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JP4504014B2 - インスリン分泌性glp−1(7−36)ポリペプチドおよび/またはglp−1類似体を生成する方法 - Google Patents

インスリン分泌性glp−1(7−36)ポリペプチドおよび/またはglp−1類似体を生成する方法 Download PDF

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Description

本発明は、直列に遺伝子を連結することによって、グルカゴン様ペプチドGLP−1(7−36)ポリペプチドまたはグルカゴン様ペプチド−1類似体を生成する方法を開示する。さらに、本方法によって生成される組換えポリペプチドも開示する。GLP−1(7−36)またはGLP−1類似体の外因性投与は、インスリンの分泌を刺激することができる。
GLP−1(グルカゴン様ペプチド−1)は、ヒト腸細胞により分泌されるペプチドホルモンであり、それはL細胞が産生するプロテアーゼによりプログルカゴンがタンパク質分解性の切断をされることで発生するので、グルカゴン様ペプチド−1と命名される。多数の研究が、GLP−1の外因性投与がインスリン分泌の効果を増強することを示している。例えば、血中グルコースが6mmol/Lを越える場合、非常に低い濃度のGLP−1が、インスリン分泌を増大させる上で重要な役割を果たし得る。いったん血中グルコースが正常なレベルに戻ると、GLP−1をさらに添加しても、もはやインスリン分泌に何ら効果を示さないであろう。
GLP−1は、ヒトの体内で二種の形態で存在し、一方は、アミド化したC末端を有する30個のアミノ酸残基から構成されるGLP−1(7−36)−NH2である。他方は、31個のアミノ酸残基から構成されるGLP−1(7−37)である。GLP−1(7−36)−NH2およびGLP−1(7−37)の両方が、インスリン分泌に対し強力な増強効果を示し得る。GLP−1(7−36)−NH2の増強効果に関しては、GLP−1(7−36)−OHペプチド(以降、GLP−1(7−36)とする)がインスリン分泌で類似の増強効果を示すことから、C末端でのアミド化が必ずしも要求されるものではないことが分かった。
先行の研究は、GLP−1が、II型糖尿病を治療する上でインスリンより多くの利点を有することを示している。というのも、GLP−1は、1)プロインスリン遺伝子の転写および翻訳の調節を増大させ、2)インスリンおよびCペプチドの分泌を増強し、3)細胞のインスリンレセプターの感受性を増強し、4)β細胞の数を増大させ得るからである。さらに、GLP−1は、1)インスリンに対する耐性、2)グリコヘモグロビン(HbA1c)、フルクトサミン、グルカゴンおよび脂肪酸の量を、低下または減少させ得る(Nielsen J.H.ら、Regulation of beta−cell mass by hormones and growth factors、Diabetes、50巻、増補1:S25−9頁、2001年;Hui H.ら、Glucagon−like peptide 1 induces differentiation of islet duodenal homeobox−1−positive pancreatic ductal cells into insulin−secreting cells、Diabetes、50(4)巻:785−96頁、2001年)。
さらに注目すべきことは、GLP−1は、β細胞の分裂を増強して、β細胞の数を増大させる能力があることが観察されたが、それは、現在まで糖尿病治療のために使用される他のいかなる医薬品にも見られなかったことである。さらに、GLP−1は、スルホニル尿素投与の治療に反応しなかった患者に有効である。さらに、GLP−1の投与は、血中グルコースの濃度が正常レベルに戻ると、インスリン分泌を増強しない。したがって、低血糖症を生じさせない。全ての上述の理由のため、GLP−1は、糖尿病を治療するための望ましい医薬品と考えられる。これは、実質的な臨床研究によっても立証される(Rachman J.ら、Normalization of insulin response to glucose by overnight infusion of glucagon−like peptide 1(7−36) amide in patients with NIDDM、Diabetes、45(11)巻:1524−30頁、1996年;Doyle M.E.ら、Glucagon−like peptide−1、Recent Progress in Hormone Research、56巻:377−99頁、2001年;Daniel J.Drucker、短期検討:The Glucagon−Like Peptides、Endocrinology、142(2)巻:521−527頁、2001年)。
米国特許第5545618号明細書 国際公開第01/98331号パンフレット
しかし、GLP−1の化学合成の費用は、非常に高い。試薬グレードのGLP−1の小売価格は400ドル/mgであり、それを医療施設で使用することは非常に制限される。数名の研究者が、遺伝子操作方法を用いて融合タンパク質または分泌タンパク質のいずれかとして組換えGLP−1を生成することを試みている。しかし、GLP−1を生成するためのこのアプローチの収量と費用は、満足からは程遠く、したがって、現段階で低い費用でGLP−1を大規模生成することは不可能である。本発明は、直列に遺伝子を連結することによってGLP−1(7−36)および/またはGLP−1類似体を生成する、新規な方法を開発することを目的とする。本発明の方法を用いることで、工程を簡素化し、生産費用を下げることができ、そしてそれにより、大規模でGLP−1(7−36)および/またはGLP−1類似体を生成することを可能にする。
本発明は、
(a)GLP−1(7−36)ポリペプチドまたはGLP−1類似体をコードし得る遺伝子の二つの末端に、ハイブリッド部位を形成する能力のある二つの個別の制限エンドヌクレアーゼ切断部位を導入し;
(b)制限エンドヌクレアーゼを用いた消化の後に、付着末端を連結してハイブリッド部位を形成し、そして、単独で連結したGLP−1(7−36)遺伝子もしくはGLP−1類似体遺伝子、またはGLP−1(7−36)ポリペプチドもしくはGLP−1類似体をコードする遺伝子を組み合わせて連結したもののコピーをn個(nは1から32までの整数である)ベクターにクローニングし;
(c)連結した遺伝子を含むベクターを、宿主細胞に形質転換させ;
(d)宿主細胞に、ポリペプチドのコピーをn個(nは1から32までの整数である)含む融合タンパク質を発現させ、該融合タンパク質は、GLP−1(7−36)ポリペプチド、GLP−1類似体またはその組合わせを含むが、どのようなキャリアータンパク質も含まず;
(e)融合タンパク質を切断し;
(f)GLP−1(7−36)ポリペプチドおよび/またはGLP−1類似体を分離および精製すること:
から構成される、インスリン分泌性GLP−1(7−36)ポリペプチドおよび/またはGLP−1類似体を生成する方法に関する。
ハイブリッドを形成する能力のある上述の二つの制限的エンドヌクレアーゼとしては、それに限定されないが、BglIIおよびBamHI、SalIおよびXhoIが挙げられる。
本発明による方法におけるベクターは、単独で連結した、または組み合わせて連結した、GLP−1(7−36)遺伝子および/またはGLP−1類似体遺伝子をn個(nは1から32までの整数である)含み得る。好ましくは、nは、8から32までの整数である。さらに好ましくは、nは、16または32であるべきである。
本発明による方法で使用される宿主細胞は、GLP−1(7−36)ポリペプチドおよび/またはGLP−1類似体のコピーをn個(nは1から32までの整数である)含む融合タンパク質を発現することができる。融合タンパク質は、GLP−1(7−36)ポリペプチドまたはGLP−1類似体のコピーをn個含み得る。さらに、それは、総コピー数がnに等しい、GLP−1(7−36)ポリペプチドおよびGLP−1類似体双方の複数のコピーを含み得る。好ましくは、nは、8から32までの整数である。さらに好ましくは、nは、16から32までの整数である。好ましくは、GLP−1(7−36)および/またはGLP−1類似体を発現する本発明の宿主細胞は、原核細胞である。
本発明は、本発明の方法により生成されるGLP−1(7−36)および/またはGLP−1類似体のポリペプチドにも関する。
本発明の方法により生成されるGLP−1(7−36)ペプチドは、式Iに示すアミノ酸配列を有する。
Figure 0004504014
図面の簡単な説明
図1は、GLP−1(7−36)ポリペプチドをコードする遺伝子のコピーを一個含む発現ベクターを構築する工程を表す。
図2は、断片(1)、(2)、(3)および(4)の連結後得られた、GLP−1(7−36)ポリペプチドをコードするDNA配列を示す。
図3は、断片(1’)、(2’)、(3’)および(4’)の連結後得られた、GLP−1(7−36)ポリペプチドをコードするDNA配列を示す。
図4は、直列にGLP−1(7−36)遺伝子のコピーを2から32個含むプラスミドを構築する工程を表す。
図5は、発酵工程の間の、遺伝子操作した細菌細胞の増殖曲線を示す。
図6は、組換えGLP−1(7−36)ポリペプチドのHPLC分析の結果を示す。
図7は、組換えGLP−1(7−36)ポリペプチドのアミノ酸分析の結果を示す。
図8は、組換えGLP−1(7−36)ポリペプチドの質量スペクトル解析の結果を示す。
図9は、マウスにGLP−1(7−36)ポリペプチドを注射した後の、マウス血中のインスリン濃度の変動を示す。
図10は、マウスにGLP−1(7−36)ポリペプチドを注射した後の、マウス血中のC−ペプチド濃度の変動を示す。
図11は、マウスにGLP−1(7−36)ポリペプチドを注射した後の、マウス血中のグルコース濃度の変動を示す。
本発明は、GLP−1(7−36)またはGLP−1類似体をコードする遺伝子の複数のコピーを直列に連結するハイブリッド部位を表す精巧な設計のDNA配列を提供する。得られる、単独で連結した、または組み合わせて連結したDNA断片の発現は、GLP−1(7−36)および/またはGLP−1類似体のコピーを複数含む融合タンパク質を生じさせることができる。融合タンパク質の切断とさらなる精製の後、多量のGLP−1(7−36)および/またはGLP−1類似体を得ることができる。
本発明のGLP−1(7−36)は、式Iで示すアミノ酸配列を有する。ここで用いる「GLP−1類似体」は、式Iで示す配列中、または天然に生じるGLP−1(7−37)−OHポリペプチドのアミノ酸配列中の、一つまたはそれ以上のアミノ酸残基の改変、置換または修飾により得ることができるポリペプチドに該当する。
先の研究は、多くのGLP−1類似体が、インスリンの分泌を増強する上で類似の特徴を有することを示している。典型的なGLP−1類似体としては、米国特許第5545618号明細書および国際公開第01/98331号パンフレットに記載されるものが挙げられる。これらの類似体は、8、11、12、16、22、23、24、26、27、30、33、34または35の位置で、天然に生じるGLP−1(7−37)OHポリペプチド内の一つまたはそれ以上のアミノ酸残基が改変することによって得られる。典型的なGLP−1類似体としては、それに限定されないが、Gly8−GLP−1(7−36)、Val8−GLP−1(7−36)、Asp11−GLP−1(7−36)、Ala16−GLP−1(7−36)、Glu22−GLP−1(7−36)、His23−GLP−1(7−36)、Glu24−GLP−1(7−36)、Trp26−GLP−1(7−36)、Ala27−GLP−1(7−36)、Glu30−GLP−1(7−36)、Asp33−GLP−1(7−36)、Glu34−GLP−1(7−36)、Thr35−GLP−1(7−36)、Gly8−Glu24−GLP−1(7−36)、Leu8−Ala33−GLP−1(7−36)、Thr36−Arg37−GLP−1(7−37)、Ser36−Arg37−GLP−1(7−37)等が挙げられる。
好ましくは、本発明のGLP−1類似体は、同類置換したアミノ酸残基を含むことができる。さらに好ましくは、これらのGLP−1類似体は、高度な同類置換のアミノ酸残基を含むことができる。
「同類置換」は、同じ正味電荷ならびにほぼ同じサイズおよび形状を示すアミノ酸を置換することである。
「高度な同類置換」は、アミノ酸を、側鎖に同じ官能基を有し、そしてほぼ同じサイズおよび形状を示す別のアミノ酸で置換することである。例えば、脂肪族または置換した脂肪族アミノ酸側鎖を有するアミノ酸は、それらの側鎖における炭素およびヘテロ原子の総数の違いが二以下の場合、ほぼ同じサイズを有する。それらが側鎖に同じ数の分岐を有する場合、それらはほぼ同じ形状を示す。高度な同類置換の例としては、ロイシンの代わりのバリン、セリンの代わりのスレオニン、グルタミン酸の代わりのアスパラギン酸、およびフェニルアラニンの代わりのフェニルグリシンが挙げられる。高度ではない同類置換の例としては、バリンの代わりのアラニン、セリンの代わりのアラニン、およびセリンの代わりのアスパラギン酸が挙げられる。
したがって、本発明は、
(a)GLP−1(7−36)ポリペプチドまたはGLP−1類似体をコードし得る遺伝子の二つの末端に、ハイブリッド部位を形成する能力のある二つの個別の制限エンドヌクレアーゼ切断部位を導入し;
(b)制限エンドヌクレアーゼを用いた消化の後に、付着末端を連結してハイブリッド部位を形成し、そして、単独で連結したGLP−1(7−36)遺伝子もしくはGLP−1類似体遺伝子、またはGLP−1(7−36)ポリペプチドもしくはGLP−1類似体をコードする遺伝子を組み合わせて連結したもののコピーをn個(nは1から32までの整数である)ベクターにクローニングし;
(c)連結した遺伝子を含むベクターを、宿主細胞に形質転換させ;
(d)宿主細胞に、ポリペプチドのコピーをn個(nは1から32までの整数である)含む融合タンパク質を発現させ、該融合タンパク質は、GLP−1(7−36)ポリペプチド、GLP−1類似体またはその組合わせを含むが、どのようなキャリアータンパク質も含まず;
(e)融合タンパク質を切断し;
(f)GLP−1(7−36)ポリペプチドおよび/またはGLP−1類似体を分離および精製すること
から構成される、インスリン分泌性GLP−1(7−36)ポリペプチドおよび/またはGLP−1類似体を生成する方法に関する。
「ハイブリッド部位」を形成するために使用することができる二つの制限エンドヌクレアーゼとしては、それに限定されないが、BglIIおよびBamHI、SalIおよびXhoIが挙げられる。例えば、BglIIによって認識される塩基配列はA|GA TCTであり、一方BamHIにより認識されるものはG|GA TCCである。対応する制限酵素でその二つの配列を消化した後、得られた相補的な付着末端を連結して、BglIIまたはBamHIのいずれにも切断されないAGA TCCまたはGGA TCTの配列を形成することができる。このような配列は「ハイブリッド部位」と称され、特定の遺伝子の複数のコピーを直列に連結するために使用することができる。
本発明の融合タンパク質は、GLP−1(7−36)および/またはGLP−1類似体の複数のコピーから構成される。二つの連結したペプチド(二つのGLP−1(7−36)ポリペプチド、二つのGLP−1類似体ポリペプチド、または一つのGLP−1(7−36)ポリペプチドと一つのGLP−1類似体ポリペプチド)の間に、一つまたはそれ以上のアミノ酸残基がある。切断のためには、各所望のポリペプチド(GLP−1(7−36)またはGLP−1類似体)のN末端と上述の残基との間に形成されるペプチド結合は、「特異的に切断可能なペプチド結合」でなければならない。
ここで用いる「特異的に切断可能なペプチド結合」は、特定の化学試薬またはプロテアーゼにより特異的に認識および切断され得るペプチド結合に該当する。切断の結果として、ペプチド鎖は破壊される。GLP−1(7−36)またはGLP−1類似体のN末端と特異的に切断可能なペプチド結合を形成するためにここで用いるアミノ酸残基を、「結合形成アミノ酸(BFAA)」と称する。BFAAとしては、それに限定されないが、臭化シアンにより認識され得るMet、アルカリプロテアーゼにより認識され得るArg、およびエンテロキナーゼにより認識され得るアミノ酸配列Asp Asp Asp Asp Lysが挙げられる。
適切な方法を使用することにより、融合タンパク質を、「特異的に切断可能なペプチド結合」で切断することができる。切断後、融合タンパク質を、GLP−1(7−36)および/またはGLP−1類似体ポリペプチドの複数のコピーに分解することができ、このとき各ポリペプチドは、そのC末端に付着したいくつかのアミノ酸を有する。上に記述した工程は、標的ペプチドのN末端切断と称する。
例として、GLP−1(7−36)の複数のコピーから構成される融合タンパク質について考慮すると、融合タンパク質のN末端切断は、GLP−1(7−36)−Xaa…Xaa(ここで、Xaa…Xaaは、互いに接続した一つまたはそれ以上のアミノ酸残基を表す)の複数のコピーを生じさせることができる。GLP−1(7−36)のC末端にあるアミノ酸残基がArgであるので、Argのカルボキシル基に形成されるペプチド結合を特異的に認識することができる特定のプロテアーゼを使用してGLP−1(7−36)−Xaa…Xaaを切断することで、GLP−1(7−36)ポリペプチドの複数の分子が得られる。標的ペプチドのC末端で起こる工程は、C末端切断と称される。
N末端切断工程とC末端切断工程の順序は、入れ替えてもよい。
典型的には、Arg残基をGLP−1(7−36)のN末端に付加し、そしてArgのカルボキシル基に形成されるペプチド結合を特異的に認識する適切なプロテアーゼを、切断のために使用する。したがって、GLP−1(7−36)のC末端アミノ酸にあるアミノ酸残基がArgであるので、融合タンパク質を、他の付着残基のないGLP−1(7−36)ポリペプチドの複数の分子に切断することができる。MetをGLP−1(7−36)のN末端に加えることも可能である。GLP−1(7−36)のC末端アミノ酸がArgであるので、このMetで形成されるペプチド結合をまずCNBrによって切断し、そして次に、得られたペプチドを適切なプロテアーゼにより切断することで、GLP−1(7−36)ペプチドの複数の分子を得ることができる。N末端切断およびC末端切断の順序は、入れ替えてもよい。アミノ酸配列Asp Asp Asp Asp Lysを、GLP−1(7−36)のN末端に加えることも可能であり、この配列を、プロテアーゼエンテロキナーゼにより特異的に切断することができる。エンテロキナーゼによるタンパク質分解性の切断によっても、GLP−1(7−36)ペプチドの複数の分子を得ることができる。
Arg残基を、GLP−1(7−36)ポリペプチドおよびGLP−1類似体のN末端に加えることが好ましい。
GLP−1(7−36)またはGLP−1類似体のアミノ酸配列に基づいて、GLP−1(7−36)またはGLP−1類似体をコードする遺伝子は、合成断片の5’末端で「ペプチド形成アミノ酸」をコードするコドンを付加することで合成することができる。連結配列、および制限酵素により認識される配列は、合成遺伝子の二つの末端にも含まれる。この修飾の後、GLP−1(7−36)またはGLP−1類似体をコードするコドンを含み、二つの末端に制限エンドヌクレアーゼにより認識される塩基対を含む、DNA断片を形成することができる。この断片を用いてGLP−1(7−36)またはGLP−1類似体の複数のコピーを直列に連結することができるので、「直列接続のための遺伝子」と称する。
天然に生じるGLP−1のDNA配列を修飾して、「直列接続のための遺伝子」を生じさせることも可能である。本発明における遺伝子を調製するための合成方法を用いるのが好ましい。
一つのアミノ酸を複数のコドンがコードすることができることがよく知られている。当業者は、GLP−1(7−36)またはGLP−1類似体をコードする種々のDNA配列および配列の組合せを推定し、合成することができる。本発明では、大腸菌で非常に頻度の高いコドンが好ましい。
GLP−1(7−36)またはGLP−1類似体ペプチドをコードする遺伝子を、二つの方法により生じさせることができる。一方の方法は、付着末端または平滑末端によりいくつかの合成断片を連結して標的遺伝子を生じさせることによるものであり、他方の方法は、化学合成により完全な標的遺伝子を合成することである。いくつかの断片を合成し、その後連結することにより標的遺伝子を生じさせることが好ましい。
遺伝子の複数のコピーを直列に連結するために、GLP−1(7−36)またはGLP−1類似体をコードする遺伝子の5’および3’末端にハイブリッド部位を形成することができる制限エンドヌクレアーゼ切断部位は、注意深く選択し、優良に設計することを必要とする。クローニングのための制限エンドヌクレアーゼの認識部位の選択は、ベクターにおけるエンドヌクレアーゼ部位に基づくものであり、利用可能な認識部位の選択肢は比較的多い。
本発明の好ましい態様では、発明者らは、四つの遺伝子断片を合成するために、大腸菌で非常に頻度の高いコドンを選択する。連結の後、得られた組換えGLP−1(7−36)遺伝子は、二つの末端にそれぞれ、直列に遺伝子を連結するために必要なBglIIとBamHIの制限エンドヌクレアーゼ部位を有する。EcoRIとHindIIIのクローニング部位は、ベクターへの挿入のために必要である。BglIIとBamHIの認識部位の位置は、入れ替えてもよい。
本発明の別の好ましい態様では、発明者らは、四つの遺伝子断片を合成するために、大腸菌で非常に頻度の高いコドンを選択する。連結の後、得られたGLP−1(7−36)遺伝子は、直列に遺伝子を連結するために必要なSalIとXholIの制限エンドヌクレアーゼ部位を有する。EcoRIとHindIIIのクローニング部位は、ベクターへの挿入のために必要である。
上述のエンドヌクレアーゼ部位を使用することによって、GLP−1(7−36)またはGLP−1類似体をコードする遺伝子の複数のコピーを直列に連結し、そして次に、ベクターにクローニングすることができる。直列に連結したこれらの遺伝子を、組み合わせて連結したものとすることもできる。用語「組み合わせて連結したもの」は、任意の順序で直列に共に連結した、GLP−1(7−36)および/またはGLP−1類似体をコードする任意の数の混合DNA断片に該当する。この目的のために適切であるベクターは、染色体由来の、非染色体由来の、または合成したDNAベクターであり得る。これらのベクターとしては、それに限定されないが、ミクロファージDNA、バチルスウイルス、細菌プラスミド、酵母プラスミド、ならびにファージ、プラスミドおよびウイルスDNAの組合わせから誘導されるベクターが挙げられる。ウイルスDNAとしては、それに限定されないが、ウシおよび家禽の天然痘ウイルス、アデノウイルスおよび仮性狂犬病ウイルスが挙げられる。適切なベクターの多くは、当業者によく知られている。宿主細胞内で安定して存在し複製する全てのプラスミドまたはベクターを、本発明に使用することができる。
発現ベクターの、典型的ではあるが制限されない例としては、市販で入手可能なプラスミドpKK233−2、pKK223−3、pEZZ18、pUC18、pUC19およびpT7(Amersham Pharmacia Biotech)のような、細菌系で使用されるものが挙げられる。
標的遺伝子を、発現ベクター上の適切なプロモーターに連結する。プロモーターは、遺伝子転写を調節および制御することができる配列である。プロモーターの典型的な例としては、大腸菌のlac、trp、tac;ファージのT7;λファージのPL、および遺伝子発現を制御するために原核細胞、真核細胞およびウイルスに存在する、他の公知のプロモーターが挙げられる。細菌中のそれらのプロモーターが、lacI、lacZ、T3、T7、プロテインAシグナルペプチド、gpt、λPR、PLおよびtrpを含むことを特に明らかすることは価値がある。適切なプロモーターの選択は、当業者にとって明らかである。
さらに、好ましい発現ベクターは、宿主細胞をスクリーニング可能にするために、一つまたはそれ以上の選択マーカー遺伝子を有することができる。典型的なものとしては、大腸菌でのテトラサイクリンおよびペニシリン耐性遺伝子、真核細胞の発現系でのジヒドロ葉酸還元酵素およびネオマイシン耐性遺伝子が挙げられる
本発明に存在する発現ベクターは、直列に連結した遺伝子のコピーをn個(nは1と32の間の整数である)含み得る。好ましくは、nは、8と32の間の整数であるべきである。さらに好ましくは、nは、16または32のいずれかであるべきである。
本発明の一つの好ましい態様では、発現ベクターは、GLP−1(7−36)遺伝子のコピーを1個含む。
本発明の別の好ましい態様では、発現ベクターは、直列に連結したGLP−1(7−36)遺伝子のコピーを2個含む。
本発明で提示する実施例の別の好ましい態様では、発現ベクターは、直列に連結したGLP−1(7−36)遺伝子のコピーを4個含む。
本発明の別の好ましい態様では、発現ベクターは、直列に連結したGLP−1(7−36)遺伝子のコピーを8個含む。
本発明の別の好ましい態様では、発現ベクターは、直列に連結したGLP−1(7−36)遺伝子のコピーを12個含む。
本発明の別の好ましい態様では、発現ベクターは、直列に連結したGLP−1(7−36)遺伝子のコピーを16個含む。
本発明で提示される実施例の別の好ましい態様では、発現ベクターは、直列に連結したGLP−1(7−36)遺伝子のコピーを32個含む。
発明者らは、直列に連結したGLP−1(7−36)遺伝子のコピーを32個含む組換え発現ベクターpKK223−3を担持する細菌株を寄託した。その株の寄託番号は、CGMCC第0599号である。
遺伝子の複数のコピーおよび適切なプロモーターまたは他の遺伝子発現調節要素を担持する、本発明で提示するベクターを、適切な宿主細胞に形質転換して、宿主細胞中で融合タンパク質を発現させることができる。
したがって、本発明は、GLP−1(7−36)またはGLP−1類似体ポリペプチドを発現する能力のある宿主細胞にも関する。形質転換、トランスフェクション、または感染のような遺伝子操作法、例えば、塩化カルシウムを用いた形質転換、キャリアーとしてのDEAEデキストランの存在下でのトランスフェクション、または電気穿孔によって、発現ベクターを宿主細胞に導入することができる。これらの方法は、遺伝子の複数のコピーを含むベクターを、宿主細胞に効果的に移行させることができる。ここで言及するベクターは、プラスミド、ウイスル粒子または細菌ファージであり得る。
適切な宿主細胞としては、それに限定されないが、大腸菌、ストレプトコッカスおよびサルモネラのような細菌細胞、ならびに酵母等のような真核細胞が挙げられる。適切な宿主細胞の選択は、当業者にとって明らかである。
生産費用を下げるためには、原核細胞が、好ましい宿主細胞である。典型的な例としては、JM103、JM109、HB101およびDH5αのような大腸菌の多くの株が挙げられる。
本発明の宿主細胞は、GLP−1(7−36)および/またはGLP−1類似体をコードする遺伝子のコピーをn個(nは1と32の間の整数である)含む発現ベクターを担持する。対応して、宿主細胞は、直列に連結したGLP−1(7−36)および/またはGLP−1類似体のペプチドのコピーをn個含む融合タンパク質を発現し、ここで、nは1と32の間の整数であり、好ましくは、nは8と32の間の整数であるべきであり、そしてさらに好ましくは、nは16と32の間の整数であるべきである。融合タンパク質は、どのような他のキャリアータンパク質も含まない。
本発明の一つの好ましい態様では、GLP−1(7−36)遺伝子のコピーを1個含む発現プラスミドを、大腸菌JM103細胞に形質転換する。遺伝子操作したJM103細胞は、一つのGLP−1(7−36)遺伝子を保持する。
本発明の別の好ましい態様では、GLP−1(7−36)遺伝子のコピーを2個含む発現プラスミドを、大腸菌JM103細胞に形質転換する。遺伝子操作したJM103細胞は、2個のGLP−1(7−36)ポリペプチドを含む融合タンパク質を発現することができる。
本発明の別の好ましい態様では、GLP−1(7−36)遺伝子のコピーを4個含む発現プラスミドを、大腸菌JM103細胞に形質転換する。遺伝子操作したJM103細胞は、4個のGLP−1(7−36)ポリペプチドを含む融合タンパク質を発現することができる。
本発明の別の好ましい態様では、GLP−1(7−36)遺伝子のコピーを8個含む発現プラスミドを、大腸菌JM103細胞に形質転換する。遺伝子操作したJM103細胞は、8個のGLP−1(7−36)ポリペプチドを含む融合タンパク質を発現することができる。
本発明の別の好ましい態様では、GLP−1(7−36)遺伝子のコピーを12個含む発現プラスミドを、大腸菌JM103細胞に形質転換する。遺伝子操作したJM103細胞は、12個のGLP−1(7−36)ポリペプチドを含む融合タンパク質を発現することができる。
本発明のさらに別の好ましい態様では、GLP−1(7−36)遺伝子のコピーを16個含む発現プラスミドを、大腸菌JM103細胞に形質転換する。遺伝子操作したJM103細胞は、16個のGLP−1(7−36)ポリペプチドを含む融合タンパク質を発現することができる。
本発明のさらに別の好ましい態様では、GLP−1(7−36)遺伝子のコピーを32個含む発現プラスミドを、大腸菌JM103細胞に形質転換する。遺伝子操作したJM103細胞は、32個のGLP−1(7−36)ポリペプチドを含む融合タンパク質を発現することができる。
「特許手続上の微生物の寄託の国際的承認に関するブダペスト条約」にしたがって、32個のGLP−1(7−36)ポリペプチドを含む融合タンパク質を発現することができるこのような遺伝子操作した細菌株を、China General Microbiological Culture Collection Center(CGMCC)に寄託した。寄託日は、2001年7月11日であり、寄託番号は、CGMCC第0599号である。寄託株は、GLP−1(7−36)遺伝子を単独で連結したコピーを32個含むプラスミドを担持する。寄託は、当業者の便宜のためのものである。寄託微生物の増殖、使用または販売はどれも、本発明者の特別な許可を必要とする。このような許可は、ここでは与えられていない。
本発明で提示する遺伝子操作した細菌株を、適切な条件下で培養して、連結ポリペプチドのn個のコピーから構成される融合タンパク質を産生し、蓄積することができる。培養培地、温度、湿度およびpH値のような培養条件は、当業者にとって明らかである。
宿主細胞が適切な密度まで成長した後、通常、それらを遠心分離により採取することができる。物理的または化学的方法により、細胞を破砕する。上記操作で得られる産物を回収し、そしてさらに精製する。
どのような従来の手段によっても、組換えタンパク質を発現する微生物細胞を破砕することができるが、当該手段としては、限定されるものではないが、凍結と解凍のサイクル、超音波処理または機械的処理または細胞溶解剤が挙げられる。宿主細胞を破砕する適切な手順の選択は、当業者にとって明らかである。
本発明で提示する融合タンパク質は、複数のポリペプチドから構成される。ポリペプチドは、GLP−1(7−36)またはGLP−1類似体またはこれらの二つの混合物であり得る。二つの隣接するペプチドの間には、いくつかのアミノ酸残基がある。これらの二つのペプチドは、二個のGLP−1(7−36)ペプチド、二個のGLP−1類似体ペプチド、または一個のGLP−1(7−36)ポリペプチドと一個のGLP−1類似体であり得る。GLP−1(7−36)またはGLP−1類似体それぞれのN末端に連結したアミノ酸は、上述したように「ペプチド形成アミノ酸」であり、それは、GLP−1(7−36)ペプチドまたはGLP−1類似体ペプチドそれぞれのN末端アミノ酸残基と、「特異的に切断可能なペプチド結合」を形成する。適切な切断条件下で、そして適切な物質を用いて、融合タンパク質を、GLP−1(7−36)またはGLP−1類似体ペプチドそれぞれのN末端で切断し、C末端に複数の連結アミノ酸を有する、複数のGLP−1(7−36)またはGLP−1類似体ペプチドを生成することができる。例えば、GLP−1(7−36)ポリペプチドのn個のコピーから構成される融合タンパク質を切断して、GLP−1(7−36)−Xaa・・・Xaa(Xaa・・・Xaaは、直列の一つまたはそれ以上のアミノ酸残基を表す)を得る。さらに、GLP−1(7−36)のC末端がArg残基であるので、ArgとXaa・・・Xaaの間に形成されるペプチド結合を、適切なプロテアーゼにより特異的に切断して、GLP−1(7−36)を得ることができる。
切断工程を簡素化する解決策として、Argを「ペプチド形成アミノ酸」として選択する。プロテアーゼを用いて、Argのカルボキシル基を介して形成されるペプチド結合を特異的に切断する。この方法では、融合タンパク質を、ただ一段階の切断により、ポリペプチドの複数の分子に加水分解することができる。
本発明の一つの好ましい態様では、Metを、ペプチド形成アミノ酸として選択する。CNBrを用いて、Metのカルボキシル基の関与により形成されるペプチド結合を破壊し、続いて、Argのカルボキシル基の関与により形成されるペプチド結合を特異的に認識するプロテアーゼ(例えばクロストリパイン)を用いた。この工程で、C末端でのアミド化の修飾のない、複数のGLP−1(7−36)ペプチドが生じる。上述の二段階の切断順序は、入れ替えることができる。本発明の別の好ましい態様では、Argを、「ペプチド形成アミノ酸」として選択する。膵臓のプロテアーゼであるトリプシンは、LysまたはArgのカルボキシル基の関与により形成されるペプチド結合を特異的に切断することができる。ある種の無水物を、Lysを保護するためにこの工程で使用する。結果として、トリプシンを用いて、Argのカルボキシル基の関与により形成されるペプチド結合を特異的に切断することができる。したがって、一段階の切断で、C末端でのアミド化の修飾のない、複数のGLP−1(7−36)ペプチドを生じさせることができる。
融合タンパク質切断の後、クロマトグラフィー法のような一連の分離および精製段階を介して、非常に純粋なポリペプチドを得ることができる。クロマトグラフィー法としては、それに限定されないが、イオン交換クロマトグラフィー、疎水性クロマトグラフィー、サイズ排除クロマトグラフィーおよび逆相クロマトグラフィーが挙げられる。これらのクロマトグラフィーで使用する媒体は、Amersham Pharmacia Biotech、Whatman、Merk KGaAおよびGrace Vydacなどのような商業的な供給メーカーから購入できる。単一のクロマトグラフィーまたは複数のクロマトグラフィー段階の組合わせを、精製工程で使用することができる。一般に、HPLCを、精製の手段として使用する。典型的には、移動相としてTFA−CH3CN系を用いて、C18逆相クロマトグラフィーを利用する。これらのクロマトグラフィー法は、当業者によく知られている。
注意すべきことは、GLP−1(7−36)ポリペプチドを生成する方法を、本発明を説明するために以降に記述したが、このような方法が、GLP−1類似体のNおよびC末端にあるアミノ酸残基が近隣のアミノ酸残基と「特異的に切断可能なペプチド結合」を形成することができる限り、GLP−1類似体を生成するためにも使用することができる一方で、切断はポリペプチド内部では起こらないということが、当業者にとって明らかであるに違いないということである。したがって、遺伝子を直列に連結することによりGLP−1類似体を生成する方法は、本発明で主張するものの範囲内にある。
一般に、GLP−1類似体は、そのC末端にArgを含むが、類似体のアミノ酸配列の他のいかなる位置にもArgを含まない。これらのGLP−1類似体としては、それに限定されないが、Gly8−GLP−1(7−36)、Val8−GLP−1(7−36)、Asp11−GLP−1(7−36)、Ala16−GLP−1(7−36)、Glu22−GLP−1(7−36)、His23−GLP−1(7−36)、Glu24−GLP−1(7−36)、Trp26−GLP−1(7−36)、Ala27−GLP−1(7−36)、Glu30−GLP−1(7−36)、Asp33−GLP−1(7−36)、Glu34−GLP−1(7−36)、Thr35−GLP−1(7−36)、Gly8−Glu24−GLP−1(7−36)、Leu8−Ala33−GLP−1(7−36)、Thr36−Arg37−GLP−1(7−37)、Ser36−Arg37−GLP−1(7−37)等が挙げられる。
GLP−1(7−36)およびGLP−1類似体を生成する他の方法と比べて、本発明の方法は、明らかな利点を示す。GLP−1の化学的合成は、技術的に難しく、費用が高い。遺伝子操作アプローチにより組換えGLP−1を生成する方法は、ほとんど成功しなかった。それらは概ね、以下のように説明される:
(1)宿主細胞中に発現する20から60個のアミノ酸残基から構成されるポリペプチドは、容易に分解する。したがって、このようなポリペプチドの直接発現を行うことはできない。このようなポリペプチドとキャリアータンパク質を融合して、不溶性の封入体を形成すると、ほとんど分解を生じない。ほとんどの状況下で、ポリペプチドは、生成量の点で、融合タンパク質の十パーセントを数えるのみである。融合タンパク質の発現の後、封入体の分離および精製を行う。続いて行う融合タンパク質の切断は、通常、70%ギ酸溶液中の臭化シアンを用いて行う。通常、切断を融合タンパク質で行う場合、キャリアータンパク質も複数のポリペプチド断片に切断する。これらの断片により、続けて行うタンパク質の分離および精製工程で、余分な加工段階や費用が増える。GLP−1(7−36)NH2が望ましい最終産物である場合、アミド化は、組換えペプチドのC末端で実施しなければならない。要約すると、説明した方法を使用しての組換えポリペプチドの生成量は低く、費用は高く、そして生成工程はいっそう多くの環境汚染を引き起こし得る。
(2)米国特許第5512459号明細書、第5655456号明細書、第5707826号明細書、第6037143号明細書、第6403361号明細書に記載される、GLP−1を生成する方法は、最初に解決されるべきいくつかの主要な問題を有する:当該問題とは、効果的な精製の前の融合タンパク質の選択的切断、ペプチド転移反応でジペプチドおよびトリペプチド基質が要求されること、そして、GLP−1(7−34)−Ala−Phe−AlaにおけるLys34のみがペプチド転移反応に関与してLys26は関与しないということを保証することである。したがって、この手順は複雑であり、そして制御するのが困難である。
(3)GLP−1にシグナルペプチドを付着させて、それを分泌タンパク質として産生する。本方法は、通常、生じる組換えGLP−1は少ない。
本発明で、発明者は、GLP−1(7−36)またはGLP−1類似体をコードする遺伝子の二つの末端にハイブリッド部位を巧妙に導入して、このような遺伝子の1から32個のコピーを直列に連結する。発現した融合タンパク質は、特異的に切断可能であるGLP−1(7−36)またはGLP−1類似体ポリペプチドのモノマーを複数含む。この生成法で、生産費用をおおいに削減し、下流工程を簡素化し、そして生成量の多い組換えGLP−1(7−36)および/またはGLP−1類似体ポリペプチドを生成することができる。本発明は、医療施設に多量のGLP−1(7−36)を提供することを可能にし、そしてII型糖尿病患者にとって費用効率の高い医薬品である。
以下の実施例は例示であり、いずれかの手段により本発明の範囲が制限されるということを意図するものではない。
GLP−1(7−36)遺伝子のコピーを1個含む遺伝子操作した細菌株の構築
大腸菌で頻繁に使用されるコドンを選択した後に、GLP−1(7−36)のアミノ酸配列にしたがって、四つのDNA断片を設計する。ArgのコドンをGLP−1(7−36)遺伝子の5’末端に付加して、得られた融合タンパク質の切断部位を作る。5’および3’末端に、制限エンドヌクレアーゼBglIIおよびBamHIについての切断部位をそれぞれ導入し、したがって、BglIIおよびBamHIの制限的な消化により相補的付着末端が生じ、そしてそれにより、DNA断片の直列の連結が促進される。GLP−1(7−36)遺伝子のコピーを一個含む発現プラスミドを作る構築工程を、図1に示す。
1.DNA断片の合成
ABI3900(登録商標)DNA合成機(Applied Biosystems)を用いて、四つの断片を合成する。その断片の配列は、それぞれ以下のように示される:
Figure 0004504014
Figure 0004504014
Figure 0004504014
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断片(1)は5’末端に、EcoRIおよびBglIIにより認識され得る部位を有し、ArgをコードするコドンCGTを含む。断片(2)は、断片(1)の配列と相補的な配列を有する。断片(4)は5’末端に、HindIIIおよびBamHIによって認識され得る部位を含む。断片(3)は、断片(4)の配列と相補的な配列を有する。断片(I)中の、BglIIにより認識される部位AGA TCTは、断片(4)中の、BamHIにより認識されるCGA TCCと置き換えることができる。
2.DNA断片を連結して、GLP−1(7−36)遺伝子のコピーを1個形成する。
連結は、「Molecular Cloning」(Sam Brookらによる第2版、Cold Spring Harbor Pressにより出版)に記載されるとおりに行う。以下は、簡便な説明である:四つのDNA断片(各量:A260nm=5)を、四つの微量遠心管中に入れた50μlの二回蒸留水中にそれぞれ溶解し、四つの管に、対応して、1番(A)、2番(B)、3番(C)および4番(D)と印を付した。1番および2番の管の溶液1μlを、それぞれ1.5ml微量遠心管に移して、混合した。同様に、3番および4番の溶液1μlを、それぞれピペットで取り、別の微量遠心管中で混合した。1μlの10×ポリヌクレオチドキナーゼ緩衝液、1μlの1mM ATPおよび1μlのポリヌクレオチドキナーゼを、それぞれ、二つの管に添加した。管を、37℃で一時間インキュベートし、続いて90℃で5分間インキュベートして、キナーゼを不活化した。その後、管を室温(RT)まで徐々に冷却した。これら二つの管内の内容物を、1μlの1mM ATP、1μlの10×T4DNAリガーゼ緩衝液および1μlのT4DNAリガーゼを添加して混合した。混合液を、16℃で一晩インキュベートした。連結の完了を、1%アガロースゲルで、エチジウムブロマイド(EB)で染色して断片のサイズを調べることによって、確認した。
3.GLP−1(7−36)遺伝子の発現ベクターへのクローニング
最初に、適切な条件下で、pKK223−3プラスミド(AmershamPharmacia Biotech)を、EcoRIとHindIIIで二重消化した。その後、フェノール−クロロホルムを添加し、水相をクロロホルムで二回洗浄した。遠心分離の前に、RTで一時間、消化したプラスミドDNAをイソプロパノールで沈殿させた。沈殿物中の有機溶媒を、蒸発させて除去した。
連結したGLP−1(7−36)遺伝子を、二重消化したプラスミド溶液と混合し、1μlの1mM ATP、1μlの10×T4DNAリガーゼ緩衝液および1μlのT4DNAリガーゼを添加した。混合液を、18℃で一晩インキュベートした。
4.形質転換
JM103の単独コロニーを選択し、細菌培養物の600nmでのスペクトル吸収(A600nm)が0.6に達するまで、50mlのLB液体培地で37℃で培養した。液体細菌培養物を遠心分離した後、細菌塊を採取し、10mlの氷冷CaCl2溶液(CaCl2 60mM、グリセロール15%、10mM PIPES、pH7.0)中に懸濁させた。懸濁液を3000rpmで遠心分離し、細菌塊を2mlの氷冷CaCl2溶液中に再懸濁させ、そして後に使用するために氷浴に保持した。50μlのコンピテント細胞を、5μlのクローニングしたプラスミドと混合した。混合液を、42℃で2分間加熱し、その後冷却した。100μlのLB培地を添加した後、この混合液を、37℃で一時間インキュベートした。次に、混合液を、50μg/mlアンピシリンを含むLBアガロースプレート上に広げた。そのプレートを、37℃で一晩インキュベートした。プレート上に現れる単独コロニーをかき取り、プラスミド抽出のために培養した。得られたプラスミドpG1を、EcoRIとHindIIIで二重消化し、そしてクローニングした遺伝子を、1%アガロースゲル上での電気泳動により試験した。
5.DNAシークエンシング検証
ABI PRISM(登録商標)310自動シークエンサー(Applied Biosystems)により、組換えプラスミドにより担持されるGLP1−1(7−36)遺伝子のDNA配列を解析した。解析結果は、図2に示したものと一致する。
GLP−1(7−36)遺伝子のコピーを一個含む、遺伝子操作した細菌株の構築
実施例1の断片(1)中のBglII部位をSalI部位で置換した後、断片(1’)を合成した。同様に、実施例1の断片(4)中のBamHI部位をXhoI部位で置換した後、断片(4’)を合成した。断片(2’)の配列は、断片(1’)の配列と相補的であり、断片(3’)の配列は、断片(4’)の配列と相補的である。断片(1’)および(4’)の配列は、以下のとおりである:
Figure 0004504014
Figure 0004504014
実施例1に記載した手順にしたがって、四つの断片の連結、ベクターの消化、GLP−1(7−36)遺伝子の挿入、発現ベクターの(大腸菌JM109への)形質転換、およびDNA配列の解析を行った。解析結果は、図3に示したものと一致する。
GLP−1(7−36)遺伝子のコピーを一個含む、遺伝子操作した細菌株の構築
実施例1の断片(1)中のArgコドンをMetコドンで置換して、断片(1’’)を合成する。断片(2’’)の配列は、断片(1’’)の配列と相補的である。断片(3)および断片(4)の配列は引き続き同じものとする。断片(1’’)および(2’’)を以下に示す:
Figure 0004504014
Figure 0004504014
ベクターの消化、GLP−1(7−36)遺伝子の挿入、発現ベクターの(大腸菌JM103への)形質転換、およびDNA配列の解析を、実施例1に記述されるとおりに行った。
GLP−1(7−36)遺伝子のコピーを二個保持する、遺伝子操作した細菌株の構築
方法1:
図4に示したとおり、実施例1で得られた5μlのプラスミドを、0.5mlの微量遠心管に加え、その後、1μlの10×BglII、1μlのBglIIおよび1μlのHindIIIを、それぞれ管に加えた。混合液を、37℃で一時間インキュベートした。切り離されたGLP−1(7−36)遺伝子断片を、1%アガロースゲル上での電気泳動により回収した。
実施例1で得られた1μlのプラスミドを、1μlの10×BamHI緩衝液、1μlのBamHIおよび1μlのHindIIIと混合した。混合液を、37℃で一時間インキュベートした。その後、フェノール−クロロホルムを添加し、水相をクロロホルムで二回洗浄した。消化したプラスミドDNAを、遠心分離の前に、RTで一時間、60%イソプロパノールにより沈殿させた。沈殿物中の有機溶媒を、蒸発させて除去した。ペレットを、10μlの水に溶解した。
BglIIとHindIIIで二重消化したGLP−1(7−36)遺伝子断片を、HindIIIとBamHIで二重消化したプラスミドと混合した。その後、1μlの1mM ATP、1μlの10×T4DNAリガーゼ緩衝液および2μlのT4DNAリガーゼを添加した。混合液を、18℃で一晩インキュベートした。
実施例1で記載したとおり、コンピテントJM103大腸菌細胞を形質転換した。その後、細菌懸濁液を、50μg/mlのアンピシリンを含むLBアガロースプレート上に広げた。プレートを、37℃で一晩放置した。プレート上に現れる単独コロニーをかき取り、プラスミド抽出のために培養した。得られたプラスミドを、EcoRIとHindIIIで二重消化した。1%アガロースゲル上での電気泳動により、直列に連結したGLP−1(7−36)遺伝子のコピーを二個有するものを選択する。所望のプラスミドを保持する細菌株を保存した。
方法2:
実施例1の代わりに実施例2で得られたプラスミドを用い、そして、方法1に記載した制限エンドヌクレアーゼBglIIおよびBamHIを、それぞれSalIおよびXhoIに替えた。他の手順は、方法1に記載したとおり行い、GLP−1(7−36)遺伝子のコピーを二個保持する遺伝子操作した細菌株を構築した。
方法3:
実施例3で得られたプラスミドを使用して、GLP−1(7−36)遺伝子のコピーを二個保持する、遺伝子操作した細菌株を構築した。他の手順は、方法1に記載したとおり行った。
GLP−1(7−36)遺伝子のコピーを4個含む、遺伝子操作した細菌株の構築
実施例4に記載した手順に従って、GLP−1(7−36)遺伝子を直列に連結した。適切な細菌細胞系を、GLP−1(7−36)遺伝子のコピーを4個担持するプラスミドで形質転換し、直列に連結したGLP−1(7−36)遺伝子のコピーを4個担持する発現プラスミドを保持する細菌株を選択する。
GLP−1(7−36)遺伝子のコピーを8個含む、遺伝子操作した細菌株の構築
実施例4に記載した手順に従って、GLP−1(7−36)遺伝子を直列に連結した。適切な細菌細胞系を、GLP−1(7−36)遺伝子のコピーを8個担持するプラスミドで形質転換し、直列に連結したGLP−1(7−36)遺伝子のコピーを8個担持する発現プラスミドを保持する細菌株を選択する。
GLP−1(7−36)遺伝子のコピーを12個含む、遺伝子操作した細菌株の構築
GLP−1(7−36)遺伝子のコピーを4個担持するプラスミド、およびGLP−1(7−36)遺伝子のコピーを8個担持するプラスミドを使用した。これら二種類のプラスミドの二重消化をそれぞれ行った。実施例4に記載した手順に従って直列に連結し、GLP−1(7−36)遺伝子のコピーを12個担持するプラスミドを得た。適切な細菌細胞系をプラスミドで形質転換し、そして直列に連結したGLP−1(7−36)遺伝子のコピーを12個担持する発現プラスミドを保持する細菌株を選択する。
GLP−1(7−36)遺伝子のコピーを16個含む、遺伝子操作した細菌株の構築
実施例4に記載した手順に従って、GLP−1(7−36)遺伝子の直列の連結を繰り返した。適切な細菌細胞系を、GLP−1(7−36)遺伝子のコピーを16個担持するプラスミドで形質転換し、そして直列に連結したGLP−1(7−36)遺伝子のコピーを16個担持する発現プラスミドを保持する細菌株を選択した。
GLP−1(7−36)遺伝子のコピーを32個含む、遺伝子操作した細菌株の構築
実施例4に記載した手順に従って、GLP−1(7−36)遺伝子の直列の連結を繰返した。適切な細菌細胞系を、GLP−1(7−36)遺伝子のコピーを32個担持するプラスミドで形質転換し、そして直列に連結したGLP−1(7−36)遺伝子のコピーを32個担持する発現プラスミドを保持する細菌株を選択する。
GLP−1(7−36)遺伝子を保持する遺伝子操作した細菌株の発酵
GLP−1(7−36)遺伝子を保持する遺伝子操作した細菌株の発酵を、「a study of fementation process of a genetically engineered E.Coli」(Chinese Journal of Biotechnology、12巻増補、53−57頁、1996年)にAizhen Wuらにより記載された方法に従って行った。
1.播種する細菌の培養
播種する細菌の培養培地は、10g/Lのペプトン、(Difen、SigmaまたはOxoidから得た)5g/Lの酵母抽出物、pH7.0の、20mlの0.2Mリン酸緩衝液ならびにCaCl2、Ni(NO43、CoCl3、MgSO4、およびFeCl3(各塩:1mg/L)を含む。培地を、120℃で20分間オートクレーブにかけた。37℃に冷却した後、アンピシリン50mg/L、20mlの消泡剤、20mlの播種細菌および5mlの20%グルコースを添加した。2M NaOHおよび2M HClを用いて、pH値を6.8〜7.2に調整した。その後、発酵を行った。
2.発酵
5Lまたは15Lまたは150Lのバイオリアクター(B.Braun Biostat)中で、発酵を行った。発酵のための条件は、以下のとおりであった:温度37℃、PL30→42℃、500rpmの攪拌速度、6.8〜7.2のpH、それぞれ、5L/分または15L/分または150L/分の通気、およびCO250%。
3.発酵の間の細菌濃度の測定
1mlの発酵培養物を取り出して、一時間毎に細菌濃度を測定した。培養物を8000rpmで10分間遠心分離した後、上清を除去し、そして細菌塊の湿潤質量を秤量した。別の方法として、OD600nmで密度を検出することによって濃度を測定することができる。
図5に示したように、12〜16時間の発酵の後、発酵槽中の細菌の密度は、150g/L(湿潤質量)であった。静止期に達して、発酵が完了した。
封入体の抽出
発酵の後、培養培地を4000rpmで遠心分離した。細菌塊を回収し、ホモジナイザー中で50MPaの圧力で二回ホモジナイズして、破壊した。細胞残屑の懸濁液を6000rpmで遠心分離し、得られた上清を除去した。10,000rpmでのさらなる遠心分離の段階で、封入体を回収し、その後10mMのEDTAおよび1%NaClを含む20mMのリン酸緩衝液(pH7.0)で二回洗浄した。封入体を8M尿素溶液に溶解した後、未溶解不純物を遠心分離により除去した。限外濾過を使用して上清中の尿素を除去し、その後、封入体を遠心分離で回収した。
封入体の切断
一段階のタンパク質分解
実施例4における方法1または2で構築した、遺伝子操作した細菌株の発酵から得られた封入体を、以下の手順により切断することができる。
I.クロストリパインプロテアーゼの使用
クロストリパインは、Arg残基のカルボキシル基の関与により形成されるペプチド結合を特異的に切断することができる。
実施例11から得られる封入体を、20mMリン酸緩衝液(pH7.5)に懸濁させた。クロストリパインプロテアーゼを、1000:1(タンパク質乾燥重量:クロストリパインの量)の比で添加した。混合物を37℃でインキュベートし、継続的にサンプル採取し、そして全ての封入体が完全に切断されるまで、HPLCによりモニターした。大型分子の不純物を、限外濾過(10,000のMWCO)で除去した。GLP−1(7−36)を、調製レベルのHPLCで精製し、凍結乾燥して、99%以上の純度を示す所望のペプチドを得た。
II.トリプシンプロテアーゼの使用
膵臓のプロテアーゼであるトリプシンは、Lys残基またはArg残基のカルボキシル基の関与により形成されるペプチド結合を切断することができる。Lys残基が無水物により保護される場合、Argのカルボキシル基の関与により形成されるペプチド結合は、トリプシンにより特異的に切断され得る。
実施例11から得られる200グラム(湿潤重量)の封入体を、1グラムのシトラコン酸無水物を含む5リットルの20mM NaHCO3溶液に溶解して、8.0のpHで2時間、アシル化反応を行う。小分子を、限外濾過(10,000のMWCO)で除去する。トリプシンを、1000/1(プロテアーゼに対する、タンパク質の乾燥重量)の比で添加した。タンパク質分解反応を37℃で行い、封入体の切断が完了するまでHPLCでモニターした。GLP−1(7−36)を調製レベルのHPLCでさらに精製し、凍結乾燥して、99%以上の純度を示す所望のペプチドを得た。
二段階の切断
実施例4の方法3で構築した、遺伝子操作した細菌株の発酵から得られた封入体を、以下の手段により切断することができる。
封入体/融合タンパク質を、70%ギ酸または8M尿素溶液に溶解して、約2〜100mg/mL(乾燥重量)の濃度範囲にした。臭化シアン(CNBr)を1:100(融合タンパク質対臭化シアン)のモル比で添加した。混合液を8〜24時間、暗所で攪拌した。これらの条件下で、CNBrは、Metのカルボキシル基によって形成されるペプチド結合を特異的に切断する。これは、二段階の切断工程の第一段階である。
第一の切断で得られた溶液を1000のMWCOの膜で濾過して、小分子を除去した。その後、実施例11の手順に従って、Argのカルボキシル基により形成されるペプチド結合の、プロテアーゼを用いた第二の切断を行って、GLP−1(7−36)ペプチドを得た。GLP−1(7−36)を、調製レベルのHPLCでさらに精製し、凍結乾燥して、99%以上の純度を示す所望のペプチドを得た。
GLP−1(7−36)ポリペプチドの化学的分析
1.純度分析
Agilent1100HPLC、および内径4.6mm、長さ150mmのZorbax SB C18クロマトグラフィーカラムを使用した。移動相Aは、0.1%TFAであり、そして移動相Bは、0.1%TFA/80%CH3CNとした。10〜80%の勾配のBを、20分以内に形成した。流速は、1ml/分であった。
1mlの0.1%TFA中に、1mgの凍結乾燥したGLP−1(7−36)の粉末(99%以上の純度)を溶解した。カラムに、10μlのサンプルをロードした。結果を図6に示した。
2.アミノ酸組成分析
0.5mlの5.7Nの二回蒸留したHClに、100μgのGLP−1(7−36)を溶解した。得られた溶液を容器内に密閉して封入し、110℃で20時間インキュベートした。真空蒸発によりHClを除去した。二回蒸留水で、蒸発工程を二回繰返した。体積を測定し、その後サンプルを取り出し、Procise(登録商標)cLCプロテインシーケンスシステム(Applied Biosystems)を用いてアミノ酸組成分析を行った。図7に示したように、実測値は理論値と一致した。
3.質量スペクトル分析
GLP−1(7−36)ペプチドの少量のサンプルを用いて、API2000LC/MS/MSシステム(Applied Biosystems)を用いたHPLC−MS分析を行った。結果を図8に示した。本発明における手順で生じるGLP−1(7−36)ペプチドは、3297.12の分子量を有する。計算したMWである3298.68と測定値との間の差は、許容範囲であった。
4.ペプチド配列分析
上記組成分析で記載した方法で、サンプルを作成した。その生成したGLP−1(7−36)のN末端ペプチド配列を、Procise(登録商標)cLC自動プロテインシーケンサー(Applied Biosystems)により決定した。結果は、その生成したGLP−1(7−36)の最初の15個のアミノ酸の配列が、正しかったということを示す(この分析は、北京大学、生命科学部によって行った)。
インスリン分泌の増強におけるGLP−1(7−36)の効果
健全なC57/BL/6Jマウスを、中国科学院の上海実験動物センターから購入した。マウスを、各群6匹の三群に分けた。プラセボ群のマウスには、腹腔内に200μlの生理食塩水を注射し、一方、試験群には10μgのGLP−1(7−36)を注射し、そして陽性対照群には、10μgのGLP−1(7−36)NH2(Sigma)を注射した。動物に注射をした瞬間を時間ゼロと設定した。ヘパリンですすぎ、乾燥した目盛り付き毛細管を用いて、眼角の静脈から、50μlの血液を抜き取った。その後、血液サンプルを、5分目、15分目、30分目および60分目に抜き取った。血液サンプルは、即座に、微量遠心管中の50μlの生理食塩水と混合した。混合物を3000rmpで遠心分離して、赤血球を除去した。血清を使用して、インスリン濃度を測定した。
インスリンについてのラジオイムノアッセイキット(中国衛生部、上海生物製品研究所)を使用して、インスリン分泌におけるGLP−1(7−36)の効果を測定した。図9に示したように、プラセボ群ではインスリン濃度に顕著な変化はなく、そしてGLP−1(7−36)およびGLP−1(7−36)NH2をそれぞれ与えた二つの群は、血清インスリン濃度で顕著な増加を示す。この実測結果は、GLP−1(7−36)またはGLP−1(7−36)NH2のいずれかの投与が、マウスにおけるインスリンの分泌を増強することを示す。したがって、この結果は、GLP−1(7−36)が、マウスにおけるインスリンの分泌を増強する点で、GLP−1(7−36)NH2と類似の特徴を示すことを裏付ける。
Cペプチド分泌の増強におけるGLP−1(7−36)の効果
実施例14に記載したように、C57/BL/6Jマウスを、腹腔内に200μlの生理食塩水を注射したプラセボ群と、10μgのGLP−1(7−36)を注射した試験群の、二つの群に分けた。Cペプチドについてのラジオイムノアッセイキット(中国衛生部、上海生物製品研究所)を使用して、Cペプチド分泌におけるGLP−1(7−36)の効果を測定した。
図10に示したように、プラセボ群ではCペプチド濃度に顕著な変化はなく、そしてGLP−1(7−36)を与えた群は、血清Cペプチド濃度で顕著な増加を示した。この実測結果は、GLP−1(7−36)の投与が、マウスにおけるCペプチドの分泌を増強することを示す。
血中グルコースレベルの減少におけるGLP−1(7−36)の効果
健全なC57/BL/6Jマウスを、中国科学院の上海実験動物センターから購入した。マウスを、各群6匹の四つの群に分けた。一晩絶食させたマウスに、腹腔内注射をした。プラセボ群には、200μlの40%グルコース溶液を注射し、試験群には、10μgのGLP−1(7−36)を加えた200μlの40%グルコース溶液を注射し、陽性対照群(I)には、10μgのGLP−1(7−36)NH2(Sigma)を加えた200μlの40%グルコース溶液を注射し、そして陽性対照群(II)には、10μgのGLP−1(7−37)(Sigma)を加えた200μlの40%グルコース溶液を注射した。動物に注射をした瞬間を時間ゼロと設定した。注射の後、20μlの血液サンプルを、ヘパリン処理した毛細管を用いて、各マウスの眼窩から即時に抜き取った。血液サンプルを、即座に、微量遠心管中の300μlの生理食塩水と混合した。混合液を3000rmpで遠心分離して、赤血球を除去した。血清を使用して、血清グルコース濃度を測定した。この手順を、30分目、60分目、120分目に繰返した。
市販のキット(中国科学院の上海実験動物センター)により、血清グルコース濃度を測定した。図11に示したように、(グルコースのみを注射した)プラセボ群の血中グルコース濃度の顕著な増加、そして正常なレベルまでの漸次的な低下が見られた。他の三つの群のマウスについては、血清グルコース濃度は、測定工程の間、正常なレベルからの明らかな上昇を示さなかった。この実測結果は、GLP−1(7−36)、GLP−1(7−36)NH2またはGLP−1(7−37)のいずれかの投与が、マウスにおけるインスリンの分泌を増強して、血中グルコース濃度の大きな変動を防止し得ることを示す。したがって、この結果は、GLP−1(7−36)が、血中グルコースを低下させる点で、GLP−1(7−36)NH2またはGLP−1(7−37)と同様の特徴を示すことを裏付ける。
本発明の好ましい態様および図面は、先の段落で記述されているが、本発明の修正および代替版が可能であることは、当業者に明らかであるに違いなく、そして実質的に同じ方法および物質が、本発明の範囲内にあり、そしてそれは、以下の請求項に規定される。
GLP−1(7−36)ポリペプチドをコードする遺伝子のコピーを一個含む発現ベクターを構築する工程を表す。 断片(1)、(2)、(3)および(4)の連結後得られた、GLP−1(7−36)ポリペプチドをコードするDNA配列を示す。 断片(1’)、(2’)、(3’)および(4’)の連結後得られた、GLP−1(7−36)ポリペプチドをコードするDNA配列を示す。 直列にGLP−1(7−36)遺伝子のコピーを2から32個含むプラスミドを構築する工程を表す。 発酵工程の間の、遺伝子操作した細菌細胞の増殖曲線を示す。 組換えGLP−1(7−36)ポリペプチドのHPLC分析の結果を示す。 組換えGLP−1(7−36)ポリペプチドのアミノ酸分析の結果を示す。 組換えGLP−1(7−36)ポリペプチドの質量スペクトル解析結果を示す。 マウスにGLP−1(7−36)ポリペプチドを注射した後の、マウス血中のインスリン濃度の変動を示す。 マウスにGLP−1(7−36)ポリペプチドを注射した後の、マウス血中のC−ペプチド濃度の変動を示す。 マウスにGLP−1(7−36)ポリペプチドを注射した後の、マウス血中のグルコース濃度の変動を示す。

Claims (16)

  1. インスリン分泌性GLP−1(7−36)ポリペプチドおよび/またはGLP−1類似体を生成する方法であって、ここで、GLP−1類似体は、Gly 8 −GLP−1(7−36)、Val 8 −GLP−1(7−36)、Asp 11 −GLP−1(7−36)、Ala 16 −GLP−1(7−36)、Glu 22 −GLP−1(7−36)、His 23 −GLP−1(7−36)、Glu 24 −GLP−1(7−36)、Trp 26 −GLP−1(7−36)、Ala 27 −GLP−1(7−36)、Glu 30 −GLP−1(7−36)、Asp 33 −GLP−1(7−36)、Glu 34 −GLP−1(7−36)、Thr 35 −GLP−1(7−36)、Gly 8 −Glu 24 −GLP−1(7−36)、Leu 8 −Ala 33 −GLP−1(7−36)、Thr 36 −Arg 37 −GLP−1(7−37)、Ser 36 −Arg 37 −GLP−1(7−37)からなる群より選択され、該方法は、
    (a)GLP−1(7−36)ポリペプチドまたはインスリンの分泌を刺激し得るGLP−1類似体をコードし得る遺伝子の二つの末端に、ハイブリッド部位を形成する能力のある二つの個別の制限エンドヌクレアーゼ切断部位を導入し;
    (b)制限エンドヌクレアーゼを用いた消化の後に、付着末端を連結してハイブリッド末端を形成し、そして、単独で連結したGLP−1(7−36)遺伝子もしくはGLP−1類似体遺伝子、またはGLP−1(7−36)ポリペプチドもしくはGLP−1類似体をコードする遺伝子を組み合わせて連結したもののコピーを、n個(nは、2から32までの整数である)ベクターにクローニングし;
    (c)連結した遺伝子を含むベクターを、宿主細胞に形質転換し;
    (d)宿主細胞に、ポリペプチドのコピーをn個(nは2から32までの整数である)含む融合タンパク質を発現させ、該融合タンパク質は、GLP−1(7−36)ポリペプチド、GLP−1類似体またはその組合わせを含むが、どのようなキャリアータンパク質も含まず;
    (e)融合タンパク質を切断し;(f)GLP−1(7−36)ポリペプチドおよび/またはGLP−1類似体を分離および精製すること:
    から構成されることを特徴とする方法。
  2. ハイブリッド部位を形成する能力のある二つの制限エンドヌクレアーゼが、BglIIおよびBamHIであることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. ハイブリッド部位を形成する能力のある二つの制限エンドヌクレアーゼが、SalIおよびXholIであることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  4. 前記ベクターが、連結した遺伝子のコピーをn個(nは4である)含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  5. 前記ベクターが、連結した遺伝子のコピーをn個(nは8から32までの整数である)含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  6. 前記ベクターが、連結した遺伝子のコピーをn個(nは16である)含むことを特徴とする、請求項5に記載の方法。
  7. 前記ベクターが、連結した遺伝子のコピーをn個(nは32である)含むことを特徴とする、請求項5に記載の方法。
  8. 前記ベクターが、CGMCC受託番号第0599号の寄託物に含まれるものであることを特徴とする、請求項6に記載の方法。
  9. 前記宿主細胞が、ポリペプチドのコピーをn個(nは4である)含む融合タンパク質を発現することができることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  10. 前記宿主細胞が、ポリペプチドのコピーをn個(nは8から32までの整数である)含む融合タンパク質を発現することができることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  11. 前記宿主細胞が、ポリペプチドのコピーをn個(nは16である)含む融合タンパク質を発現することができることを特徴とする、請求項10に記載の方法。
  12. 前記宿主細胞が、ポリペプチドのコピーをn個(nは32である)含む融合タンパク質を発現することができることを特徴とする、請求項10記載の方法。
  13. 前記宿主細胞が原核細胞であることを特徴とする、請求項9から12のいずれか一つに記載の方法。
  14. 前記宿主細胞が、大腸菌JM103、JM109、HB101またはDH5αであることを特徴とする、請求項13に記載の方法。
  15. 前記宿主細胞がCGMCC寄託番号第0599号の細胞に含まれるものであることを特徴とする、請求項14に記載の方法。
  16. 融合タンパク質を切断するために使用する前記プロテアーゼが、クロストリパインまたはトリプシンであることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
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