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JP4858470B2 - 無機窒化物粒子およびこれを混合した樹脂組成物 - Google Patents

無機窒化物粒子およびこれを混合した樹脂組成物 Download PDF

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Description

本発明は、無機窒化物粒子および無機窒化物粒子を含む樹脂に関する。
近年、電子機器の小型、高性能化に伴い、いかに放熱対策を講じるかが重要な課題となっている。そこで、樹脂を高熱伝導化するため、一般に、熱伝導率の高い微粒子をフィラとして樹脂に添加する方法が用いられている。高熱伝導性の絶縁性樹脂を形成するために添加する電気絶縁性フィラとして、より熱伝導率の高い窒化ケイ素、窒化ホウ素および窒化アルミニウム等の無機窒化物粒子が用いられている。樹脂に熱伝導率が高いフィラを添加することによる効果は、フィラの充填量を多くすると顕著に現れる。
しかし、フィラの充填量を多くすると、樹脂の粘性が増加し、成形性、接着性等の悪化をもたらす。このため、フィラの充填量を増加させることによって熱伝導率を向上させる方法には限界がある。
そこで、フィラの表面を改質して樹脂との親和性を向上させ、フィラを充填した際に樹脂の粘度上昇を抑制する方法が求められている。
特許文献1には、無機窒化物粒子表面にシラン、アルミネートまたはチタネートカップリング剤を反応させることにより無機窒化物粒子表面を改質する方法が開示されている。
しかし、シランカップリング処理は反応に水を用いることから、水に不安定な無機粒子の表面改質には用いることができない。また、水に安定な窒化ホウ素粒子表面の改質には用いることができるが、粒子表面の反応点である−OH基の数が少ないことなどから、表面改質として充分な効果を上げることができない。
特許文献2には、窒化ホウ素表面の−NH、−NH基とイソシアネート基(−NCO)とを反応させ、粒子表面の改質を行う方法が開示されている。しかし、イソシアネート基は粒子表面の−NH、−NH基としか反応せず、粒子表面に存在している−OH基とは反応しないため、粒子の表面改質としては効果が不十分である。
また、特許文献3には、窒化ホウ素表面での重合反応により粒子表面を芳香族ポリアミドで被覆した窒化ホウ素が開示されている。この場合、重合反応の際に用いる酸無水物と窒化ホウ素表面の−OH、−NH、−NH基とが反応し、窒化ホウ素表面を修飾することができると考えられる。しかし、無機窒化物粒子を樹脂に含有させて樹脂の熱伝導率を更に向上させる場合、粒子表面に形成される粒子表面の改質剤はより少ないことが望ましく、また、用いる樹脂が熱硬化性樹脂であり、粒子表面に熱可塑性樹脂(芳香族ポリアミド)が被覆していることは、樹脂成形性の面からも望ましくない。
特開2006−257392号公報 特開2001−192500号公報 特開2007−145677号公報
本発明は、無機窒化物粒子表面を改質することにより、無機窒化物粒子を含有する樹脂の粘度を低くするとともに、成形性を向上させることを目的とする。
本発明の無機窒化物粒子は、下記式(1)および/または(2)で表される構造を有する官能基により表面修飾されたことを特徴とする。
Figure 0004858470
Figure 0004858470
また、本発明の無機窒化物粒子は、下記式(3)および/または(4)で表される構造を有する官能基により表面修飾されたことを特徴とする(式中、Phはフェニル基を示す)。
Figure 0004858470
Figure 0004858470
また、本発明の無機窒化物粒子は、下記式(5)および/または(6)で表される構造を有する官能基により表面修飾されたことを特徴とする(式中、Phはフェニル基を示し、Rは炭素数3〜20のアルキル基またはアリール基を示す)。
Figure 0004858470
Figure 0004858470
本発明によれば、上記の表面処理を施した無機窒化物粒子を用いることにより、樹脂との親和性を向上させ、無機窒化物粒子を樹脂に含有させた際の樹脂の粘度を低くすることができ、成形性を向上させることができる。
また、本発明によれば、従来よりも無機窒化物粒子の充填量を増加させることができ、熱伝導率の高い樹脂成型材を得ることができる。
本発明は、無機窒化物粒子および無機窒化物粒子を含む樹脂成型材に関する。特に、各種の電気および電子機器の発熱性部品から発生される熱を効率よく放熱するための放熱材および放熱材に含有される無機粒子に関する。
本発明は、無機窒化物粒子表面に酸無水物基を有する酸ハロゲン化物を反応させることにより粒子表面を改質し、無機窒化物粒子を含有する樹脂の成形性を向上させる。
より具体的には、無機窒化物粒子表面に存在する−OH、−NH、−NH基と酸無水物基を有する芳香族酸ハロゲン化物とを反応させることにより得られる下記式(1)および/または(2)で表される構造を有する化合物により表面修飾された無機窒化物粒子である。
Figure 0004858470
Figure 0004858470
また、上記式(1)および/または(2)で表される構造を有する化合物により表面修飾された無機窒化物粒子を加水分解することにより得られる下記式(3)および/または(4)で表される構造を有する化合物により表面修飾された無機窒化物粒子である。
Figure 0004858470
Figure 0004858470
さらに、上記式(1)および/または(2)ならびに/あるいは(3)および/または(4)で表される構造を有する化合物により表面修飾された無機窒化物粒子に二つのアミノ基を有する化合物を反応させることにより下記式(5)および/または(6)で表される構造を有する化合物により表面修飾された無機窒化物粒子(式中、Phはフェニル基を示し、Rは炭素数3〜20のアルキル基またはアリール基を表す)。
Figure 0004858470
Figure 0004858470
一般式(1)、(2)、(3)、(4)、(5)または(6)に示した構造を有する粒子により樹脂との親和性を向上させ、無機窒化物粒子を樹脂に含有させた際の樹脂の粘度を低くすることができ、従来よりも無機窒化物粒子の充填量を増加させることができ、熱伝導率の高い樹脂成型材を得ることができる。
また、一般式(1)、(2)、(3)、(4)、(5)または(6)に示した構造を有する無機窒化物粒子を熱硬化性樹脂に混合し、ジアミン化合物と硬化させることにより無機窒化物粒子と熱硬化性樹脂との間に化学結合を形成させることにより、表面処理をしていない無機窒化物粒子を用いた場合に比べて熱伝導率の高い樹脂成型材を得ることができる。特に、表面処理に用いるジアミンが芳香族であることが望ましく、ナフチル基を含むことが更に望ましい。
本発明による無機窒化物粒子または樹脂成型材は、以下の工程を経ることにより形成することができる。
(1)無機窒化物粒子表面と酸無水物基を有する芳香族酸ハロゲン化物とを反応させ、一般式(1)および/または(2)に示す酸無水物基を有する化合物を得る工程。
(2)一般式(1)および/または(2)に示した構造を有する無機窒化物粒子を加水分解反応させることにより粒子表面に一般式(3)および/または(4)で示す構造を有する無機窒化物粒子を形成する工程。
(3)一般式(1)および/または(2)ならびに/あるいは一般式(3)および/または(4)に示した構造を有する無機窒化物粒子に二つのアミノ基を有する化合物を反応させ粒子表面に一般式(5)および/または(6)で示される構造を有する無機窒化物粒子を形成する工程。
(4)樹脂モノマに一般式(1)および/または(2)および/または一般式(3)および/または(4)および/または一般式(5)および/または(6)で示される構造を有する無機窒化物粒子を含有させ、硬化させることにより樹脂成型材を得る工程。
本発明において用いることのできる無機窒化物粒子としては窒化ケイ素、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、窒化チタン、窒化ジルコニウム、窒化タンタル、窒化ニオブ等が上げられる。
工程(1)において、酸無水物基を有する芳香族酸ハロゲン化物としては、例えば、トリメリット酸クロリド、トリメリット酸ブロミドなどを用いることができる。
無機窒化物粒子と酸無水物基を有する芳香族酸ハロゲン化物を反応させる際に用いることのできる溶媒は酸無水物基を有する芳香族酸ハロゲン化物を溶解し、無機窒化物粒子が均一に分散する溶剤であればよく、更に、酸無水物基を有する芳香族酸ハロゲン化物が水と反応し、カルボン酸に変化することを防ぐため、極力溶媒中の水を除いた溶媒を用いることが望ましい。例えば、脱水テトラヒドロフラン(THF)、脱水ジエチルエーテル等を用いることができる。
酸無水物基を有する芳香族酸ハロゲン化物は酸無水物と酸ハロゲン化物の二つの反応性部位を有しているが、無機窒化物粒子に対して酸無水物基を有する芳香族酸ハロゲン化物を過剰に用いた場合、反応性のより高い酸ハロゲン化物基が無機窒化物粒子と反応し、表面に酸無水物基を有する芳香族化物が結合した無機窒化物粒子を生成する。
反応後、過剰に用いた酸無水物基を有する芳香族酸ハロゲン化物を溶剤で洗浄・濾過し、表面に酸無水物基を有する芳香族化物が結合した無機窒化物粒子を得ることができる。得られた窒素化物無機粒子は酸無水物基を有しているため水に対し、反応性が高いが、水と反応して得られる表面にジカルボン酸基を有する芳香族化物が結合した無機窒化物粒子となってもよい。
工程(3)において用いることのできる二つのアミノ基を有する化合物としては、脂肪族ジアミン類、ポリエーテルポリアミン類、脂環式ジアミン類、芳香族ジアミン類等が挙げられる。
ジアミン化合物を反応させて得られた無機窒化物粒子と熱硬化性樹脂とを用いて樹脂組成物を形成した場合、得られる樹脂組成物の熱伝導率はジアミノ系化合物として芳香族ジアミンを含む方が高く、より望ましくは芳香族ジアミンとして1、5−ジアミノナフタレンを含むことが望ましい。
工程(3)の反応において用いることのできる溶剤は反応に用いるジアミンを溶解させることのできる溶剤であればよく、例えば、THF、ジエチルエーテルを用いることができる。反応は、ジアミンと表面にジカルボン酸もしくは酸ハロゲン化物基を有する芳香族化物とが結合した無機窒化物粒子が結合する条件であればよい。反応後、過剰に用いたジアミンを溶剤で洗浄、濾過し表面に一般式(5)および/または(6)で示す化合物の結合した無機窒化物粒子を得ることができる。
脂肪族ジアミンとしては、例えば、エチレンジアミン、1、2−プロパンジアミン、1、3−プロパンジアミン、1、4−ブタンジアミン、1、5−ペンタンジアミン、1、6−ヘキサンジアミン、1、7−ヘプタンジアミン、1、8−オクタンジアミン、1、9−ノナンジアミン、1、10−デカンジアミン、1、12−ドデカンジアミン、1、14−テトラデカンジアミン、1、16−ヘキサデカンジアミン等を用いることができる。
芳香族ジアミンとしては、例えば、o−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、2、3−ジアミノトルエン、2、4−ジアミノトルエン、2、6−ジアミノトルエン、3、4−ジアミノトルエン、4、6−ジメチル−m−フェニレンジアミン、2、5−ジメチル−p−フェニレンジアミン、4、5−ジメチル−o−フェニレンジアミン、2、4−ジアミノメシチレン、2、3−ジアミノピリジン、2、6−ジアミノピリジン、3、4−ジアミノピリジン、9、10−ジアミノフェナントレン、1、5−ジアミノナフタレン、1、8−ジアミノナフタレン、2、3−ジアミノナフタレン、2、7−ジアミノナフタレン、3、3'、5、5'−テトラメチルベンジジン、3、3'−ジメチル−4、4'−ジアミノビフェニル、3、3'−ジメトキシ−4、4'−ジアミノビフェニル、4、4'−ジアミノジフェニルメタン、3、3'−ジアミノジフェニルメタン、3、4'−ジアミノジフェニルメタン、4、4'−メチレンジ−o−トルイジン、4、4'−メチレンジ−2、6−キシリジン、4、4'−メチレンジ−2、6−ジエチルアニリン、4、4'−ジアミノ−1、2−ジフェニルエタン、4、4'−ジアミノ−2、2'−ジメチルビベンジル、3、4'−ジアミノ−2、2−ジフェニルプロパン、4、4'−ジアミノ−2、2−ジフェニルプロパン、4、4'−ジアミノスチルベン、4、4'−ジアミノジフェニルエーテル、3、4'−ジアミノジフェニルエーテル、4、4'−チオジアニリン、2、2'−ジチオジアニリン、4、4'−ジチオジアニリン、3、3'−ジアミノジフェニルスルフォン、4、4'−ジアミノジフェニルスルフォン、3、3'−ジアミノベンゾフェノン、4、4'−ジアミノベンゾフェノン、4、4'−ジアミノベンズアニリド、o−トリジンスルホン、2、7−ジアミノフルオレン、3、7−ジアミノ−2−メトキシフルオレン、ビス−p−アミノフェニルアニリン、1、3−ビス(4−アミノフェニルプロピル)ベンゼン、1、4−ビス(4−アミノフェニルプロピル)ベンゼン、1、3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1、4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4、4'−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、9、9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン等を用いることができる。
工程(4)において用いることのできる樹脂としては、熱硬化性樹脂が挙げられる。中でも、エポキシ樹脂を用いることが望ましい。硬化剤は、アミン化合物やその誘導体、脂環式酸無水物、脂肪族酸無水物、芳香族酸無水物、イミダゾールもしくはその誘導体、フェノール類またはその化合物もしくは重合体などを用いることができる。また、これらを2種類以上併用してもよい。
以下、試料1について、その作製方法および物性値の測定方法を説明する。
窒化ホウ素粒子(電気化学製:デカボロンHGP)に対して、酸無水物基を有する芳香族酸ハロゲン化物としてトリメリット酸クロリドを用いて表面修飾を行った。窒化ホウ素粒子30gを脱水THF200mL(ミリリットル)に分散させた溶液に室温でトリメリット酸クロリド1gを加えて6時間攪拌した。窒化ホウ素粒子を吸引ろ過した後、THFにて過剰のトリメリット酸クロリドを取り除いた後、乾燥させた。1、5−ジアミノナフタレンの溶解したTHF溶液にトリメリット酸クロリドにて表面処理した窒化ホウ素粒子を添加分散させ、6時間、溶媒を還流させた。得られた溶液を吸引濾過し、THFにて過剰のジアミンを取り除いた後、乾燥させて表面処理窒化ホウ素粒子を得た。
形成した表面処理窒化ホウ素粒子にエポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン製:エピコート828)、硬化剤(日本化薬製:カヤハードAA)および溶剤を加え、ワニスを形成した(硬化後の樹脂におけるBN含有量が30vol%となるようにワニスを調整した)。形成したワニスの粘度を回転粘度計(ハーケ製:レオストレスRS600)により計測した。
形成したワニスを、ガラス繊維からなるガラスクロスに含浸してから、150℃で5分間熱処理を施してプリプレグを作製した。作製したプリプレグを面圧10MPa、180℃で60分間プレスして2ply積層板を作製した。作製した積層板の熱伝導率をNETZSCH製熱拡散率測定装置(LFA447 Nanoflash)を用いてキセノンフラッシュ法にて計測した。
試料2〜4の作製方法は、以下の通りである。
試料2:試料1で用いた1、5−ジアミノナフタレンに代えてo−フェニレンジアミンを用いて試料1と同様に試料を作製した。
試料3:試料1で用いた1、5−ジアミノナフタレンに代えて1、2−ジアミノエタンを用いて試料1と同様に試料を作製した。
試料4:試料1と同様の方法により、粒子とトリメリット酸クロリドとを反応させた後、ジアミンと反応させずに試料1と同様の方法により試料を作製した。
試料1、2、3および4のワニス粘度は、いずれも表面処理を施していない比較例1の試料13に比べて低くなっている。
試料5〜8の作製方法は以下の通りである。
試料5:実施例1と同様の方法で形成した表面処理窒化ケイ素粒子(電気化学製:SN−F1)に、実施例と同様な配合量のエポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン製:エピコート828)、硬化剤(日本化薬製:カヤハードAA)および溶剤を加えてワニスを形成した(硬化後の樹脂における窒化ホウ素粒子含有量が30vol%となるようにワニスを調整した)。形成したワニスを用いて実施例1と同様にプリプレグ、積層板を作製した。
試料6:試料5で用いた1、5−ジアミノナフタレンに代えてo−フェニレンジアミンを用いて、試料5と同様に試料を作製した。
試料7:試料5で用いた1、5−ジアミノナフタレンに代えて1、2−ジアミノエタンを用いて試料5と同様に試料を作製した。
試料8:試料5と同様の方法により粒子とトリメリット酸クロリドを反応させた後、ジアミンと反応させずに試料5と同様の方法により試料を作製した。
試料5、6、7および8で用いたワニスの粘度は、表面処理を施していない比較例2の試料14に比べて低くなっている。
試料9〜12の作製方法は、以下の通りである。
試料9:窒化アルミニウム粒子(古河電子製 FAN−f30)に酸無水物基を有する芳香族酸ハロゲン化物としてトリメリット酸クロリドを用いて表面修飾を行った。窒化ホウ素粒子30gを脱水THF200mLに分散させた溶液に室温でトリメリット酸クロリド1gを加えて6時間攪拌した。窒化アルミニウム粒子分散液を吸引ろ過した後、脱水THFにて過剰のトリメリット酸クロリドを取り除いた後、乾燥させた。1、5−ジアミノナフタレンの溶解した脱水THF溶液にトリメリット酸クロリドにて表面処理した窒化アルミニウム粒子を添加分散させ、6時間、溶媒を還流させた。得られた溶液を吸引濾過し、脱水THFにて過剰のジアミンを取り除いた後、乾燥させて表面処理窒化アルミニウム粒子を得た。
形成した表面処理窒化アルミニウム粒子に、実施例と同様な配合量のエポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン製:エピコート828)、硬化剤(日本化薬製:カヤハードAA)および溶剤を加え、ワニスを形成した(硬化後の樹脂におけるBN含有量が30vol%となるようにワニスを調整した)。形成したワニスを用いて実施例1と同様にプリプレグ、積層板を作製した。
試料10:試料9で用いた1、5−ジアミノナフタレンに代えてo−フェニレンジアミンを用いて、試料9同様に、試料を作製した。
試料11:試料9で用いた1、5−ジアミノナフタレンに代えて1、2−ジアミノエタンを用いて、試料9と同様に、試料を作製した。
試料12:試料9と同様の方法により粒子とトリメリット酸クロリドを反応させた後、ジアミンと反応させずに、試料9と同様の方法により試料を作製した。
試料9、10、11および12で用いたワニスの粘度は表面処理を施していない比較例3の試料14に比べて低くなっている。
〔比較例1〕
試料13:窒化ホウ素粒子(電気化学製:デカボロンHGP)を用いて、表面処理をせずに、実施例1と同様の方法でエポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン製:エピコート828)、硬化剤(日本化薬製:カヤハードAA)および溶剤を加え、ワニスを形成した(硬化後の樹脂における窒化ホウ素粒子含有量が30vol%となるようにワニスを調整した)。形成したワニスを用いて実施例1と同様にプリプレグ、積層板を作製した。
〔比較例2〕
試料14:窒化ケイ素粒子(電気化学製:SN−F1)を用いて、表面処理をせずに、実施例2と同様の方法でエポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン製:エピコート828)、硬化剤(日本化薬製:カヤハードAA)および溶剤を加え、ワニスを形成した(硬化後の樹脂における窒化ホウ素粒子含有量が30vol%となるようにワニスを調整した)。形成したワニスを用いて実施例1と同様にプリプレグ、積層板を作製した。
〔比較例3〕
試料15:窒化アルミニウム粒子(古河電子製:FAN−f30)を用いて、表面処理をせずに、実施例3と同様の方法でエポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン製:エピコート828)、硬化剤(日本化薬製:カヤハードAA)と溶剤を加えワニスを形成した(硬化後の樹脂におけるBN含有量が30vol%となるようにワニスを調整した)。形成したワニスを用いて実施例1と同様にプリプレグ、積層板を作製した。
表面処理した粒子を用いて形成した試料1〜9の熱伝導率を比較すると、いずれの実施例においても1、5−ジアミノナフタレンを用いた試料が最も熱伝導率が高く、ついで、o−フェニレンジアミンを用いた試料、最も低かったのは、1、2−ジアミノエタンであり、表面処理に用いるジアミン類としては芳香族ジアミンが有効であり、中でも1、5−ジアミノナフタレンが有効であった。
Figure 0004858470
本発明によれば、上記の表面処理を施した無機窒化物粒子を用いることにより、樹脂との親和性を向上させ、無機窒化物粒子を樹脂に含有させた際の樹脂の粘度を低くすることができ、従来よりも無機窒化物粒子の充填量を増加させることができ、熱伝導率の高い樹脂成型材を得ることができる。
また、本発明によれば、上記の表面処理を施した無機窒化物粒子を熱硬化性樹脂に含有させ、ジアミン化合物と硬化させることにより、無機窒化物粒子と熱硬化性樹脂との間に化学結合を形成させ、表面処理を施していない無機窒化物粒子を用いた場合に比べて熱伝導率の高い樹脂成型材を得ることができる。特に、表面処理に用いるジアミンが芳香族であることが望ましく、ナフタレンであることがより望ましい。
さらに、本発明による積層板は、同量の表面処理を施していない無機窒化物粒子を用いて形成した積層板に比べて高い熱伝導率を得ることができる。
また、本発明によれば、無機窒化物粒子表面に存在する−OH、−NH、−NH基と酸無水物基を有する芳香族酸ハロゲン化物を反応させることにより、無機窒化物粒子と樹脂との親和性を向上させ、無機窒化物粒子を樹脂に含有させた際の樹脂の粘度を低くすることができ、粒子充填量を増加できる。
本発明は、無機窒化物粒子を適用した樹脂組成物とその製造方法、無機窒化物粒子を適用したプリプレグを用いた積層板またはプリント配線板に関する技術分野に適用できる。

Claims (16)

  1. 下記式(1)および/または(2)で表される構造を有する官能基により表面修飾されたことを特徴とする無機窒化物粒子。
    Figure 0004858470
    Figure 0004858470
  2. 下記式(3)および/または(4)で表される構造を有する官能基により表面修飾されたことを特徴とする無機窒化物粒子(式中、Phはフェニル基を示す)。
    Figure 0004858470
    Figure 0004858470
  3. 下記式(5)および/または(6)で表される構造を有する官能基により表面修飾されたことを特徴とする無機窒化物粒子(式中、Phはフェニル基を示し、Rは炭素数1〜6のアルキル基または炭素数6〜20の芳香族官能基を示す)。
    Figure 0004858470
    Figure 0004858470
  4. 下記式(7)および/または(8)で表される構造を有することを特徴とする無機窒化物粒子(式中、Phはフェニル基、Arは炭素数6〜20の芳香族官能基を示す)。
    Figure 0004858470
    Figure 0004858470
  5. 請求項4記載のAr基がフェニル基であることを特徴とする無機窒化物粒子。
  6. 請求項4記載のAr基がナフチル基であることを特徴とする無機窒化物粒子。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の無機窒化物が窒化ホウ素であることを特徴とする無機窒化物粒子。
  8. 熱硬化性樹脂と請求項1〜7のいずれかに記載の無機窒化物粒子とを含むことを特徴とする樹脂組成物。
  9. 熱硬化性樹脂と請求項1〜7のいずれかに記載の無機窒化物粒子とを含むことを特徴とするワニス。
  10. シート状の繊維クロスまたは不織布で形成された基材に、請求項9記載のワニスを含浸させたことを特徴とするプリプレグ。
  11. 下記式(9)および/または(10)で表される構造を有する官能基により修飾された無機窒化物粒子を含む樹脂成型材(式中、Phはフェニル基、Arは炭素数6〜20の芳香族官能基、R、Rは炭素数1〜6のアルキル基または炭素数6〜20の芳香族官能基を示す)。
    Figure 0004858470
    Figure 0004858470
  12. 請求項10記載のプリプレグを加熱加圧成形して形成することを特徴とする積層板。
  13. 無機窒化物粒子に酸無水物基を有する芳香族酸ハロゲン化物を反応させて、下記式(1)および/または(2)で表される構造を有する無機窒化物粒子を形成する工程を含むことを特徴とする無機窒化物粒子の製造方法。
    Figure 0004858470
    Figure 0004858470
  14. 無機窒化物粒子に酸無水物基を有する芳香族酸ハロゲン化物を反応させて、下記式(1)および/または(2)で表される構造を有する無機窒化物粒子を形成する工程と、該無機窒化物粒子を加水分解させることにより下記式(3)および/または(4)で表される構造を有する無機窒化物粒子を形成する工程とを含むことを特徴とする無機窒化物粒子の製造方法。
    Figure 0004858470
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  15. 無機窒化物粒子に酸無水物基を有する芳香族酸ハロゲン化物を反応させて、下記式(1)および/または(2)で表される構造を有する無機窒化物粒子を形成する工程と、該無機窒化物粒子を加水分解させることにより下記式(3)および/または(4)で表される構造を有する無機窒化物粒子を得る工程と、下記式(1)および/または(2)ならびに/あるいは下記式(3)および/または(4)で表される構造を有する無機窒化物粒子に芳香族ジアミンを反応させることにより下記式(5)および/または(6)で表される構造を有する無機窒化物粒子を形成する工程とを含むことを特徴とする無機窒化物粒子の製造方法。
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  16. 請求項15記載の無機窒化物粒子の製造方法により無機窒化物粒子を形成する工程と、該無機窒化物粒子、樹脂モノマ、硬化剤および溶剤を含むワニスを調整する工程と、シート状の繊維クロスまたは不織布を含む基材に該ワニスを塗布してプリプレグを形成する工程と、該プリプレグを加熱加圧成形して形成する工程とを含むことを特徴とする積層板の製造方法。
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