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JP4637810B2 - 脱硫廃液と硫黄粒子の焼却処理方法 - Google Patents

脱硫廃液と硫黄粒子の焼却処理方法 Download PDF

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Description

本発明は、硫黄粒子を含む脱硫廃液を焼却処理する方法に関するものである。より詳しくは、脱硫処理により発生する硫黄粒子を脱硫廃液と共に焼却処理するための処理方法の改良に係るものである。
石炭を乾留して得られるコークス炉ガス(以下COGと記載する)には、硫化水素(HS)、シアン化水素(HCN)などが含有されているので、COGを利用するために、これらの有害ガスの除去処理が行なわれている。このため、COG中の硫化水素やシアンガスなどを除去するための多くの方法が考えられ、工業的に利用されている。
COG中の硫化水素やシアンガスなどを除去する際に、触媒を使用し、もしくは触媒を使用せずに、アルカリ性水溶液で処理し吸収除去する方法があり、例えば、使用する触媒の相違によりタカハックス法、フマックス法などとして知られている。このような脱硫処理により、COG中の硫化水素は、処理液中に含まれる触媒などの作用によって、固形の硫黄粒子または他の硫化物として固定され除去されている。
前記の脱硫処理によって生成する硫黄粒子は、処理液から固液分離されるが、水分の含有量が多く取り扱いが難しいうえ、不純物が存在し、硫酸製造などの原料として利用するにも、さらに処理して利用し易い形状に加工したり、純度を改善したりする必要などがあり、その処分が問題であった。
このため、COGをアルカリ吸収液により吸収し、空気酸化により脱硫する方法において、前記の脱硫処理反応によって生成する硫黄化合物の塩類および低純度硫黄を含有する処理液から、低純度硫黄を除去・回収し、残りの吸収液を脱硫装置内へ送付し循環させ、処理能を確保するために吸収液の一部を廃液として排出し、該廃液と低純度硫黄を混合した後に、焼却炉の火炎に直接噴射して燃焼させる方法が特許文献1に記載されている。
特公昭52‐26241号公報
特許文献1のように硫黄粒子を含む脱硫廃液を、そのまま焼却炉内へ噴射して焼却処理するためには、それなりの工夫がなされている。従来の硫黄粒子を含む脱硫廃液の処理フローを、図2に基づいて説明する。
図2に示すCOG脱硫廃液1と脱硫処理により副生する硫黄粒子を圧縮した硫黄ケーキ2を粉砕して粒子状として、COG脱硫廃液および硫黄粒子の貯留撹拌槽3に供給する。貯留撹拌槽3で撹拌されスラリー状となった硫黄粒子を含む脱硫廃液は、循環ポンプP1により焼却炉6と貯留撹拌槽3との間を結ぶ循環ライン4内を循環するようにし、この循環ライン4より脱硫廃液の一部を抜き出し、焼却炉の手前で中和用アルカリの水酸化ナトリウム水溶液を加えてから、図示していないスプレーノズルを経由して焼却炉6に供給する。焼却炉6の上部には燃料7と燃焼用空気8が供給され、炉内は高温雰囲気とされており、硫黄粒子を含む脱硫廃液は、焼却炉内で燃焼して有機物などが熱分解し、高温の燃焼排ガスは、焼却炉6の下部に設けられている冷却缶内の冷却水中に噴出して冷却された後に排ガス9として排出され、冷却水は処理排液10として抜き出される。
尚、焼却炉内では硫黄分は中和用アルカリと反応し、いわゆる炉内中和が行なわれ、硫酸ナトリウムを主とする溶融塩となって炉壁を流下し冷却缶中の冷却水に溶解するため、燃焼排ガス中には二酸化硫黄(SO)などの酸性成分は含まれてこない。このため、通常は冷却水のpHを監視しておき、制御範囲を逸脱した場合に備えて、pH制御のためにアルカリ性水溶液の供給装置を設けておくことが多い。
上述の従来の処理方法では、スプレーノズルや脱硫廃液の供給ラインなどに脱硫廃液中の硫黄粒子が付着、成長して脱硫廃液の供給ラインの閉塞につながらないように、脱硫廃液の貯留設備と廃液の焼却装置との間を脱硫廃液を循環させる循環ライン4を設けて、脱硫廃液を循環させることにより、脱硫廃液が常時流動している状態に保持しておくようにしている。
このように硫黄粒子を含む脱硫廃液が、常時流動状態を維持していることにより、循環ライン4より脱硫廃液の一部を抜き出して、焼却炉6に供給するようにすれば、前記の閉塞トラブルが起こる可能性が低下する。
しかしながら、上記のような対策を行なっても、閉塞トラブルが完全に防止できるわけではないので、万一の閉塞トラブルに対応するためには、配管設備を分解、清掃し易い構造にすることが必要である。また、閉塞トラブルが発生すると脱硫廃液の供給を停止して、供給配管の分解、清掃作業を実施することが必要となり、脱硫廃液の処理能力の低下につながる虞がある。
従来法では、廃液中の硫黄粒子が固体であり、硫黄粒子の大きさが不揃いであるために、焼却炉内での焼却処理のための滞留時間を十分確保しておくことが必要で、滞留時間が短い場合には、硫黄粒子の一部が未燃状態でそのまま系外に排出される可能性がある。
本発明は、上述の従来法の課題を解決するもので、硫黄粒子の付着、成長による廃液供給ラインの閉塞問題を解消し、脱硫廃液と硫黄粒子とを効率的に焼却処理する方法を提供するものである。
さらには、脱硫廃液と硫黄粒子とを同時に焼却処理することや、その焼却処理設備の連続した安定運転を行なえるようにすることを目的とするものである。
本発明の請求項1に係る焼却処理方法は、硫黄粒子を含有する脱硫廃液にアルカリ化合物としてアルカリ水溶液を添加し、この脱硫廃液を70℃以上に加温して前記硫黄粒子を溶解させた後に焼却処理することを特徴とする脱硫廃液と硫黄粒子の焼却処理方法である。
本発明の内容をCOGの脱硫処理を代表例にして詳細に説明する。
COG中の硫化水素やシアン化水素などを除去するための脱硫方法については、使用する触媒によりタカハックス法、フマックス法などがあるが、アルカリ源として水酸化ナトリウム(NaOH)を使用した場合の脱硫廃液中には、通常NaSCN、Na、NaSOなどの塩類および硫黄粒子が含まれている。
これは、COGをアルカリ性水溶液に接触させて硫黄化合物などを吸収除去する脱硫処理では、吸収液を空気酸化して遊離硫黄と塩類を形成させ、処理反応を阻害する硫黄粒子を分離・除去して、残る吸収液を脱硫装置に戻し、循環して利用することが普通である。循環させる吸収液の組成、濃度などを調整して脱硫処理能を維持させるようにしているが、その性能が低下しないように吸収液の一部を系外へ排出し脱硫廃液とするためであり、この脱硫廃液は別途処理することが必要になる。
COGの脱硫処理により排出される脱硫廃液中には、かなりの濃度の塩類および硫黄粒子が含まれているのが普通である。このため、これらのCOG起因物質を含む脱硫廃液を、硫黄粒子と混合して共に焼却処理する場合には、廃液と焼却炉内に均一に撤布するためのスプレーノズルおよび供給配管などに、硫黄粒子が付着、成長し、廃液の供給ラインを閉塞させることにつながり、焼却処理設備の連続安定運転を阻害する虞があることは前述のとおりである。
このため本発明では、硫黄粒子を含む脱硫廃液を焼却処理する前に、脱硫廃液にアルカリ化合物を添加して、その後にこの脱硫廃液を加温することにより、脱硫廃液中の硫黄粒子をアルカリ化合物と反応させて溶解し、廃液中には固形分が存在しない状態にしてから、焼却炉に供給するなどして焼却処理するようにしたことが特徴である。従って、このように廃液中に硫黄粒子の固形分が存在しないため、従来のように脱硫廃液を循環させながらその一部を抜き出して焼却炉に供給したりせずとも、焼却炉への供給配管やスプレーノズルに閉塞が生じたりするのを防ぐことができる。
ここで、焼却処理に供する際の硫黄粒子を含む脱硫廃液における塩類および硫黄(S)としての濃度は、通常、各々5〜30重量%、1〜15重量%程度である。
尚、焼却処理する前に脱硫廃液を、予め濃縮して水分を減らすようにすることは、燃料の低減と効率的な焼却処理のために好ましく、廃液の焼却処理では一般的に行なわれており、本発明でも予備的な濃縮を施すことが望ましい。
また、脱硫廃液の加温は、廃液に含まれている硫黄粒子が溶解すればよく、脱硫廃液の成分や濃度、硫黄分にも影響されるが、通常は70℃以上、好ましくは80℃以上にする。一旦、脱硫廃液中に溶解した硫黄分は、温度が低下して常温となった場合においても、反応して液中に溶解しているために硫黄粒子として折出するようなことはない。
さらに、脱硫廃液に添加するアルカリ化合物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどが挙げられるが、水酸化ナトリウムの利用が取扱い易く好ましい。後述するように、アルカリ化合物は水溶液として使用する
ところで、これまでは、COGの脱硫処理を代表例として本発明の内容を説明してきたが、COG中には硫化水素やシアンガスなどが含有されているため、主として硫化水素を除去する場合には脱硫処理と称され、COG中のシアンガスを一緒に除去する場合には、脱硫・脱青酸処理と称されるものの、いずれの場合にも硫黄粒子が生成し、脱硫廃液としては硫黄粒子を含むものが生成するために、いずれにおいても本発明を適用することができる。
そこで、前記の脱硫廃液が、COGの脱硫処理ないしは脱硫・脱青酸処理により生成したものであることを請求項2とした。
また、本発明の焼却処理方法においては、脱硫廃液中には基本的に硫黄粒子が含有されているが、さらに、一旦処理液から固液分離された他の硫黄粒子を添加して、予め脱硫廃液に含有された硫黄粒子とともに加温することにより溶解させることも可能である。
そこで、上述の脱硫廃液と硫黄粒子の焼却処理方法において、前記脱硫廃液に、硫黄粒子を添加することが請求項3である。
尚、上述のように脱硫廃液がCOGの脱硫処理ないしは脱硫・脱青酸処理により生成したものである場合には、前記硫黄粒子も、COGの脱硫処理ないしは脱硫・脱青酸処理により生成したものであることが、同じ脱硫処理工程から生ずるものであり、好ましいものである。しかし、硫黄粒子は、排煙脱硫や重油脱硫などからも生ずるため、これらの脱硫処理工程から分離された脱硫硫黄であってもよい。
そこで、本発明の請求項4は、前記硫黄粒子が、脱硫処理工程から分離された脱硫硫黄である請求項1〜3のいずれかに記載の脱硫廃液と硫黄粒子の焼却処理方法である。また、前記請求項4において、前記硫黄粒子が、COGの脱硫処理ないしは脱硫・脱青酸処理により生成したものである脱硫廃液と硫黄粒子の焼却処理方法を請求項5とした。
特にこの請求項4の観点から、これまで処理に苦慮していた各種の他の脱硫処理工程から分離された硫黄粒子を一緒に焼却処理できることは、各種業界に裨益するものである。尚、この場合の硫黄粒子の添加量としては、この添加される硫黄粒子を含めた廃液中の硫黄粒子の濃度が、先に記述したように硫黄(S)として1〜15重量%程度となるように調整することが望ましい。
また、本発明の焼却処理方法を実施する際には、焼却処理にいわゆる液中燃焼方式の焼却炉を用いることが望ましい。これは、脱硫廃液の焼却によって生ずる溶融塩や高温排ガスなどを、焼却炉の下部に設けられている冷却缶内の冷却水中に噴出して冷却することで、容易に処理することができるからである。
そこで、前記請求項1〜5のいずれかに記載の脱硫廃液と硫黄粒子の焼却処理方法において、前記脱硫廃液を、液中燃焼方式の焼却炉を用いて焼却処理することを請求項6とした。
本発明により、従来法において必要とされていた焼却炉と貯留撹拌槽との間を結ぶ循環ライン4を不要とし、脱硫廃液供給ラインにおける硫黄粒子による閉塞トラブルを解消することができる。また、脱硫処理により発生する硫黄粒子を脱硫廃液と共に焼却処理することが可能となった。固形物としての硫黄粒子の一部が未燃状態で系外に排出される懸念が解消される。
さらには、脱硫廃液の焼却処理装置の安定的な連続運転が可能となる。
次に、本発明の脱硫廃液と硫黄粒子の焼却処理方法の実施の形態を、図1に示す処理フローに基づいて説明するが、図2の従来法における処理フローにおけるものと同様の構成要素については、同じ符号を付すようにした。
図1に示すようにCOG脱硫廃液1と、脱硫処理により副生する硫黄粒子をスラリー状のまま(2´)、ないしは圧縮した硫黄ケーキを粉砕して粒子状として添加して、廃液貯留槽11に供給する。廃液貯留槽11へはさらに、本実施形態におけるアルカリ化合物として上述したような化合物のアルカリ水溶液12が添加される。
尚、前記のスラリー状の硫黄粒子は、循環利用するために吸収液を分離した残分であるため、かなりの量の塩類と水分を含んでいる。
廃液貯留槽11には図1に示すように、供給されたCOG脱硫廃液1を加温する加温手段として内部にスチーム13が導入される加熱管と、このCOG脱硫廃液1を攪拌する攪拌手段としてモータMにより回転させられる撹拌羽根とが内部に備えられている。そして、この廃液貯留槽11に供給されたCOG脱硫廃液1は、添加されたスラリー状硫黄2‘ないしは硫黄ケーキを粉砕した硫黄粒子およびアルカリ水溶液12とともにスチーム13により加温されつつ撹拌され、これにより廃液1中の硫黄粒子は溶解する。
尚、アルカリ化合物を添加する際に、アルカリ水溶液12が高濃度である場合は、通常、発熱反応によって脱硫廃液1が加温されるために、スチーム13の使用量の低減につながる。このため、加温の際に前記の発熱反応を利用することが好ましい。
その後、こうして硫黄粒子が溶解した脱硫廃液1を、廃液貯留槽11から供給ポンプP2により供給ライン14を経由して図示していないスプレーノズルにより焼却炉6内へ噴霧供給して焼却処理する。
ここで、この供給ライン14は、従来の循環ライン4とは異なっていて廃液貯留槽11に循環するラインを有することが無く、図示の処理フローでは供給ライン14に供給された脱硫廃液1の全量が焼却炉6で焼却処理されることになる。
一方、焼却炉6の上部には燃料7と燃焼用空気8が供給され、炉内は高温雰囲気とされており、硫黄粒子を含む脱硫廃液1は、焼却炉内で800〜1100℃で燃焼して有機物が熱分解し、高温の燃焼排ガスは、焼却炉6の底部に設けられている冷却缶内の冷却水中に噴出して冷却された後に排ガス9として排出され、冷却水は処理排液10として抜き出されることは、従来法と同様である。
尚、通常は冷却缶中の冷却水のpH監視が行なわれ、制御範囲を逸脱した場合にはアルカリ性水溶液の供給装置が作動して適正な範囲に維持するようにして、排ガスが処理される。この他定法により処理し、外部へ放出されないようにする。さらには、必要に応じて除害塔を設置してもよい。
このように、上記構成の脱硫廃液1と硫黄粒子の焼却処理方法によれば、スラリー状硫黄2‘が添加されることにより硫黄粒子を含有した脱硫廃液1に、アルカリ化合物をさらに添加した上で、廃液貯留槽11において加温することにより、硫黄粒子が溶解させられて脱硫廃液1中に固形分が存在しない状態となるので、この脱硫廃液1を、従来のように循環ライン4を設けてその一部を抜き出したりせずに、供給ライン14を介してスプレーノズルから焼却炉6に直接的に全量供給するようにしても、これら供給ライン14やスプレーノズルに閉塞が生じるのを防ぐことができる。
従って、図1に処理フローを示したような焼却処理装置の連続運転を安定的に行うことができるとともに、従来の循環ライン4のうち貯留攪拌槽3への返送ラインや、この循環ライン4から脱硫廃液1の一部を適量抜き出して焼却炉6に供給するラインが不要となって、前記焼却処理装置の構造や制御の簡略化を図ることができる。そして、さらには廃液中の硫黄粒子が固体のままでその大きさが不揃いのために未燃状態のまま系外に排出されるおそれもなく、硫黄粒子を確実に焼却して処理することが可能となる。
また、脱硫廃液1はCOG脱硫廃液であって、主として硫化水素を除去する脱硫処理されたものでも、あるいはシアンガスも一緒に除去する脱硫・脱青酸処理されたものでも、脱硫廃液1自体に硫黄粒子が含有されているため、いずれにおいても前記構成の焼却処理方法によって処理することができる。
しかも、本実施形態ではこの脱硫廃液1に、脱硫処理により副生する硫黄粒子を添加してさらに含有させており、この硫黄粒子が前記脱硫廃液1と同じくCOGの脱硫処理工程ないしは脱硫・脱青酸処理により生成したものである場合には、同一の脱硫処理設備ないしは脱硫・脱青酸処理で発生した脱硫廃液1と硫黄粒子とを、合わせて共通の焼却処理装置で系外に出すことなく処理することができるので、効率的である。
ただし、この添加される硫黄粒子については、このような脱硫廃液1と同じCOGの脱硫処理工程ないしは脱硫・脱青酸処理で生成したもの以外に、あるいはこれと合わせて、排煙脱硫や重油脱硫などの他の脱硫処理工程において分離された硫黄粒子を前記脱硫廃液1に添加して含有させるようにしてもよく、これにより、このような他の脱硫処理工程で分離された硫黄粒子の処理の促進を図ることができる。これは、脱硫廃液1についても同様であり、すなわちCOGの脱硫処理工程ないしは脱硫・脱青酸処理で生成した脱硫廃液1以外に、あるいはこれと合わせて、他の脱硫処理工程で発生した脱硫廃液を廃液貯留槽11に供給して焼却処理するようにしてもよい。
さらにまた、本実施形態では、こうして硫黄粒子が溶解した脱硫廃液1を焼却処理する焼却炉6として、その底部に設けられた冷却缶内の冷却水に、焼却によって発生した高温の燃焼排ガスを噴出して冷却する液中燃焼方式の焼却炉6が用いられており、この脱硫廃液1の焼却の際に発生する溶融塩や燃焼排ガスなどの処理も容易とすることができるという効果も得られる。
次に、本発明の実施例として、図1の処理フローに基づいて、硫黄粒子を含むCOG脱硫廃液の焼却処理を行なった。尚、この実施例における成分などの表示は重量%で示す。
COG脱硫廃液は、NaSCN23%、NaSO5%、Na0.2%、NaCO0.8%、NaHCO1.5%とSS分として0.2%程度の少量の硫黄粒子が含まれ、残部は水分でおおよそ69%である。脱硫処理工程より分離された硫黄粒子は、スラリー状で約17%の塩類、硫黄(S)45%に水分約38%を含んでいた。
そこで、COG脱硫廃液100重量部に対し、スラリー状の硫黄34重量部を、貯留槽11に供給して添加し、さらに水酸化ナトリウム水溶液(48%)110重量部を添加した後、スチーム13により脱硫廃液を加温しつつ撹拌した。ここで、脱硫廃液の温度が75℃に加温されたところで廃液中の硫黄粒子は溶解し、固形分は認められない状態となった。
その後、この硫黄粒子が溶解した脱硫廃液を、供給ポンプP2により供給ライン14を経由して図示していないスプレーノズルにより焼却炉6内へ噴霧供給した。この焼却炉6の内部は燃料7と燃焼用空気8で高温雰囲気とされており、前記の脱硫廃液は950〜1020℃で焼却処理され、高温の燃焼排ガスは、焼却炉6の底部に設けられている冷却缶内の冷却水中に噴出して冷却された後に排出された。脱硫廃液の焼却処理に支障を生ずることなく、良好な燃焼状態が維持できた。
次に、上記実施例において用いたCOG脱硫廃液とスラリー状の硫黄(含水率約38%)とを、上記と同様の割合で混合した後、室温において水酸化ナトリウム水溶液(48%)を添加・混合して状態を観察した。脱硫廃液と硫黄粒子の混合液に水酸化ナトリウム水溶液を混合すると、約40℃に温度が上昇したが、黄白色のスラリー状の外観には変化が認められなかった。そして、水酸化ナトリウム水溶液の添加後に静置すると、比較的短時間に容器の底部に大きな硫黄粒子が認められ、さらに時間をおくと徐々に硫黄粒子が沈降することが確認された。
一方、本発明のように水酸化ナトリウム水溶液(48%)を添加・混合し、さらに加温すると65℃程度で急激に濃い黄色に変化し、70℃程度で茶褐色となり、75℃では固形分は認められなくなった。その後冷却し室温となっても、固形物が分離するようなことはなかった。
本発明は、COGの脱硫処理ないしは脱硫・脱青酸処理により生成した硫黄粒子を含む脱硫廃液の焼却処理に適用されるだけではなく、COG以外の排煙脱硫や重油脱硫などからも生ずる脱硫廃液や脱硫処理工程から分離された脱硫硫黄を共に焼却処理できる方法をも提供することから、各種業界の硫黄粒子の処理にも貢献するものである。
本発明の実施の形態に係わる硫黄粒子を含む脱硫廃液の処理フローを示す図面である。 従来法における脱硫廃液の処理フローを示す図面である。
符号の説明
1 COG脱硫廃液
2 硫黄ケーキ
2´スラリー状硫黄
3 貯留撹拌槽
4 循環ライン
5 中和用アルカリ
6 焼却炉
7 燃料
8 燃焼用空気
9 排ガス
10 処理排液
11 廃液貯留槽
12 アルカリ水溶液
13 スチーム
14 供給ライン
P1 循環ポンプ
P2 供給ポンプ

Claims (6)

  1. 硫黄粒子を含有する脱硫廃液にアルカリ化合物としてアルカリ水溶液を添加し、この脱硫廃液を70℃以上に加温して前記硫黄粒子を溶解させた後に焼却処理することを特徴とする脱硫廃液と硫黄粒子の焼却処理方法。
  2. 脱硫廃液が、コークス炉ガスの脱硫処理ないしは脱硫・脱青酸処理により生成したものであることを特徴とする請求項1記載の脱硫廃液と硫黄粒子の焼却処理方法。
  3. 脱硫廃液に、硫黄粒子を添加することを特徴とする請求項1または2記載の脱硫廃液と硫黄粒子の焼却処理方法。
  4. 硫黄粒子が、脱硫処理工程から分離された脱硫硫黄であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の脱硫廃液と硫黄粒子の焼却処理方法。
  5. 硫黄粒子が、コークス炉ガスの脱硫処理工程ないしは脱硫・脱青酸処理により生成したものであることを特徴とする請求項4記載の脱硫廃液と硫黄粒子の焼却処理方法。
  6. 前記脱硫廃液を、液中燃焼方式の焼却炉を用いて焼却処理することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の脱硫廃液と硫黄粒子の焼却処理方法。
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