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JP4679706B2 - 高強度セメント混和材及びそれを用いたセメント組成物 - Google Patents

高強度セメント混和材及びそれを用いたセメント組成物 Download PDF

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JP4679706B2
JP4679706B2 JP2000295691A JP2000295691A JP4679706B2 JP 4679706 B2 JP4679706 B2 JP 4679706B2 JP 2000295691 A JP2000295691 A JP 2000295691A JP 2000295691 A JP2000295691 A JP 2000295691A JP 4679706 B2 JP4679706 B2 JP 4679706B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、モルタルやコンクリートに使用される、モルタルのフロー低下やコンクリートのスランプロスを改善し、ダレや硬化前の初期乾燥によるひび割れを改善した高強度セメント混和材及びそれを用いたセメント組成物に関する。
【0002】
【従来技術】
従来、高性能減水剤は、リグニンスルホン酸塩系やポリオール系、オキシカルボン酸塩系などの一般的な減水剤と比較して減水率が大きく、また、ポリカルボン酸塩系の高性能AE減水剤と比較して比較的多量に添加しても凝結硬化に対する遅延性が小さく、かつ、空気連行性も小さいので高強度モルタル又はコンクリートの製造に好適である。
しかしながら、フローの低下やスランプロスが大きいために、生コンプラントで練混ぜて運搬して打設する現場打ちのモルタルやコンクリートには使用されなく、コンクリートの処理時間が15分程度と短いコンクリート製品のみに使用されているという課題を有するが、この製品工場においてもトラブルが発生して30分以上放置されると成形できない場合もある。
また、高性能減水剤を添加したモルタルやコンクリートは、その添加量が多いほど粘性が強くなりスランプは小さくても傾斜があると自己流動してダレが生ずるという課題を有する。さらに、高性能減水剤は強い分散力は発揮するが水の表面張力は低下させないのでブリーディングは全く発生させない。したがって、打設後から硬化までの数時間の間にコンクリート表面が乾燥し、プラスチックひび割れを発生させ易いという課題を有する。
【0003】
一方、水性ポリマーディスパージョンは、ポリマーモルタルとして独立した技術を確立している。即ち、水性ポリマーディスパージョンを添加したセメント・ポリマーモルタルは下地との接着性が強く、コテ延び性の良いモルタルとなり、ブリーディングは発生させないが保水力が強力であるので(表面乾燥を受けるとポリマーがフィルム化して水を蒸発させない)ひび割れが入り難く、かつ、物性的にも曲げ強度が高いなどの良特性を示し、構造物の仕上げ用モルタルや補修用モルタルとして多用されている。
この水性ポリマーディスパージョンは空気連行性があり、また、微細な球形粒子でもあるのでそのボールベアリング作用によって高減水率を発揮するので通常AE剤や減水剤とは併用しないし、その少量を配合することにより高性能減水剤を添加したモルタルやコンクリートのスランプロスを改善する効果やブリーディングを発生させる効果については全く知られていない。
通常、前記した水性ポリマーディスパージョンの良特性を発揮させ、ポリマーモルタルなどとして利用する場合には水性ポリマーディスパージョンのセメントに対する添加量は固形分で5%以上必要であり、一般には10〜20%添加される。5%未満では保水力が著しく低下するようになり、ひび割れが発生し易くなるので仕上げ用モルタルとしては機能を発揮しなく、逆に、高性能減水剤を添加したモルタルやコンクリートに水性ポリマーディスパージョンを固形分で5%以上配合されると本発明の目的とする効果は全く発揮しない。
【0004】
セメントには既に石膏類が凝結を正常化するために、モルタルやコンクリートが膨張しない範囲(セメントの種類によりJIS規格値が設定されている。添加される石膏の種類は一般には二水石膏である)で添加されている。炭酸カルシウムは増量材としてセメントに対して5%以下で有れば添加しても良いことになっているが、このように規定量の石膏や石膏と炭酸カルシウムが添加されていても高性能減水剤を添加したモルタルのフロー低下やコンクリートのスランプロスを改善する効果はない。本発明のように、さらに多くの石膏類及び/又は炭酸カルシウムを配合しても、その配合量の多寡に関係なく高性能減水剤を添加したモルタルのフロー低下やコンクリートのスランプロスを改善する効果はない。石膏類及び/又は炭酸カルシウムが、水性ポリマーディスパージョンの有する高性能減水剤を添加したモルタルのフロー低下やコンクリートのスランプロスを改善する効果を助長することも知られていない。
なお、石膏類の中でもII型の無水石膏は、通常セメントに比較的多量に配合することにより、常圧蒸気養生及び常温において強度を高めることは知られており、高強度コンクリートの製造に利用されている。
【0005】
活性シリカは、セメントの水和反応によって生成する水酸化カルシウムと反応してCaO−SiO2−H2O水和物を生成して強度を高めることは知られているが、高性能減水剤を添加したモルタルのフローやコンクリートのスランプロスはむしろ促進するという課題がある。そして、水性ポリマーディスパージョンが、この活性シリカが促進するモルタルのフロー低下やコンクリートのスランプロスを改善する効果があることは全く知られいてない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者は、高性能減水剤の前記課題を解決するに当たり、鋭意研究した結果、水性ポリマーディスパージョンの少量と高性能減水剤を比較的多く配合することにより、また、石膏類及び/又は炭酸カルシウム、活性シリカを配合することにより、良好な作業性で、かつ、初期乾燥によるひび割れを軽減した、高強度を発現できるセメント混和材及びそれを用いたセメント組成物を知見し、本発明を完成するに至った。
【0007】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明は、(1)ポリアルキルアリルスルホン酸塩系、芳香族アミノスルホン酸塩系、メラミンホルマリン樹脂スルホン酸塩系のいずれかを主成分とする一種又は二種以上の高性能減水剤とスチレン−ブタジエンラバー及びポリアクリル酸エステル、エチレン酢酸ビニル、ポリ酢酸ビニルのエマルジョンのいずれかである水性ポリマーデスパージョンと石膏類及び/又は炭酸カルシウムを主成分とし、セメント100部に対して、高性能減水剤は固形分換算で0.8〜5.0部、水性ポリマーデスパージョンは固形分換算で0.1〜3.0部、石膏類及び/又は炭酸カルシウムは15部以下(0部を含まず)となるように配合することを特徴とする高強度セメント混和材、(2)活性シリカをセメント100部に対して30部以下となるように配合することを特徴とする(1)の高強度セメント混和材、(3)セメントに請求項1又は2の高強度セメント混和材を配合したセメント組成物において、セメント100部に対して高性能減水剤は固形分換算で0.8〜5.0部、水性ポリマーデスパージョンは固形分換算で0.1〜3.0部、石膏類及び/又は炭酸カルシウムは15部以下(0部を含まず)、活性シリカは30部以下であるセメント組成物である。
なお、本発明で使用する配合割合を示す部、%は質量単位である。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳しく説明する。
【0009】
本発明の高性能減水剤とは、ポリアルキルアリルスルホン酸塩系、芳香族アミノスルホン酸塩系、メラミンホルマリン樹脂スルホン酸塩系のいずれかを主成分とするものであり、これらの一種又は二種以上が使用される。そして前記したリグニンスルホン酸塩系などの一般的な減水剤やポリカルボン酸塩系の減水剤とは異なるカテゴリーの減水剤である。
ポリアルキルアリルスルホン酸塩系高性能減水剤には、アルキルナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、アントラセンスルホン酸ホルマリン縮合物などがあり、市販品としては、電気化学工業(株)商品名「FT-500」とそのシリーズ、花王(株)商品名「マイティ-100(粉末)」や「マイティ-150」とそのシリーズ、第一工業製薬(株)商品名「セルフロー110P(粉末)」、竹本油脂(株)商品名「ポールファイン510N」など、サンフロー(株)商品名「サンフローPS」とそのシリーズなどが代表的である。芳香族アミノスルホン酸塩系高性能減水剤としては、藤沢薬品(株)商品名「パリックFP200H」とそのシリーズがあり、メラミンホルマリン樹脂スルホン酸塩系高性能減水剤には、グレースケミカルズ(株)商品名「FT-3S」、昭和電工(株)商品名「モルマスターF-10(粉末)」や「モルマスターF-20(粉末)」が挙げられる。
【0010】
本発明の高性能減水剤は、セメント100部に対して固形分換算で0.8〜5.0部となるように比較的多量に配合される。高性能減水剤量が0.8部未満では、水性ポリマーデスパージョンは高性能減水剤の減水率を低下させるので十分な減水率が得られないことと、水性ポリマーデスパージョンによるスランプロスの改善効果が小さくなるので好ましくない。また、5.0部を超えて配合しても減水率は殆ど向上しないので好ましくない。好ましくは1.0〜4.0部、より好ましくは1.2〜3.0部である。
【0011】
本発明で使用する水性ポリマーデスパージョン(以下、単にポリマーという)は、ゴムラテックス系と樹脂エマルジョン系であり、その中でも、スチレン−ブタジエンラバー及びポリアクリル酸エステル、エチレン酢酸ビニル、ポリ酢酸ビニルのエマルジョンが好ましい。
ポリマーは高性能減水剤の減水率を低下させるが、高性能減水剤を添加したモルタルのフロー低下やコンクリートのスランプロス(以下、単にスランプロスという)を改善するだけでなく、自己流動性も低減する。また、適度なブリーディングを発生させて硬化前の初期の乾燥よるひび割れも改善する作用を示すものである。
【0012】
本発明においてこれらのポリマーは、セメント100部に対して固形分換算で0.1〜3.0部となるように配合する。0.1部未満ではスランプロスを改善する効果は小さく、また、高性能減水剤特有の自己流動性を低下させダレを改善する効果及びブリーディングを発生させて初期の乾燥ひび割れを低減する効果も小さくなるので好ましくない。また、3.0部を超えて配合してもスランプロスの低減効果やブリーディングを発生させて初期の乾燥ひび割れを低減する効果は小さくなる。好ましくは0.3〜2.5部、より好ましくは0.5〜2.0部である。
【0013】
本発明において石膏類及び/又は炭酸カルシウムは、ポリマーの有するスランプロスを改善する効果を助長する。
石膏類は、II型の無水石膏、二水石膏、半水石膏、III型無水石膏が使用されるが、特に、II型の無水石膏はスランプロスの改善効果が大きく、かつ、強度の増進効果も有するので好ましい。II型無水石膏は天然産のものやフッ酸発生時に副生するフッ酸石膏、他の形態の石膏類を350℃以上の温度で熱処理したものが使用され、粉末度はセメントと同等以上で有れば特に限定されない。
【0014】
石膏類は、セメント100部に対して多くても無水物換算で15部配合されるが、これを超えるとスランプロスの改善を助長する効果が低下するので好ましくない。好ましくは1〜10部、より好ましくは2〜8部である。
【0015】
炭酸カルシウムは、石灰石を粉砕した重質のもの、沈降法による軽質のもののいずれも使用可能であるが、石灰石を粉砕した重質のものが安価でより好ましい。これらはセメント100部に対して多くても15部配合されるが、これを超えるとスランプロスの改善を助長する効果は低下するので好ましくない。好ましくは1〜10部、より好ましくは2〜8部である。なお、粉末度はセメントと同等以上で有れば特に限定されない。
【0016】
石膏類と炭酸カルシウムを併用して配合すると、特に、スランプロスの改善を助長する効果がより大きくなるので好ましい。この場合のセメントに対する配合量はそれぞれ任意の割合でかつ、合量で10部以下が好ましい。
【0017】
本発明において、スランプロスとダレ性を改善し、かつ、ブリーディングを適度に発生させて初期乾燥によるプラスチックひび割れを低減した高強度を発現する、セメント混和材やセメント組成物を提供するために活性シリカを配合する。
活性シリカとはシリコンやシリコン合金を電気炉で製造するときに発生するシリカフュームや稲、藁、竹、葦などのケイ化木の焼成灰、人工のアエロジル(以上、いずれも非晶質SiO2を主成分とする超微粉末)及びアルミナケイ酸塩の粘土鉱物を焼成したもの、麦飯石、珪藻土などの一種又は二種以上を配合する。
【0018】
活性シリカはセメント100部に対して、多くても30部配合され、30部を超えて配合するとポリマーのスランプロス改善効果が阻害されるようになり、かつ、強度の伸びも期待ではないので好ましくない。好ましくは15部以下、より好ましくは2〜10部である。
【0019】
また、本発明におけるセメントとは、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、白色ポルトランドセメント、超早強ポルトランドセメント、低発熱(ビーライト)セメント、耐硫酸塩性ポルトランドセメントなどの各種ポルトランドセメントの他、シリカ粉末や高炉スラグ粉末およびフライアッシュを混合した混合セメントであり、既に適量の石膏が添加されているものであるが、ポルトランドセメントクリンカーをベースにセメント組成物として予め製造しても良い。
【0020】
本発明の混和材及びそれを用いたセメント組成物を使用して、モルタルやコンクリートを練混ぜるに際し、特別な方法は必要でなく、各成分を別々に、又は予め混合した混和材やセメント組成物を他のコンクリート材料と一緒にミキサに投入して常法にて練混ぜることができる。
【0021】
以下、本発明を実施例で詳細に説明するが、これらに限られるものではない。
【0022】
【実施例】
実施例で使用する材料と試験項目とその方法を以下にまとめて示す。
【0023】
「使用材料」
(1)セメント:電気化学工業(株)製普通ポルトランドセメント
(2)砂:新潟県姫川産川砂(5mm下)
(3)砕石:新潟県姫川産砕石(20〜5mm)
(4)高性能減水剤
A:ポリアルキルアリルスルホン酸塩系高性能減水剤、第一工業製薬(株)商品名「セルフロー110P(粉末)」
B:メラミンホルマリン樹脂スルホン酸塩系高性能減水剤、昭和電工(株)商品名「モルマスターF-10(粉末)」
(5)ポリマー
a:ポリアクリル酸エステル:ライオン油脂(株)商品名「リポテックス(固形分45%)」
b:エチレン酢酸ビニル:電気化学工業(株)商品名「デンカEVA#50(固形分45%)」
c:ポリ酢酸ビニル:電気化学工業(株)試作品「(固形分45%)」
d:スチレンブタジエンラバー:ガンツ化成(株)商品名「クロスレンCMX-02(固形分45%)」
(6)石膏類など
イ:フッ酸発生無水石膏(粉末度5000cm2/g)
ロ:二水石膏(粉末度3500cm2/g(試薬))
ハ:石灰石(炭酸カルシウム)粉末(粉末度6000cm2/g)
(7)活性シリカ
I:シリカフューム(BET比表面積23m2/g)
II:メタカオリン(粉末度9000cm2/g)
【0024】
「試験項目とその方法、試験温度は20℃」
(1)モルタルフロー:JIS R 5201による抜き上げたときと規定通り15回叩いたときのフローを測定する。ダレ性の判定は練り上がり直後の抜き上げたときの広がりも測定し、[(15回叩いたときのフロー値−100)/(抜き上げたときのフロー値−100)]の比率から判定し、この比率が小さいほどダレ性がある。なお、式中の100の数値はフローコーンの底辺の直径。また、モルタルフローの経時変化はモルタルを静置した状態とし、測定時間毎に練り返して測定する。
(2)コンクリートスランプ:JIS A 1101によりスランプを測定する。スランプの経時変化はコンクリートを静置した状態とし、測定時間毎に練り返して測定する。
(1)コンクリート強度:JIS A 1132によりφ10×20cmの型枠に成形し、JIS A 1108により強度測定する。
(4)ブリーディング:JIS A 1123により測定し、ブリーディング量(ml/cm2)で現す。
【0025】
実施例1
セメント800g、砂1600gを配合し、15回叩いたときのフロー200±10mmのモルタルに高性能減水剤の種類と配合量及びポリマーの種類と配合量を変えた場合のフローの経時変化とダレ性を判定した結果を、用いた水量と一緒に表1に示す。
【0026】
【表1】
Figure 0004679706
【0027】
表1より、ポリマーを一定とし、高性能減水剤の配合量を変化させた場合、セメント100部に対して高性能減水剤の量が0.8部未満ではフローの低下をむしろ促進する傾向を示すが(実験No.1-1とNo.1-9の比較)、0.8部ではフローの低下を改善するようになり、30分は作業時間を保持出来るのでコンクリート製品に適す。さらに、高性能減水剤の配合量を多くするほどフローの低下を防止する効果も大きくなるが、1.0部以上で顕著となり、1.2部以上でより顕著となる。そして、60分以上の作業時間が保持出来るようになるのでアジテーター車による運搬打設が可能となる。また、高性能減水剤を増加させて行くとフローダウンの改善効果は向上するが減水率は殆ど向上しないし、5.0部ではフローダウンの改善効果が停滞する傾向が認められる。したがって、高性能減水剤は、0.8部以上必要であり、好ましくは1.0〜4.0部、より好ましく1.2〜3.0部である(実験No.1-9〜No.1-18)。
【0028】
また、高性能減水剤量を一定としてポリマーの配合量を変えた場合は、セメント100部に対してポリマーの配合量が0.1部からフローダウンの改善効果が示されるが(実験No.1-4とNo.1-19の比較)、0.3部以上で顕著となり、0.5部以上でより顕著となるが、3.0部と多くなるとフローダウンの改善効果は逆に低下する傾向となり、3.0部以上ではより大きくなることが示唆される。したがって、ポリマーは0.3〜2.5部が好ましく、より好ましく0.5〜2.0部(実験No.1-19〜No.1-25)であることが示される。
【0029】
ダレ性の判定は比率が大きいほどダレ性が小さく、感覚的なものも加えると数値的には4.00前後以上でダレ難くなる。高性能減水剤の多寡に拘わらずポリマーの配合量がセメント100部に対して0.1部以上で比率的に4.0以上となり、配合量が多くなるほど大きな数値を示しダレ難くなるものである(例えば、実験No.1-4〜No.1-19)。
【0030】
実施例2
実施例1の実験No.1-12のモルタルに、石膏類及び/又は石灰石粉末の配合量を変えた場合のフローの経時変化と、用いた水量と一緒に表2に示す。
【0031】
【表2】
Figure 0004679706
【0032】
表2より、石膏類はセメント100部に対して無水物換算で1.0部より配合量を増加させて行くと、ポリマーのフローを低下を改善する効果を助長する作用が示される。しかしながら、多すぎると助長作用は小さくなり、15部ではそれが顕著となる。したがって、好ましくは1〜10部、より好ましくは2〜8部である。(実験No.2-1〜No.2-8)。
【0033】
炭酸カルシウムの場合も、セメント100部に対して1.0部よりポリマーのフローを低下を改善する効果を助長する作用が示され、配合量を増加させて行くと助長作用も大きくなる。しかしながら、多すぎると助長作用は低下するようになり、15部ではそれが顕著となる。したがって、好ましくは1〜10部、より好ましくは2〜8部であることが示される(実験No.2-9〜No.2-15)。
また、石膏の種類を変えても同様の効果が示され(実験No.2-16〜No.2-18)、石膏類と炭酸カルシウムの併用は、より助長作用を高める(実験No.2-19〜No.2-21)。
【0034】
実施例3
最大寸法20mmの砕石、空気量3%、スランプ18±2.5cm、単位セメント量350kg/m3、単位水量135kg/m3、単位砂量792kg/m3、単位砕石量950kg/m3、セメント100部に対して高性能減水剤量Aを1.2部(コンクリートに対して外割配合)、石膏類イを0部と4.0部(0 kg/m3と14kg/m3、砂と容積で置き換え)としたコンクリートの基本配合に、ポリマーaをセメント100部に対して0、0.1、0.3、0.5、1.0、1.5、2.0、2.5、3.0部(コンクリートに対して外割配合)を配合してコンクリートを練混ぜ、そのスランプの経時変化と、ブリーディング量、材齢28日の圧縮強度を測定した結果を表3に示す。
【0035】
【表3】
Figure 0004679706
【0036】
表3より、ポリマーは配合量によってブリーディングを発生させる。但し、このブリーディング水は透明であり、3時間程度で引いてから凝結硬化へと移行する。したがって、この間の乾燥によるプラスチックひび割れを低減することが予想される。
ブリーディングはポリマー配合量が0.1部から配合量が多くなるほど多くなり、多すぎると発生しなくなる。この際、スランプロスの改善効果もブリーディングが発生する範囲で効果が顕著であり、多くても3.0部、最も好ましくは0.5〜2.0部の狭い範囲にあることが示される。
【0037】
実施例4
実施例3の実験No.3-1、実験No.3-6及び実験No.3-15に活性シリカを任意に配合(砂と容積で置き換え)し、コンクリートを練混ぜ、そのスランプの経時変化と、ブリーディング、材齢28日の圧縮強度を測定した結果を表4に示す。
【0038】
【表4】
Figure 0004679706
【0039】
表4より、活性シリカは単独添加ではスランプロスをむしろ促進する(実験No.4-1とNo.4-2の比較)。本発明のポリマーは活性シリカを併用してもスランプロス防止効果を十分発揮する。また、活性シリカの配合量を多くして行くとスランプロス防止効果は少しずつ低下させるが30部を配合しても1時間は充分作業時間が確保できる。また、活性シリカは1部の配合量から強度が増加し、さらに多くして行くと強度も順次増大するが30部では頭打ちとなり、30部を超えて配合しても強度の増加はこれ以上期待できない。
したがって、活性シリカの配合量は30部以下で、好ましくは15部以下、より好ましくは2〜10部であり、特に、石膏類との併用は相乗的に高強度が得られる。
【0040】
【本発明の効果】
本発明の高性能減水剤と水性ポリマーデスパージョンを主成分とする高強度セメント混和材及びそれを用いたセメント組成物を使用すると、
▲1▼スランプロスやダレを改善した良好な作業性で、初期乾燥によるひび割れを軽減したコンクリートを容易に製造することができる。
▲2▼石膏類及び/又は炭酸カルシウムを併用することにより、スランプロスをより改善した良好な作業性のコンクリートを容易に製造することができる。
▲3▼II型無水石膏及び/又は活性シリカを併用することにより、良好な作業性を保ちながら高強度コンクリートを容易に製造でき、耐久性の高い土木建築構造物やコンクリート二次製品用のコンクリートを製造することができる。

Claims (3)

  1. ポリアルキルアリルスルホン酸塩系、芳香族アミノスルホン酸塩系、メラミンホルマリン樹脂スルホン酸塩系のいずれかを主成分とする一種又は二種以上の高性能減水剤とスチレン−ブタジエンラバー及びポリアクリル酸エステル、エチレン酢酸ビニル、ポリ酢酸ビニルのエマルジョンのいずれかである水性ポリマーデスパージョンと石膏類及び/又は炭酸カルシウムを主成分とし、セメント100部に対して、高性能減水剤は固形分換算で0.8〜5.0部、水性ポリマーデスパージョンは固形分換算で0.1〜3.0部、石膏類及び/又は炭酸カルシウムは15部以下(0部を含まず)となるように配合することを特徴とする高強度セメント混和材。
  2. 活性シリカをセメント100部に対して30部以下となるように配合することを特徴とする請求項1の高強度セメント混和材。
  3. セメントに請求項1又は2の高強度セメント混和材を配合したセメント組成物において、セメント100部に対して高性能減水剤は固形分換算で0.8〜5.0部、水性ポリマーデスパージョンは固形分換算で0.1〜3.0部、石膏類及び/又は炭酸カルシウムは15部以下(0部を含まず)、活性シリカは30部以下であるセメント組成物。
JP2000295691A 2000-09-28 2000-09-28 高強度セメント混和材及びそれを用いたセメント組成物 Expired - Lifetime JP4679706B2 (ja)

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