JP4617615B2 - 真空ポンプにおける油洩れ防止構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、回転軸の回転に基づいてポンプ室内のガス移送体を動かし、前記ガス移送体の動作によってガスを移送して吸引作用をもたらす真空ポンプにおける油洩れ防止構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
特開昭63−129829号公報、特開平3−11193号公報に開示される真空ポンプでは、真空ポンプ内の潤滑必要部位を潤滑するための油を存在させたくない領域に油を侵入させないようにする対策が施されている。
【0003】
特開昭63−129829号公報の装置では、油が発電機室に侵入しないようにプレートが回転軸に止着されている。回転軸の周面に沿って発電機室に侵入しようとする油はプレートに付着し、プレートに付着した油はプレートの回転に伴う遠心力によってプレートの周囲の環状溝に飛ばされる。環状溝内に跳ばされた油は、環状溝の下部に接続された排出油路を経由して外部に排出される。
【0004】
特開平3−11193号公報の装置では、軸受けに油を供給するための環状室内にスリンガが配設されている。環状室から回転軸の周面に沿って渦流ポンプ要素側へ侵入しようとする油はスリンガによってはね飛ばされ、スリンガによってはね飛ばされた油は環状室に繋がる排油孔を経由してモータ室側に排出される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
回転軸と一体的に回転するプレート(スリンガ)は、油の侵入を阻止するための機構の1つである。プレート(スリンガ)の回転に伴う遠心力を利用した油侵入防止作用は、プレート(スリンガ)の形状、プレート(スリンガ)を包囲する周囲の壁面形状等に左右される。
【0006】
本発明は、真空ポンプにおけるポンプ室への油洩れを防止するために用いられる油侵入防止部による油侵入防止作用を向上することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
そのために本発明は、回転軸の回転に基づいてポンプ室内のガス移送体を動かし、前記ガス移送体の動作によってガスを移送して吸引作用をもたらす真空ポンプにおいて、前記ポンプ室と隣接するように油存在領域を形成するオイルハウジングと、前記オイルハウジングを貫通して前記油存在領域に突出する前記回転軸に対し、一体的に回転可能に設けられるとともに前記回転軸の軸線の方向に並設した複数の油侵入防止部と、複数の前記油侵入防止部の外周側を別々に包囲する複数の環状の油回収室とを備え、前記油存在領域は、前記回転軸を回転可能に支持するための軸受けを収容する領域であり、前記油侵入防止部は、前記軸受けを介することで前記油侵入防止部に付着することとなった油を前記回転軸の回転に基づく遠心力で前記油回収室へ向けて飛ばして回収させるものであり、複数の前記油侵入防止部のそれぞれの半径は、前記ポンプ室側から前記油存在領域側に向かう順に小さくなるようにしてあり、複数の前記油回収室のそれぞれの半径は、前記ポンプ室側から前記油存在領域側に向かう順に小さくなるようにしてある。
【0008】
油侵入防止部の個数が増えれば、油侵入防止部の全体における油付着面積が増える。油侵入防止部の全体における油付着面積が増えるほど、油侵入防止部の回転に伴う遠心力によって飛ばされる油量が多くなる。即ち、油侵入防止部による油侵入防止作用が向上する。
【0009】
油侵入防止部に付着した油は、この油侵入防止部を包囲する油回収室に向けて飛ばされる。油回収室に向けて飛ばされた油は、油回収室の形成壁面に付着する。即ち、油侵入防止部によって飛ばされた油の行き所が確定され易い。また、軸受けは、油存在領域の油によって潤滑される。
【0010】
請求項2の発明では、請求項1において、隣合う一対の油侵入防止部のうちの前記ポンプ室側にある油侵入防止部の端面のうち、前記油存在領域側の端面の中心部側は、隣合う一対の油侵入防止部のうちの前記油存在領域側にある油侵入防止部に対する油回収室に露出しているようにした。
【0011】
隣合う一対の油侵入防止部のうちの前記ポンプ室側にある油侵入防止部の端面は、油存在領域側にある油侵入防止部に対する油回収室を区画する壁面を兼ねる。
【0012】
請求項3の発明では、請求項1又は請求項2において、前記油回収室の形成壁面に付着した油が前記形成壁面を伝って集合する箇所に接続する油回収通路を備え、前記油存在領域へ導くように、前記油回収室と前記油存在領域とを前記油回収通路によって連通した。
【0013】
油回収室の形成壁面に付着した油は、油回収通路を経由して油存在領域へ回収される。
請求項4の発明では、請求項3において、前記回転軸は横向き配置されており、前記油回収通路は、前記油回収室の最下部に接続されていると共に、水平又は下り傾斜の経路で油存在領域に接続されているようにした。
【0014】
環状の油回収室の形成壁面に付着した油は、自重によって油回収室の最下部に向けて伝い落ちてゆく。油回収室の最下部に伝い落ちた油は、油回収通路を経由して油存在領域へ回収される。
【0015】
請求項5の発明では、請求項1乃至請求項4のいずれか1項において、前記油回収室に前記油侵入防止部の周縁部を突出させた。
油回収室内に突出する油侵入防止部は、油回収室内におけるミスト状の油が油存在領域側からポンプ室側へ簡単に流れないようにする。
【0016】
請求項6の発明では、請求項5において、前記油侵入防止部は、前記油存在領域側から前記ポンプ室側に向けて前記油回収室に至る油侵入経路の末端部を狭めるように配設した。
【0017】
油侵入経路の末端部を狭めた構成は、油存在領域側から油回収室への油侵入を防止する上で有効である。
請求項7の発明では、請求項1乃至請求項4のいずれか1項において、前記油侵入防止部に設けられた油侵入防止端面と、前記油侵入防止端面に隣接し、かつ前記油侵入防止端面に対して前記油存在領域側にあるように設けられたテーパ周面とを備え、前記テーパ周面は、前記ポンプ室側から前記油存在領域側へ向かうにつれて前記回転軸の軸線から離間してゆくようにした。
【0018】
油侵入防止端面に付着した油は、油侵入防止部の回転に伴う遠心力によって半径方向へ飛ばされる。油侵入防止端面から飛ばされてテーパ周面に落下して付着した油は、油侵入防止部の回転に伴う遠心力によってテーパ周面の小径側から大径側へ移動してゆく。この移動方向は、ポンプ室から離れる方向である。ポンプ室から離れる方向へ油を移動させる作用は、ポンプ室への油侵入防止に寄与する。
【0019】
請求項8の発明では、請求項4において、横向き配置された前記回転軸を中心として少なくとも前記回転軸より上側の前記油侵入防止部の外周側を包囲するように設けられた油回収用周壁面を備え、前記油回収用周壁面は、前記ポンプ室側から前記油存在領域側へ向かうにつれて前記回転軸の軸線に近づいてゆくようにした。
【0020】
油侵入防止部に付着した油は、油侵入防止部の回転に伴う遠心力により油回収用周壁面に向けて飛ばされる。油回収用周壁面に向けて飛ばされた油は、油回収用周壁面に付着する。回転軸よりも上側の油回収用周壁面に付着した油は、自重によってポンプ室側から油存在領域側へ向けて伝い落ちてゆく。この伝い落ちの方向は、ポンプ室から離れてゆく方向である。油回収用周壁面を経由してポンプ室側から油存在領域側へ向けて油を伝わせる構成は、油存在領域側からポンプ室側への油侵入の防止に寄与する。
【0022】
請求項9の発明では、請求項1乃至請求項8のいずれか1項において、前記真空ポンプは、複数の前記回転軸を平行に配置すると共に、前記各回転軸上にロータを配置し、隣合う回転軸上のロータを互いに噛み合わせ、互いに噛み合った状態の複数のロータを1組として収容する複数のポンプ室、又は単一のポンプ室を備えたルーツポンプであり、複数の前記回転軸は、歯車機構を用いて同期して回転され、前記油存在領域は、前記歯車機構を収容する領域とした。
請求項10の発明では、回転軸の回転に基づいてポンプ室内のガス移送体を動かし、前記ガス移送体の動作によってガスを移送して吸引作用をもたらす真空ポンプにおいて、前記ポンプ室と隣接するように油存在領域を形成するオイルハウジングと、前記オイルハウジングを貫通して前記油存在領域に突出する前記回転軸に対し、一体的に回転可能に設けられるとともに前記回転軸の軸線の方向に並設した複数の油侵入防止部と、複数の前記油侵入防止部の外周側を別々に包囲する複数の環状の油回収室とを備え、前記油侵入防止部は、前記油存在領域から侵入して前記油侵入防止部に付着することとなった油を前記回転軸の回転に基づく遠心力で前記油回収室へ向けて飛ばして回収させるものであり、前記油回収室に前記油侵入防止部の周縁部を突出させ、前記油侵入防止部は、前記油存在領域側から前記ポンプ室側に向けて前記油回収室に至る油侵入経路の末端部を狭めるように配設されている。
【0023】
歯車機構は、油存在領域の油によって潤滑される。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をルーツポンプに具体化した第1の実施の形態を図1〜図8に基づいて説明する。
【0025】
図1(a)に示すように、多段ルーツポンプ11のロータハウジング12の前端にはフロントハウジング13が接合されており、フロントハウジング13には封鎖体36が接合されている。ロータハウジング12の後端にはリヤハウジング14が接合されている。ロータハウジング12は、シリンダブロック15と複数の室形成壁16とからなる。図2(b)に示すように、シリンダブロック15は、一対のブロック片17,18からなり、室形成壁16は一対の壁片161,162からなる。図1(a)に示すように、フロントハウジング13と室形成壁16との間の空間、隣合う室形成壁16の間の空間、及びリヤハウジング14と室形成壁16との間の空間は、それぞれポンプ室39,40,41,42,43となっている。
【0026】
フロントハウジング13とリヤハウジング14とには一対の回転軸19,20がラジアルベアリング21,37,22,38を介して回転可能に支持されている。両回転軸19,20は、横向き、かつ互いに平行に配置されている。回転軸19,20は室形成壁16に通されている。ラジアルベアリング37,38は、ベアリングホルダ45,46に支持されている。ベアリングホルダ45,46は、リヤハウジング14の端面144に凹設された嵌入孔47,48に嵌合して固定されている。
【0027】
回転軸19には複数のロータ23,24,25,26,27が一体形成されており、回転軸20には同数のロータ28,29,30,31,32が一体形成されている。ロータ23〜32は、回転軸19,20の軸線191,201の方向に見て同形同大の形状をしている。ロータ23,24,25,26,27の厚みはこの順に小さくなってゆくようにしてあり、ロータ28,29,30,31,32の厚みはこの順に小さくなってゆくようにしてある。ロータ23,28は互いに噛合した状態でポンプ室39に収容されており、ロータ24,29は互いに噛合した状態でポンプ室40に収容されている。ロータ25,30は互いに噛合した状態でポンプ室41に収容されており、ロータ26,31は互いに噛合した状態でポンプ室42に収容されている。ロータ27,32は互いに噛合した状態でポンプ室43に収容されている。ポンプ室39〜43内は無潤滑状態にされる。そのため、各ロータ23〜32は、シリンダブロック15、室形成壁16、フロントハウジング13及びリヤハウジング14との間で摺接しないようになっている。又、噛合するロータ同士の間でも摺接しないようになっている。
【0028】
図2(a)に示すように、ロータ23,28は、ポンプ室39内に吸入領域391と、吸入領域391よりも高圧となる圧力領域392とを区画する。同様に、ロータ24,29はポンプ室40内に、ロータ25,30はポンプ室41内に、ロータ26,31はポンプ室42内に、それぞれ吸入領域391及び圧力領域392と同様の吸入領域及び圧力領域を区画する。図3(a)に示すように、ロータ27,32はポンプ室43内に、吸入領域391及び圧力領域392と同様の吸入領域431及び圧力領域432を区画する。
【0029】
図1(a)に示すように、リヤハウジング14にはギヤハウジング33が組み付けられている。回転軸19,20は、リヤハウジング14における貫通孔141,142及び嵌入孔47,48を通ってギヤハウジング33内に突出している。各回転軸19,20の突出部位193,203には歯車34,35が互いに噛合した状態で止着されている。ギヤハウジング33には電動モータMが組み付けられている。電動モータMの駆動力は、軸継ぎ手44を介して回転軸19に伝えられ、回転軸19は、電動モータMによって図2(a),(b)及び図3(a),(b)の矢印R1の方向に回転される。回転軸19の回転は歯車34,35を介して回転軸20に伝えられ、回転軸20は図2(a),(b)及び図3(a),(b)の矢印R2で示すように回転軸19とは逆方向に回転する。即ち、回転軸19,20は、歯車34,35を用いて同期して回転される。
【0030】
図4(a)及び図5(a)に示すように、ギヤハウジング33内のギヤ収容室331には潤滑油Yが貯留されており、この潤滑油Yが歯車34,35を潤滑する。歯車機構を構成する歯車34,35を収容するギヤハウジング33のギヤ収容室331は、多段ルーツポンプ11の本体の外部に連通しないように密封された油存在領域である。ギヤハウジング33及びリヤハウジング14は、ポンプ室43と隣接するように油存在領域を形成するオイルハウジングを構成する。ギヤ収容室331内の貯留油は、歯車34,35の回転動作によってかき上げられる。歯車34,35の回転動作によってかき上げられた潤滑油Yは、軸受けであるラジアルベアリング37,38を潤滑する。
【0031】
図2(b)に示すように、室形成壁16内には通路163が形成されている。室形成壁16には通路163の入口164及び出口165が形成されている。隣合うポンプ室39,40,41,42,43は、通路163を介して連通している。
【0032】
図2(a)に示すように、ブロック片18には導入口181がポンプ室39の吸入領域391に連通するように形成されている。図3(a)に示すように、ブロック片17には排出口171がポンプ室43の圧力領域432に連通するように形成されている。導入口181からポンプ室39の吸入領域391に導入されたガスは、ロータ23,28の回転に伴って圧力領域392へ移行する。圧力領域392へ移行したガスは、吸入領域391での状態よりも圧縮されて増圧された状態となる。圧力領域392のガスは、室形成壁16の入口164から通路163を経由して出口165から隣のポンプ室40の吸入領域へ移送される。以下、同様にガスは、ポンプ室の容積が小さくなってゆく順、即ちポンプ室40,41,42,43の順に移送される。ポンプ室43の吸入領域431へ移送されたガスは、ロータ27,32の回転によって圧力領域432へ移行した後、排出口171から外部へ排出される。ロータ23〜32は、ガスを移送するガス移送体である。
【0033】
排出口171は、真空ポンプの本体のハウジングの外部へ前記ガスを吐出する吐出通路である。ポンプ室43は、吐出通路である排出口171に連なる最終のポンプ室であり、最終のポンプ室43内の圧力領域432は、ポンプ室39〜43内で最大の圧力となる最大圧力領域である。排出口171は、ロータ27,32によってポンプ室43内に区画される最大圧力領域432に連通している。
【0034】
図1(a)に示すように、嵌入孔47,48内における回転軸19,20には環状の軸封環体49,50が嵌合して固定されている。軸封環体49,50の内周面と回転軸19,20の周面192,202との間にはシールリング51,52が介在されている。軸封環体49,50と回転軸19,20との間に介在されたシールリング51,52は、潤滑油Yが回転軸19,20の周面192,202に沿って嵌入孔47,48からポンプ室43側へ洩れるのを阻止する。
【0035】
図4(b)及び図5(b)に示すように、軸封環体49,50の最大径部60の外周面491,501と嵌入孔47,48の円周面471,481との間には間隙がある。軸封環体49,50の端面492,502と嵌入孔47,48の底形成面472,482との間には間隙がある。従って、軸封環体49,50は、回転軸19,20と一体的に回転可能である。
【0036】
嵌入孔47,48の底形成面472,482には複数の環状突条53,54が同心円状に形成されている。底形成面472,482に対向する軸封環体49,50の端面492,502には複数の環状溝55,56が同心円状に形成されている。環状突条53,54は、環状溝55,56に対向するように入り込んでいる。環状溝55,56に入り込んでいる環状突条53,54の先端は、環状溝55,56の底面に近接している。環状溝55は、環状突条53によってラビリンス室551,552に区画されており、環状溝56は、環状突条54によってラビリンス室561,562に区画されている。環状突条53と環状溝55とは、回転軸19側におけるラビリンスシール57を構成し、環状突条54と環状溝56とは、回転軸20側におけるラビリンスシール58を構成する。軸封環体49,50の端面492,502は、軸封環体49,50側のシール用対向面となり、嵌入孔47,48の底形成面472,482は、リヤハウジング14側のシール用対向面となる。本実施の形態では、端面492,502及び底形成面472,482は、回転軸19,20の軸線191,201と直交する平面である。即ち、シール用対向面である端面492,502及び底形成面472,482は、軸封環体49,50の半径方向の方向成分のみを有する。
【0037】
図4(b)及び図7に示すように、軸封環体49の最大径部60の外周面491には螺旋溝61が形成されている。図5(b)及び図8に示すように、軸封環体50の最大径部60の外周面501には螺旋溝62が形成されている。螺旋溝61の螺旋の向きは、回転軸19の回転方向R1に辿るにつれてギヤ収容室331側からポンプ室43側へ移行する向きとなっている。螺旋溝62の螺旋の向きは、回転軸20の回転方向R2に辿るにつれてギヤ収容室331側からポンプ室43側へ移行する向きとなっている。従って、螺旋溝61,62は、回転軸19,20の回転に伴って流体をポンプ室43側からギヤ収容室331側へ移送するポンプ作用をもたらす。即ち、螺旋溝61,62は、軸封環体49,50の外周面491,501と嵌入孔47,48の円周面471,481との間における油をポンプ室43側から油存在領域側へ付勢するポンピング手段を構成する。嵌入孔47,48の円周面471,481はシール面となり、円周面471,481に対向する外周面491,501は、シール面に対する対向面となる。
【0038】
図3(b)に示すように、最終のポンプ室43を形成するリヤハウジング14の室形成壁面143には排気圧波及溝63,64が形成されている。図4(a)に示すように、排気圧波及溝63は、ロータ27,32の回転に伴って容積変化する最大圧力領域432に通じている。又、排気圧波及溝63は、貫通孔141に通じている。図5(a)に示すように、排気圧波及溝64は、最大圧力領域432に通じ、かつ貫通孔142に通じている。
【0039】
図1(a)、図4(a)及び図5(a)に示すように、リヤハウジング14には環状の冷却室65が軸封環体49,50を包囲するように形成されている。冷却室65には冷却水が還流可能に供給される。冷却室65に供給された冷却水は、嵌入孔47,48内の潤滑油Yを冷却する。潤滑油Yの冷却は、潤滑油Yのミスト化を抑制する。
【0040】
図1(b)及び図6に示すように、軸封環体49の最小径部59の外周面には環状の油侵入防止リング66が嵌合して固定されている。油侵入防止リング66は、小径の油侵入防止部67と大径の油侵入防止部68とからなる。ベアリングホルダ45の奥壁69には環状の第1の油回収室70と環状の第2の油回収室71とが油侵入防止リング66を包囲するように形成されている。環状の第1の油回収室70は、小径の油侵入防止部67を包囲しており、環状の第2の油回収室71は、大径の油侵入防止部68を包囲している。
【0041】
小径の油侵入防止部67の周面はテーパ周面671にしてある。テーパ周面671は、ポンプ室43側からギヤ収容室331側へ向かうにつれて回転軸19の軸線191から離間してゆく形状である。
【0042】
小径の油侵入防止部67の周縁部となるテーパ周面671は、第1の油回収室70内に突出しており、大径の油侵入防止部68の周縁部となる周壁面681は、第2の油回収室71内に突出している。小径の油侵入防止部67のテーパ周面671は、半径方向において第1の油回収室70の形成壁面である油回収用周壁面702と対向している。大径の油侵入防止部68の周壁面681は、半径方向において第2の油回収室71の形成壁面である油回収用周壁面712と対向している。
【0043】
小径の油侵入防止部67の端面672は、第1の油回収室70の形成壁面である油回収用端面701に近接して対向している。大径の油侵入防止部68の一方(図6において右方)の油侵入防止端面682は、第2の油回収室71の形成壁面である油回収用端面711に近接して対向している。大径の油侵入防止部68の他方(図6において左方)の端面683は、軸封環体49の最大径部60の端面601から大きく離間して対向している。
【0044】
端面682は、回転軸19の軸線191に対して直交するように油侵入防止リング66に設けられた油侵入防止端面である。テーパ周面671は、油侵入防止端面682に隣接し、かつ油侵入防止端面682に対してギヤ収容室331側にあるように設けられている。テーパ周面671は、油侵入防止端面682の基部684から始まっている。テーパ周面671の延長面は、第1の油回収室70の端面701と交差する。
【0045】
軸封環体49の最大径部60には油侵入防止部72が一体形成されている。嵌入孔47の円周面471には環状の第3の油回収室73が油侵入防止部72を包囲するように形成されている。油侵入防止部72の周縁部となる周壁面721は、第3の油回収室73内に突出している。油侵入防止部72の周壁面721は、半径方向において第3の油回収室73の形成壁面である周壁面733と対向している。油侵入防止部72の一方(図6において右方)の端面601は、第3の油回収室73の形成壁面である油回収用端面731に近接して対向している。油侵入防止部72の他方(図6において左方)の端面722は、第3の油回収室73の形成壁面である端面732に近接して対向している。
【0046】
油侵入防止部67,68,72のそれぞれの半径は、ポンプ室43側からギヤ収容室331に向かう順に小さくなるようにしてある。同様に、油回収室70,71,73のそれぞれの半径は、ポンプ室43側からギヤ収容室331側に向かう順に小さくなるようにしてある。隣合う一対の油侵入防止部67,68のうちのポンプ室43側にある油侵入防止部68の油侵入防止端面682の中心部側は、ギヤ収容室331側にある油侵入防止部67に対する油回収室70に露出している。隣合う一対の油侵入防止部68,72のうちのポンプ室43側にある油侵入防止部72の端面601の中心部側は、ギヤ収容室331側にある油侵入防止部68に対する油回収室71に露出している。即ち、油侵入防止部68の油侵入防止端面682は、油回収室70を区画する壁面を兼ね、油侵入防止部72の端面601は、油回収室71を区画する壁面を兼ねる。
【0047】
嵌入孔47の周面の最下部及びリヤハウジング14の端面144には油回収通路74が形成されている。油回収通路74は、嵌入孔47の周面の最下部に形成された水平経路741と、端面144に形成された垂直経路742とからなる。水平経路741は、第3の油回収室73に連通しており、垂直経路742はギヤ収容室331に連通している。即ち、第3の油回収室73とギヤ収容室331とは、油回収通路74によって連通している。
【0048】
軸封環体50の最小径部59にも油侵入防止リング66が設けられており、軸封環体50の最大径部60にも油侵入防止部72が設けられている。又、ベアリングホルダ46にも油回収室70,71が形成されており、嵌入孔48にも油回収室73が形成されている。さらに、嵌入孔48の最下部にも油回収通路74が形成されている。軸封環体50側における第3の油回収室73とギヤ収容室331とは、軸封環体50側における油回収通路74によって連通している。
【0049】
ギヤ収容室331に貯留された潤滑油Yは、歯車34,35及びラジアルベアリング37,38を潤滑する。ラジアルベアリング37,38を潤滑した潤滑油Yは、ラジアルベアリング37,38のリング間隙371,381を介してベアリングホルダ45,46の奥壁69に形成された挿通孔691へ侵入する。挿通孔691へ侵入した潤滑油Yは、軸封環体49,50の最小径部59の周面と挿通孔691の周面との間の間隙、及び油侵入防止部67の端面672と第1の油回収室70の油回収用端面701との間の間隙g1を経由して第1の油回収室70に侵入しようとする。このとき、端面672に付着した潤滑油Yは、油侵入防止部67の回転に伴う遠心力によって第1の油回収室70の油回収用周壁面702あるいは油回収用端面701に向けて飛ばされる。油回収用周壁面702あるいは油回収用端面701に向けて飛ばされた潤滑油Yの少なくとも一部は、油回収用周壁面702あるいは油回収用端面701に付着する。油回収用周壁面702あるいは油回収用端面701に付着した潤滑油Yは、自重によって油回収用周壁面702あるいは油回収用端面701を伝い落ちて第1の油回収室70の最下部に達する。第1の油回収室70の最下部に達した潤滑油Yは、第2の油回収室71の最下部へ伝い落ちる。
【0050】
第1の油回収室70に侵入した潤滑油Yは、大径の油侵入防止部68の油侵入防止端面682と第2の油回収室71の油回収用端面711との間の間隙g2を経由して第2の油回収室71に侵入しようとする。このとき、油侵入防止端面682に付着した潤滑油Yは、油侵入防止部68の回転に伴う遠心力によって第2の油回収室71の油回収用周壁面712あるいは油回収用端面711に向けて飛ばされる。油回収用周壁面712あるいは油回収用端面711に向けて飛ばされた潤滑油Yの少なくとも一部は、油回収用周壁面712あるいは油回収用端面711に付着する。油回収用周壁面712あるいは油回収用端面711に付着した潤滑油Yは、自重によって油回収用周壁面712あるいは油回収用端面711を伝い落ちて第2の油回収室71の最下部に達する。
【0051】
第2の油回収室71の最下部に達した潤滑油Yは、第3の油回収室73の最下部へ伝い落ちる。
第2の油回収室71に侵入した潤滑油Yは、油侵入防止部72の端面601と第3の油回収室73の油回収用端面731との間の間隙g3を経由して第3の油回収室73に侵入しようとする。このとき、端面601に付着した潤滑油Yは、油侵入防止部72の回転に伴う遠心力によって第3の油回収室73の周壁面733あるいは油回収用端面731に向けて飛ばされる。周壁面733あるいは油回収用端面731に向けて飛ばされた潤滑油Yの少なくとも一部は、周壁面733あるいは油回収用端面731に付着する。周壁面733あるいは油回収用端面731に付着した潤滑油Yは、自重によって周壁面733あるいは油回収用端面731を伝い落ちて第3の油回収室73の最下部に達する。
【0052】
回転軸19,20よりも上方において、小径の油侵入防止部67の端面672から周壁面702あるいは端面701に向けて飛ばされた潤滑油Yのうちの一部がテーパ周面671上に落下することもある。又、油侵入防止端面682から油回収用周壁面712あるいは油回収用端面711に向けて飛ばされた潤滑油Yの一部がテーパ周面671上に落下することもある。テーパ周面671上に落下した潤滑油Yは、油侵入防止リング66の回転に伴う遠心力によって周壁面702に向けて飛ばされたり、あるいはテーパ周面671上を油侵入防止端面682側から端面701に向けて移動してゆく。油侵入防止端面682側から端面701に向けてテーパ周面671上を移動してゆく潤滑油Yは、端面701に向けて飛ばされたり、あるいは油侵入防止部67の端面672に移行する。従って、テーパ周面671上に付着した潤滑油Yは、最終的には第2の油回収室71の最下部に達する。
【0053】
第3の油回収室73の最下部に達した潤滑油Yは、油回収通路74を経由してギヤ収容室331に還流する。
第1の実施の形態では以下の効果が得られる。
【0054】
(1-1)真空ポンプを運転しているときには、ポンプ室39〜43内の圧力は、大気圧相当の圧力領域であるギヤ収容室331内の圧力よりも低くなる。そのため、特にミスト状の潤滑油Yが油侵入防止リング66の表面及び軸封環体49,50の表面に沿ってポンプ室43側へ侵入しようとする。ミスト状の潤滑油Yがポンプ室43側へ侵入するのを防止するには、ミスト状の潤滑油Yを固定壁面に付着させて液化させるのがよい。又、回転軸19,20の周面あるいは回転軸19,20と一体的に回転する部材の壁面に付着している潤滑油Yは、前記した固定壁面に移して付着させるのがよい。
【0055】
油侵入防止部67,68,72は、油回収室70,71,73の形成壁面に潤滑油Yを効率良く付着させる役割を果たす。油侵入防止部の個数が増えれば、油侵入防止部の全体における油付着面積が増える。油侵入防止部の全体における油付着面積が増えるほど、油侵入防止部の回転に伴う遠心力によって飛ばされる油量が多くなる。即ち、複数の油侵入防止部67,68,72を回転軸19,20の軸線191,201の方向に並設した構成は、油侵入防止作用を向上する。
【0056】
(1-2)油侵入防止部67,68,72に付着した潤滑油Yは、各油侵入防止部67,68,72を包囲する油回収室70,71,73に向けて飛ばされる。油回収室70,71,73に向けて飛ばされた潤滑油Yは、油回収室70,71,73の形成壁面に付着する。油回収室70,71,73の形成壁面に付着した潤滑油Yは、最終的には油回収通路74に達する。即ち、油侵入防止部67,68,72を油回収室70,71,73によって別々に包囲する構成は、油侵入防止部67,68,72によって飛ばされた潤滑油Yの行き所をギヤ収容室331に確定し易くする。
【0057】
(1-3)ミスト状の潤滑油Yは、隣合う油回収室をギヤ収容室331側からポンプ室43側へと移動しようとする。個々の油回収室70,71,73の閉鎖性は、この移動を抑制する上で重要である。
【0058】
油侵入防止部68の油侵入防止端面682は、隣合う一対の油侵入防止部67,68のうちのギヤ収容室331側にある油侵入防止部67に対する油回収室70を区画する壁面の一部として利用される。同様に、油侵入防止部72の端面601は、隣合う一対の油侵入防止部68,72のうちのギヤ収容室331側にある油侵入防止部68に対する油回収室71を区画する壁面の一部として利用される。このような利用構成は、隣合う油回収室70,71間及び隣合う油回収室71,73間の独立性、即ち個々の油回収室70,71,73の閉鎖性を高める構成として簡便である。
【0059】
(1-4)第1の油回収室70及び第2の油回収室71は、ベアリングホルダ45,46の奥壁69に形成されている。ラジアルベアリング37,38を支持するためのベアリングホルダ45,46に油回収室70,71を設ける構成は、閉鎖性の高い油回収室70,71を構成する上で簡便である。
【0060】
(1-5)真空ポンプを運転しているときには、ポンプ室39〜43内の圧力は、大気圧相当の圧力領域であるギヤ収容室331内の圧力よりも低くなる。そのため、特にミスト状の潤滑油Yが油侵入防止リング66の表面及び軸封環体49,50の表面に沿ってポンプ室43側へ侵入しようとする。ミスト状の潤滑油Yは、直線的な経路においてよりも屈曲経路において液化させ易い。即ち、ミスト状の潤滑油Yは、屈曲経路を形成する壁面に衝突させることによって液化させ易い。第1の油回収室70内にテーパ周面671を突出させた油侵入防止部67は、第1の油回収室70内でのミスト状の潤滑油Yに対する経路の屈曲化をもたらす。第2の油回収室71内に周壁面681を突出させた油侵入防止部68は、第2の油回収室71内でのミスト状の潤滑油Yに対する経路の屈曲化をもたらす。第3の油回収室73内に周壁面721を突出させた油侵入防止部72は、第3の油回収室73内でのミスト状の潤滑油Yに対する経路の屈曲化をもたらす。従って、油回収室70,71,73内に油侵入防止部67,67,72のテーパ周面671及び周壁面681,721を突出させた構成は、油回収室70,71,73内におけるミスト状の潤滑油Yがポンプ室43側に向けて簡単に流れないように働く。
【0061】
(1-6)ベアリングホルダ45,46における挿通孔691から油侵入防止部67の端面672と油回収用端面701との間の間隙g1に至る経路は、ギヤ収容室331側から第1の油回収室70に至る油侵入経路となる。油侵入防止部67は、この油侵入経路の末端部である間隙g1を狭めるように配設されている。
【0062】
第1の油回収室70から油侵入防止部68の油侵入防止端面682と油回収用端面711との間の間隙g2に至る経路は、ギヤ収容室331側から第1の油回収室70を経由して第2の油回収室71に至る油侵入経路となる。油侵入防止部68は、この油侵入経路の末端部である間隙g2を狭めるように配設されている。
【0063】
第2の油回収室71から油侵入防止部72の端面722と油回収用端面731との間の間隙g3に至る経路は、ギヤ収容室331側から第1の油回収室70及び第2の油回収室71を経由して第3の油回収室73に至る油侵入経路となる。油侵入防止部72は、この油侵入経路の末端部である間隙g3を狭めるように配設されている。
【0064】
前記した油侵入経路の末端部(即ち、間隙g1,g2,g3)を狭めた構成は、ギヤ収容室331側から各油回収室70,71,73へのミスト状の潤滑油Yの侵入を防止する上で有効である。
【0065】
(1-7)潤滑油Yは、油侵入防止リング66の表面及び軸封環体49,50の表面に沿ってポンプ室43側へ侵入しようとする。油侵入防止端面682に付着した油は、油侵入防止リング66の回転に伴う遠心力によって半径方向へ飛ばされる。油侵入防止端面682から飛ばされてテーパ周面671上に落下した潤滑油Yの少なくとも一部は、油侵入防止リング66の回転に伴う遠心力によってテーパ周面671の小径側から大径側へ移動してゆく。この移動方向は、ポンプ室43から離れる方向である。ポンプ室43から離れる方向へ潤滑油Yを移動させる作用は、ポンプ室43側への油侵入防止に寄与する。即ち、油侵入防止端面682と隣接してテーパ周面671を設けた構成は、潤滑油Yがポンプ室43側に向けて移動することを抑制するように働く。
【0066】
(1-8)テーパ周面671の最小径部は、油侵入防止端面682の基部684に直接連なっている。油侵入防止端面682の基部684にストレート周面が接続しているとすると、油侵入防止端面682から飛ばされた潤滑油Yの一部がストレート周面に付着し、ストレート周面に付着した潤滑油Yが油侵入防止端面682に戻ってしまうおそれがある。このような潤滑油Yの戻りは、ポンプ室43側への油侵入を防止する上で好ましくない。油侵入防止端面682にテーパ周面671を直接繋げた構成は、油侵入防止端面682から飛ばされた潤滑油Yが油侵入防止端面682に戻ることを抑制するように働く。
【0067】
(1-9)回転軸19,20の軸線191,201よりも上側では、軸封環体49,50の端面492,502は、軸封環体49,50の外周面491からポンプ室43へ移行する過程では下り端面である。しかし、回転軸19,20の軸線191,201よりも下側では、軸封環体49,50の端面492,502は、軸封環体49,50の外周面491からポンプ室43へ移行する過程では昇り端面である。従って、軸封環体49,50の表面に沿ったポンプ室43側への潤滑油Yの侵入は、回転軸19,20の軸線191,201よりも上側で生じ易い。
【0068】
油侵入防止リング66の回転に伴う遠心力によって油回収用周壁面702,712に向けて飛ばされた潤滑油Yの少なくとも一部は、油回収用周壁面702,712に付着する。回転軸19,20よりも上方における油回収室70,71の油回収用周壁面702,712は、ポンプ室43側からギヤ収容室331側に向かうにつれて下方に向かう。即ち、回転軸19,20よりも上方における油回収用周壁面702,712に付着した潤滑油Yは、ポンプ室43から離れながら回転軸19,20の下方に向けて伝い落ちる。ポンプ室43から離れる方向へ、かつ回転軸19,20の下方に向けて潤滑油Yを伝い落とす油回収用周壁面702,712は、ポンプ室43側への油侵入防止に寄与する。
【0069】
(1-10)回転軸19,20よりも上側の油回収用周壁面702,712に付着した潤滑油Yの一部は、回転軸19,20の軸線191,201に対して直交する油回収用端面701,711に向けて伝い落ちる。油回収用端面701,711に伝った潤滑油Yは、垂直な油回収用端面701,711を経由して回転軸19,20よりも下側へ円滑に伝い落ちる。油回収用周壁面702,712に連なる垂直な油回収用端面701,711は、回転軸19,20よりも上側の油回収用周壁面702,712に付着した潤滑油Yを回転軸19,20よりも下側へ円滑に伝い落とすのに寄与する。
【0070】
(1-11)回転軸19,20を横向き配置したルーツポンプ11では、環状の油回収室70,71,73の形成壁面に付着した潤滑油Yは、自重によって第3の油回収室73の最下部に向けて伝い落ちてゆく。第3の油回収室73の最下部は、油回収室70,71,73の形成壁面に付着した潤滑油Yがこの形成壁面を伝って集合する箇所である。従って、油回収室70,71,73の形成壁面に付着した潤滑油Yは、第3の油回収室73の最下部に接続された油回収通路74を経由してギヤ収容室331へ確実に回収される。
【0071】
(1-12)回転軸19,20に嵌合された軸封環体49,50の端面492,502の径は、回転軸19,20の周面192,202の径よりも大きい。従って、軸封環体49,50の端面492,502と嵌入孔47,48の底形成面472,482との間のラビリンスシール57,58の径は、回転軸19,20の周面192,202とリヤハウジング14との間に設けられるラビリンスシールの径よりも大きくなる。ラビリンスシール57,58の径が大きくなるほど圧力変動波及抑制用のラビリンス室551,552,561,562の容積が大きくなり、ラビリンスシール57,58におけるシール機能が向上する。即ち、軸封環体49,50の端面492,502と嵌入孔47,48の底形成面472,482との間は、ラビリンス室551,552,561,562の容積を増やしてシール機能を向上する上で、ラビリンスシール57,58の設定領域として好適である。
【0072】
(1-13)嵌入孔47,48と軸封環体49,50との間の間隙が小さいほど、潤滑油Yは嵌入孔47,48と軸封環体49,50との間の間隙へ入り難くなる。円周面471,481を有する嵌入孔47,48の底形成面472,482と、軸封環体49,50の端面492,502とは、全面にわたって均等に近接させ易い。従って、環状突条53,54の先端と環状溝55,56の底面との間の間隙、及び嵌入孔47,48の底形成面472,482と軸封環体49,50の端面492,502との間の間隙を可及的に小さくし易い。これらの間隙が小さいほど、ラビリンスシール57,58におけるシール機能が向上する。即ち、嵌入孔47,48の底形成面472,482は、ラビリンスシール57,58の設定領域として好適である。
【0073】
(1-14)ラビリンスシール57,58は、ガスに対してもシール性を有する。多段ルーツポンプ11の運転開始時にはポンプ室39〜43内は大気圧よりも高くなる。ラビリンスシール57,58は、ポンプ室43からギヤ収容室331側への軸封環体49,50の表面に沿った排ガス洩れを防止する。油洩れ及び排ガス洩れを共に防止するラビリンスシール57,58は、非接触型シール手段として最適である。
【0074】
(1-15)非接触型シール手段は、リップシールのような接触型シール手段における経時的な劣化(シール性の低下)を生じないが、接触型シール手段に比べてシール性では幾分劣る。油侵入防止部67,68,72は、これを補償するものである。油回収室70,72,73内に油侵入防止部のテーパ周面671及び周壁面681,721を突出させた構成は、前記の補償を更に確実にする。
【0075】
(1-16)油侵入防止端面682に隣接するように油侵入防止リング66に設けられたテーパ周面671は、前記の補償を更に高める。
(1-17)軸封環体49に設けられた螺旋溝61は、回転軸19の回転に伴い、嵌入孔47の円周面471を掃過してゆく。螺旋溝61の掃過領域にある潤滑油Yは、ポンプ室43側からギヤ収容室331側へ掃き移される。又、軸封環体50に設けられた螺旋溝62は、回転軸20の回転に伴い、嵌入孔48の円周面481を掃過してゆく。螺旋溝62の掃過領域にある潤滑油Yは、ポンプ室43側からギヤ収容室331側へ掃き移される。即ち、ポンピング手段である螺旋溝61,62を備えた軸封環体49,50は、潤滑油Yに対して高いシール性を発揮する。
【0076】
(1-18)螺旋溝61,62を設けた外周面491,501は、軸封環体49,50の最大径部60の外周面であり、軸封環体49,50における周速度が最大となる箇所である。軸封環体49,50の外周面491,501と嵌入孔47,48の円周面471,481との間にあるガスは、高速で周回する螺旋溝61,62によってポンプ室43側からギヤ収容室331側へ効率よく付勢される。軸封環体49,50の外周面491,501と嵌入孔47,48の円周面471,481との間にある潤滑油Yは、ポンプ室43側からギヤ収容室331側へ効率よく付勢されるガスに追随する。軸封環体49,50の外周面491,501は、外周面491,501と円周面471,481との間を経由した嵌入孔47,48側からポンプ室43側への油洩れを阻止する性能、即ち潤滑油Yに対する軸封環体49,50のシール性を高める上で、螺旋溝61,62の設定箇所として好適である。
【0077】
(1-19)螺旋溝61,62によってポンプ室43側からギヤ収容室331側へ掃き移される潤滑油Yの一部は、油侵入防止部72の端面722に付着する。端面722に付着した潤滑油Yは、油侵入防止部72の回転に伴う遠心力よって第3の油回収室73の周壁面733に向けて飛ばされる。周壁面733に向けて飛ばされた潤滑油Yは、周壁面733に付着する。即ち、油侵入防止部72は、螺旋溝61,62によってポンプ室43側からギヤ収容室331側へ掃き移された潤滑油Yを第3の油回収室73を経由してギヤ収容室331に回収する役割を果たす。
【0078】
(1-20)回転軸19の周面192と貫通孔141との間には僅かな間隙があり、ロータ27,32とリヤハウジング14の室形成壁面143との間には僅かな間隙がある。そのため、最終のポンプ室43の圧力が前記の僅かな間隙を介してラビリンスシール57に波及する。同様に、回転軸20の周面202と貫通孔142との間にも僅かな間隙があるため、最終のポンプ室43の圧力がラビリンスシール58に波及する。排気圧波及溝63,64のない場合には、吸入領域431の圧力と最大圧力領域432の圧力とがラビリンスシール57,58に同程度に波及する。
【0079】
本実施の形態における排気圧波及溝63,64は、ラビリンスシール57,58に対する最大圧力領域432の圧力の波及効果を高める。即ち、排気圧波及溝63,64を介した最大圧力領域432の圧力の波及効果が吸入領域431の圧力の波及効果を大きく上回る。従って、排気圧波及溝63,64がある場合にポンプ室43からラビリンスシール57,58に波及する圧力は、排気圧波及溝63,64がない場合に比べて大きく上回ることになる。その結果、排気圧波及溝63,64がある場合のラビリンスシール57,58の前後の圧力差は、排気圧波及溝63,64がない場合に比べて大きく下回る。即ち、排気圧波及溝63,64は、ラビリンスシール57,58における油洩れ防止効果を高める。
【0080】
(1-21)ドライポンプ型のルーツポンプ11では、ポンプ室39〜43内での潤滑油Yの使用は行われない。ポンプ室39〜43内に潤滑油Yを存在させたくないルーツポンプ11は、本発明の適用対象として好適である。
【0081】
本発明では、図9の第2の実施の形態、図10の第3の実施の形態、図11の第4の実施の形態、図12の第5の実施の形態及び図13の第6の実施の形態も可能である。第1の実施の形態と同じ構成部には同じ符号が用いてある。第2〜第6の実施の形態では、回転軸19側についてのみ説明するが、回転軸20側にも同様の構成が設けられている。
【0082】
図9の第2の実施の形態では、軸封環体49の最大径部60に肉取り凹部493が設けられている。肉取り凹部493の大径周面494は、ポンプ室43側からギヤ収容室331側に向かうにつれて拡径してゆくテーパ周面である。
【0083】
大径周面494に付着した潤滑油Yは、軸封環体49の回転に伴う遠心力によってポンプ室43側からギヤ収容室331側へ移動してゆく。大径周面494を移動してゆく潤滑油Yは、油回収用端面731に移り、油回収用端面731に移った潤滑油Yは、第3の油回収室73の周壁面733に向けて飛ばされる。軸封環体49の軽量化をもたらす肉取り凹部493は、第3の油回収室73の手前における軸封環体49の部分への潤滑油Yの付着量を増やす。
【0084】
図10の第3の実施の形態では、一対の油侵入防止リング75,76が軸封環体49の最小径部59に嵌合して固定されており、嵌入孔47には区画リング77,78が嵌入されている。一対の油侵入防止リング75,76は、ベアリングホルダ45の奥壁69と嵌入孔47の底形成面472との間の空間を3つの油回収室79,80,81に区画している。
【0085】
図11の第4の実施の形態では、油侵入防止部82,83,72が軸封環体49に一体形成されている。
図12の第5の実施の形態では、軸封環体49に一体形成された油侵入防止部84,85,72の半径は、この順に大きくなるようにしてある。油侵入防止部84,85,72を包囲する油回収室86,87,88の半径は、この順に大きくなるようにしてある。各油回収室86,87,88の周壁面861,871,881は、テーパ周面にはなっていない。この実施の形態においても、第1の実施の形態における(1-1)〜(1-5)項、(1-8)〜(1-14)項、(1-15)〜(1-20)項と同様の効果が得られる。
【0086】
図13の第6の実施の形態では、回転軸19及びロータ27の端面に軸封環体49Aが一体形成されている。軸封環体49Aは、ロータハウジング12に対向する側のリヤハウジング14の端面に凹設された嵌入孔89に嵌入されている。軸封環体49Aの端面と嵌入孔89の底形成面891との間にはラビリンスシール90が設けられている。
【0087】
回転軸19には一対の油侵入防止リング91,92が止着されている。嵌入孔47の底形成面472とベアリングホルダ45の奥壁69との間には環状の油回収室93が形成されている。
【0088】
本発明では以下のような実施の形態も可能である。
(1)4つ以上の油侵入防止部を回転軸の軸線の方向に並設すること。
(2)第1の実施の形態において、軸封環体49,50と油侵入防止リング66とを一体形成すること。
【0089】
(3)第3の実施の形態において、区画リング77,78を一体形成すること。
(4)ルーツポンプ以外の真空ポンプに本発明を適用すること。
【0090】
前記した実施の形態から把握できる請求項記載以外の発明について以下に記載する。
〔1〕前記オイルハウジングを貫通して前記油存在領域に突出する前記回転軸の突出部位に対し、一体的に回転可能に前記油侵入防止部よりも前記ポンプ室側に設けられた環状の軸封環体と、前記軸封環体と前記オイルハウジングとの各々に対して設けられたシール用対向面と、前記一対のシール用対向面の間に非接触型シール手段を設けた真空ポンプにおける油洩れ防止構造。
【0091】
〔2〕前記オイルハウジングを貫通して前記油存在領域に突出する前記回転軸の突出部位に対し、一体的に回転可能に前記油侵入防止部よりも前記ポンプ室側に設けられた環状の軸封環体と、前記軸封環体に対向するように前記オイルハウジングに形成されたシール面と、前記シール面に対向する前記軸封環体の対向面に設けられたポンピング手段とを備え、前記ポンピング手段は、前記回転軸の回転に伴い、前記対向面と前記シール面との間における油を前記ポンプ室側から前記油存在領域側へ付勢するようにした真空ポンプにおける油洩れ防止構造。
【0092】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明では、回転軸と一体的に回転可能する複数の油侵入防止部を前記回転軸の軸線の方向に並設したので、真空ポンプにおけるポンプ室への油洩れを防止するために用いられる油侵入防止部による油侵入防止作用を向上し得るという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態を示し、(a)は多段ルーツポンプ11全体の平断面図。(b)は要部拡大平断面図。
【図2】(a)は図1のA−A線断面図。(b)は図1のB−B線断面図。
【図3】(a)は図1のC−C線断面図。(b)は図1のD−D線断面図。
【図4】(a)は図3(b)のE−E線断面図。(b)は要部拡大側断面図。
【図5】(a)は図3(b)のF−F線断面図。(b)は要部拡大側断面図。
【図6】要部拡大側断面図。
【図7】分解斜視図。
【図8】分解斜視図。
【図9】第2の実施の形態を示す要部拡大側断面図。
【図10】第3の実施の形態を示す要部拡大側断面図。
【図11】第4の実施の形態を示す要部拡大側断面図。
【図12】第5の実施の形態を示す要部拡大側断面図。
【図13】第6の実施の形態を示す要部拡大側断面図。
【符号の説明】
11…真空ポンプであるルーツポンプ。14…オイルハウジングを構成するリヤハウジング。19,20…回転軸。191,201…軸線。193,203…突出部位。23,24,25,26,27,28,29,30,31,32…ガス移送体となるロータ。33…オイルハウジングを構成するギヤハウジング。331…油存在領域となるギヤ収容室。34,35…歯車機構を構成する歯車。37,38…軸受けとなるラジアルベアリング。43…ポンプ室。67,68,72…油侵入防止部。671…周縁部となるテーパ周面。681,721…周縁部となる周壁面。682…油侵入防止端面。702,712…油回収用周壁面。70,71,73…油回収室。74…油回収通路。
Claims (10)
- 回転軸の回転に基づいてポンプ室内のガス移送体を動かし、前記ガス移送体の動作によってガスを移送して吸引作用をもたらす真空ポンプにおいて、
前記ポンプ室と隣接するように油存在領域を形成するオイルハウジングと、
前記オイルハウジングを貫通して前記油存在領域に突出する前記回転軸に対し、一体的に回転可能に設けられるとともに前記回転軸の軸線の方向に並設した複数の油侵入防止部と、
複数の前記油侵入防止部の外周側を別々に包囲する複数の環状の油回収室とを備え、
前記油存在領域は、前記回転軸を回転可能に支持するための軸受けを収容する領域であり、
前記油侵入防止部は、前記軸受けを介することで前記油侵入防止部に付着することとなった油を前記回転軸の回転に基づく遠心力で前記油回収室へ向けて飛ばして回収させるものであり、
複数の前記油侵入防止部のそれぞれの半径は、前記ポンプ室側から前記油存在領域側に向かう順に小さくなるようにしてあり、複数の前記油回収室のそれぞれの半径は、前記ポンプ室側から前記油存在領域側に向かう順に小さくなるようにしてある真空ポンプにおける油洩れ防止構造。 - 隣合う一対の油侵入防止部のうちの前記ポンプ室側にある油侵入防止部の端面のうち、前記油存在領域側の端面の中心部側は、隣合う一対の油侵入防止部のうちの前記油存在領域側にある油侵入防止部に対する油回収室に露出している請求項1に記載の真空ポンプにおける油洩れ防止構造。
- 前記油回収室の形成壁面に付着した油が前記形成壁面を伝って集合する箇所に接続する油回収通路を備え、前記油存在領域へ導くように、前記油回収室と前記油存在領域とを前記油回収通路によって連通した請求項1又は請求項2に記載の真空ポンプにおける油洩れ防止構造。
- 前記回転軸は横向き配置されており、前記油回収通路は、前記油回収室の最下部に接続されていると共に、水平又は下り傾斜の経路で油存在領域に接続されている請求項3に記載の真空ポンプにおける油洩れ防止構造。
- 前記油回収室に前記油侵入防止部の周縁部を突出させた請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の真空ポンプにおける油洩れ防止構造。
- 前記油侵入防止部は、前記油存在領域側から前記ポンプ室側に向けて前記油回収室に至る油侵入経路の末端部を狭めるように配設されている請求項5に記載の真空ポンプにおける油洩れ防止構造。
- 前記回転軸の軸線に対して略直交するように前記油侵入防止部に設けられた油侵入防止端面と、前記油侵入防止端面に隣接し、かつ前記油侵入防止端面に対して前記油存在領域側にあるように設けられたテーパ周面とを備え、
前記テーパ周面は、前記ポンプ室側から前記油存在領域側へ向かうに連れて前記回転軸の軸線から離間してゆくようにした請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の真空ポンプにおける油洩れ防止構造。 - 横向き配置された前記回転軸を中心として少なくとも前記回転軸より上側の前記油侵入防止部の外周側を包囲するように設けられた油回収用周壁面を備え、
前記油回収用周壁面は、前記ポンプ室側から前記油存在領域側へ向かうにつれて前記回転軸の軸線に近づいてゆくようにした請求項4に記載の真空ポンプにおける油洩れ防止構造。 - 前記真空ポンプは、複数の前記回転軸を平行に配置すると共に、前記各回転軸上にロータを配置し、隣合う回転軸上のロータを互いに噛み合わせ、互いに噛み合った状態の複数のロータを1組として収容する複数のポンプ室、又は単一のポンプ室を備えたルーツポンプであり、複数の前記回転軸は、歯車機構を用いて同期して回転され、前記油存在領域は、前記歯車機構を収容する領域である請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の真空ポンプにおける油洩れ防止構造。
- 回転軸の回転に基づいてポンプ室内のガス移送体を動かし、前記ガス移送体の動作によってガスを移送して吸引作用をもたらす真空ポンプにおいて、
前記ポンプ室と隣接するように油存在領域を形成するオイルハウジングと、
前記オイルハウジングを貫通して前記油存在領域に突出する前記回転軸に対し、一体的に回転可能に設けられるとともに前記回転軸の軸線の方向に並設した複数の油侵入防止部と、
複数の前記油侵入防止部の外周側を別々に包囲する複数の環状の油回収室とを備え、
前記油侵入防止部は、前記油存在領域から侵入して前記油侵入防止部に付着することとなった油を前記回転軸の回転に基づく遠心力で前記油回収室へ向けて飛ばして回収させるものであり、
前記油回収室に前記油侵入防止部の周縁部を突出させ、前記油侵入防止部は、前記油存在領域側から前記ポンプ室側に向けて前記油回収室に至る油侵入経路の末端部を狭めるように配設されている真空ポンプにおける油洩れ防止構造。
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