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JP4813793B2 - 反射型または半透過型液晶表示装置 - Google Patents

反射型または半透過型液晶表示装置 Download PDF

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Description

本発明は、反射型あるいは半透過型液晶表示装置に関する。さらに詳しくは、本発明は、反射防止性及び傷つき性に優れ、正面方向からの画像特性を低下させることなく、画面を斜め方向から見たときのコントラストの低下を防止し、どの方向から見ても黒表示品位が良好であり、均質で高いコントラストを有する反射型又は半透過型液晶表示装置に関する。
近年、液晶表示装置はその薄型軽量な特徴を大きく活かせる、携帯型情報端末機器のディスプレイとしての市場拡大の期待が高まっている。携帯型電子機器は通常バッテリー駆動であるために消費電力を抑えることが重要な課題となっている。そこで、携帯型用途の液晶表示装置としては、電力消費が大きいバックライトを使用しない、若しくは、常時使用しない低消費電力型で、薄型、軽量である半透過型又は反射型液晶表示装置が特に注目されている。
反射型液晶表示装置では表示面から入射する外光を利用する為、暗い環境下で用いる場合には表示が見えにくくなるという欠点を有する。この問題を解決する技術として、偏光板1枚型の反射型液晶表示装置においては、反射板の代わりに入射光の一部を透過する性質を持つ半透過反射板を使用し、かつバックライトを備えた半透過反射型液晶表示装置が提案されている。この場合、バックライト非点灯の状態では外光を利用した反射型(反射モード)として、また暗い環境ではバックライトを点灯させた透過型(透過モード)として使用することができる。
反射型液晶表示装置においてもカラー化・高精細化と表示品位の高いものが求められており、光を効率的に取り込み輝度を向上させると共に、光漏れによる白ボケをなくしコントラストを向上する事が必須になっている。しかしこれらを改善しても、外から入射してきた光の一部は表示装置表面で反射され、表示画面のぎらつき、映り込みによる表示品位の低下が避けられない。この表面反射を防止する方法としては防眩処理又は、反射防止処理が施されてきた。反射防止手段の具体例として、複数の無機酸化物から構成される反射防止層が報告されている(特許文献1、2)。しかし、この反射防止層では十分な光線反射を防止できない。さらに、この反射防止層に凸形状を有する防眩層を組み合わせることが報告されている(特許文献3)。しかしながら防眩層の凸形状で後方への光の散乱が発生し、この散乱がコントラストに影響することがあった。
特開2000−47187号公報 特開2001−74910号公報 特開2002−318383号公報
本発明は、正面方向からの画像特性を低下させることなく、後方への光の散乱を防止し、画面のコントラストの低下を防止するだけでなく、どの方向から見ても画面への映り込みを防止する、反射型又は半透過型液晶表示装置を提供することである。
本発明者らは、出射側偏光子、光学異方体及び液晶セルを有する液晶表示装置において、特定の面内レタデーション特性を有する光学異方体と、出射側偏光子の液晶セルから遠い側に設けたエアロゲルからなる低屈折率層を有する反射防止積層体とを組み合わせることによって、どの方向から見ても画面への映り込みを防止し、均質で高いコントラストを有し、反射防止効果にも優れることを見いだし、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
かくして、本発明によれば、出射側偏光子、光学異方体及び液晶セルを有する液晶表示装置であって、前記光学異方体が波長550nmで測定した面内レターデーション値[Re(550)]が125nm以上で、且つ、該面内レターデーション値[Re(550)]と波長450nmで測定した面内レターデーション値[Re(450)]との比Re(450)/Re(550)が1.007以下であり、該液晶表示装置の出射側偏光子の液晶セルから遠い側に、エアロゲルから構成される屈折率が1.37以下の低屈折率層を含んでなる反射防止積層体を備えた、反射型又は半透過型液晶表示装置が提供される。
本発明の反射型又は半透過型液晶表示装置は、特定の面内レタデーション特性を有する光学異方体と、出射側偏光子の液晶セルから遠い側に設けたエアロゲルからなる低屈折率層を有する反射防止積層体とを組み合わせたことによって、視野角が広く、映りこみが無く、耐傷性に優れ、どの方向から見ても黒表示品位が良好であり、均質で高いコントラストを有する。本発明の液晶表示装置は、パーソナルコンピューター、携帯電話、携帯ビデオゲーム機、電子手帳等の携帯型情報端末器用のディスプレイとして、好適に用いることができる。
本発明の反射型又は半透過型液晶表示装置は、出射側偏光子、光学異方体及び、液晶セルを有し、前記光学異方体が波長550nmで測定した面内レターデーション値[Re(550)]と波長450nmで測定した面内レターデーション値[Re(450)]との比Re(450)/Re(550)が1.007以下であり、前記出射側偏光子の液晶セルから遠い側に、エアロゲルから構成される屈折率が1.37以下の低屈折率層を有する反射防止積層体を設けたものである。
本発明の液晶表示装置を構成する液晶セルは、反射機能のない透明電極基板と、反射機能を全面又は一部に有する透明電極基板との間に液晶性化合物を封入したものである。全面に反射機能を有する基板を用いた場合は反射型液晶表示装置を得ることができ、一部に反射機能を有する基板を用いた場合は半透過型液晶表示装置を得ることができる。
反射機能を付与するために通常反射板を用いる。反射板として金属板が好ましい。反射板の表面が平滑であると、正反射成分のみが反射されて視野角が狭くなることがある。その為、反射板の表面に凹凸構造(特許2756206号参照)を導入するのが好ましい。また、半透過型液晶表示装置の場合、光を透過する領域と光を反射する領域とで構成することができる。
本発明で用いる液晶セルは、封入する液晶性化合物の種類や、液晶性化合物を動作させる方法等によって、特に限定されず、例えば、TN(Twisted Nematic)方式、STN(SuperTwisted Nematic)方式、ECB(Electrically Controlled Birefringence)方式、IPS(In−Plane Switching)方式、VA(Vertical Alignment)方式、OCB(Optically Compensated Birefringence)方式、HAN(Hybrid Aligned Nematic)方式、ASM(Axially Symmetric Aligned Microcell)方式などがある。さらにハーフトーングレイスケール方式、ドメイン分割方式、あるいは強誘電性液晶、反強誘電性液晶を利用した表示方式等の各種の方式が挙げられる。
本発明に用いる出射側偏光子は、自然光から直線偏光を取り出すことができるものである。例えば、ヨウ素系偏光膜、二色性染料を用いる染料系偏光膜やポリエン系偏光膜がある。ヨウ素系偏光膜および染料系偏光膜は、一般にポリビニルアルコール系フィルムを用いて製造する。偏光子の厚さは特に制限はないが、通常は厚さ5〜80μmのものを用いることが好ましい。出射側偏光子は液晶セルの反射機能を有しない透明電極基板側に通常設ける。
半透過型液晶装置では、液晶セルの反射機能を有する透明電極基板側に入射側偏光子をさらに設け、液晶セルを出射側偏光子と入射側偏光子で挟んで配置する。入射側偏光子は前記出射側偏光子と同じ機能、構成を有するものである。半透過型液晶装置では、出射側偏光子の透過軸と入射側偏光子の透過軸とが略垂直になるように配置することが好ましい。
本発明で用いる光学異方体は波長550nmで測定した面内レターデーション値[Re(550)]と波長450nmで測定した面内レターデーション値[Re(450)]との比Re(450)/Re(550)が1.007以下であり、好ましくは1.006以下である。比Re(450)/Re(550)の下限は好ましくは0.5、より好ましくは0.7である。Re(450)/Re(550)が前記範囲に入る光学異方体を備えることによって、発色のよいカラー表示を得ることができる。なお、レターデーションには、フィルム面内レタデーション(Re)とフィルム厚さ方向のレターデーション(Rth)がある。フィルム面内のレターデーション(Re)は、フィルム面内の主屈折率をnx、nyとし、フィルムの厚さをd(nm)とすると、Re=(nx−ny)×dで求めることができる。フィルム厚さ方向のレターデーション(Rth)は、フィルム面内の主屈折率をnx、nyとし、フィルム厚さ方向の屈折率をnz、フィルムの厚さをd(nm)とすると、Rth={(nx+ny)/2−nz}×dで求めることができる。Re及びRthは、市販の自動複屈折計(王子計測社製、「KOBRA−21ADH」)を用いて測定することができる。
本発明に用いる光学異方体は、波長550nmで測定した面内レターデーションRe(550)が125〜150nmであることが好ましい。
また、本発明に用いる光学異方体は、波長λでのレタ−デーションRe(λ)と波長λの比Re(λ)/λが通常0.22〜0.28、好ましくは0.23〜0.27、より好ましくは0.24〜0.26の範囲にあることが好ましい。
本発明に用いる光学異方体は、上記特性を有するものであれば、単層構造であって、積層構造であっても、特に制限されない。例えば、好適な光学異方体として、1/4波長板と1/2波長板とをその遅相軸の方向をづらして重ね合わせた光学異方体が挙げられる。
ここで、1/4波長板は、波長550nmで測定したレターデーションが125〜150nmの光学異方体である。1/2波長板は波長550nmで測定したレターデーションが250〜300nmの光学異方体である。
(i)1/4波長板や1/2波長板は、透明樹脂フィルムを延伸配向することによって得ることができる。
光学異方体の遅相軸は、通常、その延伸方向、またはそれと直交する方向に生じる。透明樹脂の延伸で得られた1/4波長板と1/2波長板の遅相軸交差角は好ましくは56°〜62°、より好ましくは57°〜61°である。遅相軸交差角が、上記範囲にあると、広帯域性に優れた光学異方体が得られる。なお、遅相軸とは直線偏光を入射させた際に、位相の遅れが最大になる方向である。
フィルムを構成する透明樹脂は、1mm厚の成形体にしたときの全光線透過率が80%以上の樹脂であれば特に制限なく使用することができる。
透明樹脂の具体例としては、脂環式構造を有する重合体樹脂、ポリエチレンやポリプロピレンなどの鎖状オレフィン系重合体、ポリカーボネート系重合体、ポリエステル系重合体、ポリスルホン系重合体、ポリエーテルスルホン系重合体、ポリビニルアルコール系重合体などの正の固有複屈折を有する樹脂;ビニル芳香族系重合体、ポリアクリロニトリル系重合体、ポリメチルメタクリレート系重合体、セルロースエステル系重合体、などの負の固有複屈折を有する樹脂を挙げることができる。これらは2種を組み合わせて、あるいは単独で使用できる。
正の固有複屈折を有する樹脂の中では、脂環式構造を有する重合体樹脂及び鎖状オレフィン系重合体が好ましく、特に透明性、低吸湿性、寸法安定性、軽量性などに優れるので脂環式構造を有する重合体樹脂が好ましい。
脂環式構造を有する重合体としては、例えば、ノルボルネン系重合体、単環の環状オレフィン系重合体、ビニル脂環式炭化水素重合体を挙げることができる。これらの中で、ノルボルネン系重合体は、透明性と成形性が良好なので好適に用いることができる。ノルボルネン系重合体としては、例えば、ノルボルネン系単量体の開環重合体、ノルボルネン系単量体と他の単量体との開環共重合体及びこれら重合体の水素添加物;ノルボルネン系単量体の付加重合体、ノルボルネン系単量体と他の単量体との付加共重合体及びこれらの重合体の水素添加物などを挙げることができる。これらの中で、ノルボルネン系単量体の開環重合体又は開環共重合体の水素添加物は、透明性に優れるので、特に好ましい。
負の固有複屈折を有する樹脂の中では、ビニル芳香族系重合体、ポリアクリロニトリル系重合体およびポリメチルメタクリレート系重合体の中から選択される少なくとも1種が好ましい。中でも複屈折発現性が高いという観点から、ビニル芳香族系重合体がより好ましい。
ビニル芳香族系重合体とは、ビニル芳香族単量体の重合体、又はビニル芳香族単量体と共重合可能な単量体との共重合体をいう。ビニル芳香族単量体としては、スチレン;4−メチルスチレン、4−クロロスチレン、3−メチルスチレン、4−メトキシスチレン、4−tert−ブトキシスチレン、α−メチルスチレンなどのスチレン誘導体;などが挙げられる。これらを単独で使用しても2種以上併用してもよい。ビニル芳香族単量体と共重合可能な単量体としては、プロピレン、ブテン等のオレフィン;アクリロニトリル等のα,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体;アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸等のα,β−エチレン性不飽和カルボン酸;アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル;マレイミド;酢酸ビニル;塩化ビニル;などが挙げられる。ビニル芳香族系重合体の中でも、耐熱性が高い観点から、スチレン又はスチレン誘導体と無水マレイン酸との共重合体が好ましい。
本発明に用いる透明樹脂は、耐熱性に優れる点から、そのガラス転移温度Tgが90℃以上であるものが好ましく、100℃以上であるものが特に好ましい。
上記透明樹脂フィルムの形成方法は特に制限されず、例えば、溶液流延法や溶融押出法などの従来公知の方法が挙げられる。中でも、溶剤を使用しない溶融押出法は、揮発性成分の含有量を少なくでき、100μm以上で、Rthの大きいフィルムが作製しやすく、製造コストの観点からも好ましい。溶融押出法としては、ダイスを用いる方法やインフレーション法などが挙げられるが、生産性や厚さ精度に優れる点でTダイを用いる方法が好ましい。
Tダイを用いたフィルムの製造方法においては、透明樹脂を、Tダイを有する押出機に投入し、透明樹脂のガラス転移温度よりも通常80〜180℃高い温度に、好ましくはガラス転移温度よりも100〜150℃高い温度にして透明樹脂を溶融させ、該溶融樹脂をTダイから押し出し、冷却ロール等にて樹脂を冷やしフィルムに形成する。樹脂の溶融温度は、過度に低いと透明樹脂の流動性が不足するおそれがあり、逆に過度に高いと透明樹脂が劣化する可能性がある。
延伸する方法に特に制限はなく、例えば、ロール間の周速の差を利用して縦方向に一軸延伸する方法、テンターを用いて横方向に一軸延伸する方法などの一軸延伸法;フィルムを把持するクリップの間隔が開いて縦方向の延伸と同時にガイドレールの広がり角度により横方向に延伸する同時二軸延伸法、ロール間の周速の差を利用して縦方向に延伸したのち、両端部をクリップにより把持してテンターを用いて横方向に延伸する逐次二軸延伸法などの二軸延伸法;横又は縦方向に左右異なる速度の送り力若しくは引っ張り力又は引き取り力を付加し得るテンター延伸機や、横又は縦方向に左右等速度の送り力若しくは引っ張り力又は引き取り力を付加することができ、移動する距離が同じで延伸角度を固定し得る又は移動する距離が異なるテンター延伸機を用いて斜め延伸する方法;などを挙げることができる。
光学異方体のレターデーションは、例えば、フィルムの材質や、延伸前のフィルムの厚み、延伸倍率や延伸温度等の延伸条件を適宜設定することによって制御できる。
上記フィルムの延伸は、該透明樹脂のガラス転移温度をTgとするとき、好ましくはTg−30℃からTg+60℃の温度範囲、より好ましくはTg−10℃からTg+50℃の温度範囲にて、好ましくは1.01〜2倍の延伸倍率で行う。延伸速度は、好ましくは5〜1000mm/秒、より好ましくは10〜750mm/秒である。延伸速度が上記範囲にあると、延伸制御が容易となり、さらに面精度やレターデーションのバラツキが小さい光学異方体が得られる。
本発明に用いる光学異方体の厚み方向屈折率nzは特に制限されない。例えば、nzと他の主屈折率nx及びnyとが、nx>ny>nz、nx>ny=nz、nx>nz>ny、nx=nz>ny、nz>nx>nyなる関係になるものが挙げられる。
光学異方体は、その厚みが、好ましくは10〜500μm、より好ましくは20〜250μm、特に好ましくは20〜120μmである。
(ii)1/4波長板および1/2波長板は、液晶性化合物を配向固定することによって得ることもできる。
液晶性化合物は光学異方性を有しており、これを一定方向に配列し固定することによって光学異方性のあるフィルムを得ることができる。具体的には、重合開始剤又は架橋剤の存在下、紫外線又は熱により重合もしくは架橋する性質を有する低分子量又は高分子量の液晶性化合物、あるいはそれらの混合物を、実質的に均一に配向させた状態で重合又は架橋反応により固定化させて得ることができる。
光学異方体を得るために用いる液晶性化合物としては、棒状液晶性化合物又はディスコティック液晶性化合物、あるいはこれらの混合物などを挙げることができる。
棒状液晶性化合物としては、アゾメチン類、アゾキノン類、シアノビフェニル類、シアノフェニルエステル類、安息香酸エステル類、シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル類、シアノフェニルシクロヘキサン類、トラン類、シアノ置換フェニルピリミジン類、アルコキシ置換フェニルピリミジン類、フェニルジオキサン類、アルケニルシクロヘキシルベンゾニトリル類などが挙げられる。また、以上のような低分子液晶性化合物だけでなく、高分子棒状液晶性化合物も用いることができる。さらに、棒状液晶性化合物の具体例として、特開平7−294735号公報、特開2002−174724号公報及び特開平8−283748号公報に記載されている重合性液状組成物等が挙げられる。棒状液晶性化合物を用いた光学異方体の例として、液晶を垂直配向させた膜でnz>nx≒nyの関係を示すものが、傾斜配向させた膜でnz>nx>nyの関係を示すものがあげられる。傾斜配向させた膜として、商品名NHフィルム(新日本石油社製)等の市販品も使用できる。
ディスコティック液晶性化合物としては、種々の文献(例えば、C.Desrade et al.,Mol.Crysr.Liq.Cryst.,vol.71,page111(1981年);日本化学会編、季刊化学総説、No.22,液晶の化学、第5章第10章第2節(1994年);B.Kohne etal.,angew.Chem.Soc.Chem.Comm.page1794(1985年);J.Zhang etal.,J.Am.Chem.Soc.,vol.116,page2655(1994年);等)に記載されたものが挙げられる。ディスコティック液晶性化合物の重合については、特開平8−27284号公報に記載がある。ディスコティック液晶性化合物を重合により固定するためには、ディスコティック液晶性化合物の円盤状コアに、連結基を介して重合性基を結合させる必要がある。このようなディスコティック液晶性化合物としては、例えば、特開2000−284126号公報に記載されたものが挙げられる。ディスコティック液晶性化合物を用いた光学異方体として、商品名WVフィルム(富士写真社製)等の市販品も使用できる。
液晶性化合物の配向は、通常、配向膜に液晶性化合物を塗布することによって行うことができる。
配向膜は、通常、光学的に等方性を有する高分子化合物で形成される。具体的には、セルロース系樹脂、ポリイミド、ポリイミドアミド、ポリエーテルイミド、ポリエステル、ポリアリレート、ポリビニルアルコール、ゼラチン等が挙げられる。これらは、2種類以上を組み合わせて用いても良い。
また、液晶性化合物としてディスコティック液晶を用いる場合には、ディスコティック液晶分子を実質的にフィルム又は積層体の面方向に対して垂直(50度から90度の範囲の平均傾斜角)に配向させるのが好ましい。そのためには、配向膜を構成するポリマーの官能基によって配向膜の表面エネルギーを低下させ、これによりディスコティック液晶性化合物を立てた状態にする。配向膜の表面エネルギーを低下させる官能基としては、フッ素原子や、炭素原子数が10以上の炭化水素基が好ましく例示できる。フッ素原子又は炭化水素基を配向膜の表面に存在させるために、ポリマーの主鎖よりも側鎖にフッ素原子又は炭化水素基を導入するのが好ましい。フッ素原子を含有するポリマーのフッ素原子含有量は、好ましくは0.05〜80重量%、より好ましくは0.5〜65重量%、さらに好ましくは1〜60重量%である。炭化水素基としては、脂肪族基、芳香族基又はこれらの組合せが挙げられる。脂肪族基は、環状、分岐状、直鎖状のいずれであってもよいが、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基又はシクロアルケニル基が好ましい。炭化水素基の炭素原子数は、好ましくは10〜100、より好ましくは10〜50さらに好ましくは10〜40である。このようなポリマーの主鎖は、ポリイミド構造又はポリビニルアルコール構造を有するものであるのが好ましい。ポリイミドは、一般にテトラカルボン酸とジアミンとの縮合反応により合成することができる。ポリイミドに炭化水素基を導入する場合、ポリイミドの主鎖又は側鎖にステロイド構造を形成するのが好ましい。側鎖に存在するステロイド構造は、炭素原子数が10以上の炭化水素基に相当し、ディスコティック液晶性化合物を垂直に配向させる機能を有する。また、ポリビニルアルコールとしては、例えば、フッ素原子を含む繰り返し単位を5〜80モルの範囲で含むフッ素変性ポリビニルアルコール、炭素数が10以上の炭化水素基を有する変性ポリビニルアルコールなどが挙げられる。
配向膜を形成するためには、前記高分子化合物を製膜し、その高分子膜に配向処理を行う。配向処理としてはラビング処理が好適に用いられる。高分子膜をラビング処理する方法は特に制約されず、従来公知の方法により行うことができる。例えば、レーヨン、ナイロン等の布又はロールを用いて、高分子膜の表面を所定方向に擦する(ラビング)ことにより高分子膜表面に配向性を付与する方法が挙げられる。また、ラビング処理以外の配向処理としては、高分子膜上に直線偏光紫外線等の光を所定方向から照射する方法、高分子膜を延伸する方法等が挙げられる。また、高分子膜以外に、酸化ケイ素(SiO2)などの斜方蒸着層等も配向膜として用いることもできる。配向膜の厚さは、通常0.005〜10μm、好ましくは0.01〜1μmである。
1/4波長板又は1/2波長板などの光学異方体の上に、該光学異方体の遅相軸とのなす角度が50〜70度となる方向に配向処理された配向膜を形成し、該配向膜上に波長550nmで測定したレターデーションが250〜300nmである液晶性化合物の固定化膜(1/2波長板相当)又は波長550nmで測定したレターデーションが125〜150nmである液晶性化合物の固定化膜(1/4波長板相当)を形成することで、1/4波長板と1/2波長板とを重ね合わせたものに相当する光学異方体を得ることができる。
配向処理の方向は、基材となる光学異方体の遅相軸の方向に対して50〜70度、好ましくは55〜65度、より好ましくは58〜62度の範囲で交差するようにする。配向膜上に塗布された液晶性化合物は、配向膜の配向方向と一致する方向に配向する。従って、配向処理を前記のような角度で行うことによって、基材の光学異方体の遅相軸と、液晶性化合物で形成される光学異方体とが所定角度で交差する積層体にすることができる。
液晶性化合物の配向固定化膜からなる光学異方性層の厚みは特に制限されないが、入射光に対して1/4波長のレタ−デーションを与える1/4波長板として十分な機能を付与する上では、通常0.5〜50μmであるのが好ましい。液晶性化合物の固定化膜の種類と液晶性化合物の固定化膜層の厚みを所定のものに設定することで、液晶性化合物の固定化膜の層からなる1/4波長板を得ることができる。
液晶性化合物の固定化膜からなる光学異方体を形成するには、具体的には次のように行うことができる。先ず、光学異方体上に、該光学異方体の延伸方向と該光学異方体の遅相軸とのなす角度が50〜70度となる方向に配向処理された配向膜を形成する。次に、液晶性化合物の有機溶剤溶液を該光学異方体の配向膜上に塗布し、加熱により溶剤を除去する。次いで、液晶性化合物が液晶状態となる温度まで冷却することにより、液晶性化合物を所定方向に配向させることができる。さらに、液晶性化合物が紫外線又は熱により重合もしくは架橋する場合には、液晶状態が保持された環境下で重合開始剤又は架橋剤の存在下、紫外線又は熱により重合若しくは架橋することにより、液晶性化合物の固定化膜を形成することができる。
1/4波長板と1/2波長板とを積層する方法は、粘接着剤により貼り合せる方法、熱溶着や超音波融着により貼り合せる方法、共押出法などの、波長板を貼り合せる公知の方法を用いることができるが、広帯域な波長板としてより広い波長領域で使用でき、耐久性にも優れたものとするためには、粘接着剤を用いて積層するのが好ましい。
本発明の液晶表示装置には、視野角を広くするなどの目的のために、前記光学異方体以外に、他の光学異方性を有するフィルムを任意の枚数で任意の場所に配置することができる。光学異方性を有するフィルムとしては、一軸性を有する位相差フィルム、二軸性を有する位相差フィルム、またはこれらの積層体が挙げられる。例えば、一軸性を有する位相差板としては、CプレートやAプレートが挙げられる。
Cプレートは、面内のレターデーションがないかまたは極めて小さく、厚さ方向にのみ位相差を有する位相差層のことをいい、光軸がその面内方向の垂直な厚さ方向に存在する。前記Cプレートは、その光学特性条件が、下記式(1)を満たす場合はポジティブCプレート、下記式(2)を満たす場合はネガティブCプレートと呼ばれる。
下記nx、ny及びnzは、前記位相差板等におけるX軸、Y軸、及びZ軸方向の屈折率を表し、前記X軸方向とは、前記層の面内での屈折率が最大となる方向(面内遅相軸方向)であり、前記Y軸方向とは、前記層の面内で前記X軸方向に垂直な方向(面内進相軸方向)であり、前記Z軸方向とは、前記X軸方向及び前記Y軸方向に垂直な層の厚さ方向である。
nx≒ny<nz (1)
nx≒ny>nz (2)
Aプレートは、厚さ方向のレターデーションがないかまたは極めて小さく、面内のみリターデーションを有するレターデーション層のことをいい、光軸が面内方向に存在する。前記Aプレートは、その光学特性が、下記式(3)を満たす場合はポジティブAプレート、下記式(4)を満たす場合はネガティブAプレートと呼ばれる。
nx>ny≒nz (3)
nx≒nz>ny (4)
また、二軸性を有する位相差板としては、ポジティブ二軸位相差板(nz>nx>ny)、ネガティブ二軸位相差板(nx>ny>nz)が挙げられる。
一軸性を有する位相差板や二軸性を有する位相差板としては、固有複屈折値が正である材料からなるフィルムを延伸したフィルム、ポリスチレン樹脂などの固有複屈折値が負である材料からなる層の両面にノルボルネン系樹脂などの固有複屈折性が正である材料からなる層が積層されている積層体を延伸したもの、ディスコティック液晶を面に平行配向又は垂直配向させたものなどが挙げられる。
複屈折性を示す層の面内のレターデーションReや面と垂直方向のレターデーションであるRthは、使用する液晶モードに応じて適宜調整すればよい。
本発明の液晶表示装置は、出射側偏光子の液晶セルから遠い側(視認側)に、反射防止積層体が設けられている。この反射防止積層体はエアロゲルから構成される屈折率が1.37以下の低屈折率層を有するものであり、好ましくは、ハードコート層及び前記低屈折率層を液晶セルから遠い側に向かってこの順に有するものである。
ハードコート層は表面硬度の高い層である。具体的には、JIS K5600−5−4に規定されている鉛筆硬度試験で「HB」以上の硬度を持つ層である。ハードコート層の平均厚みは特に限定されないが、通常0.5〜30μm、好ましくは3〜15μmである。ハードコート層を形成する材料は、JIS K 5600−5−4に規定される鉛筆硬度がHB以上の硬度を持つ層を形成できるものであればよく、例えば、シリコーン系、メラミン系、エポキシ系、アクリル系、ウレタンアクリレート系などの有機ハードコート材料;二酸化ケイ素などの無機ハードコート材料;などを挙げることができる。これらの中で、ウレタンアクリレート系と多官能アクリレート系ハードコート材料は、接着力が大きく、生産性に優れるので、好適に用いることができる。
ハードコート層は、その屈折率が1.55以上であることが好ましく、1.60以上であることがより好ましい。ハードコート層の屈折率が1.55以上であると、広帯域における反射防止性能及び耐擦傷性が向上し、ハードコート層の上に積層する低屈折率層の設計が容易になる。屈折率は、例えば、公知の分光エリプソメーターを用いて測定し求めることができる。
ハードコート層は、無機酸化物粒子をさらに含むものであるのが好ましい。無機酸化物粒子を添加することにより、耐擦傷性に優れ、屈折率が1.55以上のハードコート層を容易に形成することが可能となる。ハードコート層に用いる無機酸化物粒子としては、屈折率が高いものが好ましい。具体的には、屈折率が1.6以上、特に1.6〜2.3である無機酸化物粒子が好ましい。このような屈折率の高い無機酸化物粒子としては、例えば、チタニア(酸化チタン)、ジルコニア(酸化ジルコニウム)、酸化亜鉛、酸化錫、酸化セリウム、五酸化アンチモン、アンチモンをドープした酸化スズ(ATO)、リンをドープした酸化スズ(PTO)、フッ素をドープした酸化スズ(FTO)、スズをドープした酸化インジウム(ITO)、亜鉛をドープした酸化インジウム(IZO)、アルミニウムをドープした酸化亜鉛(AZO)、等が挙げられる。これらの中でも、五酸化アンチモンは、屈折率が高く、導電性と透明性のバランスに優れるので、屈折率を調節するための成分として適している。
ハードコート層は、透明樹脂基材に、前記ハードコート材料を塗布、乾燥し、硬化させることによって得られる。ハードコート材料を塗布する前に、基材の表面にプラズマ処理、プライマー処理などを施し、ハードコート層の剥離強度を高めることができる。硬化方法としては熱硬化法と、紫外線硬化法とがあるが、本発明においては紫外線硬化法が好ましい。
また、基材用の樹脂と、ハードコート層用材料とを、共押出成形して、基材用樹脂とハードコート用材料とが積層された共押出フィルムを形成することによって、基材にハードコート層を積層した構造のものを得ることができる。
ハードコート層は、その表面に、防眩性を付与するために凹凸形状を形成したものであってもよい。この凹凸形状は公知の防眩性付与のために有効な形状であれば特に制限はない。
本発明で用いる光学積層フィルムの低屈折率層は、マトリックス中に微小な気泡が分散した透明性多孔質体であるエアロゲルから構成される。気泡の大きさは大部分が200nm以下であり、気泡の含有量は、通常10〜60体積%、好ましくは20〜40体積%である。
エアロゲルとしては、低屈折率層の屈折率nが、下記式[1]および「3]を満たすものであることが好ましい。
式[1]: n≦1.37
式[3]: n√−0.2<n<√n+0.2
(ここで、nは、ハードコート層の屈折率である。)
特に、下記関係式[4]および[6]が満たされることがより好ましい。
式[4]: 1.25≦n≦1.35
式[6]: √n−0.15<n<√n+0.15
低屈折率層の構成は、少なくとも1層からなればよく、多層でもよい。低屈折率層が多層からなる場合は、少なくともハードコート層に一番近い層の屈折率がnが上記各式を満たせばよい。
低屈折率層は、下記(イ)、(ロ)および(ハ)の中から選ばれる硬化被膜であることが好ましい。
(イ)外殻が金属酸化物で形成された中空微粒子と、下記(A)の加水分解物と下記(B)の共重合加水分解物の少なくとも一方と、下記(C)の加水分解性オルガノシランと、を含有して成るコーティング材組成物の硬化被膜。
(A)一般式:SiX …(1)
(式(1)において、Xは加水分解性基である)で表わされる加水分解性オルガノシランを加水分解して得られる加水分解物
(B)式(1)の加水分解性オルガノシランと、フッ素置換アルキル基を有する加水分解性オルガノシランとの共重合加水分解物
(C)撥水基を直鎖部に備えると共にアルコキシ基が結合したケイ素原子を分子内に2個以上有する加水分解性オルガノシラン
(ロ)外殻が金属酸化物で形成された中空微粒子と、下記(A)の加水分解物と下記(B)の共重合加水分解物の少なくとも一方と、下記(D)のシリコーンジオールとを含有してなるコーティング材組成物の硬化被膜。
(A)一般式:SiX …(1)
(式(1)において、Xは加水分解性基である)で表わされる加水分解性オルガノシランを加水分解して得られる加水分解物
(B)式(1)の加水分解性オルガノシランと、フッ素置換アルキル基を有する加水分解性オルガノシランとの共重合加水分解物
(D)下記式(4)で表わされるジメチル型のシリコーンジオール
一般式(4):
Figure 0004813793
(式(4)において、nは正の整数である)
(ハ)下記(A)の加水分解物と外殻が金属酸化物で形成された中空微粒子とを混合した状態で下記(A)の加水分解物を加水分解した再加水分解物と、下記(B)の共重合加水分解物とを含有して成るコーティング材組成物の硬化被膜。
(A)一般式(1):SiX …(1)
(式(1)において、Xは加水分解性基である)で表わされる加水分解性オルガノシランを加水分解して得られる加水分解物
(B)式(1)の加水分解性オルガノシランと、フッ素置換アルキル基を有する加水分解性オルガノシランとの共重合加水分解物
好ましい低屈折率層を構成する上記3つの硬化被膜(イ)、(ロ)、(ハ)を形成するコーティング材組成物についてさらに詳しく説明する。
硬化被膜(イ)を形成するコーティング材組成物は、加水分解物(A)と共重合加水分解物(B)の少なくとも一方と、加水分解性オルガノシラン(C)とを含んでなるものであり、加水分解物(A)と加水分解性オルガノシラン(C)の組合わせ、共重合加水分解物(B)と加水分解性オルガノシラン(C)の組合わせ、または、加水分解物(A)と共重合加水分解物(B)と加水分解性オルガノシラン(C)の組合わせを含むものを用いることができる。
加水分解物(A)は、一般式(1): SiX …(1)
(Xは加水分解性基である)で表わされる4官能加水分解性オルガノシランを加水分解して得られる4官能加水分解物(4官能シリコーンレジン)である。この4官能加水分解性オルガノシランとしては、下記一般式(5)に示されるような4官能オルガノアルコキシシランが好ましい。
一般式(5): Si(OR) (5)
上記式(5)の基「OR」中の「R」は1価の炭化水素基であれば特に限定されるものではないが、炭素数1〜8の1価の炭化水素基が好適であり、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基などのアルキル基などを例示することができる。基「OR」としては、このようなアルキル基Rを有するアルコキシ基が特に好ましい。アルコキシ基中に含有されるアルキル基のうち、炭素数が3以上のものについては、n−プロピル基、n−ブチル基などのように直鎖状のものであってもよいし、イソプロピル基、イソブチル基、t−ブチル基などのように分岐を有するものであってもよい。
4官能加水分解性オルガノシランの加水分解性基Xとしては、上記のアルコキシ基の他に、アセトキシ基、オキシム基(−O−N=C−R(R’))、エノキシ基(−O−C(R)=C(R’)R”)、アミノ基、アミノキシ基(−O−N(R)R’)、アミド基(−N(R)−C(=O)−R’)(これらの基においてR、R、R”は、例えばそれぞれ独立に水素原子または一価の炭化水素基などである)や、塩素および臭素などのハロゲンなどを挙げることができる。
4官能シリコーンレジンである加水分解物(A)の調製は、上記4官能オルガノアルコキシシランなどの4官能加水分解性オルガノシランを加水分解(部分加水分解も含む)することによって行なうことができる。ここで、得られる4官能シリコーンレジンである加水分解物(A)の重量平均分子量は特に限定されるものではないが、中空シリカ微粒子などの中空微粒子に対して、より少ない割合のマトリクス形成材料によって硬化被膜の機械的強度を得るためには、重量平均分子量は200〜2000の範囲にあることが好ましい。重量平均分子量が200 より小さいと被膜形成能力に劣るおそれがあり、逆に2000を超えると硬化被膜の機械的強度に劣るおそれがある。
上述の4官能シリコーンレジンは、SiX(X=OR、Rは1価の炭化水素基、好ましくはアルキル基)で表されるテトラアルコキシシランなどを、モル比「HO]/「OR]が1.0以上、通常、1.0〜5.0、好ましくは1.0〜3.0となる量の水の存在下、ならびに好ましくは酸又は塩基触媒存在下で、加水分解して得られた部分加水分解物及び/又は完全加水分解物を用いて得ることができる。特に酸触媒存在下で、加水分解して得られる部分加水分解物及び/又は完全加水分解物は、2次元架橋構造を形成しやすいため、乾燥被膜の多孔度が増加する傾向がある。1.0未満のモル比では未反応アルコキシル基の量が多くなり、被膜の屈折率を高くするといった悪影響を及ぼすおそれがあり、逆に、5.0より大きい場合には縮合反応が極端に速く進み、コーティング材組成物のゲル化を招くおそれがある。この場合、加水分解は、いずれの適当な条件で実施してもよい。例えば、5℃〜30℃の温度で10分〜2時間、これらの材料を撹拌して混合することによって加水分解できる。また、分子量を2000以上にして、マトリクス自身の屈折率をより小さくするためには、得られた加水分解物を、例えば40〜100℃で2〜100時間反応させて所望の4官能シリコーンレジンを得ることができる。
共重合加水分解物(B)は、加水分解性オルガノシランと、フッ素置換アルキル基を有する加水分解性オルガノシランとの共重合加水分解物である。
加水分解性オルガノシランとしては、上記の式(1)の4官能加水分解性オルガノシランを用いるものであり、この4官能加水分解性オルガノシランとしては上記の式(5)の4官能オルガノアルコキシシランを挙げることができる。
フッ素置換アルキル基含有加水分解性オルガノシランとしては、下記式(7)〜式(9)で表される構成単位を有するものが好適である。
Figure 0004813793
(式中、Rは炭素数1〜16のフルオロアルキル基またはパーフルオロアルキル基を示し、Rは炭素数1〜16のアルキル基、ハロゲン化アルキル基、アリール基、アルキルアリール基、アリールアルキル基、アルケニル基、またはアルコキシ基、水素原子あるいはハロゲン原子を示す。またXは−C−を示し、aは1〜12の整数、b+cは2aであり、bは0〜24の整数、cは0〜24の整数である。このようなXとしては、フルオロアルキレン基とアルキレン基とを有する基が好ましい。)
加水分解性オルガノシランとフッ素置換アルキル基を有する加水分解性オルガノシランとを混合し、加水分解させて共重合することによって、共重合加水分解物(B)を得ることができる。加水分解性オルガノシランとフッ素置換アルキル基を有する加水分解性オルガノシランの混合比率(共重合比率)は、特に限定されるものではないが、縮合化合物換算の質量比率で、加水分解性オルガノシラン/フッ素置換アルキル基を有する加水分解性オルガノシラン=99/1〜50/50の範囲が好ましい。共重合加水分解物(B)の重量平均分子量は、特に限定されるものではないが、200〜5000の範囲が好ましい。200未満であると被膜形成能力が劣り、逆に5000を超えると被膜強度が低下するおそれがある。
本発明において用いる加水分解性オルガノシラン(C)は、撥水性(疎水性)の直鎖部を備え、アルコキシ基が結合したケイ素原子を分子内に2個以上有するものであり、このシリコーンアルコキシドは直鎖部の少なくとも両末端に結合していることが望ましい。加水分解性オルガノシラン(C)において、シリコーンアルコキシドは2個以上有しておればよく、シリコーンアルコキシドの個数の上限は特に限定されない。
加水分解性オルガノシラン(C)としては、直鎖部がジアルキルシロキシ系のものと、直鎖部がフッ素系のものを用いることができる。
ジアルキルシロキシ系の加水分解性オルガノシラン(C)のジアルキルシロキシ系直鎖部は下記の式(2):
Figure 0004813793
(式(2)においてR、Rはアルキル基、nは2〜200の整数である)
で表され、直鎖部の長さはn=2〜200の範囲が好ましい。nが2未満(すなわちn=1)であると、直鎖部の撥水性が不十分であり、加水分解性オルガノシラン(C)を含有させることによる効果を十分に得ることができない。逆にnが200を超えると、他のマトリクス形成材料との相溶性が悪くなる傾向があり、硬化被膜の透明性に悪影響を及ぼしたり、硬化被膜に外観ムラが発生するおそれがある。
このジアルキルシロキシ系の加水分解性オルガノシラン(C)としては、上記の式(4)で示されるものを用いることができるものであり、特に限定されるものではないが、その具体例として次の式(10)〜式(12)のものを挙げることができる。
Figure 0004813793
フッ素系の加水分解性オルガノシラン(C)の直鎖部は上記の式(3)のように形成されるものであり、直鎖部の長さはn=2〜20の範囲が好ましい。nが2未満(すなわちn=1)であると、直鎖部の撥水性が不十分であり、加水分解性オルガノシラン(C)を含有させることによる効果を十分に得ることができない。逆にnが20を超えると、他のマトリクス形成材料との相溶性が悪くなる傾向があり、硬化被膜の透明性に悪影響を及ぼしたり、硬化被膜に外観ムラが発生するおそれがある。
このフッ素系の加水分解性オルガノシラン(C)としては、特に限定されるものではないが、その具体例として次の式(13)〜式(16)のものを挙げることができる。
Figure 0004813793
上記のなかでも、式(15)や式(16)のように直鎖部にアルコキシ基が結合したケイ素原子が3個以上結合したオルガノシラン(C)が特に好ましい。このようにアルコキシ基が結合したケイ素原子を3個以上有することによって、撥水性の直鎖部が被膜の表面により強固に結合し、硬化被膜の表面を撥水性にする効果を高く得ることができるものである。
上記の加水分解物(A)と共重合加水分解物(B)の少なくとも一方と、加水分解性オルガノシラン(C)とを含有してマトリクス形成材料が形成されるものであり、マトリクス形成材料において、加水分解物(A)と共重合加水分解物(B)の少なくとも一方と、加水分解性オルガノシラン(C)との配合比率は、特に限定されるものではないが、縮合化合物換算の質量比率で、((A)と(B)の少なくとも一方)/(C)=99/1〜50/50の範囲に設定するのが好ましい。
本発明において外殻が金属酸化物で形成された中空微粒子としては、中空シリカ微粒子を用いることができる。中空シリカ微粒子は外殻の内部に空洞が形成されたものであり、このようなものであれば特に限定されるものではないが、具体的には次のようなものを用いることができる。例えば、シリカ系無機酸化物からなる外殻(シェル)の内部に空洞を有した中空シリカ微粒子を用いることができる。シリカ系無機酸化物とは、(A)シリカ単一層、(B)シリカとシリカ以外の無機酸化物とからなる複合酸化物の単一層、及び(C)上記(A)層と(B)層との二重層を包含するものをいう。外殻は細孔を有する多孔質なものであってもよいし、細孔が後述する操作により閉塞されて空洞を密封したものであってもよい。外殻は、内側の第1 シリカ被覆層及び外側の第2 シリカ被覆層からなる複数のシリカ系被覆層であることが好ましい。外側に第2 シリカ被覆層を設けることにより、外殻の微細孔を閉塞させて外殻を緻密化したり、さらには、外殻で内部の空洞を密封した中空シリカ微粒子を得ることができるものである。
第1シリカ被覆層の厚みは1〜50nm、特に5〜20nmの範囲とすることが好ましい。第1 シリカ被覆層の厚みが1nm未満であると、粒子形状を保持することが困難となって、中空シリカ微粒子を得ることができないおそれがあり、また第2 シリカ被覆層を形成する際に、有機珪素化合物の部分加水分解物等が上記核粒子の細孔に入り、核粒子構成成分の除去が困難となるおそれがある。逆に、第1 シリカ被覆層の厚みが50nmを超えると、中空シリカ微粒子中の空洞の割合が減少して屈折率の低下が不十分となるおそれがある。さらに、外殻の厚みは、平均粒子径の1/50〜1/5の範囲にあることが好ましい。第2 シリカ被覆層の厚みは、第1 シリカ被覆層との合計厚みが上記1〜50nmの範囲となるようにすればよく、特に外殻を緻密化する上では、20〜49nmの範囲が好適である。
空洞には中空シリカ微粒子を調製するときに使用した溶媒及び/又は乾燥時に浸入する気体が存在している。また、空洞には空洞を形成するための前駆体物質が残存していてもよい。前駆体物質は、外殻に付着してわずかに残存していることもあるし、空洞内の大部分を占めることもある。ここで、前駆体物質とは、第1 シリカ被覆層を形成するための核粒子からその構成成分の一部を除去した後に残存する多孔質物質である。核粒子には、シリカとシリカ以外の無機酸化物とからなる多孔質の複合酸化物粒子を用いる。無機酸化物としては、Al、B、TiO、SnO、Ce、P、Sb、MoO、ZnO、WOなどの1種又は2種ZrO以上を挙げることができる。2種以上の無機酸化物として、TiO−Al、TiO−ZrOなどを例示することができる。
なお、この多孔質物質の細孔内にも上記溶媒あるいは気体が存在している。このときの構成成分の除去量が多くなると空洞の容積が増大し、屈折率の低い中空シリカ微粒子が得られ、この中空シリカ微粒子を配合して得られる透明被膜は低屈折率で反射防止性能に優れる。
本発明に係るコーティング材組成物は、上記のマトリクス形成材料と中空微粒子を配合することによって調製することができる。コーティング材組成物において、中空微粒子とその他の成分との重量割合は、特に限定されるものではないが、中空微粒子/その他の成分(固形分)=90/10〜25/75の範囲になるように設定するのが好ましく、より好ましくは75/25〜35/65である。中空微粒子が90重量%より多いと、コーティング材組成物によって得られる硬化被膜の機械的強度が低下するおそれがあり、逆に中空微粒子が25重量%より少ないと、硬化被膜の低屈折率を発現させる効果が小さくなるおそれがある。
またコーティング材組成物には、外殻の内部が空洞ではないシリカ粒子を添加することができる。このシリカ粒子を配合することによって、コーティング材組成物によって形成される硬化被膜の機械的強度を向上させることができるものであり、さらには表面平滑性と耐クラック性をも改善することができるものである。このシリカ粒子の形態としては、特に限定されるものではなく、例えば、粉体状の形態でもゾル状の形態でもよい。シリカ粒子をゾル状の形態、すなわちコロイダルシリカとして使用する場合、特に限定されるものではないが、例えば、水分散性コロイダルシリカあるいはアルコール等の親水性の有機溶媒分散性コロイダルを使用することができる。一般にこのようなコロイダルシリカは、固形分としてのシリカを20〜50質量%含有しており、この値からシリカ配合量を決定することができる。このシリカ粒子の添加量は、コーティング材組成物中における固形分全量に対して、0.1〜30質量%であることが好ましい。0.1 質量%未満ではこのシリカ粒子の添加による効果が得られないおそれがあり、逆に30質量%を超えると硬化被膜の屈折率を高くするように悪影響を及ぼすおそれがある。
硬化被膜(ロ)を形成するコーティング材組成物は、外殻が金属酸化物で形成された中空微粒子と、下記(A)の加水分解物と下記(B)の共重合加水分解物の少なくとも一方と、下記(D)のシリコーンジオールとを含有してなるものであり、加水分解物(A)とシリコーンジオール(D)の組合わせからなるもの、共重合加水分解物(B)とシリコーンジオール(D)の組合わせからなるもの、加水分解物(A)と共重合加水分解物(B)とシリコーンジオール(D)との組合わせからなるものを用いることができる。
加水分解物(A)および共重合加水分解物(B)は、それぞれ、上記硬化被膜(イ)を形成するコーティング材組成物中の加水分解物(A)および共重合加水分解物(B)と同様なものを用いることができる。
シリコーンジオール(D)は、上記の式(4)で表わされるジメチル型のシリコーンジオールである。上記の式(4)において、ジメチルシロキサンの繰り返し数nは、特に限定されるものではないが、n=20〜100の範囲が好ましい。nが20未満であると、後述のような摩擦抵抗の低減の効果を十分に得ることができず、逆にnが100を超えると、他のマトリクス形成材料との相溶性が悪くなる傾向があり、硬化被膜の透明性に悪影響を及ぼしたり、硬化被膜に外観ムラが発生するおそれがある。
上記加水分解物(A)と共重合加水分解物(B)の少なくとも一方と、シリコーンジオール(D)とを含有するコーティング材組成物において、シリコーンジオール(D)の配合量は特に限定されるものではないが、コーティング材組成物の全固形分(中空微粒子やマトリクス形成材料の縮合化合物換算固形分)に対して1〜10質量%の範囲が好ましい。
上記のように基材の表面に低屈折率の硬化被膜(ロ)を形成するにあたって、コーティング材組成物にはマトリクス形成材料の一部としてシリコーンジオール(D)が含有されており、硬化被膜にはこのシリコーンジオールが導入されているので、硬化被膜の表面摩擦抵抗を小さくすることができる。従って、硬化被膜の表面への引っ掛かりを低減して、傷が入り難くなるようにすることができ、耐擦傷性を向上することができる。特に本発明で用いるジメチル型のシリコーンジオールは、被膜を形成した際には被膜の表面にシリコーンジオールが局在し、被膜の透明性を損なわない(ヘーズ率が小さい)。
また、ジメチル型のシリコーンジオールは、本発明で用いるマトリクス形成材料との相溶性に優れ、しかもマトリクス形成材料のシラノール基と反応性を有するために、マトリクスの一部として硬化被膜の表面に固定されるものであり、単にシリコーンオイル(両末端もメチル基)を混入しただけの場合のように硬化被膜の表面を拭くと除去されてしまうようなことがなく、長期に亘って硬化被膜の表面摩擦抵抗を小さくして耐擦傷性を長期間維持することができるものである。
硬化被膜(ハ)を形成するコーティング材組成物は、下記(A)の加水分解物と外殻が金属酸化物で形成された中空微粒子とを混合した状態で下記(A)の加水分解物を加水分解した再加水分解物と、下記(B)の共重合加水分解物とを含有してなるものである。
(A)一般式がSiX (Xは加水分解性基) …(1)
で表わされる加水分解性オルガノシランを加水分解して得られる加水分解物
(B)式(1)の加水分解性オルガノシランと、フッ素置換アルキル基を有する加水分解性オルガノシランとの共重合加水分解物
換言すれば、上記コーティング材組成物は、マトリクス形成材料と金属酸化物中空微粒子からなるものであり、マトリクス形成材料は加水分解物(A)と共重合加水分解物(B)からなるものである。
加水分解物(A)は、上記硬化被膜(イ)を形成するコーティング材組成物中の加水分解物(A)と同様なものを用いることができる。
加水分解性オルガノシランを加水分解して加水分解物(A)を調製するにあたって、ここでは、金属酸化物中空微粒子を混合した状態で加水分解物(A)をさらに加水分解して、加水分解物(A)を金属酸化物微粒子と混合させた状態の再加水分解物を得る。この再加水分解物において、加水分解物(A)は加水分解の際に金属酸化物中空微粒子の表面と反応し、金属酸化物中空微粒子に加水分解物(A)は化学的に結合された状態になっており、金属酸化物中空微粒子に対する加水分解物(A)の親和性を高めることができる。金属酸化物中空微粒子を混合した状態で加水分解する際の反応条件は、20〜30℃程度の室温で行なうのが好ましい。温度が低いと反応が進まず、親和性を高める効果が不十分であり、逆に温度が高いと反応が速く進み過ぎて一定の分子量の確保が困難になると共に、分子量が大きくなり過ぎて膜強度が落ちるおそれがある。
なお、加水分解性オルガノシランを加水分解して加水分解物(A)を調製した後に、金属酸化物中空微粒子を混合した状態で加水分解物(A)をさらに加水分解して再加水分解物を得るようにする他に、金属酸化物中空微粒子を混合した状態で加水分解性オルガノシランを加水分解することによって、加水分解物(A)を調製すると同時に金属酸化物微粒子と混合させた状態の再加水分解物を得るようにしてもよい。
加水分解物(B)は、上記硬化被膜(イ)を形成するコーティング材組成物中の加水分解物(B)と同様なものを用いることができる。
上記の金属酸化物中空微粒子を混合した再加水分解物と、共重合加水分解物(B)を混合することによって、加水分解物(A)からなる再加水分解物と共重合加水分解物(B)との混合物をマトリクス形成材料とし、金属酸化物中空微粒子をフィラーとして含有するコーティング材組成物を得ることができる。加水分解物(A)からなる再加水分解物(金属酸化物中空微粒子を含む)と、共重合加水分解物(B)との質量比率は、99:1〜50:50の範囲に設定するのが好ましい。共重合加水分解物(B)の比率が1質量%未満であると、撥水・撥油性や防汚性を十分に発現させることができず、逆に50質量%を超えると、後述のように共重合加水分解物(B)が再加水分解物の上に浮き上がる作用が顕著には現われなくなり、加水分解物(A)と共重合加水分解物(B)を単に混合したコーティング材組成物との差がなくなる。
上記のように金属酸化物中空微粒子を混合した状態で加水分解物(A)を加水分解することによって、金属酸化物中空微粒子に対する加水分解物(A)の親和性が高められ、そのような状態で、共重合加水分解物(B)を混合してコーティング材組成物が調製される。そして、コーティング材組成物を基材の表面に塗布して被膜を形成するにあたって、共重合加水分解物(B)が被膜の表層に浮き上がって局在する傾向にある。
このように共重合加水分解物(B)が被膜の表層に局在する理由は明らかではないが、加水分解物(A)は金属酸化物中空微粒子に親和して被膜中に均一に存在するが、金属酸化物微粒子に対する親和性を特に有しない共重合加水分解物(B)は金属酸化物微粒子から離れて、被膜の表層に浮き上がるものと推測される。特に基材がガラスなど共重合加水分解物(B)との親和性の低いものである場合、共重合加水分解物(B)は基材から離れた被膜の表層に局在し易いので、この傾向は大きくなる。そしてこのように表層に共重合加水分解物(B)が偏在した状態で硬化被膜が形成されると、硬化被膜の表層には共重合加水分解物(B)に含有されているフッ素成分が局在することになり、フッ素成分の局在によって硬化被膜の表面の撥水・撥油性を高めることができ、硬化被膜の表面の防汚染性が向上する。
低屈折率を形成するコーティング材組成物中に含有せしめる金属酸化物中空微粒子に代えて、または、金属酸化物中空微粒子に併用して、下記の多孔質粒子を用いることができる。
多孔質粒子としてはシリカエアロゲル粒子、シリカ/アルミナエアロゲル等の複合エアロゲル粒子、メラミンエアロゲル等の有機エアロゲル粒子等を用いることができる。
好ましい多孔質粒子の例としては、(a)アルキルシリケートを溶媒、水、加水分解重合触媒とともに混合して加水分解重合させた後に、溶媒を乾燥除去して得た多孔質粒子、および、(b)アルキルシリケートを溶媒、水、加水分解重合触媒とともに混合して加水分解重合させ、ゲル化前に重合を停止させることにより安定化させたオルガノシリカゾルから乾燥により溶媒を除去して得た、凝集平均粒子径が10nm以上100nm以下である多孔質粒子があげられる。これらの多孔質粒子は、単一種または二種以上を組み合わせ用いることができる。
アルキルシリケートを加水分解重合させた後に溶媒を乾燥除去して得られる多孔質粒子(a)は、例えば米国特許明細書第4402827号、同第4432956号公報および同第4610863号公報に記載されているように、アルキルシリケート(アルコキシシラン、シリコンアルコキシドとも称される)を溶媒、水、加水分解重合触媒とともに混合して加水分解・重合反応させた後に、溶媒を乾燥除去して得られる。
乾燥方法としては、超臨界乾燥が好ましい。具体的には、加水分解・重合反応させて得られたシリカ骨格からなる湿潤状態のゲル状化合物を、アルコールまたは液化二酸化炭素等の溶媒(分散媒)中に分散させて、この溶媒の臨界点以上の超臨界状態で乾燥する。例えば、ゲル状化合物を液化二酸化炭素中に浸漬し、ゲル状化合物が予め含んでいた溶媒の全部又は一部を、その溶媒よりも臨界点が低い液化二酸化炭素に置換し、この後、二酸化炭素の単独系、あるいは二酸化炭素と溶媒との混合系の超臨界条件下で乾燥することによって、超臨界乾燥を行なうことができる。
上記のようにシリカエアロゲルを製造するに際して、特開平5−279011号公報および特開平7−138375号公報に開示されているように、アルキルシリケートの加水分解・重合反応によって上述のようにして得られたゲル状化合物を疎水化処理することによって、シリカエアロゲルに疎水性を付与することが好ましい。このように疎水性を付与した疎水性シリカエアロゲルは、湿気や水等が浸入し難くなり、シリカエアロゲルの屈折率、光透過性等の性能が劣化することを防ぐことができる。この疎水化処理の工程は、ゲル状化合物を超臨界乾燥する前、あるいは超臨界乾燥中に行なうことができる。
疎水化処理は、ゲル状化合物の表面に存在するシラノール基の水酸基を疎水化処理剤の官能基と反応させ、シラノール基を疎水化処理剤の疎水基に置換させることによって行なう。疎水化処理を行なう方法としては、例えば、疎水化処理剤を溶媒に溶解させた疎水化処理液中にゲルを浸漬し、混合等によってゲル内に疎水化処理剤を浸透させた後、必要に応じて加熱して、疎水化反応を行なわせる方法がある。疎水化処理に用いる溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、キシレン、トルエン、ベンゼン、N,N−ジメチルホルムアミド、ヘキサメチルジシロキサン等を挙げることができる。
溶媒は、疎水化処理剤が容易に溶解し、かつ、疎水化処理前のゲルが含有する溶媒と置換可能なものであればよく、これらに限定されるものではない。
疎水化処理の後の工程で超臨界乾燥を行なう場合、疎水化処理に使用する溶媒は、超臨界乾燥の容易な媒体(例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール、液体二酸化炭素等)であるか、あるいはそれと置換可能なものが好ましい。疎水化処理剤としては、例えばヘキサメチルジシラザン、ヘキサメチルジシロキサン、トリメチルメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン等を挙げることができる。
シリカエアロゲル粒子はシリカエアロゲルの乾燥バルクを粉砕することによって得ることができる。しかし、本発明のように被膜を反射防止被膜等として形成する場合、後述のように硬化被膜の膜厚は100nm程度に薄く形成されるものであり、シリカエアロゲル粒子はその粒子径を50nm程度に形成することが必要になるが、バルクを粉砕して得る場合にはシリカエアロゲル粒子を粒径50nm程度の微粒子に形成することは難しい。シリカエアロゲルの粒径が大きいと、硬化被膜を均一な膜厚で形成することや、硬化被膜の表面粗さを小さくすることが困難になる。
多孔質粒子の他の好ましいものは、アルキルシリケートを溶媒、水、加水分解重合触媒とともに混合して加水分解重合させ、ゲル化前に重合を停止させることにより安定化させたオルガノシリカゾルから乾燥により溶媒を除去して得た、凝集平均粒子径が10nm以上100nm以下である多孔質粒子(b)である。この場合には、次のようにして微粒子状のシリカエアロゲル粒子を調製するようにするのが好ましい。まず、アルキルシリケートを溶媒、水、加水分解重合触媒とともに混合して、加水分解・重合することによって、オルガノシリカゾルを調製する。この溶媒としては例えばメタノール等のアルコール、加水分解重合触媒としては例えばアンモニア等を用いることができる。次に、ゲル化が起こる前にオルガノシリカゾルを溶媒で希釈し、あるいはオルガノシリカゾルをpH調整することによって、重合を停止させることによりシリカ重合粒子の成長を抑制し、オルガノシリカゾルを安定化させる。
希釈によりオルガノシリカゾルを安定化させる方法としては、例えば、エタノール、2−プロパノール、アセトン等の最初に調製したオルガノシリカゾルが容易に均一に溶解する溶媒を用い、少なくとも2倍以上の希釈率になるように希釈する方法を挙げることができる。このとき、最初に調製したオルガノシリカゾルに含まれる溶媒がアルコールで、かつ希釈溶媒としてもアルコールを用いる場合、そのアルコールの種類に特に限定されないが、最初に調製したオルガノシリカゾルに含まれるアルコールよりも炭素数の多いアルコールを用いて希釈することが好ましい。これは、シリカゾルの含有するアルコール置換反応により、希釈とともに加水分解重合反応が抑制される効果が高いためである。
一方、pH調整によりオルガノシリカゾルを安定化させる方法としては、例えば、最初に調製したオルガノシリカゾルにおける加水分解重合触媒がアルカリの場合は酸を添加し、また加水分解触媒が酸の場合はアルカリを添加し、オルガノシリカゾルのpHを弱酸性に調整する方法を挙げることができる。この弱酸性とは、その調製に用いた溶媒の種類や水の量などにより適宜安定なpHを選択する必要があるが、おおよそpH3〜4が好ましい。例えば、加水分解重合触媒としてアンモニアを選定した場合のオルガノシリカゾルに対しては、硝酸や塩酸を添加することで、pHを3〜4にすることが好ましく、また加水分解重合触媒として硝酸を選定した場合のオルガノシリカゾルに対しては、アンモニアや炭酸水素ナトリウムなどの弱アルカリを添加することで、pHを3〜4にすることが好ましい。
オルガノシリカゾルを安定化させる方法は、上記のいずれかの方法を選択してもかまわないが、希釈とpH調整を併用することはさらに有効である。またこれらの処理の際にヘキサメチルジシラザンやトリメチルクロロシランに代表される有機シラン化合物を同時に添加して、シリカエアロゲル微粒子の疎水化処理を行なうことによっても、加水分解重合反応を一層抑制することができる。
次に、このオルガノシリカゾルを直接乾燥することによって、多孔質シリカエアロゲル微粒子を得ることができる。シリカエアロゲル微粒子は凝集平均粒子径が10〜100nmの範囲が好ましい。凝集粒径が100nmを超えるものであると、上記のように硬化被膜の均一な膜厚を得ることや、表面粗さを小さくすることが困難になる。逆に凝集平均粒径が10nm未満であると、マトリクス形成材料と混合してコーティング材組成物を調製する際に、マトリクス形成材料がシリカエアロゲル粒子内に入り込んでしまい、乾燥した被膜ではシリカエアロゲル粒子は多孔質体ではなくなるおそれがある。
乾燥の具体的な方法は、オルガノシリカゾルを高圧容器内に充填し、シリカゾル中の溶媒を液化炭酸ガスにて置換した後に、32℃以上の温度、8MPa以上の圧力にし、その後に減圧するものであり、このようにオルガノシリカゾルを乾燥してシリカエアロゲル粒子を得ることができる。また、オルガノシリカゾルの重合成長を抑制する方法としては、上記の希釈法、pH調整法の他に、ヘキサメチルジシラザン、トリメチルクロロシランに代表される有機シラン化合物を添加してシリカ粒子の重合反応を止める方法もあり、この方法の場合は、有機シラン化合物でシリカエアロゲル粒子を同時に疎水化できるので有利である。
本発明のように被膜を反射防止被膜等として形成する場合、硬化被膜はクリア感を有する高い透明性(具体的には0.2%以下のヘーズに抑えることがより好ましい)を必要とする。このため、マトリクス形成材料にシリカエアロゲル粒子を添加してコーティング材組成物を調製するにあたって、シリカエアロゲル粒子はマトリクス形成材料に添加前に最初から溶剤に均一分散していることが好ましい。
このようにするにあたっては、まず、アルキルシリケートをメタノール等の溶媒、水、アンモニア等のアルカリ性加水分解重合触媒とともに混合して、加水分解・重合することによって、オルガノシリカゾルを調製する。次に、上記と同様にして、ゲル化が起こる前にオルガノシリカゾルを溶媒で希釈し、あるいはオルガノシリカゾルをpH調整することによって、シリカ重合粒子の成長を抑制し、オルガノシリカゾルを安定化させる。このように安定化させたオルガノシリカゾルをシリカエアロゲル分散液として用い、これをマトリクス形成材料に添加してコーティング材組成物を調製することができる。
本発明において、低屈折率層の厚さは、10〜1000nm、好ましくは30〜500nmである。また、前述のように、低屈折率層は、少なくとも1層から構成されればよく、多層でもよい。
本発明に用いる反射防止積層体は、視認側からの、入射角5度、波長430nm〜700nmの光での反射率の最大値が、通常1.4%以下であり、好ましくは1.3%以下である。入射角5度の波長550nmでの反射率が、通常0.7%以下であり、好ましくは0.6%以下である。又、入射角20度の波長430nm〜700nmでの反射率の最大値が、通常1、5%以下であり、好ましくは1.4%以下である。入射角20度の波長550nmでの反射率が、通常0.9%以下、好ましくは0.8%以下である。各反射率が上記の範囲にあることにより、外部光の映りこみ及びギラツキがなく、視認性に優れた液晶表示装置とすることができる。反射率は、分光光度計(紫外可視近赤外分光光度計V−550、日本分光社製)を用いる。
また反射防止積層体は、スチールウール試験前後の反射率の変動が、通常20%以下、好ましくは10%以下である。反射率の変動が20%を超えると、画面のぼやけ、ギラツキが発生することがある。スチールウール試験は、スチールウール#0000に荷重0.025MPaをかけた状態で、反射防止積層体表面を10回往復させ擦る試験のことである。反射率は、面内の任意の場所5箇所で5回測定し、それら測定値の算術平均値から算出する。スチールウール試験前後の反射率の変動は下記式で求めた。Rbはスチールウール試験前の反射率、Raはスチールウール試験後の反射率を表す。
ΔR=(Rb−Ra)/Rb×100(%) (i)
同様にスチールウール試験前後の全光線透過率の変動が、通常10%以内であり、好ましくは8%以内、より好ましくは6%以内である。全光線透過率は、面内の任意の場所5箇所で5回測定し、それら測定値の算術平均値から算出する。スチールウール試験前後の全光線透過率の変動は下記式で求めた。Rcはスチールウール試験前の全光線透過率、Rdはスチールウール試験後の全光線透過率を表す。
ΔR=(Rc−Rd)/Rc×100(%) (ii)
本発明の液晶表示装置においては、前記の出射側偏光子、入射側偏光子、光学異方体、液晶セル、及び反射防止積層体の他に、他のフィルムまたは層を設けてもよく、例えば、プリズムアレイシート、レンズアレイシート、光拡散板、導光板、拡散シート、輝度向上フィルムなどを適宜な位置に、1層又は2層以上配置することができる。本発明の液晶表示装置においては、バックライトとして、冷陰極管、水銀平面ランプ、発光ダイオード、エレクトロルミネッセンスなどを用いることができる。
図1は本発明に用いることのできる、半透過型液晶表示装置を示す概略図である。
半透過型液晶表示装置は、下から順に、バックライト及び導光板(21)、その上部に偏光板(20)が設けられ、その上に1/2波長板(19)および1/4波長板(18)からなる光学異方体が設けられている。1/2波長板(19)と1/4波長板(18)は約60°の角度で遅相軸が交差している。さらにその上に一部に反射機能を持った透明電極(17)、液晶層(16)および透明電極(15)からなる半透過型液晶セルが設けられ、さらに、1/4波長板(14)および1/2波長板(13)からなる光学異方体が設けられている。1/2波長板(13)と1/4波長板(14)は約60°の角度で遅相軸が交差している。偏光板(12)、反射防止積層体(11)がその上に重ねられている。
図2は本発明に用いることのできる、反射型液晶表示装置を示す概略図である。
反射型液晶表示装置は、下から順に、反射板(37)、液晶層(36)および透明電極(35)からなる反射型液晶セル、1/4波長板(34)および1/2波長板(33)からなる光学異方体、偏光板(32)、反射防止積層体(31)とから構成される。1/2波長板(33)と1/4波長板(34)は約60°の角度で遅相軸が交差している。また、カラー表示の場合には、更にカラーフィルター層を液晶セルの上側に設ける。
本発明を、実施例を示しながら、さらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例のみに限定されるものではない。なお部及び%は特に断りのない限り重量基準である。
また、実施例及び比較例において、測定及び評価は下記の方法で行った。
(1)厚さ
光学積層体をエポキシ樹脂に包埋したのち、ミクロトーム[大和工業製(株)、RUB−2100]を用いて0.05μm厚にスライスし、透過電子顕微鏡を用いて断面を観察し、測定する。積層体については、各層ごとに測定する。
(2)主屈折率
自動複屈折計[王子計測器(株)、KOBRA−21]を用いて、波長550nmで光学異方体の面内遅相軸の方向を求め、面内遅相軸方向の屈折率n、面内で遅相軸に垂直な方向の屈折率n、厚さ方向の屈折率nを測定する。
(3)レターデーション
高速分光エリプソメーター[J.A.Woollam社、M−2000U]を用いて測定した。
(4)反射率
分光光度計[日本分光社製:「紫外可視近赤外分光光度計V−570」を用い、入射角5度で反射スペクトルを測定し、波長430〜700nmにおける最大値、及び波長550nmにおける反射率を求める。
(5)低屈折率層およびハードコート層の屈折率
高速分光エリプソメトリ[J.A.Woollam社製、M−2000U]を用い、入射角度をそれぞれ55、60、65度で測定した場合の、波長領域400〜1000nmのスペクトルから算出した。
(6)耐傷性
スチールウール#0000に荷重0.025MPaをかけた状態で表面を10往復させ、試験後の表面状態を目視で観察する。
○:傷が認められない
×:傷が認められる
(7)視認性
黒表示とさせた時のパネルを目視で観察し二段階で評価した。
○:グレアや映りこみが見られない
×:グレアや映りこみが見られる
(8)広帯域性
半透過性液晶表示パネルを周囲明るさ500ルクスの環境に設置し、反射色を目視観察する。
○:反射色が黒
×:反射色が青
(9)コントラスト比
半透過性液晶表示パネルを周囲明るさ500ルクスの環境に設置し、透過モードにおいて、暗表示の時と明表示の時の正面から5度の位置における輝度を色彩輝度計(トプコン社製、色彩輝度計BM−7)を用いて測定する。そして、明表示の輝度と暗表示の輝度の比(=明表示の輝度/暗表示の輝度)を計算し、これをコントラスト(CR)とする。コントラスト(CR)が大きいほど、視認性に優れる。
(10)半透過型表示装置の表示評価
作製した半透過型液晶表示装置に、1kHzの矩形波電圧を印加した。白表示0V、黒表示4.5Vとして目視で評価を行った。
(製造例1)原反フィルム1の作製
ノルボルネン系重合体(商品名:ZEONOR 1420R、日本ゼオン社製、ガラス転移温度:136℃、飽和吸水率:0.01重量%未満)のペレットを、空気を流通させた熱風乾燥器を用いて110℃で4時間乾燥した。そしてリーフディスク形状のポリマーフィルター(ろ過精度30μm)が設置され、ダイリップの先端部がクロムめっきされた平均表面粗さRa=0.04μmのリップ幅650mmのコートハンガータイプのTダイを有する短軸押出機を用いて、前記ペレットを260℃で溶融押出しして厚み100μm、幅600mmの原反フィルム1を得た。レターデーション値[Re(550)]は、3nmであった。
(製造例2)原反フィルム2の作成
製造例1で用いたノルボルネン系重合体からなる層(II層)、スチレン−マレイン酸共重合体(ノヴァ・ケミカル社製、商品名「Daylark D332」、ガラス転移温度130℃、オリゴマー成分含有量3重量%)からなる層(I層)、及び変性したエチレン−酢酸ビニル共重合体(三菱化学社製、商品名「モディックAP A543」、ビカット軟化点80℃)からなる接着剤層(III層)を有する、II層(30μm)−III層(6μm)−I層(150μm)−III層(6μm)−II層(30μm)の未延伸積層体の原反フィルム2を共押出し成形により得た。
(製造例3)高屈折率層形成用組成物H1の調製
6官能ウレタンアクリレートオリゴマー(商品名:NKオリゴ U−6HA、新中村化学社製)30部、ブチルアクリレート40部、イソボロニルメタクリレート(商品名:NK エステル IB、新中村化学社製)30部、2,2−ジフェニルエタン−1−オン10部をホモジナイザーで混合し、五酸化アンチモン微粒子の40重量%MIBK溶液(平均粒子径20nm:水酸基がパイロクロア構造の表面に現われているアンチモン原子に1つの割合で結合している。)を、五酸化アンチモン微粒子の重量が高屈折率層形成用塗工液全固形分の50重量%占める割合で混合して、高屈折率層形成用組成物H1を調製した。
(製造例4)低屈折率層形成用組成物L1の調製
テトラエトキシシラン166.4部にメタノール392.6部を加え、ヘプタデカフルオロデシルトリエトキシシランCF(CFCHCHSi(OC11.7部、更に0.005Nの塩酸水溶液29.3部(「HO」/「OR」=0.5)を加え、これをディスパーを用いてよく混合して混合液を得た。この混合液を25℃恒温槽中で2時間撹拌して、重量平均分子量を830に調整したフッ素/シリコーン共重合加水分解物(B)をマトリクス形成材料として得た(縮合化合物換算固形分10%)。
次に、中空シリカ微粒子として中空シリカIPA(イソプロパノール)分散ゾル(固形分20重量%、平均一次粒子径約60nm、外殻厚み約10nm、触媒化成工業製)を用い、これをフッ素/シリコーン共重合加水分解物(B)に加え、中空シリカ微粒子/共重合加水分解物(B)(縮合化合物換算)が固形分基準で重量比が50/50となるように配合し、その後、全固形分が1%になるようにIPA/酢酸ブチル/ブチルセロソルブ混合液(希釈後の溶液の全量中の5%が酢酸ブチル、全量中の2%がブチルセロソルブなるように、あらかじめ混合された溶液)で希釈し、さらにジメチルシリコーンジオール(n≒40)を酢酸エチルで固形分1%になるように希釈した溶液を、中空シリカ微粒子と共重合加水分解物(B)(縮合化合物換算)の固形分の和に対して、ジメチルシリコーンジオールの固形分が2重量%になるように添加することによって、低屈折率層形成用組成物L1を調製した。
(製造例5)低屈折率層形成用組成物L2の調製
テトラエトキシシラン208部にメタノール356部を加え、更に0.005Nの塩酸水溶液36部(「HO」/「OR」=0.5)を加え、これをディスパーを用いてよく混合して混合液を得た。この混合液を25℃恒温槽中で2時間撹拌して、重量平均分子量を850に調整したシリコーン加水分解物(A)をマトリクス形成材料として得た(縮合化合物換算固形分10%)。
次に、中空シリカ微粒子として中空シリカIPA(イソプロパノール)分散ゾル(固形分20重量%、平均一次粒子径約60nm、外殻厚み約10nm、触媒化成工業製)を用い、これをシリコーン加水分解物(A)に加え、中空シリカ微粒子/加水分解物(A)(縮合化合物換算)が固形分基準で重量比が60/40となるように配合し、その後、全固形分が1%になるようにIPA/酢酸ブチル/ブチルセロソルブ混合液(希釈後の溶液の全量中の5%が酢酸ブチル、全量中の2%がブチルセロソルブなるように、あらかじめ混合された溶液)で希釈し、さらにジメチルシリコーンジオール(n≒250)を酢酸エチルで固形分1%になるように希釈した溶液を、中空シリカ微粒子と加水分解物(A)(縮合化合物換算)の固形分の和に対して、ジメチルシリコーンジオールの固形分が2重量%になるように添加することによって、低屈折率層形成用組成物L2を調製した。
(製造例6)低屈折率層形成用組成物L3の調製
テトラエトキシシラン166.4部にメタノール493.1部を加え、更に0.005Nの塩酸水溶液30.1部(「HO」/「OR」=0.5)を加え、これをディスパーを用いてよく混合して混合液を得た。この混合液を25℃恒温槽中で2時間撹拌して、重量平均分子量を850に調整したシリコーン加水分解物(A)成分を得た。次に(C)成分として、(HCO)SiCHCH(CFCHCHSi(OCH30.4部を加え、この混合液を25℃恒温槽中で1時間撹拌して、マトリクス形成材料を得た(縮合化合物換算固形分10%)。
次に、中空シリカ微粒子として中空シリカIPA(イソプロパノール)分散ゾル(固形分20重量%、平均一次粒子径約60nm、外殻厚み約10nm、触媒化成工業製)を用い、これを上記のマトリクス形成材料に加え、中空シリカ微粒子/マトリクス形成材料(縮合化合物換算)が固形分基準で重量比が40/60となるように配合し、その後、全固形分が1%になるようにIPA/酢酸ブチル/ブチルセロソルブ混合液(希釈後の溶液の全量中の5%が酢酸ブチル、全量中の2%がブチルセロソルブなるように、あらかじめ混合された溶液)で希釈し、さらにジメチルシリコーンジオール(n≒40)を酢酸エチルで固形分1%になるように希釈した溶液を、中空シリカ微粒子とマトリクス形成材料(縮合化合物換算)の固形分の和に対して、ジメチルシリコーンジオールの固形分が2重量%になるように添加することによって、低屈折率層形成用組成物L3を調製した。
(製造例7)低屈折率層形成用組成物L4の調整
テトラエトキシシラン208部にメタノール356部を加え、更に0.005Nの塩酸水溶液36部(「HO」/「OR」=0.5)を加え、これをディスパーを用いてよく混合して混合液を得た。この混合液を25℃恒温槽中で1時間撹拌して、重量平均分子量を780に調整したシリコーン加水分解物(A)をマトリクス形成材料として得た。 次に、中空シリカ微粒子として中空シリカIPA(イソプロパノール)分散ゾル(固形分20重量%、平均一次粒子径約60nm、外殻厚み約10nm、触媒化成工業製)を用い、これをシリコーン加水分解物(A)に加え、中空シリカ微粒子/シリコーン加水分解物(縮合化合物換算)が固形分基準で重量比が50/50となるように配合し、さらに25℃恒温槽中で2時間攪拌して、重量平均分子量を980に調整した再加水分解物を得た(縮合化合物換算固形分10%)。
一方、テトラエトキシシラン104部にメタノール439.8部を加え、ヘプタデカフルオロデシルトリエトキシシランCF(CFCHCHSi(OC 36.6部、更に0.005Nの塩酸水溶液19.6部(「H2O」/「OR」=0.5)を加え、これをディスパーを用いてよく混合して混合液を得た。この混合液を25℃恒温槽中で2時間撹拌して、重量平均分子量を850に調整したフッ素/シリコーン共重合加水分解(B)を得た(縮合化合物換算固形分10%)。
そして再加水分解物(中空シリカ微粒子を含む)と共重合加水分解物(B)を、再加水分解物/共重合加水分解物(B)が固形分基準で80/20となるように配合し、その後、全固形分が1%になるようにIPA/酢酸ブチル/ブチルセロソルブ混合液(希釈後の溶液の全量中の5%が酢酸ブチル、全量中の2%がブチルセロソルブなるように、あらかじめ混合された溶液)で希釈し、低屈折率層形成用組成物L4を調製した。
(製造例8)低屈折率層形成用組成物L5の調製
テトラエトキシシラン166.4部にメタノール493.1部を加え、更に0.005Nの塩酸水溶液30.1部(「HO」/「OR」=0.5)を加え、これをディスパーを用いてよく混合して混合液を得た。この混合液を25℃恒温槽中で2時間撹拌して、重量平均分子量を850に調整したシリコーン加水分解物(A)成分を得た。次に(C)成分として、(HCO)SiCHCH(CFCHCHSi(OCH 30.4部を加え、この混合液を25℃恒温槽中で1時間撹拌して、マトリクス形成材料を得た(縮合化合物換算固形分10%)。
一方、テトラメトキシシラン、メタノール、水、28%アンモニア水を、それぞれ質量部で470:812:248:6の割合で混合した溶液を調製し、この溶液を1分攪拌した後、溶液にヘキサメチルジシラザンを溶液に対して0.2重量部添加攪拌し、さらにIPAで2倍に希釈することによって、ゲル化前に重合を停止させることにより安定化させ、多孔質シリカ粒子(平均粒子径:50nm)が分散されたオルガノシリカゾルを作製した。
次に、中空シリカ微粒子として中空シリカIPA(イソプロパノール)分散ゾル(固形分20重量%、平均一次粒子径約60nm、外殻厚み約10nm、触媒化成工業製)を用い、これを上記のマトリクス形成材料に加え、中空シリカ微粒子/多孔質粒子/マトリクス形成材料(縮合化合物換算)が固形分基準で重量比が30/10/60となるように配合し、その後、全固形分が1%になるようにIPA/酢酸ブチル/ブチルセロソルブ混合液(希釈後の溶液の全量中の5%が酢酸ブチル、全量中の2%がブチルセロソルブなるように、あらかじめ混合された溶液)で希釈し、さらにジメチルシリコーンジオール(n≒250)を酢酸エチルで固形分1%になるように希釈した溶液を、中空シリカ微粒子とマトリクス形成材料(縮合化合物換算)の固形分の和に対して、ジメチルシリコーンジオールの固形分が2重量%になるように添加することによって、低屈折率層形成用組成物L5を調製した。
(製造例9)低屈折率層形成用組成物L6の調製
テトラエトキシシラン156部にメタノール402.7部を加え、ヘプタデカフルオロデシルトリエトキシシランCF(CFCHCHSi(OC 13.7部、更に0.005Nの塩酸水溶液27.6部(「HO」/「OR」=0.5)を加え、これをディスパーを用いてよく混合して混合液を得た。この混合液を25℃恒温槽中で2時間撹拌して、重量平均分子量を830に調整したフッ素/シリコーン共重合加水分解物(B)をマトリクス形成材料として得た(縮合化合物換算固形分10%)。
一方、テトラエトキシシラン208部にメタノール356部を加え、更に水126部及び0.01Nの塩酸水溶液18部(「HO」/「OR」=2.0)を混合し、これをディスパーを用いてよく混合して混合液を得た。この混合液を60℃恒温槽中で20時間撹拌して、重量平均分子量を8000に調整することにより、シリコーン完全加水分解物を得た(縮合化合物換算固形分10%)。
次に、中空シリカ微粒子として中空シリカIPA(イソプロパノール)分散ゾル(固形分20重量%、平均一次粒子径約60nm、外殻厚み約10nm、触媒化成工業製)を用い、これをフッ素/シリコーン共重合加水分解物(B)に加え、中空シリカ微粒子/共重合加水分解物(B)/シリコーン完全加水分解物(縮合化合物換算)が固形分基準で重量比が50/40/10となるように配合し、その後、全固形分が1%になるようにIPA/酢酸ブチル/ブチルセロソルブ混合液(希釈後の溶液の全量中の5%が酢酸ブチル、全量中の2%がブチルセロソルブなるように、あらかじめ混合された溶液)で希釈し、さらにジメチルシリコーンジオール(n≒40)を酢酸エチルで固形分1%になるように希釈した溶液を、中空シリカ微粒子と共重合加水分解物(B)、及びシリコーン完全加水分解物(縮合化合物換算)の固形分の和に対して、ジメチルシリコーンジオールの固形分が4重量%になるように添加することによって、低屈折率層形成用組成物L6を調製した。
(製造例10)低屈折率層形成用組成物L7の調製
テトラエトキシシラン166.4部にメタノール493.1部を加え、更に0.005Nの塩酸水溶液30.1部(「HO」/「OR」=0.5)を加え、これをディスパーを用いてよく混合して混合液を得た。この混合液を25℃恒温槽中で1時間撹拌して、重量平均分子量を800に調整したシリコーン加水分解物(A)成分を得た。次に(C)成分として、(HCO)SiCHCH(CFCHCHSi(OCH 30.4部を加え、この混合液を25℃恒温槽中で1時間撹拌して、重量平均分子量を950に調整したマトリクス形成材料を得た(縮合化合物換算固形分10%)。
次に、中空シリカ微粒子として中空シリカIPA(イソプロパノール)分散ゾル(固形分20重量%、平均一次粒子径約60nm、外殻厚み約10nm、触媒化成工業製)を用い、これを上記のマトリクス形成材料に加え、中空シリカ微粒子/マトリクス形成材料(縮合化合物換算)が固形分基準で重量比が30/70となるように配合し、その後、全固形分が1%になるようにIPA/酢酸ブチル/ブチルセロソルブ混合液(希釈後の溶液の全量中の5%が酢酸ブチル、全量中の2%がブチルセロソルブなるように、あらかじめ混合された溶液)で希釈し、さらにジメチルシリコーンジオール(n≒40)を酢酸エチルで固形分1%になるように希釈した溶液を、中空シリカ微粒子とマトリクス形成材料(縮合化合物換算)の固形分の和に対して、ジメチルシリコーンジオールの固形分が2重量%になるように添加することによって、低屈折率層形成用組成物L7を調製した。
(製造例11)偏光子の作製
厚さ75μのPVAフィルム(クラレビニロン#7500)をチャックに装着しヨウ素0.2g/l、ヨウ化カリウム60g/lよりなる水溶液中に30℃にて240秒浸漬し、次いでホウ酸70g/l、ヨウ化カリウム30g/lの組成の水溶液に浸漬すると共に、同時に6.0倍に一軸延伸しつつ5分間に渡ってホウ酸処理を行った。最後に室温で24時間乾燥し偏光子を得た。偏光度は、99.993%であった。
(製造例12)偏光子Pの作製
コニカミノルタ社製トリアセチルセルロースフィルム(KC8UX2M)の一方の面に、1.5規定水酸化カリウムのイソプロピルアルコール溶液を25ml/m塗布し、25℃で5秒間乾燥した。流水で10秒洗浄し、25℃の空気を吹き付けることでフィルムの表面を乾燥した。このようにしてトリアセチルセルロースフィルムの一方の表面のみをケン化した。
ケン化処理したフィルム表面が製造例11で得られた偏光子の片面に重なる様にして、ポリビニルアルコール系接着剤を用いてロールトゥロール法により貼りあわせて、偏光子の入射側面にトリアセチルセルロースフィルムを積層させ、偏光子Pを得た。
(製造例13)光学異方体C1、C2及びC3の作製
製造例1で得た、原反フィルム1を、延伸機を使用して、オーブン温度(予熱温度、延伸温度、熱固定温度)140℃、延伸速度6m/分、縦延伸倍率1.5倍と1.3倍で延伸処理を行い、それぞれ光学異方体C1及びC2を得た。
得られた光学異方体C1及びC2の波長550nmのレターデーション値[Re(550)]は、それぞれ、265nm、132.5nmであった。
上記の光学異方体C1の片面に、上記の光学異方体C2をアクリル系接着剤(住友スリーエム社製、DP−8005クリア)を介して、それぞれの遅相軸の交差角が59°になるように貼り合わせ光学異方体C3を得た。
この光学異方体C3のRe(550)と、波長450nmのレターデーション値[Re(450)]との比Re(450)/Re(550)は1.005であった。
(製造例14)光学異方体C4、C5の作製
原反フィルム2を、テンター延伸機を用いて、延伸温度138℃、延伸倍率1.5倍、延伸速度115%/minで幅方向に対して−13°方向へ斜め延伸を行い、これを3000mに渡ってロール状に巻き取って光学異方体C4を得た。
得られた光学異方体C4の波長550nmにおけるリターデーションRe(550)を測定したところ137.2nmであった。
上記の光学異方体C4の片面に、製造例12で得られた光学異方体C1をアクリル系接着剤(住友スリーエム社製、DP−8005クリア)を介して、それぞれの遅相軸の交差角が59°になるように貼り合わせ光学異方体C5を得た。
この光学異方体C5のRe(450)/Re(550)は0.81であった。
(製造例15)光学異方体C6、C7及びC8の作製
製造例1で得た、原反フィルム1を、延伸機を使用して、オーブン温度(予熱温度、延伸温度、熱固定温度)170℃、フィルム繰り出し速度6m/分、縦延伸倍率1.75倍と1.45倍で延伸処理を行い、それぞれ光学異方体C6及びC7を得た。
得られた光学異方体C6及びC7の波長550nmのレターデーション値Re(550)は、それぞれ、265nm、132.5nmであった。
上記の光学異方体C6の片面に、上記の光学異方体C7をアクリル系接着剤(住友スリーエム社製、DP−8005クリア)を介して、それぞれの遅相軸の交差角が59°になるように貼り合わせ光学異方体C8を得た。
この光学異方体C8のRe(450)/Re(550)は1.010であった。
(製造例16)低屈折率層付偏光板(TAC基材)の作製
コニカミノルタ社製トリアセチルセルロースフィルム(KC8UX2M)の一方の面に、1.5規定水酸化カリウムのイソプロピルアルコール溶液を25ml/m塗布し、25℃で5秒間乾燥した。流水で10秒洗浄し、25℃の空気を吹き付けることでフィルムの表面を乾燥した。このようにしてトリアセチルセルロースフィルムの一方の表面のみをケン化した。
もう一方の面に、高周波発信機(春日電機社製 高周波電源AGI−024)を用いてコロナ放電処理を出力0.8KWにて行い、表面張力が0.055N/mの両面処理基材フィルムを得た。
次に、製造例3で得られたハードコート層形成用組成物H1を、前記基材フィルムのコロナ放電処理をした面に、ダイコーターを用いて塗工し、80℃の乾燥炉の中で5分間乾燥させて被膜を得た。その後、紫外線を照射(積算照射量300mJ/cm)して、厚み5μmのハードコート層を積層した、積層フィルム1Aを得た。ハードコート層の屈折率は1.62、鉛筆硬度は2Hであった。
上記積層フィルム1Aのハードコート層側に、製造例4で得られた低屈折率層形成用組成物L1を、ワイヤーバーコーターにより塗工し、1時間放置して乾燥させ、得られた被膜を120℃で10分間、酸素雰囲気下で熱処理し、厚み100nmの低屈折率層を積層した、低屈折率層付基材(TAC基材)を得た。得られた低屈折率層付基材(TAC基材)のケン化処理した表面が製造例11で得られた偏光子の片面に重なる様にして、ポリビニルアルコール系接着剤を用いてロールトゥロール法により貼り合わせて、低屈折率層付偏光板(TAC基材)2Aを得た。
(製造例17)低屈折率層付偏光板(COP基材)の作成
製造例1で得られた原反フィルムの両面に、高周波発信機(春日電機社製 高周波電源AGI−024)を用いてコロナ放電処理を出力0.8KWにて行い、表面張力が0.072N/mの基材フィルムを得た。
次に、製造例3で得られたハードコート層形成用組成物H1を前記基材フィルムの片面に、ダイコーターを用いて塗工し、80℃の乾燥炉の中で5分間乾燥させて被膜を得た。その後、紫外線を照射(積算照射量300mJ/cm)して、厚み5μmのハードコート層を積層した、積層フィルム1Bを得た。ハードコート層の屈折率は1.62、鉛筆硬度はHであった。
上記積層フィルム1Bのハードコート層側に、製造例7で得られた低屈折率層形成用組成物L3を、ワイヤーバーコーターにより塗工し、1時間放置して乾燥させ、得られた被膜を120℃で10分間、酸素雰囲気下で熱処理し、厚み100nmの低屈折率層を積層した、低屈折率層付基材(COP基材)を得た。得られた低屈折率層付基材(COP基材)の低屈折率層が積層されていない側の表面が製造例11で得られた偏光子の片面に重なる様にして、アクリル系接着剤を用いてロールトゥロール法により貼り合わせて、低屈折率層付偏光板(TAC基材)2Cを得た。
(製造例18)観察者側偏光板PO1の作製
製造例13で得られた光学異方体C3と、製造例14で得られた低屈折率層付偏光板2Aを、低屈折率層付偏光板2Aの透過軸と光学異方体C3に積層されている光学異方体C1の遅相軸の交差角が15°になり、かつ光学異方体C3のC1側と低屈折率層付偏光板2Aの偏光子側が接する様に積層して、観察者側偏光板PO1を作製した。
(製造例19)バックライト側偏光板PB1の作成
製造例13で得られた光学異方体C3と、製造例12で得られた偏光子Pを、偏光子Pの透過軸と光学異方体C3に積層されている光学異方体C1の遅相軸の交差角が15°になり、かつ光学異方体C3のC1側と偏光子Pの偏光子側が接する様に積層して、バックライト側偏光板PB1を作製した。
(実施例1)液晶表示装置1の作成
使用したTNモードの液晶セルは、基盤両界面のプレチルト角が2度、ツイスト角が左ねじれ70度、Δndが反射表示部で230nm、透過表示部で略262nmのものを用いた。液晶膜厚は反射電極領域(反射表示部)で3.5μm、透明電極領域(透過表示部)で4.0μmとした。
製造例18で得られた観察者側偏光板PO1、上記液晶セル、および製造例19で得られたバックライト側偏光板PB1を、この順序にて積層し、次にバックライト側偏光板に接する様に拡散シート、導光板、バックライトをこの順序にて組み込み、液晶表示装置1を作製した。
作製した液晶表示装置1の評価結果を表1に示す。
(実施例2)液晶表示装置2の作製
製造例16において、低屈折率層形成用組成物L1に換えて、製造例5で得られた低屈折率層形成用組成物L2を用いた他は、製造例16と同じ方法で低屈折率層付偏光板(TAC基材)2Bを得た。
ついで製造例18において低屈折率層付偏光板2Aに換えて、低屈折率層付偏光板(TAC基材)2Bを用いた他は製造例18と同様の方法で観察者側偏光板PO2を得た。
さらに実施例1において、観察者側偏光板PO1に換えて、観察者側偏光板PO2を用いた他は実施例1と同じ方法で液晶表示装置2を作製した。
作製した液晶表示装置2の評価結果を表1に示す。
(実施例3)液晶表示装置3の作製
製造例18において、低屈折率層付偏光板(TAC基材)2Aに換えて、製造例15で得られた低屈折率層付偏光板(COP基材)2Cを用いた他は製造例18と同様の方法で観察者側偏光板PO3を得た。
さらに実施例1において、観察者側偏光板PO1に換えて、観察者側偏光板PO3を用いた他は実施例1と同じ方法で液晶表示装置3を作製した。
作製した液晶表示装置3の評価結果を表1に示す。
(実施例4)液晶表示装置4の作製
製造例16において、低屈折率層形成用組成物L1に換えて、製造例7で得られた低屈折率層形成用組成物L4を用いた他は、製造例16と同じ方法で低屈折率層付偏光板(TAC基材)2Dを得た。
ついで製造例18において低屈折率層付偏光板2Aに換えて、低屈折率層付偏光板(TAC基材)2Dを用いた他は製造例18と同様の方法で観察者側偏光板PO4を得た。
さらに実施例1において、観察者側偏光板PO1に換えて、観察者側偏光板PO4を用いた他は実施例1と同じ方法で液晶表示装置4を作製した。
作製した液晶表示装置4の評価結果を表1に示す。
(実施例5)液晶表示装置5の作製
製造例16において、低屈折率層形成用組成物L1に換えて、製造例8で得られた低屈折率層形成用組成物L5を用いた他は、製造例16と同じ方法で低屈折率層付偏光板(TAC基材)2Eを得た。
次いで製造例18において低屈折率層付偏光板2Aに換えて、低屈折率層付偏光板(TAC基材)2Dを用いた他は製造例18と同様の方法で観察者側偏光板PO5を得た。
さらに実施例1において、観察者側偏光板PO1に換えて、観察者側偏光板PO5を用いた他は実施例1と同じ方法で液晶表示装置5を作製した。
作製した液晶表示装置5の評価結果を表1に示す。
(実施例6)液晶表示装置6の作製
製造例16において、低屈折率層形成用組成物L1に換えて、製造例9で得られた低屈折率層形成用組成物L6を用いた他は、製造例16と同じ方法で低屈折率層付偏光板(TAC基材)2Fを得た。
ついで製造例18において低屈折率層付偏光板2Aに換えて、低屈折率層付偏光板(TAC基材)2Fを用いた他は製造例18と同様の方法で観察者側偏光板PO6を得た。
さらに実施例1において、観察者側偏光板PO1に換えて、観察者側偏光板PO6を用いた他は実施例1と同じ方法で液晶表示装置6を作製した。
作製した液晶表示装置6の評価結果を表1に示す。
(実施例7)液晶表示装置7の作製
ついで製造例18において光学異方体C3に換えて、製造例14で得られた光学異方体C5を用いた他は製造例18と同様の方法で観察者側偏光板PO7を得た。
次に製造例19において、光学異方体C3に換えて、製造例14で得られた光学異方体C5を用いた他は製造例19と同様の方法でバックライト側偏光板PB2を得た。
さらに実施例1において、観察者側偏光板PO1に換えて、観察者側偏光板PO7を用いた他は実施例1と同じ方法で液晶表示装置7を作製した。
作製した液晶表示装置7の評価結果を表1に示す。
(実施例8)液晶表示装置8の作製
製造例18において、低屈折率層付偏光板(TAC基材)2Aに換えて、製造例15で得られた低屈折率層付偏光板(COP基材)2Cを用い、光学異方体C3に換えて、製造例14で得られた光学異方体C5を用いた他は製造例18と同様の方法で観察者側偏光板PO8を得た。
次に実施例1において、観察者側偏光板PO1に換えて、観察者側偏光板PO8を用い、バックライト側偏光板PB1に換えて、実施例7で得られたバックライト側偏光板PB2を用いた他は実施例1と同じ方法で液晶表示装置8を作製した。
作製した液晶表示装置8の評価結果を表1に示す。
(比較例1)液晶表示装置9の作製
製造例15で得られた光学異方体C8と、製造例14で得られた低屈折率層付偏光板2Aを、低屈折率層付偏光板2Aの透過軸と光学異方体C8に積層されている光学異方体C6の遅相軸の交差角が15°になり、かつ光学異方体C8のC6側と低屈折率層付偏光板2Aの偏光子側が接する様に積層して、観察者側偏光板PO9を作製した。
次に製造例15で得られた光学異方体C8と、製造例12で得られた偏光子Pを、偏光子Pの透過軸と光学異方体C8に積層されている光学異方体C6の遅相軸の交差角が15°になり、かつ光学異方体C8のC6側と偏光子Pの偏光子側が接する様に積層して、観察者側偏光板PB3を作製した。
さらに実施例1において、観察者側偏光板PO1に換えて、観察者側偏光板PO9を用い、バックライト側偏光板PB1に換えて、バックライト側偏光板PB3を用いた他は実施例1と同じ方法で液晶表示装置9を作製した。
作製した液晶表示装置9の評価結果を表1に示す。
(比較例2)液晶表示装置10の作製
製造例16において低屈折率層形成用組成物L1の塗布を行わずに、コロナ放電処理を施した積層フィルム1Aのハードコート層を有する面に、MgF層89nm、TiO層112nm、MgF層188nmをこの順にスパッタリング装置を用いて基板温度80℃の条件で積層し、三層構造の反射防止フィルムを作成した他は、製造例16と同様にして観察者側偏光板PO10を得た。
さらに実施例1において、観察者側偏光板PO1に換えて、観察者側偏光板PO10を用いた他は実施例1と同じ方法で液晶表示装置10を作製した。
作製した液晶表示装置10の評価結果を表1に示す。
(比較例3)液晶表示装置11の作製
製造例16において、低屈折率層形成用組成物L1に換えて、製造例10で得られた低屈折率層形成用組成物L7を用いた他は、製造例16と同じ方法で低屈折率層付偏光板(TAC基材)2Fを得た。
ついで製造例18において低屈折率層付偏光板2Aに換えて、低屈折率層付偏光板(TAC基材)2Fを用いた他は製造例18と同様の方法で観察者側偏光板PO11を得た。
さらに実施例1において、観察者側偏光板PO1に換えて、観察者側偏光板PO11を用いた他は実施例1と同じ方法で液晶表示装置11を作製した。
作製した液晶表示装置11の評価結果を表1に示す。
Figure 0004813793
本発明の反射型又は半透過型液晶表示装置は、視野角が広く、映りこみが無く、耐傷性に優れ、どの方向から見ても黒表示品位が良好であり、均質で高いコントラストを有するという特性をもつ。
本発明の液晶表示装置は、パーソナルコンピューター、携帯電話、携帯ビデオゲーム機、電子手帳等の携帯型情報端末器用のディスプレイとして、好適に用いることができる。
本発明の半透過型液晶表示装置の一態様を示す図である。 本発明の反射型液晶表示装置の一態様を示す図である。
符号の説明
11、31:反射防止積層体;12、20、32:偏光板;13、19、33:1/2波長板;15、35:透明電極;16、36:液晶層;17:一部に反射機能を有する透明電極;37:反射板;14、18、34…1/4波長板、21・・・バックライト及び導光板

Claims (17)

  1. 出射側偏光子、光学異方体及び液晶セルを有する液晶表示装置であって、
    前記光学異方体が、波長550nmで測定した面内レターデーション値[Re(550)]が125nm以上で、且つ、該面内レターデーション値[Re(550)]と波長450nmで測定した面内レターデーション値[Re(450)]との比Re(450)/Re(550)が1.007以下であり、該液晶表示装置の出射側偏光子の液晶セルから遠い側に、エアロゲルから構成される屈折率が1.37以下の低屈折率層を含んでなる反射防止積層体を備えており、該低屈折率層が、外殻がシリカ系酸化物で形成された中空微粒子と、下記(A)の加水分解物と下記(B)の共重合加水分解物の少なくとも一方と、下記(C)の加水分解性オルガノシランを含有して成るコーティング材組成物(イ)、外殻がシリカ系酸化物で形成された中空微粒子と、下記(A)の加水分解物と下記(B)の共重合加水分解物の少なくとも一方と、下記(D)のシリコーンジオールを含有してなるコーティング材組成物(ロ)または下記(A)の加水分解物と外殻がシリカ系酸化物で形成された中空微粒子とを混合した状態で下記(A)の加水分解物を加水分解した再加水分解物と、下記(B)の共重合加水分解物とを含有してなるコーティング材組成物(ハ)の硬化皮膜であることを特徴とする反射型又は半透過型液晶表示装置。
    (A)一般式 SiX …(1)
    (式(1)において、Xは加水分解性基である)
    で表わされる加水分解性オルガノシランを加水分解して得られる加水分解物
    (B)式(1)の加水分解性オルガノシランと、フッ素置換アルキル基を有する加水分解性オルガノシランとの共重合加水分解物
    (C)撥水基を直鎖部に備えると共にアルコキシ基が結合したケイ素原子を分子内に2個以上有する加水分解性オルガノシラン
    (D)下記一般式(4)で表わされるジメチル型のシリコーンジオール
    一般式(4):
    Figure 0004813793
    (式(4)において、nは正の整数である)
  2. コーティング材組成物中の中空微粒子の含有量が、固形分基準で25〜90重量%である請求項1記載の液晶表示装置。
  3. 低屈折率層が、コーティング材組成物(イ)の硬化皮膜であり、加水分解性オルガノシラン(C)の撥水基が、下記式(2)又は下記式(3)で示されるものである請求項1または2記載の液晶表示装置。
    一般式(2):
    Figure 0004813793
    (式(2)においてR、Rはアルキル基、nは2〜200の整数である)
    一般式(3): −(−CF−)
    (式(3)においてnは2〜20の整数である)
  4. 前記(C)の加水分解性オルガノシランが、アルコキシ基が結合したケイ素原子を分子内に3個以上有するものである請求項1〜3のいずれかに記載の液晶表示装置。
  5. 低屈折率層が、コーティング材組成物(ロ)の硬化皮膜であり、シリコンジオール(D)の式(4)中のnは20〜100の整数である請求項1または2記載の液晶表示装置。
  6. 低屈折率層が、コーティング材組成物(ハ)の硬化皮膜である請求項1または2記載の液晶表示装置。
  7. エアロゲルの気泡の含有量が、10〜60体積%である請求項1〜6のいずれかに記載の液晶表示装置。
  8. 上記(A)の加水分解物が、式(1)の加水分解性オルガノシランをモル比[HO]/[X]が1.0〜5.0となる量の水の存在下、かつ酸触媒の存在下で加水分解して得られた、重量平均分子量が2000以上である部分加水分解物/又は完全加水分解物を含有するものである請求項〜7のいずれかに記載の液晶表示装置。
  9. 低屈折率層が、シリカエアロゲル粒子、複合エアロゲル粒子および有機エアロゲル粒子から選択される少なくとも一種の多孔質粒子をさらに含むコーティング材組成物(イ)、(ロ)または(ハ)で形成されたものである請求項1〜8のいずれかに記載の液晶表示装置。
  10. 低屈折率層が、(a)アルキルシリケートを溶媒、水、加水分解重合触媒とともに混合して加水分解重合させた後に、溶媒を乾燥除去して得た多孔質粒子、又は、(b)アルキルシリケートを溶媒、水、加水分解重合触媒とともに混合して加水分解重合させ、ゲル化前に重合を停止させることにより安定化させたオルガノシリカゾルから乾燥により溶媒を除去して得た、凝集平均粒子径が10nm以上100nm以下である多孔質粒子の少なくとも一方を含有するものである請求項1〜9のいずれかに記載の液晶表示装置。
  11. 前記光学異方体が、透明樹脂フィルムを延伸配向するか、または、樹脂フィルム表面に液晶性分子を配向形成してなるものである請求項1〜10のいずれかに記載の液晶表示装置。
  12. 前記光学異方体が、負の固有複屈折を有する透明樹脂フィルムを延伸配向してなる位相差フィルムを積層してなるものである請求項1〜11のいずれかに記載の液晶表示装置。
  13. 前記光学異方体が、1/4波長板と1/2波長板とを重ね合わせたものである請求項1〜12のいずれかに記載の液晶表示装置。
  14. 前記反射防止積層体が、ハードコート層及び前記低屈折率層を液晶セルから遠い側に向かってこの順に有するものである請求項1〜13のいずれかに記載の液晶表示装置。
  15. ハードコート層が、屈折率1.55以上である請求項1〜14のいずれかに記載の液晶表示装置。
  16. 前記反射防止積層体は、視認側からの、入射角20度における波長430nm〜700nmでの反射率の最大値が1、5%以下であり、波長550nmでの反射率が0.9%以下である請求項1〜15のいずれかに記載の液晶表示装置。
  17. 前記反射防止積層体は、スチールウール試験前後の反射率の変動が20%以下であり、且つ、全光線透過率の変動が10%以内である請求項1〜16のいずれかに記載の液晶表示装置。
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