JP4829523B2 - 等速ジョイント用グリースおよび等速ジョイント - Google Patents
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特に、自動車における持続的な静粛性が求められるようになり、経時的な振動の低減に対して従来の等速ジョイント用グリースでは要求を満足できないという問題がある。
上記増ちょう剤が下記式(1)で表されるジウレア化合物であることを特徴とする。
上記層状化合物は、二硫化モリブデン、二硫化タングステン、メラミンシアヌレート、グラファイト、窒化ホウ素およびセリサイトから選ばれた少なくとも1つの物質であることを特徴とする。
等速ジョイントに用いられる等速ジョイント用グリースであって、該グリースは、等速ジョイントにおける摩擦摩耗面または摩耗により露出した鉄系金属新生面において酸化鉄とともにモリブデン化合物を含有する膜を形成できるモリブデン酸のアルカリ金属塩を含有することを特徴とする。
種々の等速ジョイント用グリースを鋭意検討した結果、モリブデン酸塩の中でもモリブデン酸のアルカリ金属塩に著しい耐摩耗性があることを見出した。また、モリブデン酸のアルカリ金属塩と、耐摩耗性の良い増ちょう剤と、層状化合物とを必須成分として配合することにより、等速ジョイントの各摺動部の摩耗を効果的に防止するとともに等速ジョイントの振動低減を達成し、本発明を完成させるに至った。
また、層状化合物を必須成分として配合する効果については、モリブデン酸のアルカリ金属塩と、層状化合物とを組合せることにより、耐摩耗性に加えて、広角度域にて等速ジョイントの振動低減を達成することがわかった。これは、モリブデン酸のアルカリ金属塩が反応してモリブデン化合物の膜が形成された耐摩耗性を有する摺動面間に、へき開性を有する層状化合物が介入し、せん断により層状化合物がへき開することにより固体潤滑剤として働き低摩擦性を示すものと考えられる。
すなわち、耐摩耗性と低振動特性を両立させることにより、エンジンの高出力化やコンパクト化にともなって摺動部が高面圧になっても、長寿命が確保でき、かつ乗員に不快感を与える振動を低減することができる。本発明はこのような知見に基づいて完成されたものである。
これらの中で、価格が安く工業的に利用しやすく、等速ジョイントのブーツを劣化させない耐ブーツ性に優れるナフテン系、パラフィン系などの鉱油類が好ましい。
基油にウレア化合物を配合して各種配合剤を配合するためのベースグリースが得られる。ベースグリースは、基油中でイソシアネート化合物とアミン化合物とを反応させて作製する。
また、層状化合物の粒径は特に限定されるものではないが、摺動部に介入してその効果を発揮することを考慮すると、好ましくは 20μm 以下である。
上記組成において、増ちょう剤の配合量が 1 重量%未満では、増ちょう効果が少なくなり、グリース化しにくく、40 重量%よりも多いと得られたグリースが硬くなりすぎ、所期の効果が得られにくくなる。
モリブデン酸のアルカリ金属塩の配合量が 0.1 重量%未満では、所期の効果を十分に得ることが困難になり、 10 重量%より多い場合にも、効果の増大はない。また、価格が高くなり、実用的ではない。
また、層状化合物の配合量が 0.1 重量%未満では、所期の効果を十分に得ることが困難になり、 30 重量%より多い場合にも、効果の増大はない。また、価格が高くなり、実用的ではない。
図1(a)に示すように、等速ジョイントは外側継手部材1の内周面の軸方向に3本の円筒形トラック溝2を形成し、外側継手部材1内に挿入したトリポート部材4の半径方向に突設した3本の脚軸5の円筒状の外周面に複数の針状ころ6を介して回転可能に外嵌した円環状のローラ7をトラック溝2に挿入して構成される。各トラック溝2の円周方向で対向する一対のローラ案内面3は軸方向に平行な凹曲面であり、3本の脚軸5の各ローラ7の外周面はローラ案内面3に適合する凸曲面である。各ローラ7は、対応するトラック溝2のローラ案内面3に係合して脚軸5を中心に回転しながらトラック溝2に沿って移動可能である。また、図1(b)に示すように、外輪11の外周とシャフト10の外周とをブーツ12で覆い、その内部に等速ジョイント用グリース13が密封充填されている。
本発明においては、ローラ7がローラ案内面3によって案内され、外側継手部材1の軸線と平行な姿勢を保ちながらローラ案内面3上を正しく転動する上記構造に加えて、等速ジョイント用グリース13が外側継手部材1の内部に封入されているので、ローラ7とローラ案内面3との摺動面の誘起スラストを低減させ、耐摩耗性を維持することができる。また、脚軸5とリング8との摺動部の摩耗を防ぐことができる。
実施例1、実施例4、実施例6、実施例8、実施例10〜実施例15、比較例1、比較例2、比較例4および比較例6
鉱油( 100℃での動粘度が 13.5 mm2/sec )2000 g 中で、ジフェニルメタン−4、4'−ジイソシアネー卜 60.6 g と、 オクチルアミン 31.3 g と、ステアリルアミン 66.2 g とを反応させ、生成したウレア化合物を均一に分散させてベースグリース1を得た。このベースグリース1に、表1および表2に示す配合で添加剤を配合し、得られる化合物を三段ロールミルでJISちょう度No.1グレード(ちょう度:310〜340 )に調整して等速ジョイント用グリースを得た。
鉱油( 100℃での動粘度が 13.5 mm2/sec )2000 g 中で、ジフェニルメタン−4、4'−ジイソシアネー卜 60.3 g と、ステアリルアミン 65.5 g と、シクロヘキシルアミン 24.1 g とを反応させ、生成したウレア化合物を均一に分散させてベースグリース2を得た。このベースグリース2に、表1に示す配合で添加剤を配合し、得られる化合物を三段ロールミルでJISちょう度No.1グレード(ちょう度:310〜340 )に調整して等速ジョイント用グリースを得た。
鉱油( 100℃での動粘度が 13.5 mm2/sec )2000 g 中で、ジフェニルメタン−4、4'−ジイソシアネー卜 158.2 g と、オクチルアミン 81.3 g と、アニリン 58.9 g とを反応させ、生成したウレア化合物を均一に分散させてベースグリース3を得た。このベースグリース3に、表1に示す配合で添加剤を配合し、得られる化合物を三段ロールミルでJISちょう度No.1グレード(ちょう度:310〜340 )に調整して等速ジョイント用グリースを得た。
比較例8は、鉱油( 100℃での動粘度が 13.5 mm2/sec )2000 g 中で、12−ヒドロキシリチウムステアレート 150 g を均一に分散させてベースグリース4を得た。このベースグリース4に、表2に示す配合で極圧剤として二硫化モリブデンを配合し、得られる化合物を三段ロールミルでJISちょう度No.1グレード(ちょう度:310〜340 )に調整して等速ジョイント用グリースを得た。
これらのグリースにつき、以下に示す試験方法で誘起スラスト試験を行ない、得られた結果を表1および表2に併記する。
実際のトリポート型等速ジョイントを用いて、作動角とトルクをかけて回転させた時に軸方向に発生する力を誘起スラストとして測定した。
測定条件: 回転数 150 rpm
トルク 392 N-m
ジョイント角度 4゜および10゜
運転時間 15 分
ジョイントタイプ NTN社製:PTJ
評価基準: 比較例8を基準グリースとして、その初期性能を 100 としたときの誘起スラストの割合(%)で示す。誘起スラストの割合が 50%未満であるトリポート型等速ジョイントは低振動性に優れていると評価した。
実際のトリポート型等速ジョイントを用いて、作動角とトルクをかけて回転させた時に生ずるジャーナル部(脚軸)の摩耗深さを測定した。
試験条件: 回転数 240 rpm
トルク 774 N-m
ジョイント角度 0゜〜10゜
運転時間 300 時間
ジョイントタイプ NTN社製:PTJ
評価基準: 試験終了後のジャーナル部の摩耗深さが 30μm 以下であるトリポート型等速ジョイントを耐久性に優れていると評価した。
2 トラック溝
3 ローラ案内面
4 トリポート部材
5 脚軸
6 針状ころ
7 ローラ
8 リング
9 ワッシャ
10 シャフト
11 外輪
12 ブーツ
13 等速ジョイント用グリース
Claims (4)
- 基油に増ちょう剤を配合してなるベースグリースに、モリブデン酸のアルカリ金属塩と層状化合物とを必須成分として含有してなり、前記層状化合物が、二硫化モリブデン、二硫化タングステン、メラミンシアヌレート、グラファイト、窒化ホウ素およびセリサイトから選ばれた少なくとも1つの物質であることを特微とする等速ジョイント用グリース。
- 前記モリブデン酸のアルカリ金属塩が、グリース全体に対して 0.1〜10 重量%、前記層状化合物が、グリース全体に対して 0.1〜30 重量%、それぞれ含有されることを特徴とする請求項1または請求項2記載の等速ジョイント用グリース。
- トラック溝と転動体との係り合いによって回転トルクの伝達が行なわれ、前記転動体が前記トラック溝に沿って転動することによって軸方向移動がなされる等速ジョイントであって、
該等速ジョイントに封入されるグリースが請求項1ないし請求項3のいずれか一項記載の等速ジョイント用グリースであることを特徴とする等速ジョイント。
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