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JP4649102B2 - アモルファスリン酸塩、並びに、それを含む紫外線遮断剤、化粧品、樹脂成形品及び塗料 - Google Patents

アモルファスリン酸塩、並びに、それを含む紫外線遮断剤、化粧品、樹脂成形品及び塗料 Download PDF

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Description

本発明は、Ce及び/又はTiのアモルファスリン酸塩、並びに、それを含む紫外線遮断剤、化粧品、樹脂成形品及び塗料に関する。
紫外線は、有機材料からなる樹脂成形品を劣化させる他、生体に対しても悪影響を及ぼす作用が強い。例えば、波長280〜320nmのUV−B領域の紫外線は皮膚の炎症を引き起こし、波長320〜400nmのUV−A領域の紫外線は皮膚を褐色にすることが知られている。そこで、そのような紫外線の作用を緩和させるため、化粧品や樹脂成形品に含有させるための種々の有機系紫外線吸収剤や無機系紫外線散乱剤が開発されている。
有機系紫外線吸収剤は、化粧品や樹脂成形品に含有させた場合に無色且つ透明であるため汎用されていたが、近年になり耐熱性、耐候性の不足やそれ自身或いはその分解生成物の毒性による安全性の面で問題が多いために使用が制限されている。
無機紫外線遮断剤として、例えば、特許文献1には、リン酸セリウムとリン酸チタンとを複合化して得られるリン酸セリウム−リン酸チタン系紫外線遮断剤が開示されている。そして、これによれば、透明性が優れると共に、UV−A及びUV−Bの紫外線遮断性能が優れ、且つ、光・熱触媒活性が極めて低い、と記載されている。
特開2003−119452号公報
ところで、特許文献1にも記載されているように、リン酸セリウム−リン酸チタン系紫外線遮断剤を高温に加熱すると、リン酸塩がピロリン酸塩からオルトリン酸塩に変化し、紫外線遮断性能が著しく損なわれるという問題がある。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、耐熱性能の優れるアモルファスリン酸塩、並びに、それを含む紫外線遮断剤、化粧品、樹脂成形品及び塗料を提供することにある。
本発明者らは、ピロリン酸塩からオルトリン酸塩への変化が結晶化の進行に関与することの確信を得て、Ce及び/又はTiのアモルファスリン酸塩が少なくともアモルファス状態であれば、優れた紫外線遮断性能が発揮されるということを見出して本発明に想到したものである。
上記目的を達成することができるその本発明は、Ce及び/又はTiのアモルファスリン酸塩であって、結晶化阻止成分を含有しているものである。
上記の構成であれば、加熱を受けても結晶化阻止成分によって結晶化が抑えられるので、高温度までアモルファス状態が維持されて紫外線遮断性能が損なわれない。従って、紫外線遮断性能を示すアモルファスリン酸塩として高い耐熱性能を呈する。
以上説明したように、本発明によれば、Ce及び/又はTiのアモルファスリン酸塩の優れた耐熱性能を得ることができる。
以下、本発明の実施形態を詳細に説明する。
(アモルファスリン酸塩の構成)
本発明の実施形態に係るアモルファスリン酸塩は、Ce及び/又はTiのリン酸塩の微粉末であり、例えば、化粧品や樹脂成形品や塗料等に混入される紫外線遮断剤として用いられるものである。「Ce及び/又はTi」であるので、Ceのアモルファスリン酸塩であっても、Tiのアモルファスリン酸塩であっても、また、Ce及びTiのアモルファス複合リン酸塩であってもよい。そして、本実施形態のアモルファスリン酸塩は、結晶化されていない不定形(非晶質、アモルファス)のものであり、また、特徴として、結晶化阻止成分を含有している。
結晶化阻止成分は、アモルファスリン酸塩において、温度が上昇した際に、陽イオンと陰イオンとが再配列して結晶化するのを規制するものであれば特に限定されるものではない。結晶化阻止成分としては、アモルファスリン酸塩内で不純物として機能するものが好ましく、陽イオンと陰イオンとの再配列を困難にするという観点からは、熱運動性能の低い嵩高く且つ重いものがより好適である。具体的には、結晶化阻止成分として、例えば、B、Al、Si、Zn、Ga、Zr、Nb、Mo、Ta及びW等の元素や、その他の化合物を挙げることができる。
結晶化阻止成分は、単一種が含有されていても、二種以上が含有されていてもよい。
結晶化阻止成分は、単にアモルファスリン酸塩に混合状態に含有されていても、例えば、結晶化阻止成分が元素の場合、リン酸イオンのPの一部を置換するような形態で含有されていてもよい。
上記後者の例のように、結晶化阻止成分元素がリン酸イオンのPの一部を置換するような形態で含有されているアモルファスリン酸塩は、結晶化阻止成分元素Xとしたとき、
組成式:CeαTi1−α(P 1−β β 7+γ (I)
(0≦α≦1、0<β≦0.5、−0.5≦γ≦1.0)
で表すことができる。なお、Xは単一種であっても複数種であってもよい。また、これには水和水を含んだ
組成式:CeαTi1−α(P 1−β β 7+γ・nHO (II)
(0≦α≦1、0<β≦0.5、−0.5≦γ≦1.0、nは任意)
で表されるものも含まれる。
ここで、αは0〜1の範囲で設定自在であり、このαの値によりアモルファスリン酸塩の有する紫外線遮断性能及び黄色の着色度を任意に制御することができる。従って、用途に応じてαの値を自由に選ぶことができ、例えば、日焼け止め化粧品に含有させる場合、紫外線遮断性能と黄色の着色とのバランスを考慮すると、α=0.001〜0.5とするのが好適であり、0.01〜0.2とするのがさらによい。
βは0より大きく0.5以下の範囲で設定自在であり、このβの値によりアモルファスリン酸塩の耐熱性能を任意に制御することができる。XがPよりも元素番号の大きい元素の場合、βが大きくなってXの割合が多くなると、アモルファスリン酸塩の単位質量中に含まれるCeやTiの絶対量が少なくなるため、紫外線遮断性能が低くなってしまう。従って、これを考慮すれば、上記の場合β=0.2〜0.3とするのが好適である。
γはXの種類によって−0.5〜1.0の範囲で決まる。
nは水和水分子の数を示し、アモルファスリン酸塩化合物を形成する際に必然的に水和水分子が結合するため0より大きい値となる。水に対する溶解性を抑制する観点及び撥水処理の困難性を回避する観点からは、nが5以下、好ましくは3以下、より好ましくは2以下であるのがよい。
なお、これらのα、β、γ及びnの値は、アモルファスリン酸塩の乾燥粉末におけるCe、Ti等の元素分析及び熱重量分析を行うことによって定量することができる。
このように本実施形態のアモルファスリン酸塩は、結晶化阻止成分を含有しているので、加熱を受けても結晶化が抑えられ、高温度までアモルファス状態が維持されて紫外線遮断性能が損なわれず、高い耐熱性能を呈する。
本実施形態のアモルファスリン酸塩は、屈折率がCeやTiの酸化物と比較して小さく、組成にもよるがおよそ1.8〜2.0である。このように屈折率が低いと、微粉末状のアモルファスリン酸塩の可視光に対する光散乱性も低くなるため、とりわけ化粧品、塗料等に含有させた場合、従来の酸化物系のものを用いた場合に比べて高い透明性を得ることができる。さらに、アモルファス複合リン酸塩であれば、従来の無機系紫外線遮断剤の大きな問題のひとつであった光及び熱触媒活性を著しく抑制することができる。つまり、化粧品に含まれた無機系紫外線遮断剤が化粧品の他の成分を分解させる反応を促進させたり、樹脂成形品に含まれた無機系紫外線遮断剤がその樹脂成形品を劣化させる反応を促進させたりすることがない。
本実施形態のアモルファスリン酸塩は微粉末状であるが、その大きさは、平均粒径が0.003〜1μmである。粒子の凝集が激化して分散が困難になるのを回避する観点からは、平均粒径が0.003μm以上、好ましくは0.01μm以上、より好ましくは0.03μm以上であるのがよい。紫外線吸収することによる紫外線遮断性能及び可視光領域における透明性を効果的に発揮させる観点からは、平均粒径が1μm以下、好ましくは0.1μm以下、より好ましくは0.05μm以下であるのがよい。なお、平均粒径は、複数の粒子について、電子顕微鏡写真からそれらの外径を実測することにより算出することができる。
(アモルファスリン酸塩の製造方法)
次に、上記組成式(I)で表される本実施形態のアモルファスリン酸塩の製造方法について説明する。
まず、リン酸イオンを含む塩基性水溶液と、+4価のCeイオン及び/又は+4価のTiイオンを含む水溶液と、Xイオンを含む溶液とを、混合後の分散液のpHが1〜11となるように混合する。
ここで、リン酸イオンを含む塩基性水溶液としては、リン酸アルカリ金属塩、リン酸アンモニウム塩等の水溶液を用いてもよいし、あらかじめリン酸水溶液を調製したのち、アルカリ水溶液を添加して塩基性にしたものを用いてもよい。リン酸アルカリ金属塩としては、例えば、ピロリン酸ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸三ナトリウム、ピロリン酸カリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸三カリウム、ピロリン酸リチウム、リン酸二水素リチウム、リン酸水素二リチウム、リン酸三リチウム等を挙げることができ、ピロリン酸塩を効率よく生成させる観点からは、ピロリン酸ナトリウム、ピロリン酸カリウム、ピロリン酸リチウムを用いるのがよい。また、試料中へのアルカリ金属の混入を極力抑える必要がある場合には、リン酸第一アンモニウム、リン酸二アンモニウム、リン酸三アンモニウム三水和物等を用いるのがよい。
リン酸イオンを含む塩基性水溶液中のリン酸イオンの量は、過剰のリン酸および過剰のアルカリを水洗によって除去する手間を少なくする観点から、Tiイオン及び/又はCeイオンの総モル数に対してモル比で10以下、好ましくは6.0以下、より好ましくは4.0以下とするのが望ましく、反応を完全に行う観点から、Tiイオン及び/又はCeイオンの総モル数に対してモル比で1.0以上、好ましくは1.5以上、より好ましくは2.0以上とするのが望ましい。
+4価のCeイオンを含む溶液のCeイオン源としては、水溶性または酸溶解性+4価セリウム化合物であれば特に限定がなく、例えば、
硝酸二アンモニウムセリウム(IV)(Ce(NH42(NO36)、
硫酸四アンモニウムセリウム(IV)二水和物(Ce(NH44(SO44・2H2O)、
硫酸セリウム(IV)四水和物(Ce(SO44・4H2O)
等が好適であり、好ましくは硫酸セリウム(IV)四水和物を用いるのがよい。
+4価のTiイオンを含む溶液のTiイオン源としては、水溶性または酸溶解性+4価チタン化合物であれば特に限定がなく、例えば、
塩化チタン(TiCl4)、
硫酸チタン(IV)(Ti(SO44)、
ヨウ化チタン(TiI4
等が好適である。さらに、市販の塩化チタン(IV)や硫酸チタン(IV)の溶液等は、その取り扱いの容易さから好ましく用いられる。
Xイオンを含む溶液としては、水溶性、エタノール可溶性、或いは酸可溶性の化合物の溶液等、特に限定されるものではなく、例えば、XがNb或いはMoの場合にはこれらの塩化物(XCl5)をエタノール等に溶解させた溶液、XがSiの場合には珪酸ナトリウム水溶液、XがBの場合にはホウ酸水溶液、XがAlの場合には硫酸アルミニウム、硝酸アルミニウム、塩化アルミニウムの水又は酸或いはエタノール溶液、XがZnの場合には硫酸亜鉛、塩化亜鉛の水溶液、XがGaの場合には塩化ガリウムの酸溶液、XがZrの場合には硫酸ジルコニウム、塩化ジルコニウム、オキシ硝酸ジルコニウム、オキシ塩化ジルコニウムの水又は酸溶液などが好適に用いられる。
+4価のCeイオン及び/又は+4価のTiイオンを含む溶液中の金属イオン量、すなわちCeイオン及び/又はTiイオンの総量は、合成の効率化の観点から、リン酸イオンを含む塩基性水溶液と金属イオンを含む水溶液とを混合した反応液中の濃度が、0.01mol/L以上、好ましくは0.05mol/L以上、より好ましくは0.1mol/L以上となるような量が望ましく、一方、反応液の粘度が高くなることによる撹拌操作の困難性を回避する観点から、その上限は0.5mol/L以下、好ましくは0.3mol/L以下、より好ましくは0.2mol/L以下となるような量が望ましい。
リン酸イオンを含む塩基性水溶液と、+4価のCeイオン及び/又は+4価のTiイオンを含む溶液と、Xイオンを含む溶液と、を混合した後の分散液のpHは、粒径が大きくなって紫外線遮断性能が低下するのを防ぐ観点から、1以上、好ましくは2以上、より好ましくは3以上とするのがよく、得られる紫外線遮断剤粉末の水に対する溶解性が高くなるのを防ぐ観点から、11以下、好ましくは9以下、より好ましくは8以下とするのがよい。
リン酸イオンを含む塩基性水溶液と、+4価のCeイオン及び/又は+4価のTiイオンを含む溶液と、Xイオンを含む溶液とを混合する方法としては、例えば、0〜50℃で、リン酸イオンを含む塩基性水溶液の攪拌下、+4価のCeイオン及び/又は+4価のTiイオンを含む溶液及びXイオンを含む溶液を5秒〜1時間程度かけて添加しながら混合する方法等があげられ、このように混合することにより非晶質のゲルが生成する。
次いで、生成したゲルを80℃の温度で熟成させる。熟成の時間は、均質性の観点から、30分以上、好ましくは1時間以上が望ましく、製造上の効率性の観点から、5時間以下、好ましくは3時間以下が望ましい。また、必要に応じ、生成したゲルを120℃〜200℃の温度で水熱処理してもよい。
そして、濾過、遠心分離等により生成したゲルからアモルファスリン酸塩を回収、洗浄し、必要があれば水をエタノール等の水溶性有機溶剤で置換したのち乾燥する。洗浄手段は遠心分離、濾別、デカンテーションの繰り返しか、セラミックフィルタや限外ろ過膜を使った微粉洗浄装置でもよい。洗浄が終わった粒子は、室温による自然乾燥、あるいはオーブン等を用いた加熱乾燥により乾燥する。このときに真空乾燥機やスプレードライヤーなどを用いてもよい。乾燥させる際の温度は80〜200℃とすることが好ましい。
以上により、微粉末状のアモルファスリン酸塩を得ることができる。なお、アモルファスリン酸塩を水分散系で使用する際には、水洗の最終段階で回収せず、分散液としたまま使用することもできる。このアモルファスリン酸塩の製造方法は、高温での熱処理が不要であり、80℃で乾燥したものでも充分高い紫外線遮断性能を有する。
(アモルファスリン酸塩の用途)
本実施形態のアモルファスリン酸塩は、紫外線遮断剤としていずれの用途でも使用できる。例えば、日焼け止めを目的とした紫外線カット化粧品、耐紫外線性能を有する樹脂フィルムやプラスチックボックスなどの樹脂成形品、塗料等に好ましく使用することができる。
本実施形態のアモルファスリン酸塩を、例えば、化粧品や、樹脂フィルムやプラスチックボックス等の樹脂成形品や塗料に含有させれば、可視領域の透明性を損なうことなく、UV−BからUV−A領域のほぼ全域にわたり優れた紫外線遮断効果を示し、また、触媒活性が抑制されるので安定性及び安全性が高い。
なお、本実施形態のアモルファスリン酸塩を化粧品や樹脂成形品や塗料に含有させる場合、微粉末状のものをそのまま混ぜ込んでも、また、ペースト状、分散液状などの各種形態で混ぜ込んでもよい。樹脂成形品に含有させる場合には、予め成形用材料としてのペレットに含有させてマスターバッチとしても、押出成形機や射出成形機にベースの樹脂材料と共に投入して混練してもよい。
以下、本実施形態のアモルファスリン酸塩を、化粧品、樹脂成形品及び塗料にそれぞれに含有させる場合について詳細に説明する。
まず、本実施形態のアモルファスリン酸塩を含有させた化粧品について述べる。
本実施形態のアモルファスリン酸塩を含有させた化粧品は、透明性が高く且つ優れた紫外線遮断効果を発揮し、日焼け止め化粧料として用いるのが好ましい。化粧品の種類としては、特に限定されるものではなく、例えば、乳液、クリーム、ローション、ファンデーション、コンパクトパウダー、マニキュア、口紅、アイシャドウ、化粧水、整髪料等を挙げることができる。配合率も特に限定されないが、0.1〜70質量%に調節するのが望ましい。配合率が0.1質量%以下であると十分な紫外線遮断効果を得にくくなる場合があり、他方、70質量%以上配合すると分散性、透明性が低下する場合がある。
本実施形態のアモルファスリン酸塩を化粧品に含有させる場合、例えば、分散剤、界面活性剤、油剤、ゲル化剤、高分子、保湿剤、美容成分、色素、防腐剤、粉体、香料等の添加剤を一緒に含有させてもよい。また、アモルファスリン酸塩に対し、アミノ酸処理、コラーゲン処理、レシチン処理、トリグリセライド処理、シリコーン処理、金属石鹸処理、キチン・キトサン処理等の表面処理を施してもよい。
本実施形態のアモルファスリン酸塩の異なる組成のものを2種以上組み合わせて含有させてもよい。また、本実施形態のアモルファスリン酸塩に加えて、有機系紫外線吸収剤や他の無機系紫外線遮断剤を少なくとも1種類以上、製品や環境の汚染等、その使用に起因する問題点を生じない範囲で微量添加してもよい。こうすることにより、両者の利点を同時利用できる。この場合、有機系紫外線吸収剤として、例えば、サリチル酸系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系あるいはシアノアクリレート系、4−ターシャリブチル−4'−メトキシベンゾイルメタン等の各種紫外線遮断剤等を挙げることができる。具体的には、サリチル酸系紫外線遮断剤としては、サリチル酸オクチル、サリチル酸ホモメンチル、サリチル酸メチル等である。ベンゾフェノン系紫外線遮断剤としては、ヒドロキシベンゾフェノン、テトラヒドロキシベンゾフェノン、ヒドロキシメトキシベンゾフェノンスルホン酸、ヒドロキシメトキシベンゾフェノンスルホン酸ナトリウム、ヒドロキシメトキシベンゾフェノン、オキシベンゾン等である。ベンゾトリアゾール系紫外線遮断剤としては、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−ターシャリブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3−5−ジターシャリブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール等である。シアノアクリレート系紫外線遮断剤としては、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、エチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート等である。一方、無機系紫外線遮断剤として、酸化チタン、酸化亜鉛、或いは、酸化セリウム等を挙げることができ、平均粒径50nm以下の酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウムを用いるのが好適である。
次に、本実施形態のアモルファスリン酸塩を含有させた樹脂成形品や塗料について述べる。
一般に、樹脂は太陽光線に含まれる紫外線を吸収すると劣化をおこすことが知られている。その対策として本実施形態のアモルファスリン酸塩を紫外線遮断剤として含有させることで光劣化を防止あるいは低減できる。アモルファスリン酸塩の樹脂に対する配合比率は任意に設定することができるが、好ましくは0.5〜50質量%の範囲に調製するのがよい。配合率が0.5質量%以下では少なすぎて十分な紫外線遮断効果を得られず、一方、50質量%以上では分散性が低下する。なお、配合の際に分散剤等の添加剤を加えてもよい。
例えば、本実施形態のアモルファスリン酸塩の紫外線遮断剤を樹脂フィルムに含有させ、その樹脂フィルムを表面保護用途に使用することにより、樹脂フィルムより下層にある接着剤、プラスチック板、木板、鋼板及び染料、願料等の着色剤等は、紫外線から保護されるため長期間に亘って、使用することができる資材となる。また、本実施形態のアモルファスリン酸塩は、耐熱性能が特に優れるので、紫外線に対する暴露時間が長いビニールハウス等への用途に好適である。
本実施形態のアモルファスリン酸塩を含有させた塗料は、特に限定されるものではなく、いずれの塗料でも良いが、塗装法による分類のうち常温乾燥塗料及び焼付け塗料が好適である。
本実施形態のアモルファスリン酸塩を含有させた樹脂フィルムやプラスチックボックス等の樹脂成形品や塗料としては、例えば、照明用カバー、電子基板及びEL等の電気・電子材料、自動車用内装パネル等の自動車部品、機械部品、食品および薬品等の包装や容器、繊維、看板、鋼板、プラスチック板、シート、農業用被覆資材、屋根、テント及び屋外倉庫等の屋外構築物、自動車、車両、船舶、航空機、家庭用電化製品、機械類、建築物外壁、橋梁、事務用品、眼鏡用レンズ、玩具、雑貨等が例示されるが、紫外線遮断性が必要とされるものであれば、いかなる樹脂成形品、塗料等にも使用可能である。
上記樹脂成形品や塗料の原料となる樹脂としては、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂が用いられる。熱可塑性樹脂としては、例えば含フッ素樹脂、アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリカーボネイト樹脂、オレフィン系樹脂、エポキシ樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリエーテルスルホン酸樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリメチルペンテン樹脂、ABS樹脂、酢酸ビニル樹脂、およびポリエチレン樹脂等があり、なかでも比較的高温で加熱成形できる含フッ素樹脂、アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネイト樹脂、ポリエステル樹脂が好ましい。
熱硬化性樹脂としては、例えば、メラミン樹脂、フエノール樹脂、ユリア樹脂、フラン樹脂、アルキッド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、エポキシ樹脂、ケイ素樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリパラバン酸樹脂等が用いられ、なかでもエポキシ樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ポリイミド樹脂が好ましい。
[試験評価1]
(試験評価試料)
以下の各例に係るCeP27系アモルファスリン酸塩を調製した。
<例1−1>
硫酸セリウム(IV)四水和物10mmolを脱イオン水100mlに溶解させた水溶液を、Na42710mmolを脱イオン水100mlに溶解させた水溶液に滴下し、それを80℃で30分間加熱し、しかる後に沈殿物を遠心分離により分離して水洗し、80℃で24時間乾燥してなるセリウムのアモルファスリン酸塩を例1−1とした
(CeP27)。
<例1−2>
硫酸セリウム(IV)四水和物5mmolを脱イオン水50mlに溶解させた水溶液と、NbCl51mmolをエタノール40mlに溶解させた溶液とを、Na4274.5mmolを脱イオン水50mlに溶解させた水溶液に滴下し、それを80℃で30分間加熱し、しかる後に沈殿物を遠心分離により分離して水洗し、80℃で24時間乾燥してなるセリウムのアモルファスリン酸塩を例1−2とした。このアモルファスリン酸塩は、リン酸イオンのPのうち10%がNbで置換されたものであった
(Ce(P0.9Nb0.127)。
<例1−3>
硫酸セリウム(IV)四水和物5mmolを脱イオン水50mlに溶解させた水溶液と、TaCl51mmolをエタノール40mlに溶解させた溶液とを、Na4274.5mmolを脱イオン水50mlに溶解させた水溶液に滴下し、それを80℃で30分間加熱し、しかる後に沈殿物を遠心分離により分離して水洗し、80℃で24時間乾燥してなるセリウムのアモルファスリン酸塩を例1−3とした。このアモルファスリン酸塩は、リン酸イオンのPのうち10%がTaで置換されたものであった
(Ce(P0.9Ta0.127)。
(試験評価方法)
<結晶・非結晶性>
粉末X線回折測定装置(リガク社製、MultiFlex型)を用いて、例1−1について、未焼成のもの、並びに、200℃、300℃、350℃、400℃、450℃、500℃、550℃、600℃及び650℃の各温度で5時間焼成したものの生成相を同定した。例1−2及び例1−3のそれぞれについて、未焼成のもの、並びに、200℃、300℃、350℃、400℃、450℃、500℃、550℃及び600℃の各温度で焼成したものの生成相を同定した。
<色相>
色彩色度計(ミノルタ製CR−300型)を用いて、例1−1〜例1−3のそれぞれについて(L*,a*,b*)を測定した。
(試験評価結果)
表1〜3は、例1−1〜例1−3の試験評価結果をそれぞれ示す。
Figure 0004649102
Figure 0004649102
Figure 0004649102
例1−1では、表1によれば、粉末X線回折(以下「XRD」という。)の結果より450℃までアモルファス状態を維持できるということが分かる。また、色相は、焼成温度が高くなると黄色さを表すb値が小さくなり、黄色が薄くなることが分かる。
例1−2では、表2によれば、XRDの結果より、550℃までアモルファス状態を維持できるということが分かる。例1−1に対し、リン酸イオンのPのうち10%をNbで置換することにより、かかる耐熱性向上効果が得られた。また、色相は、焼成温度が高くなるとb値が小さくなり、黄色が薄くなることが分かる。
例1−3では、表3によれば、XRDの結果より、550℃までアモルファス状態を維持できるということが分かる。例1−1に対し、リン酸イオンのPのうち10%をTaで置換することにより、かかる耐熱性向上効果が得られた。また、色相は、焼成温度が高くなるとb値が小さくなり、黄色が薄くなることが分かる。
以上、例1−1〜例1−3を比較すると、Nb又はTaを含有している例1−2や例1−3は、それらの元素が結晶化阻止成分として機能するため、それらを含有しない例1−1が結晶化する温度では結晶化せずに、それよりも高温度で結晶化する。
[試験評価2]
(試験評価試料)
以下の各例に係るTiP27系アモルファスリン酸塩を調製した。
<例2−1>
硫酸チタン10mmolを脱イオン水100mlに溶解させた水溶液を、沈殿剤としてのNa42710mmolを脱イオン水100mlに溶解させた水溶液に滴下し、それを80℃で30分間加熱し、しかる後に沈殿物を遠心分離により分離して水洗し、80℃で24時間乾燥してなるチタンのアモルファスリン酸塩を例2−1とした(TiP27)。
<例2−2>
硫酸チタン5mmolを脱イオン水50mlに溶解させた水溶液及びNbCl51mmolをエタノール40mlに溶解させた溶液を、4.5mmolのNa427を脱イオン水50mlに溶解させた水溶液に滴下して一晩攪拌し、それを80℃で30分間加熱し、しかる後に沈殿物を遠心分離により分離して水洗し、80℃で24時間乾燥してなるチタンのアモルファスリン酸塩を例2−2とした。このアモルファスリン酸塩は、リン酸イオンのPのうち10%がNbで置換されたものであった
(Ti(P0.9Nb0.127)。
<例2−3>
硫酸チタン5mmolを脱イオン水50mlに溶解させた水溶液及びNbCl52mmolをエタノール40mlに溶解させた溶液を、4mmolのNa427を脱イオン水50mlに溶解させた水溶液に滴下して一晩攪拌し、それを80℃で30分間加熱し、しかる後に沈殿物を遠心分離により分離して水洗し、80℃で24時間乾燥してなるチタンのアモルファスリン酸塩を例2−3とした。このアモルファスリン酸塩は、リン酸イオンのPのうち20%がNbで置換されたものであった
(Ti(P0.8Nb0.227)。
<例2−4>
硫酸チタン5mmolを脱イオン水50mlに溶解させた水溶液及びNbCl53mmolをエタノール40mlに溶解させた溶液を、3.5mmolのNa427を脱イオン水50mlに溶解させた水溶液に滴下して一晩攪拌し、それを80℃で30分間加熱し、しかる後に沈殿物を遠心分離により分離して水洗し、80℃で24時間乾燥してなるチタンのアモルファスリン酸塩を例2−4とした。このアモルファスリン酸塩は、リン酸イオンのPのうち30%がNbで置換されたものであった
(Ti(P0.7Nb0.327)。
<例2−5>
硫酸チタン10mmolを脱イオン水100mlに溶解させた水溶液と、NbCl53mmol及びTaCl53mmolをエタノール80mlに溶解させた溶液とを、Na4277mmolを脱イオン水50mlに溶解させた水溶液に滴下して一晩攪拌し、それを80℃で30分間加熱し、しかる後に沈殿物を遠心分離により分離して水洗し、80℃で24時間乾燥してなるチタンのアモルファスリン酸塩を例2−5とした。このアモルファスリン酸塩は、リン酸イオンのPのうち15%がNbで且つ15%がTaで置換されたものであった(Ti(P0.7Nb0.15Ta0.1527)。
<例2−6>
硫酸チタン5mmolを脱イオン水50mlに溶解させた水溶液と、NbCl53mmol及びTaCl52mmolをエタノール50mlに溶解させた溶液とを、Na4277mmolを脱イオン水50mlに溶解させた水溶液に滴下して一晩攪拌し、それを80℃で30分間加熱し、しかる後に沈殿物を遠心分離により分離して水洗し、80℃で24時間乾燥してなるチタンのアモルファスリン酸塩を例2−6とした。このアモルファスリン酸塩は、リン酸イオンのPのうち20%がNbで且つ20%がTaで置換されたものであった(Ti(P0.6Nb0.2Ta0.227)。
<例2−7>
硫酸チタン10mmolを脱イオン水100mlに溶解させた水溶液を、8mmolのNa427と4mmolのNa2SiO3・9H2Oとを脱イオン水50mlに溶解させた水溶液に滴下して一晩攪拌し、それを80℃で30分間加熱し、しかる後に沈殿物を遠心分離により分離して水洗し、80℃で24時間乾燥してなるチタンのアモルファスリン酸塩を例2−7とした。このアモルファスリン酸塩は、リン酸イオンのPのうち20%がSiで置換されたものであった(Ti(P0.8Si0.227)。
(試験評価方法)
例2−1〜例2−7について、試験評価1と同様に、結晶性・非結晶性及び色相の試験評価を行った。なお、生成相の同定は、例2−1について、未焼成のもの、並びに、350℃、400℃、500℃、700℃、800℃及び1000℃の各温度で5時間焼成したものについて行った。例2−2について、未焼成のもの、並びに、350℃、400℃、450℃、500℃、550℃、600℃及び650℃の各温度で焼成したものについて行った。例2−3及び例2−4のそれぞれについて、未焼成のもの、並びに、500℃、550℃、600℃、650℃及び700℃の各温度で焼成したものについて行った。例2−5及び例2−6のそれぞれについて、未焼成のもの、並びに、600℃、650℃、700℃及び750℃の各温度で焼成したものについて行った。例2−7について、未焼成のもの、並びに、350℃、400℃、450℃、500℃、550℃、600℃、650℃及び700℃の各温度で焼成したものについて行った。
また、以下の紫外線遮断性の試験評価も行った。
<紫外線遮断性>
紫外可視分光光度計(島津製作所製、UV−2550型、積分球付き)を用いて、例2−1〜例2−7のそれぞれについて紫外線遮断性及び可視光透明性、つまり、紫外線の反射スペクトルを測定した。なお、紫外線遮断性能を判断するための評価として、硫酸バリウム粉末(和光純薬製、試薬特級)を参照試料とした。この反射スペクトルにおける320〜400nm(UV−A)及び250〜320nm(UV−B)の反射率の値が可視光域の反射率に比べて小さいほど、選択的に紫外線を吸収していることを表す。
(試験評価結果)
表4〜10は、例2−1〜例2−7の試験評価結果をそれぞれ示す。また、図1a〜1gは、例2−1〜例2−7の紫外線吸収スペクトルをそれぞれ示す。
Figure 0004649102
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例2−1では、表4によれば、XRDの結果より、350℃までアモルファス状態を維持できるということが分かる。また、図1aによれば、紫外線遮断性能は、焼成温度に関わらず、アモルファス状態であれば良好であることが分かる。さらに、表4によれば、色相は、焼成温度が高くなると黄色さを表すb値が大きくなり、白色が僅かに黄色がかっていくことが分かる。
例2−2では、表5によれば、XRDの結果より、600℃までアモルファス状態を維持できるということが分かる。例2−1に対し、リン酸イオンのPのうち10%をNbで置換することにより、かかる耐熱性向上効果が得られた。また、図1bによれば、紫外線遮断性能は、アモルファス状態であれば焼成温度の影響を受けず、また、劣化することもないことが分かる。さらに、表5によれば、色相は、焼成温度に関係なく白色であることが分かる。
例2−3では、表6によれば、XRDの結果より、650℃までアモルファス状態を維持できるということが分かる。例2−1に対し、リン酸イオンのPのうち20%をNbで置換することにより、かかる耐熱性向上効果が得られた。また、図1cによれば、紫外線遮断性能は、アモルファス状態であれば焼成温度の影響を受けず、また、劣化することもないことが分かる。さらに、表6によれば、色相は、焼成温度に関係なくアモルファス状態では白色であるが、結晶化するとb値が増大してやや黄色がかってくることが分かる。
例2−4では、表7によれば、XRDの結果より、650℃までアモルファス状態を維持できるということが分かる。しかしながら、リン酸イオンのPのうち20%をNbで置換した例2−3からのさらなる耐熱性向上効果は得られなかった。また、図1dによれば、紫外線遮断性能は、アモルファス状態であれば焼成温度の影響を受けず、また、劣化することもないことが分かる。さらに、表7によれば、色相は、焼成温度に関係なくアモルファス状態では白色であるが、結晶化するとb値が増大してやや黄色がかってくることが分かる。
例2−5では、表8によれば、XRDの結果より、700℃までアモルファス状態を維持できるということが分かる。例2−1に対し、リン酸イオンのPのうち15%をNbで且つ15%をTaで置換することにより、かかる耐熱性向上効果が得られた。また、図1eによれば、紫外線遮断性能は、アモルファス状態であれば焼成温度の影響を受けず、また、劣化することもないことが分かる。さらに、表8によれば、色相は、焼成温度に関係なくアモルファス状態では白色であるが、結晶化するとb値が増大してやや黄色がかってくることが分かる。
例2−6では、表9によれば、XRDの結果より、700℃までアモルファス状態を維持できるということが分かる。しかしながら、リン酸イオンのPのうち15%をNbで且つ15%をTaで置換した例2−5からのさらなる耐熱性向上効果は得られなかった。また、図1fによれば、紫外線遮断性能は、アモルファス状態であれば焼成温度の影響を受けず、また、劣化することもないことが分かる。さらに、表9によれば、色相は、焼成温度に関係なくアモルファス状態では白色であるが、結晶化するとb値が増大してやや黄色がかってくることが分かる。
例2−7では、表10によれば、XRDの結果より、650℃までアモルファス状態を維持できるということが分かる。例2−1に対し、リン酸イオンのPのうち20%をSiで置換することにより、かかる耐熱性向上効果が得られた。また、図1gによれば、紫外線遮断性能は、アモルファス状態であれば焼成温度の影響を受けず、また、劣化することもないことが分かる。さらに、表10によれば、色相は、焼成温度に関係なくアモルファス状態では白色であるが、結晶化するとb値が増大してやや黄色がかってくることが分かる。
以上、例2−1〜例2−7を比較すると、Nb、Ta又はSiを含有している例2−2等は、それらの元素が結晶化阻止成分として機能するため、それらを含有しない例2−1が結晶化する温度では結晶化せずに、それよりも高温度で結晶化する。一方、上述のように、アモルファスリン酸塩は、少なくともアモルファス状態であれば良好な紫外線吸収特性を示す。従って、例2−2等のアモルファスリン酸塩は、Nb、Ta又はSiを含有することにより結晶化温度、つまり、アモルファス状態が保持される温度が高められ、それに伴って紫外線遮断性能が保持される温度も高められるので、それらを含有しない例2−1よりも紫外線遮断剤として耐熱性能が優れることとなる。
[試験評価3]
(試験評価試料)
以下の各例に係るCe0.5Ti0.527系アモルファスリン酸塩を調製した。
<例3−1>
硫酸セリウム(IV)四水和物5mmol及び硫酸チタン5mmolを脱イオン水100mlに溶解させた水溶液を、沈殿剤としての0.1mol/LのNa427水溶液100mmolに滴下し、それを80℃で30分間加熱し、しかる後に沈殿物を遠心分離により分離して水洗し、80℃で24時間乾燥してなるセリウム・チタンのアモルファス複合リン酸塩を例3−1とした(Ce0.5Ti0.527)。
<例3−2>
硫酸セリウム(IV)四水和物5mmol及び硫酸チタン5mmolを脱イオン水50mlに溶解させた水溶液及びNbCl52mmolをエタノール50mlに溶解させた溶液を、9mmolのNa427を脱イオン水50mlに溶解させた水溶液に滴下して一晩攪拌し、それを80℃で30分間加熱し、しかる後に沈殿物を遠心分離により分離して水洗し、80℃で24時間乾燥してなるセリウム・チタンのアモルファス複合リン酸塩を例3−2とした。このアモルファス複合リン酸塩は、CeとTiとのモル比が1:1であり、リン酸イオンのPのうち10%がNbで置換されたものであった(Ce0.5Ti0.5(P0.9Nb0.127)。
(試験評価方法)
例3−1及び例3−2について、試験評価2と同様に、結晶性・非結晶性、紫外線遮断性及び色相の試験評価を行った。なお、生成相の同定は、例3−1について、未焼成のもの、並びに、650℃、700℃及び750℃の各温度で5時間焼成したものについて行った。例3−2について、未焼成のもの、並びに、500℃、600℃、650℃及び700℃の各温度で焼成したものについて行った。
(試験評価結果)
表11及び12は、例3−1及び例3−2の試験評価結果をそれぞれ示す。また、図2a及び2bは、例3−1及び例3−2の紫外線吸収スペクトルをそれぞれ示す。
Figure 0004649102
Figure 0004649102
例3−1では、表11によれば、XRDの結果より600℃までアモルファス状態を維持できるということが分かる。Ceだけを含む例1−1が450℃までアモルファス状態を維持でき、Tiだけを含む例2−1が350℃までアモルファス状態を維持できることから、Ce・Tiの複合塩とすることによりそれらの相乗効果が得られるということが分かる。また、図2aによれば、紫外線遮断性能は、焼成温度が500〜600℃の範囲でやや低下が認められるものの、焼成温度が600℃以下では概ね良好であるのが分かる。さらに、表11によれば、色相は、焼成温度が高くなると黄色さを表すb値が小さくなり、黄色が薄くなることが分かる。
例3−2では、表12によれば、XRDの結果より、700℃までアモルファス状態を維持できるということが分かる。例3−1に対し、リン酸イオンのPのうち10%をNbで置換することにより、かかる耐熱性向上効果が得られた。また、図2bによれば、紫外線遮断性能は、焼成温度が高くなると低下することが分かる。さらに、表12によれば、色相は、焼成温度が高くなるとb値が小さくなり、黄色が薄くなることが分かる。
以上、例3−1及び例3−2を比較すると、Nbを含有している例3−2は、Nbが結晶化阻止成分として機能するため、それを含有しない例3−1が結晶化する温度では結晶化せずに、それよりも高温度で結晶化する。一方、上述のように、アモルファスリン酸塩は、アモルファス状態であれば良好な紫外線吸収特性を示す。従って、例3−2のアモルファスリン酸塩は、Nbを含有することにより結晶化温度、つまり、アモルファス状態が保持される温度が高められ、それに伴って紫外線遮断性能が保持される温度も高められるので、それらを含有しない例3−1よりも紫外線遮断剤として耐熱性能が優れることとなる。
これらの試験評価1〜3の結果より、Ce及び/又はTiのアモルファスリン酸塩において、Pの一部分をNb、Ta或いはSiで置換することにより、結晶化温度が高められることが分かる。そして、結晶化温度が高められると、少なくともその温度まではアモルファス状態が保持される、つまり、その温度までは優れた紫外線遮断性能が保持されることとなり、従って、それによって紫外線遮断性能についての耐熱性の改善が図られることとなる。
また、試験評価1及び2と試験評価3とを比較すると、Ce又はTiのアモルファスリン酸塩よりもCe及びTiのアモルファス複合リン酸塩の方が耐熱性が優れることが分かる。
以上説明したように、本発明は、樹脂成形品や塗料等に紫外線遮断剤として含有させるアモルファスリン酸塩について有用である。
試験評価2の例2−1の紫外線吸収スペクトルを示すグラフである。 試験評価2の例2−2の紫外線吸収スペクトルを示すグラフである。 試験評価2の例2−3の紫外線吸収スペクトルを示すグラフである。 試験評価2の例2−4の紫外線吸収スペクトルを示すグラフである。 試験評価2の例2−5の紫外線吸収スペクトルを示すグラフである。 試験評価2の例2−6の紫外線吸収スペクトルを示すグラフである。 試験評価2の例2−7の紫外線吸収スペクトルを示すグラフである。 試験評価3の例3−1の紫外線吸収スペクトルを示すグラフである。 試験評価3の例3−2の紫外線吸収スペクトルを示すグラフである。

Claims (12)

  1. Ce及び/又はTiのアモルファスリン酸塩であって、結晶化阻止成分としてB、Al、Si、Zn、Ga、Zr、Nb、Mo、Ta及びWのうちの一種又は二種以上の元素を含有しているアモルファスリン酸塩を含む紫外線遮断剤。
  2. 請求項1に記載された紫外線遮断剤において、
    上記結晶化阻止成分は、Pの一部を置換するように含有された元素である紫外線遮断剤。
  3. 請求項2に記載された紫外線遮断剤において、
    上記結晶化阻止成分を元素Xとしたとき、
    組成式:CeαTi1−α(P 1−β β 7+γ
    (0≦α≦1、0<β≦0.5、−0.5≦γ≦1.0)
    で表される紫外線遮断剤。
  4. Ce及び/又はTiのアモルファスリン酸塩であって、結晶化阻止成分としてB、Al、Si、Zn、Ga、Zr、Nb、Mo、Ta及びWのうちの一種又は二種以上の元素を含有しているアモルファスリン酸塩を含む化粧品。
  5. 請求項4に記載された化粧品において、
    上記結晶化阻止成分は、Pの一部を置換するように含有された元素である化粧品。
  6. 請求項5記載された化粧品において、
    上記結晶化阻止成分を元素Xとしたとき、
    組成式:CeαTi1−α(P 1−β β 7+γ
    (0≦α≦1、0<β≦0.5、−0.5≦γ≦1.0)
    で表される化粧品。
  7. Ce及び/又はTiのアモルファスリン酸塩であって、結晶化阻止成分としてB、Al、Si、Zn、Ga、Zr、Nb、Mo、Ta及びWのうちの一種又は二種以上の元素を含有しているアモルファスリン酸塩を含む樹脂成形品。
  8. 請求項7に記載された樹脂成形品において、
    上記結晶化阻止成分は、Pの一部を置換するように含有された元素である樹脂成形品。
  9. 請求項8記載された樹脂成形品において、
    上記結晶化阻止成分を元素Xとしたとき、
    組成式:CeαTi1−α(P 1−β β 7+γ
    (0≦α≦1、0<β≦0.5、−0.5≦γ≦1.0)
    で表される樹脂成形品。
  10. Ce及び/又はTiのアモルファスリン酸塩であって、結晶化阻止成分としてB、Al、Si、Zn、Ga、Zr、Nb、Mo、Ta及びWのうちの一種又は二種以上の元素を含有しているアモルファスリン酸塩を含む塗料。
  11. 請求項10に記載された塗料において、
    上記結晶化阻止成分は、Pの一部を置換するように含有された元素である塗料。
  12. 請求項11記載された塗料において、
    上記結晶化阻止成分を元素Xとしたとき、
    組成式:CeαTi1−α(P 1−β β 7+γ
    (0≦α≦1、0<β≦0.5、−0.5≦γ≦1.0)
    で表される塗料。
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