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JP4780696B2 - 燐光発光性高分子化合物およびこれを用いた有機発光素子 - Google Patents

燐光発光性高分子化合物およびこれを用いた有機発光素子 Download PDF

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JP4780696B2 JP2004247948A JP2004247948A JP4780696B2 JP 4780696 B2 JP4780696 B2 JP 4780696B2 JP 2004247948 A JP2004247948 A JP 2004247948A JP 2004247948 A JP2004247948 A JP 2004247948A JP 4780696 B2 JP4780696 B2 JP 4780696B2
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Description

本発明は、燐光発光性高分子化合物および平面表示パネルやこれに用いられるバックライト用の有機発光素子(OLED)に関するものである。
有機発光素子は、1987年にコダック社のC. W. Tangらにより高輝度の発光が示されて(非特許文献1:Appl. Phys. Lett., 51巻, 913頁, 1987年)以来、材料開発、素子構造の改良が急速に進み、最近になってカーオーディオや携帯電話用のディスプレイなどから実用化が始まった。この有機EL(エレクトロルミネッセント)素子の用途をさらに拡大するために、発光効率向上、耐久性向上のための材料開発、フルカラー表示の開発などが現在活発に行われている。特に、中型パネルや大型パネル、あるいは照明用途への展開を考える上では発光効率の向上による更なる高輝度化が必要である。しかし、現在の発光材料で利用されているのは励起一重項状態からの発光、すなわち蛍光であり、電気的励起における励起一重項状態と励起三重項状態の励起子の生成比が1:3であることから、有機ELにおける発光の内部量子効率は25%(外部取り出し効率を20%とすると外部量子効率5%に相当する)が上限とされてきた。
これに対し、M. A. Baldoらは室温で励起三重項状態から燐光発光するイリジウム錯体等を用いることにより外部量子効率7.5%(外部取り出し効率を20%と仮定すると内部量子効率は37.5%に相当する)を得、従来上限値とされてきた外部量子効率5%という値を上回ることが可能なことを示した。さらに、ホスト材料や素子構成を工夫することにより20%近い高効率も達成されており(非特許文献2:Appl. Phys. Lett., 90巻, 5048頁, 2001年)、超高効率化の方法として注目されている。これは、具体的には、4,4'−N,N'−ジカルバゾールビフェニル(CBP)等をホスト材料に用いるものである(特許文献1:国際公開第01/41512号パンフレット)。
しかし、この燐光発光性のイリジウム錯体は低分子化合物であり、真空蒸着法により成膜される。この真空蒸着法は現在低分子系の発光材料に対して広く用いられている成膜方法ではあるが、真空設備を必要とする点、大面積になるほど有機薄膜を均一の厚さに成膜すること、および高精細のパターンを形成することが困難になる点などの問題点を有しており、必ずしも大面積パネルの量産に適した方法とは言えない。
これに対し、大面積化、量産化に適した素子作製方法としては、高分子系発光材料をスピンコート法、インクジェット法、印刷法などにより成膜する方法が開発されている。これらの方法は蛍光発光性高分子材料では広く行われている方法であるが、燐光発光性高分子材料についても開発が行われており、側鎖に燐光発光部位とキャリア輸送部位を有する燐光発光性高分子材料を用い、5%を越える外部量子効率が得られることが報告されている(非特許文献3:Proceedings of The 11th International Workshop on Inorganic and Organic Electroluminescence(EL2002), p.283-286, 2002)。なお、この文献においてホール輸送部位にはビニルカルバゾール構造が用いられている。
しかし、上記の燐光発光性高分子材料は、未だに、外部量子効率は蛍光発光の限界である5%を僅かに越えた6%程度に留まっており、本来燐光発光に期待される高い外部量子効率は得られていない。
国際公開第01/41512号パンフレット Appl.Phys.Lett.,51巻, 913頁, 1987年 Appl.Phys.Lett., 90巻, 5048頁, 2001年 Proceedings of The 11th International Workshop on Inorganic and Organic Electroluminescence(EL2002), p.283-286, 2002
現在までに、大面積化、量産化に適した高効率発光の燐光発光性高分子材料が開発されてはいるが、十分な高発光効率で低電圧駆動が可能な燐光発光材料およびこれを用いた有機発光素子は未だ得られていない。そこで、本発明は、低電圧で高発光効率が得られ、大面積化および量産化に適した燐光発光性高分子材料およびこれを用いた有機発光素子を提供することを課題とする。
本発明者らは、これまで燐光発光性高分子材料に用いられているホール輸送部位がビニルカルバゾール構造であるため、駆動電圧が高く、電力効率が低いと考え、種々検討した結果、ホール輸送部位としてトリフェニルアミン構造を用いることにより、駆動電圧が低下し、外部量子効率が向上することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下の燐光発光性高分子化合物および有機発光素子に関する。
1.式(1)で示されるモノマー単位:
Figure 0004780696
(式中、R1〜R27はそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、アミノ基、炭素数1〜6のアルキル基、または炭素数1〜6のアルコキシ基を表す。また、R1〜R19のうち、同一のフェニル基の隣接する炭素原子にそれぞれ結合している基は、互いに結合して縮合環を形成してもよい。R28は、水素原子、または炭素数1〜6のアルキル基を表す。Xは、単結合、酸素原子(−O−)、硫黄原子(−S−)、−SO−、−SO2−、−NR−(但し、Rは水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基を表す。)、−CO−、または炭素数1〜20の2価の有機基(但し、有機基は酸素原子(−O−)、硫黄原子(−S−)、−SO−、−SO2−、−NR−(但し、Rは水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基を表す。)および−CO−からなる群より選択される原子、もしくは基によって置換されていてもよい。)を表す。pは0または1である。)と燐光発光性モノマー単位を含むことを特徴とする燐光発光性高分子化合物。
2.式(2)で示されるモノマー単位:
Figure 0004780696
(式中、R29〜R34はそれぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基または炭素数1〜6のアルコキシ基を表す。Xは、単結合、酸素原子(−O−)、硫黄原子(−S−)、−SO−、−SO2−、−NR−(但し、Rは水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基を表す。)、−CO−、または炭素数1〜20の2価の有機基(但し、有機基は酸素原子(−O−)、硫黄原子(−S−)、−SO−、−SO2−、−NR−(但し、Rは水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基を表す。)および−CO−からなる群より選択される原子、もしくは基によって置換されていてもよい。)を表す。pは0または1である。)と燐光発光性モノマー単位を含む前記1に記載の燐光発光性高分子化合物。
3.さらに電子輸送性モノマー単位を含む前記1または2に記載の燐光発光性高分子化合物。
4.電子輸送性のモノマー単位の電子輸送性部位が、オキサジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、トリアジン誘導体、ベンゾオキサゾール誘導体、イミダゾール誘導体、およびキノリノール誘導体金属錯体から選択される前記3に記載の燐光発光性高分子化合物。
5.前記燐光発光性モノマー単位が重合性基と燐光発光部位を含み、燐光発光部位が燐光発光性高分子の側鎖に含まれる前記1または2に記載の燐光発光性高分子化合物。
6.前記燐光発光性モノマー単位が遷移金属錯体を含む前記1または2に記載の燐光発光性高分子化合物。
7.陽極と陰極に挟まれた一または複数の高分子層を含む有機発光素子において、前記高分子層の少なくとも一層が前記1乃至6のいずれか1項に記載の燐光発光性高分子化合物を含む有機発光素子。
8.陽極が、UVオゾン照射処理又は高周波プラズマ処理されている前記7に記載の有機発光素子。
9.高周波プラズマ処理が、有機物を含むガスによる処理である前記8に記載の有機発光素子。
10.有機物を含むガスが、フルオロカーボン及び/またはメタンの少なくとも一種以上を含むガスである前記9に記載の有機発光素子。
11.高周波プラズマ処理が、酸素及び/またはアルゴンの少なくとも一種以上を含むガスによる処理である前記8に記載の有機発光素子。
以下、本発明の実施の形態について図を参照して具体的に説明する。
本発明により、式(1)で示されるモノマー単位と、燐光発光性モノマー単位を含む燐光発光性高分子化合物が提供される。
Figure 0004780696
式中、R1〜R27はそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、アミノ基、炭素数1〜6のアルキル基、または炭素数1〜6のアルコキシ基を表す。また、R1〜R19のうち、同一のフェニル基の隣接する炭素原子にそれぞれ結合している基は、互いに結合して縮合環を形成してもよい。R28は、水素原子、または炭素数1〜6のアルキル基を表す。Xは、単結合、酸素原子(−O−)、硫黄原子(−S−)、−SO−、−SO2−、−NR−(但し、Rは水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基を表す。)、−CO−、または炭素数1〜20の2価の有機基(但し、有機基は酸素原子(−O−)、硫黄原子(−S−)、−SO−、−SO2−、−NR−(但し、Rは水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基を表す。)および−CO−からなる群より選択される原子、もしくは基によって置換されていてもよい。)を表す。pは0または1である。
本発明の燐光発光性高分子化合物は、式(1)で示されるモノマー単位と燐光発光性モノマー単位を含む共重合体である。式(1)で示されるモノマー単位はトリフェニルアミン構造の部分、炭素−炭素二重結合に由来する重合鎖を形成する部分、およびこれらを結合する連結基Xとから構成される。
式(1)におけるR1〜R27としては、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、アミノ基、炭素数1〜6のアルキル基、または炭素数1〜6のアルコキシ基を挙げることができる。R1〜R27に用いられるハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、およびヨウ素を挙げることができる。R1〜R27に用いられる炭素数1〜6のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ターシャリーブチル基、アミル基、ヘキシル基等を挙げることができる。R1〜R27に用いられる炭素数1〜6のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロプキシ基、イソプロポキシ基、イソブトキシ基、およびターシャルブトキシ基等を挙げることができる。また、R1〜R19のうち、同一のフェニル基の隣接する炭素原子にそれぞれ結合している基は、互いに結合して縮合環を形成してもよい。
pは0または1である。
式(1)におけるトリフェニルアミン構造の好ましい具体例として、式(T−1)から(T−11)に示すような構造を挙げることができる。
Figure 0004780696
式(1)におけるR28としては水素原子、または炭素数1〜6のアルキル基を挙げることができる。R28に用いられる炭素数1〜6のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ターシャリーブチル基、アミル基、ヘキシル基等を挙げることができる。
特に好ましい式(1)のモノマー単位は式(2)で示される構造を有するものである。
Figure 0004780696
式中、R29〜R34はそれぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基または炭素数1〜6のアルコキシ基を表す。
Xは、単結合、酸素原子(−O−)、硫黄原子(−S−)、−SO−、−SO2−、−NR−(但し、Rは水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基を表す。)、−CO−、または炭素数1〜20の2価の有機基(但し、有機基は酸素原子(−O−)、硫黄原子(−S−)、−SO−、−SO2−、−NR−(但し、Rは水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基を表す。)および−CO−からなる群より選択される原子、もしくは基によって置換されていてもよい。)を表す。pは0または1である。
式(1)または(2)における連結基Xとしては、単結合、酸素原子(−O−)、硫黄原子(−S−)、−SO−、−SO2−、−NR−(但し、Rは水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基を表す。)、−CO−、または炭素数1〜20の2価の有機基(但し、有機基は酸素原子(−O−)、硫黄原子(−S−)、−SO−、−SO2−、−NR−(但し、Rは水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基を表す。)および−CO−からなる群より選択される原子、もしくは基によって置換されていてもよい。)を挙げることができる。酸素原子(−O−)、硫黄原子(−S−)、−SO−、−SO2−、−NR−(但し、Rは水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基を表す。)、−CO−は、これらのうちの1個または複数が単独で、または他の基と組み合わせで含まれていてもよい。連結基Xの例としては、式(S−1)から(S−15)に示す構造のものを挙げることができる。
Figure 0004780696
ここで、R35、R36およびR37はそれぞれ独立してメチレン基または置換もしくは未置換のフェニレン基を示す。k、mおよびnはそれぞれ独立して0、1または2である。
本発明の燐光発光性高分子における燐光発光性モノマー単位は、燐光発光部位、炭素−炭素二重結合に由来する重合鎖を形成する部分、およびこれらを結合する連結基とから構成される。すなわち、典型的には、
Figure 0004780696
(式中、(PL)は燐光発光部位、Yは式(1)におけるXと同様に定義される連結基、R38は同じくR28と同様に定義される置換基である。)。
燐光発光性モノマー単位における燐光発光性部位(PL)としては、室温で燐光を発光する化合物の一価基を用いることができるが、遷移金属錯体の一価基が好ましい。すなわち、1個以上の配位子が中心原子Mに配位し、これらの配位子のいずれかが連結基Yに結合する構造であればよい。上記の遷移金属錯体に使用される遷移金属(M)は、周期律表の第一遷移元素系列すなわち原子番号21のScから30のZnまで、第二遷移元素系列すなわち原子番号39のYから48のCdまで、第三遷移元素系列すなわち原子番号72のHfから80のHgまでのいずれかの金属原子である。これらの遷移金属の中で、Pd、Os、Ir、PtおよびAuが好ましく、特にIrおよびPtが好ましい。
また、上記の遷移金属錯体の配位子としては、G. Wilkinson (Ed.), Comprehensive Coordination Chemistry (Plenum Press, 1987)、山本明夫,「有機金属化学−基礎と応用−」(裳華房、1982年)に記載の配位子などを使用することができる。中でも、ハロゲン配位子、含窒素ヘテロ環配位子(フェニルピリジン系配位子、ベンゾチエニルピリジン系配位子、ベンゾキノリン系配位子、キノリノール系配位子、ビピリジル系配位子、ターピリジン系配位子、フェナントロリン系配位子等)、ジケトン配位子(アセチルアセトン配位子、ジピバロイルメタン配位子等)、カルボン酸配位子(酢酸配位子等)、リン配位子(トリフェニルホスフィン系配位子等、亜リン酸エステル系配位子等)、一酸化炭素配位子、イソニトリル配位子、およびシアノ配位子が好ましい。また、ピラゾリルボレート配位子(ヒドロトリスピラゾリルボレート、テトラキスピラゾリルボレート等)も用いることができる。
上記の遷移金属錯体の配位子の特に好ましい具体例としては、式(L−1)から(L−10)に示す構造のものを挙げることができる。
Figure 0004780696
1つの遷移金属錯体は複数種類の配位子を含んでいてもよい。さらに、上記の遷移金属錯体として二核錯体あるいは多核錯体を使用することもできる。
燐光発光性モノマー単位における連結基(Y)は、上記遷移金属錯体(PL)と、炭素―炭素二重結合に由来する重合鎖を結合する部分である。この連結基としては、単結合、酸素原子(−O−)、硫黄原子(−S−)、−SO−、−SO2−、−NR−(但し、Rは水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基を表す。)、−CO−、または炭素数1〜20の2価の有機基(但し、有機基は酸素原子(−O−)、硫黄原子(−S−)、−SO−、−SO2−、−NR−(但し、Rは水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基を表す。)および−CO−からなる群より選択される原子、もしくは基によって置換されていてもよい。)を挙げることができる。連結基に用いられる炭素数1〜20の2価の有機基としては、前記式(1)における連結基Xの場合と同様に、式(S−1)から(S−15)に示す構造のものを挙げることができる。
式(1)で示されるモノマー単位と、上記燐光発光性モノマー単位からなる共重合体におけるモノマーの配列としては、ランダム共重合体、ブロック共重合体、交互共重合体のいずれであってもよい。
また、本発明の燐光発光性共重合体は、式(1)で示されるモノマー単位と燐光発光性モノマー単位の他に第三のモノマー単位を含んでいてもよい。前記第三のモノマー単位としては、他の燐光発光性のモノマー単位、ホール輸送性のモノマー単位、電子輸送性のモノマー単位、および両極性のモノマー単位のいずれをも用いることが可能であるが、このうち電子輸送性のモノマー単位が特に好ましい。
前記第三のモノマー単位として使用可能な電子輸送性のモノマー単位は、電子輸送性部位、炭素−炭素二重結合に由来する重合鎖を形成する部分、およびこれらを結合する連結基とから構成される。
電子輸送性のモノマー単位における電子輸送性部位としては、オキサジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、トリアジン誘導体、ベンゾオキサゾール誘導体、イミダゾール誘導体、およびキノリノール誘導体金属錯体の一価基などを挙げることができ、具体的な例としては、式(E−1)から(E−5)に示す構造などを挙げることができる。
Figure 0004780696
電子輸送性モノマー単位における連結基は、上記電子輸送部位と、炭素―炭素二重結合に由来する重合鎖を結合する部分である。この連結基としては、単結合、酸素原子(−O−)、硫黄原子(−S−)、−SO−、−SO2−、−NR−(但し、Rは水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基を表す。)、−CO−、または炭素数1〜20の2価の有機基(但し、有機基は酸素原子(−O−)、硫黄原子(−S−)、−SO−、−SO2−、−NR−(但し、Rは水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基を表す。)および−CO−からなる群より選択される原子、もしくは基によって置換されていてもよい。)を挙げることができる。連結基に用いられる炭素数1〜20の2価の有機基としては、前記式(1)における連結基Xの場合と同様に、式(S−1)から(S−15)に示す構造のものを挙げることができる。
本発明に用いられる高分子の重合度は、5〜10,000が好ましく、10〜5,000がさらに好ましい。
高分子の分子量はその構成モノマーの分子量と重合度によって決まるため、本発明に用いられる高分子の分子量の好適な範囲を一概に定めることは困難である。しいて挙げるならば、本発明に用いられる高分子の分子量は、上記の重合度とは独立して重量平均分子量で1,000〜2,000,000が好ましく、5000〜1,000,000がさらに好ましい。
ここで、分子量の測定方法としては、例えば、高分子学会編「高分子化学の基礎」(東京化学同人、1978年)に記載されている方法、即ちGPC法(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)、浸透圧による方法、光散乱法、超遠心法など挙げることができる。
本発明の燐光発光性高分子において、燐光発光性モノマー単位の繰り返し数をr、キャリア輸送性モノマー単位の繰り返し数(ホール輸送性モノマー単位の繰り返し数と電子輸送性モノマー単位の繰り返し数の合計)をsとしたとき(r、sは1以上の整数)、全体のモノマー単位の繰り返し数に対する燐光発光性モノマー単位の繰り返し数の割合、すなわちr/(r+s)の値は望ましくは0.0001〜0.2である。また、さらに望ましくは0.001〜0.1である。なお、式(1)のモノマー単位は、一般的にはホール輸送性モノマー単位である。
図1は本発明の有機発光素子構成の一例を示す断面図であり、透明基板(1)上に設けた陽極(2)と陰極(6)の間にホール輸送層(3)、発光層(4)、電子輸送層(5)を順次設けたものである。また、本発明の有機発光素子構成は図1の例のみに限定されず、陽極と陰極の間に順次、1)ホール輸送層/発光層、2)発光層/電子輸送層、のいずれかを設けたものでもよく、さらには3)ホール輸送材料、発光材料、電子輸送材料を含む層、4)ホール輸送材料、発光材料を含む層、5)発光材料、電子輸送材料を含む層、6)発光材料の単独層、のいずれかの層を一層設けるだけでもよい。また、図1に示した発光層は1層であるが、2つ以上の発光層が積層されていてもよい。
本発明の有機発光素子においては、上記の燐光発光性高分子化合物のみで発光層を形成することができる。また、燐光発光性高分子化合物のキャリア輸送性を補うために他のキャリア輸送性化合物を混合して組成物とし、これで発光層を形成することもできる。即ち、本発明の燐光発光性高分子化合物のホール輸送性を補う場合にはホール輸送性化合物を混合することができ、また電子輸送性を補う場合には電子輸送性化合物を混合することができる。ここで、燐光発光性高分子化合物に混合するキャリア輸送性化合物は低分子化合物および高分子化合物のいずれでもよい。
上記の燐光発光性高分子化合物に混合する低分子のホール輸送性化合物としては、TPD(N,N'−ビス(3−メチルフェニル)−N,N'−ジフェニルベンジジン)、α−NPD(4,4'−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル)、m−MTDATA(4、4',4''−トリス(3−メチルフェニルフェニルアミノ)トリフェニルアミン)などのトリフェニルアミン誘導体などを例示することができる。また、上記の燐光発光性高分子化合物に混合する高分子のホール輸送性化合物としては、ポリビニルカルバゾール、トリフェニルアミン系の低分子化合物に重合性官能基を導入して高分子化したもの、例えば特開平8-157575号公報に開示されているトリフェニルアミン骨格の高分子化合物などを例示することができる。
一方、上記の燐光発光性高分子化合物に混合する低分子の電子輸送性化合物としては、Al(q)3(トリスアルミニウムキノリノール;qはキノリノールまたはその誘導体を表わす。)などのキノリノール誘導体金属錯体、オキサジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、トリアジン誘導体などを例示することができる。また、上記の燐光発光性高分子化合物に混合する高分子の電子輸送性化合物としては、上記の低分子の電子輸送性化合物に重合性官能基を導入して高分子化したもの、例えば特開平10-1665号公報に開示されているポリPBDなどを例示することができる。
また、上記の燐光発光性高分子化合物を成膜して得られる膜の物性等を改良する目的で、燐光発光性高分子化合物の発光特性に直接的には関与しない高分子化合物を混合して組成物とし、これを発光材料として用いることもできる。例えば、得られる膜に柔軟性を付与するためにPMMA(ポリメチルメタクリレ−ト)などを混合することができる。
本発明の有機発光素子において、ホール輸送層を形成するホール輸送材料としては、TPD(N,N'−ビス(3−メチルフェニル)−N,N'−ジフェニルベンジジン)、α−NPD(4,4'−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル)、m−MTDATA(4、4',4''−トリス(3−メチルフェニルフェニルアミノ)トリフェニルアミン)などのトリフェニルアミン誘導体、ポリビニルカルバゾールなどを例示することができる。また、トリフェニルアミン系の低分子化合物に重合性官能基を導入して高分子化したもの、例えば特開平8-157575号公報に開示されているトリフェニルアミン骨格の高分子化合物なども使用でき、さらにポリパラフェニレンビニレン、ポリジアルキルフルオレンなどの高分子材料も使用できる。これらのホール輸送材料は単独でも用いられるが、異なるホール輸送材料と混合または積層して用いてもよい。ホール輸送層の厚さは特に限定されるものではないが、1nm〜5μmが好ましく、5nm〜1μmがより好ましく、10nm〜500nmがさらに好ましい。
本発明の有機発光素子において、電子輸送層を形成する電子輸送材料としては、Al(q)3(トリスアルミニウムキノリノール)などのキノリノール誘導体金属錯体、オキサジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、トリアジン誘導体などを例示することができる。また、上記の低分子の電子輸送性化合物に重合性官能基を導入して高分子化したもの、例えば特開平10-1665号公報に開示されているポリPBD(2-(4-tert-Butylphenyl)-5-(4-biphenylyl)-1,3,4-oxadiazole)なども使用できる。これらの電子輸送材料は単独でも用いられるが、異なる電子輸送材料と混合または積層して用いてもよい。電子輸送層の厚さは特に限定されるものではないが、1nm〜5μmが好ましく、5nm〜1μmがより好ましく、10nm〜500nmがさらに好ましい。
上記の発光層に用いられる燐光発光性高分子化合物、ホール輸送層に用いられるホール輸送材料および電子輸送層に用いられる電子輸送材料は、それぞれ単独で各層を形成するほかに、高分子材料をバインダとして各層を形成することもできる。これに使用される高分子材料としては、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリスルホン、ポリフェニレンオキサイドなどを例示することができる。
上記の発光層、ホール輸送層および電子輸送層法は、抵抗加熱蒸着法、電子ビーム蒸着法、スパッタリング法、インクジェット法、スピンコート法、印刷法、スプレー法、ディスペンサー法などにより形成することが可能であり、低分子化合物の場合は主として抵抗加熱蒸着法および電子ビーム蒸着法が用いられ、高分子化合物の場合は主にインクジェット法、印刷法、スピンコート法が用いられる。
また、発光層の陰極側に隣接して、ホールが発光層を通過することを抑え、発光層内で電子と効率よく再結合させる目的で、ホール・ブロック層が設けられてもよい。これに用いられる材料としては、トリアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、フェナントロリン誘導体などを例示することができる。
本発明の有機発光素子の陽極材料としては、ITO(酸化インジウムスズ)、酸化錫、酸化亜鉛、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリアニリンなどの導電性高分子などの既知の透明導電材料が使用できる。この透明導電材料による電極の表面抵抗は1〜50Ω/□(オーム/スクエアー)であることが好ましい。これらの陽極材料の成膜方法としては、電子ビーム蒸着法、スパッタリング法、化学反応法、コーティング法などを用いることができる。陽極の厚さは50〜300nmが好ましい。
また、陽極とホール輸送層または陽極に隣接して積層される有機層の間に、ホール注入に対する注入障壁を緩和する目的で陽極バッファ層が挿入されていてもよい。これには銅フタロシアニン、ポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)とポリスチレンスルホン酸(PPS)の混合体などを用いることができる。また、陽極の表面を種々の表面処理を施した後に用いることも可能である。ここで言う「陽極の表面処理」とは、透明基板上に陽極を形成した後に行うものである。具体的には、例えばUVオゾン照射処理または高周波プラズマ処理などを挙げることができる。さらに高周波プラズマ処理としては、例えば(1)フルオロカーボンやメタン等の有機物を含むガスによる被膜処理またはエッチング処理、あるいは(2)酸素やアルゴン等のガスによるエッチング処理等を挙げることができる。
これらの処理は、いずれかひとつを行っても複数の方法を行ってもよい。また複数の方法を行う場合、その順番に特に制限はない。
ここでいう高周波プラズマ処理による被膜処理とは、「プラズマ重合法」とも言われる。また、被膜処理またはエッチング処理は、温度、電圧、真空度などの実施条件によりその度合いを制御することができる。具体的には被膜処理の場合は形成される薄膜の膜厚、撥水性、剥離強度または硬度等の膜質の制御が可能であり、またエッチング処理の場合は表面を洗浄する程度、平滑化する程度または積極的に削り取る程度の処理が可能である。
本発明の有機発光素子の陽極の表面処理として、好ましくは高周波プラズマ処理であり、もっとも好ましくはフルオロカーボンガスを用いるプラズマ重合法である。
本発明の有機発光素子の陰極材料としては、仕事関数が低いLi、Kなどのアルカリ金属や、Mg、Ca、Baなどのアルカリ土類金属を用いるのが、電子注入効率の観点から好ましい。また、これらの金属と比較して化学的に安定なAl、MgAg合金、AlLiやAlCaなどのAlとアルカリ金属の合金などを用いることも望ましい。電子注入効率と化学的安定性とを両立させるためには、特開平2-15595号公報、特開平5-121172号公報に記載されているように、Cs、Ca、Sr、Baなどのアルカリ金属やアルカリ土類金属の薄層(0.01〜10μm程度)をAl層の下に(陰極側を上側、陽極側を下側とする。)挟んでもよい。これらの陰極材料の成膜方法としては、抵抗加熱蒸着法、電子ビーム蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法などを用いることができる。陰極の厚さは10nm〜1μmが好ましく、50〜500nmがより好ましい。
本発明に係る有機発光素子の基板としては、発光材料の発光波長に対して透明な絶縁性基板が使用でき、ガラスのほか、PET(ポリエチレンテレフタレート)、ポリカーボネート、PMMA(ポリメチルメタクリレート)を始めとする透明プラスチックが使用できる。
以下に本発明について代表的な例を示し、さらに具体的に説明する。尚、これらは説明のための単なる例示であって、本発明は何らこれらに限定されるものではない。
使用した測定装置は以下の通りである。
1)1H−NMR、13C−NMR
日本電子(JEOL)製 JNM EX270
270Mz 溶媒:重クロロホルム
2)GPC測定(分子量測定)
カラム:Shodex KF-G+KF804L+KF802+KF801
溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
温度 :40℃
検出器:RI(Shodex RI-71)
3)ICP元素分析
島津製作所製 ICPS 8000
実施例1:重合性化合物viTPD(1−1)の合成
Figure 0004780696
下記の操作により、TPD(N,N'−ビス(3−メチルフェニル)−N,N'−ジフェニルベンジジン)に重合性基(ビニル基)を結合させた化合物(1−1)(以下、viTPDという。)を合成した。
(1)TPDのホルミル化
アルゴン雰囲気下において、脱水N,N−ジメチルホルムアミド200mlにオキシ塩化りん11.2mlを加え、30分間撹拌した後、N,N'−ビス(3−メチルフェニル)−N,N'−ジフェニルベンジジン(TPD)51.7gを加え、80℃で2時間撹拌した。反応後、反応液を1.0M炭酸ナトリウム水溶液2.5Lに滴下し、生じた沈殿をろ取した。この沈殿をジクロロメタン500mlに溶解し、さらに純水500mlを加えた。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下に濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開液:ジクロロメタン−ヘキサン混合溶媒)で精製した。溶媒を留去し、黄色の固体としてTPD-CHO(1−2)を得た。収量21.6g。収率40%。1H−NMRにより同定を行ったところ2種類の異性体(異性体a、異性体b)の混合物であった。1H−NMRの積分値より異性体の比率は、異性体a:異性体b=28:72と見積もられた。
1H−NMR(270MHz, CDCl3, ppm):10.06 (s, 1H, -CHO(異性体b)), 9.82 (s, 1H, -CHO(異性体a)), 7.7-6.8 (m, 25H, ArH(異性体a+異性体b)), 2.54 (s, 3H, -CH3(異性体b)), 2.32 (s, 3H, -CH3(異性体a)), 2.28 (s, 3H, -CH3(異性体a+異性体b))。
(2)TPD-CHOのビニル化
アルゴン雰囲気下において、メチルトリフェニルホスホニウムブロマイド7.86gに脱水ベンゼン100mlと脱水THF50mlを加え0℃に冷却し、1.6Mブチルリチウムヘキサン溶液13.8mlをシリンジを用いて滴下し、そのまま10分間撹拌し、ホスホラン溶液とした。アルゴン雰囲気下において、TPD-CHO(1−2)10.89gに脱水ベンゼン100mlを加えた後、先程のホスホラン溶液をシリンジを用いて加えた。室温で2時間撹拌して反応させた後、TLCで反応液を分析したところ、原料であるTPD-CHOがまだ残っていたため、先程のホスホラン溶液と同じ溶液を先程の半分量だけ加え、室温で2時間撹拌した。反応液に純水とジクロロメタンを加え、水層をジクロロメタンで2回抽出した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下に濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開液:ジクロロメタン−ヘキサンの混合溶媒)で精製した。ベンゼン溶液より凍結乾燥して目的物を得た。収量8.26g。収率72%。1H−NMRにより同定を行ったところ2種類の異性体(viTPD異性体a、viTPD異性体b)の混合物(1−1)であった。
1H−NMR(270MHz, CDCl3, ppm):7.5-6.8(m, 25H(異性体a+異性体b) + 1H(異性体b), ArH(異性体a+異性体b) + -CH=CH2(異性体b)), 6.67 (dd, 1H, J=17.4, 11.2Hz, -CH=CH2(異性体a)), 5.64 (d, 1H, J=17.8Hz, -CH=CH2(cis)(異性体a)), 5.58 (d, 1H, J=17.6Hz, -CH=CH2(cis)(異性体b)), 5.21 (d, 1H, J=11.1Hz, -CH=CH2(trans)(異性体b)), 5.16 (d, 1H, J=15.4Hz, -CH=CH2(trans)(異性体a)), 2.26 (s, 6H, -CH3(異性体a+異性体b))。
実施例2:重合性化合物viPMTPD(2−1)の合成
Figure 0004780696
(1)3,3'−ジメチルベンジジンのジトリル化
アルゴン雰囲気下において、3,3'−ジメチルベンジジン5g、3−ヨードトルエン11.30gに脱水キシレン80mlを加え、約50℃に加熱した。これに、tert−ブトキシカリウム6.82g、酢酸パラジウム230mg、トリ−tert−ブチルホスフィン460mgを順に加え、120℃で4時間撹拌した。室温まで冷却し、反応液に純水50mlを加え、酢酸エチルで2回抽出した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下に濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開液:酢酸エチル−ヘキサンの混合溶媒)で精製した。溶媒を留去した後、メタノールから再結晶して3,3'−ジメチル−N,N'−ジ−m−トリルベンジジン(2−2)を得た。収量4.00g。収率49%。同定は1H−NMRで行った。
1H−NMR(270MHz, CDCl3, ppm):7.42(d, 2H, J=1.6Hz, ArH), 7.36(dd, 2H, J=8.2, 2.0Hz, ArH), 7.28(d, 2H, J=8.1Hz, ArH), 7.16(t, 2H, J=8.0Hz, ArH), 6.81(m, 4H, ArH), 6.73(d, 2H, J=7.6Hz, ArH), 5.37(s, 2H, -NH), 2.31(s, 12H, -CH3)。
(2)3,3'−ジメチル−N,N'−ジ−m−トリルベンジジンのトリル化
アルゴン雰囲気下において、3,3'−ジメチル−N,N'−ジ−m−トリルベンジジン(2−2)4.00g、3−ヨードベンゼン2.64gに脱水キシレン50mlを加え、約50℃に加熱した。これにtert−ブトキシカリウム1.27g、酢酸パラジウム225mg、トリ−tert−ブチルホスフィン200mgを順に加え、120℃で4時間撹拌した。室温まで冷却し、反応液に純水30mlを加え、酢酸エチルで2回抽出した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下に濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開液:トルエン−ヘキサンの混合溶媒)で精製した。溶媒を留去した後、ヘキサンから再結晶して3,3'−ジメチル−N,N,N'−トリ−m−トリルベンジジン(2−3)を得た。収量3.37g。収率70%。同定は1H−NMRで行った。
1H−NMR(270MHz, CDCl3, ppm):7.45(d, 2H, J=2.7Hz, ArH), 7.43(d, 2H, J=8.1Hz, ArH), 7.4-7.0(m, 6H, ArH), 6.9-6.7(m, 8H, ArH), 5.40(s(br), 1H, -NH), 2.32(s, 6H, -CH3), 2.25(s, 6H, -CH3), 2.08(s, 3H, -CH3)。
(3)スチリル化
アルゴン雰囲気下において、3,3'−ジメチル−N,N,N'−トリ−m−トリルベンジジン(2−3)1.93g、tert−ブトキシカリウム589mgに脱水トルエン20mlを加えた後、4−ブロモスチレン0.58ml、酢酸パラジウム9.0mg、トリ−tert−ブチルホスフィン28.3mgを順に加え、3.5時間撹拌しながら還流した。室温まで冷却し、純水20mlと酢酸エチル20mlを加え、水層をさらにジクロロメタンで2回抽出した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下に濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開液:トルエン−ヘキサンの混合溶媒)で精製した。溶媒を留去し、ベンゼンより凍結乾燥して白色の固体としてviPMTPD(2−1)を得た。収量1.66g。収率71%。同定は1H−NMRで行った。
1H−NMR(270MHz, CDCl3, ppm):7.5-6.7(m, 22H, ArH), 6.65(dd, 1H, J=17.4, 10.9Hz, -CH=CH2), 5.61(d, 1H, J=17.6Hz, -CH=CH2(cis)), 5.12(d, 1H, J=11.1Hz, -CH=CH2(trans)), 2.25(s, 9H, -CH3), 2.08(s, 6H, -CH3)。
実施例3:共重合体poly-(viTPD-co-IrST)の合成
Figure 0004780696
密閉容器に実施例1で作成したviTPD(1−1)920mgおよびIrST(式(3−1)、特開2003-113246号に記載されている方法に準じて合成した。)80mgを入れ、脱水トルエン9.0mlを加えた後、V-601(和光純薬工業製)の0.1Mトルエン溶液181μlを加え、凍結脱気操作を5回繰り返した。真空のまま密閉し、60℃で72時間撹拌した。反応後、反応液をアセトン300ml中に滴下して沈殿を生じさせた。さらにトルエン−アセトンでの再沈殿精製を2回繰り返して精製した後、50℃で一晩真空乾燥し、薄黄色の固体としてpoly-(viTPD-co-IrST)750mgを得た。得られた共重合体の分子量はポリスチレン換算のGPC測定より数平均分子量(Mn)19700、重量平均分子量(Mw)50300、分子量分布指数(Mw/Mn)2.55と見積もられた。共重合体中のイリジウム元素含量はICP元素分析より1.5質量%であった。これより、共重合体の共重合比はviTPD:IrST=94.4:5.6(質量比)と見積もられた。
実施例4:共重合体poly-(viPMTPD-co-IrST)の合成
Figure 0004780696
密閉容器に実施例2で作成したviPMTPD(2−1)920mgおよびIrST(3−1)80mgを入れ、脱水トルエン8.4mlを加えた後、V-601(和光純薬工業製)の0.1Mトルエン溶液169μlを加え、凍結脱気操作を5回繰り返した。真空のまま密閉し、60℃で72時間撹拌した。反応後、反応液をアセトン300ml中に滴下して沈殿を生じさせた。さらにトルエン−アセトンでの再沈殿精製を2回繰り返して精製した後、50℃で一晩真空乾燥し、薄黄色の固体としてpoly-(viPMTPD-co-IrST)812mgを得た。得られた共重合体の分子量はポリスチレン換算のGPC測定より数平均分子量(Mn)24300、重量平均分子量(Mw)59400、分子量分布指数(Mw/Mn)2.44と見積もられた。共重合体中のイリジウム元素含量はICP元素分析より1.6質量%であった。これより、共重合体の共重合比はviPMTPD:IrST=94.0:6.0(質量比)と見積もられた。
実施例5:共重合体poly-(viTPD-co-viPBD-co-IrST)の合成
Figure 0004780696
密閉容器にviTPD(1−1)460mg、viPBD(式(5−1)、特開平10-1665号に記載されている方法に準じて合成した。)460mg、IrST(3−1)80mgを入れ、脱水トルエン10.8mlを加えた後、V-601(和光純薬工業製)の0.1Mトルエン溶液217μlを加え、凍結脱気操作を5回繰り返した。真空のまま密閉し、60℃で96時間撹拌した。反応後、反応液をアセトン300ml中に滴下して沈殿を生じさせた。さらにトルエン−アセトンでの再沈殿精製を2回繰り返して精製した後、50℃で一晩真空乾燥し、薄黄色の固体としてpoly-(viTPD-co-viPBD-co-IrST)789mgを得た。得られた共重合体の分子量はポリスチレン換算のGPC測定より数平均分子量(Mn)21400、重量平均分子量(Mw)46600、分子量分布指数(Mw/Mn)2.17と見積もられた。共重合体中のイリジウム元素含量はICP元素分析より1.5質量%であった。これと13C−NMR測定より、共重合体の共重合比はviTPD:viPBD:IrST=43.1:51.3:5.6(質量比)と見積もられた。
実施例6:共重合体poly-(viPMTPD-co-viPBD-co-IrST)の合成
Figure 0004780696
密閉容器にviPMTPD(2−1)460mg、viPBD(5−1)460mg、IrST(3−1)80mgを入れ、脱水トルエン10.5mlを加えた後、V-601(和光純薬工業製)の0.1Mトルエン溶液211μlを加え、凍結脱気操作を5回繰り返した。真空のまま密閉し、60℃で96時間撹拌した。反応後、反応液をアセトン300ml中に滴下して沈殿を生じさせた。さらにトルエン−アセトンでの再沈殿精製を2回繰り返して精製した後、50℃で一晩真空乾燥し、薄黄色の固体としてpoly-(viPMTPD-co-viPBD-co-IrST)810mgを得た。得られた共重合体の分子量はポリスチレン換算のGPC測定より数平均分子量(Mn)26600、重量平均分子量(Mw)62200、分子量分布指数(Mw/Mn)2.34と見積もられた。共重合体中のイリジウム元素含量はICP元素分析より1.5質量%であった。これと13C−NMR測定の結果より、共重合体の共重合比はviPMTPD:viPBD:IrST=44.2:50.2:5.6(質量比)と見積もられた。
参考例1:共重合体poly-(viTPD-co-viOXD7-co-IrST)の合成
Figure 0004780696
密閉容器にviTPD(1−1)460mg、viOXD7(7−1)460mg、IrST(3−1)80mgを入れ、脱水トルエン11.7mlを加えた後、V-601(和光純薬工業製)の0.1Mトルエン溶液235μlを加え、凍結脱気操作を5回繰り返した。真空のまま密閉し、60℃で96時間撹拌した。反応後、反応液をアセトン300ml中に滴下して沈殿を生じさせた。さらにトルエン−アセトンでの再沈殿精製を2回繰り返して精製した後、50℃で一晩真空乾燥し、薄黄色の固体としてpoly-(viTPD-co-viOXD7-co-IrST)750mgを得た。得られた共重合体の分子量はポリスチレン換算のGPC測定より数平均分子量(Mn)19700、重量平均分子量(Mw)67300、分子量分布指数(Mw/Mn)3.42と見積もられた。共重合体中のイリジウム元素含量はICP元素分析より1.5質量%であった。これと13C−NMR測定より、共重合体の共重合比はviTPD:viOXD7:IrST=46.4:48.0:5.6(質量比)と見積もられた。
参考例2:共重合体poly-(viTPD-co-viPBD-co-IrST(R))の合成
Figure 0004780696
密閉容器にviTPD(1−1)460mg、viPBD(5−1)460mg、IrST(R)(式(8−1)、特開2003-147021号に記載されている方法に準じて合成した。)80mgを入れ、脱水トルエン10.8mlを加えた後、V-601(和光純薬工業(株)製)の0.1Mトルエン溶液215μlを加え、凍結脱気操作を5回繰り返した。真空のまま密閉し、60℃で96時間撹拌した。反応後、反応液をアセトン300ml中に滴下して沈殿を生じさせた。さらにトルエン−アセトンでの再沈殿精製を2回繰り返して精製した後、50℃で一晩真空乾燥し、薄赤色の固体としてpoly- (viTPD-co-viPBD-co-IrST (R))773mgを得た。得られた共重合体の分子量はポリスチレン換算のGPC測定より数平均分子量(Mn)22100、重量平均分子量(Mw)50100、分子量分布指数(Mw/Mn)2.27と見積もられた。共重合体中のイリジウム元素含量はICP元素分析より1.6質量%であった。これと13C−NMR測定より、共重合体の共重合比はviTPD:viPBD:IrST(R)=42.9:50.2:6.9(質量比)と見積もられた。
実施例9:重合性化合物viMeOTPD(9−1)の合成
Figure 0004780696
(1)N,N'−ジフェニルベンジジンのビスメトキシフェニル化
アルゴン雰囲気下において、N,N'−ジフェニルベンジジン11.30g、4−ヨードアニソール17.30gに脱水トルエン160mlを加え、約50℃に加熱した。これに、tert−ブトキシカリウム9.05g、酢酸バラジウム302mg、トリ−tert−ブチルホスフィン816mgを順に加え、4時間撹拌しながら還流した。室温まで冷却し、反応液に純水100mlを加え、酢酸エチルで2回抽出した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下に濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開液:酢酸エチル−へキサンの混合溶媒)で精製した。溶媒を留去した後、へキサンから再結晶してMeOTPD(9−2)を得た。収量11.98g。収率65%。同定は1H−NMRで行った。
1H−NMR(270MHz, CDC13, ppm):7.40(d, 4H, J=8.6Hz, ArH), 7.21(d, 4H, J=7.3Hz, ArH), 7.2-7.0(m, 12H, ArH), 6.95(t, 2H, J=7.4, ArH), 6.85(d, 4H, J=8.9Hz, ArH), 3.81(s, 6H, -OCH3)。
(2)MeOTPDのホルミル化
アルゴン雰囲気下において、脱水N,N一ジメチルホルムアミド20mlにオキシ塩化りん1.12mlを加え、30分間撹拌した後、MeOTPD(9−2)5.49gを加え、80℃で2時間撹拌した。反応後、反応液を1.0M炭酸ナトリウム水溶液250mLに滴下し、生じた沈殿をろ取した。この沈殿をジクロロメタン50mlに溶解し、さらに純水50mlを加えた。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下に濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開液:ジクロロメタン−へキサン混合溶媒)で精製した。溶媒を留去し、黄色の固体としてMeOTPD-CHO(9−3)を得た。収量2.65g。収率46%。同定は1H−NMRで行った。
1H−NMR(270MHz, CDCl3, ppm):10.08(s, 1H, -CHO), 7.7-6.8(m, 25H, ArH), 3.85(s, 6H, -OCH3)。
(3)MeOTPD-CHOのビニル化
アルゴン雰囲気下において、メチルトリフェニルホスホニウムブロマイド2.14gに脱水ベンゼン20mlと脱水THF10mlを加え0℃に冷却し、1.6Mブチルリチウムヘキサン溶液3.75mlをシリンジを用いて滴下し、そのまま10分間撹拌し、ホスホラン溶液とした。アルゴン雰囲気下において、MeOTPD-CHO(9−3)2.31gに脱水ベンゼン20mlを加えた後、先程のホスホラン溶液をシリンジを用いて加えた。室温で2時間撹拌した後、反応液に純水20mlとジクロロメタンを加え、水層をジクロロメタンで2回抽出した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下に濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開液:ジクロロメタン−へキサンの混合溶媒)で精製した。ベンゼン溶液より凍結乾燥してviMeOTPDを得た。収量1.72g。収率75%。同定は1H−NMRで行った。
1H−NMR(270MHz, CDCl3, ppm):7.5-6.8(m, 25H, ArH), 6.65(dd, 1H, J=17.6, 10.9Hz, 一CH=CH2), 5.62(d, 1H, J=17.3Hz, -CH=CH2(cis)), 5.12(d, 1H, J=11.1Hz, -CH=CH2(trans)), 3.80(s, 6H, -OCH3)。
実施例10:重合性化合物viNPD(10−1)の合成
Figure 0004780696
(1)4,4'−ビス(N−ナフチル−N−フェニル−アミノ)ビフェニルのホルミル化
アルゴン雰囲気下において、脱水N,N−ジメチルホルムアミド40mlにオキシ塩化りん2.24mlを加え、30分間撹拌した後、4,4'−ビス(N−ナフチル−N−フェニル−アミノ)ビフェニル11.77gを加え、80℃で2時間撹拌した。反応後、反応液を1.0M炭酸ナトリウム水溶液500mlに滴下し、生じた沈殿をろ取した。この沈殿をジクロロメタン100mlに溶解し、さらに純水100mlを加えた。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下に濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開液:ジクロロメタン−へキサン混合溶媒)で精製した。溶媒を留去し、黄色の固体としてNPD-CHO(10−2)を得た。収量3.21g。収率26%。同定は1H−NMRで行った。
1H−NMR(270MHz, CDC13, ppm):9.90(s, 1H, -CHO), 7.8-6.8(m, 31H, ArH)。
(2)NPD-CHOのビニル化
アルゴン雰囲気下において、メチルトリフェニルホスホニウムブロマイド2.68gに脱水ベンゼン20mlと脱水THF10mlを加え0℃に冷却し、1.6Mブチルリチウムヘキサン溶液4.69mlをシリンジを用いて滴下し、そのまま10分間撹拌し、ホスホラン溶液とした。アルゴン雰囲気下において、NPD-CHO(10−2)3.08gに脱水ベンゼン20mlを加えた後、先程のホスホラン溶液をシリンジを用いて加えた。室温で2時間撹拌した後、反応液に純水20mlとジクロロメタンを加え、水層をジクロロメタンで2回抽出した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下に濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開液:ジクロロメタン−へキサンの混合溶媒)で精製した。ベンゼン溶液より凍結乾燥してviNPD(10−1)を得た。収量2.43g。収率79%。同定は1H−NMRで行った。
1H−NMR(270MHz, CDCl3, ppm):7.8-6.8(m, 31H, ArH), 6.68(dd, 1H, J=17.4, 10.9Hz, -CH=CH2), 5.63(d, 1H, J=17.6Hz, -CH=CH2(cis)), 5.15(d, 1H, J=11.1Hz, -CH=CH2(trans))。
実施例11:重合性化合物viPTPD(11−1)の合成
Figure 0004780696
(1)N,N'−ジフェニル−1,4−フェニレンジアミンのジトリル化
アルゴン雰囲気下において、N,N'−ジフェニル−1,4−フェニレンジアミン5.21g、4−ヨードトルエン9.59gに脱水トルエン100mlを加え、約50℃に加熱した。これにtert−ブトキシカリウム5.39g、酢酸バラジウム90mg、トリ−tert−ブチルホスフィン243mgを順に加え、4時間撹拌しながら還流した。室温まで冷却し、反応液に純水50mlを加え、酢酸エチルで2回抽出した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下に濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開液:トルエン−ヘキサンの混合溶液)で精製した。溶媒を留去した後、ヘキサンから再結晶してPTPD(11−2)を得た。収量6.43g。収率73%。同定は1H−NMRで行った。
1H−NMR(270MHz, CDC13, ppm):7.5-6.8(m, 22H, ArH), 2.25(s, 6H, -CH3)。
(2)PTPDのホルミル化
アルゴン雰囲気下において、脱水N,N一ジメチルホルムアミド20mlにオキシ塩化りん1.12mlを加え、30分間撹拌した後、PTPD(11−2)4.41gを加え、80℃で2時間撹拌した。反応後、反応液を1.0M炭酸ナトリウム水溶液250mlに滴下し、生じた沈殿をろ取した。この沈殿をジクロロメタン50mlに溶解し、さらに純水50mlを加えた。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下に濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開液:ジクロロメタン−ヘキサン混合溶媒)で精製した。溶媒を留去し、黄色の固体としてPTPD-CHO(11−3)を得た。収量2.06g。収率44%。同定は1H−NMRで行った。
1H−NMR(270MHz, CDCl3, ppm):9.99(s, 1H, -CHO), 7.7-6.8(m, 21H, ArH), 2.28(s, 6H, -CH3)。
(3)PTPD-CHOのビニル化
アルゴン雰囲気下において、メチルトリフェニルホスホニウムブロマイド2.14gに脱水ベンゼン20mlと脱水THF10mlを加え0℃に冷却し、1.6Mブチルリチウムへキサン溶液3.75mlをシリンジを用いて滴下し、そのまま10分間撹拌し、ホスホラン溶液とした。アルゴン雰囲気下において、PTPD-CHO(11−3)1.87gに脱水ベンゼン20mlを加えた後、先程のホスホラン溶液をシリンジを用いて加えた。室温で2時間撹拌した後、反応液に純水20mlとジクロロメタンを加え、水層をジクロロメタンで2回抽出した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下に濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開液:ジクロロメタン−へキサンの混合溶媒)で精製した。ベンゼン溶液より凍結乾燥してviPTPD(11−1)を得た。収量1.46g。収率78%。同定は1H−NMRで行った。
1H−NMR(270MHz, CDCl3, ppm):7.5-6.9(m, 21H, ArH), 6.66(dd, 1H, J=17.6, 11.1Hz, -CH=CH2), 5.62(d, 1H, J=17.3Hz, -CH=CH2(cis)), 5.14(d, 1H, J=10.8Hz, -CH=CH2(trans))。
比較例1:共重合体poly-(VCz-co-viPBD-co-IrST)の合成
密閉容器にN−ビニルカルバゾール(VCz)460mg、viPBD(5−1)460mg、IrST(3−1)80mgを入れ、脱水トルエン5.60mlを加えた後、V-601(低VOC型ラジカル開始剤、和光純薬工業製)の0.1Mトルエン溶液3.70mlを加え、凍結脱気操作を5回繰り返した。真空のまま密閉し、60℃で72時間撹拌した。反応後、反応液をメタノール500ml中に滴下して沈殿を生じさせた。さらにトルエン−アセトンでの再沈殿精製を2回繰り返して精製した後、50℃で一晩真空乾燥し、薄黄色の固体としてpoly-(VCz-co-viPBD-co-IrST)953mgを得た。得られた共重合体の分子量はポリスチレン換算のGPC測定より数平均分子量(Mn)4700、重量平均分子量(Mw)12500、分子量分布指数(Mw/Mn)2.64と見積もられた。共重合体中のイリジウム元素含量はICP元素分析より1.9質量%であった。これより、共重合体の共重合比はVCz:viPBD:IrST=45.7:47.2:7.1(質量比)と見積もられた。
実施例12:有機発光素子の製作とEL発光特性評価
25mm角のガラス基板の一方の面に、陽極となる幅4mmの2本のITO電極がストライプ状に形成されたITO(酸化インジウム錫)付き基板(ニッポ電機、Nippo Electric Co., LTD.)を用いて有機発光素子を作製した。はじめに、上記ITO付き基板のITO(陽極)上に、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)・ポリスチレンスルホン酸(バイエル社製、商品名「バイトロンP」)をスピンコート法により、回転数3500rpm、塗布時間40秒の条件で塗布した後、真空乾燥器で減圧下、60℃で2時間乾燥を行い、陽極バッファ層を形成した。得られた陽極バッファ層の膜厚は約50nmであった。
次に、発光材料、電子輸送材料を含む層を形成するための塗布溶液を調製した。すなわち、実施例3で合成したpoly-(viTPD-co-IrST)45mgと、特開平10-1665号公報に記載の方法で合成したpoly-vinylPBD45mgをトルエン(和光純薬工業製、特級)2910mgに溶解し、得られた溶液を孔径0.2μmのフィルターでろ過して塗布溶液とした。次に、陽極バッファ層上に、調製した塗布溶液をスピンコート法により、回転数3000rpm、塗布時間30秒の条件で塗布し、室温(25℃)にて30分間乾燥することにより、発光層を形成した。得られた発光層の膜厚は約100nmであった。次に発光層を形成した基板を蒸着装置内に載置し、セシウムを蒸着速度0.01nm/sで2nmの厚さに蒸着し(セシウム源としては、サエスゲッターズ社製アルカリメタルディスペンサーを使用)、続いて、陰極としてアルミニウムを蒸着速度1nm/sで250nmの厚さに蒸着し、素子1を作製した。尚、セシウムとアルミニウムの層は、陽極の延在方向に対して直交する2本の幅3mmのストライプ状に形成し、1枚のガラス基板当たり、縦4mm×横3mmの有機発光素子を4個作製した。
(株)アドバンテスト製 プログラマブル直流電圧/電流源 TR6143を用いて上記有機EL素子に電圧を印加して発光させ、その発光輝度を(株)トプコン製 輝度計 BM-8を用いて測定した。その結果得られた、発光開始電圧、最高輝度、および100cd/m2点灯時の外部量子効率を表2に示す(各値は1枚の基板に形成された素子4個の平均値)。
素子1に対して、表1に記載するように、実施例4〜6、参考例1〜2、比較例1で合成した発光材料およびその他の材料を変更した以外は、素子1と同様にして素子2〜7を作製した。これらの素子についても素子1と同様にEL発光特性の評価を行った結果を表2に示す。
Figure 0004780696

Figure 0004780696


表1、2より、比較例であるホール輸送部位にビニルカルバゾールを用いた燐光発光性高分子を使用した発光素子に較べて、本発明のホール輸送部位にトリフェニルアミン構造を用いた燐光発光性高分子を使用した発光素子で、発光開始電圧が低く、最高輝度が高く、外部量子効率が高いことがわかる。
本発明の燐光性高分子化合物を用いることにより、低電圧で高発光効率が得られ、大面積化および量産化に適した燐光発光性高分子材料およびこれを用いた有機発光素子を提供することが可能となる。
有機発光素子の一実施態様の断面図である。
符号の説明
1 透明基板
2 陽極
3 ホール輸送層
4 発光層
5 電子輸送層
6 陰極

Claims (12)

  1. 式(1):
    Figure 0004780696
    (式中、R1〜R27はそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、アミノ基、炭素数1〜6のアルキル基、または炭素数1〜6のアルコキシ基を表す。また、R1〜R19のうち、同一のフェニル基の隣接する炭素原子にそれぞれ結合している基は、互いに結合して縮合環を形成してもよい。R28は、水素原子、または炭素数1〜6のアルキル基を表す。Xは、単結合、酸素原子(−O−)、硫黄原子(−S−)、−SO−、−SO2−、−NR−(但し、Rは水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基を表す。)、−CO−、または炭素数1〜20の2価の有機基(但し、有機基は酸素原子(−O−)、硫黄原子(−S−)、−SO−、−SO2−、−NR−(但し、Rは水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基を表す。)および−CO−からなる群より選択される原子、もしくは基によって置換されていてもよい。)を表す
    で示されるモノマー単位、式(3−1):
    Figure 0004780696
    で示される化合物から誘導される燐光発光性モノマー単位、および式(5−1):
    Figure 0004780696
    で示される化合物から誘導されるモノマー単位を一分子中に含むことを特徴とする燐光発光性高分子化合物。
  2. 式(1)が、式(2):
    Figure 0004780696
    (式中、R29〜R32はそれぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基または炭素数1〜6のアルコキシ基を表し、R33、R34はそれぞれ独立して、炭素数1〜6のアルキル基または炭素数1〜6のアルコキシ基を表す。Xは、単結合、酸素原子(−O−)、硫黄原子(−S−)、−SO−、−SO2−、−NR−(但し、Rは水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基を表す。)、−CO−、または炭素数1〜20の2価の有機基(但し、有機基は酸素原子(−O−)、硫黄原子(−S−)、−SO−、−SO2−、−NR−(但し、Rは水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基を表す。)および−CO−からなる群より選択される原子、もしくは基によって置換されていてもよい。)を表す。)
    である請求項1に記載の燐光発光性高分子化合物。
  3. 陽極と陰極に挟まれた一または複数の高分子層を含む有機発光素子において、前記高分子層の少なくとも一層が請求項1または2に記載の燐光発光性高分子化合物を含む有機発光素子。
  4. 陽極が、UVオゾン照射処理又は高周波プラズマ処理されている請求項に記載の有機発光素子。
  5. 高周波プラズマ処理が、フルオロカーボン及び/またはメタンの少なくとも一種以上を含むガスによる処理である請求項に記載の有機発光素子。
  6. 高周波プラズマ処理が、酸素及び/またはアルゴンの少なくとも一種以上を含むガスによる処理である請求項に記載の有機発光素子。
  7. 式(1):
    Figure 0004780696
    (式中、R 1 〜R 27 はそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、アミノ基、炭素数1〜6のアルキル基、または炭素数1〜6のアルコキシ基を表す。また、R 1 〜R 19 のうち、同一のフェニル基の隣接する炭素原子にそれぞれ結合している基は、互いに結合して縮合環を形成してもよい。R 28 は、水素原子、または炭素数1〜6のアルキル基を表す。Xは、単結合、酸素原子(−O−)、硫黄原子(−S−)、−SO−、−SO 2 −、−NR−(但し、Rは水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基を表す。)、−CO−、または炭素数1〜20の2価の有機基(但し、有機基は酸素原子(−O−)、硫黄原子(−S−)、−SO−、−SO 2 −、−NR−(但し、Rは水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基を表す。)および−CO−からなる群より選択される原子、もしくは基によって置換されていてもよい。)を表す。)
    で示されるモノマー単位および式(3−1):
    Figure 0004780696
    で示される化合物から誘導される燐光発光性モノマー単位を一分子中に含む燐光発光性高分子化合物と、式(5−1):
    Figure 0004780696
    で示される化合物を重合させてなる高分子化合物とを含むことを特徴とする燐光発光性組成物。
  8. 式(1)が、式(2):
    Figure 0004780696
    (式中、R29〜R32はそれぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基または炭素数1〜6のアルコキシ基を表し、R33、R34はそれぞれ独立して、炭素数1〜6のアルキル基または炭素数1〜6のアルコキシ基を表す。Xは、単結合、酸素原子(−O−)、硫黄原子(−S−)、−SO−、−SO2−、−NR−(但し、Rは水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基を表す。)、−CO−、または炭素数1〜20の2価の有機基(但し、有機基は酸素原子(−O−)、硫黄原子(−S−)、−SO−、−SO2−、−NR−(但し、Rは水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基を表す。)および−CO−からなる群より選択される原子、もしくは基によって置換されていてもよい。)を表す。)
    である請求項7に記載の燐光発光性組成物。
  9. 陽極と陰極に挟まれた一または複数の高分子層を含む有機発光素子において、前記高分子層の少なくとも一層が請求項7または8に記載の燐光発光性組成物を含む有機発光素子。
  10. 陽極が、UVオゾン照射処理又は高周波プラズマ処理されている請求項9に記載の有機発光素子。
  11. 高周波プラズマ処理が、フルオロカーボン及び/またはメタンの少なくとも一種以上を含むガスによる処理である請求項10に記載の有機発光素子。
  12. 高周波プラズマ処理が、酸素及び/またはアルゴンの少なくとも一種以上を含むガスによる処理である請求項10に記載の有機発光素子。
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