[go: up one dir, main page]

JPH0722517B2 - モチリン様ポリペプチドの製法並びにそのための組換えdna及び発現用プラスミド - Google Patents

モチリン様ポリペプチドの製法並びにそのための組換えdna及び発現用プラスミド

Info

Publication number
JPH0722517B2
JPH0722517B2 JP1216034A JP21603489A JPH0722517B2 JP H0722517 B2 JPH0722517 B2 JP H0722517B2 JP 1216034 A JP1216034 A JP 1216034A JP 21603489 A JP21603489 A JP 21603489A JP H0722517 B2 JPH0722517 B2 JP H0722517B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gln
motilin
polypeptide
met
amino acid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP1216034A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0380096A (ja
Inventor
昌庸 黒野
隆彦 三谷
治雄 高橋
健一 田中
克也 藤村
祐二 林
洋平 小林
喜一 澤井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sanwa Kagaku Kenkyusho Co Ltd
Original Assignee
Sanwa Kagaku Kenkyusho Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sanwa Kagaku Kenkyusho Co Ltd filed Critical Sanwa Kagaku Kenkyusho Co Ltd
Priority to JP1216034A priority Critical patent/JPH0722517B2/ja
Priority to EP90100048A priority patent/EP0378078A1/en
Priority to CA002007124A priority patent/CA2007124A1/en
Priority to NZ231997A priority patent/NZ231997A/en
Priority to AU47755/90A priority patent/AU633294B2/en
Publication of JPH0380096A publication Critical patent/JPH0380096A/ja
Priority to US07/943,992 priority patent/US5432261A/en
Priority to US08/003,688 priority patent/US5459049A/en
Publication of JPH0722517B2 publication Critical patent/JPH0722517B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明はモチリン様ポリペプチド、殊にC末端にHseを
有するモチリン様ポリペプチドの製法及びそのための組
換えDNA並びに発現用プラスミドに係る。
本発明によるポリペプチドは医薬として、殊に消化管障
害の治療に用いることができる。
(従来の技術) モチリンは、ブラウン等によりブタの上部小腸粘膜から
初めて単離され、構造の決定された物質であり、ペプチ
ドホルモンの一種である[“Gastroenterology"第62巻
第401−404頁(1972年)及び“Can.J.Biochem."第52巻
第7−10頁(1974年)]。このブタモチリンは、22個の
アミノ酸から構成されており、分子量は約2700である。
一方、ヒト由来のモチリンについては、本発明者等によ
ってそのcDNAクローンが単離されると共に構造決定がな
され、その結果、そのアミノ酸配列はブタ由来のものと
同一であることが明らかにされた(特願昭62−10975
7)。
モチリンの生理作用としては消化管運動亢進作用及び消
化管平滑筋収縮作用が良く知られている。これらの作用
の内で、消化管運動亢進作用に関しては、例えば胃にお
ける排出時間を短縮する作用が報告されており[“Gast
roeeterology"第80巻第456−460頁(1981年)]、又消
化管平滑筋収縮作用に関してはウサギやヒトの胃前庭部
及び十二指腸に対して神経経路に依存せずに強い収縮を
もたらすことが知られている。従って、モチリンは胃腸
運動を亢進させ、然かも格別の副作用が報告されていな
いので、術後等における胃腸障害の治療や胃腸障害の診
断に有効なものと考えられてきた(因に、術後における
腸管麻痺等の治療には現在プロスターグランジン等が用
いられているが、副作用が強い点に問題がある)。
尚、モチリンのアミノ酸配列における13位はメチオニン
であるが、これをロイシン又はノルロイシンに変換した
アミノ酸構造を有する化学合成ポリペプチドもモチリン
と同様な生理活性を示すことが報告されており、[“Sc
and.J.Gastroenterology"第11巻第119−203頁(1976
年)等]、13位のメチオニンは活性に及ぼす影響が殆ど
ないものと考えられている。
更に、C末端にHseを含むモチリン様ポリペプチドもモ
チリンと同等又はそれ以上の生理活性を示すことが、本
発明者等により明らかにされている(特願昭64−286明
細書)。
(発明が解決しようとする課題及び発明の目的) 慣用技術によれば、モチリンは一般にブタ由来のもので
あって、抽出により得られており、従って大量生産が極
めて困難であった。一方、化学合成法を利用する場合に
も、モチリンはアミノ酸数が22のポリペプチドであるた
めに、大量に且つ廉価に得ることが困難であった。即
ち、モチリンは消化管障害の治療等における有効性が期
待されているにも拘らず、その生産性がネックとなって
臨床治療に汎く利用されるには至っていなかったのであ
る。
それ故に、所謂「バイオテクノロジー」を応用してモチ
リン様活性を有するポリペプチドを廉価に製造するため
の研究が重ねられてきた(特開昭63−71195公報及び本
発明者等が開発の特願昭63−208006明細書に記載の方法
等)。
しかしながら、バイオクテノロジーを利用する上記の諸
方法はブロムシアンを用いて切断する工程を有してお
り、この際に生じたC末端のHseを含むペプチドを酵素
処理によって取り除く操作を行っており、この酵素処理
工程が収率の低下やコストの増加を招き、従って実際の
大量生産の場合には問題となっていた。そこで、本発明
者等は鋭意研究した結果、既述のように(特願昭64−28
6明細書)、C末端にHseを有しているモチリン様ポリペ
プチドがモチリンと同等又はそれ以上の生理活性を有
し、従ってHse部分の除去操作は不要であるとの認識を
得るに至っている。
本発明は、最近開発されたこれらの方法を踏まえた上で
なされたものであり、その本質的目的はモチリン様ポリ
ペプチドを更に容易に製造する方法を提供することにあ
る。
本発明の付随的な、但し重要な目的はモチリン様ポリペ
プチドを極めて効率的に且つ廉価に製造する方法を提供
することにある。
本発明の他の目的は、上記の製造方法を実施するために
用いられる新規な組換えDNAを提供することにある。
本発明の更に他の目的は、上記の組換えDNAを組込んだ
発現用プラスミドを提供することにある。
(課題を解決し、目的を達成する手段および作用) 本発明によれば、上記の課題は、式(I) Phe−Val−A−Ile−Phe−Thr−Tyr−B−Glu−Leu−C
−Arg−X−Gln−Glu−Lys−Glu−Arg−D−Lys−Gly−
E−Hse (式中AはPro、Gly、Asn又はSerを意味し、BはGly、P
ro、Asn又はSerを意味し、CはGln、Glu又はAspを意味
し、XはMet以外のアミノ酸残基を意味し、DはAsn、Gl
u又はAspを意味し、EはGln、Lys又はArgを意味し、、H
seはホモセリン又はホモセリンラクトン残基を意味す
る) にて示されるモチリン様ポリペプチドの製法であって、 Met−Thr−Met−Ile−Thr−Asn−Ser−Gln−Gln−Gln−
Gln−Gln−Gln−Ile−Phe−Met にて示されるアミノ酸配列のリーダーポリペプチドをコ
ードする一本鎖DNAと、 Phe−Val−A−Ile−Phe−Thr−Tyr−B−Glu−Leu−C
−Arg−X−Gln−Glu−Lys−Glu−Arg−D−Lys−Gly−
E−Met (式中A,、B、C、X、D及びEは前記の意味を有す
る) にて示されるアミノ酸配列のモチリン様ポリペプチドを
コードする一本鎖DANと、これら各一本鎖DNAにおける塩
基配列と相補的な塩基配列を有する一本鎖DNAをそれぞ
れ合成し、これら一本鎖DNAを用いて日本鎖DNAを作成
し、一方大腸菌のTrpプロモータを有するプラスミドに
2種類の制限酵素を作用させて切断し、その断点に上記
の合成二本鎖DNAを接合してプラスミドを再構築し、こ
のようにして得た発現用プラスミドを微生物に取り込ま
せて形質転換させると共に培養して上記の式(I)にて
示され、但しC末端がHseではなくMetであるアミノ酸配
列を有するポリペプチドを融合蛋白の一部として産生さ
せ、その後に融合蛋白産生微生物を破壊し且つブロムシ
アンにより処理することにより上記の式(I)にて示さ
れる個々のポリペプチドを融合蛋白から分離させ、分画
処理して精製することを特徴とする、モチリン様ポリペ
プチドの製法により解決されると共に、上記の主目的が
達成される。
ここで、上記の式(1)にて示されるアミノ酸配列を有
しC末端がメチオニン(Met)(ブロムシアンによる切
断後にはHseに変換される)であるポリペプチドを微生
物内で且つ融合蛋白の一部として大量に産生させるに
は、モチリン様ポリペプチドであってC末端がメチオオ
ニン(Met)であるポリペプチド遺伝子をタンデムに複
数個接合させ、これにより重合体蛋白としてモチリン様
ポリペプチドを発現させることが重要であるが、モチリ
ン様ポリペプチド遺伝子をタンデムに複数個連結させ、
発現用ベクターに組み込むこと自体については、本発明
者等により既に報告されているので(特願昭63−208006
明細書)、この方法を利用することができる。尚、上記
のモチリン様ポリペプチド部分間のアミノ酸配列はC末
端がMetであれば良い。何故ならば、Metを介して結合さ
れているモチリン様ポリペプチドからなる重合体蛋白は
ブロムシアンにて処理される場合にMet部分で切断が生
じて単量体に分離されるからである。
本発明方法により製造されるモチリン様ポリペプチドを
示す式(1)において、13位のアミノ酸残基であるXが
Met以外のアミノ酸残基とされているのは、この部位がM
etであると、後の工程、即ち産生された融合蛋白をブロ
ムシアンで処理する場合に13位のMetの部位においても
切断が生じるためにモチリン様活性を有する所望のポリ
ペプチドが得られないためである。本発明において、リ
ーダー配列ペプチドにおける末尾のアミノ酸がメチオニ
ン(Met)で構成されているのは、後の工程で、即ちブ
ロムシアンで処理することにより、リーダー配列部分を
容易に切断し得るようになすためである。尚、リーダー
配列部分及び式(1)にて示されるアミノ酸配列を有し
C末端がMet(ブロムシアン処理により切断された後に
はHseに変換)であるポリペプチドをコードする一本鎖D
NAについては分割して合成することができ、これによっ
て合成を容易ならしめることができる。
本発明による組換えDNAは、既述のリーダー配列ポリペ
プチドのC末端側に既述の式(I)にて示され、但しC
末端がHseではなくMetであるモチリン様ポリペプチドが
連結されていることを特徴としている。この場合に、リ
ーダー配列ポリペプチドの後にモチリン様ポリペプチド
が複数個、例えば4個連結されているのが有利であり、
この場合にモチリン様ポリペプチド相互を連結するスペ
ーサペプチドとしては余り長いものではないこと及びそ
の分離を容易になすためにC末端にMetを有しているこ
とが肝要であり、例えばGly−Ile−Phe−Metなるアミノ
酸配列をコードするペプチドが好ましい。
尚、本発明による組換えDNAにおけるリーダー配列ポリ
ペプチドは、非電荷極性アミノ酸であるアスパラギン
(Asn)、グルタミン(Gln)、スレオニン(Thr)及び
セリン(Ser)に富んでいるが、このようなポリペプチ
ドをモチリン様ポリペプチドの前に配置した組換えDNA
を発現用プラスミドに組込まれ、宿主細胞に取り込ま
せ、この形質転換細胞を培養すると、上記のリーダー配
列が顆粒の形成を著しく促進して、所望遺伝子蛋白の生
成量が増加する。
一方、本発明による発現用プラスミドは、上記のような
組換えDNAが組込まれていることを特徴としている。
(実施例等) 次に、製造例及び薬理活性試験例に関連して本発明を更
に詳細に説明する。尚、以下においてはモチリンの13位
がロイシン(Leu)に変換され且つ23位にHseが付加され
たモチリン様ポリペプチド(L−ロイシン−13−モチリ
ン−ホモセリン)の製造に関して説明するが、C末端が
Hseであれば、他のモチリン様ポリペプチド(アミノ酸
残基としてメチオニンを含まず)を同様にして製造し得
ることに留意されたい。
製造例 1 (1)モチリン様生理活性ポリペプチドをコードしてい
るDNAの合成 13位がLeuに変換され且つ23位にHseが付加されたモチリ
ン様ポリペプチドは下記の通りのアミノ酸配列を有して
いる。
上記のポリペプチドにおいて、23位のHseは、微生物に
より上記のポリペプチドが産生された後にブロムシアン
にて処理することによりMetから変換される。
ことが知られている。
従って、上記のアミノ酸配列における23位がMetである
アミノ酸配列をコードする塩基配列を包含し、そのN末
端側にはメチオニンを介して多数の非電荷極性アミノ酸
残基を有するリーダーペプチド(Met−Thr−Met−Ile−
Thr−Asn−Ser−Gln−Gln−Gln−Gln−Gln−Gln−Ile−
Phe−Met)をコードする塩基配列を有し且つC末端側に
はアミノ酸配列(Gly−Ile−Leu)からなるペプチドを
コードする塩基配列を有する下記の式(2)にて示され
る二本鎖DNA断片を製造した。
上記の式(2)にて示される二本鎖DNAは次のようにし
て合成された。
先ず、ファルマシア社製のDNA合成装置「ジーンアセン
ブラー」を用いて、次の塩基配列を有する6種類の一本
鎖DNAを合成した。これらの内で、式(3)と(8)、
(4)と(7)及び(5)と(6)は末端の一部分を除
き互いに相補的なDNAである。
式(3) 5′−AATTCATGACCATGATTACGAACTCACAACAACAACAACA 式(4) 5′−GATCTTCATGTTCGTTCCGATCTTCACCTACGGCGAACTGCAG 式(5) 5′−CGTCTGCAAGAAAAAGAGCGCAACAAAGGCCAGATGGGGATCCT
GTGATA 式(6) 5′−AGCTTATCACAGGATCCCCATCTGGCCTTTGTTGCGCTCTTTTT
CTTG 式(7) 5′−CAGACGCTGCAGTTCGCCGTAGGTGAAGATCGGAACGAACATGA
A 式(8) 5′−GATCTGTTGTTGTTGTTGTTGTGAGTTCGTAATCATGGTCATG 式(3)−(8)にて示されている一本鎖DNAをポリヌ
クレオチドキナーゼでそれぞれ処理して5′末端を燐酸
化した後に、相補的DNA対である式(3)と(8)、
(4)と(7)及び(5)と(6)をそれぞれアニール
させて形成された3本の二本鎖DNAをDNAリガーゼにより
タンデムに接合することにより式(2)にて示されるDN
A断片を得た。
(2)発現ベクターへの組込み 上記の第(1)項で得た合成DNA断片を、発現ベクター
に組込む操作について、殊に第1図を参照しつつ説明す
る。
大腸菌のTrpプロモータを有するプラスミドpTM1に制限
酵素Hind III及びEcoR Iを作用させて切断し、その断点
に、上記の第(1)項で得た合成DNA断片をDNAリガーゼ
により、Trpプロモータを有する大腸菌内発現用プラス
ミドと接合してプラスミドを再構築した。この再構築プ
ラスミドはpTMH1と命名されており、Trpプロモータの下
流域においてSD配列から10残基離れた位置から蛋白質合
成が開始されるように設計されている。従って、この発
現用プラスミドを大腸菌等に導入した場合には、インド
ールアクリル酸(IAA)等での蛋白質の誘導が可能であ
る。
尚、上記の再構築ベクターは制限酵素Bgl II及びBamH I
の認識部位を有するように設計されている。
(3)モチリン様ポリペプチド遺伝子を2つ又はそれ以
上包有している発現用プラスミドの構築 これについては第2図を参照されたい。先ず、上記の第
(2)項で得たプラスミド(pTMH1)を制限酵素EcoR I
及びBamH Iにより処理してモチリン様ポリペプチド遺伝
子部分の上流域とベクター内の1ヶ所で切断してフラグ
メントを回収した。次に、上記の第(2)項で得たプラ
スミドであって、切断処理した上記プラスミドとは別に
プラスミド(pTMH1)を制限酵素EcoR I及びBgl IIによ
り処理してベクター内の上記箇所と同一の箇所及びモチ
リン様ポリペプチド遺伝子部分の下流域が上記の上流域
の断点と共通となるように切断し、その断点に上記の切
断回収されたフラグメントをDNAリガーゼにより接合し
てプラスミドを再構築すれば、モチリン様ポリペプチド
遺伝子を2つ包有している発現用プラスミド(pTMH2)
が得られる。この場合にモチリン様ポリペプチド遺伝子
相互間はGly−Ile−Phe−Metのペプチドで連結されてい
る。
尚、上記の場合に、制限酵素BamH Iによる断点と制限酵
素Ba1 IIによる断点とがDNAリガーゼにより接合される
が、この接合部位は最早これら両酵素の切断認識部位で
はなくなってしまう。従って、上記の切断及び接合操作
を繰り返すことにより、モチリン様ポリペプチド遺伝子
がタンデムに任意数結合され、その上流にメチオニンを
介してリーダーペプチド配列を有しているプラスミドを
得ることができる。
(4)モチリン様ポリペプチド含有融合蛋白の産生 上記の第(3)項に記載のようにして調製され、タンデ
ムに4つ連結されているモチリン様ポリペプチド遺伝子
を包有しているプラスミド(pTMH4)を大腸菌(HB101)
に取り込まれて計質変換菌を得た[これは工業技術院微
生物工業技術研究所に国際寄託された(微工研奇第2555
号)]。この計質変換菌をアンピシリン50μg/ml含有培
養液(例えば、M9倍地に0.5%カザミノ酸を添加したも
の)により且つエイブル社製のD型ファーメンターを用
いて30℃において通気培養した。A550が0.6−0.8になっ
た時点でインドールアクリル酸(IAA)を添加し、最終
濃度を15μg/mlになした。
その後、16時間培養を継続し、次いで遠心分離(8000rp
m、4℃、5分間)により菌体を回収した。この菌体の
一部を採取してSDSポリアクリルアミドゲル電気泳動(1
5%)にかけて分析した処、所望の融合蛋白は全蛋白の
約30%に達していた。これは、プラスミドに組込まれた
合成DNAにおけるリーダーペプチド配列部分が極めて効
率良く顆粒球の形成を促し、又プロテアーゼによる分解
を殆ど受けないためであると推定された。
(5)モチリン様ポリペプチドの分離精製 上記の第(4)項で得られたペースト状菌体(30ml相
当)を200mlの冷アセトン中に懸濁させた後にガラスフ
ィルターにて濾過し、残渣を生理食塩水300ml中に懸濁
させ、高圧ホモジナイザー又は超音波処理することによ
り菌体を破壊した。菌体残渣を10000rpmで15分間遠心処
理してペレット化させた。このペレットはリーダーペプ
チドとモチリン様ポリペプチド4量体の融合蛋白を包有
している。
従って、このペレット(蛋白量約500mg)を70%蟻酸溶
液30mlに溶解させ、この溶液にブロムシアン500mgを添
加し、30℃の温度条件下において一晩反応させた。その
後、NaOH40gと蒸溜水200mlとを添加してpHを3以上にさ
せた後に遠心分離処理(1000rpmx20分)によって上清を
回収し、セファデックスG−15を用い脱塩処理して蟻酸
及びブロムシアンを除去し、モチリン様ポリペプチド溶
出画分を陽イオン交換体クロマトグフィーにて処理し、
次いでウォーターズ社製のマイクロボンダスフェアのC
−18カラム(19mmx15cm)を用い、HPLCにより以下の条
件で精製した。
溶出液:0.1%トリフルオロ酢酸中30%から60%迄のアセ
トアニトリルの直線勾配、30分間) 流速:7.0ml/min HPLCによるメインピーク部分を回収して凍結乾燥させ、
その一部を採取してアプライドバイオシステムズ社製の
ペプチドシークェンサーにより調べた処、末端にHseを
有する正しい配列のモチリン様ポリペプチドであること
が確認された。
上記のように操作を行うことにより、大腸菌1リットル
の培養で所望のモチリン様ポリペプチドを400−500mg得
ることができた。
生理活性試験例(腸管収縮活性の測定) 上記の製造例で得られたモチリン様ポリペプチド(L−
ロイシン−13−モチリン−ホモセリン)を被験物質と
し、合成法により得られた純モチリンを対照物質とし、
ウサギ十二指腸を用いるマグヌス法[“J.Pharm.Pharma
c."第28巻第650−651頁(1976年)]に従い腸管収縮活
性を測定した結果は第3図に示される通りであった。
この図から明らかなように、アセチルコリン(10-6M)
による収縮を100%とした場合に、本発明により得られ
たL−ロイシン−13−モチリン−ホモセリンが示す腸管
収縮活性は純モチリンと同レベル程度であることが確認
された。
(発明の効果) 本発明によれば、モチリン様遺伝子のアミノ酸配列をコ
ードする塩基配列を包含するDNA断片が、分割して化学
合成され、次いで結合させることにより、所望のものと
して形成されるので、このDNA断片の合成が比較的容易
である。このDNA断片においてモチリン様遺伝子をコー
ドするアミノ酸配列のN末端側にはメチオニンを介して
リーダーペプチド配列が存在し、このモチリン様遺伝子
含有DNA断片ををベクターとしてのプラスミドに組込み
且つ該プラスミドを微生物に取り込ませて培養する場合
に、上記のリーダーペプチドがモチリン様活性物質の産
生を促進するので生産効率が上昇する。
尚、上記のリーダーペプチド配列の後には、Metを介し
てモチリン様遺伝子をタンデムに複数個連結させること
ができ、このようにモチリン様遺伝子を複数個包有して
いるDNAをプラスミドに組込む且つ該プラスミドを微生
物に取り込ませて培養すれば、当然のことながらモチリ
ン様活性物質の発現率を著しく向上させることができ
る。
しかも、本発明方法によれば、精製処理がブロムシアン
による処理のみであるために極めて簡便である。
従って、本発明はモチリン様生理活性物質を廉価に且つ
大量に生産することを可能にするものであり、術後にお
ける患者の腸管麻痺等に現在用いられており副作用が強
いプロスターグランジン等に代わるべき安全な医薬品を
提供するものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明方法の要部を構成する、モチリン様遺伝
子1つを包有する遺伝子組換えプラスミドの構築態様を
示す説明図、第2図は第1図と同様の、但しモチリン様
遺伝子を2つタンデムに包有する遺伝子組換えプラスミ
ドの構築状態を示す説明図、第3図は本発明方法により
製造されたL−ロイシン−13−モチリン−ホモセリンと
従来法により得られた純モチリンとの腸管収縮活性をマ
グナス法により測定した結果を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 健一 愛知県名古屋市東区東外堀町35番地 株式 会社三和化学研究所内 (72)発明者 藤村 克也 愛知県名古屋市東区東外堀町35番地 株式 会社三和化学研究所内 (72)発明者 林 祐二 愛知県名古屋市東区東外堀町35番地 株式 会社三和化学研究所内 (72)発明者 小林 洋平 愛知県名古屋市東区東外堀町35番地 株式 会社三和化学研究所内 (72)発明者 澤井 喜一 愛知県名古屋市東区東外堀町35番地 株式 会社三和化学研究所内 (56)参考文献 特開 昭63−71195(JP,A) 特開 昭61−5788(JP,A) 特開 昭61−173780(JP,A) Biotechnology Lett ers,vol.10,No.11,P.763 −768(1988)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式(I) Phe−Val−A−Ile−Phe−Thr−Tyr−B−Glu−Leu−C
    −Arg−X−Gln−Lys−Glu−Arg−D−Lys−Gly−E−H
    se (式中AはPro、Gly、Asn又はSerを意味し、BはGly、P
    ro、Asn又はSerを意味し、CはGln、Glu又はAspを意味
    し、XはMet以外のアミノ酸残基を意味し、DはAsn、Gl
    u又はAspを意味し、EはGln、Lyn又はArgを意味し、Hse
    はホモセリン又はホモセリンラクトン残基を意味する) にて示されるモチリン様ポリペプチドの製法であって、 Met−Thr−Met−Ile−Thr−Asn−Ser−Gln−Gln−Gln−
    Gln−Gln−Gln−Ile−Phe−Met にて示されるアミノ酸配列のリーダー配列ポリペプチド
    をコードする一本鎖DNAと、 Phe−Val−A−Ile−Phe−Thr−Tyr−B−Glu−Leu−C
    −Arg−X−Gln−Gln−Lys−Glu−Arg−D−Lys−Gly−
    E−Met (式中A,、B、C、X、D及びEは前記の意味を有す
    る) にて示されるアミノ酸配列のモチリン様ポリペプチドを
    コードする一本鎖DNAと、これら各一本鎖DNAにおける塩
    基配列と相補的な塩基配列を有する一本鎖DNAをそれぞ
    れ合成し、これらの一本鎖DNAを用いて日本鎖DNAを作成
    し、一方大腸菌のTrpプロモータを有するプラスミドに
    2種類の制限酵素を作用させて切断し、その断点に上記
    の合成二本鎖DNAを接合してプラスミドを再構築し、こ
    のようにして得た発現用プラスミドを微生物を取り込ま
    せて形質転換させると共に培養して上記の式(I)にて
    示され、但しC末端がHseではなくMetであるアミノ酸配
    列を有するポリペプチドを融合蛋白の一部として産生さ
    せ、その後に融合蛋白産生微生物を破壊し且つブロムシ
    アンにより処理することにより上記の式(I)にて示さ
    れる個々のポリペプチドを融合蛋白から分離させ、分画
    処理して精製することを特徴とする、モチリン用ポリペ
    プチドの製法。
  2. 【請求項2】再構築プラスミドを更に2種類の制限酵素
    にて処理することによりリーダー配列ポリペプチド部分
    とモチリン様ポリペプチド部分とをコードするDNAフラ
    グメントを回収し、一方プラスミドpTM1に2種類の制限
    酵素を作用させて切断し、その断点に上記の回収DNAフ
    ラグメントを接合することによりモチリン様ポリペプチ
    ドを2個タンデムに且つGly−Ile−Phe−Metのアミノ酸
    配列のスペーサペプチドを介して接合されているプラス
    ミドを構築し、必要に応じ、このプラスミドを再度切断
    し、上記のモチリン様ポリペプチドの追加的導入操作を
    繰り返し、その後に微生物に取り込ませることを特徴と
    する、請求項(1)に記載のモチリン様ポリペプチドの
    製法。
  3. 【請求項3】アミノ酸配列が Met−Thr−Met−Ile−Thr−Asn−Ser−Gln−Gln−Gln−
    Gln−Gln−Gln−Ile−Phe−Met のリーダー配列ポリペプチドの後に Phe−Val−A−Ile−Phe−Thr−Tyr−B−Glu−Leu−C
    −Arg−X−Gln−Gln−Lys−Glu−Arg−D−Lys−Gly−
    E−Met (式中AはPro、Gly、Asn又はSerを意味し、BはGly、P
    ro、Asn又はSerを意味し、CはGln、Glu又はAspを意味
    し、XはMet以外のアミノ酸残基を意味し、DはAsn、Gl
    u又はAspを意味し、EはGln、Lys又はArgを意味する) にて示されるアミノ酸配列のモチリン様ポリペプチドが
    連結されていることを特徴とする、モチリン様ペプチド
    製造用の組換えDNA。
  4. 【請求項4】モチリン様ポリペプチドをタンデムに複数
    個有しており、このモチリン様ポリペプチド間にアミノ
    酸配列がGly−Ile−Phe−Metのスペーサペプチドを有し
    ていることを特徴とする、請求項(3)に記載のモチリ
    ン様ペプチド製造用の組換えDNA。
  5. 【請求項5】アミノ酸配列が Met−Thr−Met−Ile−Thr−Asn−Ser−Gln−Gln−Gln−
    Gln−Gln−Gln−Ile−Phe−Met のリーダー配列ポリペプチドを有し、その後に Phe−Val−A−Ile−Phe−Thr−Tyr−B−Glu−Leu−C
    −Arg−X−Gln−Gln−Lys−Glu−Arg−D−Lys−Gly−
    E−Met (式中AはPro、Gly、Asn又はSerを意味し、BはGly、P
    ro、Asn又はSerを意味し、CはGln、Glu又はAspを意味
    し、XはMet以外のアミノ酸残基を意味し、DはAsn、Gl
    u又はAspを意味し、EはGln、Lys又はArgを意味する) にて示されるアミノ酸配列のモチリン様ポリペプチドが
    連結されている組換えDNAが組み込まれていることを特
    徴とする、モチリン様ペプチド製造用の発現用プラスミ
    ド。
  6. 【請求項6】モチリン様ポリペプチドをタンデムに複数
    個有しており、このモチリン様ポリペプチド間にアミノ
    酸配列がGly−Ile−Phe−Metのスペーサペプチドを有し
    ていることを特徴とする、請求項(5)に記載のモチリ
    ン様ペプチド製造用の発現用プラスミド。
JP1216034A 1989-01-06 1989-08-24 モチリン様ポリペプチドの製法並びにそのための組換えdna及び発現用プラスミド Expired - Lifetime JPH0722517B2 (ja)

Priority Applications (7)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1216034A JPH0722517B2 (ja) 1989-08-24 1989-08-24 モチリン様ポリペプチドの製法並びにそのための組換えdna及び発現用プラスミド
EP90100048A EP0378078A1 (en) 1989-01-06 1990-01-02 Motilin-like polypeptide and use thereof
CA002007124A CA2007124A1 (en) 1989-01-06 1990-01-04 Motilin-like polyptide and use thereof
NZ231997A NZ231997A (en) 1989-01-06 1990-01-04 Motilin-like polypeptides, their use as pharmaceuticals and production by cyanogen bromide cleavage of fusion proteins
AU47755/90A AU633294B2 (en) 1989-01-06 1990-01-05 Motilin-like polypeptide and use thereof
US07/943,992 US5432261A (en) 1989-01-06 1992-09-11 Motlin-like polypeptide and use thereof
US08/003,688 US5459049A (en) 1989-01-06 1993-01-13 Motilin-like polypeptide and use thereof

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1216034A JPH0722517B2 (ja) 1989-08-24 1989-08-24 モチリン様ポリペプチドの製法並びにそのための組換えdna及び発現用プラスミド

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0380096A JPH0380096A (ja) 1991-04-04
JPH0722517B2 true JPH0722517B2 (ja) 1995-03-15

Family

ID=16682254

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1216034A Expired - Lifetime JPH0722517B2 (ja) 1989-01-06 1989-08-24 モチリン様ポリペプチドの製法並びにそのための組換えdna及び発現用プラスミド

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0722517B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05112464A (ja) * 1991-04-09 1993-05-07 Sanwa Kagaku Kenkyusho Co Ltd 安定化された [Leu13−motilin−Hse 医薬組成物
JPH083196A (ja) 1994-06-21 1996-01-09 Sanwa Kagaku Kenkyusho Co Ltd カルシトニン誘導体及びその用途
CN1363654A (zh) 2001-07-19 2002-08-14 上海华谊生物技术有限公司 生产促胰岛素分泌肽glp-1(7-36)的基因工程菌以及生产glp-1(7-36)的方法
JP4743849B2 (ja) * 2005-07-05 2011-08-10 三菱重工業株式会社 フォークリフト

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
IT1198443B (it) * 1984-03-30 1988-12-21 Serono Ist Farm Espressione genetica di polipeptidi ibridi contenenti la sequenza della somatostatina
US4738921A (en) * 1984-09-27 1988-04-19 Eli Lilly And Company Derivative of the tryptophan operon for expression of fused gene products
JP2862870B2 (ja) * 1986-09-12 1999-03-03 協和醗酵工業株式会社 新規ペプチド

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
BiotechnologyLetters,vol.10,No.11,P.763−768(1988)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0380096A (ja) 1991-04-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CA1339208C (en) Fusion proteins containing a hinge region for enhanced cleavage
US5013653A (en) Product and process for introduction of a hinge region into a fusion protein to facilitate cleavage
KR960011919B1 (ko) IgA 단백질 분해효소를 이용한 재조합 단백질의 효소적 절단방법
US5643758A (en) Production and purification of a protein fused to a binding protein
US5284933A (en) Affinity peptides
US9200306B2 (en) Methods for production and purification of polypeptides
AU626521B2 (en) Production and purification of a protein fused to a binding protein
JPS62500700A (ja) ストレプトアビジン様ポリペプチドの製造
JPS60501391A (ja) ポリペプチドおよび蛋白質生成物、ならびにその製造方法および使用
AU2185799A (en) Process for producing peptide with the use of accessory peptide
JPS58219199A (ja) 外来性蛋白質発現用クロ−ニングベクタ−
CN102558362A (zh) 一种用于治疗糖尿病的融合蛋白及其制备方法
NZ231997A (en) Motilin-like polypeptides, their use as pharmaceuticals and production by cyanogen bromide cleavage of fusion proteins
JP2753274B2 (ja) モチリン様ポリペプチドの製法並びにそのための組換えdna及び発現用プラスミド
EP0259891B1 (en) [Leu 13] motilin, DNAs coding for same and methods for producing same
CN100427506C (zh) 从融合多肽制备感兴趣的多肽的方法
JPH0722517B2 (ja) モチリン様ポリペプチドの製法並びにそのための組換えdna及び発現用プラスミド
US5416007A (en) Enhanced proteolytic cleavage of recombinant fusion proteins
IL88934A (en) Recombinant human interleukin-1 polypeptides, their preparation and pharmaceutical compositions containing them
EP0369316A2 (en) Recombinant interleukin-2 hybrid proteins
JPS61149089A (ja) Dna塩基配列、ポリペプチド分泌発現ベクター及び形質転換微生物
JPH02500640A (ja) 所定のポリペプチドと糖に対して親和性のタンパク質とをコードする核酸配列を含む組換体dnaにより形質転換された宿主生物中で該ポリペプチドを製造する方法。応用、特にワクチン組成物の製造への応用
KR100535265B1 (ko) 융합 단백질로부터 목적 단백질을 분리하는 방법
KR970009354B1 (ko) 모티린형 폴리펩티드 및 그 용도
JP2887063B2 (ja) グリセンチンの製造方法