、沈降シリカ、溶融シリカ、焼成シリカ、ゾル−ゲル法の球状シリカ、結晶シリカ(石英粉)、ケイソウ土等のシリカ微粒子(なお、これらシリカのうち、特に溶融シリカ、結晶シリカは、他の熱伝導性物質としても作用する)、炭酸カルシウム、クレイ、ケイソウ土、二酸化チタンのような補強、準補強性の充填剤、補強剤となるシリコーン系のレジン、窒素含有化合物やアセチレン化合物、リン化合物、ニトリル化合物、カルボキシレート、錫化合物、水銀化合物、硫黄化合物等のヒドロシリル化反応制御剤、酸化鉄、酸化セリウムのような耐熱剤、ジメチルシリコーンオイル等の内部離型剤、接着性付与剤、チクソ性付与剤等を本発明の効果を損なわない範囲で任意に配合することができる。また、酸化鉄、酸化セリウム、オクチル酸鉄等の耐熱性向上剤、接着性や成形加工性を向上させるための各種カーボンファンクショナルシラン、難燃性を付与させる窒素化合物、ハロゲン化合物を添加混合してもよい。重合度が100以下の低分子量シロキサン、シラノール基含有シラン、アルコキシ基含有シラン等を分散助剤として添加してもよい。
これら熱伝導性無機粉体の混合方法は、常温でプラネタリーミキサーやニーダーなどの機器を用いて(A),(B)成分と混合してもよいし、あるいは100〜200℃の高温で混合してもよい。
熱処理を行う場合、例えば(A),(B)成分及び微粉状シリカ系充填剤等を予め混合してベースコンパウンドを調製しておき、これに各種添加剤、カーボンブラック粉などを同様に混練機で混合して調製してもよく、更には硬化剤を添加、混合しても差し支えない。
このようにして得られた高熱伝導性シリコーンゴム組成物は、LIM射出機、金型加圧成形など、通常シリコーンが成型される種々の成形法によって必要とされる用途に成型することができ、その成型条件は別に限定されないが、100〜400℃で数秒〜1時間の範囲が好ましい。また、成型後に2次加硫する場合においては、150〜250℃で1〜30時間の範囲で2次加硫することが好ましい。
本発明の定着ロールは、芯金に上記シリコーンゴム組成物の高熱伝導性硬化物層(シリコーンゴム層)を形成する。この場合、芯金の材質、寸法等は、ロールの種類に応じて適宜選定し得るが、芯金としては、アルミニウム、鉄、ステンレススチール(SUS)等が用いられる。なお、これらの芯金の表面は、シリコーンゴム層との接着性をより強固にする目的でシランカップリング剤やシリコーン系接着剤等のプライマー処理を行うことが好ましい。
また、シリコーンゴム組成物の成形、硬化法も適宜選定し得、例えば注入成形、移送成形、射出成形、コーティング等の方法によって成形でき、加熱により硬化される。このシリコーンゴム組成物を硬化して得られるシリコーンゴム層は、1層を単独形成してもよく、例えば互いに(B)成分の金属珪素粉末量が異なる2層以上の複数層を組み合わせて積層してもよい。このシリコーンゴム層の総厚さは50μm〜20mm、特に0.2mm〜6mmであることが好ましい。薄すぎると、十分なゴム弾性が得られない場合があり、厚すぎると、芯金−ゴムロール表面間の熱移動特性が損なわれる場合がある。
上記シリコーンゴム層の外周に更にフッ素樹脂もしくはフッ素ゴム層を設けてもよい。この場合、フッ素樹脂もしくはフッ素ゴム層は、フッ素系樹脂コーティング材やフッ素系樹脂チューブなどにより形成され、上記シリコーンゴム層を被覆する。ここで、フッ素系樹脂コーティング材としては、例えばポリテトラフルオロエチレン樹脂(PTFE)のラテックスや、ダイエルラテックス(ダイキン工業社製、フッ素系ラテックス)等が挙げられ、またフッ素系樹脂チューブとしては、市販品を使用し得、例えばポリテトラフルオロエチレン樹脂(PTFE)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体樹脂(PFA)、フッ化エチレン−ポリプロピレン共重合体樹脂(FEP)、ポリフッ化ビニリデン樹脂(PVDF)、ポリフッ化ビニル樹脂などが挙げられるが、これらのうちで特にPFAが好ましい。
上記フッ素樹脂もしくはフッ素ゴム層の厚さは1μm〜500μm、特に10μm〜300μmであることが好ましい。薄すぎると、ロールに外部応力が加わった際に破れたり、しわや剥離が生じたりする場合があり、厚すぎると、ロール表面のゴム弾性を損なったり、割れ、折れ等の外観不良を生じたりする場合がある。
本発明の定着ベルトは、ベルト基材上に上記シリコーンゴム層を積層したものである。この場合、ベルト基材としては、ニッケル電鋳、SUS、アルミニウム等の金属ベルトやポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂等の有機樹脂フィルム等公知の材質に形成することができる。また、その形状、寸法等もベルトの種類に応じて適宜選定し得る。
シリコーンゴム組成物の形成、硬化法は、定着ロールの場合と同様であり、また定着ベルト基材に形成するシリコーンゴム層は1層でも、互いに(B)成分の金属珪素粉末量が異なる2層以上の複数層であってもよいが、シリコーンゴム層の総厚さは50μm〜5mm、特に100μm〜1mmであることが好ましい。薄すぎると、ゴム弾性が得られない場合があり、厚すぎると、ベルト表面/基材間の熱移動特性が損なわれる場合がある。
上記シリコーンゴム層上に、フッ素樹脂又はフッ素ゴム層を積層することができる。この場合、フッ素樹脂やフッ素ゴムの種類は、定着ロールにおいて説明したものと同様である。このフッ素樹脂又はフッ素ゴム層の厚さは、1μm〜300μm、特に2μm〜100μmであることが好ましい。薄すぎると、ベルトに外部応力が加わった際に破れたり、しわや剥離が生じたりする場合があり、厚すぎると、ベルト表面のゴム弾性を損なったり、割れ、折れ等の外観不良を生じたりする場合がある。
なお、この高熱伝導性シリコーンゴム組成物の硬化物層(シリコーンゴム層)は、熱伝導率が0.5W/mK以上(通常、0.5〜4.0W/mK、特には0.5〜2.5W/mK程度)であることが好ましい。
以下、実施例と比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるものではない。なお、下記例で部は質量部を示す。
[実施例1]
両末端がジメチルビニルシロキシ基で封鎖されたジメチルポリシロキサン(重合度500)60部、比表面積が110m2/gである疎水化処理されたヒュームドシリカ(日本アエロジル(株)製R−972)1部、平均粒子径0.10μmの酸化鉄(Fe23)2部、平均粒子径が5μmの粉砕金属珪素粉末A160部をプラネタリーミキサーに入れ、室温(23℃)で2時間撹拌を行った。この混合物を3本ロールにかけて充填剤の分散を行った後、再びプラネタリーミキサーに戻し、両末端がトリメチルシロキシ基で封鎖され、側鎖にビニル基を持つジメチルポリシロキサン(重合度300、ビニル価0.000075モル/g)40部、両末端及び側鎖にSi−H基を有するメチルハイドロジェンポリシロキサン(重合度17、Si−H量0.0038mol/g)を1.0部、反応制御剤としてエチニルシクロヘキサノール0.05部、白金触媒(Pt濃度1質量%)0.1部を添加し、15分撹拌を続けてできあがった組成物をシリコーンゴム組成物(実−1)とした。
このシリコーンゴム組成物(実−1)を120℃で10分間プレスキュアし、更に200℃で4時間オーブンキュアを行った後、JIS K6249に従い、硬さ及び180℃/22時間後の圧縮永久歪を測定した後、厚さ12mmのシートについて、熱伝導率を熱伝導計(QTM−3、京都電子社製)で測定した。
更に、このサンプルを230℃のオーブンに144時間放置後、硬度を測定し、劣化度合いを確認した。
[実施例2]
粉砕金属珪素粉末Al60部の代わりとして、平均粒子径が12μmの粉砕金属珪素粉末B250部を配合した以外は実施例1と同様にして調製したシリコーンゴム組成物(実−2)を用いてサンプルを作製し、データを得た。
[実施例3]
粉砕金属珪素粉末A160部の代わりとして、平均粒子径が12μmの粉砕金属珪素粉末Bl20部と平均粒子径が12μmの球状アルミナ90部を配合した以外は実施例1と同様にして調製したシリコーンゴム組成物(実−3)を用いてサンプルを作製し、データを得た。
[実施例4]
粉砕金属珪素粉末A160部の代わりとして、平均粒子径が5μmの球状金属珪素粉末C260部を配合した以外は実施例1と同様にして調製したシリコーンゴム組成物(実−4)を用いてサンプルを作製し、データを得た。
[実施例5]
ジメチルシロキサン単位99.825モル%及びメチルビニルシロキサン単位0.15モル%からなり、分子鎖両末端がジメチルビニルシリル基0.025モル%で封鎖された粘度が1×107mm2/sのオルガノポリシロキサン100部、アセチレンブラックであるデンカブラック(平均粒子径40nm、電気化学(株)製商品名)12部及び比表面積が200m2/gであるヒュームドシリカ(日本アエロジル(株)製)3部、分散剤として平均重合度3〜10の両末端シラノールジメチルポリシロキサン重合体2部、熱伝導性付与充填剤として平均粒子径5μmの粉砕金属珪素粉末A155部を加圧ニーダーを用いて混練した後、このベースコンパウンド100部に対し、硬化剤として2,5−ジメチル−ビス−(2,5−t−ブチルパーオキシ)ヘキサンの25%シリコーンペースト2部を加えて、シリコーンゴム組成物を調製した。
このシリコーンゴム組成物(実−5)を165℃で10分間プレスキュアし、更に200℃で4時間オーブンキュアを行った後、実施例1と同様にJIS K6249に従い、硬さ及び180℃/22時間後の圧縮永久歪、熱伝導率、体積抵抗率を測定した。更に、このサンプルを230℃のオーブンに144時間放置後、硬度を測定し、劣化度合いを確認した。
[比較例1]
実施例1と同組成で、粉砕金属珪素粉末A160部の代わりとして平均粒子径が5μmの石英粉を実施例1と同等の熱伝導性が出るよう250部配合しようとしたが、200部以上は配合することができなかった。
[比較例2]
粉砕金属珪素粉末A160部の代わりとして平均粒子径が5μmの粒状アルミナ粉260部を配合した以外は、実施例1と同様にサンプルを作製し、データを得た。
[比較例3]
実施例2の粉砕金属珪素粉末B250部の代わりとして平均粒子径が12μmの球状アルミナ粉500部を配合した以外は、実施例2と同様にサンプルを作製し、データを得た。
[比較例4]
実施例1の粉砕金属珪素粉末A160部の代わりとして平均粒子径が16μmの球状アルミナ粉320部を配合した以外は、実施例1と同様にサンプルを作製し、データを得た。
[比較例5]
実施例1の粉砕金属珪素粉末A160部の代わりとして平均粒子径が5μmの球状アルミニウム粉280部を配合した以外は、実施例1と同様にサンプルを作製し、データを得た。
Figure 0004900584
[実施例6]
直径12mm×長さ300mmのアルミニウムシャフトの表面に付加反応型液状シリコーンゴム用プライマーNo.101A/B(信越化学工業(株)製)を塗付した。このアルミシャフトを金型内に固定し、実施例1のシリコーンゴム組成物(実−1)を金型内に10kgf/cm2の圧力で充填し、150℃で30分加熱硬化し、更に200℃で4時間ポストキュアし、シリコーンゴム層の厚さが2mmのシリコーンゴムロール(外径16mm)を得た。この定着ロールを電子写真複写機に装着してA4サイズの複写紙を5万枚連続複写したが、紙しわや紙づまりなどはなく、また、複写された画像はすべて鮮明であった。
[比較例6]
実施例6で、実施例1のシリコーンゴム組成物(実−1)に替えて比較例2のシリコーンゴム組成物を使用した以外は同様にロールを作製し、電子複写機に装着してA4サイズの複写紙を連続通紙したところ、25,000枚目から画像が不鮮明になってしまった。ロールを確認したところ、シリコーンゴム層が破断し、ロール破壊していることが確認された。
[実施例7]
直径12mm×長さ300mmのアルミニウムシャフトの表面に付加反応型液状シリコーンゴム用プライマーNo.101A/B(信越化学工業(株)製)を塗付した。内面をプライマー処理した50μmのフッ素PFAチューブとアルミニウムシャフトとの間に実施例2のシリコーンゴム組成物(実−2)を5kgf/cm2の圧力で充填し、150℃で30分加熱硬化し、更に200℃で4時間ポストキュアし、外径20mm×長さ250mmのPFA樹脂被覆シリコーンゴムロールを作製した。この定着ロールを電子写真複写機に装着してA4サイズの複写紙を50,000枚連続複写したが、紙しわや紙づまりなどはなく、また、複写された画像はすべて鮮明であった。
[比較例7]
実施例7で、シリコーンゴム組成物(実−2)に替えて比較例3のシリコーンゴム組成物を使用した以外は同様にロールを作製し、電子複写機に装着してA4サイズの複写紙を連続通紙したところ、30,000枚目から画像が不鮮明になってしまった。ロールを確認すると、形状が端部で変形していることを確認した。
[実施例8]
ニッケル製のベルト基材(厚さ50μm、形状:内径φ55mm、幅250mm)の外周面に付加反応型液状シリコーンゴム用プライマーNo.101A/B(信越化学工業(株)製)を塗付し、乾燥後、焼き付け(150℃×15分)を行った。この上に実施例1のシリコーンゴム組成物(実−1)をコーティングし(厚さ約300μm)、150℃×15分加熱し、更に200℃で2時間ポストキュアを行った。この硬化物表面にダイエルラテックスとシリコーンゴム用プライマーGLP−103SR(ダイキン社製)を均一に塗布し、80℃×10分加熱し、更にダイエルラテックスGLS−213を均一にスプレー塗布し、300℃で1時間加熱焼成し、フッ素樹脂層の厚さが5μmのフッ素樹脂コーティングシリコーンゴム製定着ベルトを作製した。この定着ベルトを電子写真複写機に搭載してA4サイズの複写紙を50,000枚連続複写したが、紙しわや紙づまりなどなく、複写された画像はすべて鮮明であった。
[比較例8]
実施例8で、シリコーンゴム組成物(実−1)に替えて比較例2のシリコーンゴム組成物を使用した以外は同様に定着ベルトを作製し、電子複写機に装着してA4サイズの複写紙を連続通紙したところ、10,000枚目から画像が不鮮明になり、12,000枚から紙しわが発生し、実験を停止した。
以上の結果より、本発明のシリコーンゴム組成物(実施例)は、熱伝導性及び耐熱性に優れ、また圧縮永久歪が低く、定着ロールや定着ベルト用の高熱伝導性シリコーンゴムとして優れた特徴をもつことがわかる。

Claims (9)

  1. ロール軸の外周面に少なくとも1層のシリコーンゴム層が形成されてなる定着ロールであって、該シリコーンゴム層を形成するシリコーンゴムが、
    (A)一分子中に少なくとも2個の珪素原子と結合するアルケニル基を含有するオルガノポリシロキサン 100質量部、
    (B)平均粒子径が100μm以下の金属珪素粉末 20〜500質量部
    (C)上記(A)成分を硬化しうる量の硬化剤
    を含有する高熱伝導性シリコーンゴム組成物を硬化させてなるものであることを特徴とする熱定着ロール。
  2. ロール軸の外周面に少なくとも1層のシリコーンゴム層を介してフッ素樹脂層もしくはフッ素ゴム層が形成されてなる定着ロールであって、該シリコーンゴム層を形成するシリコーンゴムが、
    (A)一分子中に少なくとも2個の珪素原子と結合するアルケニル基を含有するオルガノポリシロキサン 100質量部、
    (B)平均粒子径が100μm以下の金属珪素粉末 20〜500質量部
    (C)上記(A)成分を硬化しうる量の硬化剤
    を含有する高熱伝導性シリコーンゴム組成物を硬化させてなるものであることを特徴とする熱定着ロール。
  3. シリコーンゴム組成物における(B)成分の金属珪素粉末が、粉砕法により粉末化され、平均粒子径が1〜50μmの粉砕金属珪素粉末である請求項又は記載の熱定着ロール。
  4. シリコーンゴム組成物における(B)成分の金属珪素粉末が、平均粒子径が1〜50μmである球形金属珪素粉末である請求項又は記載の熱定着ロール。
  5. シリコーンゴム層の熱伝導率が、0.5W/mK以上である請求項乃至のいずれか1項記載の熱定着ロール。
  6. ベルト基材上に少なくとも1層のシリコーンゴム層を有し、必要によりその上にフッ素樹脂層もしくはフッ素ゴム層が形成されてなる定着ベルトであって、該シリコーンゴム層を形成するシリコーンゴムが、
    (A)一分子中に少なくとも2個の珪素原子と結合するアルケニル基を含有するオルガノポリシロキサン 100質量部、
    (B)平均粒子径が100μm以下の金属珪素粉末 20〜500質量部
    (C)上記(A)成分を硬化しうる量の硬化剤
    を含有する高熱伝導性シリコーンゴム組成物を硬化させてなるものであることを特徴とする定着ベルト。
  7. シリコーンゴム組成物における(B)成分の金属珪素粉末が、粉砕法により粉末化され、平均粒子径が1〜50μmの粉砕金属珪素粉末である請求項記載の定着ベルト。
  8. シリコーンゴム組成物における(B)成分の金属珪素粉末が、平均粒子径が1〜50μmである球形金属珪素粉末である請求項記載の定着ベルト。
  9. シリコーンゴム層の熱伝導率が、0.5W/mK以上である請求項乃至のいずれか1項記載の定着ベルト。
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