JP4552278B2 - インクジェット記録装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はインクジェット記録装置に関し、詳しくは記録時間を大幅に短縮可能なインクジェット記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ロール状やシート状の記録媒体上にインクを噴射させて画像を記録するインクジェット記録装置は、一般に、記録媒体上にインクの噴射を行うインクヘッドを該記録媒体の幅方向に亘って走査させ、その走査の過程でインクを噴射して画像の記録を行う動作と、その走査方向と略直交する方向に沿って記録媒体を所定量搬送する動作とを順次繰り返すことにより、記録媒体上に所望の画像が記録形成されるようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
かかるインクジェット記録装置により複数の画像を記録形成する場合、その記録時間を短縮し、高速度の記録を行うことが求められている。
【0004】
通常、インクジェット記録装置は、記録ヘッドを走査方向の一方端部において停止状態から移動を開始させ、走査方向の他端部において停止して一動作が終了する。このとき、記録媒体への画像記録は、記録ヘッドを一定の速度で走査しながら行う必要があるため、記録ヘッドはインクを噴射する実際の記録開始の前に、停止状態から一定の加速時間を経て定速状態とし、記録ヘッドがこの定速状態にある時に記録を行うようになっている。また、記録終了後は一定の減速時間を経て停止するようになっている。
【0005】
この加減速時間は記録ヘッドについて一定であるため、例えば記録すべき複数画像が小サイズのものになればなるほど、記録ヘッドの有効主走査率(全走査時間に対する定速状態にある時間の割合)が低下するため、処理能力が低下し、それだけ記録時間がかかる結果となる。
【0006】
そこで、本発明は、複数の画像を記録形成する場合の記録時間を大幅に短縮可能なインクジェット記録装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、インクを噴射して記録媒体上に画像を記録するインクジェット記録装置において、各々記録媒体を供給する複数の記録媒体供給手段と、前記各々の記録媒体供給手段より供給される記録媒体を各々搬送するための複数の搬送路と、前記搬送路上に設けられ、前記記録媒体を搬送する搬送手段と、前記記録媒体の搬送方向と略直交する方向に沿って前記各々の記録媒体に亘って走査を行い、インクを噴射することにより記録を行う記録手段と、各々の記録媒体を選択的に搬送状態若しくは非搬送状態とする手段と、を有し、前記搬送手段は、搬送ローラと記録媒体を該搬送ローラに各々圧着させる圧着ローラからなると共に、前記記録媒体を選択的に搬送状態若しくは非搬送状態とする手段は、該圧着ローラを選択的に圧着状態若しくは圧着解除状態とする手段からなり、前記圧着ローラによる圧着解除時に、圧着解除された記録媒体を搬送手段に対して浮かせる浮かせ機構を有することを特徴とするインクジェット記録装置である。
【0008】
この発明によれば、複数画像を複数の記録媒体に亘って同時並行的に記録することができるため、1枚当たりの記録時間の大幅な短縮化が可能である。
【0012】
また、この発明によれば、供給される複数の記録媒体のうちのいずれかを選択的に搬送させることにより、記録を行う記録媒体を搬送させ、記録を行わずに搬送する必要のない記録媒体を搬送させないようにすることができため、記録媒体を無駄にするようなことがない。
【0014】
また、この発明によれば、簡単な構成で記録媒体を搬送状態若しくは非搬送状態にすることができる。
【0016】
また、この発明によれば、記録媒体をより確実に非搬送状態にすることができると共に、非搬送状態にある記録媒体の裏面が搬送ローラに擦れて損傷する事態を回避することができる。
【0017】
請求項2記載の発明は、前記浮かせ機構は、記録媒体裏面に対してその表面側が接離可能な板状部材からなることを特徴とする請求項1記載のインクジェット記録装置である。
【0018】
この発明によれば、記録媒体を簡単な構成で搬送ローラから浮かせることができる。
【0019】
請求項3記載の発明は、前記浮かせ機構は、記録媒体裏面に対してその長手方向が接離可能な棒状部材からなることを特徴とする請求項1記載のインクジェット記録装置である。
【0020】
この発明によれば、記録媒体を簡単な構成で搬送ローラから浮かせることができる。
【0021】
請求項4記載の発明は、前記浮かせ機構は、記録媒体裏面に対してその先端部が接離可能なピン状部材からなることを特徴とする請求項1記載のインクジェット記録装置である。
【0022】
この発明によれば、記録媒体を簡単な構成で搬送ローラから浮かせることができる。
【0023】
請求項5記載の発明は、前記複数の記録媒体のうちで記録を行う記録媒体の数に応じた複数のモードを有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のインクジェット記録装置である。
【0024】
この発明によれば、2枚以上の画像を速く記録したい場合には複数の記録媒体に亘って同時並列的に記録を行うようにし、1枚目のみを速く記録したい場合には、1枚目を1列の記録媒体のみに亘って記録を行うようにする等、一台で要望に応じた多様性に富む記録形態を採ることができるようになる。
【0025】
請求項6記載の発明は、画像を記録する枚数に応じて前記モードを変更することを特徴とする請求項5記載のインクジェット記録装置である。
【0026】
この発明によれば、オペレータが記録媒体を何列使用するか逐一指示する手間が省け、作業の省力化が図れる。
【0027】
請求項7記載の発明は、前記モードに応じて前記記録手段の走査幅を変更することを特徴とする請求項5又は6記載のインクジェット記録装置である。
【0028】
この発明によれば、例えば1例の記録媒体のみに画像記録する場合は、1列の記録媒体のみに亘って走査した方が記録が速く行えるため、記録時間の短縮化を有効に図り得る。
【0029】
請求項8記載の発明は、前記搬送手段と各々の記録媒体との摩擦係数の値(μ)若しくは搬送力の値(f)におけるいずれか2つの値の比率(|μ1−μ2|/|μ1+μ2|若しくは|f1−f2|/|f1+f2|)が、いずれも0.5以下であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のインクジェット記録装置である。
【0030】
搬送手段よって搬送される複数の記録媒体の各々の搬送量のばらつきを抑え、画像ムラの発生のない良質な画像記録が行える。
【0031】
請求項9記載の発明は、前記記録媒体は、ロール状の記録媒体であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のインクジェット記録装置である。
【0032】
ロール状の記録媒体を用いれば、同じ幅で長さを変えることにより複数サイズの記録が可能となる。また、給排紙の時間が不要となり、記録時間の短縮化を図る上で有効である。
【0033】
請求項10記載の発明は、記録媒体を切断する記録媒体切断手段を有することを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載のインクジェット記録装置である。
【0034】
この発明によれば、記録装置において記録媒体の切断作業も行えるため、別途切断装置を用意する必要がなく、また、切断を別途行う手間も省ける。
【0035】
請求項11記載の発明は、前記記録媒体切断手段は、前記搬送路上を搬送される記録媒体を各々独立に切断可能であることを特徴とする請求項10記載のインクジェット記録装置である。
【0036】
この発明によれば、複数の記録媒体毎にそれぞれ異なる長さの画像を記録することができ、各記録媒体毎に異なるタイミングで画像を記録開始することもできるようなる。
【0037】
請求項12記載の発明は、前記記録媒体切断手段は、前記記録手段と共に移動することを特徴とする請求項10又は11記載のインクジェット記録装置である。
【0038】
この発明によれば、記録手段の移動によって切断手段も移動し、記録媒体の切断が可能であるため、切断手段に格別の駆動機構を設ける必要がなく、切断手段の構成を簡素にすることができる。
【0039】
請求項13載の発明は、前記記録媒体は、シート状の記録媒体であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のインクジェット記録装置である。
【0040】
この発明によれば、特に規格サイズの画像を記録する場合、切断の手間が省けるため有利である。
【0041】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
【0042】
まず、本発明に係るインクジェット記録装置の第一の実施形態の全体構成について説明する。
【0043】
図1はインクジェット記録装置の概要を示す正面構成図、図2はその側面構成図であり、1は記録媒体供給手段、2は該記録媒体供給手段1から供給される記録媒体を搬送する搬送手段、3は記録媒体に記録を行う記録手段、4は記録済みの記録媒体を切断する記録媒体切断手段、5は切断された記録媒体を収容する排紙皿である。
【0044】
記録媒体供給手段1は、それぞれ記録媒体10A、10Bが長尺状に巻回されてロール状に形成された第1のペーパーロール1A及び第2のペーパーロール1Bが装置上方に回転可能にそれぞれ保持されて構成されている。これにより記録媒体10A、10Bは、各ペーパーロール1A、1Bからそれぞれ供給され、後述する搬送手段2によって図示下方向に搬送されるようになっている。
【0045】
なお、本明細書では、このように2つのペーパーロール1A、1Bからそれぞれ記録媒体10A、10Bが供給される場合を図示して説明するが、本発明においては、画像が記録される記録媒体が2列以上の複数列となるように構成されれば、該記録媒体を供給するペーパーロールの数は図示する2つに限定されない。
【0046】
搬送手段2は、記録媒体10A、10Bの搬送路上に設けられており、各記録媒体10A、10Bに亘って延びる1本の搬送ローラ21と該搬送ローラ21に対して各記録媒体10A、10Bを各々独立して圧着させるための圧着ローラ22A、22Bと、上記搬送ローラ21を駆動させるための搬送モータ23によって構成されている。各ペーパーロール1A、1Bからそれぞれ供給された記録媒体10A、10Bは、上記搬送ローラ21と圧着ローラ22A、22Bとの間に挟持されつつ、搬送ローラ21の回転によって図示下方向に各々搬送される。
【0047】
このようにして各記録媒体10A、10Bが供給されることにより、複数(2つ)の搬送路が形成される。
【0048】
なお、各々の搬送路途上には、記録媒体10A、10Bの搬送方向の後端位置を検出する光学式の後端位置検出センサS1A及びS1B、先端位置を検出する光学式の先端位置検出センサS2A及びS2Bがそれぞれ設けられ、記録媒体10A、10Bの有無を検出し得るようになっている。
【0049】
上記各圧着ローラ22A、22Bは、図3に示すように、搬送ローラ21に対して圧着させてその間に記録媒体10A、10Bを挟持させ、搬送ローラ21の回転によって記録媒体10A、10Bを搬送させる圧着位置(実線の位置)と、圧着を解除して記録媒体10A、10Bの搬送を休止させる圧着解除位置(二点鎖線の位置)との2つの位置を、図示しない搬送切替モータを駆動させることによって採ることができるように構成されており、これにより圧着ローラ22A、22Bを上記2つの位置に選択的に切り替えることにより、記録媒体10A、10Bの搬送状態、非搬送状態を各々任意に作り出すことができるようになっている。
【0050】
各圧着ローラ22A、22Bの上記2つの位置は、図示しない圧着位置検出センサ及び圧着解除位置検出センサによって各々検出される。
【0051】
このように記録媒体10A、10Bの搬送状態、非搬送状態を各々任意に作り出すことにより、複数列の記録媒体のいずれかを選択的に記録して搬送させ、記録を行わずに搬送する必要のない記録媒体を搬送しないようにすることができて記録媒体を無駄にすることがない。また、複数列の記録媒体で搬送ローラを共用できるため、各列を独立に駆動搬送させる場合に比べ、高精度なローラや駆動モータ、動力伝達系が1つで済み、装置コストの高騰を防ぐことができる。
【0052】
本実施の形態においては、圧着ローラ22A及び/又は22Bが圧着解除位置にあって記録媒体10A及び/又は10Bを非搬送状態としている際に、その非搬送状態を更に確実にするため、搬送ローラ21の上流側に、非搬送状態とされた記録媒体10A及び/又は10Bを搬送ローラ21から浮かせるための浮かせ機構が記録媒体10A、10Bに対応して各々設けられている。
【0053】
この浮かせ機構は、各々の記録媒体10A、10Bの裏面に対してその表面側が接離可能に設けられた板状部材24A、24Bからなり、図3に示すように、圧着ローラ22A、22Bが圧着位置にある時には、記録媒体10A、10Bの裏面から距離をおいて位置し(実線の状態)、圧着ローラ22A、22Bが圧着解除位置にある時には、回転軸25A、25Bを中心にしてその表面側が記録媒体10A、10Bの裏面に当接して押し上げるように回動し、記録媒体10A、10Bを搬送ローラ21から浮かせるように機能する(二点鎖線の状態)。これにより非搬送状態にある記録媒体10A及び/又は10Bと搬送ローラ21とを非接触状態とすることができ、非搬送状態の確実性を図ると同時に、非搬送状態にある記録媒体10A及び/又は10Bの裏面が回転する搬送ローラ21によって擦れて損傷する事態を回避する。
【0054】
上記板状部材24A、24Bを記録媒体10A、10Bの裏面に接離させるには、適宜のリンク機構を用いて、圧着ローラ22A、22Bを上記2つの位置に移動させるための搬送切替モータの駆動力を伝達させ、この搬送切替モータにより圧着ローラ22A、22Bの移動に同期して行うようにすることが好ましい。
【0055】
なお、板状部材24A、24Bの位置は、必ずしも搬送ローラ21の上流側に限定されない。
【0056】
記録手段3は、上記搬送手段2の下流側に配置されており、各々の記録媒体10A、10Bの表面側(記録面側)に、該記録媒体10A、10Bに対して複数のノズルから液滴状のインクを噴射して画像を記録形成するための記録ヘッド31と、記録媒体10A、10Bの搬送方向(副走査方向)と略直交するように横架された走査ガイド32に沿って移動可能に取付けられたキャリッジ33と、該キャリッジ33を移動させるキャリッジモータ34によって構成されている。
【0057】
記録ヘッド31は、例えばY(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(ブラック)等の各インクが貯溜された複数のインクタンクと、各々のインクタンク内のインクを液滴状に射出するための多数のノズルヘッドを有して構成されており、これらがキャリッジ33に装備されることにより、該キャリッジ33がキャリッジモータ34によって駆動されることで、記録媒体10A、10Bの搬送方向と略直交する方向(主走査方向)に沿い、且つ各々の記録媒体10A、10Bに亘って移動する。この記録ヘッド31の移動量は、図示しないリニアエンコーダによって検出されるようになっている。
【0058】
また、キャリッジ33には、記録ヘッド31よりも搬送方向の上流側に、記録媒体検知センサ35が設けられており、該センサ35によって記録媒体10A、10Bの側縁部を検出し、記録媒体10A、10Bへの記録開始位置を検出することができるようになっている。。
【0059】
上記記録ヘッド31によって画像記録が行われる記録媒体10A、10Bの裏面側には、記録ヘッド31に対向するように、主走査方向に沿い且つ各記録媒体10A、10Bに亘ってプラテン36が配設されている。
【0060】
このプラテン36は、図4に示すように、記録媒体10A、10Bの裏面に対向する面に所定間隔及び所定配列で多数の吸引孔361が設けられた箱体状に形成されており、内部の空気を図示しない吸引ファンや吸引ポンプ等の吸引手段によって吸引することで内部を負圧にし、上記吸引孔361が設けられた面に記録媒体10A、10Bを吸着させ、記録ヘッド31による画像記録時の記録媒体10A、10Bの浮き上がりを防止する。
【0061】
記録媒体切断手段4は、上記記録手段3によって画像が記録形成された記録媒体10A、10Bを、搬送路上に設けられた搬送ガイド板6を介して受け入れ、該記録媒体10A、10Bを所定の位置で主走査方向と同一方向に沿って各々切断し、シート状のプリントとする。
【0062】
この記録媒体切断手段4には、図5(a)(b)に示すように、記録媒体10A、10Bの各々を独立して切断可能とするために、各々の記録媒体10A、10Bの搬送路上に、各記録媒体10A、10Bの幅よりも若干幅広状のカッタ41A、41Bが、主走査方向と同一方向に沿って延び、各記録媒体10A、10Bの表面側に所定間隔をおいて上下動可能に配置されており、各々カッタ駆動モータ42A、42Bの駆動力により下動することで、記録媒体10A、10Bを切断するようになっている。
【0063】
なお、43A、43Bは記録媒体10A、10Bをカッタ41A、41Bの位置まで搬送するための第一の搬送ローラ対、44A、44Bは切断済みの記録媒体10A、10Bを排出するための第二の搬送ローラ対、45A、45Bは記録媒体10A、10Bの先端位置を検出するための光学式の先端検出センサ、46A、46Bは記録媒体10A、10Bの切断位置を検出するための光学式の切断位置検出センサである。
【0064】
記録媒体切断手段4によって所定長さのシート状に切断された記録媒体10A、10Bは、第二の搬送ローラ対44A、44Bの搬送によって該記録媒体切断手段4から排出され、その下流側に配設されている排紙皿5に各々収容される。
【0065】
次に、かかるインクジェット記録装置の電気的構成について図6に示す構成ブロック図を用いて説明する。
【0066】
図中、100はホスト機器であり、本実施の形態に示すインクジェット記録装置において記録すべき画像データ(画像の記録サイズ等のパラメータ、YMCK等に色分解された画像のデータ)を所有しているコンピュータからなる。このホスト機器100から送出される画像データは、インターフェース部101を介してインクジェット記録装置に取り込まれる。
【0067】
102はホスト機器100から取り込んだ画像データを一時格納する画像メモリ、103は画像メモリ102への画像データの書き込みを制御するメモリライトコントローラ、104は画像メモリ102に格納された画像データの読み出しを制御するメモリリードコントローラ、105はメモリリードコントローラ104によって画像メモリ102から読み出された画像データに応じて記録ヘッド31のインクの噴射を駆動制御するヘッドドライバである。
【0068】
106は、インターフェース部101、画像メモリ102、メモリライトコントローラ103、メモリライトコントローラ104を制御してホスト機器100から画像データの情報を取り込み、記録媒体を検知する各種センサS1A、S1B等や画像データに応じてヘッドドライバ105、搬送モータ23、キャリッジモータ34、搬送切替モータ107A、107Bを制御するCPUである。
【0069】
これらインターフェース部101、画像メモリ102、メモリライトコントローラ103、メモリライトコントローラ104、ヘッドドライバ105及びCPU106によって制御手段が構成される。
【0070】
CPU106は、ホスト機器100から送られて画像メモリ102に格納された複数画像に関連する画像データのうちから、記録手段31の走査方向の位置に応じていずれかの画像を選択し、選択された画像に関連するデータを記録手段31へ送る。
【0071】
次に、かかるインクジェット記録装置の動作の制御について説明する。
【0072】
まず、2列の記録媒体10A、10Bによって3枚の画像を記録形成する場合について説明する。
【0073】
(1) ホスト機器100よりインターフェース部101を介して、CPU106に画像を3枚記録することを通知する。
【0074】
(2) CPU106は、搬送切替モータ107A、107Bを制御し、記録媒体10A、10Bを2列とも搬送可能な状態に設定し、搬送モータ23を駆動して記録媒体先端を画像記録開始位置まで搬送する。
【0075】
(3) CPU106は、記録媒体を検知する各種センサS1A、S1B等により2列とも記録媒体10A、10Bが存在することを確認する。
【0076】
(4) CPU106はインターフェース部101を介して、ホスト機器100に画像データの転送が可能であることを通知すると共に、メモリライトコントローラ103に書き込み開始メモリアドレスやデータサイズ等のメモリ書き込み情報を設定する。
【0077】
(5) ホスト機器100は、1枚目の画像データをインターフェース部101を介して画像メモリ102に転送開始する。このとき、メモリライトコントローラ103は画像メモリ102への書き込みを制御し、CPU106はメモリライトコントローラ103を介して画像データの転送状態を監視する。
【0078】
(6) 1枚目の画像データの転送が終了したら、CPU106はメモリライトコントローラ103に2枚目の画像データを転送するためのメモリ書き込み情報を設定する。
【0079】
(7) ホスト機器100は引き続き2枚目の画像データの転送を開始し、メモリライトコントローラ103が画像メモリ102への書き込みを制御する。また、CPU106はメモリライトコントローラ103を介して画像データの転送状態を監視する。
【0080】
(8) 2枚目の画像データの転送が終了したら、CPU106はメモリリードコントローラ104に読み出し開始メモリアドレスやデータサイズ等のメモリ読み出し情報を設定し、ヘッドドライバ105を記録可能状態に設定する。
【0081】
(9) CPU106はキャリッジモータ34を駆動し、キャリッジ33が2列の記録媒体10A、10Bに亘って横切って移動するように制御する。
【0082】
(10) キャリッジ33の移動に同期して、メモリリードコントローラ104が画像データを読み出し、ヘッドドライバ105に入力する。ヘッドドライバ105は入力された画像データに応じて記録ヘッド31を駆動し、インクを記録媒体10A、10Bの記録面に射出する。これにより一方の記録媒体10Aに記録される1枚目の画像と他方の記録媒体10Bに記録される2枚目の画像のそれぞれ先頭部1走査分の画像が形成される。
【0083】
(11) キャリッジ33が2列の記録媒体10A、10Bを横切り、1回の走査が終了したら、CPU106は搬送モータ23を駆動し、記録媒体10A、10Bを2列とも所定量搬送する。
【0084】
(12) 記録媒体10A、10Bの所定量の搬送が終了したら、CPU106はキャリッジモータ34を駆動し、キャリッジ33を前回とは逆の方向に移動させ、上記(10)と同様にして次の1走査分の画像を記録する。
【0085】
(13) 画像記録の最中で2枚目の画像転送終了後、CPU106はメモリライトコントローラ103に3枚目の画像データ転送のためのメモリ書き込み情報を設定し、ホスト機器100は引き続き3枚目の画像データの転送を開始する。このときメモリライトコントローラ103は画像メモリ102への書き込みを制御し、CPU106はメモリライトコントローラ103を介して画像データの転送状態を監視する。
【0086】
(14) 上記(9)〜(12)を繰り返し、1枚目と2枚目の画像をそれぞれ記録媒体10A、10Bに並行して記録していく。
【0087】
(15) 1枚目と2枚目の画像記録が終了したら、CPU106は搬送モータ23を駆動して2列の記録媒体10A、10Bを記録媒体切断手段4の切断位置まで搬送し、カッタ駆動モータ42A、42Bを駆動してカッタ41A、41Bを下動させ、2列の記録媒体10A、10Bをそれぞれ所定位置で切断する。
これにより1枚目と2枚目の画像がそれぞれ切り離される。
【0088】
(16) CPU106は搬送モータ23を駆動して、画像が切り離された2列の記録媒体10A、10Bを、次の記録に備えるために、記録媒体切断手段4の位置からそれぞれ記録ヘッド31による記録開始位置まで巻き戻す。
【0089】
(17) CPU106は搬送切替モータ107A、107Bを制御し、いずれかの圧着ローラ(ここでは22Bとする)を圧着解除位置に移動させ、記録媒体10Bのみ1列を非搬送状態に設定する(他方は搬送状態のままとする)。
【0090】
(18) CPU106は記録媒体を検知する各種センサS1A等により、搬送状態に設定されている列の記録媒体10Aが存在することを確認する。
【0091】
(19) 3枚目の画像データ転送が終了したら、CPU106はメモリリードコントローラ104に、読み出し開始メモリアドレスやデータサイズ等のメモリ読み出し情報を設定し、ヘッドドライバ105を記録可能状態に設定する。
【0092】
(20) CPU106はキャリッジモータ34を駆動し、記録を行う側の列の記録媒体10Aのみをキャリッジ33が横切って移動するように制御する。
【0093】
(21) キャリッジ33の移動に同期して、メモリリードコントローラ104が画像データを読み出し、ヘッドドライバ105に入力する。ヘッドドライバ105は入力された画像データに応じて記録ヘッド31を駆動し、インクを記録媒体10Aの記録面に射出する。これにより3枚目の画像の先頭部1走査分の画像が形成される。
【0094】
(22) キャリッジ33が記録媒体10Aのみを横切り、1回の走査が終了したら、CPU106は搬送モータ23を駆動し、記録媒体10Aを所定の量搬送する。このとき画像記録を行わない記録媒体10B側は圧着ローラ22Bが圧着解除位置にあって非搬送状態にあるため、搬送モータ23を駆動させても搬送されず、搬送状態にある画像記録した記録媒体10Aの1列のみが搬送される。
【0095】
(23) 記録媒体10Aの搬送が終了したら、CPU106はキャリッジモータ34を駆動し、キャリッジ34を前回とは逆の方向に移動させ、上記(21)と同様にして次の1走査分の画像を記録する。
【0096】
(24) 上記(20)〜(23)を繰り返し、記録媒体10Aに3枚目の画像を記録していく。
【0097】
(25) 記録媒体10Aに3枚目の画像記録が終了したら、CPU106は搬送モータ23を駆動して画像記録した記録媒体10Aのみ1列を記録媒体切断手段4の切断位置まで搬送し、カッタ駆動モータ42Aを駆動して記録媒体10Aの1列だけ切断する。これにより3枚目の画像が切り離される。
【0098】
(26) CPU106は搬送モータ23を駆動して、次の記録に備えるために、記録媒体10Aを記録媒体切断手段4の位置から記録ヘッド31による記録開始位置まで巻き戻す。
【0099】
このように本発明に係るインクジェット記録装置では、記録ヘッドを複数列の記録媒体に亘って走査を行い、複数画像を同時並列的に記録するようにしているため、複数画像を1列で搬送される記録媒体に対して順次記録を行う場合に比べて、大幅に記録時間を短縮させることが可能となる。これを以下に具体例を示して説明する。
【0100】
一般に、記録ヘッドによる記録媒体に対する記録時間は、次の関係で決まる。
【0101】
(記録時間)=(キャリッジ走査時間)×(走査回数)
【0102】
ここで、
(キャリッジ走査時間)=(キャリッジ加速時間)+(キャリッジ定速走査時間)+(キャリッジ減速時間)
(キャリッジ定速走査時間)=(キャリッジ定速走査距離)/(キャリッジ走査速度)
(キャリッジ定速走査距離)=(記録媒体幅)+(記録ヘッド幅)+(定速走査マージン片側)×2
(キャリッジ走査速度)=(ヘッド駆動周波数)/(記録解像度)
(キャリッジ加速時間)=(キャリッジ走査速度)/(キャリッジ加速度)
(キャリッジ減速時間)=(キャリッジ走査速度)/(キャリッジ加速度)
(走査回数)=(記録長さ)×(記録解像度)/(記録ヘッドノズル数)
である。
【0103】
そこで、例えば図7に示すように、89mm(幅)×127mm(長さ)の2枚の画像を、140mm幅の記録ヘッドで、720dpi(28.3dot/mm)で記録する場合、記録ヘッドノズル数を128、ヘッド駆動周波数を50kHz、キャリッジ加速度を10m/s2、定速走査マージン片側を5mmとした場合について、1列の記録媒体のみで記録を行った場合(図7(a))と、2列の記録媒体に同時並列的に記録を行った場合(図7(b))の記録時間の違いを比較すると、以下の通りとなる。
【0104】
まず、1列で記録する場合では、
(キャリッジ定速走査距離)=(記録媒体幅)+(記録ヘッド幅)+(定速走査マージン片側)×2
=89mm+140mm+5mm×2
=239mm
(キャリッジ走査速度)=(ヘッド駆動周波数)/(記録解像度)
=50kHz/28.3dot/mm
=1767mm/s
(キャリッジ定速走査時間)=(キャリッジ定速走査距離)/(キャリッジ走査速度)
=239mm/1767mm/s
=0.14s
(キャリッジ加速時間)=(キャリッジ走査速度)/(キャリッジ加速度)
=1767mm/s/10000mm/s2
=0.18s
(キャリッジ走査時間)=(キャリッジ加速時間)+(キャリッジ定速走査時間)+(キャリッジ減速時間)
=0.18s+0.14s+0.18s
=0.50s
(走査回数)=(記録長さ)×(記録解像度)/(記録ヘッドノズル数)
=127mm×28.3dot/mm/128
=28回
(記録時間)=(キャリッジ走査時間)×(走査回数)
=0.50s×28回
=14.0s
2枚の画像を記録する場合には、これを順次2回繰り返すから、
14.0s×2回=28.0s
すなわち、1列で2枚の画像を記録するには、28.0秒かかることになる。
【0105】
一方、2列で記録する場合では、図7(b)に示す通り、89mm幅の記録媒体を10mmの間隔で2列並べるものとすると、
(キャリッジ定速走査距離)=(記録媒体幅)+(記録ヘッド幅)+(定速走査マージン片側)×2
=(89mm×2+10mm)+140mm+5mm×2
=338mm
(キャリッジ走査速度)=(ヘッド駆動周波数)/(記録解像度)
=50kHz/28.3dot/mm
=1767mm/s
(キャリッジ定速走査時間)=(キャリッジ定速走査距離)/(キャリッジ走査速度)
=338mm/1767mm/s
=0.19s
(キャリッジ加速時間)=(キャリッジ走査速度)/(キャリッジ加速度)
=1767mm/s/10000mm/s2
=0.18s
(キャリッジ走査時間)=(キャリッジ加速時間)+(キャリッジ定速走査時間)+(キャリッジ減速時間)
=0.18s+0.19s+0.18s
=0.55s
(走査回数)=(記録長さ)×(記録解像度)/(記録ヘッドノズル数)
=127mm×28.3dot/mm/128
=28回
(記録時間)=(キャリッジ走査時間)×(走査回数)
=0.55s×28回
=15.4s
【0106】
このように1列の記録媒体で2枚の画像を順次記録する場合では、28秒の記録時間であるのに対し、2枚の画像を2列の記録媒体に同時並列的に記録する場合では、15.4秒の記録時間で済むようになる。これは、記録を行う記録媒体の列数が1列の場合でも2列の場合でも、記録ヘッド幅分の走査時間と加減速時間は変わらないため、2列の場合の方が画像1枚当たりの記録時間が短縮できるからである。記録を行う記録媒体の列数を更に増加すれば、記録時間の更なる短縮化を図り得るものとなることはもちろんである。
【0107】
次に、以上説明した2列の記録媒体に同時並列的に記録を行っている途中で、一方の記録媒体の用紙切れが発生した場合(4枚の画像を記録中、2枚の画像記録後に1列用紙切れが発生した場合)の動作例を説明する。
【0108】
(1) ホスト機器100よりインターフェイス部101を介して、CPU106に画像を4枚記録することを通知する。
【0109】
(2) 前記動作例の(2)〜(16)と同じ動作により、1枚目と2枚目の画像を並行記録し、切断する。
【0110】
(3) CPU106は記録媒体を検出する各種センサS1A、S1B等により、2列の記録媒体10A、10Bの有無を確認し、1列の記録媒体(ここでは10Bとする)がないことを検知する。
【0111】
(4) CPU106は一方の搬送切替モータ107Bを制御し、圧着ローラ22Bを圧着解除状態とし、記録媒体10Bがない方の1列を非搬送状態に設定する(記録媒体10A側は、搬送状態のままとする)。
【0112】
(5) 前記動作例の(19)〜(26)と同じ動作により、記録媒体10Aに3枚目の画像を記録し、切断する。
【0113】
(6) 同じく記録媒体10Aに3枚目と同じ動作を繰り返し、4枚目の画像を記録し、切断する。
【0114】
このように本発明に係るインクジェット記録装置によれば、いずれかの搬送路において用紙切れを検知した際には、記録媒体の存在する列だけで記録を行うことができるため、常にすべての列に記録媒体が存在していなくてもよく、記録作業を中断することなく複数画像の記録を続行することができる。
【0115】
なお、搬送手段2においては、搬送ローラ2と該搬送ローラ21によって搬送される各々の記録媒体10A、10Bとの摩擦係数の値(μ)若しくは搬送力の値(f)におけるいずれか2つの値の比率(|μ1−μ2|/|μ1+μ2|若しくは|f1−f2|/|f1+f2|)が、いずれも0.5以下であることが好ましい。
【0116】
ここで、搬送力(f)とは、図13に示すように、搬送ローラ21と圧着ローラ22A、22Bとの間に記録媒体を挟持させた状態で、その記録媒体の一端を引き出し、記録媒体が搬送ローラ21と圧着ローラ22A、22Bとの間から引き出された時の荷重をテンションゲージで測定した際の値である。
【0117】
これにより搬送ローラ21によって同期的に搬送される複数列の記録媒体10A、10Bの互いの搬送量の差をなくすことができ、画像の記録ムラの発生をなくし、良質な画像の記録を行うことができる。上記比率の値がいずれも0.5を越えると、複数列の記録媒体の相互に搬送量のずれが生じ易くなり、上記効果が得難くなる。
【0118】
また、記録媒体10A、10Bの搬送状態、非搬送状態を各々任意に作り出す機能を更に有効に利用するため、複数の記録媒体10A、10Bのうちで記録を行う記録媒体の数に応じた複数のモードを有するようにすることが好ましい。例えば、全列を使用して同時並列的に記録を行うモード、1列のみを使用して記録を行うモード、任意の複数列を使用して記録を行うモード等を有するようにし、2枚以上の複数の画像を速く記録したい場合には、全列の記録媒体を使用して記録を行うモードに設定すれば、全ての画像を最も高速度に記録することができ、また、複数の画像のうちの1枚目のみを速く記録したい場合には、1列のみを使用して記録を行うモードに設定すれば、1枚目を1列で記録した方が速く記録が終了し、要望に応じた多様性に富む記録形態を採ることができるようになる。
【0119】
かかるモードの変更は、画像の記録枚数に応じて変更可能であることが好ましい。例えば、画像が2枚以上の複数画像である場合には全列を使用し、画像が1枚のみの場合や、記録媒体が2列の場合における奇数枚数記録時の最後の1枚のような場合は、1列で記録するようにすると、オペレータの入力指示の手間を省き、自動化を図ることができる。
【0120】
図8及び図9は、搬送手段2に設けられた浮かせ板24A、24Bに代わる浮かせ機構の別の態様を示している。
【0121】
図8は、浮かせ機構を記録媒体10A、10Bの裏面に対してその長手方向が接離可能に設けられた棒状部材26A、26Bによって構成した場合を示している。
【0122】
棒状部材26A、26Bは、図8に示す例では、クランク状に形成され、各記録媒体10A、10Bに対応してそれぞれ一対ずつ設けられ、搬送ローラ21をその上下流側から挟むように、更に長手方向が記録媒体10A、10Bの搬送方向と交差し且つ各記録媒体10A、10Bをそれぞれ横切るように配置されている。各棒状部材26A、26Bはその一端部がそれぞれ駆動モータ27A、27Bの駆動によって所定角度だけ回転することにより、図8(b)に示すように、各棒状部材26A、26Bの他端側が記録媒体10A、10Bの裏面から距離をおいて位置する状態(実線の状態)から、記録媒体10A、10Bの裏面に当接して押し上げる状態(二点鎖線の状態)に変化することで、記録媒体10A、10Bを搬送ローラ21から浮かせるように機能する。
【0123】
また、図9は、浮かせ機構を記録媒体10A、10Bの裏面に対してその先端部が接離可能に設けられたピン状部材28A、28Bによって構成した場合を示している。
【0124】
ピン状部材28A、28Bは、図9に示す例では、各記録媒体10A、10Aに対応してそれぞれ4本ずつ設けられ、それぞれ2本のピンで搬送ローラ21をその上下流側から挟むように、且つ各々の線他部が各記録媒体10A、10Bの裏面に臨むように立設状に配置されている。各ピン状部材28A、28Bは、ソレノイド28A、29Bの駆動によって各々4本同時に記録媒体10A、10Bの裏面に向けて突出することにより、図9(b)に示すように、その先端が記録媒体10A、10Bの裏面から距離をおいて位置する状態(実線の状態)から、記録媒体10A、10Bの裏面に当接して押し上げる状態(二点鎖線の状態)に変化することで、記録媒体10A、10Bを搬送ローラ21から浮かせるように機能する。
【0125】
なお、これら棒状部材26A、26B及びピン状部材28A、28Bの数は、図示するものに限定されない。
【0126】
図10は、記録媒体切断手段4の別の態様を示している。図5と同一構成については同一符号を付してある。
【0127】
ここでは、各列の記録媒体10A、10Bに独立したカッタ41A、41Bに代えて、それらを一度に切断可能な一つのローラカッタ47を設けて構成している。
【0128】
ローラカッタ47は、各列の記録媒体10A、10Bの搬送方向と略直交する方向に亘って延びるガイドレール48に沿って、駆動モータ49によって各記録媒体10A、10Bを横切るように移動することで、各記録媒体10A、10Bを同時に切断する。
【0129】
ローラカッタ47の移動経路上には、記録媒体10A、10Bの両外側及び記録媒体10Aと10Bの間の計3箇所に、ローラカッタ47の位置を検出するための接触式の位置検出センサ401、402、403が配設されており、ローラカッタ47がこれらのいずれかのセンサを通過若しくはセンサに位置することで、ローラカッタ47の通過又は位置の検出が行えるようになっている。
【0130】
かかるローラカッタ47によって記録媒体10A、10Bを切断する場合について説明すると、画像が記録された記録媒体10A、10Bを同一の位置で切断する場合、ローラカッタ47を一方の記録媒体10Aから他方の記録媒体10Bに亘って移動させることで、両記録媒体10A、10Bを一度に切断することができる。また、記録媒体10A、10Bに記録されている画像のサイズがそれぞれ異なり、切断位置が記録媒体10Aと10Bとで異なる場合、或いはいずれか1列の記録媒体のみを切断する場合には、いずれかの記録媒体を選択的に切断し得るように、ローラカッタ47のホームポジションを記録媒体10Aと10Bの間とし、そこから記録媒体10A又は10Bの一方に亘って移動させることで1列の記録媒体のみを切断することができる。
【0131】
このローラカッタ47の構成によれば、複数列の記録媒体を一つのローラカッタ410で切断可能であるため、駆動機構を共用でき、装置コストの低減化を図ることができる。
【0132】
次に、本発明に係るインクジェット記録装置の第二の実施の形態について、図11及び図12を用いて説明する。図11は第二の実施の形態のインクジェット記録装置の概要を示す正面構成図、図12(a)はその記録手段の概要を示す平面構成図、図12(b)は記録手段の概要を示す側面構成図を示している。なお、図中、第一の実施の形態と同一構成は同一符号を付してある。
【0133】
この態様では、記録媒体切断手段を、第一の実施の形態のように排紙皿5の直前に配置せず、記録媒体切断手段を記録手段3のキャリッジ33上に配設している。
【0134】
図12(a)に示すように、記録媒体切断手段4’は、切断方向がキャリッジ33の移動方向、即ち主走査方向と同一方向となるようにキャリッジ33上に配置されたカッタ400からなっており、図示しないソレノイドの駆動によって上下移動可能に設けられ、キャリッジ33の移動と共に移動するように構成されている。
【0135】
カッタ400は、図12(b)に示すように、通常時(記録ヘッド31による画像記録時)にはキャリッジ33の移動によって記録媒体10A、10Bを切断しないように突出しておらず、画像の記録終了後に記録媒体10A、10Bを所定位置で切断する際、ソレノイドの駆動によって記録媒体10A、10B側に向けて突出し、キャリッジ33の移動によって記録媒体10A、10Bを切断する。
【0136】
カッタ400は片刃状でもよいし、キャリッジ33の主走査方向に沿う往復移動の両方向で記録媒体10A、10Bの切断が可能となるように両刃状であってもよい。
【0137】
このようにカッタ400を記録手段3のキャリッジ33上に配設し、該キャリッジ33と共に移動するように設けたことにより、キャリッジ33の移動手段を利用して切断が可能であるため、切断のための駆動機構を格別に必要とせず、装置の簡素化を図ることができる。しかも、カッタ400はソレノイドの駆動によって切断時のみ突出して切断可能であるため、複数列の記録媒体の任意の列の記録媒体の切断を選択的に行うことも容易である。
【0138】
なお、第一及び第二の実施の形態ともに、記録媒体10A、10Bがペーパーロール1A、1Bからそれぞれ供給されるものを示したが、記録媒体はシート状の記録媒体であってもよい。記録媒体がシート状であると、特に規格サイズの画像を記録する場合、切断の手間が省けるため有利である。
【0139】
【発明の効果】
本発明によれば、複数の画像を記録形成する場合の記録時間を大幅に短縮可能なインクジェット記録装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】インクジェット記録装置の正面構成図
【図2】インクジェット記録装置の側面構成図
【図3】搬送手段の概略を示す側面構成図
【図4】記録手段の概略を示す側面構成図
【図5】(a)は記録媒体切断手段の概略構成を示す斜視図、(b)はその側面構成図
【図6】インクジェット記録装置の電気的構成を示すブロック図
【図7】(a)は記録媒体が1列の場合、(b)は記録媒体が2列の場合の記録ヘッドの加減速時間と定速時間の関係をそれぞれ示す説明図
【図8】(a)は浮かせ機構の他の態様の概略を示す斜視図、(b)はその側面構成図
【図9】(a)は浮かせ機構の更に他の態様の概略を示す斜視図、(b)はその側面構成図
【図10】(a)は記録媒体切断手段の他の態様の概略を示す斜視図、(b)はその側面構成図
【図11】インクジェット記録装置の他の実施の形態を示す正面構成図
【図12】(a)は記録媒体切断手段を備えた記録手段の正面構成図、(b)はその側面構成図
【図13】搬送力の測定方法を示す説明図
1:記録媒体供給手段
2:搬送手段
3:記録手段
4:記録媒体切断手段
10A、10B:記録媒体
Claims (13)
- インクを噴射して記録媒体上に画像を記録するインクジェット記録装置において、
各々記録媒体を供給する複数の記録媒体供給手段と、
前記各々の記録媒体供給手段より供給される記録媒体を各々搬送するための複数の搬送路と、
前記搬送路上に設けられ、前記記録媒体を搬送する搬送手段と、
前記記録媒体の搬送方向と略直交する方向に沿って前記各々の記録媒体に亘って走査を行い、インクを噴射することにより記録を行う記録手段と、
各々の記録媒体を選択的に搬送状態若しくは非搬送状態とする手段と、
を有し、
前記搬送手段は、搬送ローラと記録媒体を該搬送ローラに各々圧着させる圧着ローラからなると共に、前記記録媒体を選択的に搬送状態若しくは非搬送状態とする手段は、該圧着ローラを選択的に圧着状態若しくは圧着解除状態とする手段からなり、
前記圧着ローラによる圧着解除時に、圧着解除された記録媒体を搬送手段に対して浮かせる浮かせ機構を有することを特徴とするインクジェット記録装置。 - 前記浮かせ機構は、記録媒体裏面に対してその表面側が接離可能な板状部材からなることを特徴とする請求項1記載のインクジェット記録装置。
- 前記浮かせ機構は、記録媒体裏面に対してその長手方向が接離可能な棒状部材からなることを特徴とする請求項1記載のインクジェット記録装置。
- 前記浮かせ機構は、記録媒体裏面に対してその先端部が接離可能なピン状部材からなることを特徴とする請求項1記載のインクジェット記録装置。
- 前記複数の記録媒体のうちで記録を行う記録媒体の数に応じた複数のモードを有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
- 画像を記録する枚数に応じて前記モードを変更することを特徴とする請求項5記載のインクジェット記録装置。
- 前記モードに応じて前記記録手段の走査幅を変更することを特徴とする請求項5又は6記載のインクジェット記録装置。
- 前記搬送手段と各々の記録媒体との摩擦係数の値(μ)若しくは搬送力の値(f)におけるいずれか2つの値の比率(|μ 1 −μ 2 |/|μ 1 +μ 2 |若しくは|f 1 −f 2 |/|f 1 +f 2 |)が、いずれも0.5以下であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
- 前記記録媒体は、ロール状の記録媒体であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
- 記録媒体を切断する記録媒体切断手段を有することを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
- 前記記録媒体切断手段は、前記搬送路上を搬送される記録媒体を各々独立に切断可能であることを特徴とする請求項10記載のインクジェット記録装置。
- 前記記録媒体切断手段は、前記記録手段と共に移動することを特徴とする請求項10又は11記載のインクジェット記録装置。
- 前記記録媒体は、シート状の記録媒体であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
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