JP4792638B2 - 半導体装置及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体装置及びその製造方法に関し、特に絶縁層で絶縁分離されたSOI(Silicon On Insulator)基板にMISトランジスタを形成した半導体装置およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、半導体装置の高速化、高密度化及び低消費電力化の要望に伴い、絶縁層上に設けたシリコンからなる半導体層に素子を形成する、いわゆるSOI基板にMISトランジスタ(以下、「SOI型MISトランジスタ」と称す)を形成した半導体装置の開発が進められている。このSOI型MISトランジスタは、素子間を絶縁分離することによって、トランジスタ底面となる基板側をも含めた完全絶縁分離が可能となるため、リーク電流の低減、電流駆動能力の向上及び短チャネル効果の抑制などを図ることができる。このため、今後クォータミクロンオーダの微細なメモリデバイスやロジック回路の基本トランジスタ構造として期待されている。
【0003】
しかしながら、一般的なSOI型MISトランジスタでは、ソース・ドレイン拡散層及び素子分離絶縁膜で囲まれたチャネル領域(以下、「ボディ領域」とも称す)は外部から電位を与えずフローティングな状態となるため、ホットキャリア効果により発生した多数キャリアがボディに蓄積することによる基板浮遊効果により、トランジスタ特性が変動してしまうという課題がある。例えば、工業調査会刊行の「半導体研究40」において、P166〜P167に記載されているように、ID−VG特性に見られる急峻な電流の立上がり、ID−VD特性に見られるキンク現象、ソース/ドレイン耐圧の低下、ID−VG特性に見られるラッチ現象等が生じ、SOI型MISトランジスタの特性が劣化する。このような特性の劣化は、基板が浮遊状態になっていることによるものであり、寄生バイポーラ効果と呼ばれる。
【0004】
この基板浮遊状態による寄生バイポーラ効果を防止する方法として、ボディコンタクト領域に電極を形成しボディの電位を固定することができるSOI型MISトランジスタ(以下、「ボディコンタクト付きSOI型MISトランジスタ」と称す)が提案されている。
【0005】
以下、従来のボディコンタクト付きSOI型MISトランジスタを有する半導体装置について説明する。図9は、従来のボディコンタクト付きSOI型MISトランジスタの一例であり、(a)は平面図、(b)は(a)のX−X断面図である。
【0006】
図9に示すように、ボディコンタクト付きSOI型MISトランジスタは、半導体基板からなる支持基板51と、支持基板51上に形成されたシリコン酸化膜からなる絶縁層52と、絶縁層52上に形成されたシリコンからなる半導体層53とで構成されたSOI基板50を用いて形成されており、支持基板51と半導体層53とが絶縁層52により互いに電気的に絶縁分離されている。
【0007】
そして、素子分離絶縁膜54に取り囲まれた半導体層53領域には、n型の高濃度ソース・ドレイン拡散層55と、高濃度ソース・ドレイン拡散層55に挟まれたp型のチャネル領域56と、チャネル領域56に接続されたp型のボディ引き出し領域57と、ボディ引き出し領域57に接続されたp型の高濃度ボディコンタクト領域58とが形成されている。
【0008】
また、ゲート電極59は、ボディ引き出し領域57、チャネル領域56および素子分離絶縁膜54の上部に跨ってゲート絶縁膜60を介して形成されており、ボディ引き出し領域57の上部に位置する第1ゲート電極部59aと、チャネル領域56の上部に位置する第2ゲート電極部59bと、素子分離絶縁膜54の上部に位置する第3ゲート電極59cとで構成されている。そして、ゲート電極59の側壁には側壁絶縁膜61が形成されており、ゲート電極59が形成された基板上には層間絶縁膜62が形成されている。
【0009】
また、素子分離絶縁膜54上に位置するゲート電極59の第3ゲート電極部59cには、層間絶縁膜62に設けられたコンタクト63aを介して配線64aに接続されており、高濃度ボディコンタクト領域58には、コンタクト63bを介して配線64bに接続されている。さらに、高濃度ソース・ドレイン拡散層55上にもコンタクト63cが設けられており、それぞれ配線に接続されている。なお、図9(a)では、配線64a、64bは図示しておらず省略している。
【0010】
図10(a)〜図10(d)は、従来のボディコンタクト付きSOI型MISトランジスタを有する半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【0011】
まず、図10(a)に示す工程で、SOI基板50は、半導体基板からなる支持基板51と、支持基板51上に形成された厚み100nmのシリコン酸化膜からなる絶縁層52と、絶縁層52上に形成された厚み150nmのシリコンからなる半導体層53とで構成されており、支持基板51とシリコン半導体層53とが絶縁層52により互いに電気的に絶縁分離されたSOI構造を有している。このSOI基板50の半導体層53の素子分離領域に絶縁層52に到達する素子分離絶縁膜54を形成する。その後、シリコン酸化膜からなるゲート用絶縁膜60xを形成した後、ゲート用絶縁膜60x上にゲート電極となる多結晶シリコン膜59xを形成する。
【0012】
次に、図10(b)に示す工程で、多結晶シリコン膜59x上にゲート電極形成用のレジスト70を形成した後、レジスト70をマスクにして多結晶シリコン膜59x及びゲート用絶縁膜60xをエッチングして、ゲート電極59及びゲート絶縁膜60を形成する。このとき、ゲート電極59は、ボディ引き出し用領域57a、チャネル用領域56aおよび素子分離絶縁膜54の上部に跨って形成されており、ボディコンタクト用領域58a上の多結晶シリコン膜59xは除去される。その後、レジスト70を除去する。次に、エクステンション注入用レジスト(図示せず)を形成し、エクステンション注入用レジスト及びゲート電極59をマスクにイオン注入を行い、ソース・ドレイン領域に選択的に高濃度エクステンション拡散層(図示せず)を形成する。その後、エクステンション注入用レジストを除去する。
【0013】
次に、図10(c)に示す工程で、全面に絶縁膜を堆積した後、異方性エッチングにより絶縁膜をエッチングすることによりゲート電極59の側壁に側壁絶縁膜61を形成する。その後、ソース・ドレイン注入用レジスト(図示せず)を形成し、ソース・ドレイン注入用レジスト、ゲート電極59及び側壁絶縁膜61をマスクにイオン注入を行い、ソース・ドレイン領域に選択的に高濃度ソース・ドレイン拡散層55を形成する。なお、高濃度ソース・ドレイン拡散層55は図9(a)のみに図示してある。その後、ソース・ドレイン注入用レジストを除去する。次に、ボディコンタクト用領域58a上に開口72が設けられたレジスト71を形成した後、レジスト71をマスクにしてp型不純物をイオン注入して、高濃度ボディコンタクト領域58を形成する。これによって、高濃度ソース・ドレイン拡散層55に挟まれたp型のチャネル領域56が、p型のボディ引き出し領域57を介してp型の高濃度ボディコンタクト領域58に接続された構造になる。
【0014】
次に、図10(d)に示す工程で、レジスト71を除去し、全面に層間絶縁膜62を形成した後、ゲート電極59、高濃度ソース・ドレイン拡散層55及び高濃度ボディコンタクト領域58上にコンタクト窓を形成する。その後、コンタクト窓内に金属膜を埋め込みコンタクト63a、63b、63cをそれぞれ形成する。なお、コンタクト63cは図9(a)のみに図示してある。その後、コンタクト63a、63bに接続される配線64a,64bを形成する。このとき、コンタクト63cに接続される配線も同時に形成される。これによって、図9に示すようなボディコンタクト付きSOI型MISトランジスタを有する半導体装置を形成することができる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来のボディコンタクト付きSOI型MISトランジスタを有する半導体装置及びその製造方法では、図9(b)及び図10(d)に示すように、チャネル領域56とボディ引き出し領域57の不純物濃度及び不純物プロファイルは同程度であり、且つ、チャネル領域56及びボディ引き出し領域57上のゲート絶縁膜60及びゲート電極59も同様に形成される。したがって、素子の微細化に伴い、全ゲート容量におけるボディ引き出し領域57とゲート電極59(第1ゲート電極部59a)との間に形成される不要なゲート容量の占める割合が増大するため、トランジスタの処理速度の高速化が図れないという課題がある。
【0016】
本発明は、基板浮遊効果による寄生バイポーラ効果を防止し、且つ、ゲート容量及びコンタクト抵抗の低減を行い、トランジスタ特性の向上を図ることができるボディコンタクト付きSOI型MISトランジスタを有する半導体装置及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明が講じた解決手段は、ボディ引き出し領域におけるしきい値がチャネル領域におけるしきい値に比べて深くなる手段を設けることにある。
【0018】
本発明に係る半導体装置の基本的な構成は、支持基板と、支持基板上に形成された絶縁層と、絶縁層上に形成された半導体層とで構成されたSOI基板に形成されたMISトランジスタを有する半導体装置において、MISトランジスタは、半導体層の素子分離領域に設けられた前記絶縁層に達する素子分離絶縁膜と、素子分離絶縁膜に取り囲まれており、第1導電型のソース・ドレイン領域と、ソース・ドレイン領域に挟まれた第2導電型のチャネル領域と、チャネル領域に接続された第2導電型のボディ引き出し領域と、ボディ引き出し領域に接続された第2導電型のボディコンタクト領域とからなる半導体層領域と、ボディ引き出し領域の上部に形成された第1ゲート電極部と、チャネル領域の上部に形成された第2ゲート電極部と、素子分離絶縁膜の上部に形成された第3ゲート電極とからなるゲート電極とを備え、第1ゲート電極部と下地のボディ引き出し領域との間に形成された絶縁膜の膜厚は、第2ゲート電極部と下地のチャネル領域との間に形成されたゲート絶縁膜の膜厚と同等であり、ゲート電極の導電型は第1導電型であり、第1ゲート電極部の全体に亘って、第1ゲート電極部と下地のボディ引き出し領域との仕事関数差が、第2ゲート電極部と下地のチャネル領域との仕事関数差に比べて大きく、第1ゲート電極部下のボディ引き出し領域におけるしきい値が、実効チャネル領域となる第2ゲート電極部下の前記チャネル領域におけるしきい値に比べて深くなっている。
【0019】
この本発明の構成では、第1ゲート電極部下のボディ引き出し領域におけるしきい値が、実効チャネル領域となる第2ゲート電極部下のチャネル領域におけるしきい値に比べて深くなる(しきい値の絶対値が高くなる)ので、ボディ引き出し領域部におけるゲート容量が低減され、トランジスタの動作速度が向上して高性能な半導体装置を得ることができる。
【0022】
また、上記半導体装置において、第1ゲート電極部には、第2のゲート電極部よりも仕事関数が大きくなる材料が含まれている。
【0023】
また、上記半導体装置において、第1ゲート電極部の第1導電型の不純物濃度が、第2ゲート電極部の第1導電型の不純物濃度に比べて低濃度である。
【0024】
また、半導体装置において、ボディ引き出し領域の第2導電型の不純物濃度が、チャネル領域の第2導電型の不純物濃度に比べて高濃度である。
【0027】
本発明に係る第1の半導体装置の製造方法は、支持基板と、支持基板上に形成された絶縁層と、絶縁層上に形成された半導体層とで構成されたSOI基板に、第2導電型のチャネル領域が第2導電型のボディ引き出し領域を介して第2導電型のボディコンタクト領域に接続されたMISトランジスタを有する半導体装置の製造方法において、半導体層における素子分離領域に絶縁層に達する素子分離絶縁膜を形成する工程(a)と、工程(a)の後に半導体層上にゲート絶縁膜を形成する工程(b)と、ボディ引き出し領域上にゲート絶縁膜を介して形成された第1ゲート電極部と、チャネル領域上にゲート絶縁膜を介して形成された第2ゲート電極部と、素子分離絶縁膜上に形成された第3ゲート電極部からなるゲート電極を形成する工程(c)と、少なくとも第2ゲート電極部に第1の不純物を導入する工程(d)と、第1ゲート電極部に第2のゲート電極部よりも仕事関数が大きくなる第2の不純物を導入する工程(e)と、半導体層に第1導電型の不純物を導入してソース・ドレイン領域を形成する工程(f)とを備えている。
【0028】
この製造方法によれば、ボディ引き出し領域上の第1ゲート電極部は、チャネル領域上の第2ゲート電極部に比べて仕事関数が大きくなる不純物を含むため、第1ゲート電極部と下地のボディ引き出し領域との仕事関数差が、第2ゲート電極部と下地のチャネル領域との仕事関数差に比べて大きくなる。従って、第1ゲート電極部下のボディ引き出し領域におけるしきい値を、実効チャネル領域となる第2ゲート電極部下のチャネル領域におけるしきい値に比べて深くすることができる。これによって、ボディ引き出し領域部におけるゲート容量が低減され、トランジスタの動作速度が向上して高性能な半導体装置を得ることができる。
【0029】
上記第1の半導体装置の製造方法において、第1の不純物が、ヒ素及びリンのうち少なくとも1つの不純物からなり、第2の不純物が、Ti、Hf、Zr、V、Cr、Mo、Ta、W、Ni、Co,Pt、Pd及びRhのうち少なくとも1つの不純物からなる。
【0030】
本発明に係る第2の半導体装置の製造方法は、支持基板と、支持基板上に形成された絶縁層と、絶縁層上に形成された半導体層とで構成されたSOI基板に、第2導電型のチャネル領域が第2導電型のボディ引き出し領域を介して第2導電型のボディコンタクト領域に接続されたMISトランジスタを有する半導体装置の製造方法において、半導体層における素子分離領域に絶縁層に達する素子分離絶縁膜を形成する工程(a)と、工程(a)の後に、半導体層上にゲート絶縁膜を形成する工程(b)と、ボディ引き出し領域上にゲート絶縁膜を介して形成された第1ゲート電極部と前記チャネル領域上にゲート絶縁膜を介して形成された第2ゲート電極部と素子分離絶縁膜上に形成された第3ゲート電極部とからなるゲート電極を形成する工程(c)と、半導体層に第1導電型の不純物を導入してソース・ドレイン領域を形成する工程(d)と、第2ゲート電極部に比べて第1ゲート電極部の第1導電型の不純物濃度が低濃度になるように形成する工程(e)とを備え、工程(d)では、第1ゲート電極部及び第2ゲート電極部に第1導電型の第1の不純物を導入した後、第1ゲート電極部に第2導電型の第2の不純物を導入して、第1ゲート電極部に含まれる第1導電型の不純物濃度を、第2ゲート電極部に含まれる第1導電型の不純物濃度よりも低濃度にする。
【0031】
この製造方法によれば、ボディ引き出し領域上の第1ゲート電極部は、チャネル領域上の第2ゲート電極部に比べて第1導電型の不純物濃度が低いため、第1ゲート電極部と下地のボディ引き出し領域との仕事関数差が、第2ゲート電極部と下地のチャネル領域との仕事関数差に比べて大きくなる。従って、第1ゲート電極部下のボディ引き出し領域におけるしきい値が、実効チャネル領域となる第2ゲート電極部下のチャネル領域におけるしきい値に比べて深くすることができる。これによって、ボディ引き出し領域部におけるゲート容量が低減され、トランジスタの動作速度が向上して高性能な半導体装置を得ることができる。
【0033】
また、上記第2の半導体装置の製造方法において、第1ゲート電極部及び前記第2ゲート電極部に第1導電型の第1の不純物を導入する工程は、工程(d)のソース・ドレイン領域を形成するための第1導電型の不純物導入と同時に行い、第1ゲート電極部に第2導電型の第2の不純物を導入する工程は、ボディコンタクト領域を形成するための第2導電型の不純物導入と同時に行う。これによって、ボディ引き出し領域上の第1ゲート電極部には、ボディコンタクト領域形成用の第2導電型の第2の不純物が導入されるため、第1ゲート電極部中の第1導電型の第1の不純物が相殺され、チャネル領域上に形成される第2ゲート電極部に比べて、第1導電型の第1の不純物の不純物濃度が低くなる。
【0034】
本発明に係る第3の半導体装置の製造方法は、支持基板と、支持基板上に形成された絶縁層と、絶縁層上に形成された半導体層とで構成されたSOI基板に、第2導電型のチャネル領域が第2導電型のボディ引き出し領域を介して第2導電型のボディコンタクト領域に接続されたMISトランジスタを有する半導体装置の製造方法において、半導体層における素子分離領域に絶縁層に達する素子分離絶縁膜を形成する工程(a)と、工程(a)の後に、ボディ引き出し領域の全体にチャネル領域の第2導電型の不純物濃度よりも高濃度になるように第2導電型の不純物を導入する工程(b)と、工程(b)の後に、半導体層上にゲート絶縁膜を形成する工程(c)と、ボディ引き出し領域上にゲート絶縁膜を介して形成された第1ゲート電極部とチャネル領域上にゲート絶縁膜を介して形成された第2ゲート電極部と素子分離絶縁膜上に形成された第3ゲート電極部とからなるゲート電極を形成する工程(d)と、半導体層に第1導電型の不純物を導入してソース・ドレイン領域を形成する工程(e)とを備えている。
【0035】
この製造方法によれば、ボディ引き出し領域の第2導電型の不純物濃度をチャネル領域のp型不純物濃度よりも高濃度にするため、ボディ引き出し領域の仕事関数がチャネル領域の仕事関数に比べて小さくなる。そのため、第1ゲート電極部と下地のボディ引き出し領域との仕事関数差が、第2ゲート電極部と下地のチャネル領域との仕事関数差に比べて大きくなる。従って、第1ゲート電極部下のボディ引き出し領域におけるしきい値が、実効チャネル領域となる第2ゲート電極部下のチャネル領域におけるしきい値に比べて深くすることができる。これによって、ボディ引き出し領域部におけるゲート容量が低減され、トランジスタの動作速度が向上して高性能な半導体装置を得ることができる。
【0036】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)
まず、本発明の第1の実施形態に係るボディコンタクト付きSOI型MISトランジスタを有する半導体装置及びその製造方法について説明する。図1は、本発明の第1の実施形態に係るボディコンタクト付きSOI型MISトランジスタを有する半導体装置の一例であり、(a)は平面図、(b)は(a)のA−A断面図である。
【0037】
図1に示すように、第1の実施形態に係るボディコンタクト付きSOI型MISトランジスタは、半導体基板からなる支持基板1と、支持基板1上に形成されたシリコン酸化膜からなる絶縁層2と、絶縁層2上に形成されたシリコンからなる半導体層3とで構成されたSOI基板100を用いて形成されており、支持基板1と半導体層3とが絶縁層2により互いに電気的に絶縁分離されている。
【0038】
そして、素子分離絶縁膜4に取り囲まれた半導体層3領域には、n型の高濃度ソース・ドレイン拡散層5と、高濃度ソース・ドレイン拡散層5に挟まれたp型のチャネル領域6と、チャネル領域6に接続されたp型のボディ引き出し領域7と、ボディ引き出し領域7に接続されたp型の高濃度ボディコンタクト領域8とが形成されている。
【0039】
また、ゲート電極9は、ボディ引き出し領域7の上部に位置する第1ゲート電極部9aと、チャネル領域6の上部に位置する第2ゲート電極部9bと、素子分離絶縁膜4の上部に位置する第3ゲート電極9cとで構成されている。そして、チャネル領域6上には、第2ゲート電極部9bとの間に、所定の膜厚を有するシリコン酸化膜あるいはシリコン酸窒化膜などからなるゲート絶縁膜10が形成されている。また、ボディ引き出し領域7上には、第1ゲート電極部9aとの間に、ゲート絶縁膜10よりも膜厚の厚いシリコン酸化膜あるいはシリコン酸窒化膜からなる絶縁膜20が形成されている。そして、ゲート電極9の側壁には側壁絶縁膜11が形成されており、ゲート電極9が形成された基板上には層間絶縁膜12が形成されている。
【0040】
また、素子分離絶縁膜4上に位置するゲート電極9の第3ゲート電極部9cには、層間絶縁膜12に設けられたコンタクト13aを介して配線14aに接続されており、高濃度ボディコンタクト領域8には、コンタクト13bを介して配線14bに接続されている。さらに、高濃度ソース・ドレイン拡散層5上にもコンタクト13cが設けられており、それぞれ配線(図示せず)に接続されている。
なお、図1(a)には、配線14a、14bの図示を省略している。
【0041】
図2(a)〜図2(d)は、本発明の第1の実施形態に係るボディコンタクト付きSOI型MISトランジスタを有する半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【0042】
まず、図2(a)に示す工程で、SOI基板100は、半導体基板からなる支持基板1と、支持基板1上に形成された厚み100nmのシリコン酸化膜からなる絶縁層2と、絶縁層2上に形成された厚み150nmのシリコンからなる半導体層3とで構成されており、支持基板1とシリコン半導体層3とが絶縁層2により互いに電気的に絶縁分離されたSOI構造を有している。このSOI基板100の半導体層3の素子分離領域に絶縁層2に到達する素子分離絶縁膜4を形成する。その後、半導体層3上に厚み7.5nmの絶縁膜を形成した後、少なくともボディ引き出し用領域7a上を覆うレジスト21を形成した後、レジスト21をマスクにチャネル用領域6a及びソース・ドレイン用領域(図示せず)上の絶縁膜をエッチング除去して絶縁膜20xを形成する。なお、この絶縁膜20xは、ゲート絶縁膜よりも膜厚が厚くなるように、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜、シリコン酸窒化膜、あるいは、これらの積層膜で形成すれば良い。
【0043】
次に、図2(b)に示す工程で、レジスト21を除去した後、絶縁膜20xよりも膜厚を薄く厚み3.5nmのゲート用絶縁膜10xを形成した後、ゲート用絶縁膜10x上にゲート電極となる多結晶シリコン膜9xを形成する。
【0044】
次に、図2(c)に示す工程で、多結晶シリコン膜9x上にゲート電極形成用のレジスト(図示せず)を形成した後、レジストをマスクにして多結晶シリコン膜9x、ゲート用絶縁膜10x及び絶縁膜20xをエッチングして、ゲート電極9、ゲート絶縁膜10及び絶縁膜20を形成する。このとき、ゲート電極9は、ボディ引き出し用領域7a、チャネル用領域6aおよび素子分離絶縁膜4の上部に跨って形成されており、ボディコンタクト用領域8a上の多結晶シリコン膜9xは除去される。
【0045】
その後、レジストを除去する。次に、エクステンション注入用レジスト(図示せず)を形成し、エクステンション注入用レジスト及びゲート電極9をマスクにヒ素のイオン注入をエネルギー10keV,ドーズ量4×1014/cm2で行い、ソース・ドレイン領域に選択的にn型の高濃度エクステンション拡散層(図示せず)を形成する。その後、エクステンション注入用レジストを除去する。
【0046】
その後、全面に絶縁膜を堆積した後、異方性エッチングにより絶縁膜をエッチングすることによりゲート電極9の側壁に側壁絶縁膜11を形成する。その後、ソース・ドレイン注入用レジスト(図示せず)を形成し、ソース・ドレイン注入用レジスト、ゲート電極9及び側壁絶縁膜11をマスクにヒ素のイオン注入をエネルギー20keV,ドーズ量3×1014/cm2で行い、ソース・ドレイン領域に選択的にn型の高濃度ソース・ドレイン拡散層5を形成する。なお、高濃度ソース・ドレイン拡散層5は図1(a)のみに図示してある。その後、ソース・ドレイン注入用レジストを除去する。次に、ボディコンタクト用領域8a上に開口23が設けられたボディコンタクト注入用レジスト22を形成した後、レジスト22をマスクにしてボロンのイオン注入をエネルギー5keV,ドーズ量2×1015/cm2で行い、高濃度ボディコンタクト領域8を形成する。これによって、高濃度ソース・ドレイン拡散層5に挟まれたp型のチャネル領域6が、p型のボディ引き出し領域7を介してp型の高濃度ボディコンタクト領域8に接続された構造になる。
【0047】
次に、図2(d)に示す工程で、レジスト22を除去し、全面に層間絶縁膜12を形成した後、ゲート電極9、高濃度ソース・ドレイン拡散層5及び高濃度ボディコンタクト領域8上にコンタクト窓を形成する。その後、コンタクト窓内に金属膜を埋め込みコンタクト13a、13b、13cをそれぞれ形成する。なお、コンタクト13cは図1(a)のみに図示してある。その後、コンタクト13a、13bに接続される配線14a,14bを形成する。このとき、コンタクト13cに接続される配線も同時に形成される。これによって、図1に示すようなボディコンタクト付きSOI型MISトランジスタを有する半導体装置を形成することができる。
【0048】
以上、本発明の第1の実施形態における半導体装置及びその製造方法によれば、ボディ引き出し領域7と第1ゲート電極部9aとの間に形成される絶縁膜20は、チャネル領域6と第2ゲート電極部9bとの間に形成されるゲート絶縁膜10に比べて膜厚が厚く形成される。従って、第1ゲート電極部9a下のボディ引き出し領域7におけるしきい値が、実効チャネル領域となる第2ゲート電極部9b下のチャネル領域6におけるしきい値に比べて深くなる(しきい値の絶対値が高くなる)ので、ボディ引き出し領域7部におけるゲート容量が従来の図9のような構造に比べて低減され、トランジスタの動作速度が向上して高性能な半導体装置を得ることができる。
【0049】
(第2の実施形態)
まず、本発明の第2の実施形態に係るボディコンタクト付きSOI型MISトランジスタを有する半導体装置及びその製造方法について説明する。図3は、本発明の第2の実施形態に係るボディコンタクト付きSOI型MISトランジスタの一例であり、(a)は平面図、(b)は(a)のB−B断面図である。
【0050】
図3に示すように、第2の実施形態に係るボディコンタクト付きSOI型MISトランジスタは、半導体基板からなる支持基板1と、支持基板1上に形成されたシリコン酸化膜からなる絶縁層2と、絶縁層2上に形成されたシリコンからなる半導体層3とで構成されたSOI基板100を用いて形成されており、支持基板1と半導体層3とが絶縁層2により互いに電気的に絶縁分離されている。
【0051】
そして、素子分離絶縁膜4に取り囲まれた半導体層3領域には、n型の高濃度ソース・ドレイン拡散層5と、高濃度ソース・ドレイン拡散層5に挟まれたp型のチャネル領域6と、チャネル領域6に接続されたp型のボディ引き出し領域7と、ボディ引き出し領域7に接続されたp型の高濃度ボディコンタクト領域8とが形成されている。
【0052】
また、ゲート電極25は、ボディ引き出し領域7、チャネル領域6および素子分離絶縁膜4の上部に跨ってゲート絶縁膜26を介して形成されており、ボディ引き出し領域7の上部に位置する第1ゲート電極部25aと、チャネル領域6の上部に位置する第2ゲート電極部25bと、素子分離絶縁膜4の上部に位置する第3ゲート電極25cとで構成されている。このゲート電極25のうち、第2ゲート電極部25b及び第3ゲート電極部25cには、ヒ素(As)やリン(P)などのn型不純物が導入されている。一方、第1ゲート電極部25aには、第2ゲート電極部25bや第3ゲート電極部25cよりも仕事関数が大きくなる材料、例えばTi、Hf、Zr、V、Cr、Mo、Ta、W、Ni、Co,Pt、Pd及びRhのうち少なくとも1つの不純物が導入されている。そして、ゲート電極25の側壁には側壁絶縁膜11が形成されており、ゲート電極25が形成された基板上には層間絶縁膜12が形成されている。
【0053】
また、素子分離絶縁膜4上に位置するゲート電極25の第3ゲート電極部25cには、層間絶縁膜12に設けられたコンタクト13aを介して配線14aに接続されており、高濃度ボディコンタクト領域8には、コンタクト13bを介して配線14bに接続されている。さらに、高濃度ソース・ドレイン拡散層5上にもコンタクト13cが設けられており、それぞれ配線(図示せず)に接続されている。なお、図3(a)には、配線14a、14bの図示を省略している。
【0054】
図4(a)〜図4(d)は、本発明の第2の実施形態に係るボディコンタクト付きSOI型MISトランジスタを有する半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【0055】
まず、図4(a)に示す工程で、SOI基板100は、半導体基板からなる支持基板1と、支持基板1上に形成された厚み100nmのシリコン酸化膜からなる絶縁層2と、絶縁層2上に形成された厚み150nmのシリコンからなる半導体層3とで構成されており、支持基板1とシリコン半導体層3とが絶縁層2により互いに電気的に絶縁分離されたSOI構造を有している。このSOI基板100の半導体層3の素子分離領域に絶縁層2に到達する素子分離絶縁膜4を形成する。次に、シリコン酸化膜からなるゲート用絶縁膜26xを形成した後、ゲート用絶縁膜26x上にゲート電極となる多結晶シリコン膜25xを形成する。その後、多結晶シリコン膜25x上に仕事関数の大きい材料膜、例えばTi膜を30nm程度の厚さで形成する。次に、少なくともボディ引き出し用領域7a上を覆うレジスト(図示せず)を形成した後、レジストをマスクにチャネル用領域6a及びソース・ドレイン用領域(図示せず)上のTi膜をエッチング除去してTi膜27を形成する。その後、Ti膜27上のレジストを除去してから熱処理を行うことによって、多結晶シリコン膜25xとTi膜27とを反応させてチタン含有多結晶シリコン膜(チタンシリサイド膜)25yを形成する。なお、仕事関数の大きい材料膜としては、Ti、Hf、Zr、V、Cr、Mo、Ta、W、Ni、Co,Pt、Pd及びRhのうち少なくとも1つの不純物を含む材料膜を用いてもよい。
【0056】
次に、図4(b)に示す工程で、チタン含有多結晶シリコン膜25y上に残存するTi膜27を除去した後、多結晶シリコン膜25x及びチタン含有多結晶シリコン膜25y上にゲート電極形成用のレジスト28を形成する。その後、レジスト28をマスクにして多結晶シリコン膜25x、チタン含有多結晶シリコン膜25y及びゲート絶縁膜26xをエッチングして、第1ゲート電極部25aと第2のゲート電極部25bと第3ゲート電極部25cからなるゲート電極25およびゲート絶縁膜26を形成する。このとき、ゲート電極25は、ボディ引き出し用領域7a、チャネル用領域6aおよび素子分離絶縁膜4の上部に跨って形成されており、ボディコンタクト用領域8a上のチタン含有多結晶シリコン膜25yは除去される。なお、チタン含有多結晶シリコン膜25yは、完全にチタンシリサイド膜にしてもよい。
【0057】
その後、レジスト28を除去する。次に、エクステンション注入用レジスト(図示せず)を形成し、エクステンション注入用レジスト及びゲート電極25をマスクにしてヒ素イオンのイオン注入を行い、ソース・ドレイン領域に選択的にn型の高濃度エクステンション拡散層(図示せず)を形成する。その後、エクステンション注入用レジストを除去する。
【0058】
次に、図4(c)に示す工程で、全面に絶縁膜を堆積した後、異方性エッチングにより絶縁膜をエッチングすることによりゲート電極25の側壁に側壁絶縁膜11を形成する。その後、ソース・ドレイン注入用レジスト(図示せず)を形成し、ソース・ドレイン注入用レジスト、ゲート電極25及び側壁絶縁膜11をマスクにヒ素イオンのイオン注入を行い、ソース・ドレイン領域に選択的にn型の高濃度ソース・ドレイン拡散層5を形成する。なお、高濃度ソース・ドレイン拡散層5は図3(a)のみに図示してある。その後、ソース・ドレイン注入用レジストを除去する。次に、ボディコンタクト用領域8a上に開口29が設けられたボディコンタクト注入用レジスト30を形成した後、レジスト30をマスクにしてp型不純物をイオン注入して、高濃度ボディコンタクト領域8を形成する。これによって、高濃度ソース・ドレイン拡散層5に挟まれたp型のチャネル領域6が、p型のボディ引き出し領域7を介してp型の高濃度ボディコンタクト領域8に接続された構造になる。
【0059】
次に、図4(d)に示す工程で、レジスト22を除去し、全面に層間絶縁膜12を形成した後、ゲート電極25、高濃度ソース・ドレイン拡散層5及び高濃度ボディコンタクト領域8上にコンタクト窓を形成する。その後、コンタクト窓内に金属膜を埋め込みコンタクト13a、13b、13cをそれぞれ形成する。なお、コンタクト13cは図3(a)のみに図示してある。その後、コンタクト13a、13bに接続される配線14a,14bを形成する。このとき、コンタクト13cに接続される配線も同時に形成される。これによって、図3に示すようなボディコンタクト付きSOI型MISトランジスタを有する半導体装置を形成することができる。
【0060】
以上、本発明の第2の実施形態における半導体装置及びその製造方法によれば、チャネル領域6及び素子分離絶縁膜4上に形成される第2ゲート電極部25b及び第3ゲート電極部25cには、高濃度エクステンション拡散層及び高濃度ソース・ドレイン拡散層5を形成する時に、同時にヒ素イオンが注入され低抵抗化される。また、ボディ引き出し領域7上に形成される第1ゲート電極部25aには、ヒ素が導入された第2ゲート電極部25b及び第3ゲート電極部25cよりも仕事関数が大きくなるチタンが含有されている。このように、ボディ引き出し領域7上の第1ゲート電極部25aは、チャネル領域6上の第2ゲート電極部25bに比べて仕事関数が大きい不純物を含むため、第1ゲート電極部25aと下地のボディ引き出し領域7との仕事関数差が、第2ゲート電極部25bと下地のチャネル領域6との仕事関数差に比べて大きくなる。つまり、第1ゲート電極部25a下のボディ引き出し領域7におけるしきい値が、実効チャネル領域となる第2ゲート電極部25b下のチャネル領域6におけるしきい値に比べて深くなる(しきい値の絶対値が高くなる)ので、ボディ引き出し領域7部におけるゲート容量が従来の図9のような構造に比べて低減され、トランジスタの動作速度が向上して高性能な半導体装置を得ることができる。
【0061】
(第3の実施形態)
まず、本発明の第3の実施形態に係るボディコンタクト付きSOI型MISトランジスタを有する半導体装置及びその製造方法について説明する。図5は、本発明の第3の実施形態に係るボディコンタクト付きSOI型MISトランジスタの一例であり、(a)は平面図、(b)は(a)のC−C断面図である。
【0062】
図5に示すように、第3の実施形態に係るボディコンタクト付きSOI型MISトランジスタは、半導体基板からなる支持基板1と、支持基板1上に形成されたシリコン酸化膜からなる絶縁層2と、絶縁層2上に形成されたシリコンからなる半導体層3とで構成されたSOI基板100を用いて形成されており、支持基板1と半導体層3とが絶縁層2により互いに電気的に絶縁分離されている。
【0063】
そして、素子分離絶縁膜4に取り囲まれた半導体層3領域には、n型の高濃度ソース・ドレイン拡散層5と、高濃度ソース・ドレイン拡散層5に挟まれたp型のチャネル領域6と、チャネル領域6に接続されたp型のボディ引き出し領域7と、ボディ引き出し領域7に接続されたp型の高濃度ボディコンタクト領域8とが形成されている。
【0064】
また、ゲート電極31は、ボディ引き出し領域7、チャネル領域6および素子分離絶縁膜4の上部に跨ってゲート絶縁膜32を介して形成されており、ボディ引き出し領域7の上部に位置する第1ゲート電極部31aと、チャネル領域6の上部に位置する第2ゲート電極部31bと、素子分離絶縁膜4の上部に位置する第3ゲート電極31cとで構成されている。このゲート電極31のうち、第1ゲート電極部31aのn型の不純物濃度が、第2ゲート電極部31b及び第3ゲート電極部31cのn型の不純物濃度に比べて低く形成されている。そして、ゲート電極31の側壁には側壁絶縁膜11が形成されており、ゲート電極31が形成された基板上には層間絶縁膜12が形成されている。
【0065】
また、素子分離絶縁膜4上に位置するゲート電極31の第3ゲート電極部31cには、層間絶縁膜12に設けられたコンタクト13aを介して配線14aに接続されており、高濃度ボディコンタクト領域8には、コンタクト13bを介して配線14bに接続されている。さらに、高濃度ソース・ドレイン拡散層5上にもコンタクト13cが設けられており、それぞれ配線(図示せず)に接続されている。なお、図5(a)には、配線14a、14bの図示を省略している。
【0066】
図6(a)〜図6(d)は、本発明の第3の実施形態に係るボディコンタクト付きSOI型MISトランジスタを有する半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【0067】
まず、図6(a)に示す工程で、SOI基板100は、半導体基板からなる支持基板1と、支持基板1上に形成された厚み100nmのシリコン酸化膜からなる絶縁層2と、絶縁層2上に形成された厚み150nmのシリコンからなる半導体層3とで構成されており、支持基板1とシリコン半導体層3とが絶縁層2により互いに電気的に絶縁分離されたSOI構造を有している。このSOI基板100の半導体層3の素子分離領域に絶縁層2に到達する素子分離絶縁膜4を形成する。次に、シリコン酸化膜からなるゲート用絶縁膜32xを形成した後、ゲート用絶縁膜32x上にゲート電極となる多結晶シリコン膜31xを形成する。
【0068】
次に、図6(b)に示す工程で、多結晶シリコン膜31x上にゲート電極形成用のレジスト33を形成する。その後、レジスト33をマスクにして多結晶シリコン膜31x及びゲート絶縁膜32xをエッチングして、ゲート電極31およびゲート絶縁膜32を形成する。このとき、ゲート電極31は、ボディ引き出し用領域7a、チャネル用領域6aおよび素子分離絶縁膜4の上部に跨って形成されており、ボディコンタクト用領域8a上の多結晶シリコン膜31xは除去される。
【0069】
次に、レジスト33を除去した後、エクステンション注入用レジスト(図示せず)を形成し、エクステンション注入用レジスト及びゲート電極31をマスクにしてヒ素イオンのイオン注入をエネルギー10keV,ドーズ量4×1014/cm2で行い、ソース・ドレイン領域に選択的にn型の高濃度エクステンション拡散層(図示せず)を形成する。その後、エクステンション注入用レジストを除去する。
【0070】
次に、図6(c)に示す工程で、全面に絶縁膜を堆積した後、異方性エッチングにより絶縁膜をエッチングすることによりゲート電極31の側壁に側壁絶縁膜11を形成する。その後、ソース・ドレイン注入用レジスト(図示せず)を形成し、ソース・ドレイン注入用レジスト、ゲート電極31及び側壁絶縁膜11をマスクにヒ素イオンのイオン注入をエネルギー20keV,ドーズ量3×1014/cm2で行い、ソース・ドレイン領域に選択的にn型の高濃度ソース・ドレイン拡散層5を形成する。なお、高濃度ソース・ドレイン拡散層5は図5(a)のみに図示してある。
【0071】
その後、ソース・ドレイン注入用レジストを除去する。次に、ボディコンタクト用領域8a上及びボディ引き出し用領域7a上に開口34が設けられたボディコンタクト注入用レジスト35を形成した後、レジスト35をマスクにしてボロンのイオン注入をエネルギー5keV,ドーズ量2×1015/cm2で行い、高濃度ボディコンタクト領域8を形成する。これによって、高濃度ソース・ドレイン拡散層5に挟まれたp型のチャネル領域6が、p型のボディ引き出し領域7を介してp型の高濃度ボディコンタクト領域8に接続された構造になる。
【0072】
さらに、ボディ引き出し領域7上の第1ゲート電極部31aには、ボディコンタクト領域形成用のp型不純物が導入されるため、チャネル領域6上の第2ゲート電極部31b及び素子分離絶縁膜4上の第3ゲート電極部31cに比べてn型不純物(As)が相殺されるので不純物濃度が低くなる。
【0073】
次に、図6(d)に示す工程で、レジスト35を除去し、全面に層間絶縁膜12を形成した後、ゲート電極31、高濃度ソース・ドレイン拡散層5及び高濃度ボディコンタクト領域8上にコンタクト窓を形成する。その後、コンタクト窓内に金属膜を埋め込みコンタクト13a、13b、13cをそれぞれ形成する。なお、コンタクト13cは図5(a)のみに図示してある。その後、コンタクト13a、13bに接続される配線14a,14bを形成する。このとき、コンタクト13cに接続される配線も同時に形成される。これによって、図5に示すようなボディコンタクト付きSOI型MISトランジスタを有する半導体装置を形成することができる。
【0074】
以上、本発明の第3の実施形態における半導体装置及びその製造方法によれば、ボディ引き出し領域7上の第1ゲート電極部31aには、ボディコンタクト領域形成用のp型不純物が導入されるため、チャネル領域6及び素子分離絶縁膜4上に形成される第2ゲート電極部31b及び第3ゲート電極部31cに比べて、n型不純物の不純物濃度が低くなる。つまり、高濃度エクステンション拡散層及び高濃度ソース・ドレイン拡散層5を形成する時に、ゲート電極31にイオン注入されたヒ素イオンのうち、第1ゲート電極部31aのヒ素イオンがボディコンタクト領域形成用のp型不純物が導入されることによって相殺されるので、n型不純物濃度が低下する。このように、ボディ引き出し領域7上の第1ゲート電極部31aは、チャネル領域6上の第2ゲート電極部31bに比べてn型不純物濃度が低いため、第1ゲート電極部31aと下地のボディ引き出し領域7との仕事関数差が、第2ゲート電極部31bと下地のチャネル領域6との仕事関数差に比べて大きくなる。つまり、第1ゲート電極部31a下のボディ引き出し領域7におけるしきい値が、実効チャネル領域となる第2ゲート電極部31b下のチャネル領域6におけるしきい値に比べて深くなる(しきい値の絶対値が高くなる)ので、ボディ引き出し領域7部におけるゲート容量が従来の図9のような構造に比べて低減され、トランジスタの動作速度が向上して高性能な半導体装置を得ることができる。
【0075】
(第4の実施形態)
まず、本発明の第4の実施形態に係るボディコンタクト付きSOI型MISトランジスタを有する半導体装置及びその製造方法について説明する。図7は、本発明の第4の実施形態に係るボディコンタクト付きSOI型MISトランジスタの一例であり、(a)は平面図、(b)は(a)のD−D断面図である。
【0076】
図7に示すように、第4の実施形態に係るボディコンタクト付きSOI型MISトランジスタは、半導体基板からなる支持基板1と、支持基板1上に形成されたシリコン酸化膜からなる絶縁層2と、絶縁層2上に形成されたシリコンからなる半導体層3とで構成されたSOI基板100を用いて形成されており、支持基板1と半導体層3とが絶縁層2により互いに電気的に絶縁分離されている。
【0077】
そして、素子分離絶縁膜4に取り囲まれた半導体層3領域には、n型の高濃度ソース・ドレイン拡散層5と、高濃度ソース・ドレイン拡散層5に挟まれたp型のチャネル領域16と、チャネル領域16に接続されたチャネル領域16よりも高濃度のp型不純物濃度を有するボディ引き出し領域17と、ボディ引き出し領域17に接続されたp型の高濃度ボディコンタクト領域18とが形成されている。
【0078】
また、ゲート電極36は、ボディ引き出し領域17、チャネル領域16および素子分離絶縁膜4の上部に跨ってゲート絶縁膜37を介して形成されており、ボディ引き出し領域17の上部に位置する第1ゲート電極部36aと、チャネル領域16の上部に位置する第2ゲート電極部36bと、素子分離絶縁膜4の上部に位置する第3ゲート電極36cとで構成されている。そして、ゲート電極36の側壁には側壁絶縁膜11が形成されており、ゲート電極36が形成された基板上には層間絶縁膜12が形成されている。
【0079】
また、素子分離絶縁膜4上に位置するゲート電極36の第3ゲート電極部36cには、層間絶縁膜12に設けられたコンタクト13aを介して配線14aに接続されており、高濃度ボディコンタクト領域18には、コンタクト13bを介して配線14bに接続されている。さらに、高濃度ソース・ドレイン拡散層5上にもコンタクト13cが設けられており、それぞれ配線(図示せず)に接続されている。なお、図7(a)には、配線14a、14bの図示を省略している。
【0080】
図8(a)〜図8(d)は、本発明の第4の実施形態に係るボディコンタクト付きSOI型MISトランジスタを有する半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【0081】
まず、図8(a)に示す工程で、SOI基板100は、半導体基板からなる支持基板1と、支持基板1上に形成された厚み100nmのシリコン酸化膜からなる絶縁層2と、絶縁層2上に形成された厚み150nmのシリコンからなる半導体層3とで構成されており、支持基板1とシリコン半導体層3とが絶縁層2により互いに電気的に絶縁分離されたSOI構造を有している。このSOI基板100の半導体層3の素子分離領域に絶縁層2に到達する素子分離絶縁膜4を形成する。次に、ボディ引き出し用領域及びボディコンタクト用領域上が開口されたレジスト(図示せず)形成した後、レジストをマスクにしてボロンのイオン注入をエネルギー30keV,ドーズ量1〜2×1013/cm2で行い、ボディ引き出し用領域17a及びボディコンタクト用領域18aを形成する。このとき、ボディ引き出し用領域17aのp型不純物濃度がチャネル用領域16aのp型不純物濃度が高濃度になるように形成する。なお、本実施の形態では、ボディ引き出し用領域17a及びボディコンタクト用領域18aの両領域にボロンのイオン注入を行ったが、少なくてもボディ引き出し用領域17aにp型不純物が注入されれば良い。その後、レジストを除去し、シリコン酸化膜からなるゲート用絶縁膜37xを形成した後、ゲート用絶縁膜37x上にゲート電極となる多結晶シリコン膜36xを形成する。
【0082】
次に、図8(b)に示す工程で、多結晶シリコン膜36x上にゲート電極形成用のレジスト38を形成する。その後、レジスト38をマスクにして多結晶シリコン膜36x及びゲート絶縁膜37xをエッチングして、ゲート電極36およびゲート絶縁膜37を形成する。このとき、ゲート電極36は、ボディ引き出し用領域17a、チャネル用領域16aおよび素子分離絶縁膜4の上部に跨って形成されており、ボディコンタクト用領域18a上の多結晶シリコン膜36xは除去される。
【0083】
次に、レジスト38を除去した後、エクステンション注入用レジスト(図示せず)を形成し、エクステンション注入用レジスト及びゲート電極36をマスクにしてヒ素のイオン注入をエネルギー10keV,ドーズ量4×1014/cm2で行い、ソース・ドレイン領域に選択的にn型の高濃度エクステンション拡散層(図示せず)を形成する。その後、エクステンション注入用レジストを除去する。
【0084】
次に、図8(c)に示す工程で、全面に絶縁膜を堆積した後、異方性エッチングにより絶縁膜をエッチングすることによりゲート電極36の側壁に側壁絶縁膜11を形成する。その後、ソース・ドレイン注入用レジスト(図示せず)を形成し、ソース・ドレイン注入用レジスト、ゲート電極36及び側壁絶縁膜11をマスクにヒ素のイオン注入をエネルギー20keV,ドーズ量3×1014/cm2で行い、ソース・ドレイン領域に選択的にn型の高濃度ソース・ドレイン拡散層5を形成する。なお、高濃度ソース・ドレイン拡散層5は図7(a)のみに図示してある。
【0085】
その後、ソース・ドレイン注入用レジストを除去する。次に、ボディコンタクト用領域18a上に開口39が設けられたボディコンタクト注入用レジスト40を形成した後、このレジスト40をマスクにボロンのイオン注入をエネルギー 5keV,ドーズ量2×1015/cm2で行い、高濃度ボディコンタクト領域18を形成する。これによって、高濃度ソース・ドレイン拡散層5に挟まれたp型のチャネル領域16が、p型のボディ引き出し領域17を介してp型の高濃度ボディコンタクト領域18に接続された構造になる。なお、各領域の不純物濃度は、例えばチャネル領域16が1×1018/cm3、ボディ引き出し領域17が3×1018/cm3、高濃度ボディコンタクト領域18が3×1021/cm3である。
【0086】
次に、図8(d)に示す工程で、レジスト40を除去し、全面に層間絶縁膜12を形成した後、ゲート電極36、高濃度ソース・ドレイン拡散層5及び高濃度ボディコンタクト領域18上にコンタクト窓を形成する。その後、コンタクト窓内に金属膜を埋め込みコンタクト13a、13b、13cをそれぞれ形成する。なお、コンタクト13cは図7(a)のみに図示してある。その後、コンタクト13a、13bに接続される配線14a,14bを形成する。このとき、コンタクト13cに接続される配線も同時に形成される。これによって、図7に示すようなボディコンタクト付きSOI型MISトランジスタを有する半導体装置を形成することができる。
【0087】
以上、本発明の第4の実施形態における半導体装置及びその製造方法によれば、ボディ引き出し領域17のp型不純物濃度をチャネル領域16のp型不純物濃度よりも高濃度にするため、ボディ引き出し領域17の仕事関数がチャネル領域16の仕事関数に比べて大きくなる。従って、第1ゲート電極部36aと下地のボディ引き出し領域17との仕事関数差が、第2ゲート電極部31bと下地のチャネル領域16との仕事関数差に比べて大きくなる。つまり、第1ゲート電極部31a下のボディ引き出し領域17におけるしきい値が、実効チャネル領域となる第2ゲート電極部31b下のチャネル領域16におけるしきい値に比べて深くなる(しきい値の絶対値が高くなる)ので、ボディ引き出し領域17部におけるゲート容量が従来の図9のような構造に比べて低減され、トランジスタの動作速度が向上して高性能な半導体装置を得ることができる。
【0088】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、第1ゲート電極部と下地のボディ引き出し領域との仕事関数差が、第2ゲート電極部と下地のチャネル領域との仕事関数差に比べて大きくなる。このため、第1ゲート電極部下のボディ引き出し領域におけるしきい値が、実効チャネル領域となる第2ゲート電極部下のチャネル領域におけるしきい値に比べて深くなるので、ボディ引き出し領域部におけるゲート容量が低減され、トランジスタの動作速度が向上して高性能な半導体装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るボディコンタクト付きSOI型MISトランジスタを有する半導体装置の一例であり、
(a)は平面図
(b)は(a)のA−A断面図
【図2】(a)〜(d)は、本発明の第1の実施形態に係るボディコンタクト付きSOI型MISトランジスタを有する半導体装置の製造工程を示す断面図
【図3】本発明の第2の実施形態に係るボディコンタクト付きSOI型MISトランジスタを有する半導体装置の一例であり、
(a)は平面図
(b)は(a)のB−B断面図
【図4】(a)〜(d)は、本発明の第2の実施形態に係るボディコンタクト付きSOI型MISトランジスタを有する半導体装置の製造工程を示す断面図
【図5】本発明の第3の実施形態に係るボディコンタクト付きSOI型MISトランジスタを有する半導体装置の一例であり、
(a)は平面図
(b)は(a)のC−C断面図
【図6】(a)〜(d)は、本発明の第3の実施形態に係るボディコンタクト付きSOI型MISトランジスタを有する半導体装置の製造工程を示す断面図
【図7】本発明の第4の実施形態に係るボディコンタクト付きSOI型MISトランジスタを有する半導体装置の一例であり、
(a)は平面図
(b)は(a)のD−D断面図
【図8】(a)〜(d)は、本発明の第4の実施形態に係るボディコンタクト付きSOI型MISトランジスタを有する半導体装置の製造工程を示す断面図
【図9】従来のボディコンタクト付きSOI型MISトランジスタを有する半導体装置の一例であり、
(a)は平面図
(b)は(a)のX−X断面図
【図10】(a)〜(d)は、従来のボディコンタクト付きSOI型MISトランジスタを有する半導体装置の製造工程を示す断面図
【符号の説明】
1 支持基板
2 絶縁層
3 半導体層
4 素子分離絶縁膜
5 高濃度ソース・ドレイン拡散層
6 チャネル領域
7 ボディ引き出し領域
8 高濃度ボディコンタクト領域
9 ゲート電極
10 ゲート絶縁膜
11 側壁絶縁膜
12 層間絶縁膜
13a、13b、13c コンタクト
100 SOI基板
Claims (9)
- 支持基板と、前記支持基板上に形成された絶縁層と、前記絶縁層上に形成された半導体層とで構成されたSOI基板に形成されたMISトランジスタを有する半導体装置において、
前記MISトランジスタは、
前記半導体層の素子分離領域に設けられた前記絶縁層に達する素子分離絶縁膜と、
前記素子分離絶縁膜に取り囲まれており、第1導電型のソース・ドレイン領域と、前記ソース・ドレイン領域に挟まれた第2導電型のチャネル領域と、前記チャネル領域に接続された第2導電型のボディ引き出し領域と、前記ボディ引き出し領域に接続された第2導電型のボディコンタクト領域とからなる前記半導体層領域と、
前記ボディ引き出し領域の上部に形成された第1ゲート電極部と、前記チャネル領域の上部に形成された第2ゲート電極部と、前記素子分離絶縁膜の上部に形成された第3ゲート電極部とからなるゲート電極とを備え、
前記第1ゲート電極部と下地の前記ボディ引き出し領域との間に形成された絶縁膜の膜厚は、前記第2ゲート電極部と下地の前記チャネル領域との間に形成されたゲート絶縁膜の膜厚と同等であり、
前記ゲート電極の導電型は第1導電型であり、
前記第1ゲート電極部の全体に亘って、前記第1ゲート電極部と下地の前記ボディ引き出し領域との仕事関数差が、前記第2ゲート電極部と下地の前記チャネル領域との仕事関数差に比べて大きく、
前記第1ゲート電極部下の前記ボディ引き出し領域におけるしきい値が、実効チャネル領域となる前記第2ゲート電極部下の前記チャネル領域におけるしきい値に比べて深いことを特徴とする半導体装置。 - 請求項1記載の半導体装置において、
前記第1ゲート電極部には、前記第2のゲート電極部よりも仕事関数が大きくなる材料が含まれていることを特徴とする半導体装置。 - 請求項1記載の半導体装置において、
前記第1ゲート電極部の第1導電型の不純物濃度が、前記第2ゲート電極部の第1導電型の不純物濃度に比べて低濃度であることを特徴とする半導体装置。 - 請求項1記載の半導体装置において、
前記ボディ引き出し領域の第2導電型の不純物濃度が、前記チャネル領域の第2導電型の不純物濃度に比べて高濃度であることを特徴とする半導体装置。 - 支持基板と、前記支持基板上に形成された絶縁層と、前記絶縁層上に形成された半導体層とで構成されたSOI基板に、第2導電型のチャネル領域が第2導電型のボディ引き出し領域を介して第2導電型のボディコンタクト領域に接続されたMISトランジスタを有する半導体装置の製造方法において、
前記半導体層における素子分離領域に前記絶縁層に達する素子分離絶縁膜を形成する工程(a)と、
前記工程(a)の後に、前記半導体層上にゲート絶縁膜を形成する工程(b)と、
前記ボディ引き出し領域上に前記ゲート絶縁膜を介して形成された第1ゲート電極部と、前記チャネル領域上に前記ゲート絶縁膜を介して形成された第2ゲート電極部と、前記素子分離絶縁膜上に形成された第3ゲート電極部からなるゲート電極を形成する工程(c)と、
少なくとも前記第2ゲート電極部に第1の不純物を導入する工程(d)と、
前記第1ゲート電極部に前記第2のゲート電極部よりも仕事関数が大きくなる第2の不純物を導入する工程(e)と、
前記半導体層に第1導電型の不純物を導入してソース・ドレイン領域を形成する工程(f)とを備えていることを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 請求項5記載の半導体装置の製造方法において、
前記第1の不純物が、ヒ素及びリンのうち少なくとも1つの不純物からなり、
前記第2の不純物が、Ti、Hf、Zr、V、Cr、Mo、Ta、W、Ni、Co,Pt、Pd及びRhのうち少なくとも1つの不純物からなることを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 支持基板と、前記支持基板上に形成された絶縁層と、前記絶縁層上に形成された半導体層とで構成されたSOI基板に、第2導電型のチャネル領域が第2導電型のボディ引き出し領域を介して第2導電型のボディコンタクト領域に接続されたMISトランジスタを有する半導体装置の製造方法において、
前記半導体層における素子分離領域に前記絶縁層に達する素子分離絶縁膜を形成する工程(a)と、
前記工程(a)の後に、前記半導体層上にゲート絶縁膜を形成する工程(b)と、
前記ボディ引き出し領域上に前記ゲート絶縁膜を介して形成された第1ゲート電極部と前記チャネル領域上に前記ゲート絶縁膜を介して形成された第2ゲート電極部と前記素子分離絶縁膜上に形成された第3ゲート電極部とからなるゲート電極を形成する工程(c)と、
前記半導体層に第1導電型の不純物を導入してソース・ドレイン領域を形成する工程(d)と、
前記第2ゲート電極部に比べて前記第1ゲート電極部の第1導電型の不純物濃度が低濃度になるように形成する工程(e)とを備え、
前記工程(d)では、前記第1ゲート電極部及び前記第2ゲート電極部に第1導電型の第1の不純物を導入した後、前記第1ゲート電極部に第2導電型の第2の不純物を導入して、前記第1ゲート電極部に含まれる前記第1導電型の不純物濃度を、前記第2ゲート電極部に含まれる前記第1導電型の不純物濃度よりも低濃度にすることを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 請求項7記載の半導体装置の製造方法において、
前記第1ゲート電極部及び前記第2ゲート電極部に第1導電型の第1の不純物を導入する工程は、前記工程(d)のソース・ドレイン領域を形成するための第1導電型の不純物導入と同時に行い、
前記第1ゲート電極部に第2導電型の第2の不純物を導入する工程は、前記ボディコンタクト領域を形成するための第2導電型の不純物導入と同時に行うことを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 支持基板と、前記支持基板上に形成された絶縁層と、前記絶縁層上に形成された半導体層とで構成されたSOI基板に、第2導電型のチャネル領域が第2導電型のボディ引き出し領域を介して第2導電型のボディコンタクト領域に接続されたMISトランジスタを有する半導体装置の製造方法において、
前記半導体層における素子分離領域に前記絶縁層に達する素子分離絶縁膜を形成する工程(a)と、
前記工程(a)の後に、前記ボディ引き出し領域の全体に前記チャネル領域の第2導電型の不純物濃度よりも高濃度になるように第2導電型の不純物を導入する工程(b)と、
前記工程(b)の後に、前記半導体層上にゲート絶縁膜を形成する工程(c)と、
前記ボディ引き出し領域上に前記ゲート絶縁膜を介して形成された第1ゲート電極部と前記チャネル領域上に前記ゲート絶縁膜を介して形成された第2ゲート電極部と前記素子分離絶縁膜上に形成された第3ゲート電極部とからなるゲート電極を形成する工程(d)と、
前記半導体層に第1導電型の不純物を導入してソース・ドレイン領域を形成する工程(e)とを備えていることを特徴とする半導体装置の製造方法。
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