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JP4664005B2 - 接着剤層付き半導体チップの製造方法 - Google Patents

接着剤層付き半導体チップの製造方法 Download PDF

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JP4664005B2 JP2004141412A JP2004141412A JP4664005B2 JP 4664005 B2 JP4664005 B2 JP 4664005B2 JP 2004141412 A JP2004141412 A JP 2004141412A JP 2004141412 A JP2004141412 A JP 2004141412A JP 4664005 B2 JP4664005 B2 JP 4664005B2
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Description

本発明は、接着剤層付き半導体チップの製造方法に関し、更に詳しくは、接着剤層が精度よくチップに積層された半導体チップの製造方法に関する。
従来、シリコン、ガリウムヒ素などの半導体ウエハは、所定の厚さに研削した大径のウエハをダイシング用粘着シートに貼着・固定してダイシングしてチップとする方法により製造されていたが、近年の要請に従って薄厚化したウエハにこの方法を適用した場合、ダイシング時にチップの欠け(チッピング)やチップクラックが発生しやすい。
このような薄厚ウエハのダイシング時の問題を解決する方法として、ウエハの表面側から所定のチップ厚よりも深い溝を形成し、次いでウエハの表面側に保護テープを貼着した後、表面側を保持した状態で裏面側から所定の厚さまで研削する方法が提案されている。また、この方法の場合、研削後のウエハの裏面にマウンティング用テープを貼着してチップの集合体を一括してマウンティング用テープ上に保持した後、ペレットをマウンティング用テープから分離して基台上に固着することが提案されている。(例えば、特許文献1参照)
一方、ペレットは接着剤を使用して基台上に固着(ダイボンディング)されるが、その方法として、基台の所定の位置に液体接着剤を塗布したりシート状接着剤を貼付しておく方法の他に、ペレットの裏面に接着剤層を設け、その接着剤層を介して基台上に固着する方法が行われている。
このペレットの裏面に接着剤層を設ける方法としては、ペレットとほぼ同一形状のシート状接着剤を貼付する方法も考えられるが、位置制御が困難で煩雑であり、実用的ではない。
これに対し、上記のウエハの表面側から溝を形成した後に所定の厚さまで研削し、その後にマウンティング用テープを貼着する方法において、ウエハの集合体とマウンティング用テープの間にシート状接着剤を介在させ、チップの集合体のダイシング部分(カーフ)にダイシングブレードを挿入して接着剤層を切断し、チップとそれに貼付されたシート状接着剤とをほぼ同一形状とする方法が提案されている。(例えば、特許文献2参照)
しかし、この方法の場合、ウエハのダイシングとシート状接着剤の切断という2回の切断作業を行う必要があって煩雑であり、しかも、チップとそれに貼付されたシート状接着剤とを精度良く同一形状とすることは困難であって、チップよりもシート状接着剤の方が大きくなることが多く、チップよりはみ出した部分がチップの使用に際して種々の不都合を生じる可能性がある。
特開平5−335411号公報 特開平2001−156027号公報
本発明は、上記のような従来技術に鑑みてなされたものであって、個片化されたウエハ形状のチップの面上に精度良く接着剤層を積層し得る、接着剤層付き半導体チップの製造方法を提供することを目的としている。
本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、個片化されたウエハ形状のチップ集合体のチップ面上にエネルギー線硬化性で且つ熱硬化性を有する接着剤層を設け、その接着剤層にエネルギー線を照射して半硬化させ、次いでその接着剤層にエネルギー線硬化性の粘着剤層を有する粘着シートを貼着した後、接着剤層及び粘着剤層の集合体の空隙部に対応する部分にエネルギー線を照射することにより、その部分の接着剤層及び粘着剤層が硬化、一体化し、チップのピックアップの際には、チップと同一形状の接着剤層のみがチップの面上に残ることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち、本発明は、
(1) ウエハ形状のチップ(W1)が空隙部を持って配列されたチップ集合体(W)が、剥離可能な粘着シート(X) 上に貼着保持された状態とする工程(工程1)
エネルギー線硬化性でありかつ熱硬化性である接着剤層(Y2)が、基材フィルム(Y1)の片面に剥離可能に設けられた接着シート(Y) を、チップ集合体(W)のチップ面に、接着剤層(Y2)を接して、貼着する工程 (工程2)、
基材フィルム(Y1)側からエネルギー線を照射して接着剤層(Y2)を半硬化させるとともに、接着シート(Y)から基材フィルム(Y1)を除去する工程 (工程3)、
基材フィルム(Z1)の片面にエネルギー線硬化性の粘着剤層(Z2)を設けた粘着シート(Z)を、半硬化した接着剤層(Y2)上に、粘着剤層(Z2)を接して、貼着する工程 (工程4)、
チップ集合体(W)の空隙部に対応する、接着剤層(Y2)及び粘着剤層(Z2)の部分にエネルギー線を照射し、当該部分を同時に硬化させる工程 (工程5)、及び、
個々のチップ(W1)を粘着シート(Z)から剥離することにより、チップ集合体(W)の空隙部に対応する粘着剤層(Y2)が同伴されず、チップ(W1)と同形状の接着剤層(Y2)が積層されたチップを得る工程 (工程6)
を順次行うことを特徴とする接着剤層付き半導体チップの製造方法、
(2)工程5において、チップ集合体(W)の側よりエネルギー線を照射することにより、チップ集合体(W)の空隙部に対応する、接着剤層(Y2)及び粘着剤層(Z2)の部分にのみエネルギー線を照射することを特徴とする上記(1)の接着剤層付き半導体チップの製造方法、
(3)粘着剤層(Z2)が、酢酸ビニル共重合ポリマーとエネルギー線硬化性のモノマー又はオリゴマーを含有する粘着剤組成物により形成されてなることを特徴とする上記(1)又は(2)の接着剤層付き半導体チップの製造方法、
(4)粘着剤層(Z2)が、粘着性のアクリル系共重合ポリマー〔成分(A)〕、酢酸ビニルモノマーから導かれる構成単位を50〜99.99質量%含有する酢酸ビニル共重合ポリマー〔成分(B)〕及びエネルギー線硬化性のモノマー又はオリゴマー〔成分(C)〕を主成分とする粘着剤組成物により形成されてなることを特徴とする上記(3)の接着剤層付き半導体チップの製造方法、及び
(5)粘着剤層(Z2)が、側鎖にエネルギー線硬化性の官能基を有するアクリルポリマー〔成分(A’)〕と酢酸ビニルモノマーから導かれる構成単位を50〜99.99質量%含有する酢酸ビニル共重合ポリマー〔成分(B)〕を主成分とする粘着剤組成物により形成されてなることを特徴とする上記(1)又は(2)の接着剤層付き半導体チップの製造方法、
を提供するものである。
本発明によれば、個片化されたウエハ形状のチップの裏面に精度良く接着剤層を積層した接着剤層付き半導体チップを効率よく製造することができる。
以下、本発明の各工程を、断端面図である図1〜5に基づいて説明する。
図1は、ウエハ形状のチップ(W1)が空隙を持って配列されたチップ集合体(W)が、剥離可能な粘着シート(X)に貼着保持された状態を示す断端面図である。
先ず、この図1に示した状態のチップ集合体が用意される(工程1)。
その方法としては、例えば、先ダイシング法(特許文献1に示された方法)が挙げられる。即ち、ウエハの表面側から所定のチップ厚よりも深い溝を形成(ハーフカットダイシング)し、次いでウエハの表面側に保護テープを貼着した後、表面側を保持した状態で裏面側から所定の厚さまで研削することにより、ウエハをチップ(W1)に個片化し、図1に示すような状態のチップ集合体を得ることができる。この場合保護テープが剥離可能な粘着シート(X)に相当する。
また、所定の厚さに研削され、個片化されていないウエハをダイシング粘着シートに貼着固定してフルカットダイシングする通常のプロセスによって、チップ集合体を得てもよい。その場合は剥離可能な粘着シート(X)はダイシング用粘着シートである。
そして、これらの場合においては、空隙部はダイシングした際の溝(カーフ)を意味する。
続いて、図2に示すように、エネルギー線硬化性でありかつ熱硬化性である粘着剤層(Y2)が基材フィルム(Y1)の片面に剥離可能に設けられた接着シート(Y)を、チップ集合体(W)のチップ面に、粘着剤層(Y2)を接して貼着し、剥離可能な粘着シート(X)は剥離除去する。(工程2)
次いで、同じく図2に示すように、基材フィルム(Y1)側からエネルギー線を照射して接着剤層(Y2)を半硬化させるとともに、接着シート(Y)から基材フィルム(Y1)を除去する。(工程3)尚、図2においては、剥離可能な粘着シート(X)が工程2で剥離除去されるが、本発明においてはこれに限らず、工程6を終えるまで貼付したまま全ての工程を行ってもよいし、工程3〜工程6のいずれかの段階で剥離除去してもよい。
接着剤層(Y2)を半硬化させることにより、ほぼ完全に接着剤層(Y2)表面の粘着力が消失するが、接着剤層(Y2)のエネルギー線硬化性は、完全に消失しないで再度のエネルギー線照射でも硬化が起こる状態となる。半硬化した接着剤層(Y2)は、工程6におけるチップ(W1)の剥離において剥離力を低減できるようになる。また、粘着性を失っているので基材フィルム(Y1)を除去した後の取り扱いが簡単になり、粘着シート(Z)の貼着ミスをすることが無くなる。なお、工程3において、エネルギー線の照射と、基材フィルム(Y1)の除去は、どちらを先に行ってもよい。
この際のエネルギー線の照射量は、接着剤層(Y2)の組成やエネルギー線の種類によりに異なるが、例えば紫外線の場合は50〜200mJ/cm2 程度が好ましく、電子線を用いる場合は、10〜1000krad程度が好ましい。
次いで、図3に示すように、基材フィルム(Z1)の片面にエネルギー線硬化性の粘着剤層(Z2)を設けた粘着シート(Z)を、半硬化した接着剤層(Y2)上に、粘着剤層(Z2)を接して、貼着する。 (工程4)
図中Rはリングフレームであり、このようにリングフレームで固定して、以降の工程を行うのが好ましい。
次いで、図4に示すように、チップ集合体(W)の空隙部に対応する、接着剤層(Y2)及び粘着剤層(Z2)の部分にエネルギー線を照射し、当該部分を同時に硬化させる。 (工程5)
接着剤層(Y2)と粘着剤層(Z2)が同時にエネルギー線照射されることにより、エネルギー線照射された部分はそれぞれが硬化すると同時に一体化し、一体化部分(YZ)が形成される。
図4では、チップ集合体(W)の空隙部に対応する部分のエネルギー線照射は、チップ集合体(W)のチップ越しに行うことにより、チップがマスクとなってチップに対応する部分の照射が行われないようにしている。反対に、チップ集合体(W)と同形状のマスクを用意し、チップ(W1)の位置が合うように該マスクを粘着シート(Z)上に設けて、粘着シート(Z)側よりエネルギー線照射を行ってもよい。
この際のエネルギー線の照射量は、粘着剤層(Z2)の組成やエネルギー線の種類により異なるが、例えば紫外線の場合は40〜250mJ/cm2 程度が好ましく、電子線を用いる場合は、10〜1000krad程度が好ましい。
次いで、図5に示すように、個々のチップ(W1)を粘着シート(Z)から剥離することにより、チップ集合体(W)の空隙部に対応する接着剤層(Y2)が同伴されず、チップ(W1)と同形状の接着剤層(Y2)が積層されたチップを得る。(工程6)
チップ(W1)の剥離は通常のピックアップにより行うことができる。接着剤層(Y2)の空隙部に対応する部分は、接触している粘着剤の部分と一体化して硬化した一体化部分(XY) を形成しているのに対し、その他の部分、即ちチップに対応する部分は粘着剤層(Z2)とは一体化していない。このため、ピックアップにより接着剤層(Y2)と粘着剤層(Z2)の界面で剥離が起こり、また、空隙部に対応する部分とその他の部分との境界で接着剤層(Y2)は厚さ方向で破断し、接着剤層(Y2)はチップ(W1)と同形状となる。
また、チップ(W1)を粘着シート(Z)から剥離する別の方法として、吸着テーブルのような固定手段を用いてチップ集合体(W)の全チップ(W1)を固定し、固定手段にチップ集合体(W)を転写するように粘着シート(Z)の180°剥離を行ってもよい。
本発明において、接着シート(Y)はエネルギー線硬化性でかつ熱硬化性である接着剤層(Y2)が基材フィルム(Y1)の片面に剥離可能に設けられたものである。
基材フィルム(Y1)としては、プラスチックフィルム、例えば、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリブテンフィルム、ポリブタジエンフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、塩化ビニル共重合体フィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィルム、ポリウレタンフィルム、エチレン酢ビフィルム、アイオノマー樹脂フィルム、エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体フィルム、エチレン・(メタ)アクリル酸エステル共重合体フィルム、ポリスチレンフィルム、ポリカーボネートフィルム、フッ素樹脂フィルム等が用いられる。
基材フィルム(Y1)は、これらのプラスチックシートの複層フィルムであってもよいし、架橋されたフィルムであってもよい。また、基材フィルム(Y1)は有色であっても無色であってもよい。
なお、工程3において、エネルギー線照射を行った後に基材フィルム(Y1)を除去する場合は、基材フィルム(Y1)は、使用するエネルギー線に対し透過性を有する必要がある。
また、基材フィルム(Y1)は積層される接着剤層(Y2)に対し剥離可能とするため、積層される側の面の表面張力は40mN/m未満が好ましく、さらに35mN/m未満が好ましい。基材フィルム(Y1)の表面をこのような表面張力の値とするには、表面張力の低い樹脂を成膜して基材フィルムとして採用するか、基材フィルムの表面にシリコーン樹脂等の剥離剤を塗布することによって得られる。
基材フィルム(Y1)の厚さは、10〜500μmの範囲が適当であり、好ましくは20〜250μmの範囲である。
接着剤層(Y2)を構成する接着剤は、エネルギー線硬化性で且つ熱硬化性であれば特に制限はないが、ポリマー成分、熱硬化性成分、エネルギー線硬化性成分を主成分とし、さらにそれぞれの硬化成分のための開始剤、その他の助剤を適宜配合した接着剤組成物が好ましい。
接着剤組成物のポリマー成分としては、ウエハ(チップ)への初期接着性のためアクリルポリマーが好ましく用いられる。アクリルポリマーとしては、たとえば、(メタ)アクリル酸エステルモノマーおよび(メタ)アクリル酸誘導体から導かれる構成単位とからなる(メタ)アクリル酸エステル共重合体が挙げられる。
ここで(メタ)アクリル酸エステルモノマーとしては、例えば(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステル、(メタ)アクリル酸ベンジルエステル、アルキル基の炭素数が1〜18である(メタ)アクリル酸アルキルエステルが挙げることができ、又(メタ)アクリル酸誘導体としては、例えば(メタ)アクリル酸グリシジル等を挙げることができる。
接着剤組成物に使用し得る熱硬化性成分は、適当な硬化促進剤との組み合わせにおいて、加熱により三次元網状化する成分であり、エポキシ、フェノキシ、フェノール、レゾルシノール、ユリア、メラミン、フラン、不飽和ポリエステル、シリコーン等の熱硬化性樹脂を挙げることができる。
接着剤組成物に使用し得るエネルギー線硬化性成分は、紫外線、電子線等のエネルギー線の照射を受けると重合硬化する化合物であり、具体的には、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートあるいは1,4−ブチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、オリゴエステルアクリレート、ウレタンアクリレート系オリゴマーなどのアクリレート系化合物を挙げることができる。
接着剤組成物の熱硬化性成分としてエポキシ樹脂を使用する場合に組み合わせて使用するエポキシ硬化剤としては、室温ではエポキシ樹脂と反応せず、ある温度以上の加熱により活性化してエポキシ樹脂と反応する、熱活性型潜在性のエポキシ硬化剤が好ましい。
この場合、エポキシ硬化剤は、エポキシ樹脂100質量部に対し、通常0.1〜20質量部、好ましくは0.5〜15質量部が使用される。
接着剤組成物に使用し得る光重合開始剤としては、具体的には、ベンゾフェノン、アセトフェノン、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾイン安息香酸、ベンゾイン安息香酸メチル、ベンゾインジメチルケタール、2,4-ジエチルチオキサンソン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンジルジフェニルサルファイド、テトラメチルチウラムモノサルファイド、アゾビスイソブチロニトリル、ベンジル、ジベンジル、ジアセチル、β−クロールアンスラキノンなどが挙げられる。
光重合開始剤の配合量は、エネルギー線硬化性樹脂100質量部に対する量として、0.1〜10質量部が適当である。
接着剤組成物に使用し得る架橋剤としては、例えばイソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、金属キレート系架橋剤、アジリジン系架橋剤、アミン樹脂などが挙げられる。 これらの架橋剤は、一種を単独で用いてもよく二種以上を組み合わせて用いてもよい。 架橋剤の量は、アクリル系ポリマー100質量部に対して0.1〜20質量部が適当であり、特に1〜10質量部が好ましい。
このようなエネルギー線硬化性でありかつ熱硬化性である接着剤層(Y2)が基材フィルム(Y1)の片面に剥離可能に設けられた接着シート(Y)としては、リンテック社より商品名Adwill LEシリーズとして上市されている。
本発明において、粘着シート(Z)は基材フィルム(Z1)の片面にエネルギー線硬化性の粘着剤層(Z2)を設けた構成を有する。
基材フィルム(Z1)としては、上記の基材フィルム(Y1)として例示したものと同様のものが使用できる。
基材フィルム(Z1)の厚さは、50〜300μmの範囲が適当であり、好ましくは60〜200μmの範囲である。
基材フィルム(Z1)と粘着剤層(Z2)とが諸工程で剥離しないよう接着性を向上させるために、基材フィルム(Z1)の片面に、所望により、サンドブラストや溶剤処理などによる凹凸化処理、あるいはコロナ放電処理、プラズマ処理、オゾン・紫外線照射処理、火炎処理、クロム酸処理、熱風処理などの酸化処理などを施すことができる。また、プライマー処理を施すこともできる。
粘着剤層(Z2)を構成する粘着剤は、エネルギー線硬化性であると共に、チップ(W1)をピックアップすることができるように、粘着剤層(Z2)がエネルギー線硬化されていない状態で、半硬化状態の接着剤層(Y2)との剥離性を有するという要件を満たすものであれば、特に制限はない。
このような粘着剤組成物としては、例えば、酢酸ビニル共重合ポリマーとエネルギー線硬化性の樹脂(モノマーまたはオリゴマー)を含有する粘着剤組成物が好ましく、さらに具体的な例としては、粘着性のアクリル系共重合ポリマー〔成分(A)〕、酢酸ビニルモノマーから導かれる構成単位を50〜99.99質量%含有する酢酸ビニル共重合ポリマー〔成分(B)〕及びエネルギー線硬化性のモノマー又はオリゴマー〔成分(C)〕を主成分とする粘着剤組成物が好ましい。
成分(A)のアクリル系共重合ポリマーは、粘着性のアクリル系共重合ポリマーである。
ここで、粘着性とは、ガラス転移温度(Tg)が−10℃以下であることを意味し、成分(A)と成分(B)とが混合された粘着剤層が、接着剤層(Y2)への常温接着ができ、かつ接着剤層(Y2)と粘着剤層(Z2)の空隙部に位置する部分を確実に一体化させ一体化部分(YZ)を形成させるためには、このTgを有することが必要である。好ましいTgは、−50〜−10℃である。
かかる粘着性のアクリル系共重合ポリマーは、種々のモノマーの組み合わせにより製造することができるが、アルキル基の炭素数が4以上の(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマーと、架橋性官能基含有モノマーと、さらに必要に応じて共重合可能なその他のモノマーを、常法により共重合することにより得ることができる。
ここで、アルキル基の炭素数が4以上の(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸デシルなどが挙げられる。また、(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステル、(メタ)アクリル酸ベンジルエステル等の脂環族基または芳香族基を有するアルキルエステルであってもよい。これらは単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
架橋性の官能基含有モノマーとしては、重合性の二重結合と、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アミノ基、置換アミノ基、エポキシ基等の官能基を分子内に有するモノマーであり、好ましくはヒドロキシル基含有不飽和化合物、カルボキシル基含有不飽和化合物が用いられる。
このような官能基含有モノマーの、具体的な例としては、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチルなどの(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル;(メタ)アクリル酸アセトアセトキシメチル;(メタ)アクリル酸モノメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸モノエチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸モノメチルアミノプロピル、(メタ)アクリル酸モノエチルアミノプロピルなどの(メタ)アクリル酸モノアルキルアミノアルキル;アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸などのエチレン性不飽和カルボン酸などが挙げられる。これらの単量体は単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
必要に応じて使用される、共重合可能なその他のモノマーとしては、アルキル基の炭素数が3以下の(メタ)アクリル酸アルキルエステル、具体的には、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル及び(メタ)アクリル酸プロピルや、アクリロニトリル、アクリルアミド、酢酸ビニル、酪酸ビニル等のビニルエステルなどが挙げられる。
これらは単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
成分(A)における、アルキル基の炭素数が4以上の(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマーから導かれる構成単位の含有割合は、接着剤層(Y2)への常温接着ができ、かつ接着剤層(Y2)と粘着剤層(Z2)の空隙部に位置する部分を確実に一体化させ一体化部分(YZ)を形成させるためには、40質量%以上が好ましく、粘着力が過大でピックアップが困難にならないようにするためには95質量%以下が好ましい。
即ち、成分(A)における、アルキル基の炭素数が4以上の(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマーから導かれる構成単位の含有割合の範囲は、好ましくは40〜95質量%であり、特に好ましくは50〜90質量%である。
成分(A)における、架橋性の官能基含有モノマーから導かれる構成単位は、架橋剤により三次元状の架橋結合を形成してピックアップ力の低減に寄与する。このため架橋性の官能基含有モノマーの含有割合は、好ましくは0.01〜30質量%であり、特に好ましくは0.1〜25質量%である。
成分(A)に共重合可能なその他のモノマーを導入することにより、成分(A)のガラス転移点(Tg)を制御することができ、粘着剤層自身の粘着力や凝集力を変化させ、チップの保持力やピックアップ性を調整することができる。このため、その他モノマーから導かれる構成単位の含有割合は、好ましくは40質量%以下であり、特に好ましくは5〜30質量%である。
成分(A)の質量平均分子量は、残留モノマーによる臭気や被着体に対する汚染などの悪影響を排除するためには10万以上が好ましく、粘着剤を塗布するために必要な粘度を得るためには200万以下が好ましい。
即ち、成分(A)の質量平均分子量は、好ましくは10〜200万であり、特に好ましくは20〜150万である。
成分(B)は、酢酸ビニルモノマーと架橋性の官能基含有モノマーとを、必要に応じて、共重合可能なその他のモノマーと共に共重合することにより得ることができる。
架橋性の官能基含有モノマーとしては、上記で成分(A)の製造に使用する架橋性の官能基含有モノマー〔成分(A2)〕として例示したものが使用できる。
共重合可能なその他のモノマーとは、成分(A)との相溶性を向上させるために使用するものであり、(メタ)アクリル酸アクリルエステル、アクリロニトリル、アクリルアミド、酢酸ビニル、酪酸ビニル等のビニルエステルなどが挙げられる。
これらの中では、特に(メタ)アクリル酸アルキルエステルが好ましく、具体的には、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸デシルなどが挙げられる。
これらは単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
成分(B)における、酢酸ビニルモノマーから導かれる構成単位の含有割合は、50質量%以上であれば、チップのピックアップ力の低減やチッピングの発生頻度の低減が期待できるようになるが、成分(A)との相溶性の低下やゲル分率の低下を防ぐために99.99質量%が上限値となる。
即ち、成分(B)における、酢酸ビニルモノマーから導かれる構成単位の含有割合の範囲は、50〜99.99質量%である必要があり、好ましくは50〜99.5質量%であり、特に好ましくは60〜95質量%である。
成分(B)における、架橋性の官能基含有モノマーから導かれる構成単位は、成分(A)と同様に、架橋剤により三次元状の架橋結合を形成して、チッピングの発生頻度の低減やピックアップ力の低減に寄与する。このため架橋性の官能基含有モノマー含有割合は、好ましくは0.01〜30質量%であり、特に好ましくは0.1〜25質量%である。
成分(B)における、共重合可能なその他モノマーは、成分(A)と成分(B)との相溶性を充足するため、好ましくは0〜40質量%の含有割合であり、特に好ましくは1〜30質量%の含有割合である。
成分(B)のガラス転移温度(Tg)は、接着剤層(Y2)への常温接着ができ、かつ接着剤層(Y2)と粘着剤層(Z2)の空隙部に位置する部分を確実に一体化させ、一体化部分(YZ)を形成させるためには、100℃以下が好ましく、粘着力が過大でピックアップが困難にならないようにするためには−20℃以上が好ましい。
即ち、成分(B)のガラス転移温度(Tg)は、好ましくは100〜−20℃であり、特に好ましくは50〜−15℃である。
成分(B)の質量平均分子量は、残留モノマーによる臭気や被着体に対する汚染などの悪影響を排除するためには1万以上が好ましく、粘着剤を塗布するために必要な粘度を得るためにはためには100万以下が好ましい。
即ち、成分(B)の質量平均分子量は、好ましくは1〜100万であり、特に好ましくは10〜80万である。
成分(C)のエネルギー線硬化性のモノマー及びオリゴマーは、分子内に炭素−炭素二重結合を少なくとも1個以上有する重合性化合物、例えばアクリレートモノマーやアクリレートオリゴマーであり、アクリレートモノマーの具体例としては、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートあるいは1,4−ブチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレートなどが挙げられ、アクリレートオリゴマーの具体例としては、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、エポキシアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレートなどが挙げられる。
粘着剤組成物における、成分(A)と成分(B)の配合比(A)/(B)は、5〜70質量部/95〜30質量部であることが望ましい。
成分(A)の配合比が過大になれば、粘着力が大きくなりピックアップが困難になるおそれがある。成分(B)が過大になれば、粘着性が劣って接着剤層(Y2)と粘着剤層(Z2)の空隙部に位置する部分の一体化〔一体化部分(YZ)の形成〕が不十分となり、ピックアップによる接着剤層(Y2)の断裂がチップに対し精度よく起きないようになる。
特に好ましい配合比(A)/(B)は、10〜60質量部/90〜40質量部である。
粘着剤組成物における、成分(C)の配合比は、成分(A)と成分(B)との合計100質量部に対して1〜100質量部であることが望ましい。
成分(C)の配合比がこの範囲未満の場合はエネルギー線照射を行っても接着剤層(Y2)との一体化〔一体化部分(YZ)の形成〕ができないおそれがあり、この範囲を超えると粘着剤層(Z2)の凝集力が不十分となり、チップのピックアップが不可能となるか接着剤層(Y2)上に異物として付着し、ダイボンディング後の接着力を劣化させるおそれがある。
成分(C)の特に好ましい配合比は、成分(A)と成分(B)との合計100質量部に対して2〜50質量部である。
粘着剤組成物としては、前記粘着性のアクリル系共重合ポリマー(A)及びエネルギー線硬化性のモノマー又はオリゴマー(C)の代わりとして、側鎖にエネルギー線硬化性の官能基を有するアクリルポリマー〔成分(A’)〕を使用してもよい。
成分(A’)は、成分(A)に、エネルギー線硬化性の官能基と成分(A)が有する官能基に結合が可能な官能基とを有する化合物を反応させることにより得ることができる。 粘着剤組成物を成分(A’)と成分(B)との配合とした場合の配合比(A’)/(B)は、5〜70質量部/95〜30質量部が好ましく、特に好ましくは、10〜60質量部/90〜40質量部である。
粘着剤組成物には、前記成分(A)、成分(B)及び成分(C)と共に、凝集力を付加するために架橋剤を配合する。
該架橋剤としては、接着剤層(Y2)を構成する接着剤に使用し得るものの例として前記したものが使用し得る。
架橋剤の量は、成分(A)のアクリル系共重合ポリマー及び成分(B)の酢酸ビニル共重合ポリマーの合計量100質量部に対して0.1〜20質量部が好ましく、特に1〜10質量部が好ましい。
エネルギー線として紫外線を用いる場合には、粘着剤組成物に光重合開始剤を混入することにより、重合硬化時間ならびに光線照射量を少なくすることができる。
このような光重合開始剤としては、接着剤層(Y2)を構成する接着剤に使用し得るものの例として前記したものが使用し得る。
光重合開始剤の配合量は、成分(C)又は成分(A’)100質量部に対して、十分な硬化性を得るためには0.1質量部以上が好ましく、十分な保存性を得るためには10質量部以下が好ましい。
即ち、光重合開始剤の配合量の範囲は、成分(C)100質量部に対して、好ましくは0.1〜10質量部であり、特に好ましくは0.5〜5質量部である。
粘着剤組成物には、本発明の目的が損なわれない範囲で、所望により、従来アクリル系粘着剤組成物に慣用されている各種添加成分を含有させることができる。
粘着剤層(Z2)は、上記のような粘着剤組成物を基材フィルム(Z1)の表面に常法により塗工することにより形成される。
粘着剤層(Z2)の厚さは、1〜100μmが適当であり、好ましくは2〜60μm、特に好ましくは3〜30μmの範囲である。
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
なお、各例での性能は、以下に示す要領に従って評価した。
(1)ピックアップ力
エキスパンド装置(日電機械社製、CPS−100)によりエキスパンドし(エキスパンド量:18mm落とし)、プッシュプルゲージ(アイコーエンジニアリング社製、CPUゲージ9200シリーズ)により行った。N=10のチップを1ピン突きによりピックアップし、その平均を求めた。
(2)接着剤層の転写性
上記(1)ピックアップ力の評価でピックアップしたチップの裏面を目視及び光学顕微鏡で観察し、次の基準で評価した。
良好:接着剤層がチップと同サイズに切断されてチップ裏面に転写されている。
不良:接着剤層がチップ裏面に転写されていないか、又は、チップより大きいサイズに 切断されてチップ裏面に転写されている。
(3)接着剤層の一体化
全チップをピックアップした後、接着剤層の集合体の空隙部に対応する部分が粘着剤層の対応する部分と一体化し、粘着シートに固着残存しているか否かを目視で観察し、次の基準で評価した。
良好:接着剤層の空隙部に対応する部分が粘着剤層の対応する部分と一体化して、粘着 シートに固着残存している。
不良:接着剤層の空隙部に対応する部分が粘着剤層の対応する部分と一体化せず、粘着 シートに固着残存していない。
また、以下の実施例において、エネルギー線硬化性の粘着剤層(Z2)の成分としては、次のものを用いた。
《粘着性のアクリル系共重合ポリマー〔成分(A)〕》
a1:アクリル酸ブチル75質量部、メタクリル酸メチル10質量部、アクリル酸10質量部及びアクリル酸2−ヒドロキシエチル5質量部を反応させて得られた、質量平均分子量が50万(Tg:−32℃)のポリマー
《側鎖にエネルギー線硬化性の官能基を有するアクリルポリマー〔成分(A’)〕》
a'1:ブチルアクリレート50質量部、メタクリル酸メチル20質量部及びアクリル酸2−ヒドロキシエチル30質量部の共重合体(質量平均分子量:55万、Tg:−21℃)に、該共重合体中の水酸基100当量当り80当量のイソシアナートエチルメタクリレートを反応させて得られた、側鎖にエネルギー線重合性の二重結合を有するポリマー
《酢酸ビニル共重合ポリマー〔成分(B)〕》
b1:酢酸ビニル80質量部、アクリル酸2−エチルヘキシル18質量部、アクリル酸1質量部及びメタクリル酸2−ヒドロキシエチル1質量部を反応させて得られた、質量平均分子量が44万(Tg:−4.5℃)のポリマー
b2:酢酸ビニル65質量部、アクリル酸2−エチルヘキシル30質量部、アクリル酸2質量部及びメタクリル酸2−ヒドロキシエチル3質量部を反応させて得られた、質量平均分子量が42万(Tg:−12.3℃)のポリマー
《エネルギー線硬化性のモノマー又はオリゴマー〔成分(C)〕》
c1:ウレタン系アクリレート(日本合成化学工業社製、商品名:紫外UV1700B)c2:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬社製、商品名:カヤラッドDPHA)
《光重合開始剤》
d1:1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(チバスペッシャリティーケミカルズ社製、商品名:イルガキュア184)
《架橋剤》
e1:ポリイソシアネート系架橋剤(日本ポリウレタン工業社製、商品名:コロネートL)
実施例1
6インチ径で、未研磨のダミーウエハ(シリコン)の鏡面をダイシング装置(東京精密社製;AWD−4000B、ダイシングブレード:ディスコ社製;27HEDG)で10mm×10mmサイズ、切り込み深さ220μmにハーフカットした。
この鏡面側に剥離可能なシート(X)(リンテック社製保護テープ、商品名;Adwill E−3120) を貼着し、ウエハの裏面側をウエハ研削装置(ディスコ社製;DFG8050)で厚み200μmまで研削してウエハをチップ化した(工程1)。
エネルギー線硬化性でありかつ熱硬化性である接着剤層(Y2)が基材フィルム(Y1)の片面に剥離可能に設けられた粘着シート(Y)として、リンテック社製Adwill LE5000(商品名) を使用し、これをウエハ形状のチップ集合体(W)の研削面全面に、接着剤層(Y2)を接して、貼着し(工程2)、鏡面に貼着されている剥離可能な粘着シート(X)を剥離除去した。
次に、基材フィルム(Y1)側より紫外線照射装置(リンテック社製、商品名:RAD2000m/8)により接着剤層(Y2)の全面に紫外線を照射(照射量:100mJ/cm2 )して硬化させ、基材フィルム(Y1)を接着剤層(Y2)から剥離した。(工程3)
基材フィルム(Z1)に厚さ80mμのエチレン・メタクリル酸共重合体フィルムを用い、その片面に表1(実施例1)に示す配合のエネルギー線硬化性の粘着剤層(Z2)を、乾燥膜厚が10μmになるように転写塗工した粘着シートを作成し、これを粘着シート(Z)とした。この粘着シートを、半硬化した接着剤層(Y2)の露出面に、接着剤層(Z2)を接して、貼着し、その外周をリングフレームに固定した。(工程4)
次に、ウエハ側〔チップ集合体(W)側〕より紫外線照射装置により紫外線を照射(照射量:100mJ/cm2 )し、チップ集合体(W)の空隙部(カーフ)に位置する接着剤層(Y2)と粘着剤層(Z2)を同時に硬化させ、一体化させた。(工程5)
その後チップを粘着シート(Z)からピックアップして、チップ集合体(W)の空隙部に対応する接着剤層(Y2)が同伴されず、チップと同形状の接着剤層(Y2)が積層されたチップ(W1)を得た。(工程6)
(1)ピックアップ力、(2)接着剤層の転写性、及び(3)接着剤層の一体化について評価した。その結果を表2に示す。
実施例2〜7
粘着剤層(Z2)の配合を表1に示すように変えた以外は、実施例1と同様にして実施した。それぞれの(1)ピックアップ力、(2)接着剤層の転写性、及び(3)接着剤層の一体化について評価した結果を表2に示す。
Figure 0004664005
Figure 0004664005
本発明によれば、裏面に同一形状の接着剤層が積層された個片化されたウエハ形状のチップが得られるので、チップが基台上へ極めて精度良く固着(ダイボンディング)され、機能上の支障を生じることのない半導体装置の製造に好適である。
本発明の工程を説明するための、断端面図である。 本発明の工程を説明するための、断端面図である。 本発明の工程を説明するための、断端面図である。 本発明の工程を説明するための、断端面図である。 本発明の工程を説明するための、断端面図である。
符号の説明
X:剥離可能な粘着シート(保護テープ)
W1:チップ
W:チップ集合体
Y1:基材フィルム
Y2:接着剤層
Y:接着シート
Z1:基材フィルム
Z2:粘着剤層
Z:粘着シート
R:リングフレーム
XY:一体化部分

Claims (5)

  1. ウエハ形状のチップ(W1)が空隙部を持って配列されたチップ集合体(W)が、剥離可能な粘着シート(X) 上に貼着保持された状態とする工程(工程1)
    エネルギー線硬化性でありかつ熱硬化性である接着剤層(Y2)が、基材フィルム(Y1)の片面に剥離可能に設けられた接着シート(Y) を、チップ集合体(W)のチップ面に、接着剤層(Y2)を接して、貼着する工程 (工程2)、
    基材フィルム(Y1)側からエネルギー線を照射して接着剤層(Y2)を半硬化させるとともに、接着シート(Y)から基材フィルム(Y1)を除去する工程 (工程3)、
    基材フィルム(Z1)の片面にエネルギー線硬化性の粘着剤層(Z2)を設けた粘着シート(Z)を、半硬化した接着剤層(Y2)上に、粘着剤層(Z2)を接して、貼着する工程 (工程4)、
    チップ集合体(W)の空隙部に対応する、接着剤層(Y2)及び粘着剤層(Z2)の部分にエネルギー線を照射し、当該部分を同時に硬化させる工程 (工程5)、及び、
    個々のチップ(W1)を粘着シート(Z)から剥離することにより、チップ集合体(W)の空隙部に対応する接着剤層(Y2)が同伴されず、チップ(W1)と同形状の接着剤層(Y2)が積層されたチップを得る工程 (工程6)
    を順次行うことを特徴とする接着剤層付き半導体チップの製造方法。
  2. 工程5において、チップ集合体(W)の側よりエネルギー線を照射することにより、チップ集合体(W)の空隙部に対応する、接着剤層(Y2)及び粘着剤層(Z2)の部分にのみエネルギー線を照射することを特徴とする請求項1に記載の接着剤層付き半導体チップの製造方法。
  3. 粘着剤層(Z2)が、酢酸ビニル共重合ポリマーとエネルギー線硬化性のモノマー又はオリゴマーを含有する粘着剤組成物により形成されてなることを特徴とする請求項1又は2に記載の接着剤層付き半導体チップの製造方法。
  4. 粘着剤層(Z2)が、粘着性のアクリル系共重合ポリマー〔成分(A)〕、酢酸ビニルモノマーから導かれる構成単位を60〜95質量%含有する酢酸ビニル共重合ポリマー〔成分(B)〕及びエネルギー線硬化性のモノマー又はオリゴマー〔成分(C)〕を主成分とする粘着剤組成物により形成されてなることを特徴とする請求項3に記載の接着剤層付き半導体チップの製造方法。
  5. 粘着剤層(Z2)が、側鎖にエネルギー線硬化性の官能基を有するアクリルポリマー〔成分(A')〕と酢酸ビニルモノマーから導かれる構成単位を60〜95質量%含有する酢酸ビニル共重合ポリマー〔成分(B)〕を主成分とする粘着剤組成物により形成されてなることを特徴とする請求項1又は2に記載の接着剤層付き半導体チップの製造方法。
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