JP4851668B2 - ジアルデヒドモノエチレンアセタールアミノニトリルの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ジアルデヒドモノエチレンアセタールアミノニトリルの製造方法に関するもので、より詳細には、容易にアミノ酸に転換可能でかつ、農薬、医薬等の中間体として重要な物質であるジアルデヒドモノエチレンアセタールアミノニトリルを、シアン化水素を使用することなく、高収率かつ簡便に製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ジアルデヒドモノエチレンアセタールアミノニトリル、すなわち下記式(I)
【化4】
[式中、mは1〜8の整数である。]の化合物の製造方法として、従来技術1〜2が知られている。
【0003】
(従来技術1) 特開平11−140076号公報
この公報には、下記式(1)
【化5】
に示すとおり、グルタルアルデヒドモノエチレンアセタールとシアン化ナトリウムを出発原料として、グルタルアルデヒドモノエチレンアセタールアミノニトリルを製造する方法が記載されている。
【0004】
(従来技術2) 特開平11−236361号公報
この公報記載の方法は、従来技術1と同様な方法であり、下記式(2)
【化6】
に示すとおり、グルタルアルデヒドモノエチレンアセタールアミノニトリルを合成する方法が示されている。
【0005】
従来技術1は、ワンポット反応でグルタルアルデヒドモノエチレンアセタールからグルタルアルデヒドモノエチレンアセタールアミノニトリルを合成しており、反応はグルタルアルデヒドモノエチレンアセタールシアンヒドリンを経由して進行するものと考えられる。グルタルアルデヒドモノエチレンアセタールアミノニトリルの収率は記載されていないが、反応液中に無機塩が多くなるという欠点がある。また、この公報には、シアン化水素とアンモニアが使用できると示されているので、無機塩の含有量が少ないグルタルアルデヒドモノエチレンアセタールアミノニトリルを得るためには、これらの原料を使用するのが望ましいが、シアン化水素は、その使用に厳しい制限を受け、かつ、輸送においても制約があるという欠点を有している。
【0006】
従来技術2にも、収率の記載はないが、反応液中に無機塩および有機酸の塩が多いという欠点がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
公知の技術であるアルデヒドとアセトンシアンヒドリンとの交換反応でアルデヒドのシアンヒドリンを合成する方法を適用して、従来技術1および従来技術2において、シアノ基の供給源をシアン化ナトリウムからアセトンシアンヒドリンに代えることができるが、本発明者等の検討によれば、単に代えるだけでは、比較例に記したようにグルタルアルデヒドモノエチレンアセタールアミノニトリルの収率は55%以下(グルタルアルデヒドモノエチレンアセタール基準)と低収率であった。
【0008】
従って、本発明の目的は、ジアルデヒドモノエチレンアセタールアミノニトリルを、使用上厳しい制限を受け、輸送にも制約があるシアン化水素を使用することなく、安価でしかも取り扱いの容易な原料から、高収率でかつ簡便に製造しうる方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、一般式(I):
【化7】
[式中、mは1〜8の整数である。]のジアルデヒドモノエチレンアセタールアミノニトリルの製造法において、アセトンシアンヒドリン、すなわち
【化8】
と一般式(II):
【化9】
[式中、mは(I)式のmと同じ。]のジアルデヒドモノエチレンアセタールを反応させて、一般式(III):
【化10】
[式中、mは(I)式のmと同じ。]のジアルデヒドモノエチレンアセタールシアンヒドリンを得、生成したアセトンを除去した後、ジアルデヒドモノエチレンアセタールシアンヒドリンを、単離することなく、アンモニアと反応させることを特徴とするジアルデヒドモノエチレンアセタールアミノニトリルの製造方法が提供される。本発明の製造方法においては、生成するアセトンの1/2量以上、一層好適には、9/10量以上を反応系外に除去することが好ましい。本発明は、ジアルデヒドモノエチレンアセタールがグルタルアルデヒドモノエチレンアセタールである場合に特に有利に適用することができる。
【0010】
【発明の実施形態】
本発明の製造方法における反応は、ジアルデヒドモノエチレンアセタールとアセトンシアンヒドリンとからジアルデヒドモノエチレンアセタールシアンヒドリンを生成する下記式(3)
【化11】
の反応と、生成したジアルデヒドモノエチレンアセタールシアンヒドリンとアンモニアとからジアルデヒドモノエチレンアセタールアミノニトリルを生成する下記式(4)
【化12】
の反応との二段の反応からなる。
【0011】
本発明においては、前段のカルボニル交換反応で副生するアセトンを系外に除去すると共に、生成するジアルデヒドモノエチレンアセタールシアンヒドリンを、単離することなく、アンモニアと反応させることが特徴であり、これによりジアルデヒドモノエチレンアセタールアミノニトリルを高収率でかつ簡便に製造することができる。
すなわち、アセトンを除去することなく、ジアルデヒドモノエチレンアセタールシアンヒドリンとアンモニアとを反応させた場合、ジアルデヒドモノエチレンアセタールアミノニトリルの収率は、ジアルデヒドモノエチレンアセタールシアンヒドリン基準で、53モル%のオーダーである(後述する比較例参照)に対して、アセトンを除去した後、ジアルデヒドモノエチレンアセタールシアンヒドリンとアンモニアとを反応させた場合、ジアルデヒドモノエチレンアセタールアミノニトリルの収率は、ジアルデヒドモノエチレンアセタールシアンヒドリン基準で、90モル%以上のオーダーに達する(後述する実施例参照)のであって、これは本発明による予想外の効果である。
【0012】
前記式(3)のカルボニル交換反応では、アセトンが副生するので、アセトンを除去すると、式(3)の反応の平衡が右へ移行するのが期待される。ところが、ジアルデヒドモノエチレンアセタールシアンヒドリンの収率そのものは、反応系内のアセトンを除去するか否かによっては殆ど影響されない。ところが、反応系内に残留するアセトンの量は式(4)によるジアルデヒドモノエチレンアセタールアミノニトリルの収率に大きな影響をもたらすのであって、予想外の知見であった。
【0013】
以下、本発明の内容を詳細に説明する。
本発明に用いるジアルデヒドモノエチレンアセタールは式(III)で示され、具体的な例としては、マロンジアルデヒドモノエチレンアセタール、スクシンジアルデヒドモノエチレンアセタール、グルタルアルデヒドモノエチレンアセタール、アジピンジアルデヒドモノエチレンアセタール等の脂肪族ジアルデヒドモノエチレンアセタールが挙げられる。
【0014】
本発明に用いられるアセトンシアンヒドリン(II)は市販のものが使用できる。
【0015】
本発明に用いるアンモニアは、液体アンモニアまたはアンモニア水として供給されるが、取り扱いの容易さから市販の25〜28%アンモニア水が好ましい。
【0016】
次に、本発明における中間体であるジアルデヒドモノエチレンアセタールシアンヒドリンの合成方法について説明する。
ジアルデヒドモノエチレンアセタールシアンヒドリンはアセトンシアンヒドリンとジアルデヒドモノエチレンアセタールから合成される。この第1段階の反応は通常無溶媒で実施されるが、反応を阻害しない溶媒を用いることもできる。このような溶媒としては、例えば、水、又はベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素又はシクロヘキサン、ヘブタン、オクタン等の脂肪族炭化水素が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0017】
第1段階の反応において、アセトンシアンヒドリンとジアルデヒドモノエチレンアセタールのモル比[アセトンシアンヒドリン/ジアルデヒドモノエチレンアセタール]は0.5〜3.0であるが、より好ましくは0.95〜1.1のモル比で実施される。
【0018】
第1段階の反応は、塩基性触媒の使用が有利である。塩基性触媒としては、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジメチルアニリン等の有機塩基ならびに水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等の無機塩基を挙げることができるが、トリエチルアミン等の有機塩基が好適である。
【0019】
上記触媒の使用量は、使用する塩基の種類により異なるが、トリエチルアミンを使用する場合はジアルデヒドモノエチレンアセタール1モル当たり、トリエチルアミンを0.001〜0.1モルの範囲で使用するのが好ましい結果を与える。
【0020】
第1段階の反応は常圧、減圧又は加圧条件下で実施できるが、通常、反応は常圧又は減圧下で行う。
【0021】
第1段階の反応は、通常−20〜100℃の温度で2〜30時間行うが、好適には−10〜50℃の温度で3〜20時間行う。
【0022】
第1段階の反応中、液体クロマトグラフィーで反応液の状態を追跡することができる。反応終了の判断項目としては反応時間、液体クロマトグラフィーでの分析結果等を挙げることができる。
【0023】
第1段階の反応終了後、生成したアセトンの1/2量以上を反応系外に除去するが、より好ましくしは生成したアセトンの9/10量以上を反応系外に除去する。アセトンの留去を行わない場合又は生成したアセトンの1/2量未満の除去の場合、反応式(4)で示される第2段階の反応において、反応式(3)の逆反応が起こり、ジアルデヒドモノエチレンアセタールが生成する。このため、ジアルデヒドモノエチレンアセタールアミノニトリルの収率ならびに品質は極端に低下する。
アセトン留去の一例を挙げれば、後述の実施例1に示したごとく、アセトン濃度22.9wt.%のグルタルアルデヒドモノエチレンアセタールシアンヒドリン反応液231.0gを濃縮缶に仕込み、缶温20℃、圧力20〜30mmHgで90分間、さらに、缶温40℃、圧力20〜30mmHgで90分間アセトンを留去すれば、グルタルアルデヒドモノエチレンアセタールシアンヒドリン濃縮液178.7g中のアセトン濃度は2.1wt.%に低下した。
【0024】
また、第1段階の反応を減圧下実施し、生成したアセトンを反応中に留去することができる。反応後に、生成したアセトンを留去する場合と同様、反応で生成するアセトンの1/2量以上を反応系外に除去するが、より好ましくは生成するアセトンの9/10量以上を反応系外に除去する。
【0025】
第2段階の反応には、第1段階の反応で得た濃縮液をジアルデヒドモノエチレンアセタールシアンヒドリンとしてそのまま使用することができ、ジアルデヒドモノエチレンアセタールシアンヒドリンを単離精製する必要はない。
【0026】
第2段階の反応においてアンモニアとジアルデヒドモノエチレンアセタールシアンヒドリンのモル比[アンモニア/ジアルデヒドモノエチレンアセタールシアンヒドリン]は0.5〜10.0であるが、より好ましくは2.0〜6.0のモル比で実施される。
【0027】
この第2段階の反応は通常水溶媒で実施されるが、反応を阻害しない溶媒を用いることもできる。このような溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素又はシクロヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素があるが、これらに限定されるものではない。
【0028】
第2段階の反応は常圧、減圧又は加圧条件下で実施できるが、通常、反応は常圧で行う。
【0029】
第2段階の反応は、通常−20〜100℃の温度で1〜30時間行うが、好適には−10〜40℃の温度で2〜10時間行う。
【0030】
第2段階の反応中、液体クロマトグラフィーで反応液の進行状態を追跡することができる。反応終了の判断項目としては反応時間、液体クロマトグラフィーでの分析結果等を挙げることができる。
【0031】
本発明によれば、原料から目的のジアルデヒドモノエチレンアセタールアミノニトリルを85〜92%の高収率で製造することができる。即ち、シアン化水素を使用することなく、かつジアルデヒドモノエチレンアセタールシアンヒドリンを単離することなく、目的のジアルデヒドモノエチレンアセタールアミノニトリルを簡便にしかも高収率で製造することが可能となった。
【0032】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの例によって何ら制限されるものではない。
なお、原料のグルタルアルデヒドモノエチレンアセタールの含量分析はガスクロマトグラフィーで、反応液中のグルタルアルデヒドモノエチレンアセタール、アセトン、グルタルアルデヒドモノエチレンアセタールシアンヒドリン、グルタルアルデヒドモノエチレンアセタールアミノニトリル等の含有量の分析は高速液体クロマトグラフィーで行った。
【0033】
(実施例1)グルタルアルデヒドモノエチレンアセタールアミノニトリルの合成温度計、還流コンデンサー及び攪拌機を備えた300ml四つ口フラスコに98.3wt.%グルタルアルデヒドモノエチレンアセタール146.7gとトリエチルアミン0.4gを加え、攪拌しながら0℃に冷却した。冷却下、滴下ロートを通して99.3wt.%アセトンシアンヒドリン86.5gを30分で滴下した。この間反応液の温度は0℃から2℃に上昇した。アセトンシアンヒドリンを滴下後昇温度した。20℃で20時間反応させ、グルタルアルデヒドモノエチレンアセタールシアンヒドリン反応液231.0gを得た。
この反応液中のアセトン、グルタルアルデヒドモノエチレンアセタールシアンヒドリンの濃度はそれぞれ22.9wt.%、70.3wt.%であった。使用したグルタルアルデヒドモノエチレンアセタール(V)を基準としたグルタルアルデヒドモノエチレンアセタールシアンヒドリン(VI)の収率は94.9モル%であった。
【0034】
前記反応液を温度計及び攪拌機を備えた300ml濃縮缶に仕込み、缶温20℃、圧力20〜30mmHgで1.5時間、さらに、缶温40℃、圧力20〜30mmHgで1.5時間アセトンを留去し、グルタルアルデヒドモノエチレンアセタールシアンヒドリン濃度液178.7gを得た。この濃縮液中のアセトン、グルタルアルデヒドモノエチレンアセタールシアンヒドリンの濃度はそれぞれ2.1wt.%、91.0wt.%であった。使用したグルタルアルデヒドモノエチレンアセタールを基準としたグルタルアルデヒドモノエチレンアセタールシアンヒドリンの濃縮後の収率は95.0モル%であった。
【0035】
次に、温度計、還流コンデンサー及び攪拌機を備えた500ml四つ口フラスコに25wt.%アンモニア水204.4gを加え、攪拌しながら0℃に冷却した。冷却下、滴下ロートを通して前記グルタルアルデヒドモノエチレンアセタールシアンヒドリン濃縮液全量を30分で滴下した。この間、反応液の温度は0℃から3℃に上昇した。グルタルアルデヒドモノエチレンアセタールシアンヒドリン濃縮液を滴下後速やかに昇温した。25℃で3時間反応し、グルタルアルデヒドモノエチレンアセタールアミノニトリル反応液383.1gを得た。
この反応液中のグルタルアルデヒドモノエチレンアセタールアミノニトリルの濃度は40.1wt.%であった。使用したグルタルアルデヒドモノエチレンアセタールシアンヒドリンを基準としたグルタルアルデヒドモノエチレンアセタールアミノニトリルの収率は95.1モル%、グルタルアルデヒドモノエチレンアセタールを基準とした通算のグルタルアルデヒドモノエチレンアセタールアミノニトリルの収率は90.3モル%であった。
【0036】
(実施例2)グルタルアルデヒドモノエチレンアセタールアミノニトリルの合成温度計、還流コンデンサー及び攪拌機を備えた300ml四つ口フラスコに99.1wt.%グルタルアルデヒドモノエチレンアセタール73.2gとトリエチルアミン0.5gを加え、攪拌しながら0℃に冷却した。冷却下、滴下ロートを通して99.3wt.%アセトンシアンヒドリン43.3gを10分で滴下した。この間反応液の温度は0℃から5℃に上昇した。アセトンシアンヒドリンを滴下後速やかに冷却した。0℃で3時間反応した後、20〜30mmHgの圧力で25℃で2時間、40℃で1時間、50℃で1時間、生成するアセトンを留去しつつ反応した。一連の反応でグルタルアルデヒドモノエチレンアセタールシアンヒドリン反応液88.1gを得た。
この反応液中のアセトン、グルタルアルデヒドモノエチレンアセタールシアンヒドリンの濃度はそれぞれ2.5wt.%、94.3wt.%であった。使用したグルタルアルデヒドモノエチレンアセタールを基準としたグルタルアルデヒドモノエチレンアセタールシアンヒドリン(VI)の収率は96.5モル%であった。
【0037】
次に、温度計、還流コンデンサー及び攪拌機を備えた300ml四つ口フラスコに25wt.%アンモニア水102.2gを加え、攪拌しながら0℃に冷却した。冷却下、滴下ロートを通して前記グルタルアルデヒドモノエチレンアセタールシアンヒドリン濃縮液全量を30分で滴下した。この間反応液の温度は0℃から5℃に上昇した。グルタルアルデヒドモノエチレンアセタールシアンヒドリン濃縮液を滴下後速やかに昇温した。25℃で3時間反応し、グルタルアルデヒドモノエチレンアセタールアミノニトリル反応液186.5gを得た。
この反応液中のグルタルアルデヒドモノエチレンアセタールアミノニトリルの濃度は42.2wt.%であった。使用したグルタルアルデヒドモノエチレンアセタールシアンヒドリンを基準としたグルタルアルデヒドモノエチレンアセタールアミノニトリルの収率は95.2モル%、グルタルアルデヒドモノエチレンアセタールを基準とした通算のグルタルアルデヒドモノエチレンアセタールアミノニトリルの収率は91.9モル%であった。
【0038】
(実施例3)グルタルアルデヒドモノエチレンアセタールアミノニトリルの合成温度計、還流コンデンサー及び攪拌機を備えた300ml四つ口フラスコに99.1wt.%グルタルアルデヒドモノエチレンアセタール72.7gとトリエチルアミン0.2gを加え、攪拌しながら0℃に冷却した。冷却下、滴下ロートを通して99.3wt.%アセトンシアンヒドリン45.0gを20分で滴下した。この間反応液の温度は0℃から2℃に上昇した。そのままの温度で3時間反応した後、20〜30mmHgの圧力で20℃で2.5時間、40℃で1.5時間、生成するアセトンを留去しつつ反応した。一連の反応でグルタルアルデヒドモノエチレンアセタールシアンヒドリン反応液87.8gを得た。
この反応液中のアセトン、グルタルアルデヒドモノエチレンアセタールシアンヒドリンの濃度はそれぞれ2.3wt.%、95.4wt.%であった。使用したグルタルアルデヒドモノエチレンアセタールを基準としたグルタルアルデヒドモノエチレンアセタールシアンヒドリンの収率は97.9モル%であった。
【0039】
次に、温度計、還流コンデンサー及び攪拌機を備えた300ml四つ口フラスコに25wt.%アンモニア水102.2gを加え、攪拌しながら3℃に冷却した。冷却下、滴下ロートを通して前記グルタルアルデヒドモノエチレンアセタールシアンヒドリン濃縮液全量を30分で滴下した。この間反応液の温度は3℃から6℃に上昇した。グルタルアルデヒドモノエチレンアセタールシアンヒドリン濃縮液を滴下後速やかに昇温した。25℃で3時間反応し、グルタルアルデヒドモノエチレンアセタールアミノニトリル反応液187.1gを得た。この反応液中のグルタルアルデヒドモノエチレンアセタールアミノニトリルの濃度は41.5wt.%であった。使用したグルタルアルデヒドモノエチレンアセタールシアンヒドリンを基準としたグルタルアルデヒドモノエチレンアセタールアミノニトリルの収率は93.2モル%、グルタルアルデヒドモノエチレンアセタールを基準とした通算のグルタルアルデヒドモノエチレンアセタールアミノニトリルの収率は91.2モル%であった。
【0040】
(比較例)グルタルアルデヒドモノエチレンアセタールアミノニトリルの合成
温度計、還流コンデンサー及び攪拌機を備えた300ml四つ口フラスコに99.2wt.%グルタルアルデヒドモノエチレンアセタール145.4gとトリエチルアミン0.4gを加え、攪拌しながら0℃に冷却した。冷却下、滴下ロートを通して99.3wt.%アセトンシアンヒドリン86.5gを30分で滴下した。この間反応液の温度は0℃から2℃に上昇した。アセトンシアンヒドリンを滴下後昇温した。20℃で20時間反応し、グルタルアルデヒドモノエチレンアセタールシアンヒドリン反応液231.5gを得た。
この反応液中のアセトン、グルタルアルデヒドモノエチレンアセタールシアンヒドリンの濃度はそれぞれ23.6wt.%、69.9wt.%であった。使用したグルタルアルデヒドモノエチレンアセタールを基準としたグルタルアルデヒドモノエチレンアセタールシアンヒドリンの収率は94.5モル%であった。
【0041】
次に、温度計、還流コンデンサー及び攪拌機を備えた1000ml四つ口フラスコに25wt.%アンモニア水204.4gを加え、攪拌しながら1℃に冷却した。冷却下、滴下ロートを通して、アセトン未留去の前記グルタルアルデヒドモノエチレンアセタールシアンヒドリン反応液全量を30分で滴下した。この間反応液の温度は1℃から3℃に上昇した。グルタルアルデヒドモノエチレンアセタールシアンヒドリン反応液を滴下後昇温した。25℃で3時間反応し、グルタルアルデヒドモノエチレンアセタールアミノニトリル反応液433.4gを得た。
この反応液中のグルタルアルデヒドモノエチレンアセタールアミノニトリルの濃度は20.9wt.%であった。使用したグルタルアルデヒドモノエチレンアセタールシアンヒドリンを基準としたグルタルアルデヒドモノエチレンアセタールアミノニトリルの収率は56.3モル%、グルタルアルデヒドモノエチレンアセタールを基準とした通算のグルタルアルデヒドモノエチレンアセタールアミノニトリルの収率は53.2モル%であった。
【0042】
【発明の効果】
本発明の方法によれば、ジアルデヒドモノエチレンアセタールとアセトンシアンヒドリンを反応させてジアルデヒドモノエチレンアセタールシアンヒドリンを得、生成したアセトンを系外に除去した後、ジアルデヒドモノエチレンアセタールシアンヒドリンを単離することなく、ジアルデヒドモノエチレンアセタールシアンヒドリンとアンモニアを反応させることにより、ジアルデヒドモノエチレンアセタールアミノニトリルをシアン化水素を使用することなく、高収率でかつ容易に製造することが可能となる。
Claims (4)
- 生成するアセトンの1/2量以上を反応系外に除去することを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
- 生成するアセトンの9/10量以上を反応系外に除去することを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
- ジアルデヒドモノエチレンアセタールがグルタルアルデヒドモノエチレンアセタールであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
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