[go: up one dir, main page]

JP4848888B2 - 上層膜形成組成物、及びフォトレジストパターン形成方法 - Google Patents

上層膜形成組成物、及びフォトレジストパターン形成方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4848888B2
JP4848888B2 JP2006224159A JP2006224159A JP4848888B2 JP 4848888 B2 JP4848888 B2 JP 4848888B2 JP 2006224159 A JP2006224159 A JP 2006224159A JP 2006224159 A JP2006224159 A JP 2006224159A JP 4848888 B2 JP4848888 B2 JP 4848888B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
upper layer
layer film
group
forming composition
film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2006224159A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008046541A (ja
Inventor
幸生 西村
大太 河野
大樹 中川
剛史 若松
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JSR Corp
Original Assignee
JSR Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JSR Corp filed Critical JSR Corp
Priority to JP2006224159A priority Critical patent/JP4848888B2/ja
Publication of JP2008046541A publication Critical patent/JP2008046541A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4848888B2 publication Critical patent/JP4848888B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Materials For Photolithography (AREA)
  • Polymerisation Methods In General (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)

Description

本発明は、リソグラフィ微細化のために使用される液浸露光時に、フォトレジスト膜を保護するとともに、フォトレジスト成分の溶出を抑えて投影露光装置のレンズを保護する上層膜を形成するのに有用な上層膜形成組成物、及びこの上層膜形成組成物を用いたフォトレジストパターン形成方法に関する。
半導体素子等を製造するに際しては、フォトマスクとしてのレチクルのパターンを投影光学系を介してフォトレジストが塗布されたウェハ上の各ショット領域に転写する、ステッパー型、又はステップアンドスキャン方式の投影露光装置が使用されている。投影露光装置に備えられている投影光学系の解像度は、使用する露光波長が短く、投影光学系の開口数が大きいほど高くなる。そのため、集積回路の微細化に伴い投影露光装置で使用される放射線の波長である露光波長は年々短波長化しており、投影光学系の開口数も増大してきている。
また、露光を行う際には、解像度と同様に焦点深度も重要となる。解像度R及び焦点深度δは、それぞれ以下の数式で表される。同じ解像度Rを得るには、短い波長を有する放射線を用いた方が大きな焦点深度δを得ることができる。
R=k1・λ/NA (i)
δ=k2・λ/NA (ii)
(但し、λは露光波長、NAは投影光学系の開口数、k1及びk2はいずれもプロセス係数である)
露光されるウェハ表面にはフォトレジスト膜が形成されており、このフォトレジスト膜にパターンが転写される。従来の投影露光装置では、ウェハが配置される空間は、空気又は窒素で満たされている。このとき、ウェハと投影露光装置のレンズとの空間が屈折率nの媒体で満たされると、上記の解像度R、焦点深度δは以下の数式にて表される。
R=k1・(λ/n)/NA (iii)
δ=k2・nλ/NA (iv)
例えば、ArFプロセスで、前記媒体として水を使用する場合、波長193nmの光の水中での屈折率n=1.44を用いると、空気又は窒素を媒体とする露光時と比較し、解像度Rは69.4%(R=k1・(λ/1.44)/NA)、焦点深度は144%(δ=k2・1.44λ/NA)となる。
このように、露光するための放射線の波長を短波長化し、より微細なパターンを転写できる投影露光する方法を液浸露光といい、リソグラフィの微細化、特に数10nm単位のリソグラフィには、必須の技術と考えられ、その投影露光装置も知られている(特許文献1参照)。
水を液浸露光時の媒体とする液浸露光方法においては、ウェハ上に塗布・形成されたフォトレジスト膜と投影露光装置のレンズは、それぞれ水と接触する。そのため、フォトレジスト膜に水が浸透し、フォトレジストの解像度が低下することがある。また、投影露光装置のレンズはフォトレジストを構成する成分が水へ溶出することによりレンズ表面を汚染することもある。
このため、フォトレジスト膜と水等の媒体とを遮断する目的で、フォトレジスト膜上に上層膜(保護膜)を形成する方法がある。但し、この上層膜に対しては、(1)放射線の波長に対して十分な透過性を有すること、(2)フォトレジスト膜と殆どインターミキシングを起こすことなくフォトレジスト膜上に形成可能であること、(3)液浸露光時に際して水等の媒体に溶出することなく安定な被膜を維持可能であること、(4)現像液であるアルカリ液等に容易に溶解すること等の特性を有することが要求される。
また、上層膜は、液浸露光において液滴が残らずに十分なスキャンスピードを達成する観点から、高い後退接触角を示すものであることが求められている。例えば、非特許文献1には、後退接触角を改善させた上層膜が開示されている。
特開平11−176727号公報 Proc.SPIE,2006,6153−0D
しかしながら、非特許文献1に記載の上層膜は、後退接触角が改善されているものの、未だ十分に満足できるものではなく、更なる改良が求められていた。
本発明は、このような従来技術の有する問題点に鑑みてなされたものであり、その課題とするところは、フォトレジスト膜とのインターミキシングを極めて生じ難く、水等の液浸液に極めて溶出し難く安定な被膜を維持可能であり、ウォーターマーク欠陥やパターン不良欠陥の発生を効果的に抑制し、高い後退接触角を示しつつ、高解像度のレジストパターンを形成可能な上層膜形成組成物、及びこの上層膜形成組成物を用いたフォトレジストパターン形成方法を提供することにある。
本発明者らは上記課題を達成すべく鋭意検討した結果、現像液に可溶な、その末端にカルボキシル基を有する特定構造の樹脂を用いるによって、上記課題を達成することが可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明によれば、以下に示す上層膜形成組成物、及びフォトレジストパターン形成方法が提供される。
[1]フォトレジスト膜の表面上に上層膜を形成するために用いられる液浸露光用の上層膜形成組成物であり、フォトレジスト膜の表面上に上層膜を形成するために用いられる上層膜形成組成物に含有される樹脂であって、アルカリ性の現像液に可溶であるとともに、その末端構造が下記一般式(1)で表される上層膜形成組成物用樹脂を含有する液浸露光用の上層膜形成組成物(以下、「第一の上層膜形成組成物」ともいう)。
Figure 0004848888
(前記一般式(1)中、Rは単結合又はn+1価の有機基を示し、nは1〜3の整数を示す)
[2]前記上層膜形成組成物用樹脂が、下記一般式(2−1)〜(2−3)で表される繰り返し単位からなる群より選択される少なくとも一種を含むものである前記[1]に記載の上層膜形成組成物。
Figure 0004848888
(前記一般式(2−1)〜(2−3)中、Rは水素、メチル基又はトリフルオロメチル基を示し、R、R、及びRは単結合又は2価の有機基を示し、Rは、少なくとも一つのフッ素を含有する、炭素数1〜10の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基又は炭素数3〜10の脂環式のアルキル基を示す)
[3]前記上層膜形成組成物用樹脂が、下記一般式(2−1)で表される繰り返し単位を主構成単位として含むものである前記[1]に記載の上層膜形成組成物。
Figure 0004848888
(前記一般式(2−1)中、Rは水素、メチル基又はトリフルオロメチル基を示し、Rは単結合又は2価の有機基を示す)
[4]前記上層膜形成組成物用樹脂が、下記一般式(2−2)で表される繰り返し単位を主構成単位として含むものである前記[1]に記載の上層膜形成組成物。
Figure 0004848888
(前記一般式(2−2)中、Rは水素、メチル基又はトリフルオロメチル基を示し、Rは単結合又は2価の有機基を示す)
[5]前記上層膜形成組成物用樹脂が、下記一般式(2−3)で表される繰り返し単位を主構成単位として含むものである前記[1]に記載の上層膜形成組成物。
Figure 0004848888
(前記一般式(2−3)中、Rは水素、メチル基又はトリフルオロメチル基を示し、Rは単結合又は2価の有機基を示し、Rは、少なくとも一つのフッ素を含有する、炭素数1〜10の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基又は炭素数3〜10の脂環式のアルキル基を示す)
]フォトレジスト膜の表面上に上層膜を形成するために用いられる上層膜形成組成物であって、前記一般式(2−1)で表される繰り返し単位を主構成単位として含む前記上層膜形成組成物用樹脂、前記一般式(2−2)で表される繰り返し単位を主構成単位として含む前記上層膜形成組成物用樹脂、及び前記一般式(2−3)で表される繰り返し単位を主構成単位として含む前記上層膜形成組成物用樹脂からなる群より選択される少なくとも二種を含有する前記[1]〜[5]のいずれかに記載の上層膜形成組成物(以下、「第一の上層膜形成組成物」ともいう)。
]基板上にフォトレジストを塗布してフォトレジスト膜を形成する工程と、前記フォトレジスト膜の表面上に上層膜を形成する工程と、前記フォトレジスト膜及び前記上層膜に、液浸媒体を介して、所定のパターンを有するマスクを通して放射線を照射した後に現像してフォトレジストパターンを形成する工程とを有するフォトレジストパターン形成方法であって、前記[1]〜[6]のいずれかに記載の上層膜形成組成物を用いて前記上層膜を形成するフォトレジストパターン形成方法。
本発明の第一及び第二の上層膜形成組成物は、フォトレジスト膜とのインターミキシングを極めて生じ難く、水等の液浸液に極めて溶出し難く安定な被膜を維持可能であり、ウォーターマーク欠陥やパターン不良欠陥の発生を効果的に抑制し、高い後退接触角を示しつつ、高解像度のレジストパターンを形成可能なものである。
本発明のフォトレジストパターン形成方法によれば、フォトレジスト膜とのインターミキシングを極めて生じ難く、ウォーターマーク欠陥やパターン不良欠陥の発生を効果的に抑制し、高い後退接触角を示しつつ、高解像度のレジストパターンを形成可能である。
以下、本発明の実施の最良の形態について説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、当業者の通常の知識に基づいて、以下の実施の形態に対し適宜変更、改良等が加えられたものも本発明の範囲に入ることが理解されるべきである。以降、単に「本発明(本実施形態)の上層膜形成組成物」というときは、第一の上層膜形成組成物と第二の上層膜形成組成物のいずれをも意味する。
実施形態における上層膜形成組成物用樹脂は、フォトレジスト膜の表面上に上層膜を形成するために用いられる上層膜形成組成物に含有される樹脂であり、アルカリ性の現像液に可溶であるとともに、その末端構造が下記一般式(1)で表されるものである。以下、その詳細について説明する。
Figure 0004848888
(一般式(1)中、Rは単結合又はn+1価の有機基を示し、nは1〜3の整数を示す)
前記一般式(1)に示すように、本実施形態の上層膜形成組成物用樹脂は、その末端にカルボキシル基を有するものである。このように、末端にカルボキシル基を有する構造としたことにより、本実施形態の上層膜形成組成物用樹脂は、液浸露光時にフォトレジスト膜を保護可能であるとともに、水等の媒体(液浸液)に溶出し難く安定な被膜を維持することのできる上層膜形成組成物を提供可能となる。また、ウォーターマーク欠陥やパターン不良欠陥の発生を効果的に抑制し、高い後退接触角を示しつつ、高解像度のレジストパターンを形成可能な上層膜形成組成物を提供することができる。なお、前記一般式(1)中のRは、2価の有機基が好ましく、具体的には、メチレン基、炭素数2〜4の直鎖状若しくは炭素数4の分岐状のアルキル基、又は炭素数4〜12の脂環式炭化水素基に由来する連結基であることが好ましい。更に好ましくは、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基等である。また、前記一般式(1)中のnは、1〜3の整数である。
本実施形態の上層膜形成組成物用樹脂は、アルカリ性の現像液に可溶なものである。ここで、本明細書にいう「アルカリ性の現像液に可溶」とは、シリコンウエハ上に塗布膜を形成して現像した場合に、この塗布膜が全て溶解することをいう。なお、アルカリ性の現像液(以下、単に「現像液」ともいう)の具体例については後述する。
上層膜形成組成物用樹脂は、前記一般式(1)で表される末端構造を有するものである限り、それ以外の構造については特に限定されるものではない。但し、上層膜形成組成物用樹脂は、下記一般式(2−1)〜(2−3)で表される繰り返し単位からなる群より選択される少なくとも一種を含むものであることが好ましい。
Figure 0004848888
(一般式(2−1)〜(2−3)中、Rは水素、メチル基又はトリフルオロメチル基を示し、R、R、及びRは単結合又は2価の有機基を示し、Rは、少なくとも一つのフッ素を含有する、炭素数1〜10の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基又は炭素数3〜10の脂環式のアルキル基を示す)
前記一般式(2−1)〜(2−3)中のR、R、及びRのうち、2価の有機基としては2価の炭化水素基が好ましい。また、2価の炭化水素基のなかでも、鎖状若しくは環状の炭化水素基、アルキレングリコール基、アルキレンエステル基が好ましい。
の好適例としては、メチレン基、エチレン基、1,2−プロピレン基、1,3−プロピレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基、オクタメチレン基、ノナメチレン基、デカメチレン基、ウンデカメチレン基、ドデカメチレン基、トリデカメチレン基、テトラデカメチレン基、ペンタデカメチレン基、ヘキサデカメチレン基、ヘプタデカメチレン基、オクタデカメチレン基、ノナデカメチレン基、1−メチル−1,3−プロピレン基、2−メチル1,3−プロピレン基、2−メチル−1,2−プロピレン基、1−メチル−1,4−ブチレン基、2−メチル−1,4−ブチレン基、メチリデン基、エチリデン基、プロピリデン基、2−プロピリデン基等の飽和鎖状炭化水素基;1,3−シクロブチレン基等のシクロブチレン基;1,3−シクロペンチレン基等のシクロペンチレン基;1,4−シクロヘキシレン基等のシクロヘキシレン基;単環式炭化水素環基;ノルボルニレン基;架橋環式炭化水素環基等を挙げることができる。
単環式炭化水素環基としては、例えば、炭素数3〜10のシクロアルキレン基を挙げることができる。なお、炭素数3〜10のシクロアルキレン基の具体例としては、1,5−シクロオクチレン基等のシクロオクチレン基を挙げることができる。ノルボルニレン基としては、例えば、1,4−ノルボルニレン基、2,5−ノルボルニレン基を挙げることができる。また、架橋環式炭化水素環基としては、例えば、2〜4環式炭素数4〜30の炭化水素環基を挙げることができる。なお、2〜4環式炭素数4〜30の炭化水素環基の具体例としては、1,5−アダマンチレン基、2,6−アダマンチレン基等のアダマンチレン基を挙げることができる。
のうちの2価の有機基は、これらの官能基が結合したものであってもよい。例えば、2価の有機基が、その構造中に単環式炭化水素環基又は架橋環式炭化水素環基を有する場合には、その基の末端に、前記一般式(2−1)で表される繰り返し単位中のビストリフルオロメチル−ヒドロキシメチル基との間のスペーサーとして、炭素数1〜4の直鎖状のアルキレン基を結合させた構造とすることが好ましい。
としては、2,5−ノルボルニレン基を含む炭化水素基、1,2−エチレン基、プロピレン基が特に好ましい。
前記一般式(2−1)で表される繰り返し単位を含む上層膜形成組成物用樹脂を製造するために用いられる単量体(ラジカル重合性単量体)の好適例としては、(メタ)アクリル酸(1,1,1−トリフルオロ−2−トリフルオロメチル−2−ヒドロキシ−3−プロピル)エステル、(メタ)アクリル酸(1,1,1−トリフルオロ−2−トリフルオロメチル−2−ヒドロキシ−4−ブチル)エステル、(メタ)アクリル酸(1,1,1−トリフルオロ−2−トリフルオロメチル−2−ヒドロキシ−5−ペンチル)エステル、(メタ)アクリル酸(1,1,1−トリフルオロ−2−トリフルオロメチル−2−ヒドロキシ−4−ペンチル)エステル、(メタ)アクリル酸2−{[5−(1’,1’,1’−トリフルオロ−2’−トリフルオロメチル−2’−ヒドロキシ)プロピル]ビシクロ[2.2.1]ヘプチル}エステル、(メタ)アクリル酸3−{[8−(1’,1’,1’−トリフルオロ−2’−トリフルオロメチル−2’−ヒドロキシ)プロピル]テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデシル}エステル等を挙げることができる。
前記一般式(2−2)中のRを「−A−B−」と表す場合において、「A」の具体例としては、単結合、カルボニル基、カルボニルオキシ基、オキシカルボニル基を挙げることができる。また、「B」の具体例としては、単結合、炭素数1〜20の2価の有機基を挙げることができる。
「B」の具体例のうち、炭素数1〜20の2価の有機基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、1,2−プロピレン基、1,3−プロピレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基、オクタメチレン基、ノナメチレン基、デカメチレン基、ウンデカメチレン基、ドデカメチレン基、トリデカメチレン基、テトラデカメチレン基、ペンタデカメチレン基、ヘキサデカメチレン基、ヘプタデカメチレン基、オクタデカメチレン基、ノナデカメチレン基、1−メチル−1,3−プロピレン基、2−メチル1,3−プロピレン基、2−メチル−1,2−プロピレン基、1−メチル−1,4−ブチレン基、2−メチル−1,4−ブチレン基、メチリデン基、エチリデン基、プロピリデン基、2−プロピリデン基等の飽和鎖状炭化水素基;1,3−シクロブチレン基等のシクロブチレン基;1,3−シクロペンチレン基等のシクロペンチレン基;1,4−シクロヘキシレン基等のシクロヘキシレン基;単環式炭化水素環基;ノルボルニレン基;架橋環式炭化水素環基等を挙げることができる。
単環式炭化水素環基としては、例えば、炭素数3〜10のシクロアルキレン基を挙げることができる。なお、炭素数3〜10のシクロアルキレン基の具体例としては、1,5−シクロオクチレン基等のシクロオクチレン基を挙げることができる。ノルボルニレン基としては、例えば、1,4−ノルボルニレン基、2,5−ノルボルニレン基を挙げることができる。また、架橋環式炭化水素環基としては、例えば、2〜4環式炭素数4〜30の炭化水素環基を挙げることができる。なお、2〜4環式炭素数4〜30の炭化水素環基の具体例としては、1,5−アダマンチレン基、2,6−アダマンチレン基等のアダマンチレン基を挙げることができる。
前記一般式(2−2)で表される繰り返し単位を含む上層膜形成組成物用樹脂を製造するために用いられる単量体(ラジカル重合性単量体)の好適例としては、(メタ)アクリル酸、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−イルメタンカルボン酸、2−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エンカルボン酸、4−トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−8−エンカルボン酸、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−8−エン−4−イルメタンカルボン酸、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−イルメタンカルボン酸等を挙げることができる。
前記一般式(2−3)中のRのうち、2価の有機基としては2価の炭化水素基が好ましい。また、2価の炭化水素基のなかでも、鎖状若しくは環状の炭化水素基、アルキレングリコール基、アルキレンエステル基が好ましい。
の好適例としては、メチレン基、エチレン基、1,2−プロピレン基、1,3−プロピレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基、オクタメチレン基、ノナメチレン基、デカメチレン基、ウンデカメチレン基、ドデカメチレン基、トリデカメチレン基、テトラデカメチレン基、ペンタデカメチレン基、ヘキサデカメチレン基、ヘプタデカメチレン基、オクタデカメチレン基、ノナデカメチレン基、1−メチル−1,3−プロピレン基、2−メチル1,3−プロピレン基、2−メチル−1,2−プロピレン基、1−メチル−1,4−ブチレン基、2−メチル−1,4−ブチレン基、メチリデン基、エチリデン基、プロピリデン基、2−プロピリデン基等の飽和鎖状炭化水素基;1,3−シクロブチレン基等のシクロブチレン基;1,3−シクロペンチレン基等のシクロペンチレン基;1,4−シクロヘキシレン基等のシクロヘキシレン基;単環式炭化水素環基;ノルボルニレン基;架橋環式炭化水素環基等を挙げることができる。
単環式炭化水素環基としては、例えば、炭素数3〜10のシクロアルキレン基を挙げることができる。なお、炭素数3〜10のシクロアルキレン基の具体例としては、1,5−シクロオクチレン基等のシクロオクチレン基を挙げることができる。ノルボルニレン基としては、例えば、1,4−ノルボルニレン基、2,5−ノルボルニレン基を挙げることができる。また、架橋環式炭化水素環基としては、例えば、2〜4環式炭素数4〜30の炭化水素環基を挙げることができる。なお、2〜4環式炭素数4〜30の炭化水素環基の具体例としては、1,5−アダマンチレン基、2,6−アダマンチレン基等のアダマンチレン基を挙げることができる。
前記一般式(2−3)中のRとしては、例えばトリフルオロメチル基が好ましい。前記一般式(2−3)で表される繰り返し単位を含む上層膜形成組成物用樹脂を製造するために用いられる単量体(ラジカル重合性単量体)の好適例としては、(((トリフルオロメチル)スルホニル)アミノ)エチル−1−メタクリレート、2−(((トリフルオロメチル)スルホニル)アミノ)エチル−1−アクリレート、及び下記式で表される化合物が挙げられる。
Figure 0004848888
一方、本実施形態の上層膜形成組成物用樹脂は、前記一般式(2−1)で表される繰り返し単位を主構成単位として含むものであることが、高い後退接触角を発現するために好ましい。なお、「一般式(2−1)で表される繰り返し単位を主構成単位として含む」とは、樹脂((共)重合体)を構成する全構成単位中に、一般式(2−1)で表される繰り返し単位が70質量%以上、好ましくは80質量%以上、更に好ましくは90質量%以上、特に好ましくは100質量%含まれていることをいう。
また、本実施形態の上層膜形成組成物用樹脂は、前記一般式(2−2)で表される繰り返し単位を主構成単位として含むものであることが、現像液への溶解速度を向上させるために好ましい。なお、「一般式(2−2)で表される繰り返し単位を主構成単位として含む」とは、樹脂((共)重合体)を構成する全構成単位中に、一般式(2−2)で表される繰り返し単位が5質量%以上、好ましくは15質量%以上、更に好ましくは25質量%以上含まれていることをいう。
更に、本実施形態の上層膜形成組成物用樹脂は、前記一般式(2−3)で表される繰り返し単位を主構成単位として含むものであることが、現像液への溶解速度を向上させるとなるために好ましい。なお、「一般式(2−3)で表される繰り返し単位を主構成単位として含む」とは、樹脂((共)重合体)を構成する全構成単位中に、一般式(2−3)で表される繰り返し単位が5質量%以上、好ましくは15質量%以上、更に好ましくは25質量%以上含まれていることをいう。
本実施形態の上層膜形成組成物用樹脂の分子量については特に限定はなく、必要に応じて種々の分子量とすることができる。ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定したポリスチレン換算質量平均分子量(Mw)は、通常、2,000〜100,000、好ましくは2,500〜50,000、更に好ましくは3,000〜20,000である。このようなMwとすることにより、有機溶剤に対する溶解性に優れるとともに、耐水性及び機械的特性が高い上層膜を形成することができるという利点がある。なお、Mwが2,000未満であると、耐水性及び機械的特性が高い保護膜を形成し難くなる傾向にある。一方、Mwが100,000超であると、有機溶剤に対する溶解性が低下する傾向にある。また、Mwと、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)で測定したポリスチレン換算数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)は、通常、1〜5、好ましくは1〜3である。
本実施形態の上層膜形成組成物用樹脂は、放射線照射時に水等の媒体(液浸液)に対して安定な上層膜(保護膜)を形成することが可能であるとともに、レジストパターンを形成するための現像液に溶解し得る樹脂である。ここで、「液浸液に対して安定」とは、以下に示す「安定性評価試験」の結果測定される膜厚の変化率が、初期膜厚の3%以内であることを意味するものとする。
[安定性評価試験]:
(1):コータ/デベロッパ(1)(商品名:CLEAN TRACK ACT8、東京エレクトロン社製)を用い、8インチシリコンウェハ上に、上層膜形成組成物(上層膜形成組成物用樹脂を溶媒に溶解させたもの)をスピンコートし、90℃、60秒の条件で予備焼成(PB)を行うことにより、膜厚90nmの上層膜を形成する。この上層膜の膜厚(初期膜厚)を、光干渉式膜厚測定装置(商品名:ラムダエースVM−2010、大日本スクリーン製造社製)を用いて測定する。
(2):次いで、その上層膜が形成されたウェハの表面に、前記コータ/デベロッパ(1)のリンスノズルから超純水を60秒間吐出させた後、回転数4000rpmで15秒間振り切り、スピンドライする。このときの上層膜の膜厚を再度測定し、上層膜の膜厚変化(減少した膜厚)を算出する。初期膜厚に対する、減少した膜厚の比率が3%以内であれば「液浸液に対して安定」と評価する。
本実施形態の上層膜形成組成物用樹脂は、例えば、適当な開始剤や連鎖移動剤の存在下、重合溶媒中で対応する一以上のラジカル重合性単量体をラジカル重合することによって製造することができる。なお、本実施形態の上層膜形成組成物用樹脂は、その末端にカルボキシル基を有するものである。従って、末端にカルボキシル基が導入された樹脂を得るために、ラジカル重合に際しては、カルボン酸骨格を含む開始剤及び/又は連鎖移動剤を用いることが好ましい。開始剤としては、例えば、商品名「V−501」(和光純薬社製)、商品名「V−601」(和光純薬社製)等を用いることが好ましい。また、連鎖移動剤としては、例えば、3−メルカプトプロピオン酸、2−メルカプトコハク酸等を用いることが好ましい。
また、上層膜形成組成物用樹脂を製造するに際しては、得られる上層膜形成組成物用樹脂の分子量、ガラス転移点、溶媒に対する溶解性等を制御する目的で、前述のラジカル重合性単量体以外のラジカル重合性単量体(以下、「その他のラジカル重合性単量体」ともいう)や酸解離性基含有単量体を共重合させることが好ましい。
その他のラジカル重合性単量体及び酸解離性基含有単量体としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−メチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルオキシエチル(メタ)アクリレート、イソボロニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、メトキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ブトキシ−ジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシプロピレングリコール(メタ)アクリレート、2−メチル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート、2−エチル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート、2−プロピル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート、2−ブチル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート、1−メチル−1−シクロヘキシル(メタ)アクリレート、1−エチル−1−シクロヘキシル(メタ)アクリレート、1−プロピル−1−シクロヘキシル(メタ)アクリレート、1−ブチル−1−シクロヘキシル(メタ)アクリレート、1−メチル−1−シクロペンチル(メタ)アクリレート、1−エチル−1−シクロペンチル(メタ)アクリレート、1−プロピル−1−シクロペンチル(メタ)アクリレート、1−ブチル−1−シクロペンチル(メタ)アクリレート、1−アダマンチル−1−メチルエチル(メタ)アクリレート、1−ビシクロ[2.2.1]ヘプチル−1−メチルエチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル;マレイン酸ジエチル、フマル酸ジエチル、イタコン酸ジエチル等のジカルボン酸ジエステル;フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸アリールエステル;スチレン、α−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ビニ−ルトルエン、p−メトキシスチレン等の芳香族ビニル類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のニトリル基含有ラジカル重合性単量体;アクリルアミド、メタクリルアミド等のアミド結合含有ラジカル重合性単量体;酢酸ビニル等の脂肪酸ビニル類;塩化ビニル、塩化ビニリデン等の塩素含有ラジカル重合性単量体;1,3−ブタジエン、イソプレン、1,4−ジメチルブタジエン等の共役ジオレフィン類を挙げることができる。なかでも、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、ニトリル基含有ラジカル重合性単量体、アミド結合含有ラジカル重合性単量体、水酸基含有(メタ)アクリル酸アルキルエステルが好ましい。これらのラジカル重合性単量体や酸解離性基含有単量体は、一種単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
その他のラジカル重合性単量体及び/又は酸解離性基含有単量体を共重合させる場合、全ての単量体成分に対するこれらの単量体の割合は、50モル%以下であることが好ましく、40モル%以下であることが更に好ましい。50モル%超であると、現像液に対する溶解性が低下し、形成された上層膜の除去が困難となって、現像後のレジストパターン上に残渣が発生し易くなる傾向にある。
重合溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール等のアルコール類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等の環状エーテル類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールのアルキルエーテル類;エチレングリコールエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等の多価アルコールのアルキルエーテルアセテート類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン、ジアセトンアルコール等のケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル、2−ヒドロキシプロピオン酸メチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル等のエステル類を挙げることができる。なかでも、環状エーテル類、多価アルコールのアルキルエーテル類、多価アルコールのアルキルエーテルアセテート類、ケトン類、エステル類が好ましい。
なお、上層膜形成組成物用樹脂は、ハロゲン、金属等の不純物が少ないほど好ましく、それにより、上層膜としての塗布性と有機溶剤への均一な溶解性を更に改善することができる。上層膜形成組成物用樹脂の精製法としては、例えば、水洗、液々抽出等の化学的精製法や、これらの化学的精製法と限外ろ過、遠心分離等の物理的精製法とを組み合わせた精製法等を挙げることができる。上層膜形成組成物を調製するに際しては、上層膜形成組成物用樹脂を一種単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
2.上層膜形成組成物
次に、本発明の第一及び第二の上層膜形成組成物の実施形態について説明する。本実施形態の第一の上層膜形成組成物は、フォトレジスト膜の表面上に上層膜を形成するために用いられるものであり、前述の上層膜形成組成物用樹脂を含有するものである。また、本実施形態の第二の上層膜形成組成物は、フォトレジスト膜の表面上に上層膜を形成するために用いられるものであり、以下に示す上層膜形成組成物用樹脂(1)〜(3)からなる群より選択される少なくとも二種を含有するものである。
上層膜形成組成物用樹脂(1):前記一般式(2−1)で表される繰り返し単位を主構成単位として含む。
上層膜形成組成物用樹脂(2):前記一般式(2−2)で表される繰り返し単位を主構成単位として含む。
上層膜形成組成物用樹脂(3):前記一般式(2−3)で表される繰り返し単位を主構成単位として含む。
本実施形態の上層膜形成組成物は、例えば、所定の上層膜形成組成物用樹脂に適当な溶媒を加えて全固形分濃度を0.1〜20質量%程度に調整した溶液を得、得られた溶液を、孔径30nm程度のフィルターで濾過すること等によって調製することができる。
上層膜形成組成物を調製するために用いられる溶媒は、フォトレジスト膜とインターミキシングを起こす等してリソグラフィ性能を劣化させ難いものが好適である。このような溶媒としては、1価アルコール類、多価アルコール類、多価アルコールのアルキルエーテル類、多価アルコールのアルキルエーテルアセテート類、エーテル類、環状エーテル類、高級炭化水素類、芳香族炭化水素類、ケトン類、エステル類、水等を挙げることができる。
1価アルコール類としては、炭素数4〜8の1価アルコールが好ましい。具体例としては、2−メチル−1−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、3−メチル−2−ペンタノール、4−メチル−2−ペンタノール、2−エチル−1−ブタノール、2,4−ジメチル−3−ペンタノール等を挙げることができる。
多価アルコール類としては、エチレングリコール、プロピレングリコール等を挙げることができる。多価アルコールのアルキルエーテル類としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルと魚挙げることができる。
多価アルコールのアルキルエーテルアセテート類としては、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等を挙げることができる。
エーテル類としては、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ブチルメチルエーテル、ブチルエチルエーテル、ブチルプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジイソブチルエーテル、tert−ブチル−メチルエーテル、tert−ブチルエチルエーテル、tert−ブチルプロピルエーテル、ジ−tert−ブチルエーテル、ジペンチルエーテル、ジイソアミルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、シクロヘキシルメチルエーテル、シクロペンチルエチルエーテル、シクロヘキシルエチルエーテル、シクロペンチルプロピルエーテル、シクロペンチル−2−プロピルエーテル、シクロヘキシルプロピルエーテル、シクロヘキシル−2−プロピルエーテル、シクロペンチルブチルエーテル、シクロペンチル−tert−ブチルエーテル、シクロヘキシルブチルエーテル、シクロヘキシル−tert−ブチルエーテル等を挙げることができる。環状エーテル類としては、テトラヒドロフラン、ジオキサン等を挙げることができる。
高級炭化水素類としては、デカン、ドデカン、ウンデカン等を挙げることができる。芳香族炭化水素類としては、ベンゼン、トルエン、キシレン等を挙げることができる。ケトン類としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン、ジアセトンアルコール等を挙げることができる。エステル類としては、酢酸エチル、酢酸ブチル、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチルを挙げることができる。
これらのうち、1価アルコール類、エーテル類、環状エーテル類、多価アルコールのアルキルエーテル類、多価アルコールのアルキルエーテルアセテート類、高級炭化水素類が好ましい。なお、これらの溶媒は、一種単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
本実施形態の上層膜形成組成物には、塗布性、消泡性、レベリング性等を向上させる目的で界面活性剤を配合してもよい。界面活性剤としては、以下、全て商品名で、BM−1000、BM−1100(以上、BMケミー社製)、メガファックF142D、同F172、同F173、同F183(以上、大日本インキ化学工業社製)、フロラードFC−135、同FC−170C、同FC−430、同FC−431(以上、住友スリーエム社製)、サーフロンS−112、同S−113、同S−131、同S−141、同S−145(以上、旭硝子社製)、SH−28PA、同−190、同−193、SZ−6032、SF−8428(以上、東レダウコーニングシリコーン社製)等のフッ素系界面活性剤を使用することができる。これらの界面活性剤の配合量は、上層膜形成組成物用樹脂100質量部に対して5質量部以下とすることが好ましい。
3.フォトレジストパターン形成方法:
次に、本発明のフォトレジストパターン形成方法の一実施形態について説明する。本実施形態のフォトレジストパターン形成方法は、基板上にフォトレジストを塗布してフォトレジスト膜を形成する工程(工程(1))と、フォトレジスト膜の表面上に上層膜を形成する工程(工程(2))と、フォトレジスト膜及び上層膜に、液浸媒体を介して、所定のパターンを有するマスクを通して放射線を照射した後に現像してフォトレジストパターンを形成する工程(工程(3))とを有し、前述の上層膜形成組成物を用いて上層膜を形成する方法である。
(工程(1))
工程(1)は、基板上にフォトレジストを塗布してフォトレジスト膜を形成する工程である。基板としては、通常、シリコンウエハ、アルミニウムで被覆したシリコンウエハ等が用いられる。フォトレジスト膜の特性を最大限に引き出すため、予め、基板の表面に有機系ないし無機系の反射防止膜を形成しておくことも好ましい形態の一つである(例えば、特公平6−12452号公報等を参照)。
フォトレジスト膜を形成する物質の種類は特に制限されるものではなく、従来、フォトレジスト膜を形成するために用いられていた物質の中から、レジストの使用目的に応じて適宜選択して使用すればよい。但し、酸発生剤を含有する化学増幅型のレジスト材料、特に、ポジ型レジスト材料を用いることが好ましい。化学増幅型のポジ型レジスト材料としては、例えば、酸解離性基修飾アルカリ可溶性樹脂と、感放射線性酸発生剤とを必須成分として含有する感放射線性の樹脂組成物等を挙げることができる。このような樹脂組成物は、放射線照射(露光)により酸発生剤から酸が発生し、その発生した酸の作用によって、樹脂の酸性基(例えば、カルボキシル基)を保護していた酸解離性基が解離して、酸性基が露出する。従って、レジストの露光部のアルカリ溶解性が高くなり、その露光部がアルカリ現像液によって溶解、除去され、ポジ型のレジストパターンを形成することができる。
フォトレジスト膜は、フォトレジスト膜を形成するための樹脂成分に溶剤を加えて、その全固形分濃度を0.2〜20質量%に調整した溶液を得、得られた溶液を、孔径30nm程度のフィルターで濾過することにより塗工液を調製し、この塗工液を、回転塗布、流延塗布、ロール塗布等の従来公知の塗布方法を用いて基板上に塗布することによって形成することができる。このフォトレジスト膜は、溶媒を揮発させるためにPBを行ってもよい。なお、フォトレジスト膜の形成に際しては、塗工液は自ら調製してもよいし、市販のレジスト溶液を塗工液として使用してもよい。
(工程(2))
工程(2)は、フォトレジスト膜の表面上に上層膜を形成する工程である。この工程は、工程(1)で形成されたフォトレジスト膜の表面上に、本発明の一実施形態である前述の上層膜形成組成物を塗布し、好ましくは再度焼成することにより上層膜を形成する工程である。上層膜を形成することによって、液浸露光の際に液浸液がフォトレジスト膜と直接接触することが防止され、液浸液の浸透によってフォトレジスト膜のリソグラフィ性能が低下したり、フォトレジスト膜から溶出する成分により投影露光装置のレンズが汚染されたりする事態を効果的に防止することが可能となる。
上層膜の厚さはλ/4m(但し、λ:放射線の波長、m:保護膜の屈折率)の奇数倍にできる限り近づけることが好ましい。フォトレジスト膜の上側界面における反射抑制効果が大きくなるためである。
(工程(3))
工程(3)は、フォトレジスト膜及び上層膜に、液浸媒体(液浸液)を介して、所定のパターンを有するマスクを通して放射線を照射した後に現像してフォトレジストパターンを形成する工程である。
液浸液としては、通常、空気より屈折率の高い液体を使用する。具体的には、水を用いることが好ましく、純水を用いることが更に好ましい。なお、必要に応じて液浸液のpHを調整してもよい。この液浸液を介在させた状態で(即ち、露光装置のレンズとフォトレジスト膜との間に液浸液を満たした状態で)、所定のパターンを有するマスクを通して放射線を照射し、フォトレジスト膜を露光させる。
液浸露光の際に使用することができる放射線は、使用されるフォトレジスト膜や上層膜の種類に応じて適宜選択すればよく、例えば、可視光線;g線、i線等の紫外線;エキシマレーザ等の遠紫外線;シンクロトロン放射線等のX線;電子線等の荷電粒子線等の各種放射線を用いることができる。なかでも、ArFエキシマレーザ(波長193nm)又はKrFエキシマレーザ(波長248nm)を用いることが好ましい。また、放射線量等の露光条件は、感放射線性樹脂組成物の配合組成、添加剤の種類等に応じて適宜設定すればよい。
フォトレジスト膜の解像度、パターン形状、及び現像性等を向上させるために、露光後に焼成(PEB)を行うことが好ましい。その焼成温度は、使用される感放射線性樹脂組成物の種類等によって適宜調節されるが、通常、30〜200℃、好ましくは50〜150℃である。
露光後又はPEB後に現像を行い、必要に応じて洗浄すれば、所望のフォトレジストパターンを形成することができる。上層膜は、本発明の一実施形態である上層膜形成組成物によって形成されている。従って、この上層膜は、別途の剥離工程によって除去する必要はなく、現像中又は現像後の洗浄中に容易に除去することができる。なお、現像に際しては、通常、アルカリ性の現像液を使用する。
現像液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、珪酸ナトリウム、メタ珪酸ナトリウム、アンモニア、エチルアミン、n−プロピルアミン、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、ピロール、ピペリジン、コリン、1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ−[4.3.0]−5−ノナン等のアルカリ性化合物を少なくとも一種溶解したアルカリ性水溶液を使用することが好ましい。なかでも、テトラアルキルアンモニウムヒドロキシド類の水溶液を好適に用いることができる。
現像液には、例えば、メタノール、エタノール等のアルコール類をはじめとする水溶性有機溶媒や、界面活性剤を適量添加することもできる。なお、上記のアルカリ性水溶液を用いて現像した場合は、通常、現像後に水洗する。なお、現像、又は必要に応じた水洗後に適宜乾燥すれば、目的とするフォトレジストパターンを形成することができる。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例、比較例中の「部」及び「%」は、特に断らない限り質量基準である。また、分子量(Mw及びMn)の測定方法を以下に示す。
[分子量(Mw、Mn)測定方法]:高速GPC装置(型式「HLC−8120」(東ソー社製))、及びGPCカラム(商品名「G2000HXL」;2本、「G3000HXL」;1本、「G4000HXL」;1本(いずれも東ソー社製))を使用し、流速:1.0ml/分、溶出溶剤:テトラヒドロフラン、カラム温度:40℃の分析条件で、単分散ポリスチレンを標準とするゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定した。
1.上層膜形成組成物用樹脂の合成
(合成例1:樹脂(A−1))
メタクリル酸(1,1,1−トリフルオロ−2−トリフルオロメチル−2−ヒドロキシ−4−ペンチル)エステル50g、2,2’−アゾビス(2−メチルイソプロピオン酸メチル)0.78g、及び3−メルカプトプロピオン酸0.36gを、メチルエチルケトン50gに予め溶解させた単量体溶液を準備した。一方、温度計及び滴下漏斗を備えた500mlの三口フラスコにメチルエチルケトン50gを投入し、30分間窒素パージした。窒素パージ後、フラスコ内をマグネティックスターラーで撹拌しながら80℃になるように加熱した。滴下漏斗を使用し、予め準備しておいた単量体溶液を2時間かけて滴下した。滴下終了後、更に2時間反応を続け、30℃以下になるまで冷却することにより共重合液を得た。
得られた共重合液150gを分液漏斗に移し、メタノール50g、及びn−ヘキサン600gを分液漏斗に投入して分離精製を行い、下層液を回収した。回収した下層液を、メチルエチルケトンで希釈して100gとした後、再度分液漏斗に移した。メタノール50g、及びn−ヘキサン600gを分液漏斗に投入して再度分離精製を行い、下層液を回収した。回収した下層液の溶剤を、4−メチル−2−ペンタノールに置換して全量を250gに調整し、水250gを添加して分液精製を行った。上層液を回収し、再度4−メチル−2−ペンタノールに置換した。4−メチル−2−ペンタノールに置換した後の試料の固形分濃度は、その試料(樹脂溶液)0.3gをアルミ皿に載せ、140℃に加熱したホットプレート上で1時間加熱した後の残渣の質量から算出した。なお、算出した固形分濃度は、その後の上層膜形成組成物用樹脂の調製と収率計算に利用した。得られた樹脂溶液に含有される共重合体のMwは11,090、及びMw/Mnは1.52であり、収率は70%であった。この共重合体を樹脂(A−1)とした。
(合成例2:樹脂(A−2))
アクリル酸11.16g(40モル%)、アクリル酸トリシクロデカニルエステル23.96g(30モル%)、アクリル酸n−ブチルエステル14.89g(30モル%)、2,2’−アゾビス(2−メチルイソプロピオン酸メチル)1.78g、及び3−メルカプトプロピオン酸0.41gを、メチルエチルケトン50gに溶解させた単量体溶液を準備したこと以外は、前述の合成例1と同様の操作により共重合体を得た。得られた共重合体のMwは8,730、及びMw/Mnは1.63であり、収率は67%であった。この共重合体を樹脂(A−2)とした。
(合成例3:樹脂(A−3))
メタクリル酸(1,1,1−トリフルオロ−2−トリフルオロメチル−2−ヒドロキシ−4−ペンチル)エステル93.91g(85モル%)、ビニルスルホン酸6.09g(15モル%)、及び開始剤として2,2’−アゾビス−(2−メチルプロピオン酸メチル)6.91gを、イソプロパノール200gに溶解させた単量体溶液を準備した。一方、温度計及び滴下漏斗を備えた500mlの三つ口フラスコにイソプロパノール100gを投入し、30分間窒素パージした。窒素パージの後、フラスコ内をマグネティックスターラーで撹拌しながら80℃になるように加熱した。滴下漏斗を使用し、予め準備しておいた単量体溶液を3時間かけて滴下した。滴下終了後、更に3時間反応を続け、30℃以下になるまで冷却することにより共重合液を得た。
共重合液を200gになるまで濃縮して得られた濃縮液に、メタノール200g及びn−ヘプタン1600gを加えて分液漏斗に移し、十分撹拌した後、下層液を分離回収した。回収した下層液にメタノール200g及びn−ヘプタン1600gを加え、混合した後、分液漏斗に移し、再び下層液を分離回収した。得られた下層液の溶剤を4−メチル−2−ペンタノールに置換した。4−メチル−2−ペンタノールに置換した後の試料の固形分濃度は、その試料(樹脂溶液)0.3gをアルミ皿に載せ、140℃に加熱したホットプレート上で2時間加熱した後の残渣の質量から算出した。なお、算出した固形分濃度は、その後の上層膜形成組成物用樹脂の調製と収率計算に利用した。得られた共重合体のMwは5700、及びMw/Mnは1.70であり、収率は72%であった。また、得られた樹脂溶液に含有される共重合体の、メタクリル酸(1,1,1−トリフルオロ−2−トリフルオロメチル−2−ヒドロキシ−4−ペンチル)エステルに由来する繰り返し単位の含有割合と、ビニルスルホン酸に由来する繰り返し単位の含有割合の比は、95:5(モル比)であった。この共重合体を樹脂(A−3)とした。
2.感放射線性樹脂組成物用樹脂の合成
(合成例4:樹脂(A’−1))
下記化合物(M−1)53.93g(50モル%)、化合物(M−2)35.38g(40モル%)、及び化合物(M−3)10.69g(10モル%)を2−ブタノン200gに溶解し、更にジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)5.58gを投入した単量体溶液を準備した。一方、2−ブタノン100gを投入した500mlの三口フラスコを30分窒素パージした。窒素パージの後、フラスコの内容物を撹拌しながら80℃に加熱し、準備した前記単量体溶液を、滴下漏斗を用いて3時間かけて滴下した。滴下開始を重合開始時間とし、重合反応を6時間実施した。重合終了後、重合溶液を水冷することにより30℃以下に冷却し、2000gのメタノールへ投入し、析出した白色粉末をろ別した。ろ別した白色粉末を2度400gのメタノールにてスラリー上で洗浄した後、ろ別し、50℃にて17時間乾燥し、白色粉末の共重合体を得た(74g、収率74%)。得られた共重合体のMwは6900、及びMw/Mnは1.70であった。また、13C−NMR分析の結果、化合物(M−1)、化合物(M−2)、化合物(M−3)に由来するそれぞれの繰り返し単位の含有割合は、53.0:37.2:9.8(モル%)であった。なお、この共重合体中のそれぞれの単量体し由来する低分子量成分の含有量は、この共重合体100質量%に対して0.03質量%であった。この共重合体を樹脂(A’−1)とした。
Figure 0004848888
(合成例5:樹脂(A’−2))
前記化合物(M−1)47.54g(46モル%)、化合物(M−2)12.53g(15モル%)、及び化合物(M−4)39.93g(39モル%)を2−ブタノン200gに溶解し、更に2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)4.08gを投入した単量体溶液を準備した。一方、2−ブタノン100gを投入した1000mlの三口フラスコを30分窒素パージした。窒素パージの後、三口フラスコの内容物を撹拌しながら80℃に加熱し、準備した前記単量体溶液を、滴下漏斗を用いて3時間かけて滴下した。滴下開始を重合開始時間とし、重合反応を6時間実施した。重合終了後、重合溶液を水冷することにより30℃以下に冷却し、2000gのメタノールへ投入し、析出した白色粉末をろ別した。ろ別された白色粉末を2度400gのメタノールにてスラリー状で洗浄した後、ろ別し、50℃にて17時間乾燥し、白色粉末の共重合体を得た(73g、収率73%)。得られた共重合体のMwは5700、及びMw/Mnは1.7であった。また、13C−NMR分析の結果、化合物(M−1)、化合物(M−2)、化合物(M−3)に由来するそれぞれの繰り返し単位の含有割合は、51.4:14.6:34.0(モル%)であった。この共重合体を樹脂(A’−2)とした。
3.感放射線性樹脂組成物(A’)の調製
表1に示す組成の感放射線性樹脂組成物(A’)を調製した。なお、使用した各成分を以下に示す。
[酸発生剤(B)]:
(B−1):トリフェニルスルホニウム・ノナフルオロ−n−ブタンスルホネート
(B−2):1−(4−n−ブトキシナフタレン−1−イル)テトラヒドロチオフェニウム・ノナフルオロ−n−ブタンスルホネート
[酸拡散抑制剤(C)]:
(C−1):R−(+)−(tert−ブトキシカルボニル)−2−ピペリジンメタノール
[溶剤(D)]:
(D−1):プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
(D−2):シクロヘキサノン
Figure 0004848888
4.上層膜形成組成物の調製
(実施例1)
樹脂(A−1)100部と4−メチル−2−ペンタノール(溶剤(D−3))100部を混合し、2時間撹拌した後、孔径200nmのフィルターでろ過することにより、固形分濃度4質量%の上層膜形成組成物(実施例1)を調製した。
(実施例2〜3、比較例1)
表2に示す配合処方としたこと以外は、前述の実施例1と同様の操作により、上層膜形成組成物(実施例2〜3、比較例1)を調製した。なお、表2に示す溶剤(D)は以下に示す通りである。
[溶剤(D)]:
(D−3):4−メチル−2−ペンタノール
(D−4):ジイソアミルエーテル
5.評価方法
(1)上層膜除去性の評価方法(除去性)
8インチシリコンウェハ上に、商品名「CLEAN TRACK ACT8」(東京エレクトロン社製)を使用して、上層膜形成組成物をスピンコートし、90℃、60秒ベークを行って、膜厚90nmの塗膜(上層膜)を形成した。なお、塗膜の厚み(膜厚)は、商品名「ラムダエースVM90」(大日本スクリーン社製)を使用して測定した。商品名「CLEAN TRACK ACT8」を使用して60秒間パドル現像(現像液:2.38%TMAH水溶液)を行い、振り切りによりスピンドライした後、ウェハ表面を観察した。ウェハ表面に残渣がなく現像されていれば「○」、ウェハ表面に残渣が観察されれば「×」と評価した。評価結果を表2に示す。
(2)後退接触角の測定方法
まず、8インチシリコンウェハ上に、感放射線性樹脂組成物(A’)をスピンコートし、ホットプレート上で90℃、60秒PBを行い、膜厚120nmの塗膜(フォトレジスト膜)を形成した。その後、商品名「DSA−10」(KRUS社製)を使用して、速やかに、室温:23℃、湿度:45%、常圧の環境下で、次の手順により後退接触角を測定した。まず、商品名「DSA−10」(KRUS社製)のウェハステージ位置を調整し、この調整したステージ上に上記ウェハをセットする。次に、針に水を注入し、上記セットしたウェハ上に水滴を形成可能な初期位置に上記針の位置を微調整する。その後、この針から水を排出させて上記ウェハ上に25μlの水滴を形成し、一旦、この水滴から針を引き抜き、再び上記初期位置に針を引き下げて水滴内に配置する。続いて、10μl/minの速度で90秒間、針によって水滴を吸引すると同時に接触角を毎秒1回測定する(合計90回)。このうち、接触角の測定値が安定した時点から20秒間の接触角についての平均値を算出して後退接触角(°)とした。
(3)インターミキシングの評価方法(インターミキシング)
商品名「CLEAN TRACK ACT8」を使用して予めHMDS処理(100℃、60秒)を行った8インチシリコンウェハ上に、感放射線性樹脂組成物(A’)をスピンコートした。ホットプレート上で90℃、60秒PBを行い、膜厚120nmの塗膜(フォトレジスト膜)を形成した。形成した塗膜上に、上層膜形成組成物をスピンコートし、PB(90℃、60秒)を行うことにより膜厚90nmの塗膜を形成した。商品名「CLEAN TRACK ACT8」のリンスノズルから、ウェハ上に超純水を60秒間吐出させ、4000rpmで15秒間振り切りのスピンドライを行った。次いで、商品名「CLEAN TRACK ACT8」を使用し、LDノズルにてパドル現像(現像液:2.38%TMAH水溶液)を60秒間行って、上層膜を除去した。なお、上記の現像によって上層膜は除去されるが、フォトレジスト膜は未露光であるためにそのまま残存する。現像の前後に、商品名「ラムダエースVM90」を使用してフォトレジスト膜の膜厚測定を行ない、膜厚の変化率が0.5%以内である場合は、フォトレジスト膜と上層膜間でのインターミキシングが無いと判断して「○」、膜厚の変化率が0.5%を超えた場合は「×」と評価した。評価結果を表2に示す。
(4)パターンニングの評価方法(パターンニング)
8インチシリコンウェハ上に、商品名「CLEAN TRACK ACT8」を使用して、下層反射防止膜用組成物(商品名「ARC29A」(ブルワーサイエンス社製))をスピンコートし、PB(205℃、60秒)を行うことにより膜厚77nmの塗膜(下層反射防止膜)を形成した。形成した下層反射防止膜上に、感放射線性樹脂組成物(A’)をスピンコートし、PB(90℃、60秒)を行うことにより膜厚120nmの塗膜(フォトレジスト膜)を形成した。形成したフォトレジスト膜上に、上層膜形成組成物をスピンコートし、PB(90℃、60秒)を行うことにより膜厚90nmの塗膜(上層膜)を形成した。次いで、ArF投影露光装置(型番「S306C」、ニコン社製)を使用し、NA:0.78、シグマ:0.85ウェハ3Annの光学条件にて露光を行い、商品名「CLEAN TRACK ACT8」のリンスノズルから、ウエハ上に超純水を60秒間吐出させ、4000rpmで15秒間振り切りのスピンドライを行った。その後、商品名「CLEAN TRACK ACT8」のホットプレートを使用してPEB(115℃、60秒)を行った後、LDノズルにてパドル現像(現像液:2.38%TMAH水溶液)を30秒間行った。超純水にてリンスした後、4000rpmで15秒間振り切ることによってスピンドライした。
形成されたレジストパターンについて、線幅90nmのライン・アンド・スペースパターン(1L1S)を1対1の線幅に形成する露光量を最適露光量(mJ/cm)とした。なお、測定には走査型電子顕微鏡(商品名「S−9380」(日立計測器社製))を使用した。また、線幅90nmライン・アンド・スペースパターンの断面形状を、走査型電子顕微鏡(型番「S−4200」、日立計測器社製)にて観察した。図1は、ライン・アンド・スペースパターンの形状を模式的に示す断面図である。基板1上に形成されたパターン2の膜の中間での線幅Lbと、膜の上部での線幅Laを測定し、0.9≦(La−Lb)/Lb≦1.1であった場合を「○」、(La−Lb)/Lb<0.9、又は(La−Lb)/Lb>1.1であった場合を「×」と評価した。評価結果を表2に示す。
Figure 0004848888
表2に示すように、実施例1〜4の上層膜形成組成物を用いれば、除去性の良好な上層膜を形成することができるとともに、高解像度のフォトレジストパターンを形成可能であることが明らかである。また、実施例1〜4の上層膜形成組成物は、比較例1の上層膜形成組成物に比して、フォトレジスト膜とのインターミキシングが発生し難く、高い後退接触角を示し、安定した膜を形成可能であることが明らかである。
本発明の上層膜形成組成物は、今後更に微細化が進行すると予想される半導体デバイスの製造に極めて好適に使用することができる。
ライン・アンド・スペースパターンの形状を模式的に示す断面図である。
符号の説明
1 基板
2 パターン
La 膜の上部での線幅
Lb 膜の中間での線幅

Claims (7)

  1. フォトレジスト膜の表面上に上層膜を形成するために用いられる液浸露光用の上層膜形成組成物であり、
    フォトレジスト膜の表面上に上層膜を形成するために用いられる上層膜形成組成物に含有される樹脂であって、アルカリ性の現像液に可溶であるとともに、その末端構造が下記一般式(1)で表される上層膜形成組成物用樹脂を含有する液浸露光用の上層膜形成組成物。
    Figure 0004848888
    (前記一般式(1)中、Rは単結合又はn+1価の有機基を示し、nは1〜3の整数を示す)
  2. 前記上層膜形成組成物用樹脂が、下記一般式(2−1)〜(2−3)で表される繰り返し単位からなる群より選択される少なくとも一種を含むものである請求項1に記載の上層膜形成組成物。
    Figure 0004848888
    (前記一般式(2−1)〜(2−3)中、R は水素、メチル基又はトリフルオロメチル基を示し、R 、R 、及びR は単結合又は2価の有機基を示し、R は、少なくとも一つのフッ素を含有する、炭素数1〜10の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基又は炭素数3〜10の脂環式のアルキル基を示す)
  3. 前記上層膜形成組成物用樹脂が、下記一般式(2−1)で表される繰り返し単位を主構成単位として含むものである請求項1に記載の上層膜形成組成物。
    Figure 0004848888
    (前記一般式(2−1)中、R は水素、メチル基又はトリフルオロメチル基を示し、R は単結合又は2価の有機基を示す)
  4. 前記上層膜形成組成物用樹脂が、下記一般式(2−2)で表される繰り返し単位を主構成単位として含むものである請求項1に記載の上層膜形成組成物。
    Figure 0004848888
    (前記一般式(2−2)中、R は水素、メチル基又はトリフルオロメチル基を示し、R は単結合又は2価の有機基を示す)
  5. 前記上層膜形成組成物用樹脂が、下記一般式(2−3)で表される繰り返し単位を主構成単位として含むものである請求項1に記載の上層膜形成組成物。
    Figure 0004848888
    (前記一般式(2−3)中、R は水素、メチル基又はトリフルオロメチル基を示し、R は単結合又は2価の有機基を示し、R は、少なくとも一つのフッ素を含有する、炭素数1〜10の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基又は炭素数3〜10の脂環式のアルキル基を示す)
  6. フォトレジスト膜の表面上に上層膜を形成するために用いられる上層膜形成組成物であって、
    前記一般式(2−1)で表される繰り返し単位を主構成単位として含む前記上層膜形成組成物用樹脂、前記一般式(2−2)で表される繰り返し単位を主構成単位として含む前記上層膜形成組成物用樹脂、及び前記一般式(2−3)で表される繰り返し単位を主構成単位として含む前記上層膜形成組成物用樹脂からなる群より選択される少なくとも二種を含有する請求項1〜5のいずれか一項に記載の上層膜形成組成物。
  7. 基板上にフォトレジストを塗布してフォトレジスト膜を形成する工程と、前記フォトレジスト膜の表面上に上層膜を形成する工程と、前記フォトレジスト膜及び前記上層膜に、液浸媒体を介して、所定のパターンを有するマスクを通して放射線を照射した後に現像してフォトレジストパターンを形成する工程とを有するフォトレジストパターン形成方法であって、
    請求項1〜6のいずれか一項に記載の上層膜形成組成物を用いて前記上層膜を形成するフォトレジストパターン形成方法。
JP2006224159A 2006-08-21 2006-08-21 上層膜形成組成物、及びフォトレジストパターン形成方法 Active JP4848888B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006224159A JP4848888B2 (ja) 2006-08-21 2006-08-21 上層膜形成組成物、及びフォトレジストパターン形成方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006224159A JP4848888B2 (ja) 2006-08-21 2006-08-21 上層膜形成組成物、及びフォトレジストパターン形成方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008046541A JP2008046541A (ja) 2008-02-28
JP4848888B2 true JP4848888B2 (ja) 2011-12-28

Family

ID=39180311

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006224159A Active JP4848888B2 (ja) 2006-08-21 2006-08-21 上層膜形成組成物、及びフォトレジストパターン形成方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4848888B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4918095B2 (ja) * 2006-09-20 2012-04-18 東京応化工業株式会社 レジスト保護膜形成用組成物及びこれを用いたレジストパターンの形成方法
JP2013061648A (ja) * 2011-09-09 2013-04-04 Rohm & Haas Electronic Materials Llc フォトレジスト上塗り組成物および電子デバイスを形成する方法
KR20170108079A (ko) * 2015-02-26 2017-09-26 후지필름 가부시키가이샤 상층막 형성용 조성물과, 그것을 이용한 패턴 형성 방법 및 전자 디바이스의 제조 방법
JPWO2019208613A1 (ja) * 2018-04-27 2021-06-17 セントラル硝子株式会社 硬化性組成物およびパターンの製造方法

Family Cites Families (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3700276B2 (ja) * 1996-08-09 2005-09-28 Jsr株式会社 感放射線性樹脂組成物
JP2000129196A (ja) * 1998-10-26 2000-05-09 Toagosei Co Ltd 被覆用組成物
JP2003322960A (ja) * 2002-05-02 2003-11-14 Fuji Photo Film Co Ltd 平版印刷版原版
JP4614648B2 (ja) * 2003-11-07 2011-01-19 富士フイルム株式会社 含フッ素ポリマーの製造方法
US8247165B2 (en) * 2004-01-15 2012-08-21 Jsr Corporation Upper layer film forming composition for liquid immersion and method of forming photoresist pattern
WO2005114711A1 (ja) * 2004-05-21 2005-12-01 Jsr Corporation 液浸露光用液体および液浸露光方法
JP4945103B2 (ja) * 2004-08-24 2012-06-06 富士フイルム株式会社 平版印刷版の作製方法、平版印刷版原版および平版印刷方法
EP2277929B1 (en) * 2004-09-30 2012-11-21 JSR Corporation Copolymer and top coating composition
JP4645153B2 (ja) * 2004-10-27 2011-03-09 Jsr株式会社 感放射線性樹脂組成物
JP4510644B2 (ja) * 2005-01-11 2010-07-28 東京応化工業株式会社 保護膜形成用材料、積層体およびレジストパターン形成方法
JP4635614B2 (ja) * 2005-01-17 2011-02-23 Jsr株式会社 共重合体および液浸上層膜用樹脂組成物

Also Published As

Publication number Publication date
JP2008046541A (ja) 2008-02-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5088326B2 (ja) 上層膜形成用組成物及びフォトレジストパターン形成方法
JP4666108B2 (ja) 液浸用上層膜形成組成物およびフォトレジストパターン形成方法
US7781142B2 (en) Copolymer and top coating composition
TWI444776B (zh) A method for forming an upper layer film for immersion liquid, an upper layer film for immersion liquid, and a photoresist pattern
KR101839631B1 (ko) 상층막 형성용 조성물 및 레지스트 패턴 형성 방법
JP5725020B2 (ja) 液浸上層膜形成用組成物及びフォトレジストパターン形成方法
JP4848888B2 (ja) 上層膜形成組成物、及びフォトレジストパターン形成方法
JP5672120B2 (ja) 液浸用上層膜形成用組成物
JP2008139789A (ja) 上層膜形成組成物及びそれを用いたフォトレジストパターン形成方法
JP4742685B2 (ja) 液浸上層膜用重合体および液浸用上層膜形成組成物
JP4968026B2 (ja) パターン形成方法
JP5024293B2 (ja) 上層膜形成用組成物およびフォトレジストパターン形成方法
JP5742391B2 (ja) 液浸用上層膜形成用組成物
JP2006243309A (ja) 液浸上層膜用重合体および液浸上層膜用樹脂組成物
JP5267093B2 (ja) 上層膜形成組成物、上層膜およびパターン形成方法
JP2008046542A (ja) 上層膜形成組成物及びフォトレジストパターン形成方法
JP5245700B2 (ja) 上層膜形成組成物及び上層膜
JP2008209799A (ja) フォトレジストパターン形成方法
JP5565042B2 (ja) 上層膜形成組成物及びフォトレジストパターン形成方法
JP2010006863A (ja) 共重合体の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090122

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20101208

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20101214

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110131

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110705

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110826

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110920

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20111003

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4848888

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20141028

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20141028

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250