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JP2002080823A - 紫外線遮断剤 - Google Patents

紫外線遮断剤

Info

Publication number
JP2002080823A
JP2002080823A JP2000272901A JP2000272901A JP2002080823A JP 2002080823 A JP2002080823 A JP 2002080823A JP 2000272901 A JP2000272901 A JP 2000272901A JP 2000272901 A JP2000272901 A JP 2000272901A JP 2002080823 A JP2002080823 A JP 2002080823A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
oxide
ultraviolet
blocking agent
ultraviolet ray
ray blocking
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000272901A
Other languages
English (en)
Inventor
Kinya Adachi
吟也 足立
Toshiyuki Masui
敏行 増井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Individual
Original Assignee
Individual
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Individual filed Critical Individual
Priority to JP2000272901A priority Critical patent/JP2002080823A/ja
Publication of JP2002080823A publication Critical patent/JP2002080823A/ja
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 UV−A紫外線の遮断に有効な紫外線遮断剤
を提供する。 【解決手段】 バンドギャップエネルギーが2.5〜
3.2eVであり、かつその平均粒子径が1〜500n
mの範囲にある微粒子からなる紫外線遮断剤。また微粒
子が無機酸化物からなり、特に酸化カリウムに酸化チタ
ン、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化アルミニウム、酸化ニッケ
ル、酸化コバルトの1種以上を0.005〜30モル%
複合化したものであり、さに固溶体である紫外線遮断
剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、化粧料、フィル
ム、プラスチックおよび塗料等に配合される紫外線遮断
剤に関する。さらに詳細には、乳液、クリーム、ローシ
ョン、ファンデーション、コンパクトパウダー、マニキ
ュア、口紅、アイシャドウ、化粧水、整髪料等の化粧品
用の化粧料、照明用カバー、電子基板及びEL等の電気
・電子材料、自動車用内装パネル等の自動車部品、機械
部品、食品および薬品等の包装や容器、繊維、看板、鋼
板、プラスチック板、シート、農業用被覆資材、屋根、
テント及び屋外倉庫等の屋外構築物、自動車、車両、船
舶、航空機、家庭用電化製品、機械類、建築物外壁、橋
梁、事務用品、眼鏡用レンズ、玩具、雑貨等に用いられ
るフィルム、プラスチック、塗料の劣化防止用紫外線遮
断剤を提供する。
【0002】
【従来の技術】太陽光に含まれる紫外線には、180〜
280nmのUV−C、280〜320nmのUV−
B、320〜400nmのUV−Aがある。このうち、
UV−Cはオゾン層などに吸収されて地球の表面に到達
しない。しかし、UV−BとUV−Aの紫外線はフィル
ムやプラスチック等の有機材料を劣化、侵食して、変
色、光沢低下、亀裂、脆化させるのみならず、生体に対
しても悪影響を及ぼす作用が強い。その防止法の一つと
して、種々の有機系紫外線遮断剤や無機系紫外線遮断剤
が開発されてきた。
【0003】有機系紫外線遮断剤としては、ベンゾフェ
ノン系、パラアミノ安息香酸系、サリチル酸系、ケイ皮
酸系、ベンゾトリアゾール系、シアノアクリレート系等
の有機化合物が、フィルムやプラスチック、塗料や化粧
料に配合した場合に無色かつ透明であるため汎用されて
いるが、これらの有機化合物は、その大半がUV−Bに
対して有効に機能するものの、UV−Aに対して効果的
なものが極めて少ない。
【0004】一方、無機系紫外線遮断剤としては、従来
より酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化セリウム、酸
化ジルコニウム、酸化アルミニウム等の金属酸化物が用
いられている。しかしながら、例えば酸化チタンは、U
V−B領域の紫外線に対しては効果的な紫外線遮断効果
を示すものの、UV−A領域の紫外線に対しては効果が
十分でない。また、酸化亜鉛は透明性が高く、UV−A
領域の紫外線に対しては効果的な紫外線遮断効果を示す
ものの、UV−B領域の紫外線に対しては遮断効果が十
分でないという問題がある。
【0005】これらの問題点の解決策として、上述の金
属酸化物を微粒子化したものや複合化したもの等が多数
提案されているが、これらを紫外線遮断剤として用いて
も、UV−B領域の紫外線は効率よく遮断するものの、
UV−A領域の紫外線、とりわけ波長380nm以上の
紫外線を完全に遮断することはできない。
【0006】
【発明が解決しようという課題】本発明の目的は、従来
提案されている紫外線遮断剤に見られる問題点を解決
し、紫外線、とりわけUV−A領域の紫外線を効率よく
遮断する紫外線遮断剤ならびにその製造法を提供するこ
とである。
【0007】
【課題を解決するための手段・作用・効果】上記の課題
を解決するために、本発明の紫外線遮断剤は、バンドギ
ャップが2.5〜3.2eVの範囲にあり、平均粒径が
1〜500nmの範囲にある微粒子であることを特徴と
する。この構成によれば、バンドギャップ間遷移による
紫外線吸収と、微粒子化による有効断面積の増加によ
り、紫外線遮断効果が効率よく発揮される。さらに、平
均1次粒子径を1〜500nmにすることにより、可視
光領域に光散乱が必要な場合と、逆に透明性が必要な場
合のそれぞれに対応することが可能となる。
【0008】上記紫外線遮断剤を構成する微粒子は、バ
ンドギャップが2.5〜3.2eVの範囲にあり、平均
粒径が1〜500nmの範囲にあればいかなるものでも
よく、特に限定されないが、日常の使用における耐熱
性、耐候性、安全性を鑑みた場合、好ましくは無機化合
物が使用され、さらに好ましくは無機酸化物が使用され
る。
【0009】さらに前記無機酸化物としては、前述の条
件が満たされていればいかなるものでもよく、これもま
た限定されないが、例えば、酸化セリウム、酸化チタ
ン、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化イットリウム、
酸化ランタン、酸化ガドリニウム、酸化ルテチウム、酸
化ケイ素、酸化マグネシウム、酸化タングステン、酸化
スズ、酸化鉄、酸化アルミニウム、酸化ニッケル、酸化
コバルト、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウ
ム、チタン酸カルシウム、セリウム酸バリウム、セリウ
ム酸ストロンチウム、セリウム酸カルシウム、酸化ラン
タノイドアルミニウムから選ばれる1種または2種以上
の酸化物が好ましく用いられる。
【0010】また、酸化セリウムに酸化チタン、酸化亜
鉛、酸化鉄、酸化アルミニウム、酸化ニッケル、酸化コ
バルトから選ばれる1種または2種以上の酸化物を0.
005〜30モル%複合化した粒子は、UV−B領域の
紫外線のみならず、UV−A領域の紫外線に対する遮断
効果が大きくなることからさらに好ましく用いられ、さ
らにその構成を酸化セリウムに酸化チタン、酸化亜鉛、
酸化鉄、酸化ニッケル、酸化コバルトから選ばれる1種
または2種以上の酸化物を固溶した粒子は、上述の紫外
線遮断効果がさらに大きくなることから特に好ましく用
いられる。
【0011】わけても、酸化セリウムに酸化チタンを
0.005〜30モル%複合化した粒子は、紫外線遮断
効果がさらに大きくなることからさらに好ましく用いら
れ、さらにその構成を酸化セリウムと酸化チタンの固溶
体とすることにより、固溶量によりバンドギャップを制
御することが可能となり、極めて高い紫外線遮断効果が
得られるため特に好ましく用いられる。ここで、酸化セ
リウムと複合化する酸化物の配合量を0.005モル%
よりも小さくすると、酸化セリウムのみの場合と比較し
て、紫外線遮断効果に大きな差異が認められず、また、
30モル%よりも大きくすると、酸化セリウムとの固溶
体の形成が極めて困難になる。
【0012】また、本発明の紫外線遮断剤の表面を、各
種表面処理剤や、不定形及び/又は結晶性の無機化合物
の1種または2種以上で被覆し、化粧料、フィルム、プ
ラスチックおよび塗料等に配合の際しばしば問題とな
る、光・熱触媒活性を制止又は抑制したり、撥水性・親
水性を付与したり、凝集防止、分散性の向上や使用感の
向上、色の調節などを行ってもよい。
【0013】このときの表面処理剤としては、例えば、
ペンタエリトリットやトリメチロールプロパンなどのポ
リオール系、トリエタノールアミン酢酸塩などのアルカ
ノールアミン系、メチルハイドロジェンポリシロキサ
ン、ジメチルポリシロキサン、トリメチルシロキケイ酸
などのシリコーン系、ステアリン酸アルミニウム等の金
属セッケンなど、各種表面処理剤を使用できる。
【0014】また、粒子の表面を被覆する不定形及び/
又は結晶性の無機化合物としては、化学的に安定なもの
であればいかなるものでも良く、特に限定されないが、
例えば、バリウム、カルシウム、マグネシウム、ストロ
ンチウム、ケイ素、ホウ素、アルミニウム、ガリウム、
鉄、銅、銀、ニッケル、パラジウム、コバルト、スズ、
モリブデン、タングステン、ジルコニウム、ハフニウ
ム、亜鉛、チタン、マンガン、バナジウム、ニオブ、タ
ンタル、アンチモン、ビスマス、ゲルマニウム、スカン
ジウム、イットリウム、原子番号57〜71の希土類元
素の各酸化物、水酸化物、複合酸化物や複合水酸化物、
窒化物、オキシ窒化物、炭化物、炭酸塩、オキシ炭酸塩
から選ばれる1種または2種以上の不定形または結晶性
の化合物を使用できる。
【0015】前記無機化合物のうち、例えば酸化亜鉛の
バンドギャップは約3.2eV、酸化チタンのバンドギ
ャップはルチル型が約3.0eV、アナターゼ型が約
3.2eVであり、酸化セリウムは約3.1eVであ
る。従って、これらから選ばれるものを使用すれば、紫
外線遮断効果が大きくなる効果がある。さらに、これら
どうしやこれらに他の酸化物を複合化及び/又は固溶
し、バンドギャップの値を2.5〜3.0eVの間に調
節すれば、UV−A紫外線に対する遮断効果がさらに大
きくなる。
【0016】また、上記紫外線遮断剤を不定形または結
晶性の窒化ホウ素あるいはオキシ窒化ホウ素で被覆した
構成とすることにより、紫外線遮断効果、触媒活性を制
止又は抑制する効果に加え、滑沢性、分散性が向上する
効果がある。さらに、紫外線遮断剤が着色している場
合、これらの化合物で被覆することで白色にする効果も
ある。なお、このときの窒化ホウ素またはオキシ窒化ホ
ウ素、あるいはこれらの混合物の形態としては、不定
形、結晶形に加え、フラーレンのような形をし、タマネ
ギのような層状構造をもつバッキーオニオン型粒子も含
まれる。
【0017】ここで、本発明における不定形とはアモル
ファス及び/又はガラス及び/又は乱層構造を意味す
る。表面を被覆する無機化合物層を不定形化すること
で、製造時の熱処理温度を低温化できるという効果があ
る。
【0018】さらに、本発明の紫外線遮断剤を表面被覆
する際の形態としては、単一化合物を層状に被覆しても
良いし、複数の化合物の混合物を層状に被覆しても良
い。また、被覆層は1層または2層以上の構成とするこ
とができる。2層以上の構成とする場合、各種表面処理
剤や、無機化合物の組み合わせは任意に設定でき、何ら
制限を受けない。また、無機化合物の結晶形態としては
結晶、ガラス、アモルファスのいずれでもよい。
【0019】以下に、本発明の複合微粒子の好適な態様
について、粒子のバンドギャップエネルギーの点から詳
細に説明する。
【0020】本発明の紫外線遮断剤において用いられる
微粒子は、UV−AからUV−Bの紫外線全域において
遮断性を有することが必要である。一般に、本発明のよ
うな無機系紫外線遮断剤の場合、紫外線の遮断は紫外線
の散乱と吸収によりなされる。
【0021】光の散乱は粒径に依存し、本発明の紫外線
遮断剤の粒径範囲においては、主としてレイリー散乱と
ミー散乱がおこる。光の波長が粒子径とほぼ等しい領域
においてはミー散乱が起こり、粒子径が紫外線の波長の
約1/2付近で最大となる。従って、散乱により波長2
80〜400nmの紫外線を防御するためには、粒子径
を140〜200nmに制御すればよいことになる。こ
のとき粒子の屈折率が大きいほど散乱の効果が大きくな
る。
【0022】しかしながら、本発明の紫外線を高い透明
性が要求されるような化粧料、フィルム、プラスチック
および塗料等に配合する場合、散乱の効果が大きくなる
粒径範囲では、紫外光のみならず可視光をも散乱してし
まうため、結果として可視光領域の透明性が損なわれて
しまう。
【0023】従って、紫外線遮断剤の粒径は特に限定さ
れるものではないが、例えば、紫外線遮断剤を配合する
化粧料、フィルム、プラスチック、塗料等に透明性が要
求される場合、紫外線遮断剤の粒子径を1〜500n
m、好ましくは1〜100nm、さらに好ましくは1〜
50nmとするのが良い。その理由は粒子径が1nm未
満では合成や取り扱いが極めて困難になり、また50n
mを超えると散乱が大きくなり、可視光領域の光に対す
る透明性を得ることが極めて困難になるからである。
【0024】とりわけ、紫外線遮断剤粒の粒径を波長の
約1/10以下、すなわち50nm以下に制御すると、
光の散乱はレイリー散乱になり、その散乱能は小さくな
るため透明性が著しく向上する。しかし、同時に紫外光
に対する散乱能も低下してしまうため、380nm以上
の紫外光に対する散乱の効果がほとんど得られない。従
ってこのような場合には紫外線を吸収により遮断する。
【0025】無機化合物における紫外線の吸収は、主に
半導体化合物の励起子吸収によるものであり、このエネ
ルギーに相当するものがバンドギャップである。従っ
て、バンドギャップエネルギーがちょうど紫外光領域の
波長に相当する化合物が有効にその性質を示す。
【0026】即ち、半導体化合物は、価電子帯と伝導帯
が連続でないため、両準位間のエネルギー差であるバン
ドギャップエネルギー以上のエネルギーに相当する波長
の光を吸収する。例えば酸化亜鉛はバンドギャップエネ
ルギーが3.2eVであり、390nm以下の波長の光
を吸収する。無機系の紫外線遮蔽剤が紫外線を吸収する
性質は、そのバンドギャップエネルギーが紫外線の波長
領域にあるためである。
【0027】しかしながら、バンドギャップは吸収の始
まる波長に相当するため、紫外可視吸収スペクトルを測
定すると、実際にはバンドギャップエネルギーに相当す
る波長の光についてはある程度の吸収は起こるものの、
完全には吸収されない。そして、バンドギャップに相当
する光の波長よりも短くなるに従いその吸収は次第に大
きくなり、やがて完全な吸収が起こるようになる。
【0028】従って、長波長紫外線であるUV−Aを完
全に遮断するためには、バンドギャップエネルギーを
3.2eVよりも小さくし、400nm以下の波長の光
を完全に吸収させる必要がある。これらの点から本発明
の紫外線遮断剤において、微粒子のバンドギャップエネ
ルギーは、2.5〜3.2eVであるのが好ましい。こ
こで、バンドギャップを2.5eVよりも小さくしてし
まうと、粉体の吸収が可視光領域にも及ぶため着色が強
くなり、化粧料、フィルム、プラスチックおよび塗料等
への配合が制限されるため好ましくない。
【0029】
【発明の実施の形態】本発明によれば、紫外線遮断剤を
バンドギャップが2.5〜3.2eVの範囲にあり、か
つ平均粒径が1〜500nmの範囲にある微粒子にする
ことにより、従来提案されている紫外線遮断剤に見られ
る問題点を解決し、紫外線、とりわけUV−A領域の紫
外線を効率よく遮断する紫外線遮断剤が提供される。以
下、本発明を具体的に説明する。
【0030】本発明による紫外線遮断剤は、UV−Bか
らUV−A領域のほぼ全域にわたる紫外線領域の光透過
を実質的に遮断する特性を有する。
【0031】上記特性において、「UV−BからUV−
A領域のほぼ全域にわたる紫外線領域の光線の透過を実
質的に遮断する」なる語は、波長280〜400nmの
紫外線領域の光線を完全に遮断する場合のみならず、該
紫外線領域の光線の遮断率を少なくとも60%以上、好
ましくは70%以上、さらに好ましくは80%以上、特
に好ましくは90%以上遮断する場合も包含する意味で
用いるものである。
【0032】本発明において得られる紫外線遮断剤粒子
の形態は特に限定されず、球状、針状、柱状、多面体
形、多孔体、中空形等、用途に応じて粒子の形態を変化
合成することができるが、分散性や均一性を高くする理
由から球状粒子や球状中空粒子とすることが望ましい。
【0033】本発明の紫外線遮断剤は、すでに公知であ
る以下の製造方法により容易に製造できる。即ち、沈澱
法(共沈法)、均一沈澱法、水熱合成法、加水分解法、
アルコキシド法、マイクロエマルション法、エマルショ
ン法、噴霧熱分解法等の液相法や、化学気相輸送法、ス
パッタ法、ガス中蒸発法、レーザー合成法、気相反応法
等の気相法、原料粉末を混合し、これを非酸化性あるい
は酸化性雰囲気下で加熱焼成して反応させる固相法な
ど、各種の方法で製造することが出来る。
【0034】前項に記載の方法のうち、比較的合成が簡
便であり、また大量合成がしやすい方法が好ましく用い
られ、わけても微粒子合成に有利な沈澱法(共沈法)、
水熱合成法、アルコキシド法、ガス中蒸発法、噴霧熱分
解法が好ましく用いられる。例えば、沈澱法(共沈法)
は、無機化合物塩の水溶液にアンモニア水などの沈殿剤
を添加して沈殿を析出させる。水熱合成法は、原料物質
を水などの溶媒に溶解したり、沈殿法により得られた沈
殿を溶媒に分散後、耐圧容器中で加熱し、反応や結晶化
を行わせる。アルコキシド法は、金属アルコキシドのア
ルコール溶液を加水分解する。ガス中蒸発法は、不活性
ガス中で金属粉末を瞬時に蒸発させ、生成した金属超微
粒子を酸素、窒素、アンモニア、水素ガス等と反応させ
る。噴霧熱分解法は、金属塩水溶液などを高温雰囲気中
に噴霧し、瞬時に分解焼成する。続いて、これらの方法
等により得られた粒子を必要に応じて洗浄、乾燥する。
さらに必要ならば非酸化性または酸化性雰囲気下で焼成
することにより該紫外線遮断剤を得る。
【0035】前記無機化合物の原料物質としては、例え
ば、金属の水酸化物、炭酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、ホ
ウ酸塩、硝酸塩、塩化物、硫酸塩、硝酸アンモニウム
塩、クエン酸、ホウ酸、尿素、シュウ酸、アルコキシ
ド、アセチルアセトナト錯体、及び各種有機金属化合物
等が用いられる。
【0036】また、上記沈殿剤としては、例えば、水、
シュウ酸、ホウ酸、シュウ酸アンモニウム、アンモニ
ア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸アンモニ
ウム、炭酸水素ナトリウム、尿素、炭酸ナトリウムの水
またはアルコール溶液、アンモニアガス、炭酸ガス、硫
化水素ガス等が用いられる。
【0037】上記溶媒としては、水、炭素数1以上のア
ルコールや各種有機溶媒、例えばメタノール、エタノー
ル、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、ヘ
キサノール、ヘキサン、シクロヘキサン、リグロイン、
ペンタン、シクロペンタン、ベンゼン、トルエン、フェ
ノール、テトラヒドロフラン、ピリジン、ジエチルエー
テル、アセトン、およびこれらの混合物を用いることが
できるが、好ましくは安価で入手容易な水が用いられ
る。
【0038】上記紫外線遮断剤粒子の分散には通常超音
波分散装置が用いられるが、このほかにマグネティック
スターラーやホモジナイザー等の撹拌機を用いても良
い。また、溶媒を蒸発させる場合は、自然蒸発、加熱蒸
発のほかに、恒温乾燥器やロータリーエバポレーター等
を用いる乾燥や、あるいは凍結乾燥や超臨界乾燥を行っ
ても良い。
【0039】上記粒子の洗浄は、水、炭化水素、アルコ
ール、アセトン、石油エーテル等により行うことができ
る。洗浄手段は遠心分離、濾別、デカンテーションを繰
り返すか、セラミックフィルターや限外ろ過膜を使った
微粉洗浄装置でもよい。また、粒子の乾燥は室温による
自然乾燥、あるいはオーブン等を用いた加熱乾燥により
乾燥する。このときに真空乾燥装置、凍結乾燥装置やス
プレードライヤーなどを用いても良い。
【0040】また、上記非酸化性雰囲気としては、例え
ば、窒素、水素、塩素、アンモニア、硫化水素、アルゴ
ン、ヘリウム等のガス雰囲気、あるいは真空中等を意味
し、このときの酸素分圧はガスの全圧に対して0.01
%以下にするのが望ましい。一方、酸化性雰囲気とは、
例えば酸素、空気、およびこれらを含有するガス雰囲気
を意味する。このときの処理温度は室温〜1000℃の
範囲の任意の温度で行うことができるが、粒子の凝集や
成長を抑えるには、室温〜600℃で行うことが望まし
い。また、室温以下では反応速度の減少や反応に必要な
活性化エネルギーを越えることができないことにより、
目的とする紫外線遮断剤粒子の生成効率が著しく低下
し、他方600℃以上では粒子間の焼結や粒成長が起こ
る。
【0041】上記焼成処理は、非酸化性または酸化性雰
囲気下で行われるが、非酸化性雰囲気下で焼成した場合
は、その後酸化性雰囲気下で再び焼成してもよい。この
際の焼成温度は室温〜700℃、好ましくは室温〜30
0℃であり、昇温速度は500℃/時間以下、好ましく
は100℃/時間で行い、また焼成時間は30分〜12
時間、好ましくは1〜3時間とする。焼成温度、焼成時
間及び昇温時間は、焼成処理による凝集、粒成長、焼結
が起こりやすくならないよう、その上限及び下限値を定
めることが望ましいといえる。
【0042】本発明の紫外線遮断剤を表面被覆する場
合、表面を被覆する物質の量は、原料の混合比、反応温
度や反応時間を変化させることにより、紫外線遮断剤微
粒子に対して任意の割合で制御することができるため、
特に限定されるものではないが、得られた複合粒子にお
ける表面被覆物質のモル分率が1〜50モル%になるよ
うに調節するのが望ましい。その理由は、50%以上の
モル分率を選択することで、高い紫外線遮断効果が得ら
れにくくなり、他方、1%以下のモル分率を選択するこ
とで、触媒活性の抑制や滑沢性の向上、色の調節等が困
難になるからである。
【0043】本発明の紫外線遮断剤を表面被覆する場
合、表面を被覆する物質の厚さは、例えば、原料濃度、
反応温度、反応時間、被覆する物質の種類等によって変
化する。この厚さも特に限定されるものではないが、高
い紫外線遮断効果、触媒活性の抑制、及び優れた滑沢性
を同時に達成するために0.1〜20nmに調整するこ
とが望ましい。
【0044】このようにして、UV−BからUV−A領
域のほぼ全域にわたる紫外線の透過を実質的に遮断す
る、とりわけUV−A領域の紫外線を効率よく遮断する
紫外線遮断剤を簡便に得ることができる。
【0045】本発明による紫外線遮断剤の用途として
は、特に制限するものではなく、紫外線の遮断を必要と
するいずれの用途でも使用できるが、例えば、日焼け止
めを目的とした紫外線カット化粧品、紫外線防止フィル
ム、耐紫外線用プラスチック、耐紫外線用塗料等に使用
することができる。なかでも日焼け止め化粧料や紫外線
劣化防止用フィルムに好適に使用される。
【0046】本発明の紫外線遮断剤を、例えば、化粧
料、フィルム、プラスチック、塗料等に配合すれば、U
V−BからUV−A領域のほぼ全域にわたり優れた紫外
線遮断効果を示す。
【0047】この際の紫外線遮断剤の配合量は特に限定
されるものではないが、好ましくは0.1〜80重量%
が配合される。この配合量が0.1重量%未満では、実
質的に紫外線遮断能を付与することが難しく、また、含
有量が80重量%を超えると、逆に、十分過ぎるほどの
紫外線遮断能を有するが、過剰に添加されることになっ
て紫外線遮断剤が有効に使用されず、原料に無駄が生じ
るからである。
【0048】さらに、本発明の紫外線遮断剤は粒子その
ままの形態で、例えば、化粧品、フィルム、プラスチッ
ク、及び塗料等に配合することが出来るだけでなく、ペ
ースト状、スラリー状、分散液状などの各種形態で配合
することが出来る。
【0049】本発明の紫外線遮断剤を配合した化粧料は
透明性が高く、優れた紫外線遮断効果を発揮する。化粧
料の剤型としては、例えば、乳液、クリーム、ローショ
ン、ファンデーション、コンパクトパウダー、マニキュ
ア、口紅、アイシャドウ、化粧水、整髪料等に用いるこ
とができ、日焼け止め化粧料として用いるのが好まし
い。
【0050】さらに、化粧料に配合する場合、本発明の
紫外線遮断剤を、その効果を妨げない範囲でさらに表面
処理したものを用いても良い。表面処理としては、例え
ば、アミノ酸処理、コラーゲン処理、レシチン処理、ト
リグリセライド処理、シリコーン処理、金属石鹸処理、
キチン・キトサン処理等が挙げられる。
【0051】本発明の紫外線遮断剤を化粧料に用いる場
合、例えば、分散剤、界面活性剤、油剤、ゲル化剤、高
分子、保湿剤、美容成分、色素、防腐剤、粉体、香料等
の添加剤を本発明の効果を妨げない範囲で使用すること
ができる。
【0052】また、本発明による紫外線遮断剤をフイル
ムに配合し、これを表面保護用途に使用することによ
り、フイルムより下層にある接着剤、プラスチック板、
木板、鋼板及び染料、顔料等の着色剤等は、紫外線から
保護されるため長期間に亘って、使用することができ
る。
【0053】さらに、本発明による紫外線遮断剤を配合
したプラスチックやフィルム、塗料としては、例えば、
照明用カバー、電子基板及びEL等の電気・電子材料、
自動車用内装パネル等の自動車部品、機械部品、食品お
よび薬品等の包装や容器、繊維、看板、鋼板、プラスチ
ック板、シート、農業用被覆資材、屋根、テント及び屋
外倉庫等の屋外構築物、自動車、車両、船舶、航空機、
家庭用電化製品、機械類、建築物外壁、橋梁、事務用
品、眼鏡用レンズ、玩具、雑貨等が例示されるが、紫外
線遮断性が必要とされるものであれば、いかなるフィル
ム、プラスチック、塗料等にも使用可能である。
【0054】前記プラスチックやフィルム、および塗料
の原料となる樹脂としては、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹
脂が用いられる。熱可塑性樹脂としては、例えば含フッ
素樹脂、アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、塩化ビニル樹
脂、ポリカーボネイト樹脂、オレフィン系樹脂、エポキ
シ樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ
エーテルイミド樹脂、ポリエーテルスルホン酸樹脂、ポ
リエーテルエーテルケトン樹脂、ポリフェニレンスルフ
ィド樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリアリレート樹脂、ポ
リエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレ
ート樹脂、ポリメチルペンテン樹脂、ABS樹脂、酢酸
ビニル樹脂、およびポリエチレン樹脂等があり、なかで
も比較的高温で加熱成形できる含フッ素樹脂、アクリル
樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネイト樹脂、ポリエ
ステル樹脂が好ましい。
【0055】さらに熱硬化性樹脂としては、例えば、メ
ラミン樹脂、フエノール樹脂、ユリア樹脂、フラン樹
脂、アルキッド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ジアリ
ルフタレート樹脂、エポキシ樹脂、ケイ素樹脂、ポリウ
レタン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリパラバン酸樹脂等が
用いられ、なかでもエポキシ樹脂、ジアリルフタレート
樹脂、ポリイミド樹脂が好ましい。
【0056】本発明の紫外線遮断剤を配合する塗料と
は、特に規定するものではなく、いずれの塗料でも良い
が、塗装法による分類のうち、常温乾燥塗料及び焼付け
塗料が好ましく使用される。
【0057】また、本発明の紫外線遮断剤に加えて、有
機系紫外線吸収剤を製品や環境の汚染等、その使用に起
因する問題点を生じない範囲で微量添加し、本発明の紫
外線遮断剤と有機系の紫外線遮断剤を併用することによ
り両者の利点を同時利用できるようにしてもよい。この
場合の有機系紫外線遮断剤としては、例えば、サリチル
酸系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系あるい
はシアノアクリレート系、4−ターシャリブチル−4’
−メトキシベンゾイルメタン等の各種紫外線遮断剤など
があげられる。具体例として、サリチル酸系紫外線遮断
剤としては、サリチル酸オクチル、サリチル酸ホモメン
チル、サリチル酸メチル等がある。ベンゾフェノン系紫
外線遮断剤としては、ヒドロキシベンゾフェノン、テト
ラヒドロキシベンゾフェノン、ヒドロキシメトキシベン
ゾフェノンスルホン酸、ヒドロキシメトキシベンゾフェ
ノンスルホン酸ナトリウム、ヒドロキシメトキシベンゾ
フェノン、オキシベンゾン等がある。ベンゾトリアゾー
ル系紫外線遮断剤としては、2−(2−ヒドロキシ−5
−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒ
ドロキシ−5−ターシャリブチルフェニル)ベンゾトリ
アゾール、2−(2−ヒドロキシ−3−5−ジターシャ
リブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール等
がある。シアノアクリレート系紫外線遮断剤としては、
2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニル
アクリレート、エチル−2−シアノ−3,3−ジフェニ
ルアクリレート等がある。
【0058】
【物性の測定法】紫外線遮断剤の粉末X線回折測定
((株)マックサイエンス社製、M18XHFSHA
型)を行い生成相を同定し、高分解能透過型電子顕微鏡
((株)日立製作所製 H−9000型)で超微粒子を観察
し、平均粒子径を1次粒子の数平均粒子径で算出した。
【0059】紫外線遮断剤のバンドギャップエネルギー
gは紫外可視分光光度計((株)島津製作所製、UV
−2200型、積分球付き)により、波長200〜80
0nmの反射スペクトルを測定し、吸収係数αを求め、
以下の関係式から算出した。 αhυ=A(hυ−Egn ここで、hはプランク定数、υは振動数、Aは定数であ
る。nはバンドギャップ遷移が直接型の場合は1/2、
間接型の場合は2となる。Egはhυを横軸に、(αh
υ)1/nを縦軸にプロットして得られた直線部分の外挿
と、横軸との切片から求められる。
【0060】紫外線遮断性も紫外可視分光光度計を用い
て測定した。ひまし油5.0gとクリアラッカー7.0
gの混合液に、紫外線遮断剤3重量%を分散させる。こ
の液を透明石英板に40μmの厚さに塗布し、200〜
500nmの波長の光を連続照射し、波長300nmお
よび400nmの光透過率を測定して、紫外線遮断性の
評価基準とした。
【0061】
【実施例】以下に実施例をあげて本発明をさらに詳細に
説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。
【0062】(実施例1)イソプロピルアルコール10
0ミリリットルに塩化セリウム7水和物を1g溶解した
溶液と、イソプロピルアルコール10ミリリットルにチ
タンイソプロポキシドを0.08g溶解した溶液を混合
し、これを5%アンモニア水100ミリリットルに加え
て沈殿を得た。次いでこの沈殿ゲルを遠心分離により回
収し、洗浄後恒温乾燥器を用いて80℃で一晩乾燥して
紫外線遮断剤粉末を得た。
【0063】このようにして得られた紫外線遮断剤粉末
のX線回折測定を行なったところ、図1に示すように、
立方晶蛍石型構造に帰属される回折パターンのみ観察さ
れた。EPMA分析、および蛍光X線分析によりチタン
の特性X線を検出したことから、酸化セリウムと酸化チ
タンとの固溶体が生成していた。
【0064】図2は実施例1により得られた紫外線遮断
剤の光反射率に関する測定結果を示すものであり、この
図から本発明の紫外線遮断剤はUV−BからUV−A領
域のほぼ全域にわたり優れた吸収能を有することが明ら
かとなっている。さらに、本発明で得られた紫外線遮断
剤は強い凝集がおこっておらず、極めて分散性に優れる
ものであった。
【0065】(実施例2)実施例1と全く同様にして得
られた紫外線遮断剤粒子を、酸化セリウムの5.2倍の
モル量に相当するホウ酸を溶解させた水溶液に投入し、
超音波分散器を用いて分散させた後、ロータリーエバポ
ーレーターを用いて溶媒の留去を行なった。得られた粉
末を50℃で真空乾燥した後、アンモニアガス中で50
0℃、6時間の加熱処理を行なった。その後空気中、5
00℃で3時間焼成し、脱イオン水で10回、次いでエ
タノールで1回洗浄し、自然乾燥して紫外線遮断剤粉末
を得た。
【0066】このようにして得られた紫外線遮断剤粉末
のX線回折測定を行なったところ、立方晶蛍石型構造の
回折パターンに加え、2θ=20〜25°に乱層構造の
窒化ホウ素に特有の回折パターンが観察された。さら
に、透過型電子顕微鏡観察を行ったところ、紫外線遮断
剤粒子の表面が不定形のオキシ窒化ホウ素により均一に
覆われている様子が観察された。
【0067】(実施例3)四塩化チタン5.5gと、塩
化セリウム7水和物216gを溶解した塩酸溶液1リッ
トルに10%アンモニア水1リットルを加えて沈殿を得
た。次いでこの沈殿ゲルを遠心分離により回収し、洗浄
後恒温乾燥器を用いて80℃で一晩乾燥して紫外線遮断
材粉末を得た。
【0068】このようにして得られた紫外線遮断粉末の
X線回折測定を行なったところ、実施例1と同様、立方
晶蛍石型構造に帰属される回折パターンのみ観察され
た。EPMA分析、および蛍光X線分析によりチタンの
特性X線を検出したことから、酸化セリウムと酸化チタ
ンとの固溶体が生成していた。
【0069】
【比較例】(比較例1)市販のルチル型酸化チタンを用
い、第58項から第60項に記載の方法により、バンド
ギャップエネルギーおよび紫外線遮断性をそれぞれ評価
した。ただし、可視光透明性が実施例1〜3で得られた
紫外線遮断剤とほぼ等しくなるようにするため、紫外線
遮断性および可視光透明性評価用の薄膜試料に配合する
ルチル型超微粒子酸化チタンの配合量を1重量%とし
た。
【0070】(比較例2)市販の酸化亜鉛を用い、第5
8項から第60項に記載の方法により、バンドギャップ
エネルギーおよび紫外線遮断性をそれぞれ評価した。可
視光透明性が実施例1〜3で得られた紫外線遮断剤とほ
ぼ等しくなるようにするため、紫外線遮断性および可視
光透明性評価用の薄膜試料に配合する超微粒子酸化亜鉛
の配合量を2重量%とした。
【0071】実施例1〜3で製造した紫外線遮断剤、並
びに比較例1〜2の紫外線遮断剤について、第58項か
ら第60項に記載の方法により、バンドギャップエネル
ギーおよび紫外線遮断性をそれぞれ評価した結果を表1
に示す。
【0072】
【表1】
【0073】以上より、本発明の紫外線遮断剤は、紫外
線、とりわけUV−A領域の紫外線の遮断効果に優れ、
化粧料、フィルム、プラスチックおよび塗料に配合する
ことにより、紫外線による劣化や変質の防止に極めて有
効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で製造した紫外線遮断剤のX線回折図
である。
【図2】実施例1で製造した紫外線遮断剤の紫外線吸収
効果を示す曲線図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 増井 敏行 大阪府吹田市青山台1丁目2番C20−103 号 Fターム(参考) 4J002 AA001 AA011 DE096 DE097 DE107 DE117 DE137 DE147 DE186 FA057 FD056 GA01 GG00 GH01 GL00 GN00 GP00 GQ00

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】バンドギャップが2.5〜3.2eVの範
    囲にあり、かつ平均粒径が1〜500nmの範囲にある
    微粒子からなることを特徴とする紫外線遮断剤。
  2. 【請求項2】上記微粒子が無機酸化物からなることを特
    徴とする、請求項1に記載の紫外線遮断剤。
  3. 【請求項3】上記微粒子が酸化セリウム、酸化チタン、
    酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化イットリウム、酸化
    ランタン、酸化ガドリニウム、酸化ルテチウム、酸化ケ
    イ素、酸化マグネシウム、酸化タングステン、酸化ス
    ズ、酸化鉄、酸化アルミニウム、酸化ニッケル、酸化コ
    バルト、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、
    チタン酸カルシウム、セリウム酸バリウム、セリウム酸
    ストロンチウム、セリウム酸カルシウム、酸化ランタノ
    イドアルミニウムから選ばれる1種または2種以上の酸
    化物、及び/又はこれらのうち2種以上を複合化した酸
    化物であることを特徴とする、請求項1ないし2のいず
    れかに記載の紫外線遮断剤。
  4. 【請求項4】上記微粒子が、酸化セリウムに酸化チタ
    ン、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化アルミニウム、酸化ニッケ
    ル、酸化コバルトから選ばれる1種または2種以上を
    0.005〜30モル%複合化したものである、請求項
    1ないし3のいずれかに記載の紫外線遮断剤。
  5. 【請求項5】上記微粒子が酸化セリウムと酸化チタン、
    酸化亜鉛、酸化鉄、酸化アルミニウム、酸化ニッケル、
    酸化コバルトから選ばれる1種または2種以上の酸化物
    の固溶体であることを特徴とする、請求項4に記載の紫
    外線遮断剤。
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