JP4524808B2 - 感光性樹脂組成物、レリーフパターンの製造法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、特定の高分子化合物を用いた感光性樹脂組成物及びレリーフパターンの製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、半導体工業にあっては、従来より無機材料を用いて行われていた層間絶縁材料として、ポリイミド樹脂等のような耐熱性に優れた有機物が、その特性を活かして使用されてきている。
しかし、半導体集積回路やプリント基板上の回路パターン形成は、基材表面へのレジスト材の造膜、所定箇所への露光、エッチング等により不要箇所の除去、基板表面の洗浄作業等の煩雑で多岐に亘工程を経てパターン形成が行われることから、露光、現像によるパターン形成後も必要な部分のレジストを絶縁材料としてそのまま残して用いることができる耐熱感光材料の開発が望まれている。
【0003】
これらの材料として、例えば、感光性ポリイミド、環化ポリブタジエン等をベースポリマとした耐熱感光材料が提案されており、特に感光性ポリイミドは、その耐熱性が優れていることや不純物の排除が容易であること等の点から特に注目されている。
また、このような感光性ポリイミドとしては、ポリイミド前駆体と重クロム酸塩からなる系(特公昭49−17374号公報)が最初に提案されたが、この材料は、実用的な光感度を有するとともに膜形成能が高い等の長所を有する反面、保存安定性に欠け、ポリイミド中にクロムイオンが残存すること等の欠点があり、実用には至らなかった。
【0004】
このような問題を回避するために、例えば、ポリイミド前駆体に感光基を有する化合物を混合する方法(特開昭54−109828号公報)、ポリイミド前駆体中の官能基と感光基を有する化合物の官能基とを反応させて感光基を付与させる方法(特開昭56−24343号公報、特開昭60−100143号公報等)などが提案されている。
しかし、これらの感光性ポリイミド前駆体は耐熱性、機械特性に優れる芳香族系モノマに基本骨格を用いており、そのポリイミド前駆体自体の吸収のため、紫外領域での透光性が低く、露光部における光化学反応を充分効果的に行うことができず、低感度であったり、パターンの形状が悪化するという問題があった。
また、最近では、半導体の高集積化に伴い、加工ルールが益々小さくなり、より高い解像度が求められる傾向にある。
【0005】
そのため、従来の平行光線を用いるコンタクト/プロキシミテイ露光機から、ミラープロジェクションと呼ばれる1:1投影露光機、さらにステッパと呼ばれる縮小投影露光機が用いられるようになってきている。
ステッパは、超高圧水銀灯の高出力発振線、エキシマレーザのような単色光を利用するものである。これまでステッパとしては、超高圧水銀灯のg−lineと呼ばれる可視光(波長:435nm)を使ったg線ステッパが主流であったが、さらに加工ルール微細化の要求に対応するため、使用するステッパの波長を短くすることが必要である。そのため、使用する露光機は、g線ステッパ(波長:435nm)からi線ステッパ(波長:365nm)に移行しつつある。
【0006】
しかし、コンタクト/プロキシミテイ露光機、ミラープロジェクション投影露光機、g線ステッパ用に設計された従来の感光性ポリイミドのベースポリマでは、先に述べた理由により透明性が低く、特にi線(波長:365nm)での透過率はほとんどないため、i線ステッパでは、まともなパターンが得られない。
また、半導体素子の高密度実装方式であるLOC(リードオンチップ)に対応して表面保護用ポリイミド膜はさらに厚膜のものが求められているが、厚膜の場合には、透過性が低い問題はさらに深刻になる。このため、i線透過率の高く、i線ステッパにより良好なパターン形状を有するポリイミドパターンの得られる感光性ポリイミドが強く求められている。
【0007】
また、基板となるシリコンウエハの径は、年々大きくなり、ポリイミドとシリコンウエハの熱膨張係数差により、表面保護膜としてのポリイミドを形成したシリコンウエハの反りが以前より大きくなるという問題が発生している。そのため、従来のポリイミドよりも更に低熱膨張性を有する感光性ポリイミドが強く求められている。一般に分子構造を剛直にすることにより低熱膨張性は達成できるが、剛直構造の場合、i線をほとんど透過しないため、感光性特性が低下する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、特定の高分子化合物を含有し、良好なi線透過性と低熱膨張性を両立し、低残留応力の半導体装置等の表面保護膜や層間絶縁膜の材料として有用なネガ型又はポジ型の感光性樹脂組成物を提供するものである。
【0009】
また本発明は、i線露光により解像度の良好なパターンが形成でき、低残留応力の樹脂膜を与えるレリーフパターンの製造法を提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、一般式(1)
【化4】
(式中、Zは単結合、−O−、−CO−、−Si(CH3)2−,−Si(OCH3)2−、−C(CH3)2−,−C(CF3)2−,−C(CH3)(CF3)−,−C(OCH3)2−,−C(OCF3)2−及び−C(OCH3)(OCF3)−から選択される基であり、R及びR’はともにOHである)で表される構造単位を有する高分子化合物を含有してなる感光性樹脂組成物であって、
前記高分子化合物が、下記一般式(2)
【化5】
(式中、Xは4価の有機基であり、Yは2価の有機基であり、R 1 及びR 2 は各々独立にOH又は1価の有機基であり、X及びYの少なくとも一方は一般式(1)で表される構造単位である)で示される繰り返し単位を有するポリイミド前駆体、又は下記一般式(3)
【化6】
(式中、X’は2価の有機基であり、Y’は4価の有機基であり、R 3 及びR 4 は各々独立に水素原子又は1価の有機基であり、X’及びY’の少なくとも一方は一般式(1)で表される構造単位である)で示される繰り返し単位を有するポリベンゾオキサゾール前駆体である感光性樹脂組成物に関する。
【0011】
また本発明は、高分子化合物がポリイミド前駆体である感光性樹脂組成物に関する。
【0012】
また本発明は、高分子化合物がポリベンゾオキサゾール前駆体である感光性樹脂組成物に関する。
【0013】
また本発明は、前記高分子化合物が、その構造中に炭素炭素不飽和二重結合を有するものであって、ネガ型の感光特性を有する感光性樹脂組成物に関する。
【0014】
また本発明は、さらに光重合開始剤を含有する前記のネガ型の感光性樹脂組成物に関する。
また本発明は、前記高分子化合物が、さらに光により酸を発生する化合物を含有するものであって、ポジ型の感光特性を有する感光性樹脂組成物に関する
。
また本発明は、前記光により酸を発生する化合物が、o−キノンジアジド化合物である前記のポジ型の感光性樹脂組成物に関する。
【0015】
また本発明は、前記のいずれかに記載の感光性樹脂組成物を支持基板上に塗布し乾燥する工程、露光する工程、現像する工程及び加熱処理する工程を含むレリーフパターンの製造法に関する。
また本発明は、前記の露光する工程が、露光光源としてi線を用いて行うものであるレリーフパターンの製造法に関する。
【0016】
また本発明は、前記の支持基板が、直径12インチ以上のシリコンウエハであるレリーフパターンの製造法に関する。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明の高分子化合物は、前記一般式(1)で表される構造単位を有することを特徴とし、一般式(1)で表される構造単位は、そのR及びR’が光又は熱により付加又は縮合して、Z及び各ベンゼン環上の2つの炭素原子とともに環化することができる。
【0018】
よって、環化する前の状態においては、高i線透過性でかつ高溶解性であり、一方、環化後は膜物性に優れ、低熱膨張で低応力なポリマーとなるものである。
光又は熱により付加又は縮合して環化する一価の基であるRとR’の組み合わせとしては、水酸基と水酸基、水酸基と水素原子、カルボキシル基と水素原子等が挙げられるが、縮合して環化しやすいことから、水酸基と水酸基の組み合わせが好ましい。
【0019】
一般式(1)におけるRとR’が水酸基と水酸基の組み合わせの場合、前記一般式(1)で示される構造は、縮合により次のような変化して、Zとともに環を構成する。
【化7】
【0020】
前記一般式(1)で表される構造単位を有する高分子化合物の種類としては、半導体装置や多層配線板の表面保護膜や層間絶縁膜として使用される場合には耐熱性に優れた膜を形成するポリイミド前駆体やポリベンゾオキサゾール前駆体が好ましい。
ポリイミド前駆体としては、一般式(2)
【化8】
(式中、Xは4価の有機基であり、Yは2価の有機基であり、R1及びR2は各々独立に水酸基又は1価の有機基であり、X及びYの少なくとも一方は一般式(1)で表される構造単位である)で示される繰り返し単位を有するものが挙げられ、
ポリベンゾオキサゾール前駆体としては、一般式(3)
【化9】
(式中、X’は2価の有機基であり、Y’は4価の有機基であり、R3及びR4は各々独立に水素原子又は1価の有機基であり、X’及びY’の少なくとも一方は一般式(1)で表される構造単位である)で示される繰り返し単位を有するものが挙げられる。
【0021】
前記ポリイミド前駆体及びポリベンゾオキサゾール前駆体において、一般式(2)で示される繰り返し単位又は一般式(3)で示される繰り返し単位の、全繰り返し単位に対する割合は、5〜100モル%であることが好ましく、50〜100モル%であることがより好ましい。5モル%未満の場合、i線透過性等の感光特性や溶解性が低下する傾向にある。
【0022】
ここで前記一般式(2)で示される繰り返し単位を有するポリイミド前駆体について詳述する。
前記一般式(2)で示される繰り返し単位を有するポリイミド前駆体は、前記一般式(1)で示される構造を有するテトラカルボン酸若しくはその誘導体又は前記一般式(1)で示される構造を有するジアミンを必須成分とし、必要に応じて、その他のテトラカルボン酸若しくはその誘導体又はジアミンを併用し、さらに必要に応じて側鎖を形成するその他の化合物を原料として製造することができる。それらの原料の反応は、有機溶媒中で行うことができる。
【0023】
前記一般式(1)の構造単位を有するテトラカルボン酸若しくはその誘導体又はジアミン化合物としては、例えば、
【化10】
等が挙げられる。
【0024】
前記一般式(1)の構造単位を含まないテトラカルボン酸又はその誘導体の例としては、オキシジフタル酸、ピロメリット酸、3,3′,4,4′−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸、2,3,5,6−ピリジンテトラカルボン酸、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸、スルホニルジフタル酸、m−ターフェニル−3,3′,4,4′−テトラカルボン酸、p−ターフェニル−3,3′,4,4′−テトラカルボン酸、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−ビス(2,3−又は3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(2,3−又は3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン、2,2−ビス{4′−(2,3−又は3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル}プロパン、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−ビス{4′−(2,3−又は3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル}プロパン下記一般式
【化11】
(式中、R11及びR12は一価の炭化水素基を示し、それぞれ同一でも異なっていてもよく、sは1以上の整数である)で表されるテトラカルボン酸等の芳香族テトラカルボン酸などが挙げられ、これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。テトラカルボン酸の誘導体としては、例えば、テトラカルボン酸、テトラカルボン酸二無水物、テトラカルボン酸塩化物等が挙げられる。ジアミンの反応の相手としては、反応性等の点から、テトラカルボン酸二無水物が好ましい。
【0025】
上記一般式(1)の構造を含まないジアミンの例としては、4,4′−(又は3,4′−、3,3′−、2,4′−、2,2′−)ジアミノジフェニルエーテル、4,4′−(又は3,4′−、3,3′−、2,4′−、2,2′−)ジアミノジフェニルメタン、4,4′−(又は3,4′−、3,3′−、2,4′−、2,2′−)ジアミノジフェニルスルホン、4,4′−(又は3,4′−、3,3′−、2,4′−、2,2′−)ジアミノジフェニルスルフィド、パラフェニレンジアミン、メタフェニレンジアミン、p−キシリレンジアミン、m−キシリレンジアミン、o−トリジン,o−トリジンスルホン、4,4′−メチレン−ビス−(2,6−ジエチルアニリン)、4,4′−メチレン−ビス−(2,6−ジイソプロピルアニリン)、2,4−ジアミノメシチレン、1,5−ジアミノナフタレン、4,4′−ベンゾフェノンジアミン、ビス−{4−(4′−アミノフェノキシ)フェニル}スルホン、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、2,2−ビス{4−(4′−アミノフェノキシ)フェニル}プロパン、3,3′−ジメチル−4,4′−ジアミノジフェニルメタン、3,3′,5,5′−テトラメチル−4,4′−ジアミノジフェニルメタン、ビス{4−(3′−アミノフェノキシ)フェニル}スルホン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン等が挙げられ、これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
【0026】
また、下記一般式
【化12】
(式中、R13及びR14は二価の炭化水素基を示し、それぞれ同一でも異なっていてもよく、R15及びR16は一価の炭化水素基を示し、それぞれ同一でも異なっていてもよく、tは1以上の整数である)で表されるジアミノポリシロキサン等の脂肪族ジアミンを使用することもできる。
【0027】
また、一般式(2)のポリイミド前駆体において、R1及びR2で示される基はOH又は一価の有機基である。一価の有機基としては特に制限はなく、炭化水素基、炭素炭素不飽和二重結合を有する一価の有機基などが挙げられる。R1及びR2で示される基は、目的とする感光性樹脂組成物がポジ型かネガ型か、溶剤現像型かアルカリ現像型か等によって好ましい基、その割合等が異なる。
例えば、アルカリ現像性の感光性樹脂組成物とする場合、R1及びR2で示される基の少なくとも一方をOHとする方法があり、この方法でアルカリ現像性を付与する場合、ポリイミド前駆体中のR1及びR2で示される基の50〜100モル%をOHとすることが好ましい。
【0028】
ネガ型の感光性樹脂組成物とする場合、R1及びR2の少なくとも一部、好ましくは20〜100モル%を炭素炭素不飽和二重結合を有する一価の有機基とすることが好ましい。このような一価の有機基としては、イオン結合、エステル結合、アミド結合等を介して、炭素炭素不飽和二重結合基を有する下記の基が好ましいものとして挙げられる。
【化13】
(式中、Aは二価の炭化水素基であり、Rは水素原子又はメチル基であり、Z1、Z2、Z3及びZ4は各々独立に水素原子又は一価の炭化水素基である。)
Aとしては、炭素原子数1〜10のアルキレン基が好ましいものとして挙げられ、Z1、Z2及びZ3のうち、一価の有機基としては炭素原子数1〜5のアルキル基が好ましいものとして挙げられる。
【0029】
前記の構造のうち、イオン結合を介して炭素炭素不飽和二重結合を導入する構造を得るには、アクリル酸又はメタクリル酸のアミノ基を有する誘導体(以下、アミノ基を有するアクリル化合物とする)を用いる方法が好ましい。このような化合物としては、例えば、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジエチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピルメタクリレート、N,N−ジエチルアミノプロピルメタクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジエチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリレート、N,N−ジエチルアミノプロピルアクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチルアクリルアミド等が挙げられる。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
【0030】
前記アミノ基を有するアクリル化合物の使用量は、導入前のポリアミド酸(即ち、一般式(2)において、R1及びR2がともにOHであるもの)の量に対して、1〜200重量%とすることが好ましく、5〜150重量%とすることがより好ましい。この使用量が、1重量%未満であると、光感度が劣る傾向があり、200重量%を超えると、耐熱性、フィルムの機械特性等が劣る傾向がある。
この方法により、イオン結合型のポリイミド前駆体を製造する場合、前記テトラカルボン酸二無水物とジアミンを混合して開環重付加反応させポリアミド酸したのち、前記アミノ基を有するアクリル化合物を混合すればよい。
【0031】
エステル結合を介して炭素炭素不飽和二重結合を導入したものは、ポリアミド酸エステルであり、この製造は、まず、テトラカルボン酸ジエステル化合物を合成する。テトラカルボン酸ジエステル化合物の合成法としては、例えば、前記テトラカルボン酸二無水物と不飽和アルコール化合物を有機溶剤中、塩基の存在下混合することにより得られる。
前記不飽和アルコール化合物としては、ヒドロキシメチルアクリレート、ヒドロキシメチルメタクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ヒドロキシブチルアクリレート、ヒドロキシブチルメタクリレートなどのアルキル鎖の炭素数が1〜10のヒドロキシアルキルアクリレート又はメタクリレートが好ましいものとして用いられる。
【0032】
ポジ型の感光性樹脂組成物を製造する場合、ポリイミド前駆体としては、ポリアミド酸やポリアミド酸エステルが好ましく、特にR1及びR2として酸素原子を介して一価の炭化水素基(好ましくは炭素原子数1〜10のアルキル基)が結合した形のものが好ましい。このポリアミド酸エステルは、前記不飽和アルコール化合物の代わりに異なったアルコール化合物を用いて、前記と同様の合成法により製造することができる。
この場合に用いるアルコール化合物としては、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、イソアミルアルコール、1−ヘキサノール、2−ヘキサノール、3−ヘキサノールなどの炭素原子数1〜10のアルキルアルコールが好ましいものとして挙げられ、これらは単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0033】
テトラカルボン酸ジエステルの合成において、テトラカルボン酸二無水物とアルコール化合物の割合(モル比)は、前者/後者で1/2〜1/2.5の範囲とするのが好ましく、1/2とすることが最も好ましい。また、テトラカルボン酸二無水物と塩基の割合(モル比)は、前者/後者で1/0.001〜1/3の範囲とするのが好ましく、1/0.005〜1/2とすることがより好ましい。この反応温度は10〜60℃が好ましく、反応時間は3〜24時間が好ましい。
【0034】
ついでテトラカルボン酸ジエステルジハライドを合成するが、この方法は公知であり、例えば、有機溶剤に溶解したテトラカルボン酸ジエステルに塩化チオニルを滴下して反応させて得られる。テトラカルボン酸ジエステルと塩化チオニルの割合(モル比)は、前者/後者で1/1.1〜1/2.5の範囲とするのが好ましく、1/1.5〜1/2.2の範囲とするのがより好ましい。反応温度は−20〜40℃が好ましく、反応時間は1〜10時間が好ましい。
【0035】
ポリアミド酸エステルは、例えば、ジアミンと、ピリジンなどの脱ハロゲン酸剤を、有機溶剤に溶解し、ここへ、有機溶剤に溶解した前記テトラカルボン酸ジエステルジハライドを滴下して反応させた後、水などの貧溶剤に投入し、析出物をろ別、乾燥することにより得られる。ジアミンの総量とテトラカルボン酸ジエステルジハライドの割合(モル比)は、前者/後者で0.6/1〜1/0.6の範囲が好ましく、0.7/1〜1/0.7の範囲がより好ましい。反応温度は−20〜40℃が好ましく、反応時間は1〜10時間が好ましい。脱ハロゲン酸剤とテトラカルボン酸ジエステルジハライドの割合は、前者/後者(モル比)が、1.8/1〜2.2/1の範囲が好ましく、1.9/1〜2.1/1の範囲がより好ましい。
【0036】
ポリイミド前駆体としては、R1及びR2が、窒素原子を介して炭化水素基が結合した形の、ポリアミド酸アミドでもよい。その製造は、前記ポリアミド酸エステルの合成において、アルコール化合物の代わりに、モノアミン化合物、例えば、メチルアミン、エチルアミン、n−プロピルアミン、イソプロピルアミン、n−ブチルアミン、sec−ブチルアミン、tert−ブチルアミン、イソブチルアミン、1−ペンチルアミン、2−ペンチルアミン、3−ペンチルアミン、イソアミルアミン、1−ヘキシルアミン、2−ヘキシルアミン、3−ヘキシルアミン、モルホリン、アニリン、ベンジルアミンなどを用いることにより行うことができる。
【0037】
次に前記一般式(3)で示されるポリベンゾオキサゾール前駆体について詳述する。
ポリベンゾオキサゾール前駆体は、一般式(1)で示される構造単位を有するジカルボン酸又は前記一般式(1)で示される構造を有するジアミンを必須成分とし、必要に応じて、その他のジカルボン酸又はジアミンを使用して製造することができる。それらの反応は、有機溶媒中で行うことができる。
【0038】
必須成分である一般式(1)で示される構造単位を有するジカルボン酸又はジアミンとしては、例えば、
【化14】
等が挙げられる。
【0039】
一般式(1)の構造単位を含まないジカルボン酸としては特に制限はなく、イソフタル酸、テレフタル酸、4,4’−ヘキサフルオロイソプロピリデンジ安息香酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸、4,4’−ジカルボキシジフェニルエーテル、4,4’−ジカルボキシテトラフェニルシラン、ビス(4−カルボキシフェニル)スルホン、2,2−ビス(p−カルボキシフェニル)プロパン、5−tert−ブチルイソフタル酸、5−ブロモイソフタル酸、5−フルオロイソフタル酸、5−クロロイソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等の芳香族系ジカルボン酸、1,2−シクロブタンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロペンタンジカルボン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸等の脂肪族系ジカルボン酸などが挙げられ、これらを単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。これらの中で耐熱性等の点で芳香族系ジカルボン酸が好ましい。
【0040】
一般式(1)の構造単位を含まないジアミンとしては、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシビフェニル、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン等の芳香族系ジヒドロキシジアミンが好ましいものとして挙げられる。芳香族系ジヒドロキシジアミンを使用することにより、耐熱性の良好な、ポリベンゾオキサゾール前駆体とされる。
【0041】
前記ポリベンゾオキサゾール前駆体は、例えば、ジカルボン酸ジハライド(クロライド、ブロマイド等)と、ジアミンとを反応させて得ることができる。
この場合、反応は脱ハロ酸触媒の存在下に、有機溶媒中で行うことが好ましい。
ジカルボン酸ジハライドとしては、ジカルボン酸ジクロリドが好ましい。ジカルボン酸ジクロリドは、ジカルボン酸と塩化チオニルを反応させて得ることができる。
【0042】
なお、前記一般式(3)において、R3及びR4で示される基は水素原子以外の一価の有機基であってもよい。このような一価の有機基としては特に制限はなく、炭素原子数1〜10のアルキル基等の炭素原子数1〜20の炭化水素基や炭素炭素不飽和二重結合を有する炭素原子数1〜20の一価の有機基などが挙げられ、ポリイミド前駆体と同様に、目的とする感光性樹脂組成物がポジ型かネガ型か、溶剤現像型かアルカリ現像型か等によって好ましい基、その割合等が異なり、特に制限されない。
【0043】
本発明において、前記ポリイミド前駆体やポリベンゾオキサゾール前駆体の製造に使用する有機溶媒としては、生成するポリイミド前駆体やポリベンゾオキサゾール前駆体を完全に溶解する極性溶媒が好ましく、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、テトラメチル尿素、ヘキサメチルリン酸トリアミド、γ−ブチロラクトン等が挙げられる。
【0044】
また、この極性溶媒以外に、ケトン類、エステル類、ラクトン類、エーテル類、ハロゲン化炭化水素類、炭化水素類等も使用することができ、例えば、アセトン、ジエチルケトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、シュウ酸ジエチル、マロン酸ジエチル、ジエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,4−ジクロロブタン、トリクロロエタン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ベンゼン、トルエン、キシレン等が挙げられる。
これらの有機溶媒は、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
【0045】
本発明の高分子化合物の分子量に特に制限はないが、重量平均分子量で20,000〜100,000であることが好ましい。なお、分子量は、E型粘度計やゲルパーミエーションクロマトグラフィ法により測定し標準ポリスチレン換算することなどにより測定することができる。
前記高分子化合物は、光や熱等により、その一般式(1)におけるR及びR’を閉環させることができる。また、高分子化合物がポリイミド前駆体又はポリベンゾオキサゾール前駆体である場合、同時にアミド結合の部分も閉環し、耐熱性に優れるポリイミドやポリベンゾオキサゾールとすることができる。
この閉環には、一般に熱が用いられるが、その加熱条件としては、特に制限はないが、加熱温度は、80〜450℃とすることが好ましい。この加熱温度が、80℃未満では、閉環反応が遅くなる傾向があり、450℃を超えると、生成するポリマーが劣化する傾向がある。
また、加熱時間は、10〜100分間とすることが好ましい。この加熱時間が、10分未満では、閉環反応が遅くなる傾向があり、100分を超えると、生成する閉環化合物が劣化する傾向があり、作業性が低下する傾向がある。
【0046】
本発明の感光性樹脂組成物は、前記高分子化合物を含有することを特徴とし、感光性の付与は、種々の方法により行うことができる。
たとえば、高分子化合物の側鎖(例えば、カルボキシル基、水酸基等)にイオン結合や共有結合により炭素炭素不飽和結合基を導入して、光により架橋する構造を高分子化合物自体に与えることにより感光性を付与する方法、炭素炭素不飽和二重結合を有する反応性のモノマを混合して感光性を付与する方法、光酸発生剤や光塩基発生剤等の感光性付与剤を混合するなど既知の方法が挙げられる。
【0047】
本発明の感光性樹脂組成物において、ネガ型の感光性樹脂組成物を製造する場合、前記高分子化合物と共に、光重合開始剤を含有することが好ましい。
光重合開始剤としては、例えば、ミヒラーズケトン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、2−t−ブチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、4,4,−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、アセトフェノン、ベンゾフェノン、チオキサントン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−1−プロパノン、ベンジル、ジフェニルジスルフィド、フェナンスレンキノン、2−イソプロピルチオキサントン、リボフラビンテトラブチレート、2,6−ビス(p−ジエチルアミノベンザル)−4−メチル−4−アザシクロヘキサノン、N−エチル−N−(p−クロロフェニル)グリシン、N−フェニルジエタノールアミン、2−(o−エトキシカルボニル)オキシイミノ−1,3−ジフェニルプロパンジオン、1−フェニル−2−(o−エトキシカルボニル)オキシイミノプロパン−1−オン、3,3,4,4,−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3,−カルボニルビス(7−ジエチルアミノクマリン)、ビス(シクロペンタジエニル)−ビス−[2,6−ジフルオロ−3− (ピリ−1−イル)フェニル]チタン等が挙げられる。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
【0048】
光重合開始剤の使用量は、高分子化合物の量100重量部に対して、0.01〜30重量部とすることが好ましく、0.05〜10重量部とすることがより好ましい。この使用量が、0.01重量部未満では、光感度が劣る傾向があり、30重量部を超えると、フィルムの機械特性が劣る傾向がある。
【0049】
また、ネガ型の感光性樹脂組成物とする場合には、炭素炭素不飽和二重結合を有する付加重合性化合物を含有させることもできる。
このような付加重合性化合物としては、例えば、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパンジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパンジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、スチレン、ジビニルベンゼン、4−ビニルトルエン、4−ビニルピリジン、N−ビニルピロリドン、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、1,3−アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロパン、1,3−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロパン、メチレンビスアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド等が挙げられる。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
【0050】
付加重合性化合物の使用量は、高分子化合物の量100重量部に対して、1〜200重量部とすることが好ましい。この使用量が、1重量部未満では、現像液への溶解性も含んだ感光特性が劣る傾向があり、200重量部を超えると、フィルムの機械特性が劣る傾向がある。
【0051】
また、本発明の感光性樹脂組成物には、必要に応じて、アジド化合物を含有することができる。
アジド化合物としては、例えば、
【化15】
等が挙げられる。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
【0052】
アジド化合物の使用量は、高分子化合物の量100重量部に対して、0.01〜30重量部とすることが好ましく、0.05〜10重量部とすることがより好ましい。この使用量が、0.01重量部未満では、光感度が劣る傾向があり、30重量部を超えると、フィルムの機械特性が劣る傾向がある。
【0053】
また、ネガ型の感光性樹脂組成物には、保存時の安定性を高めるために、ラジカル重合禁止剤又はラジカル重合抑制剤を含有することができる。
ラジカル重合禁止剤又はラジカル重合抑制剤としては、例えば、p−メトキシフェノール、ジフェニル−p−ベンゾキノン、ベンゾキノン、ハイドロキノン、ピロガロール、フェノチアジン、レソルシノール、オルトジニトロベンゼン、パラジニトロベンゼン、メタジニトロベンゼン、フェナントラキノン、N−フェニル−1−ナフチルアミン、N−フェニル−2−ナフチルアミン、クペロン、フェノチアジン、2,5−トルキノン、タンニン酸、パラベンジルアミノフェノール、ニトロソアミン類等が挙げられる。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
【0054】
ラジカル重合禁止剤又はラジカル重合抑制剤の使用量は、高分子化合物の量100重量部に対して、0.01〜30重量部とすることが好ましく、0.05〜10重量部とすることがより好ましい。この使用量が、0.01重量部未満であると、保存時の安定性が劣る傾向があり、30重量部を超えると、光感度及びフィルムの機械特性が劣る傾向がある。
【0055】
一方、ポジ型の感光性樹脂組成物を製造する場合、高分子化合物と共に、光により酸を発生する化合物を用いることが好ましい。光により酸を発生する化合物は、感光剤であり、酸を発生させ、光の照射部の現像液(アルカリ水溶液)への可溶性を増大させる機能を有するものである。その種類としては、o−キノンジアジド化合物、アリルジアゾニウム塩、ジアリルヨードニウム塩、トリアリルスルホニウム塩などが挙げられ、特に制限はないが、o−キノンジアジド化合物が感度が高く好ましいものとして挙げられる。
【0056】
o−キノンジアジド化合物は、例えば、o−キノンジアジドスルホニルクロリド類とヒドロキシ化合物、アミノ化合物などとを脱塩酸性触媒の存在下で縮合反応させることで得られる。
前記o−キノンジアジドスルホニルクロリド類としては、例えば、ベンゾキノン−1,2−ジアジド−4−スルホニルクロリド、ナフトキノン−1,2−ジアジド−5−スルホニルクロリド、ナフトキノン−1,2−ジアジド−4−スルホニルクロリド等が使用できる。
【0057】
前記ヒドロキシ化合物としては、例えば、ヒドロキノン、レゾルシノール、ピロガロール、ビスフェノールA、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4,2’,3’−ペンタヒドロキシベンゾフェノン,2,3,4,3’,4’,5’−ヘキサヒドロキシベンゾフェノン、ビス(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)メタン、ビス(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)プロパン、4b,5,9b,10−テトラヒドロ−1,3,6,8−テトラヒドロキシ−5,10−ジメチルインデノ[2,1−a]インデン、トリス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタンなどが挙げられる。
【0058】
前記アミノ化合物としては、例えば、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、o−アミノフェノール、m−アミノフェノール、p−アミノフェノール、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシビフェニル、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンなど挙げられる。
【0059】
前記o−キノンジアジドスルホニルクロリドとヒドロキシ化合物またはアミノ化合物は、o−キノンジアジドスルホニルクロリド1モルに対して、ヒドロキシ基とアミノ基の合計が0.5〜1当量になるように配合されることが好ましい。脱塩酸触媒とo−キノンジアジドスルホニルクロリドの好ましい割合は0.95/1〜1/0.95の範囲とされる。好ましい反応温度は0〜40℃、好ましい反応時間は1〜10時間とされる。
【0060】
反応溶媒としては、例えばジオキサン,アセトン,メチルエチルケトン,テトラヒドロフラン,ジエチルエーテル,N−メチルピロリドン等の溶媒が用いられる。脱塩酸触媒としては、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化カリウム、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジンなどが挙げられる。
光により酸を発生する成分は、現像後の膜厚及び感度の点から、高分子化合物100重量部に対して、好ましくは5〜100重量部、より好ましくは10〜40重量部用いられる。
【0061】
本発明の感光性樹脂組成物は、前記高分子化合物を溶剤に溶解した後、そのほかの成分を溶解して、溶液状態で得ることができる。
前記溶剤としては、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホルアミド、テトラメチレンスルホン、γ−ブチロラクトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン等の非プロトン性極性溶剤が単独で又は2種以上併用して用いられる。
【0062】
本発明の感光性樹脂組成物は、硬化膜の基板との接着性を高めるために、さらに有機シラン化合物、アルミキレート化合物、ケイ素含有ポリアミド酸などを含むことができる。
有機シラン化合物としては、例えば、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。アルミキレート化合物としては、例えば、トリス(アセチルアセトネート)アルミニウム、アセチルアセテートアルミニウムジイソプロピレートなどが挙げられる。
【0063】
本発明の感光性樹脂組成物は、浸漬法、スプレー法、スクリーン印刷法、回転塗布法等によってシリコンウエハー、金属基板、セラミック基板等の基材上に塗布され、溶剤の大部分を加熱乾燥することにより粘着性のない塗膜とすることができる。この塗膜の膜厚には特に制限はないが、回路特性等の点から、4〜50μmであることが好ましく、6〜40μmであることがより好ましく、10〜40μmであることが特に好ましく、20〜35μmであることが極めて好ましい。
また、本発明の感光性樹脂組成物は、低残留応力の膜を形成できるので、直径が12インチ以上のシリコンウエハ等の大径のウエハへの適用に好適である。
この塗膜上に、所望のパターンが描かれたマスクを通して活性光線又は化学線を照射する等してパターン状に露光後、未露光部又は露光部を適当な現像液で現像して溶解し、除去することにより、所望のパターンを得ることができる。
【0064】
本発明の感光性樹脂組成物は、i線ステッパ等を用いたi線露光用に好適なものであるが、照射する活性光線又は化学線としては、i線以外に、例えば、超高圧水銀灯を用いるコンタクト/プロキシミテイ露光機、ミラープロジェクション露光機、g線ステッパ、その他の紫外線、可視光源、X線、電子線等も使用することができる。
【0065】
現像液としては、例えば、有機溶媒現像液として、良溶媒(N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン等)、前記良溶媒と貧溶媒(低級アルコール、ケトン、水、芳香族炭化水素等)との混合溶媒、アルカリ性現像液が挙げられる。ポリイミド前駆体にアルカリ可溶性を持たせた場合は、アルカリ性溶液を用いることができる。前記アルカリ性水溶液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ケイ酸ナトリウム、水酸化テトラメチルアンモニウム等の5重量%以下の水溶液、好ましくは1.5〜3.0重量%の水溶液などが用いられるが、より好ましい現像液は水酸化テトラメチルアンモニウムの1.5〜3.0重量%の水溶液である。
さらに上記現像液に界面活性剤等を添加して使用することもできる。これらはそれぞれ、現像液100重量部に対して、好ましくは0.01〜10重量部、より好ましくは0.1〜5重量部の範囲で配合する。
【0066】
現像後は、必要に応じて、水又は貧溶媒でリンスを行い、100℃前後で乾燥し、パターンを安定なものとすることが好ましい。得られるパターンは、加熱することにより高耐熱性で低応力のレリーフパターンの膜とすることができる。
この時の加熱温度は、150〜500℃とすることが好ましく、200〜400℃とすることがより好ましい。この加熱温度が、150℃未満であると、得られる膜の機械特性及び熱特性が低下する傾向があり、500℃を超えると、膜の機械特性及び熱特性が低下する傾向がある。
【0067】
また、この時の加熱時間は、0.05〜10時間とすることが好ましい。この加熱時間が、0.05時間未満であると、ポリイミド膜の機械特性及び熱特性が低下する傾向があり、10時間を超えると、ポリイミド膜の機械特性及び熱特性が低下する傾向がある。
【0068】
本発明の感光性樹脂組成物は、半導体装置や多層配線板等の電子部品に使用することができ、具体的には、半導体装置の表面保護膜や層間絶縁膜、多層配線板の層間絶縁膜等の形成に使用することができる。
【0069】
本発明の感光性樹脂組成物を用いて得られる電子部品の一例として、半導体装置の製造工程の一例を以下に説明する。
図1は多層配線構造の半導体装置の製造工程図である。図において、回路素子を有するSi基板等の半導体基板は、回路素子の所定部分を除いてシリコン酸化膜等の保護膜2で被覆され、露出した回路素子上に第1導体層が形成されている。前記半導体基板上にスピンコート法等で層間絶縁膜としての樹脂等の膜4が形成される(工程(a))。
【0070】
次に塩化ゴム系またはフェノールノボラック系の感光性樹脂層5が前記層間絶縁膜4上にスピンコート法で形成され、公知の写真食刻技術によって所定部分の層間絶縁膜4が露出するように窓6Aが設けられている(工程(b))。
前記窓6Aの層間絶縁膜4は、酸素、四フッ化炭素等のガスを用いるドライエッチング手段によって選択的にエッチングされ、窓6Bがあけられている。ついで窓6Bから露出した第1導体層3を腐食することなく、感光樹脂層5のみを腐食するようなエッチング溶液を用いて感光樹脂層5が完全に除去される(工程(c))。
【0071】
さらに公知の写真食刻技術を用いて、第2導体層7を形成させ、第1導体層3との電気的接続が完全に行われる(工程(d))。
3層以上の多層配線構造を形成する場合は、上記の工程を繰り返して行い各層を形成することができる。
【0072】
次に表面保護膜8が形成される。この図の例では、この表面保護膜を前記感光性樹脂組成物をスピンコート法にて塗布、乾燥し、所定部分に窓6Cを形成するパターンを描いたマスク上から光を照射した後アルカリ水溶液にて現像してパターンを形成し、加熱してレリーフパターンの樹脂膜とする。この樹脂膜は、導体層を外部からの応力、α線などから保護するものであり、得られる半導体装置は信頼性に優れる。
なお、上記例において、層間絶縁膜を本発明の感光性樹脂組成物を用いて形成することも可能である。
【0073】
【実施例】
以下、実施例により本発明を説明する。
合成例1
6,6’−ジメチル−3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(MBDA)の合成
4−メチルフタル酸無水物(58.8g, 0.363モル)、臭素酸カリウム(66.7g, 0.400モル)および水250mlの懸濁液を90℃に加熱したのち、加熱浴を取り除き強力な撹拌下、濃硫酸250mlをゆっくりと滴下した。滴下終了後、再び加熱浴を取り付け90〜100℃で3時間撹拌した。室温まで放冷し、生じた固体を濾別し、冷水で洗浄した。この濾液をエーテルで3回抽出し、合わせた有機層を水、次いで飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。このエーテル溶液を濃縮することで得られる固体と先に濾別した固体を合わせ、トルエン共沸により水分を除去することで、5−ブロモ−4−メチルフタル酸が粗生成物として得られた。
【0074】
この粗5−ブロモ−4−メチルフタル酸に塩化チオニル100mlを加え4時間加熱環流した。室温まで冷却後、メタノール200mlを加え5時間加熱環流した。室温まで冷却後、メタノールを減圧下留去し、残った油状物を蒸留することにより5−ブロモ−4−メチルフタル酸メチルが得られた(沸点 156〜159℃/5mmHg、54.3g、52%(4−メチルフタル酸無水物からの収率))。
【0075】
無水塩化ニッケル(II)(0.84g, 6.5ミリモル)、ビビリジル(1.02g, 6.5ミリモル)、トリフェニルホスフィン(11.0g, 41.9ミリモル)、亜鉛末(13.1g, 0.200g atom)とジメチルホルムアミド(DMF)80mlの懸濁液を窒素雰囲気下60℃に加熱し、濃茶褐色の呈色を確認した後、100℃に昇温し、5−ブロモ−4−メチルフタル酸メチル(33.2g, 0.116モル)のDMF(20ml)溶液を滴下して加えた。100℃で8時間撹拌した後室温まで冷却し氷水中に注いだ。この混合液をセライトで濾過後エーテルで抽出し、水洗した後無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。このエーテル溶液を濃縮して得られる油状物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、テトラエステルが得られた(12.65g, 30.6ミリモル, 収率53%)。メタノールから再結晶することにより、さらに純粋なものが得られた。
なお、さらに大きいスケールで反応を行う場合には、粗生成物を固化させた後、その固体をエーテルまたは少量のヘキサンを混合したエーテルで洗浄することにより、カラムクロマトグラフィーによる精製操作を省略することもできる。
【0076】
テトラエステル(6.54g, 15.8ミリモル)を、4mol/リットルの水酸化ナトリウム水溶液90mlと8時間加熱環流した。室温まで放冷後、さらに氷冷下、濃塩酸40mlを徐々に加えたところ、白色固体が析出した。これを濾過し、減圧下乾燥させることにより、テトラカルボン酸が得られた。この固体を減圧下(5mmHg)180℃に6時間保ったところ、酸無水物が生成した(4.78g, 14.8ミリモル, 94重量%(エステルからの収率))。
【0077】
得られた酸無水物の分析データを以下に示す。
mp 235〜236℃
IR(KBr) 1849, 1784, 1323, 1257, 887, 737 cm−1.
1H NMR(DMSO−d6) d=2.19(6H, s), 7.89(2H, s), 8.17(2H, s).
13C NMR(DMSO−d6) d=20.09, 125.41, 126.88, 129.11, 131.21, 145.30, 146.22, 162.74, 162.91.
MS m/z 322.
【0078】
合成例2〜5(PA−1及びPA−5〜7)
攪拌機及び温度計を備えた100mlのフラスコに、表1に示したジアミン成分及びN−メチル−2−ピロリドンを加え、室温で攪拌溶解し、この溶液に表1に示した酸成分を添加し、30時間攪拌し、粘稠なポリイミド前駆体の溶液を得た。
さらに、この溶液を、70℃で5時間加熱し、粘度を80ポイズ(固形分25重量%)に調節し、ポリイミド前駆体の溶液(PA−1及びPA−5〜7)とした。なお、ジアミン成分、酸成分及びN−メチル−2−ピロリドン(NMP)の各使用量は、表1に合わせて示した。
【0079】
合成例6(PA−2)
(1)200mlの四つ口フラスコに表1に示す酸無水物0.03モル、メタノール1.92g(0.06モル)、ピリジン4.75g(0.06モル)、N,N'−ジメチルアセトアミド(DMAc)70mlを入れ、60℃で撹拌すると2時間で透明な溶液になった。この溶液を室温でその後7時間撹拌した後、フラスコを氷で冷却し、塩化チオニル8.57g(0.072モル)を10分で滴下した。その後、室温で1時間撹拌し、酸クロライドを含む溶液を得た。
【0080】
(2)ポリイミド前駆体の合成
別の200mlの四つ口フラスコに表1に示すジアミン0.03モル、ピリジン5.06g(0.064モル)、DMAc50mlを入れ、フラスコを氷で冷却(10℃以下)撹拌しながら上記(1)で得られた酸クロライド溶液を1時間かけてゆっくりと滴下した。その後室温で1時間撹拌し、1リットルの水へ投入して析出したポリマーを濾取後二回洗浄し、真空乾燥した。
このポリマー粉末をγ−ブチロラクトン(γ−BL)に溶解し、粘度を80ポイズに調節し、ポリイミド前駆体溶液(PA−2)とした。
【0081】
なお、粘度は、E型粘度計(東機産業(株)製、EHD型)を使用し、温度が25℃、回転数が2.5rpmで測定した。
また、得られたポリイミド前駆体の溶液(PA−1〜PA−7)を乾燥させたものを、KBr法により、赤外吸収スペクトル(日本電子(株)製、JIR−100型)を測定したところ、いずれも、1600cm−1付近にアミド基のC=Oの吸収と、3300cm−1付近にN−Hの吸収が確認された。
【0082】
合成例7〜8(PA−3及びPA−4)
(1)200mlの四つ口フラスコに表1に示すジカルボン酸0.03モル、ピリジン4.75g(0.06モル)、DMAc70mlを入れ、撹拌溶解する。このフラスコを氷で冷却し、塩化チオニル8.57g(0.072モル)を10分で滴下した。その後、室温で1時間撹拌し、酸クロライドを含む溶液を得た。
【0083】
(2)ポリベンゾオキサゾール前駆体の合成
別の200mlの四つ口フラスコに表1に示すジアミン0.03モル、ピリジン5.06g(0.064モル)、DMAc50mlを入れ、フラスコを氷で冷却撹拌しながら上記(1)で得られた酸クロライド溶液を1時間かけてゆっくりと滴下した。その後、室温で1時間撹拌し、1リットルの水へ投入して析出したポリマーをろ過後二回洗浄し、真空乾燥した。
このポリマー粉末をγ−ブチロラクトン(γ−BL)に溶解し、粘度を80ポイズに調節し、ポリベンゾオキサゾール前駆体溶液(PA−3〜4)とした。
【0084】
実施例1及び比較例1〜3
合成例2〜5で得られた、各ポリイミド前駆体(PA−1及びPA−5〜7)の溶液10gに対して、2,6−ビス(4′−アジドベンザル)−4−カルボキシシクロヘキサノン(CA)0.027g、4,4′−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン(EAB)0.027g及び1−フェニル−2−(o−エトキシカルボニル)オキシイミノプロパン−1−オン(PDO)0.054gを加え、さらに、ポリイミド前駆体のカルボキシル基と当量のジメチルアミノプロピルメタクリレート(MDAP)を加え、攪拌混合して、実施例1及び比較例1〜3に供する均一な感光性樹脂組成物溶液を得た。
【0085】
【化16】
【0086】
実施例2〜4
合成例6〜8で得られたポリイミド前駆体又はポリベンゾオキサゾール前駆体30gをN−メチルピロリドン54gに撹拌溶解し、3−イソシアナートプロピルトリエトキシシラン0.9gを添加し、さらに12時間撹拌した後、2,3,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノンとナフトキノン−1,2−ジアジド−5−スルホニルクロリドを前者/後者で1/3のモル比で反応させた化合物7.5gを溶解させ、実施例2〜4に供するポジ型の感光性樹脂組成物溶液を得た。
【0087】
得られた感光性樹脂組成物溶液を、フィルタ濾過し、それぞれシリコンウエハ上に滴下スピンコートした。
次いで、ホットプレートを用いて、100℃で150秒間加熱し、23μmの塗膜を形成した後、パターンマスクし、i線ステッパで露光した。
実施例1及び比較例1〜3は、これを、さらに100℃で60秒間加熱し、N−メチル−2−ピロリドン/水(75/25(重量比))の混合溶液を用いて、パドル現像し、パターンを得、これを、100℃で30分間、200℃で30分間、350℃で60分間加熱して、ポリイミドのレリーフパターンを得た。
【0088】
また、実施例2〜4は露光後、水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液を用いて、パドル現像し、パターンを得、これを、100℃で30分間、200℃で30分間、400℃で60分間加熱して、ポリイミド又はポリベンゾオキサゾールのレリーフパターンを得た。
なお、実施例1〜4のレリーフパターンは、現像直後のパターン形状が矩形状で解像度が良好であることを反映して台形状の良好なパターン形状を有していたが、比較例1〜3のレリーフパターンは、現像直後のパターン形状が逆台形状で解像度が不良であることを反映して逆台形状の好ましくないパターン形状を有していた。
【0089】
合成例1〜7で得られた各ポリイミド前駆体及びポリベンゾオキサゾール前駆体(PA−1〜PA−7)の透過率とシリコンウエハ上の残留応力及びレリーフパターンの解像度を以下の方法により評価し、これらの評価結果を表2に示した。
透過率は、得られた各ポリイミド前駆体及びポリベンゾオキサゾール前駆体(PA−1〜PA−7)の樹脂溶液をスピンコートし、85℃で2分間、さらに105℃で2分間乾燥して得られた塗膜(20μm)を、分光光度計で測定した。
残留応力は5インチウエハ上にポリイミド膜又はポリベンゾオキサゾール膜を形成し、テンコール社製応力測定装置(FLX−2320型)で測定した。
解像度は、スルホールテストパターンを用いて、現像可能なスルホールの最小の大きさとして評価した。
【0090】
【表1】
【0091】
<略号> ODPA:オキシジフタル酸二無水物、
s−BPDA:ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、
DDE:ジアミノジフェニルエーテル、
DMAP:2,2'−ジメチル−4,4'−ジアミノビフェニル、
PPD:p−フェニレンジアミン
【0092】
【表2】
【0093】
【発明の効果】
本発明の感光性樹脂組成物に用いる高分子化合物は、良好なi線透過性と低熱膨張性を両立し、低残留応力の半導体装置等の表面保護膜や層間絶縁膜の材料として有用なものである。
また本発明の感光性樹脂組成物に用いる高分子化合物は、前記効果を奏し、さらに耐熱性の良好な樹脂膜を形成し得るものである。
【0094】
また本発明の感光性樹脂組成物は、良好なi線透過性と低熱膨張性を両立し、低残留応力の半導体装置等の表面保護膜や層間絶縁膜の材料として有用なものである。
また本発明のレリーフパターンの製造法によれば、i線露光により解像度の良好なパターンが形成でき、低残留応力の樹脂膜を与えることができる。
さらに本発明の感光性樹脂組成物を用いて得られる電子部品は、低残留応力の表面保護膜又は層間絶縁膜を有し、信頼性に優れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 多層配線構造の半導体装置の製造工程図である。
【符号の説明】
1…半導体基板、 2…保護膜、 3…第1導体層、 4…層間絶縁膜層
5…感光樹脂層、 6A、6B、6C…窓、 7…第2導体層、 8…表面保護膜層。
Claims (10)
- 一般式(1)
前記高分子化合物が、下記一般式(2)
- 高分子化合物がポリイミド前駆体である請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
- 高分子化合物がポリベンゾオキサゾール前駆体である請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
- 高分子化合物が、その構造中に炭素炭素不飽和二重結合を有するものであって、ネガ型の感光特性を有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
- さらに光重合開始剤を含有する請求項4に記載の感光性樹脂組成物。
- さらに光により酸を発生する化合物を含有するものであって、ポジ型の感光特性を有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
- 光により酸を発生する化合物が、o−キノンジアジド化合物である請求項6に記載の感光性樹脂組成物。
- 請求項1〜7のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物を支持基板上に塗布し乾燥する工程、露光する工程、現像する工程及び加熱処理する工程を含むレリーフパターンの製造法。
- 露光する工程が、露光光源としてi線を用いて行うものである請求項8に記載のレリーフパターンの製造法。
- 支持基板が、直径12インチ以上のシリコンウエハである請求項8又は9に記載のレリーフパターンの製造法。
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