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JP4497047B2 - 内燃機関の冷却装置 - Google Patents

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JP4497047B2
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Description

本発明は、サーモスタットの作動状態の診断を行う内燃機関の冷却装置に関する。
内燃機関においては、サーモスタット内のバルブが開弁した状態で作動しなくなる現象(開弁固着)が生じることもある。この開弁固着が生じている状態(サーモスタットの異常時)では、冷却水が常にラジエータを介して循環するようになるため、サーモスタットの正常時に比べて冷却水の温度が上昇しにくくなる。
そこで、特許文献1に記載の冷却装置をはじめとした従来の冷却装置では、こうした冷却水の温度推移の違いに着目して、次の(A)及び(B)のようにサーモスタットの異常を検出するようにしている。
(A)冷却水温度と相関のあるパラメータに基づいて、サーモスタットの作動状態が正常であるときの冷却水温度に相当する基準温度を算出する。
(B)診断条件が成立したとき、基準温度と実際の冷却水温度との比較を通じてサーモスタットの作動状態を診断する。すなわち、基準温度の上昇度合いが実際の冷却水温度の上昇度合いよりも大きいとき、サーモスタットに異常が生じていると判断する。
従来の冷却装置として、特許文献1には次のような冷却装置が提案されている。
特許文献1の冷却装置では、冷却水温度と外気温度との差(温度差)が冷却水の放熱度合いに影響することに着目し、同温度差に基づいて基準温度を算出することで、サーモスタットの異常を精度よく検出することができるようにしている。また、上記温度差の算出に際しては、外気温度に相当する値として吸気温度センサの検出値を採用している。
特開2000−220456号公報
ところで、吸気温度センサはエンジンからの受熱により温度上昇するため、同センサの検出値が実際の外気温度よりも高い値を示すようになる。
このため、上記特許文献1に記載の冷却装置においては、次のようなことが問題となる。すなわち、吸気温度センサの温度上昇度合いが過度に大きい場合、本来設定されるべき値から大きく乖離した基準温度に基づいて作動状態の診断が行われるため、サーモスタットの異常を正確に検出できない可能性が高くなる。
なお、吸気温度センサの検出値を外気温度の代わりとして採用するとともに、同検出値に基づいて基準温度を推定する冷却装置であれば、特許文献1の冷却装置に限られず同様の問題が生じるようになる。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、サーモスタットの異常の検出精度を向上させることのできる内燃機関の冷却装置を提供することにある。
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
(1)請求項1に記載の発明は、ラジエータへの冷却水の供給量を調整するサーモスタットと、前記冷却水の温度を検出する冷却水温度検出手段と、前記冷却水の温度に相当する基準温度を吸気温度センサの検出値に基づいて推定する基準温度推定手段と、前記冷却水温度検出手段を通じて検出された前記冷却水の温度を検出温度として、診断条件が成立したときに前記検出温度と前記基準温度との比較に基づいて前記サーモスタットの作動状態を診断する診断手段とを備える内燃機関の冷却装置において、前記吸気温度センサの検出値と外気温度との差が上限値以上である状態を特定状態として、前記診断条件の成立前において前記特定状態となった期間が上限期間以上であることを示す条件が成立したとき、前記作動状態の診断を禁止することを要旨としている。
特定状態となった期間が上限期間以上のときには、算出された基準温度と本来の基準温度との乖離度合いが許容できない程に大きくなる。
上記発明では、こうしたことを考慮して、特定状態となった期間が上限期間以上であることを示す条件が成立したときには作動状態の診断を禁止するようにしているため、サーモスタットの異常を誤って検出することが抑制されるようになる。これにより、サーモスタットの異常の検出精度を向上させることができるようになる。
(2)請求項2に記載の発明は、ラジエータへの冷却水の供給量を調整するサーモスタットと、前記冷却水の温度を検出する冷却水温度検出手段と、前記冷却水の温度に相当する基準温度を吸気温度センサの検出値に基づいて推定する基準温度推定手段と、前記冷却水温度検出手段を通じて検出された前記冷却水の温度を検出温度として、診断条件が成立したときに前記検出温度と前記基準温度との比較に基づいて前記サーモスタットの作動状態を診断する診断手段とを備える内燃機関の冷却装置において、内燃機関の始動から前記診断条件の成立までの期間を所定期間とし、この所定期間において車両の走行速度が基準速度以上のときに算出された前記基準温度の変化量を第1変化量とし、前記所定期間において車両の走行速度が前記基準速度未満のときに算出された前記基準温度の変化量を第2変化量として、前記第1変化量に対する前記第2変化量の割合が判定値以上のとき、前記作動状態の診断を禁止することを要旨としている。
車両の走行速度が基準速度未満の状態においては、走行風による吸気温度センサの冷却が十分に行われないため、吸気温度センサの検出値と外気温度との乖離が増大するようになる。したがって、こうした状態で算出された基準温度の変化量(第2変化量)の割合が大きくなるにつれて、算出された基準温度と本来の基準温度との乖離度合いが大きくなる。
上記発明では、こうしたことを考慮して、第1変化量に対する第2変化量の割合が判定値以上のときには作動状態の診断を禁止するようにしているため、サーモスタットの異常を誤って検出することが抑制されるようになる。これにより、サーモスタットの異常の検出精度を向上させることができるようになる。
(3)請求項3に記載の発明は、ラジエータへの冷却水の供給量を調整するサーモスタットと、前記冷却水の温度を検出する冷却水温度検出手段と、前記冷却水の温度に相当する基準温度を吸気温度センサの検出値に基づいて推定する基準温度推定手段と、前記冷却水温度検出手段を通じて検出された前記冷却水の温度を検出温度として、診断条件が成立したときに前記検出温度と前記基準温度との比較に基づいて前記サーモスタットの作動状態を診断する診断手段とを備える内燃機関の冷却装置において、内燃機関の始動から前記診断条件の成立までの期間を所定期間とし、この所定期間における前記基準温度の変化量を第1変化量とし、前記所定期間において車両の走行速度が基準速度未満のときに算出された前記基準温度の変化量を第2変化量として、前記第1変化量に対する前記第2変化量の割合が判定値以上のとき、前記作動状態の診断を禁止することを要旨としている。
車両の走行速度が基準速度未満の状態においては、走行風による吸気温度センサの冷却が十分に行われないため、吸気温度センサの検出値と外気温度との乖離が増大するようになる。したがって、こうした状態で算出された基準温度の変化量(第2変化量)の割合が大きくなるにつれて、算出された基準温度と本来の基準温度との乖離度合いが大きくなる。
上記発明では、こうしたことを考慮して、第1変化量に対する第2変化量の割合が判定値以上のときには作動状態の診断を禁止するようにしているため、サーモスタットの異常を誤って検出することが抑制されるようになる。これにより、サーモスタットの異常の検出精度を向上させることができるようになる。
(4)請求項4に記載の発明は、ラジエータへの冷却水の供給量を調整するサーモスタットと、前記冷却水の温度を検出する冷却水温度検出手段と、前記冷却水の温度に相当する基準温度を吸気温度センサの検出値に基づいて推定する基準温度推定手段と、前記冷却水温度検出手段を通じて検出された前記冷却水の温度を検出温度として、診断条件が成立したときに前記検出温度と前記基準温度との比較に基づいて前記サーモスタットの作動状態を診断する診断手段とを備える内燃機関の冷却装置において、内燃機関の始動から前記診断条件の成立までの期間を所定期間とし、この所定期間における前記基準温度の変化量を第1変化量とし、前記所定期間において車両の走行速度が基準速度以上のときに算出された前記基準温度の変化量を第2変化量として、前記第1変化量に対する前記第2変化量の割合が判定値未満のとき、前記作動状態の診断を禁止することを要旨としている。
(5)請求項5に記載の発明は、ラジエータへの冷却水の供給量を調整するサーモスタットと、前記冷却水の温度を検出する冷却水温度検出手段と、前記冷却水の温度に相当する基準温度を吸気温度センサの検出値に基づいて推定する基準温度推定手段と、前記冷却水温度検出手段を通じて検出された前記冷却水の温度を検出温度として、診断条件が成立したときに前記検出温度と前記基準温度との比較に基づいて前記サーモスタットの作動状態を診断する診断手段とを備える内燃機関の冷却装置において、内燃機関の始動から前記診断条件が成立するまでの間に車両の走行速度が基準速度以上の状態である第1特定走行状態がなされた時間を第1所定時間とし、内燃機関の始動から前記診断条件が成立するまでの間に車両の走行速度が前記基準速度未満の状態である第2特定走行状態がなされた時間を第2所定時間として、前記第1所定時間に対する前記第2所定時間の割合が判定値以上のとき、前記作動状態の診断を禁止することを要旨としている。
(6)請求項6に記載の発明は、ラジエータへの冷却水の供給量を調整するサーモスタットと、前記冷却水の温度を検出する冷却水温度検出手段と、前記冷却水の温度に相当する基準温度を吸気温度センサの検出値に基づいて推定する基準温度推定手段と、前記冷却水温度検出手段を通じて検出された前記冷却水の温度を検出温度として、診断条件が成立したときに前記検出温度と前記基準温度との比較に基づいて前記サーモスタットの作動状態を診断する診断手段とを備える内燃機関の冷却装置において、内燃機関の始動から前記診断条件が成立するまでの時間を第1所定時間とし、内燃機関の始動から前記診断条件が成立するまでの間に車両の走行速度が基準速度未満の状態である特定走行状態がなされた時間を第2所定時間として、前記第1所定時間に対する前記第2所定時間の割合が判定値以上のとき、前記作動状態の診断を禁止することを要旨としている。
車両の走行速度が基準速度未満の状態においては、走行風による吸気温度センサの冷却が十分に行われないため、吸気温度センサの検出値と外気温度との乖離が拡大するようになる。したがって、こうした状態の割合が大きくなるにつれて、算出された基準温度と本来の基準温度との乖離度合いが大きくなる。
上記発明では、こうしたことを考慮して、内燃機関の始動から診断条件の成立までの時間に対する特定走行状態の時間の割合が判定値以上のときには作動状態の診断を禁止するようにしているため、サーモスタットの異常を誤って検出することが抑制されるようになる。これにより、サーモスタットの異常の検出精度を向上させることができるようになる。
(7)請求項7に記載の発明は、ラジエータへの冷却水の供給量を調整するサーモスタットと、前記冷却水の温度を検出する冷却水温度検出手段と、前記冷却水の温度に相当する基準温度を吸気温度センサの検出値に基づいて推定する基準温度推定手段と、前記冷却水温度検出手段を通じて検出された前記冷却水の温度を検出温度として、診断条件が成立したときに前記検出温度と前記基準温度との比較に基づいて前記サーモスタットの作動状態を診断する診断手段とを備える内燃機関の冷却装置において、内燃機関の始動から前記診断条件が成立するまでの時間を第1所定時間とし、内燃機関の始動から前記診断条件が成立するまでの間に車両の走行速度が基準速度以上の状態である特定走行状態がなされた時間を第2所定時間として、前記第1所定時間に対する前記第2所定時間の割合が判定値未満のとき、前記作動状態の診断を禁止することを要旨としている。
(8)請求項8に記載の発明は、ラジエータへの冷却水の供給量を調整するサーモスタットと、前記冷却水の温度を検出する冷却水温度検出手段と、前記冷却水の温度に相当する基準温度を吸気温度センサの検出値に基づいて推定する基準温度推定手段と、前記冷却水温度検出手段を通じて検出された前記冷却水の温度を検出温度として、診断条件が成立したときに前記検出温度と前記基準温度との比較に基づいて前記サーモスタットの作動状態を診断する診断手段とを備える内燃機関の冷却装置において、内燃機関の始動から前記診断条件の成立までの吸入空気量の積算値が判定値未満のとき、前記作動状態の診断を禁止することを要旨としている。
吸入空気量が少ない場合には、吸入空気による吸気温度センサの冷却が十分に行われないため、吸気温度センサの検出値と外気温度との乖離が拡大するようになる。したがって、吸入空気量の積算値が小さくなるにつれて、算出された基準温度と本来の基準温度との乖離度合いが大きくなる。
上記発明では、こうしたことを考慮して、内燃機関の始動から診断条件の成立までの吸入空気量の積算値が判定値未満のときには作動状態の診断を禁止するようにしているため、サーモスタットの異常を誤って検出することが抑制されるようになる。これにより、サーモスタットの異常の検出精度を向上させることができるようになる。
(9)請求項9に記載の発明は、ラジエータへの冷却水の供給量を調整するサーモスタットと、前記冷却水の温度を検出する冷却水温度検出手段と、前記冷却水の温度に相当する基準温度を吸気温度センサの検出値に基づいて推定する基準温度推定手段と、前記冷却水温度検出手段を通じて検出された前記冷却水の温度を検出温度として、診断条件が成立したときに前記検出温度と前記基準温度との比較に基づいて前記サーモスタットの作動状態を診断する診断手段とを備える内燃機関の冷却装置において、前記吸気温度センサの検出値と外気温度との差が上限値以上である状態を特定状態として、前記診断条件の成立前において前記特定状態となった期間が上限期間以上であることを示す条件が成立したとき、前記基準温度を補正する補正手段を備えることを要旨としている。
特定状態となった期間が上限期間以上のときには、算出された基準温度と本来の基準温度との乖離度合いが許容できない程に大きくなる。
上記発明では、こうしたことを考慮して、特定状態となった期間が上限期間以上であることを示す条件が成立したときには基準温度を補正するようにしているため、サーモスタットの異常を誤って検出することが抑制されるようになる。これにより、サーモスタットの異常の検出精度を向上させることができるようになる。
(10)請求項10に記載の発明は、ラジエータへの冷却水の供給量を調整するサーモスタットと、前記冷却水の温度を検出する冷却水温度検出手段と、前記冷却水の温度に相当する基準温度を吸気温度センサの検出値に基づいて推定する基準温度推定手段と、前記冷却水温度検出手段を通じて検出された前記冷却水の温度を検出温度として、診断条件が成立したときに前記検出温度と前記基準温度との比較に基づいて前記サーモスタットの作動状態を診断する診断手段とを備える内燃機関の冷却装置において、内燃機関の始動から前記診断条件の成立までの期間を所定期間とし、この所定期間において車両の走行速度が基準速度以上のときに算出された前記基準温度の変化量を第1変化量とし、前記所定期間において車両の走行速度が前記基準速度未満のときに算出された前記基準温度の変化量を第2変化量として、前記第1変化量に対する前記第2変化量の割合が判定値以上のとき、前記基準温度を補正する補正手段を備えることを要旨としている。
車両の走行速度が基準速度未満の状態においては、走行風による吸気温度センサの冷却が十分に行われないため、吸気温度センサの検出値と外気温度との乖離が増大するようになる。したがって、こうした状態で算出された基準温度の変化量(第2変化量)の割合が大きくなるにつれて、算出された基準温度と本来の基準温度との乖離度合いが大きくなる。
上記発明では、こうしたことを考慮して、第1変化量に対する第2変化量の割合が判定値以上のときには基準温度を補正するようにしているため、サーモスタットの異常を誤って検出することが抑制されるようになる。これにより、サーモスタットの異常の検出精度を向上させることができるようになる。
(11)請求項11に記載の発明は、ラジエータへの冷却水の供給量を調整するサーモスタットと、前記冷却水の温度を検出する冷却水温度検出手段と、前記冷却水の温度に相当する基準温度を吸気温度センサの検出値に基づいて推定する基準温度推定手段と、前記冷却水温度検出手段を通じて検出された前記冷却水の温度を検出温度として、診断条件が成立したときに前記検出温度と前記基準温度との比較に基づいて前記サーモスタットの作動状態を診断する診断手段とを備える内燃機関の冷却装置において、内燃機関の始動から前記診断条件の成立までの期間を所定期間とし、この所定期間における前記基準温度の変化量を第1変化量とし、前記所定期間において車両の走行速度が基準速度未満のときに算出された前記基準温度の変化量を第2変化量として、前記第1変化量に対する前記第2変化量の割合が判定値以上のとき、前記基準温度を補正する補正手段を備えることを要旨としている。
車両の走行速度が基準速度未満の状態においては、走行風による吸気温度センサの冷却が十分に行われないため、吸気温度センサの検出値と外気温度との乖離が増大するようになる。したがって、こうした状態で算出された基準温度の変化量(第2変化量)の割合が大きくなるにつれて、算出された基準温度と本来の基準温度との乖離度合いが大きくなる。
上記発明では、こうしたことを考慮して、第1変化量に対する第2変化量の割合が判定値以上のときには基準温度を補正するようにしているため、サーモスタットの異常を誤って検出することが抑制されるようになる。これにより、サーモスタットの異常の検出精度を向上させることができるようになる。
(12)請求項12に記載の発明は、請求項10または11に記載の内燃機関の冷却装置において、前記補正手段は、前記第1変化量に対する前記第2変化量の割合が増加するにつれて前記基準温度の補正度合いを大きくすることを要旨としている。
吸気温度センサの検出値と外気温度との乖離は、車両の走行速度が基準速度未満の状態の割合が大きくなるにつれて拡大する傾向を示す。そこで、上記発明を採用することで、基準温度の補正をより適切に行うことができるようになる。
(13)請求項13に記載の発明は、ラジエータへの冷却水の供給量を調整するサーモスタットと、前記冷却水の温度を検出する冷却水温度検出手段と、前記冷却水の温度に相当する基準温度を吸気温度センサの検出値に基づいて推定する基準温度推定手段と、前記冷却水温度検出手段を通じて検出された前記冷却水の温度を検出温度として、診断条件が成立したときに前記検出温度と前記基準温度との比較に基づいて前記サーモスタットの作動状態を診断する診断手段とを備える内燃機関の冷却装置において、内燃機関の始動から前記診断条件の成立までの期間を所定期間とし、この所定期間における前記基準温度の変化量を第1変化量とし、前記所定期間において車両の走行速度が基準速度以上のときに算出された前記基準温度の変化量を第2変化量として、前記第1変化量に対する前記第2変化量の割合が判定値未満のとき、前記基準温度を補正する補正手段を備えることを要旨としている。
(14)請求項14に記載の発明は、ラジエータへの冷却水の供給量を調整するサーモスタットと、前記冷却水の温度を検出する冷却水温度検出手段と、前記冷却水の温度に相当する基準温度を吸気温度センサの検出値に基づいて推定する基準温度推定手段と、前記冷却水温度検出手段を通じて検出された前記冷却水の温度を検出温度として、診断条件が成立したときに前記検出温度と前記基準温度との比較に基づいて前記サーモスタットの作動状態を診断する診断手段とを備える内燃機関の冷却装置において、内燃機関の始動から前記診断条件が成立するまでの間に車両の走行速度が基準速度以上の状態である第1特定走行状態がなされた時間を第1所定時間とし、内燃機関の始動から前記診断条件が成立するまでの間に車両の走行速度が前記基準速度未満の状態である第2特定走行状態がなされた時間を第2所定時間として、前記第1所定時間に対する前記第2所定時間の割合が判定値以上のとき、前記基準温度を補正する補正手段を備えることを要旨としている。
(15)請求項15に記載の発明は、ラジエータへの冷却水の供給量を調整するサーモスタットと、前記冷却水の温度を検出する冷却水温度検出手段と、前記冷却水の温度に相当する基準温度を吸気温度センサの検出値に基づいて推定する基準温度推定手段と、前記冷却水温度検出手段を通じて検出された前記冷却水の温度を検出温度として、診断条件が成立したときに前記検出温度と前記基準温度との比較に基づいて前記サーモスタットの作動状態を診断する診断手段とを備える内燃機関の冷却装置において、内燃機関の始動から前記診断条件が成立するまでの時間を第1所定時間とし、内燃機関の始動から前記診断条件が成立するまでの間に車両の走行速度が基準速度未満の状態である特定走行状態がなされた時間を第2所定時間として、前記第1所定時間に対する前記第2所定時間の割合が判定値以上のとき、前記基準温度を補正する補正手段を備えることを要旨としている。
車両の走行速度が基準速度未満の状態においては、走行風による吸気温度センサの冷却が十分に行われないため、吸気温度センサの検出値と外気温度との乖離が拡大するようになる。したがって、こうした状態の割合が大きくなるにつれて、算出された基準温度と本来の基準温度との乖離度合いが大きくなる。
上記発明では、こうしたことを考慮して、内燃機関の始動から診断条件の成立までの時間に対する特定走行状態の時間の割合が判定値以上のときには基準温度を補正するようにしているため、サーモスタットの異常を誤って検出することが抑制されるようになる。これにより、サーモスタットの異常の検出精度を向上させることができるようになる。
(16)請求項16に記載の発明は、請求項14または15に記載の内燃機関の冷却装置において、前記補正手段は、前記第1所定時間に対する前記第2所定時間の割合が増加するにつれて前記基準温度の補正度合いを大きくすることを要旨としている。
吸気温度センサの検出値と外気温度との乖離は、車両の走行速度が基準速度未満の状態の割合が大きくなるにつれて拡大する傾向を示す。そこで、請求項8に記載の発明を採用することで、基準温度の補正をより適切に行うことができるようになる。
(17)請求項17に記載の発明は、ラジエータへの冷却水の供給量を調整するサーモスタットと、前記冷却水の温度を検出する冷却水温度検出手段と、前記冷却水の温度に相当する基準温度を吸気温度センサの検出値に基づいて推定する基準温度推定手段と、前記冷却水温度検出手段を通じて検出された前記冷却水の温度を検出温度として、診断条件が成立したときに前記検出温度と前記基準温度との比較に基づいて前記サーモスタットの作動状態を診断する診断手段とを備える内燃機関の冷却装置において、内燃機関の始動から前記診断条件が成立するまでの時間を第1所定時間とし、内燃機関の始動から前記診断条件が成立するまでの間に車両の走行速度が基準速度以上の状態である特定走行状態がなされた時間を第2所定時間として、前記第1所定時間に対する前記第2所定時間の割合が判定値未満のとき、前記基準温度を補正する補正手段を備えることを要旨としている。
(18)請求項18に記載の発明は、ラジエータへの冷却水の供給量を調整するサーモスタットと、前記冷却水の温度を検出する冷却水温度検出手段と、前記冷却水の温度に相当する基準温度を吸気温度センサの検出値に基づいて推定する基準温度推定手段と、前記冷却水温度検出手段を通じて検出された前記冷却水の温度を検出温度として、診断条件が成立したときに前記検出温度と前記基準温度との比較に基づいて前記サーモスタットの作動状態を診断する診断手段とを備える内燃機関の冷却装置において、内燃機関の始動から前記診断条件の成立までの吸入空気量の積算値が判定値未満のとき、前記基準温度を補正する補正手段を備えることを要旨としている。
吸入空気量が少ない場合には、吸入空気による吸気温度センサの冷却が十分に行われないため、吸気温度センサの検出値と外気温度との乖離が拡大するようになる。したがって、吸入空気量の積算値が小さくなるにつれて、算出された基準温度と本来の基準温度との乖離度合いが大きくなる。
上記発明では、こうしたことを考慮して、内燃機関の始動から診断条件の成立までの吸入空気量の積算値が判定値未満のときには基準温度を補正するようにしているため、サーモスタットの異常を誤って検出することが抑制されるようになる。これにより、サーモスタットの異常の検出精度を向上させることができるようになる。
(19)請求項19に記載の発明は、請求項18に記載の内燃機関の冷却装置において、前記補正手段は、前記積算値が小さくなるにつれて前記基準温度の補正度合いを大きくすることを要旨としている。
吸気温度センサの検出値と外気温度との乖離は、吸入空気量の積算値が少なくなるにつれて拡大する傾向を示す。そこで、上記発明を採用することで、基準温度の補正をより適切に行うことができるようになる。
(20)請求項20に記載の発明は、請求項9〜19のいずれか一項に記載の内燃機関の冷却装置において、前記補正手段は、前記基準温度を小さくする方向へ補正することを要旨としている。
(21)請求項21に記載の発明は、ラジエータへの冷却水の供給量を調整するサーモスタットと、前記冷却水の温度を検出する冷却水温度検出手段と、前記冷却水の温度に相当する基準温度を吸気温度センサの検出値に基づいて推定する基準温度推定手段と、前記冷却水温度検出手段を通じて検出された前記冷却水の温度を検出温度として、診断条件が成立したときに前記検出温度と前記基準温度との比較に基づいて前記サーモスタットの作動状態を診断する診断手段とを備える内燃機関の冷却装置において、車両走行状態に応じて予め定められた補正量に基づいて前記吸気温度センサの検出値を小さくする方向に補正し、この補正をした後の検出値である補正後計測値に基づいて前記基準温度を算出する補正手段を備えることを要旨としている。
吸気温度センサはエンジンからの受熱により温度上昇するため、同センサの検出値は外気温度よりも高い値を示すようになる。
上記発明では、こうしたことを考慮して、吸気温度センサの検出値を小さくする方向へ補正した値に基づいて基準温度を算出するようにしているため、サーモスタットの異常を誤って検出することが抑制されるようになる。これにより、サーモスタットの異常の検出精度を向上させることができるようになる。
(22)請求項22に記載の発明は、請求項21に記載の内燃機関の冷却装置において、前記補正手段は、機関始動後の運転初期に前記吸気温度センサを通じて検出された値である初期計測値について、これを小さくする方向に補正した値を前記補正後計測値として設定することを要旨としている。
(23)請求項23に記載の発明は、ラジエータへの冷却水の供給量を調整するサーモスタットと、前記冷却水の温度を検出する冷却水温度検出手段と、前記冷却水の温度に相当する基準温度を吸気温度センサの検出値に基づいて推定する基準温度推定手段と、前記冷却水温度検出手段を通じて検出された前記冷却水の温度を検出温度として、診断条件が成立したときに前記検出温度と前記基準温度との比較に基づいて前記サーモスタットの作動状態を診断する診断手段とを備える内燃機関の冷却装置において、機関始動後の運転初期に前記吸気温度センサを通じて検出された値である初期計測値について、これを小さくする方向に補正した値を補正後計測値として設定し、機関始動後に前記吸気温度センサを通じて検出された値のうちの最小のものを最小計測値として設定し、これら補正後計測値と最小計測値とのうちの小さい方の値に基づいて前記基準温度を算出する補正手段を備えることを要旨としている。
(24)請求項24に記載の発明は、請求項21〜23のいずれか一項に記載の内燃機関の冷却装置において、前記補正手段は、車両の走行速度が基準速度未満のときの前記吸気温度センサの検出値に対する補正度合いである第1補正度合いについて、これを車両の走行速度が前記基準速度以上のときの前記吸気温度センサの検出値に対する補正度合いである第2補正度合いよりも大きく設定することを要旨としている。
車両の走行速度が基準速度未満の状態においては、走行風による吸気温度センサの冷却が十分に行われない。
上記発明では、こうしたことを考慮して、車両の走行速度が基準速度未満のときの補正度合いを車両の走行速度が基準速度以上のときの補正度合いよりも大きく設定するようにしているため、基準温度をより正確に算出することができるようになる。
(25)請求項25に記載の発明は、ラジエータへの冷却水の供給量を調整するサーモスタットと、前記冷却水の温度を検出する冷却水温度検出手段と、前記冷却水の温度に相当する基準温度を吸気温度センサの検出値に基づいて推定する基準温度推定手段と、前記冷却水温度検出手段を通じて検出された前記冷却水の温度を検出温度として、診断条件が成立したときに前記検出温度と前記基準温度との比較に基づいて前記サーモスタットの作動状態を診断する診断手段とを備える内燃機関の冷却装置において、前記吸気温度センサの検出値を小さくする方向に補正した値である補正後計測値に基づいて前記基準温度を算出する補正手段を備え、この補正手段は、車両の走行状態がアイドル状態のときの前記吸気温度センサの検出値に対する補正度合いを第1補正度合いとし、車両の走行状態がアイドル状態以外のときの前記吸気温度センサの検出値に対する補正度合いを第2補正度合いとして、第1補正度合いを第2補正度合いよりも大きく設定することを要旨としている。
(26)請求項26に記載の発明は、請求項25に記載の内燃機関の冷却装置において、前記補正手段は、機関始動後の運転初期に前記吸気温度センサを通じて検出された値である初期計測値について、これを小さくする方向に補正した値を前記補正後計測値として設定することを要旨としている。
(27)請求項27に記載の発明は、請求項24〜26のいずれか一項に記載の内燃機関の冷却装置において、前記補正手段は、前記吸気温度センサの冷却度合いに影響を及ぼすパラメータに基づいて前記第1補正度合い及び前記第2補正度合いの少なくとも一方を変更することを要旨としている。
(28)請求項28に記載の発明は、請求項1〜27のいずれか一項に記載の内燃機関の冷却装置において、前記基準温度推定手段は、前記サーモスタットに異常が生じていないことを前提として前記基準温度を推定することを要旨としている。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態について、図1〜図11を参照して説明する。
本実施形態では、燃焼室へ燃料を直接噴射するエンジンの冷却装置に対して本発明が適用された場合を想定している。
<車両の構造>
図1に、本発明が適用された車両について、エンジン周辺の構成を示す。
車両1は、エンジン2のクランクシャフト21によるホイール11の回転を通じて走行する。
エンジン2は、車両1のエンジンルーム12内に搭載されている。また、エンジン本体3と冷却装置6とを備えて構成されている。
車両1のキャビン13には、車両1やエンジン2の状態を表示するインジケーターパネル14が備えられている。
インジケーターパネル14には、冷却装置6を構成するサーモスタット61について、その作動状態の異常を表示するウォーニングランプ15が設けられている。ウォーニングランプ15は、後述する作動状態の診断処理を通じて作動状態の異常が検出されたときに点灯される。
<エンジンの構造>
図2に、エンジン2の全体構成を示す。
エンジン本体3は、シリンダブロック4とシリンダヘッド5とを備えて構成されている。また、エンジン本体3には、シリンダブロック4及びシリンダヘッド5へ冷却水31を供給するための通路(本体冷却水通路32)が形成されている。
エンジン2においては、冷却装置6のウォーターポンプ62を通じて冷却水31の流れが形成される。
ウォーターポンプ62は、クランクシャフト21を通じて駆動される。また、冷却装置6内の冷却水31を吸引して加圧した後、本体冷却水通路32へ冷却水31を吐出する。
シリンダブロック4には、複数のシリンダ41が備えられている。
シリンダ41の周囲には、ウォータージャケット42が形成されている。ウォータージャケット42は、本体冷却水通路32の一部として形成されている。
各シリンダ41内には、ピストン43が配置されている。また、シリンダ41の内周面とピストン43の頂面とシリンダヘッド5とに囲まれて燃焼室44が形成されている。
ピストン43は、コネクティングロッド45を介してクランクシャフト21と連結されている。
シリンダヘッド5には、インテークポート51を開閉するインテークバルブ52とエキゾーストポート54を開閉するエキゾーストバルブ55とが備えられている。
インテークポート51には、外部の空気を燃焼室44へ向けて流通させるインテークパイプ53が接続されている。
エキゾーストポート54には、燃焼室44から流出したガスを外部へ向けて流通させるエキゾーストパイプ56が接続されている。
インテークパイプ53には、エアクリーナ57が設けられている。また、エアクリーナ57の下流側且つエアクリーナ57の近傍には、センサユニット58が設けられている。
センサユニット58は、吸気温度センサ91及びエアフローメータ92を備えて構成されている。すなわち、センサユニット58の筐体内に吸気温度センサ91及びエアフローメータ92が備えられている。なお、エアフローメータ92としては、熱線式のエアフローメータが採用されている。
シリンダヘッド5において、燃焼室44と面する箇所にはインジェクタ59が設けられている。インジェクタ59は、燃焼室44内へ燃料を直接噴射する。
エンジン2は、電子制御装置9を通じて統括的に制御される。
電子制御装置9は、エンジン制御にかかる演算処理を実行する中央演算処理装置、エンジン制御に必要なプログラムやマップが予め記憶されたリードオンリーメモリ、中央演算処理装置の計算結果等を一時的に記憶するランダムアクセスメモリ、エンジン停止中においても演算結果等のデータを保存するバックアップメモリ、外部の信号を入力するための入力ポート、及び外部へ信号を出力するための出力ポート等を備えて構成されている。なお、本実施形態の電子制御装置9においては、基準温度推定手段及び診断手段も備えられている。
電子制御装置9の入力ポートには、吸気温度センサ91、エアフローメータ92、冷却水温度センサ93(冷却水温度検出手段)及び車速センサ94等が接続されている。また、電子制御装置9の出力ポートには、インジェクタ59の駆動回路等が接続されている。
吸気温度センサ91は、インテークパイプ53に設けられており、インテークパイプ53内の空気の温度(吸気温度THA)に応じた電気信号を出力する。吸気温度センサ91の出力信号は、電子制御装置9へ入力された後、吸気温度計測値THAMとして各種制御に用いられる。
エアフローメータ92は、インテークパイプ53に設けられており、インテークパイプ53内の空気の流量(吸気流量GA)に応じた電気信号を出力する。エアフローメータ92の出力信号は、電子制御装置9へ入力された後、吸気流量計測値GAMとして各種制御に用いられる。なお、吸気流量GAは、燃焼室44内へ供給される空気の量(吸入空気量)に相当する。
冷却水温度センサ93は、シリンダ41の周囲に設けられており、ウォータージャケット42内の冷却水31の温度(冷却水温度THW)に応じた電気信号を出力する。冷却水温度センサ93の出力信号は、電子制御装置9へ入力された後、冷却水温度計測値THWMとして各種制御に用いられる。
車速センサ94は、車両1のホイール11の近傍に設けられており、ホイール11の回転速度(車速SPD)に応じた電気信号を出力する。車速センサ94の出力信号は、電子制御装置9へ入力された後、車速計測値SPDMとして各種制御に用いられる。
電子制御装置9は、上記各センサの検出データ等に基づいて各種エンジン制御を実行する。例えば、燃料噴射制御においては、吸気流量GAに応じてインジェクタ59の燃料噴射量を調整する処理が行われる。
<冷却装置の構成>
図3に、冷却装置6の構成を示す。
冷却装置6は、サーモスタット61、ウォーターポンプ62及びラジエータ63を備えて構成されている。
サーモスタット61は、冷却水入口61Aを介して内部へ流入した冷却水31について、その流通経路をサーモスタットバルブ61Vにより変更する。すなわち、冷却水31の出口として次の第1冷却水出口61B及び第2冷却水出口61Cが設けられている。
・第1冷却水出口61Bは、サーモスタットバルブ61Vの開閉状態に応じて開放または閉鎖される。
・第2冷却水出口61Cは、サーモスタットバルブ61Vの開閉状態にかかわらず常に開放される。
サーモスタット61においては、冷却水31の温度が開弁温度THWT以上のときにサーモスタットバルブ61Vが開弁することにより、第1冷却水出口61Bが開放される。一方で、冷却水31の温度が開弁温度THWT未満のときにサーモスタットバルブ61Vが閉弁することにより、第1冷却水出口61Bが閉鎖される。
ラジエータ63は、冷却水入口63Aを介して内部へ流入した冷却水31を外気との間で熱交換させる。ラジエータ63で熱交換された冷却水31は、冷却水出口63Bを介してエンジン本体3へ還流される。
エンジン本体3と冷却装置6の各構成要素とは、冷却水供給管7を通じて次のように接続されている。
[A]エンジン本体3の本体冷却水通路32とサーモスタット61の冷却水入口61Aとは、第1冷却水供給管71により接続されている。すなわち、本体冷却水通路32から流出した冷却水31は、第1冷却水供給管71内の通路(第1冷却水通路71R)を介してサーモスタット61へ流入する。
[B]サーモスタット61の第1冷却水出口61Bとラジエータ63の冷却水入口63Aとは、第2冷却水供給管72により接続されている。すなわち、第1冷却水出口61Bから流出した冷却水31は、第2冷却水供給管72内の通路(第2冷却水通路72R)を介してラジエータ63に供給される。
[C]ラジエータ63の冷却水出口63Bとウォーターポンプ62の吸引口62Aとは、第3冷却水供給管73により接続されている。すなわち、冷却水出口63Bから流出した冷却水31は、第3冷却水供給管73内の通路(第3冷却水通路73R)を介してウォーターポンプ62に吸引される。
[D]サーモスタット61の第2冷却水出口61Cと第3冷却水供給管73とは、第4冷却水供給管74により接続されている。すなわち、第2冷却水出口61Cから流出した冷却水31は、第4冷却水供給管74内の通路(第4冷却水通路74R)を介してウォーターポンプ62に吸引される。
[E]ウォーターポンプ62の吐出口62Bとエンジン本体3の本体冷却水通路32とは、第5冷却水供給管75により接続されている。すなわち、ウォーターポンプ62から吐出された冷却水31は、第5冷却水供給管75内の通路(第5冷却水通路75R)を介してエンジン本体3へ供給される。
エンジン2においては、本体冷却水通路32と第1冷却水通路71R〜第5冷却水通路75Rとにより、エンジン本体3と冷却装置6との間で冷却水31を循環させるための冷却水循環回路が形成されている。
冷却水循環回路は、次の第1循環回路と第2循環回路とを含めて形成されている。
(A)第1循環回路は、本体冷却水通路32、第1冷却水通路71R、第2冷却水通路72R、第3冷却水通路73R及び第5冷却水通路75Rにより形成されている。第1循環回路においては、冷却水31がラジエータ63を介してエンジン本体3と冷却装置6との間で循環する。
(B)第2循環回路は、本体冷却水通路32、第1冷却水通路71R、第4冷却水通路74R、第3冷却水通路73R及び第5冷却水通路75Rにより形成されている。第2循環回路においては、冷却水31がラジエータ63を介することなくエンジン本体3と冷却装置6との間で循環する。
<冷却水の循環態様>
図4及び図5を参照して、冷却水31の循環態様について説明する。なお、図4及び図5において、実線の冷却水通路は冷却水の流れが形成される通路を、破線の冷却水通路は冷却水の流れが形成されない通路をそれぞれ示す。
〔1〕「冷却水の循環態様1」
図4に、冷却水31の第1循環態様を示す。
エンジン2においては、冷却水31の温度が開弁温度THWT以上のときにサーモスタットバルブ61Vが開弁するため、冷却水循環回路の第1循環回路及び第2循環回路が開放された状態となる。これにより、冷却水31が第1循環回路及び第2循環回路を通じて循環するようになる。
〔2〕「冷却水の循環態様2」
図5に、冷却水31の第2循環態様を示す。
エンジン2においては、冷却水31の温度が開弁温度THWT未満のときにサーモスタットバルブ61Vが閉弁するため、冷却水循環回路の第1循環回路が閉鎖される一方で第2循環回路が開放された状態となる。これにより、冷却水31が第2循環回路のみを通じて循環するようになる。
<サーモスタットの故障>
サーモスタット61においては、サーモスタットバルブ61Vが開弁した状態で作動しなくなる現象(開弁固着)が生じることもある。この開弁固着が生じている状態では、冷却水31の温度にかかわらず第1循環回路が開放された状態で保持されるため、冷却水31が常にラジエータ63を介して循環するようになる。したがって、サーモスタット61の開弁固着が生じている場合には、サーモスタット61の異常が生じていないときに比べて冷却水31の温度が上昇しにくくなる。これにより、例えば冷却水31の温度が過度に低くなることに起因してエミッションの悪化等をまねくようになる。
そこで、本実施形態の冷却装置6では、エンジン2の運転中においてサーモスタット61の作動状態の診断を行うとともに、この診断を通じてサーモスタット61の開弁固着が検出されたときには、ウォーニングランプ15の点灯を通じてサーモスタット61の異常を運転者に認識させるようにしている。なお、本実施形態においては、サーモスタット61に開弁固着が生じている状態をサーモスタット61の異常時とするとともに、サーモスタット61に開弁固着が生じていない状態をサーモスタット61の正常時としている。
<サーモスタットの異常診断方法>
図6に、サーモスタット61の正常時及び異常時における冷却水31の温度の推移を示す。なお、図6における各時刻tは、それぞれ次のタイミングを示す。
・時刻t61:エンジン2の運転が開始されたとき。
・時刻t62:サーモスタット61の正常時において冷却水31の温度が開弁温度THWTに到達したとき。
サーモスタット61の異常時には、上述のように冷却水31が常にラジエータ63を介して循環するため、サーモスタット61の正常時において冷却水31の温度が開弁温度THWTに達するタイミングとなっても、冷却水31の温度が開弁温度THWTよりも低い温度を示すようになる。
本実施形態の冷却装置6では、こうした冷却水31の温度推移の違いに着目して、次のようにサーモスタット61の異常を検出するようにしている。
(A)サーモスタット61の作動状態が正常であるとの前提のもとで、冷却水31の温度に影響をおよぼすパラメータに基づいて冷却水31の温度変化を模擬する。なお、本実施形態においては、こうして模擬された冷却水31の温度を冷却水温度模擬値THWEとしている。
(B)診断条件が成立したとき、冷却水温度模擬値THWEと実際の冷却水31の温度(冷却水温度センサ93を通じて検出された冷却水温度THW)との比較を通じてサーモスタット61の作動状態を診断する。すなわち、冷却水温度模擬値THWEの温度上昇度合いが冷却水温度計測値THWMの温度上昇度合いよりも大きいとき、サーモスタット61に異常が生じていると判断する。
<冷却水温度模擬値の算出方法>
本実施形態では、エンジン2の運転中において、次のように冷却水温度模擬値THWEの更新を行うようにしている。
[1]所定の演算周期毎に冷却水温度模擬値THWEの変化量(模擬水温変化量△THWE)、すなわちサーモスタット61の正常時における冷却水31の温度変化量に相当する値を算出する。
[2]上記模擬水温変化量△THWEを冷却水温度模擬値THWEに反映させることにより、冷却水温度模擬値THWEをそのときの運転状態等に適合した値へ更新する。
<模擬水温変化量の算出方法>
本実施形態では、冷却水31の温度変化に影響をおよぼすパラメータとして以下の(A)〜(C)の各パラメータを採用している。そして、各パラメータと模擬水温変化量△THWEとの関係を予め適合することにより、車両1の走行状態及びエンジン2の運転状態に応じて適切な模擬水温変化量△THWEを算出することができるようにしている。
(A)「エンジンの負荷」:エンジン2においては、その負荷(エンジン負荷LE)が大きくなるにつれて燃料の燃焼にともなう発熱量が多くなるため、冷却水31の温度が高くなる傾向を示す。そこで、本実施形態では、エンジン負荷LEと模擬水温変化量△THWEと関係を予め適合し、この関係に基づいて模擬水温変化量△THWEの算出を行うようにしている。なお、本実施形態においては、吸入空気率GAP、すなわち吸気流量計測値GAMと最大吸気流量GAmax(そのときの運転状態において得られる最大の吸気流量GAを)との比率をエンジン負荷LEとして採用している。
(B)「車両の走行速度」:エンジン2においては、車速SPDが大きくなるにつれてラジエータ63での冷却水31の熱交換が促進されるため、冷却水31の温度が上昇しにくくなる傾向を示す。そこで、本実施形態では、車速SPDと模擬水温変化量△THWEと関係を予め適合し、この関係に基づいて模擬水温変化量△THWEの算出を行うようにしている。
(C)「対外気温度差」:エンジン2においては、冷却水31と外気との温度差(対外気温度差DfTHWA)が大きくなるにつれて冷却水31の放熱が促進されるため、冷却水31の温度が上昇しにくくなる傾向を示す。そこで、本実施形態では、対外気温度差DfTHWAと模擬水温変化量△THWEと関係を予め適合し、この関係に基づいて模擬水温変化量△THWEの算出を行うようにしている。
エンジン2においては、実際の外気温度を直接的に検出することができないため、吸気温度計測値THAMを通じて外気温度を把握するようにしている。また、基本的には、吸気温度計測値THAMのうちで最小吸気温度計測値THAMmin(エンジン2の始動から現在までに得られた吸気温度計測値THAMのうちで最も小さい値)が外気温度と最も近い値を示すため、最小吸気温度計測値THAMminを外気温度の相当値として採用している。すなわち、本実施形態においては、冷却水温度模擬値THWEから最小吸気温度計測値THAMminを減算した値(対吸気温度差DfTHWB)を対外気温度差DfTHWAとして採用するようにしている。
<作動状態診断処理>
本実施形態のエンジン2においては、サーモスタット61の作動状態を診断するための処理として「作動状態診断処理」を実行するようにしている。「作動状態診断処理」は、電子制御装置9を通じて所定の演算周期毎に繰り返し実行される。
図7〜図11を参照して、「作動状態診断処理」の詳細な処理手順について説明する。
[ステップS100]冷却水温度模擬値THWEの更新を行うための「模擬水温更新処理(図8)」を開始する。「模擬水温更新処理」の終了後は、ステップS200の処理へ移行する。
[ステップS200]冷却水温度計測値THWM及び冷却水温度模擬値THWEに基づいてサーモスタット61の異常の検出を行うための「異常状態検出処理(図11)」を開始する。「異常状態検出処理」の終了後は、ステップS300の処理へ移行する。
[ステップS300]「異常状態検出処理」を通じて、サーモスタット61の作動状態の診断が実行されたか否かを判定する。すなわち、サーモスタット61の作動状態が異常であることを示すフラグ(異常診断フラグFA)及びサーモスタット61の作動状態が正常であることを示すフラグ(正常診断フラグFB)のいずれかがオンにされているか否かを判定する。
・いずれかのフラグがオンにされているとき、ステップS310の処理へ移行する。
・いずれのフラグもオンにされていないとき、ステップS320の処理へ移行する。
[ステップS310]異常診断フラグFAがオンにされているか否かを判定する。
・異常診断フラグFAがオンにされているとき、ステップS312の処理へ移行する。
・正常診断フラグFBがオンにされているとき、ステップS314の処理へ移行する。
[ステップS312]ウォーニングランプ15を点灯する。
[ステップS314]「作動状態診断処理」の終了を設定する。これにより、ステップS314の処理の終了ととも「作動状態診断処理」が終了される。
[ステップS320]「異常状態検出処理」を通じて、サーモスタット61の作動状態の診断が保留されているか否かを判定する。すなわち、サーモスタット61の作動状態の診断について、その実行を保留する判断がなされたことを示すフラグ(診断保留フラグFC)がオンにされているか否かを判定する。
・診断保留フラグFCがオンにされているとき、ステップS314の処理へ移行する。
・診断保留フラグFCがオフにされているとき、本処理を一旦終了する。
<模擬水温更新処理>
図8〜図10を参照して、「模擬水温更新処理」の処理手順について説明する。
[ステップS110]今回の演算周期がエンジン2の始動後における最初の演算周期か否かを判定する。
・最初の演算周期のとき、ステップS112の処理へ移行する。
・最初の演算周期でないとき、ステップS114の処理へ移行する。
[ステップS112]冷却水温度計測値THWMの初期値(初期冷却水温度計測値THWMini)を冷却水温度模擬値THWEの初期値(初期冷却水温度模擬値THWEini)として設定する。
[ステップS114]エンジン負荷LE、車速SPD及び対外気温度差DfTHWAに基づいて、模擬水温変化量△THWEを算出する。具体的には、次の[ステップS114−1]及び[ステップS114−2]の処理を通じて模擬水温変化量△THWEの算出を行う。
[ステップS114−1]模擬水温変化量△THWEの算出に用いる各パラメータをそれぞれ以下に示す態様をもって設定する。
(a)今回の演算周期の吸気流量計測値GAM及び最大吸気流量GAmaxから算出した吸入空気率GAPをエンジン負荷LEとして設定する。
(b)今回の演算周期の車速計測値SPDMを車速SPDとして設定する。
(c)今回の演算周期の冷却水温度模擬値THWE及び最小吸気温度計測値THAMminから算出した対吸気温度差DfTHWBを対外気温度差DfTHWAとして設定する。
[ステップS114−2]エンジン負荷LE、車速SPD及び対外気温度差DfTHWAと模擬水温変化量△THWEとの関係が設定されたマップ(模擬水温変化量算出マップ(図9))に上記[ステップS114−1]の各パラメータを適用することにより、模擬水温変化量△THWEを算出する。なお、本実施形態においては、模擬水温変化量算出マップの設定形式として次のような形式を採用している。すなわち、エンジン負荷LE及び対外気温度差DfTHWAと模擬水温変化量△THWEとの関係を設定した2次元マップについて、このマップを所定の車速SPD毎に用意している。
模擬水温変化量算出マップ(図9)は、試験等を通じてエンジン負荷LE、対外気温度差DfTHWA及び車速SPDと模擬水温変化量△THWEとの関係を予め把握してマップ化することにより構成されている。同マップにおいて、各パラメータと模擬水温変化量△THWEとの関係は次のように設定されている。
(a)冷却水温度THWは、基本的にはエンジン負荷LEが高負荷側へ変化するにつれて上昇する。上記マップにおいては、こうした冷却水温度THWの変化傾向に即してエンジン負荷LEと模擬水温変化量△THWEとの関係が設定されている。
(b)冷却水温度THWは、基本的には対外気温度差DfTHWAが大きくなるにつれて低下する。上記マップにおいては、こうした冷却水温度THWの変化傾向に即して対外気温度差DfTHWAと模擬水温変化量△THWEとの関係が設定されている。
(c)冷却水温度THWは、基本的には車速SPDが高速側へ変化するにつれて低下する。上記マップにおいては、こうした冷却水温度THWの変化傾向に即して車速SPDと模擬水温変化量△THWEとの関係が設定されている。
[ステップS116]現在の冷却水温度模擬値THWE(前回の演算周期において算出された冷却水温度模擬値THWE)に模擬水温変化量△THWEを反映させることにより冷却水温度模擬値THWEを更新する。すなわち、下記[式11]を通じて、冷却水温度模擬値THWEの算出を行う。

[式11]

THWE ← THWE + △THWE

なお、本実施形態においては、時間に対して冷却水温度模擬値THWEの推移をトレースした曲線(模擬水温曲線LCC)が、サーモスタット61の正常時における実際の冷却水温度THWの推移をトレースした曲線(正常水温曲線LCA)とサーモスタット61の異常時における実際の冷却水温度THWの推移をトレースした曲線(異常水温曲線LCB)との間に位置するように模擬水温変化量△THWEが適合されている。すなわち、模擬水温曲線LCCと正常水温曲線LCAと異常水温曲線LCBとの関係が、図6に示される関係となるように冷却水温度模擬値THWEの更新が行われる。このため、上記[式11]を通じて算出された冷却水温度模擬値THWEは、サーモスタット61の正常時における実際の冷却水温度THWとは異なった値を示す。
[ステップS120]車両1の走行状態がアイドル状態か否かを判定する。ここでは、アイドル運転条件(以下の(a)及び(b)の条件)が成立しているときに走行状態がアイドル状態であると判断する。一方で、アイドル運転条件が成立していないときに走行状態がアイドル状態でない(通常走行状態である)と判断する。なお、アイドル運転条件としては、以下の(a)及び(b)の条件に限られず適宜の条件を設定することができる。
(a)アクセルペダルの操作量が「0」(アクセルペダルが開放されている)。
(b)車速計測値SPDMが判定値未満(車両1の状態が停車またはそれに相当する状態にある)。
ステップS120の判定処理を通じて、次のように以降の処理が行われる。
・走行状態がアイドル状態のとき、ステップS122の処理へ移行する。
・走行状態が通常走行状態のとき、ステップS124の処理へ移行する。
[ステップS122]アイドル状態における模擬水温変化量△THWEの積算値(アイドル水温変化量△THWEA)を算出する。すなわち、下記[式12]を通じてアイドル水温変化量△THWEAの算出を行う。

[式12]

△THWEA ← △THWEA + △THWE

上記[式12]において、右辺の「△THWEA」は、今回の演算周期以前において算出された最新のアイドル水温変化量△THWEAを示す。また、「△THWE」は、今回の演算周期においてステップS114の処理を通じて算出された模擬水温変化量△THWEを示す。
アイドル水温変化量△THWEAは、ステップS120の判定処理を通じてアイドル状態のときにのみ更新されるように設定されている。なお、アイドル水温変化量△THWEAの初期値は「0」に設定されている。
[ステップS124]通常走行状態における模擬水温変化量△THWEの積算値(通常走行水温変化量△THWEB)を算出する。すなわち、下記[式13]を通じて通常走行水温変化量△THWEBの算出を行う。

[式13]

△THWEB ← △THWEB + △THWE

上記[式13]において、右辺の「△THWEB」は、今回の演算周期以前において算出された最新の通常走行水温変化量△THWEBを示す。また、「△THWE」は、今回の演算周期においてステップS114の処理を通じて算出された模擬水温変化量△THWEを示す。
通常走行水温変化量△THWEBは、ステップS120の判定処理を通じて通常走行状態のときにのみ更新されるように設定されている。なお、通常走行水温変化量△THWEBの初期値は「0」に設定されている。
図10を参照して、アイドル水温変化量△THWEA及び通常走行水温変化量△THWEBの更新態様の一例について説明する。図10の各時刻tは、それぞれ次のタイミングを示す。
・時刻t101:エンジン2の運転が開始されたとき。
・時刻t102:車両1の走行状態がアイドル状態から通常走行状態へ変化したとき。
・時刻t103:車両1の走行状態が通常走行状態からアイドル状態へ変化したとき。
・時刻t104:作動状態の診断を行うタイミングに達したとき。
車両1の走行状態が上述のように変化した場合、アイドル水温変化量△THWEA及び通常走行水温変化量△THWEBはそれぞれ次のように更新される。
(A)時刻t101から時刻t102までの期間においては、走行状態がアイドル状態であるため、アイドル水温変化量△THWEAが初期値の「0」から変化量△THWEA1まで増加する。一方で、通常走行水温変化量△THWEBが初期値の「0」に保持される。
(B)時刻t102から時刻t103までの期間においては、走行状態が通常走行状態であるため、通常走行水温変化量△THWEBが初期値の「0」から変化量△THWEB1まで増加する。一方で、アイドル水温変化量△THWEAが上記変化量△THWEA1に保持される。
(C)時刻t103から時刻t104までの期間においては、走行状態がアイドル状態であるため、アイドル水温変化量△THWEAが上記変化量△THWEA1から変化量△THWEA2まで増加する。一方で、通常走行水温変化量△THWEBが上記変化量△THWEB1に保持される。
<異常状態検出処理>
図11を参照して、「異常状態検出処理」の処理手順について説明する。
[ステップS210]サーモスタット61の作動状態の診断を行うタイミングに達したか否か(診断条件が成立したか否か)を判定する。すなわち、冷却水温度計測値THWM及び冷却水温度模擬値THWEのいずれかが診断温度THWDに達したか否かを判定する。なお、以降では、作動状態の診断タイミングにおける冷却水温度模擬値THWEを判定冷却水温度模擬値THWEfinとする。
診断温度THWDは、試験等を通じて予め設定されている。本実施形態では、サーモスタット61の標準的な開弁温度THWT(一般には82℃)を基準値として、この基準値に冷却水温度センサ93の検出誤差等を加味して診断温度THWDを設定するようにしている。具体的には、開弁温度THWTの基準値よりも若干低い温度(ここでは75℃)が診断温度THWDとして設定されている。これにより、正常なサーモスタットが開弁するタイミングのうち、想定される最も早いタイミングにおいて作動状態の診断が行われるようになる。
ステップS210の判定処理を通じて、次のように以降の処理が行われる。
・冷却水温度計測値THWM及び冷却水温度模擬値THWEのいずれかが診断温度THWDに達しているとき、ステップS212の処理へ移行する。
・冷却水温度計測値THWM及び冷却水温度模擬値THWEのいずれかもが診断温度THWDに達していないとき、本処理を一旦終了する。
[ステップS212]通常走行水温変化量△THWEBに対するアイドル水温変化量△THWEAの割合(水温変化量比率△THWEP)を算出する。すなわち、下記[式14]を通じて水温変化量比率△THWEPの算出を行う。

[式14]

△THWEP ← △THWEA/△THWEB

上記[式14]において、「△THWEA」は、今回の演算周期または以前の演算周期において算出された最新のアイドル水温変化量△THWEAを示す。同じく、「△THWEB」は、今回の演算周期または以前の演算周期において算出された最新の通常走行水温変化量△THWEBを示す。
[ステップS220]水温変化量比率△THWEPが上限比率XP以上か否かを判定する。なお、上限比率XPは、水温変化量比率△THWEPとの比較を通じて、サーモスタット61の作動状態の診断を正確に行うことができるか否かを判定するための値として、試験等を通じて予め設定されている。
電子制御装置9は、ステップS220の判定処理を通じて、作動状態の診断について次のように判断する。
(a)水温変化量比率△THWEPが上限比率XP以上のとき、作動状態の診断を正確に行うことができないと判断する。この判定結果が得られたときは、ステップS222の処理へ移行する。
(b)水温変化量比率△THWEPが上限比率XP未満のとき、作動状態の診断を正確に行うことができると判断する。この判定結果が得られたときは、ステップS230の処理へ移行する。
なお、本実施形態においては、「水温変化量比率△THWEPが上限比率XP以上」の条件が、「診断条件の成立前において特定状態(吸気温度センサの検出値と外気温度との差が上限値以上である状態)となった期間が上限期間以上であることを示す条件」に相当する。
図10を参照して、作動状態の診断タイミングにおける処理態様の一例について説明する。
時刻t104の診断タイミングにおいては、アイドル水温変化量△THWEA2と通常走行水温変化量△THWEB1とに基づいて水温変化量比率△THWEPが算出される。そして、この算出された水温変化量比率△THWEPと上限比率XPとの比較を通じて、サーモスタット61の作動状態の診断を実行するか否かの判断がなされる。
なお、判定冷却水温度模擬値THWEfinと初期冷却水温度模擬値THWEiniとの差(模擬水温全変化量△THWEall)、アイドル水温変化量△THWEAと通常走行水温変化量△THWEBとを加算した値と等しくなる。図10に示すケースにおいては、時刻t101から時刻t104までの期間における冷却水温度模擬値THWEの変化量が、アイドル水温変化量△THWEA2と通常走行水温変化量△THWEB1とを加算した値と等しくなる。
[ステップS222]診断保留フラグFCをオンにする。
[ステップS230]冷却水温度模擬値THWEが冷却水温度計測値THWMよりも先に診断温度THWDへ到達したか否かを判定する。
・冷却水温度模擬値THWEが先に診断温度THWDへ到達しているとき、ステップS232の処理へ移行する。
・冷却水温度計測値THWMが先に診断温度THWDへ到達しているとき、ステップS234の処理へ移行する。
[ステップS232]異常診断フラグFAをオンにする。
[ステップS234]正常診断フラグFBをオンにする。なお、ステップS222、ステップS232またはステップS234の処理を通じてオンにされたフラグは、ステップS314による「作動状態診断処理」の終了から次回の「作動状態診断処理」の開始まで間に初期化される(フラグがオフにされる)。
<水温変化量比率と上限比率との比較について>
上記「作動状態診断処理」においては、水温変化量比率△THWEPを算出するとともに、水温変化量比率△THWEPと上限比率XPとの比較を通じて、サーモスタット61の作動状態の診断を実行するか否かの判断を行うようにしている。
ここでは、こうした判断を行うようにしていることの理由について説明する。
エンジン2においては、吸気温度センサ91がエンジン2から放出された熱及びエアフローメータ92から放出された熱を受けることにより、センサ自体の温度が上昇するようになる。ちなみに、本実施形態においては、吸気温度センサ91として、エアフローメータ92とともにセンサユニット58内に備えられたタイプの吸気温度センサを採用しているため、吸気温度センサ91がエアフローメータ92からの熱を受けやすい状態にある。
これにより、吸気温度計測値THAMが実際の外気温度よりも高い値を示すとともに、吸気温度センサ91の温度上昇度合いが大きくなるにつれて吸気温度計測値THAMと外気温度との乖離が増大するようになる。特に、エンジン2の停止後において、エンジン2が十分に冷却されていない状態での再始動(いわゆる高温再始動)が行われた場合には、通常のエンジン始動時(エンジン2が十分に冷却された後の始動時)に比べて吸気温度センサ91自体の温度が高い状態で吸気温度THAの計測が行われるため、吸気温度計測値THAMと外気温度との乖離が顕著となる。
上記「作動状態診断処理」においては、上述したように、吸気温度計測値THAMに基づいて対外気温度差DfTHWAの相当値(対吸気温度差DfTHWB)を算出するとともに、この相当値に基づいて模擬水温変化量△THWEの算出を行うようにしているため、上記吸気温度センサ91の温度上昇により次のようなことが問題となる。すなわち、冷却水温度模擬値THWEについて、実際の外気温度が適切に反映されていない模擬水温変化量△THWEに基づいて更新される度合いが高くなるため、判定冷却水温度模擬値THWEfinが本来設定されるべき値(実際の外気温度に基づいて算出された冷却水温度模擬値THWE)から大きく乖離するようになる。また、吸気温度計測値THAMが外気温度よりも高い値を示すことにより、模擬水温変化量△THWEとして本来算出されるべき値を上回る値が算出されるようになる。
こうしたことから、吸気温度計測値THAMと外気温度との乖離が過度に大きい場合には、サーモスタット61の正常時においても冷却水温度模擬値THWEの上昇率が実際の冷却水温度THWの上昇率を上回るようになる。この場合、冷却水温度模擬値THWEが実際の冷却水温度THW(冷却水温度計測値THWM)よりも先に診断温度THWDへ達するため、サーモスタット61の作動状態が正常であるにもかかわらず作動状態が異常であるとの診断がなされるようになる。
一方で、エンジン2においては、車両1の走行にともなってエンジンルーム12内へ供給される走行風やインテークパイプ53内へ吸入される空気を通じて吸気温度センサ91が冷却されるため、こうした走行風や吸入空気によるセンサの冷却が十分に行われる場合には、吸気温度計測値THAMと外気温度との乖離が過度に大きくなることが回避されるようになる。
したがって、エンジン2の始動から診断タイミングまでの期間において、走行風の供給量や吸気流量の多い車両1の通常走行が比較的長い期間にわたってなされた場合には、判定冷却水温度模擬値THWEfinの信頼性が十分に確保されるようになる。すなわち、算出された冷却水温度模擬値THWEと本来の冷却水温度模擬値THWE(実際の外気温度に基づいて算出された冷却水温度模擬値THWE)との乖離が作動状態の診断において許容できる程度の大きさとなる。
反対に、エンジン2の始動から診断タイミングまでの期間において、エンジンルーム12内へ走行風が供給されないとともに吸気流量の少ない車両1のアイドルが比較的長い期間にわたってなされた場合には、判定冷却水温度模擬値THWEfinの信頼性が十分に確保されないようになる。すなわち、算出された冷却水温度模擬値THWEと本来の冷却水温度模擬値THWE(実際の外気温度に基づいて算出された冷却水温度模擬値THWE)との乖離が作動状態の診断において許容できない程に大きなものとなる。
こうしたことから、通常走行水温変化量△THWEBに対するアイドル水温変化量△THWEAの割合が上限比率XP以上のとき、すなわち模擬水温全変化量△THWEallに対するアイドル水温変化量△THWEAの割合が上限値以上のときには、作動状態の診断を正確に行うことのできない状態であると判断することができる。
そこで、本実施形態の「作動状態診断処理」においては、水温変化量比率△THWEPと上限比率XPとの比較を通じて、作動状態の診断の実行または保留を選択するようにしている。これにより、十分な信頼性が確保されていない判定冷却水温度模擬値THWEfinに基づいて作動状態の診断が実行されることが抑制されるようになる。
<実施形態の効果>
以上詳述したように、この第1実施形態にかかる内燃機関の冷却装置によれば、以下に示すような効果が得られるようになる。
(1)本実施形態の冷却装置では、水温変化量比率△THWEPが上限比率XP以上のとき、作動状態の診断を保留するようにしている。これにより、サーモスタット61の異常を誤って検出することが抑制されるようになるため、サーモスタット61の異常の検出精度を向上させることができるようになる。
<実施形態のその他の構成>
なお、上記第1実施形態は、例えば以下に示すように変更して実施することもできる。
・上記第1実施形態では、診断タイミングにおいて水温変化量比率△THWEPが上限比率XP以上のとき、作動状態の診断を保留するようにしたが、例えば次の[変更例1]及び[変更例2]のように変更することもできる。なお、以下の各変更例において、電子制御装置9は補正手段を含めて構成される。
[変更例1]:冷却水温度模擬値THWE(判定冷却水温度模擬値THWEfin)を小さくする補正を行う。そして、補正後の冷却水温度模擬値THWEと冷却水温度計測値THWMとの比較を通じて作動状態の診断を実行する。
[変更例2]:上記[変更例1]において、水温変化量比率△THWEPの大きさに応じて冷却水温度模擬値THWEに対する補正度合いを変更する。この場合、水温変化量比率△THWEPが大きくなるにつれて冷却水温度模擬値THWEの補正値が大きく設定される。すなわち、水温変化量比率△THWEPの増加にともなって冷却水温度模擬値THWEがより小さい値に補正される。
・上記第1実施形態では、水温変化量比率△THWEPが上限比率XP以上のときに作動状態の診断を保留するようにしたが、例えば次のように変更することもできる。すなわち、水温変化量比率△THWEPが上限比率XP以上のとき、冷却水温度模擬値THWEを一定値だけ減算して冷却水温度模擬値THWEの更新を継続することもできる。この場合、再度、診断の実行または保留を判断する機会が得られるため、冷却水温度模擬値THWEを減算した後における冷却水温度模擬値THWEの更新態様によっては作動状態の診断を実行することが可能となる。
・上記第1実施形態にて述べたように、エンジン2の高温再始動時と通常始動時とでは始動時における吸気温度センサ91自体の温度が異なるため、こうした温度の違いを考慮して、高温再始動時における上限比率XPと通常始動時における上限比率XPとを異なる値に設定することもできる。この場合、通常始動時の上限比率XPは高温再始動時の上限比率XPよりも小さい値に設定される。
・上記第1実施形態では、水温変化量比率△THWEPと上限比率XPとの比較に基づいて作動状態の診断の実行または保留を選択するようにしたが、例えば次の[変更例A]〜[変更例F]のように変更することもできる。
〔1〕「[変更例A]について」
[変更例A]として、以下の[変更例A1]〜[変更例A3]の構成を採用することができる。なお、[変更例A1]は上記第1実施形態に対して、[変更例A2]は[変更例A1]に対して、[変更例A3]は[変更例A2]に対してそれぞれ適用することができる。また、[変更例A2]及び[変更例A3]において、電子制御装置9は補正手段を含めて構成される。
[変更例A1]:上記第1実施形態の各処理を次のように変更する。
(A)ステップS212の処理において、模擬水温全変化量△THWEallに対するアイドル水温変化量△THWEAの割合(アイドル変化量割合)を算出する。
(B)ステップS220の処理において、アイドル変化量割合と判定値との比較を通じて診断の実行または保留を選択する。すなわち、アイドル変化量割合が判定値以上のときは、診断の実行を保留する(診断保留フラグFCをオンにする)。一方、アイドル変化量割合が判定値未満のときは、診断の実行を許可する(ステップS230へ移行する)。なお、この構成を採用する場合には、ステップS124の処理を省略することができる。
[変更例A2]:上記[変更例A1]において、アイドル変化量割合が判定値以上のとき、冷却水温度模擬値THWE(判定冷却水温度模擬値THWEfin)を小さくする補正を行う。そして、補正後の冷却水温度模擬値THWEと冷却水温度計測値THWMとの比較を通じて作動状態の診断を実行する。
[変更例A3]:上記[変更例A2]において、アイドル変化量割合の大きさに応じて冷却水温度模擬値THWEに対する補正度合いを変更する。この場合、アイドル変化量割合が大きくなるにつれて冷却水温度模擬値THWEの補正値が大きく設定される。すなわち、アイドル変化量割合の増加にともなって冷却水温度模擬値THWEがより小さい値に補正される。
なお、上記[変更例A]においては、「アイドル変化量割合が判定値以上」の条件が、「診断条件の成立前において特定状態(吸気温度センサの検出値と外気温度との差が上限値以上である状態)となった期間が上限期間以上であることを示す条件」に相当する。
〔2〕「[変更例B]について」
[変更例B]として、以下の[変更例B1]〜[変更例B3]の構成を採用することができる。なお、[変更例B1]は上記第1実施形態に対して、[変更例B2]は[変更例B1]に対して、[変更例B3]は[変更例B2]に対してそれぞれ適用することができる。また、[変更例B2]及び[変更例B3]において、電子制御装置9は補正手段を含めて構成される。
[変更例B1]:上記第1実施形態の各処理を次のように変更する。
(A)ステップS212の処理において、模擬水温全変化量△THWEallに占める通常走行水温変化量△THWEBの割合(通常走行割合)を算出する。
(B)ステップS220の処理において、通常走行変化量割合と判定値との比較を通じて診断の実行または保留を選択する。すなわち、通常走行変化量割合が判定値未満のときは、診断の実行を保留する(診断保留フラグFCをオンにする)。一方、通常走行変化量割合が判定値以上のときは、診断の実行を許可する(ステップS230へ移行する)。なお、この構成を採用する場合には、ステップS122の処理を省略することができる。
[変更例B2]:上記[変更例B1]において、通常走行変化量割合が判定値未満のとき、冷却水温度模擬値THWE(判定冷却水温度模擬値THWEfin)を小さくする補正を行う。そして、補正後の冷却水温度模擬値THWEと冷却水温度計測値THWMとの比較を通じて作動状態の診断を実行する。
[変更例B3]:上記[変更例B2]において、通常走行変化量割合の大きさに応じて冷却水温度模擬値THWEに対する補正度合いを変更する。この場合、通常走行変化量割合が小さくなるにつれて冷却水温度模擬値THWEの補正値が大きく設定される。すなわち、通常走行変化量割合の減少にともなって冷却水温度模擬値THWEがより小さい値に補正される。
なお、上記[変更例B]においては、「通常走行変化量割合が判定値未満」の条件が、「診断条件の成立前において特定状態(吸気温度センサの検出値と外気温度との差が上限値以上である状態)となった期間が上限期間以上であることを示す条件」に相当する。
〔3〕「[変更例C]について」
[変更例C]として、以下の[変更例C1]〜[変更例C3]の構成を採用することができる。なお、[変更例C1]は上記第1実施形態に対して、[変更例C2]は[変更例C1]に対して、[変更例C3]は[変更例C2]に対してそれぞれ適用することができる。また、[変更例C2]及び[変更例C3]において、電子制御装置9は補正手段を含めて構成される。
[変更例C1]:上記第1実施形態の各処理を次のように変更する。
(A)ステップS122の処理において、エンジン2の始動から現在までにおけるアイドル状態の積算時間(アイドル積算時間)を算出する。
(B)ステップS124の処理において、エンジン2の始動から現在までにおける通常走行状態の積算時間(通常走行積算時間)を算出する。
(C)ステップS212の処理において、通常走行積算時間に対するアイドル積算時間の割合(積算比率(アイドル積算時間/通常走行積算時間))を算出する。
(D)ステップS220の処理において、積算比率と判定値との比較を通じて診断の実行または保留を選択する。すなわち、積算比率が判定値以上のときは、診断の実行を保留する(診断保留フラグFCをオンにする)。一方、積算比率が判定値未満のときは、診断の実行を許可する(ステップS230へ移行する)。
[変更例C2]:上記[変更例C1]において、積算比率が判定値以上のとき、冷却水温度模擬値THWE(判定冷却水温度模擬値THWEfin)を小さくする方向へ補正する。そして、補正後の冷却水温度模擬値THWEと冷却水温度計測値THWMとの比較を通じて作動状態の診断を実行する。
[変更例C3]:上記[変更例C2]において、積算比率の大きさに応じて冷却水温度模擬値THWEに対する補正度合いを変更する。この場合、積算比率が大きくなるにつれて冷却水温度模擬値THWEの補正値が大きく設定される。すなわち、積算比率の増加にともなって冷却水温度模擬値THWEがより小さい値に補正される。
なお、上記[変更例C]においては、「積算比率が判定値以上」の条件が、「診断条件の成立前において特定状態(吸気温度センサの検出値と外気温度との差が上限値以上である状態)となった期間が上限期間以上であることを示す条件」に相当する。
〔4〕「[変更例D]について」
[変更例D]として、以下の[変更例D1]〜[変更例D3]の構成を採用することができる。なお、[変更例D1]は上記第1実施形態に対して、[変更例D2]は[変更例D1]に対して、[変更例D3]は[変更例D2]に対してそれぞれ適用することができる。また、[変更例D2]及び[変更例D3]において、電子制御装置9は補正手段を含めて構成される。
[変更例D1]:上記第1実施形態の各処理を次のように変更する。
(A)ステップS122の処理において、エンジン2の始動から現在までにおけるアイドル状態の積算時間(アイドル積算時間)を算出する。
(B)ステップS212の処理において、今回のトリップの全走行時間に対するアイドル積算時間の割合(アイドル時間割合)を算出する。
(C)ステップS220の処理において、アイドル時間割合と判定値との比較を通じて診断の実行または保留を選択する。すなわち、アイドル時間割合が判定値以上のときは、診断の実行を保留する(診断保留フラグFCをオンにする)。一方、アイドル時間割合が判定値未満のときは、診断の実行を許可する(ステップS230へ移行する)。なお、この構成を採用する場合には、ステップS124の処理を省略することができる。
[変更例D2]:上記[変更例D1]において、アイドル時間割合が判定値以上のとき、冷却水温度模擬値THWE(判定冷却水温度模擬値THWEfin)を小さくする補正を行う。そして、補正後の冷却水温度模擬値THWEと冷却水温度計測値THWMとの比較を通じて作動状態の診断を実行する。
[変更例D3]:上記[変更例D2]において、アイドル時間割合の大きさに応じて冷却水温度模擬値THWEに対する補正度合いを変更する。この場合、アイドル時間割合が大きくなるにつれて冷却水温度模擬値THWEの補正値が大きく設定される。すなわち、アイドル時間割合の増加にともなって冷却水温度模擬値THWEがより小さい値に補正される。
なお、上記[変更例D]においては、「アイドル時間割合が判定値以上」の条件が、「診断条件の成立前において特定状態(吸気温度センサの検出値と外気温度との差が上限値以上である状態)となった期間が上限期間以上であることを示す条件」に相当する。
〔5〕「[変更例E]について」
[変更例E]として、以下の[変更例E1]〜[変更例E3]の構成を採用することができる。なお、[変更例E1]は上記第1実施形態に対して、[変更例E2]は[変更例E1]に対して、[変更例E3]は[変更例E2]に対してそれぞれ適用することができる。また、[変更例E2]及び[変更例E3]において、電子制御装置9は補正手段を含めて構成される。
[変更例E1]:上記第1実施形態の各処理を次のように変更する。
(A)ステップS124の処理において、エンジン2の始動から現在までにおける通常走行状態の積算時間(通常走行積算時間)を算出する。
(B)ステップS212の処理において、今回のトリップの全走行時間に対する通常走行積算時間の割合(通常走行時間割合)を算出する。
(C)ステップS220の処理において、通常走行時間割合と判定値との比較を通じて診断の実行または保留を選択する。すなわち、通常走行時間割合が判定値未満のときは、診断の実行を保留する(診断保留フラグFCをオンにする)。一方、通常走行時間割合が判定値以上のときは、診断の実行を許可する(ステップS230へ移行する)。なお、この構成を採用する場合には、ステップS122の処理を省略することができる。
[変更例E2]:上記[変更例E1]において、通常走行時間割合が判定値未満のとき、冷却水温度模擬値THWE(判定冷却水温度模擬値THWEfin)を小さくする補正を行う。そして、補正後の冷却水温度模擬値THWEと冷却水温度計測値THWMとの比較を通じて作動状態の診断を実行する。
[変更例E3]:上記[変更例E2]において、通常走行時間割合の大きさに応じて冷却水温度模擬値THWEに対する補正度合いを変更する。この場合、通常走行時間割合が小さくなるにつれて冷却水温度模擬値THWEの補正値が大きく設定される。すなわち、通常走行時間割合の減少にともなって冷却水温度模擬値THWEがより小さい値に補正される。
なお、上記[変更例E]においては、「通常走行時間割合が判定値未満」の条件が、「診断条件の成立前において特定状態(吸気温度センサの検出値と外気温度との差が上限値以上である状態)となった期間が上限期間以上であることを示す条件」に相当する。
〔6〕「[変更例F]について」
[変更例F]として、以下の[変更例F1]〜[変更例F3]の構成を採用することができる。なお、[変更例F1]は上記第1実施形態に対して、[変更例F2]は[変更例F1]に対して、[変更例F3]は[変更例F2]に対してそれぞれ適用することができる。また、[変更例F2]及び[変更例F3]において、電子制御装置9は補正手段を含めて構成される。
[変更例F1]:上記第1実施形態の各処理を次のように変更する。
(A)ステップS212の処理において、エンジン2の始動から現在までにおける吸入空気量の積算値(吸気量積算値)を算出する。
(B)ステップS220の処理において、吸気量積算値と判定値との比較を通じて診断の実行または保留を選択する。すなわち、吸気量積算値が判定値未満のときは、診断の実行を保留する(診断保留フラグFCをオンにする)。一方、吸気量積算値が判定値以上のときは、診断の実行を許可する(ステップS230へ移行する)。なお、この構成を採用する場合には、ステップS120、S122及びS124の処理を省略することができる。
[変更例F2]:上記[変更例F1]において、吸気量積算値が判定値未満のとき、冷却水温度模擬値THWE(判定冷却水温度模擬値THWEfin)を小さくする補正を行う。そして、補正後の冷却水温度模擬値THWEと冷却水温度計測値THWMとの比較を通じて作動状態の診断を実行する。
[変更例F3]:上記[変更例F2]において、吸気量積算値の大きさに応じて冷却水温度模擬値THWEに対する補正度合いを変更する。この場合、吸気量積算値が小さくなるにつれて冷却水温度模擬値THWEの補正値が大きく設定される。すなわち、吸気量積算値の減少にともなって冷却水温度模擬値THWEがより小さい値に補正される。
なお、上記[変更例F]においては、「吸気量積算値が判定値未満」の条件が、「診断条件の成立前において特定状態(吸気温度センサの検出値と外気温度との差が上限値以上である状態)となった期間が上限期間以上であることを示す条件」に相当する。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態について、図12〜図15を参照して説明する。
本実施形態では、前記第1実施形態の「作動状態診断処理」を以下で説明するように変更している。なお、本実施形態において、以下で説明する構成以外については、前記第1実施形態と同様の構成となっている。また、前記第1実施形態と共通する部材及びパラメータについては、前記第1実施形態での説明を適用することができる。
本実施形態の「作動状態診断処理[2]」の概要について説明する。
対外気温度差DfTHWAの算出に際しては、基本的には初期吸気温度計測値THAMiniが最小吸気温度計測値THAMminとして採用される。一方で、先にも述べたように、吸気温度センサ91自体の温度上昇により吸気温度計測値THAMは外気温度を上回る値を示す。
そこで、本実施形態では、初期吸気温度計測値THAMiniを減少方向へ補正することで、外気温度との乖離が小さい最小吸気温度計測値THAMminに基づいて模擬水温変化量△THWEの算出が行われるようにしている。
また、アイドル状態と通常走行状態とでは、吸気温度センサ91の冷却度合いの違いにより吸気温度計測値THAMと外気温度との乖離度合いも異なるため、初期吸気温度計測値THAMiniに対する補正の度合いを異なる大きさに設定するようにしている。すなわち、アイドル状態における初期吸気温度計測値THAMiniの補正値(アイドル補正値THAI)を通常走行状態における初期吸気温度計測値THAMiniの補正値(通常走行補正値THAD)よりも大きく設定している。これにより、アイドル状態において補正された初期吸気温度計測値THAMiniは、通常走行状態において補正された初期吸気温度計測値THAMiniよりも小さな値となる。
<作動状態診断処理[2]>
本実施形態のエンジン2においては、サーモスタット61の作動状態を診断するための処理として「作動状態診断処理[2]」を実行するようにしている。「作動状態診断処理[2]」は、電子制御装置9を通じて所定の演算周期毎に繰り返し実行される。
図12〜図15を参照して、「作動状態診断処理[2]」の詳細な処理手順について説明する。
[ステップT100]冷却水温度模擬値THWEの更新を行うための「模擬水温更新処理[2](図13)」を開始する。「模擬水温更新処理[2]」の終了後は、ステップT200の処理へ移行する。
[ステップT200]冷却水温度計測値THWM及び冷却水温度模擬値THWEに基づいてサーモスタット61の異常の検出を行うための「異常状態検出処理[2](図15)」を開始する。「異常状態検出処理[2]」の終了後は、ステップT300の処理へ移行する。
[ステップT300]「異常状態検出処理[2]」を通じて、サーモスタット61の作動状態の診断が実行されたか否かを判定する。すなわち、サーモスタット61の作動状態が異常であることを示すフラグ(異常診断フラグFA)及びサーモスタット61の作動状態が正常であることを示すフラグ(正常診断フラグFB)のいずれかがオンにされているか否かを判定する。
・いずれかのフラグがオンにされているとき、ステップS310の処理へ移行する。
・いずれのフラグもオンにされていないとき、本処理を一旦終了する。
[ステップT310]異常診断フラグFAがオンにされているか否かを判定する。
・異常診断フラグFAがオンにされているとき、ステップT312の処理へ移行する。
・正常診断フラグFBがオンにされているとき、ステップT314の処理へ移行する。
[ステップT312]ウォーニングランプ15を点灯する。
[ステップT314]「作動状態診断処理」の終了を設定する。これにより、ステップT314の処理の終了ととも「作動状態診断処理[2]」が終了される。
<模擬水温更新処理[2]>
図12、図13及び図14を参照して、「模擬水温更新処理[2]」の処理手順について説明する。
[ステップT110]今回の演算周期がエンジン2の始動後における最初の演算周期か否かを判定する。
・最初の演算周期のとき、ステップT112の処理へ移行する。
・最初の演算周期でないとき、ステップT114の処理へ移行する。
[ステップT112]冷却水温度計測値THWMの初期値(初期冷却水温度計測値THWMini)を冷却水温度模擬値THWEの初期値(初期冷却水温度模擬値THWEini)として設定する。
[ステップT120]車両1の走行状態がアイドル状態か否かを判定する。ここでは、アイドル運転条件(以下の(a)及び(b)の条件)が成立しているときに走行状態がアイドル状態であると判断する一方で、アイドル運転条件が成立していないときに走行状態がアイドル状態でない(通常走行状態である)と判断するようにしている。なお、アイドル運転条件としては、以下の(a)及び(b)の条件に限られず適宜の条件を設定することができる。
(a)アクセルペダルの操作量が「0」(アクセルペダルが開放されている)。
(b)車速計測値SPDMが判定値未満(車両1の状態が停車またはそれに相当する状態にある)。
ステップT120の判定処理を通じて、次のように以降の処理が行われる。
・走行状態がアイドル状態のとき、ステップT122の処理へ移行する。
・走行状態が通常走行状態のとき、ステップT124の処理へ移行する。
[ステップT122]初期吸気温度計測値THAMiniからアイドル補正値THAIを減算してアイドル最小吸気温度THAIminを算出する。すなわち、下記[式21]を通じてアイドル最小吸気温度THAIminの算出を行う。

[式21]

THAImin ← THAMini − THAI

アイドル補正値THAIは、試験等を通じて予め設定されている。なお、アイドル補正値THAIを次のように設定することもできる。すなわち、今回のトリップにおける車両1の走行時間やアイドル状態の積算時間といった吸気温度センサ91の冷却度合いに影響するパラメータの少なくとも一つに基づいて、アイドル補正値THAIの大きさを変更することもできる。
[ステップT124]初期吸気温度計測値THAMiniから通常走行補正値THADを減算して通常走行最小吸気温度THADminを算出する。すなわち、下記[式22]を通じて通常走行最小吸気温度THADminの算出を行う。

[式22]

THADmin ← THAMini − THAD

通常走行補正値THADは、試験等を通じて予め設定されている。なお、通常走行補正値THADを次のように設定することもできる。すなわち、今回のトリップにおける車両1の走行時間やアイドル状態の積算時間といった吸気温度センサ91の冷却度合いに影響するパラメータの少なくとも一つに基づいて、通常走行補正値THADの大きさを変更することもできる。
[ステップT126]エンジン負荷LE、車速SPD及び対外気温度差DfTHWAに基づいて、模擬水温変化量△THWEを算出する。具体的には、次の[ステップT126−1]から[ステップT126−3]までの処理を通じて模擬水温変化量△THWEの算出を行う。
[ステップT126−1]次の(a)〜(d)の条件に従って、模擬水温変化量△THWEの算出に用いる最小吸気温度計測値THAMminを設定する。
(a)今回の演算周期においてアイドル最小吸気温度THAIminが算出された場合、且つ吸気温度センサ91を通じて得られた最小吸気温度計測値THAMminがアイドル最小吸気温度THAImin以上の場合、アイドル最小吸気温度THAIminを最小吸気温度計測値THAMminとして設定する。
(b)今回の演算周期においてアイドル最小吸気温度THAIminが算出された場合、且つ吸気温度センサ91を通じて得られた最小吸気温度計測値THAMminがアイドル最小吸気温度THAImin未満の場合、吸気温度センサ91の最小吸気温度計測値THAMminを最小吸気温度計測値THAMminとして設定する。
(c)今回の演算周期において通常走行最小吸気温度THADminが算出された場合、且つ吸気温度センサ91を通じて得られた最小吸気温度計測値THAMminが通常走行最小吸気温度THADmin以上の場合、通常走行最小吸気温度THADminを最小吸気温度計測値THAMminとして設定する。
(d)今回の演算周期において通常走行最小吸気温度THADminが算出された場合、且つ吸気温度センサ91を通じて得られた最小吸気温度計測値THAMminが通常走行最小吸気温度THADmin未満の場合、吸気温度センサ91の最小吸気温度計測値THAMminを最小吸気温度計測値THAMminとして設定する。
ちなみに、吸気温度センサ91の最小吸気温度計測値THAMminがアイドル最小吸気温度THAIminまたは通常走行最小吸気温度THADminを下回っている場合、吸気温度センサ91の冷却により吸気温度計測値THAM(最小吸気温度計測値THAMmin)と外気温度との乖離が縮小されたと推定される。そこで、本実施形態では吸気温度センサ91の最小吸気温度計測値THAMminを優先して模擬水温変化量△THWEの算出に用いるようにしている。なお、上記(b)及び(d)の条件の少なくとも一方を除いて最小吸気温度計測値THAMminの設定を行うこともできる。
[ステップT126−2]模擬水温変化量△THWEの算出に用いる上記各パラメータをそれぞれ以下に示す態様をもって設定する。
(a)今回の演算周期の吸気流量計測値GAM及び最大吸気流量GAmaxから算出した吸入空気率GAPをエンジン負荷LEとして設定する。
(b)今回の演算周期の車速計測値SPDMを車速SPDとして設定する。
(c)今回の演算周期の冷却水温度模擬値THWE及び最小吸気温度計測値THAMminから算出した対吸気温度差DfTHWBを対外気温度差DfTHWAとして設定する。
[ステップT126−3]エンジン負荷LE、車速SPD及び対外気温度差DfTHWAと模擬水温変化量△THWEとの関係が設定されたマップ(模擬水温変化量算出マップ(図9))に上記[ステップT126−2]の各パラメータを適用することにより、模擬水温変化量△THWEを算出する。なお、本実施形態においては、模擬水温変化量算出マップの設定形式として次のような形式を採用している。すなわち、エンジン負荷LE及び対外気温度差DfTHWAと模擬水温変化量△THWEとの関係を設定した2次元マップについて、このマップを所定の車速SPD毎に用意している。
[ステップT128]現在の冷却水温度模擬値THWE(前回の演算周期において算出された冷却水温度模擬値THWE)に模擬水温変化量△THWEを反映させることにより冷却水温度模擬値THWEを更新する。すなわち、下記[式23]を通じて、冷却水温度模擬値THWEの算出を行う。

[式23]

THWE ← THWE + △THWE

なお、本実施形態においては、時間に対して冷却水温度模擬値THWEの推移をトレースした曲線(模擬水温曲線LCC)が、サーモスタット61の正常時における実際の冷却水温度THWの推移をトレースした曲線(正常水温曲線LCA)とサーモスタット61の異常時における実際の冷却水温度THWの推移をトレースした曲線(異常水温曲線LCB)との間に位置するように模擬水温変化量△THWEが適合されている。すなわち、模擬水温曲線LCCと正常水温曲線LCAと異常水温曲線LCBとの関係が、図6に示される関係となるように冷却水温度模擬値THWEの更新が行われる。このため、上記[式11]を通じて算出された冷却水温度模擬値THWEは、サーモスタット61の正常時における実際の冷却水温度THWとは異なった値を示す。
図14を参照して、アイドル状態及び通常走行状態における最小吸気温度計測値THAMminの更新態様の一例について説明する。図14の各時刻tは、それぞれ次のタイミングを示す。
・時刻t141:エンジン2の運転が開始されたとき。
・時刻t142:車両1の走行状態がアイドル状態から通常走行状態へ変化したとき。
・時刻t143:「THAMmin<THADmin」の条件が成立したとき。
・時刻t144:車両1の走行状態が通常走行状態からアイドル状態へ変化したとき。
・時刻t145:車両1の走行状態がアイドル状態から通常走行状態へ変化したとき。
車両1の走行状態が上述のように変化した場合、最小吸気温度計測値THAMminは次のように更新される。
(A)時刻t141から時刻t142までの期間においては、走行状態がアイドル状態であるため、アイドル最小吸気温度THAIminが最小吸気温度計測値THAMminとして設定される。
(B)時刻t142から時刻t143までの期間においては、走行状態が通常走行状態であるため、通常走行最小吸気温度THADminが最小吸気温度計測値THAMminとして設定される。
(C)時刻t143から時刻t144までの期間においては、「THAMmin<THADmin」の条件が成立しているため、吸気温度センサ91の最小吸気温度計測値THAMminが模擬水温変化量△THWEの算出に用いられる。
(D)時刻t144から時刻t145までの期間においては、走行状態がアイドル状態であるため、アイドル最小吸気温度THAIminが最小吸気温度計測値THAMminとして設定される。
(E)時刻t145以降においては、「THAMmin<THADmin」の条件が成立しているため、吸気温度センサ91の最小吸気温度計測値THAMminが模擬水温変化量△THWEの算出に用いられる。
<異常状態検出処理[2]>
図15を参照して、「異常状態検出処理[2]」の処理手順について説明する。
[ステップT210]サーモスタット61の作動状態の診断を行うタイミングに達したか否か(診断条件が成立したか否か)を判定する。すなわち、冷却水温度計測値THWM及び冷却水温度模擬値THWEのいずれかが診断温度THWDに到達したか否かを判定する。
・冷却水温度計測値THWM及び冷却水温度模擬値THWEのいずれかが診断温度THWDに到達しているとき、ステップT220の処理へ移行する。
・冷却水温度計測値THWM及び冷却水温度模擬値THWEのいずれかもが診断温度THWDに到達していないとき、本処理を一旦終了する。
[ステップT220]冷却水温度模擬値THWEが冷却水温度計測値THWMよりも先に診断温度THWDへ到達したか否かを判定する。
・冷却水温度模擬値THWEが先に診断温度THWDへ到達しているとき、ステップT222の処理へ移行する。
・冷却水温度計測値THWMが先に診断温度THWDへ到達しているとき、ステップT224の処理へ移行する。
[ステップT222]異常診断フラグFAをオンにする。
[ステップT224]正常診断フラグFBをオンにする。なお、ステップT222またはステップT224の処理を通じてフラグが設定された後は、先のステップT300以降の処理を通じて「作動状態診断処理」が終了される。なお、ステップT222またはステップT224の処理を通じてオンにされたフラグは、ステップT314による「作動状態診断処理」の終了から次回の「作動状態診断処理」の開始まで間に初期化される(フラグがオフにされる)。
<実施形態の効果>
以上詳述したように、この第2実施形態にかかる内燃機関の冷却装置によれば、以下に示すような効果が得られるようになる。
(1)本実施形態の冷却装置では、吸気温度計測値THAM(初期吸気温度計測値THAMini)を補正した値に基づいて冷却水温度模擬値THWEを更新するようにしている。これにより、サーモスタット61の異常を誤って検出することが抑制されるようになるため、サーモスタット61の異常の検出精度を向上させることができるようになる。
(その他の実施形態)
その他、上記各実施形態に共通して変更することができる要素を以下に示す。
・上記各実施形態では、診断温度THWDを開弁温度THWTの基準値に基づいて設定するようにしたが、こうして態様を通じて設定した値に限られず適宜の値を診断温度THWDとして採用することができる。
・上記各実施形態では、冷却水温度THWに関連するパラメータ(冷却水温度計測値THWM及び冷却水温度模擬値THWE)に基づいて、作動状態の診断タイミングを設定するようにしたが、診断タイミングは上記パラメータに限られず適宜のパラメータ(例えば車両1の走行時間)に基づいて設定することができる。
・上記各実施形態では、センサユニット58内に吸気温度センサ91及びエアフローメータ92が備えられたエンジン2を想定したが、吸気温度センサ91とエアフローメータ92とが個別に備えられたエンジンについても上記各実施形態と同様に本発明を適用することができる。
・上記各実施形態では、燃焼室へ燃料を直接噴射するエンジンの冷却装置に対して本発明を適用したが、インテークポートへ燃料を噴射するエンジンをはじめとして冷却装置を備えたいずれのエンジンに対しても本発明を適用することができる。こうした場合にも、上記各実施形態に準じた態様をもって本発明を適用することにより、同実施形態の作用効果に準じた作用効果が奏せられるようになる。
本発明にかかる内燃機関の冷却装置を具体化した第1実施形態について、同冷却装置を搭載した車両の全体構成を示す構成図。 同実施形態の内燃機関について、その全体構成を示す構成図。 同実施形態の冷却装置について、その全体構成を示す構成図。 同実施形態の冷却装置について、冷却水の循環態様の一例を示す構成図。 同実施形態の冷却装置について、冷却水の循環態様の一例を示す構成図。 同実施形態の冷却装置について、冷却水の温度変化の一例を示すグラフ。 同実施形態において実行される「作動状態診断処理」について、その処理手順を示すフローチャート。 同実施形態において実行される「模擬水温更新処理」について、その処理手順を示すフローチャート。 同実施形態において実行される「模擬水温更新処理」について、同処理にて用いられる模擬水温変化量算出マップ。 同実施形態において実行される「模擬水温更新処理」について、同処理におけるアイドル水温変化量及び通常走行水温変化量の算出態様の一例を示すタイミングチャート。 同実施形態において実行される「異常状態検出処理」について、その処理手順を示すフローチャート。 本発明にかかる内燃機関の冷却装置を具体化した第2実施形態について、同実施形態において実行される「作動状態診断処理[2]」の処理手順を示すフローチャート。 同実施形態において実行される「模擬水温更新処理[2]」について、その処理手順を示すフローチャート。 同実施形態において実行される「模擬水温更新処理[2]」について、同処理における最小吸気温度補正値の算出態様の一例を示すタイミングチャート。 同実施形態において実行される「異常状態検出処理[2]」について、その処理手順を示すフローチャート。
符号の説明
1…車両、11…ホイール、12…エンジンルーム、13…キャビン、14…インジケーターパネル、15…ウォーニングランプ。
2…エンジン、21…クランクシャフト。
3…エンジン本体、31…冷却水、32…本体冷却水通路。
4…シリンダブロック、41…シリンダ、42…ウォータージャケット、43…ピストン、44…燃焼室、45…コネクティングロッド。
5…シリンダヘッド、51…インテークポート、52…インテークバルブ、53…インテークパイプ、54…エキゾーストポート、55…エキゾーストバルブ、56…エキゾーストパイプ、57…エアクリーナ、58…センサユニット、59…インジェクタ。
6…冷却装置、61…サーモスタット、61A…冷却水入口、61B…第1冷却水出口、61C…第2冷却水出口、61V…サーモスタットバルブ、62…ウォーターポンプ、62A…吸引口、62B…吐出口、63…ラジエータ、63A…冷却水入口、63B…冷却水出口。
7…冷却水供給管、71…第1冷却水供給管、71R…第1冷却水通路、72…第2冷却水供給管、72R…第2冷却水通路、73…第3冷却水供給管、73R…第3冷却水通路、74…第4冷却水供給管、74R…第4冷却水通路、75…第5冷却水供給管、75R…第5冷却水通路。
9…電子制御装置、91…吸気温度センサ、92…エアフローメータ、93…冷却水温度センサ、94…車速センサ。

Claims (28)

  1. ラジエータへの冷却水の供給量を調整するサーモスタットと、
    前記冷却水の温度を検出する冷却水温度検出手段と、
    前記冷却水の温度に相当する基準温度を吸気温度センサの検出値に基づいて推定する基準温度推定手段と、
    前記冷却水温度検出手段を通じて検出された前記冷却水の温度を検出温度として、診断条件が成立したときに前記検出温度と前記基準温度との比較に基づいて前記サーモスタットの作動状態を診断する診断手段とを備える内燃機関の冷却装置において、
    前記吸気温度センサの検出値と外気温度との差が上限値以上である状態を特定状態として、前記診断条件の成立前において前記特定状態となった期間が上限期間以上であることを示す条件が成立したとき、前記作動状態の診断を禁止する
    ことを特徴とする内燃機関の冷却装置。
  2. ラジエータへの冷却水の供給量を調整するサーモスタットと、
    前記冷却水の温度を検出する冷却水温度検出手段と、
    前記冷却水の温度に相当する基準温度を吸気温度センサの検出値に基づいて推定する基準温度推定手段と、
    前記冷却水温度検出手段を通じて検出された前記冷却水の温度を検出温度として、診断条件が成立したときに前記検出温度と前記基準温度との比較に基づいて前記サーモスタットの作動状態を診断する診断手段とを備える内燃機関の冷却装置において、
    内燃機関の始動から前記診断条件の成立までの期間を所定期間とし、この所定期間において車両の走行速度が基準速度以上のときに算出された前記基準温度の変化量を第1変化量とし、前記所定期間において車両の走行速度が前記基準速度未満のときに算出された前記基準温度の変化量を第2変化量として、前記第1変化量に対する前記第2変化量の割合が判定値以上のとき、前記作動状態の診断を禁止する
    ことを特徴とする内燃機関の冷却装置。
  3. ラジエータへの冷却水の供給量を調整するサーモスタットと、
    前記冷却水の温度を検出する冷却水温度検出手段と、
    前記冷却水の温度に相当する基準温度を吸気温度センサの検出値に基づいて推定する基準温度推定手段と、
    前記冷却水温度検出手段を通じて検出された前記冷却水の温度を検出温度として、診断条件が成立したときに前記検出温度と前記基準温度との比較に基づいて前記サーモスタットの作動状態を診断する診断手段とを備える内燃機関の冷却装置において、
    内燃機関の始動から前記診断条件の成立までの期間を所定期間とし、この所定期間における前記基準温度の変化量を第1変化量とし、前記所定期間において車両の走行速度が基準速度未満のときに算出された前記基準温度の変化量を第2変化量として、前記第1変化量に対する前記第2変化量の割合が判定値以上のとき、前記作動状態の診断を禁止する
    ことを特徴とする内燃機関の冷却装置。
  4. ラジエータへの冷却水の供給量を調整するサーモスタットと、
    前記冷却水の温度を検出する冷却水温度検出手段と、
    前記冷却水の温度に相当する基準温度を吸気温度センサの検出値に基づいて推定する基準温度推定手段と、
    前記冷却水温度検出手段を通じて検出された前記冷却水の温度を検出温度として、診断条件が成立したときに前記検出温度と前記基準温度との比較に基づいて前記サーモスタットの作動状態を診断する診断手段とを備える内燃機関の冷却装置において、
    内燃機関の始動から前記診断条件の成立までの期間を所定期間とし、この所定期間における前記基準温度の変化量を第1変化量とし、前記所定期間において車両の走行速度が基準速度以上のときに算出された前記基準温度の変化量を第2変化量として、前記第1変化量に対する前記第2変化量の割合が判定値未満のとき、前記作動状態の診断を禁止する
    ことを特徴とする内燃機関の冷却装置。
  5. ラジエータへの冷却水の供給量を調整するサーモスタットと、
    前記冷却水の温度を検出する冷却水温度検出手段と、
    前記冷却水の温度に相当する基準温度を吸気温度センサの検出値に基づいて推定する基準温度推定手段と、
    前記冷却水温度検出手段を通じて検出された前記冷却水の温度を検出温度として、診断条件が成立したときに前記検出温度と前記基準温度との比較に基づいて前記サーモスタットの作動状態を診断する診断手段とを備える内燃機関の冷却装置において、
    内燃機関の始動から前記診断条件が成立するまでの間に車両の走行速度が基準速度以上の状態である第1特定走行状態がなされた時間を第1所定時間とし、内燃機関の始動から前記診断条件が成立するまでの間に車両の走行速度が前記基準速度未満の状態である第2特定走行状態がなされた時間を第2所定時間として、前記第1所定時間に対する前記第2所定時間の割合が判定値以上のとき、前記作動状態の診断を禁止する
    ことを特徴とする内燃機関の冷却装置。
  6. ラジエータへの冷却水の供給量を調整するサーモスタットと、
    前記冷却水の温度を検出する冷却水温度検出手段と、
    前記冷却水の温度に相当する基準温度を吸気温度センサの検出値に基づいて推定する基準温度推定手段と、
    前記冷却水温度検出手段を通じて検出された前記冷却水の温度を検出温度として、診断条件が成立したときに前記検出温度と前記基準温度との比較に基づいて前記サーモスタットの作動状態を診断する診断手段とを備える内燃機関の冷却装置において、
    内燃機関の始動から前記診断条件が成立するまでの時間を第1所定時間とし、内燃機関の始動から前記診断条件が成立するまでの間に車両の走行速度が基準速度未満の状態である特定走行状態がなされた時間を第2所定時間として、前記第1所定時間に対する前記第2所定時間の割合が判定値以上のとき、前記作動状態の診断を禁止する
    ことを特徴とする内燃機関の冷却装置。
  7. ラジエータへの冷却水の供給量を調整するサーモスタットと、
    前記冷却水の温度を検出する冷却水温度検出手段と、
    前記冷却水の温度に相当する基準温度を吸気温度センサの検出値に基づいて推定する基準温度推定手段と、
    前記冷却水温度検出手段を通じて検出された前記冷却水の温度を検出温度として、診断条件が成立したときに前記検出温度と前記基準温度との比較に基づいて前記サーモスタットの作動状態を診断する診断手段とを備える内燃機関の冷却装置において、
    内燃機関の始動から前記診断条件が成立するまでの時間を第1所定時間とし、内燃機関の始動から前記診断条件が成立するまでの間に車両の走行速度が基準速度以上の状態である特定走行状態がなされた時間を第2所定時間として、前記第1所定時間に対する前記第2所定時間の割合が判定値未満のとき、前記作動状態の診断を禁止する
    ことを特徴とする内燃機関の冷却装置。
  8. ラジエータへの冷却水の供給量を調整するサーモスタットと、
    前記冷却水の温度を検出する冷却水温度検出手段と、
    前記冷却水の温度に相当する基準温度を吸気温度センサの検出値に基づいて推定する基準温度推定手段と、
    前記冷却水温度検出手段を通じて検出された前記冷却水の温度を検出温度として、診断条件が成立したときに前記検出温度と前記基準温度との比較に基づいて前記サーモスタットの作動状態を診断する診断手段とを備える内燃機関の冷却装置において、
    内燃機関の始動から前記診断条件の成立までの吸入空気量の積算値が判定値未満のとき、前記作動状態の診断を禁止する
    ことを特徴とする内燃機関の冷却装置。
  9. ラジエータへの冷却水の供給量を調整するサーモスタットと、
    前記冷却水の温度を検出する冷却水温度検出手段と、
    前記冷却水の温度に相当する基準温度を吸気温度センサの検出値に基づいて推定する基準温度推定手段と、
    前記冷却水温度検出手段を通じて検出された前記冷却水の温度を検出温度として、診断条件が成立したときに前記検出温度と前記基準温度との比較に基づいて前記サーモスタットの作動状態を診断する診断手段とを備える内燃機関の冷却装置において、
    前記吸気温度センサの検出値と外気温度との差が上限値以上である状態を特定状態として、前記診断条件の成立前において前記特定状態となった期間が上限期間以上であることを示す条件が成立したとき、前記基準温度を補正する補正手段を備える
    ことを特徴とする内燃機関の冷却装置。
  10. ラジエータへの冷却水の供給量を調整するサーモスタットと、
    前記冷却水の温度を検出する冷却水温度検出手段と、
    前記冷却水の温度に相当する基準温度を吸気温度センサの検出値に基づいて推定する基準温度推定手段と、
    前記冷却水温度検出手段を通じて検出された前記冷却水の温度を検出温度として、診断条件が成立したときに前記検出温度と前記基準温度との比較に基づいて前記サーモスタットの作動状態を診断する診断手段とを備える内燃機関の冷却装置において、
    内燃機関の始動から前記診断条件の成立までの期間を所定期間とし、この所定期間において車両の走行速度が基準速度以上のときに算出された前記基準温度の変化量を第1変化量とし、前記所定期間において車両の走行速度が前記基準速度未満のときに算出された前記基準温度の変化量を第2変化量として、前記第1変化量に対する前記第2変化量の割合が判定値以上のとき、前記基準温度を補正する補正手段を備える
    ことを特徴とする内燃機関の冷却装置。
  11. ラジエータへの冷却水の供給量を調整するサーモスタットと、
    前記冷却水の温度を検出する冷却水温度検出手段と、
    前記冷却水の温度に相当する基準温度を吸気温度センサの検出値に基づいて推定する基準温度推定手段と、
    前記冷却水温度検出手段を通じて検出された前記冷却水の温度を検出温度として、診断条件が成立したときに前記検出温度と前記基準温度との比較に基づいて前記サーモスタットの作動状態を診断する診断手段とを備える内燃機関の冷却装置において、
    内燃機関の始動から前記診断条件の成立までの期間を所定期間とし、この所定期間における前記基準温度の変化量を第1変化量とし、前記所定期間において車両の走行速度が基準速度未満のときに算出された前記基準温度の変化量を第2変化量として、前記第1変化量に対する前記第2変化量の割合が判定値以上のとき、前記基準温度を補正する補正手段を備える
    ことを特徴とする内燃機関の冷却装置。
  12. 請求項10または11に記載の内燃機関の冷却装置において、
    前記補正手段は、前記第1変化量に対する前記第2変化量の割合が増加するにつれて前記基準温度の補正度合いを大きくする
    ことを特徴とする内燃機関の冷却装置。
  13. ラジエータへの冷却水の供給量を調整するサーモスタットと、
    前記冷却水の温度を検出する冷却水温度検出手段と、
    前記冷却水の温度に相当する基準温度を吸気温度センサの検出値に基づいて推定する基準温度推定手段と、
    前記冷却水温度検出手段を通じて検出された前記冷却水の温度を検出温度として、診断条件が成立したときに前記検出温度と前記基準温度との比較に基づいて前記サーモスタットの作動状態を診断する診断手段とを備える内燃機関の冷却装置において、
    内燃機関の始動から前記診断条件の成立までの期間を所定期間とし、この所定期間における前記基準温度の変化量を第1変化量とし、前記所定期間において車両の走行速度が基準速度以上のときに算出された前記基準温度の変化量を第2変化量として、前記第1変化量に対する前記第2変化量の割合が判定値未満のとき、前記基準温度を補正する補正手段を備える
    ことを特徴とする内燃機関の冷却装置。
  14. ラジエータへの冷却水の供給量を調整するサーモスタットと、
    前記冷却水の温度を検出する冷却水温度検出手段と、
    前記冷却水の温度に相当する基準温度を吸気温度センサの検出値に基づいて推定する基準温度推定手段と、
    前記冷却水温度検出手段を通じて検出された前記冷却水の温度を検出温度として、診断条件が成立したときに前記検出温度と前記基準温度との比較に基づいて前記サーモスタットの作動状態を診断する診断手段とを備える内燃機関の冷却装置において、
    内燃機関の始動から前記診断条件が成立するまでの間に車両の走行速度が基準速度以上の状態である第1特定走行状態がなされた時間を第1所定時間とし、内燃機関の始動から前記診断条件が成立するまでの間に車両の走行速度が前記基準速度未満の状態である第2特定走行状態がなされた時間を第2所定時間として、前記第1所定時間に対する前記第2所定時間の割合が判定値以上のとき、前記基準温度を補正する補正手段を備える
    ことを特徴とする内燃機関の冷却装置。
  15. ラジエータへの冷却水の供給量を調整するサーモスタットと、
    前記冷却水の温度を検出する冷却水温度検出手段と、
    前記冷却水の温度に相当する基準温度を吸気温度センサの検出値に基づいて推定する基準温度推定手段と、
    前記冷却水温度検出手段を通じて検出された前記冷却水の温度を検出温度として、診断条件が成立したときに前記検出温度と前記基準温度との比較に基づいて前記サーモスタットの作動状態を診断する診断手段とを備える内燃機関の冷却装置において、
    内燃機関の始動から前記診断条件が成立するまでの時間を第1所定時間とし、内燃機関の始動から前記診断条件が成立するまでの間に車両の走行速度が基準速度未満の状態である特定走行状態がなされた時間を第2所定時間として、前記第1所定時間に対する前記第2所定時間の割合が判定値以上のとき、前記基準温度を補正する補正手段を備える
    ことを特徴とする内燃機関の冷却装置。
  16. 請求項14または15に記載の内燃機関の冷却装置において、
    前記補正手段は、前記第1所定時間に対する前記第2所定時間の割合が増加するにつれて前記基準温度の補正度合いを大きくする
    ことを特徴とする内燃機関の冷却装置。
  17. ラジエータへの冷却水の供給量を調整するサーモスタットと、
    前記冷却水の温度を検出する冷却水温度検出手段と、
    前記冷却水の温度に相当する基準温度を吸気温度センサの検出値に基づいて推定する基準温度推定手段と、
    前記冷却水温度検出手段を通じて検出された前記冷却水の温度を検出温度として、診断条件が成立したときに前記検出温度と前記基準温度との比較に基づいて前記サーモスタットの作動状態を診断する診断手段とを備える内燃機関の冷却装置において、
    内燃機関の始動から前記診断条件が成立するまでの時間を第1所定時間とし、内燃機関の始動から前記診断条件が成立するまでの間に車両の走行速度が基準速度以上の状態である特定走行状態がなされた時間を第2所定時間として、前記第1所定時間に対する前記第2所定時間の割合が判定値未満のとき、前記基準温度を補正する補正手段を備える
    ことを特徴とする内燃機関の冷却装置。
  18. ラジエータへの冷却水の供給量を調整するサーモスタットと、
    前記冷却水の温度を検出する冷却水温度検出手段と、
    前記冷却水の温度に相当する基準温度を吸気温度センサの検出値に基づいて推定する基準温度推定手段と、
    前記冷却水温度検出手段を通じて検出された前記冷却水の温度を検出温度として、診断条件が成立したときに前記検出温度と前記基準温度との比較に基づいて前記サーモスタットの作動状態を診断する診断手段とを備える内燃機関の冷却装置において、
    内燃機関の始動から前記診断条件の成立までの吸入空気量の積算値が判定値未満のとき、前記基準温度を補正する補正手段を備える
    ことを特徴とする内燃機関の冷却装置。
  19. 請求項18に記載の内燃機関の冷却装置において、
    前記補正手段は、前記積算値が小さくなるにつれて前記基準温度の補正度合いを大きくする
    ことを特徴とする内燃機関の冷却装置。
  20. 請求項9〜19のいずれか一項に記載の内燃機関の冷却装置において、
    前記補正手段は、前記基準温度を小さくする方向へ補正する
    ことを特徴とする内燃機関の冷却装置。
  21. ラジエータへの冷却水の供給量を調整するサーモスタットと、
    前記冷却水の温度を検出する冷却水温度検出手段と、
    前記冷却水の温度に相当する基準温度を吸気温度センサの検出値に基づいて推定する基準温度推定手段と、
    前記冷却水温度検出手段を通じて検出された前記冷却水の温度を検出温度として、診断条件が成立したときに前記検出温度と前記基準温度との比較に基づいて前記サーモスタットの作動状態を診断する診断手段とを備える内燃機関の冷却装置において、
    車両走行状態に応じて予め定められた補正量に基づいて前記吸気温度センサの検出値を小さくする方向に補正し、この補正をした後の検出値である補正後計測値に基づいて前記基準温度を算出する補正手段を備える
    ことを特徴とする内燃機関の冷却装置。
  22. 請求項21に記載の内燃機関の冷却装置において、
    前記補正手段は、機関始動後の運転初期に前記吸気温度センサを通じて検出された値である初期計測値について、これを小さくする方向に補正した値を前記補正後計測値として設定する
    ことを特徴とする内燃機関の冷却装置。
  23. ラジエータへの冷却水の供給量を調整するサーモスタットと、
    前記冷却水の温度を検出する冷却水温度検出手段と、
    前記冷却水の温度に相当する基準温度を吸気温度センサの検出値に基づいて推定する基準温度推定手段と、
    前記冷却水温度検出手段を通じて検出された前記冷却水の温度を検出温度として、診断条件が成立したときに前記検出温度と前記基準温度との比較に基づいて前記サーモスタットの作動状態を診断する診断手段とを備える内燃機関の冷却装置において、
    機関始動後の運転初期に前記吸気温度センサを通じて検出された値である初期計測値について、これを小さくする方向に補正した値を補正後計測値として設定し、機関始動後に前記吸気温度センサを通じて検出された値のうちの最小のものを最小計測値として設定し、これら補正後計測値と最小計測値とのうちの小さい方の値に基づいて前記基準温度を算出する補正手段を備える
    ことを特徴とする内燃機関の冷却装置。
  24. 請求項21〜23のいずれか一項に記載の内燃機関の冷却装置において、
    前記補正手段は、車両の走行速度が基準速度未満のときの前記吸気温度センサの検出値に対する補正度合いである第1補正度合いについて、これを車両の走行速度が前記基準速度以上のときの前記吸気温度センサの検出値に対する補正度合いである第2補正度合いよりも大きく設定する
    ことを特徴とする内燃機関の冷却装置。
  25. ラジエータへの冷却水の供給量を調整するサーモスタットと、
    前記冷却水の温度を検出する冷却水温度検出手段と、
    前記冷却水の温度に相当する基準温度を吸気温度センサの検出値に基づいて推定する基準温度推定手段と、
    前記冷却水温度検出手段を通じて検出された前記冷却水の温度を検出温度として、診断条件が成立したときに前記検出温度と前記基準温度との比較に基づいて前記サーモスタットの作動状態を診断する診断手段とを備える内燃機関の冷却装置において、
    前記吸気温度センサの検出値を小さくする方向に補正した値である補正後計測値に基づいて前記基準温度を算出する補正手段を備え、
    この補正手段は、車両の走行状態がアイドル状態のときの前記吸気温度センサの検出値に対する補正度合いを第1補正度合いとし、車両の走行状態がアイドル状態以外のときの前記吸気温度センサの検出値に対する補正度合いを第2補正度合いとして、第1補正度合いを第2補正度合いよりも大きく設定する
    ことを特徴とする内燃機関の冷却装置。
  26. 請求項25に記載の内燃機関の冷却装置において、
    前記補正手段は、機関始動後の運転初期に前記吸気温度センサを通じて検出された値である初期計測値について、これを小さくする方向に補正した値を前記補正後計測値として設定する
    ことを特徴とする内燃機関の冷却装置。
  27. 請求項24〜26のいずれか一項に記載の内燃機関の冷却装置において、
    前記補正手段は、前記吸気温度センサの冷却度合いに影響を及ぼすパラメータに基づいて前記第1補正度合い及び前記第2補正度合いの少なくとも一方を変更する
    ことを特徴とする内燃機関の冷却装置。
  28. 請求項1〜27のいずれか一項に記載の内燃機関の冷却装置において、
    前記基準温度推定手段は、前記サーモスタットに異常が生じていないことを前提として前記基準温度を推定する
    ことを特徴とする内燃機関の冷却装置。
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