JP4767592B2 - 耐火構造用鋼のサブマージアーク溶接方法 - Google Patents
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昭和62年の防耐火総プロの成果を受けて(38条認定により)、性能型の設計が可能となった結果、鋼材の高温強度と建物に実際に加わっている荷重とによってどの程度の耐火被覆が必要かを決定できるようになり、場合によっては無耐火被覆で鋼材を使用することも可能となった。
こうした状況から、600℃での高温降伏強度が常温時の2/3以上となる鋼材、すなわち600℃耐火鋼が開発された。また、直近においては、700℃あるいはさらに800℃での高温降伏強度を保証する700℃耐火鋼、800℃耐火鋼に関する技術も開示されつつある。
例えば、600℃耐火においては以下に記載の特許文献1に示すようなサブマージアーク溶接方法が開示され、800℃耐火においても以下に記載の特許文献2に示すようなサブマージアーク溶接方法が開示されている。これらいずれの技術によっても溶接金属中にMo、Nb、VやCrを含有させて、高温特性を高めている。
本発明は、上記の従来技術の問題点に鑑みて、800℃までの耐火性に優れた耐火構造用鋼に使用するサブマージアーク溶接方法に関し、高温強度だけでなく、靭性や耐高温脆化特性にも優れた溶接金属を得ることが可能なサブマージアーク溶接方法を提供することを課題とするものである。
(1)本発明は、耐火構造用鋼をサブマージアーク溶接するにおいて、溶接ワイヤおよびフラックスのいずれか一方または両方に含有し、かつ、フラックス中の酸化物および弗化物として存在するものを除いた各成分の含有量の合計量が、Feおよび不可避不純物以外は質量%で、C:0.01〜0.15%、Si:0.1〜2%、Mn:0.2〜5%、Mo:0.1〜2%、Nb:0.023〜0.5%、Al:0.002〜7%、Ti:0.01〜5%、Cr:0.01%未満、である溶接ワイヤおよびフラックスを組み合わせて用いることを特徴とする。
(2)本発明は、先に記載のフラックス中の酸化物および弗化物として存在するものを除いた溶接ワイヤとフラックス中の合計量として、質量%で、Cu:0.01〜3%、Ni:0.01〜6%、W:0.05〜3%、V:0.002〜0.5%、Ta:0.002〜0.5%、B:0.0002〜0.005%の1種または2種以上を含むことを特徴とする。
(3)本発明は、先に記載のフラックス中の酸化物および弗化物として存在するものを除いた溶接ワイヤとフラックス中の合計量として、質量%で、Ca:0.0002〜0.1%、Mg:0.0002〜0.1%、REM:0.0002〜0.1%、の1種または2種以上を含むことを特徴とする。
(5)本発明は、前記耐火構造用鋼として、800℃における降伏強さ70MPa以上のものに適用することを特徴とする。
(6)本発明は、前記耐火構造用鋼として、0℃でのシャルピー吸収エネルギーが100J以上を有するものに適用することを特徴とする。
建築鋼構造物の耐火設計では、火災継続時間内で高い高温強度を維持すれば良く、従来のボイラなど圧力容器用の耐熱鋼のように500〜600℃程度の高温、高圧環境下で長時間使用する際の高温強度を考慮する必要はなく、比較的短時間の高温での降伏強度が維持できればよい。例えば、800℃で保持時間が30分程度の短時間での高温降伏強度が確保できれば800℃耐火鋼として十分利用できる。
従来の耐火鋼では、高温時の降伏強度が常温時の2/3以上となるように性能を定めていたが、鉄骨構造物の実設計範囲が常温降伏強度下限の0.2〜0.4倍であることを勘案し、常温降伏強度下限比0.4以上であれば使用できるとの考えに基づき、800℃高温強度の目安としては常温降伏強度に対する下限比が0.4以上と考えることができる。即ち、800℃降伏強さの目標値は400MPa鋼で94MPa、490MPaで130MPaである。
そこで、本願発明者らは、800℃までの高温耐火構造用鋼用の溶接材料として、700℃及び800℃の降伏強さが各々220MPa、70MPa以上で、かつ、靭性に関しては、安全性をより重視して、0℃でのシャルピー吸収エネルギーが100J以上を有し、さらに、高温にさらされたときに負荷応力や溶接残留応力による高温脆化割れを生じない程度の耐高温脆化性を有する溶接金属が得られるサブマージアーク溶接材料、溶接方法について検討した。
また、本願発明者は、高温強度を保ちつつ、0℃でのシャルピー吸収エネルギーが100J以上となるような高い靭性を達成するためには合金組成の適正組み合わせとともに溶接金属中にTiを含有させることが必須であることも見いだした。
以上の如く新しく見い出した知見に基づいて、本発明者らは、耐火構造用鋼のサブマージアーク溶接方法において、フラックス中の酸化物および弗化物として存在するものを除いた、溶接ワイヤおよびフラックスのいずれか一方または両方の合計の含有量の元素含有量を限定することで、前記課題を解決できることを見いだし、本発明に至った。
また本願発明は、先の組成に加え、必要に応じて、Cu:0.01〜3%、Ni:0.01〜6%、W:0.05〜3%、V:0.002〜0.5%、Ta:0.002〜0.5%、B:0.0002〜0.005%、の1種または2種以上を含むことも可能であり、更に必要に応じて、Ca:0.0002〜0.1%、Mg:0.0002〜0.1%、REM:0.0002〜0.1%、の1種または2種以上を含む組成とした溶接ワイヤおよびフラックスを組み合わせて用いることを特徴とする耐火構造用鋼のサブマージアーク溶接方法に関するものである。
Cは、溶接金属の常温での強度を得るためにワイヤとフラックス中に合わせて0.01%が必要であるが、0.15%を超えると靭性が低下するため、ワイヤおよびフラックスのいずれか一方または両方に含有する合計量で0.01%以上、0.15%以下に限定する。
Siは、溶接金属中の酸素量を低下させて靭性を改善するのでワイヤとフラックス中に合わせて0.1%以上の添加が必要である。しかし、2%を超えると常温強度が高くなりすぎ、溶接金属靭性も低下させるので、ワイヤおよびフラックスのいずれか一方または両方に含有する合計量で0.1%以上、2%以下に限定する。
Mnは、Siと同様に溶接金属の酸素量を低減させ、靭性を改善する効果を有するため、0.3%は必要であるが、過剰に含有させるとAc1変態温度を低くするために800℃高温強度には有害となるため、5.3%以下に限定する。従って、Mn含有量を、ワイヤおよびフラックスのいずれか一方または両方に含有する合計量で0.3〜5%とする。
Nbは主として析出状態で高温強度を高めることができる元素であり、本発明溶接のワイヤとフラックスの組み合わせにおいては必須元素である。800℃高温強度を高めるにはワイヤおよびフラックスのいずれか一方または両方に含有する合計量で0.005%以上とする必要がある。しかし、0.5%を超えて含有させると、溶接金属靭性を低下させ、また、高温脆化が顕著となるため好ましくない。そのため、ワイヤおよびフラックスのいずれか一方または両方に含有する合計量で0.005%以上、0.5%以下とする。
TiもAl、Siと同様、脱酸元素であり、溶接金属の酸素量を低減させ、靭性を改善する効果を有するが、これに加えてTi酸化物、窒化物として存在することにより、溶接金属の靱性向上に最も有効であり、特に本発明が目的とするように、0℃でのシャルピー吸収エネルギーが100J以上となるような高い靭性を達成するためには、従来700℃以上の耐火構造用鋼には用いられていないTiを含有させることが必須である。これらの効果を発揮するためには、Ti含有量はワイヤおよびフラックスのいずれか一方または両方に含有する合計量で0.01%以上必要である。一方、Ti含有量が5%超になると、溶接金属中に粗大なTiの介在物を形成して靱性を劣化させる懸念が大きくなるため、本発明においては、ワイヤおよびフラックスのいずれか一方または両方に含有する合計量でTiは0.01%以上、5%以下とする。
以上が、本発明における、溶接ワイヤおよびフラックスのいずれか一方または両方に含有する合計量での必須元素の限定理由であるが、溶接金属の強度・靱性の調整や溶接作業性の向上のために必要に応じて、Cu、Ni、W、V、Ta、Bの1種または2種以上を含有させることができる。
Niは、固溶靭化効果により靭性を向上させるのに非常に有効な元素である。溶接金属靭性を高めるためには、溶接ワイヤおよびフラックスのいずれか一方または両方に含有する合計量で0.01%以上を必要とするが、過剰に含有させるとAc1変態温度を低下させて、800℃では逆変態オーステナイトが生じて高温強度を低下させる恐れがあるため、本発明においては、溶接ワイヤおよびフラックスのいずれか一方または両方に含有する合計量で6%を上限とする。
Vは、主として析出強化により溶接金属の強度を高めるために溶接金属中に含有させる。明確な強度向上効果を発揮させるためには、溶接ワイヤおよびフラックスのいずれか一方または両方に含有する合計量で0.002%以上を必要とするが、0.5%を超えると溶接金属の靭性を著しく劣化させるため、Vを用いる場合には、溶接ワイヤおよびフラックスのいずれか一方または両方に含有する合計量で0.002〜0.5%とする。
Taも、主として析出強化により溶接金属の強度を高めるために溶接金属中に含有させる。明確な強度向上効果を発揮させるためには、溶接ワイヤおよびフラックスのいずれか一方または両方に含有する合計量で0.002%以上を必要とするが、0.5%を超えると溶接金属の靭性を著しく劣化させるため、Vを用いる場合には、溶接ワイヤおよびフラックスのいずれか一方または両方に含有する合計量で0.002〜0.5%とする。
Ca、Mg、REMはいずれも硫化物の構造を変化させ、また溶接金属中での硫化物、酸化物のサイズを微細化して延性および靭性向上に有効である。その効果を発揮するための下限の含有量は、溶接ワイヤおよびフラックスのいずれか一方または両方に含有する合計量でいずれも0.0002%である。一方、過剰に含有すると、硫化物や酸化物の粗大化を生じ、延性、靭性の劣化を招くため、また、溶接ビード形状の劣化、溶接性の劣化の可能性も生じるため、上限を溶接ワイヤおよびフラックスのいずれか一方または両方に含有する合計量でいずれも0.01%とする。
本発明では、上述した理由により、サブマージアーク溶接の際にワイヤおよびフラックスのいずれか一方または両方に含有する合計量で成分を規定することにより、目標とする溶接金属の耐火性能および靱性を確保することができる。
なお、フラックスを用いて上記の金属成分を溶接金属に添加する場合は、フラックス中に上記金属成分(X)を金属(X)、鉄またはその他金属との合金(Fe−X)などの添加形態で添加することが好ましい。
TiO 2 は、ビード形状を改善させるがスラグ剥離性を劣化させ、特に8%を超えるとビード表面にスラグのこびり付きが生じ、極端にスラグ剥離性が劣化するので8%以下に限定することが好ましい。
SiO 2 はスラグの粘性を増加させ、止端部のなじみのよい溶接ビードを形成するのに極めて有効な成分であるとともに、スラグをガラス質の性状にする傾向を有し、これにより砕けやすい剥離性の良好なスラグを生成することができる。このようなSiO 2 の効果はフラックス全重量に対し、10%以上の添加で得ることができるが、一方16%を超えて添加するとスラグの融点が低下し、溶接ビードの表面が乱れ、さらには溶接金属中の酸素量を増加させ溶接金属の靭性が劣化する。そのため、SiO 2 はフラックス全重量に対し、10〜16%添加するのが好ましい。
CaOは高塩基性であり、溶接金属中の酸素量を低くするために必要な組成であり、靭性を向上させる。このようなCaOの効果はフラックス全重量に対し、3%以上の添加で得ることができる。しかしながら20%を超えて添加するとビードが不揃いとなり外観が不良となる。そのため、CaOはフラックス全重量に対し、3〜20%添加するのが好ましい。
Al 2 O 3 は、ビード幅を狭くしてスラグ剥離性を改善するため、8%以上添加できるが、18%を超えると溶接金属の酸素量が高くなり、靭性が劣化する。そのため、Al 2 O 3 はフラックス全重量に対し8〜18%添加するのが好ましい。
MgOはビードの保持力を高め、かつビード幅を広げ止端部のなじみのよい溶接ビードを形成するのに有効な成分であるため、フラックスの全重量に対し、10%以上の添加できる。しかしながら、23%を超えて添加するとスラグ量が増加して、スラグが砕けにくくなりスラグ剥離性が劣化する。そのため、MgOはフラックス全重量に対し10〜23%添加するのが好ましい。
CaCO 3 、BaCO 3 などの金属炭酸塩は溶接中にアーク空洞中でCO 2 ガスに解離し、アーク空洞中における水素分圧を下げ、溶接金属に移行する水素量を低くし、拡散性水素量を低減する効果を有する。金属炭酸塩がCO 2 に換算してフラックス全重量に対し3%未満であると溶接金属中の拡散性水素量が減少せず、水素による低温割れが生じやすくなる。一方、6%を超えるとガス発生量が過多となり、アークが吹き上げビード形状が不良となる。そのため、CaCO 3 、BaCO 3 などの金属炭酸塩は、CO 2 に換算してフラックス全重量に対して3〜6%含有することが好ましい。
Li2O3、LiFなどは吸湿防止効果が非常に高いため、フラックスが大気中の水分を吸収し、溶接時の水素分圧が大きくなり、溶接金属の拡散性水素を高くするのを抑制する。特に、水ガラスを含有するボンドフラックスではこの傾向が強い。この効果を得るためにLi換算で0.04以上添加できる。一方、Li換算0.5%を超えると溶接ビード表面にアバタが発生し、ビード形状が不良となる。そのため、Li 2 O 3 、LiFなどをフラックスの全重量に対し、Li換算で0.04〜0.5%添加するのが好ましい。
表1に示す化学組成を有する数種類の板厚16mmの700〜800℃耐火鋼板1を図1に示す寸法の開先2に開先加工し、溶接に供した。裏当金3も鋼板1と同様の厚板を使用した。
溶接は表2に示す条件を用い、1層2パスのサブマージアーク溶接を用いて多層盛溶接を行った。この溶接で使用した溶接ワイヤの化学組成を表3に、フラックスの化学組成を表4にそれぞれ示す。また、表5には各元素について、溶接ワイヤの含有量とフラックスの含有量の合計量を示す。なお、表4の各元素の含有量は、フラックス全体に対する酸化物、弗化物以外の形態で添加された分についての質量%である。フラックスはまず原材料を配合、混合した後、水ガラスを固着材として造粒した後、550℃で2時間焼成し、12〜100メッシュに整粒して作製したボンドフラックスを用いた。
表6に示すように、本発明例の継手JA1〜JA14はいずれも、高温強度は0.2%耐力で、700℃では250MPa超、800℃では100MPa超と、700℃で220MPa以上、800℃で70MPa以上、の要求を十分満足している。
また、高温での脆化は高温引張試験の延性値に反映されるが、本発明例においては、700℃、800℃とも引張試験の絞り値は十分高く高温脆化も生じていない。さらに、靭性も0℃の吸収エネルギーが全て100J超の高いレベルが得られている。すなわち、本発明による溶接継手においては、溶接金属の特性は高温強度、靭性、耐高温脆化、いずれも極めて良好なレベルが達成されることが明らかである。
即ち、継手JB1は、フラックス中の酸化物および弗化物として存在するものを除いた溶接ワイヤとフラックスの含有量の合計でMo含有量が過大であるため、溶接金属の靭性が本発明に比べて大きく劣る。
継手JB2は、フラックス、溶接ワイヤいずれにもTiが含有されておらず、Tiによる靭性向上効果が発揮されないため、溶接金属の靭性が本発明に比べて大きく劣る。
継手JB3は、高温強度発現に必須であるMo、Nbとも、フラックス、溶接ワイヤいずれにも含有されておらず、そのため、700℃および800℃における高温強度が本発明に比べて極めて低く、耐火用途に適さない。
継手JB4は、フラックス中の酸化物および弗化物として存在するものを除いた溶接ワイヤとフラックスの含有量の合計でMo含有量が過大であるため、溶接金属の靭性が本発明に比べて大きく劣る。
継手JB5は、フラックス中の酸化物および弗化物として存在するものを除いた溶接ワイヤとフラックスの含有量の合計でMo含有量が過大であるため、溶接金属の靭性が本発明に比べて大きく劣る。
継手JB7は、フラックス中の酸化物および弗化物として存在するものを除いた溶接ワイヤとフラックスの含有量の合計でV含有量が過大であるため、溶接金属の靭性が本発明に比べて大きく劣る。
継手JB8は、フラックス中の酸化物および弗化物として存在するものを除いた溶接ワイヤとフラックスの含有量の合計でB含有量が過大であるため、溶接金属の靭性が本発明に比べて大きく劣る。また、絞り値が低値となっていることから明らかなように、高温脆化も明確に生じており、好ましくない。
継手JB9は、フラックス中の酸化物および弗化物として存在するものを除いた溶接ワイヤとフラックスの含有量の合計でSi含有量が過大であるため、溶接金属の靭性が本発明に比べて大きく劣る。
継手JB10は、フラックス中の酸化物および弗化物として存在するものを除いた溶接ワイヤとフラックスの含有量の合計でAl含有量が過大であるため、溶接金属の靭性が本発明に比べて大きく劣る。また、Moが含有されていないため、高温強度も劣る。
継手JB12は、フラックス中の酸化物および弗化物として存在するものを除いた溶接ワイヤとフラックスの含有量の合計でMo含有量が過大であるため、溶接金属の靭性が本発明に比べて大きく劣る。
継手JB13は、フラックス中の酸化物および弗化物として存在するものを除いた溶接ワイヤとフラックスの含有量の合計でNb含有量が過大であるため、溶接金属の靭性が本発明に比べて大きく劣る。また、絞り値が低値となっていることから明らかなように、高温脆化も明確に生じており、好ましくない。
継手JB14は、フラックス中の酸化物および弗化物として存在するものを除いた溶接ワイヤとフラックスの含有量の合計でMo含有量が過小であるため、溶接金属の高温強度が本発明に比べて劣る。
継手JB15は、フラックス中の酸化物および弗化物として存在するものを除いた溶接ワイヤとフラックスの含有量の合計でNb含有量が過小であるため、溶接金属の高温強度が本発明に比べて劣る。
以上の実施例から、本発明によれば、700℃〜800℃までの耐火性に優れた耐火構造用鋼に使用するサブマージアーク溶接方法に関し、高温強度が十分高い上に、靭性や耐高温脆化特性にも優れた溶接金属を得ることが可能であることが明らかである。
より具体的には、表6に示す試験結果から、700℃での0.2%耐力において257MPa以上のものを具体的に得ることができ、800℃での0.2%耐力において105MPa以上のものを具体的に得ることができた。また、0℃でのシャルピー吸収エネルギーにおいて101J以上のものを具体的に得ることができた。
2…開先
3…裏当金
4…高温引張試験片
5…シャルピー衝撃試験片
Claims (6)
- 耐火構造用鋼をサブマージアーク溶接する方法において、溶接ワイヤおよびフラックスのいずれか一方または両方に含有し、かつ、フラックス中の酸化物および弗化物として存在するものを除いた、各成分の含有量の合計量が、Feおよび不可避不純物以外は、質量%で、
C:0.01〜0.15%、
Si:0.1〜2%、
Mn:0.2〜5%、
Mo:0.1〜2%、
Nb:0.023〜0.5%、
Al:0.002〜7%、
Ti:0.01〜5%、
Cr:0.01%未満、
である溶接ワイヤおよびフラックスを組み合わせて用いることを特徴とする耐火構造用鋼のサブマージアーク溶接方法。 - フラックス中の酸化物および弗化物として存在するものを除いた溶接ワイヤとフラックス中の合計量として、質量%で、
Cu:0.01〜3%、
Ni:0.01〜6%、
W:0.05〜3%、
V:0.002〜0.5%、
Ta:0.002〜0.5%、
B:0.0002〜0.005%、
の1種または2種以上を含むことを特徴とする請求項1に記載の耐火構造用鋼のサブマージアーク溶接方法。 - フラックス中の酸化物および弗化物として存在するものを除いた溶接ワイヤとフラックス中の合計量として、質量%で、
Ca:0.0002〜0.1%、
Mg:0.0002〜0.1%、
REM:0.0002〜0.1%、
の1種または2種以上を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の耐火構造用鋼のサブマージアーク溶接方法。 - 前記耐火構造用鋼として、800℃における高温降伏強度が常温降伏強度に対する下限比0.4以上のものに適用することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の耐火構造用鋼のサブマージアーク溶接方法。
- 前記耐火構造用鋼として、800℃における降伏強さ70MPa以上のものに適用することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の耐火構造用鋼のサブマージアーク溶接方法。
- 前記耐火構造用鋼として、0℃でのシャルピー吸収エネルギーが100J以上を有するものに適用することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の耐火構造用鋼のサブマージアーク溶接方法。
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