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JP4759932B2 - 非水電解質二次電池 - Google Patents

非水電解質二次電池 Download PDF

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Description

本発明は非水電解質二次電池に関するものである。
近年、民生用の携帯電話、ポータブル機器や携帯情報端末などの急速な小型軽量化・多様化に伴い、その電源である電池に対して、小型で軽量かつ高エネルギー密度で、さらに長期間繰り返し充放電が実現できる二次電池の開発が強く要求されている。なかでも、水溶液系電解液を使用する鉛電池やニッケルカドミウム電池と比較して、これらの欲求を満たす二次電池としてリチウムイオン二次電池などの非水電解質二次電池が最も有望であり、活発な研究がおこなわれている。
非水電解質二次電池の正極活物質には、二硫化チタン、五酸化バナジウムおよび三酸化モリブデンをはじめとしてリチウムコバルト複合酸化物、リチウムニッケル複合酸化物およびスピネル型マンガン酸化物等の一般式LiMO(ただし、Mは一種以上の遷移金属)で表される種々の化合物が検討されている。なかでも、リチウムコバルト複合酸化物、リチウムニッケル複合酸化物およびスピネル型リチウムマンガン複合酸化物などは、4V(vs.Li/Li)以上の極めて貴な電位での充放電が可能であるため、正極として用いることで高い放電電圧を有する電池を実現できる。
非水電解質二次電池の負極活物質には、金属リチウム、リチウム合金、リチウムの吸蔵・放出が可能な炭素材料などの種々のものが検討されているが、なかでも炭素材料を使用すると、サイクル寿命の長い電池が得られ、かつ安全性が高いという利点がある。
非水電解質二次電池の電解質には、一般にエチレンカーボネートやプロピレンカーボネートなどの高誘電率溶媒とジメチルカーボネートやジエチルカーボネートなどの低粘度溶媒との混合系溶媒にLiPFやLiBF等の支持塩を溶解させた電解液が使用されている。
リチウムイオン二次電池は、高電圧を発生するために貴な反応電位をもつ正極と、非常に卑な反応電位を持つ負極によって構成されているために、初回充電時や充放電サイクルによって非水電解質が分解反応をおこし、初期放電容量の減少や、サイクル特性が低下するといった問題があった。
そこで、初期放電容量を増大させるために、正極と負極の不可逆容量の差を減少させる方法として、負極の不可逆容量が正極よりも大きい場合に、予め正極を放電させておくことで、電池の放電可能容量を増大させる方法が、特許文献1や特許文献2に記載されている。また、特許文献3には、電池の負極板に金属リチウムを添加しておくことで電池の放電容量を高めることができるとしている。
サイクル特性の低下を抑制する方法としては、非水電解質に少量の添加剤を加えることによって正負極界面での非水電解質の分解を抑制する研究が盛んにおこなわれている。例えば、特許文献4には、充電電圧が3.5Vの電池において、非水電解液中にメチルフェニルスルフィド、ジフェニルスルフィド、チアントレン、1,8−ジスルフィドナフタレンなどのスルフィド化合物を1×1.0−3〜1×1.0−2モル/リットル添加することで保存特性およびサイクル特性を向上できるとしている。
また、一般的に、有機化合物を添加剤として用いる場合、その構造や官能基が変わることによって電極との反応性や酸化還元電位が変化することが知られており、例えば特許文献5には、エチレンカーボネートに不飽和結合を導入したビニレンカーボネートを非水電解質に添加して用いる場合、最適な添加量とすることで高温放置特性が向上するが、添加量が多い場合は、高温放置特性が逆に低下するとされており、これは、ビニレンカーボネートの酸化電位が不飽和結合を投入する前のエチレンカーボネートよりも卑であるためであるとしている。添加剤として用いる化合物の構造や官能基の違いは、電池特性に大きな影響を与えるため、その官能基と添加量の最適化に関して盛んに研究がおこなわれている。
特許第3227771号公報 特開平8−203525号公報 特開平5−234622号公報 特開平7−320779号公報 特開2002−15768号公報
リチウムイオン二次電池の放電容量を増加させるために、予め正極活物質にリチウムを挿入したり、負極にリチウム金属を貼り付けたりすることは、工程が煩雑であった。また、添加剤の使用については、初期不可逆容量を低減することや、高温下で充放電サイクルさせた場合の放電容量の低下を抑制するために、現在新規添加剤の構造と添加量について、盛んに研究がなされており、新規添加剤の開発が要望されていた。
そこで、本発明の目的は、非水電解質二次電池において、非水電解質中に新規物質を添加することにより、高温下で充放電サイクルを行った場合の放電容量の減少を抑制することにある。
本願発明は、非水電解質二次電池に関するもので、リチウムを吸蔵・放出する正極と、負極と、非水電解質とを備えた非水電解質二次電池であって、前記非水電解質がアリルスルフィドを含有することを特徴とする。
さらに本願発明は、そのアリルスルフィドの含有量が非水電解質全体に対して0.1〜4.0wt%であることを特徴とする。
本願発明によれば、非水電解質二次電池において、アリルスルフィド含有する非水電解質を用いることによって、高温下で充放電サイクルをおこなった場合の放電容量の減少を抑制した非水電解質二次電池を得ることができる。
そして、アリルスルフィドの添加量を0.1〜4.0wt%とすることで、さらに、初期放電容量が大きく、高率放電特性が良好な非水電解質二次電池を得ることができる。
本発明は、非水電解質二次電池において、リチウムを吸蔵・放出する正極と、負極と、非水電解質とを備えた非水電解質二次電池において、非水電解質がアリルスルフィドを含有することを特徴とする。また、非水電解質中のアリルスルフィドの含有量が0.1〜4.0wt%とすることを特徴とする。
なお、ここで、アリルスルフィドの含有量とは、非水電解質合計重量に対するアリルスルフィドの重量の比(%)を意味する。また、「非水電解質合計重量」とは、非水電解質を構成する「溶媒+溶質の合計重量」、「固体電解質+溶質の合計重量」または「固体電解質+溶質+溶媒の合計重量」を意味する。
本発明に用いられるアリルスルフィドは、化1で示される構造を持つものである。
Figure 0004759932
電池を高温で充放電サイクルさせた場合、貴な電位を有する正極および卑な電位を有する負極上で非水電解質の酸化および還元反応が進行し、ガス発生、活物質の集電性の低下、電極上への高抵抗の被膜形成および正負極の容量バランスのずれなどがおこることによって、電池の放電容量低下がおこるものと考えられている。
本発明のように、非水電解質中にアリルスルフィドを含有させた場合に、高温でのサイクル特性が向上した理由は現時点では明らかではないが、正負極上に安定な被膜を形成して非水電解質の分解反応を抑制したものと推定される。
また、非水電解質二次電池においては、正極および負極の初回充放電時のクーロン効率が異なると、不可逆容量が大きい方の電極が放電時の制限極となる。負極にグラファイト、難黒鉛化性炭素、コークスや合金系材料を用いると、多くの場合、放電時の制限極は負極となる。したがって、正極の一部はその後の充放電に関与できず、電池のエネルギー密度が低下することになる。
この正負極の不可逆容量の差を小さくするために、正極にリチウムを挿入して放電予めさせるか、負極に金属リチウムを貼り付けるなどして不可逆容量分のリチウムを前もって消費させるか、あるいは、初回充放電時の負極での不可逆容量を減少させる添加剤を添加する方法種々検討されている。
本発明のように、非水電解質中にアリルスルフィドを含有させたことによる初回充放電時の放電容量増加の理由については現時点で明らかではないが、アリルスルフィドの酸化電位が4.0V(vs.Li/Li)と比較的卑であるために、正極でアリルスルフィドが酸化され、正極の電位を卑にシフトさせたことにより、利用可能な正極容量が増大した可能性と、初回充放電時の負極での不可逆容量が減少して、放電容量が増加したと推定される。
なお、同じスルフィド化合物でも官能基が異なると、非水電解質に添加した場合の効果はまったく異なる。例えば、アリル基を構造中に含有しないジエチルスルフィドを、本発明のアリルスルフィドと同量だけ単独で非水電解質に添加した場合、電極上でジエチルスルフィドが反応することによって電池の自己放電が著しく大きくなり、電池の放電特性が大きく低下する。これは、電極上で反応したエチルスルフィドの電池内での安定性が低いことや、副反応をおこして電極反応を阻害するためであると考えられる。本発明のアリルスルフィドでは、そのような副反応による性能低下はほとんど見られない。
アリルスルフィドの添加による初回充放電容量と、高温でのサイクル寿命特性を良好なものとするためには、アリルスルフィドの非水電解質全体に対する添加量を0.1〜4.0wt%程度とすることが望ましい。アリルスルフィドの添加量が0.1wt%より少ないと上述の効果が小さく、添加するメリットが低下する。また、アリルスルフィドの添加量が4.0wt%を越えると、電極上に形成される安定な被膜によって反応抵抗が増大して、逆に放電特性や充放電サイクル特性が低下する。したがって、本願発明においては、非水電解質全体に対して、アリルスルフィドを0.1〜4.0wt%含有することが望ましい。
ここで、電解質中のアリルスルフィドは、電池を作製して充放電させると電極上で消費される。したがって、ここで言う含有量は、電池に電解質を注液する際の、電解質全体に対する含有量であり、電池内に残存している量ではない。電池内に残存するアリルスルフィドの含有量は、通常、注液する際に電解質に添加した量よりも減少している。
非水電解質としては、電解液または固体電解質のいずれも使用することができる。電解液を用いる場合には、電解液溶媒として、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、トリフルオロプロピレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、スルホラン、1、2−ジメトキシエタン、1、2−ジエトキシエタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、3−メチル−1、3−ジオキソランやハロゲン化ジオキソラン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸プロピル、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、メチルプロピルカーボネート、エチルプロピルカーボネート、ジプロピルカーボネート、メチルイソプロピルカーボネート、エチルイソプロピルカーボネート、ジイソプロピルカーボネート、ジブチルカーボネート、アセトニトリル、ハロゲン化アセトニトリルや、エトキシペンタフルオロシクロトリホスファゼンなどのアルコキシおよびハロゲン置換ホスファゼン類および鎖状ホスファゼン類、リン酸トリエチルやリン酸トリメチルなどのリン酸エステル類、N−メチルオキサゾリジノン、N−エチルオキサゾリジノン等の非水溶媒を、単独でまたはこれらの混合溶媒を使用することができる。
非水電解質は、これらの非水溶媒に支持塩を溶解して使用する。支持塩としては、LiClO、LiPF、LiBF、LiAsF、LiCFCO、LiCFSO、LiCFCFSO、LiCFCFCFSO、LiN(SOCF、LiN(SOCFCF、LiN(COCF、LiN(COCFCFLiBF、LiBC、LiPF(CおよびLiPF(CFCFなどの塩もしくはこれらの混合物を使用することができる。
また、電池特性向上のために、少量の添加剤を非水電解質中に混合してもよく、ビニレンカーボネートなどの不飽和結合含有カーボネート、ビニルエチレンカーボネート、プロパンスルトン、ブタンスルトン、プロペンスルトン、などのスルトン化合物、グリコールサルファイトやプロピレングリコールサルファイトなどの亜硫酸エステル、グリコールサルフェートやプロピレングリコールサルフェートなどの硫酸エステル、ビフェニル、シクロヘキシルベンゼン、フルオロビフェニル、フルオロベンゼン、アニソール類などの芳香族化合物、フルオロオクタンなどのハロゲン置換アルカンなど、目的に応じて適宜添加してもよい。
固体電解質を用いる場合は、高分子固体電解質として有孔性高分子固体電解質膜を用い、高分子固体電解質にさらに電解液を含有させることで良い。また、ゲル状の高分子固体電解質を用いる場合には、ゲルを構成する電解液と、細孔中等に含有されている電解液とは異なっていてもよい。このような高分子固体電解質を用いる場合には、本願発明のアリルスルフィドを電解液中に含有させれば良い。
正極活物質としては、組成式LiMO、LiO4、(ただし、Mは一種類以上の遷移金属、0≦x≦1.0≦y≦2)で表される複合酸化物、トンネル構造または層状構造の金属カルコゲン化物または金属酸化物を用いることができる。その具体例としては、LiCoO、LiCoNi1−x、LiMn、LiMn、MnO、FeO、V、V13、TiO、TiS等が挙げられる。また、有機化合物としては、例えばポリアニリン等の導電性ポリマー等が挙げられる。さらに、無機化合物、有機化合物を問わず、上記各種活物質を混合して用いてもよい。
さらに、負極材料たる化合物としては、Al、Si、Pb、Sn、Zn、Cd等とリチウムとの合金、LiFe、WO、MoO、SiO、CuO等の金属酸化物、グラファイト、難黒鉛化性炭素、易黒鉛化性炭素等の炭素質材料、LiN等の窒化リチウム、もしくは金属リチウムやリチウム合金、又はこれらの混合物を用いてもよく、複合体を用いてもよい。
また、本発明に係る非水電解質電池のセパレータとしては、織布、不織布、合成樹脂微多孔膜等を用いることができ、特に、合成樹脂微多孔膜を好適に用いることができる。中でもポリエチレン及びポリプロピレン製微多孔膜、またはこれらを複合した微多孔膜等のポリオレフィン系微多孔膜が、厚さ、膜強度、膜抵抗等の面で好適に用いられる。
さらに、高分子固体電解質等の固体電解質を用いることで、セパレータを兼ねさせることもできる。さらに、合成樹脂微多孔膜と高分子固体電解質等を組み合わせて使用してもよい。この場合、高分子固体電解質として有孔性高分子固体電解質膜を用い、高分子固体電解質にさらに電解液を含有させることで良い。
また、電池の形状は特に限定されるものではなく、角形、長円筒形、コイン形、ボタン形、シート形、円筒型電池等の様々な形状の非水電解質二次電池に適用可能である。
以下、本発明を適用した具体的な実施例について説明するが、本発明は本実施例により何ら限定されるものではなく、その主旨を変更しない範囲において適宜変更して実施することが可能である。
[実施例1]
図1は、本実施例の角形非水電解質二次電池の概略断面図である。図1において、1は角型非水電解質二次電池、2は扁平巻回型電極群、3は正極、4は負極、5はセパレータ、6は電池ケース、7は電池蓋、8は安全弁、9は負極端子、10は正極リード、11は負極リードである。
この角形非水電解質二次電池1は、アルミニウム集電体に正極合材を塗布してなる正極3と、銅集電体に負極合材を塗布してなる負極4とがセパレータ5を介して巻回された扁平巻回型電極群2と、非水電解液とを電池ケース6に収納してなる、幅30mm×高さ48mm×厚さ4.0mmのものである。
電池ケース6には、安全弁8を設けた電池蓋7がレーザー溶接によって取り付けられ、負極端子9は負極リード11を介して負極4と接続され、正極3は正極リード10を介して電池蓋7と接続されている。
正極板は、結着剤であるポリフッ化ビニリデン8重量%と導電剤であるアセチレンブラック6重量%とリチウムマンガン複合酸化物である正極活物質86重量%とを混合してなる正極合材に、N−メチルピロリドンを加えてペースト状に調製した後、これを厚さ20μmのアルミニウム箔集電体両面に塗布、乾燥することによって作製した。
負極板は、難黒鉛化性炭素95重量%とポリフッ化ビニリデン5重量%をN−メチルピロリドンに加えてペースト状に調製した後、これを厚さ10μmの銅箔集電体両面に塗布、乾燥することによって製作した。
セパレータには、ポリエチレン微多孔膜を用い、また、電解液には、エチレンカーボネート(EC):ジメチルカーボネート(DMC):エチルメチルカーボネート(EMC)=3:2:5(体積比)の混合溶媒に、更にLiPFを調整後に1mol/Lとなるように溶解し、さらに、化1で示されるアリルスルフィドを、電解液全量に対して0.05wt%となるように溶解した非水電解液を用いた。
以上の構成・手順で実施例1の非水電解質二次電池を合計12セル作製した。
[実施例2〜7および比較例1〜9]
実施例2〜7および比較例1〜9の15種類の電池については、表1に示すように、電解質に含有するアリルスルフィドの量を変化させるか、アリルスルフィドの代わりに類似構造をもつエチルスルフィドおよびエチルフェニルスルフィドを用いた以外は、実施例1とまったく同様にして、非水電解質二次電池を各5セルずつ作製した。
実施例1〜7および比較例1〜9の電池における、電解質中に含有するアリルスルフィドの量(電解液全量に対する重量%)、エチルスルフィドおよびエチルフェニルスルフィドの量を表1に示した。
Figure 0004759932
以上のようにして作製した実施例1〜7および比較例1〜9の角形非水電解質二次電池について、25℃における初期放電容量を測定した。なお、放電容量は、25℃において、充電電流60mA、充電電圧4.25Vの定電流−定電圧充電で1.0時間充電した後、放電電流60mA、終止電圧2.50Vの条件で放電をおこなうことにより測定した。
放電レート特性は、初期容量確認試験後の電池について、初期放電容量確認試験の充電条件で充電し、放電電流をそれぞれ60mAおよび300mAとして終止電圧2.5Vの条件で放電試験をおこなった。
初期放電容量確認試験後の5セルについて、45℃の高温で充放電サイクル試験をおこなった。45℃での高温充放電サイクル試験は、充電電流300mA、充電電圧4.25Vの定電流―定電圧充電で3時間充電した後、放電電流300mA、終止電圧2.50Vの条件で放電させ、これを繰り返すことによりおこなった。
実施例1〜6および比較例1〜9の電池の試験結果を表2に示す。なお、表2において、「放電容量」は各電池の初期放電容量の平均値を示し、「レート保持率」は60mA放電時の放電容量に対する300mA放電時の放電容量の割合を100分率で示したものである。また、高温充放電サイクル試験の150サイクル目の「容量保持率」は、高温充放電サイクル試験の初回充放電時の放電容量に対する150サイクル後の放電容量の割合を100分率で示したものである。
Figure 0004759932
表2より、非水電解質中にアリルスルフィドを含有させることにより、高温での充放電サイクル時の容量保持率を向上させることができた。また、アリルスルフィドを0.1〜4.0wt%含有させた場合、アリルスルフィドを添加しない場合よりも初期容量が増加し、レート保持率を低下させずに、高温での容量保持率を向上させることができた。
一方、アリルスルフィドと類似の構造をもつエチルスルフィドやエチルフェニルスルフィドを0.05〜1.0wt%含有させた場合は、添加量が少ない比較例4において比較例2とほぼ同等であったが、添加量が増加するにつれて初期放電容量が減少し、レート保持率や容量保持率も低下することがわかった。
このような結果が得られた原因については現時点では明らかではないが、アリルスルフィドを非水電解質中に添加すると、初回充放電時に正極上で酸化されることによって、正極が自己放電を起こし、初回充電時に生じた負極の不可逆容量と正極の不可逆容量の差によって生じた正極の利用不可能な充放電領域が充放電可能になったためであると考えられる。あるいは、初回充放電時の負極での不可逆容量が減少し、放電容量が増加したものと考えられる。
高温サイクル時の容量保持率の増加については、初回充放電時に生成したアリルスルフィドの分解生成物が電極上での非水電解質の分解を抑制したためと考えられる。そして、アリルスルフィドの添加量が少ないと、その効果が小さく、初期放電容量や高温充放電サイクル時の容量保持率に大きな影響を及ぼさず、添加量が多すぎる場合は、電極上での反応が過剰におこり、放電容量の低下や抵抗増大によるレート保持率の低下および高温充放電サイクル時の容量保持率低下を引き起こしたものと考えられる。
一方、アリルスルフィドと類似構造をもつエチルスルフィドやエチルフェニルスルフィドを用いた場合に、添加量が多くなるにつれて放電容量の低下や高温サイクル時の容量保持率低下が生じた原因としては、エチルスルフィドおよびエチルフェニルスルフィドが電極上で反応した場合、その反応性生物が電極上に密着せず、他極まで拡散して自己放電を繰り返し生じさせたことが考えられる。また、エチルスルフィドの分解時に溶媒の分解を促進したことも考えられる。
アリルスルフィドは、分子中にアリル基をもち、このアリル基を有することによって、分解生成物が電極上に密着し、本発明のような効果が発現したものと考えられ、同じスルフィド化合物でも官能基の違いによってその最適添加量や効果が異なることが確認できた。
また、実施例および比較例では電解液溶媒がEC:DMC:EMC系について記述したが、環状カーボネートと鎖状カーボネートの比率を変化させた場合や、電解質塩の種類や濃度を変化させた場合、また、鎖状カーボネートとして、ジエチルカーボネートやメチルプロピルカーボネートなどを用いた場合や、酢酸エチルなどのカルボン酸エステルを用いた場合にも同様の傾向が見られ、さらに、環状および鎖状カーボネートの代わりにプロピレンカーボネートやガンマブチロラクトンを一部使用した場合にも同様の傾向が得られた。
さらに、正極活物質としてリチウムコバルト複酸化物やリチウムニッケル複酸化物や、それらの混合系を用いた場合にも同様の結果が得られ、負極活物質として黒鉛やコークス類、合金を用いた場合でも同様の結果が得られた。
本発明の実施例及び比較例の角形電池の断面構造を示す図。
符号の説明
1 角型非水電解質二次電池
2 扁平巻回型電極群
3 正極
4 負極
5 セパレータ
6 電池ケース
7 電池蓋
8 安全弁
9 負極端子
10 正極リード
11 負極リード

Claims (1)

  1. リチウムを吸蔵・放出する正極と、負極と、非水電解質とを備えた非水電解質二次電池であって、前記非水電解質がアリルスルフィドを含有し、非水電解質中のアリルスルフィドの含有量が非水電解質全体に対して0.1〜4.0wt%(但し、0.5wt%を除く)であることを特徴とする非水電解質二次電池。
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