JP7565962B2 - 硫黄懸濁液タンクの堆積抑制装置および硫黄懸濁液タンクの堆積抑制方法 - Google Patents
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Description
以下、第1実施形態の硫黄懸濁液タンクの堆積抑制装置及び方法を、図面を用いて説明する。図1に示すように、タンク2は、硫黄懸濁液F1を貯留する。硫黄懸濁液は、コークス炉ガス(COG)に対する脱硫処理で得られる。脱硫処理において、コークス炉ガス(COG)は、吸収塔10において硫化水素(H2S)が回収され、回収された硫化水素は、再生塔11において硫黄(S)に変化される。硫黄は、吸収液(アルカリ性水溶液)と共に、遠心分離機12(サルファデカンタ)に送られ、硫黄懸濁液F1と濾液F2に分離される。硫黄懸濁液F1が硫黄懸濁液タンク2(単にタンク2と表記する場合がある)に貯留される。
第2実施形態は、図4に示すように、エダクタ排出口43の噴射方向を変更している。エダクタ排出口43は、第1エダクタ排出口43aと、第2エダクタ排出口43bとを含む。第1エダクタ排出口43aの噴射方向D1は、平面視において回転軸30の延長線L1上にある内周壁面20に向かう方向である。第1エダクタ排出口43aが、撹拌機3の噴流が内周壁面20に衝突することを弱めるため、硫黄の堆積を抑制する効果の寄与度が高いと考える。第2エダクタ排出口43bの噴射方向D2、D3は、平面視でタンク2の周方向に沿った反時計回りに沿っている。第1エダクタ排出口43a及び第2エダクタ排出口43bは、平面視でタンク2の周方向に沿った時計回り又は反時計回りのうちの同方向(反時計回り)に沿っている。
従来例は、図5に示すように、第1実施形態及び第2実施形態のタンクサイド排出口43にエダクタ44を設けていない。従来例では、3年間で主にタンク2内の斜線部分(図5参照)にドラム缶1200本分の硫黄が堆積してしまった。6カ月でドラム缶約200本の硫黄が堆積したことになる。なお、ドラム缶1本分の硫黄は約250kgである。
一方、第1実施形態で6カ月運用し、第2実施形態で6カ月運用したところ、いずれも6カ月でドラム缶約2~5本分しか硫黄が堆積しなかった。第1実施形態と第2実施形態では、第1実施形態の堆積硫黄の方が第2実施形態の堆積硫黄よりも少ないが、両者の効果に大差がないと考えている。6カ月で10本と多めに見積もっても、硫黄の堆積量を5%以下まで劇的に低減できていることがわかる。
遠心分離機12からタンク2に至る硫黄懸濁液F1に含まれる硫黄の平均粒子径は2.2μmである。実際の撹拌機3及び循環機構4の駆動条件と同じ条件で、株式会社アールフロー社製の流体解析ソフト「R-Flow」を用いてシミュレーションを行った結果を図6に示す。図6は、図2及び図4と同じ撹拌機3側から下方を見た斜視図であり、撹拌機3で噴射されて流れる硫黄粒子の様子を示すシミュレーション結果を示す図である。シミュレーション条件は、実物と同じように、タンク2の直径が約13.5mであり、硫黄懸濁液F1の液面高さが約6mであり、撹拌機3の設置高さが約75cmであり、タンク2の底面傾斜は1/50に設定している。エダクタ排出口43は撹拌機3と同じ高さ位置に設置されている。同じ高さ位置は厳密に同一ではなく、高さ方向で一部重なるかまたは設置高さの差が1m以内である。図6に示すように、平均粒子径が2.2μmでは沈降しないことが分かった。しかし、実際には、図5にて斜線で示す部分に硫黄が大量に堆積する。図6に示すシミュレーション結果によれば、平均粒子径が350μm以上になると、硫黄粒子の流動性がなくなり、堆積することがわかる。これは、図5に示す現実の堆積状況に合致する。したがって、実際のタンク2内の堆積状況とシミュレーション結果から、硫黄懸濁液F1の硫黄粒子が成長し、粒径が増大して粒子が蓄積していると考える。粒径が増大してしまう原因は、硫黄粒子がコロイド粒子として存在する場合に、撹拌機3の噴流が直線状(図2の延長線L1)に進行して内周壁面20に衝突し、硫黄粒子が内周壁面20に衝突して凝集し、粒子径が増大していると仮定した。第1実施形態や第2実施形態のように撹拌機3の噴流が内周壁面20に衝突することを弱めるようにエダクタ44で噴射したところ、粒子の堆積を大幅に抑制でき、このメカニズムが正しいと考えている。
(1)撹拌機3の噴流が内周壁面20に直接衝突することを低減するためには、図7に示すように、エダクタ排出口43の噴射方向D1は、平面視において撹拌機3の回転軸30の延長線L1に交差する方向である、としてもよい。これにより、撹拌機3の噴流が内周壁面20に直接衝突することを低減でき、硫黄粒子の粒径の成長を低減できるので、硫黄粒子の堆積を低減可能となる。また、図7に示すように、撹拌機3の噴流の内周壁面20への衝突を低減するためには、エダクタ排出口43を1つ設けるだけでも足りる。
第1実施形態及び第2実施形態のように、硫黄懸濁液タンク2の堆積抑制方法は、コークス炉ガス(COG)に対する脱硫処理で得られる硫黄を含む硫黄懸濁液F1を貯蔵するタンク2内に設けられ、タンク2の内周壁面20を向く回転軸30と回転軸30に設けられた撹拌翼31とを有する撹拌機3を用い、撹拌翼31の回転によりタンク2内の硫黄懸濁液F1を撹拌することと、取込口40及び取込口40とは異なる少なくとも1つの排出口43を有する循環機構4を用い、タンク2内の硫黄懸濁液F1を取込口40から取り込み、少なくとも1つの排出口43から硫黄懸濁液F1をタンク2内に吐出することと、を含み、少なくとも1つの排出口43は、エダクタ44が取り付けられた少なくとも1つのエダクタ排出口43を含み、少なくとも1つのエダクタ排出口43の噴射方向D1は、平面視において回転軸30の延長線L1に交差する方向または回転軸30の延長線L1上にある内周壁面20に向かう方向に設定されている、としてもよい。
この構成によれば、撹拌機3の回転軸30の延長線L1の沿う噴流がエダクタ排出口43からの噴射によって弱められるので、撹拌機3の噴流によって硫黄粒子が内周壁面20に衝突する機会を低減し、硫黄粒子の成長を抑制できるので、硫黄の堆積を抑制可能となる。
この構成によれば、第1エダクタ排出口43aが、撹拌機3の噴流が内周壁面20に直接至ることを抑制すると共に、タンク2内に旋回流を生じさせて硫黄懸濁液F1を流れやすくできる場合がある。また、第2エダクタ排出口43bの噴射方向D2、D3が、平面視でタンク2の周方向に沿う方向であるので、タンク2内に旋回流を生じさせて硫黄懸濁液F1を流れやすくできる場合がある。
この構成によれば、撹拌機3の噴流によってタンク2に生じる旋回流と同じ方向にエダクタ排出口43が噴射することになるので、タンク2内に旋回流を生じさせて硫黄懸濁液F1を流れやすくできる場合がある。
この構成によれば、タンク2内に旋回流を生じさせて硫黄懸濁液F1を流れやすくできる場合がある。
撹拌機3と同程度の吐出量を持つ機構を複数設ければ、タンク2の流れが増大するが、その代わりに、硫黄懸濁液F1内の硫黄粒子が内周壁面20に衝突する機会が増えて硫黄粒子の粒径が増大して堆積が増加するおそれがある。これに対して、エダクタ排出口1つの単位時間あたりの吐出量を、撹拌機1つの単位時間あたりの吐出量の10分の1以下にしているので、エダクタ排出口43の噴流が硫黄粒子を内周壁面20に衝突させることを避けて、エダクタ排出口43の噴流が撹拌機3の噴流の内周壁面20への衝突を弱める効果が奏しやすくなる。
3…撹拌機
30…回転軸
31…撹拌翼
4…循環機構
40…取込口
43…エダクタ排出口(排出口)
43a…第1エダクタ排出口
43b…第2エダクタ排出口
F1…硫黄懸濁液
Claims (5)
- コークス炉ガスに対する脱硫処理で得られる硫黄を含む硫黄懸濁液を貯蔵するタンク内に設けられ、前記タンクの内周壁面を向く回転軸と前記回転軸に設けられた撹拌翼とを有し、前記撹拌翼の回転により前記タンク内の前記硫黄懸濁液を撹拌する撹拌機と、
前記タンク内の前記硫黄懸濁液を取込口から取り込み、前記取込口とは異なる少なくとも1つの排出口から前記硫黄懸濁液を前記タンク内に吐出する循環機構と、を備え、
前記少なくとも1つの排出口は、エダクタが取り付けられた少なくとも1つのエダクタ排出口を含み、
前記少なくとも1つのエダクタ排出口の噴射方向は、平面視において前記回転軸の延長線に交差する方向または前記回転軸の延長線上にある前記内周壁面に向かう方向に設定されている、硫黄懸濁液タンクの堆積抑制装置。 - 前記エダクタ排出口は、平面視における前記タンクの中心から見て複数の方位に配置されており、
前記エダクタ排出口は、第1エダクタ排出口と、第2エダクタ排出口とを含み、
前記第1エダクタ排出口の噴射方向は、平面視において前記回転軸の延長線に交差する方向または前記回転軸の延長線上にある前記内周壁面に向かう方向であり、且つ、平面視において前記タンクの周方向に沿う方向であり、
前記第2エダクタ排出口の噴射方向は、平面視で前記タンクの周方向に沿う方向である、請求項1に記載の硫黄懸濁液タンクの堆積抑制装置。 - 前記撹拌機の前記回転軸の延長線に沿って発生する噴流は、平面視で前記タンクの周方向に沿った時計回りまたは反時計回りのいずれかの第1方向に沿っており、
前記エダクタ排出口の噴射方向は、平面視で前記タンクの周方向に沿った時計回りまたは反時計回りのうち前記第1方向と同方向に沿っている、請求項1又は2に記載の硫黄懸濁液タンクの堆積抑制装置。 - 前記エダクタ排出口の噴射方向は、前記タンクの内周壁面に対して接線方向に沿っている、請求項1~3のいずれかに記載の硫黄懸濁液タンクの堆積抑制装置。
- コークス炉ガスに対する脱硫処理で得られる硫黄を含む硫黄懸濁液を貯蔵するタンク内に設けられ、前記タンクの内周壁面を向く回転軸と前記回転軸に設けられた撹拌翼とを有する撹拌機を用い、前記撹拌翼の回転により前記タンク内の前記硫黄懸濁液を撹拌することと、
取込口及び前記取込口とは異なる少なくとも1つの排出口を有する循環機構を用い、前記タンク内の前記硫黄懸濁液を取込口から取り込み、前記少なくとも1つの排出口から前記硫黄懸濁液を前記タンク内に吐出することと、
を含み、
前記少なくとも1つの排出口は、エダクタが取り付けられた少なくとも1つのエダクタ排出口を含み、
前記少なくとも1つのエダクタ排出口の噴射方向は、平面視において前記回転軸の延長線に交差する方向または前記回転軸の延長線上にある前記内周壁面に向かう方向に設定されている、硫黄懸濁液タンクの堆積抑制方法。
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JP2022026737A JP7565962B2 (ja) | 2022-02-24 | 2022-02-24 | 硫黄懸濁液タンクの堆積抑制装置および硫黄懸濁液タンクの堆積抑制方法 |
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JP2023122954A JP2023122954A (ja) | 2023-09-05 |
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JP2008114113A (ja) | 2006-11-01 | 2008-05-22 | Tsukishima Kankyo Engineering Ltd | 脱硫廃液と硫黄粒子の焼却処理方法 |
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