JP4517560B2 - リチウムイオン二次電池及びリチウム二次電池の使用方法 - Google Patents
リチウムイオン二次電池及びリチウム二次電池の使用方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4517560B2 JP4517560B2 JP2001402063A JP2001402063A JP4517560B2 JP 4517560 B2 JP4517560 B2 JP 4517560B2 JP 2001402063 A JP2001402063 A JP 2001402063A JP 2001402063 A JP2001402063 A JP 2001402063A JP 4517560 B2 JP4517560 B2 JP 4517560B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- secondary battery
- lithium
- reference example
- discharge
- lithium ion
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Images
Classifications
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01M—PROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
- H01M4/00—Electrodes
- H01M4/02—Electrodes composed of, or comprising, active material
- H01M4/13—Electrodes for accumulators with non-aqueous electrolyte, e.g. for lithium-accumulators; Processes of manufacture thereof
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01M—PROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
- H01M10/00—Secondary cells; Manufacture thereof
- H01M10/05—Accumulators with non-aqueous electrolyte
- H01M10/052—Li-accumulators
- H01M10/0525—Rocking-chair batteries, i.e. batteries with lithium insertion or intercalation in both electrodes; Lithium-ion batteries
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01M—PROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
- H01M4/00—Electrodes
- H01M4/02—Electrodes composed of, or comprising, active material
- H01M4/36—Selection of substances as active materials, active masses, active liquids
- H01M4/362—Composites
- H01M4/366—Composites as layered products
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01M—PROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
- H01M10/00—Secondary cells; Manufacture thereof
- H01M10/05—Accumulators with non-aqueous electrolyte
- H01M10/052—Li-accumulators
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01M—PROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
- H01M4/00—Electrodes
- H01M4/02—Electrodes composed of, or comprising, active material
- H01M2004/026—Electrodes composed of, or comprising, active material characterised by the polarity
- H01M2004/027—Negative electrodes
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E60/00—Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
- Y02E60/10—Energy storage using batteries
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P70/00—Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
- Y02P70/50—Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y10—TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
- Y10T—TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER US CLASSIFICATION
- Y10T29/00—Metal working
- Y10T29/49—Method of mechanical manufacture
- Y10T29/49002—Electrical device making
- Y10T29/49108—Electric battery cell making
Landscapes
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
- Electrochemistry (AREA)
- General Chemical & Material Sciences (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Materials Engineering (AREA)
- Composite Materials (AREA)
- Manufacturing & Machinery (AREA)
- Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)
- Secondary Cells (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、リチウムイオン二次電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、研究開発が活発に行われているリチウムイオン二次電池は、用いられる電極活物質により充放電電圧、充放電サイクル寿命特性、保存特性などの電池特性が大きく左右されるため、電極活物質の改善による電池特性の向上が図られている。
【0003】
負極活物質として金属リチウムを用いた場合には、高エネルギー密度でかつ軽量の電池を構成することができるが、この場合、充放電サイクルの進行に伴い、充電時にリチウム表面に針状結晶(デンドライト)が析出し、この結晶がセパレータを貫通し、内部短絡を起こし、電池の寿命が短くなるという課題があった。
【0004】
この課題を解決するべく、充電の際に電気化学的にリチウムと合金化するアルミニウム、シリコン、錫などを電極として用いるリチウム二次電池が報告されている(Solid State Ionics, 113−115, p57(1998))。
【0005】
この種の合金負極は、単位体積当りのリチウムイオンの吸蔵放出量が多く、高容量であるものの、リチウムイオンが吸蔵放出される際に電極活物質である合金自体が膨脹収縮するために充放電サイクルの進行に伴って微粉化が進行し、充放電サイクル寿命が短いという課題を有していた。
【0006】
そこで、現在、リチウムを可逆的に吸蔵・放出する黒鉛材料を負極として用いることが提案されている。この黒鉛材料は、上記のような微粉化の問題もなく、比較的優れたサイクル性能と安全性を有しているが、黒鉛は理論容量が小さく(372mAh/g)、重量エネルギー密度が低いという難点があった。
【0007】
合金材料および黒鉛材料を組み合わせて高エネルギー密度を実現する手段として、炭素負極上へシリコンコーティングすることが提案されている。下地黒鉛材料の容量維持率が高いため、シリコン層の劣化が起きても一定の容量は保持し、サイクル特性は合金単独を用いた場合よりも改善されている。しかし、シリコン層の劣化は依然として起きるため、炭素材料単体を用いた場合のような良好なサイクル特性は得られていない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、上記従来技術が有する課題に鑑み、本発明においては、高い重量エネルギー密度、良好なサイクル特性を兼ね備えたリチウムイオン二次電池を提供することを目的とする。
【0009】
本発明によれば、リチウムイオンを吸蔵および放出することのできる正極および負極を備えるリチウムイオン二次電池であって、前記負極は、炭素を主成分とする第一の層と、リチウムと合金を形成する元素を含有する第二の層とを含み、前記元素が、Geおよび/またはSnを含有し、前記リチウムイオン二次電池の初回充放電後の放電深度100%における前記第二の層中の活性物質中のリチウムイオン含有量をリチウム含有率としたときの、前記リチウム含有率が31〜67(atomic−%)であることを特徴とするリチウムイオン二次電池が提供される。
【0010】
本発明によれば、放電深度100%における第二の層中のリチウム含有率が31〜67(atomic−%)と規定されているため、リチウムイオンの吸蔵放出に伴う膨脹収縮により、第二の層の微粉化が進行することを有効に防止することができる。このため、顕著にサイクル特性が改善される。
【0011】
また本発明によれば、上記リチウムイオン二次電池において、前記負極の容量が前記正極の容量よりも大きいことを特徴とするリチウムイオン二次電池が提供される。
【0012】
正極活物質は一般に負極活物質よりも重量が大きい。したがって、重量あたりエネルギー密度を向上させるためには、正極活物質の利用率を高めることが望ましい。上記構成においては、負極の容量が正極の容量よりも大きいため、重量あたりエネルギー密度の向上を図ることができる。
【0013】
また、負極の容量を正極の容量よりも大きくすることにより、過放電での負極電位上昇を十分抑制できる。その結果、過放電特性を向上させることができる。
【0014】
また本発明によれば、上記リチウムイオン二次電池において、下記式(1)および(2)を満足する容量のリチウムが、前記正極または前記負極と電気的に接続されたことを特徴とするリチウムイオン二次電池が提供される。
Li=C(1−Lc)+Matom×Ls/(1−Ls)×Licapa・・・(1)
Li+Cat≦C+Matom×Mcapa・・・(2)
(式中、Liは前記正極または負極に電気的に接続されたLi容量を表し、Cは前記第一の層に含まれる活物質の容量を表し、Lcは前記第一の層の初回充放電効率を表し、Matomは前記第二の層に含まれる活物質の原子数を表し、Lsは放電深度100%における前記第二の層中のLi含有率を表し、Licapaはリチウム1原子あたりの容量を表し、Catは前記正極容量を表し、Mcapaは前記第二の層に含まれる活物質の1原子あたりの容量を表す。)
【0015】
上記リチウムイオン二次電池において、リチウムと合金を形成する元素が、Si、Ge、In、Sn、Ag、Al、Pbから選択される元素のうち少なくとも一種以上を含む構成とすることができる。
【0016】
また上記リチウムイオン二次電池において、リチウムと合金を形成する元素が、SiまたはSnを含む構成とすることができる。
【0017】
また本発明によれば、上記リチウムイオン二次電池において、前記第一の層が、黒鉛、フラーレン、カーボンナノチューブ、ダイヤモンドライクカーボン、アモルファスカーボン、ハードカーボンのうち、少なくとも一種を含むことを特徴とするリチウムイオン二次電池が提供される。
【0018】
また本発明によれば、上記リチウムイオン二次電池において、前記正極の活物質が、リチウムコバルト酸化物、リチウムマンガン酸化物、リチウムニッケル酸化物から選択される化合物のうち、少なくとも一種を含むことを特徴とするリチウムイオン二次電池が提供される。上記化合物は、コバルト酸リチウム、マンガン酸リチウム等の化合物に限定されず、上記化合物において、コバルト、マンガン、ニッケル等の元素の一部が、チタンやシリコン等の元素によって置換されたものも含まれる。
【0019】
また本発明によれば、上記リチウムイオン二次電池において、前記正極の活物質が、マンガン酸リチウムを含むことを特徴とするリチウムイオン二次電池が提供される。マンガン酸リチウムは過充電特性に優れることが知られている。上記構成の負極と組み合わせた場合、過充電の向上に加え、過放電特性も向上し、電池の信頼性が大幅に向上する。
【0020】
さらに本発明によれば、リチウムイオンを吸蔵および放出することのできる正極および負極を備え、前記負極は、炭素を主成分とする第一の層とリチウムと合金を形成する元素を含有する第二の層とを含むリチウムイオン二次電池の使用方法であって、前記元素が、Geおよび/またはSnを含有し、前記リチウムイオン二次電池の初回充放電後の放電深度100%における前記負極の前記第二の層中の活性物質中のリチウムイオン含有量をリチウム含有率としたときの、前記リチウム含有率を31〜67(atomic−%)とすることを特徴とするリチウム二次電池の使用方法が提供される。
【0021】
本発明によれば、放電深度100%における第二の層中のリチウム含有率が31〜67(atomic−%)と規定されているため、リチウムイオンの吸蔵放出に伴う膨脹収縮により、第二の層の微粉化が進行することを有効に防止することができる。このため、顕著にサイクル特性が改善される。
【0022】
また上記リチウムイオン二次電池の使用方法において、負極の容量が前記正極の容量よりも大きい構成とすることができる。
【0023】
正極活物質は一般に負極活物質よりも重量が大きい。したがって、重量あたりエネルギー密度を向上させるためには、正極活物質の利用率を高めることが望ましい。上記構成においては、負極の容量が正極の容量よりも大きいため、重量あたりエネルギー密度の向上を図ることができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
本発明のリチウムイオン二次電池では、負極は例えば図1に示すように集電体1a上に形成された炭素層2aの上にLiと合金形成が可能な元素を主成分とする合金層3aが形成された構造を有し、LiCoO2等の電気化学的にリチウムイオンを取り出せるリチウム含有化合物を含む正極を備える。
【0026】
本発明で用いる負極を備えたリチウム二次電池の場合、炭素系或は黒鉛系の負極材料と同一条件で充電を行うと良好なサイクル特性が得られない。すなわち、放電電圧を炭素系或は黒鉛系負極材料の条件と同一の1〜2.5V(対照極:金属リチウム)とすると、深い放電が起こる。このとき、負極中の合金成分の放電に伴う体積の収縮が起こり、それに伴い合金の微粉化が生じる。また、上記負極においてLiの挿入・脱離時には炭素層および合金層において体積膨張・収縮の度合いが異なるため、応力が発生し合金層の炭素層からの剥離が起こる。上記合金の微粉化および剥離が起きるため、著しいサイクル劣化が発生する。
【0027】
そこで、本発明では放電終了後に合金層中のLi含有率を31〜67(atomic−%)の範囲に制御することにより、放電終了後においても合金層にLiを残存させる。これにより充放電時における合金層の体積膨張収縮を緩和することができる。この結果、炭素層と合金層との間に発生する応力が緩和され、上記負極を用いたときに問題となっていた炭素層からの合金層の剥離を防ぐことができる。上記の理由により、良好なサイクル特性を得ることができる。
【0028】
次に、放電終了後におけるLi含有率を31〜67(atomic−%)とする理由について説明する。
【0029】
図4に、放電終了後(放電深度100%)における負極合金層中のLi含有率と100サイクル後における放電容量維持率との関係を示した。評価したリチウム二次電池は、負極として、集電体上に炭素層、シリコン層およびリチウム箔が積層したものを用い、正極としてコバルト酸リチウムを活物質として含むものを用いた。この図からわかるように、Li含有率が低値(30(atomic−%)未満の領域)および高値(70(atomic−%)以上の領域)の場合に放電容量維持率が低値を示している。ここで、Li含有率の低値側から高値側の方向でグラフの推移を見ると、31(atomic−%)のポイントを境にして放電容量維持率が急激に改善していることがわかる。また、逆にLi含有率の高値側から低値側の方向でグラフの推移を見ると、67(atomic−%)のポイントを境にして放電容量維持率が急激に改善していることがわかる。
【0030】
上記現象は、次のように説明することができる。すなわち、放電終了後の負極合金層中のLi含有率が31(atomic−%)未満の場合、充放電サイクルに伴う膨張収縮の緩和作用が不十分であるため、上記合金層の微粉化・剥離を抑制できず、その結果、良好なサイクル特性が得られないものと考えられる。一方、Li含有率が67(atomic−%)を超える場合においては、いわゆるIRドロップと呼ばれる現象の影響により放電容量維持率が低くなっているものと考えられる。以下、IRドロップによる放電容量維持率の低下について説明する。
【0031】
図5は、電池の放電曲線の一例を示したものである。通常、電池の放電は所定の電圧に到達したときに終了するように設計されており、それに伴って放電容量が規定される。ところが、実際の放電では、様々な理由により、設計した電圧に至る前の電圧で放電が終了してしまうことがある。これをIRドロップと称する。IRドロップが生じた場合、図5中、設計放電容量がdであった電池の実際の放電容量はcとなり、C1に相当する容量が放電されなくなる。一方、設計放電容量がbであった電池の実際の放電容量はaとなり、C2に相当する容量が放電されなくなる。図5からわかるように、放電曲線の挙動が領域1と2で大きく異なっていることから、C1に比してC2が大きくなる。すなわち、設計放電容量の違いにより、IRドロップの影響により放電されなくなる容量、すなわちC1とC2に大きな差が生じることになる。ここで、負極合金層中のLi含有率が大きい場合は放電容量を小さく設計したことになるので、設計放電容量はbに相当し、他方、放電負極合金層中のLi含有率が小さい場合は放電容量を大きく設計したことになるので、設計放電容量はdに相当する。以上のことから、負極合金層中のLi含有率が67(atomic−%)を超える場合、容量維持率の低下が顕著になるものと考えられる。
【0032】
上記の理由により、負極合金層中の放電終了後のLi含有率を31〜67(atomic−%)とすることにより、高い重量エネルギー密度および良好なサイクル特性を兼ね備えたリチウムイオン二次電池が実現できる。
【0033】
なお、図4の説明においては、合金層としてシリコンを用いた例について説明したが、他の活物質、たとえばGe、In、Sn、Ag、AlおよびPb等により合金層を構成しても事情は同じである。これらの活物質は炭素と異なる放電電位を有することから、図5のような放電挙動を示す。このため、IRドロップによる容量低下の相違が生じることとなり、図5におけるLi含有率高値領域において容量維持率の低下が顕著になる。なお、シリコン(Si)とSn、Ge、Pbは、一原子あたりのリチウム原子吸蔵数がいずれも約4.4であり、リチウム吸蔵・放出挙動が類似する。このため、図4に示したリチウム含有率適正範囲がほぼ共通する。
【0034】
また、図4に示したLi含有率と容量維持率の関係についても、シリコンを用いた負極で得られた31〜67(atomic−%)の範囲内とすることにより、他の活物質を用いた場合にも良好な容量維持率が得られる。
【0035】
本発明に用いる負極について、炭素層、合金層を積層する順序に限定はない。集電体に最初に合金層を設け、次に炭素層を設けても良い。この場合、合金層の体積膨張収縮の緩和により、応力が緩和され合金層の剥離を防ぐことができ、一部に集電体からの剥離が生じた場合においても、当該部位が炭素層からも剥離しない限り、炭素層を通じて導電性は確保されているため容量の損失は生じない。さらに、炭素層、合金層を交互に積層して多層構造をとっても良い。なお、負極表面にリチウム箔を設ける場合、その直下の層は、炭素層ではなく合金層とすることが望ましい。
【0036】
(第1の実施の形態)
次に、本発明の第1の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明の第1の実施の形態を示す非水電解液二次電池の負極の断面図である。
【0037】
集電体1aは充放電の際電流を電池の外部に取り出す、あるいは外部から電池内に電流を取り込む電極である。この集電体1aは導電性の金属箔であれば、何でもよく、例としてアルミニウム、銅、ステンレス、金、タングステン、モリブデンが上げられる。またこの集電体1aの厚みは5〜25μmである。
【0038】
炭素層2aは充放電の際Liを吸蔵あるいは放出する負極材である。この炭素層2aはLiを吸蔵可能な炭素であり、例として黒鉛、フラーレン、カーボンナノチューブ、DLC、アモルファスカーボン、ハードカーボンあるいはこの混合物である。この炭素層2aの厚みは30〜300μmである。
【0039】
合金層3aは充放電の際Liを吸蔵あるいは放出する負極部材である。この合金層3aは金属、アモルファス金属、合金または金属酸化物、または金属、アモルファス金属、合金、金属酸化物のうち2種以上からなる混合物で構成されている。合金層3aは、例えばCVD法、蒸着法、スパッタ法により作られる多層膜あるいは混合物からなる膜としても良いし、上記金属、合金、金属酸化物またはこれらの混合物の粒子を結着剤を用いて塗布することにより設けても良い。これらのうち、金属、アモルファス金属あるいは合金であり、Si、Ge、In、Sn、Ag、AlおよびPbからなる群から選択される少なくとも一種を含むものとすることが好ましい。合金層3aの厚みに特に制限はないが、例えば0.1μm〜240μmとする。このような膜厚とすることで、電池の高容量化と良好な生産性を両立することができる。また合金層3aにボロン・リン・砒素・アンチモンをドープし抵抗率を下げてもよい。
【0040】
また、図1に示す本発明の実施の形態に類似する構成として、図2に示すように集電体1aの両面に炭素層2aと合金層3aを具備する構造を採用することもできる。
【0041】
また、本発明のリチウム二次電池において用いることができる正極としては、LixMO2(ただしMは、少なくとも1つの遷移金属を表す。)である複合酸化物、例えば、LixCoO2、LixNiO2、LixMn2O4、LixMnO3、LixNiyC1−yO2などを、カーボンブラック等の導電性物質、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)等の結着剤をN−メチル−2−ピロリドン(NMP)等の溶剤と分散混練したものをアルミニウム箔等の基体上に塗布したものを用いることができる。
【0042】
また、正極活物質として5V級活物質を用いることができる。すなわち、金属リチウム対極電位で4.5V以上にプラトーを有するものを用いることができる。たとえば、リチウム含有複合酸化物が好適に用いられる。リチウム含有複合酸化物としては、スピネル型リチウムマンガン複合酸化物、オリビン型リチウム含有複合酸化物、逆スピネル型リチウム含有複合酸化物等が例示される。リチウム含有複合酸化物は、たとえば下記一般式(I)で表される化合物とすることができる。
下記一般式(I)
Lia(MxMn2−x−yAy)O4 (I)
(式中、0<x、0<y、x+y<2、0<a<1.2である。Mは、Ni、Co、Fe、CrおよびCuよりなる群から選ばれる少なくとも一種である。Aは、Si、Tiから選ばれる少なくとも一種である。)
【0043】
このような化合物を用いることにより、高い起電力を安定的に実現することができる。ここで、Mは少なくともNiを少なくとも含む構成とすれば、サイクル特性等がより向上する。xはMnの価数が+3.9価以上になるような範囲とすることが好ましい。また、上記化合物において、0<yとすれば、Mnがより軽量な元素に置換され、重量当たりの放電量が増大して高容量化が図られる。
【0044】
また、本発明のリチウム二次電池は、金属リチウムもしくはその合金の表面に疎水性の表面層を形成した負極と、乾燥空気又は不活性気体雰囲気において、前記正極とポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン、フッ素樹脂等の多孔性フィルムからなるセパレータを介して積層、あるいは積層したものを巻回した後に、電池缶に収容したり、合成樹脂と金属箔との積層体からなる可とう性フィルム等によって封口することによって電池を製造することができる。
【0045】
また、電解液としては、プロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)、ブチレンカーボネート(BC)、ビニレンカーボネート(VC)等の環状カーボネート類、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ジプロピルカーボネート(DPC)等の鎖状カーボネート類、ギ酸メチル、酢酸メチル、プロピオン酸エチル等の脂肪族カルボン酸エステル類、γ−ブチロラクトン等のγ−ラクトン類、1,2−エトキシエタン(DEE)、エトキシメトキシエタン(EME)等の鎖状エーテル類、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン等の環状エーテル類、ジメチルスルホキシド、1,3−ジオキソラン、ホルムアミド、アセトアミド、ジメチルホルムアミド、ジオキソラン、アセトニトリル、プロピルニトリル、ニトロメタン、エチルモノグライム、リン酸トリエステル、トリメトキシメタン、ジオキソラン誘導体、スルホラン、メチルスルホラン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、3−メチル−2−オキサゾリジノン、プロピレンカーボネート誘導体、テトラヒドロフラン誘導体、エチルエーテル、1,3−プロパンサルトン、アニソール、N−メチルピロリドン、などの非プロトン性有機溶媒を一種又は二種以上を混合して使用し、これらの有機溶媒に溶解するリチウム塩を溶解させる。リチウム塩としては、例えばLiPF6、LiAsF6、LiAlCl4、LiClO4、LiBF4、LiSbF6、LiCF3SO3、LiCF3CO2、Li(CF3SO2)2、LiN(CF3SO2)2、LiB10Cl10、低級脂肪族カルボン酸カルボン酸リチウム、クロロボランリチウム、四フェニルホウ酸リチウム、LiBr、LiI、LiSCN、LiCl、イミド類などがあげられる。また、電解液に代えてポリマー電解質を用いてもよい。
【0046】
第1の実施の形態では、放電終了後に合金層3a中のLi含有率を31〜67(atomic−%)とする方法として、充放電方法に制限を設ける方法を提示する。具体的には、放電終了後に合金層3a中のLi含有率が31〜67(atomic−%)となる電池電圧または負極電位(参照:Li金属)にて放電電圧制限を設ける、あるいは合金層3a中のLi含有率が31〜67(atomic−%)となる放電容量にて放電時間を区切ることにより、放電終了後に合金層3a中のLi含有率を31〜67(atomic−%)とする。
【0047】
(参考例1)
以下に、本発明の第1の実施の形態の参考例1を示し、本発明を詳細に説明する。
【0048】
図1に示す負極の集電体1aには銅箔を用い、炭素層2aには圧縮後の厚みが100μmの黒鉛を、合金層3aにはSiを用いた。正極活物質にはコバルト酸リチウム合剤を、集電体にはアルミニウム箔を用いた。電解液は1モル/lの濃度LiPF6を溶解させたエチレンカーボネイト(EC)とジエチルカーボネイト(DEC)の混合溶媒(混合容積比:EC/DEC=30/70)を用いた。上記負極、上記正極、セパレータ、上記電解液を用いて円筒型二次電池を組み立てた。電極はスパイラル状に捲回した。
【0049】
充放電試験機にて上記円筒型二次電池の電気特性評価を行った。合金層3a中にLiを含有させるために、表1に示す電池電圧制限を加えて評価を行った。
【0050】
比較例1として参考例1と同一の円筒型二次電池にて表1に示す電池電圧制限を加えて評価を行った。
【0051】
比較例2として、Si粒子に導電付与剤とバインダーを混合してCu箔集電体に塗布した負極、上記正極、セパレータ、上記電解液を用いて円筒型二次電池を作製し、表1に示す電池電圧制限を加えて評価を行った。
【0052】
参考例1、比較例1ともに、初回放電後にセルを分解して電極の一部を切り取り、二次イオン質量分析を行って合金層3a中のLi含有比率を測定したところ、表1に示す結果となった。参考例1、比較例2では放電終了後の合金層3a中のLi含有率が53(atomic−%)であるのに対し、比較例1では放電終了後のLi含有比率が16(atomic−%)であった。
【0053】
また、参考例1、比較例1、比較例2ともに300サイクルまで連続して充放電させたときの300サイクル後の容量維持率を表1に示す。容量維持率は式(II)の計算式にて算出した。
(各サイクルにおける放電容量)/(10サイクル目における放電容量)・・・(II)
【0054】
放電終了後の合金層3a中のLi含有率が16(atomic−%)である比較例1と比較すると、放電終了後の合金層3a中のLi含有率が53(atomic−%)である参考例1では300サイクル後の容量維持率が65%増加した。また、Si粒子を負極に用いた比較例2と比較すると、参考例1では300サイクル後の容量維持率が80%増加した。このように、本参考例1により、放電終了後に合金層3a中にLiを含有させることで、サイクル特性を大幅に向上することが証明できた。
【0055】
また、300サイクル後の参考例1、比較例1、比較例2の重量エネルギー密度(Wh/kg)を表1に示す。表1より、参考例1の重量エネルギー密度は172となり、参考例1では高エネルギー密度となることが証明できた。
【0056】
【表1】
【0057】
(参考例2)
以下に、本発明の第1の実施の形態の参考例2を示し、本発明を詳細に説明する。
【0058】
図1に示す負極の集電体1aには銅箔を用い、炭素層2aには圧縮後の厚みが100μmの黒鉛を、合金層3aにはSiを用いた。正極活物質にはコバルト酸リチウム合剤を、集電体にはアルミニウム箔を用いた。電解液は1モル/lの濃度LiPF6を溶解させたエチレンカーボネイト(EC)とジエチルカーボネイト(DEC)の混合溶媒(混合容積比:EC/DEC=30/70)を用いた。
【0059】
上記負極、上記正極、セパレータ、上記電解液を用いて円筒型二次電池を組み立てた。電極はスパイラル状に捲回した。
【0060】
充放電試験機にて上記円筒型二次電池の電気特性評価を行った。合金層3a中にLiを含有させるために、表2に示す放電容量制限を加えて評価を行った。
【0061】
参考例3、参考例4として参考例2と同一の型二次電池にて表2に示す放電容量制限を加えて評価を行った。また、比較例3として参考例2と同一の型二次電池にて表2に示す放電容量制限を加えて評価を行った。
【0062】
参考例2、参考例3、参考例4、比較例3ともに、初回放電後にセルを分解して電極の一部を切り取り、二次イオン質量分析を行って合金層3a中のLi含有比率を測定したところ、表2に示す結果となった。放電終了後の合金層3a中のLi含有率は、参考例2、参考例3、参考例4では49〜63(atomic−%)であるのに対し、比較例3では放電終了後のLi含有比率が16(atomic−%)と大きな値を示した。
【0063】
参考例2、参考例3、参考例4、比較例3ともに300サイクルまで連続して充放電させたときの300サイクル後の容量維持率を表2に示す。容量維持率は式(II)の計算式にて算出した。
【0064】
放電容量制限のない比較例3では300サイクル後の容量維持率が30%であるのに対し、放電終了後の合金層3a中のLi含有率が49(atomic−%)以上である参考例2、参考例3、参考例4では300サイクル後の容量維持率が94%以上を示し、容量維持率が64%以上向上した。上記より、参考例2、参考例3、参考例4により、放電終了後に合金層3a中に実施の形態1に記載する比率でLiを含有させることで、サイクル特性を大幅に向上することが証明できた。
【0065】
また、300サイクル後の参考例2、参考例3、参考例4、比較例3の重量エネルギー密度(Wh/kg)を表2に示す。表2より、参考例2、参考例3、参考例4の重量エネルギー密度は159〜177(Wh/kg)となり、比較例3と比べてエネルギー密度が69(Wh/kg)以上向上した。上記より、参考例2、参考例3、参考例4により放電終了後に合金層3a中のLi含有率を31〜67(atomic−%)とすることで高い重量エネルギー密度、良好なサイクル特性を兼ね備えた電池が得られることが証明できた。
【0066】
【表2】
【0067】
(第2の実施の形態)
第1の実施形態においては、負極合金層中のLi含有率が31〜67(atomic−%)である状態で放電を終了させるため、規定の放電電圧に到達した時、または規定の放電時間を経過した時に放電を終了させる操作が必要である点を考慮すると実用的ではない。そこで、第2の実施の形態においては、放電を途中で終了させることなく、放電深度が100%に到達するまで、すなわち完全に放電させた状態においても、負極合金層中のLi含有率を31〜67(atomic−%)とすることを実現する実施の形態について説明する。ここで、本発明における放電深度とは、放電可能な容量に対する放電容量の割合をいう。
【0068】
第2の実施の形態では、下記のような条件を満たす電極設計とすることにより、放電深度100%における合金層3a中のLi含有率を31〜67(atomic−%)とする。
条件(1)負極容量が正極容量よりも大きい電極設計とする。
条件(2)合金層3a中のLi含有率が31〜67(atomic−%)となるように正極あるいは負極にLi添加を行う。
条件(3)正極容量、負極容量は下記の式(III)を満たすように電池設計を行う。
正極容量≦負極容量−添加Li容量・・・(III)
【0069】
また、上記条件(1)〜(3)をパラメータで示すと次のようになる。
条件(1)C+Matom×Mcapa>Cat・・・(IV)
条件(2)Li=C(1−Lc)+Matom×Ls/(1−Ls)×Licapa・・・(V)
条件(3)Li+Cat≦C+Matom×Mcapa・・・(VI)
(ただし、式(IV)〜(VI)中の記号の意味は次のとおりである。C:炭素層2aに含まれる活物質の容量、Matom:合金層3aに含まれる活物質Mの原子数、Mcapa:合金層3aに含まれる活物質Mの1原子あたりの容量、Licapa:Li1原子あたりの容量、Li:添加Li容量、Cat:正極容量、Lc:炭素層2aの初回充放電効率、Ls:放電深度100%における合金層3aのLi含有率(0.31atomic%<Ls<0.67atomic%))
【0070】
上記の電池設計により、放電深度100%における負極合金層のLi含有率を31〜67(atomic−%)とすることができる理由を、図6を参照して説明する。以後、(VI)式の例として、Li+Cat=C+Matom×Mcapaの場合について説明する。
【0071】
図6(a)は上記条件を満たした電池の初期状態を示したものである。まず、条件(1)を満たすために負極容量が正極容量よりも大きく設計される。そして条件(3)を満たすために、負極容量と正極容量との差に相当する容量のLiすなわちC(1−Lc)+Matom×Ls/(1-Ls)×Licapaが負極に予め添加される。このとき、条件(2)を満たすために、添加したLiの容量が炭素層の不可逆容量(C(1−Lc))と放電深度100%のときの負極合金層に残存させるためのLi容量(Matom×Ls/(1-Ls)×Licapa)、負極合金層の容量の31〜67(atomic−%)に相当)との和になるようにする。
【0072】
上記の電池を充電すると図6(b)に示す状態となる。これを放電深度100%まで放電させると、充電時に正極から負極へ移動したLiに相当する容量のLiが負極から正極へ移動し、図6(a)の初期状態に戻ることになる。したがって、上記の電池設計を行うことにより、図6(b)に示される充電後の状態を経て、放電深度100%の状態まで放電しても31〜67(atomic−%)に相当するLiを合金層に残存させることができる。なお、不可逆容量分以外の負極に残存するLiは合金層に存在する。その理由は炭素層の放電電位は合金層の放電電位よりも低いため、炭素層に吸蔵されていたLiから先に正極へ移動するからである。
【0073】
従来においても、Liを負極に添加する技術は存在する(例えば特開平11―288705号公報)。しかし、従来の技術におけるLi添加は、負極炭素層の不可逆容量に相当するLiを補填することのみを目的とするため、放電深度100%で負極に残存するLi含有率は通常10%、多くて20%程度であると考えられる。これ以上の含有率であるとすると、当該従来技術の目的である高い重量エネルギー密度の達成という観点からは好ましくないからである。一方、本発明では、不可逆容量に相当するLiを補填する目的のLi添加に加え、放電深度100%の状態における合金層のLi含有率を31〜67(atomic−%)に制御する目的のLi添加を実施する点で従来の技術と相違する。
【0074】
図3に式(IV)〜(VI)を満たす電極設計を行った場合の二次電池の特性の一例を示す。図3より、放電後にも負極中には添加Li容量分のLiが含有されることがわかる。上記より、上記条件(1)〜(3)を満たす電池設計の場合には、放電深度100%における合金層3a中のLi含有率が31〜67(atomic−%)となるような電池を作製できる。
【0075】
なお、本実施形態では、第1の実施の形態と同様の正極、負極、セパレータ、電解液を用いることができる。さらに、正極活物質としてマンガン酸リチウムを採用した場合、式(IV)〜(VI)を満たす電極設計により構成された負極との相乗効果により、過放電特性に加え、さらに過充電特性に優れた電池を作製できる。
【0076】
(参考例5、6、7)
以下に、第2の実施の形態の参考例5、参考例6、参考例7を示し、本発明を詳細に説明する。
参考例5では式(IV)〜(VI)を満たす電極容量設計を実施し、電池作製を行った。
【0077】
図1に示す負極の集電体1aには銅箔を用い、炭素層2aには圧縮後の厚みが100μmの黒鉛を、合金層3aにはSiを用いた。合金層3aを形成後、合金層3a上に表3に示す量のLi蒸着を行うことでLi添加を行った。正極活物質にはコバルト酸リチウム合剤を、集電体にはアルミニウム箔を用いた。電解液は1モル/lの濃度LiPF6を溶解させたエチレンカーボネイト(EC)とジエチルカーボネイト(DEC)の混合溶媒(混合容積比:EC/DEC=30/70)を用いた。
【0078】
参考例6として、参考例5に示すLi添加方法の代わりに、正極作製後に正極上にLiをメッキする方法で電池を作製した。これ以外は、表3に示すように参考例5と同様の電極設計および作製方法にて円筒型二次電池を組み立てた。
【0079】
参考例7として、参考例5に示すLi添加方法の代わりに、合金層3aを形成後、合金層3a上にLi箔を貼り付ける方法で電池を作製した。これ以外は、表3に示すように参考例5と同様の電極設計および作製方法にて円筒型二次電池を組み立てた。
【0080】
比較例6として、表3に示すような電極設計を行い、参考例5と同じ材料、作製方法を用いて表3に示すような電極設計の円筒型二次電池を組み立てた。
充放電試験機にて上記円筒型二次電池の電気特性評価を行った。参考例5、参考例6、参考例7、比較例6ともに2.5Vから4.2Vまで充放電を行った。
【0081】
参考例5、参考例6、参考例7、比較例6ともに、初回放電後にセルを分解して電極の一部を切り取り、二次イオン質量分析を行って合金層3a中のLi含有比率を測定したところ、表4に示す結果となった。参考例5、参考例6、参考例7では放電深度100%における合金層3a中のLi含有率が60(atomic−%)であるのに対し、比較例6では放電深度100%におけるLi含有比率が16(atomic−%)であった。
【0082】
また、参考例5、参考例6、参考例7、比較例6ともに、用いた電極と同様の電極の一部を切り取り、 直径1cmの円形に切り抜いた後、対極をLi金属にしてコイン型電池を作製し、0.1mAにて、正極は2.5Vから4.3Vまで、負極は2.5Vから0Vまで充放電を行ったところ、初回充放電において、正極は参考例5〜7、比較例6ともに4.3Vで5mAh、負極は参考例5〜7ともに0Vで6.25mAh、比較例6では5mAhの容量を確認した。
【0083】
また、参考例5、参考例6、参考例7、比較例6ともに300サイクルまで連続して充放電させたときの300サイクル後の容量維持率を表4に示す。容量維持率は式(II)の計算式にて算出した。
【0084】
放電深度100%における合金層3a中のLi含有率が16(atomic−%)である比較例6と比較すると、放電深度100%における合金層3a中のLi含有率が60(atomic−%)である参考例5、参考例6、参考例7では300サイクル後の容量維持率が64%以上増加した。このように、参考例5、参考例6、参考例7により、放電深度100%における合金層3a中のLi含有率を31〜67(atomic−%)に制御することで、サイクル特性を大幅に向上することが証明できた。
【0085】
また、300サイクル後の参考例5、参考例6、参考例7、比較例6の重量エネルギー密度(Wh/kg)を表4に示す。表4より、参考例5の重量エネルギー密度は169(Wh/kg)、参考例6の重量エネルギー密度は168(Wh/kg)、参考例7の重量エネルギー密度は169(Wh/kg)となり、比較例6と比べて参考例5〜7では113(Wh/kg)以上の向上がみられた。上記より、参考例5、参考例6、参考例7により、高エネルギー密度となることを証明できた。
【0086】
【表3】
【0087】
【表4】
【0088】
(参考例8、及び実施例9、10)
以下に、本発明の第2の実施の形態の参考例8、実施例9、実施例10を示し、本発明を詳細に説明する。
【0089】
参考例8では、式(IV)〜(VI)を満たすように表5に示すような電極容量設計を実施し、電池作製を行った。
【0090】
【表5】
【0091】
表5の電極容量設計を満たすように電極作製を行い、電池作製を行った。図1に示す負極の集電体1aには銅箔を用い、炭素層2aには圧縮後の厚みが100μmの黒鉛を、合金層3aにはSiを用いた。合金層3aを形成後、合金層3a上に表5に示す量のLi蒸着を行うことでLi添加を行った。正極活物質にはコバルト酸リチウム合剤を、集電体にはアルミニウム箔を用いた。電解液は1モル/lの濃度LiPF6を溶解させたエチレンカーボネイト(EC)とジエチルカーボネイト(DEC)の混合溶媒(混合容積比:EC/DEC=30/70)を用いた。
【0092】
実施例9として、参考例8で用いたSiの代わりに、Snを合金層3aの構成元素として用いて電池を作製した。これ以外は、表5に示すように参考例8と同様の電極設計および作製方法にて円筒型二次電池を組み立てた。
【0093】
実施例10として、参考例8で用いたSiの代わりに、Geを合金層3aの構成元素として用いて電池を作製した。これ以外は、表5に示すように参考例8と同様の電極設計および作製方法にて円筒型二次電池を組み立てた。
【0094】
比較例7として、表5に示すような電極設計を行い、参考例8と同じ材料、作製方法を用いて表5に示すような電極設計の円筒型二次電池を組み立てた。
【0095】
充放電試験機にて上記円筒型二次電池の電気特性評価を行った。参考例8、実施例9、実施例10、比較例7ともに2.5Vから4.2Vまで充放電を行った。参考例8、実施例9、実施例10、比較例7ともに、初回放電後にセルを分解して電極の一部を切り取り、二次イオン質量分析を行って合金層3a中のLi含有比率を測定したところ、表6に示す結果となった。参考例8、実施例9、実施例10では、放電深度100%における合金層3a中のLi含有率が57(atomic−%)であるのに対し、比較例7では放電深度100%におけるLi含有比率が17(atomic−%)であった。
【0096】
また、参考例8、実施例9、実施例10、比較例6ともに、用いた電極と同様の電極の一部を切り取り、直径1cmの円形に切り抜いた後、対極をLi金属にしてコイン型電池を作製し、0.1mAにて、正極は2.5Vから4.3Vまで、負極は2.5Vから0Vまで充放電を行ったところ、正極は参考例8、実施例9及び10、比較例7ともに5mAh、負極は参考例8、実施例9及び10ともに6.01mAh、比較例7では5mAhであることを確認した。
【0097】
また、参考例8、実施例9、実施例10、比較例7ともに300サイクルまで連続して充放電させたときの300サイクル後の容量維持率を表6に示す。容量維持率は式(II)の計算式にて算出した。
【0098】
放電深度100%における合金層3a中のLi含有率が17(atomic−%)である比較例7と比較すると、放電深度100%における合金層3a中のLi含有率が57(atomic−%)である参考例8、実施例9、実施例10では300サイクル後の容量維持率が64%以上増加した。このように、参考例8、実施例9、実施例10により、放電深度100%における合金層3a中にLiを含有させることで、サイクル特性を大幅に向上することが証明できた。
【0099】
また、300サイクル後の参考例8、実施例9、実施例10、比較例7の重量エネルギー密度(Wh/kg)を表6に示す。表6より、参考例8の重量エネルギー密度は168(Wh/kg)、実施例9の重量エネルギー密度は169(Wh/kg)、実施例10の重量エネルギー密度は170(Wh/kg)となり、比較例7と比べて参考例8、実施例9、実施例10では113(Wh/kg)以上の向上がみられた。上記より、参考例8、実施例9、実施例10では高エネルギー密度となることが証明できた。
【0100】
【表6】
【0101】
(参考例11)
以下に、本発明の第2の実施の形態の参考例11を示し、本発明を詳細に説明する。参考例11では第2の実施の形態の条件(1)、(2)、(3)に従うように表7に示すような電極容量設計を行った。
【0102】
【表7】
【0103】
表7の電極容量設計を満たすように電極作製を行い、電池作製を行った。図1に示す負極の集電体1aには銅箔を用い、炭素層2aには圧縮後の厚みが100μmの黒鉛を、合金層3aにはSiを用いた。合金層3aを形成後、合金層3a上に表7に示す量のLi蒸着を行うことでLi添加を行った。正極活物質にはコバルト酸リチウム合剤を、集電体にはアルミニウム箔を用いた。電解液は1モル/lの濃度LiPF6を溶解させたエチレンカーボネイト(EC)とジエチルカーボネイト(DEC)の混合溶媒(混合容積比:EC/DEC=30/70)を用いた。
【0104】
(参考例12)
参考例12として、参考例11で用いた正極活物質の代わりに、マンガン酸リチウム合剤を用いて電池を作製した。これ以外は、表3に示すように参考例11と同様の電極設計および作製方法にて円筒型二次電池を組み立てた。
【0105】
(比較例8)
比較例8として、表8に示すような電極設計を行い、参考例11と同じ材料、作製方法を用いて表8に示すような電極設計の円筒型二次電池を組み立てた。
【0106】
参考例11、参考例12、比較例8ともに、充電終止電圧4.2V、放電終止電圧2.5Vの条件で0.6Aの定電流で繰り返し充放電し、サイクルさせた。10サイクルの放電の後、電池を取り出し、50Ωの抵抗負荷で0Vまで放電し、さらにこのまま5日間放置した。その後、この電池を上記条件で再度充放電し、容量の変化を調べた。また、参考例12、比較例8を用いて、充電終止電圧4.2V、放電終止電圧2.5Vの条件で0.6Aの定電流で繰り返し充放電させ、11サイクル目の充電の際、充電終止電圧を5.0Vとし、さらにこのまま5日間放置した。その後、この電池を充電終止電圧4.2V、放電終止電圧2.5Vの条件で再度充放電し、容量の変化を調べた。
【0107】
参考例11、参考例12、比較例8ともに、初回放電後にセルを分解して電極の一部を切り取り、二次イオン質量分析を行って合金層3a中のLi含有比率を測定したところ、表7に示す結果となった。参考例11、参考例12、比較例8では放電後の合金層3a中のLi含有率が60(atomic%)であるのに対し、比較例8では放電後のLi含有比率が16(atomic%)であった。
【0108】
参考例11、参考例12、比較例8ともに10サイクル目の放電容量に対する0V放電後の容量維持率(%)を表8に示す。放電後の合金層3a中のLi含有率が16(atomic%)である比較例8と比較すると、放電後の合金層3a中のLi含有率が60(atomic%)である参考例11、参考例12では0V放電後の容量維持率が26%以上増加した。
【0109】
上記での参考例11、参考例12での過放電特性の改良効果は、負極容量>正極容量であることから、過放電での負極電位上昇を十分抑制できたことによる。このように、参考例11、参考例12により、過放電特性を向上することが証明できた。
【0110】
また、参考例12、比較例8の10サイクル目の放電容量に対する5V充電後の放電容量維持率(%)を表8に示す。放電後の合金層3a中のLi含有率が16(atomic%)である比較例8と比較すると、参考例12では、5V充電後の放電容量維持率が90.9%となり、15%以上増加した。このように、正極にマンガン酸リチウムを用いた参考例12では、過充電特性に優れていることが証明できた。
【0111】
【表8】
【0112】
(参考例13)
以下に、本発明の第2の実施の形態の参考例13を示し、本発明を詳細に説明する。参考例13では、式(IV)〜(VI)を満たすように表9に示すような電極容量設計を実施し、電池作製を行った。
【0113】
【表9】
【0114】
表9の電極容量設計を満たすように電極作製を行い、電池作製を行った。図1に示す負極の集電体1aには銅箔を用い、炭素層2aには圧縮後の厚みが100μmのハードカーボンを、合金層3aにはSiを用いた。合金層3aを形成後、合金層3a上に表8に示す量のLi蒸着を行うことでLi添加を行った。正極活物質には金属リチウム対極電位で4.5V以上にプラトーを有するスピネル型リチウムマンガン複合酸化物(LiNi0.5Mn1.5O4)合剤を、集電体にはアルミニウム箔を用いた。電解液は1モル/lの濃度LiPF6を溶解させたエチレンカーボネイト(EC)とジエチルカーボネイト(DEC)の混合溶媒(混合容積比:EC/DEC=30/70)を用いた。
【0115】
比較例9として、表9に示すような電極設計を行い、参考例13と同じ材料、作製方法を用いて表9に示すような電極設計の円筒型二次電池を組み立てた。
【0116】
充放電試験機にて上記円筒型二次電池の電気特性評価を行った。参考例13、比較例9ともに2.5Vから4.75Vまで充放電を行った。参考例13、比較例9ともに、初回放電後にセルを分解して電極の一部を切り取り、二次イオン質量分析を行って合金層3a中のLi含有比率を測定したところ、表10に示す結果となった。参考例13、では、放電深度100%における合金層3a中のLi含有率が53(atomic−%)であるのに対し、比較例9では放電深度100%におけるLi含有比率が16(atomic−%)であった。
【0117】
参考例13、比較例9ともに、用いた電極と同様の電極の一部を切り取り、 直径1cmの円形に切り抜いた後、対極をLi金属にしてコイン型電池を作製し、0.1mAにて、正極は2.5Vから4.85Vまで、負極は2.5Vから0Vまで充放電を行ったところ、初回充放電において、正極は参考例13、比較例9ともに4.85Vで5mAh、負極は0Vで参考例13では5.8mAh、比較例9では5mAhの容量を確認した。
【0118】
また、参考例13、比較例9ともに300サイクルまで連続して充放電させたときの300サイクル後の容量維持率を表10に示す。容量維持率は式(II)の計算式にて算出した。
【0119】
放電深度100%における合金層3a中のLi含有率が16(atomic−%)である比較例9と比較すると、放電深度100%における合金層3a中のLi含有率が53(atomic−%)である参考例13では300サイクル後の容量維持率が60%以上増加した。このように、参考例13により、放電深度100%における合金層3a中にLiを含有させることで、サイクル特性を大幅に向上することが証明できた。
【0120】
また、300サイクル後の参考例13、比較例9の重量エネルギー密度(Wh/kg)を表10に示す。表10より、参考例13の重量エネルギー密度は182(Wh/kg)となり、比較例9と比べて参考例13では121(Wh/kg)以上の向上がみられた。上記より、参考例13では高エネルギー密度となることが証明できた。
【0121】
【表10】
【0122】
(参考例14)
以下に、本発明の第2の実施の形態の参考例14を示し、本発明を詳細に説明する。参考例14では、式(IV)〜(VI)を満たすように表11に示すような電極容量設計を実施し、電池作製を行った。
【0123】
【表11】
【0124】
表11の電極容量設計を満たすように電極作製を行い、電池作製を行った。図1に示す負極の集電体1aには銅箔を用い、炭素層2aには圧縮後の厚みが100μmの黒鉛を、合金層3aにはSiを用いた。合金層3aを形成後、合金層3a上に表11に示す量のLi蒸着を行うことでLi添加を行った。正極活物質にはマンガン酸リチウム合剤を、集電体にはアルミニウム箔を用いた。電解液は1モル/lの濃度LiPF6を溶解させたエチレンカーボネイト(EC)とジエチルカーボネイト(DEC)の混合溶媒(混合容積比:EC/DEC=30/70)を用いた。
【0125】
参考例15、参考例16、参考例17として、参考例14での電極構成の代わりに表11の電極容量設計を満たすように電極作製を行い、電池作製を行った。これ以外は、参考例14と同様の作製方法にて円筒型二次電池を組み立てた。
【0126】
比較例10として、表11に示すような電極設計を行い、参考例14と同じ材料、作製方法を用いて表11に示すような電極設計の円筒型二次電池を組み立てた。
【0127】
充放電試験機にて上記円筒型二次電池の電気特性評価を行った。参考例14〜17、比較例10ともに2.5Vから4.2Vまで充放電を行った。参考例14〜17、比較例10ともに、初回放電後にセルを分解して電極の一部を切り取り、二次イオン質量分析を行って合金層3a中のLi含有比率を測定したところ、表12に示す結果となった。参考例14〜17では、放電深度100%における合金層3a中のLi含有率が49(atomic−%)であるのに対し、比較例10では放電深度100%におけるLi含有比率が16(atomic−%)であった。
参考例14〜17、比較例10ともに、用いた電極と同様の電極の一部を切り取り、 直径1cmの円形に切り抜いた後、対極をLi金属にしてコイン型電池を作製し、0.1mAにて、正極は2.5Vから4.3Vまで、負極は2.5Vから0Vまで充放電を行ったところ、初回充放電において、正極は4.3Vで参考例14、比較例10ともに5mAh、参考例15では4.55mAh、参考例16では4.17mAh、参考例17では3.85mAh、負極は0Vで参考例14〜17では5.63mAh、比較例10では5mAhの容量を確認した。
【0128】
また、参考例14〜17、比較例10ともに300サイクルまで連続して充放電させたときの300サイクル後の容量維持率を表12に示す。容量維持率は式(II)の計算式にて算出した。
【0129】
放電深度100%における合金層3a中のLi含有率が16(atomic−%)である比較例10と比較すると、放電深度100%における合金層3a中のLi含有率が49(atomic−%)である参考例14〜17では300サイクル後の容量維持率が63%以上増加した。このように、参考例14〜17により、放電深度100%における合金層3a中にLiを含有させることで、サイクル特性を大幅に向上することが証明できた。また、300サイクル後の参考例14〜17、比較例10の重量エネルギー密度(Wh/kg)を表12に示す。表12より、参考例14〜17の重量エネルギー密度は147(Wh/kg)以上となり、比較例10と比べて参考例14〜17では93(Wh/kg)以上の向上がみられた。上記より、参考例14〜17では高エネルギー密度となることが証明できた。
【0130】
【表12】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態、第2の実施の形態を示す非水電解液二次電池の負極の断面図の一例である。
【図2】本発明の第1の実施の形態、第2の実施の形態を示す非水電解液二次電池の負極の断面図の一例である。
【図3】本発明の第2の実施の形態を示す非水電解液二次電池の充放電曲線の一例である。
【図4】放電深度100%における負極合金層中のLi含有率と100サイクル後における放電容量維持率との関係を表したグラフである。
【図5】IRドロップが放電容量に及ぼす影響を説明するための図である。
【図6】正極容量、負極容量および添加Li容量の関係を説明するための図である。
【符号の説明】
1a 集電体
2a 炭素層
3a 合金層
Claims (11)
- リチウムイオンを吸蔵および放出することのできる正極および負極を備えるリチウムイオン二次電池であって、
前記負極は、炭素を主成分とする第一の層と、リチウムと合金を形成する元素を含有する第二の層とを含み、
前記元素が、Geおよび/またはSnを含有し、
前記リチウムイオン二次電池の初回充放電後の放電深度100%における前記第二の層中の活性物質中のリチウムイオン含有量をリチウム含有率としたときの、前記リチウム含有率が31〜67(atomic−%)であることを特徴とするリチウムイオン二次電池。 - 請求項1記載のリチウムイオン二次電池において、
前記リチウム含有率が57(atomic−%)であることを特徴とするリチウムイオン二次電池。 - 請求項1または2記載のリチウムイオン二次電池において、
前記元素が、GeまたはSnであることを特徴とするリチウムイオン二次電池。 - 請求項1乃至3いずれかに記載のリチウムイオン二次電池において、
前記負極の容量が前記正極の容量よりも大きいことを特徴とするリチウムイオン二次電池。 - 請求項1乃至4いずれかに記載のリチウムイオン二次電池において、
前記第一の層が、黒鉛、フラーレン、カーボンナノチューブ、ダイヤモンドライクカーボン、アモルファスカーボン、ハードカーボンのうち、少なくとも一種を含むことを特徴とするリチウムイオン二次電池。 - 請求項1乃至5いずれかに記載のリチウムイオン二次電池において、
前記正極の活物質が、リチウムコバルト酸化物、リチウムマンガン酸化物およびリチウムニッケル酸化物からなる群から選択される化合物のうち少なくとも一種を含むことを特徴とするリチウムイオン二次電池。 - 請求項1乃至6いずれかに記載のリチウムイオン二次電池において、
前記正極の活物質が、マンガン酸リチウムを含むことを特徴とするリチウムイオン二次電池。 - リチウムイオンを吸蔵および放出することのできる正極および負極を備え、前記負極は、炭素を主成分とする第一の層とリチウムと合金を形成する元素を含有する第二の層とを含むリチウムイオン二次電池の使用方法であって、
前記元素が、Geおよび/またはSnを含有し、
前記リチウムイオン二次電池の初回充放電後の放電深度100%における前記負極の前記第二の層中の活性物質中のリチウムイオン含有量をリチウム含有率としたときの、前記リチウム含有率を31〜67(atomic−%)とすることを特徴とするリチウム二次電池の使用方法。 - 請求項8記載のリチウムイオン二次電池の使用方法において、
前記リチウム含有率が57(atomic−%)であることを特徴とするリチウムイオン二次電池の使用方法。 - 請求項8または9に記載のリチウムイオン二次電池の使用方法において、
前記元素が、GeまたはSnであることを特徴とするリチウムイオン二次電池の使用方法。 - 請求項8乃至10いずれかに記載のリチウムイオン二次電池の使用方法において、
前記負極の容量が前記正極の容量よりも大きいことを特徴とするリチウムイオン二次電池の使用方法。
Priority Applications (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001402063A JP4517560B2 (ja) | 2001-12-28 | 2001-12-28 | リチウムイオン二次電池及びリチウム二次電池の使用方法 |
KR1020047010091A KR100612806B1 (ko) | 2001-12-28 | 2002-12-26 | 리튬 이온 이차 전지 |
US10/500,165 US20050084759A1 (en) | 2001-12-28 | 2002-12-26 | Lithium-ion secondary battery |
CNA028263391A CN1610816A (zh) | 2001-12-28 | 2002-12-26 | 锂离子二次电池 |
PCT/JP2002/013643 WO2003058145A1 (en) | 2001-12-28 | 2002-12-26 | Lithium-ion secondary battery |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001402063A JP4517560B2 (ja) | 2001-12-28 | 2001-12-28 | リチウムイオン二次電池及びリチウム二次電池の使用方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003203625A JP2003203625A (ja) | 2003-07-18 |
JP4517560B2 true JP4517560B2 (ja) | 2010-08-04 |
Family
ID=19189922
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001402063A Expired - Lifetime JP4517560B2 (ja) | 2001-12-28 | 2001-12-28 | リチウムイオン二次電池及びリチウム二次電池の使用方法 |
Country Status (5)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US20050084759A1 (ja) |
JP (1) | JP4517560B2 (ja) |
KR (1) | KR100612806B1 (ja) |
CN (1) | CN1610816A (ja) |
WO (1) | WO2003058145A1 (ja) |
Families Citing this family (23)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4697382B2 (ja) * | 2003-11-11 | 2011-06-08 | 日本電気株式会社 | 非水電解質二次電池 |
JP5084110B2 (ja) * | 2004-11-02 | 2012-11-28 | 三洋電機株式会社 | リチウム二次電池及びその製造方法 |
JP4895503B2 (ja) * | 2004-12-28 | 2012-03-14 | 三洋電機株式会社 | リチウム二次電池 |
US20060240290A1 (en) * | 2005-04-20 | 2006-10-26 | Holman Richard K | High rate pulsed battery |
EP2162935A1 (en) | 2007-06-22 | 2010-03-17 | Boston-Power, Inc. | Cid retention device for li-ion cell |
JP2008243828A (ja) * | 2008-06-02 | 2008-10-09 | Sony Corp | 負極および二次電池の製造方法 |
DE102010040538A1 (de) * | 2010-09-10 | 2012-03-15 | Robert Bosch Gmbh | Verbesserte Ableitestruktur bei Batterien |
US8993172B2 (en) | 2011-12-10 | 2015-03-31 | Kalptree Energy, Inc. | Li-ion battery and battery active components on metal wire |
CN102709592B (zh) * | 2012-06-01 | 2014-08-27 | 中国东方电气集团有限公司 | 一种锂离子二次电池及其制备方法 |
US10224565B2 (en) | 2012-10-12 | 2019-03-05 | Ut-Battelle, Llc | High energy density secondary lithium batteries |
US10403873B2 (en) * | 2013-10-16 | 2019-09-03 | Sumitomo Chemical Company, Limited | Gravure roll, method of fabricating a separator, and separator |
KR20160000532A (ko) * | 2014-06-24 | 2016-01-05 | 에스케이이노베이션 주식회사 | 수명 특성이 개선된 이차전지용 음극의 제조 방법 |
JP6644692B2 (ja) * | 2014-09-05 | 2020-02-12 | 三洋電機株式会社 | 非水電解質二次電池用負極及び非水電解質二次電池 |
US10008717B2 (en) * | 2015-04-22 | 2018-06-26 | Zeptor Corporation | Anode for lithium batteries, lithium battery and method for preparing anode for lithium batteries |
CN105819461A (zh) * | 2016-03-15 | 2016-08-03 | 宁波职业技术学院 | 一种掺杂硅酸盐钠离子电池正极材料及其制备方法 |
CN106384840B (zh) * | 2016-12-01 | 2019-02-15 | 张家港金盛莲能源科技有限公司 | 一种低温锂离子二次电池 |
CN111213262B (zh) * | 2017-12-01 | 2023-08-22 | 株式会社Lg新能源 | 负极和包含所述负极的二次电池 |
CN111584864A (zh) * | 2019-02-22 | 2020-08-25 | 叶小剑 | 一种碳纳米管富勒烯电池及其制备方法 |
CN112216876B (zh) * | 2019-07-10 | 2022-04-15 | 比亚迪股份有限公司 | 锂离子电池重复单元、锂离子电池及其使用方法、电池模组和汽车 |
EP3982460A4 (en) * | 2019-11-07 | 2022-08-10 | LG Energy Solution, Ltd. | METHOD OF MAKING A LITHIUM SECONDARY BATTERY |
CN112665429A (zh) * | 2020-12-30 | 2021-04-16 | 东莞市鹏锦机械科技有限公司 | 改良的nmp回收系统 |
CN114361428B (zh) * | 2021-12-31 | 2024-05-17 | 远景动力技术(江苏)有限公司 | 三维锂负极及其应用 |
CN115172705B (zh) * | 2022-07-20 | 2024-03-15 | 江苏正力新能电池技术有限公司 | 一种二次电池、用电装置 |
Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH097638A (ja) * | 1995-06-22 | 1997-01-10 | Seiko Instr Inc | 非水電解質二次電池 |
JP2000021392A (ja) * | 1998-07-06 | 2000-01-21 | Fuji Photo Film Co Ltd | 非水二次電池 |
JP2001283833A (ja) * | 2000-04-03 | 2001-10-12 | Sanyo Electric Co Ltd | 二次電池 |
JP2002015729A (ja) * | 2000-06-30 | 2002-01-18 | Toshiba Corp | 非水電解質二次電池 |
Family Cites Families (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0473862A (ja) * | 1990-07-06 | 1992-03-09 | Yuasa Corp | リチウム二次電池 |
JP2751625B2 (ja) * | 1990-11-09 | 1998-05-18 | 松下電器産業株式会社 | 非水電解液二次電池およびその製造法 |
JPH0794169A (ja) * | 1993-09-20 | 1995-04-07 | Yuasa Corp | 非水電解質電池 |
JPH07235330A (ja) * | 1994-02-24 | 1995-09-05 | Sony Corp | 非水電解液二次電池の製造方法 |
JPH07326342A (ja) * | 1994-05-30 | 1995-12-12 | Mitsubishi Cable Ind Ltd | リチウム二次電池用負極およびそれを用いてなるリチウム二次電池 |
JP3227080B2 (ja) * | 1994-12-02 | 2001-11-12 | キヤノン株式会社 | リチウム二次電池 |
JPH10241684A (ja) * | 1997-02-27 | 1998-09-11 | Sanyo Electric Co Ltd | 非水電解質電池 |
JPH11288705A (ja) * | 1998-03-31 | 1999-10-19 | Toyota Motor Corp | リチウムイオン2次電池 |
US6392385B1 (en) * | 1999-12-01 | 2002-05-21 | Jeremy Barker | Battery operation for extended cycle life |
JP2002198036A (ja) * | 2000-12-22 | 2002-07-12 | Sony Corp | 負極及び非水電解質電池並びにそれらの製造方法 |
-
2001
- 2001-12-28 JP JP2001402063A patent/JP4517560B2/ja not_active Expired - Lifetime
-
2002
- 2002-12-26 KR KR1020047010091A patent/KR100612806B1/ko active IP Right Grant
- 2002-12-26 US US10/500,165 patent/US20050084759A1/en not_active Abandoned
- 2002-12-26 CN CNA028263391A patent/CN1610816A/zh active Pending
- 2002-12-26 WO PCT/JP2002/013643 patent/WO2003058145A1/ja active Application Filing
Patent Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH097638A (ja) * | 1995-06-22 | 1997-01-10 | Seiko Instr Inc | 非水電解質二次電池 |
JP2000021392A (ja) * | 1998-07-06 | 2000-01-21 | Fuji Photo Film Co Ltd | 非水二次電池 |
JP2001283833A (ja) * | 2000-04-03 | 2001-10-12 | Sanyo Electric Co Ltd | 二次電池 |
JP2002015729A (ja) * | 2000-06-30 | 2002-01-18 | Toshiba Corp | 非水電解質二次電池 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
CN1610816A (zh) | 2005-04-27 |
WO2003058145A1 (en) | 2003-07-17 |
JP2003203625A (ja) | 2003-07-18 |
US20050084759A1 (en) | 2005-04-21 |
KR100612806B1 (ko) | 2006-08-21 |
KR20040071756A (ko) | 2004-08-12 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4517560B2 (ja) | リチウムイオン二次電池及びリチウム二次電池の使用方法 | |
US6890685B2 (en) | Anode for secondary battery and secondary battery therewith | |
JP5150966B2 (ja) | 非水電解液二次電池用正極およびそれを用いた非水電解液二次電池 | |
JP4321115B2 (ja) | リチウムイオン二次電池用負極活物質、リチウムイオン二次電池用負極、およびリチウムイオン二次電池 | |
JP4307005B2 (ja) | 非水電解液二次電池 | |
JP4623940B2 (ja) | 負極材料及びそれを用いた二次電池 | |
JP5246747B2 (ja) | リチウムイオン二次電池用負極、およびそれを用いたリチウムイオン二次電池 | |
JPWO2003100888A1 (ja) | 二次電池用負極およびそれを用いた二次電池 | |
JP2004139743A (ja) | 非水電解質二次電池 | |
JP2009076468A (ja) | 非水電解質二次電池 | |
JP2008293661A (ja) | リチウム二次電池用正極及びそれを用いたリチウム二次電池 | |
CN101009372A (zh) | 锂二次电池 | |
JP5999090B2 (ja) | 二次電池用活物質 | |
JP6607188B2 (ja) | 正極及びそれを用いた二次電池 | |
JP7378601B2 (ja) | リチウム二次電池用非水電解液及びそれを含むリチウム二次電池 | |
JP4696557B2 (ja) | リチウム二次電池用活物質材料、その製造方法及びこれに用いる原材料並びにリチウム二次電池 | |
JP6007904B2 (ja) | 二次電池用活物質およびそれを使用した二次電池 | |
KR20160134317A (ko) | 양극 활물질 및 그 제조방법, 상기 양극 활물질을 채용한 양극과 리튬 전지 | |
US20170288227A1 (en) | Rechargeable lithium battery | |
CN109075383B (zh) | 锂离子二次电池及电池组 | |
KR20220046267A (ko) | 무음극 리튬이차전지 및 그 제조방법 | |
JP2009218112A (ja) | 非水電解質二次電池及びその製造方法 | |
JP2022528246A (ja) | リチウム二次電池用非水電解液添加剤、これを含むリチウム二次電池用非水電解液及びリチウム二次電池 | |
JP2005332684A (ja) | 非水電解質二次電池 | |
US20140315087A1 (en) | Positive active material, method of preparing the same, and rechargeable lithium battery including the same |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20041115 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20080701 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20080829 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20090818 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20091019 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20100427 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20100510 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130528 Year of fee payment: 3 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 4517560 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140528 Year of fee payment: 4 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term |