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JP4822212B2 - 静電振動子 - Google Patents

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JP4822212B2
JP4822212B2 JP2006239447A JP2006239447A JP4822212B2 JP 4822212 B2 JP4822212 B2 JP 4822212B2 JP 2006239447 A JP2006239447 A JP 2006239447A JP 2006239447 A JP2006239447 A JP 2006239447A JP 4822212 B2 JP4822212 B2 JP 4822212B2
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Description

本発明は、各種電子機器の基準周波数発振器に使用される静電振動子に関する。
携帯電話等に代表される無線携帯機器や、パーソナルコンピュータ、時計等の電子機器の小型化と高精度化の要求が高まっている中で、このような電子機器には、小型でしかも安定な高周波信号源が必要不可欠である。この要求を満足させるための代表的な電子部品が水晶振動子である。
水晶振動子は、良好な結晶の安定性から、発振素子としての品質の指標である共振先鋭度すなわちQ値が極めて大きく、10000を超えることが知られている。これが、無線携帯機器、パーソナルコンピュータ等の安定な高周波信号源として、広く水晶振動子が利用されている理由である。しかし、この水晶振動子は、近年の強い小型化の要求に関しては、十分に満足させることができないことも明らかになってきている。
すなわち、周知のとおり、水晶振動子以外の高周波電子部品は、シリコンのMEMS(Micro-Electro-Mechanical-System)技術の飛躍的な向上と共に、ICとの一体形成及び接合形成が実現しており、ほぼワンチップ化されている。ところが、水晶単結晶とシリコン結晶の物理的接合が非常に困難であるために、一体形成や接合形成が不可能であるので、水晶振動子も含めたワンチップ化は実現できていない。以上が、水晶振動子が近年の小型化の要求を十分に満足させることができない理由である。
この問題を解決するために、近年とみに注目されている振動子が、シリコン単結晶とMEMS技術を用いた静電振動子である。以下、図7を参照し、静電振動子の動作原理を説明する。静電振動子70は、機械的な振動子として機能する機械振動子71と駆動電極部72より構成されている。機械振動子71は、等価的に、ばね定数Kと内部摩擦係数μを持ったばね73と質量mの錘74とで構成されている。また、錘74の下面に形成された面積Sの電極75と、電極75から離間距離dの位置に固定された基板76の上面に形成された面積Sの電極77との2対の電極によって、駆動電極部72が構成されている。
駆動電極部72に高周波電圧源78から高周波電圧Vを印加すると、機械振動子71は、静電力の作用によって微小振動変位700を誘発する。この微小振動変位700によって、駆動電極部72の静電容量にも変動が生じ、その結果、励振電流701の変化が生じる。
ここで、駆動電極部72に印加される高周波電圧Vは、直流バイアス成分vと高周波成分δの2成分を持つとすれば、以下の(1)式のように書ける。ここに、tは時間、ωは角周波数である。
Figure 0004822212
さらに、高周波電圧Vにおいて、高周波成分δは、直流バイアス成分vに比較して十分小さな微小電圧であり、さらに微小電圧振動によって励起される機械振動子71の微小振動変位も、駆動電極部72の離間距離dに比較して十分小さい。従って、機械振動子71における静電力を強制振動項とした微小変位の大きさをxとする力学的運動方程式は、高次の非線形項を無視することができ、以下の(2)式となる。
Figure 0004822212
ここで、Cは電圧印加前の駆動電極部72の静電容量であって、真空中の誘電率ε、離間距離d、及び電極面積Sを用いて以下の(3)式と書ける。
Figure 0004822212
同様に、駆動電極部72に励振される励振電流701をiとすれば、iは、(2)式と同様に高次の非線形を無視することができ、以下の(4)式となる。
Figure 0004822212
ここで、直流バイアス成分vが高周波成分δに比較して十分に大きく、微小変位の大きさxが駆動電極部72の離間距離dに比較して十分小さいことを考慮すると、この(4)式はさらに簡略化でき、励振電流iに関して以下の(5)式を得る。
Figure 0004822212
この(5)式の大きな特徴は、直流バイアス成分vの大きさに比例して、機械振動子71の変位速度成分dx/dtの効果が励振電流に影響してくることにある。(2)式に示した運動方程式より決定された変位成分xを(5)式に代入し、さらに電磁気的な考察から、駆動電極部72における交流インピーダンスZ(ω)は、印加する各周波数ωの関数として、以下の(6)式のように決定できる。
Figure 0004822212
ここでωは、運動方程式((2)式)における機械的共振角周波数であって、以下の(7)式となる。
Figure 0004822212
(7)式から、直流バイアス成分vの印加時に機械的共振角周波数ωは、直流バイアス電圧が存在しないときの機械的共振角周波数に比較して数百ppm程度減少することが判明する。しかし、(7)式の右辺第一項に比較して、第二項は十分に小さいとみなしてよい。
図8は、水晶振動子における電気的等価回路であって、等価直列抵抗R、等価インダクタンスL、等価直列容量C、及び並列容量Cの4種のパラメータで構成されている。この等価回路で決定される水晶振動子の交流インピーダンスZ(ω)は、印加する角周波数ωの関数として、以下の(8)式となる。
Figure 0004822212
交流インピーダンスZ(ω)の角周波数依存性をグラフ化した特性図、すなわちインピーダンス特性図が図9である。図9において、横軸は角周波数ωである。左縦軸はインピーダンスの絶対値であって、図中の抵抗特性曲線903に対応しており、右縦軸は位相であって、図中の位相特性曲線904に対応している。
水晶振動子の持つ極めて少ない機械的エネルギー損失、すなわち極めて小さな摩擦係数を反映して、水晶振動子の機械的振動の共振Q値は、数千〜数万という大きな値を持っている。周知の如く、水晶の持つ圧電性によって、水晶振動子の機械的振動は電気振動に変換されるので、電気振動に関しても、同様に極めて大きなQ値を持つことになる。
この現象を模式的に表す特性図が図9である。図9において、抵抗特性曲線903は直列共振点901と反共振点902の2点で極値を持っており、この角振動数の近傍で極めて急峻に変化する。同様に位相特性曲線903も直列共振点901/反共振点902の角振動数の近傍で極めて急峻に変化する。直列共振点901におけるインピーダンスの絶対値が図8記載の等価直列抵抗Rであり、角振動数が直列共振角振動数ωである。この直列共振角振動数ωは、図8記載の等価インダクタンスL、等価直列容量Cを用いて以下の(9)式となる。
Figure 0004822212
この直列共振角振動数ωが、水晶振動子の物理的形状寸法と力学的性質から決定される機械的共振角周波数と等しいことは周知の事実である。さらに、等価直列抵抗Rが水晶振動子の機械的エネルギー損失量に対応していることも周知の事実である。
MEMS技術を用いてシリコン単結晶から形成された図7記載の静電振動子の場合、シリコン単結晶は水晶単結晶と同程度の内部摩擦係数を持っているので、静電振動子の機械的振動の共振Q値は水晶と同様に極めて高い値となる。図7記載の如く、高周波成分δと共に直流バイアス成分vを印加することによって、この機械的性質は、(5)式及び(6)式に従って電気的信号に変換される。
さらに、そのインピーダンスZ(ω)(すなわち(6)式)は、水晶振動子の持つ交流インピーダンスZ(ω)(すなわち(8)式)と全く同一の数学的形式を持っている。それゆえ、図7記載の静電振動子の持つ電気的等価回路は、図8記載の水晶振動子の電気的等価回路と全く同一の構成となると共に、静電振動子のインピーダンス特性も、図9記載の水晶振動子のインピーダンス特性と同等になる。
水晶振動子においては、水晶単結晶が持つ優れた高Q特性が、圧電効果によって電気信号に変換されるのに対して、静電振動子においては、駆動電極部72に印加される直流バイアス成分vの効果によって、高Q特性が電気信号に変換されることになる。ちなみに、直流バイアス成分vが印加されず、単純に高周波成分δのみが印加される場合、(5)式において、容量変化成分を示す右辺第二項のみが存在することになり、機械振動子71の性質が抽出されない。この場合、微小振動変位xが駆動電極部72の離間距離dに比較して小さいので、図9のような高Q特性を持ったインピーダンス特性を有する電気信号を得ることは不可能である。
このように、水晶振動子と同様な静電振動子は、直流バイアス成分を駆動電極部72に印加することによって、水晶振動子と同等な高Q特性を持つインピーダンス特性を実現することができる(例えば非特許文献1参照)。それゆえ、水晶振動子では不可能であった発振器のワンチップ化が、この静電振動子によって実現可能になるのである。
T.Mattila et al.,"14MHz Micromechanical Oscillator",TRANSDUCERS'01 EUROSENSORS XV,The 11th International Conference on Solid-State Sensors and Actuators,Munich,Germany,2001
しかし、従来の静電振動子には、以下で説明するような問題があった。図10は、シリコン単結晶からMEMS技術を用いて形成された機械振動子と駆動電極部を有する従来の静電振動子の構造を示している。図10において、機械振動子1000は両持ち梁型屈曲振動子の形状を持っている。2対の電極、すなわち電極1001,1002が、機械振動子1000と空隙を隔てて形成されている。この2対の電極によって、静電振動子の駆動電極部1003が構成されている。さらに、直流バイアス電圧は、機械振動子1000と電極1001(又は電極1002)を基準にして印加されている。
このような電極配置並びに振動子配置を有する静電振動子において励起される屈曲振動が振動変位1004である。駆動電極部1003と機械振動子1000は基板1005に一体形成されている。機械振動子1000は、その両端部に形成された2対の固定部1006,1007の2箇所で基板1005と一体形成されている。このような両持ち梁型静電振動子においては、固定部1006,1007における振動の機械的エネルギー損失が大きく、図8で説明した等価直列抵抗Rを増加させ、電気的Q値の劣化を招いてしまう。その結果、振動子として十分なQ値が実現できなかった。
本発明は、上述した問題点に鑑みてなされたものであって、Q値を向上することができる静電振動子を提供することを目的とする。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたもので、リング状に形成された振動部と、基体に固定された固定部と、前記振動部と前記固定部に接続され、前記振動部から伝搬する振動を減衰させる振動減衰部と、前記振動部を構成するリングの内側と外側のそれぞれに、前記振動部と空隙を隔てて配置された電極とを備えたことを特徴とする静電振動子である。
また、本発明の静電振動子は、前記振動部に接続された半リング状構造を形成する第1の構造体を有し、前記振動部から伝搬する振動により弾性変形する弾性部と、前記弾性部と前記固定部の間に設けられ、前記第1の構造体に連接された半リング状構造を形成する細長の第2の構造体を有する減衰部と、が前記振動減衰部に含まれることを特徴とする。
また、本発明の静電振動子は、前記振動部に接続されると共に、端部が前記固定部に接続された細長の構造体を有し、前記振動部から伝搬する振動により弾性変形する弾性部が前記振動減衰部に含まれることを特徴とする。
本発明によれば、振動部から伝搬する振動が振動減衰部で減衰し、固定部の振動変位が抑制される。これによって、振動エネルギーの損失が抑制されるので、Q値を向上することができる。
以下、図面を参照し、本発明の実施形態を説明する。図1は、本発明の一実施形態による静電振動子の構造を示しており、図2は振動子部分の構造を平面的に示している。また、図3は振動子部分の寸法を示している。機械振動子10(本発明の振動部の一実施形態)は、2個の機械振動子10a,10bを含むリング状に形成されている。機械振動子10a,10bの幅寸法はWであり、長さ寸法はLである。機械振動子10a,10bの一方の接続部である端部10cは、振動伝搬部11を介して振動緩衝部13に接続されている。一方、機械振動子10a,10bの他方の接続部である端部10dは、振動伝搬部12を介して振動緩衝部14に接続されている。機械振動子10を構成するリング状構造の角部は丸みを帯びているが、機械振動子10の形状はこの限りではない。
振動緩衝部13は固定部15に接続され、振動緩衝部14は固定部16に接続されている。固定部15は、絶縁層17を介して基板1(基体)に固定されている。同様に、固定部16は、絶縁層18を介して基板1に固定されている。機械振動子10を構成するリングの内側には電極20,21が配置され、リングの外側には電極22,23が配置されている。各電極は、機械振動子10と空隙を隔てて配置されている。また、電極20,21,22,23はそれぞれ、絶縁層24,25,26,27を介して基板1に固定されている。電極20,21には同位相の交流電圧が印加され、電極22,23には、その交流電圧と位相が180度異なる交流電圧が印加される。
振動緩衝部13は、振動伝搬部11を介して機械振動子10から伝搬する振動を減衰させるための構造であり、同様に振動緩衝部14は、振動伝搬部12を介して機械振動子10から伝搬する振動を減衰させるための構造である。振動緩衝部14の構造は振動緩衝部13と対称であるので、振動緩衝部13についてのみ、その構造を説明する。振動緩衝部13は、機械振動子10から伝搬する振動により弾性変形する弾性部13aと、弾性部13aと固定部15の間に設けられた減衰部13bと、弾性部13aと減衰部13bを接続する接続部13c,13dとを有している。これらの弾性部13a、減衰部13b、接続部13c,13dによって、振動緩衝部13のリング状構造が形成されている。振動緩衝部13,14の全体の長さ寸法はeである。
弾性部13aは、振動伝搬部11との接続部である端部13eから接続部13cへ向かって(後述する縦振動変位100cの方向にほぼ直交する方向に)伸びる細長の構造体130と、端部13eから接続部13dへ向かって(縦振動変位100cの方向にほぼ直交する方向に)伸びる細長の構造体131とを有している。これらの構造体130,131の幅寸法はaである。これらの構造体130,131が本発明の第1の構造体の一実施形態である。
また、減衰部13bは、固定部15との接続部である端部13fから接続部13cへ向かって(縦振動変位100cの方向にほぼ直交する方向に)伸びる細長の構造体132と、端部13fから接続部13dへ向かって(縦振動変位100cの方向にほぼ直交する方向に)伸びる細長の構造体133とを有している。これらの構造体132,133の幅寸法はbである。これらの構造体132,133が本発明の第2の構造体の一実施形態である。
構造体130,131と構造体132,133は、離間距離dを隔ててほぼ平行に配置されている。構造体130と構造体132を接続する接続部13cは円弧状に形成されており、その幅寸法はcである。構造体131と構造体133と接続する接続部13dも同様に円弧状に形成されており、その幅寸法もcである。接続部13c,13dはこのように円弧状に形成されているが、接続部13c,13dの形状はこの限りではない。
機械振動子10aを構成するリング状構造は4つの辺10e,10f,10g,10hを有しているが(図2参照)、それらの辺のうち、対向する辺10e,10gの近傍に電極20,21,22,23が設けられている。電極20,22は、辺10eに沿って配置され、電極21,23は、辺10fに沿って配置されている。また、残りの対向する辺10f,10hのそれぞれに振動伝搬部11,12が接続されている。
機械振動子10aは、機械振動子10aと電極20,22との間の距離が変化するような屈曲振動変位100aを生じる固有振動を行い、機械振動子10bは、機械振動子10bと電極21,23との間の距離が変化するような屈曲振動変位100bを生じる固有振動を行う。この屈曲振動変位100aと屈曲振動変位100bの変位量は互いに等しく、その位相は180度異なっている。また、固有周波数Fは、近似的に以下の(10)式より決定される。
Figure 0004822212
ここで、kは、2個の機械振動子10a,10bの機械的性質によって決定される周波数定数である。また、振動緩衝部13における弾性部13aの屈曲振動の固有周波数をF、減衰部13bの屈曲振動の固有周波数をFとすると、F、Fは近似的にそれぞれ以下の(11)式、(12)式と書ける。
Figure 0004822212
Figure 0004822212
振動伝搬部11においては、屈曲振動変位100a,100bの影響により、屈曲振動変位100a,100bの方向にほぼ直交する方向に変位する微小な縦振動変位100cが誘発される。この縦振動変位100cが弾性部13aに伝搬すると、弾性部13aには、(10)式で決定された周波数の屈曲振動変位が生じる。なお、屈曲振動変位100aと屈曲振動変位100bの変位量が等しく、位相が180度異なることから、機械振動子10の端部10c,10dでは、屈曲振動変位100a,100bと同方向の振動変位は無視できる。従って、振動緩衝部13には、図2に示した方向に変位する縦振動変位100cが伝搬し、振動緩衝部14には、図2に示した方向に変位する縦振動変位100dが伝播する。
このとき、弾性部13aの屈曲振動の固有周波数Fに対して、以下の(13)式を満たすように弾性部13aの寸法値を設定すると、屈曲振動は、ほぼ弾性部13aに局在することになる。
≧F かつ W>a (13)
さらに、減衰部13bの固有周波数に対して、以下の(14)式を満たすように減衰部13bの寸法値を設定すると、弾性部13aの屈曲振動変位は、減衰部13bに伝播してもほとんど減衰してしまい、固定部15の振動変位は、無視できる程度に抑制される。
≦F かつ b>W (14)
なお、(11)式及び(12)式はあくまでも近似式であり、振動緩衝部13の他の寸法値であるc及びdにも影響されることは言うまでもない。これらの寸法値は、使用する周波数や仕様等によって変化する。しかし、(13)式及び(14)式に示した条件の下で寸法値を設定すれば、振動緩衝部13は十分に機能する。また、上記では振動緩衝部13について説明したが、振動緩衝部14についても同様である。
上述したように、図1〜図3に示した静電振動子によれば、機械振動子10から伝搬する振動が振動緩衝部13,14で減衰し、固定部15,16の振動変位が抑制される。これによって、支持による振動エネルギーの損失が抑制されるので、高いQ値を実現することができる。
次に、本実施形態の変形例を説明する。図4は静電振動子の構造を示しており、図5は振動子部分の構造を平面的に示している。また、図6は振動子部分の寸法を示している。この静電振動子では、図1〜図3に示した静電振動子と比較して、振動緩衝部と固定部の構造が異なっている。振動伝搬部11に接続された振動緩衝部30は固定部32に接続され、振動伝搬部12に接続された振動緩衝部31は固定部33に接続されている。固定部32は、絶縁層34を介して基板1に固定されている。同様に、固定部33は、絶縁層35を介して基板1に固定されている。
振動緩衝部30は、振動伝搬部11を介して機械振動子10から伝搬する振動を減衰させるための構造であり、同様に振動緩衝部31は、振動伝搬部12を介して機械振動子10から伝搬する振動を減衰させるための構造である。振動緩衝部31の構造は振動緩衝部30と対称であるので、振動緩衝部30についてのみ、その構造を説明する。振動緩衝部30は、機械振動子10から伝搬する振動により弾性変形する弾性部30aと、弾性部30aと固定部32を接続する接続部30b,30cとを有している。振動緩衝部30,31の全体の長さ寸法はeである。
弾性部30aは、振動伝搬部11との接続部である端部30dから接続部30bへ向かって伸びる細長の構造体300と、端部30dから接続部30cへ向かって伸びる細長の構造体301とを有している。構造体300,301は、固定部32と離間距離dを隔てて、固定部32の辺32aとほぼ平行に配置されている。これらの構造体300,301の幅寸法はaである。構造体300は、円弧状に形成された接続部30bによって固定部32に接続されている。また、構造体301も、円弧状に形成された接続部30cによって固定部32に接続されている。接続部30b,30cの幅寸法は共にcである。接続部30b,30cは円弧状に形成されているが、接続部30b,30cの形状はこの限りではない。
図4〜図6に示した静電振動子では固定部32,33が、図1〜図3に示した静電振動子における減衰部を兼用している。前述した(13)式及び(14)式の条件と、c,dの各寸法値との組合せによって、固定部32,33の振動変位を、無視できる程度に抑制することができる。従って、図4〜図6に示した静電振動子でも、高いQ値を実現することができる。
以上、図面を参照して本発明の実施形態について詳述してきたが、具体的な構成はこれらの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
本発明の一実施形態による静電振動子の構造を示す斜視図である。 本発明の一実施形態による静電振動子の振動子部分の構造を示す平面図である。 本発明の一実施形態による静電振動子の振動子部分の寸法を示す平面図である。 本発明の一実施形態(変形例)による静電振動子の構造を示す斜視図である。 本発明の一実施形態(変形例)による静電振動子の振動子部分の構造を示す平面図である。 本発明の一実施形態による静電振動子(変形例)の振動子部分の寸法を示す平面図である。 静電振動子の動作原理を説明するための説明図である。 水晶振動子の電気的等価回路を示す回路図である。 水晶振動子のインピーダンス特性図である。 従来の静電振動子の構造を示す斜視図である。
符号の説明
1・・・基板、10,10a,10b・・・機械振動子、11,12・・・振動伝搬部、13,14,30,31・・・振動緩衝部、13a,30a・・・弾性部、13b・・・減衰部、15,16,32,33・・・固定部、20,21,22,23・・・電極、17,18,24,25,26,27,34,35・・・絶縁層

Claims (3)

  1. リング状に形成された振動部と、
    基体に固定された固定部と、
    前記振動部と前記固定部に接続され、前記振動部から伝搬する振動を減衰させる振動減衰部と、
    前記振動部を構成するリングの内側と外側のそれぞれに、前記振動部と空隙を隔てて配置された電極と、
    を備えたことを特徴とする静電振動子。
  2. 前記振動部に接続された半リング状構造を形成する第1の構造体を有し、前記振動部から伝搬する振動により弾性変形する弾性部と、
    前記弾性部と前記固定部の間に設けられ、前記第1の構造体に連接された半リング状構造を形成する第2の構造体を有する減衰部と、
    が前記振動減衰部に含まれることを特徴とする請求項1に記載の静電振動子。
  3. 前記振動部に接続されると共に、端部が前記固定部に接続された細長の構造体を有し、前記振動部から伝搬する振動により弾性変形する弾性部が前記振動減衰部に含まれることを特徴とする請求項1に記載の静電振動子。
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