JP4542741B2 - 有機色素を光増感剤とする半導体薄膜電極、光電変換素子及び光電気化学太陽電池 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、有機色素を光増感剤とする半導体薄膜電極、光電変換素子及びこれを用いた光電気化学太陽電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
1993年にスイス・ローザンヌ工科大学のGraetzel教授らにより、7〜10%の変換効率を示す色素増感型太陽電池が報告された(例えば、非特許文献1参照。)。この色素増感型太陽電池は、ルテニウムなどの金属錯体や有機色素を光増感剤とし、ナノ粒子の二酸化チタンや酸化亜鉛などの大きいバンドギャップを有する酸化物半導体薄膜電極、ヨウ素レドックス電解液及び対極から成る。これまでに高効率の色素増感型の光電変換素子がおもに太陽電池として研究され、報告されている。その変換効率の高さと製造における低コストの可能性から、次世代型太陽電池として近年注目を集めている。
【0003】
これまでの色素増感太陽電池においては、おもにルテニウム錯体が光増感剤として用いられてきた(たとえば、非特許文献2参照。)。しかしながら、貴金属のルテニウムを用いることから、これらのルテニウム錯体を用いた色素増感型太陽電池を用いて、大規模な発電をおこなう場合、大量のルテニウム錯体が必要となり、資源的な制約が問題となる。
【0004】
これまで、ルテニウムなどの貴金属を含まない有機色素を光増感剤とする色素増感太陽電池も研究されてきた。用いられてきた有機色素には、フェニルキサンテン系色素、フタロシアニン系色素、クマリン系色素、シアニン系色素、メロシアニン系色素、ポルフィリン系色素、プロフラビン系色素などが挙げられる(例えば、非特許文献3参照。)。これらの有機色素は、金属錯体と比べて吸収係数が大きく、安価であり、且つ構造の多様性により吸収特性を制御できるなどの光増感剤としての利点がある。しかしながら、その吸収波長領域が比較的短波長領域に限られるため、太陽エネルギー変換効率はルテニウム錯体を用いたものと比べて大きく劣っていた。
【0005】
【非特許文献1】
Nature,1991,353,583−585、J.Am.Chem.Soc.,1993,115,6382−6390
【非特許文献2】
J.Am.Chem.Soc.,1993,,115,6382−6390、Chem.Commun.,1997,1705−1706、Langmuir,2001,17,5992−5999など
【非特許文献3】
Chem.Lett.,1998,753−754、Sol.Energy Mater.Sol.Cells,2000,64,115−134、New J.Chem.,2001,25,200−202など
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、有機色素で増感された半導体薄膜電極を用いる色素増感型太陽電池において、高い光電変換効率を示す安価な太陽電池を提供するとともに、該電池に用いる光電変換素子及び該光電変換素子に用いる半導体薄膜電極を提供することをその課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成するに至った。
【0008】
本発明によれば、下記に示す半導体薄膜電極、該電極を用いた光電変換素子及び該素子を用いた高性能な光電気化学太陽電池が提供される。
本発明によれば、下記に示す半導体薄膜電極、該電極を用いた光電変換素子及び該素子を用いた高性能な光電気化学太陽電池が提供される。
(1)有機色素の作用により増感する半導体薄膜電極において、末端にシアノ基及びCOOMにより置換されている炭素基を有する下記一般式(2)で表される有機色素をナノ粒子からなり、ナノポーラス構造を有する化合物半導体粒子表面に吸着させた状態とし、増感することを特徴とする半導体薄膜電極。
【化3】
(L1は、以下のa、b、c、又はdから選ばれる基である。
a −CH=又は―CH=CH−CH=から選ばれる基、
b −A−CH=からなる基(式中、Aはチオフェン環、フラン環又は水素原子若しくはメチル基により置換されているピロール環から選ばれる複素環化合物であり、又、2もしくは3個の複素環化合物が連なっていてもよく、又複素環化合物の末端にはベンゼン又はベンゾチアゾールが結合していてもよい。)で表される基、
c ―CH=CH−A−CH=C=からなる基(式中、Aはチオフェン環又はフラン環から選ばれる複素環化合物である。同一の2個の複素環化合物が連なっていてもよい。)で表される基、
d −A−CH=CH−B=(式中、Aはチオフェン環、Bはメチル置換されているピラン環からなる複素環化合物を表す。)で表される基。
R1〜R3及びR5は独立して水素原子又はメチル、エチル又はハロゲン化メチル基を示し、R6、R7は独立して水素原子、炭素数1から4のアルキル基を示し、場合によってはR1〜R3及びR5〜R7のうちいずれか又はどちらも隣接する2つは互いに結合して窒素を含む環を形成してもよい。
Mは水素原子又は水素置換されているピリジンである。)
(2)有機色素の作用により増感する半導体薄膜電極において、末端にシアノ基及びCOOMにより置換されている炭素基を有する下記一般式(4)で表される有機色素をナノ粒子からなり、ナノポーラス構造を有する化合物半導体粒子表面に吸着させた状態とし、増感することを特徴とする半導体薄膜電極。
【化4】
(式中、L2は、以下のa,b,c,d又はeから選ばれる基である。
a =CH−CH=、=CH−CH=CH−CH=又は=CH−CH=CH−CH=CH−CH=から選ばれる基、
b =CH=CH―A−CH=CH=、=CH=CH―A−A−CH=CH=、又は =CH=CH―A−A−A−CH=CH=(式中、Aはチオフェン環、又は水素原子若しくはメチル基で置換されているピロール環から選ばれる1種類又は2種類の複素環化合物である。)から選ばれる基、
c =CH=CH―A−CH=CH―A−CH=(式中、Aはチオフェン環からなる複素環化合物である。)からなる基、
d =CH=CH−CH=B=(式中、Bはシクロヘキシル基を表す。)からなる基。
R8〜R10、R12〜R13及びR15〜R17は独立して水素原子又は炭素数1から4のアルキル基を示し、R18〜R21は独立して水素原子又は炭素数1から4のアルキル基を示し、R8〜R10、R12〜R13及びR15〜R21のうちいずれか又はどちらも隣接する2つは互いに結合してNを含む環を形成してもよい。
Mは水素原子、トリブチルアミノ基又は水素置換されているピリジン基を表す。)
(3) 前記(1)〜(3)のいずれかに記載の半導体薄膜電極を用いることを特徴とする光電変換素子。
(4) 前記半導体薄膜電極からなる層の一方の面に接して導電性透明性酸化物半導体薄膜をコートした基板、もう一方の面に接してレッドクスイオン対を含む電解液からなる層、さらにその外側に導電性透明ガラス基板上に白金、ロジウム、ルテニウム、カーボン又は酸化物半導体から選ばれる化合物をコートした電極からなることを特徴とする前記(3)記載の光電変換素子。
(5)前記(4)記載の光電変換素子を用いることを特徴とする光電気化学太陽電池。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の参考例である一般式(1)を用いる場合は以下の通りである。
【化5】
前記一般式(1)において、L1はチオフェン環、フラン環及びピロール環の中から選ばれる少なくとも1種の複素環(以下、単に複素環Aとも言う)を含む電子伝達性連結基を示す。この場合の電子伝達性連結基とは、その連結基の一方の側の電子を他方の側へ伝達する作用を有する連結基を意味し、このような連結基は従来良く知られているものである。
この連結基には、複素環Aからなるものや、複素環Aと電子伝達性鎖(以下、単に鎖Bとも言う)とを組合せた構造のものや、複素環Aと鎖Bと電子伝達性環(以下、単に環Cとも言う)とを組合せた構造のもの、複素環Aと環Cとを組合せた構造のもの等が包含される。
【0010】
鎖Bには、不飽和結合を有する炭素鎖が包含される。このような鎖Bとしては、以下のものを示すことができる。
【化6】
【化7】
【化8】
【化9】
【0011】
前記式中、X1〜X4は水素原子又は置換基を示す。nは1〜6、好ましくは1〜3の数を示す。
【0012】
環Cには、単環及び多環が包含される。多環には、縮合多環及び鎖状多環が包含される。
また、環Cには炭素環及び複素環が包含される。炭素環には、芳香族炭素環及び脂肪族炭素環が包含される。複素環には、芳香族複素環及び脂肪族複素環が包含される。
前記単環において、その環構成元素は4〜8、好ましくは5〜6である。
前記縮合多環において、その単環の結合数は、2〜4、好ましくは2〜3である。
前記複素環は、その構成元素として、イオウ、酸素、窒素、セレン等のヘテロ原子を1つ又は複数(2〜3)含有する環状化合物である。
前記環Cは、炭素に結合し得る各種の置換基を有することができる。
【0013】
環Cの具体例としては、以下のものを例示することができる。芳香族炭素環として、ベンゼン環、ナフタレン環等を挙げることができる。脂肪族炭素環として、シクロブテン環、シクロブタン環、シクロペンテン環、シクロペンタン環、シクロヘキセン環、シクロヘキサン環等が挙げられる。
【0014】
芳香族複素環として、ピリジン環、キノキサリン環、プリン環、オキサゾール環、ベンゾオキサゾール環、ナフトオキサゾール環、チアゾール環、ベンゾチアゾール環、ナフトチアゾール環、セレナゾール環、ベンゾセレナゾール環、ナフトセレナゾール環、イミダゾール環、ベンゾイミダゾール環、ナフトイミダゾール環、キノリン環、キノキサリン環、プリン環、アクリジン環、フェナントロリン環等が挙げられる。
【0015】
脂肪族複素環として、ピラゾリン環、ピロリジン環、ピペリジン環、インドリン環、モルホリン環、ピラン環、イミダゾリジン環、チアゾリン環、イミダゾリン環、オキサゾリン環等が挙げられる。
【0016】
なお、環Cにおいて、その存在する構造異性体は限定されず、環Cは各種の構造異性体からなることができる。
【0017】
前記複素環Aを含む電子伝達性連結基L1の具体例を示すと、以下の通りである。
【0018】
(1)チオフェン環を含む連結基
この連結基としては、下記一般式(a1)で表されるものを示すことができる。
【化10】
前記式中、R1及びR2は水素原子又は置換基を示し、X1は水素原子又は置換基を示す。nは1〜6、好ましくは1〜3の整数を示す。
【0019】
(2)フラン環を含む連結基
この連結基としては、下記一般式(a2)で表されるものを示す。
【化11】
前記式中、R1及びR2は水素原子又は置換基を示す。X1は水素原子又は置換基を示す。nは1〜6、好ましくは1〜3の整数を示す。
【0020】
(3)ピロール環を含む連結基
この連結基としては、下記一般式(a3)で表されるものを示すことができる。
【化12】
前記式中、R1及びR2は水素原子又は置換基を示す。X1は水素原子又は置換基を示す。Xは水素原子又は置換基を有していてもよい炭化水素基を示す。
この場合の炭化水素基には、脂肪族炭化水素基及び芳香族炭化水素基が包含される。脂肪族炭化水素基において、その炭素数は1〜12、好ましくは1〜8である。脂肪族炭化水素基には、炭素数1〜12、好ましくは1〜8のアルキル基、炭素数3〜12、好ましくは4〜8のシクロアルキル基、炭素数2〜12、好ましくは2〜8のアルケニル基、炭素数3〜12、好ましくは4〜8のシクロアルケニル基が包含される。
芳香族炭化水素基において、その炭素数は6〜18、好ましくは6〜12である。芳香族炭化水素基には、炭素数6〜18、好ましくは6〜12のアリール基及び炭素数7〜18、好ましくは7〜12のアリールアルキル基が包含される。
【0021】
(4) チオフェン環、フラン環及びピロール環の中から選ばれる少なくとも2種の複素環Aを含む連結基
この連結基としては、下記一般式(a4)で表されるものを示すことができる。
【化13】
【0022】
前記式中、A1、A2、A3はチオフェン環、フラン環及びピロール環の中から選ばれる少なくとも1種からなる複素環Aを示し、それらのうちの少なくとも2つは相互に異なったものである。n、m、pは0〜6の整数を示すが、その少なくとも2つは1以上の整数を示す。n+m+pは2〜18、好ましくは2〜9、より好ましくは2〜6である。
【0023】
(5) 複素環Aとビニレン鎖を含む連結基
この連結基には、下記一般式(a5)〜(a7)で表されるものが包含される。
【化14】
【化15】
【化16】
前記式中、A1及びA2はチオフェン環、フラン環及びピロール環の中から選ばれる少なくとも1種からなる複素環Aを示し、X1、X2及びX3は水素原子又は置換基を示す。A1とA2とは同一又は異なっていてもよい。n及びmは1〜6、好ましくは1〜3の整数を示す。n+mは2〜12、好ましくは2〜6である。qは1〜6、好ましくは1〜3の整数である。
【0024】
(6) 複素環Aと他の環Cを含む連結基
この連結基としては、下記一般式で表されるものを示すことができる。
【0025】
【化17】
【化18】
【化19】
【化20】
【化21】
【化22】
【化23】
【化24】
【0026】
前記式中、A1はチオフェン環、フラン環及びピロール環の中から選ばれる少なくとも1種からなる複素環Aを示す。C1は複素環A以外の環を示す。n及びmは1〜6、好ましくは1〜3の整数を示す。qは1〜6、好ましくは1〜3の整数を示す。X1〜X3は水素原子又は置換基を示す。Y1は環Yを与える連結鎖を示す。
連結鎖Y1は、炭素原子及び/又はヘテロ原子からなることができる。環Yは、5〜8員環、好ましくは5〜6員環の炭素環又は複素環からなる。また、環Yは、該環Yに結合可能な各種の置換基を有していてもよい。
【0027】
前記電子伝達性連結基L1に関連して示した置換基には、炭化水素基(R−)、炭化水素オキシ基(RO−)、アシル基(RCO−)、炭化水素オキシカルボニル基(ROCO−)、アシロキシ基(RCOO−)、炭化水素チオ基(RS−)、炭化水素置換アミノ基(RNH−、RNR−)の他、ハロゲン原子(塩素、臭素、ヨウ素、フッ素)、水酸基、カルボキシル基、チオール基、アミノ基、シアノ基、ニトロ基等が包含される。
【0028】
前記炭化水素基(R−)及び炭化水素含有基(RO−、RCO−、ROCO−、RCOO−、R−S−、R−NH−等)における炭化水素基(R−)には、炭素数1〜18、好ましくは1〜12、より好ましくは1〜8の各種の炭化水素基が包含される。このようなものには、炭素数1〜18、好ましくは1〜12、より好ましくは1〜8のアルキル基(メチル、エチル、プロピル、ブチチル、アミル、ヘキシル、オクチル等)、炭素数2〜18、好ましくは2〜12、より好ましくは2〜8のアルケニル基(ビニル、プロペニル、へキセニル、オクチニル等)、炭素数3〜18、好ましくは4〜12、より好ましくは5〜8のシクロアルキル及びシクロアルケニル基(シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロオクチル、シクロヘキセニル等)等の脂肪族炭化水素基の他、炭素数6〜18、好ましくは6〜12のアリール基(フェニル、o−トリル、p−クメニル、ナフチル、ビフェニリル等)、炭素数7〜18、好ましくは7〜12のアリールアルキル基(ベンジル、フェネチル、ナフチルメチル等)等の芳香族炭化水素基が包含される。これらの炭化水素基は、前記した如き置換基を有することができる。
【0029】
前記置換基において、炭化水素オキシ基(RO−)としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペンチルオキシ、ベンジルオキシ、フェノキシ等が挙げられる。アシル基(RCO−)としては、アセチル、プロピオニル、ヘキシルカルボニル、ベンゾイル等が挙げられる。炭化水素オキシカルボニル基(ROCO−)としては、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、フェノキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル等が挙げられる。アシロキシ基(RCOO−)としては、アセチルオキシ、ヘキシルカルボニルオキシ、ベンゾイルオキシ、フェニルカルボニルオキシ等が挙げられる。炭化水素チオ基(RS−)としては、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、ヘキシルチオ、オクチルチオ、フェニルチオ、ベンジルチオ、ナフチルチオ等が挙げられる。置換アミノ基(RNH−、RNR−)としては、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、ヘキシルアミノ、オクチルアミノ、フェニルアミノ、ベンジルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジプロピルアミノ、ジフェニルアミノ、メチルエチルアミノ、メチルヘキシルアミノ、メチルベンジルアミノ等が挙げられる。
【0030】
前記一般式(1)において、R1〜R5は水素原子又は置換基であるが、この場合の置換基及びその具体例としては、電子伝達性連結基L1に関連して前記で示した各種の置換基及びその具体例を示すことができる。
【0031】
前記一般式(1)において、R1〜R5のうち隣接する2つは互に結合して環を形成することができるが、この場合の環には、環構成元素が4〜10、好ましくは5〜8の炭素環の他、環構成元素が4〜8、好ましくは5〜6の複素環等が包含される。この場合の複素環には、イオウ、酸素、窒素、セレン等のヘテロ原子の少なくとも1種を環構成元素として含むものが包含される。
R1〜R5のうちの隣接する2つの基の組み合せを示すと、R1とR2、R2とR3、R3とR4、R4とR5の組合せを示すことができる。
【0032】
前記一般式(1)において、Mは水素原子又は塩形成性陽イオン(カチオン)を示すが、この場合の塩形成性陽イオンには、リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属や、カルシウム、マグネシウム、ストロンチウム等のアルカリ土類金属、その他の金属から誘導されたカチオンの他、アンモニウムカチオン、アミン由来の有機アンモニウムカチオン等が包含される。
前記アンモニウムカチオンは、下記一般式(7)で表すことができる。
【化25】
前記式中、A1〜A4は水素原子又は炭素数1〜22、好ましくは1〜12のアルキル基もしくはアルケニル基を示すが、その少なくとも1つはアルキル基もしくはアルケニル基である。
【0033】
(1) 有機色素の作用により増感する半導体薄膜電極において、末端にシアノ基及びCOOMにより置換されている炭素基を有する下記一般式(2)で表される有機色素をナノ粒子からなり、ナノポーラス構造を有する化合物半導体粒子表面に吸着させた状態とし、増感することを特徴とする半導体薄膜電極。
【化26】
(L1は、以下のb、c、又はdから選ばれる基である。
b −A−CH=からなる基(式中、Aはチオフェン環、フラン環又は水素原子若しくはメチル基により置換されているピロール環から選ばれる複素環化合物であり、又、2もしくは3個の複素環化合物が連なっていてもよく、又複素環化合物の末端にはベンゼン又はベンゾチアゾールが結合していてもよい。)で表される基、
c ―CH=CH−A−CH=からなる基(式中、Aはチオフェン環又はフラン環から選ばれる複素環化合物である。同一の2個の複素環化合物が連なっていてもよい。)で表される基、
d −A−CH=CH−B=(式中、Aはチオフェン環、Bはメチル置換されているピラン環からなる複素環化合物を表す。)で表される基。
R1〜R3及びR5は独立して水素原子又はメチル、エチル又はハロゲン化メチル基を示し、R6、R7は独立して水素原子、炭素数1から4のアルキル基を示し、場合によってはR1〜R3及びR5〜R7のうちいずれか又はどちらも隣接する2つは互いに結合して窒素を含む環を形成してもよい。
Mは水素原子又は水素置換されているピリジンである。)
【0034】
前記一般式(2)において、R1〜R3及びR5は水素原子又は置換基を示すが、この場合の置換基の種類及びその具体例としては、前記一般式(1)に関連して示したものを挙げることができる。
【0035】
前記一般式(2)において、R6、R7は水素原子又は置換基を有していてもよい炭化水素基を示す。
この場合の炭化水素基には、脂肪族炭化水素基及び芳香族炭化水素基が包含される。脂肪族炭化水素基において、その炭素数は1〜18、好ましくは1〜12、より好ましくは1〜8である。脂肪族炭化水素基の具体例には、炭素数1〜18、好ましくは1〜12、より好ましくは1〜8のアルキル基、炭素数3〜12、好ましくは4〜12、より好ましくは5〜8のシクロアルキル基、炭素数2〜18、好ましくは2〜12、より好ましくは2〜8のアルケニル基、炭素数3〜12、好ましくは4〜12、より好ましくは5〜8のシクロアルケニル基が包含される。
【0036】
芳香族炭化水素基において、その炭素数は、6〜18、好ましくは6〜12である。芳香族炭化水素基の具体例には、炭素数6〜18、好ましくは6〜12のアリール基及び炭素数7〜18、好ましくは7〜12のアリールアルキル基が包含される。
【0037】
前記一般式(2)において、R1〜R3及びR5〜R7のうち隣接する2つは互に結合して環を形成することができるが、この場合の環には、環構成元素が4〜10、好ましくは5〜8の炭素環の他、環構成元素が4〜8、好ましくは5〜6の複素環等が包含される。この場合の複素環には、イオウ、酸素、窒素、セレン等のヘテロ原子を少なくとも1種を環構成元素として含むものが包含される。R1〜R3及びR5〜R7のうちの隣接する2つの基の組合せを示すと、R1とR2、R2とR3、R3とR6、R6とR7、R7とR5の組合せを示すことができる。
【0038】
前記一般式(2)において、Mは水素原子又は塩形成性陽イオン(カチオン)を示すが、この場合の塩形成性陽イオンの具体例としては、前記一般式(1)に関連して示したものを挙げることができる。
【0039】
以下に示される一般式(3)で示される場合は参考例である。
一般式(3)において
【化27】
(式中、L2は、以下のa,b,c,d,e,又はfのいずれから選ばれる基である。
a =CH−CH=、=CH−CH=CH−CH=、又は=CH−CH=CH−CH=CH−CH=から選ばれる基、
b =CH−CH=CH−CH=、CH−CH=CH−CH=CH−CH=、又はCH−CH=CH−CH=CH−CH=CH−CH=から選ばれる基
c =CH―A−CH=、=CH―A−A−CH=、又は=CH―A−A−A−CH=(式中、Aはチオフェン環、フラン環複素環化合物である。)から選ばれる基、
d =CH―A1−A2−CH=、=CH―A1−A2−CH=、(式中、A1、A2はチオフェン環、フラン環又は水素原子若しくはメチル基により置換されているピロール環から選ばれる2種類の複素環化合物である。)から選ばれる基、
e =CH―A−CH=、=CH―A−A−CH=、又は=CH―A−A−A−CH=(式中、Aはチオフェン環、フラン環又は水素原子若しくはメチル基により置換されているピロール環から選ばれる1種類の複素環化合物である。)から選ばれる基、
f =CH−A1−CH=CH−A2−CH=(式中、A1、A2はチオフェン環、フラン環又は水素原子若しくはメチル基により置換されているピロール環から選ばれる2種類の複素環化合物である。)からなる基。
R8〜R17は独立して水素原子又は炭素数1から4のアルキル基を示し、R8〜R17のうち隣接する2つは互いに結合して隣接する2つは互いに結合して窒素を含む環を形成してもよい。 Mは水素原子又は塩形成性陽イオンを示す。)
Mは水素原子又は塩形成性陽イオンを示す。)
【0040】
(1)炭素鎖Bからなる連結基
この連結基には、下記一般式(d1)〜(d2)で表されるものが包含される。
【化28】
前記式中、X1及びX2は水素原子又は置換基を示し、qは1〜6、好ましくは1〜3の整数を示す。
【化29】
前記式中、X1〜X4は水素原子又は置換基を示し、qは1〜6、好ましくは1〜3の整数を示す。
【0041】
(2) 複素環A及び/又は環Cと炭素鎖Bとからなる連結基
この連結基には、下記一般式(d3)〜(d17)で表されるものが包含される。
【化30】
【化31】
【化32】
【化33】
【化34】
【化35】
【化36】
【化37】
【化38】
【化39】
【化40】
【化41】
【化42】
【化43】
【化44】
【0042】
前記式中、A1及びA2はチオフェン環、フラン環及びピロール環の中から選ばれる少なくとも1種からなる複素環Aを示す。C1は複素環A以外の環を示す。n及びmは1〜6、好ましくは1〜3の整数を示す。qは1〜6、好ましくは1〜3の整数を示す。X1〜X4は水素原子又は置換基を示す。Y1は環Yを与える連結鎖を示す。
連結鎖Y1は、炭素原子及び/又はヘテロ原子からなることができる。環Yは、5〜8員環、好ましくは5〜6員環からなる。環Yにはそれに結合可能な各種の置換基を有していてもよい。
【0043】
(3) 環Cからなる連結基
この連結基には、下記一般式(d18)のものが包含される。
【化45】
前記式中、Y1は環Yを与える連結鎖を示す。Y1及びYは前記と同じ意味を有する。
【0044】
前記一般式(3)において、R8〜R17は水素原子又は置換基であるが、この場合の置換基及びその具体例としては、電子伝達性連結基L1に関連して前記で示した各種の置換基及びその具体例を示すことができる。
【0045】
前記一般式(3)において、R8〜R17のうち隣接する2つは互に結合して環を形成することができるが、この場合の環には、環構成元素が4〜10、好ましくは5〜8の炭素環の他、環構成元素が4〜8、好ましくは5〜6の複素環等が包含される。この場合の複素環には、イオウ、酸素、窒素、セレン等のヘテロ原子の少なくとも1種を環構成元素として含むものが包含される。
R8〜R17のうちの隣接する2つの基の組み合せを示すと、R8とR9、R9とR10、R10とR11、R11とR12、R12とR13、R13とR14、R14とR15、R15とR16、R16とR17の組合せを示すことができる。
【0046】
前記一般式(3)において、Mは水素原子又は塩形成性陽イオン(カチオン)を示すが、この場合の塩形成性陽イオンの具体例としては、前記一般式(1)に関連して示したものを挙げることができる。
【0047】
有機色素の作用により増感する半導体薄膜電極において、末端にシアノ基及びCOOMにより置換されている炭素基を有する下記一般式(4)で表される有機色素をナノ粒子からなり、ナノポーラス構造を有する化合物半導体粒子表面に吸着させた状態とし、増感することを特徴とする半導体薄膜電極。
【化46】
(式中、L2は、以下のa,b,c,d又はeから選ばれる基である。
a =CH−CH=、=CH−CH=CH−CH=又は=CH−CH=CH−CH=CH−CH=から選ばれる基、
b =CH=CH―A−CH=CH=、=CH=CH―A−A−CH=CH=、又は =CH=CH―A−A−A−CH=CH=(式中、Aはチオフェン環、又は水素原子若しくはメチル基で置換されているピロール環から選ばれる1種類又は2種類の複素環化合物である。)から選ばれる基、
c =CH=CH―A−CH=CH―A−CH=(式中、Aはチオフェン環からなる複素環化合物である。)からなる基、
d =CH=CH−CH=B=(式中、Bはシクロヘキシル基を表す。)からなる基。
R8〜R10、R12〜R13及びR15〜R17は独立して水素原子又は炭素数1から4のアルキル基を示し、R18〜R21は独立して水素原子又は炭素数1から4のアルキル基を示し、R8〜R10、R12〜R13及びR15〜R21のうちいずれか又はどちらも隣接する2つは互いに結合してNを含む環を形成してもよい。
Mは水素原子、トリブチルアミノ基又は水素置換されているピリジン基を表す。)
【0048】
前記一般式(4)において、R8〜R10、R12〜R13及びR15〜R21は水素原子又は置換基を示すが、この場合の置換基の種類及び具体例については、前記一般式(1)に関連して示したものを挙げることができる。
【0049】
前記一般式(4)において、R18〜R21は、水素原子又は置換基を有していてもよい炭化水素基を示すが、この場合の置換基を有していてもよい炭化水素基の種類及び具体例については、前記一般式(2)に関連して示したものを挙げることができる。
【0050】
前記一般式(4)において、R8〜R10、R12〜R13及びR15〜R21のうち隣接する2つは互に結合して環を形成することができるが、この場合の環には、環構成元素が4〜10、好ましくは5〜8の炭素環の他、環構成元素が4〜8、好ましくは5〜6の複素環等が包含される。この場合の複素環には、イオウ、酸素、窒素、セレン等のヘテロ原子の少なくとも1種を環構成元素として含むものが包含される。
R8〜R10、R12〜R13及びR15〜R21のうちの隣接する2つの基の組み合せを示すと、R8とR9、R9とR10、R10とR18、R18とR19、R19とR12、R12とR13、R13とR20、R20とR21、R21とR15、R15とR16、R16とR17の組合せを示すことができる。
【0051】
前記一般式(4)において、Mは水素原子又は塩形成性陽イオン(カチオン)を示すが、この場合の塩形成性陽イオンの具体例としては、前記一般式(1)において示したものを挙げることができる。
【0052】
前記一般式(5)(参考例である)において、L2は電子伝達性連結基を示すが、この連結基の種類及びその具体例については、前記一般式(3)に関連して示したものを挙げることができる。
【化47】
(式中、L2は電子伝達性連結基を示し、R22〜R27は独立して水素原子又は置換基を示し、R22〜R27のうち隣接する2つは互いに結合して環を形成してもよく、Mは水素原子又は塩形成性陽イオンを示す)
【0053】
前記一般式(5)において、R22〜R27は水素原子又は置換基を示すが、この場合の置換基の種類及び具体例については、前記一般式(1)に関連して示したものを挙げることができる。
【0054】
前記一般式(5)において、R22〜R27のうち隣接する2つは互に結合して環を形成することができるが、この場合の環には、環構成元素が4〜10、好ましくは5〜8の炭素環の他、環構成元素が4〜8、好ましくは5〜6の複素環等が包含される。この場合の複素環には、イオウ、酸素、窒素、セレン等のヘテロ原子の少なくとも1種を環構成元素として含むものが包含される。
R22〜R27のうちの隣接する2つの基の組合せを示すと、R22とR23、R23とR24、R24とR25、R25とR26、R26とR27の組合せを示すことができる。
【0055】
前記一般式(5)において、Mは水素原子又は塩形成性陽イオン(カチオン)を示すが、この場合の塩形成性陽イオンの具体例としては、前記一般式(1)において示したものを挙げることができる。
【0056】
一般式(6)(参考例である)において、
【化48】
L2は電子伝達性連結基を示すが、この連結基の種類及びその具体例については、前記一般式(3)に関連して示したものを挙げることができる。
【0057】
前記一般式(6)において、R22〜R23及びR25〜R27は水素原子又は置換基を示すが、この場合の置換基の種類及び具体例については、前記一般式(1)に関連して示したものを挙げることができる。
【0058】
前記一般式(6)において、R28、R29は、水素原子又は置換基を有していてもよい炭化水素基を示すが、この場合の置換基を有していてもよい炭化水素基の種類及び具体例については、前記一般式(2)に関連して示したものを挙げることができる。
【0059】
前記一般式(6)において、R22〜R23及びR25〜R29のうち隣接する2つは互に結合して環を形成することができるが、この場合の環には、環構成元素が4〜10、好ましくは5〜8の炭素環の他、環構成元素が4〜8、好ましくは5〜6の複素環等が包含される。この場合の複素環には、イオウ、酸素、窒素、セレン等のヘテロ原子の少なくとも1種を環構成元素として含むものが包含される。
R22〜R23及びR25〜R29のうちの隣接する2つの基の組み合せを示すと、R22とR23、R23とR28、R28とR29、R29とR25、R25とR26、R26とR27の組合せを示すことができる。
【0060】
前記一般式(6)において、Mは水素原子又は塩形成性陽イオン(カチオン)を示すが、この場合の塩形成性陽イオンの具体例としては、前記一般式(1)に関連して示したものを挙げることができる。
【0061】
次に、前記一般式(1)〜(6)で表される化合物(有機色素)の具体例を以下に示すが、本発明は、これらに限定されない。
【化49】
【化50】
【化51】
【化52】
【化53】
【化54】
【化55】
【化56】
【化57】
【化58】
【化59】
【化60】
【化61】
【化62】
【化63】
【化64】
【化65】
【化67】
【化68】
【化70】
【化71】
【化72】
【化73】
【化74】
【化75】
【化76】
【化77】
【化78】
【化79】
【化80】
【化80】
【化81】
【化82】
【化83】
【化84】
【化85】
【化86】
【化87】
【化88】
【化89】
【化90】
【化91】
【化92】
【化93】
【化94】
【化95】
【化96】
【0062】
【表1】
本発明による前記一般式(1)の化合物(参考例)は、その前駆体として下記一般式(1’)のカルボニル化合物を用い、通常これにシアノ酢酸を反応させることにより得ることができるがこれに限定するものではない。
【化97】
前記式中、R1〜R6は前記と同じ意味を有する。L1’は前記L1において、その末端がシアノ酢酸との反応性を有するカルボニル基(−C=O)に形成されている基を示す。
【0063】
本発明による前記一般式(2)の化合物は、その前駆体として下記一般式(2’)のカルボニル化合物を用い、通常これにシアノ酢酸を反応させることにより得ることができるが、これに限定するものではない。
【化98】
前記式中、R1〜R3及びR5〜R7は前記と同じ意味を有する。L1’は前記L1において、その末端がシアノ酢酸との反応性を有するカルボニル基(−C=O)に形成されている基を示す。
【0064】
本発明による前記一般式(3)の化合物は、その前駆体として下記一般式(3’)のカルボニル化合物を用い、通常これにシアノ酢酸を反応させることにより得ることができるが、これに限定するものではない。
【化99】
前記式中、R8〜R17は前記と同じ意味を有する。L2’は前記L2において、その末端がシアノ酢酸との反応性を有するカルボニル基(−C=O)に形成されている基を示す。
【0065】
本発明による前記一般式(4)の化合物は、その前駆体として下記一般式(4’)のカルボニル化合物を用い、通常これにシアノ酢酸を反応させることにより得ることができるが、これに限定するものではない。
【化100】
前記式中、R8〜R10、R12〜R13及びR15〜R21は前記と同じ意味を有する。L2’は前記L2において、その末端がシアノ酢酸との反応性を有するカルボニル基(−C=O)に形成されている基を示す。
【0066】
本発明による前記一般式(5)の化合物(参考例)は、その前駆体として下記一般式(5’)のカルボニル化合物を用い、通常これにシアノ酢酸を反応させることにより得ることができるが、これに限定するものではない。
【化101】
前記式中、R22〜R27は前記と同じ意味を有する。L2’は前記L2において、その末端がシアノ酢酸との反応性を有するカルボニル基(−C=O)に形成されている基を示す。
【0067】
本発明による前記一般式(6)の化合物(参考例)は、その前駆体として下記一般式(6’)のカルボニル化合物を用い、通常これにシアノ酢酸を反応させることにより得ることができるがこれに限定するものではない。
【化102】
前記式中、R22〜R23及びR25〜R29は前記と同じ意味を有する。L2’は前記L2において、その末端がシアノ酢酸との反応性を有するカルボニル基(−C=O)に形成されている基を示す。
【0068】
前記一般式(1’)〜(6’)の化合物は、そのL1’及びL2’の具体的構造に応じて、適宜の原料化合物を用い、従来公知の方法により合成することができる。一般的には、そのL1’及びL2’から、その末端に結合するカルボニル基を除いた末端構造を有する化合物を作り、これに対して、通常Vilsmeier試薬を反応させることによって得ることができる。
【0069】
本発明で用いられる半導体薄膜電極の基板は、フッ素あるいはアンチモンドープの酸化スズ(NESA)、スズドープの酸化インジウム(ITO)、酸化亜鉛などの導電性透明酸化物半導体薄膜をコートしたガラスあるいはプラスチック基板である。好ましくは、フッ素ドープの酸化スズ薄膜コートガラスである。
【0070】
本発明で用いられる半導体薄膜電極は、ナノ粒子から成りナノポーラス構造を有する化合物半導体から成る。用いられる材料は、例えば、TiO2、ZnO、In2O3、SnO2、Bi2O3、ZrO2、Ta2O5、Nb2O5、WO3、Fe2O3、Ga2O3、SrTiO3などの金属酸化物および複合酸化物、AgI、AgBr、CuI、CuBrなどの金属ハロゲン化物、さらに、ZnS、TiS2、In2S3、Bi2S3、CdS、ZrS2、TaS2、Ag2S、Cu2S、SnS2、WS2、MoS2などの金属硫化物、CdSe、CdTe、ZrSe2、ZeSe、TiSe2、Bi2Se3、In2Se3、WSe2、WTe2、MoSe2、MoTe2などの金属セレン化物ならびにテルル化物などを挙げることができる。好ましくは、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズなどの酸化物半導体材料である。
【0071】
たとえば、酸化チタン粒子は、P25(Degussa、あるいは日本エアロジル)やST−01(石原産業)といった市販のものを用いても良いし、J.Am.Ceram.Soc.,1997,80,3157−3171に記載されているように、ゾル・ゲル法によりチタンアルコキシドなどから加水分解、オートクレービングなどを経て得られた結晶性の酸化チタン粒子を用いても良い。好ましくは、チタンアルコキシドからゾル・ゲル法により得られた酸化チタン粒子である。
【0072】
前記半導体薄膜を構成する半導体ナノ粒子の粒子径は、8〜500nm、好ましくは、10〜300nmである。
【0073】
例えば、酸化物半導体薄膜電極を作成する方法には、以下のような方法があるが、それらに限定されない。酸化物半導体ナノ粒子を、水、ポリエチレングリコールなどのポリマー、界面活性剤などとよく混合、スラリーとし、ドクターブレード法と呼ばれる方法により前記の基板上に塗布する。また、バインダーであるポリマーと有機溶媒と混合し、それをスクリーン印刷法により基板上に塗布しても良い。酸化物半導体を塗布した基板を、空気中あるいは酸素中で450〜500℃程度で焼成することにより、酸化物半導体薄膜電極が得られる。
前記半導体薄膜電極の膜厚は、通常、2〜100μmであり、好ましくは、8〜20μmである。
【0074】
有機色素増感剤の半導体微粒子表面上への吸着は、色素溶液中に半導体薄膜を浸し、室温で5時間以上放置、あるいは加熱条件下で1時間から2時間放置することによりおこなう。好ましくは、室温で12時間以上放置する方法である。
【0075】
前記色素吸着溶媒は、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、t−ブタノール、n−ブタノールなどのアルコール溶媒、クロロホルム、アセトン、アセトニトリル、テトラヒドロフランなどの有機溶媒、ならびに、それらの混合溶媒である。好ましくは、エタノール、クロロホルム、t−ブタノール−アセトニトリル混合溶媒である。
【0076】
前記色素溶液の濃度は、通常、0.05〜0.5mMであり、好ましくは、0.2〜0.3mMである。
【0077】
前記色素吸着の際には、半導体電極上での色素同士の会合を防ぎ、効率よく電子注入がおこるようにするために、コール酸、デオキシコール酸、ケノデオキシコール酸、タウロケノデオキシコール酸、リソコール酸、ウルソデオキシコール酸、デヒドロコール酸などのコール酸誘導体やそのナトリウム塩、トリトンXなどの界面活性剤、さらにグルコースなどを色素溶液中に溶解し、色素と共吸着させても良い。共吸着体の色素溶液中の濃度は、通常、2〜100mM、好ましくは、5〜20mMである。
【0078】
本発明の色素増感型光電変換素子ならびに光電気化学太陽電池に用いられる電解液には、レドックスイオン対が含まれる。レドックスイオン対は、I−/I3 −、Br−/Br2、Fe2+/Fe3+、Sn2+/Sn4+、Cr2+/Cr3+、V2+/V3+、S2−/S2 2−、アントラキノンなどである。電解質としては、ヨウ素レドックスの場合では、これらのイオンを含むイミダゾリウム誘導体(ヨウ化ジメチルプロピルイミダゾリウムなど)、ヨウ化リチウム、ヨウ化カリウム、ヨウ化テトラアルキルアンモニウム塩とヨウ素の混合物、臭素レドックスの場合では、これらのイオンを含む臭化リチウム、臭化カリウム、臭化テトラアルキルアンモニウムおよび臭素の混合物を用いる。好ましくは、ヨウ素レドックスのヨウ化リチウム、テトラアルキルアンモニウムやヨウ化イミダゾリウム誘導体である。
【0079】
前記レドックス電解質の濃度は、通常0.05〜1M、好ましくは、0.1〜0.5Mである。
【0080】
前記レドックス電解質を溶解する電解液溶媒は、メタノール、エタノール、イソプロパノールなどのアルコール系溶媒、アセトニトリル、メトキシアセトニトリル、プロピオニトリル、メトキシプロピオニトリルなどのニトリル系溶媒、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネートなどのカーボネート系溶媒、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、ニトロメタン、n−メチルピロリドンなどの有機溶媒、あるいはそれらの混合溶媒である。好ましくは、ニトリル系溶媒である。
【0081】
本発明の光電変換素子ならび光電気化学太陽電池に用いるレドックス電解液には、光電変換特性向上のために、t−ブチルピリジンなどのピリジン誘導体といった塩基性添加物を加えても良い。その際の添加物の電解液中の濃度は、通常、0.05〜1M、好ましくは、0.1〜0.5Mである。
【0082】
本発明の光電変換素子ならび光電気化学太陽電池に用いるレドックス電解液の代わりに、溶媒を含まないヨウ化1−エチル−3−メチルイミダゾリウム、ヨウ化1−n−プロピル−3−メチルイミダゾリウム、ヨウ化1−n−ブチル−3−メチルイミダゾリウム、ヨウ化1−n−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウムなどの常温溶融塩であるイミダゾリウム誘導体のヨウ化物とヨウ素との混合物を用いても良い。
【0083】
前記において、電荷質溶液の代わりに常温溶融塩電解質を用いる場合は、Chem.Commun.,2002,374−375等に用いられる各種ゲル化剤を用いて電解質を擬固体化しても良い。
【0084】
本発明の光電変換素子ならび光電気化学太陽電池に用いるレドックス電解液の代わりに、J.Photochem.Photobiol.A:Chem.,1998,117,137−142等で用いられるヨウ化銅、臭化銅、チオシアン化銅などの無機のp−型半導体ホール輸送材料、あるいは、Nature,1998,395,583−585で用いられる2,2’,7,7’−テトラキス(N,N−ジ−p−メトキシフェニルアミン)9,9’−スピロビフルオレンやポリピロール(Sol.Energy Mater.Sol.Cells,1998,55,113−125)、ポリチオフェンなどの有機ホール輸送材料を用いても良い。
【0085】
本発明の光電変換素子ならび光電気化学太陽電池に用いる対極は、導電性透明ガラス基板上に薄膜状にコートした白金、ロジウム、ルテニウム、カーボン、あるいは酸化物半導体電極などである。好ましくは、白金あるいはカーボン電極である。
【0086】
本発明の光電変換素子ならびに光電気化学太陽電池に用いるスペーサーは、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンビニルアセテートなどのポリマーフィルムであり、その膜厚は、通常、15〜120μm、好ましくは15〜30μmである。
【0087】
次に本発明を参考例及び実施例により詳述する。なお、No.48〜No.67の化合物は、後記において具体的に示されている。
【0088】
参考例1
No.48で表される4−ジメチルアミノシンナムアルデヒド5gとシアノ酢酸3.7gをアセトニトリル中で、加熱し45℃にて完溶させ、ピペリジン0.9mlを滴下後、加熱環流1時間反応させた後、冷却し、析出した結晶を濾取する。得られた粗結晶をメタノール中で室温下分散させながらトリエチルアミン4.85ml加え、溶解させた後、酢酸4.0ml加え、結晶を析出させ濾取する。得られた粗結晶はメタノール中で10分間加熱環流し、熱時濾取し、No.28で表される紫色結晶を1.5g得た。結晶の一部をとり、常法により融点を測定したところ221乃至223℃であった。メタノ−ル溶液中の可視吸収スペクトルでは453nmに吸収極大が観察された。重N、N−ジメチルホルムアミド(以下重DMFと略記する)中での1H−NMRスペクトルは以下の通りである。
δ(TMS、ppm)3.07(12H,s)、6.81(2H,d)、7.04(1H,dd)、7.55(1H,d)、7.61(2H,d)、8.05(1H,d)
【0089】
参考例2
N,N−ジメチルホルムアミド(以下DMFと略記する)200mlを冷却下、オキシ塩化リン42mlを滴下(5〜10℃)した後、室温で1時間反応させVilsmeier試薬を合成する。No.49で表されるエチレン誘導体100gをDMF中、36℃にて溶解し上記のVilsmeier試薬を1時間で滴下する(36〜45℃)。その後反応温度50℃で1.5時間反応させた後、氷水中に反応液を注加し水酸化ナトリウム水溶液で中和し、析出した結晶を濾取する。得られた結晶をベンゼンで溶解させ、水洗後、硫酸マグネシウムにて乾燥、濾過後溶媒を減圧留去し、メタノールにて再結晶を行い、No.50で表される中間体を66g得た。
No.50の中間体を5.0gとシアノ酢酸2.17gをアセトニトリル中、60℃にて完溶させ、ピペリジン0.5mlを滴下し、加熱還流下1.5時間反応させた。冷却し析出した結晶を濾取した。得られた粗結晶をクロロホルム:メタノール=1:1の混合液で加熱完溶し濾過後、溶媒を25ml加熱留去し、冷却後析出した結晶を濾取し、No.35で表される赤紫色結晶を0.9g得た。結晶の一部をとり、常法により融点を測定したところ205乃至208℃であった。メタノ−ル溶液中の可視吸収スペクトルでは450nmに吸収極大が観察された。重クロロホルム中での1H−NMRスペクトルは以下の通りである。
δ(TMS、ppm)3.05(6H,s)、3.06(6H,s)6.65(2H,d)、6.73(2H,d)、7.01(1H,d)、7.13(2H,d)、7.36(2H,d)、8.00(1H,d)
【0090】
参考例3
参考例2で合成したNo.50の中間体を15gとメチルトリフェニルホスホニウム=ヨ−ジド 30.9gをDMF165mに溶解し、20℃にて28%ナトリウムメチラート溶液を15.6ml滴下した。その後、60℃で2時間反応させた。反応終了後、氷水中に反応液を注加し、析出した結晶を濾取した。得られた粗結晶30gを酢酸エチルで溶解させ、水洗後、硫酸マグネシウムにて乾燥、濾過後溶媒を減圧留去し、No.51で表される中間体を28g得た。
DMF45mlを冷却下、オキシ塩化リン14.2mlを滴下(5〜10℃)した後、室温で1時間反応しVilsmeier試薬を合成した。No.51で表される中間体28gのDMF溶液に上記のVilsmeier試薬を1時間で滴下した(4〜12℃)。その後室温にて1.5時間反応させ、さらに50℃で1時間反応させた。反応終了後、氷水中に反応液を注加し、水酸化ナトリウム水溶液で中和し、析出した結晶を濾取した。得られた結晶を酢酸エチルで溶解させ、水洗後、硫酸マグネシウムにて乾燥し、濾過後溶媒を減圧留去した。得られたオイル成分27.3gをシリカゲルカラムにて精製した後、アセトニトリルで再結晶し、No.52で表される中間体を3.88g得た。
No.52で表される中間体3gとシアノ酢酸1.59gをアセトニトリル中、60℃にて加熱完溶させ、ピペリジン2.8mlを滴下後加熱還流20分反応させた。冷却下酢酸3.2ml加え結晶化させ、濾取した。得られた粗結晶3.4gをアセトニトリル68mlで室温分散化、15%メタノール−塩酸溶液7.34mlを滴下し十分撹拌後濾取し、得られた結晶をアセトニトリル中トリエチルアミン9.8mlを加え完溶させ攪拌下、酢酸6.2ml滴下し析出した結晶を濾取した。得られた結晶1.37gを酢酸で室温分散後濾取し、さらにアセトンで加熱還流させた後熱時濾取し、No.39で表される黒紫色結晶を1g得た。結晶の一部をとり、常法により融点を測定したところ218乃至220℃であった。メタノ−ル溶液中の可視吸収スペクトルでは458nmに吸収極大が観察された。重DMF中での1H−NMRスペクトルは以下の通りである。
δ(TMS、ppm)3.01(6H,s)、3.03(6H,s)、6.75(2H,d)、6.82−6.85(3H,m)、7.01(1H,d)、7.12(2H,d)、7.24−7.31(1H,m)、7.32(2H,d)、7.92(1H,d)
【0091】
参考例4
No.53で表される2−ブロモメチルチオフェンを41.05gと亜リン酸トリエチル43gを油浴80℃にて19.5時間反応させ、その後減圧蒸留にてNo.54の液状試薬46.92gを得た。
No.55で表されるケトン誘導体32gとt−ブトキシカリウム16.06gをテトラヒドロフラン(以下THFと略記する)中44℃で分散下、No.54で表される試薬33.52gのTHF溶液を滴下後、内温70℃で23時間反応させた。反応液を水に注加し、クロロホルムで抽出し、水洗後、硫酸マグネシウムにて乾燥し、濾過後溶媒を減圧留去した。得られた粗結晶46.35gをシリカゲルカラム精製し、No.56で表される中間体を28g得た。
DMF63mlを冷却下、オキシ塩化リン20mlを滴下(5〜10℃)した後、室温で30分反応させVilsmeier試薬を合成した。No.56で表される中間体25gのDMF溶液に上記のVilsmeier試薬を1時間で滴下(4〜12℃)。その後室温にて5時間反応させ、氷水中に反応液を注加し、水酸化ナトリウム水溶液で中和し析出した結晶を濾取した。得られた結晶を酢酸エチルで溶解させ、水洗後、硫酸マグネシウムにて乾燥し、濾過後溶媒を減圧留去した。得られたオイル成分39.7gをシリカゲルカラム精製した後、アセトニトリルで再結晶し、No.57で表される中間体を4.8g得た。
No.57で表される中間体3gとシアノ酢酸1.02gをアセトニトリル中、60℃にて完溶させ、ピペリジン0.93mlを滴下後加熱還流5.5時間反応させた。冷却後析出した結晶を濾取した。得られた粗結晶3.89gをシリカゲルカラム精製した後、クロロホルムに完溶後、酢酸及びアセトニトリルを加え結晶化、濾取した。得られた結晶2.25gをアセトニトリルにて室温分散下、トリブチルアミン15mlとイソプロピルエーテルを加え溶解後濾過し、撹拌下酢酸6.4mlを添加し結晶を析出させ濾取し、No.40で表される暗緑色結晶を1.89g得た。結晶の一部をとり、常法により融点を測定したところ235乃至238℃であった。メタノ−ル溶液中の可視吸収スペクトルでは485nmに吸収極大が観察された。重DMFでの1H−NMRスペクトルは以下の通りである。
δ(TMS、ppm)2.99(6H,s)、3.05(6H,s)、6.65(2H,d)、6.86(2H,d)、6.90(1H,d)、7.08(2H,d)、7.13(1H,s)、7.29(2H,d)、7.66(1H,d)、8.04(1H,s)
【0092】
参考例5
参考例4で得られたNo.40の本発明品をクロロホルムに完溶後、ピペリジンを加え室温分散後、アセトニトリルを加え結晶化させ濾取し、No.41で表される朱色結晶を2.3g得た。結晶の一部をとり、常法により融点を測定したところ225乃至228℃であった。メタノ−ル溶液中の可視吸収スペクトルでは465nmに吸収極大が観察された。重DMF中での1H−NMRスペクトルは以下の通りである。
δ(TMS、ppm)1.65(2H,m)、1.84(4H,m)、2.97(6H,s)、3.04(6H,s)、3.16(4H,t)、6.64(2H,d)、6.79−6.82(3H,m)、7.06−7.08(3H,m)、7.27(2H,d)、7.58(1H,d)、7.96(1H,s)
【0093】
参考例6
No.58で表される4−ジエチルアミノサリチルアルデヒド15.2gとNo.59で表されるチオフェン誘導体12.3gをDMF中、酢酸17ml及びピペリジン33.5mlを加え加熱還流下2時間反応させた。反応液を水に注加し。酢酸エチルにて抽出し、水洗し、乾燥後溶媒を減圧留去した。析出した結晶をエタノールにて分散し濾取した。得られた粗結晶はクロロホルム−メタノ−ル混合溶媒にて再結晶し、No.60で表されるクマリン誘導体の暗緑色結晶を15.3g得た。
No.60で表されるクマリン誘導体1.5gをDMFに溶解し、別途準備したVilsmeyer試薬(DMF2mlとオキシ塩化リン0.7mlを用い常法にて合成)を8〜14℃にて滴下。その後室温にて2時間反応後、40℃で1時間反応させた。反応液を氷水中に注加し水酸化ナトリウム水溶液にて中和後、60℃まで昇温させ冷却し、析出した結晶を濾取した。得られた結晶をイソプロピルアルコールで再結晶し、No.61で表される中間体を1.18g得た。
No.61で表される中間体1gとシアノ酢酸0.39gをアセトニトリル中、ピペリジン0.5mlを加え加熱還流下3時間反応させた。放冷し析出した結晶を濾取した。得られた粗結晶に酢酸11.2mlを加え室温分散し濾取した。その後シリカゲルカラム精製を行い、No.1で表される暗緑色結晶を0.48g得た。結晶の一部をとり、常法により融点を測定したところ270乃至275℃であった。メタノ−ル溶液中の可視吸収スペクトルでは474nmに吸収極大が観察された。
重DMF中での1H−NMRスペクトルは以下の通りである。
δ(TMS、ppm)1.23(6H,t)、3.59(4H,q)、6.67(1H,d)、6.9(1H,dd)、7.64(1H,d)7.97(1H,d)、8.05(1H,d)、8.49(1H,s)、8.75(1H,s)
【0094】
参考例7
No.62で表されるサリチルアルデヒド誘導体27.34gとNo.59で表されるチオフェン誘導体12.3gをDMF中、酢酸17ml及びピペリジン33.5mlを加え加熱還流3時間させた。反応液を水に注加し、イソプロピルエーテルにて抽出し水洗し、乾燥後溶媒を減圧留去し、オイル成分を得た。シリカゲルカラム精製後、イソプロピルエーテルにて結晶化させ、No.63で表されるクマリン誘導体を10.3g得た。
得られたNo.63で表されるクマリン誘導体9gをDMF90mlに溶解し、オキシ塩化リン6.6mlを20〜23℃にて滴下した。その後30〜35℃にて1.5時間反応させた。氷水中に反応液を注加し、水酸化ナトリウム水溶液で中和後、40〜45℃にて30分撹拌し析出した結晶を濾取した。得られた粗結晶をイソプロピルアルコールで再結晶し、No.64で表される中間体を8.65g得た。
No.64で表される中間体1.5gとシアノ酢酸0.47gをアセトニトリル中、ピペリジン0.5mlを加え加熱還流2時間させた。その後溶媒を減圧留去し、酢酸:水:アセトニトリル=1:2:2の混合液を加え結晶化させ濾取した。得られた結晶をシリカゲルカラム精製し、DMF−メタノ−ルにて再結晶し濾取し、No.4で表される暗緑色結晶を0.21g得た。結晶の一部をとり、常法により融点を測定したところ272乃至277℃であった。メタノ−ル溶液中の可視吸収スペクトルでは494nmに吸収極大が観察された。
重DMF中での1H−NMRスペクトルは以下の通りである。
δ(TMS、ppm)1.29(6H,s)、1.52(6H,s)、1.74−1.83(4H,m)、3.35−3.46(4H,m)、7.52(1H,s)7.91−8.04(2H,m)、8.46(1H,s)、8.66(1H,s)
【0095】
参考例8
No.65で表されるクマリン誘導体15gとt−ブトキシカリウム6.21gをTHF中55℃で分散下、参考例4で合成したNo.54で表される試薬12.96gのTHF溶液を滴下後、内温70℃で23時間反応させた。反応液を水に注加し、クロロホルムで抽出し、水洗後、硫酸マグネシウムにて乾燥し、濾過後溶媒を減圧留去した。得られたオイル成分27.02gをシリカゲルカラム精製し、No.66で表される中間体を10.13g得た。
DMF22mlを冷却下、オキシ塩化リン7.0mlを滴下(5〜10℃)した後、室温で30分反応させVilsmeier試薬を合成した。別途No.66で表される中間体10.13gのDMF溶液を上記のVilsmeier試薬に滴下(4〜12℃)した。その後室温にて1時間反応させた後、45℃で3.5時間反応させた。その後氷水中に反応液を注加し、水酸化ナトリウム水溶液で中和し析出した結晶を濾取した。得られた結晶を酢酸エチルで溶解させ、水洗後、硫酸マグネシウムにて乾燥し、濾過後溶媒を減圧留去した。得られたオイル成分11.4gをシリカゲルカラム精製した後、アセトニトリルで再結晶し、No.67で表される中間体を3.4g得た。
No.67で表される中間体3gとシアノ酢酸0.88gをアセトニトリル中、60℃にて完溶させ、ピペリジン0.21mlを滴下後加熱還流下3.5時間反応させた。析出した結晶を熱時濾取した。得られた粗結晶3.2gをカラム精製した後、クロロホルムに溶解させ、酢酸及びアセトニトリルを加え結晶化させ、濾取し、No.16で表される暗緑色の結晶を1.6g得た。結晶の一部をとり、常法により融点を測定したところ263乃至267℃であった。メタノ−ル溶液中の可視吸収スペクトルでは494nmに吸収極大が観察された。
重DMF中での1H−NMRスペクトルは以下の通りである。
δ(TMS、ppm) 1.28(6H,s)、1.51(6H,s)、1.73−1.79(4H,m)、3.32(2H,t)3.39(2H,t)、7.19(1H,d)7.38−7.42(2H,m)、7.81−7.90(2H,m)、8.12(1H,s)、8.41(1H,s)
【0096】
【化103】
【化104】
【化105】
【化106】
【0097】
【化107】
【化108】
【化109】
【化110】
【0098】
【化111】
【化112】
【化113】
【化114】
【化115】
【0099】
【化116】
【化117】
【化118】
【化119】
【化120】
【0100】
【化121】
【化122】
【0101】
実施例1
(1) 色素を吸着させた酸化チタン薄膜電極の作製
チタン・テトライソプロポキシドの加水分解により作製した酸化チタンコロイドをオートクレービングすることにより結晶性の酸化チタンナノ粒子を得た。これに、バインダーとしてエチルセルロース、溶媒としてα−テルピネオールを混合した有機性のペーストをスクリーン印刷法により、酸化スズコート導電性ガラス上に塗布した。空気中500℃で1〜2時間焼成することにより、膜厚が10〜14ミクロンの酸化チタン薄膜電極を得た。この電極を、0.3mMの有機色素溶液(溶媒は、t−ブタノールとアセトニトリル1:1混合溶媒)に浸漬し、室温で10時間以上放置することにより、色素吸着酸化チタン薄膜電極を得た。また、色素吸着の際には、色素の種類に応じて、色素溶液に適宜5〜20mMのデオキシコール酸を加えた。
【0102】
(2) 光電気化学太陽電池の作製と光電変換特性の評価
前記(1)で得た色素吸着酸化チタン薄膜電極と白金をスパッタした酸化スズコート導電性ガラスをポリエチレンフィルムを挟んで、重ね合わせ、その隙間に電解液である0.6M ヨウ化1,2−ジメチル−3−プロピルイミダゾリウム−0.1Mヨウ化リチウム−0.05Mヨウ素のメトキシアセトニトリル溶液を注入し、ゼムクリップでとめた。また、色素の種類に応じて、電解液には上記の組成に0.05〜0.5Mのt−ブチルピリジンを加えたアセトニトリル溶液を用いた。光電変換特性の測定は、光源としてキセノンランプとAMフィルターからなるソーラーシミュレーターを用い、光電流電圧特性は、ソースメーターを用いて測定した。
【0103】
【表2】
【0104】
【化123】
【0105】
表1には、本発明により合成した有機色素増感剤を用いた光電気化学太陽電池のAM1.5条件下での光電変換特性を示した。ここで、Jscは光短絡電流密度、Vocは光開放電圧、Fill factorは形状因子、ηは光電変換効率を表す。表1のように、本発明により合成した新規の有機色素増感剤を用いた光化学太陽電池の光電変換特性は、従来型の市販されているクマリン343(No.68)を用いたものに比べて、大きく向上した。とくに、Jscは飛躍的に向上している。これは、共役系の拡張により、色素の吸収波長領域が大きく広がったためであると考えられる。これらの光電変換効率は、ルテニウム錯体増感剤を用いた太陽電池に匹敵するものである。
【0106】
【発明の効果】
本発明により、ルテニウム錯体光増感剤を用いた色素増感型光電変換素子ならびに光電気化学太陽電池に匹敵する光電変換効率を示す有機色素増感光電変換素子ならびに光電気化学太陽電池を提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例で用いた光電気化学太陽電池の構成図の一例を示す。
【符号の説明】
1 白金スパッタ導電性ガラス層
2 レドックス電解液層
3 色素吸着半導体薄膜電極層
4 導電性透明ガラス
Claims (5)
- 有機色素の作用により増感する半導体薄膜電極において、末端にシアノ基及びCOOMにより置換されている炭素基を有する下記一般式(2)で表される有機色素をナノ粒子からなり、ナノポーラス構造を有する化合物半導体粒子表面に吸着させた状態とし、増感することを特徴とする半導体薄膜電極。
b −A−CH=からなる基(式中、Aはチオフェン環、フラン環又は水素原子若しくはメチル基により置換されているピロール環から選ばれる複素環化合物であり、又、2もしくは3個の複素環化合物が連なっていてもよく、又複素環化合物の末端にはベンゼン又はベンゾチアゾールが結合していてもよい。)で表される基、
c ―CH=CH−A−CH=からなる基(式中、Aはチオフェン環又はフラン環から選ばれる複素環化合物である。同一の2個の複素環化合物が連なっていてもよい。)で表される基、
d −A−CH=CH−B=(式中、Aはチオフェン環、Bはメチル置換されているピラン環からなる複素環化合物を表す。)で表される基。
R1〜R3及びR5は独立して水素原子又はメチル、エチル又はハロゲン化メチル基を示し、R6、R7は独立して水素原子、炭素数1から4のアルキル基を示し、場合によってはR1〜R3及びR5〜R7のうちいずれか又はどちらも隣接する2つは互いに結合して窒素を含む環を形成してもよい。
Mは水素原子又は水素置換されているピリジンである。) - 有機色素の作用により増感する半導体薄膜電極において、末端にシアノ基及びCOOMにより置換されている炭素基を有する下記一般式(4)で表される有機色素をナノ粒子からなり、ナノポーラス構造を有する化合物半導体粒子表面に吸着させた状態とし、増感することを特徴とする半導体薄膜電極。
a =CH−CH=、=CH−CH=CH−CH=又は=CH−CH=CH−CH=CH−CH=から選ばれる基、
b =CH―A−CH=、=CH―A−A−CH=、又は =CH―A−A−A−CH=(式中、Aはチオフェン環、又は水素原子若しくはメチル基で置換されているピロール環から選ばれる1種類又は2種類の複素環化合物である。)から選ばれる基、
c =CH―A−CH=CH―A−CH=(式中、Aはチオフェン環からなる複素環化合物である。)からなる基、
d =CH−CH=B=(式中、Bはシクロヘキシル基を表す。)からなる基。
R8〜R10、R12〜R13及びR15〜R17は独立して水素原子又は炭素数1から4のアルキル基を示し、R18〜R21は独立して水素原子又は炭素数1から4のアルキル基を示し、R8〜R10、R12〜R13及びR15〜R21のうちいずれか又はどちらも隣接する2つは互いに結合してNを含む環を形成してもよい。
Mは水素原子、又はトリブチルアミノ基又は水素置換されているピリジン基を表す。) - 請求項1又は2記載の半導体薄膜電極を用いることを特徴とする光電変換素子。
- 前記半導体薄膜電極からなる層の一方の面に接して導電性透明性酸化物半導体薄膜をコートした基板、もう一方の面に接してレッドクスイオン対を含む電解液からなる層、さらにその外側に導電性透明ガラス基板上に白金、ロジウム、ルテニウム、カーボン又は酸化物半導体から選ばれる化合物をコートした電極からなることを特徴とする請求項3記載の光電変換素子。
- 請求項4記載の光電変換素子を用いることを特徴とする光電気化学太陽電池。
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