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JP4686025B2 - ミシンの糸切り装置 - Google Patents

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JP4686025B2
JP4686025B2 JP2000380655A JP2000380655A JP4686025B2 JP 4686025 B2 JP4686025 B2 JP 4686025B2 JP 2000380655 A JP2000380655 A JP 2000380655A JP 2000380655 A JP2000380655 A JP 2000380655A JP 4686025 B2 JP4686025 B2 JP 4686025B2
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  • Textile Engineering (AREA)
  • Sewing Machines And Sewing (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ボタン穴などの穴かがり縫いを自動的に行うための穴かがりミシンの糸切り装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
たとえば、被縫製物に鳩目穴の周囲にかがり縫い目を施す鳩目穴かがりミシンは、一般に以下の構成を有している。
即ち、ミシンのベッド部に設けられた送り台に布押え装置が取付けられており、布押え装置によって被縫製物が送り台上に挟持される。そして、該送り台には送り装置によって鳩目穴の切り込み形状に沿わせた送り駆動が与えられる。
また、ミシンのアーム部に設けられた針棒は、針棒上下駆動機構によって上下動されるとともに、アーム部に設けた針振り機構によって、縫い針は1針毎に左右に振られる。
そして、針棒の上下動及び針振りに併せて、ベッド部に設けたルーパー駆動機構がルーパーを動作させ、両者の協働により鳩目穴に沿ってかがり縫いが施される。
なお、メスとハンマーとからなる布切り装置が設けられ、これにより被縫製物に所望のタイミングで鳩目穴が切り込まれる。
【0003】
このような鳩目穴かがりミシンにおいては、前記ルーパーの近傍に芯糸案内機構が設けられ、供給源から引き出された芯糸を、前記左右の針振り位置間に導出させて、芯糸を縫い目内に縫い込ませて縫い目を補強するようになっている。また、ミシンの送り台には、かがり縫いが終了した後に下糸と芯糸とを切断する糸切り装置が設けられる。
【0004】
以下、従来の糸切り装置及びその周辺に配設されている機構について、図面を参照して説明する。
図16に示すように、左押え506を上下動する左押え上下動機構504が左送り台502の後端部に設けられている。また、被縫製物の下部で被縫製物を支持する左受け板508が左送り台502の右端部に設けられている。そして、左押え506が下降して、左押え506と左受け板508とが鳩目穴の左側で被縫製物を挟持するようになっている。
左右送り台501、502が左右に対向して配設されている。また、右押え505を上下動する右押え上下動機構503が右送り台501の後端部に設けられている。また、被縫製物の下部で被縫製物を支持する右受け板507が右送り台501の左端部に設けられており、右押え505が下降して、右押え505と右受け板507とで鳩目穴の右側近傍の被縫製物を挟持するようになっている。なお、右受け板507と左受け板508との間で、挟持された被縫製物に穴かがり縫いが行われるとともに、鳩目穴の切り込みが行われる。
【0005】
また、糸切り装置は、上メス509と、下メス510と、上メス509および下メス510を作動させるカム板512と、駆動手段514の動力をカム板512に伝達するリンク機構513とにより構成されている。
上下メス509、510は、中間部を段ネジ511により各別に回転可能に右送り台501に支持され、上メス509は下メス510より上方に位置し、下メス510は上メス509より右受け板507の前方に配置されている。
下メス510の先端部が被縫製物の下部に位置して前記右押え505とにより鳩目穴の右側方で被縫製物を挟持する。また、下メス510の基端部にカム当接部510bが形成されており、カム当接部510bがカム板512のカム面512aと当接するようになっている。このカム板512は段ねじ515によって右送り台501に回動自在に支持されている。
【0006】
また、側縁が刃509aとなっている上メス509の基端部にカム当接部509bが形成されており、カム板512のカム部512bがカム当接部509bに当接するように構成されている。
【0007】
上メス509の刃509aと下メス510の刃510aとが開いた状態では、上メス509のカム当接部509bと下メス510のカム当接部510bとの間にカム板512が嵌合されている。このとき、被縫製物における鳩目穴に沿って形成された縫い目の終端において前記ルーパ及び前記芯糸案内機構との間に臨む下糸及び芯糸とを挟み、その両側に、上メス509の刃509a及び下メス510の刃510aが配置されている。
【0008】
駆動手段514によってリンク機構513が作動してカム板512が回動されると、上メス509のカム当接部509bと下メス510のカム当接部510bが押し広げられ、上メス509及び下メス510が段ネジ511を中心に回動される。これによって、上メス509の刃509a及び下メス510の刃510aが縫い目の終端付近でかみ合い、下糸及び芯糸が切断される。このように切断することにより、縫い目の終端から下糸の切断部及び芯糸の切断部までの長さ(残り糸)を短くして下糸及び芯糸を切断することができる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、鳩目穴かがり縫いは、鳩目部とその鳩目部に連なる左右の直線部により構成されるが、直線部の長さは種種変更されることがあるため、鳩目穴の直線部の長さによって縫い目の終端の前後位置が異なる。即ち、鳩目穴の直線部の長さが短くなるにつれて縫い目の終端位置が後方(図16上方)になり、鳩目穴の直線部の長さが長くなるにつれて縫い目の終端位置が前方(図16下方)になる。
そのため、鳩目穴の直線部の長さが変化したときに残り糸が短くなるように切断するためには、縫い目の終端の位置に対応させて、その終端付近で上メス509の刃509a及び下メス510の刃510aをかみ合わせる必要がある。
【0010】
前記従来の糸切り装置における下メス510は上下メスの拡開時において鳩目穴の直線部側方に沿って配置されているため、下メス510の刃510aを直線部に沿い長くすることにより、直線部の長さが変化しても縫いの終端の近傍に位置させることができる。
しかし、上メス509は、図16に示されているように、鳩目穴の直線部の延長線上に位置する拡開位置から下メス510に係合する切断位置まで右受け板507上の段ネジ511を中心として回動するように支持されているため、上メス509を長くすると上メス509の先端が左受け板508の前端に係合してしまう。
即ち、上メス509の刃509aと下メス510の刃510aとの噛み合い可能な前後範囲を広げることが非常に困難であり、前記従来の糸切り装置が切断できる鳩目穴の対応長さが非常に範囲の狭いものであった。
【0011】
そこで、この発明の目的は、前記の課題を解決し、糸を切断することができる前後範囲を広げて、縫い目の終端の位置に合わせて残り糸を短くして糸を切断することが可能な糸切り装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
以上の課題を解決すべく請求項1記載の発明は、
縫目を形成する糸を縫い終り位置において左右から挟んで切断する上メス及び下メスを有し、切断すべき糸の前記縫い終り位置が一直線方向に対して所定範囲にわたって変位し得るミシンの糸切り装置において、
一固定軸線に対して縫い糸を挟んで上メスに近接する方向に回転動作可能に支持され、前記縫い終り位置の全変位範囲に対向可能とした下メスと、
前記一直線方向に沿って移動しながら縫い糸を挟んで下メスに近接する方向に回転動作可能に支持され、且つ前記一直線方向に沿う移動が前記縫い終り位置の変位範囲に対応する上メス、とを備えた。
【0013】
これにより、糸切り装置をコンパクトな構造にして糸切り範囲を拡大することができる。
【0014】
また、請求項2に記載の発明は、
縫目を形成する糸を縫い終り位置において左右から挟んで切断する上メス及び下メスを有し、切断すべき糸の前記縫い終り位置が一直線方向に対して所定範囲にわたって変位し得るミシンの糸切り装置において、
一固定軸線に対して縫い糸を挟んで上メスに近接する方向に回転動作可能に支持され、前記縫い終り位置の全変位範囲に対向可能とした下メスと、
前記一直線方向に沿って移動しながら縫い糸を挟んで下メスに近接する方向に回転動作可能に支持され、且つ前記一直線方向に沿う移動範囲を調節可能とした上メス、とを備えた。
【0015】
これにより、請求項1と同様に、糸切り装置をコンパクトな構造にして糸切り範囲を拡大することができる。
【0016】
また、請求項3に記載の発明は、
被縫製物の縫い位置の近傍を押さえる押え(例えば、左右の押え112)と、
前記押えとの間に被縫製物を挟んだ状態とする受け部(例えば、左受け板113、右受け板213)を有するとともに、前記被縫製物を載せて該被縫製物を縫い方向に移動させる送り台と、
前記送り台側に設けられ、穴かがり縫い終了後に縫い終わり位置から延出する糸を前記縫い終わり位置近傍で挟んで切断する上メス(301)および下メス(302)を有する糸切り装置(37)、とを備えたミシンの糸切り装置(37)において、
前記上メスの刃と前記下メスの刃とを互いに開いた状態から前記糸の切断位置で上下に重なって閉じる位置まで移動させる際に、前記上メスの先端が描く軌跡における針位置を通るミシンの軸方向に沿った方向の移動距離D1と、前記軸方向に直交する方向の移動距離D2との比率D1/D2が、
前記下メスの回転支点を中心として前記上メスを回転移動させることにより該上メスの先端の描く軌跡が円弧となる場合に比較して大きくなるように、前記上メスを移動させるメス移動手段(例えば、案内溝340,341、段ネジ316、支持軸318)を備えることを特徴とするものである。
【0017】
この場合、ミシンの軸方向とは、このミシンアーム部が延在する前後方向を意味する。
この上メスの先端が描く軌跡における針位置を通るミシンの軸方向(ミシンの前後方向)の移動距離をD1とし、この軸方向に直交する方向の移動距離をD2とし、移動距離D1と移動距離D2との比率をD1/D2とする。
そして、下メスの回転支点を中心として上メスを回転移動させることにより上メスの先端の描く軌跡が円弧となる場合に比較して比率D1/D2が大きくなるようにして、メス移動手段が上メスを移動するようにしている。
なお、下メスの回動はメス移動手段によって回動しても良いし、別の移動手段によって下メスを回動しても良い。
【0018】
以上のように上メスが移動するため、例えば、上メスが下メスの回動支点と同じ支点を中心に回動移動する場合より、上メスの刃と下メスの刃とが閉じた際に上メスの先端が、例えば左の受け部の前端の前後に対応する位置からより後方に位置する。
すなわち、上メスの先端が左の受け部と接触しないように上メスが切断位置に移動したら、移動距離D1が移動距離D2より大きいため、上メスが下メスの回動支点と同じ支点を中心にして左受け板をよけて回動する場合よりも上メスの先端の位置が後方になる。
【0019】
したがって、例えば、前記従来例より長い上メスの刃を用いることができる。これにより、上メスの刃と下メスの刃とで切断できる前後の範囲が広くなる。そして、より長い縫い長さに対応して残り糸を短くして糸を切断することができる。
なお、以上の説明では、上メス及び下メスの配置を右の送り台としたが、上メス及び下メスなどの左右の配置関係を逆にしてもよい。また、上メスの刃と下メスの刃とで切断できる前後の範囲は、左受け板の前端から、上メスと下メスとが互いに閉じた際の上メスの先端までの前後距離である。
【0020】
請求項4記載の発明は、請求項3記載の糸切り装置において、
前記受け部が針位置を通るミシンの軸線を境として左右受け板(例えば、左受け板113、右受け板213)に分かれた状態に設けられ、
前記上メスと前記下メスとが開いた状態で、前記下メスが、前記受け部の左右受け板のうちの一方の受け板の前部側に、前記下メスの刃を前記軸線の近傍で該軸線にほぼ沿わせるようにして配置され、かつ、前記上メスが、一方の受け板の前から他方の受け板の前に延出するように配置され、
前記糸切断時に、前記メス移動手段により、下メスがその刃を前記軸線に近づけるように回動移動させられ、かつ、上メスが、その刃を前記軸線に近づけ、かつ、前記受け部の他方の受け板側に延出した先端を前記軌跡に沿わせて、前記他方の受け板をよけるように移動させられることを特徴とするものである。
【0021】
この請求項4記載の発明は、上メスと下メスとが開いた状態から閉じた状態に上メス及び下メスが移動する際に、上メスの先端が他方の受け板前から前記軌跡に沿って、他方の受け板をよけるように移動するため、上メスが切断位置に移動する。
この際に、上メスの先端が前記軌跡を描くため、請求項3記載の発明と同様に、例えば、上メスが下メスの回動支点と同じ支点を中心に回動移動する場合より、上メスの刃と下メスの刃とが閉じた際に上メスの先端が他方の受け板の前端の前後に対応する位置からより後方に位置する。したがって、上メスの刃と下メスの刃とで糸を切断することができる前後範囲が拡大し、ボタン穴の平行部の長さに対応させて、縫い端部の近傍で糸を切断することができる。
また、下メスの回動もメス移動手段によって行っているため、下メスを回動する別の回動手段を設ける必要がなくなり、簡単な構造で糸切り装置を提供することができる。
【0022】
請求項5記載の発明は、請求項3または4に記載の糸切り装置において、
前記上メスには、二つの異なる向きに長手方向を持つ案内溝(340,341)が設けられ、前記送り台の前記上メスの取り付け位置に、二つの前記案内溝にそれぞれ挿入される二本の支点軸(例えば、段ネジ316,支持軸318)が設けられ、該支点軸が挿入された二つの案内溝が、前記糸の切断時に前記上メスの先端を前記軌跡に沿って移動するように案内する形状とされていることを特徴とするものである。
【0023】
この請求項5記載の発明は、請求項3又は4記載の糸切り装置の望ましい具体的な構成である。請求項3記載の発明によると、上メスの先端を前記軌跡に案内するような形状の案内溝が上メスに設けられているため、糸切り装置の構造が簡略化する。また、二つの案内溝と二つの支持軸だけで上メスを前記軌跡に沿って移動するようにしているため、糸切り装置の構造が簡略化する。
【0024】
その他、請求項3記載の発明と同様に、上メスの先端が前記軌跡を描くため、例えば、上メスが下メスの回動支点と同じ支点を中心に回動移動する場合より、上メスの刃と下メスの刃とが閉じた際に上メスの先端が他方の受け板の前端の前後に対応する位置からより後方に位置する。したがって、上メスの刃と下メスの刃とで糸を切断することができる前後範囲が拡大し、ボタン穴の平行部の長さに対応させて、縫い端部の近傍で糸を切断することができる。
【0025】
請求項6記載の発明は、請求項5記載の糸切り装置において、
二本の前記支点軸のうちの一方の支点軸(例えば、段ネジ316)が前記下メスの回動移動の支点を兼ねていることを特徴とするものである。
【0026】
この請求項6記載の発明によると、上メスと下メスとがほぼハサミ状となっていて、上メスと下メスとで確実に糸を切断するようにするためには、上メスと下メスとのメス圧を調整しなければならなかったが、下メスの回動支点が二本の支点軸の内の一方を兼ねているため、メス圧の調整が簡略化する。その他、請求項1記載の発明と同様に、例えば、上メスが下メスの回動支点と同じ支点を中心に回動移動する場合より、上メスの刃と下メスの刃とが閉じた際に上メスの先端が他方の受け板の前端の前後位置に対応する位置からより後方に位置する。したがって、上メスの刃と下メスの刃とで糸を切断することができる前後範囲が拡大し、ボタン穴の平行部の長さに対応させて、縫い端部の近傍で糸を切断することができる。
【0027】
請求項7記載の発明は、被縫製物を載せて該被縫製物を縫い方向に移動させる送り台を備えたボタン穴かがり縫いミシンの前記被縫製物の下となる前記送り台側に設けられ、穴かがり縫い終了後に前記被縫製物の穴かがり縫いの縫い終わり位置から延出する糸を前記縫い終わり位置近傍で切断する上メスおよび下メスを備えた糸切り装置であって、
前記上メスと下メスとの動作支点を備えたメス支点部材(例えば、メス取付部303)と、前記送り台に設けられ、かつ、前記メス支点部材が取り付けられるとともに、前記メス支点部材の取り付け位置をミシンの軸方向に沿って変更自在な固定ベース部(例えば、右送り板201)とを備えたことを特徴とするものである。
以上のように、請求項7記載の発明によると、メス支点部材が送り台に設けられた固定ベースに対して取り付け位置をミシン軸方向に沿って変更自在であるため、縫いの終端位置(縫い長さ)に対応させて、上メスの刃と下メスの刃とで切断できる切断範囲ごとミシン軸に沿って変更することができる。また、上メス及び下メスの取り付け位置を変更する際に、上メス及び下メスがほぼハサミ状のまま、メス支点部材とともにミシンの軸方向に変更するため、上メスと下メスとのメス圧を再調整する必要がなくなる。
【0028】
請求項8記載の発明は、請求項7記載の糸切り装置において、
前記糸を切断する際に、前記上メスの刃と下メスの刃とを互いに開いた状態から前記糸の切断位置で上下に重なって閉じる位置まで移動させるための駆動源(例えば、駆動機構31)と、前記上メスに回動可能に連結した上メスリンク(304)と、前記下メスに回動可能に連結した下メスリンク(305)と、前記駆動源に接続されるとともに、前記上メスリンクおよび下メスリンクに接続され、駆動力を上メスリンクおよび下メスリンクに伝動するとともに、伝動時に略直線状に動作する連結リンク(306)とを備え、前記連結リンクは、前記上メスリンク及び前記下メスリンクとの連結部及び前記駆動源との連結部のうちの少なくとも一方の連結部が、連結位置をほぼ前記ミシンの軸方向に沿って変更自在とされていることを特徴とするものである。
以上のように、請求項8記載の発明によると、上メスリンク及び下メスリンクとの連結部及び駆動源との連結部のうちの少なくとも一方の連結部の連結位置が、ミシンの軸方向に沿って変更自在のため、駆動源のミシン軸方向の位置を変更させずとも、上メス及び下メスの位置が、上メスリンク及び下メスリンクとともに送り台に対してミシンの軸方向に沿って変更することができる。
即ち、上メス及び下メスの位置がハサミ状のままミシンの軸方向に沿って変更することができる。したがって、請求項7記載の発明と同様の作用効果を奏し、縫いの終端位置に対応させて上メス及び下メスの切断範囲ごとミシン軸に沿って変更することができるとともに、上メスと下メスとのメス圧の調整が不要となる。
【0029】
請求項9記載の発明は、請求項8記載の糸切り装置において、
前記固定ベース部及び前記メス支点部材のうちの一方には、他方を位置決めするための複数の第一の係合部(例えば、取付孔322,322,・・)がミシンの軸方向に沿って並んで設けられるとともに、他方には、第一の係合部に係合する第二の係合部(例えば、係合部303b)が設けられ、前記連結リンクには、前記上メスリンク及び前記下メスリンクとの連結部及び前記駆動源との連結部のうちの少なくとも一方の連結部(例えば、取付部306a,306a,・・)が、複数の前記第一の係合部と対応するように前記ミシンの軸に沿って複数配置されていることを特徴とするものである。
【0030】
以上のように、請求項9記載の発明によると、複数の第一の係合部に第二の係合部が係合することによって、固定ベースに対するメス支点部材のミシンの軸方向の位置が変更することができる。したがって、上メス及び下メスのミシンの軸方向の位置をハサミ状のまま変更することができ、これにより、縫いの終端位置に対応させて上メス及び下メスの切断範囲ごとミシンの軸に沿って変更することができるとともに、上メスと下メスとのメス圧の調整が不要となる。
また、連結リンクには、上メスリンク及び下メスリンクとの連結部及び駆動源との連結部のうちの少なくとも一方の連結部が、ミシンの軸方向に沿って複数の第一の係合部と対応するようにミシンの軸方向に沿って複数配置されているため、駆動源の配置位置をミシンの軸方向に沿って変更する必要がなくなる。
そして、第一の係合部、第二の係合部、及び、連結部という簡単な構成で、上メス及び下メスの位置をミシンの軸方向に沿って変更ができ、かつ、駆動源の配置位置をミシンの軸に沿って変更する必要がなくなる。
【0031】
請求項10記載の発明は、請求項7、8、9のいずれか一つに記載の糸切り装置において、
切断前の待機位置に配置された状態で、前記下メスの刃となる側縁がミシンの軸にほぼ沿った方向に配置され、かつ、前記下メスの刃となる側縁の反対側の側縁(302c)が刃となる側縁と平行になるように形成され、前記下メスが待機位置よりも右方に移動しないように止めるとともに、ミシンの軸に交差する方向に移動自在なストッパ(例えば、ストッパネジ326)を備えたことを特徴とするものである。
【0032】
以上のように、請求項10記載の発明によると、下メスが待機位置よりも右方に移動しないように止めるストッパが、ミシンの軸線に交差する方向に移動自在なため、下メスの待機位置を調整することができる。また、下メスの刃となる側縁と、当該側縁と反対側の側縁とが平行になっているため、予め下メスの位置調整をしてから上メスと下メスとをハサミ状のまま前後位置を変更した際に、下メスの位置調整をする必要がなくなる。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明に係るミシンの糸切り装置の実施の形態例を図1から図15に基づいて説明する。
図1において、鳩目穴かがりミシン1は、ミシンフレーム10を備え、以下のような構成をしている。即ち、ミシンフレーム10は、略矩形の箱状をなすベッド部11と、このベッド部11の後部で起立する縦胴部20と、ベッド部11とほぼ平行となるように縦胴部20の上部から前方に延びるアーム部12とから構成され、ミシンテーブル(図示せず)上にボトムカバー13を介して載置されている。なお、以下の説明において、ミシンの軸方向とは前後方向を意味する。
アーム部12の頭部(前端部)には、下端部に縫い針14を備えた針棒15が、上下動可能でかつ1針毎に左右の針振り運動可能に配設される。
【0034】
また、ベッド部11には、針棒15の直下に位置する2個のルーパー(図示略)が設けられている。これらのルーパーは、針棒15の上下動及び針振り運動と同期して作動し、これにより縫い針14と協働して送り台16上に載置した被縫製物に縫い目を形成する。また、前記ルーパーの近傍に、図示しない芯糸案内機構が配設される。芯糸案内機構は、糸供給源から引き出された芯糸52(図5等に図示)を、縫い針14の左右の針振り位置の間に導出させるものであり、芯糸52を縫い目内に縫い込ませることにより縫い目を補強するよう構成される。
さらに、ベッド部11には、ルーパーの奥行き側(後側)に位置する布切りメス17(図4等に図示)と、この布切りメス17の上方から布切りメス17に対して接離するハンマー18と、を備える布切り装置19(図4等に図示)が配設され、この布切り装置19が所要のタイミングで作動することにより、被縫製物に丸孔部と直線部とからなる鳩目穴を切り込み得るようになっている。
【0035】
ベッド部11の上面には、被縫製物が載置される送り台16が配設される。この送り台16の上面を構成する左送り板101及び右送り板201が、送り台16に設けられている。左送り板101及び右送り板201は、前後に延在するミシンの軸線(縫い針14の上下軌道を通った前後方向の線)を中心にして、左右に対向配置されている。左送り板101及び右送り板201にはそれぞれ後述する左布押え装置102及び右布押え装置202(図2等に図示)が設けられており、この左布押え装置102及び右布押え装置202によって切り込み(鳩目穴)の両側で被縫製物を押える。
送り台16は全体として薄い矩形状の箱体をなし、図示しない2つのパルスモータを備えた送り装置により駆動されて、左右方向及び前後方向に移動可能になっている。この送り台16は、原点位置に位置決めされている状態で、図示しないスタートスイッチの操作により原点位置より前方の縫製開始位置に移動し、被縫製物に形成されべく鳩目穴に沿って移動するよう設定される。これにより、送り台16に載置した被縫製物を縫い針14の直下の必要位置に移動させ、鳩目穴に沿って順次穴かがり縫いを施すことができる。
そして、鳩目穴に沿って穴かがり縫いが被縫製物に形成された後、送り台16は、原点位置に戻り、その上面に載置された被縫製物における鳩目穴かがり縫い位置の上下に、布切りメス17とハンマー18とが臨むよう設定されている。この位置(布切断位置)において、ハンマー18が下降して鳩目穴に沿って切り込みを形成する。
【0036】
さらに、送り台16の右送り板201には、糸切り装置27が設けられている。糸切り装置27は、かがり縫いが終了した後に、被縫製物の鳩目穴に沿って形成された縫い目の終端から針板21(図4等に図示)に延びる下糸51(図5等に図示)及び縫い目の終端から前記芯糸案内機構に延びる芯糸52(図5等に図示)を切断するものである。
【0037】
詳細について図面を参照して説明する。
まず、左右の左布押え装置102,202について説明する。図2において、左送り板101の後端部上面に、押え腕取付台103がネジ104によって取り付けられている。左右に延在する支点軸105が、Cリング106,106によって回動自在に押え腕取付台103に取り付けられている。この支点軸105が押え腕ベース107に挿入されており、ネジ108によって固定的に締められている。前後に延在する押え腕109の後端部が、前記押え腕ベース107に抱きかかえられており、ネジ110によって固定的に締められている。押え腕109の前端部に、押え112が段ネジ111によって揺動自在に取り付けられている。この左布押え装置102では、押え腕ベース107が回動することにより、押え腕109が上下に起伏して、押え112が上下に移動する。なお、押え腕ベース107は図示しない付勢手段が押え112を下方に付勢し、図示しない駆動手段が、押え112を上方に移動する。
【0038】
また、右布押え装置202は、右送り板201の後端部に設けられており、左布押え装置102とミシンの軸線を中心に対向配置している。右押え装置202の構成は左布押え装置102と同様の構成であり、左布押え装置102と同一構成は同一の符号を付してその説明を省略する。
【0039】
一方、左送り板101の上面の右側縁部に、左受け板113がネジ114によって取り付けられている。この左受け板113はミシンの軸方向に長手方向を有する。そして、前記左の押え112が下降することによって、左の押え112と左受け板113との間に被縫製物が挟持される。また、右送り板201の上面の左側縁部に、右受け板213がネジ214によって取り付けられている。この右受け板213は、左受け板113と対向配置している。そして、前記右の押え112が下降することによって、右の押え112と右受け板213との間に被縫製物が挟持される。このように、左の押え112及び左受け板113によって縫製すべき鳩目穴の左側が押えられ、右の押せ112及び右受け板213によって縫製すべき鳩目穴の右側が押さえられる。
【0040】
次に糸切り装置37について、図3〜図5を参照して説明する。
この糸切り装置37は、鳩目穴かがり縫いの終端部から延出する下糸51及び芯糸52を切断する糸切り本体30と、糸切り本体30を駆動する駆動機構31と、右送り板201とを主にして構成されている。
【0041】
まず、駆動機構31について説明する。
【0042】
図3に示すように、ブラケット308が送り台16の前端部の内部にネジ309によって取り付けられており、このブラケット308によってシリンダ307が送り台16の内部に固定されている。このシリンダ307は、左送り板101及び右送り板201の下方に配置している。シリンダ307の先端部である駆動出力につめ310が取り付けられている。糸切りリンク腕311の一方の端部にころ311aが取り付けられており、ころ311aがつめ310に係合している。糸切り駆動腕312の一方の端部に軸部312aが形成されており、軸部312aが右送り板201の孔に回転自在に挿入されている。そして、軸部312aが糸切りリンク腕311の他方の端部に抱きかかえられており、ネジ313によって軸部312aが糸切りリンク腕311に固定的に連結している。糸切り駆動腕312の軸部312aが形成される端部とは別の端部が後述する糸切り本体30との連結部となる。なお、糸切りリンク腕311には、後述する上メス301と下メス302とが互い開放するように付勢するばね328が取り付けられている。
【0043】
次に、糸切り本体30について説明する。
【0044】
糸切り本体30は、鳩目穴かがり縫いの終端部から延出する下糸51及び芯糸52を当該縫いの端部付近で切断するほぼハサミ状の上メス301及び下メス302と、上メス301及び下メス302が取り付けられるメス取付部303と、上メス301に回動可能に連結した上メスリンク304と、下メス302に回動可能に連結した下メスリンク305と、上メスリンク304及び下メスリンク305に接続される連結リンク306とを主にして構成されている。
【0045】
ミシンの軸方向に長手方向を有する連結リンク306の前部には、所定の間隔でミシンの軸方向に配列する取付部306a,306a,…が形成されている。連結リンク306の後端部には、突出部306bが形成されている。また、連結リンク306のほぼ中間部には、上メスリンク304の一端部及び下メスリンク305の一端部が段ネジ314によって回動自在に取り付けられている。上メスリンク304の他端部に、上メス301の基端部が回動自在に連結している。下メスリンク305の他端部に、下メス302の基端部が回動自在に連結している。
【0046】
メス取付部303の下面に係合部303bが形成されており、メス取付部303の上面には凹部303aが形成されている。この凹部303aに板バネワッシャー315が嵌挿している。メス取付部303の上面に、下メス302が、回動自在となるように段ネジ316によって取り付けられている。段ネジ316は前記板バネワッシャー315に挿入している。下メス302の左側縁に刃302bが形成されている。
【0047】
上メス301は下メス302の上面に設けられている。上メス301には異なる向きに長手方向を持つ案内溝340,341が設けられている。メス取付部303に設けられた支持軸318が、一方の案内溝340に摺動自在に挿入している。他方の案内溝341に前記段ネジ316が摺動自在に挿入しており、この段ネジ316によって上メス301はメス取付部303に取り付けられている。上メス301の先端部の右側縁に刃301cが形成されている。また、上メス301の上面には、ネジ320によって布たぐり319が刃301cの近傍に取り付けられている。
【0048】
以上のように、糸切り本体30は、上メス301、下メス302、メス取付部303、上メスリンク304、下メスリンク305及び連結リンク306が一体となって構成されている。
【0049】
次に、上メス301及び下メス302のメス圧の調整について説明する。
図6に示すように、作業者等が前記段ネジ316を締めることによって、板バネワッシャー315が圧縮され、上メス301及び下メス302に圧力がかかる。即ち、作業者等がこの段ネジ316の締め込みを調整することによって、上メス301及び下メス302のメス圧を調整することができる。
【0050】
次に、前記糸切り本体30の前記右送り板201への取付について説明する。
図3及び図4を参照して、右送り板201にはミシンの軸方向に長手方向を有する溝部201aが形成されており、溝部201aにはミシンの軸方向に長手方向を有する挿入孔201bが形成されている。また、右送り板201には、所定の間隔でミシンの軸方向に配列する取付孔322,322,・・が設けられている。また、右送り板201にミシンの軸方向とほぼ直交する方向に摺動自在なストッパネジ326が設けられている。このストッパネジ326は、ネジ固定部材327に螺合して締め付けられることによって、右送り板201上の所定の位置で固定するようになっている。
【0051】
作業者等が前記連結リンク306を溝部201aに嵌めることによって、糸切り本体30が右送り板201に取り付けられる。即ち、溝部201aに連結リンク306がミシンの軸方向に摺動自在に嵌められると、挿入孔201bに連結リンク306の突出部306bがミシンの軸方向に摺動自在に挿入するようになっている。また、取付孔322,322,…のうちのいずれか一つの取付孔322にメス取付部303の係合部303bが挿入されると、取付孔322に係合部303bが係合する。そして、作業者等がネジ325,325でメス取付部303を右送り板201に固定する。そして、係合部303bが挿入する取付孔322に対応させて、糸切り駆動腕312の軸部312aが設けられた端部と反対側の端部312bを、作業者等が段ネジ329で取付部306a,306a・・のうちのいずれか一つの取付部306aに回動自在に取り付ける。このようにして、右送り板201に対するメス取付部303の前後の位置決めを行う。
【0052】
そして、糸切り本体30が右送り板201に取り付けられた状態で、作業者等がこの糸切り本体30をメスカバー321で被覆する。これによって、糸切り装置37が作動した際には、被縫製物が糸切り装置37に巻き込まれないようになる。
【0053】
以上のように、糸切り本体30が右送り板201に取り付けられた状態で、上メス301の刃301c及び下メス302の刃302bが互いに開放した状態を図4に示す。
図4に示すように、下メス302が下糸51及び芯糸52の切断前の待機位置に配置された状態では、下メス302の刃302bとなる側縁はミシンの軸方向にほぼ沿った方向に配置されている。また、刃302bは左受け板113を向いている。そして、刃302bと反対側の側縁302cは、刃302bとなる側縁とほぼ平行に配置されている。また、ストッパネジ326が締め付けられると、ストッパネジ326が固定し、上メス301と下メス302とが互いに開いた状態における下メス302の位置決めが行われる。詳細に説明すると、図7に示すように、下メス302の刃302bとなる側縁が、右受け板213の左側縁と連続するように、下メス302の刃302bとなる側縁とは反対側の側縁302cにストッパネジ326が当接する。
【0054】
また、図4を参照して、この開放状態では、下メス302の先端となる側縁が、前記右受け板213の前端に隣接して配置されている。そして、下メス302の先端となる側縁は、前記左受け板113の前端より後方側に配置されている。また、この下メス302の厚さは前記右受け板213の厚さとほぼ同等であり、右の押え112が下降することによって、右の押え112と下メス302によって被縫製物を挟持するようになっている。これによって、縫製すべき鳩目穴の右側が押さえられる。
【0055】
上述のように、下メス302の刃302bとなる側縁を右受け板213の左側縁と連続して配置することにより、下メス302と右の押え112とで確実に被縫製物を挟持することができる。したがって、縫製時に目飛びなどの縫製不良の発生が防止される。
【0056】
切断前の待機位置で配置された状態では、上メス301は右受け板213の前方から左受け板113の前方に延出するように配置されている。この状態で、上メス301の刃301cは、縫製すべき鳩目穴に向いている。なお、ばね328が糸切りリンク腕311及び糸切り駆動腕312を介して連結リンク306を前方に向けて付勢することによって、上述のように上メス301と下メス302とが互いに開いた状態で切断前の待機位置で配置される。
【0057】
図5は、上メス301の刃301cと下メス302の刃302bとが切断位置で上下に重なって、閉じた状態を示す。
上メス301の刃301c及び下メス302の刃302bが互いに開いた状態から、ばね328の付勢力に抗して連結リンク306が後方に摺動することによって、下メスリンク305が連結リンク306の前端部を中心に回転するようになっている。これにより、下メス302は段ネジ316を中心にして回動し、下メス302の刃302bが前記切断位置に向かって左方に移動するようになっている。
また、同様に連結リンク306の後方への摺動によって、上メスリンク304が連結リンク306の先端部を中心に回転するようになっている。これにより、上メスリンク304が上メス301の基端部に回動自在に連結されているため、上メス301を移動するようになっている。これにより、案内溝341に挿入されている段ネジ316が、上メス301に対して相対的に案内溝341に沿って摺動するようになっている。また、案内溝340に挿入されている支持軸318が、上メス301に対して相対的に移動するようになっている。そして、段ネジ316及び支持軸318はメス取付部303に固定的になっているため、上メス301の先端が所定の軌跡Lを描いて、上メス301の刃301cが切断位置に移動するようになっている。
【0058】
この軌跡Lについて図8を参照して説明する。
図8に示すように、上メス301の刃301cと下メス302の刃302bが開いた状態で、上メス301が待機位置にある際の、上メス301の先端の位置を位置Oとし、前記軌跡L上の任意の点を点Pとする。そして、位置Oから点Pまでのミシンの軸方向の距離を距離D1(移動距離D1)とし、ミシンの軸とほぼ直交する方向の位置Oから点Pまでの距離を距離D2(移動距離D2)とする。そして、距離D1と距離D2の比率を比率D1/D2とする。そして、このとき、D1とD2の関係は、D1>D2となる。前記従来例のように下メス510の回転支点(即ち、段ネジ511)を中心として上メス509が回転移動することによって、上メス509の先端の描く軌跡が円弧となる場合のミシンの軸方向の移動距離と当該軸方向と直交する方向の移動距離との比率に比較して、本実施の形態の比率D1/D2が大きくなるようになっている。
前記案内溝340,341が、上メス301の先端が軌跡Lを描くように上メス301を移動する形状及び方向とされている。また、上メス301が待機位置(開いた状態)から切断位置に移動する際に、上メス301の先端が前記左受け板113をよけて移動するようになっている。
【0059】
次に、糸切り装置37の動作について説明する。
先ず、作業者等が、原点位置に臨む送り台16に被縫製物をセットし、ミシンのスタートスイッチを操作する。これにより、送り台16は縫製開始位置まで前進した後、切断すべき鳩目穴の形状に沿って移動し、縫い針14とルーパとにより被縫製物にかがり縫いがなされる。かがり縫いは、鳩目穴となる左平行部(直線部の左平行部)の前部から縫い始めて、左平行部の後部、丸孔部、直線部の右平行部の後部へと回り(右回り)、右平行部の前部で縫い終わる。即ち、直線部の前部が縫いの終端位置となる。なお、左回りでかがり縫いを行っても良い。
【0060】
かがり縫いが終了すると、送り台16は布切断位置まで後進した後、布切り装置19が作動して、丸孔部と直線部とからなる鳩目穴が被縫製物に切り込み形成される。
切り込みが終了すると、左布押え装置102及び右布押え装置202が作動して、被縫製物の挟持を解除する。
なお、この状態では、下糸51及び芯糸52が、縫いの終端と針板21或いは芯糸案内機構との間に、ほぼミシンの軸方向に張った状態で臨んでいる。このとき、糸切り装置37の上メス301の刃301cは、図4及び図11に示すように、下糸51及び芯糸52を挟んで下メス302の刃302bと反対側の待機位置に臨んでいる。
【0061】
次いで、糸切り装置37のシリンダ307が所定方向に付勢され、つめ310が左方に移動する。つめ310が左方に移動することによって、ばね328に抗して糸切りリンク腕311及び糸切り駆動腕312が回転し、連結リンク306が後方に摺動する。連結リンク306の後方への摺動に伴い、下メスリンク305が揺動し、下メス302が回動する。同時に、上メスリンク304が揺動し、上メス301の先端が軌跡Lを描くように上メス301が移動する。この際、図12に示すように、上メス301においては刃301cがミシンの軸線に近づき、上メス301の先端は左受け板113をよけて、左受け板113の付近を通過する。
【0062】
この際、更に連結リンク306が後方に摺動すると、上メス301の先端部に設けられた布たぐり319が下糸51及び芯糸52の捕捉を補助する(図13)とともに、被縫製物を上メス301の刃301cに巻き込んで、切断することを防止する。さらに連結リンク306が後方に摺動すると、上メス301の刃301cと下メス302の刃302bとがかみ合いだし(図14)、最終的に切断位置で刃301cと刃302bが合致して、下糸51及び芯糸52が切断される(図15)。
【0063】
以上のような糸切り装置37の作用効果について説明する。
【0064】
上メス301が待機位置から切断位置(合致位置)まで移動する際に、段ネジ316が案内溝341を上メス301に対して相対的に摺動するとともに、支持軸318が案内溝340を上メス301に対して相対的に摺動する。詳細に説明すると、図9に示すように、上メス301が待機位置から切断位置まで移動する際に、段ネジ316は案内溝341の一方の端部341a側から他方の端部341b側へ、上メス301に対して相対的に移動する。また、上メス301が待機位置から切断位置まで移動する際に、支持軸318が案内溝340の一方の端部340a側から他方の端部340b側へ、上メス301に対して相対的に移動する。この段ネジ316及び支持軸318は右送り板201に対して固定的である。したがって、上メス301の先端が軌跡Lを描くようにして移動することができる。即ち、上メス301の刃301cは切断位置に向かって、後進しながら、旋回して、切断位置に向かって移動する。
【0065】
したがって、例えば、前記従来例のように上メスが下メスの回動支点と同じ支点を中心に回動移動する場合より、上メス301が切断位置に移動した際には、上メス301の先端が左受け板113の前端からより後方に位置する。したがって、左受け板113の前端と後端との間での、上メス301の刃301cと下メス302の刃302bとのかみ合いの前後範囲(ミシンの軸方向の範囲)が、前記従来例より拡大する。
一方、下メス302の刃302bはこの前後範囲の全長にわたって対向する長さに設定してある。
【0066】
ところで、鳩目穴の直線部(平行部)の長さ(縫い長さ)によって、その縫いの終端位置が異なる。直線部の長さが短くなれば、その縫いの終端位置はより後方になり、直線部の長さが長くなれば、その縫いの終端位置はより前方になる。即ち、鳩目穴かがりミシン1は、縫いの終端位置が直線部の長さによってミシンの軸方向に変位し得るものである。前記糸切り装置37では、上メス301の刃301cと下メス302の刃302bとのかみ合いの前後範囲が前記従来例より拡大しているため、下糸51及び芯糸52をその縫いの終端から延出する糸の長さ(残り糸の長さ)を短くして切断できる範囲(切断範囲)が前記従来例より前後に拡大する。したがって、この糸切り装置37で下糸51及び芯糸52を切断できる対応縫い長さが広くなる。上メス301の刃301cと下メス302bの刃とで切断できる前後の範囲は、左受け板113の前端から、上メス301と下メス302とが互いに閉じた際の上メス301の先端までの前後の距離である。
【0067】
また、例えば、縫い長さが長くなったり、短くなったりして、その縫いの終端位置が前記切断範囲の範囲外になったものとしても、前記糸切り装置37では下糸51及び芯糸52を切断することができる。即ち、図10に示すように、この糸切り装置37では、右送り板201に前後(ミシンの軸方向)に配列した取付孔322,322,…が形成されており、メス取付部303の係合部303bが係合する取付孔322を前後に変更することができ、右送り板201に対する糸切り本体30(上メス301及び下メス302)の前後の取付位置を変更することができる。これにより、糸切り装置37が切断できる切断範囲を前後に変更することができる。すなわち、縫製すべき鳩目穴の縫い長さに合わせて、予め、糸切り本体30の前後の取付位置を前後に変更していれば、下糸51及び芯糸52を縫いの終端から延出する糸の長さ(残り糸の長さ)を短くして切断することができる。なお、係合部303bに係合する取付孔322を変更した場合、それに対応させて、糸切り駆動腕312を取り付ける取付部306aを変更する。
【0068】
また、下メス302の刃302bとなる側縁とその反対側の側縁302cが平行となっており、ストッパネジ326が右送り板201に対して固定されているため、上述のように糸切り本体30の取付位置を変更した場合、下メス302の刃302bとなる側縁を前記右受け板213の左側の側縁と連続して配置するように調整する必要がなくなる。
【0069】
また、例えば、下メス302の刃302bを研いで、下メス302の刃302bとなる側縁とそれと反対側の側縁302cとの間が短くなった場合、上メス301及び下メス302が互いに開放した際に、刃302bを右受け板213の左側縁と連続して配置できなくなってしまい、縫製中に縫製不良が発生する。しかし、ストッパネジ326が右送り板201に対して左右に摺動自在であるため、刃302bを右受け板213の左側縁と連続して配置できるようにしてストッパネジ326を固定することができる。
【0070】
また、上メス301と下メス302とが前記メス取付部303に対して一体的になっているため、上メス301及び下メス302の右受け板213に対する取付位置を変更する際に、上メス301と下メス302とのメス圧の調整を行う必要がなくなる。
【0071】
なお、本発明は上述のような実施の形態例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは勿論である。例えば、上メス301に設けられた案内溝340,341は湾曲した形状でも良いし、直線的な形状でも良く、この案内溝340,341によって上メス301の先端が軌跡Lを描くように案内する形状とすれば良い。
また、上メスリンク304及び下メスリンク305と連結リンク306の接続部を、連結リンク306に所定の間隔でミシンの軸方向に配列させるように設けても良い。これは、メス取付部303の取付位置に対応させて、連結リンク306と上メスリンク304及び下メスリンク305の取付位置を変更するものである。
また、上メス301及び下メス302の移動をシリンダ307によって行っていたが、ソレノイド、モータ等のアクチュエータで行っても良い。
また、前記実施例では、本発明の糸切り装置37を鳩目穴かがりミシン1に適用していたが、その他のボタン穴かがりミシン、或いは縫目を形成する糸を縫い終り位置において左右から挟んで切断する上メス及び下メスを有し、切断すべき糸の前記縫い終り位置が一直線方向に対して所定範囲にわたって変位し得るミシンに、本発明の糸切り装置を適用することができる。
また、前記実施例では、糸切り装置37を右送り板201に設けるような構造としたが、左送り板101に設けるような構造としても良い。
【0072】
【発明の効果】
以上のように、請求項1、2に記載の発明によれば、糸切り装置をコンパクトな構造にして糸切り範囲を拡大することができる。
また、請求項3記載の発明によれば、上メスの先端が上述に記載のような軌跡を描くように、上メスが移動するため、例えば、上メスが下メスの回動支点と同じ支点を中心に回動移動する場合より、上メスの刃と下メスの刃とが閉じた際に上メスの先端が、例えば左の受け部の前端の前後に対応する位置からより後方に位置する。そして、上メスの刃と下メスの刃とで切断できる前後範囲が広がる。これにより、より長い縫い長さに対応して残り糸を短くして糸を切断することができる。
【0073】
また、請求項4記載の発明に係る糸切り装置によれば、上メスが開放位置から切断位置まで移動する際に、他方の受け板をよけるようにして上述のような軌跡に沿って上メスが移動するため、上メスと下メスとで切断できる切断範囲が後方に広がる。これにより、より長い縫い長さに対応して残り糸を短くして糸を切断することができる。
【0074】
また、請求項5記載の発明に係る糸切り装置によれば、上メスの先端を上述の軌跡に案内するような形状の案内溝が上メスに設けられているため、糸切り装置の構造が簡略化する。また、二つの案内溝と二つの支持軸だけで上メスを前記軌跡に沿って移動するようにしているため、糸切り装置の構造が簡略化する。その他、請求項3記載の発明と同様に、上メスと下メスとで切断でき切断範囲が後方に広がる。これにより、より長い縫い長さに対応して残り糸を短くして糸を切断することができる。
また、請求項6記載の発明に係る糸切り装置によれば、下メスの回動支点が二本の支点軸のうちの一方を兼ねているため、メス圧の調整が簡略化する。その他、請求項3記載の発明と同様に、上メスと下メスとで切断でき切断範囲が後方に広がる。これにより、より長い縫い長さに対応して残り糸を短くして糸を切断することができる。
【0075】
また、請求項7記載の発明に係る糸切り装置によれば、メス支点部材が送り台に設けられた固定ベースに対して取り付け位置をミシン軸方向に沿って変更自在であるため、縫いの終端位置(縫い長さ)に対応させて、上メスの刃と下メスの刃とで切断できる切断範囲ごとミシン軸に沿って変更することができる。また、上メス及び下メスの取り付け位置を変更する際に、上メス及び下メスがほぼハサミ状のまま、メス支点部材とともにミシンの軸方向に変更するため、上メスと下メスとのメス圧を再調整する必要がなくなる。
【0076】
また、請求項8記載の発明に係る糸切り装置によれば、上メスリンク及び下メスリンクとの連結部及び駆動源との連結部のうちの少なくとも一方の連結部の連結位置が、ミシンの軸方向に沿って変更自在のため、駆動源のミシン軸方向の位置を変更させずとも、上メス及び下メスの位置が、上メスリンク及び下メスリンクとともに送り台に対してミシンの軸方向に沿って変更することができる。即ち、上メス及び下メスの取付位置がハサミ状のままミシンの軸方向に沿って変更することができる。したがって、縫いの終端位置に対応させて上メス及び下メスの切断範囲ごとミシン軸に沿って変更することができるとともに、上メスと下メスとのメス圧の再調整が不要となる。
【0077】
また、請求項9記載の発明に係る糸切り装置によれば、複数の第一の係合部に第二の係合部が係合することによって、簡単な構成で固定ベースに対するメス支点部材のミシンの軸方向の位置を変更することができる。したがって、上メス及び下メスのミシンの軸方向の取付位置をハサミ状のまま変更することができる。これにより、縫いの終端位置に対応させて上メス及び下メスの切断範囲ごとミシンの軸に沿って変更することができるとともに、上メスと下メスとのメス圧の調整が不要となる。また、連結リンクには、上メスリンク及び下メスリンクとの連結部及び駆動源との連結部のうちの少なくとも一方の連結部が、ミシンの軸方向に沿って複数の第一の係合部と対応するようにミシンの軸方向に沿って複数配置されているため、簡単な構成で駆動源の配置位置をミシンの軸方向に沿って変更する必要がなくなる。
【0078】
また、請求項10記載の発明に係る糸切り装置によれば、下メスが待機位置よりも右方に移動しないように止めるストッパが、ミシンの軸線に交差する方向に移動自在なため、下メスの待機位置を調整することができる。また、下メスの刃となる側縁と、当該側縁と反対側の側縁とが平行になっているため、予め下メスの位置調整をしてから上メスと下メスとをハサミ状のまま前後位置を変更した際に、下メスの位置調整をする必要がなくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した一例としての鳩目穴かがりミシンの概略構成を示す全体斜視図である。
【図2】前記鳩目穴かがりミシンの左押え装置及び右押え装置を示す分解斜視図である。
【図3】本発明に係る糸切り装置の一例を示す分解斜視図である。
【図4】前記糸切り装置の上メスと下メスとが互いに開いた状態を示す平面図である。
【図5】前記糸切り装置の上メスと下メスとが切断位置に移動した状態を示す平面図である。
【図6】前記糸切り装置の主要部を示す断面図である。
【図7】前記糸切り装置の主要部を示す図面である。
【図8】前記糸切り装置の上メスの先端の軌跡を説明するための図面である。
【図9】前記糸切り装置の主要部を示す平面図である。
【図10】前記糸切り装置の主要部を示す平面図である。
【図11】前記糸切り装置の動作を説明するための図面である。
【図12】前記糸切り装置の動作を説明するための図面である。
【図13】前記糸切り装置の動作を説明するための図面である。
【図14】前記糸切り装置の動作を説明するための図面である。
【図15】前記糸切り装置の動作を説明するための図面である。
【図16】従来の糸切り装置の一例を示す平面図である。
【符号の説明】
1 鳩目穴かがりミシン(ボタン穴かがりミシン)
16 送り台
30 糸切り本体
31 駆動機構(駆動源)
51 下糸(糸)
52 芯糸(糸)
101 左送り板(送り台に含まれる)
112 押え
113 左受け板(受け部、他方の受け板)
201 右送り板(送り台に含まれる)
213 右受け板(受け部、一方の受け板)
301 上メス
301c 刃(上メスの刃)
302 下メス
302b 刃(下メスの刃)
302c 下メスの側縁(下メスの刃となる側縁と反対側の側縁)
303 メス取付部(メス支点部材)
303b 係合部(第二の係合部)
304 上メスリンク(メス移動手段)
305 下メスリンク(メス移動手段)
306 連結リンク(メス移動手段)
306a 取付部(駆動源との連結部)
307 シリンダ
316 段ネジ(メス移動手段、支持軸)
318 支持軸(メス移動手段、支持軸)
322 取付孔(第一の係合部)
326 ストッパネジ(ストッパ)
340 案内溝(メス移動手段)
341 案内溝(メス移動手段)

Claims (10)

  1. 縫目を形成する糸を縫い終り位置において左右から挟んで切断する上メス及び下メスを有し、切断すべき糸の前記縫い終り位置が一直線方向に対して所定範囲にわたって変位し得るミシンの糸切り装置において、
    一固定軸線に対して縫い糸を挟んで上メスに近接する方向に回転動作可能に支持され、前記縫い終り位置の全変位範囲に対向可能とした下メスと、
    前記一直線方向に沿って移動しながら縫い糸を挟んで下メスに近接する方向に回転動作可能に支持され、且つ前記一直線方向に沿う移動が前記縫い終り位置の変位範囲に対応する上メス、とを備えたミシンの糸切り装置。
  2. 縫目を形成する糸を縫い終り位置において左右から挟んで切断する上メス及び下メスを有し、切断すべき糸の前記縫い終り位置が一直線方向に対して所定範囲にわたって変位し得るミシンの糸切り装置において、
    一固定軸線に対して縫い糸を挟んで上メスに近接する方向に回転動作可能に支持され、前記縫い終り位置の全変位範囲に対向可能とした下メスと、
    前記一直線方向に沿って移動しながら縫い糸を挟んで下メスに近接する方向に回転動作可能に支持され、且つ前記一直線方向に沿う移動範囲を調節可能とした上メス、とを備えたミシンの糸切り装置。
  3. 被縫製物の縫い位置の近傍を押さえる押えと、
    前記押えとの間に被縫製物を挟んだ状態とする受け部を有するとともに、前記被縫製物を載せて該被縫製物を縫い方向に移動させる送り台と、
    前記送り台側に設けられ、穴かがり縫い終了後に縫い終わり位置から延出する糸を前記縫い終わり位置近傍で挟んで切断する上メスおよび下メスを有する糸切り装置、とを備えたミシンの糸切り装置において、
    前記上メスの刃と前記下メスの刃とを互いに開いた状態から前記糸の切断位置で上下に重なって閉じる位置まで移動させる際に、前記上メスの先端が描く軌跡における針位置を通るミシンの軸方向に沿った方向の移動距離D1と、前記軸方向に直交する方向の移動距離D2との比率D1/D2が、
    前記下メスの回転支点を中心として前記上メスを回転移動させることにより該上メスの先端の描く軌跡が円弧となる場合に比較して大きくなるように、前記上メスを移動させるメス移動手段を備えることを特徴とするミシンの糸切り装置。
  4. 請求項3記載の糸切り装置において、
    前記受け部が針位置を通るミシンの軸線を境として左右受け板に分かれた状態に設けられ、
    前記上メスと前記下メスとが開いた状態で、前記下メスが、前記受け部の左右受け板のうちの一方の受け板の前部側に、前記下メスの刃を前記軸線の近傍で該軸線にほぼ沿わせるようにして配置され、かつ、前記上メスが、一方の受け板の前から他方の受け板の前に延出するように配置され、
    前記糸切断時に、前記メス移動手段により、下メスがその刃を前記軸線に近づけるように回動移動させられ、かつ、上メスが、その刃を前記軸線に近づけ、かつ、前記受け部の他方の受け板側に延出した先端を前記軌跡に沿わせて、前記他方の受け板をよけるように移動させられることを特徴とするミシンの糸切り装置。
  5. 請求項3または4に記載の糸切り装置において、
    前記上メスには、二つの異なる向きに長手方向を持つ案内溝が設けられ、
    前記送り台の前記上メスの取り付け位置に、二つの前記案内溝にそれぞれ挿入される二本の支点軸が設けられ、該支点軸が挿入された二つの案内溝が、前記糸の切断時に前記上メスの先端を前記軌跡に沿って移動するように案内する形状とされていることを特徴とするミシンの糸切り装置。
  6. 請求項5記載の糸切り装置において、
    二本の前記支点軸のうちの一方の支点軸が前記下メスの回動移動の支点を兼ねていることを特徴とするミシンの糸切り装置。
  7. 被縫製物を載せて該被縫製物を縫い方向に移動させる送り台を備えたボタン穴かがり縫いミシンの前記被縫製物の下となる前記送り台側に設けられ、穴かがり縫い終了後に前記被縫製物の穴かがり縫いの縫い終わり位置から延出する糸を前記縫い終わり位置近傍で切断する上メスおよび下メスを備えた糸切り装置であって、
    前記上メスと下メスとの動作支点を備えたメス支点部材と、
    前記送り台に設けられ、かつ、前記メス支点部材が取り付けられるとともに、前記メス支点部材の取り付け位置をミシンの軸方向に沿って変更自在な固定ベース部とを備えたことを特徴とするミシンの糸切り装置。
  8. 請求項7記載の糸切り装置において、
    前記糸を切断する際に、前記上メスの刃と下メスの刃とを互いに開いた状態から前記糸の切断位置で上下に重なって閉じる位置まで移動させるための駆動源と、
    前記上メスに回動可能に連結した上メスリンクと、
    前記下メスに回動可能に連結した下メスリンクと、
    前記駆動源に接続されるとともに、前記上メスリンクおよび下メスリンクに接続され、駆動力を上メスリンクおよび下メスリンクに伝動するとともに、伝動時に略直線状に動作する連結リンクとを備え、
    前記連結リンクは、前記上メスリンク及び前記下メスリンクとの連結部及び前記駆動源との連結部のうちの少なくとも一方の連結部が、連結位置をほぼ前記ミシンの軸方向に沿って変更自在とされていることを特徴とするミシンの糸切り装置。
  9. 請求項8記載の糸切り装置において、
    前記固定ベース部及び前記メス支点部材のうちの一方には、他方を位置決めするための複数の第一の係合部がミシンの軸方向に沿って並んで設けられるとともに、他方には、第一の係合部に係合する第二の係合部が設けられ、
    前記連結リンクには、前記上メスリンク及び前記下メスリンクとの連結部及び前記駆動源との連結部のうちの少なくとも一方の連結部が、複数の前記第一の係合部と対応するように前記ミシンの軸に沿って複数配置されていることを特徴とするミシンの糸切り装置。
  10. 請求項7、8、9のいずれか一つに記載の糸切り装置において、
    切断前の待機位置に配置された状態で、前記下メスの刃となる側縁がミシンの軸にほぼ沿った方向に配置され、かつ、前記下メスの刃となる側縁の反対側の側縁が刃となる側縁と平行になるように形成され、
    前記下メスが待機位置よりも右方に移動しないように止めるとともに、ミシンの軸に交差する方向に移動自在なストッパを備えたことを特徴とするミシンの糸切り装置。
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