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JP2022144443A - 光電変換素子、電子機器、及び電源モジュール - Google Patents

光電変換素子、電子機器、及び電源モジュール Download PDF

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JP2022144443A JP2021045461A JP2021045461A JP2022144443A JP 2022144443 A JP2022144443 A JP 2022144443A JP 2021045461 A JP2021045461 A JP 2021045461A JP 2021045461 A JP2021045461 A JP 2021045461A JP 2022144443 A JP2022144443 A JP 2022144443A
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electrode
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electron
transport layer
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JP2021045461A
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裕二 田中
Yuji Tanaka
望 田元
Nozomi Tamoto
正人 田中
Masato Tanaka
保 堀内
Tamotsu Horiuchi
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Ricoh Co Ltd
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Abstract

【課題】幅広い光吸収性を有する光電変換素子の提供。【解決手段】第1の基板1aと第2の基板8aとの間に、封止部材15aを介して第1の光電変換部101と第2の光電変換部102を有し、前記第1の光電変換部は、第1の電極2aと、該第1の電極上に形成された第1の電子輸送層4aと、前記第1の電子輸送層の表面に吸着した第1の光増感化合物5aと、第1のホール輸送層6aと、第2の電極7aとを有し、前記第2の光電変換部は、第3の電極9aと、該第3の電極上に形成された第2の電子輸送層11aと、前記第2の電子輸送層の表面に吸着した前記第1の光増感化合物と異なる第2の光増感化合物12aと、第2のホール輸送層13aと、第4の電極14aとを有する光電変換素子である。【選択図】図1

Description

本発明は、光電変換素子、電子機器、及び電源モジュールに関する。
近年、低照度の光でも効率よく発電できる太陽電池に多くの注目を集めている。設置場所を問わない用途だけでなく、電池交換や電源配線等が不要な自立型電源として幅広い応用が期待されている。
屋内向けの光電変換素子としては、アモルファスシリコン及び有機系太陽電池が知られている。有機系太陽電池の中でも色素増感型太陽電池は、電荷発生機能と電荷輸送機能が分離された層により構成されていることで、容易に作製することができる点で有利である。一般に、色素増感型太陽電池は、電解液を内包しているために液の揮発及び漏れといった問題があったが、近年、p型半導体材料を用いた固体型の色素増感型太陽電池も開発され、注目を集めている。
例えば、中間層を介して2つの太陽電池セルを積層したタンデム構造のタンデム型有機太陽電池が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
本発明は、幅広い光吸収性を有する光電変換素子を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としての本発明の光電変換素子は、第1の基板と第2の基板との間に、封止部材を介して第1の光電変換部と第2の光電変換部を有し、前記第1の光電変換部は、第1の電極と、該第1の電極上に形成された第1の電子輸送層と、前記第1の電子輸送層の表面に吸着した第1の光増感化合物と、第1のホール輸送層と、第2の電極とを有し、前記第2の光電変換部は、第3の電極と、該第3の電極上に形成された第2の電子輸送層と、前記第2の電子輸送層の表面に吸着した前記第1の光増感化合物と異なる第2の光増感化合物と、第2のホール輸送層と、第4の電極とを有する。
本発明によると、幅広い光吸収性を有する光電変換素子を提供することができる。
図1は、本発明の光電変換素子の一例を示す概略図である。 図2は、本発明の光電変換素子の別の一例を示す概略図である。 図3は、本発明の光電変換素子の別の一例を示す概略図である。 図4は、本発明の電子機器の一例としてのパソコン用マウスのブロック図である。 図5は、図4に示したマウスの一例を示す概略外観図である。 図6は、本発明の電子機器の一例としてのパソコン用キーボードのブロック図である。 図7は、図6に示したキーボードの一例を示す概略外観図である。 図8は、図6に示したキーボードの他の一例を示す概略外観図である。 図9は、本発明の電子機器の一例としてのセンサのブロック図である。 図10は、本発明の電子機器の一例としてのターンテーブルのブロック図である。 図11は、本発明の電子機器の一例を示すブロック図である。 図12は、図11に示した電子機器に電源ICを更に組み込んだ一例を示すブロック図である。 図13は、図12に示した電子機器に蓄電デバイスを更に組み込んだ一例を示すブロック図である。 図14は、本発明の電源モジュールの一例を示すブロック図である。 図15は、図14に示した電源モジュールに蓄電デバイスを更に組み込んだ一例を示すブロック図である。
(光電変換素子)
光電変換素子とは、光エネルギーを電気エネルギーに変換すること、又は電気エネルギーを光エネルギーに変換することができる素子を意味し、太陽電池又はフォトダイオードなどに応用されている。この光電変換素子は、固体型光電変換素子であることが好ましい。
前記光電変換素子は、第1の基板と第2の基板との間に、封止部材を介して第1の光電変換部と第2の光電変換部を有する。
前記第1の光電変換部は、第1の電極と、該第1の電極上に形成された第1の電子輸送層と、前記第1の電子輸送層の表面に吸着した第1の光増感化合物と、第1のホール輸送層と、第2の電極とを有し、更に必要に応じてその他の部材を有する。
前記第2の光電変換部は、第3の電極と、該第3の電極上に形成された第2の電子輸送層と、前記第2の電子輸送層の表面に吸着した前記第1の光増感化合物と異なる第2の光増感化合物と、第2のホール輸送層と、第4の電極とを有し、更に必要に応じてその他の部材を有する。
従来技術では、中間層を介して積層したタンデム構造であるため、連続した薄膜層を形成するには、非常に高度に制御された塗布工程が必要となり、製造効率も劣るという課題がある。
本発明においては、封止部材を介して吸収波長が異なる2つの光電変換部(光電変換素子)を有することによって、幅広い光吸収性を有する光電変換素子を提供することができる。また、封止部材を介して異なる2つの光電変換部(光電変換素子)からなるタンデム構造を形成することによって、重なる光電変換部領域を含めて、幅広い光吸収性を有し、最大出力電力が高い光発電素子を提供することができる。
更に、本発明においては、透光性導電性基板と透光性電極を有する光透過性の高い、第1の光電変換部と第2の光電変換部同士を向かい合わせ状態となるように2つの透光性導電性基板間に封止することによって、幅広い光吸収性を有することができる。
以下、本発明の光電変換素子における第1の光電変換部と第2の光電変換部の各構成について、詳細に説明する。
<第1の基板及び第2の基板>
第1の基板及び第2の基板としては、その形状、構造、大きさについては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
第1の基板と第2の基板の材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ガラス、プラスチックフィルム等の基板が挙げられる。これらの中でも、後述するように電子輸送層を形成する際に焼成する工程を含む場合は、焼成温度に対して耐熱性を有する基板が好ましい。また、第1の基板と第2の基板としては、可とう性を有するものが好ましい。
第1の基板及び第2の基板は、透光性を有することが好ましい。透光性を有するとは、第1の基板及び第2の基板の光透過率が80%以上であることを意味する。ここで、光透過率は一般的な紫外可視分光光度計により測定することができる。
<第1の電極(第3の電極)>
第1の電極(以降、第1の電極は第3の電極であってもよい)としては、その形状、大きさについては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
第1の電極の構造としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、単層構造であってもよいし、複数の材料を積層する構造であってもよい。
第1の電極の材質としては、透光性及び導電性を有するものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、透明導電性金属酸化物、カーボン、金属などが挙げられる。
透明導電性金属酸化物としては、例えば、インジウム・スズ酸化物(以下、「ITO」と称する)、フッ素ドープ酸化スズ(以下、「FTO」と称する)、アンチモンドープ酸化スズ(以下、「ATO」と称する)、ニオブドープ酸化スズ(以下、「NTO」と称する)、アルミドープ酸化亜鉛、インジウム・亜鉛酸化物、ニオブ・チタン酸化物などが挙げられる。
カーボンとしては、例えば、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、グラフェン、フラーレンなどが挙げられる。
金属としては、例えば、金、銀、アルミニウム、ニッケル、インジウム、タンタル、チタンなどが挙げられる。
第1の電極の材質としては、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、透明性が高い透明導電性金属酸化物が好ましく、ITO、FTO、ATO、NTOがより好ましい。
第1の電極の平均厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、5nm以上100μm以下が好ましく、50nm以上10μm以下がより好ましい。なお、第1の電極の材質がカーボンや金属の場合には、第1の電極の平均厚みとしては、透光性を得られる程度の平均厚みにすることが好ましい。
第1の電極は、スパッタ法、蒸着法、スプレー法等の公知の方法などにより形成することができる。
また、第1の電極は、第1の基板上に形成されることが好ましく、予め第1の基板上に第1の電極が形成されている一体化された市販品を用いることができる。
一体化された市販品としては、例えば、FTOコートガラス、ITOコートガラス、酸化亜鉛:アルミニウムコートガラス、FTOコート透明プラスチックフィルム、ITOコート透明プラスチックフィルムなどが挙げられる。他の一体化された市販品としては、例えば、酸化スズ若しくは酸化インジウムに原子価の異なる陽イオン若しくは陰イオンをドープした透明電極、又はメッシュ状やストライプ状等の光が透過できる構造にした金属電極を設けたガラス基板などが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用して混合又は積層したものでもよい。また、電気的抵抗値を下げる目的で、金属リード線などを併用してもよい。
金属リード線の材質としては、例えば、アルミニウム、銅、銀、金、白金、ニッケルなどが挙げられる。
金属リード線は、例えば、蒸着、スパッタリング、圧着などで基板に形成し、その上にITO又はFTOの層を設けることにより併用することができる。
第1の電極は、透光性を有することが好ましい。透光性を有するとは、第1の電極の光透過率が80%以上であることを意味する。ここで、光透過率は一般的な紫外可視分光光度計により測定することができる。
<第1及び第2のホールブロッキング層>
第1及び第2のホールブロッキング層は、同じ大きさ、形状、構造及び材質であってもよく、異なっていてもよいが、同じ大きさ、形状、構造及び材質であることが好ましい。以下、第1及び第2のホールブロッキング層をまとめてホールブロッキング層と称することがある。
第1のホールブロッキング層は、第1の電極と第1の電子輸送層との間に形成される。
第1のホールブロッキング層は、第1の光増感化合物で生成され、第1の電子輸送層に輸送された電子を第1の電極に輸送し、かつ第1のホール輸送層との接触を防ぐことができる。これにより、第1のホールブロッキング層は、第1の電極へホールを流入しにくくし、電子とホールの再結合による出力低下を抑制することができる。第1のホール輸送層を設けた固体型の光電変換素子は、電解液を用いた湿式型に比べて、ホール輸送材料中のホールと電極表面の電子の再結合速度が速いことから、第1のホールブロッキング層の形成による効果は非常に大きい。
第2のホールブロッキング層は、第3の電極と第2の電子輸送層との間に形成される。
第2のホールブロッキング層は、第2の光増感化合物で生成され、第2の電子輸送層に輸送された電子を第3の電極に輸送し、かつ第2のホール輸送層との接触を防ぐことができる。これにより、第2のホールブロッキング層は、第3の電極へホールを流入しにくくし、電子とホールの再結合による出力低下を抑制することができる。第2のホール輸送層を設けた固体型の光電変換素子は、電解液を用いた湿式型に比べて、ホール輸送材料中のホールと電極表面の電子の再結合速度が速いことから、第2のホールブロッキング層の形成による効果は非常に大きい。
ホールブロッキング層の材質としては、可視光に対して透明であり、かつ電子輸送性を有するものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シリコン、ゲルマニウム等の単体半導体、金属のカルコゲニドに代表される化合物半導体、ペロブスカイト構造を有する化合物などが挙げられる。
金属のカルコゲニドとしては、例えば、チタン、スズ、亜鉛、鉄、タングステン、ジルコニウム、ハフニウム、ストロンチウム、インジウム、セリウム、イットリウム、ランタン、バナジウム、ニオブ、タンタルの酸化物;カドミウム、亜鉛、鉛、銀、アンチモン、ビスマスの硫化物;カドミウム、鉛のセレン化物;カドミウムのテルル化物などが挙げられる。他の化合物半導体としては、例えば、亜鉛、ガリウム、インジウム、カドミウム等のリン化物;ガリウム砒素、銅-インジウム-セレン化物、銅-インジウム-硫化物などが挙げられる。
ペロブスカイト構造を有する化合物としては、例えば、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ナトリウム、チタン酸バリウム、ニオブ酸カリウムなどが挙げられる。
上記ホールブロッキング層の材質は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、酸化物半導体が好ましく、酸化チタン、酸化ニオブ、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化タングステン、酸化スズなどがより好ましく、酸化チタンが更に好ましい。
上記ホールブロッキング層は、単層としても積層してもよい。また、これらの半導体の結晶型は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、単結晶でもよいし、多結晶でもよいし、あるいは非晶質でもよい。
ホールブロッキング層の作製方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、真空中で薄膜を形成する方法(真空製膜法)、湿式製膜法などが挙げられる。
真空製膜法としては、例えば、スパッタリング法、パルスレーザーデポジッション法(PLD法)、イオンビームスパッタ法、イオンアシスト法、イオンプレーティング法、真空蒸着法、アトミックレイヤーデポジッション法(ALD法)、化学気相成長法(CVD法)などが挙げられる。
湿式製膜法としては、例えば、ゾル-ゲル法などが挙げられる。ゾル-ゲル法は、溶液から加水分解又は重合及び縮合などの化学反応を経てゲルを作製する。その後、加熱処理によって緻密化を促進させる方法である。ゾル-ゲル法を用いた場合、ゾル溶液の塗布方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ディップ法、スプレー法、ワイヤーバー法、スピンコート法、ローラーコート法、ブレードコート法、グラビアコート法、また、湿式印刷方法として、凸版、オフセット、グラビア、凹版、ゴム版、スクリーン印刷などが挙げられる。また、ゾル溶液を塗布した後の加熱処理の際の温度としては、80℃以上が好ましく、100℃以上がより好ましい。
ホールブロッキング層の平均厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、5nm以上1μm以下が好ましく、湿式製膜では500nm以上700nm以下がより好ましく、乾式製膜では5nm以上30nm以下がより好ましい。
<第1及び第2の電子輸送層>
第1及び第2の電子輸送層は、同じ大きさ、形状、構造及び材質であってもよく、異なっていてもよいが、同じ大きさ、形状、構造及び材質であることが好ましい。以下、第1及び第2の電子輸送層をまとめて電子輸送層と称することがある。
第1の電子輸送層は、第1の光増感化合物で生成された電子を第1の電極又は第1のホールブロッキング層まで輸送する目的で形成される。このため、第1の電子輸送層は、第1の電極又は第1のホールブロッキング層に隣接して配置されることが好ましい。
第2の電子輸送層は、第2の光増感化合物で生成された電子を第3の電極又は第2のホールブロッキング層まで輸送する目的で形成される。このため、第2の電子輸送層は、第3の電極又は第2のホールブロッキング層に隣接して配置されることが好ましい。
電子輸送層の構造としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、互いに隣接する少なくとも2つの光電変換素子において、電子輸送層どうしが互いに延設されていないことが好ましい。電子輸送層どうしが互いに延設されていなければ、電子拡散が抑制されてリーク電流が低下するため、光耐久性が向上する点で有利である。また、電子輸送層の構造としては、連続層からなる単層であってもよく、複数の層が積層された多層であってもよい。
電子輸送層は、電子輸送性材料を含み、更に必要に応じてその他の材料を含む。
電子輸送性材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、半導体材料が好ましい。
半導体材料は、微粒子状の形状を有し、これらが接合することによって、多孔質状の膜に形成されることが好ましい。多孔質状の電子輸送層を構成する半導体粒子の表面に、光増感化合物が化学的又は物理的に吸着される。
半導体材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、単体半導体、化合物半導体、ペロブスカイト構造を有する化合物などが挙げられる。
単体半導体としては、例えば、シリコン、ゲルマニウムなどが挙げられる。
化合物半導体としては、例えば、金属のカルコゲニド、具体的には、チタン、スズ、亜鉛、鉄、タングステン、ジルコニウム、ハフニウム、ストロンチウム、インジウム、セリウム、イットリウム、ランタン、バナジウム、ニオブ、タンタル等の酸化物;カドミウム、亜鉛、鉛、銀、アンチモン、ビスマス等の硫化物;カドミウム、鉛等のセレン化物;カドミウム等のテルル化物、又は他の化合物半導体などが挙げられる。他の化合物半導体としては、例えば、亜鉛、ガリウム、インジウム、カドミウム等のリン化物、ガリウム砒素、銅-インジウム-セレン化物、銅-インジウム-硫化物などが挙げられる。
ペロブスカイト構造を有する化合物としては、例えば、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ナトリウム、チタン酸バリウム、ニオブ酸カリウムなどが挙げられる。
これらの中でも、酸化物半導体が好ましく、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ及び酸化ニオブがより好ましい。
電子輸送層の電子輸送性材料が酸化チタンであると、導電帯(Conduction Band)が高く、高い開放電圧が得られる。また、屈折率が高く、光閉じ込め効果により高い短絡電流が得られる。更に、誘電率が高く、移動度が高くなることで、高い曲線因子が得られる点で有利である。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。また、半導体材料の結晶型としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、単結晶でも多結晶でもよく、非晶質でもよい。
半導体材料の一次粒子の個数平均粒径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1nm以上100nm以下が好ましく、5nm以上50nm以下がより好ましい。また、個数平均粒径よりも大きい半導体材料を混合あるいは積層させてもよく、入射光を散乱させる効果により、変換効率を向上できる場合がある。この場合の個数平均粒径は、50nm以上500nm以下が好ましい。
電子輸送層の平均厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、50nm以上100μm以下が好ましく、100nm以上50μm以下がより好ましく、120nm以上10μm以下が更に好ましい。電子輸送層の平均厚みが好ましい範囲内であると、単位投影面積当たりの光増感化合物の量を十分に確保でき、光の捕獲率を高く維持できるとともに、注入された電子の拡散距離も増加しにくく、電荷の再結合によるロスを少なくできる点で有利である。
電子輸送層の作製方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、スパッタリング等の真空中で薄膜を形成する方法、湿式製膜法などが挙げられる。これらの中でも、製造コストの観点から、湿式製膜法が好ましく、半導体材料の粉末又はゾルを分散した分散液を調製し、電子集電電極基板としての第1の電極上、あるいはホールブロッキング層の上に塗布する方法がより好ましい。
湿式製膜法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ディップ法、スプレー法、ワイヤーバー法、スピンコート法、ローラーコート法、ブレードコート法、グラビアコート法などが挙げられる。
湿式印刷方法としては、例えば、凸版、オフセット、グラビア、凹版、ゴム版、スクリーン印刷などの様々な方法を用いることができる。
半導体材料の分散液を調製する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、公知のミリング装置等を用いて機械的に粉砕する方法が挙げられる。この調製方法により、粒子状の半導体材料を単独で、あるいは半導体材料と樹脂の混合物を、水又は溶媒に分散することにより半導体材料の分散液を作製できる。
樹脂としては、例えば、スチレン、酢酸ビニル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル等によるビニル化合物の重合体や共重合体、シリコーン樹脂、フェノキシ樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ポリエステル樹脂、セルロースエステル樹脂、セルロースエーテル樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
溶媒としては、例えば、水、アルコール溶媒、ケトン溶媒、エステル溶媒、エーテル溶媒、アミド溶媒、ハロゲン化炭化水素溶媒、炭化水素溶媒などが挙げられる。
アルコール溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、α-テルピネオールなどが挙げられる。
ケトン溶媒としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどが挙げられる。
エステル溶媒としては、例えば、ギ酸エチル、酢酸エチル、酢酸n-ブチルなどが挙げられる。
エーテル溶媒としては、例えば、ジエチルエーテル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、ジオキサンなどが挙げられる。
アミド溶媒としては、例えば、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチル-2-ピロリドンなどが挙げられる。
ハロゲン化炭化水素溶媒としては、例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、ブロモホルム、ヨウ化メチル、ジクロロエタン、トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロベンゼン、o-ジクロロベンゼン、フルオロベンゼン、ブロモベンゼン、ヨードベンゼン、1-クロロナフタレンなどが挙げられる。
炭化水素溶媒としては、例えば、n-ペンタン、n-ヘキサン、n-オクタン、1,5-ヘキサジエン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、シクロヘキサジエン、ベンゼン、トルエン、o-キシレン、m-キシレン、p-キシレン、エチルベンゼン、クメンなどが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
半導体材料を含む分散液、あるいはゾル-ゲル法等によって得られた半導体材料を含むペーストには、粒子の再凝集を防ぐため、酸、界面活性剤、キレート化剤などを添加してもよい。
酸としては、例えば、塩酸、硝酸、酢酸などが挙げられる。
界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテルなどが挙げられる。
キレート化剤としては、例えば、アセチルアセトン、2-アミノエタノール、エチレンジアミンなどが挙げられる。
また、製膜性を向上させる目的で、増粘剤を添加することも有効な手段である。
増粘剤としては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、エチルセルロースなどが挙げられる。
半導体材料を塗布した後に、半導体材料の粒子間を電子的に接触させ、膜強度や基板との密着性を向上させるために焼成したり、マイクロ波や電子線を照射したり、又はレーザー光を照射することができる。これらの処理は、1種単独で行ってもよく、2種類以上組み合わせて行ってもよい。
半導体材料から形成された電子輸送層を焼成する場合には、焼成温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、温度が高すぎると基板の抵抗が高くなったり、溶融したりすることがあることから、30℃以上700℃以下が好ましく、100℃以上600℃以下がより好ましい。また、焼成時間としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、10分間以上10時間以下が好ましい。
半導体材料から形成された電子輸送層をマイクロ波照射する場合には、照射時間としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1時間以下が好ましい。この場合、電子輸送層が形成されている面側から照射してもよく、電子輸送層が形成されていない面側から照射してもよい。
半導体材料からなる電子輸送層を焼成した後、電子輸送層の表面積の増大や、後述する光増感化合物から半導体材料への電子注入効率を高める目的で、例えば、四塩化チタンの水溶液や有機溶剤との混合溶液を用いた化学メッキ処理、又は三塩化チタン水溶液を用いた電気化学的メッキ処理を行ってもよい。
直径が数十nmの半導体材料を焼結し得られた膜は、多孔質状を形成することができる。このような多孔質構造は、非常に高い表面積を有し、その表面積はラフネスファクターを用いて表すことができる。ラフネスファクターは、第1の基板に塗布した半導体粒子の面積に対する多孔質内部の実面積を表す数値である。したがって、ラフネスファクターとしては、大きいほど好ましいが、電子輸送層の平均厚みとの関係から、20以上が好ましい。
また、電子輸送性材料の粒子には、リチウム化合物をドーピングしてもよい。具体的には、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホンイミド)化合物の溶液を、スピンコートなどを用いて電子輸送性材料の粒子の上に堆積させ、その後、焼成処理する方法である。
リチウム化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホンイミド)、リチウムビス(フルオロメタンスルホンイミド)、リチウムビス(フルオロメタンスルホニル)(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、過塩素酸リチウム、ヨウ化リチウムなどが挙げられる。
<第1及び第2の光増感化合物>
本発明においては、第1の光電変換部における第1の光増感化合物と、第2の光電変換部における第2の光増感化合物とは異なる。ここで、異なるとは、第1の光増感化合物と第2の光増感化合物の種類が異なることを意味する。第1の光電変換部における第1の光増感化合物と第2の光電変換部における第2の光増感化合物とが異なることにより、一方が吸収不足した光を再吸収したり、より広い波長の光を吸収できるという利点がある。
本発明においては、変換効率の更なる向上のため、第1及び第2の光増感化合物を第1及び第2の電子輸送層の電子輸送性半導体の表面に吸着させる。
第1及び第2の光増感化合物は、使用される励起光により光励起される化合物であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、特表平7-500630号公報、特開平10-233238号公報、特開2000-26487号公報、特開2000-323191号公報、特開2001-59062号公報等に記載の金属錯体化合物;特開平10-93118号公報、特開2002-164089号公報、特開2004-95450号公報、J.Phys.Chem.C,7224,Vol.111(2007)等に記載のクマリン化合物;特開2004-95450号公報、Chem.Commun.,4887(2007)等に記載のポリエン化合物;特開2003-264010号公報、特開2004-63274号公報、特開2004-115636号公報、特開2004-200068号、特開2004-235052号公報、J.Am.Chem.Soc.,12218,Vol.126(2004)、Chem.Commun.,3036(2003)、Angew.Chem.Int.Ed.,1923,Vol.47(2008)等に記載のインドリン化合物;J.Am.Chem.Soc.,16701,Vol.128(2006)、J.Am.Chem.Soc.,14256,Vol.128(2006)等に記載のチオフェン化合物;特開平11-86916号公報、特開平11-214730号公報、特開2000-106224号公報、特開2001-76773号公報、特開2003-7359号公報等に記載のシアニン色素;特開平11-214731号公報、特開平11-238905号公報、特開2001-52766号公報、特開2001-76775号公報、特開2003-7360号公報等に記載メロシアニン色素;特開平10-92477号公報、特開平11-273754号公報、特開平11-273755号公報、特開2003-31273号公報等に記載の9-アリールキサンテン化合物;特開平10-93118号公報、特開2003-31273号公報等に記載のトリアリールメタン化合物;特開平9-199744号公報、特開平10-233238号公報、特開平11-204821号公報、特開平11-265738号公報、J.Phys.Chem.,2342,Vol.91(1987)、J.Phys.Chem.B,6272,Vol.97(1993)、Electroanal.Chem.,31,Vol.537(2002)、特開2006-032260号公報、J.Porphyrins Phthalocyanines,230,Vol.3(1999)、Angew.Chem.Int.Ed.,373,Vol.46(2007)、Langmuir,5436,Vol.24(2008)等に記載のフタロシアニン化合物、ポルフィリン化合物、三菱製紙株式会社製のD102,D131,D358などが挙げられる。これらの光増感化合物は、1種単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
これらの中でも、金属錯体化合物、クマリン化合物、ポリエン化合物、インドリン化合物、チオフェン化合物が好ましく、三菱製紙株式会社製のD102,D131,D358も好ましい。
特に、下記一般式(1)で表される化合物は、固体型の色素増感型太陽電池において、高い出力を得ることができる。
Figure 2022144443000002
ただし、前記一般式(1)中、ArとArは、アリール基を表す。RとRは、炭素数4~10の直鎖又は分岐状のアルキル基を表す。Xは、下記構造式で表されるいずれかを表す。
Figure 2022144443000003
更に、下記一般式(2)で表される化合物は、低照度から高照度光環境においても、高い出力が得られる。
Figure 2022144443000004
ただし、前記一般式(2)中、Ar及びArは、置換基を有してもよいフェニル基、又はナフチル基を表す。Arはフェニル基又はチオフェン基を表す。
置換基の具体例としては、アルキル基、アルコキシ基などが挙げられる。
以下に、上記一般式(1)及び(2)で示される光増感化合物の具体的な例示化合物を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2022144443000005
Figure 2022144443000006
Figure 2022144443000007
Figure 2022144443000008
また、上記一般式(1)又は(2)で表される化合物と下記一般式(3)で表される化合物の混合吸着状態が、固体型色素増感型太陽電池において、特に高温環境下では高い出力が得ることができる。
Figure 2022144443000009
ただし、前記一般式(3)中、nは0又は1の整数を表す。Rはアリール基及び下記構造式で表される置換基のいずれかを表す。
Figure 2022144443000010
以下に、上記一般式(3)で示される光増感化合物の具体的な例示化合物を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2022144443000011
Figure 2022144443000012
第1及び第2の電子輸送層の半導体材料の表面に、第1及び第2の光増感化合物を吸着させる方法としては、光増感化合物の溶液中、又は光増感化合物の分散液中に、半導体材料を含む電子輸送層を浸漬する方法、光増感化合物の溶液、又は光増感化合物の分散液を電子輸送層に塗布して吸着させる方法などを用いることができる。
第1及び第2の光増感化合物の溶液中、又は光増感化合物の分散液中に、半導体材料を形成した電子輸送層を浸漬する方法の場合、浸漬法、ディップ法、ローラー法、エアーナイフ法などを用いることができる。光増感化合物の溶液、又は光増感化合物の分散液を、電子輸送層に塗布して吸着させる方法の場合は、ワイヤーバー法、スライドホッパー法、エクストルージョン法、カーテン法、スピン法、スプレー法などを用いることができる。また、二酸化炭素などを用いた超臨界流体中で吸着させることも可能である。
第1及び第2の光増感化合物を半導体材料に吸着させる際には、縮合剤を併用してもよい。
縮合剤としては、半導体材料の表面に物理的もしくは化学的に、光増感化合物を結合させるような触媒的作用をするもの、又は化学量論的に作用し、化学平衡を有利に移動させるもののいずれであってもよい。更に、縮合助剤として、チオールやヒドロキシ化合物などを添加してもよい。
第1及び第2の光増感化合物を溶解、又は分散する溶媒としては、例えば、水、アルコール溶媒、ケトン溶媒、エステル溶媒、エーテル溶媒、アミド溶媒、ハロゲン化炭化水素溶媒、炭化水素溶媒などが挙げられる。
アルコール溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなどが挙げられる。
ケトン溶媒としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどが挙げられる。
エステル溶媒としては、例えば、ギ酸エチル、酢酸エチル、酢酸n-ブチルなどが挙げられる。
エーテル溶媒としては、例えば、ジエチルエーテル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、ジオキサンなどが挙げられる。
アミド溶媒としては、例えば、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチル-2-ピロリドンなどが挙げられる。
ハロゲン化炭化水素溶媒としては、例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、ブロモホルム、ヨウ化メチル、ジクロロエタン、トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロベンゼン、o-ジクロロベンゼン、フルオロベンゼン、ブロモベンゼン、ヨードベンゼン、1-クロロナフタレンなどが挙げられる。
炭化水素溶媒としては、例えば、n-ペンタン、n-ヘキサン、n-オクタン、1,5-ヘキサジエン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、シクロヘキサジエン、ベンゼン、トルエン、o-キシレン、m-キシレン、p-キシレン、エチルベンゼン、クメンなどが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
第1及び第2の光増感化合物は、その種類によっては化合物間の凝集を抑制した方がより効果的に働くものが存在するため、凝集解離剤を併用してもよい。凝集解離剤としては、コール酸、ケノデオキシコール酸などのステロイド化合物、長鎖アルキルカルボン酸又は長鎖アルキルホスホン酸が挙げられるが、特に4-ヘキシルオキシ安息香酸や、4-ベンジルオキシ安息香酸が好ましい。
凝集解離剤の含有量としては、光増感化合物1モル部に対して0.5モル部以上100モル部以下が好ましく、10モル部以上50モル部以下がより好ましい。
電子輸送層を構成する半導体材料の表面に、第1及び第2の光増感化合物、又は、光増感化合物及び凝集解離剤を吸着させる際の温度としては、-50℃以上200℃以下が好ましい。吸着時間としては、5秒間以上1,000時間以下が好ましく、10秒間以上500時間以下がより好ましく、1分間以上150時間以下が更に好ましい。吸着させる工程は、暗所で行うことが好ましい。また、吸着させる工程は、静置して行ってもよく、撹拌しながら行ってもよい。
撹拌する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、スターラー、ボールミル、ペイントコンディショナー、サンドミル、アトライター、ディスパーザー、超音波分散等を用いた方法などが挙げられる。
<第1及び第2のホール輸送層>
第1及び第2のホール輸送層は、同じ大きさ、形状、構造及び材質であってもよく、異なっていてもよいが、同じ大きさ、形状、構造及び材質であることが好ましい。以下、第1及び第2のホール輸送層をまとめてホール輸送層と称することがある。
ホール輸送層は、ホールを輸送する機能を有していれば、公知の材料を用いることができ、例えば、酸化還元対を有機溶媒に溶解した電解液、酸化還元対を有機溶媒に溶解した液体をポリマーマトリックスに含浸したゲル電解質、酸化還元対を含有する溶融塩、固体電解質、無機ホール輸送材料、有機ホール輸送材料などが挙げられる。これらの中でも、p型半導体材料、塩基性化合物、及びアルカリ金属塩を有することが好ましい。
ホール輸送層には、アルカリ金属塩を更に含有することが好ましい。ホール輸送層がアルカリ金属を含有すると、出力を向上させることができ、更に光照射耐性や高温保存耐性を向上させることができる。アルカリ金属塩としては、下記の(C-1)~(C-86)に示すものが挙げることできるが、これらに限定されるものではない。これらの中でも、リチウム塩が好ましく、Li-TFSI<リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニルイミド)>がより好ましく、Li-FTFSI<リチウム(フルオロメタンスルホニル)(トリフルオロメタンスルホニル)イミド>が特に好ましい。
アルカリ金属塩の含有量としては、ホール輸送材料に対して、5モル%以上50モル%以下が好ましく、20モル%以上35モル%以下がより好ましい。
Figure 2022144443000013
Figure 2022144443000014
Figure 2022144443000015
Figure 2022144443000016
ホール輸送層には、下記一般式(4)からなる塩基性化合物を含有することが好ましい。
Figure 2022144443000017
ただし、前記一般式(4)中、Ar及びArは、置換基を有していてもよいアリール基を表す。
アリール基としてはフェニル基、ナフチル基、ビフェニル基等が挙げられる。置換基の具体例としては、アルキル基、アルコキシ基等が挙げられる。
ホール輸送層は、上記一般式(4)で示される塩基性化合物を含有することが好ましい。ホール輸送層に上記一般式(4)で示される塩基性化合物を含有すると、光電変換素子の出力安定性を高める点で有利である。特に、低照度光に対する出力特性のバラツキを低減し、安定に発電することが可能な点でも有利である。
以下に、上記一般式(4)で示される塩基性化合物の具体的な例示化合物を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2022144443000018
上記一般式(4)で示される化合物以外に、4-ジメチルアミノピリジン(DMAP)、4-ピロリジノピリジン(PYP)、4-ピペリジノピリジン(PPP)、ターシャルブチルピリジン(TBP)等の塩基性化合物も好ましい。
ホール輸送層における上記の塩基性化合物の含有量としては、ホール輸送材料に対して、20モル%以上65モル%以下が好ましく、35モル%以上50モル%以下がより好ましい。塩基性化合物の含有量が好ましい範囲であることにより、高い開放電圧を維持でき、高い出力が得られ、かつ様々な環境で長期使用しても高い安定性と耐久性が得られる。
ホール輸送層にはホールを輸送する機能を得るために、ホール輸送材料又はp型半導体材料が含有される。ホール輸送材料あるいはp型半導体材料としては、公知の有機ホール輸送性化合物が用いられる。その具体例としては、オキサジアゾール化合物、トリフェニルメタン化合物、ピラゾリン化合物、ヒドラゾン化合物、オキサジアゾール化合物、テトラアリールベンジジン化合物、スチルベン化合物、スピロ型化合物などが挙げられる。これらの中でも、スピロ型化合物がより好ましい。
スピロ型化合物としては、下記一般式(5)で表される化合物が好ましい。
Figure 2022144443000019
ただし、前記一般式(5)中、R31~R34は、ジメチルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ナフチル-4-トリルアミノ基等の置換アミノ基を表す。
スピロ型化合物の具体例としては、以下に示す(D-1)~(D-20)が挙げられる。但し、これらに限定されるものではない。
Figure 2022144443000020
Figure 2022144443000021
Figure 2022144443000022
Figure 2022144443000023
Figure 2022144443000024
Figure 2022144443000025
Figure 2022144443000026
これらのスピロ型化合物は、高いホール移動度を有している他に、2つのベンジジン骨格分子が捻れて結合しているため、球状に近い電子雲を形成しており、分子間におけるホッピング伝導性が良好であることにより優れた光電変換特性を示す。また溶解性も高いため各種有機溶媒に溶解し、アモルファス(結晶構造をもたない無定形物質)であるため、多孔質状の電子輸送層に密に充填されやすい。更に、450nm以上の光吸収性を有さないために、光増感化合物に効率的に光吸収をさせることができ、固体型色素増感型太陽電池にとって特に好ましい。
ホール輸送層には、ホール輸送材料や塩基性化合物以外に、酸化剤を添加することが好ましい。酸化剤を含有させることにより、導電性が向上し、出力特性の耐久性や安定性を高めることが可能になる。
酸化剤としては、例えば、ヘキサクロロアンチモン酸トリス(4-ブロモフェニル)アミニウム、ヘキサフルオロアンチモネート銀、ニトロソニウムテトラフルオボラート、硝酸銀、金属錯体、超原子価ヨウ素化合物などが挙げられるが、これらの中でも金属錯体がより好ましい。また、超原子価ヨウ素化合物である4-Isopropyl-4’-methyldiphenyliodonium Tetrakis(pentafluorophenyl)borateが更に好ましい。酸化剤が金属錯体や超原子価ヨウ素化合物であると、有機溶媒に対する溶解度が高いことで、多く添加することが可能な点で有利である。
金属錯体は、金属カチオン、配位子、アニオンから構成される。
金属カチオンとしては、例えば、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、モリブデン、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、タングステン、レニウム、オスミウム、イリジウム、金、白金等のカチオンを挙げることができ、この中でも、コバルト、鉄、ニッケル、銅のカチオンが好ましく、コバルト錯体がより好ましい。配位子としては、少なくとも一つの窒素を含有する5及び/又は6員複素環を含むものが好ましく、置換基を有していてもよい。具体例としては、以下のものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
Figure 2022144443000027
Figure 2022144443000028
Figure 2022144443000029
アニオンとしては、例えば、水素化物イオン(H)、フッ化物イオン(F)、塩化物イオン(Cl)、臭化物イオン(Br)、ヨウ化物イオン(I)、水酸化物イオン(OH)、シアン化物イオン(CN)、硝酸イオン(NO )、亜硝酸イオン(NO )、次亜塩素酸イオン(ClO)、亜塩素酸イオン(ClO )、塩素酸イオン(ClO )、過塩素酸イオン(ClO )、過マンガン酸イオン(MnO )、酢酸イオン(CHCOO)、炭酸水素イオン(HCO )、リン酸二水素イオン(HPO )、硫酸水素イオン(HSO )、硫化水素イオン(HS)、チオシアン酸イオン(SCN)、テトラフロオロホウ素酸イオン(BF )、ヘキサフルオロリン酸イオン(PF )、テトラシアノホウ素酸イオン(B(CN) )、ジシアノアミンイオン(N(CN) )、p-トルエンスルホン酸イオン(TsO)、トリフルオロメチルスルホン酸イオン(CFSO )、ビス(トリフルオロメチルスルホニル)アミンイオン(N(SOCF )テトラヒドロキソアルミン酸イオン([Al(OH)、[Al(OH)(HO))、ジシアノ銀(I)酸イオン([Ag(CN))、テトラヒドロキソクロム(III)酸イオン([Cr(OH))、テトラクロロ金(III)酸イオン([AuCl)、酸化物イオン(O )、硫化物イオン(S )、過酸化物イオン(O 2-)、硫酸イオン(SO 2-)、亜硫酸イオン(SO 2-)、チオ硫酸イオン(S 2-)、炭酸イオン(CO 2-)、クロム酸イオン(CrO 2-)、二クロム酸イオン(Cr 2-)、リン酸一水素イオン(HPO 2-)、テトラヒドロキソ亜鉛(II)酸イオン([Zn(OH)2-)、テトラシアノ亜鉛(II)酸イオン([Zn(CN)2-)、テトラクロロ銅(II)酸イオン([CuCl2-)、リン酸イオン(PO 3-)、ヘキサシアノ鉄(III)酸イオン([Fe(CN)3-)、ビス(チオスルファト)銀(I)酸イオン([Ag(S3-)、ヘキサシアノ鉄(II)酸イオン([Fe(CN)4-)などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、テトラフロオロホウ素酸イオン、ヘキサフルオロリン酸イオン、テトラシアノホウ素酸イオン、ビス(トリフルオロメチルスルホニル)アミンイオン、過塩素酸イオンが好ましい。
これらの金属錯体の中でも、下記構造式(8)及び(9)で示される3価のコバルト錯体が好ましい。金属錯体が3価のコバルト錯体であると、ホール輸送材料を酸化させる点で有利である。
Figure 2022144443000030
Figure 2022144443000031
より好ましくは、下記一般式(6)で表される3価のコバルト錯体である。
Figure 2022144443000032
ただし、前記一般式(6)中、R~R10は、水素原子、メチル基、エチル基、ターシャルブチル基、トリフルオロメチル基を示す。Xは、上記1価のアニオンから選択されるいずれかを示す。
以下に、前記一般式(6)で表されるコバルト錯体の具体例を記載する。ただし、これらに限定されるものではない。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
Figure 2022144443000033
Figure 2022144443000034
ホール輸送層は、単一材料からなる単層構造でもよく、複数の化合物を含む積層構造であってもよい。ホール輸送層が積層構造の場合には、第2の電極に近いホール輸送層に高分子材料を用いることが好ましい。製膜性に優れる高分子材料を用いると、多孔質状の電子輸送層の表面をより平滑化することができ、光電変換特性を向上することができる点で有利である。
また、高分子材料は、多孔質状の電子輸送層内部へ浸透しにくいことから、多孔質状の電子輸送層表面の被覆性に優れ、電極を設ける際の短絡防止にも効果が得られる場合がある。
ホール輸送層に用いられる高分子材料としては、公知のホール輸送性高分子材料が挙げられる。
ホール輸送性高分子材料としては、例えば、ポリチオフェン化合物、ポリフェニレンビニレン化合物、ポリフルオレン化合物、ポリフェニレン化合物、ポリアリールアミン化合物、ポリチアジアゾール化合物などが挙げられる。
ポリチオフェン化合物としては、例えば、ポリ(3-n-ヘキシルチオフェン)、ポリ(3-n-オクチルオキシチオフェン)、ポリ(9,9’-ジオクチル-フルオレン-コ-ビチオフェン)、ポリ(3,3’’’-ジドデシル-クォーターチオフェン)、ポリ(3,6-ジオクチルチエノ[3,2-b]チオフェン)、ポリ(2,5-ビス(3-デシルチオフェン-2-イル)チエノ[3,2-b]チオフェン)、ポリ(3,4-ジデシルチオフェン-コ-チエノ[3,2-b]チオフェン)、ポリ(3,6-ジオクチルチエノ[3,2-b]チオフェン-コ-チエノ[3,2-b]チオフェン)、ポリ(3,6-ジオクチルチエノ[3,2-b]チオフェン-コ-チオフェン)、ポリ(3,6-ジオクチルチエノ[3,2-b]チオフェン-コ-ビチオフェン)などが挙げられる。
ポリフェニレンビニレン化合物としては、例えば、ポリ[2-メトキシ-5-(2-エチルヘキシルオキシ)-1,4-フェニレンビニレン]、ポリ[2-メトキシ-5-(3,7-ジメチルオクチルオキシ)-1,4-フェニレンビニレン]、ポリ[(2-メトキシ-5-(2-エチルフェキシルオキシ)-1,4-フェニレンビニレン)-コ-(4,4’-ビフェニレン-ビニレン)]などが挙げられる。
ポリフルオレン化合物としては、例えば、ポリ(9,9’-ジドデシルフルオレニル-2,7-ジイル)、ポリ[(9,9-ジオクチル-2,7-ジビニレンフルオレン)-alt-コ-(9,10-アントラセン)]、ポリ[(9,9-ジオクチル-2,7-ジビニレンフルオレン)-alt-コ-(4,4’-ビフェニレン)]、ポリ[(9,9-ジオクチル-2,7-ジビニレンフルオレン)-alt-コ-(2-メトキシ-5-(2-エチルヘキシルオキシ)-1,4-フェニレン)]、ポリ[(9,9-ジオクチル-2,7-ジイル)-コ-(1,4-(2,5-ジヘキシルオキシ)ベンゼン)]などが挙げられる。
ポリフェニレン化合物としては、例えば、ポリ[2,5-ジオクチルオキシ-1,4-フェニレン]、ポリ[2,5-ジ(2-エチルヘキシルオキシ-1,4-フェニレン]などが挙げられる。
ポリアリールアミン化合物としては、例えば、ポリ[(9,9-ジオクチルフルオレニル-2,7-ジイル)-alt-コ-(N,N’-ジフェニル)-N,N’-ジ(p-ヘキシルフェニル)-1,4-ジアミノベンゼン]、ポリ[(9,9-ジオクチルフルオレニル-2,7-ジイル)-alt-コ-(N,N’-ビス(4-オクチルオキシフェニル)ベンジジン-N,N’-(1,4-ジフェニレン)]、ポリ[(N,N’-ビス(4-オクチルオキシフェニル)ベンジジン-N,N’-(1,4-ジフェニレン)]、ポリ[(N,N’-ビス(4-(2-エチルヘキシルオキシ)フェニル)ベンジジン-N,N’-(1,4-ジフェニレン)]、ポリ[フェニルイミノ-1,4-フェニレンビニレン-2,5-ジオクチルオキシ-1,4-フェニレンビニレン-1,4-フェニレン]、ポリ[p-トリルイミノ-1,4-フェニレンビニレン-2,5-ジ(2-エチルヘキシルオキシ)-1,4-フェニレンビニレン-1,4-フェニレン]、ポリ[4-(2-エチルヘキシルオキシ)フェニルイミノ-1,4-ビフェニレン]などが挙げられる。
ポリチアジアゾール化合物としては、例えば、ポリ[(9,9-ジオクチルフルオレニル-2,7-ジイル)-alt-コ-(1,4-ベンゾ(2,1’,3)チアジアゾール]、ポリ(3,4-ジデシルチオフェン-コ-(1,4-ベンゾ(2,1’,3)チアジアゾール)などが挙げられる。
これらの中でも、キャリア移動度やイオン化ポテンシャルの観点から、ポリチオフェン化合物及びポリアリールアミン化合物が好ましい。
ホール輸送層の平均厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、多孔質状の電子輸送層の細孔に入り込んだ構造を有することが好ましく、電子輸送層上に0.01μm以上20μm以下が好ましく、0.1μm以上10μm以下がより好ましく、0.2μm以上2μm以下が更に好ましい。
ホール輸送層は、光増感化合物が吸着された電子輸送層の上に直接形成することができる。ホール輸送層の作製方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、真空蒸着等の真空中で薄膜を形成する方法、湿式製膜法などが挙げられる。これらの中でも、製造コストなどの点で、特に湿式製膜法が好ましく、電子輸送層上に塗布する方法が好ましい。
湿式製膜法を用いた場合、塗布方法としては、特に制限はなく、公知の方法にしたがって行うことができ、例えば、ディップ法、スプレー法、ワイヤーバー法、スピンコート法、ローラーコート法、ブレードコート法、グラビアコート法、また、湿式印刷方法として、凸版、オフセット、グラビア、凹版、ゴム版、スクリーン印刷等様々な方法を用いることができる。
また、超臨界流体又は臨界点より低い温度及び圧力の亜臨界流体中で製膜してもよい。超臨界流体は、気体と液体が共存できる限界(臨界点)を超えた温度及び圧力領域において非凝集性高密度流体として存在し、圧縮しても凝集せず、臨界温度以上、かつ臨界圧力以上の状態にある流体である限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、臨界温度が低いものが好ましい。
超臨界流体としては、例えば、一酸化炭素、二酸化炭素、アンモニア、窒素、水、アルコール溶媒、炭化水素溶媒、ハロゲン溶媒、エーテル溶媒などが挙げられる。
アルコール溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、n-ブタノールなどが挙げられる。
炭化水素溶媒としては、例えば、エタン、プロパン、2,3-ジメチルブタン、ベンゼン、トルエンなどが挙げられる。ハロゲン溶媒としては、例えば、塩化メチレン、クロロトリフロロメタンなどが挙げられる。
エーテル溶媒としては、例えば、ジメチルエーテルなどが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、二酸化炭素が、臨界圧力7.3MPa、臨界温度31℃であることから、容易に超臨界状態をつくり出せるとともに、不燃性で取扱いが容易である点で好ましい。
亜臨界流体としては、臨界点近傍の温度及び圧力領域において、高圧液体として存在する限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。超臨界流体として挙げられる化合物は、亜臨界流体としても好適に使用することができる。
超臨界流体の臨界温度及び臨界圧力は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、臨界温度としては、-273℃以上300℃以下が好ましく、0℃以上200℃以下がより好ましい。
更に、超臨界流体及び亜臨界流体に加え、有機溶媒やエントレーナーを併用することもできる。有機溶媒及びエントレーナーの添加により、超臨界流体中での溶解度の調整をより容易に行うことができる。
有機溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ケトン溶媒、エステル溶媒、エーテル溶媒、アミド溶媒、ハロゲン化炭化水素溶媒、炭化水素溶媒などが挙げられる。
ケトン溶媒としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどが挙げられる。
エステル溶媒としては、例えば、ギ酸エチル、酢酸エチル、酢酸n-ブチルなどが挙げられる。
エーテル溶媒としては、例えば、ジイソプロピルエーテル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、ジオキサンなどが挙げられる。
アミド溶媒としては、例えば、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチル-2-ピロリドンなどが挙げられる。
ハロゲン化炭化水素溶媒としては、例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、ブロモホルム、ヨウ化メチル、ジクロロエタン、トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロベンゼン、o-ジクロロベンゼン、フルオロベンゼン、ブロモベンゼン、ヨードベンゼン、1-クロロナフタレンなどが挙げられる。
炭化水素溶媒としては、例えば、n-ペンタン、n-ヘキサン、n-オクタン、1,5-ヘキサジエン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、シクロヘキサジエン、ベンゼン、トルエン、o-キシレン、m-キシレン、p-キシレン、エチルベンゼン、クメンなどが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、光増感化合物を吸着させた電子輸送層上に、ホール輸送材料を積層した後、プレス処理工程を施してもよい。プレス処理を施すことによって、ホール輸送材料がより多孔質電極である電子輸送層と密着するため、効率が改善できる場合がある。
プレス処理の方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、IR錠剤成形器に代表されるような平板を用いたプレス成形法、ローラー等を用いたロールプレス法などを挙げることができる。
圧力としては、10kgf/cm以上が好ましく、30kgf/cm以上がより好ましい。
プレス処理する時間は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1時間以下が好ましい。また、プレス処理時に熱を加えてもよい。プレス処理の際、プレス機と電極との間に離型剤を挟んでもよい。
離型剤としては、例えば、ポリ四フッ化エチレン、ポリクロロ三フッ化エチレン、四フッ化エチレン六フッ化プロピレン共重合体、ペルフルオロアルコキシフッ化樹脂、ポリフッ化ビニリデン、エチレン四フッ化エチレン共重合体、エチレンクロロ三フッ化エチレン共重合体、ポリフッ化ビニル等のフッ素樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
プレス処理工程を行った後、第2の電極を設ける前に、ホール輸送材料と第2の電極との間に金属酸化物を設けてもよい。
金属酸化物としては、例えば、酸化モリブデン、酸化タングステン、酸化バナジウム、酸化ニッケルなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、酸化モリブデンが好ましい。
金属酸化物をホール輸送層上に設ける方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、スパッタリング、真空蒸着等の真空中で薄膜を形成する方法や湿式製膜法などが挙げられる。
湿式製膜法としては、金属酸化物の粉末又はゾルを分散したペーストを調製し、ホール輸送層上に塗布する方法が好ましい。湿式製膜法を用いた場合の塗布方法としては、特に制限はなく、公知の方法にしたがって行うことができ、例えば、ディップ法、スプレー法、ワイヤーバー法、スピンコート法、ローラーコート法、ブレードコート法、グラビアコート法、また、湿式印刷方法として、凸版、オフセット、グラビア、凹版、ゴム版、スクリーン印刷等様々な方法を用いることができる。
塗布された金属酸化物の平均厚みとしては、0.1nm以上50nm以下が好ましく、1nm以上10nm以下がより好ましい。
<第2の電極(第4の電極)>
前記第2の電極(以降、第2の電極は第4の電極であってもよい)が導電性ナノワイヤを含み、少なくとも一部の前記導電性ナノワイヤを被覆し、かつ前記ホール輸送層上に積層される導電性ポリマー、又はカーボンナノチューブを含む電荷捕集層を有する。導電性ナノワイヤ全体の50%以上が導電性ポリマーで被覆されていることが好ましく、すべての導電性ナノワイヤが導電性ポリマーで被覆されていてもよい。
少なくとも一部の導電性ナノワイヤが導電性ポリマー中に埋設されていることが好ましく、導電性ナノワイヤ全体の50%以上が導電性ポリマー中に埋設されていることが好ましく、すべての導電性ナノワイヤが導電性ポリマー中に埋設されていてもよい。
電荷捕集層は、ホール輸送層上に導電性ナノワイヤを含む導電性ナノワイヤ層を形成した後、少なくとも一部の導電性ナノワイヤを被覆し、かつ前記ホール輸送層上に積層されるように導電性ポリマーを付与することで形成される。又は電荷捕集層はカーボンナノチューブにより被覆されてもよい。
-導電性ナノワイヤ-
導電性ナノワイヤとは、断面直径が1μm未満であり、アスペクト比(長軸長/直径)が10以上である、断面直径がナノレベルのワイヤ状の金属構造体である。
導電性ナノワイヤの直径は、5nm以上250nm以下であることが好ましく、10nm以上150nm以下であることがより好ましい。この範囲内であると、塗膜の透明性に優れる。
導電性ナノワイヤの長軸長は、0.5μm以上500μm以下であることが好ましく、2.5μm以上100μm以下であることがより好ましい。この範囲内であると、導電性ナノワイヤの分散性に優れ、また、透明導電膜とした際の導電性や透明性に優れる。
導電性ナノワイヤとしては、例えば、金属でコーティングした有機繊維や無機繊維、導電性金属酸化物繊維、金属ナノワイヤ、炭素繊維、カーボンナノチューブなどが挙げられる。これらの中でも、導電性を満足する点から、金属ナノワイヤが好ましい。
前記金属ナノワイヤの金属組成としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、貴金属元素や卑金属元素の1種又は複数の金属から構成されることができるが、貴金属(例えば、金、白金、銀、パラジウム、ロジウム、イリジウム、ルテニウム、オスミウム等)、鉄、コバルト、銅、錫からなる群に属する少なくとも1種の金属を含むことが好ましく、導電性の観点から銀を含むことが特に好ましい。
したがって、導電性ナノワイヤとしては、銀ナノワイヤが特に好ましい。
導電性ナノワイヤとしての銀ナノワイヤは、特に制限はなく、公知の製造方法で得られたものを用いることができる。本発明においては、N置換アクリルアミド含有重合体をワイヤ成長制御剤として、銀化合物をポリオール中において25℃~180℃で反応させる工程を含む製造方法から得られた銀ナノワイヤが好ましい。
銀ナノワイヤ層は、ホール輸送層上に銀ナノワイヤ分散液を付与することにより形成される。
銀ナノワイヤ分散物は、銀ナノワイヤ、分散媒、及びその他の成分を含有する。
分散媒としては、例えば、水、アルコール類が挙げられる。アルコール類としては、例えば、メタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、1-ブタノール、2-ブタノール、2-メチルプロパノール、1,1-ジメチルエタノール、シクロヘキサノールなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
その他の成分としては、必要に応じて、各種の添加剤、例えば、界面活性剤、重合性化合物、酸化防止剤、硫化防止剤、腐食防止剤、粘度調整剤、防腐剤などを含有することができる。
銀ナノワイヤ層は、上記銀ナノワイヤ分散液を用い、公知の塗布方法によって形成することができる。塗布方法としては、例えば、スピンコート法、スリットコート法、ディップコート法、ブレードコート法、バーコート法、スプレー法、凸版印刷法、凹版印刷法、スクリーン印刷法、平板印刷法、ディスペンス法、インクジェット法などが挙げられる。
-導電性ポリマー-
前記導電性ポリマーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリチオフェン又はその誘導体、ポリアニリン又はその誘導体、ポリピロール又はその誘導体、ポリアセチレン又はその誘導体、ポリカルバゾール又はその誘導体、ポリビニルピリジン又はその誘導体、ポリ(n-ビニルカルバゾール)又はその誘導体、ポリフルオレン又はその誘導体、ポリフェニレン又はその誘導体、ポリ(p-フェニレンビニレン)又はその誘導体、ポリ(ピリジンビニレン)又はその誘導体、ポリキノキサリン又はその誘導体、ポリキノリン又はその誘導体、ポリオキサジアゾール誘導体、ポリバソフェナントロリン誘導体、ポリトリアゾール誘導体、又はこれらのポリマーを適宜、アミン基、ヒドロキシ基、ニトリル基、カルボニル基等の置換基で置換したものなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、導電性が高い点から、ポリチオフェン又はその誘導体、ポリアニリン又はその誘導体、ポリピロール又はその誘導体が好ましい。
電荷捕集層は、上記銀ナノワイヤ層上に、公知の方法により調製した導電性ポリマー分散液を公知の塗布方法で塗布することによって形成することができる。塗布方法としては、例えば、スピンコート法、スリットコート法、ディップコート法、ブレードコート法、バーコート法、スプレー法、凸版印刷法、凹版印刷法、スクリーン印刷法、平板印刷法、ディスペンス法、インクジェット法などが挙げられる。
電荷捕集層の平均厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.02μm以上0.2μm以下が好ましい。0.05μm以上0.1μm以下がより好ましい。
電荷捕集層において、導電性ポリマーは銀ナノワイヤを被覆し、隣接する銀ナノワイヤ同士の隙間を埋めることができればよく、導電性ポリマーの含有量は銀ナノワイヤの含有量に比べて少ないことが、高導電性の点から好ましい。
したがって、電荷捕集層における銀ナノワイヤの含有量Aと、電荷捕集層における導電性ポリマーの含有量Bとの質量体積比(A:B)は、1:1~1:4が好ましい。
第2の電極は、透光性を有することが好ましい。透光性を有するとは、第2の電極の光透過率が80%以上であることを意味する。ここで、光透過率は一般的な紫外可視分光光度計により測定することができる。
<封止部材>
封止部材としては、感圧接着剤(PSA)による面封止か、封止樹脂による枠封止形状となる。PSAとしては、水分等の吸着するゲッター剤等を練り込んだアクリル樹脂、エポキシ樹脂、オレフィン樹脂から粘着フィルムなどが挙げられる。封止樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、低融点ガラス樹脂などが挙げられる。
アクリル樹脂の硬化物は、分子内にアクリル基を有するモノマーあるいはオリゴマーが硬化されたものであれば、公知のいずれの材料でも使用することが可能である。
エポキシ樹脂の硬化物は、分子内にエポキシ基を有するモノマーあるいはオリゴマーが硬化されたものであれば、公知のいずれの材料でも使用することが可能である。
エポキシ樹脂としては、例えば、水分散系、無溶剤系、固体系、加熱硬化型、硬化剤混合型、紫外線硬化型などが挙げられる。これらの中でも熱硬化型及び紫外線硬化型が好ましく、紫外線硬化型がより好ましい。なお、紫外線硬化型であっても、加熱を行うことは可能であり、紫外線硬化した後であっても加熱を行うことが好ましい。
エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、ノボラック型、環状脂肪族型、長鎖脂肪族型、グリシジルアミン型、グリシジルエーテル型、グリシジルエステル型などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
エポキシ樹脂は、必要に応じて硬化剤や各種添加剤を混合することが好ましい。
硬化剤としては、アミン系、酸無水物系、ポリアミド系及びその他の硬化剤に分類され、目的に応じて適宜選択される。
アミン系硬化剤としては、例えば、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどの脂肪族ポリアミン、メタフェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホン等の芳香族ポリアミンなどが挙げられる。
酸無水物系硬化剤としては、例えば、無水フタル酸、テトラ及びヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、無水ピロメリット酸、無水ヘット酸、ドデセニル無水コハク酸などが挙げられる。
その他の硬化剤としては、例えば、イミダゾール類、ポリメルカプタンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
添加剤としては、例えば、充填材(フィラー)、ギャップ剤、重合開始剤、乾燥剤(吸湿剤)、硬化促進剤、カップリング剤、可とう化剤、着色剤、難燃助剤、酸化防止剤、有機溶剤などが挙げられる。これらの中でも、充填材、ギャップ剤、硬化促進剤、重合開始剤、乾燥剤(吸湿剤)が好ましく、充填材及び重合開始剤がより好ましい。
充填材は、水分や酸素の浸入を抑制する上で有効であるほか、硬化時の体積収縮の低減、硬化時あるいは加熱時のアウトガス量の低減、機械的強度の向上、熱伝導性や流動性の制御等の効果を得ることができ、様々な環境でも安定した出力を維持する上で非常に有効である。特に、光電変換素子の出力特性やその耐久性は、単に侵入する水分や酸素の影響だけでなく、封止部材の硬化時あるいは加熱時に発生するアウトガスの影響が無視できない。特に、加熱時に発生するアウトガスの影響は、高温環境保管における出力特性に大きな影響を及ぼす。
この場合、封止部材に充填材やギャップ剤、乾燥剤を含有させることにより、これら自身が水分や酸素の浸入を抑制できるほか、封止部材の使用量を低減できることにより、アウトガスを低減させる効果を得ることができる。これは、硬化時だけでなく、光電変換素子を高温環境に保存した際にも有効である。
充填材としては、特に制限されるものではなく、公知のものを用いることができ、例えば、結晶性あるいは不定形のシリカ、タルク、アルミナ、窒化アルミ、窒化珪素、珪酸カルシウム、炭酸カルシウム等の無機系充填材が好ましく用いられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。充填材の平均一次粒径は、0.1μm以上10μmが好ましく、1μm以上5μm以下がより好ましい。添加量が好ましい範囲内であると、水分や酸素の侵入を抑制する効果を十分に得ることができ、粘度が適正となり、基板との密着性や脱泡性の向上、あるいは封止部の幅の制御や作業性に対しても有効である。
充填材の含有量としては、封止部材全体が100質量部に対し、10質量部以上90質量部以下が好ましく、20質量部以上70質量部以下がより好ましい。充填材の含有量が上記範囲内であることにより、水分や酸素の浸入抑制効果が十分に得られ、粘度も適正となり、密着性及び作業性も良好となる。
ギャップ剤とは、ギャップ制御剤又はスペーサー剤とも称され、封止部のギャップを制御することが可能になる。例えば、第1の基板もしくは第1の電極の上に、封止部材を付与し、その上に第2の基板を載せて封止を行う場合、エポキシ樹脂にギャップ剤を混合していることにより、封止部のギャップがギャップ剤のサイズに揃うため、容易に封止部のギャップを制御することができる。
ギャップ剤としては、粒状でかつ粒径が均一であり、耐溶剤性や耐熱性が高いものであれば、公知の材料を使用できる。エポキシ樹脂と親和性が高く、粒子形状が球形であるものが好ましい。具体的には、ガラスビーズ、シリカ微粒子、有機樹脂微粒子等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
ギャップ剤の粒径としては、設定する封止部のギャップに合わせて選択可能であるが、1μm以上100μm以下が好ましく、5μm以上50μm以下がより好ましい。
重合開始剤は、熱や光を用いて重合を開始させることを目的として添加される材料である。
熱重合開始剤は、加熱によってラジカルやカチオンなどの活性種を発生する化合物で、具体的には2,2’-アゾビスブチロニトリル(AIBN)のようなアゾ化合物や、過酸化ベンゾイル(BPO)などの過酸化物等が用いられる。熱カチオン重合開始剤としてはベンゼンスルホン酸エステルやアルキルスルホニウム塩等が用いられる。一方、光重合開始剤は、エポキシ樹脂の場合光カチオン重合開始剤が好ましく用いられる。エポキシ樹脂に光カチオン重合開始剤を混合し、光照射を行うと光カチオン重合開始剤が分解して、強酸を発生し、酸がエポキシ樹脂の重合を引き起こし、硬化反応が進行する。光カチオン重合開始剤は、硬化時の体積収縮が少なく、酸素阻害を受けず、貯蔵安定性が高いといった効果を有する。
光カチオン重合開始剤としては、例えば、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、芳香族スルホニウム塩、メタセロン化合物、シラノール・アルミニウム錯体などが挙げられる。
また、光を照射することにより酸を発生する機能を有する光酸発生剤も使用できる。光酸発生剤は、カチオン重合を開始する酸として作用し、例えば、カチオン部とアニオン部からなるイオン性のスルホニウム塩系やヨードニウム塩系などのオニウム塩が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
重合開始剤の添加量としては、使用する材料によって異なる場合があるが、封止部材全体が100質量部に対し、0.5質量部以上10質量部以下が好ましく、1質量部以上5質量部以下がより好ましい。添加量が上記範囲内であることにより、硬化が適正に進み、未硬化物の残存を低減することができ、またアウトガスが過剰になるのを防止でき、有効である。
乾燥剤は、吸湿剤とも称され、水分を物理的あるいは化学的に吸着、吸湿する機能を有する材料であり、封止部材に含有させることにより、耐湿性を更に高めたり、アウトガスの影響を低減できたりする場合もあることから有効である。
乾燥剤としては、粒子状であるものが好ましく、例えば、酸化カルシウム、酸化バリウム、酸化マグネシウム、硫酸マグネシウム、硫酸ナトリウム、塩化カルシウム、シリカゲル、モレキュラーシーブ、ゼオライトなどの無機吸水材料が挙げられる。これらの中でも、吸湿量が多いゼオライトが好ましい。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
硬化促進剤は、硬化触媒とも称され、硬化速度を速めることを目的として用いられ、主に熱硬化型のエポキシ樹脂に用いられる。
硬化促進剤としては、例えば、DBU(1,8-ジアザビシクロ(5,4,0)-ウンデセン-7)やDBN(1,5-ジアザビシクロ(4,3,0)-ノネン-5)等の三級アミンあるいは三級アミン塩、1-シアノエチル-2-エチル-4-メチルイミダゾールや2-エチル-4-メチルイミダゾール等のイミダゾール系、トリフェニルホスフィンやテトラフェニルホスホニウム・テトラフェニルボレート等のホスフィンあるいはホスホニウム塩などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
カップリング剤は、分子結合力を高める効果を有し、シランカップリング剤が挙げられ、例えば、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、N-フェニル-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-(2-アミノエチル)3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N-(2-アミノエチル)3-アミノプロピルメチルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、N-(2-(ビニルベンジルアミノ)エチル)3-アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
低融点ガラス樹脂は、樹脂塗布後に550℃程度の焼成工程により、樹脂成分を分解させた後、赤外線レーザー等により溶融させながら、ガラス基板と密着させる。この時、低融点ガラス成分は金属酸化物層の内部に拡散し、物理的に接合されることで、高い封止性能を得ることができる。また、樹脂成分が消失していることで、アクリル樹脂やエポキシ樹脂のようなアウトガスが発生しないことで、光電変換素子を劣化させることがない。
更に、封止部材は、封止材、シール材あるいは接着剤として市販されているエポキシ樹脂組成物が知られており、本発明においても有効に使用することができる。中でも、太陽電池や有機EL素子用途向けに開発、市販されているエポキシ樹脂組成物もあり、本発明において特に有効に使用できる。例えば、TB3118、TB3114、TB3124、TB3125F(スリーボンド社製)、WorldRock5910、WorldRock5920、WorldRock8723(協立化学株式会社製)、WB90US(P)(モレスコ社製)などが挙げられる。
本発明においては、シート状封止材(PSA)を用いることができる。例えば、バリアテープ61501(テサテープ社製)、S-2191(モレスコ社製)等が挙げられる。
封止部材の形成方法としては、特に制限はなく、公知の方法にしたがって行うことができ、例えば、ディスペンス法、ワイヤーバー法、スピンコート法、ローラーコート法、ブレードコート法、グラビアコート法、凸版、オフセット、凹版、ゴム版、スクリーン印刷等様々な方法を用いることができる。
更に、封止部材と第2の電極との間に緩衝層を設けてもよい。緩衝層としては、封止部材が第2の電極に接しないように配置されていれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、酸化アルミニウム、窒化シリコン、酸化シリコン、2酸化ケイ素、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂などが好ましく用いられる。
以下、本発明の光電変換素子について図面を参照して説明する。各図面において、同一構成部分には同一符号を付し、重複した説明を省略する場合がある。
図1は、本発明の光電変換素子の一例を示す概略図である。この図1の光電変換素子201における第1の光電変換部101には、第1の基板1a上に第1の電極2aが形成される。第1の電極2a上には第1のホールブロッキング層3aが形成され、電子とホールの再結合を防止することができ、発電性能の向上に有効である。第1のホールブロッキング層3a上に第1の電子輸送層4aが形成され、第1の電子輸送層4aを構成する電子輸送性材料の表面に第1の光増感化合物5aが吸着されている。第1の電子輸送層4aの上部及び内部には第1のホール輸送層6aが形成され、第1のホール輸送層6aの上に第2の電極7aが形成される。
第2の光電変換部102には、第2の基板8a上に第3の電極9aが形成される。第3の電極9a上には第2のホールブロッキング層10aが形成され、電子とホールの再結合を防止することができ、発電性能の向上に有効である。第2のホールブロッキング層10a上に第2の電子輸送層11aが形成され、第2の電子輸送層11aを構成する電子輸送性材料の表面に第2の光増感化合物12aが吸着されている。第2の電子輸送層11aの上部及び内部には第2のホール輸送層13aが形成され、第2のホール輸送層13aの上に第4の電極14aが形成される。
第1の光電変換部101と第2の光電変換部102とは向い合せに配置され、第1の基板1a又は第1のホールブロッキング層3aと、第2の基板8a又は第2のホールブロッキング層10aとの間で封止部材15aによって固定される。
第1の光電変換部101と第2の光電変換部102の間に中空部を有することにより、中空部内の水分量や酸素濃度を制御することが可能になり、発電性能やその耐久性を向上できるメリットがある。中空部内の酸素濃度は、特に制限はなく、自由に選択できるが、0%以上21%以下が好ましく、5%以上15%以下がより好ましい。
なお、図示を省略しているが、第1の電極2a及び第2の電極7aは各々電極取出し端子まで導通する経路を有する。
図2は、本発明の光電変換素子の別の一例を示す概略図であり、この図2の光電変換素子202は、第2の電極7b上に第1の緩衝層8bが形成され、同じく第4の電極15b上に第2の緩衝層16bが形成される。第1の光電変換部103と第2の光電変換部104は向い合せに配置され、第1の基板1b又は第1のホールブロッキング層3b又は第1の緩衝層8bと、第2の基板9b又は第2のホールブロッキング層11b又は第2の緩衝層16bとの間に封止部材17bによって固定される。
第1の光電変換部103と第2の光電変換部104が封止部材17bにより満たされることで、外部からの酸素や水からの侵入を防ぐことができ、高温高湿耐久性を向上できるメリットがある。
図3は、本発明の光電変換素子の別の一例を示す概略図であり、この図3の光電変換素子203は、第1の光電変換部105と第2の光電変換部106が一部向い合せに配置されている。光増感化合物の種類により呈する色味は異なるが、光増感化合物が吸着された電子輸送層が重なる領域と、重ならない領域とは、呈する色味が異なることから、最大3色の色味を呈することができる。3色の色味により、高い意匠性が得られるメリットがある。
第1の光電変換部105及び第2の光電変換部106のそれぞれが有する、第1の電極2cと第2の電極7c、第1の電子輸送層4cと第2の電子輸送層12c、第1のホール輸送層6cと第2のホール輸送層14c、第3の電極10cと第4の電極15cは互いに異なる材料で構成するようにしてもよい。例えば、第1の光電変換部105と第2の光電変換部106の透光性に違いが出るような材料を選択することで、それぞれの色の明るさ調整も可能となる。
(電子機器)
本発明の電子機器は、本発明の光電変換素子と、前記光電変換素子が光電変換することによって発生した電力によって動作する装置と、を有し、更に必要に応じてその他の装置を有する。
(電源モジュール)
本発明の電源モジュールは、本発明の光電変換素子と、電源IC(Integrated Circuit)と、を有し、更に必要に応じてその他の装置を有する。
次に、本発明の光電変換素子と、これらが発電することによって得られた電力により動作する装置を有する電子機器の具体的な実施形態について説明する。
図4は、本発明の電子機器の一例としてのパソコン用マウスのブロック図である。
図4に示すように、光電変換素子と電源IC、更に蓄電デバイスとを組み合わせ、供給される電力をマウスの制御回路の電源に接続する。これにより、マウスを使用していない時に蓄電デバイスに充電し、その電力でマウスを動作させることができ、配線や電池交換が不要なマウスを得ることができる。また、電池が不要になることで軽量化も可能となり、有効である。
図5は、図4に示したマウスの一例を示す概略外観図である。
図5に示すように、光電変換素子及び電源IC、蓄電デバイスはマウス内部に実装されるが、光電変換素子に光が当たるように光電変換素子の上部は透明の筐体で覆われている。また、マウスの筐体すべてを透明な樹脂で成形することも可能である。光電変換素子の配置はこれに限られるものではなく、例えばマウスを手で覆っていても光が照射される位置に配置することも可能であり、好ましい場合がある。
次に、本発明の光電変換素子と、これらが発電することによって得られた電力により動作する装置を有する電子機器の他の実施形態について説明する。
図6は、本発明の電子機器の一例としてのパソコン用キーボードのブロック図である。
図6に示すように、光電変換素子と電源IC、蓄電デバイスを組み合わせ、供給される電力をキーボードの制御回路の電源に接続する。これにより、キーボードを使用していない時に蓄電デバイスに充電し、その電力でキーボードを動作させることができ、配線や電池交換が不要なキーボードを得ることができる。また、電池が不要になることで軽量化も可能となり、有効である。
図7は、図6に示したキーボードの一例を示す概略外観図である。
図7に示すように、光電変換素子及び電源IC、蓄電デバイスはキーボード内部に実装されるが、光電変換素子に光が当たるように光電変換素子の上部は透明の筐体で覆われている。キーボードの筐体すべてを透明な樹脂で成形することも可能である。光電変換素子の配置はこれに限られるものではない。光電変換素子を組み込むスペースが小さい小型のキーボードの場合には、図8に示すように、キーの一部に小型の光電変換素子を埋め込むことも可能であり、有効である。
次に、本発明の光電変換素子と、これらが発電することによって得られた電力により動作する装置を有する電子機器の他の実施形態について説明する。
図9は、本発明の電子機器の一例としてのセンサのブロック図である。
図9に示すように、光電変換素子と電源IC、蓄電デバイスを組み合わせ、供給される電力をセンサ回路の電源に接続する。これにより、外部電源に接続する必要がなく、また電池交換を行う必要もなく、センサモジュールを構成することが可能となる。センシング対象としては、温湿度、照度、人感、CO、加速度、UV、騒音、地磁気、気圧など、様々なセンサに応用でき、有効である。センサモジュールは、図7に示すように、定期的に測定対象をセンシングし、読み取ったデータをPCやスマートフォンなどに無線通信で送信する構成になっている。
IoT(Internet of Things)社会の到来により、センサは急増することが予想されている。この無数のセンサの電池を一つ一つ交換するには大きな手間がかかり、現実的ではない。またセンサは、天井や壁など、電池交換しにくい場所にあることも作業性を悪くしている。光電変換素子により電力供給できることもメリットは非常に大きい。また、本発明の光電変換素子は、低照度でも高い出力を得ることができ、かつ出力の光入射角依存性が小さいことから、設置自由度が高いといったメリットも得られる。
次に、本発明の光電変換素子と、これらが発電することによって得られた電力により動作する装置を有する電子機器の他の実施形態について説明する。
図10は、本発明の電子機器の一例としてのターンテーブルのブロック図である。
図10に示すように、光電変換素子と電源IC、蓄電デバイスを組み合わせ、供給される電力をターンテーブル回路の電源に接続する。これにより、外部電源に接続する必要がなく、また電池交換を行う必要もなく、ターンテーブルを構成することが可能となる。
ターンテーブルは、例えば商品を陳列するショーケースなどに用いられるが、電源の配線は見栄えが悪く、また電池交換の際には陳列物を撤去しなければならず、大きな手間がかかっていた。本発明の光電変換モジュールを用いることで、そのような不具合を解消でき、有効である。
<用途>
本発明の光電変換素子は、自立型電源として機能させることができ、光電変換によって発生した電力を用いて、装置を動作させることが可能である。本発明の光電変換素子は、光が照射されることにより発電することが可能であるため、電子機器を電源に接続したり、あるいは電池交換したりする必要がない。そのため、電源設備がない場所でも電子機器を動作させたり、身に着けて持ち歩いたり、電池交換が困難な場所でも電池を交換することなく、電子機器を動作させたりすることが可能である。また、乾電池を用いる場合は、その分、電子機器が重くなったり、サイズが大きくなったりするため、壁や天井への設置、あるいは持ち運びに支障を来すことがあるが、本発明の光電変換素子は、軽量で薄いため、設置自由度が高く、身に着けたり、持ち歩く上でもメリットが大きい。
このように、本発明の光電変換素子は、自立型電源として使用でき、様々な電子機器に組み合わせることができる。例えば、電子卓上計算機、腕時計、携帯電話、電子手帳、電子ペーパーなどの表示機器、マウスやキーボードなどのパソコンの付属機器、温湿度センサや人感センサなどの各種センサ機器、ビーコンやGPSなどの発信機、補助灯、リモコン等数多くの電子機器と組み合わせて使用することができる。
本発明の光電変換素子は、特に低照度の光でも発電できるため、室内でも、更に薄暗い影のところでも発電することが可能であるため、適用範囲が広い。また、乾電池のように液漏れがなく、ボタン電池のように誤飲することもなく安全性が高い。更に、充電式や乾電池式の電気器具の連続使用時間を長くするための補助電源として用いることができる。このように、本発明の光電変換素子と、それが光電変換することによって発生した電力によって動作する装置とを組み合わせることで、軽量で使い勝手がよく、設置自由度が高く、交換が不要で、安全性に優れ、かつ環境負荷低減にも有効な電子機器に生まれ変わることができる。
本発明の光電変換素子と、それが光電変換することによって発生した電力によって動作する装置とを組み合わせた電子機器の基本構成図を図11に示す。これは、光電変換素子に光が照射されると発電し、電力を取り出すことができる。機器の回路は、その電力によって動作することが可能になる。
しかし、光電変換素子は周囲の照度によって出力が変化するため、図11に示す電子機器は安定に動作することができない場合がある。この場合、図12に示すように、回路側に安定した電圧を供給するために、光電変換素子と機器の回路の間に光電変換素子用の電源ICを組み込むことが可能であり、有効である。
しかし、光電変換素子は十分な照度の光が照射されていれば発電できるが、発電するだけの照度が足りなくなると、所望の電力が得られなくなり、これが光電変換素子の欠点でもある。この場合には、図13に示すように、キャパシタ等の蓄電デバイスを電源ICと機器回路の間に搭載することによって、光電変換素子からの余剰電力を蓄電デバイスに充電することが可能となり、照度が低すぎる場合や、光電変換素子に光が当たらない場合でも、蓄電デバイスに蓄えられた電力を機器回路に供給することが可能になり、安定に動作させることが可能となる。
このように、本発明の光電変換素子と、機器回路とを組み合わせた電子機器において、電源ICや蓄電デバイスを組み合わせることで、電源のない環境でも動作可能であり、また電池交換が不要で、安定に駆動させることが可能になり、光電変換素子のメリットを最大限に活かすことができる。
一方、本発明の光電変換素子は、電源モジュールとしても使用することが可能であり、有用である。例えば、図14に示すように、本発明の光電変換素子と、光電変換素子用の電源ICを接続すると、光電変換素子が光電変換することによって発生した電力を電源ICにて一定の電圧レベルで供給することが可能な直流電源モジュールを構成することができる。
更に、図15に示すように、電源ICに蓄電デバイスを追加することにより、光電変換素子が発生させた電力を蓄電デバイスに充電することが可能になり、照度が低すぎる場合や、光電変換素子に光が当たらない状態になっても、電力を供給することが可能な電源モジュールを構成することができる。
図14及び図15に示した本発明の電源モジュールは、従来の一次電池のように電池交換をすることなく、電源モジュールとして使用することが可能である。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
<光電変換素子の作製>
第1の基板としてのガラス基板上に、第1の電極としてのインジウムドープ酸化錫(ITO)とニオブドープ酸化錫(NTO)を順次スパッタ製膜した。
次に、第1の電極上に、第1のホールブロッキング層としての酸化チタンからなる緻密な層(平均厚み20nm)を酸素ガスによる反応性スパッタにより形成した。
次に、酸化チタン(Greatcell Solar Materials社製、18NR-T)ペーストを、ホールブロッキング層上に平均厚みが約1.2μmになるように塗布し、120℃で乾燥後、空気中、500℃で30分間焼成し、多孔質状の第1の電子輸送層を形成した。
次に、第1の電子輸送層を形成したガラス基板を、第1の光増感化合物B1-10(0.2mM)にアセトニトリル:t-ブタノール(体積比1:1)混合液を加え撹拌した溶液に浸漬し、1時間暗所で静置して、第1の電子輸送層の表面に第1の光増感化合物を吸着させた。
次に、クロロベンゼン溶液1mLに、有機ホール輸送材料D-7(HT-263、メルク株式会社製)150mM、リチウム塩としてキシダ化学株式会社製リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド)70mM、4-ターシャルブチルピリジン(TBP、アルドリッチ社製)の塩基性化合物135mM、及びコバルト錯体F-11(FK209、Greatcell solar materials社製)15mMを加えて溶解し、第1のホール輸送層塗布液を調製した。
次に、第1の光増感化合物を吸着させた第1の電子輸送層上に、第1のホール輸送層塗布液を用い、ダイコートにより約500nmの第1のホール輸送層を形成した。
次に、第1のホール輸送層上に、直径60nm、長さ10μmの銀ナノワイヤ分散液(アルドリッチ社製)をダイコートにより70nm製膜し、120℃で5分間加熱乾燥した。更に、エメラルジン塩基ポリアニリン(アルドリッチ社製)をダイコートにより製膜し、100℃で30分間加熱乾燥し、第2の電極を形成した。
その後、封止部材が設けられるガラス基板の端部をレーザー加工によりエッチング処理し、更にレーザー加工により端子取り出し部となるITO層に接続するための貫通孔を形成した光電変換素子1からなる第1の光電変換部を作製した。
-第2の光電変換部の作製-
次に、上記第1の光電変換部において、第1の光増感化合物B1-10を第2の光増感化合物B1-17に代えた以外は、第1の光電変換部と同様にして、第3の電極と、該第3の電極上に形成された第2の電子輸送層と、前記第2の電子輸送層の表面に吸着した前記第1の光増感化合物と異なる第2の光増感化合物と、第2のホール輸送層と、第4の電極とを有する光電変換素子2からなる第2の光電変換部を作製した。
次に、第1の光電変換部における第1の基板の端部を、発電領域が取り囲まれるように、紫外線硬化樹脂(TB3118、株式会社スリーボンドホールディングス製)をディスペンサー(2300N、株式会社サンエイテック製)を用いて塗布した。その後、露点マイナス40℃かつ酸素濃度を10%に制御したグローブボックス内に移して、紫外線硬化樹脂上に第2の光電変換部を載せ、紫外線照射により硬化させた後、80℃で60分間加熱した。発電領域の封止を行い、図1に示すような実施例1の光電変換素子を作製した。
得られた光電変換素子について、以下のようにして、性能評価を行った。結果を表1に示した。
<光電変換素子の性能評価>
第1の光電変換部側から、1,000 luxに調整した5,000K白色系LED照射し、第1の光電変換部と第2の光電変換部とを並列繋ぎで接続し、太陽電池評価システム(As-510-PV03、株式会社エヌエフ回路設計ブロック製)を用いて、IV特性を評価した。得られた開放電圧Voc1(V)及び最大出力電力Pmax1(μW/cm)を表1に示した。また、1,000 luxに調整した2,700K暖色系LEDを用いて上記と同様にして測定した開放電圧Voc2(V)及び最大出力電力Pmax2(μW/cm)を表1に示した。
(実施例2)
実施例1において、塩基性化合物としての4-ターシャルブチルピリジンを塩基性化合物H-1に変更した以外は、実施例1と同様にして、図1に示すような実施例2の光電変換素子を作製し、実施例1と同様にして、性能評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例3)
実施例2において、リチウム塩をリチウム(フルオロスルホニル)(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(東京化成株式会社製)に変更した以外は、実施例1と同様にして、図1に示すような実施例3の光電変換素子を作製し、実施例1と同様にして、性能評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例4~10)
実施例3において、第1の光電変換部の第1の光増感化合物B1-10及び第2の光電変換部の第2の光増感化合物B1-17を、表1に示す第1及び第2の光増感化合物に変更した以外は、実施例3と同様にして、図1に示すような実施例4~10の光電変換素子を作製し、実施例1と同様にして、性能評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例11)
実施例10において、第1の光電変換部及び第2の光電変換部における第2の電極上に酸化アルミナ(アルドリッチ社製)をそれぞれ3μm積層し、緩衝層を形成した。また、紫外線硬化樹脂は発電領域を含めて全面に塗布し、硬化させた。これら以外は、実施例10と同様にして、図2に示すような実施例11の光電変換素子を作製し、実施例1と同様にして、性能評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例12)
実施例3において、第1の光電変換部の第2の電極を真空蒸着で形成したAg(10nm)に変更した以外は、実施例3と同様にして、実施例12の光電変換素子を作製し、実施例1と同様にして、性能評価を行った。結果を表1に表す。
(比較例1)
実施例3において、第2の光電変換部を無アルカリガラス(イーグルXG、コーニング社製)に変更した以外は、実施例3と同様にして、比較例1の光電変換素子を作製し、実施例1と同様にして、性能評価を行った。結果を表1に示す。
(比較例2)
実施例3において、第1の光電変換部を無アルカリガラス(イーグルXG、コーニング社製)に変更した以外は、実施例3と同様にして、比較例2の光電変換素子を作製し、実施例1と同様にして、性能評価を行った。結果を表1に示す。
(比較例3)
実施例3において、第1と第2の光電変換部の増感色素を同じにした以外は、実施例3と同様にして、比較例3の光電変換素子を作製し、実施例1と同様にして、性能評価を行った。結果を表1に示す。
Figure 2022144443000035
表1の結果から、実施例1~12は、比較例1~3と比べて、幅広い光吸収性を有し、最大出力電力が高いことがわかった。
また、実施例10と実施例11の結果から、第1の光電変換部と第2の光電変換部との間の空気界面はない方がよいことがわかった。
本発明の態様は、例えば、以下のとおりである。
<1> 第1の基板と第2の基板との間に、封止部材を介して第1の光電変換部と第2の光電変換部を有し、
前記第1の光電変換部は、第1の電極と、該第1の電極上に形成された第1の電子輸送層と、前記第1の電子輸送層の表面に吸着した第1の光増感化合物と、第1のホール輸送層と、第2の電極とを有し、
前記第2の光電変換部は、第3の電極と、該第3の電極上に形成された第2の電子輸送層と、前記第2の電子輸送層の表面に吸着した前記第1の光増感化合物と異なる第2の光増感化合物と、第2のホール輸送層と、第4の電極とを有することを特徴とする光電変換素子である。
<2> 前記第2の電極及び前記第4の電極の少なくともいずれかが、導電性ナノワイヤを含み、少なくとも一部の前記導電性ナノワイヤを被覆し、かつ前記ホール輸送層上に積層される導電性ポリマー、又はカーボンナノチューブを含む電荷捕集層を有する、前記<1>に記載の光電変換素子である。
<3> 前記導電性ポリマーが、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリピロール、又はこれらの誘導体を含む、前記<2>に記載の光電変換素子である。
<4> 前記第2の電極及び前記第4の電極の少なくともいずれかが透光性を有する、前記<2>から<3>のいずれかに記載の光電変換素子である。
<5> 前記第1の電子輸送層及び前記第2の電子輸送層の少なくともいずれかが、多孔質状の酸化チタン粒子を含む、前記<1>から<4>のいずれかに記載の光電変換素子である。
<6> 前記第1のホール輸送層及び前記2のホール輸送層の少なくともいずれかが、p型半導体材料、塩基性化合物、及びリチウム塩を有し、
前記塩基性化合物が下記一般式(4)で表されるピリジン化合物を含有する、前記<1>から<5>のいずれかに記載の光電変換素子である。
Figure 2022144443000036
ただし、前記一般式(4)中、Ar及びArは、置換基を有していてもよいアリール基を表す。
<7> 前記リチウム塩が、リチウム(フルオロスルホニル)(トリフルオロメタンスルホニル)イミドである、前記<6>に記載の光電変換素子である。
<8> 前記封止部材が、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、及びオレフィン樹脂から選択される少なくとも1種を含む、前記<1>から<7>のいずれかに記載の光電変換素子である。
<9> 前記<1>から<8>のいずれかに記載の光電変換素子と、
前記光電変換素子が光電変換することによって発生した電力によって動作する装置と、
を有することを特徴とする電子機器である。
<10> 前記<1>から<8>のいずれかに記載の光電変換素子と、
電源ICと、
を有することを特徴とする電源モジュールである。
前記<1>から<8>のいずれかに記載の光電変換素子、前記<9>に記載の電子機器、及び前記<10>に記載の電源モジュールは、従来における前記諸問題を解決し、前記本発明の目的を達成することができる。
101 第1の光電変換部
102 第2の光電変換部
103 第1の光電変換部
104 第2の光電変換部
105 第1の光電変換部
106 第2の光電変換部
201 光電変換素子
202 光電変換素子
203 光電変換素子
特開2011-82396号公報 特開2010-3468号公報

Claims (10)

  1. 第1の基板と第2の基板との間に、封止部材を介して第1の光電変換部と第2の光電変換部を有し、
    前記第1の光電変換部は、第1の電極と、該第1の電極上に形成された第1の電子輸送層と、前記第1の電子輸送層の表面に吸着した第1の光増感化合物と、第1のホール輸送層と、第2の電極とを有し、
    前記第2の光電変換部は、第3の電極と、該第3の電極上に形成された第2の電子輸送層と、前記第2の電子輸送層の表面に吸着した前記第1の光増感化合物と異なる第2の光増感化合物と、第2のホール輸送層と、第4の電極とを有することを特徴とする光電変換素子。
  2. 前記第2の電極及び前記第4の電極の少なくともいずれかが、導電性ナノワイヤを含み、少なくとも一部の前記導電性ナノワイヤを被覆し、かつ前記ホール輸送層上に積層される導電性ポリマー、又はカーボンナノチューブを含む電荷捕集層を有する、請求項1に記載の光電変換素子。
  3. 前記導電性ポリマーが、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリピロール、又はこれらの誘導体を含む、請求項2に記載の光電変換素子。
  4. 前記第2の電極及び前記第4の電極の少なくともいずれかが透光性を有する、請求項2から3のいずれかに記載の光電変換素子。
  5. 前記第1の電子輸送層及び前記第2の電子輸送層の少なくともいずれかが、多孔質状の酸化チタン粒子を含む、請求項1から4のいずれかに記載の光電変換素子。
  6. 前記第1のホール輸送層及び前記2のホール輸送層の少なくともいずれかが、p型半導体材料、塩基性化合物、及びリチウム塩を有し、
    前記塩基性化合物が下記一般式(4)で表されるピリジン化合物を含有する、請求項1から5のいずれかに記載の光電変換素子。
    Figure 2022144443000037
    ただし、前記一般式(4)中、Ar及びArは、置換基を有していてもよいアリール基を表す。
  7. 前記リチウム塩が、リチウム(フルオロスルホニル)(トリフルオロメタンスルホニル)イミドである、請求項6に記載の光電変換素子。
  8. 前記封止部材が、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、及びオレフィン樹脂から選択される少なくとも1種を含む、請求項1から7のいずれかに記載の光電変換素子。
  9. 請求項1から8のいずれかに記載の光電変換素子と、
    前記光電変換素子が光電変換することによって発生した電力によって動作する装置と、
    を有することを特徴とする電子機器。
  10. 請求項1から8のいずれかに記載の光電変換素子と、
    電源ICと、
    を有することを特徴とする電源モジュール。

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