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JP4672515B2 - 屈曲用圧延銅合金箔 - Google Patents

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Description

本発明は屈曲用圧延銅合金箔に関する。とりわけ、本発明はフレキシブルプリント配線板(FPC)に用いる可撓性配線部材として好適な屈曲用圧延銅合金箔に関する。
電子機器の電子回路にはプリント配線板(PWB)が多用されている。プリント配線板は、紙基材フェノール樹脂やガラス布基材エポキシ樹脂といった硬質の絶縁基材を用いたリジッドプリント配線板と、ポリイミドフィルムやポリエステルフィルムといった柔軟性がある樹脂基板を用いたフレキシブルプリント配線板(FPC)に大別される。このうち、FPCは樹脂基板に銅箔をエポキシ等の熱硬化性樹脂からなる接着剤を用いて貼り合わせ、加熱加圧により一体化して銅張積層板とした後に、銅箔をエッチングして種々の回路パターンを形成して製造されるのが通常である。
FPCの最大の特徴は柔軟性である。この特徴を利用して、FPCをカメラ、ミシン、電卓、パソコン、ワープロなどの小型電子機器内部の狭い空間に折り曲げて高密度実装したり(static flexibility)、プリンターのヘッド部やハードディスク内の駆動部等の可動部分への配線に利用したり(dynamic flexibility)している。
電子機器の可動部では100万回以上の屈曲が繰り返され得る。このとき、回路パターンを形成する銅箔が疲労限度以上の条件に達すると疲労劣化して柔軟性が低下し、遂には回路内にクラックが発生し断線に至る場合がある。回路破断には至らない場合であっても、クラックの発生に伴って回路の電気抵抗が増加し、回路としての性能が低下する。
従って、特に電子機器の可動部への適用を考えた場合には、FPC用の銅箔には高い屈曲性が要求される。そのため、そのような用途に用いられるFPCには電解銅箔よりも屈曲性に優れた圧延銅箔が用いられているが、近年の装置の小型化や高水準化に伴い、屈曲性への要求はより高度化している。
銅箔の屈曲性を向上させる方法として、例えば、銅箔を焼鈍状態とする方法が一般的に行われている。これは、銅箔の屈曲性が再結晶焼鈍を行うことにより圧延上がりよりも著しく向上することを利用したものである。この焼鈍は粗化めっきして裁断した後に加熱処理を行うか、樹脂基板と接着する際の加熱と兼ねて行われているのが通常であり、130〜250℃で15分〜24時間、代表的に200℃で30分間加熱して行われ、これによって銅箔は再結晶組織に調質された状態となる。
焼鈍状態の銅箔を最初から用いず製造工程の中間で焼鈍を行う理由は、焼鈍後の軟質状態では裁断や樹脂基板との貼り合わせの際に銅箔が変形したり、銅箔にしわが生じたりし易いためであり、圧延上がりの硬質の状態の方がFPCの製造性の点からは有利なためである。
また、高い加工度で圧延した銅を再結晶焼鈍すると、その再結晶集合組織として立方体方位が発達するが、これにより屈曲性が向上することが知られている。特許第3009383号公報に記載の発明ではタフピッチ銅又は無酸素銅に対して最終冷間圧延の加工度を90%以上で行うと共に、その直前の焼鈍を、該焼鈍で得られる再結晶の平均粒径が5〜20μmになる条件で行うことによって銅箔の立方体方位を発達させ、屈曲性の向上を図っている。この発明によれば、200℃で30分間加熱して再結晶組織に調質した状態において、圧延面のX線回折で求めた(200)面の強度(I)が、微粉末銅のX線回折で求めた(200)面の強度(I0)に対し、I/I0>20である立方体集合組織を有し、破断までの屈曲回数(疲労寿命)が増加するとされている。
その他、立方体方位を発達させる方法として、特開2003−193211号公報にCu中のトータル不純物量の制御(タフピッチ銅では40ppm以下、無酸素銅では20ppm以下とする。)、及びCu中へAgを100ppm〜700ppmの範囲で添加することが有効であることが記載されている。
特許第3009383号公報 特開2003−193211号公報
疲労寿命は銅箔の屈曲性に関する重要な特性の一つであるが、銅箔は屈曲回数が増加するにつれて疲労し、微細なクラックの発生と共に早い段階から電気抵抗は増加を続けるという問題がある。そのため、屈曲による電気抵抗の増加を抑えることも回路の性能を維持するために重要な特性と考えられる。
従って、本発明の課題の一つは屈曲による電気抵抗の増加の少ない、通電信頼性に優れた屈曲用圧延銅合金箔を提供することである。また、本発明の別の課題の一つは前記屈曲用圧延銅合金箔を用いた銅張積層板を提供することである。本発明の更に別の課題の一つは前記屈曲用圧延銅合金箔を用いたFPCを提供することである。
FPCの屈曲による電気抵抗の増加は、金属疲労により発生したクラックによって導体部の実効断面積が減少することで起こる。繰り返し塑性変形を受ける系で金属疲労による亀裂の発生を防ぐことは不可能であるが、クラックの進展を抑制することで電気抵抗の増加を抑えることはできる。金属疲労によるクラックの進展は、一般に次のような過程を経ると考えられる。
第1段階:応力のせん断成分によりすべり面に沿った亀裂が進展する段階
第2段階:応力のへき開成分により応力方向に垂直に亀裂が進展する段階
第1段階では亀裂はすべり面に沿ったせん断によって進展するため、電気抵抗の増加はほとんど起こらない。一方、第2段階ではへき開方向に亀裂が広がるため、電気抵抗が増加する。
そこで、本発明者は第1段階のすべり面に沿ったせん断変形を容易にし、電気抵抗の増加を抑制することを主眼として屈曲用圧延銅合金箔の通電信頼性を向上させるべく鋭意研究を行ったところ、以下の特性の一つ以上を有し、好ましくはすべてを兼備する圧延銅箔が特に優れた通電信頼性を有することを見出した。本明細書において優れた通電信頼性とは、たとえば図2に示すような配線パターンを有する回路幅1mmのFPCとして、表面ひずみ0.3%以上の繰り返し応力を受ける系において、電気抵抗増加率が10万回屈曲後に5%以下、15万回屈曲後に10%以下であることである。
本発明に係る銅合金箔が有するべき特性は、第一に、Fe、Ni、Ag及びAlから選択される1種以上の元素をCuに固溶する範囲の濃度で含み、残部がCuおよび不可避的不純物からなる組成を有することである。第二に、200℃、30分間で焼鈍して再結晶組織に調質した状態において、圧延面で求めた(200)面のX線回折強度Iと、銅粉末での(200)面のX線回折強度I0との比率I/I0(200)が60以上あることである。第三に、200℃、30分間で焼鈍して再結晶組織に調質した状態において、屈曲変形に対して主すべり面が活動可能である方位(変形方向に対して主すべり面が40°〜50°の方位を指すのが通常である。)に配向した結晶粒の占める割合が、圧延面からの観察によって面積率で80%以上となる結晶組織をもつことである。第四に、表面粗さRaが0.2μm以下であることである。
本発明に係る銅合金箔を用いて、常法に従って銅張積層板を製造し、更にFPCを製造することで通電信頼性の高いFPCが得られる。例えばFPC製造工程中に銅箔を再結晶組織に調質された状態とする焼鈍工程を導入することで、通電信頼性の高いFPCが製造可能となる。
本発明によれば、通電信頼性に優れた屈曲用圧延銅合金箔を提供することができ、本発明に係る銅合金箔を採用したFPCは高い通電信頼性を有することができる。
本発明に係る屈曲用圧延銅合金箔はFe、Ni、Ag及びAlから選択される1種以上の元素、特にAgをCuに固溶する範囲の濃度(例えば総量で0.005〜0.500質量%、好ましくは0.01〜0.10質量%)で含み、残部がCuおよび不可避的不純物からなる組成を有することが好ましい。Fe、Ni、Ag及びAlは銅に固溶して積層欠陥エネルギーを高める作用があり、これがすべり面に沿ったせん断変形の容易化に寄与する。
また、後述するように仕上圧延時の加工度はできるだけ高くすることが望ましいが、高い加工度(例えば99%以上)で仕上圧延を行うと割れが生じ易い。しかし、上記の添加元素を加えることで割れの発生が抑制され、このような高い加工度を採用し易くなる。
更に、Agには焼鈍して再結晶組織に調質するときに立方体方位の発達を促進し、屈曲性を高める効果がある。
また、すべり面に沿ったせん断変形を容易にするためには結晶方位を制御することが望ましい。結晶方位の制御は仕上げの冷間圧延の加工度をできるだけ高くすることにより行うのが有利であり、一般に90%以上、好ましくは98%、より好ましくは99%以上(例えば99.5%、更には99.9%)とすることで、後に再結晶組織に調質する際に立方体方位の発達が促され、屈曲性が向上する。ここで、圧延加工度(R)%は、R=(t0−t)/t0×100(t0:圧延前の厚み、t:圧延後の厚み)で定義される。
本発明における結晶方位の整列度合いは200℃、30分間で焼鈍して再結晶組織に調質した状態において、圧延面で求めた(200)面のX線回折強度Iと、銅粉末での(200)面のX線回折強度I0との比率I/I0(200)が60以上であるのが好ましく、より好ましくは70以上であり、例えば70〜80である。なお、銅粉末でのX線回折で求めた(200)面の強度I0は、結晶が無秩序に配向した状態((200)面が発達していない状態)の基準値として選択した。
更に、本発明に係る屈曲用圧延銅合金箔は、200℃、30分間で焼鈍して再結晶組織に調質した状態において、屈曲変形に対して主すべり面が活動可能である方位に配向した結晶粒の占める割合が、圧延面からの観察によって面積率で80%以上、とりわけ90%以上となる結晶組織をもつことが好ましい。すべり面に沿ったせん断変形が容易になるからである。
このような結晶組織は添加元素および中間焼鈍と冷間圧延の条件を調整することで得ることができる。
更に、銅箔表面の算術平均粗さ(表面粗さRa)を小さくすると、表面凹部からの亀裂の発生が抑制され、銅箔の変形はすべり面に沿ったせん断変形によって行われ易くなる。そこで、表面粗さRaを0.2μm以下、とりわけ0.1μm以下に制御することが好ましい。本発明では、表面粗さRaは触針式表面粗さ計(小坂製作所製SE−3400)を用い、JIS B−0601−2001に準拠した条件で測定したときの値を指す。
表面粗さRaの制御は公知の方法によって行うことができ、当業者であれば圧延時のパス毎の加工度、圧延速度、圧延油の粘度、圧延ロールの直径、圧延ロール表面の粗さ、及び圧下率などを適宜変化させることによって調節することができる。
本発明に係る屈曲用圧延銅合金箔は、典型的に200℃で30分間程度焼鈍することで再結晶組織に調質することができる。銅箔を焼鈍して再結晶させると、再結晶初期に立方体方位粒が形成される。その後、焼鈍を継続しても立方体集合組織の発達度はほとんど変化しない。また、立方体方位の発達度は焼鈍温度に大きくは依存しないため、樹脂基板との接着工程で銅箔を再結晶組織に調質する工程を兼ねるときには、樹脂側で必要とされる温度条件に比較的適合し易い。
そこで、本発明に係る屈曲用圧延銅合金箔をFPCの配線部材として用いるときは、FPCの製造性の観点から圧延仕上りの状態で裁断や樹脂基板との貼り合わせを行い、その後の樹脂基板との接着工程における加熱時に併せて焼鈍し、再結晶組織に調質するのが便宜である(但し、このことは樹脂基板との接着工程前又は後に銅箔を再結晶組織に調質することを排除するものではない。)。
例示的に、三層フレキシブル基板ではエポキシ等の熱硬化性樹脂からなる接着剤を用いて、銅箔とポリイミド等の樹脂フィルムを貼り合わせる。この接着剤を硬化させるために、130〜170℃の温度で数時間から数十時間の加熱処理を行う。この熱処理により銅箔を再結晶組織に調質することができる。二層フレキシブル基板の製造方法の一つであるキャスティング法では、ポリイミド樹脂の前駆体であるポリアミック酸を含むワニスを、銅箔上に塗布して加熱硬化させ、銅箔上にポリイミド被膜を形成する。この加熱硬化処理では、300℃程度の温度で数十分から数時間加熱するが、この熱処理により銅箔を再結晶組織に調質することができる。
銅箔の厚みを薄くすると、屈曲の際の曲げ部外周に生じるひずみが減少するため屈曲性が向上する。本発明に係る屈曲用圧延銅合金箔は可撓性配線部材として好適であり、特にFPCへの適用が意図されるものであるから、銅箔の厚みは50μm以下であるのが好ましく、20μm以下であるのがより好ましく、例えば10〜20μmである。更に、樹脂基板との接着後に減肉エッチングなどを施すことによって10μm以下とすることもできる。本発明に係る屈曲用圧延銅合金箔を200℃、30分間で焼鈍して再結晶組織に調質した場合には、たとえば回路幅1mmのFPCとして、表面ひずみ0.3%以上の繰り返し応力を受ける系において、電気抵抗増加率が10万回屈曲後に5%以下、15万回屈曲後に10%以下であり、好ましくは、屈曲回数10万回で1%以下であり、屈曲回数15万回で4%以下である。ここで、表面ひずみは以下の式で与えられる。
(表面ひずみ)=(屈曲による銅箔表面の変形量)/(屈曲部長さ)
銅箔表面の変形量とは図5の(AB−A’B’)を指し、屈曲部長さとはABを指す。
例示的には、屈曲速度1000回/分、摺動幅20mm、曲げ半径2.5mmとして厚さ18μmの銅箔に屈曲試験を行ったとき、電気抵抗の増加率が屈曲回数10万回で5%以下であり、屈曲回数15万回で10%以下である。好ましくは、屈曲回数10万回で1%以下であり、屈曲回数15万回で4%以下である。
そのため、本発明に係る屈曲用圧延銅合金箔を用いて製造されたFPCは通電信頼性が高く、プリンターのヘッド部やハードディスク内の駆動部等の可動部分への配線、更には携帯電話やノートパソコンの折り畳み部の配線といった繰り返し屈曲が行われる部分への配線や、熱サイクルによる収縮等により繰り返し応力を受ける配線のために好適に使用することができる。
以下に本発明及びその利点をより良く理解するための実施例を記載するが、本発明が限定されることを意図するものではない。
実施例
タフピッチ銅に200ppmのAgを添加して厚さ170mmの鋳塊を溶製した。この鋳塊を熱間圧延して8mmの厚さとした後に、冷間圧延と焼鈍を繰り返し、最後に仕上冷間圧延を99%の加工度で行い、厚さ18μmの圧延仕上がりの銅箔を得た。仕上冷間圧延では圧延油膜厚みを調整することで表面の粗さを制御した。結晶組織は添加元素と中間焼鈍条件および仕上圧延の加工度を調整することで制御した。
比較例1
厚さ170mmのタフピッチ銅の鋳塊を溶製した。この鋳塊を熱間圧延して8mmの厚さとした後に、冷間圧延と焼鈍を繰り返し、最後に仕上冷間圧延を80%の加工度で行い、厚さ18μmの圧延仕上がりの銅箔を得た。仕上冷間圧延では圧延油膜厚みを調整することで表面の粗さを制御した。結晶組織は中間焼鈍条件および仕上圧延の加工度の調整によって制御した。
比較例2
タフピッチ銅に1200ppmのSnを添加して厚さ170mmの鋳塊を溶製した。この鋳塊を熱間圧延して8mmの厚さとした後に、冷間圧延と焼鈍を繰り返し、最後に仕上冷間圧延を80%以上の加工度で行い、厚さ18μmの圧延仕上がりの銅箔を得た。仕上冷間圧延では圧延油膜厚みを調整することで表面の粗さを制御した。結晶組織は中間焼鈍条件および仕上圧延の加工度の調整によって制御した。
比較例3
屈曲用途に用いることを前提に作られた電解銅箔(厚さ18μm)を用いた。
これらの銅箔を25μmのポリイミドを塗布した二層銅張積層板(CCL)に加工した。ポリイミドの加熱硬化の際に、350℃、15分の熱処理を行った。得られた各二層CCLに配線パターン加工を行いFPCサンプルを作製し、以下の評価を行った。なお、上記熱処理によって銅箔は200℃、30分間による焼鈍と同様の再結晶組織に調質されたものと考えられる。
X線回折
圧延面における(200)面の回折強度の積分値(I)を求めた。この値を予め測定しておいた関東化学株式会社製の銅粉末(方位がランダムな試料)の(200)面の回折強度積分値(I0)で割り、I/I0を計算した。ピーク強度の積分値の測定は、銅箔及び銅粉末ともにCo管球を用いた。結果を表1に示す。
表面粗さ(Ra)
JIS B0601−2001に従い、触針式表面粗さ計(小坂製作所製SE−3400)を用いて表面粗さ(Ra)を求めた。基準長さを0.8mmとし、圧延平行方向に測定した。Raの測定は場所を変えて3回行い、その平均値を求めた。結果を表1に示す。
屈曲試験
次に、得られた各二層CCLを図2に示す形状にエッチングして幅1mm、長さ100mm(ポリイミド厚み25μm、銅箔厚み18μm)の回路を4本形成し、図3に示す装置を用いて、屈曲による電気抵抗の増加率を測定した。この装置は、発振駆動体4に振動伝達部材3を結合した構造になっており、試験片1は、矢印で示したねじ2の部分と振動伝達部材3の先端部の計4点で装置に固定される。振動伝達部材3が上下に駆動すると、試験片1の中間部は、所定の曲げ半径rでヘアピン状に屈曲される。試験条件は次の通りである。電気抵抗はW字に形成した回路の両端間で測定した。結果を図1及び表1に示す。
試験片幅:1mm
試験片長さ:100mm
試験片採取方向:試験片の長さ方向が圧延方向と平行になるように採取
曲げ半径r:2.5mm
屈曲方向:樹脂面が外側
摺動幅:20mm
屈曲速度:1000回/分
表面ひずみ:0.4%
結晶組織
屈曲変形に対して主すべり面が活動可能である方位に配向した結晶粒の占める割合を、1万回屈曲後の銅箔表面を光学顕微鏡で観察し評価した。すべり面の活動した結晶粒は表面にすべり帯が発達するため、光学観察では暗く見える。そこで、すべり面の活動により銅箔表面にすべり帯が発達した結晶粒が占める面積率を、明度の違いを基準として求めた。結果を図4および表1に示す。
銅箔の屈曲回数と電気抵抗の増加率の関係を表す図である。 今回評価に使用した試料の配線パターンを示す図である。 屈曲試験装置の概略図である。 圧延面で観察した銅箔の結晶組織の光学顕微鏡による写真である。 CCL屈曲部の断面の模式図である。
符号の説明
1:試験片
2:ねじ
3:振動伝達部材
4:発振駆動体

Claims (9)

  1. 0.01〜0.10質量%のAgを含み、残部がCu及び不可避的不純物からなる屈曲用圧延銅合金箔であって、
    200℃、30分間で焼鈍して再結晶組織に調質し、回路幅1mmのFPCとした場合に、長さ方向が圧延方向となるようにして、曲げ半径R2.5mm、摺動幅20mm、屈曲速度1000回/分、表面ひずみ0.3%以上の繰り返し応力を受ける系において、電気抵抗増加率が10万回屈曲後に5%以下、15万回屈曲後に10%以下であり、表面粗さRaが0.2μm以下であることを特徴とする圧延仕上がりの屈曲用圧延銅合金箔。
  2. 200℃、30分間で焼鈍して再結晶組織に調質した場合に、圧延面で求めた(200)面のX線回折強度Iと、銅粉末での(200)面のX線回折強度I0との比率I/I0(200)が60以上ある請求項1に記載の圧延仕上がりの屈曲用圧延銅合金箔。
  3. 200℃、30分間で焼鈍して再結晶組織に調質した場合に、屈曲変形に対して主すべり面が活動可能である方位に配向した結晶粒の占める割合が、圧延面からの観察によって面積率で80%以上となる結晶組織をもつ請求項1又は2に記載の圧延仕上がりの屈曲用圧延銅合金箔。
  4. 仕上冷間圧延の加工度を90%以上として製造した請求項1〜3の何れか一項に記載の圧延仕上がりの屈曲用圧延銅合金箔。
  5. 表面粗さRaが0.1μm以下である請求項1〜4の何れか一項に記載の圧延仕上がりの屈曲用圧延銅合金箔。
  6. 請求項1〜5の何れか一項に記載の圧延仕上がりの屈曲用圧延銅合金箔を焼鈍して再結晶組織に調質した銅合金箔。
  7. 請求項6に記載の銅合金箔を用いた銅張積層板。
  8. 請求項6に記載の銅合金箔を用いたFPC。
  9. 電子機器の繰り返し屈曲が行われる配線部に用いられる請求項8に記載のFPC。
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